説明

画像形成装置

【課題】現像器における現像剤の発熱の抑制及びトナー供給部におけるトナーの発熱の抑制を、簡易な構成で実現する画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体2dに形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器16dと、トナー収容容器に収容されたトナーを現像器16dに供給するトナー供給部と、トナー供給部の内部又は隣接する位置に第1流路を形成する第1流路形成部材とを備え、現像器16dは、トナー供給部により供給された現像剤が収容される現像剤収容室309dを内部に有する現像器ハウジング300dと、現像剤収容室309dに収容される現像剤を攪拌する攪拌部材311d、313dと、現像剤収容室309dに収容されるトナーを像担持体2dの表面に供給する現像ローラ320dと、現像剤収容室309dの内部又は隣接する位置に第1流路を流通した冷却エアが流通する第2流路335d、337dを形成する第2流路形成部材とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機、プリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機などの画像形成装置は、一般的に、表面に静電潜像が形成される像担持体(感光体ドラム)と、トナーを収容するトナー収容容器(トナーカートリッジ)と、像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、トナー収容容器に収容されたトナーを現像器に供給するトナー供給部(ホッパー)と、現像器により像担持体に形成されたトナー画像を用紙に転写する転写部と、転写部により用紙に転写されたトナー画像を用紙に定着させる定着部と、を備えて構成されている。
【0003】
現像器は、一般的に、トナー供給部により供給されたトナーを含む現像剤が収容される現像剤収容室を内部に有する現像器ハウジングと、現像剤収容室に収容される現像剤を攪拌する攪拌部材と、現像剤収容室に収容される現像剤におけるトナーを表面に担持させて表面にトナー層を形成し、トナー層を像担持体の表面に供給する現像ローラと、を備えて構成されている。ここで、「現像剤」には、トナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤と、トナーを主体とする一成分現像剤との両方が含まれる。
現像器は、現像ローラの表面に対向して配置され現像ローラの表面に現像剤を供給する磁気ローラや、現像ローラ又は磁気ローラの表面に対向して配置され現像ローラ又は磁気ローラの表面に担持される現像剤層の層厚を規制する層厚規制ブレードを備えることもある。
【0004】
このような現像器においては、攪拌部材による現像剤の攪拌などによって現像剤の温度が上昇すると現像剤の帯電性が劣化し、画像の濃度が低下する等の画像不良が発生しやすくなる。特に、現像剤がその融点以上に昇温すると、現像剤が溶融して現像ローラや層厚規制ブレードに融着し、現像ローラの表面におけるトナー層の層厚が不均一となって画像の濃度ムラや画像のスジ等の画像不良が発生すると共に、現像ローラ等の回転負荷が増大するという問題が発生する。
【0005】
前述の問題に対して、冷却エアが流通する流路を現像器に設け、この流路に冷却エアを流通させることで、現像器に収容された現像剤を冷却する技術が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−129562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術によれば、現像器の収容された現像剤については冷却することができる。
ところで、トナーを現像器に供給するトナー供給部は、一般的に、その下部の排出口からトナーを排出させるために排出スクリューなどを備えている。近年の画像形成プロセスの高速化に伴い、例えば、排出スクリューの回転速度の高速化する傾向があり、その結果、トナー供給部においてもトナーの発熱が問題となってきている。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、トナー供給部におけるトナーの発熱については考慮されていない。トナー供給部におけるトナーを冷却するためにファンを設置すること等も考えられるが、ファンを設置した場合、近年の省電力化の情勢に反し、好ましくない。
【0009】
従って、本発明は、現像器における現像剤の発熱の抑制及びトナーを現像器に供給するトナー供給部におけるトナーの発熱の抑制を、簡易な構成で実現することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、トナーを収容するトナー収容容器と、前記像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、前記トナー収容容器に収容されたトナーを前記現像器に供給するトナー供給部と、前記トナー供給部の内部又は前記トナー供給部に隣接する位置に冷却エアが流通する第1流路を形成する第1流路形成部材と、を備え、前記現像器は、前記トナー供給部により供給されたトナーを含む現像剤が収容される現像剤収容室を内部に有する現像器ハウジングと、前記現像剤収容室に収容される前記現像剤を攪拌する攪拌部材と、前記現像剤収容室に収容される前記現像剤におけるトナーを前記像担持体の表面に供給する現像ローラと、前記現像剤収容室の内部又は前記現像剤収容室に隣接する位置に前記第1流路を流通した前記冷却エアが流通する第2流路を形成する第2流路形成部材と、を備える画像形成装置に関する。
【0011】
また、前記第1流路形成部材と前記第2流路形成部材とは分離可能に構成されていることが好ましい。
【0012】
また、前記第1流路は1本設けられ、前記第2流路は複数本設けられており、1本の前記第1流路と複数本の前記第2流路とを互いに連通させた状態で前記第1流路形成部材と前記第2流路形成部材とを接続する流路接続部材を更に備えることが好ましい。
【0013】
また、前記第2流路は、前記攪拌部材の近傍に位置することが好ましい。
【0014】
また、前記第2流路は、前記現像ローラの軸方向に沿う前記現像器ハウジングの全長に亘って直線状に延びていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、現像器における現像剤の発熱の抑制及びトナーを現像器に供給するトナー供給部におけるトナーの発熱の抑制を、簡易な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態のカラーコピー機1における各構成要素の配置を説明するための正面図である。
【図2】現像器16a、16b、16c、16d及びトナー供給部6a、6b、6c、6dの冷却に関する主な構成の分解斜視図である。
【図3】現像器16dの外観を示す斜視図である。
【図4】現像器16dの内部をトナー供給部6d側から視た断面図である。
【図5】現像器16dの背面図である。
【図6】ホッパーホルダ410を前側から示す斜視図である。
【図7】ホッパーホルダ410を後側から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
まず、図1により、本実施形態の画像形成装置としてのカラーコピー機1における全体構造を説明する。図1は、本実施形態のカラーコピー機1における各構成要素の配置を説明するための正面図である。本実施形態において、後述する手差しトレイ65が配置された側(図1における右側)をカラーコピー機1の右側とする。
【0018】
画像形成装置としてのカラーコピー機1は、上方側に配置され所定の原稿を送り出す原稿送り部70と、原稿送り部70により送り出された原稿に形成された画像を読み込む画像読み込み部71と、下方側に配置され画像読み込み部71からの画像情報に基づいて、シート状の被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
【0019】
装置本体Mは、像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナー収容容器としてのトナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング装置11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8を含む中間転写ユニット200と、定着部9と、を備える。
【0020】
また、装置本体Mは、該装置本体Mの下方側に引き出し可能に配置され用紙Tが積層された状態で収納される給紙カセット52を備える。装置本体Mは、給紙カセット52から送り出された用紙Tが搬送される搬送路54を備える。
【0021】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dは、円筒形状の部材である。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、図1に対して垂直な回転軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成される。
【0022】
帯電部10a、10b、10c、10dは、正帯電用の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの上方に配置される。帯電部10a、10b、10c、10dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に正(プラス極性)又は負(マイナス極性)に帯電させる。
【0023】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの上方に感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれから離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
【0024】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、画像読み込み部71により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に帯電した電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0025】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの側方(図1において左側)に配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、各色のトナー画像を現像する(感光体ドラムの表面にトナー画像を形成する)。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つのトナー色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに対向配置が可能な現像ローラと、トナー攪拌用の攪拌部材とを有して構成される。現像器16a、16b、16c、16dの詳細については後述する。
【0026】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0027】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dの詳細については後述する。
【0028】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに現像された各色のトナー画像が順次転写される。中間転写ベルト7は、駆動ローラ35とテンションローラ36との間に掛け渡されて配置される。テンションローラ36がバネ38によって駆動ローラ35から離れる側に付勢されているので、中間転写ベルト7には、所定の張力が与えられる。
【0029】
中間転写ベルト7における感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
【0030】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより、中間転写ベルト7における所定部分が挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。このようにして1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成され、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像が中間転写ベルト7に順次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0031】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の電圧印加手段により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0032】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の電圧印加手段により、中間転写ベルト7のトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0033】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して接離される。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に移動され、他の場合には離間位置に移動される。ここで、2次転写ローラ8における接離動作は中間転写ユニット200全体が回動移動されることによりなされる。
【0034】
2次転写ローラ8は、中間転写ユニット200に含まれる。中間転写ユニット200は、2次転写ローラ8を収容すると共に該2次転写ローラ8を回転可能に軸支するハウジング201と、ハウジング201の側面に配置される回転駆動ギア210と、2次転写ローラ8の回転軸方向であってハウジング201の側面に配置されるローラ側ギア220と、回転駆動ギア210とローラ側ギア220とに当接して配置されるアイドルギア230とを備える。中間転写ユニット200は、不図示の接離手段により、不図示の回転軸を中心として2次転写ローラ8が中間転写ベルト7に当接可能な位置と、中間転写ベルト7に当接しない位置とに回動移動される。
【0035】
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8に対向する側には、対向ローラ108が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対向ローラ108とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の表面(画像が1次転写された側)に押し当てられる。このようにして2次転写ニップN2が形成され、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像が用紙Tに2次転写される。
【0036】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを溶融し、トナーを用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱ローラ9aと、加熱ローラ9aに圧接される加圧ローラ9bと、を備える。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟持するようにして搬送する。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとの間に挟持されるように搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融し、用紙Tに定着される。
【0037】
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれに対して感光体ドラム2a、2b、2c、2dの回転方向の下流側に且つドラムクリーニング装置11a、11b、11c、11dそれぞれに対して感光体ドラム2a、2b、2c、2dの回転方向の上流側に、配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0038】
ドラムクリーニング装置11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの側方(図1において右側)に配置される。ドラムクリーニング装置11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナーを所定の回収機構(図示せず)へ搬送させて、回収させる。
【0039】
2次転写ローラ8とテンションローラ36との間には、中間転写ベルト7を清掃するためのベルトクリーニング装置40が配置される。ベルトクリーニング装置40は、中間転写ベルト7の表面に摺接されるクリーニングブラシ41と、クリーニングブラシ41と接触するように配置されたクリーニングローラ42と、先端がクリーニングローラ42の表面に接触するように配置されるブレード43と、ブレード43の下方に配置された回収スパイラル44と、を備える。
【0040】
装置本体Mにおける下方側には、用紙Tを収容する給紙カセット52が水平方向に引き出し可能に配置される。給紙カセット52には、用紙Tが積層された状態で収容される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52の用紙送り出し側端部(図1における右側端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路54に送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路54に送り出すための給紙ローラ対63からなる重送防止機構を備える。
【0041】
カセット給紙部51と排紙部50との間には、用紙Tを搬送する搬送路54が形成される。搬送路54は、カセット給紙部51から2次転写ローラ8までの第1搬送路55と、2次転写ローラ8から定着部9までの第2搬送路56と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路57とを有する。また、定着部9の出口には、分岐爪58が設けられており、この分岐爪58と第1搬送路55における後述する湾曲路55aとの間には、用紙Tを第1搬送路55に戻すための戻し搬送路59が形成される。
【0042】
第1搬送路55は、給紙カセット52から送り出された用紙Tを上方に搬送しつつ搬送方向を図1における左方向にするための湾曲路55aと、湾曲路55aから2次転写ローラ8までの直線路55bとを有する。第1搬送路55には、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対が配置される。また、第1搬送路55には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正やトナー画像とのタイミングを合わせるためのレジストローラ対80が配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0043】
第2搬送路56は、定着部9側に向かって下方側に傾いた直線状の搬送路である。第2搬送路56には、用紙Tを載置した状態で搬送する搬送ベルト156が配置される。また、第2搬送路56における所定位置には、用紙Tを検出するためのセンサが配置される。
【0044】
第3搬送路57は、定着部9の出口から図1における左斜め上方に向かうように形成される。第3搬送路57は、分岐爪58の搬送方向下流側に位置し上方へ向かって形成される縦搬送路57aを有して構成される。第3搬送路57により搬送される用紙Tは、分岐爪58の上面側を通過した後、ほぼ垂直上方に向かって搬送されて排紙部50から装置本体Mの外部に排出される。第3搬送路57は、他の搬送路と同様に、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対を有して構成される。
【0045】
戻し搬送路59は、分岐爪58から第3搬送路57とは反対側の下方に分岐し、定着部9、第2搬送路56、2次転写ローラ8及びレジストローラ対80の下方を通り、更に上方に向かうよう形成される。戻し搬送路59は、第1搬送路55における湾曲路55aに合流するように形成される。戻し搬送路59は、定着部9を通過した用紙Tを、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に戻すための搬送路である。戻し搬送路59は、用紙Tの両面にトナー画像(文字等を含む)を印刷(印字)する、いわゆる両面印刷(印字)をする場合に用いられる搬送路である。用紙Tは、例えば、反転ローラ160により表裏が反転された状態で戻し搬送路59を介して第1搬送路55に戻される。戻し搬送路59は、他の搬送路と同様に、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対を有して構成されると共に、所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
【0046】
装置本体Mの図1における右側面であって給紙カセット52の上方には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において側壁を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、下端が第1搬送路55の湾曲路55aの近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。手差し給紙部64は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを第1搬送路55の湾曲路55aに給紙する。
【0047】
次に、本実施形態のカラーコピー機1における、現像器16a、16b、16c、16d及びトナー供給部6a、6b、6c、6dを冷却エアで冷却する構成について詳細に説明する。図2は、現像器16a、16b、16c、16d及びトナー供給部6a、6b、6c、6dの冷却に関する主な構成の分解斜視図である。
【0048】
図2に示すように、現像器16a、16b、16c、16dの前側には、トナー供給部6a、6b、6c、6dが配置されている。現像器16a、16b、16c、16dの背側には、4個の現像器16a、16b、16c、16dに跨るように、ダクトフレーム450が配置されている。つまり、現像器16a、16b、16c、16dは、トナー供給部6a、6b、6c、6dとダクトフレーム450とに挟まれた状態となっている。
【0049】
次に、現像器16a、16b、16c、16dについて詳述する。4個の現像器16a、16b、16c、16dは、ほぼ同一の構造を有している。そのため、代表して現像器16dについて説明し、説明の必要がある場合を除き、他の現像器16a、16b、16cについては説明を省略する。現像器16dについての説明は、符号の末尾の「d」を「a」、「b」又は「c」に置き換えた形で、他の現像器16a、16b、16cにも適用される。図3は、現像器16dの外観を示す斜視図である。図4は、現像器16dの内部をトナー供給部6d側から視た断面図である。図5は、現像器16dの背面図である。
【0050】
図3から図5に示すように、現像器16dは、現像器ハウジング300d及びトナーノズル301dを有して構成される。現像器ハウジング300dは、トナーを含む現像剤が収容される現像剤収容室309dを内部に有する。トナーは、トナー供給部6dによりトナーノズル301dを介して現像剤収容室309dに供給される。
【0051】
現像器ハウジング300dは、前面303d、背面305d及び筒部307dを有する。現像器ハウジング300dは、前面303dから背面305dに亘って延びる箱状体であり、この延びる方向を現像器ハウジング300dの長手方向(現像器16dの長手方向)とする。
前面303dは、トナー供給部6d側の面である。背面305dは、前面303dとは反対側の面である。筒部307dは、前面303dと背面305dとの間を長手方向に沿って延びる筒状体である。
【0052】
トナーノズル301dは、現像器ハウジング300dの前面303dから突出している。トナーノズル301dの先端部には、トナー供給部6dから排出されたトナーが導入されるトナー受け口302dが開口している。トナーノズル301dの内部には、搬送スクリュー(図示せず)が設けられている。
【0053】
現像器ハウジング300dの内部には、現像剤が収容される現像剤収容室309dが設けられている。トナー受け口302dからトナーノズル301dの内部に導入されたトナーは、前記搬送スクリューの回転によって、現像器ハウジング300dの現像剤収容室309dに搬送される。本実施形態においては、現像剤として、磁性体であるキャリアと非磁性体であるトナーとが混合された二成分現像剤が用いられる。
【0054】
現像剤収容室309dの内部には、第1攪拌部材311d、第2攪拌部材313d、磁気ローラ315d、層厚規制ブレード317d及び現像ローラ320dが配置されている。第1攪拌部材311d、第2攪拌部材313d、磁気ローラ315d及び現像ローラ320dは、その軸方向がいずれも現像器ハウジング300dの長手方向に延びており、その状態で現像剤収容室309dに設けられている。層厚規制ブレード317dは、現像器ハウジング300dの長手方向に延びており、その状態で現像剤収容室309dに設けられている。
【0055】
第1攪拌部材311d及び第2攪拌部材313dは、二成分現像剤を攪拌する部材であり、現像器ハウジング300dの長手方向と直交する水平方向に並んで配列している。
磁気ローラ315dは、第2攪拌部材313dと現像ローラ320dとの水平方向の間で且つ斜め上方の位置に配置されている。磁気ローラ315dの内部には、図示しないマグネットローラが備えられている。このマグネットローラの磁力によって、磁気ローラ315dの外周面に現像剤を保持することにより、現像剤層が形成される。
層厚規制ブレード317dは、その先端が磁気ローラ315dの外周面に近接した状態で配置される。層厚規制ブレード317dは、磁気ローラ315dの外周面に形成される現像剤層の厚さを規制する。
【0056】
現像ローラ320dは、現像剤におけるトナーを表面に担持させて表面にトナー層を形成し、このトナー層を感光体ドラム2dの表面に供給するローラである。現像ローラ320dは、磁気ローラ315dと感光体ドラム2dとの間に位置するように配置される。現像ローラ320dは、磁気ローラ315d及び感光体ドラム2dと所定間隔をあけて配置される。磁気ローラ315dの外周面に形成された現像剤層は、磁気ローラ315dと現像ローラ320dとの電位差によって現像ローラ320dの外周面に移動する。現像剤収容室309dにおける現像ローラ320dが配置される部分には、開口部321dが設けられている。現像ローラ320dの外周面に形成された現像剤層は、開口部321dを介して感光体ドラム2dに移動する。これにより、感光体ドラム2dに形成された静電潜像をトナーによって現像することができる。
【0057】
図3に示すように、現像器ハウジング300dの前面303dには、下側エア口331d及び上側エア口333dが形成されている。下側エア口331dは、ホッパーホルダ410に設けられた下側エアノズル425d(詳細は後述)に対応している。上側エア口333dは、ホッパーホルダ410に設けられた上側エアノズル427d(詳細は後述)に対応している。
【0058】
図4に示すように、現像器ハウジング300dの内部には、下側エア通路335d及び上側エア通路337dが、現像剤収容室309dに隣接して形成されている。ここで、「隣接」とは、外部であるが、冷却エアによる冷却効果が十分に奏される程度しか離れていないことをいう。トナー供給部6dに対する「隣接」の意味も同様の意味である。
【0059】
下側エア通路335dは、下側エア口331dに連通する。上側エア通路337dは、上側エア口333dに連通する。下側エア通路335d及び上側エア通路337dは、いずれも直線状であり、現像器ハウジング300dをその長手方向全長に亘って直線状に延びている。下側エア通路335dは、第2攪拌部材313dの近傍の下側に配置されている。そのため、下側エア通路335dを流通する冷却エアにより、第2攪拌部材313dで攪拌される現像剤を、特に冷却することができる。
【0060】
下側エア通路335dの後端部(冷却エアの流通方向下流側の端部)には、下側エア吐出口339dが形成されている。上側エア通路337dの後端部には、上側エア吐出口341dが形成されている。図5に示すように、下側エア吐出口339d及び上側エア吐出口341dは、いずれも現像器ハウジング300aの背面305dに形成される。
【0061】
下側エア口331d、下側エア通路335d及び下側エア吐出口339dから1本目の「第2流路」が形成される。1本目の「第2流路」には、ホッパーホルダ410の下側エアノズル425dから、「第1流路」を流通した冷却エアが供給されて、冷却エアが流通する(詳細は後述)。上側エア口333d、上側エア通路337d及び上側エア吐出口341dから、2本目の「第2流路」が形成される。2本目の「第2流路」には、ホッパーホルダ410の上側エアノズル427dから、「第1流路」を流通した冷却エアが供給されて、冷却エアが流通する(詳細は後述)。このように、本実施形態においては、下側エア口331d、下側エア通路335d及び下側エア吐出口339dは、1本目の「第2流路」を形成する部材であるから、1個目の「第2流路形成部材」に該当する。上側エア口333d、上側エア通路337d及び上側エア吐出口341dは、2本目の「第2流路」を形成する部材であるから、2個目の「第2流路形成部材」に該当する。
【0062】
次に、トナー供給部6a、6b、6c、6dについて詳述する。4個のトナー供給部6a、6b、6c、6dは、ほぼ同一の構造を有している。そのため、代表してトナー供給部6dについて説明し、説明の必要がある場合を除き、他のトナー供給部6a、6b、6cについては説明を省略する。トナー供給部6dについての説明は、符号の末尾の「d」を「a」、「b」又は「c」に置き換えた形で、他のトナー供給部6a、6b、6cにも適用される。図6は、ホッパーホルダ410を前側から示す斜視図である。図7は、ホッパーホルダ410を後側から示す斜視図である。
【0063】
図2に示すように、トナー供給部6a、6b、6c、6dは、それぞれホッパー400a、400b、400c、400dを備えている。ホッパー400a、400b、400c、400dの上部には、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d(図1参照)それぞれから各色のトナーが供給されるトナー口401a、401b、401c、401dがそれぞれ設けられている。ホッパー400a、400b、400c、400dは、一体的に形成されている。一体的に形成されたホッパー400a、400b、400c、400dは、上面が開放されたボックス形状に形成されたホッパーホルダ410に、この上面から嵌め込まれることにより保持される。4個のトナー供給部6a、6b、6c、6d(ホッパー400a、400b、400c、400dを含む)及びホッパーホルダ410から、一体的なトナー供給部ユニット6が構成されている。
【0064】
ホッパーホルダ410の後壁(現像器16d側の壁)412には、トナーノズル301dが挿入されるノズル挿入穴411dが貫通して設けられている。トナー供給部6dにおけるトナーノズル301dは、ノズル挿入穴411dに挿入された状態で、ホッパー400dに下方に配置される。これにより、トナー口401dに供給されたトナーは、トナー受け口302dを介してトナーノズル301dの内部に落下することができる。
【0065】
図6及び図7に示すように、ホッパーホルダ410の前壁(現像器16dとは反対側の壁)413には、ホッパー400dに対応する位置に、エア口415dが開口されている。エア口415dは、トナー供給部ユニット6(ホッパーホルダ410)の内側に供給される口となる。冷却エアは、後述するように、吸引ファン463により発生する吸引力により、冷却エアがトナー供給部ユニット6(ホッパーホルダ410)の内側に向かって流通することになる。
【0066】
ホッパーホルダ410の後壁(現像器16d側の壁)412には、ホッパー400dに対応する位置に、エア穴416dが開口されている。エア口415dとエア穴416dとは連通している。エア穴416dの後ろ側(冷却エアの流通方向下流側)には、背面カバー417dが配置される。
【0067】
背面カバー417dには、複数の鈎状フック418dが設けられている。ホッパーホルダ410の後壁412には、複数のフック溝419dが設けられている。
背面カバー417dは、エア穴416dに対応するように、ホッパーホルダ410の後壁412の外面側に取り付けられる。後壁412への背面カバー417dの取り付けは、背面カバー417dに設けられる鈎状フック418dと、後壁412に設けられたフック溝419dとを係合させることにより行うことができる。
【0068】
図6に示すように、背面カバー417dにおける後壁412との対向部分には、後壁412から離れるように窪んだ窪み部420dが形成されている。窪み部420dには、上方に向かって延びる窪み溝部421dが連通している。
【0069】
窪み部420dの下部には、下側エアノズル425dが設けられている。窪み溝部421dには、上側エアノズル427dが設けられている。図7に示すように、下側エアノズル425d及び上側エアノズル427dは、背面カバー417dから後側(現像器16d側)に延びている。
【0070】
図2に示すように、トナーノズル301a、301b、301c、301dを、それぞれホッパーホルダ410のノズル挿入穴411a、411b、411c、411dに挿入して、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれとトナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれとを組み付ける。そして、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれの下側エア口331a、331b、331c、331d(図3参照)は、ホッパーホルダ410の下側エアノズル425a、425b、425c、425d(図7参照)とそれぞれ接続される。上側エア口333a、333b、333c、333d(図3参照)は、それぞれ上側エアノズル427a、427b、427c、427d(図7参照)と接続される。
【0071】
エア口415d、エア穴416d及びホッパーホルダ410の底板は、冷却エアがトナー供給部6dに隣接する位置を流通する「第1流路」を形成するものであり、これらの部材は、「第1流路形成部材」を構成する。
また、背面カバー417d及びホッパーホルダ410の後壁412は、「第1流路」と1本目の「第2流路」と2本目の「第2流路」とを互いに連通させた状態で「第1流路形成部材」と「第2流路形成部材」とを接続するものであり、これらの部材は、「流路接続部材」を構成する。「流路接続部材」は、換言すると、1本の「第1流路」を2本の「第2流路」に分岐させる部材である。「第1流路形成部材」と「第2流路形成部材」とは、「流路接続部材」を介して分離可能に構成されている。
【0072】
次に、ダクトフレーム450について詳述する。図2に示すように、ダクトフレーム450は、フレーム部451とダクト部453と吸引ファン463とを主体として構成されており、全体としてL字形に形成されている。
フレーム部451は、4個の現像器16a〜16dを横方向に合わせた長さとほぼ同じ長さを有している。
【0073】
ダクト部453は、フレーム部451の下縁部に沿って横方向に延びる下側ダクト部453aと、フレーム部451の上縁部に沿って横方向に延びる上側ダクト部453bと、フレーム部451における横方向の一端部(現像器16d側の端部)から下向きに延びる上下方向ダクト部453cと、を備える。フレーム部451における横方向の一端部において、上下方向ダクト部453cに、下側ダクト部453a及び上側ダクト部453bが合流する。
【0074】
下側ダクト部453aには、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれの下側エア吐出口339a、339b、339c、339dに嵌め込まれる下側ダクトノズル455a、455b、455c、455dが連通している。また、上側ダクト部453bには、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれの上側エア吐出口341a、341b、341c、341dに嵌め込まれる上側ダクトノズル457a、457b、457c、457dが連通している。
【0075】
上下方向ダクト部453cの終端部(下端部)には、吸引ファン463が設けられており、吸引ファン463の回転によって、冷却エアがダクト口465から排出されるようになっている。
【0076】
次に、本実施形態のカラーコピー機1の基本動作について簡単に説明する。
原稿送り部70から送り出された原稿は、画像読み込み部71により画像が読み込まれる。読み込まれた画像における画像情報は、装置本体Mに入力される。
【0077】
装置本体Mに入力された画像情報は、不図示の画像形成制御部に入力される。画像形成制御部は、画像情報に基づいて、画像形成部を構成する像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2d、帯電部10a、10b、10c、10d、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4d、現像器16a、16b、16c、16d等を制御する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dには、画像情報に基づいて、所定のトナー画像が形成される(図1参照)。
【0078】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成されたトナー画像は、中間転写ベルト7を介して、2次転写ニップN2において、用紙Tに2次転写される。トナー画像を構成するトナーは、定着部9により定着される。トナーが定着された用紙Tは、排紙部50から筐体M1の外部に排出される(図1参照)。
【0079】
次に、本実施形態において、冷却エアが「第1流路」及び「第2流路」を流通することによって、トナー供給部6d及び現像器16dが冷却される過程について説明する。
吸引ファン463が回転駆動されると、ダクト部453、「第2流路」及び「第1流路」に亘って、吸引力が生じる。図6及び図7に示すように、この吸引力により、冷却エアAは、「第1流路」の入口であるエア口415dから、ホッパーホルダ410の内側に流入する。流入した冷却エアAは、ホッパーホルダ410の内側の空間を流通して、「第1流路」の出口であるエア穴416dを介して、「流路接続部材」を構成する背面カバー417dに達する。このように冷却エアAがホッパーホルダ410の内側の空間を流通することにより、ホッパーホルダ410の内側の空間に位置するトナー供給部6dの内部をトナー供給部6dの外部から冷却することができる。特に、トナー供給部6dにおける最大の発熱源である搬送スクリュー(図示せず)を冷却することができる。
【0080】
冷却エアAは、背面カバー417dに達すると、下側エアノズル425dに向かう流れと上側エアノズル427dに向かう流れとに分岐する。下側エアノズル425dに向かって分岐した冷却エアAは、現像器ハウジング300dの前面303dの下側エア口331dから下側エア通路335dを流通する。また、上側エアノズル427dに向かって分岐した冷却エアAは、現像器ハウジング300dの前面303dの上側エア口333dから上側エア口333dを流通する。このように冷却エアAが現像器ハウジング330dの内部を流通することにより、現像剤収容室309dの収容された現像剤を冷却することができる。
【0081】
下側エア通路335dを流通した冷却エアAは、1本目の「第2流路」の出口である下側エア吐出口339dから、図2に示すように、ダクト部453における下側ダクト部453a及び上下方向ダクト部453cを流通し、ダクト口465から排出される。また、上側エア通路337dを流通した冷却エアは、2本目の「第2流路」の出口である上側エア吐出口341dから、図2に示すように、ダクト部453における上側ダクト部453b及び上下方向ダクト部453cを流通し、ダクト口465から排出される。
【0082】
以上の構成を有する本実施形態のカラーコピー機1によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態においては、トナー供給部6dに隣接する位置に冷却エアが流通する「第1流路」を形成し、現像剤収容室309dに隣接する位置に、「第1流路」を流通した冷却エアが流通する「第2流路」を形成している。そのため、現像器16dにおける現像剤の発熱の抑制及びトナー供給部6dにおけるトナーの発熱の抑制を、簡易な構成で実現することができる。
【0083】
本実施形態においては、トナー供給部6d自体の構造、トナー供給部6dの周辺部分の構成などの制約から、トナー供給部6dの内部及びトナー供給部6dに隣接する位置(ホッパーホルダ410の内側の空間)には、十分なスペースを確保することができないが、トナー供給部6dにおける発熱量は、現像器16dにおける発熱量よりも少ない。
一方、現像器16dにおける発熱量は、トナー供給部6dにおける発熱量よりも多いが、現像器16dの内部には、トナー供給部6dの内部及びトナー供給部6dに隣接する位置と比べると、スペースを確保することができる。
【0084】
そこで、本実施形態においては、スペースを確保できないが発熱量は少ないトナー供給部6dに隣接する位置に「第1流路」を1本形成し、発熱量は多いがスペースを確保できる現像器16dの内部に「第2流路」が2本形成している。これにより、トナー供給部6d及び現像器16dを、確保できるスペースの大きさや発熱量に応じてバランスよく冷却することができる。
【0085】
本実施形態においては、1本の「第1流路」と2本の「第2流路」とを互い流通させる「流路接続部材」を、ホッパーホルダ410の後壁412と背面カバー417dとを主体として構成している。そのため、簡単な構成で複数本の「第2流路」を形成することができる。
【0086】
本実施形態においては、一方の「第2流路」を形成する下側エア通路335dが第1攪拌部材311d及び第2攪拌部材313dの近傍に配置されているため、最も発熱しやすい第1攪拌部材311d及び第2攪拌部材313dの近傍に位置する現像剤を効率的に冷却することができる。
【0087】
本実施形態においては、「第2流路」を形成する下側エア通路335d及び上側エア通路337dが現像器ハウジング300dの全長に亘って直線状に延びているため、現像器ハウジング300dを効率的に冷却することができる。
【0088】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、本実施形態では、「第1流路」をトナー供給部6dに隣接する位置に配置し、「第2流路」を現像剤収容室309dに隣接する位置に配置しているが、これに制限されない。「第1流路」をトナー供給部6dの内部に配置することができ、また、「第2流路」を現像剤収容室309dの内部に配置することができる。
1個のトナー供給部あたりの「第1流路」の個数及び1個の現像器あたりの「第2流路」の個数は、特に制限されない。
【0089】
また、本実施形態では、現像剤として、二成分現像剤を用いたが、一成分現像剤を用いることができる。一成分現像剤を用いる場合には、磁気ローラ315aは一般的に不要となる。
前記実施形態においては、中間転写ベルト7を介して被転写材(用紙T)にトナー画像の転写を行っている(間接転写方式)が、これに制限されず、中間転写ベルト7を介さずに被転写材(用紙T)に直接、トナー画像の転写を行うこともできる(直接転写方式)。
本実施形態において、画像形成装置としてカラーコピー機1について説明しているが、これに限定されず、本発明は、モノクロコピー機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1……画像形成装置(カラーコピー機)、2a,2b,2c,2d……像担持体(感光体ドラム)、5a,5b,5c,5d……トナーカートリッジ(トナー収容容器)、6a,6b,6c,6d……トナー供給部、16a,16b,16c,16d……現像器、300d……現像器ハウジング、309d……現像剤収容室、311d……第1攪拌部材(攪拌部材)、313d……第2攪拌部材(攪拌部材)、320d……現像ローラ、331d……下側エア口(第2流路形成部材)、333d……上側エア口(第2流路形成部材)、335d……下側エア通路(第2流路形成部材)、337d……上側エア通路(第2流路形成部材)、339d……下側エア吐出口(第2流路形成部材)、341d……上側エア吐出口(第2流路形成部材)、400d……ホッパー、410……ホッパーホルダ(第1流路形成部材、(流路接続部材))、415d……エア口(第1流路形成部材)、416d……エア穴(第1流路形成部材)、417d……背面カバー(流路接続部材)、425d……下側エアノズル、427d……上側エアノズル、A……冷却エア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に静電潜像が形成される像担持体と、
トナーを収容するトナー収容容器と、
前記像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、
前記トナー収容容器に収容されたトナーを前記現像器に供給するトナー供給部と、
前記トナー供給部の内部又は前記トナー供給部に隣接する位置に冷却エアが流通する第1流路を形成する第1流路形成部材と、を備え、
前記現像器は、
前記トナー供給部により供給されたトナーを含む現像剤が収容される現像剤収容室を内部に有する現像器ハウジングと、
前記現像剤収容室に収容される前記現像剤を攪拌する攪拌部材と、
前記現像剤収容室に収容される前記現像剤におけるトナーを前記像担持体の表面に供給する現像ローラと、
前記現像剤収容室の内部又は前記現像剤収容室に隣接する位置に前記第1流路を流通した前記冷却エアが流通する第2流路を形成する第2流路形成部材と、を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記第1流路形成部材と前記第2流路形成部材とは分離可能に構成されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1流路は1本設けられ、前記第2流路は複数本設けられており、
1本の前記第1流路と複数本の前記第2流路とを互いに連通させた状態で前記第1流路形成部材と前記第2流路形成部材とを接続する流路接続部材を更に備える請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2流路は、前記攪拌部材の近傍に位置する請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2流路は、前記現像ローラの軸方向に沿う前記現像器ハウジングの全長に亘って直線状に延びている請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−175891(P2010−175891A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19249(P2009−19249)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】