説明

画像形成装置

【課題】伝達部材の損傷を防止することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
プロセスユニット9が、本体ケーシング2に対して前後方向に沿って着脱自在に設けられているカラーレーザプリンタ1において、プロセスユニット9が本体ケーシング2に装着されたときに、所定の駆動量で駆動する検出ギヤ56を、現像カートリッジ13に備え、検出ギヤ56の当接突起66が当接されることにより回転されて、当接突起66を通過させるプロセス側アクチュエータ41を、プロセスフレーム12に備え、プロセス側アクチュエータ41の回転を検出するセンサユニット82と、センサユニット82の検出結果に基づいて、現像カートリッジ13に関する情報を判断するCPUとを、本体ケーシング2に備え、プロセス側アクチュエータ41を、上下方向に延びる支持軸61を回転中心として水平方向に回転可能に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンタとして、トナーが収容されている現像カートリッジが着脱自在に装着されるレーザプリンタが知られている。
【0003】
このようなレーザプリンタとして、装着された現像カートリッジが新品であるか否かを検出して、その新品検出時からの現像カートリッジの寿命を判断するための新品検知手段を備えるものが知られている。
【0004】
たとえば、検出ギヤを備える現像カートリッジと、検出ギヤの当接により移動されるレバーを備え、本体ケーシングから引き出し可能なドラムユニットと、レバーの移動を検出する光センサを備える本体ケーシングとを備えるカラーレーザプリンタが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0005】
このカラーレーザプリンタでは、現像カートリッジがドラムユニットとともに本体ケーシングに装着され、本体ケーシングのモータからの駆動力が現像カートリッジに伝達されると、検出ギヤが回転されてレバーに当接され、レバーがドラムユニットから突出するように移動される。そして、レバーの移動が光センサによって検出されると、光センサの検出に基づいて現像カートリッジの新品が検出される。なお、検出ギヤは、欠歯ギヤからなり、現像カートリッジが新品の場合だけ所定角度回転し、現像カートリッジが新品でない場合には、停止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−47314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、上記した特許文献1に記載のカラーレーザプリンタでは、新品の現像カートリッジを本体ケーシングに装着した後、上記した新品検知動作の途中でカラーレーザプリンタの電源が切れた場合には、レバーがドラムユニットから突出されて、光センサに検出されている途中で、カラーレーザプリンタが停止されることとなる。
【0008】
この場合に、本体ケーシングからドラムユニットを引き出すと、レバーが、光センサなどの周辺の部材と干渉して、損傷してしまう場合がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、伝達部材の損傷を防止することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するため、本発明は、画像形成装置であり、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して引き出し可能に設けられ、感光体を保持する保持部材と、前記保持部材に対して着脱可能であり、現像剤担持体を備える現像カートリッジと、前記画像形成装置本体に備えられる駆動手段と、前記現像カートリッジに備えられ、前記現像カートリッジが前記画像形成装置に備えられたときに、前記駆動手段により駆動可能となり、駆動開始から駆動停止までの所定の駆動量で駆動する駆動部材と、前記駆動部材の駆動とともに移動可能な移動部材と、前記保持部材の引き出し方向および前記感光体の長手方向の両方に直交する方向に延びる回転軸を備え、前記保持部材に、前記回転軸を回転中心として回転可能に設けられ、前記移動部材が当接されることにより回転されて、前記移動部材を通過させる伝達部材と、前記画像形成装置本体に設けられ、前記伝達部材の回転を検出する検出部材と、前記検出部材の検出結果に基づいて、前記現像カートリッジに関する情報を判断する情報判断手段とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、伝達部材は、保持部材の引き出し方向および感光体の長手方向の両方に直交する方向に延びる回転軸を備えている。そして、伝達部材は、保持部材に、回転軸を回転中心として回転可能に設けられている。
【0012】
そのため、保持部材の引き出し方向に沿って、伝達部材を回転させることができる。これにより、たとえ伝達部材の回転途中に保持部材が画像形成装置本体から引き出されて、周辺の部材が伝達部材に干渉したとしても、伝達部材が引き出し方向に沿って回転することにより、その干渉を受け流すことができる。
【0013】
その結果、伝達部材の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1に示すプロセスユニットの左上側から見た斜視図である。
【図3】図2に示すプロセスユニットを示し、(a)は、左側面図であり、(b)は、A−A断面図である。
【図4】図1に示す現像カートリッジの左上側から見た斜視図である。
【図5】検出動作を説明するための説明図であって、検知ギヤの駆動前を示し、(a)は、アクチュエータを右上から見た斜視図であり、(b)は、アクチュエータを上から見た断面図である。
【図6】検出動作を説明するための説明図であって、検知ギヤがアクチュエータの第1傾斜面に当接された状態を示す。
【図7】検出動作を説明するための説明図であって、検知ギヤがアクチュエータの位置決め面に当接された状態を示す。
【図8】検出動作を説明するための説明図であって、検知ギヤがアクチュエータの第2傾斜面に当接された状態を示す。
【図9】検出動作を説明するための説明図であって、検知ギヤのアクチュエータへの当接状態と、センサユニットにおける検知、非検知との関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラーレーザプリンタである。カラーレーザプリンタ1は、画像形成装置本体の一例としての本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部3および画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、後述するプロセスユニット9を着脱させるためのフロントカバー5が形成されている。フロントカバー5は、本体ケーシング2に対して下端部を支点として揺動自在に設けられている。
【0016】
なお、以下の説明において、フロントカバー5が設けられる側(図1における紙面右側)を前側とし、その反対側(図1における紙面左側)を後側とする。また、カラーレーザプリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が左側であり、紙面奥側が右側である。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ6を備えている。給紙トレイ6は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ6の前端部上側には、1対のレジストローラ7が設けられている。
【0017】
給紙トレイ6に収容されている用紙Pは、両レジストローラ7間に向けて1枚ずつ給紙され、所定のタイミングで、画像形成部4(感光ドラム14(後述)と搬送ベルト22(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット8、プロセスユニット9、転写ユニット10、および定着ユニット11を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット8は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナユニット8は、実線で示すように、4つの感光ドラム14(後述)に向けて、画像データに基づいて、レーザービームをそれぞれ出射し、感光ドラム14(後述)を露光する。
(3−2)プロセスユニット
(3−2−1)プロセスユニットの構成
プロセスユニット9は、スキャナユニット8の下側であって、転写ユニット10の上側に配置されており、1つの保持部材の一例としてのプロセスフレーム12と、各色に対応する4つの現像カートリッジ13とを備えている。また、プロセスユニット9は、本体ケーシング2に対して、前後方向にスライドすることにより、着脱自在に設けられている。
【0018】
プロセスフレーム12は、本体ケーシング2に対して、前後方向に沿って引き出し可能に設けられ、感光体の一例としての感光ドラム14、スコロトロン型帯電器15およびドラムクリーニングローラ16を保持している。
【0019】
感光ドラム14は、左右方向に沿って設けられ、前後方向に互いに間隔を隔てて、4つ並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック感光ドラム14K、イエロー感光ドラム14Y、マゼンタ感光ドラム14Mおよびシアン感光ドラム14Cが、順次配置されている。
【0020】
スコロトロン型帯電器15は、感光ドラム14の斜め後側上側に、感光ドラム14と間隔を隔てて対向配置されている。
【0021】
ドラムクリーニングローラ16は、感光ドラム14の後側において、感光ドラム14と対向して接触するように配置されている。
【0022】
各現像カートリッジ13は、各感光ドラム14に対応するように、感光ドラム14の上側において、プロセスフレーム12に対して着脱可能に設けられている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック現像カートリッジ13K、イエロー現像カートリッジ13Y、マゼンタ現像カートリッジ13Mおよびシアン現像カートリッジ13Cが、順次配置されている。また、各現像カートリッジ13は、それぞれ、現像剤担持体の一例としての現像ローラ17を備えている。
【0023】
現像ローラ17は、後述するが、現像カートリッジ13の下端において、後側から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム14に対して前上側から対向し、接触されている。
【0024】
なお、現像カートリッジ13は、現像ローラ17にトナーを供給する供給ローラ18、現像ローラ17に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード19を備え、それらの上側の空間には、各色に対応する現像剤の一例としてのトナーが収容されている。
(3−2−2)プロセスユニットでの現像動作
現像カートリッジ13内のトナーは、供給ローラ18に供給され、さらに、現像ローラ17に供給され、供給ローラ18と現像ローラ17との間で正極性に摩擦帯電される。
【0025】
現像ローラ17に供給されたトナーは、現像ローラ17の回転に伴って、層厚規制ブレード19によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ17の表面に担持される。
【0026】
一方、感光ドラム14の表面は、感光ドラム14の回転に伴って、スコロトロン型帯電器15により一様に正帯電された後、スキャナユニット8からのレーザービーム(図1破線参照。)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム14の表面に形成される。
【0027】
感光ドラム14がさらに回転すると、現像ローラ17の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム14の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム14の静電潜像は可視像化され、感光ドラム14の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット10は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上側であって、プロセスユニット9の下側において、前後方向に沿って配置されている。この転写ユニット10は、駆動ローラ20、従動ローラ21、搬送ベルト22、および4つの転写ローラ23を備えている。
【0028】
駆動ローラ20および従動ローラ21は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0029】
搬送ベルト22は、各感光ドラム14に対して上下方向に対向し、その上側部分が各感光ドラム14と接触するように、駆動ローラ20および従動ローラ21の周りに巻回されている。また、搬送ベルト22は、駆動ローラ20の駆動により、各感光ドラム14と接触する搬送ベルト22の上側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0030】
各転写ローラ23は、各感光ドラム14と、それぞれ搬送ベルト22の上側部分を挟んで対向するように、設けられている。
【0031】
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト22によって、前側から後側に向かって、各感光ドラム14と各転写ローラ23とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光ドラム14に担持されている各色のトナー像が、用紙Pに順次転写され、カラー画像が形成される。
【0032】
なお、感光ドラム14から用紙Pへのトナー像の転写後に感光ドラム14の表面にトナーが残留する場合がある。その場合には、この残留した廃トナーは、感光ドラム14の回転により、ドラムクリーニングローラ16と対向したときに、ドラムクリーニングローラ16に印加されるクリーニングバイアスによって、ドラムクリーニングローラ16に転写され、ドラムクリーニングローラ16に保持される。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット11は、転写ユニット10の後側に配置され、加熱ローラ24、および加熱ローラ24に対向する加圧ローラ25を備えている。転写ユニット10において、用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ24と加圧ローラ25との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
トナー像が定着した用紙Pは、各排紙ローラ26によって、図示しないUターンパスを通過するように搬送され、スキャナユニット8の上側に形成される排紙トレイ27上に排紙される。
2.プロセスユニットの詳細
(1)プロセスフレーム
プロセスフレーム12は、図2に示すように、前後方向に長手の平面視略矩形枠形状に形成されている。また、プロセスフレーム12は、左右1対の側板31を備えている。
【0033】
両側板31は、左右方向において互いに間隔を隔てて対向配置されている。両側板31は、図3(a)および(b)に示すように、前後方向に長手の略矩形状に形成されている。
【0034】
また、両側板31には、ガイド溝32が形成されている。また、両側板31は、ガイド部の一例としてのガイドレール42を備えている。
【0035】
なお、本実施形態では、プロセス側アクチュエータ41(後述)に関する構成は、左側の側板31にのみ設けられている。そこで、以下の説明において、側板31については、左側の側板31を詳細に説明し、右側の側板31についての説明を省略する。そして、左側の側板31を、単に側板31と記載する。
【0036】
ガイド溝32は、側板31の右面(左右方向内面)において、各感光ドラム14に対応するように、前後方向に等しい間隔を隔てて4つ形成されている。各ガイド溝32は、対応する感光ドラム14の前上側において、側板31の上側部分から後側斜め下側(以下、第1傾斜方向Xとし、図3中において、太い実線で示す。)に向かって延び、上側が開放された略U字形状に形成されている。
【0037】
詳しくは、側板31の右面には、各ガイド溝32を区画するように、前後1対の現像ガイド部の一例としてのガイドリブ33が4対形成されている。
【0038】
両ガイドリブ33(以下、両ガイドリブ33の前後方向に言及するときには、前側のリブを前リブ33Fとし、後側のリブを後リブ33Bとする。)は、前後方向に互いに間隔を隔てて第1傾斜方向Xに沿って延びるとともに、右側に向かって突出形成されている。また、両ガイドリブ33の下端部は、感光ドラム14に対して、わずかに間隔を隔てて対向配置されている。
【0039】
前リブ33Fは、側板31の上側部分から、第1傾斜方向Xに沿って略一直線状に延び、その後、後側に向かって屈曲して、感光ドラム14の径方向に沿う方向(以下、第2傾斜方向Yとし、図3において、太い破線で示す。)に向かって延びている。
【0040】
後リブ33Bは、側板31の上側部分から第1傾斜方向Xに沿って略一直線状に延び、その後、ガイド溝32の溝幅(前リブ33Fと後リブ33Bとの前後方向間隔)をやや拡げるように、後側へ向かって膨出している。また、後リブ33Bの下端部は、前リブ33Fの下端部に対して、現像ローラ軸73(後述)の直径にほぼ相当する間隔を隔てて対向配置され、第2傾斜方向Yに沿って延びるように、形成されている。
【0041】
つまり、各ガイド溝32は、側板31の上側部分から第1傾斜方向Xに沿って延びる第1ガイド溝32Aと、第1ガイド溝32Aに連続して、第1ガイド溝32Aの下端部から第2傾斜方向Yに沿って延びる第2ガイド溝32Bとを備えている。
【0042】
また、前リブ33Fと、後リブ33Bの前側へ向かって膨出している部分との間には、カップリング穴37が形成されている。
【0043】
カップリング穴37は、後側へ向かうに従って下側へ傾斜するように延びる長穴であり、現像カートリッジ13のカップリング部材58(後述)を左側から露出させる。
【0044】
ガイドレール42は、上下方向において各ガイド溝32の上端縁を通過するように、前後方向に沿って延びるとともに、側板31の左面から左側へ突出する突条として形成されている。ガイドレール42の上下方向長さは、プロセス側アクチュエータ41(後述)の被検出部45の上下方向長さよりもやや長い上下方向長さであり、その前後方向長さは、側板31の前後方向ほぼすべてにわたる前後方向長さである。
【0045】
また、ガイドレール42は、収容部43と、収容部43内に収容されるプロセス側アクチュエータ41とを備えている。
【0046】
収容部43は、ガイドレール42(および側板31)を左右方向に貫通する開口であり、前後方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。また、収容部43は、後リブ33Bの上側において、各ガイド溝32に対応するように、前後方向に互いに間隔を隔てて4つ並列配置されている。また、収容部43内には、上下方向に延びる回動軸の一例としての支持軸61(図5(b)参照)が設けられている。
【0047】
プロセス側アクチュエータ41は、各収容部43内に1つずつ設けられており、支持軸61に相対回転可能に支持されている。プロセス側アクチュエータ41は、支持軸61とともに伝達部材を構成する。
【0048】
また、プロセス側アクチュエータ41は、図5(a)および(b)に示すように、左右方向に延び、左端部が後方に向かって屈曲された平面視略鉤形状に形成されており、当接部44、被検出部45および嵌合部46を備えている。
【0049】
当接部44は、プロセス側アクチュエータ41の右端部に設けられ、前側に向かう頂部を有する側面視略三角形状に形成されている(図3(b)参照)。また、当接部44は、第1傾斜面47、位置決め面48および第2傾斜面49を備えている(図8参照)。
【0050】
第1傾斜面47は、当接部44の上面であり、後側から前側へ向かうに従って下側に傾斜するように形成されている。
【0051】
位置決め面48は、当接部44の頂部を形成する面であり、第1傾斜面47の前端部から下側へ向かって延びるように形成されている。
【0052】
第2傾斜面49は、当接部の下面であり、位置決め面48の下端部から、前側から後側へ向かうに従って下側へ傾斜するように形成されている。
【0053】
被検出部45は、当接部44の左面から左側へ向かって延び、左後側へ向かって屈曲された後、左後側へ延び、さらに後側へ向かって屈曲された後、後側へ延び、後端部において右後側へ屈曲されている。また、被検出部45の左後側へ延びる部分の前面は、押圧面50として作用する。
【0054】
押圧面50は、右側から左側へ向かうに従って後側へ傾斜している。つまり、押圧面50に直交する方向は、前側から後側へ向かうに従って右側へ傾斜する方向を含んでいる。言い換えると、押圧面50に直交する方向は、支持軸61を回転中心として、平面視時計回りに沿う方向を含んでいる。
【0055】
嵌合部46は、被検出部45の左後側へ向かって屈曲されている部分の前端部に設けられ、上下方向に延び、左前側に向かって開放される平面視略C字形の略円筒形状に形成されている。
【0056】
そして、プロセス側アクチュエータ41は、当接部44が側板31の右面から右側に突出され、被検出部45が側板31の左面から左側に露出されるように配置され、嵌合部46が収容部43内の支持軸61に回転自在に嵌合されることにより、収容部43内に水平方向に回転自在に支持されている。
【0057】
また、当接部44は、第2傾斜面47が第1傾斜方向Xに延び、後リブ33Bの前面と略面一となるように、後リブ33Bの上側に配置されている。
【0058】
また、プロセス側アクチュエータ41の嵌合部46には、コイルばね30が巻回されており、コイルばね30の一端部が収容部43の内壁に固定され、コイルばね30の他端部がプロセス側アクチュエータ41の被検出部45に固定されている。そして、プロセス側アクチュエータ41は、コイルばね30の付勢力により、常には、平面視時計回りに付勢され、被検出部45が収容部43内に収容されている(図5(b)参照)。すなわち、被検出部45は、常には、収容部43内に収容される第1位置の一例としての収容位置に配置されている。
【0059】
また、側板31の右面には、隣り合うガイド溝32間において、延設部34が設けられている。
【0060】
延設部34は、前後方向に沿って延び、後側のガイド溝32を形成する前リブ33Fの上端縁と、前側のガイド溝32を形成する後リブ33Bの上端縁とを連結している。延設部34の上面には、下側へ窪む凹部35が形成されている。
【0061】
また、側板31の右面には、押圧部材36が設けられている。
【0062】
押圧部材36は、側板31の上端部において、各ガイド溝32に対応して、各延設部34に対して上側から隣接するように、4つ設けられている。
【0063】
押圧部材36は、側面視略扇形状をなしている。詳しくは、押圧部材36は、後上側へ向かって互いの間隔が広くなる1対の平面部分38と、両平面部分38の後側上端をつなぎ、後上側へ略円弧状に膨出する曲面部分39とを備えている。
【0064】
また、押圧部材36は、両平面部分38の前側下端同士の連結部分の近傍に、左右方向外側に延びる回動軸40を有している。回動軸40は、側板31の左右方向内側面に支持されている。これにより、押圧部材36は、回動軸40を中心として回動自在に支持されている。そして、押圧部材36は、図示しない付勢部材によって、常には、左側面視反時計回りに付勢されている。
(2)現像カートリッジ
現像カートリッジ13は、図4に示すように、フレーム51と、上記した現像ローラ17および供給ローラ18(図1参照)とを備えている。
【0065】
フレーム51は、左右方向に延び、後下側へ向かう頂角を有する側面視略二等辺三角形のボックス形状に形成されている。
【0066】
また、フレーム51は、その前側上端部において、取っ手52、および、左右1対のボス53を備えている。また、フレーム51には、その後側下端部において、開口部54が形成されている。
【0067】
取っ手52は、フレーム51の左右方向中央部において、左右方向に延びるとともに、フレーム51の上端部から上側に向かって膨出するように形成されている。
【0068】
ボス53は、フレーム51の左右両端面において、左右方向外側へ向かって突出する略円筒形状に形成されている。
【0069】
開口部54は、フレーム51の左右方向すべてにわたって、後方に向かって開放されるように形成されている。
【0070】
また、フレーム51は、駆動ユニット55を備えている。
【0071】
駆動ユニット55は、フレーム51の左端部に設けられ、カップリング部材58と、駆動部材の一例としての検出ギヤ56と、ギヤカバー57とを備えている。
【0072】
カップリング部材58は、略円柱形状のカップリング雌部材であり、現像カートリッジ13の下側後端部に回転自在に設けられている。
【0073】
カップリング部材58の左端部には、現像カートリッジ13が本体ケーシング2に装着されたときに、本体ケーシング2に設けられるカップリング雄部材(図示せず)が左方から連結され、本体ケーシング2に備えられるモータ81(後述、図2参照)からの駆動力が入力される。
【0074】
検出ギヤ56は、図5(a)に示すように、欠歯ギヤであり、現像カートリッジ13の上端部に配置されている。詳しくは、検出ギヤ56は、その周方向において、約4/5が、ギヤ歯を有し、約1/5が、ギヤ歯を有さない欠歯部分として形成されている。また、検出ギヤ56は、2つの移動部材の一例としての当接突起66とを備えている。
【0075】
各当接突起66は、検出ギヤ56の径方向略中央から径方向外側に向かって延びるとともに、検出ギヤ56の左面から左側へ突出する略平板形状に形成されている。また、各当接突起66は、一方の当接突起66が、検出ギヤ56の欠歯部分の反対側に配置され、他方の当接突起66が、一方の当接突起66に対して、検出ギヤ56の周方向において、左側面視時計回り方向に略120°の間隔を隔てるように、配置されている。なお、当接突起66の数や形状は、現像カートリッジ13の情報(新品であるか否かの情報、印刷可能枚数など)に対応している。
【0076】
そして、検出ギヤ56は、一方の当接突起66が上側へ向かい、欠歯部分が下側へ向かうようにフレーム51に回転自在に設けられている。
【0077】
なお、検出ギヤ56とカップリング部材58との間には、それらに噛合するギヤ列(図示せず)が設けられている。これにより、検出ギヤ56には、ギヤ列(図示せず)を介して、カップリング部材58からの駆動力が伝達される。
【0078】
ギヤカバー57は、カップリングカバー76および検知ギヤカバー77を備えている。
【0079】
カップリングカバー76は、ギヤカバー57の下端部において、カップリング部材58を囲むように、ギヤカバー57の左面から左側に向かって延びる略円筒形状に形成されている。
【0080】
検知ギヤカバー77は、検出ギヤ56を収容可能なように、ギヤカバー57の左面から左側に向かって延び、左端部が閉鎖された側面視略半円形の筒形状に形成されている。また、検知ギヤカバー77の後端部には、当接突起66を露出させるための露出口72が開口されている。
【0081】
現像ローラ17は、フレーム51の下端部において、その後端部が開口部54から露出されるように、左右方向に沿って設けられている。また、現像ローラ17は、現像ローラ軸73を備えている。また、現像ローラ軸73の左右両端部には、カラー部材75がそれぞれ外嵌されている。
【0082】
そして、現像ローラ軸73の左右両端部が、フレーム51の左右両端部に回転自在に支持されることにより、現像ローラ17は、フレーム51に回転自在に支持されている。
【0083】
供給ローラ18は、現像ローラ17の前方斜め上方に配置され、前方斜め上方から現像ローラ17に接触されている。また、供給ローラ18は、供給ローラ軸74を備えている。
【0084】
そして、供給ローラ軸74の左右両端部が、フレーム51の左右両端部に回転自在に支持されることにより、供給ローラ18は、フレーム51に回転自在に支持されている。
【0085】
なお、現像ローラ軸73の左端部、および、供給ローラ軸74の左端部には、それぞれ、ギヤ(図示せず)が相対回転不能に設けられており、それらのギヤ(図示せず)がカップリング部材58に噛合されている。これにより、カップリング部材58からの駆動力が、現像ローラ17および供給ローラ18に伝達される。
3.本体ケーシングの構成
本体ケーシング2は、駆動手段の一例としてのモータ81と、検出部材の一例としてのセンサユニット82と、情報判断手段の一例としてのCPU83とを備えている。
【0086】
モータ81は、図2に示すように、各現像カートリッジ13のカップリング部材58に、カップリング雄部材(図示せず)を介して駆動力を入力する。
【0087】
センサユニット82は、プロセスユニット9が本体ケーシング2に装着されたときに、4つのプロセス側アクチュエータ41とそれぞれ対向するように、本体ケーシング2内に4つ配置されている。また、各センサユニット82は、図5(a)に示すように、フォトセンサ84と本体側アクチュエータ85とを備えている。
【0088】
フォトセンサ84は、正面視において、右側が開放された略U字形状であり、本体ケーシング2に固定され、CPU83に接続されている。また、フォトセンサ84は、発光素子86と受光素子87とを備えている。
【0089】
発光素子86と受光素子87とは、互いに上下方向に対向するように設けられており、発光素子86から発光された検出光を、受光素子87において受光する。なお、発光素子86は、常時、検出光を発光している。そして、フォトセンサ84は、受光素子87が検出光を受光したときには、CPU83に受光信号を送信し(オン)、受光素子87が検出光を受光しないときには、CPU83に受光信号を送信しない(オフ)。
【0090】
本体側アクチュエータ85は、前後方向に延びる略杆状に形成されており、本体側アクチュエータ85は、支持軸88、被当接部89および遮光部90を備えている。
【0091】
支持軸88は、本体側アクチュエータ85の前後方向途中に設けられており、上下方向に延びる略円柱形状に形成されている。
【0092】
被当接部89は、本体側アクチュエータ85の後端部において、右側に向かって突出する略角柱形状に形成されている。
【0093】
遮光部90は、本体側アクチュエータ85の前端部において、左側に向かって突出する平板形状に形成されている。
【0094】
そして、本体側アクチュエータ85は、プロセスユニット9が本体ケーシング2に装着されたときに、本体側アクチュエータ85の被当接部89と、プロセス側アクチュエータ41の被検出部45とが左右方向に対向されるように配置され、支持軸88において、本体ケーシング2に対して、水平方向に回転可能に支持されている。また、本体側アクチュエータ85の遮光部90は、フォトセンサ84の発光素子86と受光素子87との間に遊嵌されている。
【0095】
そして、本体側アクチュエータ85は、図示しないコイルばねにより、常には、平面視時計回り方向に付勢されている。これにより、センサユニット82では、常には、発光素子86から発光される検出光が本体側アクチュエータ85の遮光部90で遮られている。
【0096】
そして、プロセス側アクチュエータ41の被検出部45が本体側アクチュエータ85の被当接部89に当接されると、本体側アクチュエータ85がコイルばね(図示せず)の付勢力に抗して平面視反時計回りに回動し、本体側アクチュエータ85の遮光部90が、フォトセンサ84の発光素子86と受光素子87との間から右側へ退避する。これにより、センサユニット82では、発光素子86から発光される検出光が、受光素子87に受光される。
【0097】
CPU90は、フォトセンサ84に接続されており、所定時間ごとに、フォトセンサ84からの受光信号をモニターする。
4.現像カートリッジの本体ケーシングに対する着脱
(1)プロセスユニットに対する現像カートリッジの着脱
本体ケーシング2に現像カートリッジ13を装着するには、まず、プロセスフレーム12に現像カートリッジ13を装着する。
【0098】
プロセスフレーム12に現像カートリッジ13を装着するには、まず、現像カートリッジ13の取っ手52を把持し、現像カートリッジ13を、本体ケーシング2から引き出されたプロセスフレーム12の上側において、対応する感光ドラム14と前後方向で一致する位置に配置する。
【0099】
次いで、現像カートリッジ13を下降させて、プロセスフレーム12内に挿入する。
【0100】
すると、現像カートリッジ13がプロセスフレーム12内に挿入されるに従って、現像ローラ軸73の左右両端部が、左右両側の側板31の第1ガイド溝32Aに対して上側から嵌合される。
【0101】
これにより、現像カートリッジ13は、現像ローラ軸73の左右両端部が、当接部44の第2傾斜面49、および、第1ガイド溝32Aに順次ガイドされることによって、第1傾斜方向X(図3(b)参照)に沿って、下側に向かうに従ってやや後側に向かうように、プロセスフレーム12内に挿入される。
【0102】
その後、現像ローラ軸73の左右両端部がガイド溝32の第1ガイド溝32Aの下端部に到達した後、引き続き現像カートリッジ13をプロセスフレーム12内に挿入する。
【0103】
すると、現像ローラ軸73の左右両端部が、ガイド溝32の第2ガイド溝32Bにガイドされることによって、第2傾斜方向Y(図3(b)参照)に沿って、下側に向かうに従って後側に向かうように、第2ガイド溝32Bの最深部に案内される。
【0104】
このとき、ボス53は、押圧部材36の曲面部分39に後側から当接している。
【0105】
次いで、取っ手52を把持し、現像カートリッジ13を前側へ回動させる。
【0106】
すると、現像カートリッジ13が、現像ローラ軸73を中心として、前側へ回動し、ボス53は、押圧部材36を前側へ押圧して左側面視時計回り方向へ回動させながら、押圧部材36の下に入り込む。
【0107】
そして、ボス53が押圧部材36の下側へ入り込むと、押圧部材36は、ボス53に上方から係合し、付勢部材(図示せず)の付勢力により、ボス53を後下側へ向けて押圧する(図3(b)参照)。
【0108】
このとき、現像カートリッジ13は、押圧部材36により後下側へ向けて押圧されるとともに、現像ローラ軸73が側板31の第2ガイド溝32Bにガイドされることにより、第2傾斜方向Yに沿って、感光ドラム14に向かって前上側から圧接される。
【0109】
これにより、現像カートリッジ13のプロセスフレーム12に対する装着が完了する。なお、同様の手順によって、すべての現像カートリッジ13を、プロセスフレーム12に装着する。
【0110】
なお、現像カートリッジ13をプロセスフレーム12から離脱させる場合には、現像カートリッジ13をプロセスフレーム12に装着したときと逆の手順で操作する。
【0111】
つまり、まず、取っ手52を把持して現像カートリッジ13を後方へ向かって回動させる。次いで、取っ手52を把持して、現像カートリッジ13を上側に引き抜き、プロセスフレーム12から離脱させる。
【0112】
なお、現像カートリッジ13をプロセスフレーム12から離脱させる場合には、現像ローラ軸73の左右両端部は、第2ガイド溝32B、第1ガイド溝32A、および、当接部44の第2傾斜面49に、順次ガイドされる。
(2)本体ケーシングに対するプロセスユニットの着脱
次いで、本体ケーシング2にプロセスユニット9(すべての現像カートリッジ13が装着されたプロセスフレーム12)を装着する。
【0113】
本体ケーシング2にプロセスユニット9を装着するには、プロセスユニット9を、後側に向かって、本体ケーシング2内に挿入する。
【0114】
すると、プロセスユニット9は、ガイドレール42に案内されて、前後方向に沿って本体ケーシング2内に挿入される。
【0115】
そして、図1に示すように、プロセスユニット9が本体ケーシング2内に完全に挿入されると、各感光ドラム14が、搬送ベルト22に対して上から接触する。
【0116】
その後、フロントカバー5を後方に揺動させ、本体ケーシング2の内空間を閉鎖する。
【0117】
このようにして、プロセスユニット9の本体ケーシング2への装着が完了する。
【0118】
また、本体ケーシング2に装着されたプロセスユニット9を、本体ケーシング2から離脱させる場合には、フロントカバー5を前側に揺動させ、プロセスユニット9を前側へ引き出す。
5.検出動作
プロセスユニット9が本体ケーシング2内に装着されると、図5(a)に示すように、プロセス側アクチュエータ41の被検出部45と、対応する本体側アクチュエータ85の後端部とが、左右方向に対向配置され、ウォーミングアップ動作が開始される。
【0119】
そして、ウォーミングアップ動作では、本体ケーシング2のカップリング雄部材(図示せず)がカップリング部材58に左側から嵌合され、モータ81からの駆動力がカップリング部材58に入力される(図2参照)。すると、カップリング部材58に入力された駆動力は、図示しないギヤ列を介して検出ギヤ56に伝達される。
【0120】
そして、検出ギヤ56に駆動力が伝達されると、図6に示すように、検出ギヤ56が右側面視時計回りに回転される。すると、検出ギヤ56の回転に伴って、当接突起66が、右側面視時計回りに移動されて、プロセス側アクチュエータ41の第1傾斜面47に上側から当接される。
【0121】
すると、第1傾斜面47の傾斜により、当接部44が後側に向かって押圧される。これにより、プロセス側アクチュエータ41が、支持軸61を回転中心として、コイルばね30の付勢力に抗して平面視反時計回りに回動され、被検出部45が、プロセスフレーム12から左側へ突出される。なお、このとき、プロセス側アクチュエータ41は、収容部43の上下方向内壁に案内されて回転される。
【0122】
すると、突出された被検出部45が、本体側アクチュエータ85の被当接部89に右側から当接され、本体側アクチュエータ85が平面視反時計回りに回動され始める。これにより、本体側アクチュエータ85の遮光部90が、フォトセンサ84の発光素子86と受光素子87との間から、右側へ退避され始める。
【0123】
このとき、当接突起66が第1傾斜面47に当接されている間は、被検出部45のプロセスフレーム12からの突出量が最大になっておらず、本体側アクチュエータ85の遮光部90は、その左端部において、フォトセンサ84の発光素子86と受光素子87との間に配置され、発光素子86からの検出光を遮っている。
【0124】
そのため、この状態では、図9に示すように、センサユニット82は、被検出部45の突出を検知しない(図9に「第1傾斜面と当接」と示す。)。
【0125】
次いで、引き続き検出ギヤ56が回転されると、図7に示すように、当接突起66が、第1傾斜面47から外れて位置決め面48に前側から当接される。
【0126】
このとき、被検出部45のプロセスフレーム12からの突出量は、最大になり、被検出部45は、プロセスフレーム12から突出される第2位置の一例としての検出位置に配置される。また、本体側アクチュエータ85の遮光部90は、フォトセンサ84の発光素子86と受光素子87との間から退避されている。そして、フォトセンサ84の受光素子87は、発光素子86からの検出光を受光している。
【0127】
そのため、この状態では、図9に示すように、センサユニット82は、被検出部45の突出を検知する(図9に「位置決め面と当接」と示す。)。
【0128】
そして、当接突起66が位置決め面48に当接されながら回転している間は、被検出部45が検出位置に配置された状態で、プロセス側アクチュエータ41の姿勢が維持される。つまり、プロセス側アクチュエータ41は、当接突起66の位置決め面48への当接により、被検出部45の最大突出状態を維持するように、位置決めされている。
【0129】
そして、被検出部45の最大突出状態が維持されている間に、CPUは、複数回(図10では4回)、フォトセンサ84からの受光信号を受信し(図9に「サンプリング」と示す)、被検出部45の突出を確実に検知する。
【0130】
次いで、引き続き検出ギヤ56が回転されると、図8に示すように、当接突起66が、位置決め面48から外れて第2傾斜面49に前側から当接される。すなわち、当接突起66は、プロセス側アクチュエータ41の当接部44を通過する。
【0131】
すると、検出ギヤ56が回転するに従って、プロセス側アクチュエータ41は、コイルばね30の付勢力によって平面視時計回りに回動される。これにより、被検出部45は、検出位置から収容位置に向かって移動され、本体側アクチュエータ85から退避される。
【0132】
また、本体側アクチュエータ85は、被検出部45が退避されるに伴い、図示しないコイルばねの付勢力によって平面視時計回りに回動される。これにより、再び、本体側アクチュエータ85の遮光部90が、フォトセンサ84の発光素子86と受光素子87との間に配置され、発光素子86からの検出光を遮る。
【0133】
そのため、この状態では、図9に示すように、センサユニット82は、被検出部45の突出を検知しない(図9に「第2傾斜面と当接」と示す。)。
【0134】
そして、上記したように、フォトセンサ84によってプロセス側アクチュエータ41の突出を検出し、その検出結果に基づいて、CPU83により、現像カートリッジ13に関する情報(新品であるか否かの情報、印刷可能枚数など)を判断する。
【0135】
詳しくは、検出ギヤ56の2つの当接突起66の一方(検出ギヤ56の回転方向下流側の当接突起66)が、プロセス側アクチュエータ41を通過することにより、CPU83は、現像カートリッジ13が新品であると判断する。
【0136】
また、当接突起66は、その数が現像カートリッジ13の印刷可能枚数に対応している。たとえば、当接突起66が1つである場合には、現像カートリッジ13は、3000枚印刷可能であり、当接突起66が2つである場合には、現像カートリッジ13は、6000枚印刷可能である。
【0137】
そして、この実施形態では、検出ギヤ56は、2つの当接突起66を備えている。したがって、CPU83は、フォトセンサ84がプロセス側アクチュエータ41の突出を2回検出することにより、現像カートリッジ13が6000枚印刷可能であると判断する。
【0138】
そして、検出ギヤ56は、左側面視反時計回りに所定量(ギヤ歯に対応した4/5回転)回転された後、欠歯部分がギヤ列(図示せず)と対向して、停止する。
6.プロセス側アクチュエータの保護
上記した検出動作中に、不意にカラーレーザプリンタ1の電源が切れた場合などには、プロセス側アクチュエータ41がプロセスフレーム12から突出された状態で、検出ギヤ56が停止されてしまう場合がある。
【0139】
ここで、プロセス側アクチュエータ41がプロセスフレーム12から突出されたときには、図7に示すように、被検出部45の押圧面50は、前側から後側へ向かうに従って左側に傾斜している。
【0140】
そして、プロセス側アクチュエータ41がプロセスフレーム12から突出された状態において、プロセスユニット9を本体ケーシング2から引き出すと、プロセス側アクチュエータ41の押圧面50に、本体ケーシング2内の周辺の部材が、前側から当接される場合がある。
【0141】
その場合には、プロセス側アクチュエータ41は、周辺の部材に押圧面50が押圧されることにより、平面視時計回りに回動される。これにより、被検出部45は、検出位置から収容位置へ移動され、収容部43内に収容される。
7.作用効果
(1)このカラーレーザプリンタ1によれば、図5に示すように、プロセス側アクチュエータ41は、上下方向に延びる支持軸61を備え、プロセスフレーム12に、支持軸61を回転中心として回転可能に設けられている。
【0142】
そのため、前後方向を含む平面視反時計回り方向に、プロセス側アクチュエータ41を回転させることができる。これにより、前後方向において、周辺の部材がプロセス側アクチュエータ41に干渉したとしても、プロセス側アクチュエータ41が回転することにより、その干渉を受け流すことができる。
【0143】
その結果、プロセス側アクチュエータ41の損傷を防止することができる。
(2)このカラーレーザプリンタ1によれば、プロセス側アクチュエータ41の被検出部45は、常には、収容位置に配置され、当接部44に検出ギヤ56の当接突起66が当接されたときに、収容位置から検出位置に移動されて、ガイドレール42から突出される。
【0144】
そのため、プロセス側アクチュエータ41を収容するための空間を別途形成することなく、ガイドレール42を利用してプロセス側アクチュエータ41を収容することができる。
【0145】
その結果、プロセスフレーム12のコンパクト化を図ることができ、さらには、カラーレーザプリンタ1のコンパクト化を図ることができる。
(3)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、コイルばね30の付勢により、確実に、被検出部45を収容位置に配置することができる。
(4)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、図6に示すように、検出ギヤ56の当接突起66が、当接部44の第1傾斜面47へ上側から当接することにより、当接部44を、後側へ移動させることができる。
【0146】
そのため、当接突起66を当接部44に当接させた後、当接部44を後側に退避させながら、当接突起66を上側から下側へ向かって通過させることができる。
(5)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、図7に示すように、当接突起66の位置決め面48への当接により、被検出部45の最大突出状態を維持することができる。
【0147】
そのため、図10に示すように、当接突起66が位置決め面48に当接されている間、確実に、被検出部45の突出を、センサユニット82で検出することができる。
(6)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、図8に示すように、現像カートリッジ13がプロセスフレーム12から離脱されるときに、当接部44の第2傾斜面49により、現像カートリッジ13を案内することができる。
【0148】
そのため、現像カートリッジ13をプロセスフレーム12から円滑に離脱させることができる。
(7)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、図3(b)に示すように、第2傾斜面49が第1傾斜方向Xに沿っているので、第2傾斜面49、および、ガイドリブ33により、現像カートリッジ13の着脱を案内することができる。
【0149】
そのため、より円滑に、現像カートリッジ13をプロセスフレーム12に対して着脱させることができる。
(8)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、被検出部45が検出位置に配置されているときに、被検出部45の押圧面50を押圧することにより、被検出部45を検出位置から収容位置へ移動させることができる。
【0150】
そのため、被検出部45が検出位置に配置され、プロセスフレーム12から突出されているときに、周囲の部材が押圧面50に干渉したとしても、その干渉を受け流すように、被検出部45を検出位置から収容位置へ退避させることができる。
【0151】
その結果、周囲の部材が被検出部45に干渉して、被検出部45が破損することを防止することができる。
(9)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、ガイドレール42の収容部43の上下方向内壁により、プロセス側アクチュエータ41の回転を案内することができる。
【0152】
そのため、プロセス側アクチュエータ41を円滑に回転させることができる。
【符号の説明】
【0153】
1 カラーレーザプリンタ
2 本体ケーシング
12 プロセスフレーム
13 現像カートリッジ
14 感光ドラム
17 現像ローラ
30 コイルばね
33 ガイドリブ
41 プロセス側アクチュエータ
42 ガイドレール
44 当接部
45 被検出部
47 第1傾斜面
48 位置決め面
49 第2傾斜面
50 押圧面
56 検知ギヤ
61 支持軸
66 当接突起
81 モータ
82 センサユニット
83 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に対して引き出し可能に設けられ、感光体を保持する保持部材と、
前記保持部材に対して着脱可能であり、現像剤担持体を備える現像カートリッジと、
前記画像形成装置本体に備えられる駆動手段と、
前記現像カートリッジに備えられ、前記現像カートリッジが前記画像形成装置に備えられたときに、前記駆動手段により駆動可能となり、駆動開始から駆動停止までの所定の駆動量で駆動する駆動部材と、
前記駆動部材の駆動とともに移動可能な移動部材と、
前記保持部材の引き出し方向および前記感光体の長手方向の両方に直交する方向に延びる回転軸を備え、前記保持部材に、前記回転軸を回転中心として回転可能に設けられ、前記移動部材が当接されることにより回転されて、前記移動部材を通過させる伝達部材と、
前記画像形成装置本体に設けられ、前記伝達部材の回転を検出する検出部材と、
前記検出部材の検出結果に基づいて、前記現像カートリッジに関する情報を判断する情報判断手段とを備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記画像形成装置本体に対する前記保持部材の装着を案内するためのガイド部を備えており、
前記伝達部材は、
前記移動部材に当接される当接部と、
前記検出部材により検出される被検出部とを備え、
前記被検出部は、前記ガイド部に収容される第1位置と、前記ガイド部から突出される第2位置とに移動可能に設けられ、常には、前記第1位置に配置され、前記当接部に前記移動部材が当接されたときに、前記第1位置から前記第2位置に移動されることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記被検出部が前記第1位置に配置されるように、前記伝達部材を付勢する付勢部材を備えていることを特徴をとする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記当接部には、前記移動部材が当接されたときに、前記移動部材の当接方向と交差する方向に移動される第1傾斜面が形成されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記当接部には、前記当接方向に延び、前記移動部材が当接されたときに、前記被検出部の最大突出状態を維持するように、前記伝達部材を位置決めする位置決め面が形成されていることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記当接部には、前記現像カートリッジが前記保持部材から離脱されるときに、前記現像カートリッジを案内する第2傾斜面が形成されていることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記保持部材には、前記現像カートリッジの着脱方向に沿って、前記現像カートリッジの着脱を案内する現像ガイド部が設けられており、
前記第2傾斜面は、前記現像カートリッジの着脱方向に沿って形成され、前記現像ガイド部とともに前記現像カートリッジの着脱を案内することを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記被検出部には、前記被検出部が前記第2位置に配置されているときに押圧されることにより、前記被検出部を前記第2位置から前記第1位置へ移動させる押圧面が形成されていることを特徴とする、請求項2ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ガイド部は、前記伝達部材の回転を案内することを特徴とする、請求項2ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−180268(P2011−180268A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42641(P2010−42641)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】