説明

画像形成装置

【課題】トナー画像を記録した転写紙を取り出す際に手の触れる可能性がある火傷等を防止する画像形成装置を提供する。
【解決手段】原稿を読み取る読取装置4と画像を形成する画像形成部6との間に、画像を形成した記録部材9を排紙して積載する排紙トレイ91を有する排紙装置90とを備える画像形成装置1において、前記読取装置4は、該読取装置4の筐体412と筐体412を覆う外装体411との間に空間であるダクト部420を有し、かつ、読取部4の下面412a側にあって、読取部4内の空気を流して外部に排気する排気口413を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置に係り、詳しくは、画像形成した記録部材を読取装置と画像形成部との間に排紙する胴内排紙装置を用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、複写機は設置スペースを低減させるため読取装置が、本体作像装置の上方に配置され、その間に印字された転写紙が排出されるいわゆるウイングレス型装置が主流となっている。同時に設置スペースを拡大させる要因となる本体側面に転写紙を丁合したり仕分けしたりする排紙トレイ装置を取り付けることなく、読取装置と本体作像装置の空間を隔てて丁合や仕分けを可能にする胴内排紙トレイ装置が提案されている。
【0003】
このために、特許文献1では、プロセスカートリッジと定着ユニットを備える画像形成装置において、前記プロセスカートリッジと前記定着ユニットに挟まれた空間をダクト状に構成して通風ダクトとするとともに、該通風ダクトの用紙搬送路と反対側の側面に吸気ダクト及び排気ダクトを接続させて設けた画像形成装置が開示されている。また、特許文献2では、未定着トナー画像を前記記録媒体に定着してトナー画像を得る定着手段と、前記記録媒体を収容部から前記画像形成手段、定着手段を経由して排出部へと搬送する主搬送路、および前記定着手段から排出される前記記録媒体を前記画像形成手段に表裏を反転させて戻す戻し搬送路とを有する搬送手段と、前記主搬送路のうち前記定着手段の下流側に位置した主搬送路近傍、或いは前記前記戻し搬送路近傍に設けられた冷却手段と、前記冷却手段を制御する制御手段と、を備えた画像形成装置が開示されている。
また、特許文献3では、熱定着手段の上側に設けてある搬送路を通じて、前記画像を定着させたシートを排出する手段とを備える画像形成装置において、前記熱定着手段から放出される熱を拡散すべく前記熱定着手段の下側に配した送風手段を備える画像形成装置が開示されている。
特許文献4では、読取手段を収納する第1の筐体と、電源を密閉して収納する第2の筐体とを備えた画像形成装置において空気を流通させる空気流通方法であって、前記第1収容部に外部から空気を取り入れた後、前記第1の筐体から前記第2の筐体に空気を流通させて前記電源の周囲を通して前記第1の筐体に空気を流通させ、次いで、前記第1の筐体から外部に空気に排出するようにした画像読取装置の空気流通方法が開示されている。
特許文献5では、用紙を排紙する排紙口を有する排紙空間部を配置した画像形成装置であって、前記排紙口から排紙される用紙の排紙方向で、かつ前記用紙の上面側と前記画像読取部との間にエアーを吹き出す第1のファンを有する画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、読取装置が本体作像装置の空間を隔てて排紙トレイを設置するため、読取装置下面と排紙トレイの空間は狭くなり、転写紙の排出口から排出される定着装置からの熱や、排紙された転写紙の熱で読取装置下面が熱くなり、転写紙を取り出す際に読取装置の下面に触れ火傷等の可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、トナー画像を記録した転写紙を取り出す際に手の触れる可能性がある火傷等を防止する画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明に係る画像形成装置は、原稿を読み取る読取装置と画像を形成する画像形成部との間に、画像を形成した記録部材を排紙して積載する排紙装置を備える画像形成装置において、前記読取装置は、該読取装置の筐体と筐体を覆う外装体との間に空間を有し、かつ、該読取装置の下面側にあって、該読取装置内の空気を流して外部に排気する排気口を有することを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、さらに、前記排気口は、前記画像を形成した記録部材を排紙する排出口に対向して配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、さらに、前記排気口は、リブが配置されており、前記リブが前記排気口から突出していることを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、さらに、前記排気口は、前記リブの先端が前記筐体に突き当てられていて、該リブの先端が、読取装置の下面から突出させないことを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、さらに、前記リブ間隔は通紙できる最小転写紙の幅より狭いことを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、さらに、前記読取装置内の空気を流して外部に排気するファンモータは、排紙装置に記録部材が排出される場合のみ動作することを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、さらに、前記読取装置の最大幅が作像装置部よりも小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記課題を解決する手段である本発明によって、以下のような特有の効果を奏する。
本発明に係る画像形成装置では、読取装置の下面に空気を当てることにより、読取装置の下面を冷却して、転写紙を取り出す際に手が触れても、火傷などの障害が発生するのを防止している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の内部の構成を示す概略図である。
【図3】4つのプロセスカートリッジのうち1つを拡大して、その構成を示す概略図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置における読取装置と排紙装置との構成を示す概略図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置における読取装置の構成を示す概略図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置における筐体と筐体を覆う外装体の構成を示す概略図であり、画像形成装置本体の正面から見た断面図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置におけるファンモータの位置を示す概略図であり、画像形成装置本体の上から見た平面断面図である。
【図8】本発明に係る画像形成装置におけるファンモータの他の位置を示す概略図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置における読取装置で、リブを設けた排気口の構成を示す概略図である。
【図10】本発明に係る画像形成装置における読取装置で、複数のリブを設けた排気口の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
図2は、本発明に係る画像形成装置の内部の構成を示す概略図である。
本発明に係る画像形成装置1は、上の方から、置かれた原稿を自動的に搬送する自動原稿搬送装置(ADF)5と、原稿を読み取る読取装置4、トナー画像を形成する画像形成部6、そして、その下に給紙装置70が配置されている。その他に、読取装置4と画像形成部6との間に、画像が形成された記録部材9を積載する排紙装置90は配置されている。
画像形成装置1は、その中央部に画像形成部6が配置されている。画像形成部6では、その内部の略中央に、プロセスカートリッジとしてのプロセスカートリッジ2をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーに対応した4つを並列に並べたタンデム型に配列している。その上に、ポリイミドやポリアミド等の耐熱性材料からなり、中抵抗に調整された基体からなる無端状ベルトで、4つのローラ531、532、533、534に掛け回して支持され、図中矢印A方向に回転駆動する中間転写ベルト51を備えている。
また、図2を参照すると、4つのプロセスカートリッジの下方には、帯電した各感光体3の表面に各色の画像データに基づいて露光をし、潜像を形成する露光装置9が備えられている。中間転写ベルト51を挟んで、各感光体3と対向する位置には、感光体3上に形成されたトナー像を中間転写ベルト51上に一次転写する一次転写ローラ52がそれぞれ配置されている。一次転写ローラ52は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。
【0010】
中間転写ベルト51の支持ローラ532で支持された部分の外側には、二次転写ローラ54が圧接されている。二次転写ローラ54は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。二次転写ローラ54と中間転写ベルト51との接触部が二次転写部であり、中間転写ベルト51上のトナー像が記録部材9に転写される。
中間転写ベルト51の支持ローラ531で支持された部分の外側には、二次転写後の中間転写ベルト51の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置55が設けられている。
二次転写部の上方には、記録部材9上のトナー像を記録部材9に半永久的に定着させる定着装置70が備えられている。定着装置70は、定着ローラ71と、これに対向し、圧接して配置される、内部にハロゲンヒータを有する加圧ローラ72とから構成されている。この他に、定着ローラ71の代わりに、図示しないが、内部にハロゲンヒータを有する加熱ローラ及び定着ローラに巻き掛けられた無端の定着ベルトを用いても良い。
画像形成装置の下部には、記録部材9を載置し、二次転写部に向けて記録部材9を送り出す給紙装置60が備えられている。
【0011】
図3は、4つのプロセスカートリッジのうち1つを拡大して、その構成を示す概略図である。いずれのプロセスカートリッジでも同様の構成であるので、この図においては、色の区別を示すY、M、C、Kの表示を省略する。各プロセスカートリッジは感光体3Y、3M、3C、3Kを有し、各感光体3の周りには、感光体3表面に電荷を与える帯電装置10、感光体3表面に形成された潜像を各色トナーで現像してトナー像とする現像装置40、感光体3表面に潤滑剤32を塗布する潤滑剤塗布装置30、トナー像転写後の感光体3表面のクリーニングをするクリーニング装置20がそれぞれ配置されている。
図3に示した各要素を画像形成装置本体にそれぞれ別個に組み付けてもよいが、図示した例では、さらに、帯電装置10は、帯電ローラ11と帯電ローラ加圧バネ12と帯電クリーナローラ13とから構成されている。潤滑剤塗布装置30は、潤滑剤32と潤滑剤加圧バネ33と潤滑剤を塗布するブラシローラ31と潤滑剤を均す潤滑剤塗布ブレード34とから構成されている。現像スリーブ41、現像スリーブ41上の現像剤量を規制する現像規制部材41等から構成されている。クリーニング装置20は、クリーニングブレード21と廃トナー回収コイル22とから構成されている。
図3では、これで、一つのプロセスカートリッジ2を形成しているが、プロセスカートリッジ2は、感光体3と、帯電装置10、現像装置40、クリーニング装置20、潤滑剤塗布装置のいずれか1つ以上を一体的に支持していて、画像形成装置1に着脱可能になっていればよく、本実施形態のプロセスカートリッジ2に限定するものではない。
【0012】
感光体3は、有機感光体であり、ポリカーボネート系の樹脂で表面保護層が形成されている。
帯電装置10は、帯電部材として導電性芯金の外側に中抵抗の弾性層を被覆して構成される帯電ローラ11を備える。帯電ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。帯電ローラ11は、感光体3に対して微小な間隙をもって配設される。この微小な間隙は、例えば、帯電ローラ11の両端部の非画像形成領域に一定の厚みを有するスペーサ部材を巻き付けるなどして、スペーサ部材の表面を感光体3表面に当接させることで、設定することができる。また、帯電ローラ11は、感光体に接触させずに、近接させても良い。ローラ形状であり、感光体3に近接している部分で、放電して、感光体3を帯電させることができる。また、非接触にすることで、帯電ローラ11の転写残トナーによる汚れの発生を抑えることができる。また、帯電ローラ11には、帯電ローラ11表面に接触してクリーニングする帯電クリーナローラ13が設けられている。
現像装置40は、感光体3と対向する位置に、図示しないが内部に磁界発生手段を備える現像スリーブ41が配置されている。現像スリーブ41の下方には、図示しないトナーボトルから投入されるトナーを現像剤と混合し、攪拌しながら現像スリーブへ汲み上げる機構を併せて有する2つの攪拌・搬送スクリュー43、44が備えられている。現像スリーブ41によって搬送されるトナーと磁性キャリアからなる現像剤は、規制部材42によって所定の現像剤層の厚みに規制され、現像スリーブ41に担持される。現像スリーブ41は、感光体3との対向位置において同方向に移動しながら、現像剤を担持搬送し、トナーを感光体3の潜像面に供給する。また、未使用のトナーが収納された各色のトナーカートリッジ31Y、31C、31M、31Kが、着脱可能に感光体3上部の空間に収納される。図示しないモーノポンプやエアーポンプなどのトナー搬送手段により、各現像装置5に必要に応じトナーを供給するようになっている。消耗の多いブラックトナー用のトナーカートリッジ31Kを、特に大容量としておくことも可能である。
【0013】
クリーニング装置20は、クリーニングブレード21が感光体3と当接・離間する機構を備え、画像形成装置本体の制御部にて、任意に当接・離間させることができる。クリーニングブレード21をカウンタ方式で、感光体3に当接し、これによって、感光体3上に残留するトナー、汚れとして付着している記録部材のタルク、カオリン、炭酸カルシウム等の添剤を感光体3から除去してクリーニングする。除去したトナー等は、廃トナー回収コイル22で、図示しない廃トナー容器に搬送し、貯留する。
潤滑剤塗布装置30は、固定されたケースに収容された固形潤滑剤32と、固形潤滑剤32に接触して潤滑剤を削り取り、感光体3に塗布するブラシローラ31とブラシローラ31で塗布された潤滑剤を均す潤滑剤塗布ブレード34を備える。固形潤滑剤32は、直方体状に形成されており、加圧バネ33によってブラシローラ31側に付勢されている。固形潤滑剤32はブラシローラ31によって削り取られ消耗し、経時的にその厚みが減少するが、加圧バネ33で加圧されているために常時ブラシローラ31に当接している。ブラシローラ31は、回転しながら削り取った潤滑剤を感光体3表面に塗布する。
本実施形態においては、上記ブラシローラ31による潤滑剤塗布位置に対して移動方向の下流側の感光体表面に潤滑剤均し手段としての潤滑剤塗布ブレード34を当接させている。潤滑剤塗布ブレード34は弾性体であるゴムから構成されているものであり、クリーニング手段としての機能も持たせ、感光体3の移動方向に対してカウンタ方向に当接してある。
【0014】
上記の構成においてフルカラー画像を形成する動作について説明する。
本発明に係る画像形成装置1は、原稿等の画像を読み取る読取装置4を備えている。この読取装置4は、図2に示すように、原稿401を載置するためのコンタクトガラス403、原稿401を予め定めた位置に置くための規制板402と光学走査系を有する。光学走査系は、キセノンランプ等の露光ランプ404、第1ミラー406、第2ミラーと第3ミラー408、結像レンズ409、フルカラーCCDからなる読取センサ410等を有する。露光ランプ11及び第1ミラー12は第一走行体に装備され、第一走行体405は原稿読み取り時にステッピングモータにより一定の速度で副走査方向に移動する。第2ミラー及び第3ミラー408は第二走行体407に装備され、第二走行体407は原稿401を読み取り時にステッピングモータにより第一走行体405の1/2の速度で移動する。この第一及び第二走行体405、407の移動によりコンタクトガラス403上の原稿401が光学的に走査され、レンズ409により読取センサ410の受光面に結像されて光電変換される。フルカラーの読取センサ16により赤(R)、緑(G)及び青(B)の各色に分離された画像信号は、画像処理回路によりA/D変換等された後に、図示しない画像処理部により各種の画像処理が施される。この他に、また、読取装置4内には、第一及び第二走行体405、407を走査方向に沿って往復動させるためのステッピングモータによる駆動モータ、読取装置4の底板には、コンタクトガラス403上に載置された原稿のサイズを検出する幅センサ及び長さセンサ等が設けられている。したがって、画像形成動作時には、多数の電気備品が動作することで多量の熱が発生する。これらの熱が内部にこもると、レンズ、ミラー等が延びるために、画像の読み取り精度が低下する。このために、読取装置内は常に同じ温度に保つことが好ましいが、実際には、難しいことから、できるだけ内部の温度を一定に保つために、ファンモータ415を設け、熱を外部に排気するようにしている。
【0015】
画像形成動作は、まず、負荷電極性の感光体3に対し、露光装置80のレーザビームにより各感光体3の表面に形成された色毎の静電潜像が形成される。つぎに、現像装置40で、感光体3の帯電極性と同極性(負極性)の所定の色のトナーで現像され、顕像となる反転現像がおこなわれる。このときに、無端状の中間転写ベルト51が、複数のローラ531〜534により支持されて、感光体3Y、3C、3M、3Kの上部に設けられて、各感光体3Y、3C、3M、3Kの現像工程後の一部が接触するように張架、配置されて、矢印方向に走行している。また、中間転写ベルト51には、各感光体3Y、1C、1M、1Kに形成されたトナー画像を1次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kで、中間転写ベルト51上に転写され、トナー画像が重ねられて、未定着の画像が形成される。中間転写ベルト51の外周部には、ローラ534に対向する位置にベルトクリーニング装置55が設けられている。このベルトクリーニング装置55は、中間転写ベルト51の表面に残留する不要なトナーや、紙粉などの異物を拭い去る。中間転写ベルト51に関連する部材は、転写装置50として一体的に構成してあり、画像形成装置1に対し着脱が可能となっている。
さらに、中間転写ベルト51の外周で、支持ローラ532の近傍には、2次転写ローラ54が設けてある。中間転写ベルト51と2次転写ローラ54の間に記録部材9を通過させながら、2次転写ローラ54にバイアスを印加することで中間転写ベルト51が担持するトナー画像が記録部材9に転写される。2次転写ローラ54に印加される転写電流の極性は、トナーの極性と逆のプラス極性である。
画像形成装置1の下側には記録部材9を供給可能に収納した給紙カセット61を備える給紙装置60が配備されている。この給紙カセット6から、確実に記録部材9の一枚だけが搬送ローラ62によりレジストローラ63に送られる。更に、転写ローラ54を通過した記録部材9は、搬送方向下流に備えられた定着装置70まで搬送される。定着後の記録部材9は、排紙ローラ93により、画像形成装置1の胴内に設けた排紙トレイ91に排紙、スタックさせる。
【0016】
また、定着装置70においても、加熱手段を有する定着装置70はローラ内部にヒータを備えるタイプ、加熱されるベルトを走行させるベルト定着装置、また加熱の方式に誘導加熱を採用した定着装置70などが採用できる。定着装置70は、フルカラーとモノクロ画像、あるいは片面か両面かにより定着条件を制御したり、用紙の種類に応じて最適な定着条件となるよう、不図示の制御手段により制御したりされる。このときに、ローラ内部のヒーターによって、多量の熱が発生する。この場合も、熱がこもると、定着ローラ、定着ベルト等の温度が高くなり、トナーへ付与される熱量が違ってくるために、定着条件が制御できない場合がある。このために、同じ温度に保つことが好ましいが、実際には、難しいことから、できるだけ内部の温度を一定に保つために、ファンモータを設け、定着装置70の発生する熱量が大きいことから、画像形成装置1の内部ではなく、外部に排気することが多い。
【0017】
図4は、本発明に係る画像形成装置における読取装置と排紙装置との構成を示す概略図である。ここでは、排紙装置は胴内排紙方式を採用していることから、図1に示すように、画像形成部と、その上に配置されている読取装置の間に設けられている。
したがって、詳細には、図4に示すように、ここでは、読取装置4で原稿の内容が読み込まれ、その画像情報が本体画像形成部6に電気的に伝達され画像処理を行い、給紙された記録部材9にトナー画像を転写し定着装置70にてトナーの定着を行い、排紙トレイ設定により排紙トレイ91が選択された場合、排出口92から矢印で示す方向に、記録部材9が排出され排紙トレイ91上に積載される。
このときに、作業者は、コピー又はプリントの終了によって、画像が形成された記録部材9を手に取ろうとする。このために、作業者は、手を、画像形成装置1の胴内に設けられた排紙トレイ91に差し入れる。しかし、排紙トレイ91は、作業者の腰辺りにあるのが通常であり、作業者は、排紙トレイ内を視認しないまま手を差し入れることになる。そのために、作業者の手が、排紙トレイ91の周囲に接触することがある。
特に、上述したように、排紙トレイ91の周囲には、画像形成装置1で多量の熱を発する読取装置4、定着装置70が配置されている。
【0018】
図5は、本発明に係る画像形成装置における読取装置の構成を示す概略図である。
図6は、本発明に係る画像形成装置における筐体と筐体を覆う外装体の構成を示す概略図であり、画像形成装置本体の正面から見た断面図である。図6は、ここで、読取装置4の筐体412と筐体412を覆う外装体411とが設けられており、この隙間を空気を流す間隙でダクト部420を形成している。そのダクト部420の読取装置4の出口に排気口413が設けられている。これは、定着装置90からの記録部材9を排紙する排出口92対向側に読取装置4を覆うための外装体411と読取装置4の筐体412でダクト部420によるダクト形状を構成し、外装体411の下面411aと読取装置下面412aとに段差を設けその段差を用いて排気口413を形成することができる。
排気口413を読取装置4の下側向きにし、外装体411の下面411aと読取装置下面412aとに段差を利用することで横向きの空気の流れを形成することができて、読取装置4の下面412aに直接に空気を当てることができ、記録部材9を取り出す際に手の触れる可能性がある読取装置4の下面412aを冷却することができる。
また、定着装置70によって加熱されて排紙される記録部材9にも、直接に空気の流れを当てて冷却することができ、記録部材9を取り出す際の火傷等の怪我を防止することができる。
また、読取装置4に配置されている排気口413の外側の位置を、図5に示すように、画像形成部6及びそれに配置されている排紙トレイ91等の排紙装置90よりも内側に設ける。これらの機能を持った外装体411を読取装置4に取り付けても、画像形成部6よりも読取装置4の幅がはみ出ることなく構成することで本体占有面積を小さくすることができる。また、画像形成部6の幅よりも排気口413の幅が大きいと、それにつれて、読取装置4の全体の幅が大きくなってしまう。しかし、最大用紙サイズは、画像形成部6の幅よりも小さいため排気口413を、画像形成部6の幅よりも小さくすることで最大用紙サイズ全体を冷やすことができる。
【0019】
図7は、本発明に係る画像形成装置におけるファンモータの位置を示す概略図であり、画像形成装置本体の上から見た平面断面図である。
図7(A)及び(B)に示すように、読取装置4内部の後側に取り付けられたファンモータ415により読取装置4の本体側面または後方から取り入れられた空気は外装体411と読取装置4の筐体412で作られたダクト部420を流れ、排出口92に向かう方向に空気を排気する。ファンモータ415により読取装置4下面及びダクト部420の側面を冷却し,読取装置4の筐体412自体を冷却することで、画像形成装置1の内部の温度上昇を防止しています。さらに、このような構成を取ることにより、読取装置4の筐体下面412aに空気を当てることができ、記録部材9を取り出す際に手の触れる可能性がある読取装置4の下面412aを冷却することができる。さらに、記録部材9の排出口92側は定着装置70近傍のため周りの空気が熱くなっているが、排出口92の対向側は排出口92側より冷たい空気を読取装置4の下面や記録部材9に当てることができるので冷却効率を向上させることができる。したがって、定着装置70によって加熱された記録部材9も冷却することができ、記録部材9を取り出す際の火傷等の怪我を防止することができる。
また、ファンモータ415の動作のタイミングを排紙口72の選択により読取装置4の直ぐ下の排紙トレイ91が選ばれた時とし、読取装置4の下面412aの温度を上昇させてしまう記録部材9が読取読取装置4下面に排出される時のみファンモータ9を動作させることにより、読取装置4下面に排出させない時の消費電力及び騒音を低減させることができる。
また、ファンモータ415の位置は、画像形成装置1の前側にあると騒音等が問題となるため後側にあることが好ましい。
図8は、本発明に係る画像形成装置におけるファンモータの他の位置を示す概略図である。ファンモータ415を、図8に示すように、画像形成装置1の右側側面後方に配置してもよい。この位置に配置することで、読取装置4の筐体412の後側面及び左側面、さらに、下面を冷却することができるため、読取装置4全体の冷却効率を上げることができる。
【0020】
図9は、本発明に係る画像形成装置における読取装置で、リブを設けた排気口の構成を示す概略図である。
さらに、排気口413には、排出された記録部材9が入り込むことによる排紙不良を防止するため外装体411にリブ414が設けられている。リブ414は、記録部材9に対し垂直で且つ排紙方向に対し平行で外装体411の下面より突出している。これによって、リブ414の先端は読取装置4の筐体412に突き当てられて、突き当てられたリブ414の先端は読読取装置4の下面412aから突出させないことで、排出口92から排出された記録部材9の先端がリブ414の先端面で引っ掛かることを防止することができ、排紙不良による機械停止を防ぐことができる。また、リブ414の間隔は記録部材9の通紙最小サイズよりも小さいことで排気口413への入り込みを防止することができる。
排出された記録部材9が排気口413に入り込むことを防止できるので排紙不良を防ぐことができる。
また、図10は、本発明に係る画像形成装置における読取装置で、複数のリブを設けた排気口の構成を示す概略図である。
また、図10(A)に示す平面図によると、リブ414は、排紙される記録部材9の中心に対し対称に配置され中央部のリブ幅は、記録部材9の最小幅よりも小さくする。さらに、図10(B)に示す断面図によると、リブ414の高さは、ファンモータ415側が低くして、離れるに従って徐々に高くすることで、読取装置4の下面に流れる空気を一様にすることができるので、読取装置4の下面412a及び記録部材9を均一に冷却することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 画像形成装置
2 プロセスカートリッジ
3 像担持体/感光体
4 読取装置
402 規制板
403 コンタクトガラス
404 ランプ
405 第一走行体
406 ミラー
407 第二走行体
408 ミラー
409 結像レンズ
410 読み取りセンサ
411 外装体
411a 下面
412 筐体
412a 下面
413 排気口
414 リブ
415 ファンモータ
420 ダクト部
5 自動原稿搬送装置(ADF)
6 画像形成部
9 記録部材
10 帯電装置
11 帯電ローラ
12 帯電ローラ加圧バネ
13 帯電クリーナローラ
14 帯電クリーナローラ加圧バネ
20 クリーニング装置
21 クリーニングブレード
22 廃トナー回収コイル
30 潤滑剤塗布装置
31 ブラシローラ
32 潤滑剤
33 加圧バネ
34 潤滑剤塗布ブレード
40 現像装置
41 現像スリーブ
42 規制部材
43、44 攪拌・搬送スクリュー
50 転写装置
51 中間転写ベルト
52 一次転写ローラ
531、532、533、534 支持ローラ
54 二次転写ローラ
55 中間転写ベルトクリーニング装置
60 給紙装置
61 給紙ユニット
62 給紙ローラ
63 レジストローラ
64 排紙ローラ
70 定着装置
80 露光装置
90 排紙装置
91 排紙トレイ
92 排紙口
93 排紙ローラ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2008−250284
【特許文献2】特開2006−267479
【特許文献3】特開2005−202247
【特許文献4】特開2005−228173
【特許文献5】特開2009−020329

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取る読取装置と画像を形成する画像形成部との間に、画像を形成した記録部材を排紙して積載する排紙装置を備える画像形成装置において、
前記読取装置は、
該読取装置の筐体と筐体を覆う外装体との間に空間を有し、かつ、
該読取装置の下面側にあって、該読取装置内の空気を流して外部に排気する排気口を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記排気口は、前記画像を形成した記録部材を排紙する排出口に対向して配置されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記排気口は、リブが配置されており、
前記リブが前記排気口から突出している
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記排気口は、前記リブの先端が前記筐体に突き当てられていて、
該リブの先端が、読取装置の下面から突出させない
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記リブ間隔は通紙できる最小転写紙の幅より狭い
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記読取装置内の空気を流して外部に排気するファンモータは、排紙装置に記録部材が排出される場合のみ動作する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記読取装置に配置されている排気口の外側の位置を、画像形成部よりも内側に設ける
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−217509(P2010−217509A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64158(P2009−64158)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】