説明

画像形成装置

【課題】ロータリー方式を採用する画像形成装置において、良好な画像品質を得ることが可能であると共に、装置本体の小型化、低コスト化を達成することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光ドラム2、現像ローラ182a〜182d、現像装置18a〜18d、現像装置18a〜18dを一体に支持する回転可能なロータリー102、現像ローラ182a〜182dを回転駆動させる駆動伝達部材300、及び駆動伝達部材300と係合し、回転駆動力を現像ローラ182a〜182dへ伝達するカップリング部材200とを備え、ロータリー102が回転することによって各々の現像ローラ182a〜182dが感光ドラム2の表面に順次当接、離間可能に構成されている画像形成装置であって、カップリング部材200と駆動伝達部材300とが係合可能な位置において、ロータリー102の回転を一旦停止させ、現像ローラ182を回転状態とし、その後、ロータリー102を回転させて現像ローラ182を感光ドラム2の表面に当接させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロータリー方式の現像プロセスを採用したカラー電子写真画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、単一の像担持体と、複数の現像装置を一体に支持した回転可能な支持体とを備え、所定のタイミングで現像装置を順次切り替えて、像担持体の表面に形成された静電潜像を現像する現像プロセスを採用したフルカラー画像形成装置が知られている。
【0003】
このように複数の現像装置を一体に支持した回転可能な現像装置支持体(ロータリー)を用い、現像装置を順次切り替えて単一の像担持体の表面の静電潜像を現像する画像形成装置をロータリー方式の画像形成装置と称する。
【0004】
特許文献1、特許文献2に、ロータリー方式を採用する従来の画像形成装置の構成が開示されている。
【0005】
一般的にロータリー方式の現像プロセスにおいては、各色の現像剤に対応して設けられた現像装置ごとに、現像位置において、それらの現像装置が有する現像剤担持体を像担持体の表面に対して順次当接、離間させる動作が必要になる。現像装置の切り替えは、現像装置が像担持体の表面から離間している間に現像装置支持体が回転することで行われる。

【0006】
従来の画像形成装置では、駆動力を有するカム等を用いて現像装置支持体を像担持体の径方向(回転中心方向)へ移動させることで、現像剤担持体を像担持体表面に対して当接、又は離間させる構成が採用されている。
【0007】
また、各々の現像装置に設けられている現像剤担持体に駆動力を伝達する駆動伝達方法として、現像装置側のカップリング部材と装置本体側のカップリング部材とを結合させることで現像剤担持体に回転駆動力を伝達する方法が知られている(特許文献2)。
【0008】
現像装置支持体の回転時には、装置本体側のカップリング部材は、現像装置支持体の回転の邪魔にならないように退避した状態にあり、現像装置支持体が所定の位置に回転移動したときに現像装置側のカップリング部材の方向に移動するように構成されている。
【0009】
そのため、ロータリー方式の画像形成装置においては、現像剤担持体を回転駆動させるために、現像装置支持体が所定の位置に停止した後に、現像装置側のカップリング部材と装置本体側のカップリング部材とを係合させるための時間を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−148319号公報
【特許文献2】特開平11−15265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来のロータリー方式の画像形成装置では以下の課題がある。
【0012】
従来の画像形成装置では、現像装置支持体を像担持体の径方向へ移動させ、現像剤担持体の像担持体の表面に対する当接、及び像担持体の表面からの離間の動作を行う構成であるので、現像装置支持体を移動させるためのスペースを設ける必要がある。
【0013】
また、現像装置支持体を回転させるための手段とは別に、像担持体の表面に対する当接、離間の動作に伴って現像装置支持体を像担持体の径方向へ移動させるための駆動手段を設ける必要がある。
【0014】
すなわち、従来のロータリー方式の画像形成装置では、現像装置支持体ごと像担持体の径方向に移動させて、現像剤担持体を像担持体の表面に当接させ、または離間させるためのスペース、駆動手段を設ける必要がある。よって、装置本体の小型化、低コスト化を達成することが困難である。
【0015】
この問題の解決策として、例えば現像剤担持体と像担持体の表面の当接、離間の動作を、カム等の駆動手段を用いず、現像装置支持体の回転をそのまま利用して行うことが考えられる。
【0016】
しかし現像装置支持体の回転を利用して現像剤担持体と像担持体の当接、離間を行う場合は、現像装置側のカップリング部材と装置本体側のカップリング部材とを係合させるための時間をかせぐことが困難になる。
【0017】
その結果、両者のカップリング部材が係合して現像剤担持体が回転駆動する前に、現像剤担持体が像担持体の表面に当接することになる。なお、回転駆動していない状態の現像剤担持体が像担持体の表面に当接すると、現像剤担持体上の現像剤が像担持体に掻き取られ、像担持体の表面にカブリが生じ、その結果画像不良が引き起こされる。
【0018】
そこで本発明は上記現状に鑑みてなされたものであり、ロータリー方式を採用する画像形成装置において、良好な画像品質を得ることが可能であると共に、装置本体の小型化、低コスト化を達成することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
回転可能な像担持体と、
前記像担持体の表面に接触して前記表面に形成された静電潜像に現像剤を供給する回転可能な現像剤担持体を有する現像装置と、
複数の前記現像装置を一体に支持する回転可能な現像装置支持体と、
前記現像装置支持体の回転を制御する制御装置と、
画像形成装置の装置本体側に設けられ、前記現像剤担持体を回転させるための回転駆動力を前記現像剤担持体に伝達するための駆動伝達部材と、
前記現像装置に設けられ、前記駆動伝達部材と係合することで前記駆動伝達部材から前記現像剤担持体に回転駆動力を伝達するカップリング部材と、を備える画像形成装置において、
前記現像装置支持体が回転することによって各々の前記現像剤担持体が前記像担持体の表面に順次当接、離間可能に構成されており、
前記駆動伝達部材と、前記カップリング部材は、前記現像剤担持体が前記像担持体の表面に当接する前に係合可能に設けられており、
前記制御装置は、
前記現像装置支持体を回転させることにより前記現像剤担持体を前記像担持体に当接させる時に、
前記カップリング部材と前記駆動伝達部材とが係合可能な位置において、前記現像装置
支持体の回転を一旦停止させ、前記カップリング部材と前記駆動伝達部材とを係合させて前記現像剤担持体を回転している状態とし、その後、前記現像装置支持体を回転させて前記現像剤担持体を前記像担持体の表面に当接させるように前記現像装置支持体の回転を制御することを特徴とする置。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、ロータリー方式を採用する画像形成装置において、良好な画像品質を得ることが可能であると共に、装置本体の小型化、低コスト化を達成することが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】第1の実施の形態における現像装置の概略構成図。
【図3】第1の実施の形態におけるロータリー及びその周辺部材の概略構成図。
【図4】第1の実施の形態におけるロータリー及びその周辺部材の概略構成図。
【図5】第1の実施の形態における現像装置のカップリング部材の概略構成図。
【図6】第1の実施の形態における現像装置のカップリング部材の概略構成図。
【図7】第1の実施の形態における現像装置のカップリング部材の概略構成図。
【図8】第1の実施の形態における現像装置のカップリング部材と装置本体の駆動伝達部材との位相関係を示す図。
【図9】第1の実施の形態におけるロータリーの回転制御のタイミングを示す図。
【図10】第2の実施の形態におけるロータリーの回転制御のタイミングを示す図。
【図11】第3の実施の形態におけるロータリーの回転制御のタイミングを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施の形態に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1〜図9を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。
【0024】
(画像形成装置の概略構成)
図1に本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す。本実施の形態では、画像形成装置として、ロータリー方式のカラーレーザープリンタ(電子写真方式)を用いている。
【0025】
カラーレーザープリンタは、回転可能な感光ドラム2(像担持体)を備えている。また、感光ドラム2の周囲には、感光ドラム2の表面を一様に帯電するための帯電ローラ3、感光ドラム2の表面にレーザー光を照射して静電潜像を形成するための露光器4、感光ドラム2の表面をクリーニングするクリーニング装置6が設けられている。
【0026】
また、感光ドラム2の表面に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像する手段として、各現像剤の色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)ごとに現像装置18a〜18dが設けられている。
【0027】
各々の現像装置18a〜18dは、感光ドラム2の回転方向に対して順方向に回転可能な略円形のロータリー102(現像装置支持体)に一体に支持されている。ロータリー1
02は後に説明する駆動機構によって、各々の現像装置18a〜18dが感光ドラム2に対向した現像位置にくるように回転可能に構成されている。
【0028】
なお、各々の現像装置18a〜18dをロータリー102に対して着脱可能な構成としてもよい。そのような構成とすることで、現像装置ごとに現像剤の補給、メンテナンスを行うことが可能になり、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0029】
また図1中の300は、装置本体側に設けられている「駆動伝達部材」であり、これが現像装置18側に設けられているカップリング部材200と係合することで、現像装置18が有する現像ローラ182(現像剤担持体)を回転駆動させることができる。駆動伝達部材300、カップリング部材200の係合については後述する。なお、ここでいう装置本体とは、画像形成装置から現像装置を除いたものを指している。
【0030】
シート材Sに画像を形成する際は、まず、感光ドラム2を中間転写ベルト7の回転と同期させて図1の矢印方向(反時計回り)に回転させる。
【0031】
そして、この感光ドラム2の表面を帯電ローラ3によって均一に帯電すると共に、露光器4によって例えばイエロー画像の光照射(露光)を行い、感光ドラム2の表面にイエロー画像に対応した静電潜像を形成する。
【0032】
また静電潜像を形成する前に、ロータリー102を後述する駆動伝達機構により駆動し、イエローの現像装置18aを感光ドラム2と対向する位置(現像位置)まで回転移動させておく。
【0033】
この現像位置では、現像装置18aが有する回転可能な現像ローラ182a(現像剤担持体)に現像剤と同極性の電圧が印加されることで、感光ドラム2上の静電潜像にイエロー現像剤を付着させ、静電潜像を現像剤像として現像することができる。
【0034】
現像後、現像ローラ182aは感光ドラム2の表面から離間する。そして感光ドラム2の表面に形成された現像剤像は、中間転写ベルト7の内側に配置された1次転写ローラ81に現像剤と逆極性の電圧が印加されることで中間転写ベルト7上に1次転写される。
【0035】
このようにしてイエローの現像剤像の1次転写が終了すると、ロータリー102が再び回転し、イエローの現像装置からマゼンタ、シアン、そしてブラックの各色の現像装置(18b〜18d)に順次切り替えられる。
【0036】
そして各々の現像装置18が感光ドラム2に対向する現像位置に位置決めされた後、イエローの場合と同様にして、マゼンタ、シアン、そしてブラックの各色について、現像、1次転写が順次行われる。その結果、中間転写ベルト7上には4色の現像剤像が重ね合わされて転写されることになる。
【0037】
なお、中間転写ベルト7上に各色の現像剤像の1次転写が行われている間、2次転写ローラ82は、中間転写ベルト7とは非接触状態にある。またこの時、中間転写ベルト7をクリーニングするクリーニングユニット9も中間転写ベルト7とは非接触状態にある。
【0038】
一方、シート材Sは、装置本体の下部に設けられた給送カセット51に積載収納されており、給送ローラ52によって給送カセット51から一枚ずつ分離給送され、レジストローラ対53に給送される。
【0039】
レジストローラ対53は、給送されたシート材Sを中間転写ベルト7と2次転写ローラ
82とで形成されたニップ部に送り出す。ニップ部においては、2次転写ローラ82と中間転写ベルト7が互いに圧接した状態にある(図1の状態)。
【0040】
シート材S上に現像剤像を転写する2次転写を行う際は、まずニップ部にシート材Sが搬送され、その後2次転写ローラ82に現像剤と逆極性の電圧が印加されることで、中間転写ベルト7上の現像剤像をシート材Sの表面に一括して2次転写することができる。
【0041】
現像剤像が2次転写されたシート材Sは、その後定着器54に送られる。そして定着器54においてシート材Sが加熱、加圧され、現像剤像をシート材S上に定着することができる。その後、このシート材Sは定着器54から装置本体外部の上カバー55に設けられた排出部へ排出される。
【0042】
(現像装置の構成)
図2を参照して本実施の形態における現像装置18a〜18dの構成について説明する。なお、本実施の形態における現像装置18a〜18dは、全て同一の構成を有するので、各々の現像装置18a〜18dに関する説明は省略する。
【0043】
本実施の形態では、接触現像方式を用いた現像装置18を採用している。接触現像方式の現像装置18は、現像剤担持体としての現像ローラ182、規制ブレード181、現像剤供給ローラ183、現像剤収容室184を備えている。
【0044】
現像ローラ182は回転可能に構成されており、表面に現像剤を担持して回転しながら感光ドラム2の表面に接触して、感光ドラム2の表面に予め形成された静電潜像に現像剤を供給する。本実施の形態では、現像ローラ182の回転方向は感光ドラム2の回転方向に対して順方向であり、その周速は、感光ドラム2の周速に対して160%に設定されているものとする。また、本実施の形態では、現像ローラ182として、SUSの芯金の外周に基層としてのシリコンゴムを接着し、表層にウレタン樹脂をコートしたものを用いている。
【0045】
また、規制ブレード181には、SUS材の薄板(厚み80μm)を用い、規制ブレード181が現像ローラ182の回転方向に対してカウンター方向になるように設置した。このように規制ブレード181を設けることにより、現像ローラ182が回転することに伴って現像ローラ182上の現像剤のコート量を規制することができる。
【0046】
また、現像剤供給ローラ183には、芯金の外周にウレタンスポンジを巻いたものが用いられており、一旦現像剤供給ローラ183内に含まれた現像剤は、現像剤供給ローラ183と現像ローラ182との接触部で現像ローラ182の表面に供給される。なお、現像ローラ182と現像剤供給ローラ183は同方向に回転しており、すなわち両者の接触部ではそれぞれのローラの表面が逆方向に移動している。
【0047】
また、後述する動作によって現像装置18が現像位置に配置された時には、現像装置18の各部材に所定の電圧が印加されるように構成されている。
【0048】
例えば本実施の形態では、現像を行う際は、感光ドラム2の電位が未露光部で−500V、露光部で−150Vであり、現像ローラ182、規制ブレード181、現像剤供給ローラ183に約−350Vが印加されている。
【0049】
このような電位設定とすることで、負極性の現像剤は未露光部に付着せず、静電気力によって露光部へ付着することになる。なお、本実施の形態では現像ローラ182、現像剤供給ローラ183、規制ブレード181を同電位としたが、これに限らず、各部材に電位
差を設ける構成であってもよい。
【0050】
(現像装置支持体の構成)
図3、図4を参照して、本実施の形態におけるロータリー102(現像装置支持体)、及びその周辺部材の構成について説明を行う。ロータリー102は複数の現像装置を支持している。
【0051】
図3は、現像装置18aに回転可能に支持された現像ローラ182aが、感光ドラム2の表面に形成された静電潜像を現像している状態を示している(当接状態)。図4は、ロータリー102の回転によって現像装置が18aから18bに切り替えられる途中の状態を示している。
【0052】
回転可能に構成されている略円形のロータリー102は、その外周にギア歯が形成されており、ギア歯は駆動ギア172と嵌合している。すなわち、不図示の駆動源から駆動ギア172に駆動力が伝達されることで、ロータリー102が回転し、駆動ギア172が図3中A方向に回転すればロータリー102は図3中B方向に回転し、駆動ギア172が停止すればロータリー102も停止する。
【0053】
また、駆動ギア172はシャフト107によって装置本体に支持されている。なお、不図示の駆動源が停止すれば駆動ギア172は停止し、駆動ギア172からは駆動源を駆動させることはできないものとする。
【0054】
駆動ギア172のシャフト107とロータリー102の回転中心とは、互いにアーム103によって連結されており、また、アーム103はシャフト107に回動自在に支持されている。また、一端を装置本体に固定されたアームバネ104によりアーム103は付勢されており、それによりアーム103はシャフト107を中心として回転するように構成されている。
【0055】
ロータリー102は、現像装置18a〜18dが有する現像ローラ182a〜182dがロータリー102の略円周上(略外周上)にくるように、現像装置18a〜18dを一体に支持しており、さらにアーム103に回転可能に支持されている。
【0056】
また、ロータリー102の図中手前側には、ロータリー102と同心的に回転可能なカム101が設けられている。カム101はその外周において略等間隔に配置された同形状の凹部101a〜101dを有しており、回転中心においてロータリー102に係合している。
【0057】
すなわち、カム101とロータリー102は常に同期して動くように構成されている。本実施の形態ではロータリー102とカム101は別部材としてそれぞれ形成されているが、両者を一体に形成してもよい。
【0058】
また、カム101の外周に接触するようにして、カム101の近傍には規制コロ105が設けられている。規制コロ105はカム101の外周に接触しつつ、装置本体に設置されたコロホルダ106に回転自在に支持されている。規制コロ105の表層は弾性を有するゴム層であるので、これにより規制コロ105とカム101の外周が接触する際の騒音を低減させることが可能になり、さらにはゴム層の高摩擦係数によってカム101を確実に回転させることが可能になる。
【0059】
なお、本実施の形態では、規制コロ105はコロホルダ106に回転自在に支持されている構成であるが、規制コロ105の外周面の摺動性が良い場合は、規制コロ105が回
転可能である必要は無く、さらにコロである必要も無い。すなわち、カム101の外周に接触しつつ、カム101の回転を確実に案内し、回転を妨げないような部材であればよい。
【0060】
また、図3に示すように、規制コロ105はカム101に設けられた凹部101a(〜101d)近傍にあり、カム101の外周には、規制コロ105とカム101が当接しないように凹部101a(〜101d)が配置されている。この構成により、アームバネ104に付勢されたアーム103は、まずロータリー102を付勢し、ロータリー102が付勢されることにより、現像ローラ182a(〜182d)と感光ドラム2とが当接する。
【0061】
一方、アームバネ104の付勢によって現像ローラ182aが感光ドラム2の表面に好適な当接圧で当接するように構成されているが、ロータリー102が回転すると現像ローラ182aと感光ドラム2との当接状態は解除されるように構成されている。図4に、現像ローラ182aと感光ドラム2との当接状態が解除された状態を示す。
【0062】
このように、図3、図4に示すように、本実施の形態では、現像を行う間はロータリー102は停止しているが、現像が終わるとロータリー102が再び回転して現像ローラ182aが感光ドラム2の表面から離間することになる。そして、現像ローラ182aが感光ドラム2の表面から離間したときに、カム101が規制コロ105に接触するように構成されている。
【0063】
カム101の凹部101a〜101dを除く外周は、規制コロ105と当接する際には現像装置18a〜18dが感光ドラム2と接触しないように形成されている。よって、感光ドラム2に何ら影響を及ぼすこと無く、現像装置18a〜18dを順次現像位置に移動させる事が出来る。そして、現像ローラ182a〜182dを感光ドラム2の表面に順次当接させることが可能になる。
【0064】
具体的には、現像装置18b(〜18d)を現像位置に移動させると、不図示のコントローラが駆動ギア172への駆動力を絶ち、また、カム101の凹部101b(〜101d)が規制コロ105近傍に来る。よって、現像ローラ182b(〜182d)と感光ドラム2を所定圧で当接させる事ができる。このようにして現像装置18a〜18dによって、静電潜像の現像が順次行われる。
【0065】
このように本実施の形態は、現像ローラ182a〜182dを順次感光ドラム2の表面に順次当接、離間させるにあたり、ロータリー102を回転させる動作のみで両者を当接、離間可能に構成されている。
【0066】
つまり本実施の形態では、現像ローラ182a〜182dの感光ドラム2の表面に対する当接、離間の動作は、感光ドラム2の接線方向から行うことが可能であり、径方向から当接、離間の動作を行う従来の構成とは大きく異なる。
【0067】
よって、例えばロータリー102ごと感光ドラム2の径方向へ移動させるといった構成を必要としないので、現像ローラ182a〜182dを当接させ、離間させるためのスペースを新たに設ける必要がない。よって装置本体の小型化を達成することができる。
【0068】
また、現像装置18a〜18dを切り替えるためにロータリー102を回転させることで現像ローラ182a〜182dの当接、離間の動作を行うことが出来るので、当接、離間のための特別な構成、駆動源を設ける必要がない。よって製造コストの低減を達成することができる。
【0069】
また、当接、離間の動作と現像装置18a〜18dの切り換えの動作を同時に行うことができるので、高速で現像ローラ182a〜182dを順次感光ドラム2へ当接、離間させる事が出来る。なお、本実施の形態では、ロータリー102の回転駆動を自由に制御できるように、ロータリー102の駆動源(不図示)としてパルスモーターを用いている。
【0070】
(現像剤担持体への駆動力伝達方法)
図5〜図9を参照して、本実施の形態における現像ローラ182a〜182dへの駆動力の伝達方法について説明する。図5〜図8は、本実施の形態における現像装置18のカップリング部材の概略構成を示すものであり、図9は、ロータリー102の回転制御のタイミングを示すものである。
【0071】
本実施の形態においては、不図示の駆動源、駆動伝達部材300(装置本体側)、カップリング部材200(現像装置側)、ギア185、186、現像ローラ182(及び現像剤供給ローラ)の経路で現像ローラ182に回転駆動力が伝達される構成である。以下、各々の部材ごとに説明する。
【0072】
<ギア>
図5は、現像装置18における現像ローラ182の軸方向の側面を示す図である。図5に示すように、現像ローラ182の芯金の端部、及び現像剤供給ローラ183(図5では不図示)の芯金の端部には、それぞれギア185、186が設けられている。これらのギアは、互いのギアが噛み合うように配置されている。また、ギア185は、後述する駆動源から回転駆動力が伝達される駆動伝達ギア187に係合している。
【0073】
そして、装置本体側に設けられた駆動伝達部材300から現像装置18内に配置されたカップリング部材200、駆動伝達ギア187を通して、これらのギア185、186に回転駆動力が伝達される。
【0074】
<駆動伝達部材>
次に、図6を参照して、現像装置18内に設けられたカップリング部材200に係合する装置本体側の駆動伝達部材300について説明する。図6は、現像装置18に設けられたカップリング部材200と装置本体側に設けられた駆動伝達部材300との係合状態を示す図である。
【0075】
図6(a)は、現像装置側のカップリング部材200と装置本体側の駆動伝達部材300が非係合である状態を示す図である。図6(b)は、現像装置18が現像位置に到達前に、カップリング部材200と駆動伝達部材300とが係合している状態を示す図である。図6(c)は、現像装置が現像位置にある状態で、カップリング部材200と駆動伝達部材300とが係合している状態を示す図である。
【0076】
本実施の形態における駆動伝達部材300は、図6(a)に示すように、駆動軸301と、駆動軸301の外周に駆動軸301に対して直角方向に挿入されたピン(突起部)302a、302bとを備えている。
【0077】
そして、ピン302a、302bがカップリング部材200に係合することで、駆動伝達部材300からカップリング部材200へ回転駆動力を伝達することができる。すなわち、ピン302a、302bは駆動伝達部材300における回転力付与部といえる。
【0078】
一方、駆動軸301には不図示の駆動源から回転力が伝えられるように構成されている。本実施の形態では、駆動軸301は、現像装置18が現像位置にある、ないに関係なく
、画像形成が開始されると不図示の駆動源から回転力が与えられ、回転しつづけている。
【0079】
<カップリング部材>
現像装置18側に設けられたカップリング部材200は、主に3つの部分を有する。まず第1の部分は、被駆動部201である。被駆動部201は、図6(c)に示すように、装置本体側の駆動軸301のピン302a、302bと係合する部材である。
【0080】
被駆動部201に設けられた2箇所の爪部201a、201bが駆動軸301に設けられた回転力付与部である2本のピン302a、302bと係合することでピン302a、302bから回転駆動力を受けることが可能に構成されている。
【0081】
第2の部分は、駆動部202である。駆動部202は、球状部分202aと、現像装置18内に係合して回転力を伝達するピン202bと、カップリング部材200の傾斜を規制する傾斜角規制部材202cと、から構成されている。
【0082】
この構成によると、ピン202bが現像装置18に設けられた駆動伝達ギア187(図5、回転力受け部、回転力被伝達部)と係合することで、回転駆動力を上述のギア185、186に伝達することができる。
【0083】
また、傾斜角規制部材202cは現像装置18側に設けられた規制溝に挿入されるものであって、傾斜角規制部材202cが規制溝に挿入されると、規制溝に沿ってカップリング部材200の向きを規制することができる。
【0084】
第3の部分は、被駆動部201と駆動部202とをつなぐ中間部203である。本実施の形態では、カップリング部材200と駆動伝達部材300が係合する前にカップリング部材200を、予め係合前の角度位置(図6(a)の状態)に傾斜させている。具体的には、図7のように中間部203に付勢バネ188を引っ掛けることでカップリング部材200を傾斜させている。
【0085】
この際、カップリング部材200を予め傾斜させる方向は、ロータリー102を回転させたときにカップリング部材200の先端(被駆動部201側の先端)が駆動軸301を迎えに行く方向である(図6(a)の状態)。
【0086】
このように、カップリング部材200を装置本体側の駆動軸301の方に傾斜させておくことで、現像装置18が現像位置に到達するよりも先に、装置本体側の駆動伝達部300と現像装置18側のカップリング部材200とが係合することが可能となる。
【0087】
本実施の形態では、現像位置を0°としたときに、ロータリー102の回転角度が7°手前の位置において、カップリング部材200と駆動伝達部材300とが係合可能である(図6(b))。ロータリー102の回転角度は、図3において現像ローラ182と感光ドラム2とが当接している位置を0°としている(位置C)。現像ローラ182が位置Dにある場合は、ロータリー102の回転角度はE°で表される。なお、現像装置18が現像位置にあるときには、駆動軸301とカップリング部材200の中心は略同一直線上に存在する(図6(c))。
【0088】
一方で上記駆動伝達方法では、係合可能な位置に駆動軸301とカップリング部材200を配置しても、駆動軸301のピン302a、302bと、カップリング部材200の爪部201a、201bとの係合には、若干の時間を要することがある。この時間の長さは、駆動軸301側のピン302a、302bと、カップリング部材200側の爪部201a、201bとの位相関係(以下、単に「両者の位相関係」と称する)による。
【0089】
すなわち、両者の位相関係が図8(a)に示すような位相関係になっているとき、ピン302a、302bが爪部201a、201bと係合するためには、ピン302a、302bを約180°回転させる必要がある。よって、ピン302a、302bと爪部201a、201bとが係合するまでに要する時間は最大となる。
【0090】
ロータリー方式の画像形成装置においては、現像装置18の切り替えに要する時間を極力短縮することで、出力枚数を増やすことが可能となる。そのため、出力枚数を増やすためには、ロータリー102の回転スピードを極力上げる方が望ましいといえる。
【0091】
しかし、ロータリー102の回転スピードが速くなればなるほど、カップリング部材200が装置本体側の駆動伝達部材300と係合可能な位置(本実施の形態では、7°手前)から現像位置に達する時間が短くなる。
【0092】
すなわち、カップリング部材200と駆動伝達部材300との係合に要する時間が少なくなるため、カップリング部材200が係合する前に現像装置18が現像位置に到達し、回転していない状態の現像ローラ182が感光ドラム2の表面に当接することになる。
【0093】
このように現像ローラ182が回転する前に感光ドラム2の表面に当接すると、現像ローラ182の表面に担持されている現像剤が感光ドラム2の回転による摺擦力により掻き取られ、感光ドラム2の表面にカブリが生じてしまう。
【0094】
感光ドラム2の表面にカブリが生じてしまうと、カブリが中間転写ベルト7を汚し、2次転写ローラ82に転移し、シート材Sの裏汚れ(画像不良)が生じてしまう。
【0095】
また、現像ローラ182が回転せずに感光ドラム2と当接するような状態が何度も繰り返されると、摺擦時に現像剤が感光ドラム2の表面にこすり付けられ、感光ドラム2の表面に現像剤が融着する現象が発生する虞もある。
【0096】
よって、上記で説明したカップリング部材200と駆動伝達部材300の両者の位相関係に関わらず、現像ローラ182を感光ドラム2の表面へ当接させる前に確実に現像ローラ182を回転させる必要がある。
【0097】
そこで本実施の形態では、「現像装置18が現像位置に到達する前、かつ、カップリング部材200と駆動伝達部材300が係合可能な位置」で、ロータリー102の回転移動を一旦停止させることで、必要な係合時間を確保している。そして、カップリング部材200と駆動伝達部材300とが係合した後に、ロータリー102を再び回転移動させ、現像装置18を現像位置へ動かす構成としている。
【0098】
なお、ロータリー102の停止時間は、少なくともカップリング部材200と駆動伝達部材300の係合に必要な時間以上が確保されている。つまり、カップリング被駆動部201の爪部(201a、201b)と駆動軸のピン(302a、302b)が係合位置とは逆位相(図8(a))となる位置から係合位置(図8(b)状態)に到達するまでの時間である。以下、その時間の算出方法について説明する。
【0099】
本実施の形態では、駆動伝達部材300の回転数Fが130rpmであり、カップリング係合位置からの最大位相ずれ角度Rは、駆動軸301のピンが2本、カップリング部材200の爪部が2箇所であることから180°である。すると、(式1)、(式2)から、ロータリー102の一旦停止時間Sは230msecと算出できる。
【0100】
カップリング部材200の爪部の数、又は駆動軸301のピンの数のどちらかの最大値をPとした場合、爪部とピンとの最大の位相ずれ角度Rは、
最大位相ずれ角度R=360/P(式1)
として求めることができる。
【0101】
そして、上記で求めた「最大位相ずれ角度R」と「駆動伝達部材300の回転数F」とを用いると、ロータリー102の停止時間Sが下式で求められる。
停止時間S=(60/F)×(R/360)・・・・(式2)
【0102】
(ロータリーの回転制御のタイミング)
図9を参照して、ロータリー102の回転制御のタイミングについて説明する。図9は上式で算出された時間をもとに、ロータリー102の回転を制御するタイミングを示した図である。
【0103】
STEP1として、まず現像位置に到達する前にロータリー102の速度を減速し、現像位置の約7°手前(現像ローラ182と感光ドラム2は非当接)で、ロータリー102を一旦停止させる。
【0104】
ここで所定時間待機(STEP2)し、カップリング部材200と駆動伝達部材300とを確実に係合させた後、ロータリー102を低速で回転駆動させ、現像装置18を現像位置へと移動させる(STEP3)。
【0105】
そして現像位置で現像動作を行ない(STEP4)、現像動作が終了したらロータリー102を再び低速で駆動させ、現像ローラ182を感光ドラム2の表面から離間させる(STEP5)。
【0106】
感光ドラム2の表面から離間した後は、ロータリー102の回転速度を上げ、短時間で次の現像装置18の現像ローラ182を、再び係合可能な位置へ移動させる(STEP6)。
【0107】
これらの工程を繰り返し、シート材Sにフルカラー画像形成を行う。本実施の形態によると、現像ローラ182を確実に回転させてから感光ドラム2に当接させることで、カブリや融着などの画像不良を抑制した画像形成が行えるようになった。なお、ロータリー102の回転制御は、装置本体に設けられた制御部400(CPU等)によって行われている。
【0108】
また、現像ローラ182の感光ドラム2への当接、離間を行う際には、極力ロータリー102の速度を低速にしたので、現像ローラ182と感光ドラム2の衝撃・摺擦を低減させることが可能になった。
【0109】
それにより、現像ローラ182と規制ブレード181との摺擦メモリを抑制する効果も得ることができる。また、現像ローラ182を感光ドラム2の表面に当接させた時の衝撃による露光部4での照射ブレを抑制する効果も得られた。
【0110】
さらに、現像ローラ182の感光ドラム2の表面からの離間をゆるやかに行うことで、感光ドラム2の周速ブレを抑制でき、1次転写における転写不良(転写ブレ)を抑制する効果も得られた。
【0111】
なお、本実施の形態では、感光ドラム2の周速が100mm/secであるのに対して、現像ローラ182の当接・離間時のロータリー102の周速を60mm/sec、ロー
タリー102の移動時の最大周速を240mm/secに設定した。
【0112】
以上より本実施の形態によれば、ロータリー方式を採用する画像形成装置において、良好な画像品質を得ることが可能であると共に、装置本体の小型化、低コスト化を達成することが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【0113】
[第2の実施の形態]
図10を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。第2の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成、現像装置の構成等は上記第1の実施の形態に係る画像形成装置と同一であるのでその説明は省略し、ここでは第1の実施の形態と異なる点のみ説明を行う。
【0114】
本実施の形態は、ロータリー102の回転駆動の制御に特徴を有する。上記第1の実施の形態では、現像位置に到達する前にロータリー102が一旦停止する時間内において、ピン(302a、302b)と爪部(201a、201b)が確実に係合可能な時間を確保した。
【0115】
これに対し本実施の形態では、図10のSTEP2〜STEP3に示すように、ロータリー102が一旦停止した時間と、現像前停止位置から当接までの時間とを足した時間内に、両者が係合可能となるようにロータリー102の回転駆動制御を行った。第1の実施の形態と同様に、この回転駆動制御は、装置本体に設けられた制御部400(CPU等)によって行っている。
【0116】
すなわち、カップリング部材200と駆動伝達部材300との係合過程において、ほぼ係合が完了する後半部分でロータリー102の回転を再開したことが特徴である。
【0117】
本実施の形態においても、第1の実施の形態におけるカップリング部材200を用いることで、予め回転している装置本体側の駆動伝達部材300に対して、カップリング部材200を係合させることが可能である。
【0118】
なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同じく、係合に必要な時間を230msec、7°手前停止位置から現像位置(当接位置)までの移動時間を約110msecとし、それらの設定条件から7°手前停止位置での待機時間を120msecとした。
【0119】
このように制御することで、第1の実施の形態と同様の効果を得ると共に、第1の実施の形態よりもさらに現像装置の切り替え時間を短縮することが可能となる。すなわち、より高速に画像形成が可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【0120】
[第3の実施の形態]
図11を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。第3の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成、現像装置の構成等は上記第1の実施の形態に係る画像形成装置と同一であるのでその説明は省略し、ここでは第1の実施の形態と異なる点のみ説明を行う。
【0121】
本実施の形態は、ロータリー102の回転駆動の制御に特徴を有する。上記第1の実施の形態では、現像位置に到達する前にロータリー102が一旦停止する時間内において、ピン(302a、302b)と爪部(201a、201b)が確実に係合可能な時間を確保した(図9STEP2参照)。
【0122】
これに対し、本実施の形態では、ピン(302a、302b)と爪部(201a、20
1b)が係合可能な位置においてロータリー102の回転速度を遅くし、ロータリー102を完全に停止させないようにしていることが特徴である。つまり、図11に示すように、本実施の形態では、STEP2〜STEP3においてロータリー102を停止させず、回転速度を遅くした状態で回転させ続けている。
【0123】
具体的には、図11に示すように、ロータリー102を制御する制御部400(CPU)は、ロータリー102の回転速度を、係合可能な位置になる前の速度(第1の速度)と、係合可能な位置に到達した後の速度(第2の速度)とに変更可能に制御する。第2の速度は第1の速度よりも遅い速度である。
【0124】
図11のSTEP2〜STEP3に示すように、ロータリー102が第2の速度になった時間内において、現像ローラ182の当接前にカップリング部材200が係合可能となるようにロータリー102の回転駆動制御を行っている。なお、現像ローラ182が当接する直前以外では、ロータリー102は、第2の速度よりも早い速度で回転駆動されている。
【0125】
なお、第2の速度を保つ時間は、現像ローラ182が当接する前にカップリング部材200が係合可能となるのであれば、特に限定されるものではない。ただ、確実にカップリング部材200と駆動伝達部材300を係合させるという点では、第2の速度にする時間は、カップリング部材200が駆動伝達部材300と係合するのに必要な時間以上であることが好ましい。
【0126】
本実施の形態においても、第1の実施の形態におけるカップリング部材200を用いることで、予め回転している装置本体側の駆動伝達部材300に対して、カップリング部材200を係合させることが可能である。
【0127】
なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同じく係合に必要な時間を230msec、7°手前停止位置から現像位置(当接位置)までの移動時間を約230msecとした。このように制御することで、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0128】
なお、上記実施の形態では、ピン(302a、302b)と爪部(201a、201b)を用いたカップリング部材を用いた例を示したが、本発明の構成はこれに限られるものではない。現像位置よりも前の位置で係合可能となるようなカップリング部材であれば、ロータリー102を一時停止、またはロータリー102の回転速度を遅くすることにより、カップリング部材の係合を確実に行わせるという効果を得ることができる。
【0129】
以上より、本実施の形態によれば、ロータリー方式を採用する画像形成装置において、良好な画像品質を得ることが可能であると共に、装置本体の小型化、低コスト化を達成することが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0130】
2 感光ドラム(像担持体)
7 中間転写ベルト
18 現像装置
101 カム
102 ロータリー(現像装置支持体)
103 アーム
104 アームバネ
105 規制コロ
182 現像ローラ(現像剤担持体)
187 駆動伝達ギア
200 カップリング部材(現像装置側)
201 爪部
300 駆動伝達部材(装置本体側)
301 駆動軸
302 ピン(突起部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な像担持体と、
前記像担持体の表面に接触して前記表面に形成された静電潜像に現像剤を供給する回転可能な現像剤担持体を有する現像装置と、
複数の前記現像装置を一体に支持する回転可能な現像装置支持体と、
前記現像装置支持体の回転を制御する制御装置と、
画像形成装置の装置本体側に設けられ、前記現像剤担持体を回転させるための回転駆動力を前記現像剤担持体に伝達するための駆動伝達部材と、
前記現像装置に設けられ、前記駆動伝達部材と係合することで前記駆動伝達部材から前記現像剤担持体に回転駆動力を伝達するカップリング部材と、を備える画像形成装置において、
前記現像装置支持体が回転することによって各々の前記現像剤担持体が前記像担持体の表面に順次当接、離間可能に構成されており、
前記駆動伝達部材と、前記カップリング部材は、前記現像剤担持体が前記像担持体の表面に当接する前に係合可能に設けられており、
前記制御装置は、
前記現像装置支持体を回転させることにより前記現像剤担持体を前記像担持体に当接させる時に、
前記カップリング部材と前記駆動伝達部材とが係合可能な位置において、前記現像装置支持体の回転を一旦停止させ、前記カップリング部材と前記駆動伝達部材とを係合させて前記現像剤担持体を回転している状態とし、その後、前記現像装置支持体を回転させて前記現像剤担持体を前記像担持体の表面に当接させるように前記現像装置支持体の回転を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像剤担持体が前記像担持体の表面に当接する前に前記カップリング部材と前記駆動伝達部材とが係合可能な位置において、前記現像装置支持体の回転が一旦停止している時間は、
少なくとも前記カップリング部材が前記駆動伝達部材に係合するのに必要な時間以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記駆動伝達部材は、
回転駆動する駆動軸と、
前記駆動軸の外周に設けられた突起部と、
を有しており、
前記現像剤担持体が前記像担持体の表面に当接する前に前記カップリング部材に設けられた爪部が前記突起部に係合することで、前記現像剤担持体が前記像担持体の表面に当接する前に前記現像剤担持体が回転している状態になることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
回転可能な像担持体と、
前記像担持体の表面に接触して前記表面に形成された静電潜像に現像剤を供給する回転可能な現像剤担持体を有する現像装置と、
複数の前記現像装置を一体に支持する回転可能な現像装置支持体と、
前記現像装置支持体の回転を制御する制御装置と、
画像形成装置の装置本体側に設けられ、前記現像剤担持体を回転させるための回転駆動力を前記現像剤担持体に伝達するための駆動伝達部材と、
前記現像装置に設けられ、前記駆動伝達部材と係合することで前記駆動伝達部材から前記現像剤担持体に回転駆動力を伝達するカップリング部材と、
を備える画像形成装置において、
前記現像装置支持体が回転することによって各々の前記現像剤担持体が前記像担持体の表面に順次当接、離間可能に構成されており、
前記駆動伝達部材と、前記カップリング部材は、前記現像剤担持体が前記像担持体の表面に当接する前に係合可能に設けられており、
前記制御装置は、
前記現像装置支持体を回転させることにより前記現像剤担持体を前記像担持体に当接させる時に、
前記カップリング部材と前記駆動伝達部材とが係合可能な位置になる前に、前記現像装置支持体の回転を第1の速度にして回転させ、前記カップリング部材と前記駆動伝達部材とが係合可能な位置において、前記現像装置支持体の回転を前記第1の速度よりも遅い第2の速度にして回転させ、前記現像装置支持体が前記第2の速度で回転している間に、前記カップリング部材と前記駆動伝達部材とを係合させて前記現像剤担持体を回転している状態とした後、前記現像装置支持体を回転させて前記現像剤担持体を前記像担持体の表面に当接させるように前記現像装置支持体の回転を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記現像装置支持体が第1の速度で回転される時間は、
少なくとも前記カップリング部材が前記駆動伝達部材に係合するのに必要な時間以上であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記駆動伝達部材は、
回転駆動する駆動軸と、
前記駆動軸の外周に設けられた突起部と、
を有しており、
前記現像剤担持体が前記像担持体の表面に当接する前に前記カップリング部材に設けられた爪部が前記突起部に係合することで、前記現像剤担持体が前記像担持体の表面に当接する前に前記現像剤担持体が回転している状態になることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−79282(P2010−79282A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190451(P2009−190451)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】