説明

画像形成装置

【課題】 記録紙の種類(厚み)を識別し、記録紙の種類に応じた適切な作像条件で画像を形成することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 給紙部の搬送ローラ26とタイミングローラ27との間の記録紙搬送路には、搬送路に沿って第1の記録紙センサ31とファン33とが配置される。記録紙が厚手紙Paの場合は、図2で実線で示すように、ファン33の空気圧によっても大きく撓まず、第1の記録紙センサの接触子31aの接点はONとなり、厚手紙Paであると判定され、記録紙が普通紙Pn或いは普通紙よりも薄い薄手紙Pbの場合は、図2で点線で示すように、ファン33の空気圧によって撓み、第1の記録紙センサ31の接触子31aの接点はOFFとなり、普通紙Pn或いは薄手紙Pbであると判定され、記録紙の種類に応じた適切な作像条件を設定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、及びこれ等の複合機などの電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の画像形成装置においては、厚みの異なる種々の記録紙を使用することができるが、転写不良や定着不良を防止して画像品質のよい記録を作成するため、使用する記録紙の種類(一般的には普通紙、厚手紙、特殊紙等)に応じて、転写電圧や定着温度、プロセス条件等を変更するように構成されている。
【0003】
画像形成装置に記録紙の種類に関する情報を入力するには、作像動作を開始する前に、画像形成装置の操作パネルや、画像形成装置に接続されたPCモニターなどから入力するように構成されている。また、記録紙の種類に関する情報を入力するとき、操作パネル等から人手による入力によらず、画像形成装置の内部の記録紙搬送経路中で、記録紙の先端がレジストローラに当接した後、記録紙の腰が強い、即ち記録紙の厚みが厚い場合は、搬送ローラが空転して撓みが発生しないことを利用して記録紙が厚手紙であることを判定するもの(特許文献1)や、搬送経路上に記録紙を押圧する部材を設け、その押圧力から記録紙の曲げ強さを判定し、記録紙の種類を判定するもの(特許文献2)などがあり、この判定結果に基づいて転写電圧や定着温度、プロセス条件等を変更するものも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−75565号公報
【特許文献2】特開平6−80273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画像形成装置に記録紙の種類に関する情報の入力を誤まったときや、入力を失念したときは、記録紙の種類に応じた適切な条件で画像が形成されないことになり、不満足な画像品質の画像が形成されてしまう結果となる。この発明は、記録紙の搬送経路上に、記録紙の種類を識別する新たな構成を備え、上記課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、少なくとも給紙部と画像形成部と前記給紙部から画像形成部に向けて記録紙を搬送する搬送路とを備えた画像形成装置において、前記搬送路は、一対の搬送ローラと一対のタイミングローラとを備え、前記搬送ローラとタイミングローラとの中間に、搬送される記録紙の変位を検出する第1の記録紙センサと、搬送される記録紙に向けて空気を吹き付けるファンが配置され、前記第1の記録紙センサは、前記ファンから吹き付けられる空気による記録紙の変位を検出して、記録紙の厚みを識別する信号を出力することを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
そして、前記ファンから吹き付けられる空気の吹き付け力は検出する記録紙の厚みに応じて調整可能とするとよい。
【0008】
また、前記搬送路には、更に搬送される記録紙を隔てて前記第1の記録紙センサと反対側に第2の記録紙センサを配置し、前記ファンから吹き付けられる空気による記録紙の変位を検出して記録紙の厚みを識別する信号を出力するようにしてもよい。
【0009】
請求項4の発明は、少なくとも給紙部と画像形成部と前記給紙部から画像形成部に向けて記録紙を搬送する搬送路とを備えた画像形成装置において、前記搬送路は、一対の搬送ローラと一対のタイミングローラと、前記搬送ローラとタイミングローラとの中間に、搬送ガイドと搬送される記録紙の変位を検出する第1の記録紙センサとが配置され、前記第1の記録紙センサは、前記搬送ローラとタイミングローラとの中間における記録紙の重力による記録紙の変位を検出して、記録紙の厚みを識別する信号を出力することを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
また、前記搬送路には、更に前記搬送ガイド側に第2の記録紙センサを配置し、記録紙の重力による記録紙の変位を前記搬送ガイド側から検出して記録紙の厚みを識別する信号を出力するようにしてもよい。
【0011】
そして前記請求項1又は請求項4に記載の画像形成装置は、前記第1及び/又は第2の記録紙センサから出力された記録紙の厚みを識別する信号に基づいて、記録紙搬送速度、転写装置に印加する転写電圧、搬送ローラ一対の接触圧、定着装置の定着温度のいずれか1以上を調整する調整手段を設けるとよい。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、搬送路に配置された第1及び/又は第2の記録紙センサが記録紙の変位を検出して記録紙の厚みを識別する信号を出力するから、記録紙の厚み、即ち記録紙の種類に応じた画像形成条件の設定が可能となり、記録紙の種類に関する情報に入力を誤まっても、また、入力を失念しても、常に記録紙の種類に応じて適切な画像形成条件を設定することができ、高品質の画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明を実施したフルカラー画像形成装置の構成を説明する図(実施例1)。
【図2】図1に示す画像形成装置の記録紙の種類を識別する構成部材である第1及び第2の記録紙センサとファンとの配置位置と記録紙の搬送状態を説明する図(その1)。
【図3】図1に示す画像形成装置の記録紙の種類を識別する構成部材である第1及び第2の記録紙センサとファンとの配置位置と記録紙の搬送状態を説明する図(その2)。
【図4】この発明を実施したモノクロ画像形成装置の構成を説明する図(実施例2)。
【図5】図4に示す画像形成装置の記録紙の種類を識別する構成部材である第1及び第2の記録紙センサの配置位置と記録紙の搬送状態を説明する図(その1)。
【図6】図4に示す画像形成装置の記録紙の種類を識別する構成部材である第1及び第2の記録紙センサの配置位置と記録紙の搬送状態を説明する図(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、この発明を実施した実施例1のタンデム方式のフルカラー画像形成装置10の構成を説明する図で、タンデム方式のフルカラー画像形成装置自体は公知の構成であるから、構成の概要だけを簡単に説明する。
【0016】
図1において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の各色の画像を形成する作像ユニット11、12、13、14が、駆動ローラ15および従動ローラ16の間に架設された中間転写体である中間転写ベルト17の下に直列に配置され、中間転写ベルト17は、図示しないモータ及び駆動装置を経て駆動される駆動ローラ15により矢印a方向に一定の速度で移動するように構成されている。
【0017】
各作像ユニット11〜14は、それぞれ像担持体である感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、及び感光体上の転写残トナーを清掃するクリーニング装置が配置されている。その構成はこの発明の主題ではないので、ここでは説明を省略する。画像信号処理装置20には、図示しないスキャナから出力された画像信号、或いはパソコン等から出力された画像信号が入力され、各作像ユニット11〜14の露光装置に、形成する画像の色に対応した画像信号が出力される。また、画像信号処理装置20の下側には給紙部21が配置されている。
【0018】
各作像ユニット11〜14には転写装置は備えられておらず、これに代えて中間転写ベルト17を挟んで作像ユニット11〜14と反対側に、一次転写ローラ11T、12T、13T、14Tが配置されている。
【0019】
また、従動ローラ16と対向する位置には中間転写ベルト17を挟んで二次転写ローラ18が配置され、駆動ローラ15と対向する位置には中間転写ベルト17を挟んでベルトクリーニング装置19が配置されている。
【0020】
また、二次転写ローラ18の下流側には、記録紙に転写されたトナー像を定着処理する定着装置22が配置され、その下流側には、排紙ローラ23、排紙トレイ24が配置されている。
【0021】
フルカラー画像形成装置10の動作を簡単に説明する。電源の投入により中間転写ベルト17が矢印a方向に一定の速度で移動を開始する。像形成動作が開始され、作像ユニット11〜14の感光体上には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の各色のトナー像が形成される。イエロー(Y)のトナー像が一次転写ローラ11Tの作動により中間転写ベルト17の上に転写され、その上にマゼンタ(M)のトナー像が一次転写ローラ12Tの作動により重畳転写される。以下、同様にしてシアン(C)、および黒(K)の各色のトナー像が順次重畳転写され、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト17の上に形成される。
【0022】
中間転写ベルト17上に形成されたフルカラーのトナー像が二次転写ローラ18の位置に到達するタイミングに合わせて、給紙部21の給紙トレイ21aから記録紙Pが給紙され、二次転写装置である二次転写ローラ18の作動により中間転写ベルト17上のフルカラーのトナー像が記録紙Pに転写される。この後、記録紙Pは定着装置22に搬送され、記録紙P上のトナー像は定着処理され、排紙ローラ23を経て排紙トレイ24に排出される。
【0023】
中間転写ベルト17の上には転写残トナーが残るが、次回の画像形成に支障をきたすので、中間転写ベルト17の表面はベルトクリーニング装置19により清掃され、転写残トナーが取り除かれる。
【0024】
給紙部21は、1個の給紙口に給紙トレイ21aが装着されている状態を示し、その他の給紙口や給紙トレイは図示を省略した。
【0025】
給紙トレイ21aには記録紙Pが収納されており、収納された記録紙の最上部の記録紙Pに給紙ローラ25が摩擦接触し、給紙ローラ25の回転により最上部の記録紙Pが給紙されるように構成されている。
【0026】
給紙ローラ25から給紙された記録紙Pは搬送ローラ26で搬送され、搬送経路を経てタイミングローラ27まで搬送されて一旦停止する。中間転写ベルト17上に形成されたフルカラーのトナー像が二次転写ローラ18の位置に到達するタイミングでタイミングローラ27が回転を開始し、前記したように中間転写ベルト17上のフルカラーのトナー像が記録紙Pに転写される。
【0027】
次に、記録紙の種類を識別する構成を説明する。ここで、記録紙の種類とは記録紙の厚みを指すものとし、記録紙の厚みには、普通紙、薄手紙、厚手紙の3種類があるものとする。
【0028】
図1において、給紙部21の搬送ローラ26とタイミングローラ27との間の記録紙搬送路には、第1の記録紙センサ31とファン33とが配置されている。
【0029】
図2及び図3は、記録紙Pの種類(記録紙の厚み)を識別する構成部材である記録紙センサ31とファン33との配置位置と、記録紙Pの搬送状態を説明する図で、図2は記録紙Pの厚みが厚い厚手紙の搬送状態を示し、図3は記録紙Pの厚みが薄い普通紙及び薄手紙の搬送状態を示している。
【0030】
図2に示すように、搬送路に沿って第1の記録紙センサ31とファン33とが配置されており、第1の記録紙センサ31には記録紙Pの表面に接触する接触子31aが備えられ、接触子31aは図示しないバネ部材で記録紙P側に向けて付勢されている。
【0031】
第1の記録紙センサ31は、搬送される記録紙Pに接触子31aが接触すると押圧されて接点がONとなるスイッチ型センサで、記録紙Pが厚手紙の場合は、記録紙Pの腰の強さにより接触子31aが記録紙Pの表面に接触すると接点がONとなるようにバネ部材の付勢力が調整されている。
【0032】
また、ファン33は搬送される記録紙Pに向けて空気を吹き付けるもので、接触子31aよりも記録紙搬送方向上流側に配置されており、記録紙Pの厚みが薄い普通紙及び薄手紙の場合は、吹き付けられた空気により記録紙Pが接触子31aから離れる方向に撓むように、空気吹付力が調整されている。
【0033】
以上の構成において、記録紙Pが厚手紙Paの場合には、図2で実線で示すように、ファン33の空気圧によっても撓むことがなく、或いは僅かに撓むにしても、第1の記録紙センサ31の接触子31aの接点はONとなり、記録紙Pが厚手紙Paであることが判定される。
【0034】
また、記録紙Pの厚みが通常の厚みの普通紙Pn或いは普通紙よりも薄い薄手紙Pbの場合には、図2で点線で示すように、ファン33の空気圧によって撓み、第1の記録紙センサ31の接触子31aの接点はOFFとなり、記録紙Pが普通紙Pn或いは薄手紙Pbであることが判定される。
【0035】
さらに、記録紙Pの厚みが通常の厚みの普通紙Pnとこれより薄い薄手紙Pbとを判別する必要があるときは、搬送される記録紙Pを挟んで反対側に第2の記録紙センサ32を配置し、普通紙Pnより薄い記録紙Pbだけが第2の記録紙センサ32の接触子32aに接触するように構成する。
【0036】
これにより、記録紙Pが普通紙Pnであれば、図3で1点鎖線で示すように、ファン33の空気圧によって撓み、第1の記録紙センサ31の接触子31aの接点はOFFとなるが、第2の記録紙センサ32の接触子32aの接点もOFFの状態が維持され、記録紙Pが普通紙Pnであることが判定される。そして、記録紙Pが薄手紙Pbであれば、図3で2点鎖線で示すように、ファン33の空気圧によって大きく撓み、第1の記録紙センサ31の接触子31aの接点はOFFとなるが、記録紙Pの撓みが大きいために第2の記録紙センサ32の接触子32aの接点がONとなり、記録紙Pが薄手紙Pbであることが判定される。
【実施例2】
【0037】
図4は、この発明を実施した実施例2の画像形成装置の構成を説明する図であって、作像ユニットが一個だけ備えられたモノクロ方式の画像形成装置40である。モノクロ方式の画像形成装置自体は公知の構成であるから、構成の概要だけを簡単に説明する。
【0038】
この画像形成装置40は、記録紙Pが水平方向に搬送され、記録紙Pは搬送路上で重力により下方向に撓み可能な構成のもので、作像ユニッ41には感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、及び感光体上の転写残トナーを清掃するクリーニング装置が配置されている。その構成はこの発明の主題ではないので、ここでは説明を省略する。
【0039】
また、画像形成装置40には、画像信号処理装置42、給紙部43が配置され、作像ユニット41の記録紙搬送方向下流側には、定着装置44、排紙ローラ45、排紙トレイ46が配置されている。
【0040】
給紙部43には記録紙Pが収納されており、収納された記録紙Pの最上部の記録紙Pに給紙ローラ47が摩擦接触し、給紙ローラ47の回転により最上部の記録紙Pが給紙されるように構成されている。
【0041】
画像形成装置40の動作を簡単に説明する。図示しないスキャナから出力された画像信号、或いはパソコン等から出力された画像信号が画像信号処理装置42に入力され、画像の編集処理が行われた後、処理済みの画像信号が作像ユニット41の露光装置に出力される。作像ユニット41の感光体41aには帯電装置により所定の電位に帯電され、帯電された感光体41a上に露光装置から画像信号が投射され、画像潜像が形成される。感光体41a上の画像潜像はトナーで現像されてトナー像が形成される。
【0042】
給紙ローラ47から給紙された記録紙Pは搬送ローラ48で搬送され、搬送経路を経てタイミングローラ49まで搬送されて一旦停止する。作像ユニッ41の感光体41a上に形成されたトナー像が転写ローラ50の位置に到達するタイミングに合わせてタイミングローラ49が回転を開始して記録紙Pの搬送が開始され、感光体41a上に形成されたトナー像は転写ローラ50の作用により記録紙P上に転写される。この後、トナー像が転写された記録紙Pは、定着装置44で定着処理され、排紙ローラ45を経て排紙トレイ46に排出される。
【0043】
次に、記録紙の種類を識別する構成を説明する。ここで、記録紙の種類とは記録紙の厚みを指すものとし、記録紙の厚みには、普通紙、薄手紙、厚手紙の3種類があるものとする。
【0044】
図4において、給紙部43の搬送ローラ48とタイミングローラ49との間には、記録紙搬送路に沿って、搬送路の上側に第1の記録紙センサ51が配置され、搬送路の下側には記録紙ガイド52が配置されている。図5は、記録紙Pの種類(記録紙の厚み)を識別する構成部材である記録紙センサ51の配置位置と記録紙Pの搬送状態を説明する図である。第1の記録紙センサ51には、記録紙Pの表面に接触する接触子51aが備えられている。
【0045】
第1の記録紙センサ51の接触子51aは図示しないバネ部材で付勢されており、記録紙Pが厚手紙Paの場合は記録紙Pの腰の強さにより接点がONとなり、記録紙Pが普通紙Pnや薄手紙Pbの場合は記録紙Pに接触子51aが接触せず、接点がOFFとなるようにバネ部材の力が調整されている。
【0046】
記録紙Pが給紙部43の給紙ローラ47により給紙され、搬送ローラ48で搬送され、記録紙Pの先端がタイミングローラ49のニップ部に当接し、記録紙Pの後部(或いは後端)が搬送ローラ48に挟まれた状態になると、記録紙Pが厚手紙Paの場合は、図5で実線で示すように、記録紙Pの中間部分(タイミングローラ49と搬送ローラ48の中間部分)は重力により下方向に僅かに撓むが、厚手紙Paの腰の強さにより、第1の記録紙センサ51の接触子51aは上向きに押圧されて接点がONとなり、記録紙Pが厚手紙Paであることが識別できる。
【0047】
記録紙Pが普通紙Pnや薄手紙Pbの場合は、図5で点線で示すように、腰の強さがないので、中間部分(タイミングローラ49と搬送ローラ48の中間部分)が重力で垂れ下がり、第1の記録紙センサ51の接触子51aの接点はONとならない。これにより、記録紙の種類が普通紙Pn又は薄手紙Pbであることが識別できる。
【0048】
さらに、記録紙の種類を普通紙Pnと薄手紙Pbとに識別する必要がある場合は、搬送路の下側の記録紙ガイド52に接触子53aを備えた第2の記録紙センサ53を設けるとよい。
【0049】
記録紙Pの先端がタイミングローラ49のニップ部に当接し、記録紙Pの後部(或いは後端)が搬送ローラ48に挟まれた状態になると、普通紙Pn又は薄手紙Pbの場合は、図6に示すように、記録紙Pの中間部分(タイミングローラ49と搬送ローラ48の中間部分)が重力で垂れ下がる。このとき、記録紙Pが記録紙センサ51の接触子51aから離れて接触子51aの接点はONとならず、また第2の記録紙センサ53の接触子53aの接点もONとならない場合は、普通紙Pnと識別される。
【0050】
そして、図6に示すように、記録紙Pの中間部分(タイミングローラ49と搬送ローラ48の中間部分)が記録紙ガイド52まで重力で垂れ下がり、記録紙センサ51の接触子51aの接点はONとならず、また第2の記録紙センサ53の接触子53aの接点がONとなったときは、薄手紙Pbと判定することができる。
【0051】
この発明の第1及び/又は第2の記録紙センサを備えた画像形成装置では、第1及び/又は第2の記録紙センサから出力された記録紙の厚みを識別する信号に基づいて、記録紙搬送速度、転写装置に印加する転写電圧、搬送ローラ一対の接触圧、定着装置の定着温度のいずれか1以上を調整する調整手段を備えることにより、記録紙の種類に応じた適切な作像条件で画像を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
使用される記録紙の種類を識別する構成を備え、記録紙の種類に応じた適切な作像条件で画像を形成することができる画像形成装置を提供する。
【符号の説明】
【0053】
10 フルカラー画像形成装置
11、12、13、14 作像ユニット
11T、12T、13T、14T 一次転写ローラ
15 駆動ローラ
16 従動ローラ
17 中間転写ベルト
18 二次転写ローラ
19 ベルトクリーニング装置
20 画像信号処理装置
21 給紙部
22 定着装置
23 排紙ローラ
24 排紙トレイ
25 給紙ローラ
26 搬送ローラ
27 タイミングローラ
31 記録紙センサ
31a 接触子
32 第2の記録紙センサ
32a 接触子
33 ファン
40 画像形成装置
41 作像ユニット
41a 感光体
42 画像信号処理装置
43 給紙部
44 定着装置
45 排紙ローラ
46 排紙トレイ
47 給紙ローラ
48 搬送ローラ
49 タイミングローラ
50 転写ローラ
51 記録紙センサ
51a 接触子
52 記録紙ガイド
53 第2の記録紙センサ
53a 接触子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも給紙部と画像形成部と前記給紙部から画像形成部に向けて記録紙を搬送する搬送路とを備えた画像形成装置において、
前記搬送路は、搬送ローラとタイミングローラとを備え、前記搬送ローラとタイミングローラとの中間に、搬送される記録紙の変位を検出する第1の記録紙センサと、搬送される記録紙に向けて空気を吹き付けるファンが配置され、
前記第1の記録紙センサは、前記ファンから吹き付けられる空気による記録紙の変位を検出して、記録紙の厚みを識別する信号を出力すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ファンから吹き付けられる空気の吹き付け力は、検出する記録紙の厚みに応じて調整可能であること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記搬送路には、更に搬送される記録紙を隔てて前記第1の記録紙センサと反対側に第2の記録紙センサを配置し、前記ファンから吹き付けられる空気による記録紙の変位を検出して記録紙の厚みを3種類に識別する信号を出力すること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
少なくとも給紙部と画像形成部と前記給紙部から画像形成部に向けて記録紙を搬送する搬送路とを備えた画像形成装置において、
前記搬送路は、一対の搬送ローラと一対のタイミングローラと、前記搬送ローラとタイミングローラとの中間に、搬送ガイドと搬送される記録紙の変位を検出する第1の記録紙センサとが配置され、
前記第1の記録紙センサは、前記搬送ローラとタイミングローラとの中間における記録紙の重力による記録紙の変位を検出して、記録紙の厚みを識別する信号を出力すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記搬送路には、更に前記搬送ガイド側に第2の記録紙センサを配置し、記録紙の重力による記録紙の変位を前記搬送ガイド側から検出して記録紙の厚みを3種類に識別する信号を出力すること
を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、前記第1及び/又は第2の記録紙センサから出力された記録紙の厚みを識別する信号に基づいて、記録紙搬送速度、転写装置に印加する転写電圧、搬送ローラ一対の接触圧、定着装置の定着温度のいずれか1以上を調整する調整手段を備えること
を特徴とする請求項1又は請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−173763(P2010−173763A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16323(P2009−16323)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】