説明

画像形成装置

【課題】トナーや記録媒体の自由度を確保し、非接触加熱定着に伴う定着不良、画質不良要因を除去する。
【解決手段】記録媒体1上にトナーによる画像Gを形成する作像装置2と、この作像装置2により記録媒体1上に形成された画像Gを非接触状態で加熱定着する定着装置3と、この定着装置3による加熱定着前に記録媒体1上の画像Gに記録媒体1に対してトナーが浸透し易くなる浸透助剤を供給する浸透助剤供給装置4と、前記定着装置3による加熱定着前に記録媒体1上の画像Gに表面張力低減剤を供給する表面張力低減剤供給装置5と、前記定着装置3による加熱定着前又は加熱定着後に記録媒体1上の画像G表面が保護され且つ擦過による画像Gの剥がれが抑制される動摩擦抵抗低減剤を供給する動摩擦抵抗低減剤供給装置6の何れかを、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における画像形成装置としては、例えば特許文献1ないし8記載のものが既に提供されている。
特許文献1は、定着ロールとの接触により画像剥離等が発生するのを防ぐために、定着直前に記録媒体表面に潤滑性を有する樹脂からなるワックス等で保護膜を生成するものである。
特許文献2は、記録媒体の電気抵抗による転写不良や平面性不良の発生や光沢不良を防止するために用紙をプリウエットするものである。
特許文献3は、トナー像の光沢を抑えるために、定着ローラと圧接ローラとからなる定着装置の前段に光沢を抑える微粉体をトナー像上に塗布する塗布装置を設けたものである。
特許文献4は、未定着トナーが所定位置に配設された被定着物の表面又は裏面から定着剤を噴霧したり、含浸させ、未定着のトナーを溶解又は膨潤させて被定着物の表面に略密着させたのち、被定着物を乾燥させるものである。
特許文献5は、記録材の画像表面にほぼ透明なバインダー樹脂粒子を有する画像表面保護材料を塗布後に、定着するものである。
特許文献6は、記録材のトナー像上に予め離型性物質を供給後にローラ定着するものである。
特許文献7は、定着助剤を含む静電荷像現像用トナーを用いたフラッシュ定着方式の画像形成装置に関するものである。
特許文献8は、定着助剤を含む静電荷像現像用トナーに関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−198061号公報(発明の実施の形態)
【特許文献2】特開平11−194684号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献3】特開2002−40836号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献4】特開平7−44034号公報(実施例,図1)
【特許文献5】特開平11−38717号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献6】特開平3−269473号公報(課題を解決するための手段)
【特許文献7】特開2006−330203号公報(発明を実施するための最良の形態)
【特許文献8】特開2005−49862号公報(発明を実施するための最良の形態)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、画像形成材料(トナーなど)や記録媒体の自由度を確保し、非接触加熱定着に伴う定着不良要因を除去することが可能な画像形成装置を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする更なる技術的課題は、耐擦過性に優れる描画を行う画像形成装置を提供することにある。また、本発明が解決しようとする更なる技術的課題は非接触定着加熱画像形成において生じるボイドと称する画像欠陥を抑制し、良好な画質の画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、記録媒体上に画像形成材料による画像を形成する作像装置と、この作像装置により記録媒体上に形成された画像を非接触状態で加熱定着する定着装置と、この定着装置による加熱定着前に記録媒体上の画像に記録媒体に対して画像形成材料が浸透し易くなる浸透助剤を供給する浸透助剤供給装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、記録媒体上に画像形成材料による画像を形成する作像装置と、この作像装置により記録媒体上に形成された画像を非接触状態で加熱定着する定着装置と、この定着装置による加熱定着前に記録媒体上の画像に表面張力低減剤を供給する表面張力低減剤供給装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、記録媒体上に画像形成材料による画像を形成する作像装置と、この作像装置により記録媒体上に形成された画像を非接触状態で加熱定着する定着装置と、この定着装置による加熱定着前に記録媒体上の画像に記録媒体に対して画像形成材料が浸透し易くなる浸透助剤を供給する浸透助剤供給装置と、前記定着装置による加熱定着前に記録媒体上の画像に表面張力低減剤を供給する表面張力低減剤供給装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る画像形成装置において、更に、定着装置による加熱定着前又は加熱定着後に記録媒体上の画像表面が保護され且つ擦過による画像の剥がれが抑制される動摩擦抵抗低減剤を供給する動摩擦抵抗低減剤供給装置を備えていることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る画像形成装置のうち、浸透助剤供給装置、表面張力低減剤供給装置及び動摩擦抵抗低減剤供給装置を備えた態様において、作像装置により記録媒体への画像形成後から各供給装置による供給処理に至るまでの経過時間t1〜t3につき、t1≦t2≦t3の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置である。
但し、t1:浸透助剤供給装置による供給処理が開始するまでの経過時間、t2:表面張力低減剤供給装置による供給処理が開始するまでの経過時間、t3:動摩擦抵抗低減剤供給装置による供給処理が開始するまでの経過時間である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る画像形成装置において、浸透助剤供給装置は、浸透助剤として、常温で液相状態又は固相状態のカルボン脂肪酸エステル、アクリル酸エステル、ビニルエステル系オリゴマー、エステルワックスの何れかを必須構成成分とし、該成分が液相媒体中に混合、乳化、懸濁のいずれかの状態で含んでいることを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
請求項7に係る発明は、請求項6に係る画像形成装置において、浸透助剤供給装置は、浸透助剤の必須構成成分が液相物質であり、記録媒体の画像付着面の裏面に対して浸透助剤を供給するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、請求項6に係る画像形成装置において、浸透助剤供給装置は、浸透助剤の必須構成成分が〔化1〕で示す固相物質であり、記録媒体の画像付着面側から記録媒体上の画像を形成する連続する一辺の画素数が予め定めた画素数小の画像の周囲の画素領域に対して浸透助剤を供給するものであることを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
【化1】

【0009】
請求項9に係る発明は、請求項2ないし8いずれかに係る画像形成装置において、表面張力低減剤供給装置は、表面張力低減剤として、常温で液相状態又は固相状態のシロキサン主鎖およびオキシアルキレン側基を有する〔化2〕で示すペンダント構造型シリコーンポリエーテル界面活性剤を必須構成成分としており、該成分を単独又は液相媒体中に混合、乳化、懸濁のいずれかの状態で含んでいることを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
【化2】

【0011】
請求項10に係る発明は、請求項9に係る画像形成装置において、表面張力低減剤供給装置は、記録媒体の画像付着面側頭頂部から画像領域に面して表面張力低減剤を供給するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、請求項3ないし10いずれかに係る画像形成装置において、動摩擦抵抗低減剤供給装置は、動摩擦抵抗低減剤として、常温で液相状態又は固相状態のポリオレフィンワックスおよび多価アルコール高級脂肪酸エステルを必須構成成分としており、該成分を液相媒体中に混合、乳化、懸濁のいずれかの状態で含んでいることを特徴とする画像形成装置である。
請求項12に係る発明は、請求項11に係る画像形成装置において、
動摩擦抵抗低減剤供給装置は、記録媒体の画像付着面側から画像領域に面して動摩擦抵抗低減剤を供給するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項13に係る発明は、請求項11又は12に係る画像形成装置において、表面張力低減剤供給装置は動摩擦抵抗低減剤供給装置を兼用するように構成され、表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤を共通の溶媒に混合し、表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤を供給するものであることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、画像形成材料や記録媒体の自由度を確保し、非接触加熱定着に伴う定着不良要因を除去し、画像定着性を向上させることができる。
請求項2に係る発明によれば、画像形成材料や記録媒体の自由度を確保し、非接触加熱定着に伴う画像欠陥要因を除去し、画像品質を向上させることができる。
請求項3に係る発明によれば、画像形成材料や記録媒体の自由度を確保し、非接触加熱定着に伴う定着不良要因、画像欠陥要因を除去し、画像定着性及び画像品質を向上させることができる。
請求項4に係る発明によれば、画像形成材料や記録媒体の自由度を確保し、記録媒体搬送時における定着画像の乱れを防止することができる。
請求項5に係る発明によれば、非接触加熱定着方式にて画像定着性及び画像品質を向上させることができ、更には、記録媒体搬送時における定着画像の乱れを有効に防止することができる。
請求項6に係る発明によれば、浸透助剤を容易に選定でき、非接触加熱定着方式における画像定着性を容易に向上させることができる。
請求項7に係る発明によれば、記録媒体上の画像部の最適部位に対し適量の浸透助剤を供給することができる。
請求項8に係る発明によれば、記録媒体上の画素数小の画像の最適部位に対し適量の浸透助剤を供給することができる。
請求項9に係る発明によれば、効用の高い表面張力低減剤を選定でき、非接触加熱定着方式にて画像品質を容易に向上させることができる。
請求項10に係る発明によれば、記録媒体上の画像部の最適部位に対して適量の表面張力低減剤を供給することができる。
請求項11に係る発明によれば、効用の高い動摩擦抵抗低減剤を選定でき、記録媒体搬送時における定着画像の乱れを容易に防止することができる。
請求項12に係る発明によれば、記録媒体上の画像部に対して適量の動摩擦抵抗低減剤を供給することができる。
請求項13に係る発明によれば、簡単な構成で、記録媒体上の画像部に対して適量の表面張力低減剤及び適量の動摩擦抵抗低減剤を簡便に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明が適用される画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】実施の形態1で用いられる定着装置周辺の構成例を示す説明図である。
【図4】(a)は図3中IV方向から見た矢視図、(b)は浸透助剤を用いない場合における記録媒体と画像部との関係を模式的に示す説明図、(c)は浸透助剤を用いた場合における記録媒体と画像部との関係を模式的に示す説明図である。
【図5】(a)は図3中V方向から見た矢視図、(b)は表面張力低減剤を用いない場合における記録媒体上の画像部の状態を模式的に示す説明図、(c)は表面張力低減剤を用いた場合における記録媒体上の画像部の状態を模式的に示す説明図である。
【図6】(a)は図3中VI方向から見た矢視図、(b)は動摩擦抵抗低減剤を用いない場合における記録媒体上の画像部の状態を模式的に示す説明図、(c)は動摩擦抵抗低減剤を用いた場合における記録媒体上の画像部の状態を模式的に示す説明図である。
【図7】実施の形態2で用いられる定着装置周辺の構成例を示す説明図である。
【図8】(a)は実施の形態2で用いられる浸透助剤供給装置の構成例を示す説明図、(b)は記録媒体上に画素数大の画像が形成されている場合における浸透助剤供給装置の作動状態を示す説明図、(c)は記録媒体上に画素数小の画像が形成されている場合における浸透助剤供給装置の作動状態を示す説明図である。
【図9】実施の形態2で用いられる浸透助剤供給装置の供給処理制御過程を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態3で用いられる定着装置周辺の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す模式図である。
同図において、画像形成装置は、記録媒体1上に画像形成材料による画像Gを形成する作像装置2と、この作像装置2により記録媒体1上に形成された画像Gを非接触状態で加熱定着する定着装置3と、この定着装置3による加熱定着前に記録媒体1上の画像Gに記録媒体1に対して画像形成材料が浸透し易くなる浸透助剤を供給する浸透助剤供給装置4と、前記定着装置3による加熱定着前に記録媒体1上の画像Gに表面張力低減剤を供給する表面張力低減剤供給装置5と、前記定着装置3による加熱定着前又は加熱定着後に記録媒体1上の画像G表面が保護され且つ擦過による画像の剥がれが抑制される動摩擦抵抗低減剤を供給する動摩擦抵抗低減剤供給装置6と、を備えたものである。
尚、図1においては、画像形成装置は、浸透助剤供給装置4,表面張力低減剤供給装置5及び動摩擦抵抗低減剤供給装置6を備えた態様であるが、本実施の形態では、これに限られるものではなく、以下の態様のものを含む。
(1)浸透助剤供給装置4+表面張力低減剤供給装置5
(2)浸透助剤供給装置4+動摩擦抵抗低減剤供給装置6
(3)表面張力低減剤供給装置5+動摩擦抵抗低減剤供給装置6
(4)浸透助剤供給装置4
(5)表面張力低減剤供給装置5
【0015】
本実施の形態において、作像装置2は記録媒体1上に画像形成材料による画像Gを形成するものであれば、例えば感光体や誘電体などの像保持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を画像形成材料(トナーなど)にて顕像化する電子写真方式や静電記録方式など適宜選定して差し支えない。また、画像形成材料による画像Gは単色画像であるほか、複数色画像であってもよい。更に、像保持体の数は単数のみならず、複数でもよいし、また、像保持体上に形成された画像Gを直接記録媒体1に転写する態様でもよいし、あるいは、像保持体上の画像を中間転写体を介して記録媒体1に転写する態様でもよい。
ここで、記録媒体1は予め定めたサイズに切断された記録材に限らず、長尺な連続状記録材でもよい。
また、定着装置3は記録媒体1上の画像Gを非接触状態で加熱するものであれば、熱源としてハロゲン光源やレーザ光源、キセノンフラッシュ光源等の加熱源を用いる等適宜選定することが必要である。この場合において、加熱源による熱量や定着装置3の定着領域は作像装置2にて形成された画像Gが記録媒体1上に定着されるように適宜選定される。
【0016】
更に、浸透助剤供給装置4は、定着装置3による加熱定着前に記録媒体1上の画像Gに対し浸透助剤を供給するものであればよく、記録媒体1の画像G付着面側から浸透助剤を供給してもよいし、あるいは、記録媒体1の画像付着面の裏面から浸透助剤を供給してもよい。
本実施の形態では、浸透助剤は記録媒体1に前駆的に浸透して記録媒体材質(記録紙のの繊維など)の表面を覆うことで、記録媒体1とトナーとの親和性を上げ、その後に浸透する画像形成材料の浸透性を向上させる役割を果たす。
代表的には、常温で液相状態又は固相状態のカルボン脂肪酸エステル、アクリル酸エステル、ビニルエステル系オリゴマー、エステルワックスのいずれかを必須構成成分とし、該成分が液相媒体中に混合、乳化、懸濁のいずれかの状態で含む物質が挙げられる。
そして、好ましい浸透助剤としては、定着の熱エネルギを吸収しすぎないよう、材料の熱容量が小さいこと、浸透助剤としての機能を果たす範囲に付着量を制限することが必要である。
トナーの定着を例にとると、一般に、溶融粘度の低いトナーは記録媒体1に浸透し易いので定着に有利であるが、この面だけ強調されたトナー構成成分(バインダなど)を採用すると、凝集ボイド(空洞)が生じてしまう懸念がある。そこで、定着にはやや不利であるが、適度な溶融粘度を持ったトナー構成成分(バインダなど)を採用せざるを得ない。このような要請下において、加熱定着前に記録媒体1に浸透助剤を浸透させることは定着性を促進させる上で好ましい。
また、浸透助剤供給装置4による供給方式としては、塗布、噴霧など適宜選定して差し支えないが、加熱定着前に浸透助剤を供給することから、記録媒体1上の画像Gに直接接触しない非接触方式(例えば噴射方式)が好ましい。尚、記録媒体1上の画像付着面の裏面から浸透助剤を供給する場合には、記録媒体1に接触配置されても差し支えない。
【0017】
また、表面張力低減剤供給装置5としては、定着装置3による加熱定着前に記録媒体1の画像G表面に表面張力低減剤を供給するものであればよく、通常は記録媒体1の画像付着面側から表面張力低減剤を供給する方式が採用される。
ここで、表面張力低減剤は、定着時にエネルギ照射を受けて溶融した画像形成材料最表層の表面張力を弱め、画像形成材料が表面張力の作用で凝集することを防ぐ役割を果たす。
更に、表面張力低減剤としては、適宜選定して差し支えないが、耐熱性等の点でシリコーン系界面活性剤が最適である。
画像形成材料中に表面張力低減剤を含有させることは、溶融時の表面張力を抑え、凝集ボイド(空洞)を抑えることでは有効である。しかし、画像形成材料中にこれを大量に仕込むと、画像形成材料の帯電特性に悪影響を与える等の懸念があり、また、画像形成材料が定着工程で表面張力低減効果を発揮するのは画像形成材料最表層であるため、画像形成材料中に表面張力低減剤を均一に含有させるよりは、画像形成材料の表層に高濃度で存在させる方が効率的である。
【0018】
また、動摩擦抵抗低減剤供給装置6は記録媒体1上の画像表面に動摩擦抵抗低減剤を供給するものであれば適宜選定して差し支えない。
ここで、動摩擦抵抗低減剤とは、画像表面に動摩擦係数の低い保護膜を作り、画像表面を滑らかにすることで、画像部に掛かる外部からの応力を低減して画像部が剥離することを防ぐ役割を果たす。
そして、動摩擦抵抗低減剤としては、常温で液相状態又は固相状態のポリオレフィンワックスなどが挙げられる。
更に、動摩擦抵抗低減剤の供給時期については、浸透助剤や表面張力低減剤との作用上干渉しなければ、定着処理の前後のいずれでもよいが、定着処理後の画像の剥がれを防止し且つ選択の自由度が高いという観点からすれば、定着処理後に定着済みの画像に対して動摩擦抵抗低減剤を供給する方が好ましい。
【0019】
次に、浸透助剤供給装置4,表面張力低減剤供給装置5及び動摩擦抵抗低減剤供給装置6の好ましい配置関係については、以下の通りである。
作像装置2により記録媒体1への画像形成後から各供給装置4〜6による供給処理に至るまでの経過時間t1〜t3につき、t1≦t2≦t3の関係を満たすことが好ましい。
但し、t1:浸透助剤供給装置による供給処理が開始するまでの経過時間、t2:表面張力低減剤供給装置による供給処理が開始するまでの経過時間、t3:動摩擦抵抗低減剤供給装置による供給処理が開始するまでの経過時間である。
ここで、浸透助剤と表面張力低減剤との供給順序は適宜選定して差し支えないが、表面張力低減剤についてはその役割から見て記録媒体1の画像表面に供給、滞留することが好ましく、また、浸透助剤は記録媒体1と画像部との界面に浸透していることが好ましい。浸透助剤と表面張力低減剤とを供給する時点としては、少なくとも同じか、表面張力低減剤の供給時点よりも浸透助剤を先に供給することが好ましい。これは、浸透助剤、表面張力低減剤の材質によっては、両薬剤間で撥水および/または撥油的な作用が働き、それぞれの薬剤が所望の位置に到達出来なくなる恐れがあるためである。
【0020】
また、浸透助剤供給装置4による浸透助剤の供給方式の代表的態様としては、浸透助剤の必須構成成分が液相物質であり、記録媒体1の画像付着面の裏面に対して浸透助剤を供給する態様が挙げられる。
浸透助剤が液相物質である本態様では、記録媒体1の裏面側から浸透助剤を供給し、記録媒体1の裏面側から記録媒体1内に浸透助剤を浸透させ、記録媒体1の表面側の画像部と記録媒体1との接触面に浸透助剤を間接的に供給するものである。
これに対し、浸透助剤の必須構成成分が固相物質である態様では、記録媒体1の画像付着面側から記録媒体1上の画像を形成する連続する一辺の画素数が予め定めた画素数小の画像の周囲の画素領域に対して浸透助剤を供給するものが挙げられる。
本態様は、記録媒体1の画像部の表面側から浸透助剤を供給する態様であり、特に予め定めた画素数小(例えば3画素以下)の画像(孤立画素)について画像定着性を維持するために、画像部の周囲の画素領域(例えば1画素領域)に浸透助剤を供給するものである。
【0021】
また、表面張力低減剤の代表的態様としては、常温で液相状態又は固相状態のシロキサン主鎖およびオキシアルキレン側基を有するペンダント構造型シリコーンポリエーテル界面活性剤を必須構成成分としており、該成分を単独若しくは液相媒体中に混合、乳化、懸濁のいずれかの状態で含んでいる態様が挙げられる。
更に、表面張力低減剤の供給方式の代表的態様としては、記録媒体1の画像付着面側から画像領域に面して表面張力低減剤を供給するものが挙げられる。ここで、表面張力低減剤の供給領域については、記録媒体1全域でもよいが、その役割から見て少なくとも画像領域に面して供給するのがよい。
【0022】
また、動摩擦抵抗低減剤の代表的態様としては、常温で液相状態又は固相状態のポリオレフィンワックスおよび多価アルコール高級脂肪酸エステルを必須構成成分としており、該成分を液相媒体中に混合、乳化、懸濁のいずれかの状態で含んでいるものが挙げられる。
更に、動摩擦抵抗低減剤の供給方式の代表的態様としては、記録媒体1の画像付着面側から画像領域に面して動摩擦抵抗低減剤を供給するものが挙げられる。ここで、動摩擦抵抗低減剤の供給領域については、記録媒体1全域でもよいが、その役割から見て少なくとも画像領域に面して供給するのがよい。
更に、各供給装置4〜6は通常は別個に設けられるが、共用化できるものについては共用化してもよい。
例えば表面張力低減剤供給装置5は動摩擦抵抗低減剤供給装置6を兼用するように構成され、表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤を共通の溶媒に混合し、表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤を供給するようにしてもよい。本態様は、相性のよい表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤とを利用し、共通の溶媒中に表面張力低減剤、動摩擦抵抗低減剤を混合し、供給装置を共用化するようにしたものである。
【0023】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
◎実施の形態1
<画像形成装置の全体構成>
図2は実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
同図において、画像形成装置は、複数の色成分(本例ではイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成部20(具体的には20a〜20d:図2中では、2つだけ図示し他は省略)を有し、各画像形成部20には記録材供給装置31から供給された記録媒体としての連続記録材Pを搬送し、記録材収容装置32に記録済みの連続記録材Pを収容するようにし、更に、最終段の画像形成部20dと記録材収容装置32との間には連続記録材P上の画像に対し定着処理が施される定着装置40を配設したものである。尚、符号33は記録材供給装置31の連続記録材Pを繰り出す繰り出し部材、34,35は記録材収容装置32に連続記録材Pを案内する案内搬送部材、36は連続記録材Pをニップ搬送する例えば搬送ロール対からなる搬送部材である。
【0024】
本実施の形態において、画像形成部20(20a〜20d)は、ドラム状の感光体21を有し、この感光体21の周囲には、当該感光体21を帯電する帯電器22と、帯電された感光体21に対して光による静電潜像を書き込む露光器23と、感光体21上に形成された静電潜像を各色トナーにて顕像化する現像器24と、感光体21上に顕像化されたトナーによる画像を連続記録材Pに転写する転写器25と、転写後の感光体21を除電する除電器26と、除電された感光体21上の残留トナーを清掃する清掃器27とを配設したものである。尚、本例では、清掃器27は感光体21上の残留トナーを掻き取る板状清掃部材28と、ブラシ状清掃部材29とを有している。
また、本実施の形態において、定着装置40は、図2及び図3に示すように、連続記録材P上の画像面に接触しない状態で加熱定着する非接触型加熱定着方式(所謂フラッシュ定着方式)を採用したもので、例えば光源保持枠41に複数のキセノンフラッシュ光源等の加熱光源42を連続記録材Pの搬送面から離間し且つ連続記録材Pの搬送方向に沿って予め定めた間隔で配設すると共に、各加熱光源42の背面側に反射部材43を配設し、連続記録材Pの画像面に対し加熱光源42からの輻射熱を直接若しくは反射部材43を介して照射するように構成されている。
尚、図2中、符号45は定着装置40による定着領域m(図3参照)に対する連続記録材Pの通過位置を規制する位置規制部材、符号50は定着装置40の加熱光源42の発光(例えば発光周波数)及び定着装置40に付随する定着補助装置を制御する定着制御装置である。
【0025】
<定着補助装置>
本実施の形態では、定着装置40に付随する定着補助装置は、図3に示すように、定着装置40の加熱定着前に連続記録材P上の画像Gに対し浸透助剤を供給する浸透助剤供給装置60と、同じく定着装置40の加熱定着前に連続記録材P上の画像Gに対し表面張力低減剤を供給する表面張力低減剤供給装置70と、定着装置40による加熱定着後に連続記録材P上の定着済み画像Gに対し動摩擦抵抗低減剤を供給する動摩擦抵抗低減剤供給装置80とを備えている。
本実施の形態では、浸透助剤、表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤はいずれも液相状態の薬液として調整されていることから、先ず薬液の調整について説明する。
【0026】
―薬液の調整―
本実施の形態では、各薬液は、噴霧又は塗布などの供給方法に応じて、浸透助剤、表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤の各機能を実現する上で必要な必須構成成分(各機能成分という)の目的特性を損なわない範囲で、適時、溶媒等の分散媒に各機能成分を混合・希釈して用いることが可能である。
ここで、分散媒の材質の選択は任意であるが、分散媒は各機能成分との化学反応等によって、各機能成分の特性に影響を与えるものであってはならず、また、選択された供給方法に適合して、長期にわたり、安定した供給特性(噴霧又は塗布特性)が維持されるものでなければならない。
特に、本実施の形態では、例えばインクジェット記録方式と同様な薬液噴射方式を採用する場合においては、各機能成分が液相の場合は、そのまま当該成分を噴射してもよいし、さらには薬液噴射方式に好適となる分散媒を選択し、その分散媒中に各機能成分を混合、乳化、懸濁のいずれかの状態で含ませてもよい。
そして、薬液噴射方式に際し、適した分散媒としては、低分子量脂肪属アルコール類、水の混合溶媒が好適である。具体的にはエタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールなどから選択された成分と水とを3対7〜7対3の比率で混合するとよい。
また、各機能成分が常温で固相の場合には、ジルコニア等をビーズ材質とした高速ビーズミルなどの湿式粉砕方式を用いることにより破砕、分散するようにしたり、あるいは、各機能成分が液化する温度まで分散媒とともに各機能成分を加温し、安定化剤、乳化剤などの成分を添加した状態で高速撹拌することにより分散するなどの手法をとり、各機能成分が含まれる薬液を調整することが可能である。
【0027】
<浸透助剤供給装置>
本実施の形態では、浸透助剤供給装置60は、図3及び図4(a)に示すように、連続記録材Pの画像付着面の裏面側に配設されており、連続記録材Pの搬送方向に交差する幅方向に沿って配列される複数の供給ヘッド61と、各供給ヘッド61に対し液相状態の浸透助剤が供給される供給タンク62とを有し、各供給ヘッド61から浸透助剤を噴射するようになっている。これは、例えば画像記録方式の一種であるインクジェット記録方式に準じた構成として得られるものである。
本実施の形態では、各供給ヘッド61は連続記録材Pの幅寸法Pwに及んで複数配列されており、各供給ヘッド61の配列間隔dは連続記録材P上の画像部領域Gwに対して浸透助剤を略均等に噴射可能な程度の間隔に設定されていればよいが、浸透助剤の均等噴射性を良好に保つという観点からすれば、画素単位毎に配列されることが好ましい。
尚、本例では、供給ヘッド61は連続記録材Pに対し非接触配置されているが、連続記録材Pに対し浸透助剤を定量供給するように、浸透助剤が保持された供給ロールや供給ブラシを接触配置し、浸透助剤を予め定めた定量供給するようにしてもよい。
【0028】
―浸透助剤―
本実施の形態では、浸透助剤としては以下のものが用いられる。
本実施の形態では、浸透助剤は、画像定着性向上機能成分として、カルボン脂肪酸エステル、アクリル酸エステル、ビニルエステル系オリゴマー、エステルワックスのいずれかを必須構成成分としたもので、これらの物質は、常温で液相か又は常温で固相であっても、比較的低い温度の加温で液相化し急減に粘度低下する特性を有しており、トナーなどの記録形成材料に比べ、容易に流動化し紙などの記録媒体に前駆的に浸透することが可能であると共に、その過程で記録媒体を形成する素材繊維の表面と親和する。
ここで、本例では、浸透助剤の画像定着性向上機能成分(必須構成成分)は比較的低温で液相化するため、そのまま使用することも可能であるが、上述した薬液の調整手法に則って分散媒中に前記機能成分を混合、乳化、懸濁のいずれかの状態にするようにしてもよい。
このような定着助剤が仮に連続記録材Pである記録媒体に噴射されない場合には、図4(b)に示すように、例えば記録媒体を形成する素材繊維に浸透助剤が浸透することがないため、記録媒体上の画像Gを構成するトナーの画像定着性向上機能成分が記録媒体を形成する素材繊維に親和することはなく、画像形成材料が記録媒体内部へと充分に浸透できないため画像Gとの界面でトナーが剥がれ易くなってしまう。
【0029】
これに対し、本実施の形態では、図4(c)に示すように、本実施の形態では、浸透助剤が連続記録材Pである記録媒体の裏面から噴射されると、前駆的に浸透助剤の画像定着性向上機能成分と連続記録材Pである記録媒体を形成する素材繊維とが親和していることで、定着工程でのさらなる加温により画像形成材料成分、具体的にはトナーを構成するバインダ樹脂成分などが溶融した際に、記録媒体を形成する素材繊維間へ該バインダ樹脂成分などが容易に浸透することが可能になるため、画像Gの定着性が向上する。
この作用は、トナーのバインダ樹脂成分の記録媒体構成繊維間への浸透の過程で、加圧ロール等による加圧が行われず、加熱光源42からの輻射エネルギを照射する非接触方式の定着方式を採用している場合において、より顕著である。
そしてまた、本実施の形態で用いられる画像定着性向上機能成分は、当該画像形成装置に用いられる画像形成材料としてのトナーを構成するバインダ樹脂成分と相溶しない方がより効果的である。この理由としては、バインダ樹脂成分と非相溶である画像定着性向上機能成分を用いることで、画像定着性向上機能成分がバインダ樹脂中に相溶することなく、前駆的に記録媒体構成繊維間へ浸透するため、効果を発揮しやすくなるものと推定される。
なお、当然のことながら、画像定着性向上機能成分は画像形成材料としてのトナーと記録媒体との接触面近傍に存在していることが望ましく、該画像形成装置において、複数の画像定着性向上機能成分を供給する場合においては、該機能成分が前記画像形成材料としてのトナーと記録媒体との接触面近傍に存在できる様に供給することが望ましい。
【0030】
<表面張力低減剤供給装置>
本実施の形態では、表面張力低減剤供給装置70は、図3及び図5(a)に示すように、連続記録材Pの画像付着面側に配設されており、連続記録材Pの搬送方向に交差する幅方向に沿って配列される複数の供給ヘッド71と、各供給ヘッド71に対し液相状態の表面張力低減剤が供給される供給タンク72とを有し、各供給ヘッド71から表面張力低減剤を噴射するようになっている。
本実施の形態では、各供給ヘッド71は連続記録材Pの幅寸法Pwに及んで複数配列されており、各供給ヘッド71の配列間隔dは連続記録材P上の画像部領域Gwに対して表面張力低減剤を略均等に噴射可能な程度の間隔に設定されていればよいが、表面張力低減剤の均等噴射性を良好に保つという観点からすれば、画素単位毎に配列されることが好ましい。
【0031】
―表面張力低減剤―
本実施の形態では、表面張力低減剤は、画像品質向上機能成分として、常温で液相状態又は固相状態のシロキサン主鎖およびオキシアルキレン側基を有する〔化3〕で示すペンダント構造型シリコーンポリエーテル界面活性剤を必須構成成分とするもので、該成分を単独又は液相媒体中に混合、乳化、懸濁のいずれかの状態で含んでいるものである。
このペンダント構造型シリコーンポリエーテル界面活性剤は以下のような特性を備えている。
(1)定着装置40にて輻射エネルギ照射直後に500〜700℃にも昇温する画像形成材料表層という高温環境においても熱分解を生じ難い耐熱性を有する。
(2)シロキサン主鎖が強い疎水性を示し、オキシアルキレン側基が親水性を示すことから、高い表面張力低減効果を持つ。
【0032】
【化3】

【0033】
本実施の形態のように、輻射エネルギ照射による非接触定着方式での画像形成材料の溶融定着においては、画像形成材料は熱加圧方式の定着ロールによる押圧などの影響を受けないため、溶融した画像形成材料の表層に働く表面張力、記録媒体近傍の画像形成材料に働く粘弾性応力、記録媒体への浸透力などが画像形成材料による主要な作用力となる。
このため、例えば図5(b)に示すように、画像形成材料による画像G表面に働く表面張力Fsが画像形成材料の溶融粘度に比べかなり強い状況が生じると、この表面張力Fsにより溶融した画像形成材料が凝集移動し、あたかも清浄なガラス面表面に水で濡らした際に水滴が凝集する事象と同様に、凝集した画像形成材料部位と画像形成材料が凝集移動することで画像形成材料が存在しない空隙gが形成され、このまま定着固化する。そしてこの現象が生じることは、画像品質の大幅低下につながる。
これに対し、本実施の形態では、図5(c)に示すように、画像形成材料による画像G表面に表面張力低減剤を供給すると、画像形成材料に働く表面張力Fsが表面張力低減剤によって低減されることから、図5(b)に示すような空隙gが形成され難くなり、その分、画像品質の低下は抑制される。
また、表面張力低減剤によって画像形成材料に働く表面張力Fsが低減されることから、画像形成材料のバインダ樹脂成分が適度の粘度を持ち、加熱溶融時に低溶融粘度に至るバインダ樹脂成分が含まれる画像形成材料を使用することが可能になる。
【0034】
<動摩擦抵抗低減剤供給装置>
本実施の形態では、動摩擦抵抗低減剤供給装置80は、図3及び図6(a)に示すように、連続記録材Pの画像付着面側に配設されており、連続記録材Pの搬送方向に交差する幅方向に沿って配列される複数の供給ヘッド81と、各供給ヘッド81に対し液相状態の動摩擦抵抗低減剤が供給される供給タンク82とを有し、各供給ヘッド81から動摩擦抵抗低減剤を噴射するようになっている。
本実施の形態では、各供給ヘッド81は連続記録材Pの幅寸法Pwに及んで複数配列されており、各供給ヘッド81の配列間隔dは連続記録材P上の画像部領域Gwに対して動摩擦抵抗低減剤を略均等に噴射可能な程度の間隔に設定されていればよいが、動摩擦抵抗低減剤の均等噴射性を良好に保つという観点からすれば、画素単位毎に配列されることが好ましい。
【0035】
―動摩擦抵抗低減剤―
本実施の形態において、動摩擦抵抗低減剤は、動摩擦抵抗低減機能成分として、常温で液相又は固相状態のポリオレフィンワックスおよび多価アルコール高級脂肪酸エステルを必須構成成分とするもので、該成分を液相媒体中に混合、乳化、懸濁のいずれかの状態で含んでいるものである。例えばエタノール中にエチレンワックス粒を分散させたエマルジョン液などである。
ここで使用されるオレフィンワックスおよび多価アルコール高級脂肪酸エステルは、低表面エネルギを有する物質であると共に、強固な物理的接触を受けた際に部分的に剥離することで物理ストレスを緩和する。よって、画像形成材料としてのトナー表面に該動摩擦抵抗低減機能成分を塗布することで出力画像に平滑性を付与することができる。
本実施の形態のような非接触型加熱定着方式では、熱加圧方式の接触加熱方式と異なり、連続記録材Pである記録媒体上の画像Gに圧力が作用することがないため、図6(b)に示すように、加熱定着後の画像Gの表面には凹凸部90が接触加熱定着に比べて残り易い。このため、例えば搬送ロール対からなる搬送部材36で加熱定着済みの連続記録材Pをニップ搬送するような場合には、搬送部材36で記録媒体の定着済み画像Gを挟持することに伴って画像Gに物理的ストレスがかかると、画像Gが剥がれる等してしまい、搬送部材36の表面が汚れ、この汚れが記録媒体に逆転移してしまう懸念がある。
これに対し、本実施の形態では、図6(c)に示すように、記録媒体上の画像G表面が動摩擦抵抗低減剤による低摩擦係数保護膜91で覆われるため、仮に、搬送部材36にて連続記録材Pをニップ搬送したとしても、連続記録材P上の画像Gの凹凸部90が剥がれて汚れ要因になることは少ない。
【0036】
この点について、画像形成材料であるトナー自体に動摩擦抵抗低減剤を含有させることも可能であるが、トナーにこのような材料を含有させると、トナーの帯電特性に悪影響を及ぼす懸念もある。また、トナーに動摩擦抵抗低減剤を含有させる場合には動摩擦抵抗低減剤が画像形成材料全体に略均一に分散することになるが、本実施の形態では、例えば搬送部材36にて物理的ストレスを受ける画像G表層のみに動摩擦抵抗低減剤を高濃度で存在させることが可能である点で有効である。
更に、トナーの内部に動摩擦抵抗低減剤を添加した場合には、動摩擦抵抗低減剤の分子量がトナーの定着温度(照射エネルギ量)との関係で影響する。つまり、エネルギ照射を受けてトナーが溶融する際に動摩擦抵抗低減剤も溶融し、トナー材料との相溶性や表面張力の関係で、溶けたトナー材料の表面へと動摩擦抵抗低減剤が表出する様になるが、この際に、照射エネルギに対しての最適分子量より小さな分子量の動摩擦抵抗低減剤を使用すると、動摩擦抵抗低減剤のかなりな部分が揮発して失われ、所望の効果が得られない。一方、最適分子量より大きな分子量の動摩擦抵抗低減剤を使用すると、トナーが溶ける際にその表面へ動摩擦抵抗低減剤が偏在表出する効果が不充分となり、所望の効果が得られない。このような観点でトナー内部に動摩擦抵抗低減剤を添加する場合には、その分子量設定が重要な因子になるが、本実施の形態のように、形成された画像形成材料表面へ動摩擦抵抗低減剤を塗布する場合には動摩擦抵抗低減剤の分子量設定はあまり重要な因子にはならず、動摩擦抵抗低減剤の選定自由度が広がる点で好ましい。
尚、本実施の形態では、加熱定着後に搬送部材36にて連続記録材Pをニップ搬送する場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、例えば予め定められたサイズに切断された記録材を画像形成装置に組み込んだ後処理装置に導き、この後処理装置の搬送ロール対等の搬送部材にて連続記録材Pをニップ搬送した場合であっても、上述したのと同様な理由で記録材の汚れは有効に抑えられる。
【0037】
―各供給装置の配置例―
本実施の形態では、各供給装置60,70,80の配置例は、浸透助剤供給装置60及び表面張力低減剤供給装置70による供給処理が略同じ時点で加熱定着前に行われ、動摩擦抵抗低減剤供給装置80による供給処理が加熱定着後に行われている。
つまり、図3に示すように、連続記録材Pへの画像転写後から浸透助剤供給装置60による供給処理が開始するまでの経過時間をt1、連続記録材Pへの画像転写後から表面張力低減剤供給装置70による供給処理が開始するまでの経過時間をt2、連続記録材Pへの画像転写後から動摩擦抵抗低減剤供給装置80による供給処理が開始するまでの経過時間をt3とすると、t1≒t2<t3の関係に設定されているが、これに限られるものでなく、t1≦t2≦t3の関係を満たすようにすればよい。
ここで、浸透助剤、表面張力低減剤、動摩擦抵抗低減剤の供給順序を考慮すると、浸透助剤、表面張力低減剤は加熱定着前に供給される必要があり、動摩擦抵抗低減剤は加熱定着後に連続記録材Pの画像Gに接触する部材がある位置よりも手前で供給されればよい。
また、浸透助剤は、供給媒体の表面側、裏面側のいずれから供給するにしても、記録媒体と画像部との接触部に供給することを要し、また、表面張力低減剤は記録媒体上の画像部表面、より望ましくはその頭頂部に供給することを要するため、浸透助剤は表面張力低減剤と同時かそれ以前に供給することが好ましい。仮に、浸透助剤よりも浸透を先に供給すると、後から表面張力低減剤に浸透助剤を供給したとすると、浸透助剤と表面張力低減剤とが撥水(または撥油)してしまうなど、互いの作用効果を打ち消すように働いてしまう懸念があることによる。
また、動摩擦抵抗低減剤は記録媒体の画像表面に供給されて加熱定着後に作用するものであるため、代表的には加熱定着後に供給すればよいが、加熱定着前であっても、記録媒体上の画像表面に存在する時点であればよく、浸透助剤、表面張力低減剤と同時かそれ以降に供給することが好ましい。
【0038】
◎実施の形態2
図7は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態2の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、定着装置40に付随する定着補助装置が実施の形態1と異なるものになっている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
<定着補助装置>
本実施の形態では、定着装置40に付随する定着補助装置は、実施の形態1と略同様に、浸透助剤供給装置60、表面張力低減剤供給装置70及び動摩擦抵抗低減剤供給装置80を備えているが、実施の形態1と異なり、浸透助剤供給装置60は、図7に示すように、加熱定着前にて連続記録材Pである記録媒体の裏面側及び表面側には夫々記録媒体上の画像種に応じて浸透助剤A,Bを切り替え供給する第1浸透助剤供給器60a、第2浸透助剤供給器60bとを有し、また、表面張力低減剤供給装置70は加熱定着前ではあるが浸透助剤供給装置60(60a,60b)よりも定着装置40側の記録媒体の画像付着面側に設けられている。
また、本実施の形態では、制御装置100は画像信号を入力して画像パターンを認識し、駆動装置110を介して浸透助剤供給装置60、表面張力低減剤供給装置70及び動摩擦抵抗低減剤供給装置80を駆動し、各供給装置60,70,80から各薬液を記録媒体の画像パターンに応じて供給するように制御するものである。
【0039】
―浸透助剤供給装置―
本例では、浸透助剤供給装置60を構成する第1浸透助剤供給器60a、第2浸透助剤供給器60bは、図7及び図8(a)に示すように、夫々、実施の形態1と略同様な供給ヘッド61、供給タンク62を有しているが、本例では、供給ヘッド61の配列間隔dが画素単位に対応して設定されている。
本例では、第1浸透助剤供給器60aは常温で液相の浸透助剤Aを供給するものであり、この浸透助剤Aとしては、例えば実施の形態1と同様に、画像定着性向上機能成分として、カルボン脂肪酸エステル、アクリル酸エステル、ビニルエステル系オリゴマー、エステルワックスのいずれかを必須構成成分としたもので、常温で液相のものが用いられる。
一方、第2浸透助剤供給器60bは常温で固相の浸透助剤Bを供給するものであり、この浸透助剤Bとしては、必須構成成分が〔化4〕で示す固相物質からなるものが用いられる。
【0040】
【化4】

【0041】
更に、本実施の形態では、制御装置100は、図9に示すように、画像信号に基づいて画像パターンを認識し、認識した画像パターンから画像種を判別する。本例では、画像種としては、連続する画素数がm以下(例えば3画素以下)か否かを調べ、図8(b)に示すように、mより大きい場合には画素数大の画像G1と判別し、第1浸透助剤供給器60aを駆動することにより、記録媒体の画像G1領域に対応した範囲で記録媒体の裏面側から液相の浸透助剤Aを噴射し、記録媒体の裏面側から浸透助剤Aを浸透させることで記録媒体と画像G1領域との接触部に浸透助剤Aを供給する。このため、記録媒体の画像形成材料としてのトナーに対する親和性が高まり、トナーが記録媒体に浸透し易くなる。
これに対し、図8(c)に示すように、連続する画素数がm以下である場合には画素数小の画像G2と判別し、第2浸透助剤供給器60bを駆動することにより、記録媒体の画像G2領域の周囲領域(例えば1画素の周囲領域)に対応した範囲で記録媒体の表面側から固相の浸透助剤Bを噴射し、記録媒体と画像G2領域との境界部に浸透助剤Bを供給する。このため、記録媒体のトナーに対する親和性が高まり、トナーが記録媒体に浸透し易くなる。
このように、画素数の大小により浸透助剤A,Bの供給方式を切り替えるようにした理由は以下の通りである。
本実施の形態のように、輻射エネルギを照射する非接触加熱定着方式にあっては、照射されるエネルギはエネルギ吸収能を有している画像形成材料としてのトナー部分のみで吸収され、トナーが付着していない記録媒体面では殆ど吸収されない。また、トナーに吸収されたエネルギはトナーを加温するだけではなく、その周囲の記録媒体も加温することに費やされる。このため、トナーによる画像部分の容積に比して周囲の記録媒体の比率が大きい‘孤立ドット画像’など一辺の画素数が少ない画素数小の画像G2(図8(c)参照)は、一辺の画素数が多い画素数大の画像G1(図8(b)参照)、例えば「ベタ」画像などに比べ熱効率が悪くなるという特性が見られる。このため、本例では、この様な‘孤立ドット画像’の様な一辺の画素数が少ない画素数小の画像G2に対し、当該画像G2の周囲に浸透助剤Bを供給することにより、当該画像G2の定着効率を改善する効用が大きくなる点で好ましい。
【0042】
―表面張力低減剤供給装置―
表面張力低減剤供給装置70の基本的構成は、実施の形態1と略同様に、供給ヘッド71と供給タンク72とを備えているが、実施の形態1と異なり、制御装置100は、画像信号に基づいて画像パターンを認識すると共に、この画像パターンに対応して供給ベッド71を駆動し、記録媒体上の画像領域に対応した直上部分に表面張力低減剤を噴射して供給する。
―動摩擦抵抗低減剤供給装置―
動摩擦抵抗低減剤供給装置80の基本的構成は、実施の形態1と略同様に、供給ヘッド81と供給タンク82とを備えているが、実施の形態1と異なり、制御装置100は、画像信号に基づいて画像パターンを認識すると共に、この画像パターンに対応して供給ベッド81を駆動し、記録媒体上の画像領域に対応した直上部分に動摩擦抵抗低減剤を噴射して供給する。
このように、本実施の形態では、浸透助剤、表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤は画像パターンに対応して供給されることから、記録媒体の非画像領域に対して不必要に浸透助剤などが供給されない点で好ましい。
【0043】
◎実施の形態3
図10は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態3の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、定着装置40に付随する定着補助装置が実施の形態1と異なるものになっている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、定着装置40に付随する定着補助装置は、実施の形態1と略同様に、浸透助剤供給装置60、表面張力低減剤供給装置70及び動摩擦抵抗低減剤供給装置80を備えているが、実施の形態1と異なり、表面張力低減剤供給装置70は、動摩擦抵抗低減剤供給装置80を兼用するように構成され、表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤を共通の溶媒に混合し、表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤を同時に供給するようになっている。
本例によれば、加熱定着前に、記録媒体の裏面から定着助剤が供給されると共に、記録媒体の表面に表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤が同時に供給されることから、加熱定着時には浸透助剤及び表面張力低減剤が働いて記録媒体に対する画像形成材料としてのトナーの浸透性及び画像表面の空隙形成を回避し、また、加熱定着後には、加熱定着前に予め供給されていた動摩擦抵抗低減剤が働いて記録媒体上の定着済み画像の剥がれなどを抑制する。
このように、本例では、動摩擦抵抗低減剤供給装置80を別個に設置する必要がないため、その分、装置構成が簡略化される。
【符号の説明】
【0044】
1…記録媒体,2…作像装置,3…定着装置,4…浸透助剤供給装置,5…表面張力低減剤供給装置,6…動摩擦抵抗低減剤供給装置,G…画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上に画像形成材料による画像を形成する作像装置と、
この作像装置により記録媒体上に形成された画像を非接触状態で加熱定着する定着装置と、
この定着装置による加熱定着前に記録媒体上の画像に記録媒体に対して画像形成材料が浸透し易くなる浸透助剤を供給する浸透助剤供給装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記録媒体上に画像形成材料による画像を形成する作像装置と、
この作像装置により記録媒体上に形成された画像を非接触状態で加熱定着する定着装置と、
この定着装置による加熱定着前に記録媒体上の画像に表面張力低減剤を供給する表面張力低減剤供給装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
記録媒体上に画像形成材料による画像を形成する作像装置と、
この作像装置により記録媒体上に形成された画像を非接触状態で加熱定着する定着装置と、
この定着装置による加熱定着前に記録媒体上の画像に記録媒体に対して画像形成材料が浸透し易くなる浸透助剤を供給する浸透助剤供給装置と、
前記定着装置による加熱定着前に記録媒体上の画像に表面張力低減剤を供給する表面張力低減剤供給装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の画像形成装置において、
更に、定着装置による加熱定着前又は加熱定着後に記録媒体上の画像表面が保護され且つ擦過による画像の剥がれが抑制される動摩擦抵抗低減剤を供給する動摩擦抵抗低減剤供給装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置のうち、浸透助剤供給装置、表面張力低減剤供給装置及び動摩擦抵抗低減剤供給装置を備えた態様において、
作像装置により記録媒体への画像形成後から各供給装置による供給処理に至るまでの経過時間t1〜t3につき、t1≦t2≦t3の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。
但し、t1:浸透助剤供給装置による供給処理が開始するまでの経過時間、t2:表面張力低減剤供給装置による供給処理が開始するまでの経過時間、t3:動摩擦抵抗低減剤供給装置による供給処理が開始するまでの経過時間である。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれかに記載の画像形成装置において、
浸透助剤供給装置は、浸透助剤として、常温で液相状態又は固相状態のカルボン脂肪酸エステル、アクリル酸エステル、ビニルエステル系オリゴマー、エステルワックスの何れかを必須構成成分とし、該成分が液相媒体中に混合、乳化、懸濁のいずれかの状態で含んでいることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成装置において、
浸透助剤供給装置は、浸透助剤の必須構成成分が液相物質であり、記録媒体の画像付着面の裏面に対して浸透助剤を供給するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項6記載の画像形成装置において、
浸透助剤供給装置は、浸透助剤の必須構成成分が〔化1〕で示す固相物質であり、記録媒体の画像付着面側から記録媒体上の画像を形成する連続する一辺の画素数が予め定めた画素数小の画像の周囲の画素領域に対して浸透助剤を供給するものであることを特徴とする画像形成装置。
【化1】

【請求項9】
請求項2ないし8いずれかに記載の画像形成装置において、
表面張力低減剤供給装置は、表面張力低減剤として、常温で液相状態又は固相状態のシロキサン主鎖およびオキシアルキレン側基を有する〔化2〕で示すペンダント構造型シリコーンポリエーテル界面活性剤を必須構成成分としており、該成分を単独又は液相媒体中に混合、乳化、懸濁のいずれかの状態で含んでいることを特徴とする画像形成装置。
【化2】

【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
表面張力低減剤供給装置は、記録媒体の画像付着面側頭頂部から画像領域に面して表面張力低減剤を供給するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項3ないし10いずれかに記載の画像形成装置において、
動摩擦抵抗低減剤供給装置は、動摩擦抵抗低減剤として、常温で液相状態又は固相状態のポリオレフィンワックスおよび多価アルコール高級脂肪酸エステルを必須構成成分としており、該成分を液相媒体中に混合、乳化、懸濁のいずれかの状態で含んでいることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11記載の画像形成装置において、
動摩擦抵抗低減剤供給装置は、記録媒体の画像付着面側から画像領域に面して動摩擦抵抗低減剤を供給するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項11又は12記載の画像形成装置において、
表面張力低減剤供給装置は動摩擦抵抗低減剤供給装置を兼用するように構成され、表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤を共通の溶媒に混合し、表面張力低減剤及び動摩擦抵抗低減剤を供給するものであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−203429(P2011−203429A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69780(P2010−69780)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】