説明

画像形成装置

【課題】複数の浄化手段を備えた画像形成装置において、それら浄化手段のメンテナンスにおける作業効率を向上できるようにする。
【解決手段】画像形成装置の内部の空気を浄化する内部用浄化装置201と、画像形成装置の外部の空気を浄化する外部用浄化装置202とを備え、これら内部用浄化装置201と外部用浄化装置202とが水平方向に並べて配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気の浄化装置を備え、画像形成を行う複写機、プリンタおよびファクシミリ装置等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンタ、ファクシミリ装置等、電子写真方式による画像形成機能を備えた画像形成装置が多用されている。例えば、プリンタとしての画像形成装置では、記録用紙に画像を印刷する。具体的には、感光体ドラム表面に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーにより現像して感光体ドラム表面にトナー像を形成し、このトナー像を感光体ドラムから記録用紙に転写し、この記録用紙上のトナー像を加熱および加圧して記録用紙上に定着させる。
【0003】
このような画像形成装置においては、記録用紙に対する画像形成動作中に排出ガスを生じることがある。この排出ガスは、異臭を生じるものであり、記録用紙から発生するロンギフォレンあるいはトナー臭を放つガスを含んでいる。このため、画像形成装置の利用者に不快感を与えるものとなっている。
【0004】
一方、画像形成装置は、ほとんどのオフィスに設置されているように、事務処理において必要不可欠なOA機器であり、家庭や病院にも普及している。したがって、画像形成装置を使用する環境においては、上記排出ガスに起因する異臭を低減することが求められている。
【0005】
このような要求に対して、従来、画像形成装置からの排出ガスの浄化を図るべく、各種の提案がなされている。例えば、特許文献1に記載の構成では、送風ファン、マイナスイオン発生部およびプラスに帯電されたフィルター等をダクト内に収容し、これらを画像形成装置の内部に設けている。このような画像形成装置では、装置外部の空気をダクトの吸入口から取り入れ、取り入れた空気は、マイナスイオン発生部およびプラスに帯電されたフィルター等にて有害物質を低減した後に、装置外部に排出するようになっている。
【0006】
一方、特許文献2および特許文献3には、画像形成装置内で発生するガスを画像形成装置の外部に出さずに、内部で循環して浄化する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−4144号公報(平成17年1月6日公開)
【特許文献2】特開2002−91270号公報(平成14年3月27日公開)
【特許文献2】特開平9−80994号公報(平成9年3月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1〜3に記載された画像形成装置は、画像形成装置の内部の空気を浄化する内部用の浄化装置と画像形成装置の外部の空気を浄化する外部用の浄化装置とのうち、いずれか一方の浄化装置しか備えていない。このため、上記の両浄化装置を画像形成装置に備えた場合において、両浄化装置のメンテナンスの作業効率を良好にする上での両者の好適な位置関係については考慮されていない。
【0009】
例えば、画像形成装置に配置される浄化装置では、フィルター交換、放電針の清掃等のメンテナンスが必要である。この場合、外部用の浄化装置と内部用の浄化装置との位置関係によっては、両浄化装置のメンテナンス時に作業者があちこちと移動せざるを得ず、作業効率が低下するという問題点が生じる。
【0010】
したがって、本発明は、複数の浄化手段を備えた画像形成装置において、それら浄化手段のメンテナンスにおける作業効率を向上することができる画像形成装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、画像形成装置の内部の空気を浄化する第1の浄化手段と、画像形成装置の外部の空気を浄化する第2の浄化手段とを備え、これら第1の浄化手段と第2の浄化手段とが水平方向に並べて配置されていることを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、第1の浄化手段と第2の浄化手段とが水平方向に並べて配置されているので、例えばフィルタの交換など、両浄化手段のメンテナンスを行う場合に、作業者は、画像形成装置の回りをあちこち移動することなく、一定位置にてメンテナンスを行うことができる。これにより、両浄化手段のメンテナンスの作業効率を向上することができる。
【0013】
上記の画像形成装置において、前記第1の浄化手段および前記第2の浄化手段は画像形成装置の背面に配置されている構成としてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、第1の浄化手段および第2の浄化手段が画像形成装置の背面に配置されているので、両浄化手段のメンテナンスを行う場合に、作業者は、画像形成装置の背面に対峙する一定位置にてメンテナンスを行うことができる。これにより、両浄化手段のメンテナンスの作業効率を向上することができる。
【0015】
上記の画像形成装置において、前記第1の浄化手段と前記第2の浄化手段とは、少なくとも一つの部品を共用している構成としてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、第1の浄化手段と第2の浄化手段とが少なくとも一つの部品を共用しているので、部品点数が減少し、これによるコストダウンと小型化が可能である。
【0017】
上記の画像形成装置において、前記第1の浄化手段は、一端部の吸入口と他端部の給気口とが機内の空間と連通するように設けられている第1ダクトと、この第1ダクト内に設けられ、前記機内の空気を前記吸入口から前記第1ダクト内に吸引する第1ファンとを備え、前記第2の浄化手段は、一端部の吸入口と他端部の給気口とが機外の空間と連通するように設けられている第2ダクトと、この第2ダクト内に設けられ、前記機外の空気を前記吸入口から前記第2ダクト内に吸引する第2ファンとを備え、前記第1ファンと前記第2ファンとは、回転軸が同一の軸線上に存在するように配置され、前記第1ファンと前記第2ファンとは、これら両者間に配置された1個のモータにより駆動される構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、第1の浄化手段と第2の浄化手段とで、それぞれのファンを駆動するモータを共用しているので、部品点数が減少し、これによるコストダウンと小型化が可能である。
【0019】
上記の画像形成装置は、胴体部に空間部が形成され、その空間部に印刷後に排出された用紙を収容する用紙排出トレイが形成されており、前記第1の浄化手段および前記第2の浄化手段は、前記空間部に相当する位置の画像形成装置の背面に配置されている構成としてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、画像形成装置は、胴体部に空間部が形成され、その空間部に印刷後に排出された用紙を収容する用紙排出トレイが形成されている、いわゆる胴内排出型である。このような画像形成装置において、第1の浄化手段および第2の浄化手段を前記空間部に相当する位置の画像形成装置の背面に配置することは、装置のレイアウト上において有効である。すなわち、上記胴内排出型では、上記空間部の背面位置に各種駆動装置等の部品が存在せず、両浄化手段の配置スペースに制限を受け難く、配置が容易である。また両浄化手段を配置することによる画像形成装置の大型化を抑制可能である。
【0021】
上記の画像形成装置は、用紙上にトナー像を形成し、かつこのトナー像を用紙に定着させる画像形成部、およびこの画像形成部の周囲の空気を前記第1の浄化手段に送り込むための吸引用ダクトを内部に備え、前記第1の浄化手段は前記第2の浄化手段よりも前記画像形成部に近い側に配置されている構成としてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、画像形成装置の内部の空気を浄化する第1の浄化手段は画像形成装置の外部の空気を浄化する第2の浄化手段よりも画像形成部に近い側に配置されているので、画像形成部の周囲の空気を第1の浄化手段に送り込むための吸引用ダクトの配置が容易となり、かつ吸引用ダクトの長さを短くすることができる。
【0023】
上記の画像形成装置において、前記第1ダクトは、画像形成装置の筐体から水平方向に突出する水平方向突出部と、この水平方向突出部の端部から垂直上方に延びる上方延伸部と、この上方延伸部の端部から垂直下方に屈曲している屈曲部と、この屈曲部の端部から前記上方延伸部に沿って垂直下方に延びる下方延伸部と、前記下方延伸部の端部から前記水平方向突出部に沿って前記筐体の方向に延び、前記筐体に達する前方延伸部とを前記吸入口から前記給気口の方向に向かってこの順序に備え、前記水平方向突出部に前記第1ファンが設けられ、前記上方延伸部の外面にイオン発生素子が設けられ、このイオン発生素子の配置位置における前記上方延伸部に、イオン発生素子が発生したイオンを前記第1ダクト内に放出するための開口部が形成されている構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、第1ファンの作用により、第1ダクト内には一端部の吸入口から他端部の給気口に向かう空気流が発生する。この空気流により、イオン発生素子が発生したイオンは、上方延伸部から屈曲部を経て下方延伸部に運ばれる。この場合、空気流の方向は屈曲部において180度変更されるので、屈曲部ではイオンと空気流との混合が促進される。したがって、屈曲部においてイオンによる空気の浄化を促進することができる。
【0025】
上記の画像形成装置において、前記第1ダクトは、画像形成装置の筐体から水平方向に突出する水平方向突出部と、この水平方向突出部の端部から垂直上方に延びる上方延伸部と、この上方延伸部の端部から垂直下方に屈曲している屈曲部と、この屈曲部の端部から前記上方延伸部に沿って垂直下方に延びる下方延伸部と、前記下方延伸部の端部から前記水平方向突出部に沿って前記筐体の方向に延び、前記筐体に達する前方延伸部とを前記吸入口から前記給気口の方向に向かってこの順序に備え、前記水平方向突出部に前記第1ファンが設けられ、前記第2ダクトは、画像形成装置の筐体の外面に対して機内に埋没した状態に設けられ、垂直上方に延びている第1上方延伸部と、この第1上方延伸部の端部と前記筐体に形成された連通口を通じて連通し、前記第1上方延伸部の端部から水平方向に突出している水平方向突出部と、前記水平方向突出部の端部から垂直上方に延びている第2上方延伸部とを前記吸入口から前記給気口の方向に向かってこの順序に備え、前記水平方向突出部に前記第2ファンが設けられている構成としてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、第1ダクトにおいて、第1ファンは画像形成装置の筐体から水平方向に突出する水平方向突出部に設けられ、第2ダクトにおいて、第2ファンは、第1上方延伸部の端部と筐体に形成された連通口を通じて連通して第1上方延伸部の端部から水平方向に突出している水平方向突出部に設けられている。したがって、第1ファンと第2ファンとを回転軸が同一の軸線上に存在するように配置する設定、およびこれら両ファンをこれら両ファン間に配置された1個のモータにより駆動する設定を容易に行うことができる。この場合、第2ダクトでは、上記水平方向突出部と接続されている第1上方延伸部が、画像形成装置の筐体の外面に対して機内に埋没した状態に設けられているので、吸入口から外気を取り込むための第1上方延伸部を適切に配置可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の構成によれば、第1の浄化手段と第2の浄化手段とが水平方向に並べて配置されているので、例えばフィルタの交換など、両浄化手段のメンテナンスを行う場合に、作業者は、画像形成装置の回りをあちこち移動することなく、一定位置にてメンテナンスを行うことができる。これにより、両浄化手段のメンテナンスの作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態の画像形成装置の構成を示す概略の縦断面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置が備える内部用浄化装置と外部用浄化装置との配置状態を示す画像形成装置の上部の背面図である。
【図3】図3(a)は図2に示した内部用浄化装置および外部用浄化装置のダクトを除去して示す正面図(図3(b)におけるC−C線矢視断面図および図3(c)におけるD−D線矢視断面図)、図3(b)は図3(a)におけるA−A線矢視断面図、図3(c)は図3(a)におけるB−B線矢視断面図である。
【図4】図2に示した内部用浄化装置と外部用浄化装置との配置状態を示す画像形成装置の背面側から見た斜視図である。
【図5】図4に示した画像形成装置おける内部用浄化装置と外部用浄化装置との配置部分の拡大図である。
【図6】図1に示した画像形成装置内部に設けられている各ダクトの配置状態を画像形成装置背面から見て示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態の画像形成装置を図面に基づいて以下に説明する。
本実施の形態の画像形成装置は、記録用紙に対する画像形成機能、すなわち印刷機能をする。また、画像形成装置の内部の空気を浄化する内部用の浄化装置と画像形成装置の外部の空気を浄化する外部用の浄化装置とを備えている。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態の画像形成装置100の構成を示す概略の縦断面図である。この画像形成装置100は、原稿読取部102により読取られた原稿の画像または外部装置から受信した画像をカラーもしくは単色で記録用紙に印刷する。
【0031】
図1に示すように、画像形成装置100は、上部から下部に向かって、原稿搬送部101、原稿読取部102、画像形成部103および給紙部104を備えている。
【0032】
原稿搬送部101は、原稿セットトレイ41にセットされた原稿を原稿読取部102の原稿読取位置に搬送する。この場合、原稿セットトレイ41にセットされた原稿は、原稿ピックアップローラ44の回転により原稿セットトレイ41から引き出される。次に、原稿は、サバキローラ45と分離パッド46との間を通過して1枚ずつに分離されてから搬送経路47へと搬送される。この搬送経路47では、原稿の先端が原稿レジストローラ49に当接して原稿レジストローラ49と平行に揃えられる。次に、原稿は、原稿レジストローラ49により搬送されて読取ガイド51と読取ガラス52との間(原稿読取位置)を通過する。その後、原稿は、搬送ローラ57により搬送され、排紙ローラ58により排紙トレイ59に排出される。
【0033】
原稿読取部102は、原稿搬送部101により搬送される原稿の画像を読み取る。この読取動作では、原稿が読取ガイド51と読取ガラス52との間を通過する際に、第1走査部53の光源の光が読取りガラス52を介して原稿表面に照射される。原稿からの反射光は、読取ガラス52を介して第1走査部53に入射し、第1走査部53および第2走査部54のミラーにて反射され、結像レンズ55へと導かれる。さらに、結像レンズ55によってCCD(Charge Coupled Device)56上に結像される。これにより、CCD56は、原稿の画像を読取り、原稿の画像を示す画像データを出力する。
【0034】
また、原稿読取部102では原稿台ガラス61上に載置された原稿を読取ることができる。原稿搬送部101は、原稿読取部102の後面側で開閉可能に支持されている。原稿搬送部101を上方に回転させ、原稿台ガラス61を開放すると、原稿台ガラス61上に原稿を載置することができる。原稿搬送部101は、原稿台ガラス61上に原稿が載置された後に閉じられる。原稿の画像を読み取る際には、第1走査部53および第2走査部54が副走査方向に移動しつつ、第1走査部53の光源の光りが原稿台ガラス61上の原稿表面に照射される。原稿からの反射光は、第1走査部53および第2走査部54によって結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によってCCD56上に結像される。このとき、第1走査部53と第2走査部54とが相互に所定の速度関係を維持しつつ移動する。したがって、反射光における、原稿表面から第1走査部53までの光路長と、第2走査部54から結像レンズ55を経由したCCD56までの光路長との関係が変化しないように、第1走査部53および第2走査部54の位置関係が常に維持され、これによりCCD56上での原稿の画像のピントが常に正確に維持される。
【0035】
こうして読取られた原稿の画像は、画像データとして画像形成装置100のレーザ露光装置1へ入力され、画像形成部103において上記画像データに応じた画像が記録用紙に印刷される。
【0036】
画像形成部103は、レーザ露光装置1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナ装置4、中間転写ベルト装置8、定着装置12、用紙搬送経路S、および用紙排出トレイ15を備えている。
【0037】
画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、または単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。したがって、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5およびクリーナ装置4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0038】
感光体ドラム3は、静電潜像が形成され、またこの静電潜像を現像して得られるトナー像を担持し、像像担持体として機能する。
【0039】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられる。
【0040】
レーザ露光装置1は、レーザダイオードおよび反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された感光体ドラム3表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに対応する静電潜像を形成する。
【0041】
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を(K、C、M、Y)のトナーにより現像する。クリーナ装置4は、感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写後に、感光体ドラム3表面に残留したトナーを除去および回収する。
【0042】
中間転写ベルト装置8は、感光体ドラム3の上方に配置され、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ21、従動ローラ22、中間転写ローラ6、および中間転写ベルトクリーニング装置9を備えている。
【0043】
中間転写ベルト7は、中間転写ベルト駆動ローラ21、中間転写ローラ6および従動ローラ22に架設され、これらローラに支持されて矢印C方向に周回移動する。転写ベルトは、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられ、各感光体ドラム3表面のトナー像が順次重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト7上には、カラーのトナー像(各色のトナー像)が形成される。
【0044】
中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7近傍に回転可能に支持され、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に圧接されている。中間転写ローラ6には、感光体ドラム3上のトナー像を中間転写ベルト7に転写するための転写バイアスが印加されている。中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、記録用紙に対して均一に高電圧を印加することができる。
【0045】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7裏面に圧接されている中間転写ローラ6によって行われる。したがって、中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0046】
上述のように、中間転写ベルト装置8では、各感光体ドラム3表面のトナー像が中間転写ベルト7に積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。この積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト7の移動に伴って2次転写装置11の位置に搬送され、中間転写ベルト7と接触する2次転写装置11の転写ローラ11aによって記録用紙上に転写される。
【0047】
中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11aとは相互に圧接されて、ニップ域を形成する。また、2次転写装置11の転写ローラ11aには、中間転写ベルト7上の各色のトナー像を記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、2次転写装置11の転写ローラ11aもしくは中間転写ベルト駆動ローラ21の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0048】
また、2次転写装置11によって中間転写ベルト7上のトナー像が記録用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト7上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置9によって残留トナーを除去および回収する。中間転写ベルトクリーニング装置9には、例えばクリーニング部材として、中間転写ベルト7に接触して残留トナーを除去するクリーニングブレードが設けられており、クリーニングブレードが接触する部位で、従動ローラ22により中間転写ベルト7裏側が支持されている。
【0049】
給紙部104は給紙トレイ10を備えている。給紙トレイ10は画像形成装置100の下部に設けられている。給紙トレイ10は、記録用紙を格納しており、その記録紙を画像形成部103に供給する。
【0050】
給紙トレイ10から供給された記録用紙は、Sの字形状の用紙搬送経路Sにより、画像形成部103の2次転写装置11や定着装置12を経由させて用紙排出トレイ15に送られる。この用紙搬送経路Sに沿って、用紙ピックアップローラ16、用紙レジストローラ14、定着装置12、および記録用紙を搬送する搬送ローラ等が配置されている。
【0051】
用紙ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の端部に設けられ、給紙トレイ10から記録用紙を1枚ずつ用紙搬送経路Sに供給する呼び込みローラである。搬送ローラは、記録用紙の搬送を促進補助するための小型のローラであり、複数個設けられている。
【0052】
用紙レジストローラ14は、給紙トレイ10から搬送されて来た記録用紙を一旦停止させる。用紙レジストローラ14では、記録用紙の先端を揃える。また、中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11a間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、感光体ドラム3および中間転写ベルト7の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
【0053】
例えば、用紙レジストローラ14は、図示しないレジスト前検知スイッチの検出出力に基づき、中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11a間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラーのトナー像の先端が記録用紙の画像形成領域の先端に合うように、記録用紙を搬送する。
【0054】
定着装置12は、加熱ローラ31および加圧ローラ32等を備えている。加熱ローラ31および加圧ローラ32は、中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11a間のニップ域を通過して来た記録用紙を挟み込んで搬送する。
【0055】
加熱ローラ31は、図示しない温度検出器の検出出力に基づき、所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ32とともに記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる機能を有している。各色のトナー像の定着後の記録用紙は、搬送ローラによって用紙排出トレイ15上にフェイスダウンで排出される。
【0056】
上記のように、本実施の形態の画像形成装置100は、装置の胴体部に空間部を形成し、その空間部に用紙排出トレイ15を形成した、いわゆる胴内排出型となっている。
【0057】
上記構成の画像形成装置100は、図2に示すように、内部用浄化装置(第1の浄化手段)201と外部用浄化装置(第1の浄化手段)202とを備えている。図2は、内部用浄化装置201と外部用浄化装置202との配置状態を示す、図1に示した画像形成装置100の上部の背面図である。
【0058】
内部用浄化装置201と外部用浄化装置202とは、イオンを発生してそのイオンにより空気を浄化するイオン発生素子を備えたものである。本実施の形態において、これら内部用浄化装置201と外部用浄化装置202とは、画像形成装置100の背面の上部に設けられ、この背面において、水平方向に隣接した状態に並べて配置されている。なお、画像形成装置100において、上記背面は、操作パネル75(図1参照)が設けられている側の面(前面)とは反対側の面である。
【0059】
内部用浄化装置201と外部用浄化装置202との配置状態をさらに明確に示すと、図4および図5のようになる。図4は、内部用浄化装置201と外部用浄化装置202との配置状態を示す画像形成装置100の背面側から見た斜視図である。図5は、図4における内部用浄化装置201と外部用浄化装置202との配置部分の拡大図である。
【0060】
図3(a)は内部用浄化装置201および外部用浄化装置202のダクトを除去して示す正面図(図3(b)におけるC−C線矢視断面図および図3(c)におけるD−D線矢視断面図)、図3(b)は図3(a)におけるA−A線矢視断面図、図3(c)は図3(a)におけるB−B線矢視断面図である。
【0061】
内部用浄化装置201は、図3(b)に示すように、ダクト211(第1ダクト)を有している。このダクト211は、画像形成装置100の背面から突出する部分として、後方突出部(水平方向突出部)221、上方延伸部222、屈曲部223、下方延伸部224および前方延伸部225を有している。また、ダクト211は、背面筐体部212から機内側に位置する部分として、内方延伸部230、内方突出部231および下方延伸部232を有している。
【0062】
後方突出部221は、画像形成装置100の筐体の背面側部分である背面筐体部212から、水平後方に延びている。上方延伸部222は後方突出部221の後方端部から垂直上方に延びている。屈曲部223は上方延伸部222の上方端部から上方延伸部222に沿って垂直下方に屈曲している。下方延伸部224は屈曲部223の下方端部から上方延伸部222に沿って垂直下方に延びている。前方延伸部225は下方延伸部224の下方端部から後方突出部221に沿って水平前方に延びており、背面筐体部212に達している。
【0063】
また、内方延伸部230は前方延伸部225と接続され、機内の内方に延伸されている。内方突出部231は、後方突出部221と接続され、機内の内方に突出している。下方延伸部232は、内方突出部231の内方端部から垂直下方に延伸している。
【0064】
ダクト211の後方突出部221における背面筐体部212との接続部には、後方突出部221を内方突出部231と接続するための連通口226が形成されている。同様に、前方延伸部225における背面筐体部212との接続部には、前方延伸部225を内方延伸部230と接続するための連通口227が形成されている。内方延伸部230の内方側の端部は、ダクト211内の浄化された空気を機内に供給するための給気口233となっている。
【0065】
背面筐体部212の連通口226における内方突出部231側の内面にはフィルタ213が設けられている。フィルタ213は、内気吸入口226を通じて機内からダクト211内に吸入される空気に含まれる埃や塵などの異物を捕捉する。
【0066】
ダクト211には、後方突出部221内にファン(第1ファン)214が設けられ、上方延伸部222の外面における後方突出部221上の位置にイオン発生素子218が設けられ、前方延伸部225内に乱流発生部材216が設けられている。
【0067】
ファン214は、機内の空気をダクト211内に吸引し、ダクト211内の空気を給気口233から機内に供給ための空気流を生じさせる。ファン214は、回転中心となる軸方向が背面筐体部212の外面と平行に水平方向に延びており、ほぼ円柱形の外観を有している。
【0068】
上方延伸部222におけるイオン発生素子218の配置位置には、イオン発生素子218が発生したイオンをダクト211内に放出するための開口部228が形成されている。イオン発生素子218は、例えばマイナスイオン発生素子である。イオン発生素子218は、図3(a)に示すように、マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生部85aを有する。イオン発生素子218でのマイナスイオンの発生量はイオン発生素子218への印加電圧を調整することにより制御可能である。
【0069】
乱流発生部材216の配置位置における前方延伸部225の下壁部には、前方延伸部225内に外気を取り込むための外気取込口229が形成されている。乱流発生部材216は、本実施の形態において、背面筐体部212の外面と平行に水平方向に延びた三角柱形状を有し、三つの角部のうちの一つが連通口227とは反対側、すなわちダクト211内の空気流における上流側を向くように配置されている。前方延伸部225内では、外気取込口229から取り込まれた外気がダクト211内の浄化された空気と混ざり合う。この空気は、乱流発生部材216によって乱流状態とされ、連通口227を介して給気口233から機内に供給される。なお、乱流発生部材216は、給気口233の近くに、特に空気の浄化を必要する対象物、例えば異臭を発生する処理部が存在しない場合には、省略してもよい。
【0070】
また、ダクト211における内方突出部231には、内方突出部231を貫通することにより、定着部吸引用ダクト301が接続されている。
【0071】
外部用浄化装置202は、図3(c)に示すように、一部が背面筐体部212よりも機内側に存在し、他の一部が背面筐体部212から突出した状態のダクト(第2ダクト)241を有している。このダクト241は、第1上方延伸部251、後方突出部(水平方向突出部)252、第2上方延伸部253を有している。
【0072】
第1上方延伸部251は、背面筐体部212よりも機内側に存在し、背面筐体部212の外面に対して機内に埋没した状態に設けられ、垂直上方に延びている。後方突出部252は、第1上方延伸部251の上方端部から画像形成装置100の水平後方に延びている。第2上方延伸部253は、後方突出部252の後方端部から垂直上方に延びている。第2上方延伸部253の上端部は外部用浄化装置202にて浄化された外気の給気口256となっている。
【0073】
ダクト241の第1上方延伸部251の下部に相当する背面筐体部212の位置には、ダクト吸入口254が形成されている。したがって、第1上方延伸部251内には、このダクト吸入口254を通じて外気を取り込み可能となっている。また、第1上方延伸部251の上部に相当する背面筐体部212の位置には、連通口255が形成されている。第1上方延伸部251と後方突出部252とはこの連通口255を通じて連通している。
【0074】
連通口255における背面筐体部212の内面にはフィルタ242が設けられている。このフィルタ242は、内部用浄化装置201のフィルタ213と同様のものであり、ダクト吸入口254を通じてダクト241内に吸入される外気に含まれる埃や塵などの異物を捕捉する。
【0075】
ダクト241には、後方突出部252内にファン(第2ファン)243が設けられ、第2上方延伸部253の外面における後方突出部252上の位置にイオン発生素子215が設けられ、第2上方延伸部253内の上端部の位置に乱流発生部材244が設けられている。
【0076】
ファン243は、第1上方延伸部251内の空気、すなわちフィルタ242を通過した外気を連通口255から後方突出部252内に吸引し、さらに第2上方延伸部253の給気口256から機外に供給するための空気流を生じさせる。ファン243は、ファン214と同様、回転中心となる軸方向が背面筐体部212の外面と平行に水平方向に延びており、ほぼ円柱形の外観を有している。
【0077】
本実施の形態において、ファン214とファン243とは駆動源が共通となっている。具体的には、ファン214,243は回転軸が同一の軸線上に存在するように配置され、両ファン214,243の間に配置された1個のモータ217により駆動される。
【0078】
第2上方延伸部253におけるイオン発生素子215の配置位置には、内部用浄化装置201のダクト211と同様に開口部257が形成されている。イオン発生素子215は、例えばプラズマクラスラーイオン(登録商標)発生素子(PCI発生素子)である。イオン発生素子215は、図3(a)に示すように、プラスイオンを発生する一対のプラスイオン発生部215aと、マイナスイオンを発生する一対のマイナスイオン発生部215bとを有する。イオン発生素子215でのマイナスイオンおよびプラスイオンの発生量はイオン発生素子215への印加電圧を調整することにより制御可能である。なお、このようなイオン発生素子215は、本願発明の出願人が先に出願した特開2002−58731号に詳しく開示されている。
【0079】
乱流発生部材244は、前記乱流発生部材216と同様、背面筐体部212の外面と平行に水平方向に延びた三角柱形状を有し、三つの角部のうちの一つがダクト241内の空気流における上流側すなわち下方を向くように配置されている。ダクト241では、ダクト241内にて浄化された空気が乱流発生部材244にて乱流状態とされ、給気口256から外気中に噴出される。
【0080】
また、画像形成装置100の内部には、複数の吸引用ダクトが設けられている。図6は、画像形成装置100の内部に設けられている各ダクトの配置状態を画像形成装置100の背面から見て示す説明図である。図6に示すように、定着部吸引用ダクト301およびプロセス部吸引用ダクト302が設けられている。
【0081】
定着部吸引用ダクト301は、定着装置12から吸引した空気を内部用浄化装置201のダクト211内に取り込むためのものである。このために、定着部吸引用ダクト301は、ダクト211における内方突出部231と接続され、一端部の吸引口306が定着装置12の上方に配置され、他端部の給気口307が内方突出部231に形成されている。
【0082】
プロセス部吸引用ダクト302は、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdから吸引した空気を内部用浄化装置201のダクト211内に取り込むためのものである。このために、プロセス部吸引用ダクト302は、ダクト211における下方延伸部232と接続され、吸引側の端部(吸入口)が画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdの位置に配置されている。
【0083】
図6において網目によって示しているのは、各駆動部の配置領域である。具体的には、搬送系駆動部配置領域303およびプロセス部駆動部配置領域304、トナー補給用駆動部配置領域305が存在する。定着部吸引用ダクト301およびプロセス部吸引用ダクト302は、これら搬送系駆動部配置領域303およびプロセス部駆動部配置領域304、トナー補給用駆動部配置領域305を避けて配置されている。
【0084】
上記の構成において、内部用浄化装置201では、ファン214が回転すると、画像形成装置100の内部の空気がダクト211内に吸引される。この場合、空気中に含まれる埃や塵、あるいは浮遊トナーなどの異物はフィルタ213によって捕捉され、除去される。ダクト211の後方突出部221内に取り込まれた空気は、後方突出部221から上方延伸部222に送られる。
【0085】
上方延伸部222内には、イオン発生素子218からマイナスイオンが開口部228を通じて放出されている。したがって、上方延伸部222では、機内から吸入された空気がマイナスイオンと混ざり合うことにより浄化される。このマイナスイオンによる浄化作用により、機内で発生した空気中の異臭が除去される。
【0086】
上記のようにしてイオンが与えられた空気は、上方延伸部222から屈曲部223、下方延伸部224、前方延伸部225および内方延伸部230を経て、給気口233から機内に戻される。
【0087】
屈曲部223では、気流の方向が180度反転することにより、空気とイオンとの混合が促進される。また、外気取込口229では、乱流発生部材216によって気流が乱流とされ、空気とイオンとの混合がさらに促進される。これにより、イオンによる空気の浄化作用がさらに促進される。ダクト211内にて浄化された機内の空気は、イオンを含んだ状態で給気口233から機内に戻される。したがって、機内の空気は、ダクト211内に取り込まれることにより浄化され、また、ダクト211から噴出される空気によっても浄化される。このように、画像形成装置100では、内部用浄化装置201を備えていることにより機内の空気を浄化し、かつ異臭を除去することができる。
【0088】
一方、外部用浄化装置202では、ファン243が回転すると、画像形成装置100の外部の空気がダクト吸入口254からダクト241内に吸引される。ダクト241内に吸引された空気は、第1上方延伸部251に取り込まれ、連通口255を通じて後方突出部252に送られる。この場合、空気中(外気中)に含まれる埃や塵などの異物はフィルタ242によって捕捉され、除去される。後方突出部252内に取り込まれた空気は、第2上方延伸部253を通過し、給気口256から画像形成装置100の外部に戻される。
【0089】
第2上方延伸部253内には、イオン発生素子215からプラスイオンとマイナスイオンとが開口部257を通じて放出されている。したがって、第2上方延伸部253では、ダクト241内に吸入された空気(外気)がプラスイオンおよびマイナスイオンと混ざり合うことにより浄化される。このプラスイオンおよびマイナスイオンによる浄化作用(除菌作用)により画像形成装置100の周囲の外気が浄化され、またタバコ臭等の異臭が除去される。
【0090】
第2上方延伸部253の給気口256では、乱流発生部材244によって気流が乱流とされ、空気とイオンとの混合が促進される。これにより、イオンによる空気の浄化作用がさらに促進される。ダクト241内にて浄化された外気は、イオンを含んだ状態で給気口256から機外に戻される。したがって、機外の空気は、ダクト241内に取り込まれることにより浄化され、また、ダクト241から噴出される空気によっても浄化される。このように、画像形成装置100では、外部用浄化装置202を備えていることにより、画像形成装置100周辺の機外の空気を浄化し、かつ異臭を除去することができる。
【0091】
ここで、本実施の形態の画像形成装置100では、内部用浄化装置201と外部用浄化装置202とが背面において水平方向に並んだ状態に配置されている。したがって、例えばフィルタ213,242の交換やイオン発生素子215,218の清掃など、内部用浄化装置201および外部用浄化装置202のメンテナンスを行う場合には、内部用浄化装置201のメンテナンスを行う場合と外部用浄化装置202のメンテナンスを行う場合とにおいて、作業者は作業位置を移動する必要がなく、メンテナンス作業が容易となる。
【0092】
特に、画像形成装置100が、本実施の形態のように、装置の胴体部に空間部を形成し、その空間部に用紙排出トレイ15を形成した、いわゆる胴内排出型である場合において、内部用浄化装置201および外部用浄化装置202を上記空間部に相当する位置の画像形成装置100の背面に配置することは、装置のレイアウト上において有効である。すなわち、上記胴内排出型では、上記空間部の背面位置に各種駆動装置等の部品が存在せず、両浄化装置201,202の配置スペースに制限を受け難く、配置が容易である。また、両浄化装置201,202を配置することによる画像形成装置100の大型化を抑制可能である。
【0093】
また、メンテナンス作業の容易さを確保する上において、内部用浄化装置201および外部用浄化装置202の配置位置は、これら両者が水平方向に並んだ状態に配置されていれば、画像形成装置100の背面に限定されない。例えば、両者のうちの一方が、画像形成装置100の背面に、他方が前記背面と隣接した側面に、両浄化装置201,202が近接した状態にて設けられていてもよい。なお、近接した状態とは、例えば、前記背面と前記側面との境界部(角部)から、水平方向に各面の全領域に対する1/2の範囲内の領域にそれぞれ内部用浄化装置201および外部用浄化装置202が存在する状態である。
【0094】
また、両浄化装置201,202の配置においては、図6に示すように、内部用浄化装置201を外部用浄化装置202よりも画像形成部103に近い位置に配置するのが好ましい。画像形成部103は、前述のように、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdおよび定着装置12等を含み、トナー像を形成し、このトナー像を用紙上に転写し、用紙上のトナー像を用紙に定着させる処理部である。
【0095】
両浄化装置201,202と画像形成部103との位置関係を上記のように設定することにより、画像形成装置100の内部に形成され、内部用浄化装置201のダクト211と接続される、画像形成部103からの吸引用ダクトの配置が容易となり、かつ吸引用ダクトの長さを短くすることができる。
【0096】
また、画像形成装置100では、両浄化装置201,202がモータ217を共用していることにより、部品コストの低減と装置の小型化が可能となっている。なお、両浄化装置201,202にて何らの部品を共用できればよく、共用できる部品はモータ217に限定されない。
【0097】
また、内部用浄化装置201のダクト211において、ファン214は後方突出部221に設けられ、外部用浄化装置202のダクト241において、ファン243は、後方突出部252に設けられている。したがって、ファン214,243を回転軸が同一の軸線上に存在するように配置する設定、およびこれら両ファン214,243をこれら両ファン214,243間に配置された1個のモータ217により駆動する設定を容易に行うことができる。この場合、外部用浄化装置202のダクト241では、後方突出部252と接続され、ダクト吸入口254を有する第1上方延伸部251が、背面筐体部212の外面に対して機内に埋没した状態に設けられているので、ファン214,243を回転軸が同一の軸線上に存在するように配置する設定においても、ダクト吸入口254から外気を取り込むための第1上方延伸部251を適切に配置可能となっている。
【0098】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
100 画像形成装置
101 原稿搬送部
102 原稿読取部
103 画像形成部
104 給紙部
201 内部用浄化装置(第1の浄化手段)
202 外部用浄化装置(第2の浄化手段)
212 背面筐体部
211 ダクト(第1ダクト)
213 フィルタ
214 ファン(第1ファン)
215 イオン発生素子
216 乱流発生部材
218 イオン発生素子
244 乱流発生部材
254 ダクト吸入口
256 給気口
226 連通口
227 連通口
221 後方突出部(水平方向突出部)
222 上方延伸部
223 屈曲部
224 下方延伸部
225 前方延伸部
241 ダクト(第2ダクト)
242 フィルタ
243 ファン(第2ファン)
251 第1上方延伸部
252 後方突出部(水平方向突出部)
253 第2上方延伸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の内部の空気を浄化する第1の浄化手段と、画像形成装置の外部の空気を浄化する第2の浄化手段とを備え、これら第1の浄化手段と第2の浄化手段とが水平方向に並べて配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の浄化手段および前記第2の浄化手段は画像形成装置の背面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の浄化手段と前記第2の浄化手段とは、少なくとも一つの部品を共用していることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の浄化手段は、一端部の吸入口と他端部の給気口とが機内の空間と連通するように設けられている第1ダクトと、この第1ダクト内に設けられ、前記機内の空気を前記吸入口から前記第1ダクト内に吸引する第1ファンとを備え、
前記第2の浄化手段は、一端部の吸入口と他端部の給気口とが機外の空間と連通するように設けられている第2ダクトと、この第2ダクト内に設けられ、前記機外の空気を前記吸入口から前記第2ダクト内に吸引する第2ファンとを備え、
前記第1ファンと前記第2ファンとは回転軸が同一の軸線上に存在するように配置され、これら両ファン間に配置された1個のモータにより駆動されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
胴体部に空間部が形成され、その空間部に印刷後に排出された用紙を収容する用紙排出トレイが形成されており、
前記第1の浄化手段および前記第2の浄化手段は、前記空間部に相当する位置の画像形成装置の背面に配置されていることを特徴とする請求項1〜4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
上記の画像形成装置は、用紙上にトナー像を形成し、かつこのトナー像を用紙に定着させる画像形成部、およびこの画像形成部の周囲の空気を前記第1の浄化手段に送り込むための吸引用ダクトを内部に備え、前記第1の浄化手段は前記第2の浄化手段よりも前記画像形成部に近い側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1ダクトは、画像形成装置の筐体から水平方向に突出する水平方向突出部と、この水平方向突出部の端部から垂直上方に延びる上方延伸部と、この上方延伸部の端部から垂直下方に屈曲している屈曲部と、この屈曲部の端部から前記上方延伸部に沿って垂直下方に延びる下方延伸部と、前記下方延伸部の端部から前記水平方向突出部に沿って前記筐体の方向に延び、前記筐体に達する前方延伸部とを前記吸入口から前記給気口の方向に向かってこの順序に備え、
前記水平方向突出部に前記第1ファンが設けられ、前記上方延伸部の外面にイオン発生素子が設けられ、このイオン発生素子の配置位置における前記上方延伸部に、イオン発生素子が発生したイオンを前記第1ダクト内に放出するための開口部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1ダクトは、画像形成装置の筐体から水平方向に突出する水平方向突出部と、この水平方向突出部の端部から垂直上方に延びる上方延伸部と、この上方延伸部の端部から垂直下方に屈曲している屈曲部と、この屈曲部の端部から前記上方延伸部に沿って垂直下方に延びる下方延伸部と、前記下方延伸部の端部から前記水平方向突出部に沿って前記筐体の方向に延び、前記筐体に達する前方延伸部とを前記吸入口から前記給気口の方向に向かってこの順序に備え、前記水平方向突出部に前記第1ファンが設けられ、
前記第2ダクトは、画像形成装置の筐体の外面に対して機内に埋没した状態に設けられ、垂直上方に延びている第1上方延伸部と、この第1上方延伸部の端部と前記筐体に形成された連通口を通じて連通し、前記第1上方延伸部の端部から水平方向に突出している水平方向突出部と、前記水平方向突出部の端部から垂直上方に延びている第2上方延伸部とを前記吸入口から前記給気口の方向に向かってこの順序に備え、前記水平方向突出部に前記第2ファンが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−75997(P2011−75997A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229745(P2009−229745)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】