説明

画像形成装置

【課題】本発明は、複数の機種に対応可能な感光体ドラム駆動機構を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】プリンタ1は、第1回転軸23a、23b、23cを中心に回転可能な複数の感光体ドラム2a、2b、2cと、複数の感光体ドラム2a、2b、2cそれぞれの一端側に配置される第1軸部材25a、25b、25cと、複数の第1軸部材25a、25b、25cそれぞれに連結され第1回転軸23a、23b、23cを中心に回転可能に配置される複数の駆動ギア26a、26b、26cと、互いに隣接する駆動ギアの双方に噛合って配置され一方の駆動ギアからの回転駆動力を他方の駆動ギアに伝達する1又は複数のアイドルギア27a、27bと、駆動ギア26a、26b、26cに回転駆動力を伝達するモータ29を設置可能な複数の設置部28a、28b、28cと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラープリンタやカラーコピー機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラープリンタやカラーコピー機等の画像形成装置において、ブラックトナー、イエロートナー、マゼンダトナーやシアントナーのトナー画像が現像される各感光体ドラムを回転駆動させる駆動機構(ユニット)を有する。
この画像形成装置において、例えば、4つの感光体ドラムそれぞれを各1つのモータで回転させる「4モータ方式」(例えば、特許文献1参照)や、4つの感光体ドラムを1つのモータで回転させる「1モータ方式」(例えば、特許文献2参照)が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−208024号公報
【特許文献2】特開2004−205688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のいずれの方式を採用した場合であっても、駆動機構(ユニット)は、各方式に対応した構成にする必要がある。特に、「4モータ方式」と「1モータ方式」とは必要な構成が大きく異なるため、製造者は、それぞれに対応した全く別個の駆動機構を製造する必要があった。
つまり、製造者は、異なる機種ごとに、異なる部品を異なる態様で組み合わせることが必要であった。
【0005】
本発明は、複数の機種に対応可能な感光体ドラム駆動機構を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1回転軸を中心に回転可能な複数の感光体ドラムと、前記複数の感光体ドラムそれぞれの一端側に配置される複数の第1軸部材及び他端側に配置される複数の第2軸部材と、前記複数の第1軸部材それぞれに連結され、前記第1回転軸を中心に回転可能に配置される複数の駆動ギアと、前記複数の駆動ギアのうち、互いに隣接する駆動ギアの双方に噛合って配置され、一方の駆動ギアからの回転駆動力を他方に駆動ギアに伝達する1又は複数のアイドルギアと、前記複数の駆動ギアそれぞれに対応して形成され、回転駆動力を出力する出力部を有する回転駆動部を前記出力部が前記駆動ギアに回転駆動力を伝達可能に当接配置されるよう設置可能な複数の設置部と、を備える画像形成装置に関する。
【0007】
また、前記複数の設置部のうち、1又は複数の設置部に設置された1又は複数の回転駆動部と、を備えることが好ましい。
【0008】
また、前記複数の設置部は、前記回転駆動部が設置された既設置部と、前記回転駆動部が設置されてない未設置部とを有することが好ましい。
【0009】
また、前記複数の設置部のうち、いずれか1つの設置部に前記回転駆動部が設置された場合、前記複数の駆動ギアのうち、全ての駆動ギアそれぞれは、同じ回転方向に回転駆動されることが好ましい。
【0010】
また、前記複数の駆動ギアと、前記1又は複数のアイドルギアとを収容するケース部材であって、前記複数の駆動ギア及び前記1又は複数のアイドルギアにおける前記第1回転軸方向外側に配置されるケース本体と、前記ケース本体に取り付けられ前記複数の第1軸部材それぞれを軸支する板部材とを有するケース部材と、を備え、前記設置部は、前記板部材に形成される開口部と、前記板部材における前記複数の駆動ギア及び前記1又は複数のアイドルギア側と反対側の面における前記開口部の周囲領域とを有して構成されることが好ましい。
【0011】
また、前記複数の感光体ドラムは、イエロートナーのトナー現像が形成されるイエロー用感光体ドラムと、シアントナーのトナー現像が形成されるシアン用感光体ドラムと、マゼンダトナーのトナー現像が形成されるマゼンダ用感光体ドラムと、により構成され、前記回転駆動部は、前記シアン用感光体ドラム又はマゼンタ用感光体ドラムに対応した設置部に設置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の機種に対応可能な感光体ドラム駆動機構を有する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態としてのプリンタ1における各構成要素の配置を説明するための正面図である。
【図2】複数の感光体ドラムの一端側に装備された感光体ドラム駆動機構における板部材を感光体ドラムとは反対側から視た斜視図である。
【図3】感光体ドラム駆動機構における板部材上の複数の設置部の内の1つに回転駆動部であるモータが配置された状態を感光体ドラムとは反対側から視た斜視図である。
【図4】感光体ドラム駆動機構における複数の駆動ギアと複数のアイドルギアとの噛合状態を感光体ドラムとは反対側から視た斜視図である。
【図5】感光体ドラム駆動機構における複数の駆動ギアと複数のアイドルギアとの噛合状態を感光体ドラム側から視た斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態として、感光体ドラム駆動機構における板部材上の複数の設置部それぞれに回転駆動部であるモータが配置された状態を感光体ドラムとは反対側から視た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態を説明する。
図1により、第1実施形態の画像形成装置としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、本発明の第1実施形態としてのプリンタ1における各構成要素の配置を説明するための正面図である。
【0015】
以下の説明において、プリンタ1の前側に立ったユーザから見て、左右方向を矢印Xの方向とし、上下方向を矢印Zの方向とする。また、プリンタ1の前側に立ったユーザから見て、前後(奥行き)方向は、上記の矢印X及び矢印Zの双方に直交する方向である。このプリンタ1の前後(奥行き)方向は、後述の感光体ドラムの軸方向(図4に示す矢印Y方向)である。
【0016】
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成されている。
【0017】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8と、対向ローラ18と、定着部9と、を備える。
【0018】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、複数のローラ又はローラ対と、排紙部50と、を備える。なお、搬送路Lは、後述するように、第1搬送路L1と、第2搬送路L2と、第3搬送路L3と、手差し搬送路Laと、戻り搬送路Lbとの集合体である。
【0019】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、画像形成時に感光体ドラム2a、2b、2c、2dが回転すると順に、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対して、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対向ローラ18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0020】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる回転軸(第1回転軸)を中心に、図1に示した矢印の方向に回転可能に配置されている。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、不図示のドラム駆動機構(ユニット)により、回転駆動される。ドラム駆動機構の詳細については、後述する。
【0021】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置されている。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に正(プラス極性)に帯電させる。
【0022】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置されている。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成されている。
【0023】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0024】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置されている。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像の帯電電荷が除去された箇所に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラ、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成されている。
【0025】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0026】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれと現像器16a、16b、16c、16dそれぞれとは、不図示のトナー搬送装置によって結ばれている。
【0027】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラ35、駆動ローラとして機能する対向ローラ18、テンションローラ36等に掛け渡されている。テンションローラ36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
【0028】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置されている。
【0029】
中間転写ベルト7は、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成されている。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像が中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0030】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0031】
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置されている。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0032】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置されている。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に1次転写後に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0033】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0034】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成されている。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
【0035】
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8とは反対側には、対向ローラ18が配置されている。中間転写ベルト7は、2次転写ローラ8と対向ローラ18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間に2次転写ニップN2が形成されている。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像が用紙Tに2次転写されている。
【0036】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧をされることで用紙Tに定着される。
【0037】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する給紙カセット52が配置されている。給紙カセット52は、装置本体Mのケース体BDから水平方向に引き出し可能に構成されている。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置されている。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容されている。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52の用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されているカセット給紙部51により搬送路Lに送り出されている。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対81とからなる重送防止機構を備える。
【0038】
装置本体Mの右側面(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされている用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの右側面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置されている。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0039】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの第1搬送路L1と、2次転写ニップN2から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を下流側から上流側へ搬送する用紙を、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbと、を備える。
【0040】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻し搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。
【0041】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ニップN2との間)には、用紙Tを検出するための用紙検出センサ(図示せず)と、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラ対80とが配置されている。前記用紙検出センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置されている。レジストローラ対80は、前記用紙検出センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0042】
第1搬送路L1における第1合流部P1と第2合流部P2との間には、中間ローラ対82が配置されている。中間ローラ対82は、給紙ローラ対81に関して用紙搬送方向の下流側に配置され、給紙ローラ対81より搬送されている用紙Tを挟持して、レジストローラ対80へ搬送する。
【0043】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を中間転写ベルト7に対向させるために設けられた搬送路である。戻し搬送路Lbによって、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、2次転写ニップN2において未印刷面に対してトナー画像が転写されている。
【0044】
第1分岐部Q1には、整流部材58が設けられている。整流部材58は、定着部9から搬出され第3搬送路L3を上流側から下流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、排紙部50に向かう方向に整流すると共に、排紙部50から第3搬送路L3を下流側から上流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、戻し搬送路Lbに向かう方向に整流する。
【0045】
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成されている。排紙部50は、装置本体Mの上部に配置されている。排紙部50は、装置本体Mの左側面側(図1において左側)に向けて開口している。排紙部50は、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50は、排出ローラ対53を有している。排出ローラ対53によって、第3搬送路L3を上流側から下流側に搬送されている用紙Tを装置本体Mの外部に排紙すると共に、排紙部50において用紙Tの搬送方向を反転させて用紙Tを第3搬送路L3の上流側に向けて搬送することができる。
【0046】
排紙部50の開口側には、排紙集積部M1が形成されている。排紙集積部M1は、装置本体Mの上面(外面)に形成されている。排紙集積部M1は、装置本体Mの上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mの上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され排紙部50から排紙された用紙Tが積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサ(不図示)が配置されている。
【0047】
次に、図1を参照して、第1実施形態のプリンタ1の動作について、簡単に説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷を行う場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対81によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、中間ローラ対82により、レジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とのタイミング調整が行われる。
【0048】
レジストローラ対80から排出された用紙Tは、第1搬送路L1を介して中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間(2次転写ニップN2)に導入される。そして、用紙Tには、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間において、トナー画像が転写される。
その後、用紙Tは、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着部9における加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間の定着ニップに導入される。そして、定着ニップにおいてトナーが溶融し、トナーが用紙Tに定着される。
【0049】
次いで、用紙Tは、第3搬送路L3を通して排紙部50に搬送され、排出ローラ対53により排紙部50から排紙集積部M1に排出される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
【0050】
手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合には、手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、レジストローラ対80に搬送される。それ以降の動作は、前述した、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷の動作と同様であり、説明を省略する。
【0051】
次に、両面印刷を行う場合のプリンタ1の動作について説明する。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷がされた用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷がされた用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
【0052】
詳述すると、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラ対53により排紙部50から排出されるまでは、前述した片面印刷の動作と同様である。而して、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラ対53により保持されている状態において、排出ローラ対53の回転を停止させ、逆方向に回転させる。このように排出ローラ対53を逆方向に回転させると、排出ローラ対53に保持されている用紙Tは、第3搬送路L3を逆方向(排紙部50から第1分岐部Q1に向かう方向)に搬送される。
【0053】
前述したように、用紙Tが、第3搬送路L3を逆方向に搬送されると、整流部材58により、用紙Tは、戻し搬送路Lbへ整流され、その後、第2合流部P2を介して、第1搬送路L1に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
【0054】
更に、用紙Tは、レジストローラ対80により前記補正又は前記調整が行われ、第1搬送路L1を介して、2次転写ニップN2に導入される。用紙Tは、戻し搬送路Lbを経由することにより、未印刷面が中間転写ベルト7に対向するので、未印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
【0055】
次に、図2から図5により、第1実施形態のプリンタ1における複数の感光体ドラム2a、2b、2c、2dを回転駆動する感光体ドラム駆動機構21の詳細について説明する。
【0056】
図2は、複数の感光体ドラムの一端側に装備された感光体ドラム駆動機構における板部材を感光体ドラムとは反対側から視た斜視図である。図3は、感光体ドラム駆動機構における板部材上の複数の設置部の内の1つに回転駆動部であるモータが配置された状態を感光体ドラムとは反対側から視た斜視図である。図4は、感光体ドラム駆動機構における複数の駆動ギアと複数のアイドルギアとの噛合状態を感光体ドラムとは反対側から視た斜視図である。図5は、感光体ドラム駆動機構における複数の駆動ギアと複数のアイドルギアとの噛合状態を感光体ドラム側から視た斜視図である。
【0057】
本実施形態の感光体ドラム駆動機構21は、カラー用の3つの感光体ドラム2a、2b、2cを回転駆動する駆動ユニットである。ブラック用の感光体ドラム2dを回転駆動する感光体ドラム駆動機構は、カラー用とは別の駆動ユニットとして、配備される。
【0058】
まず、感光体ドラム駆動機構21を説明する前に、カラー用の複数の感光体ドラム2a、2b、2cの支持構造について、説明する。
複数の感光体ドラム2a、2b、2cそれぞれは、図2から図5に示した第1回転軸23a、23b、23cを中心に回転可能に支持される。
【0059】
図4及び図5に示すように、第1回転軸23a、23b、23cは、感光体ドラム2a、2b、2cそれぞれが固定される複数のドラム軸24a、24b、24cそれぞれの中心軸線である。ドラム軸24a、24b、24cそれぞれは、プリンタ1の前後方向(図4の矢印Y方向)に沿って配置される。また、ドラム軸24a、24b、24cそれぞれは、一端側に第1軸部材25a、25b、25cが配置され、他端側に第2軸部材100a、100b、100cが配置される。第1軸部材25a、25b、25cは、本実施形態の感光体ドラム駆動機構21に回転可能に支持され、第2軸部材100a、100b、100cは、ケース体BD上で感光体ドラム駆動機構21(駆動ユニット)と逆側に配置される不図示の軸支部材(軸部材支持機構、軸部材支持ユニット)に回転自在に支持される。
【0060】
本実施形態において、複数の感光体ドラム2a、2b、2cは、図示していないが、それぞれのドラム軸24a、24b、24cの軸方向(矢印Y方向)の中間部に固定されている。つまり、本実施形態における複数の感光体ドラム2a、2b、2cそれぞれは、一端側に第1軸部材25a、25b、25cが配置され、他端側に第2軸部材100a、100b、100cが配置されている。
【0061】
次に、本実施形態の感光体ドラム駆動機構21について、詳細に説明する。
図2から図5に示すように、本実施形態の感光体ドラム駆動機構21は、複数の駆動ギア26a、26b、26cと、複数のアイドルギア27a、27bと、複数の設置部28a、28b、28cと、回転駆動部としての1つのモータ29と、ケース部材41と、を備える。
【0062】
図4及び図5に示すように、複数の駆動ギア26a、26b、26cは、複数の第1軸部材25a、25b、25cそれぞれに連結され、第1回転軸23a、23b、23cを中心に回転可能に配置される。
【0063】
図4及び図5に示すように、アイドルギア27a、27bは、互いに隣接する駆動ギア26a、26b、26c間に配置される。互いに隣接する駆動ギア26a、26b、26c間に配置されたそれぞれのアイドルギア27a、27bは、互いに隣接する駆動ギアの双方に噛合って配置されていて、一方の駆動ギアからの回転駆動力を他方の駆動ギアに伝達する。具体的には、アイドルギア27aは、駆動ギア26aと駆動ギア26bとに噛み合って配置され、例えば、駆動ギア26aからの回転駆動力を駆動ギア26bに伝達する。また、アイドルギア27bは、駆動ギア26bと駆動ギア26cとに噛み合って配置され、例えば、駆動ギア26bからの回転駆動力を駆動ギア26cに伝達する。
【0064】
図2及び図3に示すように、複数の設置部28a、28b、28cそれぞれは、モータ29を設置可能な部位である。複数の設置部28a、28b、28cそれぞれは、複数の駆動ギア26a、26b、26cそれぞれに対応して、3箇所に形成される。
更に詳しく説明すると、図5に示すように、設置部28a、28b、28cに設置されるモータ29は、回転駆動力を出力する出力部29aを構成する出力軸110及び出力ギア112と、制御用の基板29bと、を有する。複数の設置部28a、28b、28cは、モータ29の出力軸110の先端側に固定装備される出力ギア112が、対応する駆動ギア26a、26b、26cに回転駆動力を伝達可能に当接配置されるよう、複数の駆動ギア26a、26b、26cそれぞれに対応して設けられる。
【0065】
ケース部材41は、複数の駆動ギア26a、26b、26cと、複数のアイドルギア27a、27bとを収容する。
ケース部材41には、第1軸部材25a、25b、25cが挿通するように配置される。ケース部材41は、感光体ドラム2a、2b、2cの一端側となる位置に配置されるケース本体43と、ケース本体43に組み付けられる板部材44と、を備える。
【0066】
図4に示すように、ケース本体43は、第1回転軸23a、23b、23c方向における両面を開放面とした略箱形である。ケース本体43の開口面における感光体ドラム2a、2b、2cから遠い面には、板部材44が組み付けられる。
ケース部材41は、ケース本体43と板部材44とにより形成された凹状の空間45を有する。ケース部材41は、凹状の空間45において複数の駆動ギア26a、26b、26cと、複数のアイドルギア27a、27bとを収容する。
【0067】
板部材44は、上述の通り、ケース本体43の開放面を覆うように、複数の駆動ギア26a、26b、26c及び複数のアイドルギア27a、27bにおける第1回転軸23a、23b、23c方向外側に配置される。
図2に示すように、板部材44は、複数の第1軸部材25a、25b、25cそれぞれに対応して設けた複数の第1軸挿通部45a、45b、45cによって、複数の第1軸部材25a、25b、25cそれぞれを回転自在に軸支する。
また、板部材44は、複数のアイドルギア27a、27bの配置に対応して設けた複数の第2軸挿通部46a、46bによって、複数のアイドルギア27a、27bそれぞれを回転自在に軸支する。
【0068】
また、板部材44は、モータ29を設置可能な複数の設置部28a、28b、28cを備える。設置部28a、28b、28cそれぞれは、板部材44に貫通形成された開口部群47、47、47を有する。開口部群47、47、47は、モータ29の出力部29aを構成する出力軸110を挿通させるための開口部47a、47a、47aと、モータ29を回り止めするための取付孔47b、47b、47bとを備える。設置部28a、28b、28cそれぞれは、開口部47a、47a、47aの周囲領域48、48、48と、を有している。
周囲領域48、48、48は、モータ29の設置スペースを確保する領域である。具体的には、周囲領域48、48、48は、板部材44における複数の駆動ギア26a、26b、26c及び複数のアイドルギア27a、27b側と反対側の面における開口部47a、47a、47aの周囲領域である。
【0069】
本実施形態の感光体ドラム駆動機構21において、板部材44上に装備されるモータ29は1つであって、該一つのモータ29は、板部材44に設けられた3つの設置部28a、28b、28cの内の1つである設置部28cに備えられている。
つまり、本実施形形態において、板部材44に設けた3つの設置部28a、28b、28cのうち、1つの設置部28cはモータ29が設置された既設置部であり、他の2つの設置部28a、28bはモータ29が設置されていない未設置部となっている。
【0070】
先に説明したように、本実施形態の感光体ドラム駆動機構21が駆動する3つの感光体ドラムは、イエロートナーのトナー現像が形成されるイエロー用感光体ドラム2aと、シアントナーのトナー現像が形成されるシアン用感光体ドラム2bと、マゼンダトナーのトナー現像が形成されるマゼンダ用感光体ドラム2cと、から構成されている。
そして、モータ29が設置された設置部28cは、マゼンダ用感光体ドラム2cの一端側の駆動ギア26a、26b、26cに対応した設置部である。
【0071】
次に、本実施形態の感光体ドラム駆動機構21において、各感光体ドラム2a、2b、2cに固定された駆動ギア26a、26b、26cが回転駆動されるときの動作を、図5に基づいて説明する。
【0072】
図5において、1つの設置部28cに設置されたモータ29の出力軸110(出力部29a)が図5の矢印R1方向に回転すると、出力ギア112(出力部29a)が噛合している駆動ギア26cは、矢印R2方向に回転駆動される。これにより、第1軸部材25c(感光体ドラム2c)は、矢印R2方向に回転される。
【0073】
次いで、駆動ギア26cの回転は、噛合しているアイドルギア27bを介して、隣接する駆動ギア26bに伝達される。具体的には、駆動ギア26cが矢印R2方向に回転すると、噛合しているアイドルギア27bは、矢印R3方向に回転駆動される。そして、アイドルギア27bに噛合しているもう一方の駆動ギア26bは、矢印R4方向に回転駆動される。これにより、第1軸部材25b(感光体ドラム2b)は、矢印R4方向に回転される。
【0074】
続けて、駆動ギア26bの回転は、噛合しているアイドルギア27aを介して、隣接する駆動ギア26aに伝達される。具体的には、駆動ギア26bが矢印R4方向に回転すると、噛合しているアイドルギア27aは、矢印R5方向に回転駆動される。そして、アイドルギア27aに噛合しているもう一方の駆動ギア26aは、矢印R6方向に回転駆動される。これにより、第1軸部材25a(感光体ドラム2a)は、矢印R6方向に回転される。
【0075】
上述より、全ての駆動ギア26a、26b、26cは、同一回転方向に同期して回転駆動される。つまり、複数の駆動ギア26a、26b、26cそれぞれに結合されている3つの感光体ドラム2a、2b、2cは、同一回転方向に同期して回転駆動される。本実施形態の感光体ドラム駆動機構21では、複数の駆動ギア26a、26b、26cの全てを、1つのモータ29によって、全て同方向に同期して回転駆動することができる。
【0076】
また、本実施形態の感光体ドラム駆動機構21では、1つのモータ29は、3つの設置部28a、28b、28cのいずれに設置した場合でも、3つの駆動ギア26の全てを同方向に回転駆動させることができる。更に、3つの設置部28a、28b、28cの内の任意の2つにモータ29を設置した場合、あるいは3つの設置部28a、28b、28cの全てにモータ29を設置した場合でも、それぞれのモータ29の回転を同期させておくことで、3つの駆動ギア26a、26b、26cの全てを同方向に回転駆動させることができる。
【0077】
なお、図5のように、1つのモータ29で、複数の駆動ギア26a、26b、26cを回転駆動する場合、モータ29から他のギアを介して回転駆動される駆動ギアは、モータ29から離れるほど、回転誤差に起因したずれが大きくなって、画像のずれを招く虞がある。一方、画像のずれは、色によって目立つものと、目立たないものがある。ずれが目立ち難い色は、イエロー、シアン、マゼンタの順であり、ずれが目立ち易い色の感光体ドラムほど、回転精度が必要となる。従って、モータ29は、ずれが目立ち易いマゼンダ用感光体ドラム2cに対応した設置部28c、又はシアン用感光体ドラム2bに対応した設置部28bに設置することが望ましい。
本実施形態の場合は、モータ29は、ずれが目立ち易いマゼンダ用感光体ドラム2cに対応した設置部28cに設置されており、ずれが目立ち易い色の感光体ドラムほど、モータ29に近い配置になっているため、単一のモータによって複数の感光体ドラムを回転駆動する1モータ方式でありながら、ずれによる画像品質の低下を抑止することができる。
【0078】
以上に説明した本実施形態のプリンタ1によれば、例えば、次のような効果が奏される。
本実施形態のプリンタ1は、第1回転軸23a、23b、23cを中心に回転可能な複数の感光体ドラム2a、2b、2cと、複数の感光体ドラム2a、2b、2cそれぞれの一端側に配置される第1軸部材25a、25b、25c及び他端側に配置される複数の第2軸部材100a、100b、100cと、複数の第1軸部材25a、25b、25cそれぞれに連結され、第1回転軸23a、23b、23cを中心に回転可能に配置される複数の駆動ギア26a、26b、26cと、複数の駆動ギア26a、26b、26cのうち、互いに隣接する駆動ギアの双方に噛合って配置され、一方の駆動ギアからの回転駆動力を他方に駆動ギアに伝達する1又は複数のアイドルギア27a、27bと、複数の駆動ギア26a、26b、26cそれぞれに対応して形成され、回転駆動力を出力する出力部29aを有するモータ29を出力部29aが駆動ギア26a、26b、26cに回転駆動力を伝達可能に当接配置されるよう設置可能な複数の設置部28a、28b、28cと、を備える。
そのため、プリンタ1は、複数の設置部28a、28b、28cの内の少なくとも何れか1つにモータ29が設置されれば、複数の駆動ギア26a、26b、26cを回転駆動して、複数の感光体ドラム2a、2b、2cを回転駆動することができる。また、プリンタ1は、複数の設置部28a、28b、28cのそれぞれにモータ29を設置して、複数の感光体ドラム2a、2b、2cを回転駆動することができる。従って、プリンタ1は、モータを設置する設置部を変更するだけで、1モータ方式及び複数モータ方式にいずれにも対応するができ、モータの装備数に応じて個別に駆動機構を開発する手間を不要にすることができる。
従って、装備するモータ数が異なる複数の機種に対応可能な感光体ドラム駆動機構を有する画像形成装置が提供される。
【0079】
また、本実施形態のプリンタ1は、複数の設置部28a、28b、28cのうち、1又は複数の設置部28a、28b、28cに設置された1又は複数のモータ29と、を備える。
そのため、例えば、モータ29を設置する設置部を2つ以上に設定することで、1つ当たりのモータ29に作用する負荷を下げて、それぞれの感光体ドラムの回転精度を向上させることができる。
【0080】
また、本実施形態のプリンタ1は、複数の設置部28a、28b、28cは、モータ29が設置された既設置部と、モータ29が設置されてない未設置部とを有する。
そのため、ユーザ(製造者)は、未設置部にモータ29を追加設置して、更に回転動作性能を向上させることもできる。
【0081】
また、本実施形態のプリンタ1は、複数の設置部28a、28b、28cのうち、いずれか1つの設置部にモータ29が設置された場合、複数の駆動ギア26a、26b、26cのうち、全ての駆動ギア26a、26b、26cそれぞれが、(同回転方向に)回転駆動される。
そのため、例えば、製造コスト等の制限から、感光体ドラム駆動機構21に1つのモータ29しか組み込めない場合でも、モータ29を組み込む位置が制限されず、ユーザ(製造者)は、感光体ドラム駆動機構21の周辺の空きスペース等を考慮して、柔軟にモータ29の配置を調整することができ、モータ29の配置設計等を容易にすることができる。
【0082】
また、本実施形態のプリンタ1は、複数の駆動ギア26a、26b、26cと、1又は複数のアイドルギア27a、27bとを収容するケース部材41であって、複数の駆動ギア26a、26b、26c及び複数のアイドルギア27a、27bにおける第1回転軸23a、23b、23c方向外側に配置され、複数の第1軸部材25a、25b、25cそれぞれを軸支する板部材44と、を有するケース部材41と、を備える。また、設置部28a、28b、28cは、板部材44に形成される開口部47a、47a、47aと、板部材44における複数の駆動ギア26a、26b、26c及び複数のアイドルギア27a、27b側と反対側の面における開口部47a、47a、47aの周囲領域48とを有して構成される。
そのため、プリンタ1は、駆動ギア26a、26b、26cやアイドルギア27a、27bが配置される空間と、モータ29が配置される空間とが板部材44によって区画され、ギアに塗布される油脂類やギア相互の摩擦によって発生する摩耗粉等がモータ29に付属の制御基板等に付着することを防止することができる。
【0083】
また、本実施形態のプリンタ1は、1つの感光体ドラム駆動機構21で回転駆動する複数の感光体ドラム2a、2b、2cは、イエロートナーのトナー現像が形成されるイエロー用感光体ドラム2aと、シアントナーのトナー現像が形成されるシアン用感光体ドラム2bと、マゼンダトナーのトナー現像が形成されるマゼンダ用感光体ドラム2cと、により構成される。また、モータ29は、シアン用感光体ドラム2b又はマゼンタ用感光体ドラム2cに対応した設置部28b又は設置部28cに設置される。
【0084】
一般に、モータ29から他のギアを介して回転駆動される駆動ギア26a、26b、26cは、モータ29から離れるほど、回転誤差に起因したずれが大きくなって、画像のずれを招く虞がある。一方、画像のずれは、色によって目立つものと、目立たないものがある。ずれが目立ち難い色は、イエロー、シアン、マゼンタの順であり、ずれが目立ち易い色の感光体ドラムほど、回転精度が必要となる。
本実施形態の場合、モータ29がずれの目立ち易いマゼンダ用感光体ドラム2c又はシアン用感光体ドラム2bに対応した設置部28c又は設置部28bに設置され、ずれが目立ち易い色の感光体ドラムほど、モータ29に近い配置になるため、プリンタ1は、単一のモータによって複数の感光体ドラムを回転駆動する1モータ方式の場合でも、ずれによる画像品質の低下を抑止することができる。
【0085】
図6は、本発明の第2実施形態として、感光体ドラム駆動機構21における板部材44上の複数の設置部28a、28b、28cそれぞれに回転駆動部であるモータ29が配置された状態を、感光体ドラムとは反対側から視た斜視図である。
このように、板部材44上に設定されている複数の設置部28a、28b、28cの全てにモータ29を設けると、各感光体ドラム2a、2b、2cに伝達されるトルクが大きくなり、感光体ドラム2a、2b、2cが重い場合でも、応答性良く、全ての感光体ドラム2a、2b、2cを回転駆動することが可能になる。
【0086】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されていることなく、種々の形態を採用することができる。
本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機等であってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0087】
1……プリンタ(画像形成装置)、2a……イエロー用感光体ドラム(感光体ドラム)、2b……シアン用感光体ドラム(感光体ドラム)、2c……マゼンタ用感光体ドラム(感光体ドラム)、21……感光体ドラム駆動機構、23a、23b、23c……第1回転軸、25a、25b、25c……第1軸部材、26a、26b、26c……駆動ギア、27a、27b……アイドルギア、28a、28b、28c……設置部、29……モータ(回転駆動部)、29a……出力部、41……ケース部材、43……ケース本体、44……板部材、47a……開口部、48……周囲領域、100a、100b、100c……第2軸部材、110……出力軸(出力部)、112……出力ギア(出力部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回転軸を中心に回転可能な複数の感光体ドラムと、
前記複数の感光体ドラムそれぞれの一端側に配置される複数の第1軸部材及び他端側に配置される複数の第2軸部材と、
前記複数の第1軸部材それぞれに連結され、前記第1回転軸を中心に回転可能に配置される複数の駆動ギアと、
前記複数の駆動ギアのうち、互いに隣接する駆動ギアの双方に噛合って配置され、一方の駆動ギアからの回転駆動力を他方の駆動ギアに伝達する1又は複数のアイドルギアと、
前記複数の駆動ギアそれぞれに対応して形成され、回転駆動力を出力する出力部を有する回転駆動部を前記出力部が前記駆動ギアに回転駆動力を伝達可能に当接配置されるよう設置可能な複数の設置部と、を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の設置部のうち、1又は複数の設置部に設置された1又は複数の回転駆動部と、を備える
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の設置部は、前記回転駆動部が設置された既設置部と、前記回転駆動部が設置されてない未設置部とを有する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の設置部のうち、いずれか1つの設置部に前記回転駆動部が設置された場合、
前記複数の駆動ギアのうち、全ての駆動ギアそれぞれは、同じ回転方向に回転駆動される
請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複数の駆動ギアと、前記1又は複数のアイドルギアとを収容するケース部材であって、前記複数の駆動ギア及び前記1又は複数のアイドルギアにおける前記第1回転軸方向外側に配置されるケース本体と、前記ケース本体に取り付けられ前記複数の第1軸部材それぞれを軸支する板部材とを有するケース部材と、を備え、
前記設置部は、
前記板部材に形成される開口部と、
前記板部材における前記複数の駆動ギア及び前記1又は複数のアイドルギア側と反対側の面における前記開口部の周囲領域とを有して構成される
請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の感光体ドラムは、
イエロートナーのトナー現像が形成されるイエロー用感光体ドラムと、
シアントナーのトナー現像が形成されるシアン用感光体ドラムと、
マゼンダトナーのトナー現像が形成されるマゼンダ用感光体ドラムと、により構成され、
前記回転駆動部は、前記シアン用感光体ドラム又はマゼンタ用感光体ドラムに対応した設置部に設置される
請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−209553(P2011−209553A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77922(P2010−77922)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】