画像形成装置
【課題】作業性を低下させることなく、高い画像品質を維持することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 各検出センサは、Y軸方向に沿って等間隔で一列に配置され、転写ベルト2040に向けて光束を射出する5つの光源(E1〜E5)、各光源から射出された光束を集光する5つの照明用集光レンズ(LE1〜LE5)、及び転写ベルト2040で反射された光束を受光する5つの受光部を有している。プリンタ制御装置は、トナー濃度検出処理を行う際に、フレア光による光スポットの少なくとも1つと検出用光による光スポットとがトナーパターンを照明するようにトナーパターンの大きさ及び位置を指示する。
【解決手段】 各検出センサは、Y軸方向に沿って等間隔で一列に配置され、転写ベルト2040に向けて光束を射出する5つの光源(E1〜E5)、各光源から射出された光束を集光する5つの照明用集光レンズ(LE1〜LE5)、及び転写ベルト2040で反射された光束を受光する5つの受光部を有している。プリンタ制御装置は、トナー濃度検出処理を行う際に、フレア光による光スポットの少なくとも1つと検出用光による光スポットとがトナーパターンを照明するようにトナーパターンの大きさ及び位置を指示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、更に詳しくは、トナーによって画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーによって画像を形成する画像形成装置としては、複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ装置、マルチファンクションプリンタ(MFP)等が広く知られている。このような画像形成装置では、一般的には、感光性を有するドラムの表面に静電潜像を形成し、該静電潜像にトナーを付着させることによっていわゆる現像を行い、「トナー画像」を得ている。
【0003】
ところで、良好なトナー画像を得るためには、静電潜像の現像に供されるトナー量が適正でなければならない。現像方式には「トナーとキャリアを含む2成分系の現像剤」を用いる方式や、トナーのみで構成された現像剤を用いるモノトナー現像方式等、種々の方式が知られている。なお、静電潜像が現像される現像部へ供給されるトナー量は、「トナー濃度」とも呼ばれている。
【0004】
トナー濃度が低すぎると、静電潜像に十分な量のトナーが供給されず、画像形成装置から出力される画像(出力画像)は濃度の不十分な画像となってしまう。一方、トナー濃度が高すぎると、出力画像における濃度分布が「高濃度側」に偏り、見づらい画像となってしまう。このように、良好な出力画像を得るためには、トナー濃度が適正な範囲内になければならない。
【0005】
そこで、トナー濃度を適正な範囲内に制御するため、トナー濃度検出用のパターン(トナーパターン)を形成し、該トナーパターンに光(検出用光)を照射し、反射光の光量変化を検出する方法が広く行われている(例えば、特許文献1〜6参照)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、像担持体と;前記像担持体に対して画像情報に応じて変調された光束を主走査方向に走査し、潜像を形成する光走査装置と;前記潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する現像装置と;前記トナー画像を媒体に転写する転写装置と;主走査方向に関して等間隔に配置され、前記媒体に向けて光束を射出する少なくとも3つの光源、各光源から射出された光束を集光する射出光学系、及び主走査方向に関して等間隔に配置され、各光源から射出され前記媒体で反射された光束を受光する少なくとも3つの受光器を含み、前記媒体上に形成された検出用パターンの濃度を検出するための濃度検出センサと;前記濃度検出センサの各光源を制御するとともに、前記光走査装置に前記検出用パターンの作成を指示する制御装置と;を備え、前記少なくとも3つの光源のうちのいずれかを発光させたときに、前記媒体上に1つの検出用光スポットと少なくとも1つのフレア光による光スポットとが形成され、前記制御装置は、前記フレア光による光スポットの少なくとも1つと前記検出用光スポットとが前記検出用パターン上に位置するように前記検出用パターンの大きさ及び個数の少なくともいずれかを指示することを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
これによれば、作業性を低下させることなく、高い画像品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を説明するための図である。
【図2】光走査装置の概略構成を説明するための図(その1)である。
【図3】光走査装置の概略構成を説明するための図(その2)である。
【図4】光走査装置の概略構成を説明するための図(その3)である。
【図5】光走査装置の概略構成を説明するための図(その4)である。
【図6】図1におけるトナー濃度検出器を説明するための図である。
【図7】検出センサの配置を説明するための図である。
【図8】検出センサの照射系を説明するための図である。
【図9】図9(A)〜図9(E)は、それぞれ検出センサの受光系を説明するための図である。
【図10】検出用光を説明するための図である。
【図11】発光部E3から射出された光束の光路を説明するための図である。
【図12】発光部E3が点灯されたときに転写ベルトを照明する検出用光及びフレア光を説明するための図である。
【図13】図12における検出用光及び各フレア光の光強度を説明するための図である。
【図14】トナーパターンを説明するための図である。
【図15】発光部E3から射出された光束とトナーパターンとの関係を説明するための図である。
【図16】トナーパターンにフレア光を照明することの効果を説明するための図である。
【図17】トナーパターンの変形例1を説明するための図である。
【図18】トナーパターンの変形例2を説明するための図である。
【図19】発光部E3から射出された光束と変形例2のトナーパターンとの関係を説明するための図である。
【図20】変形例2のトナーパターン毎の5つの受光部の出力信号の信号レベルを説明するための図である。
【図21】トナーパターンの変形例3を説明するための図である。
【図22】発光部E3から射出された光束と変形例3のトナーパターンとの関係を説明するための図である。
【図23】5つの照明用集光レンズの一体化を説明するための図である。
【図24】図24(A)〜図24(E)は、それぞれ受光系の変形例を説明するための図である。
【図25】5つの受光用集光レンズの一体化を説明するための図である。
【図26】位置検出用パターンを説明するための図である。
【図27】トナーパターンの変形例4を説明するための図である。
【図28】検出センサの変形例1を説明するための図である。
【図29】検出センサの変形例2を説明するための図である。
【図30】検出センサの変形例3を説明するための図である。
【図31】検出センサの変形例4を説明するための図である。
【図32】検出センサの変形例5を説明するための図である。
【図33】検出センサの変形例6を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図16に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
【0010】
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、トナー濃度検出器2245及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
【0011】
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
【0012】
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0013】
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
【0014】
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
【0015】
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
【0016】
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
【0017】
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
【0018】
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
【0019】
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
【0020】
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
【0021】
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
【0022】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。ところで、転写ベルト2040上でトナー画像の移動する方向は「副方向」と呼ばれ、該副方向に直交する方向(ここでは、Y軸方向)は「主方向」と呼ばれている。
【0023】
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚づつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
【0024】
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
【0025】
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
【0026】
トナー濃度検出器2245は、転写ベルト2040の−X側に配置されている。このトナー濃度検出器2245については後述する。
【0027】
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
【0028】
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つのfθレンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、8つの折返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つの光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2〜図4では図示省略、図5参照)の所定位置に組み付けられている。
【0029】
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
【0030】
また、便宜上、カップリングレンズ2201a及びカップリングレンズ2201bの光軸に沿った方向を「w1方向」、光源2200a及び光源2200bにおける主走査対応方向を「m1方向」とする。さらに、カップリングレンズ2201c及びカップリングレンズ2201dの光軸に沿った方向を「w2方向」、光源2200c及び光源2200dにおける主走査対応方向を「m2方向」とする。なお、光源2200a及び光源2200bにおける副走査対応方向、光源2200c及び光源2200dにおける副走査対応方向は、いずれもZ軸方向と同じ方向である。
【0031】
光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、光源2200aは光源2200bの−Z側に配置されている。また、光源2200dは光源2200cの−Z側に配置されている。
【0032】
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0033】
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0034】
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0035】
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0036】
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
【0037】
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
【0038】
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
【0039】
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
【0040】
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0041】
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0042】
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0043】
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0044】
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目の4面鏡及び2段目の4面鏡は、互いに位相が45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
【0045】
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
【0046】
各fθレンズはそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
【0047】
fθレンズ2105a及びfθレンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、fθレンズ2105c及びfθレンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
【0048】
そして、fθレンズ2105aとfθレンズ2105bはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。また、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。
【0049】
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、fθレンズ2105a、折返しミラー2106a、トロイダルレンズ2107a、及び折返しミラー2108aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
【0050】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、fθレンズ2105b、折り返しミラー2106b、トロイダルレンズ2107b、及び折返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
【0051】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、fθレンズ2105c、折り返しミラー2106c、トロイダルレンズ2107c、及び折返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
【0052】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、fθレンズ2105d、折り返しミラー2106d、トロイダルレンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
【0053】
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効走査領域」あるいは「画像形成領域」と呼ばれている。
【0054】
なお、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
【0055】
また、シリンドリカルレンズとそれに対応するトロイダルレンズとにより、偏向点とそれに対応する感光体ドラム表面とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系が構成されている。
【0056】
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、fθレンズ2105aとトロイダルレンズ2107aと折り返しミラー(2106a、2108a)とからKステーションの走査光学系が構成されている。また、fθレンズ2105bとトロイダルレンズ2107bと折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。そして、fθレンズ2105cとトロイダルレンズ2107cと折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、fθレンズ2105dとトロイダルレンズ2107dと折り返しミラー(2106d、2108d)とからYステーションの走査光学系が構成されている。
【0057】
光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Kステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207aを介して入射する。
【0058】
光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Cステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207bを介して入射する。
【0059】
光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Mステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207cを介して入射する。
【0060】
光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Yステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207dを介して入射する。
【0061】
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
【0062】
走査制御装置は、各光検知センサの出力信号に基づいて対応する感光体ドラムでの走査開始タイミングを検出する
【0063】
次に、前記トナー濃度検出器2245について説明する。
【0064】
このトナー濃度検出器2245は、一例として図6に示されるように、4つの検出センサ(2245a、2245b、2245c、2245d)を有している。
【0065】
検出センサ2245aは、転写ベルト2040の+Y側端部近傍に対向する位置に配置され、検出センサ2245dは、転写ベルト2040の−Y側端部近傍に対向する位置に配置されている。検出センサ2245bは、検出センサ2245aの−Y側に配置され、検出センサ2245cは、検出センサ2245dの+Y側に配置されている。なお、検出センサ2245b及び検出センサ2245cは、Y軸方向に関して、各検出センサの間隔がほぼ等間隔となるように配置されている。
【0066】
ここでは、一例として図7に示されるように、Y軸方向に関して、検出センサ2245aの中心位置をY1、検出センサ2245bの中心位置をY2、検出センサ2245cの中心位置をY3、検出センサ2245dの中心位置をY4とする。そして、検出センサ2245aに対向するトナーパターンをTP1、検出センサ2245bに対向するトナーパターンをTP2、検出センサ2245cに対向するトナーパターンをTP3、検出センサ2245dに対向するトナーパターンをTP4とする。
【0067】
TP1はイエローのトナーパターンであり、TP2はマゼンタのトナーパターンであり、TP3はシアンのトナーパターンであり、TP4はブラックのトナーパターンである。
【0068】
そして、トナー濃度検出器2245を用いたトナー濃度検出処理が行われる際には、プリンタ制御装置2090から走査制御装置にトナーパターンの形成が指示される。
【0069】
そして、走査制御装置は、感光体ドラム2030dにおける位置Y1にイエローのトナーパターンTP1が形成されるようにYステーションを制御し、感光体ドラム2030cにおける位置Y2にマゼンタのトナーパターンTP2が形成されるようにMステーションを制御する。さらに、走査制御装置は、感光体ドラム2030bにおける位置Y3にシアンのトナーパターンTP3が形成されるようにCステーションを制御し、感光体ドラム2030aにおける位置Y4にブラックのトナーパターンTP4が形成されるようにKステーションを制御する。
【0070】
そして、Yステーションによって形成されたイエローのトナーパターンTP1は転写ベルト2040における位置Y1に転写され、Mステーションによって形成されたマゼンタのトナーパターンTP2は転写ベルト2040における位置Y2に転写され、Cステーションによって形成されたシアンのトナーパターンTP3は転写ベルト2040における位置Y3に転写され、Kステーションによって形成されたブラックのトナーパターンTP4は転写ベルト2040における位置Y4に転写される。なお、トナーパターンを区別する必要がない場合には、総称して「トナーパターンTP」ともいう。
【0071】
検出センサ2245aは、一例として図8〜図9(E)に示されるように、5つの発光部(E1〜E5)、5つの照明用集光レンズ(LE1〜LE5)、及び5つの受光部(D1〜D5)を有している。
【0072】
5つの発光部(E1〜E5)は、Y軸方向に沿って等間隔Leに配置されている。各発光部には、LEDを用いることができる。ここでは、一例として、Le=0.4mmとしている。各発光部は、転写ベルト2040における−X側端部に向けて、XZ面に平行でX軸に対して傾斜した方向に光束を射出する。
【0073】
照明用集光レンズLE1は、発光部E1の+X側に配置され、発光部E1から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
【0074】
照明用集光レンズLE2は、発光部E2の+X側に配置され、発光部E2から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
【0075】
照明用集光レンズLE3は、発光部E3の+X側に配置され、発光部E3から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
【0076】
照明用集光レンズLE4は、発光部E4の+X側に配置され、発光部E4から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
【0077】
照明用集光レンズLE5は、発光部E5の+X側に配置され、発光部E5から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
【0078】
各照明用集光レンズには、Y軸方向及びZ軸方向に関して集光機能を有する球面レンズやアナモフィックレンズを用いることができる。
【0079】
受光部D1は、発光部E1の−Z側であって、発光部E1から射出され、照明用集光レンズLE1で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0080】
受光部D2は、発光部E2の−Z側であって、発光部E2から射出され、照明用集光レンズLE2で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0081】
受光部D3は、発光部E3の−Z側であって、発光部E3から射出され、照明用集光レンズLE3で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0082】
受光部D4は、発光部E4の−Z側であって、発光部E4から射出され、照明用集光レンズLE4で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0083】
受光部D5は、発光部E5の−Z側であって、発光部E5から射出され、照明用集光レンズLE5で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0084】
各受光部には、PD(フォトダイオード)を用いることができる。各受光部は、受光光量に応じた信号を出力する。
【0085】
他の検出センサ(2245b、2245c、2245d)は、検出センサ2245aと同じ構成、構造を有している。
【0086】
発光部E1から射出され、照明用集光レンズLE1で集光された光束は、一例として図10に示されるように、検出用光S1として、転写ベルト2040を照明する。発光部E2から射出され、照明用集光レンズLE2で集光された光束は、検出用光S2として、転写ベルト2040を照明する。発光部E3から射出され、照明用集光レンズLE3で集光された光束は、検出用光S3として、転写ベルト2040を照明する。発光部E4から射出され、照明用集光レンズLE4で集光された光束は、検出用光S4として、転写ベルト2040を照明する。発光部E5から射出され、照明用集光レンズLE5で集光された光束は、検出用光S5として、転写ベルト2040を照明する。ここでは、一例として、各検出用光が転写ベルト2040の表面に形成する光スポットの大きさは、直径で0.2mmである。なお、従来の検出用光による光スポットの大きさは、通常、直径で2〜3mm程度であった。
【0087】
なお、転写ベルト2040の表面は滑らかであり、転写ベルト2040の表面に照射された光のほとんどは正反射する。そこで、転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S1は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光部D1及び受光部D2に入射する。
【0088】
同様に、転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S2は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光部D1、受光部D2及び受光部D3に入射する。
【0089】
転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S3は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光部D2、受光部D3及び受光部D4に入射する。
【0090】
転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S4は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光部D3、受光部D4及び受光部D5に入射する。
【0091】
転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S5は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光部D4及び受光部D5に入射する。
【0092】
ところで、発光部E1から射出された光束は、照明用集光レンズLE1以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、発光部E1から射出され照明用集光レンズLE2でカップリングされたフレア光F2、発光部E1から射出され照明用集光レンズLE3でカップリングされたフレア光F3、発光部E1から射出され照明用集光レンズLE4でカップリングされたフレア光F4も転写ベルト2040を照明する。なお、照明用集光レンズLE1から遠い位置にある照明用集光レンズLE5では、発光部E1から射出された光束は全反射等を起こし、透過せずフレア光にならない。このとき、受光部D1では、検出用光S1の正反射光のみが受光される。また、転写ベルト2040の表面で正反射されたフレア光は、どの受光部でも受光されない。
【0093】
発光部E2から射出された光束は、照明用集光レンズLE2以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、発光部E2から射出され照明用集光レンズLE1でカップリングされたフレア光F1、発光部E2から射出され照明用集光レンズLE3でカップリングされたフレア光F3、発光部E2から射出され照明用集光レンズLE4でカップリングされたフレア光F4、発光部E2から射出され照明用集光レンズLE5でカップリングされたフレア光F5も転写ベルト2040を照明する。このとき、受光部D2では、検出用光S2の正反射光のみが受光される。また、転写ベルト2040の表面で正反射されたフレア光は、どの受光部でも受光されない。
【0094】
発光部E3から射出された光束は、一例として図11に示されるように、照明用集光レンズLE3以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、図11及び図12に示されるように、発光部E3から射出され照明用集光レンズLE1でカップリングされたフレア光F1、発光部E3から射出され照明用集光レンズLE2でカップリングされたフレア光F2、発光部E3から射出され照明用集光レンズLE4でカップリングされたフレア光F4、発光部E3から射出され照明用集光レンズLE5でカップリングされたフレア光F5も転写ベルト2040を照明する。このとき、受光部D3では、検出用光S3の正反射光のみが受光される。また、転写ベルト2040の表面で正反射されたフレア光は、どの受光部でも受光されない。
【0095】
この場合の、検出用光S3、フレア光F1、フレア光F2、フレア光F4、フレア光F5の光強度が図13に示されている。
【0096】
発光部E4から射出された光束は、照明用集光レンズLE4以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、発光部E4から射出され照明用集光レンズLE1でカップリングされたフレア光F1、発光部E4から射出され照明用集光レンズLE2でカップリングされたフレア光F2、発光部E4から射出され照明用集光レンズLE3でカップリングされたフレア光F3、発光部E4から射出され照明用集光レンズLE5でカップリングされたフレア光F5も転写ベルト2040を照明する。このとき、受光部D4では、検出用光S4の正反射光のみが受光される。また、転写ベルト2040の表面で正反射されたフレア光は、どの受光部でも受光されない。
【0097】
発光部E5から射出された光束は、照明用集光レンズLE5以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、発光部E5から射出され照明用集光レンズLE2でカップリングされたフレア光F2、発光部E5から射出され照明用集光レンズLE3でカップリングされたフレア光F3、発光部E5から射出され照明用集光レンズLE4でカップリングされたフレア光F4も転写ベルト2040を照明する。なお、照明用集光レンズLE5から遠い位置にある照明用集光レンズLE1では、発光部E5から射出された光束は全反射等を起こし、透過せずフレア光にならない。このとき、受光部D5では、検出用光S5の正反射光のみが受光される。また、転写ベルト2040の表面で正反射されたフレア光は、どの受光部でも受光されない。
【0098】
そこで、検出用光及びすべてのフレア光が転写ベルト2040の表面を照明しているときには、5つの受光部における受光量の分布状態は、フレア光には依存せず、検出用光のみに依存している。この場合、受光部で受光される光は、検出用光の正反射光である。なお、以下では、便宜上、このときの5つの受光部における受光量の分布状態を「第1分布状態」ともいう。そして、プリンタ制御装置2090は、適宜「第1分布状態」を求め、その情報を不図示のメモリに格納する。
【0099】
トナーパターンTPは、一例として図14に示されるように、5つの四角形状のパターン(p1〜p5、以下では、便宜上「矩形パターン」という)を有している。各矩形パターンは、転写ベルト2040の進行方向に沿って一列に並んでおり、それぞれトナー濃度の階調が異なっている。なお、トナー濃度の階調は、光源から射出される光束のパワーの調整、光源に供給される駆動パルスにおけるデューティの調整、及び現像バイアスの調整によって変えることができる。また、各矩形パターンのY軸方向の中心が、発光部E3と対向するように設定されている。
【0100】
ここで、プリンタ制御装置2090において行われるトナー濃度検出処理について説明する。但し、5つの発光部のうち発光部E3のみを用いるものとする。
【0101】
(1)走査制御装置に対して、フレア光には照射されずに検出用光S3のみに照射される大きさ及び位置のトナーパターンの形成を指示する。
【0102】
(2)発光部E3を点滅させ、各受光部の出力信号に基づいて、5つの受光部における受光量の分布状態を求める。なお、以下では、便宜上、このときの5つの受光部における受光量の分布状態を「第2分布状態」ともいう。
【0103】
このとき、受光部D1及び受光部D5で受光される光は、検出用光S3の拡散反射光である。また、受光部D2及び受光部D4で受光される光は、検出用光S3の拡散反射光と正反射光が混在している。
【0104】
そこで、次に、受光部D2及び受光部D4の出力信号を、検出用光S3の拡散反射光による信号と正反射光による信号とに分離する。
【0105】
(3)上記「第1分布状態」における受光部D3の出力信号の信号レベルと受光部D2の出力信号の信号レベルとの比(R2とする)を求める。
【0106】
(4)上記「第1分布状態」における受光部D3の出力信号の信号レベルと受光部D4の出力信号の信号レベルとの比(R4とする)を求める。
【0107】
(5)上記「第2分布状態」における受光部D2の出力信号の信号レベルに、上記R2を乗じる。この値が受光部D2の出力信号における検出用光S3の正反射光による信号レベル(L2とする)である。
【0108】
(6)上記「第2分布状態」における受光部D4の出力信号の信号レベルに、上記R4を乗じる。この値が受光部D4の出力信号における検出用光S3の正反射光による信号レベル(L4とする)である。
【0109】
(7)上記「第2分布状態」における受光部D2の出力信号の信号レベルから、上記L2を減じる。この値が受光部D2の出力信号における検出用光S3の拡散反射光による信号レベルである。
【0110】
(8)上記「第2分布状態」における受光部D4の出力信号の信号レベルから、上記L4を減じる。この値が受光部D4の出力信号における検出用光S3の拡散反射光による信号レベルである。
【0111】
これによって、検出用光S3のみがトナーパターンを照明したときの、5つの受光部における正反射光による受光量の分布状態、及び拡散反射光による受光量の分布状態を知ることができる。
【0112】
(9)走査制御装置に対して、検出用光S3とフレア光F4が照射される大きさ及び位置のトナーパターンの形成を指示する(図15参照)。ここでは、Lp=1.5mmとしている。
【0113】
(10)発光部E3を点滅させ、各受光部の出力信号に基づいて、5つの受光部における受光量の分布状態を求める。なお、以下では、便宜上、このときの5つの受光部における受光量の分布状態を「第3分布状態」ともいう。
【0114】
このとき、フレア光F4の正反射光は、5つの受光部における受光量に影響しないが、フレア光F4の拡散反射光は、検出用光S3のみがトナーパターンを照明するときに比べて、5つの受光部における受光量を増大させる。
【0115】
(11)上記「第2分布状態」での5つの受光部における正反射光による受光量の分布状態、及び拡散反射光による受光量の分布状態を参照し、「第3分布状態」での5つの受光部における正反射光による受光量の分布状態、及び拡散反射光による受光量の分布状態を求める。そして、各受光部における拡散反射光に起因する信号レベルの合計値を求め、該合計値に基づいてトナー濃度が適切であるか否かを判断する。
【0116】
ところで、一例として図16に示されるように、検出用光S3のみがトナーパターンを照明するときに比べて、検出用光S3とフレア光F4がトナーパターンを照明するときは、拡散反射光の受光量の合計値が増大している。このように、拡散反射光の受光量の合計値が増大することは、転写ベルト2040とトナーパターンの反射特性の差が拡大されることを意味する。そして、転写ベルト2040とトナーパターンの反射特性の差が大きくなると、トナー濃度を変化させたトナーパターンを精度よく判別することができる。すなわち、トナー濃度の検出精度が向上する。
【0117】
なお、トナーパターンが形成されるタイミングは定まっており、トナーパターンが形成されてから検出センサの前方(検出領域)に到達する時間も略定まっている。そこで、プリンタ制御装置2090は、トナーパターンが検出領域に近づいたと判断される適当なタイミングで、発光部を点滅制御する。
【0118】
そして、矩形パターンにおけるトナー濃度が変化すると、拡散反射光を受光した受光部の出力も変化する。具体的にはトナー濃度が濃くなる(トナー付着量が多くなる)と、正反射光が減少し、拡散反射光が増加する。そこで、プリンタ制御装置2090は、検出センサ2245aの各受光部の出力信号から、イエローのトナー濃度が適切であるか否かを判断し、検出センサ2245bの各受光部の出力信号から、マゼンタのトナー濃度が適切であるか否かを判断し、検出センサ2245cの各受光部の出力信号から、シアンのトナー濃度が適切であるか否かを判断し、検出センサ2245dの各受光部の出力信号から、ブラックのトナー濃度が適切であるか否かを判断する。そして、プリンタ制御装置2090は、トナー濃度が適切でないと判断すると、適切となるように対応するステーションの現像処理系を制御する。
【0119】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る画像形成装置2000では、トナー濃度検出器2245によって濃度検出センサが構成されている。そして、発光部(E1〜E5)によって光源が構成され、照明用集光レンズ(LE1〜LE5)によって集光光学系が構成され、受光部(D1〜D5)によって受光器が構成されている。
【0120】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置2000によると、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)と、各感光体ドラムに対して画像情報に応じて変調された光束を主走査方向に走査し、潜像を形成する光走査装置と、潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)と、トナー画像を転写ベルト2040に転写する転写ローラ2042と、転写ベルト2040に転写されたトナーパターンの濃度を検出するトナー濃度検出器2245と、全体を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
【0121】
トナー濃度検出器2245は、各色に対応する4つの検出センサ(2245a、2245b、2245c、2245d)を有している。
【0122】
各検出センサは、Y軸方向に沿って等間隔Leで一列に配置され、転写ベルト2040に向けて光束を射出する5つの光源(E1〜E5)、各光源から射出された光束を集光する5つの照明用集光レンズ(LE1〜LE5)、及び転写ベルト2040で反射された光束を受光する5つの受光部(D1〜D5)を有している。
【0123】
プリンタ制御装置2090は、トナー濃度検出処理を行う際に、走査制御装置に対して、フレア光による光スポットの少なくとも1つと検出用光による光スポットとがトナーパターンを照明するようにトナーパターンの大きさ及び位置を指示する。
【0124】
この場合には、トナーパターンが小さくてもトナー濃度を精度良く検出することができる。
【0125】
ところで、トナー濃度を検出する従来の濃度検出センサは、1個又は2個の発光部、あるいは波長特性の異なる3個の発光部と、反射光を受光するための1個または2個の受光部から構成されていた。そして、濃度検出センサに対するトナーパターンの位置ずれが生じても、検出用光による光スポット全体がトナーパターンを照明できるように、トナーパターンにおける主方向(ここでは、Y軸方向)の長さ(ここでは、Lp)を15mm〜25mmに設定していた。トナー濃度検出処理が行われている間は本来の画像形成を行うことができないため、トナーパターンを形成するのに時間がかかると、本来の画像形成に対する作業効率を低下させることとなる。また、トナーパターンのトナーは、本来の画像形成に寄与しない、いわゆる「不寄与トナー」であり、トナーカートリッジの交換時期に影響を与える。
【0126】
本実施形態では、トナーパターンにおけるY軸方向の長さを、従来の10分の1以下にすることができるため、トナーパターンを形成するのに要する時間を従来よりも大幅に短縮することが可能である。従って、画像形成において、作業性を低下させることなく、高い画像品質を維持することができる。また、トナーパターンの大きさ(面積)は、従来の100分の1以下にすることができるため、不寄与トナーの量を従来よりも大幅に減少させることが可能である。そこで、トナーカートリッジの交換時期を遅らせることができる。
【0127】
なお、上記実施形態において、一例として図17に示されるように、検出用光S3とフレア光F1、F2、F4、F5が照明するようにトナーパターンの大きさ及び位置を指示しても良い。この場合には、転写ベルト2040とトナーパターンの反射特性の差がさらに大きくなり、トナー濃度の検出精度をさらに向上させることができる。なお、ここでは、Lp=6.0mmとしている。この場合であっても、トナーパターンにおけるY軸方向の長さは、従来よりも小さい。
【0128】
なお、上記実施形態において、一例として図18及び図19に示されるように、前記各矩形パターンのそれぞれを、検出用光S3とフレア光F1、F2、F4、F5が個別に照明するように、5つの長方形状のパターン(DP1〜DP5)に分割しても良い。この場合には、トナー濃度の検出精度をさらに向上させるとともに、トナー消費量を削減することができる。なお、各長方形状のパターンのY軸方向の長さは1mm程度で良い。
【0129】
この場合に、検出用光S3とフレア光F1、F2、F4、F5が個別に照明される5つの長方形状のパターン(DP1〜DP5)からの反射光による各受光部の出力分布の例が図20に示されている。通常、トナー濃度検出のためには、全ての受光部の出力信号が用いられるが、DP1による各受光部の出力信号の信号レベル及びDP5による各受光部の出力信号の信号レベルが、DP2による各受光部の出力信号の信号レベル、DP3による各受光部の出力信号の信号レベル、DP4による各受光部の出力信号の信号レベルに比べて著しく小さいときには、一例として図21及び図22に示されるように、3つの長方形状のパターン(DP2〜DP4)を形成しても良い。これにより、トナー濃度の検出精度を維持しつつ、トナー消費量を削減することができる。
【0130】
また、上記実施形態では、各受光部が、対応する発光部の−Z側に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、対応する発光部からの光束の射出方向に応じた位置に各受光部が配置されていれば良い。
【0131】
また、上記実施形態では、4つの検出センサ(2245a、2245b、2245c、2245d)がY軸方向に関して、等間隔に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0132】
また、上記実施形態において、前記プリンタ制御装置2090によって行われる処理の一部を他の装置が行っても良い。
【0133】
また、上記実施形態において、一例として図23に示されるように、前記5つの照明用集光レンズ(LE1〜LE5)を一体化しても良い。
【0134】
また、上記実施形態において、一例として図24(A)〜図24(E)に示されるように、各検出センサが、それぞれ5つの受光用集光レンズ(LD1〜LD5)を有していても良い。
【0135】
受光用集光レンズLD1は、照明用集光レンズLE1の−Z側であって、発光部E1から射出され、照明用集光レンズLE1で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0136】
受光用集光レンズLD2は、照明用集光レンズLE2の−Z側であって、発光部E2から射出され、照明用集光レンズLE2で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0137】
受光用集光レンズLD3は、照明用集光レンズLE3の−Z側であって、発光部E3から射出され、照明用集光レンズLE3で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0138】
受光用集光レンズLD4は、照明用集光レンズLE4の−Z側であって、発光部E4から射出され、照明用集光レンズLE4で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0139】
受光用集光レンズLD5は、照明用集光レンズLE5の−Z側であって、発光部E5から射出され、照明用集光レンズLE5で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0140】
各受光用集光レンズには、Z軸方向に関して集光機能を有するシリンドリカルレンズ、Y軸方向及びZ軸方向に関して集光機能を有する球面レンズやアナモフィックレンズを用いることができる。
【0141】
この場合に、一例として図25に示されるように、5つの受光用集光レンズ(LD1〜LD5)が一体化されても良い。
【0142】
また、上記実施形態において、一例として図26に示されるように、感光体ドラム表面における光スポットの位置ずれを検出するための位置検出用パターンを、各トナーパターンの前方に形成しても良い。この場合には、位置検出用パターンから、Y軸方向に関するトナーパターンの位置を求めることができる。なお、位置検出用パターンを用いた光スポットの位置ずれ検出は公知である(例えば、特開2008−276010号公報、特開2005−238584号公報参照)。
【0143】
また、上記実施形態において、一例として図27に示されるように、TP1〜TP4を転写ベルト2040の進行方向に沿って一列に配置しても良い。この場合には、トナー濃度検出器2245は、1つの検出センサを有していれば良い。
【0144】
また、上記実施形態では、検出センサが5つの発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない(図28参照)。要するに3つ以上の発光部を有していれば良い。
【0145】
また、上記実施形態では、5つの発光部(E1〜E5)が、Y軸方向に沿って一列に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない(図29参照)。また、Y軸方向に対して傾斜した方向に沿って配置されていても良い(図30参照)。また、Y軸方向に沿った複数列のいわゆる千鳥配置されていても良い。要するにY軸方向に関して等間隔に配置されていれば良い。
【0146】
また、上記実施形態では、発光部の数と受光部の数とが同じ場合について説明したが、これに限定されるものではない(図31〜図33参照)。
【0147】
また、上記実施形態では、画像形成装置として、複数の感光体ドラムを備えたカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限らず、例えば1つの感光体ドラムを備え、単色の画像を形成するプリンタにも適用することができる。
【0148】
また、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0149】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、作業性を低下させることなく、高い画像品質を維持するのに適している。
【符号の説明】
【0150】
2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2033a〜2033d…現像ローラ(現像装置の一部)、2034a〜2034d…トナーカートリッジ(現像装置の一部)、2040…転写ベルト(媒体)、2042…転写ローラ(転写装置の一部)、2090…プリンタ制御装置(制御装置)、2245…トナー濃度検出器(濃度検出センサ)、D1〜D5…受光部(受光器)、E1〜E5…発光部(光源)、LD1〜LD5…受光用集光レンズ(受光前光学系)、LE1〜LE5…照明用集光レンズ(集光光学系)、TP1〜TP4…トナーパターン(検出用パターン)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0151】
【特許文献1】特開平1−35466号公報
【特許文献2】特開2004−21164号公報
【特許文献3】特開2002−72612号公報
【特許文献4】特許第4154272号公報
【特許文献5】特許第4110027号公報
【特許文献6】特開2005−77685号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、更に詳しくは、トナーによって画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーによって画像を形成する画像形成装置としては、複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ装置、マルチファンクションプリンタ(MFP)等が広く知られている。このような画像形成装置では、一般的には、感光性を有するドラムの表面に静電潜像を形成し、該静電潜像にトナーを付着させることによっていわゆる現像を行い、「トナー画像」を得ている。
【0003】
ところで、良好なトナー画像を得るためには、静電潜像の現像に供されるトナー量が適正でなければならない。現像方式には「トナーとキャリアを含む2成分系の現像剤」を用いる方式や、トナーのみで構成された現像剤を用いるモノトナー現像方式等、種々の方式が知られている。なお、静電潜像が現像される現像部へ供給されるトナー量は、「トナー濃度」とも呼ばれている。
【0004】
トナー濃度が低すぎると、静電潜像に十分な量のトナーが供給されず、画像形成装置から出力される画像(出力画像)は濃度の不十分な画像となってしまう。一方、トナー濃度が高すぎると、出力画像における濃度分布が「高濃度側」に偏り、見づらい画像となってしまう。このように、良好な出力画像を得るためには、トナー濃度が適正な範囲内になければならない。
【0005】
そこで、トナー濃度を適正な範囲内に制御するため、トナー濃度検出用のパターン(トナーパターン)を形成し、該トナーパターンに光(検出用光)を照射し、反射光の光量変化を検出する方法が広く行われている(例えば、特許文献1〜6参照)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、像担持体と;前記像担持体に対して画像情報に応じて変調された光束を主走査方向に走査し、潜像を形成する光走査装置と;前記潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する現像装置と;前記トナー画像を媒体に転写する転写装置と;主走査方向に関して等間隔に配置され、前記媒体に向けて光束を射出する少なくとも3つの光源、各光源から射出された光束を集光する射出光学系、及び主走査方向に関して等間隔に配置され、各光源から射出され前記媒体で反射された光束を受光する少なくとも3つの受光器を含み、前記媒体上に形成された検出用パターンの濃度を検出するための濃度検出センサと;前記濃度検出センサの各光源を制御するとともに、前記光走査装置に前記検出用パターンの作成を指示する制御装置と;を備え、前記少なくとも3つの光源のうちのいずれかを発光させたときに、前記媒体上に1つの検出用光スポットと少なくとも1つのフレア光による光スポットとが形成され、前記制御装置は、前記フレア光による光スポットの少なくとも1つと前記検出用光スポットとが前記検出用パターン上に位置するように前記検出用パターンの大きさ及び個数の少なくともいずれかを指示することを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
これによれば、作業性を低下させることなく、高い画像品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を説明するための図である。
【図2】光走査装置の概略構成を説明するための図(その1)である。
【図3】光走査装置の概略構成を説明するための図(その2)である。
【図4】光走査装置の概略構成を説明するための図(その3)である。
【図5】光走査装置の概略構成を説明するための図(その4)である。
【図6】図1におけるトナー濃度検出器を説明するための図である。
【図7】検出センサの配置を説明するための図である。
【図8】検出センサの照射系を説明するための図である。
【図9】図9(A)〜図9(E)は、それぞれ検出センサの受光系を説明するための図である。
【図10】検出用光を説明するための図である。
【図11】発光部E3から射出された光束の光路を説明するための図である。
【図12】発光部E3が点灯されたときに転写ベルトを照明する検出用光及びフレア光を説明するための図である。
【図13】図12における検出用光及び各フレア光の光強度を説明するための図である。
【図14】トナーパターンを説明するための図である。
【図15】発光部E3から射出された光束とトナーパターンとの関係を説明するための図である。
【図16】トナーパターンにフレア光を照明することの効果を説明するための図である。
【図17】トナーパターンの変形例1を説明するための図である。
【図18】トナーパターンの変形例2を説明するための図である。
【図19】発光部E3から射出された光束と変形例2のトナーパターンとの関係を説明するための図である。
【図20】変形例2のトナーパターン毎の5つの受光部の出力信号の信号レベルを説明するための図である。
【図21】トナーパターンの変形例3を説明するための図である。
【図22】発光部E3から射出された光束と変形例3のトナーパターンとの関係を説明するための図である。
【図23】5つの照明用集光レンズの一体化を説明するための図である。
【図24】図24(A)〜図24(E)は、それぞれ受光系の変形例を説明するための図である。
【図25】5つの受光用集光レンズの一体化を説明するための図である。
【図26】位置検出用パターンを説明するための図である。
【図27】トナーパターンの変形例4を説明するための図である。
【図28】検出センサの変形例1を説明するための図である。
【図29】検出センサの変形例2を説明するための図である。
【図30】検出センサの変形例3を説明するための図である。
【図31】検出センサの変形例4を説明するための図である。
【図32】検出センサの変形例5を説明するための図である。
【図33】検出センサの変形例6を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図16に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
【0010】
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、トナー濃度検出器2245及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
【0011】
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
【0012】
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0013】
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
【0014】
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
【0015】
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
【0016】
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
【0017】
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
【0018】
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
【0019】
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
【0020】
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
【0021】
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
【0022】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。ところで、転写ベルト2040上でトナー画像の移動する方向は「副方向」と呼ばれ、該副方向に直交する方向(ここでは、Y軸方向)は「主方向」と呼ばれている。
【0023】
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚づつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
【0024】
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
【0025】
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
【0026】
トナー濃度検出器2245は、転写ベルト2040の−X側に配置されている。このトナー濃度検出器2245については後述する。
【0027】
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
【0028】
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つのfθレンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、8つの折返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つの光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2〜図4では図示省略、図5参照)の所定位置に組み付けられている。
【0029】
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
【0030】
また、便宜上、カップリングレンズ2201a及びカップリングレンズ2201bの光軸に沿った方向を「w1方向」、光源2200a及び光源2200bにおける主走査対応方向を「m1方向」とする。さらに、カップリングレンズ2201c及びカップリングレンズ2201dの光軸に沿った方向を「w2方向」、光源2200c及び光源2200dにおける主走査対応方向を「m2方向」とする。なお、光源2200a及び光源2200bにおける副走査対応方向、光源2200c及び光源2200dにおける副走査対応方向は、いずれもZ軸方向と同じ方向である。
【0031】
光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、光源2200aは光源2200bの−Z側に配置されている。また、光源2200dは光源2200cの−Z側に配置されている。
【0032】
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0033】
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0034】
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0035】
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0036】
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
【0037】
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
【0038】
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
【0039】
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
【0040】
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0041】
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0042】
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0043】
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0044】
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目の4面鏡及び2段目の4面鏡は、互いに位相が45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
【0045】
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
【0046】
各fθレンズはそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
【0047】
fθレンズ2105a及びfθレンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、fθレンズ2105c及びfθレンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
【0048】
そして、fθレンズ2105aとfθレンズ2105bはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。また、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。
【0049】
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、fθレンズ2105a、折返しミラー2106a、トロイダルレンズ2107a、及び折返しミラー2108aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
【0050】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、fθレンズ2105b、折り返しミラー2106b、トロイダルレンズ2107b、及び折返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
【0051】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、fθレンズ2105c、折り返しミラー2106c、トロイダルレンズ2107c、及び折返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
【0052】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、fθレンズ2105d、折り返しミラー2106d、トロイダルレンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
【0053】
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効走査領域」あるいは「画像形成領域」と呼ばれている。
【0054】
なお、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
【0055】
また、シリンドリカルレンズとそれに対応するトロイダルレンズとにより、偏向点とそれに対応する感光体ドラム表面とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系が構成されている。
【0056】
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、fθレンズ2105aとトロイダルレンズ2107aと折り返しミラー(2106a、2108a)とからKステーションの走査光学系が構成されている。また、fθレンズ2105bとトロイダルレンズ2107bと折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。そして、fθレンズ2105cとトロイダルレンズ2107cと折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、fθレンズ2105dとトロイダルレンズ2107dと折り返しミラー(2106d、2108d)とからYステーションの走査光学系が構成されている。
【0057】
光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Kステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207aを介して入射する。
【0058】
光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Cステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207bを介して入射する。
【0059】
光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Mステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207cを介して入射する。
【0060】
光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Yステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207dを介して入射する。
【0061】
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
【0062】
走査制御装置は、各光検知センサの出力信号に基づいて対応する感光体ドラムでの走査開始タイミングを検出する
【0063】
次に、前記トナー濃度検出器2245について説明する。
【0064】
このトナー濃度検出器2245は、一例として図6に示されるように、4つの検出センサ(2245a、2245b、2245c、2245d)を有している。
【0065】
検出センサ2245aは、転写ベルト2040の+Y側端部近傍に対向する位置に配置され、検出センサ2245dは、転写ベルト2040の−Y側端部近傍に対向する位置に配置されている。検出センサ2245bは、検出センサ2245aの−Y側に配置され、検出センサ2245cは、検出センサ2245dの+Y側に配置されている。なお、検出センサ2245b及び検出センサ2245cは、Y軸方向に関して、各検出センサの間隔がほぼ等間隔となるように配置されている。
【0066】
ここでは、一例として図7に示されるように、Y軸方向に関して、検出センサ2245aの中心位置をY1、検出センサ2245bの中心位置をY2、検出センサ2245cの中心位置をY3、検出センサ2245dの中心位置をY4とする。そして、検出センサ2245aに対向するトナーパターンをTP1、検出センサ2245bに対向するトナーパターンをTP2、検出センサ2245cに対向するトナーパターンをTP3、検出センサ2245dに対向するトナーパターンをTP4とする。
【0067】
TP1はイエローのトナーパターンであり、TP2はマゼンタのトナーパターンであり、TP3はシアンのトナーパターンであり、TP4はブラックのトナーパターンである。
【0068】
そして、トナー濃度検出器2245を用いたトナー濃度検出処理が行われる際には、プリンタ制御装置2090から走査制御装置にトナーパターンの形成が指示される。
【0069】
そして、走査制御装置は、感光体ドラム2030dにおける位置Y1にイエローのトナーパターンTP1が形成されるようにYステーションを制御し、感光体ドラム2030cにおける位置Y2にマゼンタのトナーパターンTP2が形成されるようにMステーションを制御する。さらに、走査制御装置は、感光体ドラム2030bにおける位置Y3にシアンのトナーパターンTP3が形成されるようにCステーションを制御し、感光体ドラム2030aにおける位置Y4にブラックのトナーパターンTP4が形成されるようにKステーションを制御する。
【0070】
そして、Yステーションによって形成されたイエローのトナーパターンTP1は転写ベルト2040における位置Y1に転写され、Mステーションによって形成されたマゼンタのトナーパターンTP2は転写ベルト2040における位置Y2に転写され、Cステーションによって形成されたシアンのトナーパターンTP3は転写ベルト2040における位置Y3に転写され、Kステーションによって形成されたブラックのトナーパターンTP4は転写ベルト2040における位置Y4に転写される。なお、トナーパターンを区別する必要がない場合には、総称して「トナーパターンTP」ともいう。
【0071】
検出センサ2245aは、一例として図8〜図9(E)に示されるように、5つの発光部(E1〜E5)、5つの照明用集光レンズ(LE1〜LE5)、及び5つの受光部(D1〜D5)を有している。
【0072】
5つの発光部(E1〜E5)は、Y軸方向に沿って等間隔Leに配置されている。各発光部には、LEDを用いることができる。ここでは、一例として、Le=0.4mmとしている。各発光部は、転写ベルト2040における−X側端部に向けて、XZ面に平行でX軸に対して傾斜した方向に光束を射出する。
【0073】
照明用集光レンズLE1は、発光部E1の+X側に配置され、発光部E1から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
【0074】
照明用集光レンズLE2は、発光部E2の+X側に配置され、発光部E2から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
【0075】
照明用集光レンズLE3は、発光部E3の+X側に配置され、発光部E3から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
【0076】
照明用集光レンズLE4は、発光部E4の+X側に配置され、発光部E4から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
【0077】
照明用集光レンズLE5は、発光部E5の+X側に配置され、発光部E5から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。
【0078】
各照明用集光レンズには、Y軸方向及びZ軸方向に関して集光機能を有する球面レンズやアナモフィックレンズを用いることができる。
【0079】
受光部D1は、発光部E1の−Z側であって、発光部E1から射出され、照明用集光レンズLE1で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0080】
受光部D2は、発光部E2の−Z側であって、発光部E2から射出され、照明用集光レンズLE2で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0081】
受光部D3は、発光部E3の−Z側であって、発光部E3から射出され、照明用集光レンズLE3で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0082】
受光部D4は、発光部E4の−Z側であって、発光部E4から射出され、照明用集光レンズLE4で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0083】
受光部D5は、発光部E5の−Z側であって、発光部E5から射出され、照明用集光レンズLE5で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0084】
各受光部には、PD(フォトダイオード)を用いることができる。各受光部は、受光光量に応じた信号を出力する。
【0085】
他の検出センサ(2245b、2245c、2245d)は、検出センサ2245aと同じ構成、構造を有している。
【0086】
発光部E1から射出され、照明用集光レンズLE1で集光された光束は、一例として図10に示されるように、検出用光S1として、転写ベルト2040を照明する。発光部E2から射出され、照明用集光レンズLE2で集光された光束は、検出用光S2として、転写ベルト2040を照明する。発光部E3から射出され、照明用集光レンズLE3で集光された光束は、検出用光S3として、転写ベルト2040を照明する。発光部E4から射出され、照明用集光レンズLE4で集光された光束は、検出用光S4として、転写ベルト2040を照明する。発光部E5から射出され、照明用集光レンズLE5で集光された光束は、検出用光S5として、転写ベルト2040を照明する。ここでは、一例として、各検出用光が転写ベルト2040の表面に形成する光スポットの大きさは、直径で0.2mmである。なお、従来の検出用光による光スポットの大きさは、通常、直径で2〜3mm程度であった。
【0087】
なお、転写ベルト2040の表面は滑らかであり、転写ベルト2040の表面に照射された光のほとんどは正反射する。そこで、転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S1は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光部D1及び受光部D2に入射する。
【0088】
同様に、転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S2は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光部D1、受光部D2及び受光部D3に入射する。
【0089】
転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S3は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光部D2、受光部D3及び受光部D4に入射する。
【0090】
転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S4は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光部D3、受光部D4及び受光部D5に入射する。
【0091】
転写ベルト2040の表面に照射された検出用光S5は、転写ベルト2040の表面で正反射され、受光部D4及び受光部D5に入射する。
【0092】
ところで、発光部E1から射出された光束は、照明用集光レンズLE1以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、発光部E1から射出され照明用集光レンズLE2でカップリングされたフレア光F2、発光部E1から射出され照明用集光レンズLE3でカップリングされたフレア光F3、発光部E1から射出され照明用集光レンズLE4でカップリングされたフレア光F4も転写ベルト2040を照明する。なお、照明用集光レンズLE1から遠い位置にある照明用集光レンズLE5では、発光部E1から射出された光束は全反射等を起こし、透過せずフレア光にならない。このとき、受光部D1では、検出用光S1の正反射光のみが受光される。また、転写ベルト2040の表面で正反射されたフレア光は、どの受光部でも受光されない。
【0093】
発光部E2から射出された光束は、照明用集光レンズLE2以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、発光部E2から射出され照明用集光レンズLE1でカップリングされたフレア光F1、発光部E2から射出され照明用集光レンズLE3でカップリングされたフレア光F3、発光部E2から射出され照明用集光レンズLE4でカップリングされたフレア光F4、発光部E2から射出され照明用集光レンズLE5でカップリングされたフレア光F5も転写ベルト2040を照明する。このとき、受光部D2では、検出用光S2の正反射光のみが受光される。また、転写ベルト2040の表面で正反射されたフレア光は、どの受光部でも受光されない。
【0094】
発光部E3から射出された光束は、一例として図11に示されるように、照明用集光レンズLE3以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、図11及び図12に示されるように、発光部E3から射出され照明用集光レンズLE1でカップリングされたフレア光F1、発光部E3から射出され照明用集光レンズLE2でカップリングされたフレア光F2、発光部E3から射出され照明用集光レンズLE4でカップリングされたフレア光F4、発光部E3から射出され照明用集光レンズLE5でカップリングされたフレア光F5も転写ベルト2040を照明する。このとき、受光部D3では、検出用光S3の正反射光のみが受光される。また、転写ベルト2040の表面で正反射されたフレア光は、どの受光部でも受光されない。
【0095】
この場合の、検出用光S3、フレア光F1、フレア光F2、フレア光F4、フレア光F5の光強度が図13に示されている。
【0096】
発光部E4から射出された光束は、照明用集光レンズLE4以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、発光部E4から射出され照明用集光レンズLE1でカップリングされたフレア光F1、発光部E4から射出され照明用集光レンズLE2でカップリングされたフレア光F2、発光部E4から射出され照明用集光レンズLE3でカップリングされたフレア光F3、発光部E4から射出され照明用集光レンズLE5でカップリングされたフレア光F5も転写ベルト2040を照明する。このとき、受光部D4では、検出用光S4の正反射光のみが受光される。また、転写ベルト2040の表面で正反射されたフレア光は、どの受光部でも受光されない。
【0097】
発光部E5から射出された光束は、照明用集光レンズLE5以外の照明用集光レンズにも入射する。そこで、発光部E5から射出され照明用集光レンズLE2でカップリングされたフレア光F2、発光部E5から射出され照明用集光レンズLE3でカップリングされたフレア光F3、発光部E5から射出され照明用集光レンズLE4でカップリングされたフレア光F4も転写ベルト2040を照明する。なお、照明用集光レンズLE5から遠い位置にある照明用集光レンズLE1では、発光部E5から射出された光束は全反射等を起こし、透過せずフレア光にならない。このとき、受光部D5では、検出用光S5の正反射光のみが受光される。また、転写ベルト2040の表面で正反射されたフレア光は、どの受光部でも受光されない。
【0098】
そこで、検出用光及びすべてのフレア光が転写ベルト2040の表面を照明しているときには、5つの受光部における受光量の分布状態は、フレア光には依存せず、検出用光のみに依存している。この場合、受光部で受光される光は、検出用光の正反射光である。なお、以下では、便宜上、このときの5つの受光部における受光量の分布状態を「第1分布状態」ともいう。そして、プリンタ制御装置2090は、適宜「第1分布状態」を求め、その情報を不図示のメモリに格納する。
【0099】
トナーパターンTPは、一例として図14に示されるように、5つの四角形状のパターン(p1〜p5、以下では、便宜上「矩形パターン」という)を有している。各矩形パターンは、転写ベルト2040の進行方向に沿って一列に並んでおり、それぞれトナー濃度の階調が異なっている。なお、トナー濃度の階調は、光源から射出される光束のパワーの調整、光源に供給される駆動パルスにおけるデューティの調整、及び現像バイアスの調整によって変えることができる。また、各矩形パターンのY軸方向の中心が、発光部E3と対向するように設定されている。
【0100】
ここで、プリンタ制御装置2090において行われるトナー濃度検出処理について説明する。但し、5つの発光部のうち発光部E3のみを用いるものとする。
【0101】
(1)走査制御装置に対して、フレア光には照射されずに検出用光S3のみに照射される大きさ及び位置のトナーパターンの形成を指示する。
【0102】
(2)発光部E3を点滅させ、各受光部の出力信号に基づいて、5つの受光部における受光量の分布状態を求める。なお、以下では、便宜上、このときの5つの受光部における受光量の分布状態を「第2分布状態」ともいう。
【0103】
このとき、受光部D1及び受光部D5で受光される光は、検出用光S3の拡散反射光である。また、受光部D2及び受光部D4で受光される光は、検出用光S3の拡散反射光と正反射光が混在している。
【0104】
そこで、次に、受光部D2及び受光部D4の出力信号を、検出用光S3の拡散反射光による信号と正反射光による信号とに分離する。
【0105】
(3)上記「第1分布状態」における受光部D3の出力信号の信号レベルと受光部D2の出力信号の信号レベルとの比(R2とする)を求める。
【0106】
(4)上記「第1分布状態」における受光部D3の出力信号の信号レベルと受光部D4の出力信号の信号レベルとの比(R4とする)を求める。
【0107】
(5)上記「第2分布状態」における受光部D2の出力信号の信号レベルに、上記R2を乗じる。この値が受光部D2の出力信号における検出用光S3の正反射光による信号レベル(L2とする)である。
【0108】
(6)上記「第2分布状態」における受光部D4の出力信号の信号レベルに、上記R4を乗じる。この値が受光部D4の出力信号における検出用光S3の正反射光による信号レベル(L4とする)である。
【0109】
(7)上記「第2分布状態」における受光部D2の出力信号の信号レベルから、上記L2を減じる。この値が受光部D2の出力信号における検出用光S3の拡散反射光による信号レベルである。
【0110】
(8)上記「第2分布状態」における受光部D4の出力信号の信号レベルから、上記L4を減じる。この値が受光部D4の出力信号における検出用光S3の拡散反射光による信号レベルである。
【0111】
これによって、検出用光S3のみがトナーパターンを照明したときの、5つの受光部における正反射光による受光量の分布状態、及び拡散反射光による受光量の分布状態を知ることができる。
【0112】
(9)走査制御装置に対して、検出用光S3とフレア光F4が照射される大きさ及び位置のトナーパターンの形成を指示する(図15参照)。ここでは、Lp=1.5mmとしている。
【0113】
(10)発光部E3を点滅させ、各受光部の出力信号に基づいて、5つの受光部における受光量の分布状態を求める。なお、以下では、便宜上、このときの5つの受光部における受光量の分布状態を「第3分布状態」ともいう。
【0114】
このとき、フレア光F4の正反射光は、5つの受光部における受光量に影響しないが、フレア光F4の拡散反射光は、検出用光S3のみがトナーパターンを照明するときに比べて、5つの受光部における受光量を増大させる。
【0115】
(11)上記「第2分布状態」での5つの受光部における正反射光による受光量の分布状態、及び拡散反射光による受光量の分布状態を参照し、「第3分布状態」での5つの受光部における正反射光による受光量の分布状態、及び拡散反射光による受光量の分布状態を求める。そして、各受光部における拡散反射光に起因する信号レベルの合計値を求め、該合計値に基づいてトナー濃度が適切であるか否かを判断する。
【0116】
ところで、一例として図16に示されるように、検出用光S3のみがトナーパターンを照明するときに比べて、検出用光S3とフレア光F4がトナーパターンを照明するときは、拡散反射光の受光量の合計値が増大している。このように、拡散反射光の受光量の合計値が増大することは、転写ベルト2040とトナーパターンの反射特性の差が拡大されることを意味する。そして、転写ベルト2040とトナーパターンの反射特性の差が大きくなると、トナー濃度を変化させたトナーパターンを精度よく判別することができる。すなわち、トナー濃度の検出精度が向上する。
【0117】
なお、トナーパターンが形成されるタイミングは定まっており、トナーパターンが形成されてから検出センサの前方(検出領域)に到達する時間も略定まっている。そこで、プリンタ制御装置2090は、トナーパターンが検出領域に近づいたと判断される適当なタイミングで、発光部を点滅制御する。
【0118】
そして、矩形パターンにおけるトナー濃度が変化すると、拡散反射光を受光した受光部の出力も変化する。具体的にはトナー濃度が濃くなる(トナー付着量が多くなる)と、正反射光が減少し、拡散反射光が増加する。そこで、プリンタ制御装置2090は、検出センサ2245aの各受光部の出力信号から、イエローのトナー濃度が適切であるか否かを判断し、検出センサ2245bの各受光部の出力信号から、マゼンタのトナー濃度が適切であるか否かを判断し、検出センサ2245cの各受光部の出力信号から、シアンのトナー濃度が適切であるか否かを判断し、検出センサ2245dの各受光部の出力信号から、ブラックのトナー濃度が適切であるか否かを判断する。そして、プリンタ制御装置2090は、トナー濃度が適切でないと判断すると、適切となるように対応するステーションの現像処理系を制御する。
【0119】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る画像形成装置2000では、トナー濃度検出器2245によって濃度検出センサが構成されている。そして、発光部(E1〜E5)によって光源が構成され、照明用集光レンズ(LE1〜LE5)によって集光光学系が構成され、受光部(D1〜D5)によって受光器が構成されている。
【0120】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置2000によると、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)と、各感光体ドラムに対して画像情報に応じて変調された光束を主走査方向に走査し、潜像を形成する光走査装置と、潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)と、トナー画像を転写ベルト2040に転写する転写ローラ2042と、転写ベルト2040に転写されたトナーパターンの濃度を検出するトナー濃度検出器2245と、全体を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
【0121】
トナー濃度検出器2245は、各色に対応する4つの検出センサ(2245a、2245b、2245c、2245d)を有している。
【0122】
各検出センサは、Y軸方向に沿って等間隔Leで一列に配置され、転写ベルト2040に向けて光束を射出する5つの光源(E1〜E5)、各光源から射出された光束を集光する5つの照明用集光レンズ(LE1〜LE5)、及び転写ベルト2040で反射された光束を受光する5つの受光部(D1〜D5)を有している。
【0123】
プリンタ制御装置2090は、トナー濃度検出処理を行う際に、走査制御装置に対して、フレア光による光スポットの少なくとも1つと検出用光による光スポットとがトナーパターンを照明するようにトナーパターンの大きさ及び位置を指示する。
【0124】
この場合には、トナーパターンが小さくてもトナー濃度を精度良く検出することができる。
【0125】
ところで、トナー濃度を検出する従来の濃度検出センサは、1個又は2個の発光部、あるいは波長特性の異なる3個の発光部と、反射光を受光するための1個または2個の受光部から構成されていた。そして、濃度検出センサに対するトナーパターンの位置ずれが生じても、検出用光による光スポット全体がトナーパターンを照明できるように、トナーパターンにおける主方向(ここでは、Y軸方向)の長さ(ここでは、Lp)を15mm〜25mmに設定していた。トナー濃度検出処理が行われている間は本来の画像形成を行うことができないため、トナーパターンを形成するのに時間がかかると、本来の画像形成に対する作業効率を低下させることとなる。また、トナーパターンのトナーは、本来の画像形成に寄与しない、いわゆる「不寄与トナー」であり、トナーカートリッジの交換時期に影響を与える。
【0126】
本実施形態では、トナーパターンにおけるY軸方向の長さを、従来の10分の1以下にすることができるため、トナーパターンを形成するのに要する時間を従来よりも大幅に短縮することが可能である。従って、画像形成において、作業性を低下させることなく、高い画像品質を維持することができる。また、トナーパターンの大きさ(面積)は、従来の100分の1以下にすることができるため、不寄与トナーの量を従来よりも大幅に減少させることが可能である。そこで、トナーカートリッジの交換時期を遅らせることができる。
【0127】
なお、上記実施形態において、一例として図17に示されるように、検出用光S3とフレア光F1、F2、F4、F5が照明するようにトナーパターンの大きさ及び位置を指示しても良い。この場合には、転写ベルト2040とトナーパターンの反射特性の差がさらに大きくなり、トナー濃度の検出精度をさらに向上させることができる。なお、ここでは、Lp=6.0mmとしている。この場合であっても、トナーパターンにおけるY軸方向の長さは、従来よりも小さい。
【0128】
なお、上記実施形態において、一例として図18及び図19に示されるように、前記各矩形パターンのそれぞれを、検出用光S3とフレア光F1、F2、F4、F5が個別に照明するように、5つの長方形状のパターン(DP1〜DP5)に分割しても良い。この場合には、トナー濃度の検出精度をさらに向上させるとともに、トナー消費量を削減することができる。なお、各長方形状のパターンのY軸方向の長さは1mm程度で良い。
【0129】
この場合に、検出用光S3とフレア光F1、F2、F4、F5が個別に照明される5つの長方形状のパターン(DP1〜DP5)からの反射光による各受光部の出力分布の例が図20に示されている。通常、トナー濃度検出のためには、全ての受光部の出力信号が用いられるが、DP1による各受光部の出力信号の信号レベル及びDP5による各受光部の出力信号の信号レベルが、DP2による各受光部の出力信号の信号レベル、DP3による各受光部の出力信号の信号レベル、DP4による各受光部の出力信号の信号レベルに比べて著しく小さいときには、一例として図21及び図22に示されるように、3つの長方形状のパターン(DP2〜DP4)を形成しても良い。これにより、トナー濃度の検出精度を維持しつつ、トナー消費量を削減することができる。
【0130】
また、上記実施形態では、各受光部が、対応する発光部の−Z側に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、対応する発光部からの光束の射出方向に応じた位置に各受光部が配置されていれば良い。
【0131】
また、上記実施形態では、4つの検出センサ(2245a、2245b、2245c、2245d)がY軸方向に関して、等間隔に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0132】
また、上記実施形態において、前記プリンタ制御装置2090によって行われる処理の一部を他の装置が行っても良い。
【0133】
また、上記実施形態において、一例として図23に示されるように、前記5つの照明用集光レンズ(LE1〜LE5)を一体化しても良い。
【0134】
また、上記実施形態において、一例として図24(A)〜図24(E)に示されるように、各検出センサが、それぞれ5つの受光用集光レンズ(LD1〜LD5)を有していても良い。
【0135】
受光用集光レンズLD1は、照明用集光レンズLE1の−Z側であって、発光部E1から射出され、照明用集光レンズLE1で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0136】
受光用集光レンズLD2は、照明用集光レンズLE2の−Z側であって、発光部E2から射出され、照明用集光レンズLE2で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0137】
受光用集光レンズLD3は、照明用集光レンズLE3の−Z側であって、発光部E3から射出され、照明用集光レンズLE3で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0138】
受光用集光レンズLD4は、照明用集光レンズLE4の−Z側であって、発光部E4から射出され、照明用集光レンズLE4で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0139】
受光用集光レンズLD5は、照明用集光レンズLE5の−Z側であって、発光部E5から射出され、照明用集光レンズLE5で集光され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。
【0140】
各受光用集光レンズには、Z軸方向に関して集光機能を有するシリンドリカルレンズ、Y軸方向及びZ軸方向に関して集光機能を有する球面レンズやアナモフィックレンズを用いることができる。
【0141】
この場合に、一例として図25に示されるように、5つの受光用集光レンズ(LD1〜LD5)が一体化されても良い。
【0142】
また、上記実施形態において、一例として図26に示されるように、感光体ドラム表面における光スポットの位置ずれを検出するための位置検出用パターンを、各トナーパターンの前方に形成しても良い。この場合には、位置検出用パターンから、Y軸方向に関するトナーパターンの位置を求めることができる。なお、位置検出用パターンを用いた光スポットの位置ずれ検出は公知である(例えば、特開2008−276010号公報、特開2005−238584号公報参照)。
【0143】
また、上記実施形態において、一例として図27に示されるように、TP1〜TP4を転写ベルト2040の進行方向に沿って一列に配置しても良い。この場合には、トナー濃度検出器2245は、1つの検出センサを有していれば良い。
【0144】
また、上記実施形態では、検出センサが5つの発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない(図28参照)。要するに3つ以上の発光部を有していれば良い。
【0145】
また、上記実施形態では、5つの発光部(E1〜E5)が、Y軸方向に沿って一列に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない(図29参照)。また、Y軸方向に対して傾斜した方向に沿って配置されていても良い(図30参照)。また、Y軸方向に沿った複数列のいわゆる千鳥配置されていても良い。要するにY軸方向に関して等間隔に配置されていれば良い。
【0146】
また、上記実施形態では、発光部の数と受光部の数とが同じ場合について説明したが、これに限定されるものではない(図31〜図33参照)。
【0147】
また、上記実施形態では、画像形成装置として、複数の感光体ドラムを備えたカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限らず、例えば1つの感光体ドラムを備え、単色の画像を形成するプリンタにも適用することができる。
【0148】
また、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0149】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、作業性を低下させることなく、高い画像品質を維持するのに適している。
【符号の説明】
【0150】
2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2033a〜2033d…現像ローラ(現像装置の一部)、2034a〜2034d…トナーカートリッジ(現像装置の一部)、2040…転写ベルト(媒体)、2042…転写ローラ(転写装置の一部)、2090…プリンタ制御装置(制御装置)、2245…トナー濃度検出器(濃度検出センサ)、D1〜D5…受光部(受光器)、E1〜E5…発光部(光源)、LD1〜LD5…受光用集光レンズ(受光前光学系)、LE1〜LE5…照明用集光レンズ(集光光学系)、TP1〜TP4…トナーパターン(検出用パターン)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0151】
【特許文献1】特開平1−35466号公報
【特許文献2】特開2004−21164号公報
【特許文献3】特開2002−72612号公報
【特許文献4】特許第4154272号公報
【特許文献5】特許第4110027号公報
【特許文献6】特開2005−77685号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と;
前記像担持体に対して画像情報に応じて変調された光束を主走査方向に走査し、潜像を形成する光走査装置と;
前記潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する現像装置と;
前記トナー画像を媒体に転写する転写装置と;
主走査方向に関して等間隔に配置され、前記媒体に向けて光束を射出する少なくとも3つの光源、各光源から射出された光束を集光する射出光学系、及び主走査方向に関して等間隔に配置され、各光源から射出され前記媒体で反射された光束を受光する少なくとも3つの受光器を含み、前記媒体上に形成された検出用パターンの濃度を検出するための濃度検出センサと;
前記濃度検出センサの各光源を制御するとともに、前記光走査装置に前記検出用パターンの作成を指示する制御装置と;を備え、
前記少なくとも3つの光源のうちのいずれかを発光させたときに、前記媒体上に1つの検出用光スポットと少なくとも1つのフレア光による光スポットとが形成され、
前記制御装置は、前記フレア光による光スポットの少なくとも1つと前記検出用光スポットとが前記検出用パターン上に位置するように前記検出用パターンの大きさ及び個数の少なくともいずれかを指示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記濃度検出センサは、前記媒体で反射された光束を集光する受光前光学系を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記少なくとも3つの光源のうちのいずれかを発光させたときに、前記媒体上に1つの検出用光スポットと複数のフレア光による光スポットとが形成され、
前記制御装置は、前記フレア光による光スポットの2つと前記検出用光スポットとが同時に含まれるように前記検出用パターンの大きさ及び個数の少なくともいずれかを指示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記フレア光による光スポットの全てと前記検出用光スポットとが同時に含まれるように前記検出用パターンの大きさ及び個数の少なくともいずれかを指示することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記フレア光による光スポットの少なくとも1つと前記検出用光スポットとが個別に前記検出用パターン上に位置するように、前記検出用パターンを複数個のパターンで構成させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御装置は、更に前記濃度検出センサの各受光器の出力信号に基づいて、現像装置におけるトナーの付着量を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像情報は多色の画像情報であり、
前記制御装置は、色毎に前記検出用パターンの作成を指示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
像担持体と;
前記像担持体に対して画像情報に応じて変調された光束を主走査方向に走査し、潜像を形成する光走査装置と;
前記潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する現像装置と;
前記トナー画像を媒体に転写する転写装置と;
主走査方向に関して等間隔に配置され、前記媒体に向けて光束を射出する少なくとも3つの光源、各光源から射出された光束を集光する射出光学系、及び主走査方向に関して等間隔に配置され、各光源から射出され前記媒体で反射された光束を受光する少なくとも3つの受光器を含み、前記媒体上に形成された検出用パターンの濃度を検出するための濃度検出センサと;
前記濃度検出センサの各光源を制御するとともに、前記光走査装置に前記検出用パターンの作成を指示する制御装置と;を備え、
前記少なくとも3つの光源のうちのいずれかを発光させたときに、前記媒体上に1つの検出用光スポットと少なくとも1つのフレア光による光スポットとが形成され、
前記制御装置は、前記フレア光による光スポットの少なくとも1つと前記検出用光スポットとが前記検出用パターン上に位置するように前記検出用パターンの大きさ及び個数の少なくともいずれかを指示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記濃度検出センサは、前記媒体で反射された光束を集光する受光前光学系を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記少なくとも3つの光源のうちのいずれかを発光させたときに、前記媒体上に1つの検出用光スポットと複数のフレア光による光スポットとが形成され、
前記制御装置は、前記フレア光による光スポットの2つと前記検出用光スポットとが同時に含まれるように前記検出用パターンの大きさ及び個数の少なくともいずれかを指示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記フレア光による光スポットの全てと前記検出用光スポットとが同時に含まれるように前記検出用パターンの大きさ及び個数の少なくともいずれかを指示することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記フレア光による光スポットの少なくとも1つと前記検出用光スポットとが個別に前記検出用パターン上に位置するように、前記検出用パターンを複数個のパターンで構成させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御装置は、更に前記濃度検出センサの各受光器の出力信号に基づいて、現像装置におけるトナーの付着量を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像情報は多色の画像情報であり、
前記制御装置は、色毎に前記検出用パターンの作成を指示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19】
【図20】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図7】
【図14】
【図18】
【図21】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19】
【図20】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図7】
【図14】
【図18】
【図21】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2010−197641(P2010−197641A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41756(P2009−41756)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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