説明

画像形成装置

【課題】裏写りによる識別パターンの認識率の低下を防ぐことを目的とする。
【解決手段】画像形成装置(1)は、あらかじめ決められた識別パターン(80)を用紙(P)の表面(S1)および裏面(S2)にプリントする画像形成装置であって、用紙の表面における一部の領域に識別パターン(80)をプリントし、用紙の裏面における表面のうちの識別パターンがプリントされる領域と重ならない領域に識別パターン(80)をプリントする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め決められた識別パターンをプリントする、両面プリントが可能な画像形成装置に関する。画像形成装置には、複写機、プリンタ、および複合機と呼ばれる多機能周辺機器(MFP:Multifunction Peripherals)が含まれる。
【背景技術】
【0002】
近年、情報セキュリティの意識が高まる中、電子データの漏洩だけでなく書類や帳票といった紙ドキュメントに記録された情報の流出も危惧されている。この種の情報流出は、紙ドキュメントそのものを盗み出すのが難しい環境でも起こり得る。すなわち、多くのオフィスで見られるように複写機やファクシミリ装置が備わる環境では、紙ドキュメントを複写してコピー(複製物)を持ち出したり、紙ドキュメントをファクシミリ装置に読み取らせて正規でない宛て先に送信したりする行為によっても情報が漏れる。
【0003】
従来において、特定の文書の複写を禁止する機能を有した複写機が知られている。ここでいう特定の文書とは、画像認識によって文書の属性を判別するための識別パターンを有する文書である。識別パターンとしては、紙幣や証券における偽造防止のための文様、「秘密」「非公開」といったスタンプマーク、および多数のドットからなる地紋パターンがある。複写機は、原稿の画像を読み取って識別パターンの有無を判別し、読み取った画像が識別パターンを含む場合にはその画像をプリントしない。
【0004】
特許文献1には、原稿の表裏両面についてドットからなる識別パターンの有無を判別するデジタル複写機が開示されている。そして、識別パターンとして多数のドットをそれらのドット密度またはドット間距離が一定になるように用紙の印字領域の全体にわたって一様にプリントした文書、および一定数のドットからなる識別パターンを複数個並べてプリントした文書が図示されている。
【0005】
なお、特定の文書に対して複写を禁止する代わりに、特定の文書の複製であることが一目瞭然となるように、例えば「見本」「コピー」といった文字列を文書画像に重ねて大きくプリントする手法がある。これは、偽造を防ぎかつ安易な複製を心理的に抑制することはできるものの、文書の元々の情報が流出するのを防ぐことはできない。
【0006】
一方、識別パターンの認識漏れを完全に無くすのは難しいとの理由で、紙幣や証券の偽造を確実に防止するために、全ての複写において淡い色の地紋を強制的にプリントすることが特許文献2に記載されている。そして、この特許文献2では、両面プリントに際して記録媒体が透明シートまたは薄紙である場合には地紋をプリントしないように構成された複写装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−142917号公報
【特許文献2】特開平06−253071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
紙ドキュメントの作成に際して用紙の表裏両面に情報を記録する場合において、情報セキュリティを考慮すると、片面だけでなく両面に識別パターンをプリントするかまたは予め両面に識別パターンがプリントされた用紙を使用するのが望ましい。片面だけに識別パターンがプリントされた紙ドキュメントには、他の片面に記録された情報が複写されてしまうリスクがある。
【0008】
しかし、表裏両面に識別パターンがプリントされた紙ドキュメントにおいては、片面のみに識別パターンがプリントされた紙ドキュメントと比べて、画像認識における識別パターンの認識率が小さいという問題があった。識別パターンの認識を誤らせる要因は、片面の識別パターンに他の片面の識別パターンが用紙を透けて重なる裏写りである。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、裏写りによる識別パターンの認識率の低下を防ぐことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する画像形成装置は、予め決められた識別パターンを用紙の表面および裏面にプリントする画像形成装置であって、前記用紙の表面における一部の領域に前記識別パターンをプリントし、前記用紙の裏面における前記表面のうちの前記識別パターンがプリントされる領域と重ならない領域に前記識別パターンをプリントする。
【0011】
上記画像形成装置によって両面に識別パターンがプリントされた用紙においては、薄くまたは厚くても透光率が大きい用紙であって裏写りが顕著であっても、表面の識別パターンと裏面の識別パターンとが重ならないので、片面のみに識別パターンをプリントした場合と同様の精度で表裏両面のそれぞれの識別パターンを識別することができる。
【0012】
より好ましい態様の画像形成装置は、用紙の光透過率を測定する光学センサを有し、測定された光透過率が予め決められた閾値よりも小さい場合、すなわち問題となる裏写りが生じないと推定される場合は、識別パターンのプリント制御において表面および裏面に共通の位置設定を行う。測定された光透過率が前記閾値よりも大きい場合には、画像形成装置は表面の識別パターンと裏面の識別パターンとが重ならないように表面と裏面とで異なる位置設定を行う。共通の位置設定を行うことは、識別パターンのプリント条件を表裏の間で均等にする。例えば、表裏各面に同じ識別パターンを多数並べてプリントする場合に、プリントされる識別パターンの数を表裏の間で同一にする。識別パターンの認識率は識別パターンに重ねてプリントされる画像に依存するものの、プリント条件を表裏で同一にすることは、表裏の間での認識率を均等する効果を奏する。
【0013】
プリント制御に関わる上記閾値は、識別パターンを認識する装置の一般的な構成に適合するように選定される。例えば、40〜50%程度とされる。裏写りの影響は、画像を読取る撮像デバイスの感度や読取り位置における用紙の背後に在る部材の反射率を含めた光学系の特性、および画像認識のデータ処理の内容に依存する。これを踏まえて閾値を厳密に最適化してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、用紙の片面にプリントされた識別パターンの認識において、他の片面にプリントされた識別パターンの裏写りによる認識率の低下を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明の実施形態に係る複合機1の全体構成を示す。複合機1は識別パターンを用紙の両面にプリントする画像形成装置である。また、複合機1は、複写またはファクシミリ送信の原稿として与えられた紙ドキュメントに対して識別パターンの有無を判別する機能、および判別結果に応じて原稿画像の出力動作を変更する機能を有している。
【0016】
複合機1は、両面原稿の給紙が可能なオートドキュメントフィーダ(ADF)11、カラー画像の読取りが可能なイメージスキャナ12、2通りの排紙を可能にする排出ユニット13、タンデム式のカラープリンタ14、多段式の用紙ストッカ15、および両面プリントのための両面ユニット16から構成されており、用紙の光透過率を測定するための光学センサ20を備える。
【0017】
複合機1のプリントに関わる基本構成およびその動作は公知のものと同様である。例えばコピー動作において、原稿はオートドキュメントフィーダ11の給紙トレイからイメージスキャナ12の原稿ガラス上へ送られる。原稿画像はイメージスキャナ12によって読み取られ、カラープリンタ14でイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー像となる。所定のタイミングで形成される4色のトナー像は中間転写ベルト30に順に1次転写され、中間転写ベルト30上で重なる。重なった4色のトナー像は用紙ストッカ15から給紙された用紙に2次転写される。その後、トナー像は定着部を経て用紙に定着する。トナー像が定着した用紙は、排出ユニット部13を経て、フェースダウントレイ31またはフェースアップトレイ32に排紙される。両面プリントの場合には、1面目の転写の後、用紙は両面ユニット16に送られる。両面ユニット16で表裏反転された用紙が転写位置(印字位置)に戻り、2面目の転写の後に、フェースダウントレイ31またはフェースアップトレイ32に排紙される。
【0018】
光学センサ20は、用紙ストッカ15と2次転写位置との間の用紙搬送路に配置されており、用紙搬送路を挟んで対向する発光素子と受光素子とから構成される。用紙ストッカ15からカラープリンタ14へ給紙された用紙がセンサ配置位置を通過する期間に、光学センサ20は用紙の光透過率に応じた信号を出力する。この信号は後述のコントローラに入力される。
【0019】
図2は複合機1の要部の機能構成を示す。複合機1は、カラープリントに関わる様々な処理を担う画像信号処理モジュール40、複合機1の動作を総合的に制御するコントローラ50、ユーザとのマンマシンインタフェースである操作パネル60、およびファクシミリ通信とコンピュータネットワーク通信とを可能にする通信モジュール70を有する。
【0020】
画像信号処理モジュール40の基本的な役割は、イメージリーダ12または通信モジュール70から入力される原稿画像データを、プリントに適したデータに変換してカラープリンタ14に送ることである。基本的な処理は、シェーディング補正や色収差補正といった読取り光学系の特性に関わる処理、加色系(RGB)から減色系(YMCK)への変換や誤差拡散といった電子写真プロセスによる作像に関わる処理、圧縮・伸長に代表されるユーザの指定に対応する処理、およびスクリーン角の調整やPC間遅延制御といった主としてカラープリンタ14の構成に関わる処理などである。
【0021】
基本的な役割に加えて、画像信号処理モジュール40は、セキュリティコードと呼ぶ識別パターンを原稿画像に重ね合わせる役割を担う。このための要素として、セキュリティコード生成部41およびイメージ合成部42が画像信号処理モジュール40に組み込まれている。セキュリティコード生成部41は用紙サイズに合わせてセキュリティコードを生成し、イメージ合成部42が原稿画像とセキュリティコードとを合成する。
【0022】
また、本例の画像信号処理モジュール40は、入力された原稿画像がセキュリティコードを有するか否かを判別する役割を担う。セキュリティコード検出部43はこの役割のための要素であり、必要に応じて解像変換を行ってコードの抽出および解析を行う。
【0023】
このような画像信号処理モジュール40は、例えば複数個のASIC(application specific integrated circuit)および他の回路デバイスが実装された単一または複数の基板からなる。
【0024】
コントローラ50は、イメージ合成部42が行う合成において、セキュリティコードと用紙との相対位置を光学センサ20の出力に応じて制御する。すなわち、セキュリティコードを用紙の両面にプリントするプリント動作に際して、コントローラ50は、用紙の光透過率に相関する光学センサ20の出力値が予め決められた閾値よりも小さい場合には、表面および裏面に共通の位置設定を行い、光学センサ20の出力値が閾値よりも大きい場合には、表面のセキュリティコードと裏面のセキュリティコードとが重ならないように表面と裏面とで異なる位置設定を行う。
【0025】
以下、セキュリティコードのプリントおよびプリント位置の設定についてさらに説明する。
【0026】
図3は原稿画像とセキュリティコードとの合成の概念を示す。原稿2から読み取られた原稿画像データが仮想描画された原稿レイヤ2aと複数のセキュリティコード80が並べて仮想描画されたコードレイヤ4aとに対して、対応する画素どうしの所定の演算により合成画像が生成される。この合成画像が用紙にプリントされることによって、セキュリティコード80のプリントされた原稿2の複製である紙ドキュメント3が作製される。原稿レイヤ2aおよびコードレイヤ4aのサイズはユーザの指定した用紙サイズに対応する。例示において、原稿2は図中に線で示される文字列が記された書面である。
【0027】
図示のとおり、セキュリティコード80は原稿2の画像情報に重畳する形でプリントされる。しかし、図4に示すようにセキュリティコード80は所定の規則で配列された微小ドットからなる地紋パターンであるので、モノクロプリントまたはカラープリントのおいずれであっても原稿2の画像情報が判読不能になることはない。
【0028】
一方、作製された紙ドキュメント3からセキュリティコード80を読み取る画像認識の観点では、セキュリティコード80が原稿画像との合成によって部分的に消されることになる。しかし、原稿画像の情報セキュリティを考えると原稿画像との合成が不可欠であるので、セキュリティコード80が部分的に消えるのはやむを得ない。このことから、より確実にセキュリティコード80を認識できるように、多数のセキュリティコード80がプリントされる。また、例示では、上向きと下向きとがほぼ同数となるよう向きを変えてプリントされる。
【0029】
本実施形態の複合機1におけるセキュリティコード80のプリントでは、用紙の表裏のそれぞれの面における印字可能領域(周囲の余白以外)である有効画像領域の全域ではなく、ほぼその半分の領域にセキュリティコード80がプリントされる。裏写りによる誤認識を低減するために、表面と裏面とでプリント位置をずらすからである。図3の例では、用紙の片面には、図の横方向を行方向として1行置きに並ぶようにセキュリティコード80が配列される。
【0030】
図5はセキュリティコードのプリント位置の制御を示す図である。プリントにおける主走査方向は感光体の軸方向であり、副走査方向は用紙搬送方向の逆の方向である。
【0031】
両面プリントにおける第1面S1のプリント(これを便宜的に表面プリントという)では、用紙Pにおけるセキュリティコード80がプリントされる領域は、主走査方向の領域信号HDおよび副走査方向の領域信号VDで決まる有効画像領域Ppである。この領域は原稿画像がプリントされる領域と同じであり、用紙Pに対するプリントが可能な最大領域である。ただし、上述したとおりセキュリティコード80は有効画像領域Ppの一部のみに対応し、副走査方向において隣接するセキュリティコード80の間に1個分の寸法以上の距離SAが設けられる。
【0032】
一方、第2面S2のプリント(これを便宜的に裏面プリントという)では、原稿画像のプリント位置は表面プリントと同様であるが、セキュリティコード80のプリント位置は用紙Pの光透過率の測定結果に応じて設定される。光学センサ20によって測定した光透過率が比較的に小さい場合には、裏写りの問題が生じないので、セキュリティコード80のプリント位置も表面プリントと同様とされる。したがって、この場合には、用紙Pの表面と裏面とでセキュリティコード80が重なり合う。これに対して、測定した光透過率が比較的に大きい場合には、裏写りの問題が生じるおそれがあるので、セキュリティコード80の副走査方向のプリント開始が図示のとうに表面プリントでの位置に対して上記の距離SAだけずれた位置に設定される。したがって、この場合には、用紙Pの表裏面の間でセキュリティコード80が重ならない。これにより、図6のように、紙ドキュメント3の例えば第1面S1からセキュリティコード80を読取る際に、第2面S2にプリントされたセキュリティコード80bの裏写りが生じても、第1面S1のセキュリティコード80と裏写りしたセキュリティコード80bとが重なり合わないので、第1面S1のセキュリティコード80の認識率が低下しない。
【0033】
以下に本実施形態の複合機1の動作をフローチャートに沿って説明する。
【0034】
図7はコントローラ50が実行するコピー制御の概要を示すフローチャート、図8は図7のセキュリティコード合成サブルーチンのフローチャートである。
【0035】
電源投入時の初期化処理を終えた後、コントローラ50はADF11からの原稿セット信号を待つ(#1、#2、#3)。原稿がセットされ、操作パネル60のスタートキーが押下されると、コントローラ50はADF11およびイメージリーダ12に対して原稿の読取りを行わせ、読取った原稿画像を画像信号処理モジュール40内のメモリに一時的に記憶させる(#4、#5)。複数枚の原稿がセットされた場合は、1枚ずつ順に全ての原稿の画像を読み取って記憶させる(#7)。そして、コントローラ50は、セキュリティコード80を上述のように原稿画像に重ねるためのセキュリティコード合成処理(#8)、およびカラープリンタ14によるプリントを制御する合成画像のプリント処理(#9)を実行する。
【0036】
図8において、セキュリティコード合成処理では、最初にセキュリティコード80をプリントする動作モードが選択されているか否かをチェックする。当該動作モードが選択されていない場合は、実質的な処理を行わずにメインルーチンへリターンする(#80)。この動作モード選択はサービスマンによって予め行われており、選択状態は不揮発性メモリまたはディップスイッチのような機械的手段によって記憶されている。ただし、ユーザがパネル操作でコピー作業の都度選択できるようにすることもできる。
【0037】
セキュリティコード80をプリントする動作モードが選択されている場合は#81へ進み、両面プリントか否かをチェックする。片面プリントであれば、図3で説明したように原稿画像とセキュリティコード80とを合成したプリント用の画像データを生成してリターンする(#82)。
【0038】
両面プリントが指定されている場合は、光学センサ20からの信号に基づいて用紙が裏写り用紙であるか否か、すなわち光透過率が比較的に大きくて裏写りのおそれがあるか否かを判別する(#83)。裏写り用紙でなければ、用紙の第1面および第2面に共通の位置設定でセキュリティコード80と各面の原稿画像とを合成させるようにする(#88、#89)。一方、用紙が裏写り用紙である場合には次のようにして第1面と第2面とで異なる位置設定を行う。
【0039】
表面プリントか裏面プリントかチェックする(#84)。表面プリントの場合は、図5で説明したようにセキュリティコード80を原稿画像と同様に有効画像領域Ppに配置する(#85、#86)。裏面プリントの場合は、所定の距離(シフト量)SAだけ副走査方向の位置をずらしてセキュリティコード80を配置する(#87、#85、#86)。
【0040】
以上の実施形態によれば、用紙が裏写り用紙でない場合には、表裏両面におけるセキュリティコード80のプリント位置を共通にするので、表裏の間でセキュリティコード80のプリント数が同一になり、表裏の間で認識率に差が生じにくくなる。ただし、認識率は合成される原稿画像の如何に依存するので、セキュリティコード80のプリント数が同一であっても必ずしも認識率が同一になるとは限らない。これを踏まえると、両面プリントにおいては用紙の材質に関わらず常に表裏の間でセキュリティコード80が重ならないようにプリント位置をずらすという変形例が考えられる。この変形例では、光学センサ20を省略して構成を簡略にすることができ、コントローラ50が図9に示すセキュリティコード合成サブルーチンを実行するようにして制御を簡略化することができる。図9において図8に対応するステップには図8と同一の番号を付してある。
【0041】
上記の実施形態において、光学センサ20に代えて、例えば静電式の厚さ検出センサを設け、予め用意した厚さと光透過率との関係を示すテーブルを参照して、光透過率を判定してもよい。
【0042】
上記の実施形態では、コピー動作においてセキュリティコード80をプリントする例を挙げたが、複合機1にネットワークを介して接続される外部のコンピュータやその他の画像出力装置からのプリント要求に応じるプリント動作、またはファクシミリ通信で受けた画像のプリント動作においても、セキュリティコード80をプリントすることは当然に可能である。また、複合機1のユーザは白紙の原稿を複写すれば、セキュリティコード80をプリントした記録用紙(例えば手書き文書用の紙)を作成することができる。
【0043】
上記の実施形態において、識別パターンとしてセキュリティコード80を例示したが、これに限らない。すなわち、識別パターンを認識した装置が行うべき処理は、複写やファクシミリ通信の禁止や制限といった情報セキュリティのための処理である必要はない。例えば、識別パターンはドキュメント作成者や日付などの管理情報を特定するものであってもよい。
【0044】
セキュリティコード80のパターン、大きさ、色、プリント数などは適宜選定することができる。その他、画像形成装置としての複合機1の全体および各部の構成、コントローラ50の処理内容は、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機1の全体構成を示す図である。
【図2】複合機の要部の機能構成を示すブロック図である。
【図3】原稿画像とセキュリティコードとの合成の概念を示す図である。
【図4】セキュリティコードの例を示す図である。
【図5】セキュリティコードのプリント位置の制御を示す図である。
【図6】片面にプリントされたセキュリティコードと裏写りしたセキュリティコードとの位置関係の例を示す模式図である。
【図7】コントローラが実行するコピー制御の概要を示すフローチャートである。
【図8】セキュリティコード合成サブルーチンのフローチャートである。
【図9】セキュリティコード合成サブルーチンの他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 複合機(画像形成装置)
P 用紙
S1 第1面(表面)
S2 第2面(裏面)
80 セキュリティコード(識別パターン)
20 光学センサ
50 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め決められた識別パターンを用紙の表面および裏面にプリントする画像形成装置であって、
前記用紙の表面における一部の領域に前記識別パターンをプリントし、前記用紙の裏面における前記表面のうちの前記識別パターンがプリントされる領域と重ならない領域に前記識別パターンをプリントする、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
予め決められた識別パターンを用紙の表面および裏面にプリントする画像形成装置であって、
前記用紙の光透過率を測定する光学センサと、
測定された光透過率に応じて前記識別パターンのプリント位置を設定するコントローラと、を有し、
前記コントローラは、
測定された光透過率が予め決められた閾値よりも小さい場合は、前記用紙の表面および裏面におけるそれぞれの一部の領域に前記識別パターンがプリントされるように、表面および裏面に共通の位置設定を行い、
測定された光透過率が前記閾値よりも大きい場合は、前記用紙の表面における一部の領域に前記識別パターンがプリントされ、前記用紙の裏面における前記表面のうちの前記識別パターンがプリントされる領域と重ならない領域に前記識別パターンがプリントされるように、表面と裏面とで異なる位置設定を行う、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙の表面および裏面に、それぞれ、前記識別パターンと同じ複数個の識別パターンを並べてプリントする、
請求項2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−42439(P2009−42439A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206330(P2007−206330)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】