説明

画像形成装置

【課題】印刷に複数の用紙を要する印刷ファイルを印刷する場合でも、非接触型タグの記憶容量を大きくすることなく、非接触型タグに記憶できる画像形成装置を得る。
【解決手段】タグデータを記憶すると共にタグデータを無線通信により送受信する非接触型タグ80が設けられた用紙Wに印刷データに基づいて画像を印刷する。また、タグデータを非接触型タグ80に記憶させる。その際、印刷に複数の用紙を要する印刷ファイルから用紙一枚分毎の印刷データを作成し、印刷データに基づいて用紙Wに印刷させると共に、印刷する用紙Wの非接触型タグ80に用紙一枚分毎の印刷データに対応したファイルデータをタグデータとして非接触型タグ80に記憶させる(S230〜S250)。ファイルデータは、印刷ファイルから用紙一枚分毎の印刷データに対応したPDFファイルとして作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タグデータを無線通信により送受信する非接触型タグが設けられた用紙に画像を印刷すると共に、タグデータを非接触型タグに記憶させる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タグデータを無線通信により送受信する非接触型タグが設けられた用紙に画像を印刷すると共に、非接触型タグにタグデータを記憶する画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1にあるように、この画像形成装置では、原稿をコピーする際に、自動原稿搬送装置にセットされた原稿が非接触型タグが設けられた印刷物であるか否かを検出し、非接触型タグ付きの印刷物であるときには、原稿を搬送しないで、非接触型タグから画像データを読み出し、画像データに基づいて用紙に印刷する。用紙に非接触型タグが設けられている際には、非接触型タグに画像データを記憶させている。
【0003】
また、特許文献2にあるように、この画像形成装置では、例えば、コンサートチケットの画像データを用紙に印刷すると共に、印刷する画像データの内容に応じた、氏名、性別、生年月日等の情報を用紙に設けた非接触型タグに記憶させている。
【0004】
更に、特許文献3にあるように、この電子データ記録装置では、着脱式のICカード等の記録媒体に画像データを記録する際に、挿着される前の記録媒体との無線通信により、記録媒体の残容量を読み出し、記録しようとするデータ容量と比較して、残容量が少ないときには警告を発するようにしている。
【特許文献1】特開2005−197835号公報
【特許文献2】特開2005−212303号公報
【特許文献3】特開2005−174530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、こうした従来の特許文献1や特許文献2の装置では、一枚の用紙に印刷し、そのデータをその用紙の非接触型タグに記憶させるが、印刷が複数の用紙にわたる場合、非接触型タグにどのようなデータを記憶させるかが問題となる。非接触型タグが予め用紙に設けられ、各非接触型タグにそれぞれ全てのデータを記憶させると、非接触型タグの記憶容量に大きなものを必要としてしまう。また、単に、特許文献3にあるように、記憶容量が不足する場合、警告を発するだけでは印刷を行うことができないという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、印刷に複数の用紙を要する印刷ファイルを印刷する場合でも、非接触型タグの記憶容量を大きくすることなく、非接触型タグに記憶できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、タグデータを記憶すると共に該タグデータを無線通信により送受信する非接触型タグが設けられた用紙に印刷データに基づいて画像を印刷する印刷手段と、前記タグデータを前記非接触型タグに記憶させる書込手段とを備えた画像形成装置において、印刷に複数の前記用紙を要する印刷ファイルから前記用紙一枚分毎の前記印刷データを作成するデータ作成手段と、前記印刷手段を制御して、前記データ作成手段からの前記用紙一枚分毎の前記印刷データに基づいて前記用紙に印刷させると共に、前記書込手段を制御して、印刷する前記用紙の前記非接触型タグに前記用紙一枚分毎の前記印刷データに対応したファイルデータを前記タグデータとして記憶させる印刷・書込制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置がそれである。
【0008】
前記データ作成手段が、前記印刷ファイルから前記用紙一枚分毎の前記印刷データに対応した前記ファイルデータを作成するようにしてもよい。あるいは、前記印刷・書込制御手段が、前記データ作成手段からの前記用紙一枚分の前記印刷データから前記ファイルデータを作成するようにしてもよい。
【0009】
また、前記印刷・書込制御手段が、印刷する前記用紙の前後の少なくとも一方の前記用紙に対応した前記ファイルデータをも印刷する前記用紙の前記非接触型タグに前記タグデータとして記憶させるようにしてもよい。
【0010】
更に、前記印刷・書込制御手段が、前記用紙一枚分の前記ファイルデータの容量が大きく、前記非接触型タグに記憶できないときに、前記ファイルデータの一部をその前記用紙の前記非接触型タグに記憶させ、残りの前記ファイルデータを他の前記用紙に記憶させるようにしてもよい。その際、前記印刷・書込制御手段が、前記ファイルデータの一部をその前記用紙の前記非接触型タグに記憶させると共に、その前記用紙にその一部の前記ファイルデータに対応した印刷を行わせ、残りの前記ファイルデータを他の前記用紙の前記非接触型タグに記憶させると共に、他の前記用紙にその残りの前記ファイルデータに対応した印刷を行わせるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成装置は、印刷に複数の用紙を要する印刷ファイルを印刷する際、印刷する用紙の非接触型タグに用紙一枚分毎の印刷データに対応したファイルデータをタグデータとして記憶させるので、非接触型タグの記憶容量を大きくすることなく、小容量の非接触型タグに記憶できるという効果を奏する。一般に、大容量タグは小容量タグよりチップ面積が大きく、用紙の折り曲げ等による破損の可能性が増大するため、なるべく小容量を使うのが望ましい。本発明では、大容量タグの使用を必要最小限に抑えることができるので、上記のような破損のおそれが少なくなると共に、コスト的にも有利となる。
【0012】
また、ファイルデータは、印刷ファイルから作成すると容易に作成できる。あるいは、印刷データから作成すると、印刷・書込手段側でファイルデータを作成できる。更に、ファイルデータの容量が大きいときには、ファイルデータの一部を非接触型タグに記憶させると、非接触型タグの容量を大きくすることなく記憶できる。その際、用紙への印刷内容と、非接触型タグに記録するファイルデータとが同じになるようにすると、非接触型タグの内容等が理解しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係る画像を印刷する装置は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能等を備えた複合機1であり、図1はその外観を示す斜視図である。また、図2は、読取ユニット3を開けた状態を示す複合機1の斜視図である。尚、以下の説明では、複合機1について、操作部6が設けられた面側(図1で紙面右下方向)を「前方」、その反対側(図1で紙面左上方向)を「後方」とする。
【0014】
この複合機1は、フィーダ部21及び画像形成部22等(図3参照)を内蔵する画像形成ユニット2(本発明の「印刷手段」に相当)と、自動搬送原稿読取ユニット3(以下「読取ユニット3」という)とを備えている。図1、図2に示すように、読取ユニット3は、上面に矩形状の原稿台4aが設けられた画像読取装置4と、その原稿台4aを覆うように配される自動原稿搬送装置5(以下「ADF5」という)とを備えて構成されている。図2に示すように、読取ユニット3は、上記操作部6とは反対側の後端部が画像形成ユニット2の上面後端側において回動可能に軸支されている。
【0015】
画像読取装置4の一端側(図1で紙面右下方向)には、ユーザによる各種の操作が可能な操作部6が設けられている。操作部6には、モード選択スイッチ96、スタートキー97、各種の操作ボタン98、液晶表示のタッチパネル99が設けられている。
【0016】
モード選択スイッチ96は、3種類の機能モード(ファックス機能、スキャナ機能、コピー機能のそれぞれの動作を可能とするモード)のうちからいずれかのモードを選択可能となっている。具体的には、コピーモードを選択するためのコピーモードキー96a、FAX(ファックス)モードを選択するためのFAXモードキー96b、スキャナモードを選択するためのスキャナモードキー96cの3つのモードキーが左右に並んで設けられている。
【0017】
スタートキー97は、機能モードに応じた動作を開始させるためのスイッチであり、コピーモードのときに押される(オンされる)と原稿台4a上に配(載置)された原稿のコピーを開始する。尚、FAXモード、スキャナモードのときに、スタートキー97が押されると、FAX送信原稿読取や、スキャナ原稿読取等の動作が行われる。
【0018】
タッチパネル99は、所定の操作で設定メニューボタン(図示略)が表示され、設定メニューボタンに触れると、各種の設定に関する表示がされる。また、印刷要求があった後に、例えば、用紙W不足等のエラーが生じた場合には、タッチパネル99の一部を構成する表示部にエラー表示がなされて、エラーが生じたことがユーザに報知される。
【0019】
この操作部6の下側の位置には排紙トレイ2a(図3:後述)に連なって開口した用紙取り出し孔7が形成されている。その用紙取り出し孔7の下側には水平方向に伸びるスリット状の開口した手差給紙口8が形成されており、更にその下側には、給紙カセット9が設けられている。
【0020】
画像形成ユニット2の各構成について、図3を参照しつつ説明する。図3は、複合機1を給紙ローラ25等の軸方向から見た要部側断面図であり、同図において紙面右側が複合機1の前方であり、紙面左側が複合機1の後方となる。
【0021】
画像形成ユニット2のケーシング20内には、用紙Wを給紙するためのフィーダ部21や、給紙された用紙Wに所定の画像を形成するための画像形成部22などが備えられている。また、画像形成部22の上部には、画像形成部22により画像形成され、排出された用紙Wを保持するために用いられる排紙トレイ2aが配されている。
【0022】
フィーダ部21は、給紙カセット9と、給紙カセット9内に設けられた揺動可能な用紙押圧板(図示略)と、給紙カセット9の前端側端部の上方に設けられる給紙ローラ25などによって構成されている。
【0023】
給紙カセット9は、ケーシング20内の下方側に配され、操作部6側の面から着脱(装着及び取り外し)可能に装着されており、この中に用紙Wが積層されて収納されるようになっており、給紙ローラ25によって最上位の用紙Wが搬送経路を介してレジストローラ29側に順次送られるようになっている。
【0024】
本実施形態では、給紙カセット9内に、後述する内部に情報が記憶されると共に、図示しないアンテナにより電波の送受信が行われる非接触型タグ80(RFID(Radio Frequency Identification)タグ)が備えられた用紙Wが収容される。
【0025】
この用紙Wは、長方形の用紙Wの縁部(用紙Wの右上端の近くの印刷の際に余白となる部分。用紙Wの角部(四隅)でもよい)の一部に、非接触型タグ80が埋め込まれているものであり、通常の用紙と同様に、用紙Wの紙面に印刷を行うことができる。
【0026】
給紙カセット9が装着された状態における後端側の側方には、給紙カセットの着脱を検知するための着脱検知部82が設けられている。着脱検知部82は、例えば、給紙カセット9の両側方に投光素子(図示しない)と当該投光素子からの光を受ける受光素子(図示しない)とが一対設けられる光電センサであって、給紙カセット9の装着時には給紙カセット9の側壁により投光素子からの光が遮光され、給紙カセット9を引き出すことにより投光素子からの光が受光素子に受光されるものである。
【0027】
そして、受光素子にて受光される光の受光量変化に応じた信号がCPU90に出力されることにより、CPU90は、給紙カセット9の装着及び引き出し(着脱)が行われたことを検出できるようになっている。
【0028】
レジストローラ29は、1対のローラから構成されており、給紙ローラ25の近傍に配置された図示しない位置センサによる検知タイミングに基づいて、駆動及び停止の動作が制御回路83により制御される。そして、この制御により用紙Wの斜行が修正される。
【0029】
画像形成部22は、スキャナユニット40、プロセスユニット41、定着ユニット42などを備えている。図3に示すように、スキャナユニット40は、ケーシング20内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示略)、ポリゴンモータ43により回転駆動されるポリゴンミラー44、レンズ45及び46、反射鏡47及び48などを備えており、レーザ発光部から発光される所定の印刷データに基づくレーザビームを、ポリゴンミラー44、レンズ45、反射鏡47、レンズ46、反射鏡48の順に通過あるいは反射させて、後述するプロセスユニット41における感光体ドラム52の表面上に高速走査にて照射させている。
【0030】
複合機1には、画像形成ユニット2の本体部に対して着脱可能なプロセスユニット41が設けられている。プロセスユニット41は、ドラムカートリッジ50と、現像カートリッジ51とから構成されている。
【0031】
プロセスユニット41のうち、ドラムカートリッジ50には、感光体ドラム52、スコロトロン型帯電器53、転写ローラ54を備えている。また、現像カートリッジ51には、現像ローラ55、現像ローラ55上に圧接される層厚規制ブレード56、トナー供給ローラ57及びトナー(現像剤)が充填されるトナーボックス58などを備えている。
【0032】
感光体ドラム52は、現像ローラ55の側方位置において、その現像ローラ55と対向するような状態で時計方向に回転可能に配設されている。スコロトロン型帯電器53は、正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光体ドラム52に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。
【0033】
そして、感光体ドラム52の表面は、その感光体ドラム52の回転に伴って、まず、スコロトロン型帯電器53により一様に正帯電された後、スキャナユニット40からのレーザビームの高速走査により露光され、所定の印刷データに基づく静電潜像が形成される。
【0034】
次いで、現像ローラ55の回転により、現像ローラ55上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光体ドラム52に対向して接触する時に、感光体ドラム52の表面上に形成される静電潜像に供給される。
【0035】
転写ローラ54は、感光体ドラム52の下方において、この感光体ドラム52に対向するように配置され、ドラムカートリッジ50に反時計方向に回転可能に支持されている。そして、感光体ドラム52の表面上に担持された可視像は、用紙Wが感光体ドラム52と転写ローラ54との間を通る間に用紙Wに転写される。
【0036】
定着ユニット42は、プロセスユニット41よりも用紙搬送方向下流側(後方側)に配設され、定着ユニット42は転写された用紙W上のトナーを加熱溶融させるための加熱ローラ63と、加熱ローラ63に対向して配置され、送給される用紙Wを加熱ローラ63に向けて押圧する押圧ローラ64と、サーミスタ65とを備えている。
【0037】
加熱ローラ63は、円筒状部材としての金属素管を備え、その軸方向に沿ってハロゲンランプが内装されている。このハロゲンランプにより、加熱ローラ63の表面を、トナーが用紙Wに定着される定着温度(例えば、200℃)まで加熱可能となっている。
【0038】
押圧ローラ64は、金属製のローラ軸と、この押圧ローラ軸の周りを被覆する、ゴム材料からなるゴムローラとを備えている。この押圧ローラ64のゴムローラにより加熱ローラ63の金属素管に弾性的に押圧され、加熱ローラ63の回転に従動される。
【0039】
サーミスタ65は、温度により抵抗値が変化する素子であり、その抵抗値の値により、加熱ローラ63の温度を測定する。その温度により、CPU90が、加熱ローラ63を加熱するヒータの電源をON・OFFすることにより、加熱ローラ63が、所定の温度になるように制御する。
【0040】
このような定着ユニット42において、加熱ローラ63は、プロセスユニット41において用紙Wに転写されたトナーを、用紙Wから加熱ローラ63と押圧ローラ64との間を通過する間に加熱及び加圧することにより定着させる。
【0041】
更に、加熱ローラ63は、画像定着後の用紙Wを、ガイド部材67,68により形成される排紙パスを介して、排出ローラ69まで搬送する。そして、排出ローラ69は、送られてきた用紙Wを排紙トレイ2a上に排紙する。この排出ローラ69の近傍に、排出ローラ69により送られる用紙Wの非接触型タグ80と対向するICライタ81(本発明の「書込手段」に相当)が設けられている。ICライタ81は、図示しないアンテナから電波を発することにより、用紙Wの非接触型タグ80にタグデータを記憶させることができる。
【0042】
読取ユニット3は、画像読取装置4とADF5とを備え、画像読取装置4は、画像形成ユニット2の排紙トレイ2aの上方において、その下面4bが当該排紙トレイ2aと対向し、この排紙トレイ2aを覆うように配されている。
【0043】
読取ユニット3は、フラットベッド方式のスキャナとして構成されており、このフラットベッド方式の構成では、ADF5が後方に開くと、原稿台4aが露出するようになっており(図2参照)、その原稿台4a上に本やその他の各種原稿を載置した状態でコピー時等における読み取りができるように構成されている。
【0044】
尚、原稿の読み取りは、原稿台4a上に原稿を載置して行う場合と、ADF5を利用する場合とがある。原稿台4a上に原稿を載置して行う場合には、原稿の搬送方向に沿って延びる軸79に沿って、かつ、原稿台4aに沿ってCIS(コンタクトイメージセンサ)71が移動され、その際に1ラインずつ、原稿台4a上に載置された原稿の読み取りが行われる。また、一方、ADF5を利用する場合には、CIS71が原稿台4aの左端部側に移動され、その位置で保持されて、ADF5により搬送される原稿の読み取りが1ラインずつ行われるようになっている。
【0045】
図4は本実施形態の複合機1の電気系統を示すブロック図である。図4に示すように、複合機1は、各種の入力操作を受け付ける操作部6と、給紙カセット9の着脱が行われたことを検知する着脱検知部82と、非接触型タグ80へのタグデータの記憶を行うICライタ81と、画像の読取を行う読取ユニット3と、印刷及び定着ユニット42により加熱定着を行う画像形成部22と、ROM91と、RAM92と、CPU90と、電話回線等の通信回線に接続されるファクシミリインターフェース94と、パーソナルコンピュータPC(以下「パソコンPC」という)等に接続されるネットワークインターフェース95とを備えて構成されている。
【0046】
CPU90は、外部のパソコンPCからの印刷データの受信及び、コピー走査が行われることにより読取ユニット3からの画像データの受信があると、印刷データ、画像データ及びデータに付加されている情報(例えば印刷指令を行ったユーザの情報、印刷要求のあった枚数等のページ情報)をRAM92に記憶させる。
【0047】
次に、パソコンPCで行われるデータ作成処理(本発明の「データ作成手段」に相当)について説明する。図5は本実施形態のパソコンPCで行われるデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
このデータ作成処理は、パソコンPC内に予めインストールされたドライバソフトにより実行されるもので、パソコンPCの文章編集ソフトにより編集された文章や、表計算ソフトにより作成された表等を印刷する際に、印刷するプリンタとして前述した複合機1が選択されて、印刷の実行が指示されると、本データ作成処理が実行される。
【0049】
図5に示すように、まず、複合機1に印刷の開始を指示するジョブ開始コマンドを送信する(ステップ100。以下、S100という。以下同様。)。ジョブ開始コマンドを送信した後、非接触型タグ80にタグデータを記憶するか否かを判断する(S110)。タグデータを記憶するか否かは、例えば、パソコンPCの画面にタグデータを記憶するか否かを問い合わせるチェックボックスを表示し、タグデータを記憶する旨のチェックボックスにチェックがされた際に、タグデータを記憶すると判断する。タグデータを記憶する旨のチェックがされた際には、タグデータを記憶すると判断して(S110:YES)、印刷ファイルの1ページ分のデータからPDFファイルを作成する(S115)。
【0050】
印刷ファイルは、パソコンPCにより文章編集ソフトにより編集した文章のソースファイル、あるいは、表計算ソフトにより作成した表のソースファイル等であり、これから複合機1により印刷しようとするファイルである。この印刷ファイルの内容を用紙に印刷する際には、複数の用紙を要するファイルであり、文章編集ソフト等により、複数ページにわたって印刷がなされるように設定されている。
【0051】
本実施形態では、印刷ファイルを他の形式のファイルに変換して、印刷ファイルからなる変換ファイルをファイルデータとして送信している。例えば、インターネット配布用文書形式で事実上標準となっている、米国Adobe Systems社が電子文書のフォーマットとして開発したPDF(Portable Document Format)形式のファイルに変換して送信している。PDFファイルに変換することにより、ファイルサイズを小さくすることができる。
【0052】
作成するのは、この印刷ファイルの1ページ分、例えば、先に、最初の1ページ分のデータをPDF形式のファイルに変換して、印刷する1ページ分のPDFファイルを作成する。最初に作成するのは、印刷ファイルの内容の最初の1ページ、あるいは、逆に、最後のページであってもよい。
【0053】
PDFファイルを作成した後、タグ書込コマンドを複合機1に送信する(S120)。タグ書込コマンドを送信した後(S120)、次に、非接触型タグ80のタグデータとするため、S115の処理により、複合機1に印刷ファイルに基づいて作成した1ページ分のPDFファイルを送信する(S130)。
【0054】
PDFファイルを送信した後(S130)、印刷ファイルの内容のうち、S115の処理の際にPDFファイルに変換した印刷ファイルの1ページ分(用紙一枚分)に相当する印刷データを、印刷ファイルを各画素に展開して作成する(S140)。
【0055】
次に、この作成した用紙一枚分の印刷データをパソコンPCから複合機1に送信する(S150)。続いて、次ページのデータがあるか否かを、印刷ファイルの内容に基づいて判断する(S160)。印刷ファイルは印刷に複数の用紙を要し、印刷ファイルの内容から、次ページのデータがまだあると判断して(S160:YES)、S115以下の処理を繰り返し、印刷ファイルの次のページのデータからPDFファイルを作成する(S115)。
【0056】
そして、タグ書込コマンドを複合機1に送信し(S120)、作成した1ページ分のPDFファイルを送信する(S130)。この印刷ファイルの次の1ページ分(用紙一枚分)の印刷データを作成し(S140)、この作成した用紙一枚分の印刷データをパソコンPCから複合機1に送信する(S150)。
【0057】
同様に、S115以下の処理を繰り返して、複数の用紙を要する印刷ファイルの全てのページについて、それぞれ1ページ毎にPDFファイルを作成して(S115)、複合機1に送信する(S130)。続いて、1ページ毎の印刷データを作成して(S140)、その作成した印刷データを全て複合機1に送信する(S150)。PDFファイルの作成・送信及び印刷データの作成・送信は、印刷ファイルの最初の1ページから最後のページに向かって順に作成・送信してもよく、あるいは、逆に最後のページから最初の1ページに向かって順に作成・送信してもよい。
【0058】
こうして、印刷ファイルの全てのページについて、1ページ毎(用紙一枚分毎)の印刷データを作成して、複合機1に送信すると、次ページのデータはないと判断して(S160:NO)、ジョブ終了コマンドを複合機1に送信して(S170)、本処理を終了する。
【0059】
一方、S110の処理により、非接触型タグ80にタグデータを記憶しないと判断したときには(S110:NO)、S140〜S160の処理と同様に、印刷ファイルの内容のうち、用紙一枚分の印刷データを作成する(S180)。次に、この作成した用紙一枚分の印刷データをパソコンPCから複合機1に送信する(S185)。
【0060】
続いて、次ページのデータがあるか否かを、印刷ファイルの内容に基づいて判断する(S190)。印刷ファイルの内容から、次ページのデータがまだあると判断すると(S190:YES)、S180以下の処理を繰り返し、次のページに相当する用紙一枚分の印刷データを作成し(S180)、その作成した印刷データを複合機1に送信する(S185)。印刷ファイルの全てのページについて、用紙一枚分毎の印刷データを作成して、複合機1に送信すると、次ページのデータはないと判断して(S190:NO)、ジョブ終了コマンドを複合機1に送信し(S170)、本処理を終了する。
【0061】
次に、複合機1により行われる印刷・書込制御処理(本発明の「印刷・書込制御手段」に相当)について説明する。図6は本実施形態の複合機1において行われる印刷・書込制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0062】
図6に示すように、複合機1の電源が投入されると、本印刷・書込制御処理が実行される。まず、複合機1では、各種センサの動作や原位置確認などの印刷を開始できる状態とするハードウエアのイニシャル処理を実行する(S200)。次に、パソコンPCからの受信データがあるか否かを判断し(S205)、パソコンPCから何らかのデータの送信がないときには(S205:NO)、そのまま待機し、受信データがあったときには(S205:YES)、その受信データがジョブ開始コマンドか否かを判断する(S210)。このジョブ開始コマンドはパソコンPCのS100の処理により送信される。
【0063】
ジョブ開始コマンドでなかったときには(S210:NO)、その受信したコマンドに応じた処理を行って(S215)、S205以下の処理を繰り返す。受信したデータがジョブ開始コマンドであるときには(S210:YES)、ジョブ開始コマンドに続いて、受信データがあるか否かを判断する(S220)。
【0064】
パソコンPCから何らかのデータの送信がないときには(S220:NO)、そのまま待機し、受信データがあったときには(S220:YES)、その受信データがタグ書込コマンドか否かを判断する(S225)。タグ書込コマンドはパソコンPCのS120の処理により送信される。
【0065】
タグ書込コマンドを受信したときには(S225:YES)、非接触型タグ80に記憶させるタグデータがあると判断して、タグ書込コマンドに続いて、パソコンPCのS130の処理により送信されるPDFファイルからなるファイルデータを受信し、このファイルデータをタグデータとしてRAM92のバッファに格納する(S230)。
【0066】
次に、ファイルデータに続いて、パソコンPCのS150の処理により送信される1ページ分(用紙W一枚分)の印刷データを受信し(S235)、受信した印刷データに基づいて用紙Wに印刷する印刷処理を実行すると共に、バッファに格納したPDFファイルからなるファイルデータを非接触型タグ80にタグデータとして記憶させる処理を実行する(S240)。
【0067】
印刷処理では、給紙カセット9内の最上位の非接触型タグ80が設けられた用紙Wが、給紙ローラ25によって搬送経路を介してレジストローラ29に順次送られ、感光体ドラム52の表面上に担持された可視像が、用紙Wに転写される。用紙Wに転写されたトナーを、加熱ローラ63と押圧ローラ64とにより定着させ、画像定着後の用紙Wを、排紙パスを介して、排出ローラ69まで搬送する。
【0068】
そして、記憶処理では、排出ローラ69により送られる用紙Wの非接触型タグ80と対向するICライタ81から、図示しないアンテナから電波を発することにより、用紙Wの非接触型タグ80にバッファに格納されたPDFファイルデータをタグデータとして記憶させて、排紙トレイ2aに排出する。
【0069】
続いて、受信データがあるか否かを判断し(S245)、受信データがないときには(S245:NO)、そのまま待機し、受信データがあると(S245:YES)、受信データがジョブ終了コマンドか否かを判断する(S250)。
【0070】
印刷ファイルは印刷に複数の用紙Wを要するので、パソコンPCからはS115〜S160の処理の実行により、複数のページ毎のPDFファイルが順に送信されると共に、複数のページ毎の印刷データが順に送信される。パソコンPCから次のページの印刷データが送信され、受信データがジョブ終了コマンドではないと判断すると(S250:NO)、S230以下の処理を繰り返して、複数のページ毎のPDFファイルと印刷データを受信して(S230〜S235)、用紙Wに印刷データに基づいて印刷すると共に、非接触型タグ80に印刷データと同じ内容のPDFファイルをタグデータとして記憶させる(S240)。
【0071】
パソコンPCからS170の処理によるジョブ終了コマンドが送信され、ジョブ終了コマンドが受信されたと判断すると(S250:YES)、1つのジョブの処理が終了したので、S205、S210、S215の処理を行いながら、次のジョブ開始コマンドを待つ。
【0072】
一方、S225の処理により、受信したデータがタグ書込コマンドではないと判断すると(S225:NO)、1ページ分(用紙W一枚分)の印刷データを受信する(S255)。印刷データを受信した後、受信した印刷データに基づいて用紙Wに印刷する印刷処理を実行する(S260)。
【0073】
印刷処理を行った後(S260)、受信データがあるか否かを判断し(S265)、受信データがないときには(S265:NO)、そのまま待機し、受信データがあると(S265:YES)、受信データがジョブ終了コマンドか否かを判断する(S270)。
【0074】
パソコンPCからはS180〜S190の処理の実行により、1ページ毎の印刷データが順に送信される。パソコンPCから次のページの印刷データが送信され、受信データがジョブ終了コマンドではないと判断すると(S270:NO)、1ページ分の印刷データを受信する(S255)。印刷データを受信した後、受信した印刷データに基づいて用紙Wに印刷する印刷処理を実行する(S260)。
【0075】
S255以下の処理を繰り返して、パソコンPCから送信される印刷データに基づいて用紙Wに印刷する。パソコンPCからS170の処理によるジョブ終了コマンドが送信され、ジョブ終了コマンドが受信されたと判断すると(S270:YES)、1つのジョブの処理が終了したので、S205、S210、S215の処理を行いながら、次のジョブ開始コマンドを待つ。
【0076】
このように、印刷ファイルをファイルデータとして非接触型タグ80に記憶させるときには(S225:YES)、本実施形態では、印刷に複数の用紙Wを要する印刷ファイルの1ページ毎に作成した印刷データに基づいて、用紙Wに印刷すると共に、1ページ毎の印刷した内容と同じ内容のPDFファイルを、その印刷する用紙Wの非接触型タグ80に記憶させる(S230〜S250)。
【0077】
従って、非接触型タグ80に記憶させるのは、その用紙Wに記憶させるそのページのPDFファイルであるので、非接触型タグ80の記憶容量は小さくてもよい。例えば、印刷ファイルの全てのページ分を1つのPDFファイルに変換して、そのPDFファイルを非接触型タグ80に記憶させると、非接触型タグ80の記憶容量に大きなものが必要となる。尚、本実施形態では、PDFファイルに変換して記憶させているが、ソースファイルとしての印刷ファイルを1ページ毎に分割して、その印刷ファイルを変換することなく、各非接触型タグ80に記憶させてもよい。
【0078】
次に、前述した実施形態と異なる第2実施形態としてのデータ作成処理と印刷・書込制御処理とについて、図7、図8によって説明する。図7は第2実施形態のパソコンPCで行われるデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。図8は第2本実施形態の複合機1において行われる印刷・書込制御処理の一例を示すフローチャートである。尚、前述した図5、図6に示すデータ作成処理及び印刷・書込制御処理と同じ処理については同一番号を付して詳細な説明を省略する。以下同様。
【0079】
本第2実施形態では、データ作成処理は、前述した実施形態と同様、パソコンPCにより実行され、図7に示すように、まず、複合機1に印刷の開始を指示するジョブ開始コマンドを送信する(S100)。ジョブ開始コマンドを送信した後、非接触型タグ80にタグデータを記憶するか否かを判断する(S110)。
【0080】
非接触型タグ80にタグデータを記憶するときには(S110:YES)、複合機1にタグ書込コマンドを送信する(S120)。そして、印刷ファイルの内容のうち、1ページ分(用紙一枚分)の印刷データを作成する(S140)。次に、この作成した1ページ分の印刷データをパソコンPCから複合機1に送信する(S150)。
【0081】
続いて、次ページのデータがあるか否かを、印刷ファイルの内容に基づいて判断する(S160)。印刷ファイルの内容から、次ページのデータがまだあると判断すると(S160:YES)、S140以下の処理を繰り返し、次のページに相当する用紙一枚分の印刷データを作成し(S140)、その作成した印刷データを複合機1に送信する(S150)。印刷ファイルの全てのページについて、用紙一枚分毎の印刷データを作成して、複合機1に送信すると、次ページのデータはないと判断して(S160:NO)、ジョブ終了コマンドを複合機1に送信し(S170)、本処理を終了する。
【0082】
非接触型タグ80にタグデータを記憶させないときには(S110:NO)、タグ送信コマンドを送信することなく、1ページ分の印刷データを作成して(S140)、この作成した1ページ分の印刷データをパソコンPCから複合機1に送信する(S150)。
【0083】
複合機1では、図8に示す印刷・書込制御処理が実行され、電源が投入されると、まず、複合機1では、ハードウエアのイニシャル処理を実行し(S200)、パソコンPCからのコマンドに応じた処理を行って(S215)、S205以下の処理を繰り返す。受信したデータがジョブ開始コマンドであり(S210:YES)、また、タグ書込コマンドを受信したときには(S225:YES)、非接触型タグ80にタグデータを記憶させると判断して、タグ書込コマンドに続いて、パソコンPCのS150の処理により送信される印刷データを受信する(S235)。
【0084】
そして、受信した印刷データからPDF形式のファイルデータを作成する(S236)。これにより、印刷データに応じた1ページ分(用紙W一枚分)のPDFファイルデータが作成される。
【0085】
次に、受信した印刷データに基づいて用紙Wに印刷する印刷処理を実行すると共に、印削データから作成したPDFファイルからなるファイルデータを非接触型タグ80にタグデータとして記憶させる処理を実行する(S241)。
【0086】
続いて、受信データがあるか否かを判断し(S245)、受信データがないときには(S245:NO)、そのまま待機し、受信データがあると(S245:YES)、受信データがジョブ終了コマンドか否かを判断する(S250)。
【0087】
印刷ファイルは印刷に複数の用紙Wを要するので、パソコンPCからはS140〜S160の処理の実行により、複数のページ毎の印刷データが順に送信される。パソコンPCから次のページの印刷データが送信され、複数のページ毎の印刷データを受信して(S235)、その印刷データ毎にPDFファイルデータを作成する(S236)。そして、用紙Wに印刷データに基づいて印刷すると共に、非接触型タグ80に印刷データと同じ内容のPDFファイルをタグデータとして記憶させる(S240)。
【0088】
パソコンPCからS170の処理によるジョブ終了コマンドが送信され、ジョブ終了コマンドが受信されたと判断すると(S250:YES)、1つのジョブの処理が終了したので、以下、S205、S210、S215の処理を行いながら、次のジョブ開始コマンドを待つ。
【0089】
一方、S225の処理により、受信したデータがタグ書込コマンドではないと判断すると(S225:NO)、1ページ分の印刷データを受信し(S255)、受信した印刷データに基づいて用紙Wに印刷する印刷処理を実行する(S260)。
【0090】
このように、印刷ファイルをファイルデータとして非接触型タグ80に記憶させるときには(S225:YES)、本第2実施形態では、印刷に複数の用紙Wを要する印刷ファイルの1ページ毎に作成した印刷データに基づいて、用紙Wに印刷すると共に、1ページ毎の印刷した内容と同じ内容のPDFファイルを、印刷データに基づいて作成し、その印刷する用紙Wの非接触型タグ80に記憶させる(S235〜S250)。
【0091】
従って、非接触型タグ80に記憶させるのは、その用紙Wに記憶させるそのページのPDFファイルであるので、非接触型タグ80の記憶容量は小さくてもよい。
次に、第3実施形態としての印刷・書込制御処理について、図9、図10によって説明する。図9、図10は第3本実施形態の複合機1において行われる印刷・書込制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0092】
パソコンPCにおいて行われるデータ作成処理は、前述した図5に示すデータ作成処理と同じであり、複数の用紙を要する印刷ファイルの全てのページについて、それぞれ1ページ毎にPDFファイルを作成して(S115)、複合機1に送信する(S130)。同時に、1ページ毎の印刷データを作成して(S140)、その作成した印刷データを全て複合機1に送信する(S150)。
【0093】
一方、複合機1の電源が投入されると、図9、図10に示す印刷・書込制御処理が実行される。まず、ハードウエアのイニシャル処理を実行し(S200)、パソコンPCからのコマンドに応じた処理を行って(S215)、S205以下の処理を繰り返す。受信したデータがジョブ開始コマンドであり(S210:YES)、また、タグ書込コマンドを受信したときには(S225:YES)、非接触型タグ80に記憶させるタグデータがあると判断して、バッファカウンタiに1を代入する(S226)。
【0094】
次に、タグ書込コマンドに続いて、パソコンPCのS130の処理により送信されるPDFファイルからなるファイルデータを受信し、このファイルデータをタグデータとして、1番目から3番目の3つのバッファのうち、1番目のバッファに格納する(S231)。ファイルデータに続いて、パソコンPCのS150の処理により送信される1ページ分(用紙W一枚分)の印刷データを受信する(S235)。
【0095】
続いて、受信データがあるか否かを判断し(S245)、受信データがないときには(S245:NO)、そのまま待機し、受信データがあると(S245:YES)、受信データがジョブ終了コマンドか否かを判断する(S250)。尚、印刷が1ページ分のみであると、パソコンPCからはジョブ終了コマンドが送信されるので、受信データがジョブ終了コマンドであると判断して(S250:YES)、受信した印刷データに基づいて用紙Wに印刷する印刷処理を実行すると共に、1番目のバッファに格納したPDFファイルからなるファイルデータを非接触型タグ80にタグデータとして記憶させる処理を実行する(S251)。S251の処理を実行した後、1つのジョブの処理が終了したので、以下、S205、S210、S215の処理を行いながら、次のジョブ開始コマンドを待つ。
【0096】
印刷ファイルの印刷に複数の用紙Wを要する際には、パソコンPCからはS115〜S160の処理の実行により、複数のページ毎のPDFファイルが順に送信されると共に、複数のページ毎の印刷データが順に送信される。パソコンPCから次のページの印刷データが送信され、受信データがジョブ終了コマンドではないと判断すると(S250:NO)、図10に示すように、バッファカウンタiに1を加算する(S300)。
【0097】
次に、次のページのPDFファイルからなるファイルデータを受信し、このファイルデータをタグデータとして、1番目から3番目の3つのバッファのうち、2番目のバッファに格納する(S305)。
【0098】
そして、S235の処理により受信した印刷データに基づいて用紙Wに印刷する印刷処理を実行すると共に、1番目と2番目のバッファに格納したPDFファイルからなるファイルデータを非接触型タグ80にタグデータとして記憶させる処理を実行する(S310)。これにより、最初に印刷する用紙Wには、最初のページの内容が印刷されると共に、その用紙Wの非接触型タグ80には最初のページと次のページとの2ページ分のPDFファイルが記憶される。
【0099】
続いて、パソコンPCのS150の処理により送信される1ページ分(次の1ページ分)の印刷データを受信する(S315)。受信後、受信データがあるか否かを判断し(S320)、受信データがないときには(S320:NO)、そのまま待機し、受信データがあると(S320:YES)、受信データがジョブ終了コマンドか否かを判断する(S325)。
【0100】
3ページ以降も印刷する際には、パソコンPCからはジョブ終了コマンドが送信されないので、受信データがジョブ終了コマンドではないと判断して(S325:NO)、バッファカウンタiに1を加算する(S330)。そして、3ページ目のPDFファイルからなるファイルデータを受信し、このファイルデータをタグデータとして、バッファに格納する(S335)。その際、格納するバッファは、1番目から3番目の3つのうち、バッファカウンタiから1を減算してから3で除した余り(分母を3としたときの分子の値を余りとする)に1を加算したバッファに格納する。即ち、3ページ目のときには、バッファカウンタiは3であり、3から1を減算した2を3で除した余りは、2となる。2に1を加算すると、3となり、3番目のバッファに3ページ目のPDFファイルを格納する。
【0101】
次に、S315の処理により受信した印刷データに基づいて用紙Wに印刷する印刷処理を実行すると共に、1番目〜3番目のバッファに格納したPDFファイルからなるファイルデータを非接触型タグ80にタグデータとして記憶させる処理を実行する(S340)。
【0102】
これにより、2ページ目を印刷する用紙Wには、2ページ目の内容が印刷されると共に、その用紙Wの非接触型タグ80には1ページ目から3ページ目の3ページ分のPDFファイルが記憶される。即ち、2ページ目の用紙Wの非接触型タグ80には、前のページと、自分のページと、後のページとの3ページ分のPDFファイルが記憶される。
【0103】
PDFファイルを記憶した後、S315以下の処理を繰り返し実行し、S315の処理の実行により、3ページ目の印刷データを受信し、4ページ目の印刷を行なう際には、バッファカウンタiに1を加算して4とし(S330)、4から1を減算した3を3で除した余りは、0となり、0に1を加算すると、1となるので、1番目のバッファに4ページ目のPDFファイルを格納する(S335)。即ち、1番目のバッファには1ページ目のPDFファイルが格納されているが、これに代えて、4ページ目のPDFファイルを格納する。
【0104】
続いて、S315の処理により受信した3ページ目の印刷データに基づいて用紙Wに印刷する印刷処理を実行すると共に、1番目〜3番目のバッファに格納した2ページ目〜4ページ目分のPDFファイルからなるファイルデータを非接触型タグ80にタグデータとして記憶させる処理を実行する(S340)。
【0105】
再び、S315の処理の実行により、4ページ目の印刷データを受信し、5ページ目の印刷データがある際には、バッファカウンタiに1を加算して5とし(S330)、5から1を減算した4を3で除した余りは、1となり、1に1を加算すると、2となるので、2番目のバッファに5ページ目のPDFファイルを格納する(S335)。即ち、2番目のバッファには2ページ目のPDFファイルが格納されているが、これに代えて、5ページ目のPDFファイルを格納する。
【0106】
続いて、4ページ目の印刷データに基づいて用紙Wに印刷する印刷処理を実行すると共に、1番目〜3番目のバッファに格納した3ページ目〜5ページ目分のPDFファイルからなるファイルデータを非接触型タグ80にタグデータとして記憶させる処理を実行する(S340)。
【0107】
5ページ目の印刷データをS315の処理により受信し、5ページ目が最後のページであるとすると、パソコンPCからはジョブ終了コマンドが送信されるので、受信したデータがジョブ終了コマンドであると判断して(S325:YES)、受信した印刷データに基づいて用紙Wに5ページ目を印刷する印刷処理を実行すると共に、バッファカウンタiを3で除した余り(分母を3としたときの分子の値を余りとする)に1を加算した値以外のバッファに格納したPDFファイルからなるファイルデータを非接触型タグ80にタグデータとして記憶させる処理を実行する(S345)。
【0108】
5ページ目のときには、バッファカウンタiの5を3で除した余りが2となり、2に1を加算して3となるので、3番目のバッファ(3ページ目のPDFファイルが格納されている)以外のバッファ、即ち、1番目と2番目のバッファに格納された4ページ目と5ページ目分のPDFファイルからなるファイルデータを非接触型タグ80にタグデータとして記憶させる。これにより、最後のページの用紙Wに設けられた非接触型タグ80には、前のページと自分のページ分の2つ分のPDFファイルが記憶される。S345の処理を実行した後、1つのジョブの処理が終了したので、以下、S205、S210、S215の処理を行いながら、次のジョブ開始コマンドを待つ。
【0109】
一方、S225の処理により、受信したデータがタグ書込コマンドではないと判断すると(S225:NO)、1ページ分(用紙W一枚分)の印刷データを受信する(S255)。印刷データを受信した後、受信した印刷データに基づいて用紙Wに印刷する印刷処理を実行する(S260)。
【0110】
このように、第3実施形態では、タグデータを非接触型タグ80に記憶させるときには(S225:YES)、印刷に複数の用紙Wを要する印刷ファイルの1ページ毎に作成した印刷データに基づいて、用紙Wに印刷する。また、1ページ毎の印刷した内容と同じ内容のPDFファイルのうち、最初のページでは、1ページと後のページの2ページ分のPDFファイルを非接触型タグ80に記憶する。次ページ以降は、前後のページと自分のページの3ページ分のPDFファイルを非接触型タグ80に記憶し、最後のページでは、前のページと最後のページの2ページ分のPDFファイルを非接触型タグ80に記憶する。
【0111】
従って、非接触型タグ80に記憶させるのは、前後のページと自分のページのPDFファイルであるので、非接触型タグ80の記憶容量は小さくてもよい。例えば、印刷ファイルの全てのページ分を1つのPDFファイルに変換して、そのPDFファイルを非接触型タグ80に記憶させると、非接触型タグ80の記憶容量に大きなものが必要となる。
【0112】
しかも、前後のページのPDFファイルをも記憶しているので、例えば、ある1ページの用紙Wを紛失しても、その前後のページの用紙Wの非接触型タグ80に記憶されているPDFファイルから、紛失した用紙Wを再現できる。
【0113】
尚、本実施形態では、PDFファイルに変換して記憶させているが、ソースファイルとしての印刷ファイルを1ページ毎に分割して、その印刷ファイルを変換することなく、各非接触型タグ80に記憶させてもよい。また、最初と最後のページ以外では、前後のページをも記憶しているが、これに限らず、どちらか一方のページ、例えば、後のページと自分のページとの2ページ分を記憶するようにしてもよい。
【0114】
次に、第4実施形態としての印刷・書込制御処理について、図11によって説明する。図11は第4本実施形態の複合機1において行われる印刷・書込制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0115】
パソコンPCにおいて行われるデータ作成処理は、前述した図5に示すデータ作成処理と同じであり、複数の用紙を要する印刷ファイルの全てのページについて、それぞれ1ページ毎にPDFファイルを作成して(S115)、複合機1に送信する(S130)。同時に、1ページ毎の印刷データを作成して(S140)、その作成した印刷データを全て複合機1に送信する(S150)。
【0116】
一方、複合機1の電源が投入されると、図11に示す印刷・書込制御処理が実行される。まず、ハードウエアのイニシャル処理を実行し(S200)、受信したコマンドに応じた処理を行って(S215)、受信データとしてタグ書込コマンドを受信したときには(S225:YES)、非接触型タグ80に記憶させるタグデータがあると判断して、PDFファイルを受信して、バッファに格納すると共に(S230)、印刷データを受信する(S235)。
【0117】
次に、受信した印刷データに基づいて用紙Wに印刷する印刷処理を実行すると共に、バッファに格納したPDFファイルからなるファイルデータを非接触型タグ80にタグデータとして記憶させる処理を実行する(S241)。その際、PDFファイルの容量が大きく、非接触型タグ80の容量的に全てを記憶させることができないときには、非接触型タグ80に容量的に記憶させることができる部分のPDFファイルを記憶させる。
【0118】
そして、PDFファイルの全容量を非接触型タグ80に記憶させることができたか否かを判断し(S242)、PDFファイルの全容量を記憶させることができなかったときには(S242:NO)、S241の処理により、非接触型タグ80に記憶した部分を除いた差分のPDFファイルを作成する(S243)。
【0119】
次に、「非接触型タグにデータがある」旨の印刷を用紙Wに行なうと共に、S243の処理により作成した差分のPDFファイルからなるファイルデータを非接触型タグ80にタグデータとして記憶させる処理を実行する(S244)。この際にも、差分のPDFファイルの容量がまだ大きく、非接触型タグ80の容量的に全てを記憶させることができないときには、非接触型タグ80に容量的に記憶させることができる部分のPDFファイルを記憶させる。
【0120】
尚、本実施形態では、この用紙Wには印刷データに基づく印刷は行わないが、これに限らず、差分のPDFファイルに応じた内容の印刷を行うようにして、印刷の内容と、非接触型タグ80に記憶されているPDFファイルの内容とが同じになるようにしてもよい。
【0121】
例えば、図12(a)に示すように、用紙Wの上側に前半の部分を印刷し、その印刷した内容のPDFファイルを非接触型タグ80に記憶し、次のページには、図12(b)に示すように、その残りの部分の印刷を用紙の下側に行い、その印刷した内容のPDFファイルを非接触型タグ80に記憶するようにしてもよい。
【0122】
続いて、S242以下の処理を実行し、まだ、PDFファイルの全容量を記憶させることができなかったときには(S242:NO)、差分のPDFファイルを作成して(S243)、「非接触型タグにデータがある」旨の印刷をすると共に、非接触型タグ80に記憶させる。(S244)
S242の処理により、全容量を記憶したと判断すると(S242:YES)、受信データがあるか否かを判断し(S245)、受信データがないときには(S245:NO)、そのまま待機し、受信データがあると(S245:YES)、受信データがジョブ終了コマンドか否かを判断する(S250)。
【0123】
印刷ファイルは印刷に複数の用紙Wを要するので、S230以下の処理を繰り返し、PDFファイルと印刷データとを受信し、用紙Wに印刷データに基づいて印刷すると共に、PDFファイルを非接触型タグ80に記憶する(S230〜S243)。ジョブ終了コマンドが受信されたと判断すると(S250:YES)、1つのジョブの処理が終了したので、以下、S205、S210、S215の処理を行いながら、次のジョブ開始コマンドを待つ。
【0124】
このように、第4実施形態では、PDFファイルのサイズが、非接触型タグ80の容量よりも大きく、1つの非接触型タグ80に記憶させることができないときには、1つの非接触型タグ80に記憶させることができる容量のファイルに分割する。この分割したファイルを非接触型タグ80に記憶させるので、非接触型タグ80の記憶容量は小さくてもよい。また、「非接触型タグにデータがある」旨の印刷を用紙Wに行うことにより、非接触型タグ80にタグデータが記憶されていることが容易にわかる。
【0125】
また、例えば、図13に示すように、用紙Wの左右上側の隅に、それぞれ小容量の非接触型タグ80を設ける。大きな容量が必要にときには、2つの非接触型タグ80にタグデータを記憶させる。また、一方の非接触型タグ80で足りるときには、左側の非接触型タグ80にPDFファイルを記憶させ、右側の非接触型タグ80にはKILLコマンド等を書き込み、休眠状態とする。これにより、複数の非接触型タグ80を設けても混信を防止できる。
【0126】
更に、用紙Wを綴じる際には、通常、左側が綴じられるので、左側の非接触型タグ80が背表紙側となり、図示しないリーダによるタグデータの読み取りが容易になる。尚、左右上側の隅に設けると印刷の際に、画質に影響を与えない。
【0127】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。例えば、第3及び第4実施形態では、PDFファイルを受信するように説明したが、他の形式のファイルを受信してもよいし、第2実施形態のように印刷データのみを受信し、複合機1において、非接触型タグ80に書き込むデータを生成してもよい。
【0128】
前述した第1、第3、第4の実施形態では、パソコンPCから複合機1に、用紙一枚分毎の印刷データと、印刷ファイルとしてのファイルデータとを送信し、第2実施形態では、パソコンPCから複合機1に用紙一枚分の印刷データを送信することにより、パソコンPCと複合機1とにより、本発明の画像形成装置を構成している。本実施形態では、パソコンPCと複合機1とをネットワークを介して接続しているが、プリンターポートあるいはシリアルポートを介して接続してもよいし、パソコンPCと複合機1とを一体的に構成してもよい。その際、印刷ファイルを記憶させたメモリーカード等を、画像形成装置に設けたカードリーダ等に挿入して、印刷ファイルを読み込むようにしてもよく、必ずしもネットワークに接続されている必要はなく、編集済みの印刷ファイルを読み込めればよく、文章編集機能を備えていなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の一実施形態としての複合機の外観を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の読取ユニットを開けた状態を示す複合機の斜視図である。
【図3】本実施形態の複合機を給紙ローラ等の軸方向から見た要部側断面図である。
【図4】本実施形態の複合機の電気系統を示すブロック図である。
【図5】本実施形態のパソコンで行われるデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の複合機において行われる印刷・書込制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態としてのパソコンで行われるデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態としての複合機において行われる印刷・書込制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】第3実施形態としての複合機において行われる印刷・書込制御処理の前半の一例を示すフローチャートである。
【図10】第3実施形態としての複合機において行われる印刷・書込制御処理の後半の一例を示すフローチャートである。
【図11】第4実施形態としての複合機において行われる印刷・書込制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】ファイル容量が大きいときの、用紙への印刷を説明する説明図である。
【図13】複数の非接触型タグを設ける場合の説明図である。
【符号の説明】
【0130】
1…複合機 2…画像形成ユニット
2a…排紙トレイ 3…自動搬送原稿読取ユニット
4…画像読取装置 6…操作部
9…給紙カセット 21…フィーダ部
22…画像形成部 25…給紙ローラ
29…レジストローラ
40…スキャナユニット
41…プロセスユニット
42…定着ユニット 50…ドラムカートリッジ
51…現像カートリッジ
52…感光体ドラム 54…転写ローラ
55…現像ローラ 63…加熱ローラ
64…押圧ローラ 69…排出ローラ
80…非接触型タグ 81…ICライタ
82…着脱検知部 83…制御回路
PC…パーソナルコンピュータ
W…用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグデータを記憶すると共に該タグデータを無線通信により送受信する非接触型タグが設けられた用紙に印刷データに基づいて画像を印刷する印刷手段と、
前記タグデータを前記非接触型タグに記憶させる書込手段とを備えた画像形成装置において、
印刷に複数の前記用紙を要する印刷ファイルから前記用紙一枚分毎の前記印刷データを作成するデータ作成手段と、
前記印刷手段を制御して、前記データ作成手段からの前記用紙一枚分毎の前記印刷データに基づいて前記用紙に印刷させると共に、前記書込手段を制御して、印刷する前記用紙の前記非接触型タグに前記用紙一枚分毎の前記印刷データに対応したファイルデータを前記タグデータとして記憶させる印刷・書込制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記データ作成手段は、前記印刷ファイルから前記用紙一枚分毎の前記印刷データに対応した前記ファイルデータを作成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷・書込制御手段は、前記データ作成手段からの前記用紙一枚分の前記印刷データから前記ファイルデータを作成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷・書込制御手段は、印刷する前記用紙の前後の少なくとも一方の前記用紙に対応した前記ファイルデータをも印刷する前記用紙の前記非接触型タグに前記タグデータとして記憶させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷・書込制御手段は、前記用紙一枚分の前記ファイルデータの容量が大きく、前記非接触型タグに記憶できないときに、前記ファイルデータの一部をその前記用紙の前記非接触型タグに記憶させ、残りの前記ファイルデータを他の前記用紙に記憶させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷・書込制御手段は、前記ファイルデータの一部をその前記用紙の前記非接触型タグに記憶させると共に、その前記用紙にその一部の前記ファイルデータに対応した印刷を行わせ、残りの前記ファイルデータを他の前記用紙の前記非接触型タグに記憶させると共に、他の前記用紙にその残りの前記ファイルデータに対応した印刷を行わせることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−74068(P2008−74068A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−259138(P2006−259138)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】