説明

画像形成装置

【課題】露光装置を複数の傾斜角度で取り付けても、露光装置の下方に無駄な空間が発生するのを抑制することができる画像形成装置を得る。
【解決手段】筐体122の一端側を先細りとし、先細りとなった一端側を低位置にして露光装置40を第1の傾斜角度と第2の傾斜角度でそれぞれ装置本体10A及び装置本体に取り付ける場合に、シャフト部材134及びシャフト部材146をどちらの傾斜角度で露光装置40を取り付けても最下端となる最下端部132に対して上方に設けることで、露光装置40の下方に無駄な空間が発生するのを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成装置では、各色のトナー画像が転写される中間転写ベルトが水平方向に対して傾斜して設けられている。さらに、この中間転写ベルトの下方には、中間転写ベルトに転写されるトナー画像が形成される各色の画像形成ユニットが中間転写ベルトに沿って傾斜するように並んで配置されている。
【0003】
さらに、傾斜するように配置された各色の画像形成ユニットの下方には、各画像形成ユニットに設けられた像保持体を露光する露光装置が傾斜して配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−202728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、露光装置を複数の傾斜角度で取り付けても、露光装置の下方に無駄な空間が発生するのを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、傾斜して並べられ、トナー画像を形成する複数個の画像形成部と、傾斜して配置され、複数個の前記画像形成部で形成されたトナー画像が転写される転写ベルトと、前記画像形成部の下方に配置され、前記画像形成部に設けられた像保持体に光を照射して前記像保持体の表面を露光する光学系を筐体の内部に備えると共に、前記転写ベルトの幅方向から見て前記筐体の一端側が先細りとされ、一端側が低位置となる複数の傾斜角度で取り付けられる露光装置と、前記筐体の一端側に設けられ、装置本体に取り付けられると共に、複数の前記傾斜角度のうちどの傾斜角度で前記露光装置を取り付けても前記筐体の最下端となる最下端部よりも上方にある一端側取付部と、前記筐体の他端側に設けられ、装置本体に取り付けられると共に、前記最下端部よりも上方にある他端側取付部と、装置本体に設けられ、前記筐体が複数の前記傾斜角度のうちの一の傾斜角度となるように、前記一端側取付部及び前記他端側取付部を装置本体に取り付ける取付具と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1記載において、先細りとされた前記筐体の一端側の上面の仮想延長面と、一端側の下面の仮想延長面との間に、前記一端側取付部が設けられることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載において、前記画像形成部に電力を直接又は間接的に供給する電源部が、前記露光装置に対して水平方向に並んで設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1の画像形成装置によれば、複数の傾斜角度で取り付けられる露光装置において、一端側取付部及び他端側取付部が筐体の最下端部より下方に設けられている場合と比して、露光装置を複数の傾斜角度で取り付けても、露光装置の下方に無駄な空間が発生するのを抑制することができる。
【0010】
本発明の請求項2の画像形成装置によれば、筐体の一端側の上面の仮想延長面と、一端側の下面の仮想延長面との間に、一端側取付部が設けられない場合と比して、露光装置の上方及び下方に無駄な空間が発生するのを抑制することができる。
【0011】
本発明の請求項3の画像形成装置によれば、電源部が露光装置に対して鉛直方向に重ねられるように設けられる構成と比して、電源部で発生した熱が露光装置に伝達するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の露光装置周辺を示した概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体を示した概略構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置を示した斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置を示した斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置が装置本体に固定された状態を示した斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置が装置本体に固定された状態を示した斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置が装置本体に固定された状態を示した斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置を装置本体に装着する方法を示した側面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置を装置本体に装着する方法を示した側面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置を装置本体に装着した状態を示した側面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置を装置本体に固定する固定方法を示した拡大斜視図である。
【図12】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置を装置本体に固定する固定方法を示した拡大斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体を示した概略構成図である。
【図14】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置が装置本体に固定された状態を示した斜視図である。
【図15】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置が装置本体に固定された状態を示した斜視図である。
【図16】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置が装置本体に固定された状態を示した斜視図である。
【図17】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置を装置本体に装着する方法を示した側面図である。
【図18】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置を装置本体に装着する方法を示した側面図である。
【図19】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された露光装置を装置本体に装着した状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を図1〜図19に従って説明する。
【0014】
(全体構成)
図2に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置10の装置本体10Aの上部には、複数枚の読取原稿Gを一枚ずつ自動で搬送する自動原稿搬送装置12と、一枚の読取原稿Gが載せられるプラテンガラス16と、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス16に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置14とが設けられている。
【0015】
この原稿読取装置14には、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス16に載せられた読取原稿Gに光を照射する光源18が設けられている。
【0016】
さらに、原稿読取装置14には、光源18によって照射されて読取原稿Gから反射された反射光をプラテンガラス16と平行な方向に反射させるフルレートミラー20と、フルレートミラー20によって反射した反射光を下方へ反射させるハーフレートミラー22と、ハーフレートミラー22によって反射した反射光をプラテンガラス16と平行な方向に反射させて折り返すハーフレートミラー24と、ハーフレートミラー24によって折り返された反射光が入射される結像レンズ26と、から構成される光学系が設けられている。
【0017】
また、原稿読取装置14には、結像レンズ26によって結像された反射光を電気信号に変換する光電変換素子28が設けられ、さらに、光電変換素子28によって変換された電気信号を画像処理する画像処理装置29が設けられている。
【0018】
そして、光源18、フルレートミラー20、ハーフレートミラー22及びハーフレートミラー24は、プラテンガラス16に沿って移動可能となっている。プラテンガラス16に載せられた読取原稿Gを読み取る場合には、光源18、フルレートミラー20、ハーフレートミラー22及びハーフレートミラー24を移動させながら、光源18がプラテンガラス16に載せられた読取原稿Gに光を照射し、読取原稿Gから反射された反射光が光電変換素子28へ結像するようになっている。
【0019】
また、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿Gを読み取る場合には、光源18、フルレートミラー20、ハーフレートミラー22及びハーフレートミラー24は、決められた位置に停止して、自動原稿搬送装置12によって搬送された読取原稿Gに光源18が光を照射し、読取原稿Gから反射された反射光が光電変換素子28へ結像するようになっている。
【0020】
一方、装置本体10Aの上下方向中央部には、互いに異なった色のトナー画像を形成すると共に、水平方向に対して傾斜した状態に並んで配置される画像形成部の一例としての複数個の画像形成ユニット30が設けられている。さらに、画像形成ユニット30の上側には、回転駆動する駆動ロール48、張力を付与する張力付与ロール54、従動回転する支持ロール50、第1のアイドラーロール56、第2のアイドラーロール58に巻き掛けられる転写ベルトの一例としての無端状の中間転写ベルト32が設けられている。そして、中間転写ベルト32が図中矢印A方向に循環駆動しながら各色の画像形成ユニット30で形成されたトナー画像が中間転写ベルト32に転写されるようになっている。
【0021】
詳細には、図1に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kがこの順で設けられている。そして、最初に中間転写ベルト32に転写されるイエロー(Y)のトナー画像が形成される画像形成ユニット30Yが最も高く位置に、最後に中間転写ベルト32に転写される黒(K)のトナー画像が形成される画像形成ユニット30Kが最も低く位置に設けられ、画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kは水平方向に対して決められた角度だけ斜めに傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並べられている。
【0022】
これらの4つの画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kは、基本的に、同様に構成されている。なお、以下の説明では、各色を区別する場合には符号に各色に対応する文字(Y、M、C、K)を付加し、特に区別しない場合には各色に対応する文字を省略する。
【0023】
各色の画像形成ユニット30には、図示しない駆動手段によって矢印D方向に回転する像保持体34が設けられ、さらに、この像保持体34の表面を一様に帯電する帯電用の帯電部材36が設けられている。
【0024】
また、画像形成ユニット30の下方には、帯電部材36によって表面が一様に帯電した像保持体34の表面に決められた色に対応した光を露光して静電潜像を形成させる露光装置40が複数個の画像形成ユニット30に沿うように傾斜して配置されている。さらに、帯電部材36に対して像保持体34の回転方向の下流側には、像保持体34の表面に形成された静電潜像を決められた色のトナーで現像して可視化させる現像部材の一例としての現像器42が設けられている。
【0025】
そして、露光装置40に対して水平方向に並んで、画像形成ユニット30等に電力を供給する電源部41が設けられている。なお、露光装置40については詳細を後述する。
【0026】
また、中間転写ベルト32を挟んで像保持体34の反対側には、像保持体34の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト32に転写するための一次転写部材46が設けられている。さらに、像保持体34から中間転写ベルト32に転写されずに像保持体34の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置44が、像保持体34の表面に接して、一次転写部材46に対して像保持体34の回転方向の下流側に設けられている。
【0027】
つまり、画像形成ユニット30は、像保持体34と、帯電部材36と、現像器42と、クリーニング装置44とを含んで構成されている。
【0028】
一方、中間転写ベルト32の上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器42に、決められた色のトナーを供給するトナーカートリッジ38Y、38M、38C、38Kが設けられている。そして、黒(K)色のトナーを収容したトナーカートリッジ38Kは、使用頻度が高いため、他のカラーのトナーカートリッジと比較して大きくされている。
【0029】
この構成により、画像処理装置29又は外部から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像データが露光装置40に順次出力される。さらに、露光装置40から画像データに応じて出射された光は、対応する像保持体34の表面を露光し、像保持体34の表面には静電潜像が形成される。像保持体34の表面に形成された静電潜像は、現像器42Y、42M、42C、42Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像として現像される。
【0030】
さらに、像保持体34の表面に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像は、各色の画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kの上方に傾斜して配置される中間転写ベルト32上に、一次転写部材46によって多重に転写される。
【0031】
一方、中間転写ベルト32の表面を清掃するクリーニング装置52が、中間転写ベルト32を挟んで駆動ロール48の反対側に設けられており、このクリーニング装置52は、装置本体10Aの前側(ユーザが立つ正面側)に設けられたフロントカバー(図示省略)を開放することで装置本体10Aに脱着自在とされている。
【0032】
また、中間転写ベルト32を挟んで支持ロール50の反対側には、中間転写ベルト32上に一次転写されたトナー画像を記録媒体としての記録シートPに二次転写するための二次転写部材60が配置されている。つまり、二次転写部材60と支持ロール50との間が記録シートPへトナー画像を転写する二次転写位置とされている。
【0033】
さらに、二次転写部材60の上方には、二次転写部材60によってトナー画像が転写されて搬送経路62に沿って搬送される記録シートPにトナー画像を定着させる定着装置64が設けられている。
【0034】
図2に示されるように、定着装置64に対して記録シートPの搬送方向の下流(以下単に「搬送方向下流」という)には、トナー画像が定着された記録シートPを搬送する搬送ロール66が設けられ、搬送ロール66の搬送方向下流には、記録シートPの搬送方向を切り替える切替ゲート68が設けられている。
【0035】
また、切替ゲート68の搬送方向下流には、一の方向に切り替えられた切替ゲート68によって案内される記録シートPを第一排出部69に排出させる第一排出ロール70が設けられている。
【0036】
さらに、切替ゲート68の搬送方向下流には、他の方向に切り替えられた切替ゲート68によって案内されて搬送ロール73により搬送される記録シートPを第二排出部72に排出させる第二排出ロール74と、記録シートPを第三排出部76に排出させる第三排出ロール78が設けられている。
【0037】
一方、装置本体10Aの下部であって、二次転写部材60に対して記録シートPの搬送方向の上流側(以下単に「搬送方向上流側」という)には、記録シートPが収容される給紙部80、82、84、86が設けられ、各給紙部80、82、84、86には、サイズの異なる記録シートPが収容されている。
【0038】
さらに、各給紙部80、82、84、86には、収容された記録シートPを各給紙部80、82、84、86から搬送経路62に持ち出す給紙ロール88が設けられ、給紙ロール88の搬送方向の下流には、記録シートPを一枚ずつ搬送する搬送ロール90及び搬送ロール92が設けられている。
【0039】
また、搬送ロール92に対して搬送方向下流には、記録シートPを一端停止させ、決められたタイミングで二次転写位置へ送り出す位置合わせロール94が設けられている。
【0040】
一方、記録シートPの両面に画像を形成させるために、記録シートPを反転させて搬送する両面用搬送ユニット98が二次転写位置の側方に設けられている。そして、両面用搬送ユニット98には、搬送ロール73を逆転させることで搬送される記録シートPが送り込まれる反転経路100が設けられている。さらに、反転経路100に沿って複数個の搬送ロール102が設けられ、これらの搬送ロール102によって搬送される記録シートPは表裏が反転された状態で、位置合わせロール94に再度搬送される構成となっている。
【0041】
また、両面用搬送ユニット98の隣りには、折り畳み式の手差給紙部106が設けられている。そして、開放された折り畳み式の手差給紙部106から給紙される記録シートPを搬送する給紙ロール108及び搬送ロール110、112が設けられており、搬送ロール110、112で搬送された記録シートPは、位置合わせロール94に搬送されるようになっている。
【0042】
(要部構成)
次ぎに、露光装置40について説明する。
【0043】
図1に示されるように、露光装置40の筐体122の内部には、各色の像保持体34に光を照射して像保持体34の表面を露光する光学系120が設けられている。
【0044】
そして、光学系120には、光を出射する光源(図示省略)と、この光源により出射された光を反射偏向する回転多面鏡であるポリゴンミラー124と、ポリゴンミラー124よって反射された光を透過させるレンズ126と、レンズ126を透過した光を反射させて各像保持体34の表面を露光させるミラー128とが設けられている。
【0045】
また、露光装置40の筐体122の一端側(図1に示す右側)は、先細りとなっており、この一端側が低位置となることで露光装置40が水平方向に対して傾斜するように配置されている。本実施例では、一例として、筐体122の内部に収容されるポリゴンミラー124等を他端側(図1に示す左側)に配置することで一端側が先細りとされるようになっている。
【0046】
このように、低位置側となる筐体122の一端側を先細りとすることで、露光装置40を傾斜させて配置しても露光装置40の下側に生じる無駄な三角空間138が少なくなるようになっている。
【0047】
さらに、筐体122の下面は、一端側に設けられた第1の下面144Aと、他端側に設けられた第2の下面144Bと、第1の下面144Aと第2の下面144Bの間に設けられた第3の下面144Cとから構成されている。
【0048】
ここで、本実施形態の露光装置40は、前述した装置本体10Aに取り付けられる場合の第1の傾斜角度(図1参照)と、装置本体200Aに取り付けられる場合の第2の傾斜角度(図13参照)とで、それぞれ装置本体10Aと装置本体200Aに取り付けられるようになっている。
【0049】
そして、図1で示されるように、第1の傾斜角度で露光装置40が装置本体10Aに取り付けられる場合は、第3の下面144Cが装置本体10Aの底板11(図11参照)と平行になり、図13で示されるように、第2の傾斜角度で露光装置40が装置本体200Aに取り付けられる場合は、第1の下面144Aが装置本体200Aの底板201と平行となるようになっている。
【0050】
さらに、図1、図13に示されるように、筐体122は、第1の傾斜角度及び第2の傾斜角度で筐体122を装置本体10A、200Aに取り付けても筐体122の最下端となる最下端部132を有する。本実施形態では、最下端部132は、第1の下面144Aと第3の下面144Cとの間に位置する。
【0051】
また、図4に示されるように、第1の下面144Aと第3の下面144Cの凹んだ部分から、先細りとなる筐体122の一端側を補強するように、板状の補強部材130が突出して設けられており、この補強部材130の突出端130Aは、第1の下面144A及び第3の下面144Cを形成している。
【0052】
図1に示されるように、第1の傾斜角度で取り付けられた筐体122の一端側には、この最下端部132よりも上方に配置され、筐体122を装置本体10Aに取り付ける一端側取付部の一例としての円柱状のシャフト部材134が設けられている。また、このシャフト部材134は、装置本体10Aの奥行方向(図1に示す紙面垂直方向)に延び、シャフト部材134の両端は、奥行方向において筐体122から外側に突出するように設けられている。
【0053】
そして、このシャフト部材134は、筐体122の上面127の仮想延長面140と、第1の下面144Aの仮想延長面142との間に配置され、筐体122の一端側に設けられる2個のブラケット部材136(図3、図4参照)によって筐体122に固定されている。
【0054】
また、図1に示されるように、露光装置40の筐体122の他端側(図1に示す左側)であって、筐体122の下面144Bの凹部145には、前述した最下端部132よりも上方に配置され、筐体122を装置本体10Aに取り付ける他端側取付部の一例としての円柱状のシャフト部材146が奥行方向に延びて設けられている。
【0055】
そして、図4に示されるように、シャフト部材146は、筐体122の凹部145に設けられた2個のブラケット部材148によって筐体122に固定され、シャフト部材146の両端は、奥行方向において筐体122から外側に突出するように設けられている。
【0056】
なお、シャフト部材134及びシャフト部材146は、一端側取付部及び他端側取付部の一例であり、この実施形態では、装置本体に対して取り付けられる円柱状のシャフトである。つまり、装置本体に取り付けられればシャフトに限定されるものではなく、例えば、装置本体に取り付けられるブラケット等の部材であってもよい。
【0057】
そして、図5、図6、図7に示されるように、筐体122の一端側に固定されたシャフト部材134の両端側は、装置本体10Aに設けられた2個の取付具150によって装置本体10A(図2参照)に取り付けられている。
【0058】
詳細には、図10、図11に示されるように、取付具150は、シャフト部材134を支持する支持部材152と、この支持部材152に固定されると共に支持部材152に支持されたシャフト部材134を上方から支持部材152に向けて押し付ける押付部材154とを備えている。そして、この押付部材154は、筐体122側が開放されており、さらに、シャフト部材134を直に支持部材152に向けて押し付けるバネ鋼で成形された押付部154Aと、この押付部154Aを保持する保持部154Bとを備えている。
【0059】
これに対し、図5、図6、図7に示されるように、筐体122の他端側に固定されたシャフト部材146の両端側は、装置本体10A(図2参照)に設けられた2個の取付具160によって装置本体10Aに取り付けられている。
【0060】
詳細には、図10、図12に示されるように、取付具160は、シャフト部材146を支持するU溝162Aが形成された支持部材162と、この支持部材162にボルト166で固定されると共に支持部材162に支持されたシャフト部材146を上方から支持部材162に向けて押し付ける押付部材164とを備えている。
【0061】
そして、この押付部材164は、シャフト部材146を直に支持部材162に向けて押し付けるバネ鋼で成形された押付部164Aと、この押付部164Aを保持する保持部164Bとを備えている。
【0062】
このように、シャフト部材134及びシャフト部材146をそれぞれ取付具150及び取付具160に取り付けることで露光装置40が装置本体10Aに取り付けられるようになっている。
【0063】
次ぎに、この露光装置40を装置本体10Aに装着する方法について説明する。
【0064】
図1、図8に示されるように、露光装置40は、装置本体10Aの電源部41側の側壁に設けられた図示せぬカバーを開放することで、側方から装置本体10Aに装着するようになっている。
【0065】
詳細には、露光装置40の一端側から装置本体10Aに挿入するようになっている。つまり、図8に示されるように、筐体122の一端側に固定されたシャフト部材134を支持部材152と押付部材154との間に差し込むように、側方から露光装置40を装置本体10A内に挿入する。
【0066】
さらに、図9に示されるように、シャフト部材134を支持部材152と押付部材154の間に差し込んだ後に、筐体122の他端側に固定されたシャフト部材146を支持部材162のU溝162Aに挿入する。また、図10に示されるように、U溝162Aにシャフト部材146を挿入後、押付部材164を支持部材162にボルト166にて固定する。これにより、第1の傾斜角度で露光装置40が装置本体10Aに取り付けられる。
【0067】
なお、露光装置40を装置本体10Aから取り外す場合は、装着の場合と逆の作業を行えばよい。
【0068】
ここで、この露光装置40が第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度で取り付けられる画像形成装置200について説明する。
【0069】
図13には、第1の傾斜角度に対して大きな傾斜角度である第2の傾斜角度で取り付けられた露光装置40を備えた画像形成装置200が示されている。
【0070】
画像形成装置200の装置本体200Aに第2の傾斜角度で固定された露光装置40の上方には、画像形成部の一例としての各色の画像形成ユニット208Y、M、C、Kが傾斜してこの順で並んで設けられている。なお、以下の説明では、各色を区別する場合には符号に各色に対応する文字(Y、M、C、K)を付加し、特に区別しない場合には各色に対応する文字を省略する。
【0071】
そして、各色の画像形成ユニット208には、露光装置40から出射される光で表面が露光されて潜像が形成される像保持体204と、潜像が形成される前の像保持体204の表面を一様に帯電する帯電部材202と、像保持体204の表面に形成された潜像をトナー画像で可視化する現像器206とが設けられている。
【0072】
さらに、画像形成ユニット208の像保持体204の上側には、各色の像保持体204と接する転写ベルトの一例としての中間転写ベルト210が複数個の支持ロール218に巻き掛けられて設けられている。
【0073】
また、中間転写ベルト210を挟んで像保持体204の反対側には、像保持体204の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト210に転写するための一次転写部材205が設けられている。
【0074】
また、露光装置40の下方には、記録シートPが収容された給紙部212が設けられ、さらに、給紙部212に収納された記録シートPを搬送経路203に沿って搬送する複数個の搬送ローラ214が設けられている。
【0075】
そして、搬送経路203上には、中間転写ベルト210を一端部(紙面右端部)に設けられた支持ロール218との間で挟むように、中間転写ベルト210に一次転写されたトナー画像を記録シートPに転写するための二次転写部材216が設けられている。
【0076】
また、二次転写部材216に対して記録シートPの搬送方向の下流側には、記録シートPに転写されたトナー画像を記録シートPに定着させる定着装置220、及びトナー画像が定着された記録シートPを外部へ排出する排出ロール222が設けられている。
【0077】
一方、露光装置40に対して水平方向に並んで、画像形成ユニット208等に電力を供給する電源部228が設けられている。
【0078】
次ぎに、露光装置40がどのように装置本体200Aに取り付けられているかを説明する。
【0079】
図14、図15、図16に示されるように、筐体122の一端側に固定されたシャフト部材134の両端側は、装置本体200A(図13参照)に設けられた2個の取付具230によって装置本体200Aに取り付けられている。さらに、筐体122の他端側に固定されたシャフト部材146の両端側は、装置本体200Aに設けられた2個の取付具240によって装置本体200Aに取り付けられている。
【0080】
そして、図13、図19に示されるように、取付具230、240によって第2の傾斜角度で画像形成装置200に取り付けられた露光装置40のシャフト部材134及びシャフト部材146は、筐体122の最下端部132よりも上方に配置されている。
【0081】
詳細には、図15、図19に示されるように、取付具230は、シャフト部材134を支持する支持部材232と、この支持部材232にボルト238によって脱着自在に固定されると共に支持部材232に支持されたシャフト部材134を上方から支持部材232に向けて押し付ける押付部材234とを備えている。
【0082】
さらに、この押付部材234は、シャフト部材134を直に支持部材232に向けて押し付けるバネ鋼で成形された押付部234Aと、この押付部234Aを保持する保持部234Bとを備えている。
【0083】
これに対し、図16、図19に示されるように、取付具240は、シャフト部材146を支持するU溝242Aが形成された支持部材242と、この支持部材242にボルト246によって脱着自在に固定されると共に支持部材242に支持されたシャフト部材146を上方から支持部材242に向けて押し付ける押付部材244とを備えている。
【0084】
また、この押付部材244は、シャフト部材146を直に支持部材242に向けて押し付けるバネ鋼で成形された押付部244Aと、この押付部244Aを保持する保持部244Bとを備えている。
【0085】
次ぎに、この露光装置40を装置本体200Aに装着する方法について説明する。
【0086】
図13、図17、図18に示されるように、露光装置40は、装置本体200Aの上部に設けられた図示せぬカバーを開放することで、上方から装置本体200Aに装着される。
【0087】
詳細には、露光装置40を上方から装置本体200Aに挿入し、シャフト部材134を支持部材232に載せ、シャフト部材146を支持部材242に形成されたU溝242Aに挿入する。
【0088】
さらに、図19に示されるように、押付部材234をボルト238によって支持部材232に固定し、シャフト部材134を支持部材232に押し付ける。さらに、押付部材244をボルト246で支持部材242に固定し、シャフト部材146を支持部材242に押し付ける。これにより、第2の傾斜角度で露光装置40が装置本体200Aに取り付けられる。
【0089】
なお、露光装置40を装置本体200Aから取り外す場合は、装着の場合と逆の作業を行えばよい。
(作用)
図1、図13に示されるように、筐体122の一端側を先細りとし、その先細りとされた一端側を低位置にして露光装置40を第1の傾斜角度と第2の傾斜角度でそれぞれ装置本体10A及び装置本体200Aに取り付ける場合に、シャフト部材134及びシャフト部材146をどちらの傾斜角度で露光装置40を取り付けても最下端となる最下端部132に対して上方に設けることで、露光装置40の下方に無駄な空間が発生するのが抑制される。
【0090】
また、筐体122の上面の仮想延長面140と、筐体122の一端側の下面144Aの仮想延長面142との間にシャフト部材134を設けることで、露光装置40の上方及び下方に無駄な空間が発生するのが抑制される。
【0091】
また、電源部41及び電源部228を露光装置40に対して水平方向に並べて配置することで、電源部が露光装置に対して鉛直方向に重ねられる場合と比して、電源部41、228で発生した熱が露光装置40に伝達されるのが抑制させる。
【0092】
また、電源部41及び電源部228を露光装置40に対して水平方向に並べて配置することで、電源部が露光装置に対して鉛直方向に重ねられる場合と比して、装置本体10A、200Aの高さが高くなるのが抑制される。
【0093】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、露光装置40が第1の傾斜角度と第2の傾斜角度でそれぞれ装置本体10A及び200Aに取り付けられる構成について説明したが、第1の傾斜角度及び第2の傾斜角度に限定されることなく、シャフト部材134及びシャフト部材146が最下端部132に対して上方に配置されるように露光装置40を傾斜させて装置本体に取り付ければ、他の傾斜角度で露光装置40を取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0094】
10 画像形成装置
10A 装置本体
30 画像形成ユニット(画像形成部の一例)
32 中間転写ベルト(転写ベルトの一例)
34 像保持体
40 露光装置
41 電源部
120 光学系
122 筐体
132 最下端部
134 シャフト部材(一端側取付部の一例)
140 仮想延長面
142 仮想延長面
146 シャフト部材(他端側取付部の一例)
150 取付具
160 取付具
200 画像形成装置
200A 装置本体
204 像保持体
208 画像形成ユニット(画像形成部の一例)
210 中間転写ベルト(転写ベルトの一例)
228 電源部
230 取付具
240 取付具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜して並べられ、トナー画像を形成する複数個の画像形成部と、
傾斜して配置され、複数個の前記画像形成部で形成されたトナー画像が転写される転写ベルトと、
前記画像形成部の下方に配置され、前記画像形成部に設けられた像保持体に光を照射して前記像保持体の表面を露光する光学系を筐体の内部に備えると共に、前記転写ベルトの幅方向から見て前記筐体の一端側が先細りとされ、一端側が低位置となる複数の傾斜角度で取り付けられる露光装置と、
前記筐体の一端側に設けられ、装置本体に取り付けられると共に、複数の前記傾斜角度のうちどの傾斜角度で前記露光装置を取り付けても前記筐体の最下端となる最下端部よりも上方にある一端側取付部と、
前記筐体の他端側に設けられ、装置本体に取り付けられると共に、前記最下端部よりも上方にある他端側取付部と、
装置本体に設けられ、前記筐体が複数の前記傾斜角度のうちの一の傾斜角度となるように、前記一端側取付部及び前記他端側取付部を装置本体に取り付ける取付具と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
先細りとされた前記筐体の一端側の上面の仮想延長面と、一端側の下面の仮想延長面との間に、前記一端側取付部が設けられる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成部に電力を直接又は間接的に供給する電源部が、前記露光装置に対して水平方向に並んで設けられる請求項1又は2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−22251(P2011−22251A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165547(P2009−165547)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】