説明

画像形成装置

【手段】 ユーザを認証制御部903により認証すると、ログイン手段102aがログイン処理を行う。これによりユーザが複数の異なる処理要求を入力すると、処理格納部907が揮発性メモリ913に複数の処理要求を格納し、処理実行部908が格納した各処理要求を対応するそれぞれの実行部に対応させ、全ての処理要求が終了するとログアウト処理手段102aがログアウト処理する。
【効果】 ログイン、ログアウト処理が最少で済む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証されたユーザが選択した処理を実行後、自動的にログアウトする画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、暗証番号によって保護された複合機で処理を実行する場合には、ユーザが自己の暗証番号を複合機に入力する。複合機は、入力された暗証番号が登録済みか否かを判断し、登録済みと判断できたユーザのみを認証し、ログインさせて処理の実行を許可する。認証されたユーザは、処理を起動させる。処理が終了すると複合機は、表示手段に初期の画面を表示し、ユーザは、この表示上のログアウトスイッチによりログアウトを要求する。又、最後のパネル操作から、予め定められているウェイト時間が経過することにより、複合機はログアウトを決定し、処理を終了させていた。ここでウェイト時間とは、所定の処理が終了後、後に続く処理の開始までログイン状態を維持継続する時間である。
【特許文献1】特開2004−249625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の方法では、ユーザが指定した所定の処理の終了後、ウェイト時間が経過するまでの間に、ユーザが自らログアウトしないでその場を立ち去った場合に、認証されたユーザ以外の他のユーザが、認証されたユーザになりすまし、後に続く処理(他のユーザの要求処理)を起動できるという解決すべき課題が残されていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ユーザ認証によりユーザをログインする画像形成装置であって、上記ユーザの識別情報を登録識別情報として予め記憶する記憶手段と、上記認証を求めるユーザの被認証識別情報を取得する識別情報取得手段と、取得された上記被認証識別情報と上記登録識別情報との対比に基づいて、上記ユーザ認証の可否を判断する認証手段と、上記認証手段の判断結果がユーザ認証可であるとユーザをログインするログイン手段と、上記ログインしたユーザの処理要求を入力する入力手段と、上記入力手段から入力された処理要求の処理名と処理番号を関連付けて管理するための管理テーブルと、上記処理番号により上記管理テーブルの処理要求を実行する処理実行手段と、上記処理番号の関連付けられた処理要求が全て終了した状態でログアウト状態とするログアウト処理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、複数の処理要求に1回のログイン及びログアウトを対応させるようにしたので、複数の処理要求の実行を迅速に行い、終了させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明による画像形成装置(複合機)は、以下のように構成される。
【実施例1】
【0007】
図1は、実施例1の画像形成装置(複合機)の概略構成ブロック図である。
図に示すように、実施例1の複合機101は、操作パネル部102と、認証制御部103と、暗証番号比較部104と、暗証番号管理部105と、不揮発性メモリ106と、処理格納部107と、処理実行部108と、印刷実行部109と、スキャン実行部110と、ファックス実行部111と、処理設定部112と、揮発性メモリ113と、一括処理選択部114と、計時手段115とを備える。
【0008】
操作パネル部102は、その内部にログイン・ログアウト処理手段102aを有し、ユーザから各処理の設定や暗証番号の入力を受入れたり、所定の情報を表示して複合機101とユーザとの間でマンマシンインタフェースの役割を分担し、処理のログイン、又はログアウトを実行する部分である。この部分については、後に再度他の図を用いて詳細に説明する。認証制御部103は、操作パネル部102を介してユーザから受入れる暗証番号に基づいて暗証番号比較部104、暗証番号管理部105、及び不揮発性メモリ106を制御してユーザ認証を実行し、その結果を操作パネル部102に通知する部分である。
【0009】
暗証番号比較部104は、ユーザから受入れる暗証番号と暗証番号管理部105を介して不揮発性メモリ106から読み出す登録暗証番号との一致、不一致を判断する部分である。即ち、ユーザから受入れる暗証番号が不揮発性メモリ106の暗証番号管理テーブル(図4)に含まれているか否かを判断する部分である。暗証番号管理部105は、複合機101に登録された暗証番号を管理する部分である。この管理には、不揮発性メモリ106への認証番号の新規登録、及び不揮発性メモリ106からの登録認証番号の読出しも含まれる。
【0010】
不揮発性メモリ106は、その内部に暗証番号管理テーブルを有し、暗証番号管理部105を介して、複合機101に予め暗証番号を格納しておく不揮発性のメモリである。暗証番号管理テーブルの内容については後に他の図を用いて再度説明する。処理格納部107は、ユーザによって一括処理選択部114を介して一括処理が選択された場合に、ユーザによる複数の処理要求(印刷処理、スキャン処理、ファックス処理など)を揮発性メモリ113に一時格納する部分である。
【0011】
処理実行部108は、ユーザが選択した処理(印刷処理、スキャン処理、ファックス処理など)を以下に記す各種実行部に実行させる部分である。ここで、処理実行部108は、一括処理選択部114(後記)によりユーザが一括処理を選択している場合には、揮発性メモリ113が有している実行処理管理テーブル(後記)に基づいて処理を実行させる。又、ユーザが一括処理を選択していない場合には、受入れ順に処理を実行させる。
【0012】
印刷実行部109は、印刷処理を実行する部分である。スキャン実行部110は、スキャン処理を実行する部分である。ファックス実行部111は、ファックス処理を実行する部分である。処理設定部112は、ユーザから操作パネル部102を介して受入れた処理要求を一括処理選択部114へ送出する部分である。一括処理選択部114は、ユーザから操作パネル部102を介して受入れた処理要求を、一括処理するか否かについてユーザの選択を求め、一括処理する場合には、その処理要求を処理格納部107へ送出し、一括処理しない場合には処理実行部108へ送出する部分である。計時手段115は、ユーザが行った最後のキー操作からの経過時間を計測するタイマである。
【0013】
図2は、操作パネル部の外観図である。
図に示すように、操作パネル部102は、“1”を入力するボタン201と、“2”を入力するボタン202と、“3”を入力するボタン203と、“4”を入力するボタン204と、“5”を入力するボタン205と、“6”を入力するボタン206と、“7”を入力するボタン207と、“8”を入力するボタン208と、“9”を入力するボタン209と、“*”を入力するボタン210と、“0”を入力するボタン211と、“#”を入力するボタン212と、上カーソルキー213、右カーソルキー214、下カーソルキー215、及び左カーソルキー216と、決定を入力するEnterキー217と、表示画面218と、ジョブをキャンセルするボタン219と、ジョブを起動させるボタン220を備える。
【0014】
図3は、実施例1の操作パネル部の表示画面の説明図である。
この図は、図2の表示画面218に表示される画面の内容を説明する図である。
図中、画面301は、暗証番号入力画面である。装置の電源を投入したのち、この画面となる。この暗証番号入力画面は、複合機101を使用するユーザを認証する際に表示される。「暗証番号を入力してください」というプロンプトが表示され、ユーザが暗証番号を入力すると、数値の入力ごとに“*”が表示される。ここでユーザのログインが成功した場合には画面303が表示される。
【0015】
画面302は、ログアウト要求画面である。認証されたユーザに対してログアウト要求の意思を求める際に表示される。ユーザが、ログアウトを要求する場合は「はい」を、ログアウトを希望しない場合には「いいえ」を、それぞれ選択することになる。
【0016】
画面303は、コピー待機画面である。ユーザがコピーの設定や起動をしたい場合は、画面303で下カーソルキー215(図2)を押下し、画面306を表示させる。画面306は、コピー設定画面で、コピーの各設定を行うことができる。ここでは一例としてユーザがコピー枚数1枚を設定した場合を表している。
【0017】
また、ユーザが、コピー処理を実行したい場合には、画面306でボタン220(図2)を押下し、画面309を表示させる。この画面でユーザは、指定した処理を実行する「実行」と、複数の処理を指定してまとめて実行する「カートに入れる」を選択することができる。ここでユーザが実行を選択すると画面310が表示される。又ユーザが「カートに入れる」を選択すると画面303へ戻り(画面304に移行しても良い。)、複数の処理を指定することが可能になる。この機能は一括処理選択部114(図1)の機能である(以下の記述でも同様)。
【0018】
画面310は、処理実行確認画面であり、指定した処理を本当に実行する「はい」と、実行しない「いいえ」を選択することができる。ここでユーザが「はい」を選択すると画面301が表示される。又ユーザが「いいえ」を選択すると画面303が表示され、印刷内容の再設定が可能になる。ここで画面303で右カーソルキー214(図2)を押下すると、画面304が表示される。
【0019】
画面304は、スキャン待機画面である。ユーザがスキャンの設定や起動をしたい場合は、画面304で下カーソルキー215(図2)を押下し、画面307を表示させる。画面307は、スキャン設定画面で、スキャンの各設定を行うことができる。ここでは一例としてユーザがEmailを設定した場合を表している。
【0020】
また、ユーザが、スキャン処理を実行したい場合には、画面307でボタン220(図2)を押下し、画面309を表示させる。この画面でユーザは、指定した処理を実行する「実行」と、複数の処理を指定してまとめて実行する「カートに入れる」を選択することができる。ここでユーザが実行を選択すると画面310が表示される。又ユーザがカートに入れるを選択すると画面303へ戻り(画面305に移行しても良い。)、複数の処理を指定することが可能になる。
【0021】
画面305は、ファックス待機画面である。ファックスの設定や起動をしたい場合は、画面305で下カーソルキー215を押下し、画面308を表示させる。画面308は。ファックス設定画面で、ファックスの各設定を行うことができる。ここでは一例としてユーザがFaxNoを設定した場合を表している。
【0022】
また、ファックス処理を実行したい場合は、画面308でボタン220(図2)を押下し、画面309を表示させる。画面309は、処理実行画面であり、処理を実行する際に表示される。この画面でユーザが実行を選択すると画面310が表示される。又ユーザがカートに入れるを選択すると画面303へ戻り、複数の処理を指定することが可能になる。
【0023】
図4は、実施例1の暗証番号管理テーブルである。
図に示すように暗証番号は、4〜9桁の数字で構成されており、その登録数は、ユーザが任意に設定できるものとする。
【0024】
暗証番号は、暗証番号管理部105(図1)により、新規登録する際に不揮発性メモリ106(図1)に書き込まれたり、暗証番号比較部104(図1)で暗証番号を確認する際に不揮発性メモリ106(図1)から読み込まれたりする。
【0025】
図5は、実施例1の実行処理管理テーブルである。
実行処理管理テーブル501は、処理名、及び処理設定で構成されている。この実行処理管理テーブル501は、処理格納部107(図1)により、ユーザによって指定された処理要求が書き込まれたり、処理実行部108により、処理を実行する際に読み込まれたりする。一括処理選択部114(図1)を介してユーザが一括処理を選択している場合には、その並行処理の内容、および処理順番は、この実行処理管理テーブル501に基づいて決定される。
【0026】
以上説明した実施例1の複合機は以下のように動作する。
図6は、実施例1の操作パネル部からの暗証番号による認証処理を示すフローチャートである。
このフローチャートは、認証制御部103(図1)が、操作パネル部102(図1)を介してユーザから受入れる暗証番号に基づいてユーザ認証を実行する動作を表している。ステップS1−1かステップS1−5まで、ステップ順に認証制御部103(図1)の動作について説明する。
【0027】
ステップS1−1
複合機101(図1)は、暗証番号により保護されており、操作パネル部102(図1)の表示画面218(図3)に画面301(暗証番号入力画面)が表示される。
【0028】
ステップS1−2
ユーザは、画面301(図3)で、操作パネル部102(図2)のボタン201、ボタン202、ボタン203、ボタン204、ボタン205、ボタン206、ボタン207、ボタン208、ボタン209、及びボタン211を使用して暗証番号を入力し、Enterキー217で決定する。暗証番号が入力され終わるまでステップS1−1及びステップS1−2を繰り返し、暗証番号が入力され終わるとステップS1−3へ進む。
【0029】
ステップS1−3
認証制御部103(図1)は、操作パネル部102(図1)を介してユーザから受入れる暗証番号に基づいて、暗証番号比較部104(図1)、暗証番号管理部105(図1)、及び不揮発性メモリ106(図1)を制御してユーザ認証を実行する。即ち、暗証番号比較部104(図1)は、ユーザから受入れる暗証番号が、不揮発性メモリ106の暗証番号管理テーブル(図4)に含まれているか否かを判断し、含まれている場合にはステップS1−5へ進み、含まれていない場合にはステップS1−4へ進む。
【0030】
ステップS1−4
操作パネル部102(図1)の表示画面218(図3)に「暗証番号が違います」のようなメッセージが表示され、再び、操作パネル部102(図1)の表示画面218に画面301(暗証番号入力画面)が表示され、ステップS1−1へ戻る。
【0031】
ステップS1−5
認証制御部103(図1)の認証通知に基づいて、ユーザのログインが許可され、操作パネル部102(図2)の表示画面218(図3)にコピー待機画面303(図3)が表示されフローを終了する。
【0032】
図7は、実施例1の操作パネル部からの処理の実行を示すフローチャートである。
このフローチャートは、操作パネル部102からユーザによって入力された処理要求の実行動作を示すフローチャートである。ステップS1−11かステップS1−18まで、ステップ順に、入力された処理要求の実行動作について説明する。
【0033】
ステップS1−11
例えば、ユーザが複合機101(図1)でコピーを実行したい場合、図3の画面303(コピー待機画面)で下カーソルキー215(図2)を押下すると、画面306(コピー設定画面)が表示される。画面306(図3)でユーザがコピーの設定を行うと、処理設定部112(図1)で処理の設定が行われる。
【0034】
ステップS1−12
処理設定部112(図1)で処理の設定後、ユーザがボタン220(図2)を押下すると、画面309(処理実行画面)が表示される。画面309(図3)でユーザが「カートに入れる」(処理要求を揮発性メモリ113に格納)を選択した場合には、ステップS1−13へ進み、「実行」を選択した場合には、ステップS1−14へ進む。
【0035】
ステップS1−13
処理格納部107(図1)は、処理要求を揮発性メモリ113(図1)へ一時的に格納してステップS1−11へ戻る。後に続く処理の入力に向けて待機するためである(再び画面303(図3)が表示される)。
【0036】
ステップS1−14
画面310(処理実行確認画面)が表示される。画面310でユーザが「いいえ」を選択した場合は、再び、画面303(コピー待機画面)が表示されステップS1−11へ戻る。画面310(処理実行確認画面)でユーザが「はい」を選択した場合は、ステップS1−15へ進む。
【0037】
ステップS1−15
処理実行部108(図1)は、揮発性メモリ113(図1)に複数の処理が格納されているかどうか確認する。揮発性メモリ113に複数の処理が格納されていない場合にはステップS1−16へ進み、複数の処理が格納されている場合にはステップS1−17へ進む。
【0038】
ステップS1−16
処理実行部108(図1)は、ユーザが指定した処理に対応する印刷実行部109(図1)、スキャン実行部110(図1)、又はファックス実行部111(図1)を制御して処理を実行させる。
【0039】
ステップS1−17
処理実行部108(図1)は、ユーザが指定した処理に対応する印刷実行部109(図1)、スキャン実行部110(図1)、又はファックス実行部111(図1)を制御し、揮発性メモリ113にある複数の処理を実行処理管理テーブル501に格納された設定に基づいて並行処理させる。処理の終了後実行処理管理テーブル501から、その処理内容を破棄する。
【0040】
ステップS1−18
処理の実行後、ログイン・ログアウト処理手段102a(図1)は、複合機101からユーザを自動的にログアウトしてフローを終了する。
又、ユーザの実行指定により、処理の登録終了と認識し、ログアウトするとともに、処理を開始する(処理を終了した後ログアウトしても良い)。
【0041】
以上のように、第1の実施例によれば、複数の処理を一括して実行することが可能となり、処理時間を短縮出来るという効果を得る。また、処理の実行後に自動的にログアウトされるので、処理の終了後、認証されたユーザ以外の他のユーザが、認証されたユーザになりすまして複合機を利用することができないという効果がある。
【実施例2】
【0042】
図8は、実施例2の画像形成装置(複合機)の概略構成ブロック図である。
図に示すように、実施例2の複合機200は、操作パネル部102と、認証制御部903と、暗証番号比較部904と、暗証番号管理部905と、不揮発性メモリ906と、処理格納部907と、処理実行部908と、印刷実行部109と、スキャン実行部110と、ファックス実行部111と、処理設定部112と、揮発性メモリ913と、一括処理選択部114と、計時手段115を備える。以下に実施例1と相違する部分のみについて説明する。実施例1と同様の部分については、実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
認証制御部903は、操作パネル部102を介してユーザから受入れる暗証番号に基づいて暗証番号比較部904、暗証番号管理部905、及び不揮発性メモリ906を制御してユーザ認証を実行する部分である。
【0044】
暗証番号比較部904は、ユーザから受入れる暗証番号と暗証番号管理部905を介して不揮発性メモリ906から読み出す登録暗証番号との一致、不一致を判断する部分である。即ち、ユーザから受入れる暗証番号が不揮発性メモリ906の暗証番号管理テーブル(図4)に含まれているか否かを判断する部分である。暗証番号管理部905は、複合機200に登録された暗証番号を管理する部分である。この管理には、不揮発性メモリ906への認証番号の新規登録、及び不揮発性メモリ906からの登録認証番号の読出しも含まれる。
【0045】
不揮発性メモリ906は、その内部に実施例1とは異なる暗証番号管理テーブルを有し暗証番号管理部905を介して、複合機200に予め暗証番号を記憶する不揮発性のメモリである。暗証番号管理テーブルの内容については後に他の図を用いて再度説明する。処理格納部907は、その内部に未実行処理追加手段907aを有し、ユーザによって一括処理選択部114を介して一括処理が選択された場合に、ユーザの処理要求(印刷処理、スキャン処理、ファックス処理など)を揮発性メモリ913に一時格納する部分である。更に、前回未実行の処理を不揮発性メモリ906の暗証番号管理テーブルから読み出して追加格納する部分である。
【0046】
図9は、実施例2の操作パネル部の表示画面の説明図である。
画面1001〜1010は、図3の画面301〜310に対応しており、これらについては、第1の実施例での機能と同様の機能であるため、説明を省略する。
【0047】
画面1011は、未実行処理復元画面であり、認証されたユーザが、前回のログイン時に指定した処理を実行しないでログアウトした場合に表示される。前回のログイン時の未実行処理を復元する「はい」と、未実行処理を復元しない「いいえ」を選択することができる。
【0048】
図10は、実施例2の暗証番号管理テーブルである。
暗証番号は、4〜9桁の数字で構成されており、その登録数は、ユーザが任意で設定できるものとする。暗証番号管理部905により、暗証番号を登録する際に不揮発性メモリに書き込まれたり、暗証番号比較部904で暗証番号を確認する際に暗証番号を不揮発性メモリから読み込まれたりする。また、暗証番号で表されるユーザが、指定した処理を未実行でログアウトした場合、実行処理管理テーブル1201の未実行処理No.が暗証番号に付与される。複数の処理を要求したが、処理途中でユーザが「停止」を選択した場合には、残った処理は不揮発性メモリに記憶されログアウトされる。
【0049】
図11は、実施例2の実行処理管理テーブルである。
図に示すように実施例2の実行処理管理テーブル1201は、処理No、処理名、および処理設定で構成されている。処理格納部907により、ユーザが指定した未実行の処理を不揮発性メモリに書き込んだり、ユーザのログインの際に不揮発性メモリから読み込まれたりする。
【0050】
以上説明した実施例2の複合機は以下のように動作する。
図12は、実施例2の操作パネル部からの暗証番号による認証処理を示すフローチャートである。
このフローチャートは、認証制御部903(図8)が、操作パネル部102(図8)を介してユーザから受入れる暗証番号に基づいてユーザ認証を実行する動作を表している。ステップS2−1かステップS2−7まで、ステップ順に認証制御部903(図8)の動作について説明する。
【0051】
ステップS2−1
複合機200(図8)は、暗証番号により保護されており、認証制御部903(図8)により操作パネル部102(図8)の表示画面218(図9)に画面1001(暗証番号入力画面)が表示される。
【0052】
ステップS2−2
ユーザは、画面1001(図9)で、操作パネル部102(図2)のボタン201、ボタン202、ボタン203、ボタン204、ボタン205、ボタン206、ボタン207、ボタン208、ボタン209、及びボタン211を使用して暗証番号を入力し、Enterキー217で決定する。暗証番号が入力され終わるまでステップS2−1及びステップS2−2を繰り返し、暗証番号が入力され終わるとステップS2−3へ進む。
【0053】
ステップS2−3
認証制御部903(図8)は、操作パネル部102(図8)を介してユーザから受入れる暗証番号に基づいて、暗証番号比較部904(図8)、暗証番号管理部905(図8)、及び不揮発性メモリ906(図8)を制御してユーザ認証を実行する。即ち、暗証番号比較部904(図8)は、ユーザから受入れる暗証番号が、不揮発性メモリ906の暗証番号管理テーブル(図10)に含まれているか否かを判断し、含まれている場合にはステップS2−5へ進み、含まれていない場合にはステップS2−4へ進む。
【0054】
ステップS2−4
認証制御部903(図8)により操作パネル部102(図2)の表示画面218(図9)に「暗証番号が違います」のようなメッセージを表示し再び、操作パネル部102(図9)の表示画面218に画面1001(暗証番号入力画面)が表示され、ステップS2−1へ戻る。
【0055】
ステップS2−5
認証制御部903(図8)は、認証されたユーザが、前回のログイン時の未実行処理が不揮発性メモリ906にあるかどうかを処理格納部907(図8)に確認する。前回のログイン時の未実行処理が不揮発性メモリ906(図8)に有る場合にはステップS2−6へ進み、無い場合にはステップS2−7へ進む。
【0056】
ステップS2−6
処理格納部907(図8)は、前回のログイン時の未実行処理を揮発性メモリ913に格納し、不揮発性メモリ906から破棄する。
【0057】
ステップS2−7
認証制御部903(図8)の認証通知に基づいて、ユーザのログインが許可され、操作パネル部102(図8)の表示画面218(図9)にコピー待機画面1003が表示されフローを終了する。
【0058】
尚、実施例2の操作パネル部からの処理の実行を示すフローは、上記実施例1の操作パネル部からの処理の実行を示すフロー(図7)と同様なので説明を省略する。
【0059】
以上説明したように、第2の実施例によれば、認証されたユーザが指定した複数の処理要求を実行しなかった場合、その次のログイン時に復元できることが可能となり、処理を実行しないで誤ってログアウトする、もしくは、処理を実行しないである定められたタイムアウト時間が経過して自動的にログアウトしてしまっても、続けて処理を実行することができるという効果が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
上記実施例では、画像形成装置として複合機に適用した場合に限定して説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。即ち、コピー機やプリンタなどの印刷装置にも適用可能である。又、上記実施例では、ユーザ識別情報の入力手段から入力されるパスワードにより個人認証する構成としたが、本発明は、この例に限定されるものではない。即ち、指紋データ、孔彩データ、顔輪郭データ、静脈データ、及び、声紋データの内、少なくとも1つから得られる個人識別情報を用いて個人認証を行う構成にしても良い。又は、上記複数の個人識別情報を組合わせて用いることにより、更なるセキュリティの向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施例1の画像形成装置(複合機)の概略構成ブロック図である。
【図2】操作パネル部の外観図である。
【図3】実施例1の操作パネル部の表示画面の説明図である。
【図4】実施例1の暗証番号管理テーブルである。
【図5】実施例1の実行処理管理テーブルである。
【図6】実施例1の操作パネル部からの暗証番号による認証処理を示すフローチャートである。
【図7】実施例1の操作パネル部からの処理の実行を示すフローチャートである。
【図8】実施例2の画像形成装置(複合機)の概略構成ブロック図である。
【図9】実施例2の操作パネル部の表示画面の説明図である。
【図10】実施例2の暗証番号管理テーブルである。
【図11】実施例2の実行処理管理テーブルである。
【図12】実施例2の操作パネル部からの暗証番号による認証処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
101 複合機
102 操作パネル部
102a ログイン・ログアウト処理手段
103 認証制御部
104 暗証番号比較部
105 暗証番号管理部
106 不揮発性メモリ
107 処理格納部
108 処理実行部
109 印刷実行部
110 スキャン実行部
111 ファックス実行部
112 処理設定部
113 揮発性メモリ
114 一括処理選択部
115 計時手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ認証によりユーザをログインする画像形成装置であって、
前記ユーザの識別情報を登録識別情報として予め記憶する記憶手段と、
前記認証を求めるユーザの被認証識別情報を取得する識別情報取得手段と、
取得された前記被認証識別情報と前記登録識別情報との対比に基づいて、前記ユーザ認証の可否を判断する認証手段と、
前記認証手段の判断結果がユーザ認証可であるとユーザをログインするログイン手段と、
前記ログインしたユーザの処理要求を入力する入力手段と、
前記入力手段から入力された処理要求の処理名と処理番号を関連付けて管理するための管理テーブルと、
前記処理番号により前記管理テーブルの処理要求を実行する処理実行手段と、
前記処理番号の関連付けられた処理要求が全て終了した状態でログアウト状態とするログアウト処理手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記処理番号は認証が終了した後に付与される数値であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記処理番号は、未実行の処理に付与されることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ユーザが処理要求した処理の終了前に処理停止の要求を受け付け、前記ユーザが処理要求した処理が前記処理実行手段で全て終了していない場合、前記処理要求の処理名が関連付けられた処理番号を前記識別情報に関連付けて記憶し、前記ログアウトを行う停止手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記処理番号と前記処理要求の処理設定を関連付けて記憶することを特徴とする請求項1乃至4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記管理テーブルを記憶する揮発性メモリと、
前記停止手段により関連付けられた前記処理番号と前記識別情報とを記憶する不揮発性メモリとを持ち、
前記ログイン手段は、認証可となると前記不揮発性メモリに記憶した前記認証したユーザの識別情報を前記揮発性メモリの前記管理テーブルに格納し、前記不揮発性メモリに記憶した処理を破棄することを特徴とする請求項4又は5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ログイン手段は、認証可となると前記入力手段から新たな処理要求を受ける前に前記不揮発性メモリに記憶した前記認証したユーザの識別情報を前記揮発性メモリの前記管理テーブルに格納することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ログイン手段は、認証可となると前記入力手段から新たな処理要求を受ける前に前記不揮発性メモリに記憶した前記認証したユーザの識別情報を前記揮発性メモリの前記管理テーブルに格納するか破棄するかの選択を促すことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−71843(P2009−71843A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269936(P2008−269936)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【分割の表示】特願2006−223129(P2006−223129)の分割
【原出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】