説明

画像形成装置

【課題】従来の画質制御においては、環境や画像形成装置の特性が大きく変化した場合に制御の精度が低下するという問題に対して、生産性を低下させることなく、高精度の画質制御を行って、高い画質の画像を安定して形成する画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体上に複数水準の基準パターンを形成し、階調曲線上の全ての点における出力画像の濃度の水準を実現するのに適用される基礎作像条件を複数水準の作像条件により形成された基準パターンの検知濃度に基づいて補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真プロセスにより画像を形成する画像形成装置に関し、特に、画質制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスの画像形成装置においては、パッチ画像と称される基準パターンを像担持体上に形成し、形成された基準パターンの濃度を濃度検知手段で検知し、検知結果に基づいて記録画像等の出力画像を形成するための作像条件を制御する画質制御の技術が用いられている。
【0003】
高画質化、カラー化など画像形成技術の高度化に伴って、前記の画質制御技術にも、より高い精度が要求されるようになってきている。
【0004】
特許文献1では、画像形成の生産性を落とすことなく、前記の画質制御を行うために、インターイメージ部にパッチ画像を形成することが行われている。
【0005】
特許文献1では、また、画質制御の精度を上げるために、複数水準の濃度のパッチ画像を形成し、その濃度を検知し、検知結果に基づいて画像形成における作像条件を設定することが行われている。
【0006】
即ち、特許文献1の段落0031では、カバレッジ60%と20%の基準パターンを各2個形成し、その濃度を検知し、検知結果に基づいて作像条件を設定することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−249845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1においては、複数水準の濃度のパッチ画像を形成し、パッチ画像の各濃度に対応した出力画像の濃度を実現する作像条件を設定している。即ち、1水準のパッチ画像の濃度に対して、1水準の濃度の出力画像を形成する作像条件が設定される。
【0009】
このような画質制御では、作像条件の設定に用いられる情報であるパッチ画像の濃度にバラツキが出やすく、制御誤差を生ずる場合が少なくない。
【0010】
特に、温度、湿度等の環境や資材、装置の特性の変動が大きい場合、長時間休止後に画像形成を再開する場合等においては、画質制御の精度が低下する。
【0011】
特許文献1の段落0053にも記載されているように、多階調画像においては、各階調につき多くのパッチ画像を形成し、多くの検出結果から補正を行うことが好ましいが、このためには、多数のパッチ画像を形成する必要が生じて、生産性が低下する。
【0012】
本発明は、従来の画質制御におけるこのような問題を解決し、生産性を低下させることなく、高精度の画質制御を行って、高い画質の画像を安定して形成する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的は下記の発明により達成される。
【0014】
1.像担持体、
該像担持体上にトナー像を形成する像形成手段、
該像形成手段により前記像担持体上に形成された基準パターンの濃度を検知する濃度検知手段及び、
多階調画像の階調曲線上の全ての点における出力画像の濃度を決定する要因となる条件である基礎作像条件を補正する制御手段を有し、
前記像形成手段は、前記像担持体上に複数水準の前記基準パターンを形成し、
前記制御手段は、複数水準の前記基準パターンの濃度を検知した前記濃度検知手段の出力に基づいて、前記基礎作像条件を補正することを特徴とする画像形成装置。
【0015】
2.前記基礎作像条件は、現像バイアス、帯電電位、露光量、現像剤中のトナー像度又は感光体の移動速度と現像剤担持体の移動速度との比であることを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0016】
3.前記制御手段は、複数水準の前記基準パターンの濃度を検知した前記濃度検知手段の出力に基づいて、一つの前記基礎作像条件を補正することを特徴とする前記1又は前記2に記載の画像形成装置。
【0017】
4.前記制御手段は、複数水準の前記基準パターンの濃度を検知した前記濃度検知手段の出力から内挿計算により前記基礎作像条件を求めることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0018】
5.前記像担持体を帯電する帯電手段、
前記像担持体を露光する露光手段、
前記像担持体上の潜像を現像する現像手段、
前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写手段及び、
前記転写手段をクリーニングする転写クリーニング手段を有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0019】
6.感光体、
該感光体を帯電する帯電手段、
前記感光体を露光する露光手段、
前記感光体上の潜像を現像する現像手段、
像担持体、
前記感光体上のトナー像を前記像担持体に転写する一次転写手段、
前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する二次転写手段及び、
前記二次転写手段をクリーニングする二次転写クリーニング手段を有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0020】
本発明においては、基礎作像条件が複数水準の作像条件により形成された複数の基準パターンの検知濃度に基づいて、補正される。
【0021】
したがって、温度、湿度等の環境や資材、装置の特性の変動が大きい場合、長時間休止後に画像形成を再開する場合等においても、高精度の画質制御が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す図である。
【図2】図1に示される画像形成装置の画像形成手段を示す図である。
【図3】作像条件を説明するためのグラフである。
【図4】画質制御工程のシーケンスを示す図である。
【図5】内挿計算を説明するためのグラフである。
【図6】画質制御のフローチャートである。
【図7】カラー画像形成の場合の画質制御において形成されるパッチ画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を図示の実施の形態を用いて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
〔画像形成装置の構成〕
以下、本発明の実施の形態により本発明を説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。本発明の実施の形態に係る画像形成装置を図1、2により説明する。
【0024】
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す図、図2は図1に示される画像形成装置の画像形成手段を示す図である。
【0025】
画像形成装置は、カラー画像を形成するものであり、イエロー画像を形成する像形成手段2Y、マゼンタ画像を形成する像形成手段2M、シアン画像を形成する像形成手段2C及び黒画像を形成する像形成手段2Kを有する。像形成手段2Y、2M、2C及び2Kにおいては、電子写真プロセスにより単色トナー像が形成され、中間転写体1上に転写される。
【0026】
像担持体としての中間転写体1上には単色トナー像が合成されたカラートナー像が形成され、カラートナー像は二次転写手段5により記録材Sに転写され、定着手段4により定着される。
【0027】
像転写後の中間転写体1はクリーニング手段3によりクリーニングされる。
【0028】
6は二次転写手段5を構成する転写ローラをクリーニングする二次転写クリーニング手段である。二次転写手段5としては、転写ローラが用いられ、二次転写クリーニング手段6は転写ローラ上のトナーを掻き取るクリーニングブレードを有する。
【0029】
図2は、図1における像形成手段2Y、2M、2C、2Kの構成を示す。なお、像形成手段2Y、2M、2C、2Kを2で示す。
【0030】
感光体10の周囲には、帯電手段11、露光手段12、現像手段13、一次転写手段14及びクリーニング手段15が配置され、帯電、露光及び現像により感光体10上にトナー像が形成され、一次転写手段14によりトナー像が図1の中間転写体1に転写される。
【0031】
転写後の感光体10はクリーニング手段15によりクリーニングされる。
【0032】
制御手段20はプログラムメモリ29に記憶されているプログラムに従って、前記に説明した画像形成及び以下に説明する画質制御を行う。
【0033】
28は各種の情報を記憶している不揮発性メモリである。
【0034】
図1に示される画像形成装置は、中間転写体を用いたカラー画像形成装置であるが、本発明は白黒画像形成装置及び中間転写体を用いない画像形成装置にも適用される。
【0035】
中間転写体を用いない画像形成装置は、周知のように像担持体としての感光体の周囲に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段が配置された構成である。画像形成工程において、帯電、露光及び現像により感光体上にトナー像が形成され、感光体上のトナー像が転写手段により記録材に転写される。画質制御においては、基準パターンが像担持体としての感光体上に形成される。また、また、転写手段をクリーニングする転写クリーニング手段が設けられる。
〔画質制御〕
記録材上に画像を形成する画像形成工程の中で画質を安定化させる画質制御が行われる。画質制御は、所定枚数の画像形成毎に実行され。画質制御のインターバルは、初期値として100枚程度が設定されるが、ユーザ又はサービスマンにより設定を変更することが可能である。
【0036】
画質制御においては、像担持体としての中間転写体1上の非画像領域、即ち、連続して形成される複数画像の画像間隔に基準パターンとしてのパッチ画像が形成される。
【0037】
パッチ画像は転写されることなくクリーニング手段3に持ち込まれる。このために、クリーニング手段3に多量のトナーが回収される。
【0038】
また、二次転写手段5にトナーが付着するので、クリーニングブレードを用いた接触式の二次転写クリーニング手段6により二次転写手段5からトナーが除去される。
【0039】
中間転写体1に形成されたパッチ画像の濃度は、濃度検知手段としての濃度センサ24により検知される。
【0040】
パッチ画像の濃度を検知した濃度センサ24の出力は、アンプ25により増幅され、A/Dコンバータ26によりデジタル化され、検出値メモリ27に記憶される。
【0041】
複数回検出された検出値は検出値メモリ27に記憶される。
【0042】
制御手段20は検出値メモリ27から濃度センサ24による検出値を読み出し、濃度センサ24の出力を目標値と比較し、比較結果に基づいて、出力画像を形成する際の作像条件を補正して画質を安定化させる画質制御を行う。
【0043】
作像条件の制御による画像の階調特性の変化を図3により説明する。
【0044】
作像条件には、階調曲線の形を、曲線の全体に亘って変化させるものと、階調曲線上の各点を個々に変化させるものとがある。以下の説明において、階調曲線全体を変化させる作像条件を基礎作像条件と言い、階調曲線上の各点を個々に変化させる作像条件を個別作像条件と言う。
【0045】
図3(a)は、基礎作像条件により階調曲線が変化する様子を示す。図3(a)では、基礎作像条件を変えることにより階調曲線L1からL2に変化する。図3(a)のように、基礎作像条件を変えることにより、階調曲線はL1からL2のように変化する。したがって、基礎作像条件が変わった場合、入力濃度Dinに対する出力濃度Doutが階調曲線上の各点で変化する。このように、基礎作像条件は、多階調画像の階調曲線上の全ての点における出力画像の濃度を決定する要因となる条件である。基礎作像条件としては、次のものがある。
【0046】
イ 現像バイアス:
現像バイアスを変えることにより、画像のコントラストが変化する。即ち、最高画像濃度Dmaxが変化する。現像バイアスとして、直流+交流が用いられる場合には、直流成分を変えることにより、階調曲線が変化する。
【0047】
ロ 帯電電位:
感光体の帯電電位、即ち、未露光部の感光体の電位を変えることにより、最高画像濃度Dmaxを含む階調曲線が変化する。
【0048】
ハ 露光量:
レーザを露光光源として用いる場合には、レーザを駆動する駆動電流値を変えることにより、レーザの発光量を制御する。駆動電流制御による画質制御においては、最高濃度変えることができるが、最高濃度を変えることなく、階調曲線の形を変化させることも可能である。
【0049】
ニ 感光体の移動速度と現像剤担持体の移動速度との比(以下現像θと言う):
現像θを変えることにより最高濃度が変化し、階調曲線の形が変化する。
【0050】
ホ 現像剤中のトナー像度
トナー像度を変えることにより最高濃度が変化し、階調曲線の形が変化する。
【0051】
階調曲線上の各点における出力濃度を個々に変化させる個別作像状条件を、図3(b)を用いて説明する。
【0052】
個別作像条件Aにより、入力濃度Din1に対して、出力濃度Dout1が対応する点P1が設定され、個別作像条件Bにより入力濃度Din2に対して、出力濃度Dout2が対応するP2が設定される。階調曲線L3は、点P1、点P2を結ぶことにより形成された近似曲線である。
【0053】
補正Δ1をかけることにより、点P3が設定され、入力濃度に対する出力濃度の関係は、(Din1:Dout1)から(Din1:Dout1a)となる。補正Δ2をかけることにより、点P4が設定され、入力濃度に対する出力濃度の関係は、(Din2:Dout2)から(Din2:Dout2a)となる。階調曲線L4は、点P3、点P4を結ぶことにより形成された近似曲線である。
【0054】
このように、個別作像条件は階調曲線上の各点を個別に設定する条件であり、個別作像条件を一つ設定しても、階調曲線は形成されない。個別作像条件としては、次のものが挙げられる。
【0055】
イ パルス幅制御(PWM):
レーザを駆動するパルスの幅を制御し、レーザの発光時間を制御することにより、露光時間を制御する。
【0056】
ロ 駆動電流制御
レーザを露光光源として用いる場合には、レーザを駆動する駆動電流値を変えることにより、レーザの発光量を制御する。
【0057】
基礎作像条件と、個別作像条件との関係を、基礎作像条件が現像バイアス、個別作像条件がパルス幅制御である場合を例に説明する。
【0058】
現像バイアスVdcを設定することにより、出力画像の最高濃度Dmaxが設定される。
【0059】
階調数256の画像では、最低濃度0と、最高濃度256との間の濃度が各画素値に対応するパルス幅、即ち、レーザダイオードの発光時間の配分により設定される。このように、多階調画像において、階調曲線上の全ての点における出力濃度は一水準の現像バイアスVdcと256水準のパルス幅とにより決定される。
【0060】
前記のように、駆動電流制御は基礎作像条件として用いることができるとともに、個別作像条件としても用いることができる。駆動電流制御を基礎作像条件として用いる場合においては、レーザダイオードを駆動する駆動電流を設定することにより、階調曲線上の最高濃度又は中間調濃度が設定される。駆動電流を設定し、階調曲線上の各点におけるパルス幅、即ち、レーザダイオードを駆動するパルスのパルス幅を、各階調毎に設定することにより、階調曲線が設定される。駆動電流制御を個別作像条件として用いる場合は、階調曲線の各点に置いてレーザ駆動電流を設定することにより、階調曲線が設定される。なお、駆動電流制御を個別作像条件として用いる場合には、駆動電流とパルス幅とを個別作像条件として併用することも可能である。
〔基礎作像条件による画質制御〕
本発明は、基礎作像条件を調整することによる画質制御の改良に関する。
【0061】
なお、本発明を実施する場合、画質制御を基礎作像条件の調整のみにより行ってもよいし、基礎作像条件の調整と個別作像条件の調整とを併用してもよい。
【0062】
本発明においては、複数水準の基礎作像条件により複数のパッチ画像が形成される。
【0063】
形成された複数のパッチ画像の濃度を濃度センサが検知し、複数の検知結果を出力する。
【0064】
制御手段が複数の検知結果に基づいて、一つの基礎作像条件を決定し、決定した基礎作像条件により、前の画質制御インターバルにおける基礎作像条件を補正する。
【0065】
ここに、一つの基礎作像条件とは、1種類の作像条件であって、1水準の作像条件を言う。
【0066】
画質制御工程のシーケンスについて、図4を用いて説明する。図4の例においては、基礎作像条件として現像バイアスを用いている。図4(a)は、記録材に形成される出力画像RGと画質制御用の基準パターンであるパッチ画像PGの形成のシーケンスを示し、図4(b)は、作像条件としての現像バイアスのシーケンスを示す。
【0067】
出力画像RG1〜RG5が画像間隔Dを隔てて連続して形成される。そして、パッチ画像PG1、PG2は画像間隔Dに形成される。このように、パッチ画像PG1、PG2を画像間隔Dに形成することにより、画像形成の生産性を低下させることなく画質制御が行われる。
【0068】
画像質制御は、インターバルWを単位として実行される。図4では、インターバルWnにおいて、現像バイアスVdc0で出力画像RG1〜RG4が形成される。インターバルWn+1においては、インターバルWnの中で形成されたパッチ画像PG1、PG2の濃度検知結果に基づいて、決定された現像バイアスVdc_newで出力画像RG5・・・が形成される。
【0069】
なお、「Vdc」で表される現像バイアスは、直流現像バイアスで現像を行う場合は、現像バイアスの電圧を意味し、直流に交流が重畳された現像バイアスで現像行う場合は、直流成分の電圧を意味する。
【0070】
インターバルWn、Wn+1における現像バイアスの変化は図4(b)に示されるとおりである。即ち、出力画像RG1〜RG4は現像バイアスVdc0で形成され、出力画像RG5は現像バイアスVdc_newで形成される。
【0071】
パッチ画像PG1は現像バイアスVdc0よりも高い現像バイアスVdc1で形成され、パッチ画像PG2は現像バイアスVdc0よりも低い現像バイアスVdc2で形成される。
【0072】
補正された現像バイアスVdc_newを求める例を、図5を用いて説明する。
【0073】
パッチ画像を形成する際の現像バイアスは、出力画像の現像バイアスVdc0を挟む値に設定される。図5の例では、Vdc1=Vdc×1.1、Vdc2=Vdc0×0.9である。
【0074】
Vdc0=440(V)、濃度センサの目標値Vs0=9(V)とし、パッチ画像PG1の濃度を検知した濃度センサの出力Vs1=9.8(V)、パッチ画像PG2の濃度を検知した濃度センサの出力Vs2=7.4(V)であったとすると、
Vdc1=440(V)、Vdc2=360(V)であり、図5における直線L5の式、即ち、Vdc_newを求める式 Vdc=0.03Vs−3.4
が得られる。
【0075】
この式を用いた計算からVdc_new=413(V)が得られる。
【0076】
図5に示すように、Vdc_newは、記録画像の現像バイアスVdc0を挟む2水準の現像バイアスVdc1、Vdc2で形成したパッチ画像の検知濃度から求められた値である。しかも、前記の計算は、パッチ画像PG1、PG2の現像バイアスVdc1、Vdc2を内挿する計算である。
【0077】
現像バイアスVdc_newを設定する画質制御においては、パッチ画像PG1、PG2を形成する現像バイアスVdc1、Vdc2に出力画像の現像バイアスVdc0と異なり、且つ、互いに異なる2水準を有するものにすることが好ましい。
【0078】
そして、現像バイアスVdc1、Vdc2は出力画像の現像バアイスVdc0に対して、一方がVdc0よりも高く、他方がVdc0よりも低いことが特に好ましい。
【0079】
このように、パッチ画像PG1、PG2を形成する現像バイアスの水準を出力画像の現像バイアスを挟む水準に設定することにより、出力画像の新たな現像バイアスVdc_newが、パッチ画像の検知濃度を内挿する計算により決定される。
【0080】
環境(温度・湿度)が大きく変化した場合や、長期間の休止後の画像形成においては、作像系の特性の変化が大きく、画質制御にバラツキが出やすいが、この場合でも複数水準のパッチ画像を用い、内挿計算により基礎作像条件を設定する画質制御により、高精度の画質制御が行われ、安定した画像形成が行われようになる。
【0081】
個別作像条件の調整による画質制御では、制御の精度を上げるには、多数のパッチ画像を形成することが必要になり、結果として生産性が低下するが、基礎作像条件の調整により画質制御によって、生産性を下げることなく、画質制御の精度を上げることが可能となる。
【0082】
図6は画質制御工程のフローチャートである。
【0083】
ステップST1の画像形成(プリント動作)に続き、ステップST2において、プリント枚数が1アップされる。
【0084】
ステップST3においてカウント枚数が画質制御枚数に達したことがチェックされる。
【0085】
ステップST3の判断で画質制御枚数に達したとき(ST3のYes)、制御手段20は、パッチ画像のための現像バイアス(Vdc1、Vdc2)を設定する(ST4)。
【0086】
ステップST5において、パッチ画像形成、パッチ画像の濃度検知及び出力画像のための現像バイアスVdc_newの決定が行われる。
【0087】
Vdc_newの決定では、パッチ画像の濃度を検知したセンサの出力の目標値と比較し、比較結果に基づいて、前回インターバルにおける出力画像の現像バイアスVdc0を補正し、今回のインターバルにおける現像バイアスVdc_newを算出することが行われる。
【0088】
ステップST6において、現像バイアスVdc_newが設定される。
【0089】
ジョブが終了したときは終了し(ST7のYes)、ジョブが終了しないときは(ST7のNo)、補正カウンタが0にリセットされる(ST8)。
【0090】
ST9は、画質制御インターバルを作るためのステップである。
【0091】
図7はカラー画像形成の場合の画質制御において形成されるパッチ画像の例を示す。
【0092】
図7(a)では、Y、M、C、Kのパッチ画像PG1、PG2が画像間隔に、主走査に1列にそれぞれ形成される。
【0093】
図7(b)では、Y、M、C、Kのパッチ画像PG1、PG2が画像間隔に、主走査に2列にそれぞれ形成される。
【符号の説明】
【0094】
1 中間転写体
2、2Y、2M、2C、2K 像形成手段
20 制御手段
24 濃度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体、
該像担持体上にトナー像を形成する像形成手段、
該像形成手段により前記像担持体上に形成された基準パターンの濃度を検知する濃度検知手段及び、
多階調画像の階調曲線上の全ての点における出力画像の濃度を決定する要因となる条件である基礎作像条件を補正する制御手段を有し、
前記像形成手段は、前記像担持体上に複数水準の前記基準パターンを形成し、
前記制御手段は、複数水準の前記基準パターンの濃度を検知した前記濃度検知手段の出力に基づいて、前記基礎作像条件を補正することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記基礎作像条件は、現像バイアス、帯電電位、露光量、現像剤中のトナー像度又は感光体の移動速度と現像剤担持体の移動速度との比であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、複数水準の前記基準パターンの濃度を検知した前記濃度検知手段の出力に基づいて、一つの前記基礎作像条件を補正することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、複数水準の前記基準パターンの濃度を検知した前記濃度検知手段の出力から内挿計算により前記基礎作像条件を求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体を帯電する帯電手段、
前記像担持体を露光する露光手段、
前記像担持体上の潜像を現像する現像手段、
前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写手段及び、
前記転写手段をクリーニングする転写クリーニング手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
感光体、
該感光体を帯電する帯電手段、
前記感光体を露光する露光手段、
前記感光体上の潜像を現像する現像手段、
像担持体、
前記感光体上のトナー像を前記像担持体に転写する一次転写手段、
前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する二次転写手段及び、
前記二次転写手段をクリーニングする二次転写クリーニング手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−197804(P2010−197804A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43763(P2009−43763)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】