説明

画像形成装置

【課題】各ユーザが負担する費用を使用量に応じて算出することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】受信したデータは、コード解析部14および画素形成部15により画素数を算出される。別途並列にユーザID解析部16でネットワーク上端末12のID情報を得る。発信元情報と、ユーザとを関連付けた操作を繰り返すことにより、複合機内部に記憶される表を示す。発信元情報とユーザとを関連付けて、消耗品の費用分担の計算に、ファクシミリ受信の分も含ませる。発信元情報と、ユーザとを関連付ける。同じ発信元情報に対し、複数のユーザが対応付けられるようなことは、禁止する。ファクシミリ受信があったときには、発信元情報を調べ、消耗品費用分担の算出データに追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ毎、あるいはカートリッジ毎の費用を算出でき、プロセスカートリッジ毎に各ユーザが負担する費用を使用量に応じて算出することが可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、学校、オフィスなどで利用される原稿が、従来の文字のみからなる原稿によらず、画像を含む原稿などに多様化しており、それに伴って出力される原稿のフルカラー化も進んでいる。例えば、パーソナルコンピュータで作成したフルカラー原稿の需要が、プレゼンテーション用の資料等により増加の傾向にある。
【0003】
このようなフルカラー原稿の増加により、従来の文字のみからなる原稿に対してトナーの消費量が急激に多くなってきている。そのため、トナー消費量の増加を防ぐため交換作業が頻繁に発生することのないように、従来よりも容量の大きいプロセスカートリッジが求められている。
【0004】
大容量のプロセスカートリッジは1つあたりのプリント可能枚数も増大し、そのことで、プロセスカートリッジの価格は、従来のプロセスカートリッジよりも高額となる傾向にある。これに伴い、プロセスカートリッジ等に係る消耗品の購入費用を、プリント枚数に応じて、ユーザ別、機能別に負担する管理方法が従来、提案されている。
【0005】
しかしながら、前述のパーソナルコンピュータで作成したフルカラー原稿の画像面積は、その内容により大きく異なり、プリント毎のトナーの消費量は原稿の種類によって大きな差があるのが実情である。そのため、プリント枚数による管理では、ユーザ別、組織別に消費しているコストを正確に算出することができず、プリント枚数に応じて費用を分担する方式ではユーザ間で不公平感を生ずる。
【0006】
また、小規模なオフィス、いわゆるスモールオフィスや、社員の居住地に近い都市周辺部に本社とコンピュータ・通信機器でつないだ、いわゆるサテライトオフィスにあっては、都市部の地価高騰等により、複数の業者が1つのフロアに同居する共同オフィスの形態をとっていることが多い。このような共同オフィスにあっては、機密文書以外は、専ら共用の画像形成装置で出力する場合が多く、プリント枚数に応じてユーザ別の負担額を決めた場合、前述の原稿種類による差を考慮されていないため、プロセスカートリッジの購入費用負担に当たっては大きな不公平感が生ずる。
【0007】
また一般に、オフィス、学校等でOA機器が広く普及して、印刷装置を複数の企業、セクションなどで共有して使用するケースが出てきている。この場合、用紙、カラートナー、メインテナンスフィー等を使用の実態に応じて公平に負担させることが必要となる。このような場合、従来の課金方式は、印刷枚数や印刷時間を基に課金データを算出していた。
【0008】
従来の、トナーの消費量に応じて課金するシステムが特許文献1、特許文献2に記載されている。
【0009】
特許文献1では、コード解析部においてビットマップを展開し1ページ分のデータをフレームメモリ上に展開する。画素計上部でフレームメモリの黒のビット数nを計上する。この処理でnの数はすなわちトナー使用数にほぼ比例するので、これを基に課金データを算出する。つまりは単位ビットあたりの課金額にビット数nを掛け合わせて課金額を算出する方式が提案されている。
【0010】
特許文献2では、ユーザがカートリッジに組み込んだメモリから読み出したカートリッジ識別子とともにトナーロウ信号やプリント枚数データがサービスセンタに送信されサービスセンサにおいてカートリッジの識別子を参照し料金の計算やトナー切れ時期の予測を行ない、回収拠点に回収されたカートリッジからデータを読み込んで蓄積し、トナー切れ時期の予測に用いてカートリッジをカートリッジ毎に管理する方式が提案されている。
【0011】
また、特許文献3では、発信元情報とユーザとを関連付け、消耗品の費用分担の計算に、ファクシミリ受信の分も含ませる複数のユーザで画像形成装置を使う場合に、インクなどの消耗品の費用の分担を、使用量に応じて、分担する方式が提案されている。
【特許文献1】特開平10−198242号公報
【特許文献2】特開2001−228762号公報
【特許文献3】特開2004−219959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、特許文献1および2に開示されている方法では、ユーザ毎、あるいはカートリッジ毎の費用は算出できるが、プロセスカートリッジ毎に各ユーザが負担する費用を算出することが困難である。
【0013】
また、特許文献3では、ユーザ毎、あるいはカートリッジ毎の費用が算出でき、プロセスカートリッジ毎に各ユーザが負担する費用を算出することも可能であるが、プリンタとしての使用を想定していて、ファクシミリ受信のように、ユーザを特定しにくい場合のことは想定できていない。
【0014】
そこで本発明は、ユーザ毎、あるいはカートリッジ毎の費用を算出でき、プロセスカートリッジ毎に各ユーザが負担する費用を消耗品の使用量に応じて算出することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の画像形成装置は、機器を利用するユーザを複数登録する登録手段と、各ユーザごとに行なわれた印刷量に応じて消耗品の費用の分担割合を計算する計算手段とを有する画像形成装置において、発信元情報と前記ユーザとを関連付ける関連付手段と、ファクシミリ受信時に、送信側の前記発信元情報を調べる調査手段とを有し、前記関連付手段により関連付けられるユーザを特定し、前記ファクシミリ受信による印刷は、前記ユーザが行なったものと見なし、前記消耗品の前記費用の前記分担割合の計算に含ませることを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記ユーザと関連付けられていない発信元情報を持つファクシミリ受信時には、特定のユーザの行なった印刷と見なすことを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記ファクシミリ受信時に、すぐには印刷せず、前記ユーザが受信履歴を見て操作する操作手段を有することを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記ファクシミリ受信時に、登録済みのユーザ全員に受信を通知する通知手段を有することを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載に発明は、上記請求項4に記載の画像形成装置において、前記通知手段を、有効または無効に切り替える切替手段を有することを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載に発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記ファクシミリ受信完了から一定期間、印刷操作が行なわれなかった場合に、画像データをメモリ装置から削除する削除手段を有することを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載に発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記一定期間を変更する変更手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、印刷内容と関連付けられるユーザを特定し、ファクシミリ受信による印刷は、前記ユーザが行なったものと見なし、消耗品の費用の分担割合の計算に含ませる画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本実施形態では、ユーザ毎、あるいはカートリッジ毎の費用は算出できるが、プロセスカートリッジ毎に各ユーザが負担する費用を使用量に応じて算出することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0024】
以下に本発明を実施する上で最良の形態について説明する。
【0025】
まず最初に、実施形態1について説明する。実施形態1では、本実施形態におけるファクシミリ装置の構成について図1を用いて説明する。
【0026】
図1は、本実施形態におけるファクシミリ装置のブロック図を示す。ファクシミリ装置は、通常、図1のブロック図の様に、本装置全体を制御するCPU1、制御のためのプログラムやデータ等を記憶しているROM2、制御に必要な種々のデータを記憶するRAM3、オペレータによる操作を入力すると共に情報をオペレータに伝えるオペポート4、原稿読み取りを行なうスキャナ5、コピーや原稿出力を行なうプロッタ6、通信回線の制御を行なう網制御部7、送信信号の変調や受信信号の復調を行なうモデム8、画情報を所定の符号化方式にしたがって符号化し、また、符号化された画情報を複合化する符号化・複合化部9、相手ファクシミリ装置との間でファクシミリ制御信号を交換しファクシミリ通信手順を実行する通信制御部10から構成されており、これら各部はバス11により接続されている。
【0027】
次に実施形態2について説明する。実施形態2では本実施形態におけるファクシミリ付き画像形成装置の構成を図2を用いて説明する。
【0028】
図2は、本実施形態におけるファクシミリ付き画像形成装置の構成図を示す。画像形成装置本体23は、受信バッファ13、コード解析部14、画素計上部15、ユーザID解析部16、ユーザ別画素データ蓄積部17、データ処理部18、カートリッジ固体識別部19および各色プロセスカートリッジ20から構成され、ネットワーク上端末12に有線または無線LANで接続されている。プロセスカートリッジ20は、ICチップ21、作像部21から構成される。本実施形態における画像形成装置は、回線I/F(インタフェース)装置24を用いて本実施形態におけるファクシミリを繋いでいる。
【0029】
次に、その動作について説明する。
【0030】
まず、データ入力インタフェースより受信したデータは、コード解析部14および画素形成部15により画素数を算出される。そして別途並列にユーザID解析部16でネットワーク上端末12のID情報を得る。
【0031】
プロセスカートリッジ20は、ICチップ22の記録容量には限界があること、大容量のICチップ22は高コストであること、ICチップ22への書込みを頻繁に実施するとICチップ22または書込み用の素子が疲労劣化すること、などの問題があるため、画像形成装置本体23側の不揮発性メモリやハードディスクに記録するのが好ましい。
【0032】
次に実施形態3について図3を用いてファクシミリ受信での印刷と、ユーザとの関連付けについての方法を説明する。
【0033】
図3(a)は、本実施形態において、発信元情報と、ユーザとを関連付けた操作の一例の図を示す。図3(b)は、発信元情報と、ユーザとを関連付けた操作を繰り返すことにより、画像形成装置内部に記憶される表を示す。
【0034】
1つの画像形成装置を複数ユーザで使用する方法については、既に市場に出ている製品と同様でよい。すなわち、予め、画像形成装置に対して登録しておき、画像形成装置を使用するときには、ユーザごとに、たとえばユーザ名とパスワードを用いて認証を行う。その時、発信元情報とユーザとを関連付けて、消耗品の費用分担の計算に、ファクシミリ受信の分も含ませる。
【0035】
印刷内容と、ユーザとが関連付けられたあとの、費用分担の計算方法は、実施形態10において後ほど後述する。
【0036】
一般に、ファクシミリ通信においては、プロトコル内に発信元情報が埋め込まれており、送信側、受信側、ともに、この部分を参照することで、相手が誰かを判断する。
【0037】
本実施形態においては、図3(a)に示すような発信元情報と、ユーザとを関連付ける。同じ発信元情報に対し、複数のユーザが対応付けられるようなことは、禁止するよう制御する。ファクシミリ受信があったときには、発信元情報を調べ、図3(b)の表と照合し、該当するユーザがその印刷を行なったと見なし、消耗品費用分担の算出データに追加する。
【0038】
あらかじめ、発信元情報とユーザを関連づけておき、ファクシミリ受信のあったときは、その受信の送信側の発信元情報より関連づけられたユーザを特定することを可能とし、プリンタ出力だけでなく、ファクシミリ受信の場合にも、ユーザを特定することが可能になり、消耗品の費用分担の精度を上げることが可能になる。
【0039】
次に実施形態4について図4を用いて説明する。
【0040】
図4(a)は、本実施形態のおけるファクシミリ受信時に未登録の発信元情報だった場合の操作の図を示す。また図4(b)は、本実施形態のおけるファクシミリ受信時に未登録の発信元情報だった場合の操作を繰り返すことで画像形成装置内部に記憶される表を示す。
【0041】
いずれかのユーザの利用と見なす。未登録の発信元情報をもありうる。この場合に、いずれかのユーザに対応づける。操作の例を図4(a)に示す。
【0042】
図3(b)の表は、図4(b)のように拡張される。
【0043】
ユーザと関連付けられていない発信元情報をもつファクシミリ受信があった場合にも、特定のユーザの行なった印刷と見なすようにできる。
【0044】
次に実施形態5について図5を用いて説明する。
【0045】
図5は、本実施形態における消耗品費用分担の算出データに追加する操作例を示す。
【0046】
本実施形態では、ファクシミリ受信があった時に、すぐには印刷せず、ユーザが受信履歴を見て、意図的に印刷するようにする。ファクシミリ受信とユーザを関連付ける受信があった場合に、すぐに印刷せず、その旨が分かるようにしておく。ユーザが出力の操作を行なうことで、その出力操作を行なったユーザが、その印刷を行なったと見なし、消耗品費用分担の算出データに追加する。その操作例を図5に示す。ユーザは、既にログインしてこの操作を行なっているという前提であるため、特定される。
【0047】
このように、受信してもすぐには印刷せず、ユーザが意図的に印刷することで、受信とユーザを関連付けるようにできる。予め、いつ誰から、こちらの誰宛にファクシミリ受信があるか、分かっているような場合に、強制的な決め付けをすることなく、対応できる。
【0048】
次に実施形態6について図6を用いて説明する。
【0049】
図6は、本実施形態におけるファクシミリ受信時に登録ユーザ全員に通知を送り、Eメールで通知する場合の文章例を示す。
【0050】
ファクシミリ受信があったときに、予め登録してあったEメールのアドレスに通知を送る、という機能は、すでに搭載された製品が市場に出ている。この機能自体は、同じように制御すればよい。本実施形態では、実施形態3の仕組みを有した上で、さらに、登録ユーザ全員に通知を送る。Eメールで通知する場合の文章例を図6に示す。
【0051】
なお、この場合、ユーザ登録に際しては、Eメールアドレスの入力を必須とする。
【0052】
ファクシミリ受信したときに、登録ユーザ全員に通知を送るようにすることで、登録済みのユーザは、通知を受取ることで、ファクシミリ受信のあったことを知り、ファクシミリ受信の印刷操作が促進されることが期待できる。
【0053】
次に実施形態7について図7を用いて説明する。
【0054】
図7(a)は、本実施形態における実施形態4の機能をON/OFFできるようにした操作画面の一例を示す。図7(b)は、本実施形態における設定に応じて処理を分けることを示したフローチャートを示す。
【0055】
ファクシミリ受信時に発信元情報が未登録だった場合、いずれかのユーザと見なすことができるのが実施形態4であり、この機能をON/OFFできるようにしたのが本実施形態である。この機能の操作画面の一例が図7(a)である。
【0056】
次に本実施形態における設定に応じて処理を分けることを示したフローチャートを図7(b)を用いて説明する。
【0057】
ファクシミリを受信し(ステップS101)、受信時にユーザ全員にメール送信はONかどうか判断し(ステップS102)、ONの場合(ステップS102/YES)、ユーザ全員にメールする(ステップS103)。ONでない場合(ステップS102/NO)、メール送信しない。
【0058】
実施形態4の方法が効果的な場合と、そうでない場合と、考えられるのだが、この機能を任意に、効かせたり効かせなかったりと、切替ができるようにしたので、使い勝手を向上させられる。
【0059】
次に実施形態8について図8を用いて説明する。
【0060】
図8は本実施形態におけるファクシミリ受信を行なったあと、その1つの画像データに対する監視と処理のフローチャートの図を示す。
【0061】
実施形態3において、一定期間、誰も印刷を行なわなかったら、自動的に削除する。ファクシミリ受信を行なった時点から、ある一定期間、経過しても誰も印刷を行なわなかったら、自動的に画像データを削除する。ファクシミリ受信を行なったあと、その1つの画像データに対する監視と処理のフローチャートを図8に示す。
【0062】
ファクシミリを受信し(ステップS104)、一定期間を経過していないかどうか判断し(ステップS105)、一定期間を経過していた場合は削除する(ステップS107)。一定期間を経過していない場合(ステップS105/YES)、出力操作が行なわれたかどうか判断する(ステップS106)。出力操作が行なわれていない場合(ステップS106/NO)、もう一度一定期間を経過していないかどうか判断する(ステップS105)。
【0063】
実施形態3に記載の方法を使った場合に、一定期間、誰も印刷を行なわなかったら、自動的に画像データを削除するようにすることで、いつまでも印刷されずに画像形成装置のメモリが占有されている、という状態を防ぐことができる。
【0064】
次に実施形態9について図9を用いて説明する。
【0065】
図9は本実施形態におけるファクシミリ受信時に、一定期間というのを任意に変更可能にする設定の操作画面の一例を示す。
【0066】
実施形態6において、一定期間、というのを任意に変更可能である。実施形態6における、一定期間、というのを任意に変更可能にする。設定する操作画面の例を図9に示す。自動的に画像データを削除する際のフローチャートは、図6と同じである。
【0067】
実施形態6に記載の方法を使う場合、その一定期間、というのをどれくらいに設定すればよいのかは、その画像形成装置の置かれた環境に依存する。たとえば、利用者がどのくらい大勢いるのか、利用者と画像形成装置の設置場所との物理的な距離はどのくらい離れているのかなどの環境である。
【0068】
しかし、本実施形態によれば、一定期間というのを任意に変更可能にすることで、実施形態6の効果が、いろいろな環境で、生かせる。
【0069】
次に、実施形態10において、実施形態3における印刷内容と、ユーザとが関連付けられたあとの、費用分担の計算方法について図10、図11、図12を用いて上述する。
【0070】
図10は、ユーザが指令した費用算出用の表示処理のフローチャート図を示す。ユーザがデータの表示を指令すると(ステップS1)、データ処理部18において、ユーザ別画素データ蓄積部17から、カートリッジ別、ユーザ別に画素データ蓄積値を算出する(ステップS2)。次に、予め登録していたユーザの所属組織等の情報収集を行い(ステップS3)、ネットワーク上端末11の、ユーザID別、組織別の消費量を算出し(ステップS4)、画像形成装置本体への表示またはプリントアウトを行なう(ステップS5)。
【0071】
つまりは、予め登録したプロセスカートリッジ20の単価等に応じて、各トナー消費量に基づく費用をユーザID別または組織別に算出し表示することができる。
【0072】
これらは、ユーザ毎に比率で表示してもよいが、トナー消費量およびトナーの単価に応じた費用として算出し、表示してもよい。さらに、プロセスカートリッジ20の単価に対して、ユーザ毎に負担すべき費用として算出してもよい。さらに、予め指定した所定の期間毎に計算し、表示してもよい。
【0073】
図11は、ユーザが指令したプロセスカートリッジ20の交換処理のフローチャート図を示す。画像形成装置本体23より、ユーザがプロセスカートリッジ20の交換を指令すると(ステップS11)、データ処理部18において、ユーザ別画素データ蓄積部17にて該当するプロセスカートリッジ20のユーザ別画素データ累積値の算出を行なう(ステップS12)。次に、予め登録していたユーザの所属組織等の情報収集を行い(ステップS13)、ネットワーク上端末12のユーザID別、組織別の使用量を算出する(ステップS14)。次に、該当するカートリッジ識別子を有するプロセスカートリッジ20のICチップ22への書込みがなされ(ステップS15)、さらに、画像形成装置本体23への表示またはプリントアウトが行なわれる(ステップS16)。
【0074】
画像形成装置本体23にてユーザがプロセスカートリッジ20の交換を行なった場合(ステップS17)、カートリッジ固体識別子の照合により(ステップS18)、装着されたプロセスカートリッジ20のICチップ22固体識別子の確認を行い、前回の固体識別子とは同一では無いかどうか解析し(ステップS19)、該当識別子について、同一では無い場合(ステップS19/YES)、データの初期化を行い(ステップS20)、初期状態から使用する(ステップS21)。
【0075】
これに対して、ユーザが同一のプロセスカートリッジ20を画像形成装置本体23に装着し直した場合は、カートリッジ固体識別子の照合により(ステップS18)、同一のプロセスカートリッジ20であると認識した場合(ステップS19/NO)、以後の使用については、ユーザ別画素データ蓄積部7における該当プロセスカートリッジ20の既存データに累積し(ステップS22)、加算することになる。
【0076】
このように本実施形態では、プロセスカートリッジが交換された場合、その時点でのユーザID別または組織別費用をICチップ21に記録することができる。
【0077】
図12は、プロセスカートリッジに収容されているトナーが所定量を下回った場合の処理のフローチャート図である。プロセスカートリッジ20に収容されているトナーが所定量を下回る場合(ステップS31)、データ処理部18において、ユーザ別画素データ蓄積部7から、該当するプロセスカートリッジ20のユーザ別画素データ累積値の算出を行い(ステップS32)、予め登録したユーザの所属組織等の情報収集を行い(ステップS33)、ネットワーク上端末12のユーザID別、組織別の使用量を算出する(ステップS34)。
【0078】
続いて、該当するカートリッジ識別子を有する、それぞれのプロセスカートリッジ20のICチップ22への書込みがなされ(ステップS35)、さらに、画像形成装置本体23への表示またはプリントアウトが行なわれる(ステップS36)。以降ステップS37〜ステップS42の処理は図11のステップS17〜ステップS22の処理と同様である。
【0079】
このように、本実施形態では、プロセスカートリッジ20の交換に際して、ユーザはプリントアウトされたユーザID別または、組織別費用をICチップ22に記録することができる。
【0080】
プロセスカートリッジ20の交換に際して、ユーザはプリントアウトされたユーザ別、組織別の負担額に基づいて費用を負担することができる。この際、電話回線や携帯電話回線、インターネット回線を介してサービス営業所に発注を行い、サービス営業所から各所属別に請求がなされるシステムも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本実施形態におけるファクシミリ装置のブロック図を示す。
【図2】本実施形態におけるファクシミリ付き画像形成装置の構成図を示す。
【図3】(a)は、本実施形態において、発信元情報と、ユーザとを関連付けた操作の一例の図を示す。(b)は、発信元情報と、ユーザとを関連付けた操作を繰り返すことにより、画像形成装置内部に記憶される表を示す。
【図4】本実施形態のおけるファクシミリ受信時に未登録の発信元情報だった場合の操作の図を示す。
【図5】本実施形態における消耗品費用分担の算出データに追加する操作例を示す。
【図6】本実施形態におけるファクシミリ受信時に登録ユーザ全員に通知を送る。Eメールで通知する場合の、文章例を示す。
【図7】(a)は、本実施形態における実施形態4の機能をON/OFFできるようにした操作画面の一例を示す。(b)は、本実施形態における設定に応じて処理を分けることを示したフローチャートを示す。
【図8】本実施形態におけるファクシミリ受信を行なったあと、その1つの画像データに対する監視と処理のフローチャートの図を示す。
【図9】本実施形態におけるファクシミリ受信時に、一定期間というのを任意に変更可能にする設定の操作画面の一例を示す。
【図10】本実施形態におけるユーザが指令した費用算出用の表示処理のフローチャート図を示す。
【図11】本実施形態におけるユーザが指令したプロセスカートリッジ20の交換処理のフローチャート図を示す。
【図12】本実施形態におけるプロセスカートリッジに収容されているトナーが所定量を下回った場合の処理のフローチャート図である。
【符号の説明】
【0082】
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 オペポート
5 スキャナ
6 プロッタ
7 網制御部
8 モデム
9 符号化・複合部化
10 通信制御部
11 バス
12 ネットワーク上端末
13 受信バッファ
14 コード解析部
15 画素計上部
16 ユーザID解析部
17 ユーザ別画素データ蓄積部
18 データ処理部
19 カートリッジ固体識別部
20 プロセスカートリッジ
21 作像部
22 ICチップ
23 画像形成装置本体
24 回線I/F装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を利用するユーザを複数登録する登録手段と、各ユーザごとに行なわれた印刷量に応じて消耗品の費用の分担割合を計算する計算手段とを有する画像形成装置において、
発信元情報と前記ユーザとを関連付ける関連付手段と、
ファクシミリ受信時に、送信側の前記発信元情報を調べる調査手段とを有し、
前記関連付手段により関連付けられるユーザを特定し、
前記ファクシミリ受信による印刷は、前記ユーザが行なったものと見なし、前記消耗品の前記費用の前記分担割合の計算に含ませることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ユーザと関連付けられていない発信元情報を持つファクシミリ受信時には、特定のユーザの行なった印刷と見なすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ファクシミリ受信時に、すぐには印刷せず、前記ユーザが受信履歴を見て操作する操作手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ファクシミリ受信時に、登録済みのユーザ全員に受信を通知する通知手段を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記通知手段を、有効または無効に切り替える切替手段を有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ファクシミリ受信完了から一定期間、印刷操作が行なわれなかった場合に、画像データをメモリ装置から削除する削除手段を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記一定期間を変更する変更手段を有することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−22282(P2008−22282A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−192193(P2006−192193)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】