説明

画像形成装置

【課題】収容トレイに残存する用紙を検知するための構成部品を配置するスペースが狭くても、その残紙を検知できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置では、反射板80を収容トレイ60内に設け、発光部82A及び受光部82Bを備える1つの検知センサ82を収容トレイ60外に配置する。収容トレイ60を上下に移動させて、1つの検知センサ82で、各収容トレイ60の残紙検知を行う。このため、収容トレイ60内のスペースが小さい場合でも収容トレイ60に残存する用紙Pを検知できる。また、1つの検知センサ82が、各収容トレイ60を検知する際に共通で用いられるので、検知センサ82を配置するための配置スペースの省スペース及び省部品で低コスト化が図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置としては、記録媒体としての用紙を検知する検知センサを有する画像形成装置が知られている。このような画像形成装置としては、特許文献1に開示される画像形成装置が公知である。
【0003】
特許文献1に開示される画像形成装置は、搬送ユニット6と搬送ユニット7で構成される搬送路があり、それぞれのユニットには、搬送SN8,9と搬送手段を手動で廻す為のノブA11,ノブB12がそれぞれ独立で設けてある。また、そのユニット間には用紙の跨りを検知するための用紙SN10が設けられている。(b)に示すように用紙先端が、搬送方向下流の搬送SN9に到達していない場合は、ノブA11を廻すように警告手段14(LED点灯または点滅)で指示することで、効率良く確実なジャム用紙除去を可能とする。
【0004】
【特許文献1】特開2005−258104号公報(図3参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、記録媒体を収容する記録媒体収容部に残存する記録媒体を検知するための構成部品を配置するスペースが狭くても、記録媒体収容部に残存する記録媒体を検知できる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、記録媒体を収容すると共にその収容した記録媒体が取り出される複数の記録媒体収容部と、前記記録媒体収容部のそれぞれに設けられ、前記記録媒体収容部に収容された前記記録媒体に覆われると共に該記録媒体が該記録媒体収容部から取り出されると露出する反射板と、前記記録媒体収容部のそれぞれを所定位置に移動させることが可能な移動機構と、前記記録媒体収容部の外部に設けられ、前記所定位置に位置する前記記録媒体収容部の前記反射板へ光を発する発光部と、前記記録媒体収容部の外部に設けられ、前記発光部から前記反射板へ発せられて該反射板で反射した反射光を受光し、前記記録媒体収容部に残存する記録媒体を検知する受光部と、を備えている。
【0007】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1の構成において、前記所定位置に位置する前記記録媒体収容部から前記記録媒体を取り出す取出機構を備えている。
【0008】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は請求項2の構成において、前記反射板は、再帰性反射板である。
【0009】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1〜3のいずれか1項の構成において、前記反射板を覆う位置に前記記録媒体が収容されるように、前記記録媒体収容部に収容される前記記録媒体の位置を規制する規制部材を備えている。
【0010】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項1〜4のいずれか1項の構成において、光を反射する反射面が、前記記録媒体収容部の構造物に形成され、前記発光部は、前記反射面で反射した反射光が前記受光部に入射しないように、前記反射面に対して角度を有して配置されている。
【0011】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、請求項1〜5のいずれか1項の構成において、前記発光部及び前記受光部が取り付けられ、前記発光部から発せられる光の光軸及び前記受光部が受光する光の光軸を調整するための調整部材が装着可能な取付部を備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1の構成によれば、記録媒体を収容する記録媒体収容部に残存する記録媒体を検知するための構成部品を配置するスペースが狭くても、本構成を有していない場合に比して、記録媒体収容部に残存する記録媒体を検知できる。
【0013】
本発明の請求項2の構成によれば、本構成を有していない場合に比して、記録媒体収容部に残存する記録媒体を検知するための構成部品及び取出し機構を集約して配置でき、配置スペースの省スペース及び省部品で低コスト化が図れる。
【0014】
本発明の請求項3の構成によれば、本構成を有していない場合に比して、発光部及び受光部を集約して配置でき、配置スペースの省スペース及び省部品で低コスト化が図れる。
【0015】
本発明の請求項4の構成によれば、本構成を有していない場合に比して、誤検知を抑制できる。
【0016】
本発明の請求項5の構成によれば、本構成を有していない場合に比して、誤検知を抑制できる。
【0017】
本発明の請求項6の構成によれば、本構成を有していない場合に比して、発光部から発せられる光の光軸及び受光部が受光する光の光軸を調整するのが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る画像形成装置の全体構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【0019】
本実施形態に係る画像形成装置1は、各構成部品が収容される装置本体11を備え、装置本体11には、画像形成部13及び後処理部Fが設けられている。
【0020】
画像形成部13は、スキャナ部A、制御部B、ゼログラフィー部C、ユーザーインターフェイス(UI)部D及び給紙部Eを備えて構成されている。後処理部Fは、用紙反転路5aを有する用紙整理部5、用紙Pを収容するためのビンデクサー部6、ステイプル部7、バインダテープ4によるバインダ製本部8、背表紙画像形成部9及びスタッカー部10を備えて構成されている。
【0021】
スキャナ部Aは原稿から文字を含む画像を読み取り、制御部Bでは、スキャナ部Aで読み取られた文字情報及び画像情報がファイリングし、製本物の中身と表表紙及び裏表紙に画像を形成するためのジョブが生成される。ゼログラフィー部Cは、給紙部Eから供給される記録媒体としての用紙に、スキャナ部Aで読み取られた文字情報や画像情報を画像形成するようになっている。
【0022】
なお、記録媒体としては、用紙に限られず、プラスチックフィルム等のシート状部材、その他、画像が記録される媒体を用いても良い。
【0023】
ゼログラフィー部Cに用紙を供給する給紙部Eは、製本物の中身となる文字や画像が形成される普通用紙を収容する大容量トレイ18と、表表紙や裏表紙となる表紙用紙を収容する表紙紙トレイ19と、カラー画像等が形成される特殊用紙を収容する特殊紙トレイ20と、これらのトレイ18、19及び20から送出された用紙の搬送路21とを備えて構成されている。
【0024】
そして、この搬送路21は、各トレイ18、19及び20から送出された用紙をゼログラフィー部Cの転写器(図示省略)まで搬送する第1搬送路21aと、未定着トナー像が乗った用紙を転写器から定着器17まで搬送する主搬送路21bと、定着されて文字や画像が形成された用紙を後処理部Fに設けられた用紙整理部5まで搬送する第2搬送路21cと、両面に画像形成する際に片面に画像形成された用紙を反転させて再び第1搬送路21aに送り込む反転搬送路21dとを備えて構成されている。
【0025】
製本物の画像形成については、先ず始めに、表紙紙トレイ19から裏表紙となる表紙用紙が送出され、この表紙用紙は第1搬送路21aを搬送され、ゼログラフィー部Cの転写器により未定着トナー像が転写され、更に主搬送路21bを走行して定着器17に送られ、この定着器17で未定着トナー像が表紙用紙上に定着された後、第2搬送路21cを搬送されて後処理部Fの用紙整理部5に入り、この用紙整理部5の用紙反転路5aで反転され、形成された裏表紙画像を下にしてビンデクサー部6内にスタックされる。
【0026】
次に、製本物の中身が画像形成される普通用紙が大容量トレイ18から順次必要な枚数だけ送出され、これらの普通用紙はそれぞれ第1搬送路21a→ゼログラフィー部Cの転写器→主搬送路21b→定着器17→第2搬送路21c→反転搬送路21d→第1搬送路21a→ゼログラフィー部Cの転写器→主搬送路21b→定着器17→第2搬送路21c→用紙整理部5→ビンデクサー部6の順に搬送され、ビンデクサー部6内で上記裏表紙画像が形成された表紙用紙の上にスタックされる。
【0027】
この間、必要により製本物中に挿入されるカラー画像等が形成される特殊用紙が特殊紙トレイ20から送出され、この特殊用紙は第1搬送路21a→ゼログラフィー部Cの転写器→主搬送路21b→定着器17→第2搬送路21c→(必要により、反転搬送路21d→第1搬送路21a→ゼログラフィー部Cの転写器→主搬送路21b→定着器17→第2搬送路21cを経由して両面に画像形成された後)→用紙整理部5→ビンデクサー部6の順に搬送され、製本物の中身が画像形成された普通用紙の間に適宜挿入され、これら普通用紙と共にスタックされる。
【0028】
更に、表紙紙トレイ19から表表紙となる表紙用紙が送出され、この表紙用紙は、裏表紙となる表紙用紙と同様に、第1搬送路21a→ゼログラフィー部Cの転写器→主搬送路21b→定着器17→第2搬送路21c→用紙整理部5→ビンデクサー部6の順に搬送され、ビンデクサー部6内で上記中身が画像形成された普通用紙の上にスタックされ、製本物の一揃いを構成する文書セット(用紙束)がビンデクサー部6に収容される。
【0029】
この様にしてビンデクサー部6内に文書セットが整うと、この文書セットは次にステイプル部7に送り込まれ、このステイプル部7でホチキス止めされて次の背表紙画像形成部9に送られるか、あるいは、このステイプル部7でホチキス止めされることなくバインダ製本部8に送られ、このバインダ製本部8でバインダテープ4によりバインダ製本されて次の背表紙画像形成部9に送られる。なお、図1において符号27はホチキス止めするときに用いられるワイヤーを収納するスティッチャー・ワイヤーリールである。
【0030】
バインダ製本部8では、ビンデクサー部6から送り込まれてきた文書セットを受け取り、バインダテープ4を文書セットの背部に押圧して貼着し、次の背表紙画像形成部9に送出するようになっている。
【0031】
また、後処理部Fの背表紙画像形成部9は、ステイプル部7又はバインダ製本部8でホチキス止めあるいはバインダ製本されて送り込まれてくる文書セットの背表紙に、インクジェットにより画像形成して、スタッカー部10から出来上がった製本物が排出される。
【0032】
(ビンデクサー部6の構成)
次に、ビンデクサー部6の構成について説明する。
本実施形態に係るビンデクサー部6は、用紙Pを丁合するためのものであり、ビンデクサー部6には文書セット(用紙束)が収容される。
【0033】
ビンデクサー部6から見て用紙搬送方向上流側(用紙整理部5とビンデクサー部6との間)には、図2に示すように、用紙Pを搬送する搬送ベルト50が配置されており、ビンデクサー部6には、搬送ベルト50から用紙Pが送り込まれる。
【0034】
搬送ベルト50は、一対の巻掛ロール52に巻き掛けられた無端状のベルトで構成されており、静電力等により用紙Pを吸着して搬送するようになっている。
【0035】
ビンデクサー部6は、記録媒体を収容すると共にその収容した記録媒体が取り出される複数の記録媒体収容部の一例として、用紙Pを積載収容する複数(例えば、3つ)の収容トレイ60を備えており、3つの文書セットまで収容できるようになっている。
【0036】
収容トレイ60と搬送ベルト50との間には、収容トレイ60に用紙Pを送り込みための送込ロール62が設けられている。
送込ロール62と搬送ベルト50との間には、用紙ガイド(図示省略)が設けられており、この用紙ガイドにより、搬送ベルト50で搬送される用紙Pが、複数の収容トレイ60のいずれかに振り分けられ、送込ロール62により収容トレイ60に送り込まれる。
【0037】
また、収容トレイ60の上方であって送込ロール62の近傍には、用紙詰まり(ジャム)を検知するための検知センサ64が配置されている。検知センサ64は、収容トレイ60までの搬送経路において、用紙Pが収容トレイ60に収容されずに止まってしまった場合に、用紙詰まりとして検知する。
【0038】
さらに、ビンデクサー部6は、収容トレイ60に開閉可能に設けられた排出ゲート66を備えている。この排出ゲート66は、収容トレイ60に用紙Pを収容する際に閉鎖され、収容トレイ60に収容された用紙Pの用紙束(文書セット)が排出される際に開放される。
排出ゲート66は、閉鎖された状態において、収容トレイ60に収容された用紙Pが当って、用紙Pの端部を揃えるための用紙ガイドとして機能する。
【0039】
収容トレイ60には、収容トレイ60に収容された用紙Pを排出ゲート66に押し付ける押付ロール68が配置されている。押付ロール68が用紙Pを排出ゲート66に押し付けることにより、用紙Pの端部が揃えられる。
【0040】
ビンデクサー部6の搬送方向下流側(ビンデクサー部6とステイプル部7との間)には、収容トレイ60に収容された用紙Pの用紙束を収容トレイ60から取り出す取出機構67が設けられている。
取出機構67は、アーム67Aによって用紙Pの用紙束を上下から挟持して、収容トレイ60から取り出してステイプル部7に搬送する。
【0041】
また、収容トレイ60は、画像形成装置1の装置本体11に上下方向に移動可能に設けられている。複数の収容トレイ60には、複数の収容トレイ60を一体に上下に移動させる移動機構の一例としての駆動部69が設けられている。
【0042】
駆動部69は、取出機構67が取り出し可能な取出位置に複数の収容トレイ60のいずれかを移動させる。図2では、3つの収容トレイ60のうちの中央にある収容トレイ60が取出位置に位置する。他の2つの収容トレイ60も取出位置に移動可能であり、最上部の収容トレイ60が図2における2点鎖線Aで示す位置に位置するときに、最下部の収容トレイ60が取出位置に位置し、最下部の収容トレイ60が図2における2点鎖線Bで示す位置に位置するときに、最上部の収容トレイ60が取出位置に位置する。なお、駆動部69は、収容トレイ60を横方向へ移動させる構成であってもよい。
【0043】
収容トレイ60内には、図3及び図4に示すように、光を反射する反射板80が設けられている。反射板80は、図5に示すように、収容トレイ60に収容された用紙Pに覆われると共に、その用紙Pが収容トレイ60から取り出されると露出するようになっている。収容トレイ60には、複数のサイズ(例えば、A4及びA4ノビ)用紙Pが収容可能とされており、いずれのサイズの用紙Pを収容した場合であっても反射板80は覆われる。
【0044】
反射板80は、再帰性を有する再帰性反射板で構成されている。なお、再帰性とは、入射された光を、その光が入射した方向へ向けて反射する機能である。すなわち、反射板80は、光の入射方向と反射方向が略同一の範囲になるように反射するものであり、図6に示すように、反射板80に対して0°<θ1<90°の範囲で入射された光X1を、90°<θ2<180°の範囲で反射するのではなく、少なくとも0°<θ1<90°の範囲で反射するようになっている。なお、図6において、90°<θ2<180°の範囲で反射された光はX2で示され、0°<θ1<90°の範囲で反射された光はX3で示されている。
【0045】
収容トレイ60の外部には、収容トレイ60に残存する用紙P(残紙)を検知するための検知センサ82が設けられている。
検知センサ82は、反射板80へ光を発する発光部82Aと、発光部82Aから反射板80へ発せられて反射板80で反射した反射光を受光する受光部82Bとを備えている。
【0046】
発光部82Aは、所定位置としての取出位置に位置する収容トレイ60の反射板80に光が照射されるように構成されており、照射位置が規定されている。これにより、本実施形態では、取出位置にある収容トレイ60の反射板80が位置する位置に、発光部82Aが光を発し、その位置において反射板80が反射した反射光を受光部82Bが受光する。
なお、所定位置としては、取出位置である必要ななく、特定の定まった位置であれば良い。
【0047】
反射板80は、収容トレイ60のそれぞれに設けられるのに対して、検知センサ82は、1つのみ設けられ、複数の収容トレイ60の残紙検知に用いられる。
【0048】
検知センサ82は、画像形成装置1の装置本体11に設けられた取付部の一例としてのブラケット72に取り付けられている。このブラケット72は、装置本体11のフレーム70に固定されている。
【0049】
また、収容トレイ60において、その構造物としての排出ゲート66は、例えば、アルミ等の金属材料で形成してもよく、この場合には、排出ゲート66の外面には、光を反射する反射面66Aが形成される。
【0050】
反射面66Aが形成される構成においては、発光部82Aは、反射面66Aで反射した反射光が受光部82Bに入射しないように、図5に示すように、反射面66Aに対して角度を有しているのが望ましい。
【0051】
反射板80が再帰性を有していれば、反射板80で反射する反射光と、反射面66Aで反射する反射光の反射角が異なり、受光部82Bは反射板80で反射する反射光を受光することができる。
【0052】
なお、発光部82Aが反射面66Aに対して角度を有する上記の構成は、反射面66Aからの反射光が受光部82Bに入射された場合に受光部82Bの検知結果に影響を及ぼす程度に、反射面66Aが光を反射してしまう場合に採用される構成であって、受光部82Bの検知結果に影響を及ぼさない程度に、排出ゲート66が光を吸収してしまう材料を用いた場合には、必須ではない。
【0053】
また、ブラケット72には、発光部82Aから発せられる光の光軸及び受光部82Bが受光する光の光軸を調整するための調整部材の一例として光軸ポインタ74が装着可能とされている。
【0054】
光軸ポインタ74は、棒状に形成されており、ステンレス等の材料で形成されている。ブラケット72には、光軸ポインタ74を挿し通すことが可能な孔72Aが形成されている。また、反射板80には、光軸ポインタ74が差すことで上記の光軸が理想の位置となる理想位置が描かれており、光軸ポインタ74を孔72Aに挿し通し、理想位置を光軸ポインタ74が差すように、ブラケット72の位置及び角度を調整する。
【0055】
なお、光軸ポインタ74としては、光線により理想位置を差すことで、ブラケット72の位置及び角度が調整される構成であってもよい。
【0056】
なお、収容トレイ60上には、用紙Pを載せるためのマット65が設けられている。反射板80は、収容トレイ60に対して急角度にして立てる必要がなく、このマット65の上面よりも下方に配置されている。
【0057】
また、収容トレイ60上には、用紙Pが収容トレイ60に取り込まれる側に、収容トレイ60に収容される用紙Pの位置を規制する規制部材の一例としてのブロック63が設けられている。ブロック63は、収容トレイ60内の収容スペースを狭くし、反射板80を覆う位置に用紙Pが収容されるようにする。収容トレイ60に、用紙Pが入らなかった場合には、検知センサ64によって紙詰まりとして検知される。
【0058】
(本実施形態の作用)
次に、上記の実施形態の作用を、図7に基づき説明する。
画像形成装置1において、プリンタシステム(画像形成システム)の稼働が開始されると、ステップ100において、画像形成装置1は、プリント可能(画像形成可能)状態となる。
【0059】
プリント可能状態においては、残紙検知システムが稼働される。残紙検知システムが稼働を開始すると、まず、ステップ200において、排出ゲート66が開放状態(OPEN状態)から閉鎖(CLOSE)されたか否かを検出する。これにより、収容トレイ60から用紙Pが取り出されたか(排出されたか)否かが検出される。
【0060】
排出ゲート66が開放状態から閉鎖されたことが検出されない場合には、ステップ200を繰り返す。
排出ゲート66が開放状態から閉鎖されたことが、検出された場合には、ステップ202に移行し、収容トレイ60に残紙があるか否かを検知する。残紙が検知されない場合には、ステップ200に戻る。
【0061】
残紙が検知された場合には、ステップ204に移行し、エラー信号を発して(ONにして)、プリンタシステムに知らせる。
エラー信号は、ステップ206において、1秒間発せられた後に、ステップ208において停止される(OFFにされる)。
【0062】
一方、ステップ102において、エラー信号を受け取らない場合には、ステップ100に戻る。
ステップ102において、エラー信号を受け取った場合には、ステップ104に移行し、プリンタフォルト(残紙がある旨の表示)の表示をし、画像形成装置1(プリンタ)を停止する。
【0063】
次に、ステップ106において、残紙排除操作が行われたか判断し、残紙排除が行われた場合には、ステップ108において、フォルトを解除してプリンタ待機状態になる。
【0064】
ここで、本実施形態に係る画像形成装置1では、反射板80が収容トレイ60内に設けられるものの、検知センサ82は収容トレイ60外に配置されており、収容トレイ60内のスペースが小さい場合でも収容トレイ60に残存する用紙Pを検知できる。
【0065】
また、発光部82A及び受光部82Bを備える1つの検知センサ82が、各収容トレイ60を検知する際に共通で用いられるので、検知センサ82を配置するための配置スペースの省スペース及び省部品で低コスト化が図れる。
【0066】
また、反射板80が再帰性を有しているので、発光部82Aと受光部82Bとを集約して配置できるので、配置スペースの省スペース及び省部品で低コスト化が図れる。
【0067】
また、収容トレイ60が取出位置に位置するときに、取出機構67による用紙束の取り出しと、検知センサ82による残紙検知とが行われる。すなわち、取出機構67による用紙束の取り出しの際の収容トレイ60の位置と、検知センサ82による残紙検知の際の収容トレイ60の位置は、同じである。このため、検知センサ82と取出機構67とを集約して配置で、配置スペースの省スペース及び省部品で低コスト化が図れる。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図2は、本実施形態に係るビンデクサー部及びその周辺の構成を示す概略図である。
【図3】図3は、本実施形態に係るビンデクサー部に残存する用紙を検知するための構成を示す概略図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るビンデクサー部に残存する用紙を検知するための構成を示す概略斜視図である。
【図5】図5は、本実施形態に係るビンデクサー部の平面図である。
【図6】図6は、本実施形態に係る再帰性反射板を説明するための概略図である。
【図7】図7は、本実施形態に係る残紙を検知する手順を示すフローである。
【符号の説明】
【0069】
1 画像形成装置
60 収容トレイ(記録媒体収容部)
63 ブロック(規制部材)
66A 反射面
67 取出機構
69 駆動部(移動機構)
72 ブラケット(取付部)
74 光軸ポインタ(調整部材)
80 反射板
82B 受光部
82A 発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を収容すると共にその収容した記録媒体が取り出される複数の記録媒体収容部と、
前記記録媒体収容部のそれぞれに設けられ、前記記録媒体収容部に収容された前記記録媒体に覆われると共に該記録媒体が該記録媒体収容部から取り出されると露出する反射板と、
前記記録媒体収容部のそれぞれを所定位置に移動させることが可能な移動機構と、
前記記録媒体収容部の外部に設けられ、前記所定位置に位置する前記記録媒体収容部の前記反射板へ光を発する発光部と、
前記記録媒体収容部の外部に設けられ、前記発光部から前記反射板へ発せられて該反射板で反射した反射光を受光し、前記記録媒体収容部に残存する記録媒体を検知する受光部と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記所定位置に位置する前記記録媒体収容部から前記記録媒体を取り出す取出機構を備えた請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記反射板は、再帰性反射板である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記反射板を覆う位置に前記記録媒体が収容されるように、前記記録媒体収容部に収容される前記記録媒体の位置を規制する規制部材を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
光を反射する反射面が、前記記録媒体収容部の構造物に形成され、
前記発光部は、前記反射面で反射した反射光が前記受光部に入射しないように、前記反射面に対して角度を有して配置された請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記発光部及び前記受光部が取り付けられ、前記発光部から発せられる光の光軸及び前記受光部が受光する光の光軸を調整するための調整部材が装着可能な取付部を備えた請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−234732(P2009−234732A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83318(P2008−83318)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】