説明

画像形成装置

【課題】 簡易な構成によりベルトの駆動部材に配置されている被駆動側カップリングと駆動側カップリングの嵌合を確実なものとし、カップリングの嵌合不良に起因する画像不良を防止することができる画像形成装置を提供するものである。
【解決手段】 駆動手段であるモータ30a〜30d、31の駆動が開始されてから、カップリング部材42の嵌合時間以上の間1次転写ローラ10a〜10dに電圧を印加しない制御を実行することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真記録方式を利用する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から電子写真方式の画像形成装置においては、高速化のために複数の感光体ドラムを有し、中間転写ベルトもしくは搬送ベルトで搬送された記録材に順次異なる色のトナー像を転写する方式が各種提案されている。
【0003】
画像形成装置において、感光体ドラムを備えたカートリッジや中間転写ベルトを備えた中間転写ユニットが着脱可能な構成になっている。その為、本体側の駆動手段であるモータからの駆動力は、カップリング手段を介して感光体ドラムや中間転写ベルト、搬送ベルトの駆動部材である駆動ローラに伝達される。ここで、カップリング手段は、本体側の第1カップリングと感光体ドラムや駆動ローラ側の第2カップリングからなり、お互いが噛み合った状態及び噛み合わない状態をとること可能な構成になっている。
【0004】
したがって、カップリング手段が噛み合った状態の場合は、感光体ドラム又はベルトの表面速度は、モータの速度と比例関係にある。しかしながら、モータの起動時においてカップリング手段が噛み合わない状態から噛み合った状態に移行する際は、モータが回転しているにもかかわらず感光体ドラム又はベルトは回転をせず表面速度がゼロの状態が生じる。この状態が長く継続されると感光体ドラムやベルトの表面に傷が生じて、画像品質に問題を生じる場合がある。
【0005】
その対策として感光体ドラムとベルトにモータの駆動力を伝達するカップリングのうち嵌合時間(噛み合わない状態から噛み合った状態になる時間)が最も長いカップリングが嵌合するまでは、モータの速度を画像形成時より低速で駆動する方法が提案されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−182537
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の従来技術を更に発展させたものである。そして、本出願に係る発明の目的は、簡易な構成により感光体やベルトの駆動部材に配置されているカップリングと本体カップリングの嵌合を確実なものとし、カップリングの嵌合不良に起因する画像不良を防止することができる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明で提供する代表的な態様としては、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
感光体と、
モータと、
前記感光体と接触するベルトと、
前記ベルトを回転させるための駆動部材であって、被駆動側カップリングを備えた駆動部材と、
前記モータからの駆動力によって回転する駆動側カップリングであって、前記被駆動側カップリングと係合して前記駆動力を前記被駆動側カップリングに伝達可能な係合位置と、前記被駆動側カップリングとの係合が解除される解除位置をとるように、軸線方向に移動可能な駆動側カップリングと、
前記感光体に形成されたトナー像を前記ベルトに担持された前記記録媒体または前記ベルトに転写するための転写部材と、
前記転写部材に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記モータを駆動して前記駆動側カップリングが前記係合位置に移動し、前記モータからの駆動力によって前記被駆動側カップリングに前記駆動力が伝達した後に、前記電圧印加手段によって前記転写部材に電圧を印加する制御を実行する制御手段と、
を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、モータの駆動が開始されてから、カップリングに駆動力が伝達されるまでの間は、転写部材に電圧を印加しない制御をおこなう。また、モータの駆動が開始してから、カップリングに駆動力が伝達されるまでの間に、感光体において帯電部材によって帯電されたところがベルトと接触する位置にこないように、帯電部材に電圧を印加する制御をおこなう。それによって、感光体とベルトとの間に生じる静電吸着力で、ベルトが感光体の移動とともに移動することを防ぐことができる。したがって、感光体やベルトの駆動部材に配置されている被駆動側カップリングと駆動側カップリングの嵌合を確実なものとし、カップリングの嵌合不良に起因する画像不良を防止することができる。また、画像形成動作前の準備段階で前記制御をおこなうことで、画像形成におけるスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1の画像形成装置を説明する図
【図2】実施例1で用いた感光体ドラム及び中間転写ベルトの駆動伝達系を説明する図
【図3】実施例1の感光体ドラムの駆動伝達系を説明する図
【図4】実施例1の中間転写ベルトの駆動伝達系を説明する図
【図5】実施例1の駆動ローラのカップリング部材を説明する図
【図6】実施例1の電圧印加タイミングを説明する図
【図7】実施例1の画像形成装置を説明する図
【図8】実施例2で用いた感光体ドラム及び中間転写ベルトの駆動伝達系を説明する図
【図9】実施例2の感光体ドラムの駆動伝達系を説明する図
【図10】実施例2の中間転写ベルトの駆動伝達系を説明する図
【図11】実施例2の駆動ローラのカップリング部材を説明する図
【図12】実施例2の電圧印加タイミングを説明する図
【図13】その他の実施例の画像形成装置を説明する図
【図14】実施例1の駆動ローラのカップリング部材を説明する図
【図15】実施例1の駆動ローラのカップリング部材を説明する図
【図16】実施例1の駆動ローラのカップリング部材を説明する図
【図17】実施例1の制御手段に関するブロック図
【図18】実施例2のドラムのカップリング部材を説明する図
【図19】実施例2のドラムのカップリング部材を説明する図
【図20】実施例2のドラムのカップリング部材を説明する図
【図21】実施例2のドラムのカップリング部材を説明する図
【図22】実施例2の駆動ローラのカップリング部材を説明する図
【図23】実施例2の駆動ローラのカップリング部材を説明する図
【図24】実施例2の制御手段に関するブロック図
【図25】実施例1の電圧印加タイミングを説明する図
【図26】実施例2の電圧印加タイミングを説明する図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
〔装置全体構成〕
本発明に係る画像形成装置の実施例について、図を用いて説明する。
【0012】
図1は本実施例1に係る画像形成装置の全体構成を示す概略構成図である。
画像形成装置100は、装置本体100Aに着脱可能な4つのプロセスカートリッジ9(9a〜9d)を有する。プロセスカートリッジ9(9a〜9d)は、それぞれイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(K)色の画像を形成するものである。
【0013】
プロセスカートリッジ9aでは、感光体としてのOPC感光体ドラム1a、帯電部材としての帯電ローラ2a、感光体ドラム1a上の残トナーを除去するクリーニングユニット3a、及び、現像ユニット8aを一体化した構成である。現像ユニット8aは、現像スリーブ4a、非磁性一成分現像剤5a、現像剤ブレード7aから構成されている。また、その他のプロセスカートリッジ9b〜9dは、色の異なる現像剤5b〜5dを有するのが異なるだけで、他の構成はプロセスカートリッジ9aと同じである。
【0014】
プロセスカートリッジ9の上方には、露光手段11(11a〜11d)が設けられている。露光手段11は、レーザー光を多面鏡によって走査させるスキャナユニットまたはLEDアレイから構成され、画像信号に基づいて変調された走査ビーム12(12a〜12d)を感光体ドラム1a上に照射する。
【0015】
また、プロセスカートリッジ9の下方には、4つの感光体ドラム1a〜1d全てに対し接触する中間転写ベルト13が配置されている。中間転写ベルト13は、その張架部材として2次転写対向ローラ24、駆動部材である駆動ローラ14、テンションローラ15の3本のローラにより支持されており、適当なテンションが維持されるようになっている。駆動ローラ14を駆動させることにより中間転写ベルト13は感光体ドラム1a〜1dの移動方向(矢印A)と同じ方向(矢印B)に略同速度で移動する。尚、中間転写ベルト13の構成としては、厚さ100μm、体積抵抗率1010ΩcmのPVDFを用いている。張架部材としての駆動ローラ14は、Al芯金にカーボンを導電剤として分散した抵抗10Ω、肉厚1.0mmのEPDMゴムを被覆したΦ20のものを用いている。張架部材としてのテンションローラ15は、Φ20のAlの金属棒を用いており、テンションは片側19.6N、総圧39.2Nとしている。張架部材としての2次転写対向ローラ24は、Al芯金にカーボンを導電剤として分散した抵抗10Ω、肉厚1.5mmのEPDMゴムを被覆したΦ20のものを用いている。
【0016】
また、1次転写部材である1次転写ローラ10(10a〜10d)は、中間転写ベルト13をはさんで感光体ドラム1と反対側に配置されている。尚、本実施例では、1次転写ローラ10は、φ6のニッケルメッキ鋼棒に抵抗値10Ω、厚み4mmに調整したNBRの発泡スポンジ体で覆った外径φ14のものを用いた。
【0017】
また、装置本体100Aには、帯電ローラ2aへの電圧供給手段である帯電電圧電源20a、現像スリーブ4aへの電圧供給手段である現像電圧電源21a、1次転写ローラ10aへの電圧供給手段である1次転写電圧電源22aが設けられている。そして、中間転写ベルト13、駆動ローラ14、テンションローラ15、2次転写対向ローラ24、1次転写ローラ10、及び、トナー帯電手段27は、一体化されたベルトユニット103になっている。そしてベルトユニット103は、装置本体100Aに対して取り外し可能に装着されている。
【0018】
〔画像形成動作〕
次に画像形成動作について説明する。画像形成動作がスタートすると、感光体ドラム1a〜1d及び中間転写ベルト13等は所定のプロセススピードで矢印方向A,B方向に回転を始める。感光体ドラム1aは帯電ローラ2aに帯電電圧電源20aよって一様に負極性に帯電され、続いて露光手段11aからの走査ビーム12aによって画像情報に従った静電潜像が形成される。尚、本実施例においては、帯電ローラ2aには、帯電電圧電源20aにより―1000Vの電圧が印加され、感光体ドラム1a表面を―500Vに帯電している。
【0019】
現像ユニット8a内のトナー5aは、現像スリーブ4aに塗布され、現像剤ブレード7aによって一定の層厚に規制される。そして、現像スリーブ4aには、現像電圧電源21aより、所定の電圧が供給され、感光体ドラム1aが回転して感光体ドラム1a上に形成された静電潜像が現像スリーブ4aに到達すると、静電潜像は負極性のトナーによって可視化される。そして、感光体ドラム1a上には第1色目(本実施例では、Y)のトナー像が形成される。尚、プロセスカートリッジ9b、9c、9dについてはプロセスカートリッジ9aと同様の構成となっているので説明を省略する。
【0020】
そして、各色の1次転写位置間の距離に応じて、色毎に一定のタイミングで制御手段であるコントローラからの書き出し信号を遅らせながら、露光手段11からの露光による静電潜像を各感光体ドラム1a〜1d上に形成する。そして、現像ユニット8によって静電潜像はトナー像に現像される。さらに、それぞれの1次転写ローラ10に1次転写電圧電源22aよりトナーと逆極性の電圧を印加するようにすることにより、順に中間転写ベルト13にトナー像を転写していき、中間転写ベルト13上に多重画像が形成される。
【0021】
その後、画像形成のタイミングに合わせて、転写材カセット16に積載されている転写材Pは、給紙ローラ17によりピックアップされ、レジストローラ18にまで搬送される。そして、転写材Pは中間転写ベルト13上のトナー像に同期してレジストローラ18によって、中間転写ベルト13と2次転写ローラ25とで形成される当接部へ搬送される。その後、2次転写ローラ25に2次転写電圧電源26でトナーと逆極性の電圧印加を行いことによって、中間転写ベルト13上に担持された4色の多重画像は転写材P上に一括して2次転写される。2次転写ローラ25はφ8のニッケルメッキ鋼棒に抵抗値を10Ω、厚み5mmに調整したNBRの発泡スポンジ体で覆った外径φ18のものを用いた。
【0022】
一方、2次転写を終えた後、中間転写ベルト13上に残留した残トナーは、中間転写ベルト13に当接配置されたトナー帯電手段27により、正極性に帯電される。そして、一次転写部材10に正極性の電圧を印加する一次転写工程において、残トナーは中間転写ベルト13表面から感光体ドラム1に転写されて、クリーニングユニット3によって回収される。
【0023】
尚、本実施形態の画像形成装置ではトナー帯電手段27としてφ6のニッケルメッキ鋼棒27a上にEPDMにカーボンブラックを分散させた発泡スポンジ層27b、表層として水溶性ナイロンで形成される保護層27cを有するローラ部材を用いた。また、トナー帯電部材27は、トナー帯電電圧電源28に接続されていて、転写残トナーを正極性に帯電するため2.5kVppの交流電圧に1kVの直流電圧を重畳した電圧を印加されている。
【0024】
2次転写終了後のトナー像が転写された転写材Pは定着手段19へと搬送され、トナー像の定着を受けて排出部102へと排出される。
【0025】
〔感光体ドラム/中間転写ベルトへの駆動伝達〕
図2に示すように各色の感光体ドラム1a〜1dには、夫々独立したモータ30a〜30dから減速ギア群34a〜34dを介して駆動力が伝達される。また、中間転写ベルト13を回転させる駆動ローラ14には、減速ギア群40を介して、駆動ローラ14の一端側に設けられた被駆動側カップリング43を介して駆動力が伝達される。感光体ドラム1a〜1dの表面には、中間転写ベルト13が接しており、それぞれ同一方向に略同一速度で回転している。
【0026】
図3では、プロセスカートリッジ9aの感光体ドラム1aへの駆動力の伝達について説明する。感光体ドラム1aに、モータ30aからの駆動力が減速ギア群34aによって減速され、駆動軸35aに設けられたギア36aを介して伝達される。減速ギア群34aでは所定の減速比になるように、ギア34a1〜34a4と軸34a5とから構成されている。感光体ドラム1aの長手方向の一端側に設けられたギア37aがギア36aと噛み合っており、ギア37aがギア36aから駆動力を受けることで感光体ドラム1aは回転する。感光体ドラム1aに配置してあるギア37aと駆動軸35aに接続されているギア36aは、それぞれ平歯ギアを用いており、プロセスカートリッジ9aを感光体ドラム1aの軸線方向から装着することで、ギア37aとギア36aとが噛み合うことを可能にしている。感光体ドラム1b〜1dに関しても同様の構成にて駆動伝達を行っている。
【0027】
図4により中間転写ベルト13への駆動力の伝達について説明する。中間転写ベルト13を回転させる駆動ローラ14に、モータ31からの駆動力が減速ギア群40によって減速され、駆動軸41に設けられた駆動側カップリング42介して伝達される。減速ギア群40では所定の減速比になるように、ギア40a〜40dと軸40eとから構成されている。駆動ローラ14の軸14a長手方向の一端側に固定された被駆動側カップリング43が駆動側カップリング42と嵌合し、被駆動側カップリング43が駆動側カップリング42から駆動力を受けることで駆動ローラ14は回転する。
【0028】
図5に駆動側カップリング42と被駆動側カップリング43の構成を示す。被駆動側カップリング43は、駆動ローラ14の一端側に配置されており、断面が三角形の凹部43aを有している。凹部43aは、軸線方向でねじれた状態になっている。また、駆動軸41に配置される駆動側カップリング42は断面が三角形の凸42aを有している。そして凸42aも、軸線方向でねじれた状態になっている。したがって、凹部43aと凸42aとが嵌合し、駆動側カップリング42が回転することで、被駆動側カップリング43に駆動力が伝達されるとともに、互いが引き込み合う力が発生することになる。尚、前述した構成に対して、断面が三角形の凹部を駆動側カップリングが有し、断面が三角形の凸部を被駆動側カップリングが有しても良い。即ち、駆動側カップリング及び被駆動側カップリングは、一方は断面が三角形の突起で、他方は突起と嵌合可能な断面が三角形の穴であれば良い。
【0029】
また、図14、図15に示すように、駆動側カップリング42は開閉ドア102の開閉動作に連動して、駆動軸41の軸線方向に対して移動可能な構成になっている。ここで、図7に示すように、開閉ドア102は、装置本体100Aに設けられた開口101(図1参照)を閉鎖する閉状態と、開口101を開放する開状態と、とり得るように装置本体100Aに移動可能に設けられている。尚、この開口101は、プロセスカートリッジ9の脱着、中間転写ベルト13を含むユニットの交換、または、ジャム紙の処理の為に設けられている。そして、駆動側カップリング42は、開閉ドア102が閉状態では、図14に示すように本体フレーム100Fとの間に設けられたバネ44によって、矢印C方向に付勢されている。駆動側カップリング42は被駆動側カップリング43とモータ31からの駆動力が伝達可能に嵌合している。そして、図15に示すように開閉ドア102が閉状態から開状態に移動するのに連動して、解除部材45がフランジ部42cを押圧されることで図15のように矢印D方向に移動する。それによって、駆動側カップリング42は被駆動側カップリング43との係合が解除される解除位置に移動する。尚、駆動軸41の駆動側カップリング42との嵌合部はDカットに加工されており、駆動側カップリング42は駆動軸41の軸線方向に移動可能ではあるが、駆動軸41の回転が駆動側カップリング42に伝達されるようになっている。
【0030】
そして、開閉ドア102を開状態から閉状態にした場合、駆動側カップリング42はE方向にバネ44によって付勢されている。しかし、凹部43aと凸42aは図5に示すように断面が三角形の為、互いの位相が合わないと、図16に示すように駆動側カップリング42の端面42bと被駆動側カップリング43の端面43bとが当接する状態になる(当接位置)。そして、駆動側カップリング42は最大で120°回転することによって、凹部43aと凸42aとの位相角度は一致し、凹部43aと凸42aとは嵌合する(係合位置)。
【0031】
〔制御手段〕
図17に本実施例におけるブロック図を示す。制御手段であるコントローラ104は、帯電電圧電源20a〜20d、1次転写電圧電源22a〜22d、2次転写電圧電源26、トナー帯電電圧電源28、モータ30、31、開閉ドア102の開閉を検出する為のセンサ105と電気的に接続している。
【0032】
本実施例の画像形成装置100においては、中間転写ベルト13、転写ローラ10、帯電ローラ2aの抵抗値が環境によってバラツキが生じるため、画像形成動作を行う前に印加するバイアス電圧を補正するための準備動作を行う。この準備動作は、開閉ドア102の開閉動作があった場合、画像形成装置100の電源がON状態になった場合に行なわれる。
【0033】
しかし、前述したように駆動側カップリング42は、開閉ドア102の動作と連動しており開閉ドア102の開動作で解除位置に移動する。そして、駆動側カップリング42は、開閉ドア102の閉動作で移動し、被駆動側カップリング43との位相が合わない場合は当接位置に位置することになる。
【0034】
仮にこの状態で準備段階においてモータ30,31の駆動力が、中間転写ベルト13よりも先に感光体ドラム1a〜1dに伝達される場合には、感光体ドラム1aが回転し中間転写ベルト13が静止している状態が生じる。この場合は、転写ローラ2aにバイアス電圧が印加されると、感光体ドラム1a表面と中間転写ベルト13との間に電位差が生じ感光体ドラム1aと中間転写ベルト13は静電的に吸着する。そのために、感光体ドラム1aは、中間転写ベルト13を感光体ドラム1aの回転方向に追従して移動させる。したがって、中間転写ベルト13が回転する為、被駆動側カップリング43が設けられている駆動ローラ14も回転することになり、駆動側カップリング42と被駆動側カップリング43の位相が合わずに嵌合しない状態が続くことになる。そして、画像形成装置100が画像形成動作に入っても中間転写ベルト13が感光体ドラム1aに吸着して回転した状態で、画像形成動作を開始され感光体ドラム1aにトナー像が形成されることになる。その結果、トナー像が中間転写ベルト13と感光体ドラム1aのニップ部にきた際に、トナー像が作用して感光体ドラム1aと中間転写ベルト13との吸着力を低減する。そして、感光体ドラム1aとの静電吸着による中間転写ベルト13の回転が一旦停止するが、感光体ドラム1aから中間転写ベルト13へのトナー像の転写は継続される。そして、モータ31により回転している駆動側カップリング42と静止した被駆動側カップリング43は位相が合って嵌合し係合位置に移動する。そして、駆動ローラ14はモータ31の駆動力を受けて回転することになる。したがって、このような状態で中間転写ベルト13にトナー像が重なって転写されることになり画像不良が発生する。
【0035】
また、仮に準備段階でモータ30,31の駆動力が、中間転写ベルト13よりも先に感光体ドラム1a〜1dに伝達され、帯電ローラ2aにバイアス電圧が印加された場合も同様の状態が発生する可能性がある。即ち、感光体ドラム1a表面が帯電され、感光体ドラム1a表面と中間転写ベルト13との間に電位差が生じると感光体ドラム1aと中間転写ベルト13は静電的に吸着する。そのために、感光体ドラム1aは、中間転写ベルト13を感光体ドラム1aの回転方向に追従して移動させる。したがって、中間転写ベルト13が回転する為、被駆動側カップリング43が設けられている駆動ローラ14も回転することになる。よって、駆動側カップリング42と被駆動側カップリング43の位相が合わずに嵌合しない状態が続くことになる。即ち、中間転写ベルト13が感光体ドラム1aに追従して回転した状態で、画像形成を開始され感光体ドラムにトナー像が形成されることになる。その結果、トナー像が中間転写ベルト13と感光体ドラム1aのニップ部にきた際に、トナー像が作用して感光体ドラム1aと中間転写ベルト13との吸着力を低減する。そして、感光体ドラム1aとの静電吸着による中間転写ベルト13の回転が一旦停止するが、感光体ドラム1aから中間転写ベルト13へのトナー像の転写は継続される。そして、モータ31により回転している駆動側カップリング42と静止した被駆動側カップリング43は位相が合って嵌合し係合位置に移動する。そして、駆動ローラ14はモータ31の駆動力を受けて回転することになる。したがって、このような状態で中間転写ベルト13にトナー像が重なって転写されることになり同様に画像不良が発生する。
【0036】
そこで本実施例では、モータ30、モータ31の駆動が開始されてから、被駆動側カップリング41と駆動側カップリング42との嵌合時間以上の間1次転写ローラ10に電圧を印加しない制御を実行することを特徴とするものである。即ち、コントローラ104は、モータ31を駆動させて駆動側カップリング42を係合位置に移動させる。そして、コントローラ104はモータ31からの駆動力によって被駆動側カップリング41に駆動力が伝達した後に、電圧印加手段である1次転写電圧電源22a〜22dによって転写ローラ10に電圧を印加する制御を実行する。
【0037】
具体的な制御は、図6(a)、(b)を用いて説明する。画像形成装置100の電源がON状態になった場合、もしくは、開閉ドア102を開状態から閉状態になった場合、コントローラ104は、画像形成装置100が画像形成のためにプリント信号を受け付ける準備のために準備動作をおこう。具体的には転写ベルト13、転写ローラ10、帯電ローラ2の抵抗値は、画像形成装置100の使用環境によるバラツキが生じる。したがって、転写ローラ10、帯電ローラ2に印加する最適なバイアス電圧を設定する準備をこの準備動作で行う。ここで、画像形成装置100の電源がON状態になった場合とは、帯電電圧電源20a〜20d、1次転写電圧電源22a〜22d、2次転写電圧電源26、トナー帯電電圧電源28等の電源と商用電源とが導通した状態である。また、開閉ドア102を開状態から閉状態にする典型的な場合としては、プロセスカートリッジ9の脱着、中間転写ベルト13を含むユニットの交換、紙詰まりの処理などを行うときである。そして、コントローラ104は、電源がON状態もしくは開閉ドア102が閉じたのを検知したTm時間後、モータ30、31を回転させる信号を出し、モータ30、31を回転させる。その信号が出たTd時間後に、1次転写電圧電源22a〜22dに対して1次転写ローラ10に電圧印加を開始するための信号を出す。ここで、時間Tdは、被駆動側カップリング43と駆動側カップリング42の嵌合に要する最大時間Tcよりも、長く設定されている。尚、本実施例では、嵌合時間Tcは、凹部43aと凸42aの断面が三角形状であるため、駆動側カップリング42が最大で120°程度回転する時間である。プロセススピードVps(mm/sec)を中間転写ベルト13の厚みの中立点を速度と定義すると、本実施例の駆動ローラ14の外径がφ20であるため、T≧1000×120/360×(20π+50/1000)/Vps(msec)となる。さらに、帯電ローラ2に電圧印加後Ts時間後に、モータ30、31の回転及び帯電ローラ2に電圧印加を停止する。それによって、コントローラ104は、画像形成の為のプリント信号待ち状態になる。
【0038】
本実施例の構成において、プロセスカートリッジ9が装置本体100A装着されることによって、感光体ドラム1の一端側に設けられたギア37は、本体側のギア36と噛み合った状態になる。一方、駆動ローラ14に設けられた被駆動側カップリング43は、開閉ドア102の開状態から閉状態になる場合に、前述したように図16に示すように突起42aの先端が端面43bに当接して嵌合していない状態の場合がある。その場合は、感光体ドラム1が中間転写ベルト13より早く回転することになる。そこで、モータ30、31の回転から1次転写ローラ10に1次転写電圧電源22a〜22dから電圧供給を開始するタイミングを遅らせる制御を実行する。それによって、感光体ドラム1表面と中間転写ベルト13とが、両者の間に生じる電位差による静電吸着力で、中間転写ベルト13が感光体ドラム1に追従して移動するのを抑制することができる。したがって、中間転写ベルト13が停止し、駆動ローラ14も回転することが無いので、駆動側カップリング42が最大でも120°回転したところで、被駆動側カップリング43と嵌合することになる。
【0039】
よって、前述の準備動作を終え画像形成動作を開始する際に、被駆動側カップリング43と駆動側カップリング42とは確実に嵌合した状態になっている。したがって、画像形成におけるスループットを向上させることができる。また、被駆動側カップリング43と駆動側カップリング42との嵌合を確実なものとした状態で、画像形成動作が開始するので、カップリングの嵌合不良に起因する画像不良を防止することができる。
【0040】
以上、1次転写ローラ10に電圧印加するタイミングについて述べたが、帯電ローラ2へ電圧印加するタイミングについては以下のようになる。仮にモータ30、31を回転させる信号と同時に、帯電ローラ2へ電圧印加した場合は、感光体ドラム1において帯電ローラ2によって帯電されたところが、所定時間Te遅れて感光体ドラム1と中間転写ベルト13との接触する位置にくる。その際に、両者の間に生じる電位差による静電吸着力で、中間転写ベルト13が感光体ドラム1に追従して移動する可能性がある。よって、図25に示すように、モータ30、31を回転させる信号から、帯電ローラ2へ電圧印加を開始するタイミングを遅らせる。それによって、中間転写ベルト13が感光体ドラム1に追従して移動するのを抑制することができる。即ち、1次転写電圧電源22aによる1次転写ローラ10aへ電圧印加は、モータ30、31の駆動が開始してから、被駆動側カップリング41と駆動側カップリング42との嵌合時間以上の間は、おこなわない制御を実行した。しかし、帯電電圧電源20による帯電ローラ2への電圧印加の場合は、感光体ドラム1において帯電ローラ2によって帯電されたところが中間転写ベルト13と接触する位置にくる時間Te分は余裕があることになる。即ち、モータ30、31を回転させる信号から帯電ローラ2への電圧印加するタイミングTf時間は、被駆動カップリング43と駆動カップリング42の嵌合に要する最大時間Tcから時間Teを引いた時間よりも、長く設定されている。即ち、コントローラ104はモータ30、31の駆動が開始させ、被駆動カップリング43に駆動力が伝達されるまでの間に、感光体ドラム1において帯電ローラ2によって帯電されたところが中間転写ベルト13と接触する位置にこないように制御している。コントローラ104は上記タイミングで帯電電圧電源20によって帯電ローラ2に電圧を印加する制御をおこなうことになる。換言すると、コントローラ104は、モータ31を駆動させて駆動側カップリング42を係合位置に移動させ、モータ31からの駆動力を被駆動側カップリング41に伝達させる。そしてその後に、感光体ドラム1において帯電ローラ2によって帯電されたところが転写ベルト13と接触する位置にくるようなタイミングで、帯電電圧電源20a〜20dによって帯電ローラ2に電圧を印加する制御を実行する。
【0041】
尚、電源ON時に前述した制御を行うのは、電源がOFFの間に開閉ドア102の開閉動作がおこなわれた可能性があるからである。以上、モータ30、31を回転させる信号から、タイミングを遅らせて、少なくとも帯電ローラ2、1次転写ローラ10のいずれかに電圧を印加する実施例について説明した。しかし、帯電ローラ2、1次転写ローラ10ともにモータ30、31を回転させる信号から前述したようにタイミングを遅らせて電圧印加しても良い。
【0042】
(実施例2)
以下に本発明の実施例2について説明する。
本実施例で適用する画像形成装置の構成において、前記実施例1と同様のものには、同一部材には同一符号を付し、説明を省略する。
【0043】
〔感光体ドラム/中間転写ベルトへの駆動伝達〕
実施例1においては、各色の感光体ドラム1a〜1d及び中間転写ベルト13の駆動ローラ14にそれぞれ独立したモータ30a〜30d、31を設けた駆動構成であった。
【0044】
本実施例は、図8に示すようにこれらを共通のモータ70にて、感光体ドラム1a〜1d及び駆動ローラ14を駆動させる構成にしている。各色の感光体ドラム1a〜1dには、モータ70から減速ギア群71a−71dを介して駆動力が伝達される。また、中間転写ベルト13の駆動ローラ14には、モータ70から減速ギア群72を介して、駆動力が伝達される。感光体ドラム1a〜1dの表面には、中間転写ベルト13が接しており、それぞれ同一方向に略同一速度で回転している。
【0045】
図9では、プロセスカートリッジ9aの感光体ドラム1aへの駆動力の伝達について詳しく説明する。感光体ドラム1aは、モータ70から減速ギア群71、本体カップリング81を介して、感光体ドラム1aの軸1a1の一端側に設けられたドラムカップリング82に駆動力が伝達される。モータ70からの駆動力が減速ギア群71によって減速され、駆動軸80の端部に設けられた本体カップリング81を介して伝達される。減速ギア群71では、所定の減速比になるように、ギア71a〜71dと軸71eとから構成されている。感光体ドラム1aの長手方向の一端側に固定されたドラムカップリング82が本体カップリング81と嵌合し、ドラムカップリング82が本体カップリング81から駆動力を受けることで感光体ドラム1aは回転する。
【0046】
また、本体カップリング81、ドラムカップリング82は、図18に示す構成になっている。本体カップリング81は、駆動軸80の一端側に配置されており、断面が三角形の凸部81aを有している。そして、凸部81aは軸線方向でねじれた状態になっている。また、感光体ドラム1aに配置されるドラムカップリング82は断面が三角形の凹部82aを有する。凹部82aは、軸線方向でねじれた状態になっている。したがって、凸部81aと凹部82aとが嵌合し、本体カップリング81が回転することで、ドラムカップリング82に駆動力が伝達されるとともに、互いが引き込み合う力が発生することになる。また、感光体ドラム1b〜1dに関しても同様の構成にて駆動伝達を行っている。尚、前述した構成に対して、断面が三角形の凹部を本体カップリングが有し、断面が三角形の凸部をドラムカップリングが有しても良い。即ち、本体カップリング及びドラムカップリングは、一方は断面が三角形の突起で、他方は突起と嵌合可能な断面が三角形の穴であれば良い。
【0047】
また、図19、図20に示すように、本体カップリング81は開閉ドア102の開閉動作に連動して、駆動軸80の軸線方向に対して移動可能に設けられている。即ち、本体カップリング81は、開閉ドア102が閉状態では、本体フレーム200Fとの間に設けられたバネ145によって、矢印F方向に付勢されている。このとき、本体カップリング81はドラムカップリング82と、モータ70の駆動力が伝達可能に嵌合している(第2の係合位置)。そして、開閉ドア102が閉状態から開状態になるのに連動して、解除部材145がフランジ部81cを押圧されることで図20のように矢印G方向に移動する。それによって、本体カップリング81は、ドラムカップリング82との係合が解除される解除位置に移動する(第2の解除位置)。尚、駆動軸80の本体カップリング81との嵌合部はDカットに加工されており、本体カップリング81は駆動軸80の軸線方向に移動可能ではあるが、駆動軸80の回転が本体カップリング81に伝達されるようになっている。
【0048】
そして、開閉ドア102を開状態から閉状態にした場合、本体カップリング81はドラムカップリング82の方向にバネ144によって付勢されることになる。しかし、凸部81aと凹部82aは図18に示すように断面が三角形の為、図21に示すように本体カップリング81の端面81bとドラムカップリング82の端面82bとが当接する状態になる(当接位置)。そして、本体カップリング81は最大で120°回転することによって、凸部81aと凹部82aとの位相角度は一致し、凸部81aと凹部82aとは嵌合する(第2の係合位置)。
【0049】
また、図10に示すように、中間転写ベルト13の駆動ローラ14には、モータ70が減速ギア群72、駆動側カップリング91を介して、駆動ローラ14の一端側に設けられた被駆動側カップリング92に駆動力が伝達される。減速ギア群72では、所定の減速比になるように、ギア72a〜72dと軸72eとから構成されている。
【0050】
また、駆動側カップリング91、被駆動側カップリング92は、図11に示す構成になっている。駆動側カップリング91は、駆動軸81の一端側に配置されており、断面が三角形の凸部91aを有する。また、駆動ローラ14に配置される被駆動側カップリング92は断面が三角形の凹部92aを有する。
【0051】
さらに、駆動側カップリング91と被駆動側カップリング92は、360°の位相角度で嵌合するように、駆動側カップリング91には、凸部91aの一辺から更に突起91cが、突出している。また、被駆動側カップリング92には、突起91cが侵入可能な溝92bが設けられている。そして、駆動側カップリング91と被駆動側カップリング92とが嵌合し、駆動側カップリング91が回転することで、被駆動側カップリング92に駆動力が伝達される。
【0052】
次に図22、図23を用いて、特に駆動側カップリング91の詳細構成について説明する。図22(a)は、駆動側カップリング91と被駆動側カップリング92とが、嵌合した状態を長手方向に沿って断面で見た図である。また、図22(b)は、図22(a)のSa−Saのところの断面図である。また、図22(c)は、図22(a)のSb−Sbのところの断面図である。
【0053】
駆動側カップリング91は、駆動軸81にピン84で固定された中間子91eと、中間子91eに対してバネ91fで軸線方向に付勢されるキャップ91gとで構成される。キャップ91gの一端側には凸部91bが設けられ、他端側には後述する解除部材146が係合するフランジ91dが設けられている。そして、図22(c)に示すように凹部92aと凸部91aとが嵌合している場合は、駆動軸81の回転は、中間子91eがキャップ91gの内部のリブ91g1、91g2と係合することで伝達される。また、キャップ91gの内部には、中間子91eを内部のリブ91g1、91g2から離間させる方向に付勢する板バネ91g3が設けられている。
【0054】
次に、開閉ドア102が開状態になって、駆動側カップリング91と被駆動側カップリング92との嵌合が解除された状態を説明する。図23(a)は、駆動側カップリング91と被駆動側カップリング92とが、解除した状態を長手方向に沿った断面で見た図である。また、図23(b)は、図23(a)のSc−Scのところの断面図である。また、図23(c)は、図23(a)のSd−Sdのところの断面図である。開閉ドア102が閉状態から開状態になるのに連動して、解除部材146がフランジ部91dを押圧することで、図23(a)のようにバネ91fの付勢力に打ち勝って矢印J方向にキャップ91gが移動する。それによって、駆動側カップリング91は、被駆動側カップリング92から離間する離間位置をとる。その際に、図23(b)に示すようにキャップ91gの内部に設けられた板バネ91g3によって、キャップ91gのリブ91g3が中間子91eに当接するまで、キャップ91gが反時計方向に回転する。この回転角度は、図23(c)に示すように、突起91bが溝92bに侵入することのできない程度の角度である。この構成は、開閉ドア102を開状態にすることによって、本体カップリング81とドラムカップリング82の嵌合、及び、駆動側カップリング91と被駆動側カップリング92との嵌合が解除される。そして開閉ドア102を閉じた際に、本体カップリング81とドラムカップリング82の嵌合よりも、必ず駆動側カップリング91と被駆動側カップリング92との嵌合が後になるように、機械的に構成したものである。
【0055】
このような構成にすることによって、感光体ドラム1が中間転写ベルト13よりも必ず先に回転する。感光体ドラム1が止まっている中間転写ベルトを摺動する場合が生じるが、止まっている感光体ドラム1に中間転写ベルトが摺動する場合に比べて、感光体ドラム1が受けるダメージを少なくすることを目的としている。即ち、止まっている感光体ドラム1に中間転写ベルトが摺動する場合は、感光体ドラム1の1箇所が集中的に擦れる状況になる。しかし、感光体ドラム1が止まっている中間転写ベルトを摺動する場合は、感光体ドラム1の円周全体が擦れる状況になるので、ダメージを少なくて済む。
【0056】
したがって、第1実施例と同様に、本実施例においても、中間転写ベルト13よりも先に感光体ドラム1が回転することになる。
【0057】
〔制御手段〕
図24に本実施例におけるブロック図を示す。制御手段であるコントローラ204は、帯電電圧電源20a〜20d、1次転写電圧電源22a〜22d、2次転写電圧電源26、トナー帯電電圧電源28、モータ70、開閉ドア102の開閉を検出する為のセンサ105と電気的に接続している。本実施例では、モータ70の駆動が開始されてから、被駆動側カップリング92と駆動側カップリング91との嵌合時間以上の間1次転写ローラ10に電圧を印加しない制御を実行することを特徴とするものである。即ち、コントローラ204は、モータ70を駆動させて駆動側カップリング91を係合位置に移動させ、モータ70からの駆動力を被駆動側カップリング92に伝達する。そしてその後に、電圧印加手段である1次転写電圧電源22a〜22dによって転写ローラ10に電圧を印加する制御を実行する。
【0058】
具体的な制御は、図12(a)、(b)を用いて説明する。画像形成装置100の電源がON状態になった場合、もしくは、開閉ドア102を開状態から閉状態にしいた場合、コントローラ204は、画像形成装置100が画像形成のためにプリント信号を受け付ける準備のために準備動作をおこう。具体的には転写ベルト13、転写ローラ10、帯電ローラ2の抵抗値は、画像形成装置100の使用環境によるバラツキが生じる。したがって、転写ローラ10、帯電ローラ2に印加する最適なバイアス電圧を設定する準備をこの準備動作で行う。ここで、画像形成装置100の電源がON状態になった場合とは、帯電電圧電源20a〜20d、1次転写電圧電源22a〜22d、2次転写電圧電源26、トナー帯電電圧電源28等の電源と商用電源とが導通した状態である。また、開閉ドア102を開状態から閉状態にする典型的な場合としては、プロセスカートリッジ9の脱着、中間転写ベルト13を含むユニットの交換、紙詰まりの処理などを行うときである。
【0059】
そして、コントローラ204は、電源がON状態もしくは開閉ドア102が閉じたのを検知したTm時間後、モータ70を回転させる。その信号が出たTd時間後に、1次転写電圧電源22a〜22dに対して1次転写ローラ25に電圧印加を開始するための信号を出す。ここで、時間Tdは、被駆動側カップリング92と駆動側カップリング91の嵌合に要する最大時間Tcよりも、長く設定されている。尚、本実施例では、凸部81aと凹部82aは、前述したように約360°の位相角度で嵌合するようにしているため。嵌合時間Tcは、駆動側カップリング91が最大で360°程度回転する時間である。プロセススピードVps(mm/sec)を中間転写ベルト13の厚みの中立点を速度と定義すると、本実施例の駆動ローラ14の外径がφ20であるため、T≧1000×360/360×(20π+50/1000)/Vps(msec)となっている。さらに、帯電ローラ2に電圧印加後Ts時間後に、モータ70の回転、1次転写ローラ25への電圧印加を停止する。それによって、コントローラ204は、画像形成の為のプリント信号待ち状態になる。
【0060】
本実施例の構成においては、図12で示したように、開閉ドア102が閉状態または電源がON状態になることによって、感光体ドラム1の一端側に設けられたドラムカップリング82に向かって、本体カップリング81がバネ144で付勢される。しかし、図18に示すように凸部81aと凹部82aの断面は三角形の為、互いの位相が合わないと本体カップリング81及びドラムカップリング82は嵌合しない。
【0061】
即ち、最大で120°本体カップリング81が回転しないと、ドラムカップリング82と嵌合しない場合がある。一方、駆動ローラ14に設けられた被駆動側カップリング92は、開閉ドア102が閉状態または電源がON状態になることによって、前述したように駆動側カップリング91が約360°回転しないと被駆動側カップリング92と嵌合しない状態になっている。したがって、感光体ドラム1が中間転写ベルト13より早く回転することになる。その際に、1次転写ローラ25への電圧を印加するタイミングを前述したように遅らせる。それによって、感光体ドラム1表面と中間転写ベルト13とが、両者の間に生じる電位差による静電吸着力で、中間転写ベルト13が感光体ドラム1に追従して移動するのを抑制することができる。よって、中間転写ベルト13が停止し、駆動ローラ14も回転することが無いので、駆動側カップリング91が最大でも360°回転したところで、被駆動側カップリング92と嵌合することになる。
【0062】
したがって、前述の準備動作を終え画像形成動作を開始する際に、被駆動側カップリング92と駆動側カップリング91とは確実に嵌合した状態になっている。したがって、画像形成におけるスループットを向上させることができる。また、被駆動側カップリング92と駆動側カップリング91との嵌合を確実なものとした状態で、画像形成動作が開始するので、カップリングの嵌合不良に起因する画像不良を防止することができる。
【0063】
以上、1次転写ローラ10aに1次転写電圧電源22aから電圧印加するタイミングについて述べたが、帯電ローラ2へ電圧印加するタイミングについては以下のようになる。仮に、モータ70を回転させる信号と同時に帯電ローラ2へ電圧印加した場合は、感光体ドラム1において帯電ローラ2によって帯電したところが、所定時間Te遅れて感光体ドラム1と中間転写ベルト13と接触する位置にくる。その際に、両者の間に生じる電位差による静電吸着力で、中間転写ベルト13が感光体ドラム1に追従して移動する可能性がある。よって、図26に示すように、モータ70を回転させる信号から、帯電ローラ2へ電圧印加を開始するタイミングを遅らせる。それによって、中間転写ベルト13が感光体ドラム1に追従して移動するのを抑制することができる。
【0064】
即ち、1次転写電圧電源22aによる1次転写ローラ10aへ電圧印加は、モータ70の駆動が開始してから、被駆動側カップリング92と駆動側カップリング91との嵌合時間以上の間は、おこなわない制御を実行した。しかし、帯電電圧電源20による帯電ローラ2への電圧印加の場合は、感光体ドラム1において帯電ローラ2によって帯電されたところが中間転写ベルト13と接触する位置にくる時間Te分は余裕があることになる。即ち、モータ70を回転させる信号から帯電ローラ2への電圧印加するタイミングTf時間は、被駆動カップリング92と駆動カップリング91の嵌合に要する最大時間Tcから時間Teを引いた時間よりも、長く設定されている。即ち、コントローラ204はモータ70の駆動が開始してから、被駆動側カップリング92に駆動力が伝達されるまでの間に、感光体ドラム1において帯電ローラ2によって帯電されたところが中間転写ベルト13と接触する位置にこないようにしている。コントローラ204は、上記タイミングで帯電電圧電源20によって帯電ローラ2に電圧を印加する制御をおこなうことになる。換言すると、コントローラ204は、モータ70を駆動させて駆動側カップリング42を係合位置に移動させ、モータ70からの駆動力が被駆動側カップリング92に伝達する。そしてその後に、感光体ドラム1において帯電ローラ2によって帯電されたところが転写ベルト13と接触する位置にくるようなタイミングで、帯電電圧電源20a〜20dによって帯電ローラ2に電圧を印加する制御を実行する。
【0065】
尚、電源ON時に前述した制御を行うのは、電源がOFFの間に開閉ドア102の開閉動作がおこなわれた可能性があるからである。
【0066】
以上、モータ70を回転させる信号からタイミングを遅らせて、帯電ローラ2、または、1次転写ローラ10の電圧を印加する実施例について説明した。しかし、帯電ローラ2、1次転写ローラ10ともにモータ70を回転させる信号から前述したタイミングを遅らせて電圧印加しても良い。
【0067】
(その他の実施例)
実施例1及び実施例2においては、感光体ドラムのトナー画像が直接転写されて多重画像が形成される中間転写ベルトを有する画像形成装置について記載した。
【0068】
その他の実施例として、中間転写ベルトを用いず、記録媒体である紙を担持搬送する搬送ベルト110を有する画像形成装置200を図13に示した。本実施例においては、電源112a−112dから1次転写ローラ111a−111dに電圧を印加することによって搬送ベルト110で搬送された記録媒体Pに、感光体ドラム1a―1dのトナー画像が直接多重転写される。したがって、2次転写ローラ、2次転写対向ローラ、2次転写電圧電源は存在しないことになる。その他の構成は実施例2と同様である。
【符号の説明】
【0069】
1 感光体ドラム
13 中間転写ベルト
10 1次転写ローラ
30、31、70 モータ
32、33、71 駆動伝達手段
22 1次転写電圧電源
20 帯電電圧電源
42、81、90 カップリング部材
110 転写ベルト
111 転写ローラ
112 転写電圧電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
感光体と、
モータと、
前記感光体と接触するベルトと、
前記ベルトを回転させるための駆動部材であって、被駆動側カップリングを備えた駆動部材と、
前記モータからの駆動力によって回転する駆動側カップリングであって、前記被駆動側カップリングと係合して前記駆動力を前記被駆動側カップリングに伝達可能な係合位置と、前記被駆動側カップリングとの係合が解除される解除位置をとるように、軸線方向に移動可能な駆動側カップリングと、
前記感光体に形成されたトナー像を前記ベルトに担持された前記記録媒体または前記ベルトに転写するための転写部材と、
前記転写部材に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記モータを駆動して前記駆動側カップリングが前記係合位置に移動し、前記モータからの駆動力によって前記被駆動側カップリングに前記駆動力が伝達した後に、前記電圧印加手段によって前記転写部材に電圧を印加する制御を実行する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動側カップリング及び前記被駆動側カップリングは、一方は断面が三角形の突起で、他方は前記突起と嵌合可能な断面が三角形の穴であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記突起は、前記突起の軸線方向においてねじれていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記穴は、前記穴の軸線方向においてねじれていることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
更に、前記画像形成装置は、
前記画像形成装置の装置本体に設けられた開口と、
前記開口を閉鎖する閉状態と、前記開口を開放する開状態と、をとり得る開閉ドアと、
を有し、
前記駆動側カップリングは、前記開閉ドアの開閉動作に連動して前記駆動側カップリングの軸線方向に移動可能で、前記開閉ドアが前記閉状態の際は前記係合位置をとり、前記開閉ドアが前記開状態の際は前記解除位置をとることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記開閉ドアが前記開状態から前記閉状態になった場合に、前記制御を実行することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記画像形成装置に設けられた電源がON状態になった場合に、前記制御を実行することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
感光体と、
前記感光体を帯電する帯電部材と、
モータと、
前記感光体と接触するベルトと、
前記ベルトを回転させるための駆動部材であって、被駆動側カップリングを備えた駆動部材と、
前記モータからの駆動力によって回転する駆動側カップリングであって、前記被駆動側カップリングと係合して前記駆動力を前記被駆動側カップリングに伝達可能な係合位置と、前記被駆動側カップリングとの係合が解除される解除位置をとるように、軸線方向に移動可能な駆動側カップリングと、
前記帯電部材に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記モータが駆動して前記駆動側カップリングが前記係合位置に移動し、前記モータからの駆動力によって前記被駆動側カップリングに前記駆動力が伝達した後に、前記感光体において前記帯電部材によって帯電されたところが前記ベルトと接触する位置にくるように、前記電圧印加手段によって前記帯電部材に電圧を印加する制御を実行する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記駆動側カップリング及び前記被駆動側カップリングは、一方は断面が三角形の突起で、他方は前記突起と嵌合可能な断面が三角形の穴であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記突起は、前記突起の軸線方向においてねじれていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記穴は、前記穴の軸線方向においてねじれていることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
更に、前記画像形成装置は、
前記画像形成装置の装置本体に設けられた開口と、
前記開口を閉鎖する閉状態と、前記開口を開放する開状態と、をとり得る開閉ドアと、
を有し、
前記駆動側カップリングは、前記開閉ドアの開閉動作に連動して前記駆動側カップリングの軸線方向に移動可能で、前記開閉ドアが前記閉状態の際は前記係合位置をとり、前記開閉ドアが前記開状態の際は前記解除位置をとることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御手段は、前記開閉ドアが前記開状態から前記閉状態になった場合に、前記制御を実行することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記制御手段は、前記画像形成装置に設けられた電源がON状態になった場合に、前記制御を実行することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項15】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
モータと、
前記モータからの駆動力によって回転する本体カップリングと、
前記画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、感光体ドラムと、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に前記本体カップリングと所定の位相角度で係合して前記駆動力を前記感光体ドラムに伝達するドラムカップリングと、を有するプロセスカートリッジと、
前記感光体と接触するベルトと、
前記ベルトを回転させるための駆動部材であって、被駆動側カップリングを備えた駆動部材と、
前記モータからの駆動力によって回転する駆動側カップリングであって、前記被駆動側カップリングと前記所定の位相角度よりも大きい位相角度で係合して前記駆動力を前記被駆動側カップリングに伝達可能な係合位置と、前記被駆動側カップリングとの係合が解除される解除位置をとるように、軸線方向に移動可能な駆動側カップリングと、
前記感光体に形成されたトナー像を前記ベルトに担持された前記記録媒体または前記ベルトに転写するための転写部材と、
前記転写部材に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記モータが駆動して前記駆動側カップリングが前記係合位置に移動し、前記モータからの駆動力によって前記被駆動側カップリングに前記駆動力が伝達した後に、前記電圧印加手段によって前記転写部材に電圧を印加する制御を実行する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
前記駆動側カップリング及び前記被駆動側カップリングは、一方は断面が三角形の突起で、他方は前記突起と嵌合可能な断面が三角形の穴であることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記突起は、前記突起の軸線方向においてねじれていることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記穴は、前記穴の軸線方向においてねじれていることを特徴とする請求項16又は17に記載の画像形成装置。
【請求項19】
更に、前記画像形成装置は、
前記画像形成装置の装置本体に設けられた開口と、
前記開口を閉鎖する閉状態と、前記開口を開放する開状態と、をとり得る開閉ドアと、
を有し、
前記駆動側カップリングは、前記開閉ドアの開閉動作に連動して前記駆動側カップリングの軸線方向に移動可能で、前記開閉ドアが前記閉状態の際は前記係合位置をとり、前記開閉ドアが前記開状態の際は前記解除位置をとり、
前記本体カップリングは、前記開閉ドアの開閉動作に連動して前記本体カップリングの軸線方向に移動可能で、前記開閉ドアが前記閉状態に位置する際は前記ドラムカップリングと係合する第2の係合位置をとり、前記開閉ドアが前記開状態に位置する際は前記ドラムカップリングとの係合が解除される第2の解除位置をとることを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記制御手段は、前記開閉ドアが前記開状態から前記閉状態になった場合に、前記制御を実行することを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記制御手段は、前記画像形成装置に設けられた電源がON状態になった場合に、前記制御を実行することを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
【請求項22】
前記駆動側カップリングにおける前記解除位置は、前記駆動側カップリングと前記被駆動側カップリングとの係合が、前記本体カップリングと前記ドラムカップリングとの係合の後におこなわれるように前記駆動側カップリングを停止させた位置であることを特徴とする請求項15乃至21のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項23】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
モータと、
前記モータからの駆動力によって回転する本体カップリングと、
前記画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、感光体ドラムと、前記感光体ドラムを帯電する帯電部材と、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に前記本体カップリングと所定の位相角度で係合して前記駆動力を前記感光体ドラムに伝達するドラムカップリングと、を有するプロセスカートリッジと、
前記感光体と接触するベルトと、
前記ベルトを回転させるための駆動部材であって、被駆動側カップリングを備えた駆動部材と、
前記モータからの駆動力によって回転する駆動側カップリングであって、前記被駆動側カップリングと前記所定の位相角度よりも大きい位相角度で係合して前記駆動力を前記被駆動側カップリングに伝達可能な係合位置と、前記被駆動側カップリングとの係合が解除される解除位置をとるように、軸線方向に移動可能な駆動側カップリングと、
前記帯電部材に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記モータが駆動して前記駆動側カップリングが前記係合位置に移動し、前記モータからの駆動力によって前記被駆動側カップリングに前記駆動力が伝達した後に、前記感光体において前記帯電部材によって帯電されたところが前記ベルトと接触する位置にくるように、前記電圧印加手段によって前記帯電部材に電圧を印加する制御を実行する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項24】
前記駆動側カップリング及び前記被駆動側カップリングは、一方は断面が三角形の突起で、他方は前記突起と嵌合可能な断面が三角形の穴であることを特徴とする請求項23に記載の画像形成装置。
【請求項25】
前記突起は、前記突起の軸線方向においてねじれていることを特徴とする請求項24に記載の画像形成装置。
【請求項26】
前記穴は、前記穴の軸線方向においてねじれていることを特徴とする請求項24又は25に記載の画像形成装置。
【請求項27】
更に、前記画像形成装置は、
前記画像形成装置の装置本体に設けられた開口と、
前記開口を閉鎖する閉状態と、前記開口を開放する開状態と、をとり得る開閉ドアと、
を有し、
前記駆動側カップリングは、前記開閉ドアの開閉動作に連動して前記駆動側カップリングの軸線方向に移動可能で、前記開閉ドアが前記閉状態の際は前記係合位置をとり、前記開閉ドアが前記開状態の際は前記解除位置をとり、
前記本体カップリングは、前記開閉ドアの開閉動作に連動して前記本体カップリングの軸線方向に移動可能で、前記開閉ドアが前記閉状態に位置する際は前記ドラムカップリングと係合する第2の係合位置をとり、前記開閉ドアが前記開状態に位置する際は前記ドラムカップリングとの係合が解除される第2の解除位置をとることを特徴とする請求項23乃至26のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項28】
前記制御手段は、前記開閉ドアが前記開状態から前記閉状態になった場合に、前記制御を実行することを特徴とする請求項27に記載の画像形成装置。
【請求項29】
前記制御手段は、前記画像形成装置に設けられた電源がON状態になった場合に、前記制御を実行することを特徴とする請求項27に記載の画像形成装置。
【請求項30】
前記駆動側カップリングにおける前記解除位置は、前記駆動側カップリングと前記被駆動側カップリングとの係合が、前記本体カップリングと前記ドラムカップリングとの嵌合の後におこなわれるように前記駆動側カップリングを停止させた位置であることを特徴とする請求項23乃至29のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−154407(P2011−154407A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109678(P2011−109678)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【分割の表示】特願2009−53711(P2009−53711)の分割
【原出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】