説明

画像形成装置

【課題】自動検出されない消耗品を新品に交換した場合にサービスマンなどが実行すべき入力操作の操作性を向上しつつ、画像安定化の前に画像形成ジョブが実行されるといったことを従来よりも低減可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】前カバーが開のときには、操作パネルの液晶表示パネルに、消耗品を新品に交換した旨を登録するためのボタン157が表示される(図6(a))。ボタン157がタッチ入力されると、消耗品の使用量を示すカウンタ値をリセットすると共に新品の消耗品に対する画像安定化処理の実行が受け付けられる。ボタン157の入力後に前カバーが閉じられると、その時点で待機中のジョブが存在していても、まず画像安定化処理を実行し、その後に待機中のジョブが順次実行される。前カバーが閉のときには、ボタン157は、グレイアウト表示され(図6(b))、タッチ入力が禁止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成により消耗される交換可能な消耗品が装着される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機といった画像形成装置には、画像形成により消耗される消耗品、具体的にはドラムユニット、中間転写ベルトなどがあり、寿命に到達するとその旨を示す警告が操作パネルに表示等されるようになっている。寿命に到達したか否かは、例えば内部のカウンタの値が予め決められた値になったか否かなどによって判断される。
消耗品には、新品装着時に、新品であることを装置自身により自動検出されるものもあれば、このような検出機構が設けられていないために自動検出されないものもある。自動検出される消耗品が新品に交換されると、上記のカウンタの値を自動的にリセットする処理などが装置において実行されるが、自動検出されない消耗品が新品に交換された場合には、サービスマンにより操作パネルのサービス専用画面からカウンタの値をリセットするためのリセットキーを手動で押下するなどの入力操作が行われている。
【0003】
ところで、画像形成に関わる消耗品を新品に交換する場合、その消耗品に対して、従来から形成画像の画質を保つための画像安定化処理が実行されている。画像安定化処理には、例えばレジスト補正や階調補正などがある。レジスト補正を例に挙げると、消耗品である中間転写ベルトを新品に交換した場合、その新品の中間転写ベルト上に異なる色のトナー像の基準パッチを形成し、各色の基準パッチの形成位置を検出して、その検出結果から各色の位置ずれ量を検出して、画像書き込み位置を補正するものである。
【0004】
画像安定化処理は、消耗品が自動検出される構成では自動的に実行されるが、自動検出されない構成では、上記のカウンタリセットと同様に、操作パネル上に設けられた、上記のリセットキーとは別の画像安定化専用のキー押下により実行できるようになっている。
サービスマンが新品交換によりカウンタリセットや画像安定化処理を実行しようとする際のキー入力操作は、外装カバーが開の状態で実行される。外装カバーが開のときには、通常、ジョブ実行不可能な非レディ状態に移行するため、例えば外部端末からジョブを受け付けても、そのジョブが待機状態にされ、サービスマンによる入力操作の終了後に、外装カバーを閉じると、まず画像安定化を行い、次にその待機中のジョブを実行させることができる。従って、外装カバーを閉じたまま、すなわちジョブ実行可能なレディ状態のままサービスマンが入力操作を行ったために、その操作中に受け付けられたジョブが画像安定化処理より先に開始され、ジョブ終了後に画像安定化処理が実行され、画像安定化処理前に実行されたジョブについて画質が劣化してしまうといったことが防止される。
【0005】
これより従来では、自動検出されない消耗品の交換の際、外装カバーを開けて消耗品を新品に交換した後、外装カバーを開けたままサービス専用画面からリセットキーの押下と画像安定化用のキーの押下を別々に行い、その後に外装カバーを閉じるという順で操作が行われている。
【特許文献1】特開2003−316218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えばサービスマンがリセットキーを押下したものの、うっかり画像安定化用のキーの押下を忘れて外装カバーを閉じてしまうと、待機中のジョブが実行されてしまうおそれがある。また、外装カバーを閉じてから画像安定化用のキーの押し忘れに気付き、キー入力を行おうとする場合、外装カバーを閉じたままであれば、キー入力操作の間にジョブが受け付けられると、ジョブの方が先に実行されてしまうことが生じる。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、自動検出されない消耗品を新品に交換した場合にサービスマンなどが実行すべき入力操作の操作性を向上しつつ、画像安定化の前に画像形成ジョブが実行されるといったことを従来よりも低減可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明に係る画像形成装置は、開閉自在な外装カバーを有すると共に、画像形成により消耗される交換可能な消耗品が装着され、前記外装カバーが閉のときに画像形成ジョブが実行可能な状態になり、開のときに画像形成ジョブが実行できない状態になる構成の画像形成装置であって、前記消耗品の使用量をカウントするカウント手段と、前記カウント手段による消耗品の、現時点までの使用量を示す情報を保持する保持手段と、交換された新品の消耗品に対する、形成画像の画質を保つための画像安定化処理を実行する画像安定化処理手段と、操作パネルと、を備え、前記外装カバーが開のときに、前記操作パネル上の、操作者から新品の消耗品に交換した旨の入力を受け付けるための一つのボタンが操作されると、前記保持手段に保持されている情報に示される消耗品の使用量のリセットと共に前記画像安定化処理の実行の指示を受け付け、前記外装カバーが閉のときには、前記一つのボタンによる入力操作の受付けを禁止することを特徴とする。
【0009】
また、前記画像安定化処理手段は、前記指示がなされた後に、前記外装カバーが閉じられるとこれを契機に画像安定化処理の実行を開始することを特徴とする。
さらに、前記一つのボタンによる操作入力が受け付けられたことを、自装置の電源のオン、オフの状態に関らず記憶しており、前記画像安定化処理手段は、自装置の電源がオフからオンされたときに前記操作入力が受け付けられたことが記憶されている場合には、前記外装カバーが閉じられるとこれを契機に画像安定化処理の実行を開始することを特徴とする。
【0010】
ここで、前記外装カバーが開のときに画像形成ジョブを受け付けると、その画像形成ジョブを待機状態にするジョブ待機手段と、前記外装カバーが閉じられたときに待機中の画像形成ジョブが存在する場合には、その画像形成ジョブの実行を前記画像安定化処理が終了するのを待ってから開始させるジョブ制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記一つのボタンは、前記操作パネルに設けられた表示部に表示されると共にその表示部分が操作者によりタッチされるとこれを入力として受け付けるボタンであり、前記一つのボタンによる入力操作の受け付けの禁止とは、前記一つのボタンをグレーアウトで表示する、または非表示とすることであることを特徴とする。
【0011】
さらに、前記リセットが前記一つのボタンによる入力操作が受け付けられると実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このように一つのボタンの操作により、消耗品の使用量のリセットと画像安定化処理の実行の指示が受け付けられるので、従来のような別々のキーを操作する構成に比べて、操作が簡易であると共に何れかのキーを押し忘れるといったことを防止できる。また、外装カバーが閉のときには、上記のボタンによる入力の受け付けが禁止されるので、外装カバーが閉のときにサービスマンが当該ボタンによる入力を行おうとする場合、入力の受け付けが禁止されていることを、外装カバーが閉じられているためであることに気付くことにより、サービスマンが外装カバーを開けてキー入力操作を行うことができ、外装カバーが開けられれば非レディ状態になるので、ボタンの入力操作の間にジョブを受け付けてもそのジョブを待機させることができる。これにより、従来のように外装カバーが閉じた状態でもキー入力が行えることによりその入力操作中にジョブを受け付けたためにジョブが先に開始されるといったことの発生を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)を例にして説明する。
(1)プリンタの全体の構成
図1は、プリンタ10の全体の構成を示す図である。
同図に示すように、プリンタ10は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部11と、給送部12と、定着部13と、制御部14を備え、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色からなるカラーの画像形成を実行する。以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
【0014】
画像プロセス部11は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部20Y、20M、20C、20K、中間転写ベルト21などを備えている。
作像部20Y〜20Kは、感光体ドラム1Y〜1K、その周囲に配設された帯電部2Y〜2K、露光部3Y〜3K、現像器4Y〜4K、一次転写ローラ5Y〜5K、クリーナ6Y〜6Kなどを備えており、感光体ドラム1Y〜1KにY〜K色のトナー像を作像する。中間転写ベルト21は、無端状のベルトであり、駆動ローラ22と従動ローラ23に張架されて同図矢印方向に回転駆動される。
【0015】
給送部12は、記録シートとしての用紙Sを収容する給紙カセット31と、給紙カセット31内の用紙Sを搬送路37上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ32と、繰り出された用紙Sを搬送する搬送ローラ対33と、用紙Sを二次転写位置351に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対34と、二次転写位置351において中間転写ベルト21を挟んで駆動ローラ22に圧接される二次転写ローラ35などを備えている。
【0016】
定着部13は、定着ローラと加圧ローラを備え、所定の定着温度で用紙Sを加熱加圧してトナー像を定着させる。
制御部14は、外部の端末装置からの画像信号をY〜K色用のデジタル信号に変換し、露光部3Y〜3Kのレーザーダイオードを駆動させるための駆動信号を生成する。生成された駆動信号により露光部3Y〜3Kのレーザーダイオードが駆動されて、レーザービームLが出射され、感光体ドラム1Y〜1Kが露光走査される。
【0017】
この露光走査を受ける前に、感光体ドラム1Y〜1Kは、帯電部2Y〜2Kにより一様に帯電されており、レーザービームLの露光により、感光体ドラム1Y〜1Kに静電潜像が形成される。各静電潜像は、現像器4Y〜4Kによりトナーで現像される。
各色のトナー像は、一次転写ローラ5Y〜5Kと感光体ドラム1Y〜1K間に作用する静電力により中間転写ベルト21上に一次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト21上の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト21上に重ね合わされた各色トナー像は、中間転写ベルト21の回動により二次転写位置351に移動する。
【0018】
上記作像動作のタイミングに合わせて、給送部12からは、タイミングローラ対34を介して用紙Sが給送されて来ており、その用紙Sは、回動する中間転写ベルト21と、これに圧接された二次転写ローラ35の間に挟まれて搬送され、二次転写ローラ35と駆動ローラ22間に作用する静電力により、中間転写ベルト21上のトナー像が一括して用紙S上に二次転写される。
【0019】
二次転写位置351を通過した用紙Sは、定着部13に搬送され、ここでトナー像が加熱、加圧されて用紙Sに定着された後、排出ローラ36を介して排出され、収容トレイ38に収容される。なお、感光体ドラム1Y〜1K上に作像されたトナー像のうち、中間転写ベルト21に転写されずに、感光体ドラム1Y〜1K上に残ったトナー(残留トナー)は、クリーナ6Y〜6Kにより清掃される。また、中間転写ベルト21上の残留トナーなどの汚れは、クリーナ24により清掃される。
【0020】
上記では、フルカラーのプリントジョブを実行する場合の動作を説明したが、モノクロ、例えばK色のプリントジョブを実行する場合には、感光体ドラム1Kの周面にK色のトナー像が作像され、作像されたK色のトナー像が中間転写ベルト21に一次転写され、中間転写ベルト21上に転写されたK色のトナー像が二次転写位置351において用紙S上に二次転写される。
【0021】
感光体ドラム1Y〜1K、中間転写ベルト21、定着部13の定着ローラなどは、駆動モータ29により回転駆動される。
中間転写ベルト21の走行方向において、作像部20Kと二次転写位置351の間の位置には、パターン検出センサ25が配設されている。このパターン検出センサ25は、後述する画像安定化処理の際に中間転写ベルト21上に形成された各色の基準パターンを検出するためのセンサである。パターン検出センサ25は、例えば発光部と受光部を有する反射型の光学センサからなり、発光部からの光を中間転写ベルト21に照射し、その反射光を受光部で受光して電気信号に変換し、変換した信号を制御部14に送る。
【0022】
装置正面側であり、ユーザが操作し易い位置には、操作パネル15が配置されている。操作パネル15は、例えば一般のユーザによるプリント枚数や濃度の設定、カラー/モノクロのプリントモードの切り換えなどを行うための各種キー151(図2)や液晶タッチパネル152(図2)などが設けられている。液晶タッチパネル152には、一般ユーザ用の画面だけでなく、サービスマンのための専用画面(図6参照)も表示されるようになっている。この専用画面は、例えばサービスマンだけが知っている暗証コードがサービスマンにより入力されると表示される。サービスマンは、自動検出されない消耗品を新品に交換したことを専用画面から登録することができる。
【0023】
また、装置正面側には、外装カバーとしての前カバー17が配設されている。前カバー17は、その下端が装置本体に蝶番を介して開閉自在に取り付けられている。前カバー17が閉じられているときには、装置前側に設けられた開口(不図示)が前カバー17により覆われて装置内部が隠されるようになり、前カバー17が開けられたときには、装置前側の開口が開放されて装置内部が当該開口を介して装置正面側から見えるようになる。ユーザは、前カバー17を開けることにより、例えば装置内部の搬送路や定着部などにおいてジャム(紙詰まり)が発生した場合にその詰まった用紙を視認してその用紙を取り除くなどの操作を行うことができる。また、サービスマンは、前カバー17を開けることにより装置内部に装着された消耗品を交換することができる。
【0024】
消耗品には、上記のように新品交換がセンサ等により自動検出されるものと、自動検出されないものとがあり、本実施の形態では自動検出されるものとして作像部20Y〜20Kがあり、自動検出されないものとして中間転写ベルト21がある。
作像部20Y〜20Kは、一般のユーザでも交換可能なように構成されており、新品交換が自動的に検出されることから、ユーザは、交換したことを登録するなどの操作を行う必要がない。一方、中間転写ベルト21は、サービスマンだけが交換できる部材であり、新品交換が自動検出されないことから、サービスマンは、交換した旨を上記のサービス専用画面から登録する操作を行う必要がある。本実施の形態では、中間転写ベルト21は、駆動ローラ22と従動ローラ23と共にユニット化されており、ユニットで交換されるようになっている。新品交換が自動検出されたとき、および交換された旨の登録があったときのカウンタリセットなどの処理内容については、後述する。
【0025】
前カバー17が開と閉のいずれの状態にあるかは、カバー開閉検出センサ18により検出される。カバー開閉検出センサ18は、前カバー17の開閉の状態を示す信号を制御部14に送る。以下、前カバー17の開をカバー開、閉をカバー閉と略していう。
(2)制御部14の構成
図2は、制御部14の構成を示すブロック図である。
【0026】
同図に示すように、制御部14は、主な構成要素として、通信インターフェース(I/F)部101、CPU102、ROM103、CPU102のワークエリアとして用いられるRAM104、画像処理部105、画像メモリ106、ジョブ管理テーブル107、カウンタ108およびバックアップメモリ109などを備え、各部はバス110を介して相互に通信可能になっている。
【0027】
通信I/F部101は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースであり、外部からのプリントジョブのデータを受信して、受信したデータを画像処理部105に送る。
画像処理部105は、通信I/F部101からのプリントジョブのデータをY〜Kの再現色の画像データに変換して、この画像データを再現色ごとに画像メモリ106に格納させる。格納された画像データは、画像形成時に読み出されて画像形成に供される。
【0028】
ジョブ管理テーブル107は、実行すべきジョブを管理するためのテーブルとして不揮発性の記憶手段(不図示)に設けられている。
図3は、ジョブ管理テーブル107の内容を示す図である。
同図に示すように、ジョブ管理テーブル107には、順位、ジョブ名、ステータスおよび許否フラグの各欄が設けられている。順位は、ジョブの実行順位を、ジョブ名は、そのジョブの名称を、ステータスは、ジョブの現在の状態として実行中、待機中、受付中などを、許否フラグは、ジョブ実行を許可するか否かをそれぞれ示している。
【0029】
新たなジョブが受け付けられると、受付順に順位が付与されて、そのジョブ名がジョブ管理テーブル107に登録される。登録されている各ジョブは、許否フラグが許可になっているものに限り、順位の若いものから順番に実行される。順位が1番のジョブが終了すると、そのジョブがテーブル107から抹消され、2番目以降のジョブの順位が1つ繰り上がって、順位が1番に繰り上げられたジョブが続けて開始される。なお、許否フラグが不許可のものは、実行が禁止される。ジョブの受付、終了に伴い、登録、抹消、順位の繰り上がりなどジョブ管理テーブル107の情報が更新等される。また、ジョブのステータス(実行中や待機中など)は、その状態変化があるごとに更新される。
【0030】
許否フラグは、カバー閉のときには許可を示す情報に切り換えられ、カバー開のときには不許可を示す情報に切り換えられる。カバー開のときには、例えばサービスマンが消耗品を新品に交換した旨を登録するための操作入力を行っている、または行おうとしている場合があるので、その間に待機中のジョブが実行されないように強制的に実行を禁止するためである。ジョブ管理テーブル107への情報の登録や更新などは、CPU102により実行される。
【0031】
図2に戻って、カウンタ108は、プリントに供された用紙の累積枚数を計数し、その累積枚数の値(カウンタ値)をバックアップメモリ109の所定の格納領域に格納させる。このカウンタ値は、中間転写ベルト21の交換時期を判断するために用いられる。すなわち、カウンタ値が所定枚数(ベルト交換時期に達したときの想定プリント枚数)に達すると、ベルト交換時期である旨の警告が液晶タッチパネル152に表示されるようになっている。この警告によりサービスマンは中間転写ベルト21が交換時期になったことを知り、中間転写ベルト21を新品のものに交換する作業を実行する。新品交換された旨がサービスマンにより操作パネル15のサービス専用画面から登録されると、カウント値はゼロにリセット(カウンタリセット)される。
【0032】
バックアップメモリ109は、不揮発性の記憶手段であり、図4に示すように、所定のアドレスにカウント値、画像安定化要求の有無、画像安定化により求められた制御値(色ずれ補正量など)を示す情報などが格納されている。カウント値は、カウンタ108により計数される用紙枚数の現時点までの累積枚数を示しており、カウンタ108により更新される。画像安定化要求の有無と制御値は、後述する処理において更新等される。
【0033】
図2に戻り、CPU102は、ROM103から必要なプログラムを読み出して、画像処理部105での画像データの変換処理や、画像メモリ106における画像データの書き込み/読み出し、並びに画像安定化処理を実行し、さらに画像形成時には画像メモリ106から読み出した画像データに基づき、画像安定化処理で設定された制御値を用いて、駆動モータ29、画像プロセス部11、給送部12などの動作をタイミングを取りながら制御して、円滑なプリントジョブを実行させる。
【0034】
ここで、画像安定化処理は、交換された新品の消耗品、本実施の形態では中間転写ベルト21に対する、形成画像の画質を保つための処理であり、例えばレジスト補正がある。
レジスト補正は、中間転写ベルト21上にY〜K色のトナーによる所定の基準パターンを形成し、各色の基準パターンの形成位置をパターン検出センサ25により検出して、その検出結果から各色の位置ずれ量を検出して、位置ずれが解消されるように、例えばK色を基準に他のY〜C色について画像書き込みタイミングを補正する制御である。レジスト補正が実行されるごとに、補正された画像書き込みタイミングを示す情報が上記の画像安定化処理で設定された制御値として、バックアップメモリ109の制御値(色ずれ補正量)の項のデータ欄に書き込まれる(更新される)。
【0035】
画像安定化処理の別の例として階調補正を実行するとしても良い。階調補正は、中間転写ベルト21上に色毎にトナーによる異なる階調の基準パターンを形成し、各色の基準パターンの濃度をパターン検出センサ25により検出して、その検出結果に基づき形成画像が所定の階調で再現されるように帯電電圧や現像バイアス電圧などを調整する処理である。この調整値も制御値としてバックアップメモリ109に書き込まれる。
【0036】
また、CPU102は、カバー開閉検出センサ18からの信号により前カバー17の開閉の状態を把握する。カバー開を判断すると、ジャムで詰まった用紙を取り除く操作や消耗品の交換などジョブの実行を許可できない状態にあるとしてジョブ管理テーブル107の許否フラグを不許可に書き換えて、ジョブを実行できない非レディ状態に移行する。カバー閉になると、ジャム解消などジョブの実行を許可して良い状態になったとして、許否フラグを許可に書き換えてウォームアップを実行し、ジョブを実行可能なレディ状態に移行する。さらに、操作パネル15上のキー151の押下や液晶タッチパネル152のタッチ入力による情報を受け付けると共にその表示制御などを行う。
【0037】
ROM103には、画像形成動作に関する制御プログラムおよび画像安定化処理に関する制御プログラムのほか、画像安定化処理において形成される基準パターンの印字用データなどが格納されている。
以下、サービスマンが消耗品を交換した旨を操作パネル15から登録するために専用画面の表示を指示したときに実行されるサービスマンモード処理、および前カバー17が閉から開状態に切り換わったときに実行されるカバー開処理と前カバー17が開から閉状態に切り換わったときに実行されるカバー閉処理の内容を、図5〜図8を用いて説明する。これらは図示しないメインルーチンからのコールによりCPU102により実行される。
【0038】
(3)サービスマンモード処理の内容
図5は、サービスマンモード処理の内容を示すフローチャートであり、サービスマンにより上記の暗証コードが操作パネル15を介して入力されたときに実行される。
同図に示すように、まずカバー開か否かを判断する(ステップS11)。カバー開と判断すると(ステップS11で「YES」)、液晶タッチパネル152にサービスマンの専用画面として新品解除表示画面を表示させる(ステップS12)。
【0039】
図6(a)は、新品解除表示画面155の表示例を示す図である。図6(a)に示すように、新品解除表示画面155には、2つの新品交換解除ボタンが設けられており、そのうちの一つのボタン157がベルトユニット(中間転写ベルト21を含むユニット)交換を登録するためのボタンになっている。サービスマンは、ベルトユニットの交換の際には、ボタン157をタッチ入力(押下)した後、エンターキー158を押下すれば良い。ここでは、いずれかのボタンが押下されると、そのボタンが選択されたことが判るようにボタンの表示部分の色が変わり、エンターキー158が押下されると、色の変わったボタンの選択が確定して、そのボタンの入力が受け付けられるようになっている。同図の例は、ベルトユニットとは別の消耗品に対する別のボタンも表示されているが、当該別の消耗品が交換される場合には、その別のボタンが選択されることになる。以下、ボタン157が選択された(入力された)ものとして説明する。
【0040】
図5に戻り、ステップS13においてボタン157の入力を受け付けると、カウンタリセットを行うと共に(ステップS14)、画像安定化要求をバックアップして(ステップS15)、ステップS16に移る。ここで、カウンタリセットは、バックアップメモリ109のアドレス「001’」に格納されているカウント値のデータ(図4の例では、12345)をゼロにリセットすることを行う。カウンタ値は、上記のように中間転写ベルト21の交換時期を知るための情報であるから、新品の中間転写ベルト21への交換に伴ってリセットされることで、その後、画像形成が実行されるとカウンタ値がゼロから累積されて行くことになり、次のベルト交換時期を正確に把握することができるようになる。
【0041】
また、画像安定化要求のバックアップは、バックアップメモリ109のアドレス「003’」のデータ欄に格納されているデータを、要求ありを示すデータ(図4の例では、1)に書き換える。
このように一つのボタン157を操作するだけで、カウンタリセットと画像安定化要求の2つの入力が受け付けられるので、それぞれ個別のボタンを操作する構成(従来相当)をとった場合の、いずれか一方のボタンをうっかり押し忘れるといったことを防止でき、消耗品交換に際して必要な2つの処理を確実に実行させることが可能になる。
【0042】
ステップS16では、表示終了するか否かを判断する。この判断は、キャンセルキー159が押下されたか否かにより行う。キャンセルキー159が押下されていない場合には(ステップS16で「NO」)、ステップS11に戻る。キャンセルキー159が押下された場合には(ステップS16で「YES」)、通常の初期画面(不図示)に切り換えて(ステップS17)、リターンする。
【0043】
一方、カバー開ではない、すなわちカバー閉であることを判断すると(ステップS11で「NO」)、新品解除表示画面をグレーアウト表示させて(ステップS18)、ステップS16に移る。図6(b)は、グレーアウト表示の例を示す図である。この場合、サービスマンは、ボタン157を押下できない(入力が禁止される。)。すなわち、消耗品交換の登録を行うことができない。グレーアウト表示される場合とは、本来ではサービスマンは、カバー開の状態で入力操作を行うべきところ、うっかり閉じてしまった場合が想定されるが、グレーアウト表示により登録が禁止された状態になっている理由がカバー閉によるものであることにサービスマンが気付き、前カバー17を開ければ登録を行うことができる(ステップS16で「NO」、S11で「YES」、S12)。
【0044】
例えば、カバー閉の状態でも画面から登録操作を行える構成(従来相当)をとれば、カバー閉であることに気付かずにそのまま登録操作などを行うことになり、この操作の間にジョブが受け付けられると、画像安定化処理の前にそのジョブが実行されてしまうことになりかねず、そのジョブについて画質低下のおそれがあるが、本実施の形態では、登録操作を禁止する構成とすることでサービスマンにカバー開にすべきことを気付かせることができ、上記の画質低下が発生するおそれの抑制を図ることができる。
【0045】
なお、上記ではボタンをグレーアウト表示した例を説明したが、登録を禁止することができればグレーアウト表示に限られず、例えば図6(c)に示すようにボタン自身を非表示にする方法をとるとしても良い。
(4)カバー開処理の内容
図7は、カバー開処理の内容を示すフローチャートである。
【0046】
同図に示すように、ジョブの実行を禁止すると共に(ステップS31)、非レディ状態に移行する(ステップS32)。ジョブの実行の禁止は、ジョブ管理テーブル107に登録されている全ジョブについて許否フラグを不許可に書き換えることにより行われる(待機状態)。非レディ状態への移行は、例えば駆動モータ29などの部材への通電を停止させつつ定着部13のヒータを消灯させると共に操作パネル15にカバー開でありジョブを実行できない旨のメッセージを表示させるなどの処理が行われる。
【0047】
カバー開のときに新たなジョブが受け付けられると(ステップS33で「YES」)、そのジョブを保留(待機状態)にして(ステップS34)、リターンする。ジョブの保留は、受け付けたジョブをジョブ管理テーブル107に新たなジョブとして登録すると共にそのジョブに対する許否フラグを不許可にすることにより行われる。なお、カバー開の状態が継続しているときにもステップS33、S34の処理が実行される。
【0048】
(5)カバー閉処理の内容
図8は、カバー閉処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、画像安定化要求の有無を確認する(ステップS51)。この確認は、バックアップメモリ109のアドレス「003’」のデータ欄に格納されているデータを参照することにより行われる。
【0049】
画像安定化処理が要求されている場合には(ステップS52で「YES」)、画像安定化処理とプリントジョブとの処理順位を、一位を画像安定化処理、二位をプリントジョブとする(ステップS53)。具体的には、ジョブ管理テーブル107に現に登録されているプリントジョブの順位を一つ繰り下げつつ、画像安定化処理を一位の欄に書き込むと共に、プリントジョブの許否フラグを許可に書き換える(ジョブの実行禁止を解除)。
【0050】
そして、ウォームアップを開始しつつ(ステップS54)、画像安定化処理を実行する(ステップS55)。画像安定化処理としては、上述のレジスト補正や階調補正などが実行される。
画像安定化処理終了後、画像安定化要求をリセットする(ステップS56)。このリセットは、バックアップメモリ109のアドレス「003’」のデータ欄のデータを、要求なしを示すデータ、例えば0に書き換えることにより行われる。ウォームアップが完了してレディ状態に移行すると(ステップS57)、待機中のプリントジョブを順に実行して(ステップS58)、リターンする。
【0051】
カバー開から閉になったときに画像安定化処理の要求がされている場合とは、カバー開の状態でサービスマンにより消耗品が交換された後、消耗品交換の登録がなされてからカバー閉になった場合を想定でき、この場合においてカバー閉の時点で待機中のジョブが存在していても、カバー閉を契機に、まず画像安定化処理を実行して、これが終了するのを待ってから待機中のジョブを開始するように制御されるので、上記のような画像安定化処理がジョブに先行することにより画質劣化が生じるということを防止できる。
【0052】
一方、画像安定化処理が要求されていない場合には(ステップS52で「NO」)、プリントジョブの処理順位を一位とする(ステップS59)。具体的には、ジョブ管理テーブル107に現に登録されているプリントジョブの順位をそのままに維持しつつ、各ジョブの許否フラグを許可に書き換える。なお、カバー閉のときに画像安定化処理が要求されていない場合とは、カバー開の状態で、例えば詰まった用紙を取り除くなどのジャム解除のための操作が行われただけで消耗品交換の登録が行われずにカバー閉にされた場合などが想定される。続いて、ウォームアップを開始して(ステップS60)、ステップS57に移り、ステップS58においてジョブが実行される。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態では、消耗品を交換した場合に実行が必要なカウンタリセットと画像安定化処理の要求とを1つのボタンを1回押下するだけで済ませられるので、異なるキーを設ける構成とした場合に各キーを2回に分けて押下するといった手間がなくなると共に一方のキーを押し忘れるといったことがなくなって、操作性を向上できる。また、カバー閉のときには、上記の一つのボタンがグレーアウト表示により操作できなくなるので、操作しようとする意思をもったサービスマンに対して、カバー開にすべきことを気付かせることができ、カバー開にされれば、入力操作の間に受け付けられたジョブを待機状態にして画像安定化処理の前に実行されるといったことを防止できる。
【0054】
さらに、ボタン157の入力を受け付けたことを自装置の電源のオン、オフの状態に関らず、安定化要求として不揮発性の記憶手段であるバックアップメモリ109に記憶している。そのため、例えば入力直後に自装置の電源がオフされた場合でも消去されず、電源がオンされてから前カバー17が閉じられると、これを契機にカバー閉処理の実行により、電源オフ前にボタン157により受け付けられた要求に基づく画像安定化処理を行うことができる。例えば、誤って電源をオフした場合でも、電源をオンしてカバー閉を行えば、電源オンのままのときと同じ動作が行われるので、操作者にとって再度ボタン入力をする必要がなく操作性が向上する。なお、上記では不揮発性のものを用いるとしたが、装置構成などによって、例えば揮発性のものを用いるとしても構わない。
【0055】
本発明は、画像形成装置に限られず、上記ボタンによる入力の受付方法と画面の表示方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0056】
〔変形例〕
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、カバー開の状態でボタン157の押下によりカウンタリセットを実行しつつ画像安定化処理の要求を受付け、カバー閉にされるとこれを契機に画像安定化処理を実行するとしたが、この構成に限られない。一つのボタンを1回の操作によりカウンタリセットと画像安定化処理が実行されるようになれば良い。
【0057】
例えば、ボタン157を押下すると、その直後にカウンタリセットと画像安定化処理をカバー開の状態で一方を先に、他方をその後に順次実行する構成をとるとしても良い。また、カバー閉の状態になってから両者を実行する構成をとるとしても良い。さらに、カバー開の状態でボタン操作により画像安定化処理が実行され、カバー閉になるとカウンタリセットが実行されるとしても良い。いずれにしても、待機中のジョブは、上記同様に画像安定化処理の後に実行される。
【0058】
(2)上記実施の形態では、新品交換によりカウンタリセットと画像安定化処理が必要な消耗品として、像担持体の一例である中間転写ベルト21に適用した例を説明したが、消耗品が、これに限られないことはいうまでもない。例えば、像担持体の他の例としての感光体ドラムを消耗品とすることができる。また、画像形成プロセスの各工程、具体的には帯電、露光、現像、転写などに関る消耗品、例えば帯電ローラ、レーザダイオード、転写ローラなどの部材を消耗品としても良い。さらに、定着ローラや加圧ローラの交換時に画質の一例としての定着性を保つために定着温度や圧力を調整する画像安定化処理を実行する構成であれば、定着ローラ等を消耗品とすることもできる。これら消耗品に対応する画像安定化処理が上記の安定化要求やカバー閉などの条件に基づき実行される。
【0059】
(3)上記実施の形態では、カウンタ値をプリントされた用紙の累積値としたが、消耗品の現時点までの使用量を示す情報であれば、用紙の累積値に限られない。例えば、プリント動作の累積時間、回転する部材であれば累積回転時間や累積回転数などを計数して記憶部などに保持するとしても良い。
(4)上記実施の形態では、操作パネル15の液晶タッチパネル152に一つのボタン157を、カバー開のときに表示、カバー閉のときにグレイアウト表示または非表示とする構成例を説明したが、一つのボタンがいわゆるソフトキーであることに限られない。例えば、ハードキーからなり、入力を受け付けるとその旨を表示や音声などで操作者に知らせる、例えばランプを表示させる、画面を切り換えるなどの構成において、カバー開のときに入力を受け付け、カバー閉のときに入力を受け付けない構成をとるとしても上記と同様の効果を得られる。
【0060】
(5)上記実施の形態では、外装カバーを前カバーとした場合の例を説明したが、開閉の状態により画像形成ジョブの実行可否(許否)の状態が切り換えられるものであれば、前カバーに限られず、例えば装置正面から見たときに左側面、右側面、背面または上面などに配されるカバーに適用することもできる。
(6)上記実施の形態では、本発明に係る画像形成装置を、フルカラー画像を形成可能な複写機に適用した場合の構成例を説明したが、自動検出されない交換可能な消耗品が装着され、外装カバーが閉のときには画像形成ジョブが実行可能な状態になり、外装カバーが開のときには画像形成ジョブが実行できない状態になる構成の装置であれば、複写機であることやフルカラーやモノクロ画像形成に限られず、プリンタ、ファクシミリ装置、MFP(Multiple Function Peripheral)等の画像形成装置一般に適用できる。
【0061】
また、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、交換可能な消耗品が装着されてなる画像形成装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】プリンタの全体の構成を示す図である。
【図2】プリンタの制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】制御部のジョブ管理テーブルの内容を示す図である。
【図4】制御部のバックアップメモリに格納されている情報の内容例を示す図である。
【図5】サービスマンモード処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】サービスマンの専用画面の表示例を示す図である。
【図7】カバー開処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】カバー閉処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1Y〜1K 感光体ドラム
10 プリンタ
14 制御部
15 操作パネル
17 前カバー
21 中間転写ベルト
102 CPU
108 カウンタ
109 バックアップメモリ
152 液晶タッチパネル
155 画面
157 ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉自在な外装カバーを有すると共に、画像形成により消耗される交換可能な消耗品が装着され、前記外装カバーが閉のときに画像形成ジョブが実行可能な状態になり、開のときに画像形成ジョブが実行できない状態になる構成の画像形成装置であって、
前記消耗品の使用量をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段による消耗品の、現時点までの使用量を示す情報を保持する保持手段と、
交換された新品の消耗品に対する、形成画像の画質を保つための画像安定化処理を実行する画像安定化処理手段と、
操作パネルと、を備え、
前記外装カバーが開のときに、前記操作パネル上の、操作者から新品の消耗品に交換した旨の入力を受け付けるための一つのボタンが操作されると、前記保持手段に保持されている情報に示される消耗品の使用量のリセットと共に前記画像安定化処理の実行の指示を受け付け、前記外装カバーが閉のときには、前記一つのボタンによる入力操作の受付けを禁止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像安定化処理手段は、
前記指示がなされた後に、前記外装カバーが閉じられるとこれを契機に画像安定化処理の実行を開始することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記一つのボタンによる操作入力が受け付けられたことを、自装置の電源のオン、オフの状態に関らず記憶しており、
前記画像安定化処理手段は、
自装置の電源がオフからオンされたときに前記操作入力が受け付けられたことが記憶されている場合には、前記外装カバーが閉じられるとこれを契機に画像安定化処理の実行を開始することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記外装カバーが開のときに画像形成ジョブを受け付けると、その画像形成ジョブを待機状態にするジョブ待機手段と、
前記外装カバーが閉じられたときに待機中の画像形成ジョブが存在する場合には、その画像形成ジョブの実行を前記画像安定化処理が終了するのを待ってから開始させるジョブ制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記一つのボタンは、
前記操作パネルに設けられた表示部に表示されると共にその表示部分が操作者によりタッチされるとこれを入力として受け付けるボタンであり、
前記一つのボタンによる入力操作の受け付けの禁止とは、
前記一つのボタンをグレーアウトで表示する、または非表示とすることであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記リセットが前記一つのボタンによる入力操作が受け付けられると実行されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−156737(P2010−156737A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333557(P2008−333557)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】