説明

画像形成装置

【課題】像担持体上の転写残留物をクリーニングブレードにより除去する画像形成装置において、該クリーニングブレードのトナー凝集物、紙粉等の噛み込み物を、画像生産性を実用上問題視すべきほど低下させることなく、簡単に除去でき、クリーニングブレードによる像担持体上残留物の除去を長期にわたり安定化させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】正転駆動される像担持体1の表面上にトナー像を形成し、像担持体1表面上に形成したトナー像を被転写体Sに転写し、該転写により像担持体1表面上に残留する残留物を像担持体1表面に接触させたクリーニングブレード61で除去し、ブレード61のクリーニングにあたっては、像担持体1を逆転させる画像形成装置A。像担持体1の正転動作においても、逆転動作においてもブレード61を像担持体表面移動方向を横切る方向に横移動させる。ブレード横移動量(或いは横移動速さ)を、像担持体正転動作におけるそれより、像担持体逆転動作におけるそれの方を大きく設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ機、これらの2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、一般的には、表面が移動するように駆動される感光体のような静電潜像担持体の該表面を帯電装置で帯電させ、該帯電域に画像露光装置から、形成しようとする画像に応じた露光を施して静電潜像を形成し、該静電潜像を現像装置により現像して可視トナー像を形成し、該可視トナー像を転写装置にて被転写体に転写する。
【0003】
かかる画像形成装置は、モノクロ画像形成装置と2色以上のトナーを用いて画像形成できるカラー画像形成装置(代表的なものはフルカラー画像形成装置)に大別できる。
モノクロ画像形成装置では、一般的には、感光体のような静電潜像担持体上に形成されるトナー像は、転写装置により直接、被転写体である記録媒体に転写され、定着される。転写により該像担持体上に残留する転写残トナー等の残留物はクーニング装置により該像担持体から除去される。
【0004】
カラー画像形成装置としては、所謂4サイクル型カラー画像形成装置やタンデム型カラー画像形成装置等が知られている。
4サイクル型カラー画像形成装置は、感光体のような静電潜像担持体表面を帯電させ、その帯電域に画像露光を施して静電潜像を形成し、該静電潜像を現像装置で現像してトナー像を形成する。かかるトナー像形成においては、互いに異なる色のトナーを収容した複数の現像装置を順次用いて、順次異なる色のトナー像を該静電潜像担持体上に形成する。さらに、該静電潜像担持体上に形成されるトナー像を、1次転写装置を用いて順次、重ねて中間転写体上に1次転写し、かくして形成される中間転写体上の多重トナー像を2次転写装置で、被転写体である記録媒体に2次転写し、定着させて、カラー画像を得る。
【0005】
なお、静電潜像担持体上に順次形成される各色のトナー像を、中間転写体を介さず、記録媒体支持体上に支持された、被転写体である記録媒体に直接転写するカラー画像形成装置もある。
【0006】
タンデム型のカラー画像形成装置では、感光体のような静電潜像担持体、その表面を帯電させる帯電装置、画像露光装置、静電潜像担持体上の静電潜像を現像する現像器等を含む画像形成部が、トナーの色に応じて複数、中間転写体に沿って順次配置されており、各画像形成部において静電潜像担持体上に形成されるトナー像は、1次転写装置により中間転写体に重ねて1次転写され、該中間転写体上の多重トナー像が2次転写装置により被転写体である記録媒体に2次転写され、定着される。
【0007】
カラー画像形成装置で採用される中間転写体は、被転写体の1種でもあり、また、トナー像が形成される像担持体でもあり、一般的には、中間転写ベルト等の中間転写部材である。
【0008】
カラー画像形成装置においても、一般的には、転写後、感光体のような静電潜像担持体上に残留する残留物は該像担持体に対して設けられたクリーニング装置で除去され、中間転写体を採用している装置では、2次転写後、中間転写体上に残留する残留物は該中間転写体に対して設けられたクリーニング装置により除去される。
【0009】
なお、モノクロ画像形成装置であれ、カラー画像形成装置であれ、静電潜像を形成する感光体のような像担持体はドラム型の場合もあるが、回転駆動されるベルト型の場合(像担持体ベルトの場合)もある。また、中間転写体は、ベルト型の中間転写ベルトである場合が多いが、ドラム型の中間転写部材の場合もある。
【0010】
モノクロ画像形成装置であれ、カラー画像形成装置であれ、かかるクリーニング装置の代表的なものとして、像担持体表面に接触配置されることで転写残トナー等の残留物を除去するクリーニングブレードを有するものを挙げることができる。
【0011】
この場合、クリーニングブレードによって像担持体から除去しようとする転写残留物の中には、トナーの凝集物や、記録媒体から生じた粉(以下、「紙粉」という。)等の異物も混じっていることが多々ある。
【0012】
かかる紙粉、トナーの凝集物等の異物は、クリーニングブレードの像担持体に接触しているエッジに噛み込まれてブレードから離れがたくなることが多々ある。
このようにブレードに付着した紙粉、トナー凝集物等をそのまま放置して、該ブレードによる像担持体のクリーニングを続けると、該付着した紙粉、トナー凝集物等のために像担持体表面の拭き残しによるクリーニング不良が発生し、ひいては画像不良を招く。
【0013】
そこで、クリーニングブレードのクリーニングのために、所定のタイミングで像担持体を逆転動作させることで、かかる紙粉等の異物をブレードから除去することが提案されている。
例えば、特開平9−204127号公報には、クリーニングブレードのクリーニングを像担持体の逆転動作により行うようにし、その像担持体逆転動作の間隔を、用いる記録紙の紙質に応じて設定することが記載されている。
【0014】
特開平9−211924号公報には、クリーニングブレードのクリーニングを像担持体の逆転動作により行うようにし、その像担持体逆転動作の量や頻度を選択できるようにすることが記載されている。
【0015】
【特許文献1】特開平9−204127号公報
【特許文献2】特開平9−211924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、クリーニングブレードのクリーニングのために、単に像担持体を逆転動作させるだけでは、ブレードからのトナー凝集物、紙粉等の除去力に限りがあり、ブレードに噛み込まれたトナー凝集物、紙粉等は剥がれ難い。かかるトナー凝集物や紙粉等を除去しようとして像担持体の逆転動作量を多くしたり、逆転頻度を多くしても、ブレードからのトナー凝集物、紙粉等の除去力そのものが高められるわけではなく、それどころか、逆転動作量を多くしたり、逆転頻度を多くする分、画像生産性が低下してしまう。
【0017】
そこで本発明は、正転駆動される像担持体表面上にトナー像を形成し、該像担持体表面上に形成したトナー像を被転写体に転写し、該転写により像担持体表面上に残留する残留物を該像担持体表面に接触させたクリーニングブレードで除去し、該クリーニングブレードのクリーニングにあたっては、該像担持体を逆転させる画像形成装置であって、該像担持体上の残留物を該クリーニングブレードで除去するときには、トナー凝集物、紙粉等の該ブレードの噛み込みを抑制でき、該クリーニングブレードに噛み込まれてしまったトナー凝集物、紙粉等については、画像生産性を実用上問題視すべきほど低下させることなく、簡単に除去でき、これらにより、クリーニングブレードによる像担持体上残留物の除去を安定化させることができ、しかも長期にわたり安定化させることができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題を解決するため本発明は、次の第1及び第2の画像形成装置を提供する。
(1)第1の画像形成装置
正転駆動される像担持体表面上にトナー像を形成し、該像担持体表面上に形成したトナー像を被転写体に転写し、該転写により像担持体表面上に残留する残留物を該像担持体表面に接触させたクリーニングブレードで除去し、該クリーニングブレードのクリーニングにあたっては、該像担持体を逆転させる画像形成装置であり、該像担持体の正転駆動による正転動作において該クリーニングブレードを該像担持体の表面移動方向を横切る方向に横移動させ、該像担持体の逆転駆動による逆転動作においても該クリーニングブレードを該像担持体の表面移動方向を横切る方向に横移動させ、該クリーニングブレードの像担持体逆転動作における横移動量を像担持体正転動作における横移動量より大きくする画像形成装置。
【0019】
(2)第2の画像形成装置
正転駆動される像担持体表面上にトナー像を形成し、該像担持体表面上に形成したトナー像を被転写体に転写し、該転写により像担持体表面上に残留する残留物を該像担持体表面に接触させたクリーニングブレードで除去し、該クリーニングブレードのクリーニングにあたっては、該像担持体を逆転させる画像形成装置であり、該像担持体の正転駆動による正転動作において該クリーニングブレードを該像担持体の表面移動方向を横切る方向に横移動させ、該像担持体の逆転駆動による逆転動作においても該クリーニングブレードを該像担持体の表面移動方向を横切る方向に横移動させ、該クリーニングブレードの像担持体逆転動作における横移動の速さを像担持体正転動作における横移動の速さより大きくする画像形成装置。
【0020】
本発明に係る第1、第2のいずれの画像形成装置においても、像担持体の正転駆動による正転動作においてクリーニングブレードを該像担持体の表面移動方向を横切る方向に横移動させるので、該像担持体上の残留物を該クリーニングブレードで除去するときには、それだけ、トナー凝集物、紙粉等(以下、これらを「異物」と総称することがある。)の該ブレードへの噛み込みを抑制できる。
【0021】
また、第1、第2のいずれの画像形成装置においても、クリーニングブレードのクリーニングにあたっては、該ブレードが接触している像担持体を逆転動作させるだけでく、該逆転動作において該クリーニングブレードを該像担持体の表面移動方向を横切る方向に横移動させる。従って、クリーニングブレードが異物を噛み込んでいても、該異物に、像担持体の逆転動作によりブレードからの引きずり出し力が加わるとともに、ブレードの横移動により横方向への移動力も加わり、それら力の合成により、ブレードに噛み込まれた異物に捩じれ力様の力を作用させることができる。
【0022】
かかる捩じれ力様の力の作用により、単に像担持体を逆転動作させるだけの場合より、容易に、該トナー凝集物や紙粉等の異物をブレードから除去することができる。記録媒体として紙粉発生量の多い再生紙やコットン紙等を採用するような場合でも、従来ほどに像担持体の逆転動作量を大きくしたり、ブレードクリーニング頻度を高めたりしなくても、異物をブレードから簡単、容易に除去することができる。
かくして、クリーニングブレードの異物の噛み込み物を、画像生産性を実用上問題視すべきほど低下させることなく、許容できる程度として、簡単に除去できる。
【0023】
さらに、このように、像担持体の正転動作においても、逆転動作においても、クリーングブレードを横移動させるが、第1の画像形成装置では、該クリーニングブレードの像担持体逆転動作における横移動量を像担持体正転動作における横移動量より大きく設定し、第2の画像形成装置では、該クリーニングブレードの像担持体逆転動作における横移動の速さを像担持体正転動作における横移動の速さより大きく設定する。
【0024】
すなわち、本発明に係る画像形成装置によると、像担持体の正転動作におけるクリーニングブレードの横移動量又は横移動速さをトナー凝集物、紙粉等の異物の噛み込みを抑制できる範囲でできるだけ小さく設定できる一方、像担持体の逆転動作におけるクリーニングブレードの横移動量又は横移動速さを、クリーニングブレードのクリーニングを十分行えるように、像担持体正転動作におけるそれより大きく設定することができる。
【0025】
それにより、クリーニングブレードの異物噛み込みを抑制しつつクリーニングブレードのクリーニングを行うために、像担持体の正転動作においても、逆転動作においても、クリーングブレードを横移動させる割りには、全体として、クリーニングブレードの横移動量を抑制して、その摩耗等による損傷を抑制することができる。
【0026】
かくして、本発明に係る第1、第2のいずれの画像成形装置においても、クリーニングブレードによる像担持体上残留物の除去を安定化させることができ、しかも、ブレードの損傷を抑制して、長期にわたり安定化させることができる。
【0027】
なお、第1、第2の画像形成装置のいずれにおいても、クリーニングブレードのクリーニング時に、像担持体の逆転動作とブレードの横移動とにより、ブレードから異物を除去してそれを、それが噛み込まれていたブレード部位の真っ直ぐ前方(像担持体の正転動作における、真っ直ぐ上流側)ではなく、斜め前方に向け除去してそこに位置させることができる。そのように除去することで、異物をブレードから除去した後に、再び、像担持体を正転動作させたとき、かかる除去された異物は、それらがもとあったブレード上の部位とは異なる部位へ到来しやすくなり、そこでは、該異物がもとあった部位におけるよりも、該異物の再度の噛み込みは抑制され、該ブレードにより像担持体から除去されやすい。
【0028】
クリーニングブレードの横移動は像担持体の正転動作及び逆転動作において行えばよいが、ブレードを横移動開始させるタイミングとして、像担持体の正転動作においては、例えば、像担持体の正転動作の開始と同時或いは略同時を挙げることができ、像担持体の逆転動作においては、像担持体の逆転動作の開始と同時或いは略同時を挙げることかできる。
【0029】
クリーニングブレードの像担持体の正転動作及び逆転動作のそれぞれにおける横移動は、左右いずれか片方への移動でもよく、左右への移動でもよい。像担持体の逆転動作量やブレードの横移動量、ブレードクリーニングの頻度等は、クリーニングブレードを所望状態にクリーニングでき、それだけ良好な画像を形成できる程度に、例えば予め実験等により定めた量や頻度とすることができる。
【0030】
本発明は、モノクロ画像形成装置、カラー画像形成装置等の各種画像形成装置に適用可能である。モノクロ画像形成装置の場合には、前記クリーニングブレードによる転写残トナー等の残留物の除去対象である前記像担持体の代表例として、感光体等の静電潜像担持体を挙げることができ、被転写体として記録媒体を挙げることができる。
【0031】
カラー画像形成装置の場合には、かかる像担持体として、感光体等の静電潜像担持体又は(及び)中間転写ベルト等の中間転写体(但し、中間転写体を採用している画像形成装置の場合)を例示できる。
また、かかる像担持体からトナー像が転写される前記被転写体として、静電潜像担持体に対する記録媒体或いは中間転写ベルト等の中間転写体(但し、中間転写体を採用している画像形成装置の場合)、又は(及び)中間転写体に対する記録媒体を例示できる。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように本発明によると、正転駆動される像担持体表面上にトナー像を形成し、該像担持体表面上に形成したトナー像を被転写体に転写し、該転写により像担持体表面上に残留する残留物を該像担持体表面に接触させたクリーニングブレードで除去し、該クリーニングブレードのクリーニングにあたっては、該像担持体を逆転させる画像形成装置であって、該像担持体上の残留物を該クリーニングブレードで除去するときには、トナー凝集物、紙粉等の該ブレードへの噛み込みを抑制でき、該クリーニングブレードに噛み込まれてしまったトナー凝集物、紙粉等については、画像生産性を実用上問題視すべきほど低下させることなく、簡単に除去でき、これらにより、クリーニングブレードによる像担持体上残留物の除去を安定化させることができ、しかも長期にわたり安定化させることができる画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置例の構成の概略を示している。
図1の画像形成装置Aはモノクロ画像を形成する画像形成装置であり、像担持体としてドラム型の感光体1を備えており、感光体1の周囲に帯電装置2、画像露光装置3、現像装置4、転写ローラ5、クリーニング装置6及びイレーサ7がこの順序で配置されている。クリーニング装置6は、感光体1の表面に接触配置されたクリーニングブレード61を有している。
【0034】
クリーニング装置6にはブレード横移動装置60が設けられている。横移動装置60は、図2にも示すように、ブレード61を支持している部材である、ここではクリーニング装置ケース62に設けたラックギア601、これに噛み合うピニオンギア602及びピニオンギア602を正逆回転駆動可能、回転速度変更可能のモータ603を含んでいる。モータ603の運転にて、ブレード61を、感光体1表面に接触させたまま感光体表面移動方向を横切る方向に横移動させることができる。ブレード横移動装置60はこれに限定されるものではなく、ブレード61を横移動させ得る、各種構造のものを採用できる。
【0035】
図4は、図1に示す画像形成装置の動作を制御する制御回路の概略を示している。この制御回路は、画像形成装置全体の動作を制御する制御部Cont1を含んでいる。図4に示すように、感光体1の回転駆動モータ、帯電装置2へ帯電電圧を印加する電源、画像露光装置3、現像装置4の現像ローラ41等を回転駆動するモータ、現像ローラ41に現像バイアスを印加する電源、転写ローラ5に転写電圧を印加する電源、ブレード横移動装置60等は、制御部Cont1の指示に基づいて所定のタイミングで動作する。
【0036】
また、制御部Cont1には、操作パネル等も接続されている。操作パネルには、画像形成の開始を指示するキー、画像形成枚数を設定するテンキー、制御部Cont1からの情報等を表示するディスプレイ等が搭載されている。
【0037】
画像形成装置Aは、制御部Cont1の指示のもとに、次のように画像形成を行える。 正転(図中CW方向回転)駆動される感光体1の表面が、帯電装置電源から帯電用電圧が印加される帯電装置2により所定電位に一様に帯電され、その帯電域に、コンピュータ等から画像情報が供給される画像露光装置3により画像露光が施されて静電潜像が形成され、該静電潜像が現像装置4にて、現像バイアス電源からの現像バイアス印加のもとに現像されて可視トナー像となる。
【0038】
一方、図示省略の記録紙等の記録媒体の供給部から記録媒体Sが供給され、感光体1上に形成されたトナー像の到来に合わせて感光体1と転写ローラ5との間に送り込まれる。 かくして、感光体1上のトナー像は、転写バイアス電源から転写バイアスを印加された転写ローラ5にて記録媒体Sに転写され、ひき続き、図示省略の定着装置にて該記録媒体に定着される。このようにして画像形成される。
【0039】
転写後、感光体1上に残留する転写残トナー等の残留物は、クリーニング装置6にて除去清掃され転写後、感光体1に残留する電荷はイレーサ7にて消去される。
ところで、感光体1には、トナー像の転写時に、記録紙に代表される記録媒体Sが接触するので、感光体1には転写残トナーだけでなく、記録媒体粉(以下、「紙粉」という)も付着する。従って、画像形成を繰り返し、それに伴ってクリーニングブレード61により感光体1表面のクリーニングを繰り返すうちに、クリーニングブレード61は、紙粉を噛み込んだり、また、トナー凝集物等も噛み込んだりするようになる。ブレード61が噛み込んだ紙粉、トナー凝集物等の異物は、これを放置しておくと、かかる異物のために感光体1表面の拭き残しによるクリーニング不良が発生し、ひいては画像不良を招く。
【0040】
そこで、画像形成装置Aにおいては、例えば、感光体1の正転動作の開始と同時又は略同時に(従って、通常の感光体クリーニングの開始と同時又は略同時に)、制御部Cont1の指示のもとに、ブレード横移動装置60のモータ603の運転によりブレード61を感光体表面移動方向を横切る方向に横移動させ、それにより、トナー凝集物、紙粉等の異物のブレード61への噛み込みを抑制する。
さらに、画像形成に支障の無い所定のタイミングでクリーニングブレード61のクリーニングを、制御部Cont1の指示のもとに行う。
【0041】
ブレード61のクリーニングにおいては、制御部Cont1の指示のもとに感光体駆動モータが逆転運転され、それにより感光体1が逆転(図中CCW方向回転)動作せしめられる。さらに、本例では、感光体1の逆転動作の開始と同時又は略同時にブレード横移動装置60のモータ603が運転され、それによりブレード61が感光体表面移動方向を横切る方向に横移動される。
【0042】
このことから分かるように、制御部Cont1は、像担持体(ここでは感光体1)を正転動作させたり、逆転動作させたり、クリーニングブレード(ここではブレード61)を横移動させるための、像担持体駆動部(ここでは感光体駆動モータ)及びブレード横移動装置60の制御部を含んでいる。
【0043】
既述のとおり、従来においても、クリーニングブレードから噛み込み異物を除去するために感光体、中間転写体等の像担持体を逆転させることは提案され、例えば、画像形成枚数が100枚ごとに10mm程度逆転させる、というように像担持体の逆転を行うことが提案されており、記録媒体が上質紙より紙粉を多く発生させる再生紙やコットン紙等である場合は、逆転量を例えば50mmに増加させたり、逆転頻度を、例えば画像形成枚数が10枚ごと、というように高めることが提案されていた。しかし、像担持体を逆転させるためには、例えば、複数枚の画像を連続して形成する連続プリント中においても、強制的にプリント終了処理を行ったうえで、像担持体の逆転を開始しなければならない。そのため、逆転量を増加させたり、逆転頻度を高めると、実質の画像形成速度、換言すれば、画像生産性が低下した。
【0044】
しかし、画像形成装置Aによると、感光体1の正転動作においてもブレード61は横移動されてブレードへの異物の噛み込みが抑制されるうえ、クリーニングブレード61のクリーニングにあたっては、前記したように、ブレード61が接触している感光体1を逆転動作させるだけでく、該逆転動作においてブレード61を感光体1表面の移動方向を横切る方向に横移動させる。従って、ブレード61のクリーニングにおいては、ブレード61がトナー凝集物、紙粉等の異物wを噛み込んでいても、図3に例示するように、例えばブレード61を図上左方向Lへ横移動させることで、異物wに、感光体1の逆転動作によりブレードからの引きずり出し力Faが加わるとともに、ブレード61の横移動により横方向への移動力Fbも加わり、それら力の合成力Fcにより、ブレード61に噛み込まれた異物wに捩じれ力様の力を作用させることができる。かかる捩じれ力様の力の作用により、単に感光体1を逆転動作させるだけの場合より、容易に、異物wをブレード61から除去することができる。
【0045】
従って、クリーニングブレード61のクリーニングにあたって、記録媒体として上質紙が用いられる場合は勿論のこと、たとえ紙粉発生量の多い再生紙やコットン紙等が用いられる場合においても、クリーニングブレード61の噛み込み異物除去のために、感光体1の逆転動作量を格別大きくしたり、また、感光体1の逆転頻度を格別高めたりしなくても、容易に該異物を除去することができ、それ故、クリーニングブレード61のクリーニングのために格別画像生産性の低下を招くことはない。
【0046】
また、画像形成装置Aによると、ブレード61の横移動量は制御部Cont1により次のように制御される。すなわち、感光体1の正転動作におけるブレード61の横移動量は、異物のブレードへの噛み込みを抑制できる程度に小さく設定され、ブレード61は小さく横移動する一方、ブレードクリーニングにおける、すなわち、感光体1の逆転動作におけるブレード61の横移動量は異物wをブレード61から除去できるように、感光体正転動作におけるブレード横移動量より大きく設定され、ブレード61は感光体正転動作におけるより大きい振幅で横移動する。
【0047】
ブレードクリーニングにおいてはブレード61がこのように大きく横移動することで、ブレード61と感光体表面とのニップにおいて異物wに転がり力を効率的に与えることもでき、かかる転がり力も手伝って、異物wは容易に除去される。
なお、かかる転がり力が少ないと、異物wがちぎれ、該ちぎれたもののうち、ニップ入口側(感光体1の正転動作において上流側の部位)にあるものは除去されても、ニップ奥側にあるものは除去されにくくなる。しかし、ここでは、感光体逆転動作におけるブレード61の横移動量は異物wをブレード61から除去できるように、感光体正転動作におけるブレード横移動量より大きく設定されるので、異物wは除去されやすい。
【0048】
感光体正転動作におけるブレード横移動量を感光体逆転動作におけるブレード横移動量と同じ程度に設定すると、ブレードエッジの損傷が大きくなり、ブレード61の寿命がそれだけ短くなってしまう。また、感光体正転動作におけるブレード横移動量を大きく設定すると、ブレード61の横移動に伴ってブレード両端からトナーの漏れが発生し易くなる。
【0049】
しかし、ここでは、感光体正転動作におけるブレード横移動量は異物のブレードへの噛み込みを抑制できる程度に、また、ブレード横移動に伴うトナーの漏れが発生しない程度に小さく設定されるので、ブレード61の異物噛み込みを抑制しつつブレード61のクリーニングを行うために、感光体正転動作においても、逆転動作においても、ブレード61を横移動させる割りには、全体として、ブレード61の横移動量を抑制して、その摩耗等による損傷を抑制することができ、また、トナーの漏れを防止することもできる。
【0050】
なお、感光体1の正転動作におけるブレード61の横移動の速さを異物のブレードへの噛み込みを抑制できる程度に小さく設定し、ブレード61を緩やかに横移動させる一方、ブレードクリーニングにおける、すなわち、感光体1の逆転動作におけるブレード61の横移動の速さを異物wをブレード61から除去できるように、感光体正転動作におけるブレード横移動の速さより大きく設定しても、全体として、ブレード61の摩耗等による損傷を抑制することができる。
【0051】
クリーニングブレード61の感光体正転動作や逆転動作における横移動は、左右いずれか片方への移動でもよく、左右へ往復移動させる等してもよい。感光体1の逆転動作量やブレード61の横移動量、ブレードクリーニングの頻度等は、クリーニングブレード61を所望状態にクリーニングでき、それにより良好な画像を形成できる程度に、例えば予め実験等により定めた量や頻度とすることができる。
【0052】
かくして、クリーニングブレード61へのトナー凝集物、紙粉等の噛み込み物を、画像生産性を実用上問題視すべきほど低下させることなく、許容できる程度として、簡単に除去でき、それだけクリーニングブレード61による感光体1上の残留物の除去を安定化させることができ、しかも長期にわたり安定化させることができる。
【0053】
以上説明した画像形成装置はモノクロ画像形成装置であったが、本発明はカラー画像形成装置にも適用できる。
【0054】
図5は本発明に係るタンデム型カラー画像形成装置を示している。
図5のカラー画像形成装置Bは、駆動ローラ31とこれに対向するローラ(従動ローラ)32に巻き掛けられた無端転写ベルト(中間転写ベルト)40を有している。転写ベルト40は回転駆動される駆動ローラ31により図中反時計方向(図中矢印方向)に回転駆動される。対向ローラ32には転写ベルト4上の2次転写残留物を除去清掃するクリーニング装置8が臨んでおり、駆動ローラ31には2次転写ローラ50が臨んでいる。2次転写ローラ50の上方には定着装置600が設置されている。クリーニング装置8は、中間転写ベルト40の表面に接触配置されたクリーニングブレード81を有している。
【0055】
ローラ31、32の間には転写ベルト40に沿って、ローラ32から31に向けて、イエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kがこの順序で配置されている。
各画像形成部は、静電潜像担持体としてドラム型の感光体11を備えており、該感光体の周囲に帯電装置12、画像露光装置13、現像装置14、1次転写ローラ20及び感光体上の1次転写残トナー等を除去するクリーニング装置15がこの順序で配置されている。1次転写ローラ20は転写ベルト40を間にして感光体11に対向している。
【0056】
感光体11は図示省略の感光体駆動モータにより回転可能であり、帯電装置12には図示省略の電源から帯電用電圧を印加でき、画像露光装置3には図示省略のコンピュータ等から画像情報を入力できるようになっており、現像装置14の現像ローラ141等は現像装置駆動モータにて回転駆動可能であり、現像ローラ141には現像にあたり図示省略の現像バイアス電源から現像バイアスを印加でき、転写ローラ20には転写にあたり図示省略の電源から転写電圧を印加できるようになっている。
【0057】
クリーニング装置8にはブレード横移動装置80が設けられている。横移動装置80は、ブレード81を支持している部材である、ここではクリーニング装置ケース82に設けたラックギア801、これに噛み合うピニオンギア802及びピニオンギア802を正逆回転駆動可能、回転速度変更可能のモータ803を含んでいる。モータ803の運転にて、ブレード81を、ベルト40の表面に接触させたままベルト表面移動方向を横切る方向に横移動させることができる。ブレード横移動装置80はこれに限定されるものではなく、ブレード81を横移動させ得る各種構造のものを採用できる。
【0058】
図6は、図5に示す画像形成装置Bの動作を制御する制御回路の概略を示している。この制御回路は、画像形成装置全体の動作を制御する制御部Cont2を含んでいる。図6に示すように、画像形成部Y、M、C、Kのそれぞれ、中間転写ベルト40の駆動ローラ31を回転駆動するモータ、2次転写ローラ50へ2次転写バイアスを印加するための電源、定着装置600、クリーニングブレード81の横移動装置80等は、制御部Cont2の指示に基づいて所定のタイミングで動作する。
【0059】
また、制御部Cont2には、操作パネル等も接続されている。操作パネルには、画像形成の開始を指示するキー、画像形成枚数を設定するテンキー、制御部Cont2からの情報等を表示するディスプレイ等が搭載されている。
【0060】
画像形成装置Bは、制御部Cont2の指示のもとに、次のように画像形成を行える。 先ず、最終的に形成されるべき画像に応じて、画像形成部Y、M、C及びKのうち少なくとも一つにおいて画像形成される。
画像形成部Y、M、C及びKのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成部Yにおいてイエロートナー像が形成され、これが転写ベルト40に1次転写される。
【0061】
すなわち、イエロー画像形成部Yにおいて、感光体11が図中時計方向に回転駆動され、帯電装置12にて感光体11表面が一様に所定電位に帯電せしめられ、該帯電域に画像露光装置13からイエロー画像用の画像露光が施され、感光体11上にイエロー用静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロートナーを有する現像装置14の現像バイアスが印加された現像ローラ141にて現像されて可視イエロートナー像となり、該トナー像が1次転写ローラ20にて転写ベルト40上に転写される。
【0062】
同様にして、マゼンタ画像形成部Mにおいてマゼンタトナー像が形成されて転写ベルト40に転写され、シアン画像形成部Cにおいてシアントナー像が形成されて転写ベルト40に転写され、ブラック画像形成部Kにおいてブラックトナー像が形成されて転写ベルト40に転写される。
【0063】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像はこれらが中間転写ベルト40上に重ねて転写されるタイミングで形成される。
かくして転写ベルト40上に形成された多重トナー像は転写ベルト40の回動により2次転写ローラ50へ向け移動する。
【0064】
一方、記録媒体(記録紙等)Sが図示省略の記録媒体供給部から引き出され、引き続きタイミングローラ対71、72により、ベルト40上の多重トナー像と同期をとって転写ベルト40と2次転写ローラ50との間に供給され、2次転写ローラ50にて該多重トナー像が記録媒体S上に2次転写される。その後記録媒体Sは定着装置600に通され、そこで多重トナー像が加熱加圧下に記録媒体Sに定着されて所定のカラー画像が記録媒体S上に形成される。さらにその後、記録媒体Sは機外へ排出される。
【0065】
各画像形成部において1次転写後感光体11上に残留する1次転写残トナー等の残留物はクリーニング装置15により除去され、2次転写後、転写ベルト40上に残留する2次転写残トナー等の残留物はクリーニング装置8により除去される。
【0066】
また、画像形成装置Bでは、例えば、ベルト40の正転動作の開始と同時又は略同時に(従って、通常のベルトクリーニングの開始と同時又は略同時に)、制御部Cont2の指示のもとに、ブレード横移動装置80のモータ803の運転によりブレード81をベルト表面移動方向を横切る方向に横移動させ、それにより、トナー凝集物、紙粉等の異物のブレード81への噛み込みを抑制する。
さらに、画像形成に支障の無い所定のタイミングでクリーニングブレード81のクリーニングを、制御部Cont2の指示のもとに行う。
【0067】
ブレード81のクリーニングにおいては、制御部Cont2の指示のもとにベルト40の駆動ローラ31の駆動モータが逆転運転され、それによりベルト40が逆転動作せしめられる。さらに、画像形成装置Bでは、ベルト40の逆転動作の開始と同時又は略同時にブレード横移動装置80のモータ803が運転され、それによりブレード81がベルト表面移動方向を横切る方向に横移動される。
【0068】
このことから分かるように、制御部Cont2は、像担持体(ここではベルト40)を正転動作させたり、逆転動作させたり、クリーニングブレード(ここではブレード81)を横移動させるための、像担持体駆動部(ここではベルト駆動モータ)及びブレード横移動装置80の制御部を含んでいる。
【0069】
この画像形成装置Bによると、ベルト40の正転動作においてもブレード81は横移動されてブレードへの異物の噛み込みが抑制されるうえ、クリーニングブレード81のクリーニングにあたっては、ブレード81が接触しているベルト40を逆転動作させるだけでく、該逆転動作においてブレード81をベルト表面移動方向を横切る方向に横移動させる。従って、ブレード81のクリーニングにおいては、ブレード81がトナー凝集物、紙粉等の異物を噛み込んでいても、図3に例示したと同様に、異物に、ベルト40の逆転動作によりブレードからの引きずり出し力が加わるとともに、ブレード81の横移動により横方向への移動力も加わり、それら力の合成力により、ブレード81に噛み込まれた異物に捩じれ力様の力を作用させることができる。かかる捩じれ力様の力の作用により、単にベルト40を逆転動作させるだけの場合より、容易に、異物をブレード81から除去することができる。
【0070】
従って、クリーニングブレード81のクリーニングにあたって、記録媒体として上質紙が用いられる場合は勿論のこと、たとえ紙粉発生量の多い再生紙やコットン紙等が用いられる場合においても、クリーニングブレード81の噛み込み異物除去のために、ベルト40の逆転動作量を格別大きくしたり、また、ベルト40の逆転頻度を格別高めたりしなくても、容易に該異物を除去することができ、それ故、クリーニングブレード81のクリーニングのために格別画像生産性の低下を招くことはない。
【0071】
また、画像形成装置Bによると、ブレード81の横移動量は制御部Cont2により次のように制御される。すなわち、ベルト40の正転動作におけるブレード81の横移動量は、異物のブレードへの噛み込みを抑制できる程度に小さく設定され、ブレード81は小さく横移動する一方、ブレードクリーニングにおける、すなわち、ベルト40の逆転動作におけるブレード81の横移動量は異物をブレード81から除去できるように、ベルト正転動作におけるブレード横移動量より大きく設定され、ブレード81はベルト正転動作におけるより大きい振幅で横移動する。
【0072】
ブレードクリーニングにおいてはブレード81がこのように大きく横移動することで、ブレード81とベルト表面とのニップにおいて異物に転がり力を効率的に与えることもでき、かかる転がり力も手伝って、異物は容易に除去される。
【0073】
また、ここでは、ベルト正転動作におけるブレード横移動量は異物のブレードへの噛み込みを抑制できる程度に、また、ブレード横移動に伴うトナーの漏れが発生しない程度に小さく設定され、それにより、ブレード81の異物噛み込みを抑制しつつブレード81のクリーニングを行うために、ベルト正転動作においても、逆転動作においても、ブレード81を横移動させる割りには、全体として、ブレード81の横移動量を抑制して、その摩耗等による損傷を抑制することができ、また、トナーの漏れを防止することもできる。
【0074】
なお、転写ベルト40の正転動作におけるブレード81の横移動の速さを異物のブレードへの噛み込みを抑制できる程度に小さく設定し、ブレード81を緩やかに横移動させる一方、ブレードクリーニングにおける、すなわち、ベルト40の逆転動作におけるブレード81の横移動の速さを異物をブレード81から除去できるように、ベルト正転動作におけるブレード横移動の速さより大きく設定しても、全体として、ブレード81の摩耗等による損傷を抑制することができる。
【0075】
クリーニングブレード81のベルト正転動作や逆転動作における横移動は、左右いずれか片方への移動でもよく、左右へ往復移動させる等してもよい。ベルト40の逆転動作量やブレード81の横移動量、ブレードクリーニングの頻度等は、クリーニングブレード81を所望状態にクリーニングでき、それにより良好な画像を形成できる程度に、例えば予め実験等により定めた量や頻度とすることができる。
【0076】
かくして、クリーニングブレード81へのトナー凝集物、紙粉等の噛み込み物を、画像生産性を実用上問題視すべきほど低下させることなく、許容できる程度として、簡単に除去でき、それだけクリーニングブレード81による感光体1上の残留物の除去を安定化させることができ、しかも長期にわたり安定化させることができる。
【0077】
なお、画像形成部Y、M、C、Kのうち、少なくとも一つについても、感光体11を正逆回転駆動可能とし、感光体11の正転動作においても逆転動作においてもクリーニング装置15のクリーニングブレードを感光体表面移動方向を横切る方向に横移動させ、且つ該クリーニングブレードの感光体逆転動作における横移動量を感光体正転動作における横移動量より大きく設定するか、或いは、該クリーニングブレードの感光体逆転動作における横移動の速さを感光体正転動作における横移動の速さより大きく設定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、像担持体上の転写残留物をクリーニングブレードにより除去する画像形成装置において、該クリーニングブレードのトナー凝集物、紙粉等の噛み込み物を、画像生産性を実用上問題視すべきほど低下させることなく、許容できる程度として、簡単に除去でき、クリーニングブレードによる像担持体上残留物の除去を長期にわたり安定化させることができ、ひいては、それだけ良好な画像を長期にわたり形成できる画像形成装置を提供することに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係る画像形成装置例の構成の概略を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置におけるクリーニングブレードの横移動装置の正面図である。
【図3】クリーニングブレードのクリーニング(感光体逆転動作)において異物がブレードから除去される様子を示す図である。
【図4】図1の画像形成装置の制御回路を概略的に示すブロック図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の他の例の構成の概略を示す図である。
【図6】図5の画像形成装置の制御回路を概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0080】
A 画像形成装置
1 感光体
2 帯電装置 3 画像露光装置
4 現像装置
41 現像ローラ
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
61 クリーニングブレード
62 クリーニング装置ケース
60 ブレード横移動装置
601 ラックギア
602 ピニオンギア
603 モータ
7 イレーサ
Cont1 制御部
S 記録媒体
B カラー画像形成装置
Y イエロー画像形成部
M マゼンタ画像形成部
C シアン画像形成部
K ブラック画像形成部
11 感光体
12 帯電装置 13 画像露光装置
14 現像装置
141 現像ローラ
15 クリーニング装置
20 1次転写ローラ
31 駆動ローラ
32 従動ローラ
40 中間転写ベルト
50 2次転写ローラ
600 定着装置
71、72 タイミングローラ対
8 クリーニング装置
81 クリーニングブレード
82 クリーニング装置ケース
80 ブレード横移動装置
801 ラックギア
802 ピニオンギア
803 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正転駆動される像担持体表面上にトナー像を形成し、該像担持体表面上に形成したトナー像を被転写体に転写し、該転写により像担持体表面上に残留する残留物を該像担持体表面に接触させたクリーニングブレードで除去し、該クリーニングブレードのクリーニングにあたっては、該像担持体を逆転させる画像形成装置であり、該像担持体の正転駆動による正転動作において該クリーニングブレードを該像担持体の表面移動方向を横切る方向に横移動させ、該像担持体の逆転駆動による逆転動作においても該クリーニングブレードを該像担持体の表面移動方向を横切る方向に横移動させ、該クリーニングブレードの像担持体逆転動作における横移動量を像担持体正転動作における横移動量より大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
正転駆動される像担持体表面上にトナー像を形成し、該像担持体表面上に形成したトナー像を被転写体に転写し、該転写により像担持体表面上に残留する残留物を該像担持体表面に接触させたクリーニングブレードで除去し、該クリーニングブレードのクリーニングにあたっては、該像担持体を逆転させる画像形成装置であり、該像担持体の正転駆動による正転動作において該クリーニングブレードを該像担持体の表面移動方向を横切る方向に横移動させ、該像担持体の逆転駆動による逆転動作においても該クリーニングブレードを該像担持体の表面移動方向を横切る方向に横移動させ、該クリーニングブレードの像担持体逆転動作における横移動の速さを像担持体正転動作における横移動の速さより大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記像担持体は静電潜像担持体である請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
回転駆動される静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像とし、該トナー像を回転駆動される中間転写体に1次転写し、該中間転写体上のトナー像を被転写体に2次転写する画像形成装置であり、前記像担持体は該中間転写体である請求項1又は2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−41352(P2007−41352A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−226350(P2005−226350)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】