説明

画像形成装置

【課題】本発明は、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に関し、騒音増大およびトルク不足を回避した増速が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】4つの感光体ドラム11Y,11M,11C,11KのうちのK色用の感光体ドラム11Kを除く他の3つの感光体ドラム11Y,11M,11Cを回転駆動させる第1モータ720が、これら3つの感光体ドラム11Y,11M,11Cに対して1つ配備され、4つの現像ロール141Y,141M,141C,141KのうちのK色用の現像ロール141Kを除く他の3つの現像ロール141Y,141M,141Cを回転駆動させる、第1モータ720とは別の第2モータ730が、これら3つの現像ロール141Y,141M,141Cに対して1つ配備されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の4色のトナーそれぞれに対応した、並列配置された4つのトナー像形成ユニットを用い、中間媒体としての中間転写ベルトの送りに同期させて各トナー像形成ユニットでYMCK各色のトナー像を形成し、それら各色のトナー像を中間転写ベルト上に順次に重ね合わせて転写(1次転写)し、中間転写ベルト上に重ね合わせたカラートナー像を記録媒体である記録用紙上に転写(2次転写)し定着する中間転写方式のフルカラータンデム型画像形成装置が知られている。
【0003】
このようなフルカラータンデム型画像形成装置の各トナー像形成ユニットには、回転しながら周面に静電潜像が形成されてこの静電潜像を保持する、感光体ドラム等に代表される像保持体と、この像保持体に接触あるいは近接した、周面にトナーを含む現像剤を保持して回転することで像保持体に保持されている静電潜像を現像して像保持体上にトナー像を形成する現像体が備えられている。また、このフルカラータンデム型画像形成装置には、像保持体および現像体を回転駆動させるサーボモータが備えられている。
【0004】
ここで、従来の画像形成装置を増速させた、より多くの画像形成が可能な増速機を設計する場合、一般に、サーボモータのクロック周波数を変更する事でサーボモータの回転数を上げる方法が取られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−182701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述した特許文献1の方法による増速で従来の画像形成装置を大きく増速することによって、サーボモータの回転数が2000回転を超えてしまうと、騒音が発生することが知られている。また、増速する事によって負荷が大きくなり、トルク不足を生じるおそれもある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、騒音増大およびトルク不足を回避した増速が可能な画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は、
回転しながら周面に静電潜像が形成されてこの静電潜像を保持する複数の像保持体と、
上記複数の像保持体それぞれにそれぞれが接触あるいは近接した、各周面に各色のトナーを含む現像剤を保持して回転することでその像保持体に保持されている静電潜像を現像する複数の現像体と、
上記複数の像保持体に対して1つ配備された、それら複数の像保持体を回転駆動させる像保持体用モータと、
上記複数の現像体に対して1つ配備された、それら複数の現像体を回転駆動させる、上記像保持体用モータとは別の現像体用モータとを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の画像形成装置は、上記複数の像保持体を回転駆動させる像保持体用モータが、これら複数の像保持体に対して1つ配備され、上記複数の現像体を回転駆動させる現像体用モータが、これら複数の現像体に対して1つ配備されたものであって、この現像体用モータは上記像保持体用モータとは別のモータである。従って、本発明の画像形成装置によれば、複数の像保持体および複数の現像体を1つのモータで回転駆動していた従来の画像形成装置を増速して回転数を高くすることによって生じていた負荷の増大によるトルク不足や騒音増大を回避した増速が可能である。また、本発明の画像形成装置は、複数の像保持体および複数の現像体をそれぞれ別のモータで回転駆動することから、現像体側の振動が像保持体側に伝達されることが抑制され、より高品質な画像形成が実現される。
【0009】
ここで、本発明の画像形成装置は、
「回転しながら周面に静電潜像が形成されてこの静電潜像を保持する、上記複数の像保持体とは別の別像保持体と、
上記別像保持体に接触あるいは近接した、周面に、上記各色とは別の色のトナーを含む現像剤を保持して回転することでその別像保持体に保持されている静電潜像を現像する、上記複数の現像体とは別の別現像体と、
上記別像保持体および上記別現像体を、上記像保持体用モータおよび上記現像体用モータとは別のモータで回転駆動させる別駆動系とを備えた」
ことが好ましい。
【0010】
このような好ましい形態によれば、例えば、カラーモードとモノクロモードとを有する画像形成装置において、上記別像保持体および上記別現像体をモノクロモードで上記別駆動系によって使用するような構成とすることによって、そのモノクロモードで上記像保持体用モータおよび上記現像体用モータを停止させることができ、モノクロモードにおいて上記複数の像保持体の摩耗を防止することができる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、
「上記像保持体用モータおよび上記現像体用モータのうち少なくとも一方が、複数種類のモータのうちから選択されたモータであり、
上記像保持体用モータおよび上記現像体用モータが取り付けられてそれら像保持体用モータおよび現像体用モータを支持する、それら像保持体用モータおよび現像体用モータの取り付け箇所とは別に、上記複数種類のモータのうちそれら像保持体用モータおよび現像体用モータとは別の種類のモータが取り付けられる取り付け箇所を有するモータ支持部材を備えた」
ことも好ましい形態である。
【0012】
このような好ましい形態によれば、上記モータ支持部材を、様々な画像形成装置の共通部品として使用することができるため、金型費を抑えることができ、低コストで最適な仕様の画像形成装置を提供することが可能となる。さらに、共通の金型を用いることにより、品質の安定化が図れる。
【0013】
さらに、上記モータ支持部材を備えた本発明の画像形成装置は、上記複数種類のモータが、互いに減速比が異なるモータであることがさらに好ましい。
【0014】
このような好ましい形態によれば、上記モータ支持部材の取り付け箇所に、減速比が異なる複数種類のモータのうちから所望のモータを選択して取り付けることによって、高速型の画像形成装置や低速型の画像形成装置などといった様々な画像形成装置を得ることができる。また、減速比が異なるモータを選択して減速比を変えることによってモータの回転数を下げると、騒音をより一層低減することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、騒音増大およびトルク不足を回避した増速が可能な画像形成装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態の概略構成図である。
【0018】
図1に示す画像形成装置1は、カラーモードとモノクロモードとを有するフルカラータンデム方式を採用した画像形成装置である。カラーモードでは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の4色のトナーそれぞれに対応した、並列配置された4つのトナー像形成ユニットを用い、中間媒体としての中間転写ベルトの送りに同期させて各トナー像形成ユニットでYMCK各色のトナー像を形成し、それら各色のトナー像を中間転写ベルト上に順次に重ね合わせて転写(1次転写)し、中間転写ベルト上に重ね合わせたカラートナー像を記録媒体である記録用紙上に転写(2次転写)し定着する。また、モノクロモードでは、4つのトナー像形成ユニットのうちのK色に対応したトナー像形成ユニットを用い、中間転写ベルトの送りに同期させてそのトナー像形成ユニットでK色のトナー像を形成し、このK色のトナー像を中間転写ベルト上に転写し、中間転写ベルト上に転写したトナー像を記録媒体である記録用紙上に転写定着する。
【0019】
図1に示す画像形成装置1は、4つのトナー像形成ユニット10Y,10M,10C,10K、および4つの1次転写ロール20Y,20M,20C,20Kを備えている。また、この画像形成装置1は、駆動ロール31、従動ロール32、テンションロール33、およびバックアップロール42に張架されて反時計回りの矢印B方向に循環移動する周面を成す半導電性の中間転写ベルト30、2次転写を行う一括転写装置40、および未定着トナー像を用紙に定着させる定着装置50も備えている。
【0020】
4つのトナー像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、中間転写ベルト30の循環移動方向に並んで配備されており、各トナー像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kには、時計回りの矢印A方向に回転しながら周面に静電潜像が形成されてこの静電潜像を保持する感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kが配備されている。これら4つの感光体ドラム11Y,11M,11C,11KのうちのK色用の感光体ドラム11Kは、本発明にいう別像保持体の一例に相当するものであり、この感光体ドラム11Kを除く他の3つの感光体ドラム11Y,11M,11Cは、本発明にいう複数の像保持体の一例に相当するものである。各感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周面は、中間転写ベルト30に接している。1次転写ロール20Y,20M,20C,20Kは、中間転写ベルト30に囲まれた内部の、4つの感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kそれぞれに対向した各箇所に配備されており、各感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kと中間転写ベルト30とが接する部分が1次転写位置である。
【0021】
また、各トナー像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの周囲には、非接触型帯電装置12Y,12M,12C,12K、露光光照射装置13Y,13M,13C,13K、現像装置14Y,14M,14C,14K、補助帯電装置15Y,15M,15C,15K、補助露光装置16Y,16M,16C,16K、およびドラムクリーニング装置17Y,17M,17C,17Kが備えられている。
【0022】
現像装置14Y,14M,14C,14Kは、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周囲に配備され、1次転写位置に対し、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの回転における上流側に配備されている。露光光照射装置13Y,13M,13C,13Kは、その現像装置14Y,14M,14C,14Kよりもさらに上流側に配備されていて、非接触型帯電装置12Y,12M,12C,12Kは、その露光光照射装置13Y,13M,13C,13Kよりもさらに上流側に配備されている。
【0023】
補助帯電装置15Y,15M,15C,15Kは、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周囲に配備され、1次転写位置に対し、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの回転における下流側に配備されている。補助露光装置16Y,16M,16C,16Kは、その補助帯電装置15Y,15M,15C,15Kよりもさらに下流側に配備されている。ドラムクリーニング装置17Y,17M,17C,17Kは、その補助露光装置16Y,16M,16C,16Kよりもさらに下流側に配備されていて、1次転写位置において中間転写ベルト30に転写されず、感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上に残留する残留トナーを、導電性クリーニングブラシ171Y,171M,171C,171Kでクリーニングする。
【0024】
以下、図1に示す画像形成装置1をカラーモードで動作させるときの画像形成について説明する。
【0025】
感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周面は、非接触型帯電装置12Y,12M,12C,12Kによって一様に負極性に帯電される。非接触型帯電装置12Y,12M,12C,12Kにより一様に負極性に帯電した感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周面には、露光光照射装置13Y,13M,13C,13Kより画像の情報を保持したレーザ光が照射されて感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周面に静電潜像が形成される。現像装置14Y,14M,14C,14Kは、二成分現像方式を採用したものであり、この現像装置14Y,14M,14C,14Kには、磁性キャリアと負極性に帯電したトナーとからなる二成分現像剤が収容されている。また、現像装置14Y,14M,14C,14Kには現像ロール141Y,141M,141C,141Kが配備されている。これら4つの現像ロール141Y,141M,141C,141KのうちのK色用の現像ロール141Kは、本発明にいう別現像体の一例に相当するものであり、この現像ロール141Kを除く他の3つの現像ロール141Y,141M,141Cは、本発明にいう複数の現像体の一例に相当するものである。現像ロール141Y,141M,141C,141Kの周面には、トナーが付着した磁性キャリアが層状となった現像剤層(いわゆる磁気層)が形成され、負極性に帯電したトナーは、現像ロール141Y,141M,141C,141Kが回転することで、この現像剤層から静電潜像を保持した感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周面に供給される。感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周面に形成された静電潜像は負極性に帯電したトナーの供給を受けて現像されトナー像となる。
【0026】
1次転写ロール20Y,20M,20C,20Kには、トナーの極性とは逆極性の正極性の転写バイアスが印加されており、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周面に形成されたトナー像は、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周面から中間転写ベルト30の周面に移行する。各トナー像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kで形成されたトナー像は、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったカラートナー像となる。
【0027】
また、一括転写装置40は、中間転写ベルト30のトナー像保持面側に、圧力が加えられた状態で接触して配備された二次転写ロール41と、中間転写ベルト30の裏面側に配備されたバックアップロール42を備えており、これら2つのロール41,42で中間転写ベルト30を挟みこんでいる。これら2つのロール41,42間が二次転写位置になる。
【0028】
さらに、図1に示す画像形成装置1には、図示しない用紙トレイから搬送された用紙Pを、シュート61を経て二次転写位置に送り出すレジストレーションロール62が配備されており、用紙Pが所定のタイミングで二次転写位置へと送り込まれる。二次転写位置では、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったカラートナー像が、送り込まれてきた用紙P上に転写される。
【0029】
また、この画像形成装置1には、カラートナー像が2次転写された用紙Pを搬送する搬送ベルト63が配備されており、搬送ベルト63で搬送された用紙Pは定着装置50へと送り込まれる。定着装置50は、加熱機構511を有する定着ロール51、および定着ロール51に対向するように設けられた圧力ロール52を備えている。互いに対向する定着ロール51と圧力ロール52との間に、2次転写位置を通過した用紙Pが搬送されてくると、用紙P上のカラートナー像を構成するトナーは、定着ロール51の加熱機構511により溶融され用紙P上に定着され、用紙P上に定着トナー像からなる画像が形成される。
【0030】
また、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周面に形成されたトナー像が1次転写位置で中間転写ベルト30周面に移行した後の感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kは、補助帯電装置15Y,15M,15C,15Kによって転写履歴が緩和されるとともに、補助露光装置16Y,16M,16C,16Kによって感光体電位が調整される。また、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの周面に形成されたトナー像が1次転写位置で中間転写ベルト30の周面に移行した後に、感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上に残留する残留トナーは、補助帯電装置15Y,15M,15C,15Kによって正極性に帯電された後に、ドラムクリーニング装置17Y,17M,17C,17Kに配備された導電性クリーニングブラシ171Y,171M,171C,171Kが負極性の電圧の印加を受けることにより、静電的にクリーニングされる。
【0031】
次に、この図1に示す画像形成装置1に備えられた感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kを回転駆動する駆動源、現像ロール141Y,141M,141C,141K、およびこれらを回転駆動する駆動源について詳しく説明する。
【0032】
図2は、中間転写ベルト用モータ710、第1モータ720、第2モータ730、および第3モータ740が取り付けられたモータ支持部材700の外観斜視図であり、図3は、図2に示すモータ支持部材700を裏面側から見た外観斜視図である。
【0033】
図2に示すモータ支持部材700に取り付けられた中間転写ベルト用モータ710は、図3に示すように中間転写ベルト用モータ出力軸711を有している。この中間転写ベルト用モータ出力軸711は、軸周りに設けられたギア711aを有しており、このギア711aが、駆動ロール31(図1参照)が装着される駆動ロール用回転軸311の軸周りに設けられたギア311aと連結されている。中間転写ベルト用モータ710の駆動力が、中間転写ベルト用モータ出力軸711および駆動ロール用回転軸311を介して駆動ロール31(図1参照)に伝達されることで、中間転写ベルト30が矢印B方向(図1参照)に循環移動する。
【0034】
また、図2に示すモータ支持部材700に取り付けられた第1モータ720は、図3に示すように第1モータ出力軸721を有している。この第1モータ出力軸721は、軸周りに設けられたギア721aを有しており、このギア721aが、C色用の感光体ドラム11C(図1参照)が装着されるC色感光体ドラム用回転軸111Cの軸周りに設けられたギア111Ca、およびM色用の感光体ドラム11M(図1参照)が装着されるM色感光体ドラム用回転軸111Mの軸周りに設けられたギア111Maと連結されており、さらに、M色感光体ドラム用回転軸111Mの軸周りに設けられたギア111Maが、ギア112を介して、Y色用の感光体ドラム11Y(図1参照)が装着されるY色感光体ドラム用回転軸111Yの軸周りに設けられたギア111Yaと連結されている。第1モータ720の駆動力が、第1モータ出力軸721、C色感光体ドラム用回転軸111C、M色感光体ドラム用回転軸111M、およびY色感光体ドラム用回転軸111Yを介してC色用の感光体ドラム11C(図1参照)やM色用の感光体ドラム11M(図1参照)やY色用の感光体ドラム11Y(図1参照)に伝達されることでこれらが矢印A方向(図1参照)に回転する。この第1モータ720は、本発明にいう像保持体用モータの一例に相当するものである。
【0035】
また、図2に示すモータ支持部材700に取り付けられた第2モータ730は、図3に示すように第2モータ出力軸731を有している。この第2モータ出力軸731は、軸周りに設けられたギア731aを有しており、このギア731aが、ギア1412を介して、C色用の現像ロール141C(図1参照)が装着されるC色現像ロール用回転軸1411Cの軸周りに設けられたギア1411Ca、およびM色用の現像ロール141M(図1参照)が装着されるM色現像ロール用回転軸1411Mの軸周りに設けられたギア1411Maと連結されており、さらに、M色現像ロール用回転軸1411Mの軸周りに設けられたギア1411Maが、ギア1413を介して、Y色用の現像ロール141Y(図1参照)が装着されるY色現像ロール用回転軸1411Yの軸周りに設けられたギア1411Yaと連結されている。第2モータ730の駆動力が、第2モータ出力軸731、C色現像ロール用回転軸1411C、M色現像ロール用回転軸1411M、およびY色現像ロール用回転軸1411Yを介してC色用の現像ロール141C(図1参照)やM色用の現像ロール141M(図1参照)やY色用の現像ロール141Y(図1参照)に伝達されることでこれらが回転する。この第2モータ730は、本発明にいう現像体用モータの一例に相当するものである。
【0036】
また、図2に示すモータ支持部材700に取り付けられた第3モータ740は、図3に示すように第3モータ出力軸741を有している。この第3モータ出力軸741は、軸周りに設けられたギア741aを有しており、このギア741aが、K色用の感光体ドラム11K(図1参照)が装着されるK色感光体ドラム用回転軸111Kの軸周りに設けられたギア111Kaと連結されており、さらに、第3モータ出力軸741の軸周りに設けられたギア741aが、ギア1414を介して、K色用の現像ロール141K(図1参照)が装着されるK色現像ロール用回転軸1411Kの軸周りに設けられたギア1411Kaと連結されている。この第3モータ740およびギア1414の組み合わせは、本発明にいう別駆動系の一例に相当するものである。
【0037】
このように、第1実施形態の画像形成装置1には、4つの感光体ドラム11Y,11M,11C,11KのうちのK色用の感光体ドラム11Kを除く他の3つの感光体ドラム11Y,11M,11Cを回転駆動させる第1モータ720が、これら3つの感光体ドラム11Y,11M,11Cに対して1つ配備され、4つの現像ロール141Y,141M,141C,141KのうちのK色用の現像ロール141Kを除く他の3つの現像ロール141Y,141M,141Cを回転駆動させる、第1モータ720とは別の第2モータ730が、これら3つの現像ロール141Y,141M,141Cに対して1つ配備されている。従って、第1実施形態の画像形成装置1によれば、例えば上記3つの感光体ドラム11Y,11M,11Cおよび上記3つの現像ロール141Y,141M,141Cを1つのモータで回転駆動していたような従来の画像形成装置を増速して回転数を高くすることによって生じていた負荷の増大によるトルク不足や騒音増大を回避した増速が可能である。また、第1実施形態の画像形成装置1は、上述したように、上記3つの感光体ドラム11Y,11M,11Cおよび上記3つの現像ロール141Y,141M,141Cをそれぞれ別のモータで回転駆動することから、現像ロール141Y,141M,141C側の振動が感光体ドラム11Y,11M,11C側に伝達されることが抑制され、より高品質な画像形成が実現される。
【0038】
また、第1実施形態の画像形成装置1によれば、この画像形成装置1をモノクロモードで動作させるとき、第1モータ720および第2モータ730を停止させることによって、上記3つの感光体ドラム11Y,11M,11Cの摩耗を防止することができる。
【0039】
以上で、本発明の第1実施形態の説明を終了し、本発明の第2実施形態について説明する。
【0040】
尚、以下説明する第2実施形態は、上述した第1実施形態の第1モータ720を、この第1モータ720とは異なる減速比の第4モータ750に置き換えたものである。
【0041】
以下、第1実施形態における要素と同じ要素については同じ符号を付して説明を省略し、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0042】
図4は、中間転写ベルト用モータ710、第4モータ750、第2モータ730、および第3モータ740が取り付けられたモータ支持部材700の外観斜視図であり、図5は、図4に示すモータ支持部材700を裏面側から見た外観斜視図である。
【0043】
この図4に示すモータ支持部材700は、上述した第1実施形態のモータ支持部材700と同一のものであって、上述した第1実施形態の第1モータ720が取り付けられる取り付け箇所とは異なる位置に、その第1モータ720とは異なる減速比の第4モータ750が取り付けられる取り付け箇所を有している。第2実施形態では、第4モータ750が、この第4モータ750を第1実施形態の第1モータ720と同等の回転数で駆動したときに、被駆動物をより高速に回転駆動させることができるものである例を挙げて説明する。
【0044】
このように、モータ支持部材700を共通部品として使用することによって、金型費を抑えることができ、低コストで最適な仕様の画像形成装置を提供することが可能となる。さらに、共通の金型を用いることにより、品質の安定化が図れる。
【0045】
図4に示すモータ支持部材700に取り付けられた第4モータ750は、図5に示すように第4モータ出力軸751を有している。この第4モータ出力軸751は、軸周りに設けられたギア751aを有しており、このギア751aが、C色用の感光体ドラム11C(図1参照)が装着されるC色感光体ドラム用回転軸111Cの軸周りに設けられたギア111Ca、およびM色用の感光体ドラム11M(図1参照)が装着されるM色感光体ドラム用回転軸111Mの軸周りに設けられたギア111Maと連結されており、さらに、M色感光体ドラム用回転軸111Mの軸周りに設けられたギア111Maが、ギア112を介して、Y色用の感光体ドラム11Y(図1参照)が装着されるY色感光体ドラム用回転軸111Yの軸周りに設けられたギア111Yaと連結されている。第4モータ750の駆動力が、第4モータ出力軸751、C色感光体ドラム用回転軸111C、M色感光体ドラム用回転軸111M、およびY色感光体ドラム用回転軸111Yを介してC色用の感光体ドラム11C(図1参照)やM色用の感光体ドラム11M(図1参照)やY色用の感光体ドラム11Y(図1参照)に伝達されることでこれらが矢印A方向(図1参照)に回転する。この第4モータ750は、本発明にいう像保持体用モータの一例に相当するものである。
【0046】
このように、モータ支持部材700の、上述した第1実施形態の第1モータ720が取り付けられる取り付け箇所とは異なる位置に設けられた取り付け箇所に、その第1モータ720とは異なる減速比の第4モータ750を取り付けることによって、高速型の画像形成装置を得ることができる。また、第4モータ750は、上述したように、第1実施形態の第1モータ720と同等の回転数で駆動したときに、被駆動物をより高速に回転駆動させることができるものであるため、第4モータ750を取り付けることによって、増速と低騒音の両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態の概略構成図である。
【図2】中間転写ベルト用モータ、第1モータ、第2モータ、および第3モータが取り付けられたモータ支持部材の外観斜視図である。
【図3】図2に示すモータ支持部材を裏面側から見た外観斜視図である。
【図4】中間転写ベルト用モータ、第4モータ、第2モータ、および第3モータが取り付けられたモータ支持部材の外観斜視図である。
【図5】図4に示すモータ支持部材を裏面側から見た外観斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1 画像形成装置
10Y,10M,10C,10K トナー像形成ユニット
11Y,11M,11C,11K 感光体ドラム
12Y,12M,12C,12K 非接触型帯電装置
13Y,13M,13C,13K 露光光照射装置
14Y,14M,14C,14K 現像装置
141Y,141M,141C,141K 現像ロール
15Y,15M,15C,15K 補助帯電装置
16Y,16M,16C,16K 補助露光装置
17Y,17M,17C,17K ドラムクリーニング装置
171Y,171M,171C,171K 導電性クリーニングブラシ
20Y,20M,20C,20K 1次転写ロール
30 中間転写ベルト
31 駆動ロール
32 従動ロール
33 テンションロール
40 一括転写装置
41 二次転写ロール
42 バックアップロール
50 定着装置
51 定着ロール
511 加熱機構
52 圧力ロール
61 シュート
62 レジストレーションロール
63 搬送ベルト
700 モータ支持部材
710 中間転写ベルト用モータ
711 中間転写ベルト用モータ出力軸
711a ギア
311 駆動ロール用回転軸
311a ギア
720 第1モータ
721 第1モータ出力軸
721a ギア
111C C色感光体ドラム用回転軸
111Ca ギア
111M M色感光体ドラム用回転軸
111Ma ギア
112 ギア
111Y Y色感光体ドラム用回転軸
111Ya ギア
730 第2モータ
731 第2モータ出力軸
731a ギア
1412 ギア
1411C C色現像ロール用回転軸
1411Ca ギア
1411M M色現像ロール用回転軸
1411Ma ギア
1413 ギア
1411Y Y色現像ロール用回転軸
1411Ya ギア
740 第3モータ
741 第3モータ出力軸
741a ギア
111K K色感光体ドラム用回転軸
111Ka ギア
1414 ギア
1411K K色現像ロール用回転軸
1411Ka ギア
750 第4モータ
751 第4モータ出力軸
751a ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転しながら周面に静電潜像が形成されて該静電潜像を保持する複数の像保持体と、
前記複数の像保持体それぞれにそれぞれが接触あるいは近接した、各周面に各色のトナーを含む現像剤を保持して回転することで該像保持体に保持されている静電潜像を現像する複数の現像体と、
前記複数の像保持体に対して1つ配備された、該複数の像保持体を回転駆動させる像保持体用モータと、
前記複数の現像体に対して1つ配備された、該複数の現像体を回転駆動させる、前記像保持体用モータとは別の現像体用モータとを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
回転しながら周面に静電潜像が形成されて該静電潜像を保持する、前記複数の像保持体とは別の別像保持体と、
前記別像保持体に接触あるいは近接した、周面に、前記各色とは別の色のトナーを含む現像剤を保持して回転することで該別像保持体に保持されている静電潜像を現像する、前記複数の現像体とは別の別現像体と、
前記別像保持体および前記別現像体を、前記像保持体用モータおよび前記現像体用モータとは別のモータで回転駆動させる別駆動系とを備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像保持体用モータおよび前記現像体用モータのうち少なくとも一方が、複数種類のモータのうちから選択されたモータであり、
前記像保持体用モータおよび前記現像体用モータが取り付けられてそれら像保持体用モータおよび現像体用モータを支持する、それら像保持体用モータおよび現像体用モータの取り付け箇所とは別に、前記複数種類のモータのうちそれら像保持体用モータおよび現像体用モータとは別の種類のモータが取り付けられる取り付け箇所を有するモータ支持部材を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数種類のモータが、互いに減速比が異なるモータであることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−115966(P2009−115966A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287506(P2007−287506)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】