画像形成装置
【課題】誤接続することなく商用電源に応じた発熱手段を接続することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】使用される商用電源の電圧に応じて装置本体に選択的に装着され、装置本体内部を暖めるよう商用電源により発熱する環境ヒータ111A,111Bを、装置本体に設けられた給電線901のコネクタ901aに接続する。そして、この給電線901のコネクタ901aに接続される商用電源の給電線901と、給電線901のコネクタ901aとの接続配線を商用電源の電圧に応じて変えるようにする。
【解決手段】使用される商用電源の電圧に応じて装置本体に選択的に装着され、装置本体内部を暖めるよう商用電源により発熱する環境ヒータ111A,111Bを、装置本体に設けられた給電線901のコネクタ901aに接続する。そして、この給電線901のコネクタ901aに接続される商用電源の給電線901と、給電線901のコネクタ901aとの接続配線を商用電源の電圧に応じて変えるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に電源スイッチがオフとなった状態のとき、装置本体内部を暖めるようにするものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、FAX、複写機、MFP等の画像読取機能を有する画像形成装置においては、地域、シーズンによって生じる夜間及び朝方の冷え込みと、オフィスの始業開始後の空調設備による急激な室温上昇と言った環境変化により結露が発生する場合がある。
【0003】
そこで、このような結露に対する対策としてオプションとして画像形成装置に環境ヒータを備える場合がある。この場合、市場にてサービスマンの判断、若しくはユーザーの要望に応じて、サービスマンが市場流通パーツの出庫を行い、ユーザー先で環境ヒータの取り付け作業を行っている。
【0004】
特に、画像読取装置(画像読取部)は、画像形成装置(プリンタ)からDC電源の供給を受けて動作することもあり、オプション用の生産工程上で画像形成装置のように100V、230V等の仕向け設定を持っていない。つまり、環境ヒータ用のインターフェイスが共通化されている。
【0005】
しかし、実際には画像形成装置は仕向け毎に、環境ヒータ給電用として用いる商用電源が異なっており、地域に応じた環境ヒータをサービスマンが出庫し、ユーザー先で後付けしている。このようなサービス体制では、市場において商用電源に適した環境ヒータ選択を徹底するため、仕向け地で使用できないサービスパーツは出庫できない様にしている。
【0006】
ところが、近年、画像形成装置も高速化、POD対応と言った軽印刷向けの製品が徐々に増えてきている。これに伴い、電力事情から、従来では商用電源100V用の機械しか製品設定していなかった地域に対しても、100V、230Vの両方の製品投入を行うケースが増えてきている。
【0007】
しかし、これに伴い結露防止を目的とした環境ヒータの設置に際して、誤った仕様の環境ヒータを出庫して画像形成装置に接続してしまい、環境ヒータの所定温度を超えてしまうと言った問題が発生する場合があった。
【0008】
この問題は、環境ヒータの制御が、装置メイン電源がONの時は環境ヒータがOFF、装置メイン電源がOFFの時は環境ヒータがONというように、画像形成装置の本体メイン電源のOFF/ON制御と逆の制御が行われることが原因である。このように、環境ヒータの制御が、画像形成装置の本体メイン電源のOFF/ON制御と逆のトグル動作で切り替えられることから、画像形成装置の異常検出、制御が利かない状況下において発生する問題である。
【0009】
このような問題に対処するため、例えば定着器を備えた画像形成装置において、定着器と画像形成装置本体とを電気的に接続するコネクタに、供給される商用電源の種類によって異なるピンアサインを設けるようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】特開平11−202656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、このような構成の画像形成装置においては、発熱手段に対する仕様外の商用電源接続時に発生する問題点を未然に防ぐことはできる。しかし、画像形成装置の電源がOFF状態において環境ヒータの制御を行う構成、即ち本体メイン電源がOFF状態で夜間、環境ヒータをON制御する構成の画像形成装置においては、環境ヒータを制御できないことから上記のような構成は採用することができない。
【0012】
また、製造工程上、仕向け分けの必要の無い画像読取装置(画像読取部)においては、共通ユニットで構成される。このため、結露発生によるシステムダウンタイムを無くしたいとの要求に応じた環境ヒータの後付け等に用いるコネクタは、仕向け地域に関わらず、統一されていた方がモジュール共通化の上で好ましい。
【0013】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、発熱手段を誤接続した場合、発熱手段に給電されないようにすることのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、商用電源により動作する画像形成装置において、使用される前記商用電源の電圧に応じて装置本体に選択的に装着され、前記装置本体内部を暖めるよう前記商用電源により発熱する発熱手段と、前記装置本体に設けられ、前記発熱手段と接続可能な装置本体側のコネクタと、前記装置本体側のコネクタに接続される前記商用電源の給電線と、を備え、前記商用電源の給電線と前記装置本体側のコネクタとの接続配線を前記使用される前記商用電源の電圧に応じて変えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、装置本体側のコネクタに接続される商用電源の給電線と、装置本体側のコネクタとの接続配線を商用電源の電圧に応じて変えるようにすることにより、発熱手段を誤接続した場合、発熱手段に給電されないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す斜視図である。図1において、100は画像形成装置であり、この画像形成装置100は、不図示の画像形成部(プリンタ部)等を備えた画像形成装置本体(以下、装置本体という)101、画像読取部102及び原稿給送部(ADF)103を備えている。
【0018】
そして、この画像形成装置100は、異なる電圧(100V,230V)の商用電源により動作可能に構成されている。なお、原稿給送部103は原稿積載トレイ113、原稿排紙トレイ109、不図示の原稿検知手段及び原稿給送モータ等を備えている。また、画像読取部102は原稿台ガラス114及び後述する図2に示すように光学モータ215、センサ手段218、光電変換手段216等を備えている。
【0019】
104は商用電源を引き込むための商用電源ケーブルであり、仕向けによってプラグ104aの形状が異なる。118は装置本体101の電源である本体メイン電源であり、105は商用電源ケーブル104を差し込むインレットである。
【0020】
本体メイン電源118は、電源スイッチである本体メインスイッチ106によってON(オン)/OFF(オフ)制御されるDC電源(常夜電源)と、不図示の画像読取部や原稿給送部等の各種アプリケーションに対する商用電源を有している。ここで、本体メインスイッチ106がOFFされた状態では、基本的に画像形成装置100による消費電力は本体メイン電源118のロス分を差し引けば、実質0Wとなる。
【0021】
122は本体メインスイッチ106の上流に位置する環境スイッチであり、本体メインスイッチ106によって各種アプリケーションに対する商用電源の出力ON/OFF制御を行うためには、別途、環境スイッチ122が事前にON設定されている必要がある。そして、環境スイッチ122がONされることにより、本体メインスイッチ106は不図示のリレー等の手段によって本体メイン電源118のON/OFF制御とトグル動作でアプリケーションに商用電源を供給することが可能となる。
【0022】
123はソフトスイッチであり、このソフトスイッチ123は、本体メインスイッチ106がONしている状態で機能するスイッチである。なお、このソフトスイッチ123は、不図示のユーザーインターフェィス(操作部)上に形成されており、システム制御上最低限の部分のみDC電源を供給する一般的に省電力モードと呼ばれるモードに移行するときに操作される。
【0023】
117はシステムコントローラである。そして、本体メインスイッチ106がONで、ソフトスイッチ123がOFFであれば、不図示の通信線を介してシステムコントローラ117にソフトスイッチ123の状態が伝達される。これにより、システムコントローラ117は、通信、給電ライン119を介して本体メイン電源118を制御する。
【0024】
また、省電力モードでは、システムコントローラ117に含まれるFAX受信機能やプリントアウト命令受信機能等の機能を果たすための電源である常夜電源系のみONとなり、その他の負荷は無給電状態となる。
【0025】
116はリレーボードであり、このリレーボード116は、不図示のリレー等によって、アプリケーションに対する給電制御を行うアプリケーション電源を供給するものである。このリレーボード116には、本体メイン電源118からのDC電源と、環境スイッチ122のONにより給電される商用電源が給電ケーブル209を介して供給され、リレーボード116はコネクタ107を介して画像読取部102に給電する。ここで、商用電源は、リレーボード116上に形成された不図示のリレーによって、本体メインスイッチ106とトグル動作で制御される。
【0026】
なお、120はシステムコントローラ117とリレーボード116との間の結線であり、この結線120は、上述したソフトスイッチ123に連動してアプリケーションに対するDC電源をON/OFF制御するための制御信号の経路を構成している。そして、リレーボード116から、コネクタ107を介して画像読取部102の給電口108に導かれた電源は、後述する図6に示す画像読取部のリーダーコントロール基板へのDC電源供給と環境ヒータ111への商用電源の供給を行う。
【0027】
111は本体メインスイッチ106がオフとなった状態のとき、装置本体内部を暖めるよう発熱する発熱手段である環境ヒータである。この環境ヒータ111は、画像読取部102の原稿台ガラス114の内側の結露及び不図示の原稿読取光学系を構成するミラー、レンズ等の表面に生じる結露を抑制する目的で設定されるサービスパーツ(市場にてサービスマンが後付け作業を行う部品)である。このため、画像読取部102に対して、環境ヒータ111を除いた接続ケーブル部は工場工程で予めセットされている。
【0028】
次に、図2に示す画像形成装置100の制御ブロック図を用いて信号、電源の流れを説明する。図2に示すように、装置本体101の本体メイン電源118には商用電源(AC−IN)が入力される。商用電源(AC−IN)は、ノイズフィルタ223により装置本体101に入ってくるノイズ成分を除去し、かつ、商用電源側に装置本体101に起因するノイズが流れるのを防止している。
【0029】
また、環境スイッチ122は、市場にてサービスマンがサービスパーツの環境ヒータ111をセットした時にON設定することで、本体メインスイッチ106のON/OFF制御とトグル動作で制御される。これにより、本体メイン電源118がOFFされた時に環境ヒータ111に商用電源が供給される。
【0030】
本体メイン電源118は常夜電源202を備えており、この常夜電源202は本体メインスイッチ106がON制御された時に経路204によりシステムコントローラ117に供給される。常夜電源202が供給されると、システムコントローラ117で制御されるソフトスイッチ123が有効となり、ソフトスイッチ123に同期してシステムコントローラ経由で制御信号223が発せられ、省電力モードのON/OFFが制御される。
【0031】
なお、省電力モードが解除されると、給電ケーブル208からリレーボード116に対してDC電源が供給され、システムコントローラ117からのリレー制御信号207により画像形成装置全体に対する給電制御がなされる。又、商用電源の給電ケーブル209には、本体メインスイッチ106よりも上流側に並列に配置された環境スイッチ122がON設定のときには商用電源が供給され、環境スイッチ122がOFF設定の時には商用電源は供給されない。
【0032】
環境ヒータ111に供給される商用電源211は本体メインスイッチ106に対してトグル動作で制御され、本体メイン電源118を介してリレーボード116上の不図示のリレーが制御されることによって給電される。
【0033】
画像読取部102は、システムコントローラ117によって経路210を経てDC電源が供給されることにより、画像読取部102で必要となる各種電源をDC−DC電源212で生成する。そして、このDC−DC電源212により、リーダーコントローラ214に対して電源が供給されると起動する。
【0034】
なお、リーダーコントローラ214には、原稿を検出するセンサ手段218、原稿を給送する駆動モータ219及びモータ制御を施す原稿給送ドライバ217等の複数の機能ユニットが接続されている。また、このリーダーコントローラ214は、光電変換手段216、光学モータ215等の負荷を制御して原稿画像の読取制御を行うと共に、原稿給送部(ADF)103の駆動制御も行う。
【0035】
ところで、本実施の形態において、装置本体101及び画像読取部102には、不図示の環境センサが設けられている。この環境センサは、装置本体101の筐体及び画像読取部102の原稿台ガラス(プラテンガラス)114及び不図示の原稿イメージを結像する光学系を形成するミラー、レンズ群の表面に生じる結露の発生を未然に防ぐために用いられる。
【0036】
図3は、空気中に気化可能な水蒸気量を示す特性図である。703は飽和水蒸気圧線であり、横軸に示す温度、縦軸に示す水蒸気圧を取って示され、飽和水蒸気圧線703は、各温度に於ける湿度100%の状態をプロットした線となっている。例えば、ポイント704は、28度の時の湿度80%を示している。即ち、図3から、ポイント704は、外気がポイント706に到達する露点温度に達した時点で湿度100%に到達し、更に温度が下がることで結露が進行することになる。
【0037】
このような結露発生現象を画像形成装置に当てはめて考える。夜間、本体メインスイッチ106がOFFされた状況下で外気温度が急激に下がり、翌朝、冷え切った画像読取部102の筐体、ガラス及びレンズ表面はポイント708に示すように低温状態となっている。
【0038】
そして、この状態で例えばオフィスの空調制御が朝、オフィスの始業前にONされて、室温がポイント709に示す22度、50%に調整されるとする。この場合、ポイント710に示す露点温度約12度に対して筐体及びガラス、レンズ表面温度が低いことから、機内に流れ込んだ空気が筐体及びガラス、レンズ表面近傍にて順次水滴化して結露が発生することになる。
【0039】
この状況を改善するためには、筐体及びガラス、レンズ表面温度を予め露点温度より高く維持しておく必要がある。このため、本体メインスイッチ106がONされて装置内の発熱源の自己発熱によって露点温度より高い筐体及びガラス、レンズ表面温度を維持しつづけるために、夜間の本体メインスイッチ106とトグル動作で環境ヒータ111をON制御することが有効となる。
【0040】
次に、図4及び図5を用いて商用電源100Vと商用電源230Vの系を説明する。
【0041】
図4は、100V系の画像形成装置の商用電源及び機内用DC電源の内、画像形成装置に対する概ねの回路構成を示している。そして、この100V系の画像形成装置は、商用電源ケーブル104(図1参照)からの100Vの電源供給を受けて作動する。
【0042】
図4において、302は商用電源(AC−100V)のHOT側であり、303はNEUTRAL側(ニュートラル側)である。なお、本体メインスイッチ106は両切りタイプのスイッチであり、本体メインスイッチ106がONされると、DCDC電源部306で一次側の電源(商用電源)は、二次側の電源(DC電源)に変換される。例えば、DCDC電源部306の出力は、24V、GND_24、12V、GND_12等である。DCDC電源部306は常夜系の電源320を有しており、DCDC電源部306からシステムコントローラ117に対して給電される。
【0043】
環境スイッチ122(図1及び図2参照)は本体メイン電源118近傍にセットされており、基本は市場においてサービスマンが環境ヒータ111の設置を行った際にスイッチをONする。図4において、環境ヒータ111に対する商用電源の制御は、リレー311Aを用いて実行する。ここで、リレー311Aは常夜電源24VのON/OFFで商用電源をON/OFF制御可能なリレーで構成している。
【0044】
例えば、本体メインスイッチ106をONした場合、常夜電源24VがDCDC電源部306から出力され、リレー311Aに供給される。そして、このように常夜電源24Vがリレー311Aに供給されると、本体メインスイッチ106がオフとなったとき、商用電源を環境ヒータ111に供給するように切り換る電源供給手段であるリレースイッチ312はOFFとなる。
【0045】
逆に、本体メインスイッチ106をOFFした場合、常夜電源24Vが出力停止になる。この場合、DCDC電源部306から24Vが出力されないため、リレースイッチ312はONとなる。そして、この場合、環境ヒータ111に対する商用電源の供給が可能となる。
【0046】
なお、図4において、313は画像読取部102に対するコネクト部であり、コネクタ107(図1参照)が接続される。316は画像読取部102側で持つ給電用ケーブルであり、商用電源とDC電源(二次側電源)を画像読取部102に供給する。なお、DC電源の供給については、システムコントローラ117が、リレーボード116Aの内部のリレー308、309を制御することによって画像読取部102に対する電源制御を行う。
【0047】
無論、DC電源制御を行う際には、本体メインスイッチ106はON状態である。画像形成部101から供給を受けたDC電源によって、画像読取部102では、リーダーコントローラ214が原稿読取システムを制御し、画像形成部101とは非同期な原稿走査制御を実行する。
【0048】
111Aは100V用の環境ヒータ、111Bは230V用の環境ヒータを表しており、図4に示すように100V系の画像形成部101に230V系の環境ヒータ111Bを誤挿入しても商用電源のピン配置が異なるため、機能しない。
【0049】
図5は230V系の画像形成装置における回路構成を示している。ここで、図5に示す230V系の画像形成装置は、商用電源ケーブル104(図1参照)から230Vの電源供給を受けて作動する。
【0050】
図5の230V系の画像形成装置は、既述した100V系の画像形成装置と構成上、環境ヒータ111に対するコネクタ107が接続されるコネクト部313において、給電のためにコードが接続されるピン(端子)が異なる。なお、図4と同一符号のものは、説明を省略する。
【0051】
図5において、311Bは環境ヒータ111Bに対する商用電源の制御を行うリレーであり、このリレー311Bは24VのON/OFFで商用電源をON/OFF制御可能なリレーで構成している。
【0052】
そして、例えば本体メインスイッチ106をONした場合、常夜電源24VがDCDC電源部306から出力され、リレー311Bに供給されると、リレースイッチ312はOFFとなる。逆に、本体メインスイッチ106をOFFした場合、常夜電源24Vが出力停止になる。この場合、DCDC電源部306から常夜電源24Vが出力されないため、リレースイッチ312はONとなる。なお、DC電源の供給に関しては、システムコントローラ117が、リレーボード116Bの内部のリレー308、309を制御することによって画像読取部102に対する電源制御を行う。
【0053】
ここで、図5に示すように230V系の画像形成部101に100V系の環境ヒータ111Bを誤挿入しても商用電源のピン配置が異なるため、機能しない。この結果、100V系の環境ヒータ111Aが市場にて誤設置されても、所定の温度を超えてしまう様な問題を引き起こす可能性が回避できる。
【0054】
図6は画像形成装置の出荷形態を示す図である。なお、図6において、原稿を走査する読取ユニット及び電装部材は省略している。
【0055】
図6において、215は光学モータ、504はリーダーコントロール基板、505はDC電源コネクタ、506はDC給電線、507は商用電源給電線、509は商用電源中継パネルマウント、508は画像形成装置給電インターフェイスである。そして、これら構成部品は仕向けに関わらず、画像形成装置に工場実装される。なお、後述する図7との相違部を見易くするため、原稿走査ユニットと原稿サイズ検出手段等は不図示である。
【0056】
図7は、市場においてサービスマンが環境ヒータ111を実装した際の画像形成装置の構成を示す図である。
【0057】
図7において、611は商用電源中継パネルマウント509と環境ヒータ111を接続するケーブルである。また、商用電源給電線部507は、仕向け設定が無いことから、図4、図5で示した商用電源給電線316のように、3本の給電線で構成されている。
【0058】
なお、本実施の形態においては、環境ヒータ111と商用電源給電線611をアセンブリしたユニット形態で構成しており、このように構成する場合には、商用電源給電線611は2本の線材で構成される。
【0059】
ここで、100V用の環境ヒータ111Aを用いる場合には、商用電源中継パネルマウント509に対して、図8において806で示す1,2ピン結線となる。また、230V用の環境ヒータ111Bを用いる場合には、商用電源中継パネルマウント509に対して、図8において807で示す1,3ピン結線となる。
【0060】
なお、ここで商用電源給電線611までを工程組み込み部品としても良い。つまり、商用電源給電線611は3本の線材で構成し、ヒータ111直近の不図示のコネクタで、同じく、不図示の中継コネクタに対して100V用の環境ヒータ111Aの場合には、1,2ピン結線となるようする。また、230V用の環境ヒータ111Bの場合には、1,3ピン結線となるようにする。この場合も、その他の構成部品は、図7と同様である。
【0061】
なお、商用電源中継パネルマウント509、環境ヒータ111、商用電源給電線611などについて、給電のための結線は既述のように商用電源の電圧によって異なるももの、その他の構成は商用電源の種類に依らずに共通である。
【0062】
ところで、一般的に、環境ヒータ111A,111Bは、発熱体として抵抗器を用いている。そして、例えば100V系、230V系の環境ヒータにおいて、抵抗器の定格が各々、1210Ω、5450Ωであった場合、凡そ10Wの環境ヒータは以下の電力を消費することになる。
【0063】
【表1】
【0064】
そして、この表1に示す電力値の結果からも解るように、万が一230V系の電源に100V用の環境ヒータが通電された場合、定格電力を大きく上回り、環境ヒータが所定温度を超えてしまうと言った問題を発生させる可能性が生じる。
【0065】
また、例えば、図9に示す環境ヒータの温度特性を示すグラフにおいて、横軸に電力、縦軸に温度上昇をとった場合、温度上昇直線は1004に示す様な線形特性を持つ。今回用いた環境ヒータが凡そ10Wであることから、実際の温度は1005に示す通り、約90度位になる。この特性から電力が大きい場合には1006の方向に温度が上昇して行く。従って、本来設定している以外の仕様の環境ヒータが万が一接続されても、環境ヒータが働かない構成とすることが求められる。
【0066】
次に、本来設定している以外の仕様の環境ヒータが万が一接続されても、環境ヒータが働かないようにするための基本構成を、図8を用いて説明する。
【0067】
図8において、316は画像読取部102に配された給電ケーブルであり、画像形成部101の仕向け設定に関わらず、全ての画像読取部102で使用している共通インターフェィスである。
【0068】
313は画像形成部101のコネクト部、上述の説明ではリレーボード116として説明したユニットから電源供給を受ける部分である。804はDC給電用のコネクタを示し、本実施の形態ではリーダーコントローラに接続される。805が商用電源の給電線である商用電源給電ケーブルである。
【0069】
そして、802に示すオプションパーツである、異なる種類の100V用環境ヒータ111A、230V用環境ヒータ111Bは図示した通り、商用電源給電ケーブル805のコネクタと勘合するコネクタのピン配置が異なる。
【0070】
このように、本実施の形態においては、コネクト部313が接続されるリレーボード側で仕向け事に設定された商用電源給電ケーブル805の商用電源給電ピンに対し、使用する商用電源が異なる環境ヒータ111A,111Bは異なるピンアサインを行っている。つまり、商用電源の給電線と、後述する環境ヒータ111A,111Bと接続可能な装置本体側のコネクタとの接続配線を使用される商用電源の電圧に応じて変えることようにしている。これにより、環境ヒータ111A,111Bが市場にて誤設置されても、所定の温度を超えてしまう様な問題を引き起こす可能性が回避できる。
【0071】
次に、図10及び図11を用いて、画像形成部101に搭載されるリレーボード116と環境ヒータの組み合わせを模式的に説明する。
【0072】
図10及び図11の組み合わせの中で、図10の(a)は、100V系の環境ヒータ111Aの正規の接続例を示している。即ち、仕向けが100Vの市場向けであり、100V用のリレーボード116Aと100V用の環境ヒータ111Aを接続している。
【0073】
なお、901は給電線であり、商用電源のHOT側,NEUTRAL側、及びNC(未接続)の3本からなる。901aは装置本体側のコネクタである給電線901のコネクタであり、3ピン以上、本実施の形態においては、3つのピンを有している。また、904は100V用の環境ヒータ111Aのコネクタであり、3ピン以上、本実施の形態においては、3つのピンを有している。
【0074】
ここで、これら給電線901のコネクタ901aと100V用の環境ヒータ111Aのコネクタ904とにより、商用電源の給電線901と100V用の環境ヒータ111Aとを接続する3ピン以上の接続手段が構成される。そして、正規に接続した場合、給電線901のコネクタ901aと100V用の環境ヒータ111Aのコネクタ904とにより、100V用の環境ヒータ111Aには、1ピンと2ピンにそれぞれHOT、NEUTRALが結線される。
【0075】
一方、図10の(b)は、100V用のリレーボード116Aと230V用の環境ヒータ111Bを接続した状態を示している。即ち、誤接続を示している。908は、230V用の環境ヒータ111Bのコネクタであり、このコネクタ908は、230V用の環境ヒータ用であるから、1ピンと3ピンにそれぞれHOT,NEUTRALが結線される。このとき、ニュートラル側のピンの割り振りが変更されることにより給電線901のコネクタ901aとコネクタ908のピンの配列が異なっていることから、230V用の環境ヒータ111Bには商用電源が接続されない。
【0076】
図11の(b)は、230V系の環境ヒータ111Bの正規の接続例を示している。即ち、仕向けが230Vの市場向けであり、230V用のリレーボード116Bと230V用の環境ヒータ111Bを接続している。909は給電線であり、商用電源のHOT側、NC(未接続)及びNEUTRAL側の3本からなる。909aは装置本体側のコネクタである給電線909のコネクタであり、3ピン以上、本実施の形態においては、3つのピンを有している。
【0077】
図11の(a)は、230V用のリレーボード116Bと100V用の環境ヒータ111Aを接続した状態を示している。即ち、誤接続を示している。このとき、給電線909とコネクタ904のピン配列が異なっており、100V用の環境ヒータ111Aには商用電源が接続されない。
【0078】
この図10及び図11から明らかなように、給電線901,909と給電線901,909のコネクタ901a,909aとの接続配線を使用される商用電源の電圧に応じて変えることにより、環境ヒータ誤挿入の場合、商用電源の給電は行われない。そして、このように商用電源の給電が行われない場合には、環境ヒータ111A,111Bが機能しないため、所定の温度を超えて使用されるような問題は発生しない。
【0079】
最後に、図12を用いて各スイッチ手段、及び、電源供給、環境ヒータの挙動等を説明する。
【0080】
本体メインスイッチ(SW)がONとなると、本体メイン電源118がONし、これにより常夜電源がシステムコントローラ117に供給され、この後、既述したシステムコントローラ117の起動完了後、ソフト的にソフトスイッチ(SW)がONする。ソフトスイッチ123がONすると、その他システム全体の電源が一斉にON制御され、画像読取部24V電源もONし、画像形成装置全体に電源が供給される。この時、環境スイッチ(SW)122はOFF状態であることから、環境ヒータには一切の電力供給は行われ無い。
【0081】
この後、オペレーターによってソフトスイッチ123がOFFされると、ほぼ同時に画像読取部102に対する画像読取部24V電源もOFFされ、この状態では常夜電源のみONしている。また、この後、本体メインスイッチがOFFされると全システムの電力供給が停止する。
【0082】
次に、不図示の商用電源給電線をコンセントから抜き、環境ヒータ111のセット及び環境スイッチ122のONを設定すると、不図示の商用電源給電線をコンセントに挿した直後から環境ヒータ111に環境ヒータ電源である商用電源が給電される。そして、このように環境ヒータ111に商用電源が給電されることにより、結露防止モードとなり、環境ヒータに対する給電のみ行われる。
【0083】
一方、この後、本体メインスイッチ106がONされると、上述したシーケンスでソフトスイッチがONし、続いて、画像読取部24V電源もONし、画像形成装置全体に電源が供給される。この後、ソフトスイッチ123がOFFされると、画像読取部24V電源とその他、常夜電源202を除いた不図示のシステム電源は全てOFFされるが、本体メインスイッチ106がON状態であることから環境ヒータ電源はON制御されない。
【0084】
次に、ソフトスイッチ123がONされ、順次、画像形成部24V電源とその他、常夜電源202を除いた不図示のシステム電源がONされると、画像形成装置は待機状態に入る。また、この後、本体メインスイッチ106がOFFされると、環境ヒータ111がONとなり、結露防止モードとなり、環境ヒータに対する給電のみ行われる。
【0085】
なお、画像形成装置100において、環境ヒータ111を、一年を通して必要とする環境は稀であり、例えば朝晩の冷え込みの激しい環境、季節(シーズン)に環境ヒータ111が機能すれば、環境ヒータ111を搭載する目的が達成される。
【0086】
そこで、本実施の形態においては、既述した環境スイッチ122を備え、この環境スイッチ122により、装着した環境ヒータ111の有効、無効の設定を切り替えるようにしている。そして、リレースイッチ312と商用電源の間に、環境ヒータ111を選択的に発熱させる発熱スイッチである環境スイッチ122を設けることにより、環境ヒータ111を取り外す事無く不必要な電力消費を回避できる。
【0087】
以上説明したように、商用電源と環境ヒータ111とを接続する接続手段のピン配列を、使用される商用電源及び環境ヒータ111に応じて変えるようにすることにより、商用電源に応じた環境ヒータ111を接続することができる。言い換えれば、装置本体側のコネクタに接続される商用電源の給電線と、装置本体側のコネクタとの接続配線を商用電源の電圧に応じて変えるようにすることにより、誤接続することなく商用電源に応じた環境ヒータ111を接続することができる。
【0088】
これにより、オプション設定された環境ヒータを市場にて交換作業した際に、誤って異なる商用電源タイプの環境ヒータをセットした場合でも、環境ヒータ111に通電(給電)される事が無くなる。
【0089】
この結果、簡単な構成で、かつ、システム制御が利かない状況であっても、環境ヒータ111が所定の温度を超えてしまうと言った問題を生じさせることの無い画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す斜視図。
【図2】上記画像形成装置の制御ブロック図。
【図3】上記画像形成装置に設けられた環境ヒータの制御を説明するための飽和水蒸気圧線の説明図。
【図4】100V系の上記画像形成装置のブロック配線図。
【図5】230V系の上記画像形成装置のブロック配線図。
【図6】上記画像形成装置の工場出荷の際の状態を示す図。
【図7】上記環境ヒータをセットした状態の画像形成装置を示す図。
【図8】上記環境ヒータを接続するための基本構成を説明する図。
【図9】上記環境ヒータの電力と発熱量の関係を説明する図。
【図10】上記100V系の画像形成装置の商用電源に環境ヒータを接続する組み合わせを模式的に説明する図。
【図11】上記230V系の画像形成装置の商用電源に環境ヒータを接続する組み合わせを模式的に説明する図。
【図12】上記画像形成装置の環境ヒータの制御シーケンスを説明するタイミングチャート。
【符号の説明】
【0091】
100 画像形成装置
106 本体メインスイッチ
111 環境ヒータ
111A 100V用の環境ヒータ
111B 230V用の環境ヒータ
116 リレーボード
118 本体メイン電源
122 環境スイッチ
302 商用電源(AC−100V)のHOT側
303 商用電源(AC−100V)のNEUTRAL側
312 リレースイッチ
901 給電線
901a 給電線のコネクタ
904 100V用の環境ヒータのコネクタ
908 230V用の環境ヒータのコネクタ
909 給電線
909a 給電線のコネクタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に電源スイッチがオフとなった状態のとき、装置本体内部を暖めるようにするものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、FAX、複写機、MFP等の画像読取機能を有する画像形成装置においては、地域、シーズンによって生じる夜間及び朝方の冷え込みと、オフィスの始業開始後の空調設備による急激な室温上昇と言った環境変化により結露が発生する場合がある。
【0003】
そこで、このような結露に対する対策としてオプションとして画像形成装置に環境ヒータを備える場合がある。この場合、市場にてサービスマンの判断、若しくはユーザーの要望に応じて、サービスマンが市場流通パーツの出庫を行い、ユーザー先で環境ヒータの取り付け作業を行っている。
【0004】
特に、画像読取装置(画像読取部)は、画像形成装置(プリンタ)からDC電源の供給を受けて動作することもあり、オプション用の生産工程上で画像形成装置のように100V、230V等の仕向け設定を持っていない。つまり、環境ヒータ用のインターフェイスが共通化されている。
【0005】
しかし、実際には画像形成装置は仕向け毎に、環境ヒータ給電用として用いる商用電源が異なっており、地域に応じた環境ヒータをサービスマンが出庫し、ユーザー先で後付けしている。このようなサービス体制では、市場において商用電源に適した環境ヒータ選択を徹底するため、仕向け地で使用できないサービスパーツは出庫できない様にしている。
【0006】
ところが、近年、画像形成装置も高速化、POD対応と言った軽印刷向けの製品が徐々に増えてきている。これに伴い、電力事情から、従来では商用電源100V用の機械しか製品設定していなかった地域に対しても、100V、230Vの両方の製品投入を行うケースが増えてきている。
【0007】
しかし、これに伴い結露防止を目的とした環境ヒータの設置に際して、誤った仕様の環境ヒータを出庫して画像形成装置に接続してしまい、環境ヒータの所定温度を超えてしまうと言った問題が発生する場合があった。
【0008】
この問題は、環境ヒータの制御が、装置メイン電源がONの時は環境ヒータがOFF、装置メイン電源がOFFの時は環境ヒータがONというように、画像形成装置の本体メイン電源のOFF/ON制御と逆の制御が行われることが原因である。このように、環境ヒータの制御が、画像形成装置の本体メイン電源のOFF/ON制御と逆のトグル動作で切り替えられることから、画像形成装置の異常検出、制御が利かない状況下において発生する問題である。
【0009】
このような問題に対処するため、例えば定着器を備えた画像形成装置において、定着器と画像形成装置本体とを電気的に接続するコネクタに、供給される商用電源の種類によって異なるピンアサインを設けるようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】特開平11−202656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、このような構成の画像形成装置においては、発熱手段に対する仕様外の商用電源接続時に発生する問題点を未然に防ぐことはできる。しかし、画像形成装置の電源がOFF状態において環境ヒータの制御を行う構成、即ち本体メイン電源がOFF状態で夜間、環境ヒータをON制御する構成の画像形成装置においては、環境ヒータを制御できないことから上記のような構成は採用することができない。
【0012】
また、製造工程上、仕向け分けの必要の無い画像読取装置(画像読取部)においては、共通ユニットで構成される。このため、結露発生によるシステムダウンタイムを無くしたいとの要求に応じた環境ヒータの後付け等に用いるコネクタは、仕向け地域に関わらず、統一されていた方がモジュール共通化の上で好ましい。
【0013】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、発熱手段を誤接続した場合、発熱手段に給電されないようにすることのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、商用電源により動作する画像形成装置において、使用される前記商用電源の電圧に応じて装置本体に選択的に装着され、前記装置本体内部を暖めるよう前記商用電源により発熱する発熱手段と、前記装置本体に設けられ、前記発熱手段と接続可能な装置本体側のコネクタと、前記装置本体側のコネクタに接続される前記商用電源の給電線と、を備え、前記商用電源の給電線と前記装置本体側のコネクタとの接続配線を前記使用される前記商用電源の電圧に応じて変えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、装置本体側のコネクタに接続される商用電源の給電線と、装置本体側のコネクタとの接続配線を商用電源の電圧に応じて変えるようにすることにより、発熱手段を誤接続した場合、発熱手段に給電されないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す斜視図である。図1において、100は画像形成装置であり、この画像形成装置100は、不図示の画像形成部(プリンタ部)等を備えた画像形成装置本体(以下、装置本体という)101、画像読取部102及び原稿給送部(ADF)103を備えている。
【0018】
そして、この画像形成装置100は、異なる電圧(100V,230V)の商用電源により動作可能に構成されている。なお、原稿給送部103は原稿積載トレイ113、原稿排紙トレイ109、不図示の原稿検知手段及び原稿給送モータ等を備えている。また、画像読取部102は原稿台ガラス114及び後述する図2に示すように光学モータ215、センサ手段218、光電変換手段216等を備えている。
【0019】
104は商用電源を引き込むための商用電源ケーブルであり、仕向けによってプラグ104aの形状が異なる。118は装置本体101の電源である本体メイン電源であり、105は商用電源ケーブル104を差し込むインレットである。
【0020】
本体メイン電源118は、電源スイッチである本体メインスイッチ106によってON(オン)/OFF(オフ)制御されるDC電源(常夜電源)と、不図示の画像読取部や原稿給送部等の各種アプリケーションに対する商用電源を有している。ここで、本体メインスイッチ106がOFFされた状態では、基本的に画像形成装置100による消費電力は本体メイン電源118のロス分を差し引けば、実質0Wとなる。
【0021】
122は本体メインスイッチ106の上流に位置する環境スイッチであり、本体メインスイッチ106によって各種アプリケーションに対する商用電源の出力ON/OFF制御を行うためには、別途、環境スイッチ122が事前にON設定されている必要がある。そして、環境スイッチ122がONされることにより、本体メインスイッチ106は不図示のリレー等の手段によって本体メイン電源118のON/OFF制御とトグル動作でアプリケーションに商用電源を供給することが可能となる。
【0022】
123はソフトスイッチであり、このソフトスイッチ123は、本体メインスイッチ106がONしている状態で機能するスイッチである。なお、このソフトスイッチ123は、不図示のユーザーインターフェィス(操作部)上に形成されており、システム制御上最低限の部分のみDC電源を供給する一般的に省電力モードと呼ばれるモードに移行するときに操作される。
【0023】
117はシステムコントローラである。そして、本体メインスイッチ106がONで、ソフトスイッチ123がOFFであれば、不図示の通信線を介してシステムコントローラ117にソフトスイッチ123の状態が伝達される。これにより、システムコントローラ117は、通信、給電ライン119を介して本体メイン電源118を制御する。
【0024】
また、省電力モードでは、システムコントローラ117に含まれるFAX受信機能やプリントアウト命令受信機能等の機能を果たすための電源である常夜電源系のみONとなり、その他の負荷は無給電状態となる。
【0025】
116はリレーボードであり、このリレーボード116は、不図示のリレー等によって、アプリケーションに対する給電制御を行うアプリケーション電源を供給するものである。このリレーボード116には、本体メイン電源118からのDC電源と、環境スイッチ122のONにより給電される商用電源が給電ケーブル209を介して供給され、リレーボード116はコネクタ107を介して画像読取部102に給電する。ここで、商用電源は、リレーボード116上に形成された不図示のリレーによって、本体メインスイッチ106とトグル動作で制御される。
【0026】
なお、120はシステムコントローラ117とリレーボード116との間の結線であり、この結線120は、上述したソフトスイッチ123に連動してアプリケーションに対するDC電源をON/OFF制御するための制御信号の経路を構成している。そして、リレーボード116から、コネクタ107を介して画像読取部102の給電口108に導かれた電源は、後述する図6に示す画像読取部のリーダーコントロール基板へのDC電源供給と環境ヒータ111への商用電源の供給を行う。
【0027】
111は本体メインスイッチ106がオフとなった状態のとき、装置本体内部を暖めるよう発熱する発熱手段である環境ヒータである。この環境ヒータ111は、画像読取部102の原稿台ガラス114の内側の結露及び不図示の原稿読取光学系を構成するミラー、レンズ等の表面に生じる結露を抑制する目的で設定されるサービスパーツ(市場にてサービスマンが後付け作業を行う部品)である。このため、画像読取部102に対して、環境ヒータ111を除いた接続ケーブル部は工場工程で予めセットされている。
【0028】
次に、図2に示す画像形成装置100の制御ブロック図を用いて信号、電源の流れを説明する。図2に示すように、装置本体101の本体メイン電源118には商用電源(AC−IN)が入力される。商用電源(AC−IN)は、ノイズフィルタ223により装置本体101に入ってくるノイズ成分を除去し、かつ、商用電源側に装置本体101に起因するノイズが流れるのを防止している。
【0029】
また、環境スイッチ122は、市場にてサービスマンがサービスパーツの環境ヒータ111をセットした時にON設定することで、本体メインスイッチ106のON/OFF制御とトグル動作で制御される。これにより、本体メイン電源118がOFFされた時に環境ヒータ111に商用電源が供給される。
【0030】
本体メイン電源118は常夜電源202を備えており、この常夜電源202は本体メインスイッチ106がON制御された時に経路204によりシステムコントローラ117に供給される。常夜電源202が供給されると、システムコントローラ117で制御されるソフトスイッチ123が有効となり、ソフトスイッチ123に同期してシステムコントローラ経由で制御信号223が発せられ、省電力モードのON/OFFが制御される。
【0031】
なお、省電力モードが解除されると、給電ケーブル208からリレーボード116に対してDC電源が供給され、システムコントローラ117からのリレー制御信号207により画像形成装置全体に対する給電制御がなされる。又、商用電源の給電ケーブル209には、本体メインスイッチ106よりも上流側に並列に配置された環境スイッチ122がON設定のときには商用電源が供給され、環境スイッチ122がOFF設定の時には商用電源は供給されない。
【0032】
環境ヒータ111に供給される商用電源211は本体メインスイッチ106に対してトグル動作で制御され、本体メイン電源118を介してリレーボード116上の不図示のリレーが制御されることによって給電される。
【0033】
画像読取部102は、システムコントローラ117によって経路210を経てDC電源が供給されることにより、画像読取部102で必要となる各種電源をDC−DC電源212で生成する。そして、このDC−DC電源212により、リーダーコントローラ214に対して電源が供給されると起動する。
【0034】
なお、リーダーコントローラ214には、原稿を検出するセンサ手段218、原稿を給送する駆動モータ219及びモータ制御を施す原稿給送ドライバ217等の複数の機能ユニットが接続されている。また、このリーダーコントローラ214は、光電変換手段216、光学モータ215等の負荷を制御して原稿画像の読取制御を行うと共に、原稿給送部(ADF)103の駆動制御も行う。
【0035】
ところで、本実施の形態において、装置本体101及び画像読取部102には、不図示の環境センサが設けられている。この環境センサは、装置本体101の筐体及び画像読取部102の原稿台ガラス(プラテンガラス)114及び不図示の原稿イメージを結像する光学系を形成するミラー、レンズ群の表面に生じる結露の発生を未然に防ぐために用いられる。
【0036】
図3は、空気中に気化可能な水蒸気量を示す特性図である。703は飽和水蒸気圧線であり、横軸に示す温度、縦軸に示す水蒸気圧を取って示され、飽和水蒸気圧線703は、各温度に於ける湿度100%の状態をプロットした線となっている。例えば、ポイント704は、28度の時の湿度80%を示している。即ち、図3から、ポイント704は、外気がポイント706に到達する露点温度に達した時点で湿度100%に到達し、更に温度が下がることで結露が進行することになる。
【0037】
このような結露発生現象を画像形成装置に当てはめて考える。夜間、本体メインスイッチ106がOFFされた状況下で外気温度が急激に下がり、翌朝、冷え切った画像読取部102の筐体、ガラス及びレンズ表面はポイント708に示すように低温状態となっている。
【0038】
そして、この状態で例えばオフィスの空調制御が朝、オフィスの始業前にONされて、室温がポイント709に示す22度、50%に調整されるとする。この場合、ポイント710に示す露点温度約12度に対して筐体及びガラス、レンズ表面温度が低いことから、機内に流れ込んだ空気が筐体及びガラス、レンズ表面近傍にて順次水滴化して結露が発生することになる。
【0039】
この状況を改善するためには、筐体及びガラス、レンズ表面温度を予め露点温度より高く維持しておく必要がある。このため、本体メインスイッチ106がONされて装置内の発熱源の自己発熱によって露点温度より高い筐体及びガラス、レンズ表面温度を維持しつづけるために、夜間の本体メインスイッチ106とトグル動作で環境ヒータ111をON制御することが有効となる。
【0040】
次に、図4及び図5を用いて商用電源100Vと商用電源230Vの系を説明する。
【0041】
図4は、100V系の画像形成装置の商用電源及び機内用DC電源の内、画像形成装置に対する概ねの回路構成を示している。そして、この100V系の画像形成装置は、商用電源ケーブル104(図1参照)からの100Vの電源供給を受けて作動する。
【0042】
図4において、302は商用電源(AC−100V)のHOT側であり、303はNEUTRAL側(ニュートラル側)である。なお、本体メインスイッチ106は両切りタイプのスイッチであり、本体メインスイッチ106がONされると、DCDC電源部306で一次側の電源(商用電源)は、二次側の電源(DC電源)に変換される。例えば、DCDC電源部306の出力は、24V、GND_24、12V、GND_12等である。DCDC電源部306は常夜系の電源320を有しており、DCDC電源部306からシステムコントローラ117に対して給電される。
【0043】
環境スイッチ122(図1及び図2参照)は本体メイン電源118近傍にセットされており、基本は市場においてサービスマンが環境ヒータ111の設置を行った際にスイッチをONする。図4において、環境ヒータ111に対する商用電源の制御は、リレー311Aを用いて実行する。ここで、リレー311Aは常夜電源24VのON/OFFで商用電源をON/OFF制御可能なリレーで構成している。
【0044】
例えば、本体メインスイッチ106をONした場合、常夜電源24VがDCDC電源部306から出力され、リレー311Aに供給される。そして、このように常夜電源24Vがリレー311Aに供給されると、本体メインスイッチ106がオフとなったとき、商用電源を環境ヒータ111に供給するように切り換る電源供給手段であるリレースイッチ312はOFFとなる。
【0045】
逆に、本体メインスイッチ106をOFFした場合、常夜電源24Vが出力停止になる。この場合、DCDC電源部306から24Vが出力されないため、リレースイッチ312はONとなる。そして、この場合、環境ヒータ111に対する商用電源の供給が可能となる。
【0046】
なお、図4において、313は画像読取部102に対するコネクト部であり、コネクタ107(図1参照)が接続される。316は画像読取部102側で持つ給電用ケーブルであり、商用電源とDC電源(二次側電源)を画像読取部102に供給する。なお、DC電源の供給については、システムコントローラ117が、リレーボード116Aの内部のリレー308、309を制御することによって画像読取部102に対する電源制御を行う。
【0047】
無論、DC電源制御を行う際には、本体メインスイッチ106はON状態である。画像形成部101から供給を受けたDC電源によって、画像読取部102では、リーダーコントローラ214が原稿読取システムを制御し、画像形成部101とは非同期な原稿走査制御を実行する。
【0048】
111Aは100V用の環境ヒータ、111Bは230V用の環境ヒータを表しており、図4に示すように100V系の画像形成部101に230V系の環境ヒータ111Bを誤挿入しても商用電源のピン配置が異なるため、機能しない。
【0049】
図5は230V系の画像形成装置における回路構成を示している。ここで、図5に示す230V系の画像形成装置は、商用電源ケーブル104(図1参照)から230Vの電源供給を受けて作動する。
【0050】
図5の230V系の画像形成装置は、既述した100V系の画像形成装置と構成上、環境ヒータ111に対するコネクタ107が接続されるコネクト部313において、給電のためにコードが接続されるピン(端子)が異なる。なお、図4と同一符号のものは、説明を省略する。
【0051】
図5において、311Bは環境ヒータ111Bに対する商用電源の制御を行うリレーであり、このリレー311Bは24VのON/OFFで商用電源をON/OFF制御可能なリレーで構成している。
【0052】
そして、例えば本体メインスイッチ106をONした場合、常夜電源24VがDCDC電源部306から出力され、リレー311Bに供給されると、リレースイッチ312はOFFとなる。逆に、本体メインスイッチ106をOFFした場合、常夜電源24Vが出力停止になる。この場合、DCDC電源部306から常夜電源24Vが出力されないため、リレースイッチ312はONとなる。なお、DC電源の供給に関しては、システムコントローラ117が、リレーボード116Bの内部のリレー308、309を制御することによって画像読取部102に対する電源制御を行う。
【0053】
ここで、図5に示すように230V系の画像形成部101に100V系の環境ヒータ111Bを誤挿入しても商用電源のピン配置が異なるため、機能しない。この結果、100V系の環境ヒータ111Aが市場にて誤設置されても、所定の温度を超えてしまう様な問題を引き起こす可能性が回避できる。
【0054】
図6は画像形成装置の出荷形態を示す図である。なお、図6において、原稿を走査する読取ユニット及び電装部材は省略している。
【0055】
図6において、215は光学モータ、504はリーダーコントロール基板、505はDC電源コネクタ、506はDC給電線、507は商用電源給電線、509は商用電源中継パネルマウント、508は画像形成装置給電インターフェイスである。そして、これら構成部品は仕向けに関わらず、画像形成装置に工場実装される。なお、後述する図7との相違部を見易くするため、原稿走査ユニットと原稿サイズ検出手段等は不図示である。
【0056】
図7は、市場においてサービスマンが環境ヒータ111を実装した際の画像形成装置の構成を示す図である。
【0057】
図7において、611は商用電源中継パネルマウント509と環境ヒータ111を接続するケーブルである。また、商用電源給電線部507は、仕向け設定が無いことから、図4、図5で示した商用電源給電線316のように、3本の給電線で構成されている。
【0058】
なお、本実施の形態においては、環境ヒータ111と商用電源給電線611をアセンブリしたユニット形態で構成しており、このように構成する場合には、商用電源給電線611は2本の線材で構成される。
【0059】
ここで、100V用の環境ヒータ111Aを用いる場合には、商用電源中継パネルマウント509に対して、図8において806で示す1,2ピン結線となる。また、230V用の環境ヒータ111Bを用いる場合には、商用電源中継パネルマウント509に対して、図8において807で示す1,3ピン結線となる。
【0060】
なお、ここで商用電源給電線611までを工程組み込み部品としても良い。つまり、商用電源給電線611は3本の線材で構成し、ヒータ111直近の不図示のコネクタで、同じく、不図示の中継コネクタに対して100V用の環境ヒータ111Aの場合には、1,2ピン結線となるようする。また、230V用の環境ヒータ111Bの場合には、1,3ピン結線となるようにする。この場合も、その他の構成部品は、図7と同様である。
【0061】
なお、商用電源中継パネルマウント509、環境ヒータ111、商用電源給電線611などについて、給電のための結線は既述のように商用電源の電圧によって異なるももの、その他の構成は商用電源の種類に依らずに共通である。
【0062】
ところで、一般的に、環境ヒータ111A,111Bは、発熱体として抵抗器を用いている。そして、例えば100V系、230V系の環境ヒータにおいて、抵抗器の定格が各々、1210Ω、5450Ωであった場合、凡そ10Wの環境ヒータは以下の電力を消費することになる。
【0063】
【表1】
【0064】
そして、この表1に示す電力値の結果からも解るように、万が一230V系の電源に100V用の環境ヒータが通電された場合、定格電力を大きく上回り、環境ヒータが所定温度を超えてしまうと言った問題を発生させる可能性が生じる。
【0065】
また、例えば、図9に示す環境ヒータの温度特性を示すグラフにおいて、横軸に電力、縦軸に温度上昇をとった場合、温度上昇直線は1004に示す様な線形特性を持つ。今回用いた環境ヒータが凡そ10Wであることから、実際の温度は1005に示す通り、約90度位になる。この特性から電力が大きい場合には1006の方向に温度が上昇して行く。従って、本来設定している以外の仕様の環境ヒータが万が一接続されても、環境ヒータが働かない構成とすることが求められる。
【0066】
次に、本来設定している以外の仕様の環境ヒータが万が一接続されても、環境ヒータが働かないようにするための基本構成を、図8を用いて説明する。
【0067】
図8において、316は画像読取部102に配された給電ケーブルであり、画像形成部101の仕向け設定に関わらず、全ての画像読取部102で使用している共通インターフェィスである。
【0068】
313は画像形成部101のコネクト部、上述の説明ではリレーボード116として説明したユニットから電源供給を受ける部分である。804はDC給電用のコネクタを示し、本実施の形態ではリーダーコントローラに接続される。805が商用電源の給電線である商用電源給電ケーブルである。
【0069】
そして、802に示すオプションパーツである、異なる種類の100V用環境ヒータ111A、230V用環境ヒータ111Bは図示した通り、商用電源給電ケーブル805のコネクタと勘合するコネクタのピン配置が異なる。
【0070】
このように、本実施の形態においては、コネクト部313が接続されるリレーボード側で仕向け事に設定された商用電源給電ケーブル805の商用電源給電ピンに対し、使用する商用電源が異なる環境ヒータ111A,111Bは異なるピンアサインを行っている。つまり、商用電源の給電線と、後述する環境ヒータ111A,111Bと接続可能な装置本体側のコネクタとの接続配線を使用される商用電源の電圧に応じて変えることようにしている。これにより、環境ヒータ111A,111Bが市場にて誤設置されても、所定の温度を超えてしまう様な問題を引き起こす可能性が回避できる。
【0071】
次に、図10及び図11を用いて、画像形成部101に搭載されるリレーボード116と環境ヒータの組み合わせを模式的に説明する。
【0072】
図10及び図11の組み合わせの中で、図10の(a)は、100V系の環境ヒータ111Aの正規の接続例を示している。即ち、仕向けが100Vの市場向けであり、100V用のリレーボード116Aと100V用の環境ヒータ111Aを接続している。
【0073】
なお、901は給電線であり、商用電源のHOT側,NEUTRAL側、及びNC(未接続)の3本からなる。901aは装置本体側のコネクタである給電線901のコネクタであり、3ピン以上、本実施の形態においては、3つのピンを有している。また、904は100V用の環境ヒータ111Aのコネクタであり、3ピン以上、本実施の形態においては、3つのピンを有している。
【0074】
ここで、これら給電線901のコネクタ901aと100V用の環境ヒータ111Aのコネクタ904とにより、商用電源の給電線901と100V用の環境ヒータ111Aとを接続する3ピン以上の接続手段が構成される。そして、正規に接続した場合、給電線901のコネクタ901aと100V用の環境ヒータ111Aのコネクタ904とにより、100V用の環境ヒータ111Aには、1ピンと2ピンにそれぞれHOT、NEUTRALが結線される。
【0075】
一方、図10の(b)は、100V用のリレーボード116Aと230V用の環境ヒータ111Bを接続した状態を示している。即ち、誤接続を示している。908は、230V用の環境ヒータ111Bのコネクタであり、このコネクタ908は、230V用の環境ヒータ用であるから、1ピンと3ピンにそれぞれHOT,NEUTRALが結線される。このとき、ニュートラル側のピンの割り振りが変更されることにより給電線901のコネクタ901aとコネクタ908のピンの配列が異なっていることから、230V用の環境ヒータ111Bには商用電源が接続されない。
【0076】
図11の(b)は、230V系の環境ヒータ111Bの正規の接続例を示している。即ち、仕向けが230Vの市場向けであり、230V用のリレーボード116Bと230V用の環境ヒータ111Bを接続している。909は給電線であり、商用電源のHOT側、NC(未接続)及びNEUTRAL側の3本からなる。909aは装置本体側のコネクタである給電線909のコネクタであり、3ピン以上、本実施の形態においては、3つのピンを有している。
【0077】
図11の(a)は、230V用のリレーボード116Bと100V用の環境ヒータ111Aを接続した状態を示している。即ち、誤接続を示している。このとき、給電線909とコネクタ904のピン配列が異なっており、100V用の環境ヒータ111Aには商用電源が接続されない。
【0078】
この図10及び図11から明らかなように、給電線901,909と給電線901,909のコネクタ901a,909aとの接続配線を使用される商用電源の電圧に応じて変えることにより、環境ヒータ誤挿入の場合、商用電源の給電は行われない。そして、このように商用電源の給電が行われない場合には、環境ヒータ111A,111Bが機能しないため、所定の温度を超えて使用されるような問題は発生しない。
【0079】
最後に、図12を用いて各スイッチ手段、及び、電源供給、環境ヒータの挙動等を説明する。
【0080】
本体メインスイッチ(SW)がONとなると、本体メイン電源118がONし、これにより常夜電源がシステムコントローラ117に供給され、この後、既述したシステムコントローラ117の起動完了後、ソフト的にソフトスイッチ(SW)がONする。ソフトスイッチ123がONすると、その他システム全体の電源が一斉にON制御され、画像読取部24V電源もONし、画像形成装置全体に電源が供給される。この時、環境スイッチ(SW)122はOFF状態であることから、環境ヒータには一切の電力供給は行われ無い。
【0081】
この後、オペレーターによってソフトスイッチ123がOFFされると、ほぼ同時に画像読取部102に対する画像読取部24V電源もOFFされ、この状態では常夜電源のみONしている。また、この後、本体メインスイッチがOFFされると全システムの電力供給が停止する。
【0082】
次に、不図示の商用電源給電線をコンセントから抜き、環境ヒータ111のセット及び環境スイッチ122のONを設定すると、不図示の商用電源給電線をコンセントに挿した直後から環境ヒータ111に環境ヒータ電源である商用電源が給電される。そして、このように環境ヒータ111に商用電源が給電されることにより、結露防止モードとなり、環境ヒータに対する給電のみ行われる。
【0083】
一方、この後、本体メインスイッチ106がONされると、上述したシーケンスでソフトスイッチがONし、続いて、画像読取部24V電源もONし、画像形成装置全体に電源が供給される。この後、ソフトスイッチ123がOFFされると、画像読取部24V電源とその他、常夜電源202を除いた不図示のシステム電源は全てOFFされるが、本体メインスイッチ106がON状態であることから環境ヒータ電源はON制御されない。
【0084】
次に、ソフトスイッチ123がONされ、順次、画像形成部24V電源とその他、常夜電源202を除いた不図示のシステム電源がONされると、画像形成装置は待機状態に入る。また、この後、本体メインスイッチ106がOFFされると、環境ヒータ111がONとなり、結露防止モードとなり、環境ヒータに対する給電のみ行われる。
【0085】
なお、画像形成装置100において、環境ヒータ111を、一年を通して必要とする環境は稀であり、例えば朝晩の冷え込みの激しい環境、季節(シーズン)に環境ヒータ111が機能すれば、環境ヒータ111を搭載する目的が達成される。
【0086】
そこで、本実施の形態においては、既述した環境スイッチ122を備え、この環境スイッチ122により、装着した環境ヒータ111の有効、無効の設定を切り替えるようにしている。そして、リレースイッチ312と商用電源の間に、環境ヒータ111を選択的に発熱させる発熱スイッチである環境スイッチ122を設けることにより、環境ヒータ111を取り外す事無く不必要な電力消費を回避できる。
【0087】
以上説明したように、商用電源と環境ヒータ111とを接続する接続手段のピン配列を、使用される商用電源及び環境ヒータ111に応じて変えるようにすることにより、商用電源に応じた環境ヒータ111を接続することができる。言い換えれば、装置本体側のコネクタに接続される商用電源の給電線と、装置本体側のコネクタとの接続配線を商用電源の電圧に応じて変えるようにすることにより、誤接続することなく商用電源に応じた環境ヒータ111を接続することができる。
【0088】
これにより、オプション設定された環境ヒータを市場にて交換作業した際に、誤って異なる商用電源タイプの環境ヒータをセットした場合でも、環境ヒータ111に通電(給電)される事が無くなる。
【0089】
この結果、簡単な構成で、かつ、システム制御が利かない状況であっても、環境ヒータ111が所定の温度を超えてしまうと言った問題を生じさせることの無い画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す斜視図。
【図2】上記画像形成装置の制御ブロック図。
【図3】上記画像形成装置に設けられた環境ヒータの制御を説明するための飽和水蒸気圧線の説明図。
【図4】100V系の上記画像形成装置のブロック配線図。
【図5】230V系の上記画像形成装置のブロック配線図。
【図6】上記画像形成装置の工場出荷の際の状態を示す図。
【図7】上記環境ヒータをセットした状態の画像形成装置を示す図。
【図8】上記環境ヒータを接続するための基本構成を説明する図。
【図9】上記環境ヒータの電力と発熱量の関係を説明する図。
【図10】上記100V系の画像形成装置の商用電源に環境ヒータを接続する組み合わせを模式的に説明する図。
【図11】上記230V系の画像形成装置の商用電源に環境ヒータを接続する組み合わせを模式的に説明する図。
【図12】上記画像形成装置の環境ヒータの制御シーケンスを説明するタイミングチャート。
【符号の説明】
【0091】
100 画像形成装置
106 本体メインスイッチ
111 環境ヒータ
111A 100V用の環境ヒータ
111B 230V用の環境ヒータ
116 リレーボード
118 本体メイン電源
122 環境スイッチ
302 商用電源(AC−100V)のHOT側
303 商用電源(AC−100V)のNEUTRAL側
312 リレースイッチ
901 給電線
901a 給電線のコネクタ
904 100V用の環境ヒータのコネクタ
908 230V用の環境ヒータのコネクタ
909 給電線
909a 給電線のコネクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源により動作する画像形成装置において、
使用される前記商用電源の電圧に応じて装置本体に選択的に装着され、前記装置本体内部を暖めるよう前記商用電源により発熱する発熱手段と、
前記装置本体に設けられ、前記発熱手段と接続可能な装置本体側のコネクタと、
前記装置本体側のコネクタに接続される前記商用電源の給電線と、を備え、
前記商用電源の給電線と前記装置本体側のコネクタとの接続配線を前記使用される前記商用電源の電圧に応じて変えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記発熱手段は、電源スイッチがオフとなった状態のとき装置本体内部を暖めることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体側のコネクタは3つ以上の端子を有していることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記電源スイッチがオフとなったときに切り換わり前記商用電源を前記発熱手段に供給する電源供給手段と、
前記電源供給手段と前記商用電源の間に設けられ、前記発熱手段を選択的に発熱させる発熱スイッチと、を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記使用される前記商用電源の電圧に応じて前記装置本体側のコネクタのニュートラル側の端子の割り振りを変更することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
商用電源により動作する画像形成装置において、
使用される前記商用電源の電圧に応じて装置本体に選択的に装着され、前記装置本体内部を暖めるよう前記商用電源により発熱する発熱手段と、
前記装置本体に設けられ、前記発熱手段と接続可能な装置本体側のコネクタと、
前記装置本体側のコネクタに接続される前記商用電源の給電線と、を備え、
前記商用電源の給電線と前記装置本体側のコネクタとの接続配線を前記使用される前記商用電源の電圧に応じて変えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記発熱手段は、電源スイッチがオフとなった状態のとき装置本体内部を暖めることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体側のコネクタは3つ以上の端子を有していることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記電源スイッチがオフとなったときに切り換わり前記商用電源を前記発熱手段に供給する電源供給手段と、
前記電源供給手段と前記商用電源の間に設けられ、前記発熱手段を選択的に発熱させる発熱スイッチと、を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記使用される前記商用電源の電圧に応じて前記装置本体側のコネクタのニュートラル側の端子の割り振りを変更することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−216827(P2009−216827A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58496(P2008−58496)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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