説明

画像形成装置

【課題】 押し上げによって記録材を分離する場合に、一枚目の記録材であっても、転写ベルトから分離した後に記録材の先端がカールした状態で定着装置へ搬送されるおそれがある。
【解決手段】 分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げることで記録材を分離して、分離補助コロ41による押し上げ状態を、1枚目の記録材の先端が定着前ガイド61に到達するまで維持して、分離補助コロ41が転写ベルト24から退避する動作を、1枚目の記録材の先端が定着前ガイド61に到達した後に行う第1のモードを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やレーザプリンタ等の電子写真の技術を用いて像担持体に担持されたトナー像を記録材に転写する画像形成装置に関する。詳しくは、記録材の転写、搬送を行う転写ベルトを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のローラにより張架した転写ベルトにより記録材を担持搬送する電子写真装置では、転写ベルト上の記録材は、転写ニップ部を通過すると転写ベルトに静電的に吸着される。
【0003】
しかし、記録材の剛度が弱いと、転写ベルトを張架する分離張架部材としての分離ローラの曲率と記録材の剛度を利用するだけでは、記録材を転写ベルトから分離することができない。すなわち、記録材が分離ローラの位置で転写ベルトに張り付いたままとなり、分離不良が生ずる。そこで、分離位置において転写ベルトにうねりをつける構成としては、転写ベルトを張架する分離ローラ表面に一様に突起物を形成して、記録材を分離させる方法がある(特許文献1)。このような構成を用いることによって、分離位置において転写ベルトにうねりを形成することができるが、転写ベルトに常に局所的に大きな張力を働かせてしまう。その結果、転写ベルトの局所的な磨耗が生じることによる抵抗ムラの影響で転写性が安定しなくなる。
【0004】
記録材を担持するシートを、記録材分離のために変形させつつも、変形による磨耗を低減する方法が特許文献2に記載されている。特許文献2には、内側から転写シートを押し上げる位置と押し上げない位置に動くことができる押し上げ手段としてコロを設けた構成が記載されている。特許文献2に記載の方法では、記録材の分離を転写シートをコロで押し上げることによって行い、記録材を分離しない間は転写シートを押し上げない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−015987
【特許文献2】特開平5−119636
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構成を転写ベルトに適用すると、転写ベルト上の記録材にトナー像を転写する転写部材から記録材搬送方向において下流側に、分離工程時に転写ベルトを局所的にコロで押し上げる動作をすることができる押し上げ手段を配置する構成になる。薄い紙等の記録材の剛度が弱い場合に、転写ベルトが局所的に押し上げられた状態で記録材を搬送することにより記録材にうねりをつけて、分離工程時の記録材のこしの強さを大きくすることができる。
【0007】
ところが記録材収容部で放置されて1枚目の記録材には巻きつきくせがついている場合がある。記録材の巻きつきくせは、押し上げ手段が転写ベルトを押し上げている間は、記録材の先端に剛度が付与されることで、抑制される。しかし押し上げ部材が転写ベルトから退避すると、記録材の先端がカールし始める。押し上げ部材が転写ベルトから退避するタイミングを記録材の先端が転写ベルトから分離したタイミングに合わせて設定すると、転写ベルトから分離した後に搬送中の記録材の先端がカールし始めるタイミングが早くなる。その結果記録材の先端のカールが大きい状態で、記録材が定着装置に向けて搬送されるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本願発明は、トナー像を担持する像担持体と、記録材を収容する記録材収容部と、前記記録材収容部から搬送された記録材を担持搬送する移動可能なベルト部材と、前記ベルト部材に担持搬送された記録材に前記像担持体に形成されたトナー像を静電的に転写する転写部材と、前記ベルト部材の幅方向において局所的な突出を形成して、記録材の搬送方向において前記転写部材よりも下流側の前記ベルト部材を内面側から押し上げる押し上げ部材と、記録材の搬送方向において前記ベルト部材よりも下流側に配置されて、搬送されてきた記録材を案内する定着前ガイドと、前記定着前ガイドによって案内された記録材にトナー像をニップ部で定着する定着手段と、を有する画像形成装置において、前記押し上げ部材が前記ベルト部材を押し上げることで記録材を分離して、前記押し上げ部材が前記ベルト部材を押し上げた状態を、1枚目の記録材の先端が前記定着前ガイドに到達するまで維持する第1のモードを実行可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によって、押し上げによって記録材を分離する場合に、一枚目の記録材であっても、転写ベルトから分離した後に記録材の先端がカールするのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成装置を説明する図である。
【図2】分離補助装置の動作を説明する図である。
【図3】分離補助装置の構成を説明する図である。
【図4】制御回路のブロック図である。
【図5】一枚プリントジョブ時の分離補助装置の動作のフローチャートである。
【図6】連続プリントジョブ時の分離補助装置の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
(画像形成装置)
図1(a)を用いて本実施形態の画像形成装置の構成及び動作について説明する。
【0012】
1Y、1M、1C、1kは、像担持体としての感光ドラムであり、矢線A方向へ回転駆動する。その表面は帯電装置2Y、2M、2C、2kにより所定の電圧に一様に帯電される。帯電された感光ドラム表面は、レーザービームスキャナーからなる露光装置3Y、3M、3C、3kによって露光されて、静電潜像が形成される。レーザービームスキャナーの出力が画像情報に基づいてオンオフされることによって、画像に対応した静電潜像が各感光ドラム上に形成される。現像装置4Y、4M、4C、4kはそれぞれ有彩色トナーのイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)とブラック(k)トナーを内包する。現像装置には所定の電圧が印加されており、前述の静電潜像はそれら現像装置4Y、4M、4C、4kを通過すると現像されて、各感光ドラム1Y、1M、1C、1k面上にトナー像が形成される。本実施形態では、静電潜像の露光部にトナーを付着させて現像する反転現像方式が用いられる。
【0013】
感光ドラム1Y、1M、1C、1k上に形成されたトナー像は、各々が対応する1次転写ローラ5Y、5M、5C、5kで中間転写ベルト6上に一次転写される。こうして、中間転写ベルト6上に4色のトナー像が重畳に転写される。
【0014】
中間転写ベルト6は感光体ドラム1の表面に当接されるよう配設されており、複数の張架部材としての張架ローラ20、21、22に張架されて矢印Gの方向へ250〜300mm/secで回動するようになっている。本実施の形態では、張架ローラ20は中間転写ベルト6の張力を一定に制御するようにしたテンションローラである。張架ローラ22は中間転写ベルト6の駆動ローラである。
【0015】
記録材を担持搬送する転写ベルト24は、複数の張架部材としての張架ローラ25、26、27に張架されて矢印Bの方向へ250〜300mm/secで移動可能なベルト部材である。転写ベルト24として、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂または各種ゴム等に帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させ、その体積抵抗率を1E+9〜1E+14[Ω・cm]、厚みを0.07〜0.1[mm]としたものを用いている。また、転写ベルト24として、引っ張り試験法(JIS K 6301)で測定したヤング率の値が0.5MPa以上10MPa以下となるような弾性体のものを使用している。
【0016】
転写ベルト24の引っ張り試験におけるヤング率を0.5MPa以上の部材を使用することで、ベルトの形状を十分に保って回転駆動ができる。一方で、10MPa以下の十分に弾性変形が可能な部材を使用することで、後述する分離補助装置40によって記録材Pに効果的にうねり発生させて、より効果的な転写ベルト24からの記録材Pの分離を達成することが可能になる。また、十分に弾性変形が可能な部材は、部材が変形した状態から変形量を減らした際の部材の緩和現象が起こりやすいため、分離補助装置40による転写ベルト24の磨耗を低減することが可能になる。26は自身の曲率に沿って転写ベルト24を湾曲させて、分離補助装置40を用いない場合に記録材を分離する分離張架ローラとして機能する。
【0017】
記録材は不図示のカセット(記録材収容部)に記録材の種類毎に分けて収納されている。記録材Pは、供給開始信号が出力されると、供給開始信号に基づいてカセットから不図示のローラによって搬送されてレジストローラ8へ導かれる。レジストローラ8は、記録材Pを一旦停止させて、中間転写ベルト6上のトナー像が搬送されてくるのと同期して転写ベルト24に記録材Pを供給する。
【0018】
レジストローラ8から記録材搬送方向(矢印Bの方向)において下流側には、中間転写ベルト張架ローラ21と対向して、トナー像を転写ベルト24に担持された記録材に転写する転写ニップNを形成する転写部材として2次転写ローラ9が配置されている。記録材が転写ニップNに搬送されると、2次転写ローラ9にトナーと逆極性の2次転写電圧が印加されることによって、中間転写ベルト6上のトナー像が記録材P上へ一括して静電的に転写される。2次転写電圧は定電圧制御される。定電圧の電圧値は、転写に必要となる電流に応じて決める。なお二次転写に必要となる電流は、記録材の乾燥状態、環境、転写するトナーの量等の要因によって30〜60A程度の範囲で変化する。
【0019】
2次転写ローラ9はイオン導電系発泡ゴム(NBRゴム)の弾性層と芯金からなる。外径が24mm、ローラ表面粗さRz=6.0〜12.0(μm)、抵抗値がN/N(23℃、50%RH)測定、2kV印加で1E+5〜1E+7Ωの転写ローラを使用している。2次転写ローラ9には、供給バイアスが可変となっている2次転写高圧電源13が取り付けられている。
【0020】
転写後に転写ベルト24から分離した記録材Pが分離後ガイド29の案内面を経て、記録材搬送方向において分離後ガイド29よりも下流側に配置されて定着装置60へ案内する定着前ガイド29を経て、定着装置60に搬送される。定着装置60で記録材は定着ニップ部で挟持されて、加熱加圧工程によってトナー像が記録材に定着される。トナー像が定着された後に、記録材Pは機械の外に排出される。
【0021】
(分離補助装置の構成)
転写ベルト24からの分離を補助するために転写ベルト24を押し上げる手段として、記録材の分離を、2次転写ローラ9と分離張架ローラ26との間の位置で局所的に転写ベルト24を押し上げて変形させることにより行う分離補助装置40が設けられている。分離補助装置40が転写ベルトを押し上げると、転写ベルトは、図1(b)に示されるように、幅方向に局所的な凹凸が形成された状態になる。
【0022】
本実施形態では分離補助装置40は、図1(a)に示されるように記録材搬送方向において二次転写部よりも下流側で分離張架ローラ26よりも上流側で、転写ベルト24の内面側に配置される。分離張架ローラ26を配置する。分離張架ローラ26よりさらに下流側には、分離後の記録材を定着装置60へ案内面で案内する分離後ガイド29が配置される。
【0023】
分離補助装置40の詳細な構成および、動作を示しているのが図2(a)、図2(b)である。分離補助装置40は分離部材である分離補助コロ41と、分離補助コロ41を回転可能に支持するコロフレーム42と、分離補助コロ41の揺動中心となるコロ揺動中心軸43を有する。さらに、コロ揺動中心軸43を中心にして分離補助コロ41を揺動するためのコロ駆動ギア44と、コロ駆動ギア44に駆動力を伝達するためのモータ駆動伝達ギア45と、駆動源であるモータ46を有する。モータ46の回転運動がモータ駆動伝達ギア45によって、コロ駆動ギア44に伝達される。ここで、コロ駆動ギア44とコロ揺動中心軸43の間にはベアリングを設けているため、コロ揺動中心軸43は、モータ46による回転駆動の影響は受けず位置が動かないようになっている。
【0024】
図2(a)は、分離補助コロ41が転写ベルト24から離間しており、分離補助コロ41が押し上げ位置から退避するための退避位置を示す。図2(b)は、分離補助コロ41が転写ベルト24の内面に当接して転写ベルト24を局所的に押し上げる押し上げ位置を示す。分離補助コロ41は、コロ揺動中心軸43を中心にモータ46の所定量の正回転により、図2(a)で示されるコロ退避位置から、Y1方向へ図2(b)で示される押し上げ位置まで動くことができる。さらに、モータ46の所定量の逆回転により、分離補助コロ41は、図2(b)の押し上げ位置からY2方向へ移動して、図2(a)で示される退避位置へ動くことができる。すなわち、分離補助コロ41は、正逆回転により、このような揺動運動を行うようになっている。
【0025】
分離補助コロ41エチレン−プロピレンゴム(EPDM)からなり、外径は6〜10mm、幅は5〜15mmである。このような分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げると、幅方向に局所的な突出が転写ベルト24に形成される。ここで、幅方向とは、移動するベルト面の、移動方向と直交する方向である。
【0026】
図2(a)の状態で、分離補助コロ41から分離張架ローラ26までの距離は4〜8mmであり、図2(b)の状態では分離補助コロ41は転写ベルト24のベルト面を内面側から図2(a)の平面状態から6mm押し上げている。もちろんこの数値に限定する意図ではなく、3〜10mm程度の範囲で適宜設定すればよい。本実施形態では、図2(a)の退避位置において分離補助コロ41が転写ベルト24から離間する構成としたが、退避位置において転写ベルト24を変形させない程度に分離補助コロ41が転写ベルト24に軽く接触していてもよい。
【0027】
分離補助装置40による記録材の分離効果について説明する。2次転写ローラ9により、トナーと逆極性の電荷が転写ベルト24の内面に付与されるので、転写ニップN以降で記録材は転写ベルト24に吸着している状態にある。また、薄い紙等の剛度の弱い記録材は変形しやすい。これらのため図1(b)に示されるように、押し上げによって転写ベルト24に生じる幅方向に局所的な変形に沿って、記録材にもうねりが生じる。その結果、記録材の断面二次モーメント、すなわち記録材のこしの強さ、が大きくなる。記録材が薄紙等の剛度の弱い場合であっても記録材を分離するために有効な分離効果を得ることができる。
【0028】
分離補助装置40が有する分離補助コロ41は記録材が通過する領域にひとつであってもよい。しかしこの場合、記録材の幅方向において記録材がうねる範囲が狭くなってしまう.記録材の幅方向にうねりをつけるためには、記録材が通過する範囲内で幅方向に複数あった方が好ましい。
【0029】
図3に示されるように本実施形態では、分離補助コロ41が幅方向に3個設けられている。隣同士の分離補助コロ41の間隔L2は、125mmである。両端の分離補助コロ41同士の間隔L3は250mmである。中央部の分離補助コロ41は、どの幅のサイズの記録材も幅方向の中央が共通の基準線に実質的に一致するように搬送される記録材の略中央部に位置するように配置されている。特に、幅方向のサイズが297mmのAサイズの薄い記録材が搬送された場合には、A4サイズの記録材に対して三箇所が押し上げられる。A4サイズの記録材の分離性をより高めるのに有効である。
【0030】
また本実施形態では、分離補助コロ41が転写ベルトに突出を形成する突出形成位置から定着前ガイドまでの距離が画像形成装置に使用される記録材の搬送方向のサイズとして最小サイズの記録材よりも短くなるように設定される。その結果、搬送方向のサイズとして最小サイズの記録材が搬送されても、記録材の先端が定着前ガイド61に到達するまで、記録材のこしの強さを分離補助コロによって大きくした状態を維持することができる構成となっている。
【0031】
(分離補助装置40の制御)
分離補助装置40の動作位置は分離補助制御回路50によって制御される。この制御の関係を示しているのが図4である。分離補助装置40の動作位置信号の制御は、ユーザに指定された記録材Pの坪量情報、レジストローラ対8の記録材送りタイミングと記録材の搬送速度に基づいて得られる記録材先端位置情報に基づく。制御部50はCPU、ROM、RAMを含む。ユーザが画像形成部を操作する操作部102からの情報は制御部50に入力される。レジストローラ8の動作タイミングは制御部50に入力される。二次転写高圧電源からの二次転写電流値の情報が制御部50に入力される。制御部50は、分離補助装置40のモータの動作を制御する。
【0032】
なお坪量とは、単位面積当りの重さ(g/m)を示す単位で、記録材の厚みを示す値として一般的に用いられる。
【0033】
本実施形態では、以下の二通りのパターンがROMに予め記憶されている。
・記録材が坪量40g/m以下の場合には、分離補助コロ41が押し上げ位置に位置して転写ベルト24を幅方向で局所に突出させる。記録材の転写ベルト24からの分離は、押し上げによって局所的な突出を形成することによって行われる。
・記録材が坪量40g/mより大きい場合には、分離補助コロ41が退避位置に位置する。退避位置において分離補助コロ41は転写ベルト24から離間している。記録材の転写ベルト24からの分離は、張架ローラ26の曲率を利用することによって行われる。
【0034】
すなわち、特定の坪量(第一の坪量)の記録材に対して分離補助コロ41を押し上げる動作のモードを実行する。また、第一の坪量より大きい第二の坪量の記録材に対しては分離補助コロ41を押し上げる動作を行わずに、張架ローラ26により記録材を分離する動作のモードを実行する。
【0035】
坪量は、操作部102でユーザが入力する場合や、記録材を収容する収容部に記録材の坪量を入力する場合があり、それらにより画像形成装置に入力された坪量の情報に基づいて、制御部50が分離補助装置40の動作を決定する。
【0036】
(分離補助コロの制御タイミング)
(一枚プリントジョブ)
一枚プリントジョブの場合についての、分離補助装置40の動作制御のフローチャートを図5を用いて説明する。
【0037】
スタートすると(S01)、ユーザ操作部102でユーザが設定した記録材の坪量情報が読み取られる(S02)。坪量が40g/mより大きいかどうかが判断される(S03)。S03で記録材の坪量が40g/mより大きい場合には、分離補助コロ41は退避位置に配置されたまま終了する(S13)。ユーザによって設定された記録材Pの坪量が40g/m以下の場合、こしが小さい記録材を転写ベルト24から分離するために、分離補助コロ41により転写ベルト24を押し上げて局所的な突出を形成する動作が必要になる。設定された記録材Pの坪量が40g/m以下の場合、選択されたカセットに収容された記録材に画像を形成するジョブを開始する前までに記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数(15枚)に達しているかどうかが判断される(S04)。記録材に画像を形成するジョブを開始する前までに選択されたカセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数に達している場合、記録材に巻きつきくせはついていないと判断されて、記録材が所定の位置に到達したかが判断される(S05)。所定の位置は、分離補助コロ41よりも記録材搬送方向における上流側の位置であって、分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げる動作が、記録材の先端が分離補助コロ41により押し上げられた位置に到達する前に完了するように設定される。記録材の位置は、記録材がレジストローラを通過してからの経過時間と記録材の搬送速度から検知する方法や、記録材の通過を検知する検知部材を配置することで記録材の位置を検知する方法などによって判断する。所定の位置に到達したと判断された場合、分離補助コロ41はY1方向へ動かされて、転写ベルト24を押し上げた、押し上げ位置に配置される(S06)。分離補助コロ41により変形された転写ベルト24上で、記録材Pは、うねりがつけられてこしの強さが大きくなり、転写ベルト24が張架ローラ26に当接した領域に到達する前に、転写ベルト24から分離される。次に、記録材Pの先端位置が分離後ガイド29の案内面に到達しているかどうかが判断される(S07)。なお記録材の位置は、記録材がレジストローラを通過してからの経過時間と記録材の搬送速度から検知する方法や、記録材の通過を検知する検知部材を配置することで記録材の位置を検知する方法などによって判断する。記録材が分離後ガイド29の案内面に到達している場合には、分離が行われたと判断される。記録材の先端が定着前ガイド61に到達する前に、分離補助コロ41が退避位置に移動して(S12)、終了する(S13)。
【0038】
一方でS04で、選択されたカセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数(15枚)に達していない場合、選択されたカセットに収容された記録材には巻きつき癖がついていると判断される。そこで巻きつきくせのついた記録材がまきつくのを抑制するために、分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げる期間を長くする必要がある。S04で記録材に画像を形成するジョブを開始する前までに、選択されたカセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数(15枚)に達していないと判断されると、S08で記録材が所定の位置に到達したかが判断される。所定の位置は、分離補助コロ41よりも記録材搬送方向における上流側の位置であって、分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げる動作が、記録材の先端が分離補助コロ41により押し上げられた位置に到達する前に完了するように設定される。所定の位置に到達したと判断された場合、分離補助コロ41はY1方向へ動かされて、転写ベルト24を押し上げた、押し上げ位置に配置される(S09)。記録材先端が分離後ガイド29の案内面に到達してから(S10)、S11で記録材の先端がさらに下流側の定着前ガイド61に到達したかどうかが判断される。S11で記録材の先端が定着前ガイド61に到達している場合には、定着前の搬送中の記録材のまきつきが十分抑制されたと判断する。記録材の先端が定着前ガイド61に到達した後で定着ニップに到達する前に、分離補助コロ41は退避位置に移動する(S12)。そして終了する(S13)。記録材の先端が定着前ガイド61に到達した後で定着ニップに到達する前に、分離補助コロ41は退避位置に移動する理由について説明する。記録材に定着ニップに到達した後に分離補助コロ41が退避動作を行うと、退避動作により記録材の姿勢が変化して、記録材にしわがよるおそれがあるからである。
【0039】
上述した通り本実施形態では、記録材に画像を形成するジョブを開始する前までに、選択されたカセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数に達していない場合には、分離補助コロ41が押し上げ位置から退避位置へ退避するタイミングが、記録材の先端が定着前ガイド61に到達した後になるモード(第1のモード)を実行する。この理由について説明する。薄紙はカセット内に放置されると、吸湿状態が表面と裏面とで変わる。その結果カセット内に置かれた薄紙のうち上から何枚かに巻きつき癖がつくおそれがある。このような巻きつき癖のついた記録材が搬送された場合に、分離補助コロ41が転写ベルト24から退避するタイミングを記録材の先端が転写ベルト24から分離したタイミングに合わせて設定すると、転写ベルト24から分離した後に搬送中の記録材の先端がカールし始めるタイミングが早くなる。その結果記録材の先端のカールが大きい状態で、記録材が定着装置60に向けて搬送されるおそれがある。そこで本実施形態では選択されたカセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数に達していない場合には、分離補助コロ41が押し上げ位置から退避位置へ退避するタイミングが、記録材の先端が定着前ガイド61に到達した後になるモード(第1のモード)を実行する。その結果、記録材に巻きつき癖がついた場合であっても分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げることで、記録材の先端に剛度が付与されて、分離後の記録材の巻きつきが抑制される。
【0040】
また本実施形態では上述した通り、記録材に画像を形成するジョブを開始する前までに、選択されたカセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数に達している場合には、分離補助コロ41が押し上げ位置から退避位置へ退避するタイミングが、記録材の先端が分離後ガイド29に到達した後で定着前ガイド61に到達する前になるモード(第2のモード)を実行する。その結果、分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げることに起因する転写ベルト24の摩耗を抑制することができる。
【0041】
ところで、ユーザが画像形成装置の電源をオンして画像形成装置を立ち上げてから画像形成が開始するまでにカセットを開放して、カセットに上から新しい記録材を補充する場合がある。この場合には、新しい記録材がカセットに上から積み重ねられるので、巻きつきくせがついていない記録材が搬送される。すなわち、分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げる期間を長くする動作が不要になる。そこで本実施形態では、ユーザが画像形成装置の電源をオンして画像形成装置を立ち上げてから画像形成が開始するまでにカセットを開放した場合には、カセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数(15枚)に達しているかどうかによらず、記録材の巻きつき癖はないものと判断する。すなわち分離補助コロ41が転写ベルト24から退避する動作タイミングが、記録材の先端が分離後ガイド29に到達した後で定着前ガイド61に到達前に設定される。図5であればS04でカセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数(15枚)に達していないと判断しても、S08に進まずS05に進むフローになる。
【0042】
一方でユーザが画像形成装置の電源をオンして画像形成装置を立ち上げてから画像形成が開始するまでにカセットを開放しない場合もある。この場合には、カセットに新しい記録材は補充されなかったものと判断する。カセットに置かれた記録材のうち上方のものには巻きつき癖がついているので、分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げる期間を長くする動作が必要になる。すなわち、ユーザが画像形成装置の電源をオンして画像形成装置を立ち上げてから画像形成が開始するまでにカセットを開放しない場合には、カセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数(15枚)に達しているかどうかによって、記録材の巻きつき癖の有無を判断する。ユーザが画像形成装置の電源をオンして画像形成装置を立ち上げてから画像形成が開始するまでにカセットを開放しない場合には、カセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数(15枚)に達している場合には、退避動作のタイミングが、記録材の先端が分離後ガイド29に到達した後で定着前ガイド61に到達前に設定される。累計が所定枚数(15枚)に達していない場合には、退避動作のタイミングが、記録材の先端が定着前ガイド61に到達した後に設定される。すなわち、図5のフローチャート通りに制御が行われる。
【0043】
なお本実施形態では、選択されたカセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が15枚に到達したかどうかを判断する構成であるが、この数値に限定する意図ではない。巻きつきぐせのつく記録材の枚数に合わせて設定すればよい。
また本実施形態は巻きつき量センサーを持たない構成であるが、記録材の巻きつき量を検知する巻きつき量センサーを設けて、第1のモードと第2のモードの切り替えを検知結果に基づいて行ってもよい。この場合にはセンサーが検知した巻きつき量が所定値より小さい場合に第2のモードを行い、所定値以上となる場合に第1のモードを行えばよい。
また記録材収容部に記録材を放置した時間を記録する記録手段を設けて、第1のモードと第2のモードの切り替えを、記録材を放置した時間に基づいて行ってもよい。
【0044】
(連続プリントジョブ)
図6を用いて、連続してn枚(n≧2)の記録材が搬送される場合についての分離補助コロ41を制御するフローチャートについて説明する。
【0045】
S01からS07までのフローは、一枚プリントジョブと同じである。S07で記録材Pの先端位置が分離後ガイド29の案内面に到達していると判断されると、記録材が転写ベルト24から分離したと判断される。分離補助コロ41は定着前ガイド61に到達する前に退避位置に移動(S08)する。S09で最後のn枚の記録材への画像形成(二次転写)が終了していると判断すると、終了する(S18)。S09で最後のn枚の記録材の画像形成が終了していないと判断すると、S05に戻り次の記録材が所定の位置に到達したかどうかを判断する。
【0046】
このように本実施形態では、記録材に画像を形成するジョブを開始する前までに、選択されたカセットについての印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数に既に達している場合には、記録材間で押し上げ状態を一時的にオフする。また、退避動作タイミングは、記録材の先端が定着前ガイド61に到達する前に設定される。その結果、記録材間で転写ベルト24が押し上げられる期間を短くして、転写ベルト24を摩耗するのを抑制することができる。
【0047】
一方で、S04で、記録材に画像を形成するジョブを開始する前までに、選択されたカセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数(15枚)に達していない場合、選択されたカセットに収容された記録材には巻きつき癖がついていると判断される。そこで巻きつきくせのついた記録材がまきつくのを抑制するために、分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げる期間を長くする必要がある。S04で、記録材に画像を形成するジョブを開始する前までに、選択されたカセットに収容された記録材の印刷枚数の画像形成装置を立ち上げてからの累計が所定枚数(15枚)に達していないと判断されると、次にS10で、選択されたカセットについて画像形成装置を立ち上げた後の印刷枚数の累計がジョブ途中のk枚目(2≦k≦n−1)で所定枚数(15枚)に到達するかどうかが判断される。S10で、選択されたカセットについて、画像形成装置を立ち上げた後の印刷枚数の累計がジョブ中のk枚目(2≦k≦n−1)で所定枚数(15枚)に到達しないと判断されると、ジョブ中の記録材n枚すべてに巻きつき癖がついていると判断される。この場合、n枚の記録材すべてについて、搬送中の巻きつき癖を抑制するために、分離補助コロ41が転写ベルト24を分離後に押し上げる期間を長くする必要がある。S11で最初に搬送される1枚目の記録材が所定の位置に記録材が到達したかが判断される。所定の位置は、分離補助コロ41よりも記録材搬送方向における上流側の位置であって、分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げる動作が、1枚目の記録材の先端が分離補助コロ41により押し上げられた位置に到達する前に完了するように設定される。所定の位置に到達したと判断された場合、分離補助コロ41はY1方向へ動かされて、転写ベルト24を押し上げた、押し上げ位置に配置される(S12)。その後分離補助コロ41は、転写ベルト24を押し上げる押し上げ位置で保持される。S13で、最後に搬送されるn枚目の記録材先端が分離後ガイド29の案内面に到達したかどうかが判断される。S13で記録材の先端が分離後ガイド29に到達している場合には、分離後の記録材のまきつきが十分抑制されたと判断する。記録材の先端が定着前ガイド61に到達した後で定着ニップに到達する前に、分離補助コロ41は退避位置に移動する(S14)。そして終了する(S18)。
【0048】
複数(n枚)の記録材に連続して画像を形成する連続プリントモードでは、n枚の記録材のすべてに巻きつき癖がついている場合がある。n枚の記録材すべての搬送中の巻きつき癖を抑制するためには、n枚の記録材すべてについて分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げる期間を長くする必要がある。しかし記録材間の間隔は50mmと小さい場合がある。この場合、記録材の先端が定着前ガイド29に到達するまで押し上げ状態を維持してから、記録材間で押し上げられていた分離補助コロ41を退避させて、その後同じ記録材間で分離コロを押し上げるといった動作を行うことが難しい。そこで本実施形態では、複数(n枚)の記録材に連続して画像を形成する連続プリントモードで、n枚の記録材のすべてに巻きつき癖がついている場合には、記録材間では分離補助コロ41の押し上げを継続させている。
【0049】
一方でS10で、選択されたカセットについて画像形成装置を立ち上げた後の印刷枚数の累計がジョブ中のk枚目(2≦k≦n−1)で所定枚数(15枚)に到達すると判断されると、1枚目からk枚目までの記録材に巻きつき癖が有り、k+1枚目からn枚目の記録材に巻きつき癖が無いと判断される。すなわち、1枚目からk枚目までの記録材には、分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げる期間を長くすることが必要になるが、k+1枚目からn枚目の記録材には、分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げる期間を長くすることが不要となる。S10で、選択されたカセットについて画像形成装置を立ち上げた後の印刷枚数の累計がジョブ中のk枚目(2≦k≦n−1)で所定枚数(15枚)に到達すると判断されると、S15で最初に搬送される1枚目の記録材が所定の位置に記録材が到達したかが判断される。所定の位置は、分離補助コロ41よりも記録材搬送方向における上流側の位置であって、分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げる動作が、1枚目の記録材の先端が分離補助コロ41により押し上げられた位置に到達する前に完了するように設定される。所定の位置に到達したと判断された場合、分離補助コロ41はY1方向へ動かされて、転写ベルト24を押し上げた、押し上げ位置に配置される(S16)。その後分離補助コロ41は、転写ベルト24を押し上げる押し上げ位置で保持される。S17で、k+1枚目の記録材先端が分離後ガイド29の案内面に到達したかどうかが判断される。S17でk+1枚目の記録材の先端が分離後ガイド29に到達している場合には、k+1枚目の記録材が分離したと判断して、S08で分離補助コロ41を退避位置へ移動する。その後S09でn枚目の記録材への画像形成が終了したと判断すると、S18で終了する。S09でn枚目の記録材への画像形成が終了していないと判断すると、S05で記録材の所定位置に到達したかが判断される。
【0050】
このように本実施形態では、選択されたカセットについて画像形成装置を立ち上げた後の印刷枚数の累計がジョブ中のk枚目(2≦k≦n−1)で所定枚数(15枚)に到達すると判断されると、分離補助コロ41が押し上げ状態をk+1枚目の記録材の先端が分離後ガイド29に到達するまで維持する。
【0051】
すなわち、巻きつき癖のついた1からk枚目までの記録材については、押し上げ状態が、記録材の先端が定着前ガイド61に到達するまで維持される。その結果、転写ベルト24から分離した後に記録材の先端が巻きつくのを抑制することができる。k+1枚目以降の記録材については、退避動作のタイミングは記録材の先端が分離後ガイド29に到達した後で定着前ガイド61に到達する前に設定される。その結果、転写ベルト24を押し上げることに起因して転写ベルト24を摩耗するのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 感光ドラム
2 1次帯電器
3 露光装置
4 現像器
5 1次転写ローラ
6 中間転写ベルト
8 レジストローラ
9 2次転写ローラ
11 ドラムクリーニング装置
12 ベルトクリーニング装置
13 2次転写高圧電源
20 中間転写ベルト張架ローラ(テンションローラ)
21 中間転写ベルト張架ローラ(2次転写ローラ9の対向ローラ)
22 中間転写ベルト張架ローラ(駆動ローラ)
24 転写ベルト
25 転写ベルト張架ローラ
26 転写ベルト張架ローラ
27 転写ベルト張架ローラ(テンションローラ)
29 記録材ガイド
31 転写ベルトクリーニング装置
40 分離補助装置
50 制御部
60 定着装置
61 定着前ガイド
P 記録材
A 感光ドラムの回転方向
B 転写ベルトの回転方向
G 中間転写ベルト回転方向
N 2次転写部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、
記録材を収容する記録材収容部と、
前記記録材収容部から搬送された記録材を担持搬送する移動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材に担持搬送された記録材に前記像担持体に形成されたトナー像を静電的に転写する転写部材と、
前記ベルト部材の幅方向において局所的な突出を形成して、記録材の搬送方向において前記転写部材よりも下流側の前記ベルト部材を内面側から押し上げる押し上げ部材と、
記録材の搬送方向において前記ベルト部材よりも下流側に配置されて、搬送されてきた記録材を案内する定着前ガイドと、
前記定着前ガイドによって案内された記録材にトナー像をニップ部で定着する定着手段と、
を有する画像形成装置において、
前記押し上げ部材が前記ベルト部材を押し上げることで記録材を分離して、前記押し上げ部材が前記ベルト部材を押し上げた状態を、1枚目の記録材の先端が前記定着前ガイドに到達するまで維持する第1のモードを実行可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記録材の搬送方向において前記ベルト部材より下流側で前記定着前ガイドより上流側に配置されて、前記ベルト部材から分離した記録材を案内面で案内するための分離後ガイドを備えて、
前記押し上げ部材が前記ベルト部材を押し上げることで記録材を分離して、前記押し上げ部材が前記ベルト部材を押し上げた状態から退避する動作を、1枚目の記録材の先端が前記分離後ガイドに到達した後で前記定着前ガイドに到達する前に行う第2のモードを実行可能であることを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
【請求項3】
記録材に画像を形成するジョブを開始する前までに前記記録材収容部の記録材に画像形成装置を立ち上げてから画像形成を行った枚数の累計が所定枚数に達していない場合には、前記ジョブについて前記第1のモードを実行して、記録材に画像を形成するジョブを開始する前までに前記記録材収容部の記録材に画像形成装置を立ち上げてから画像形成を行った枚数の累計が前記所定枚数に達している場合は、前記ジョブについて前記第2のモードを実行することを特徴とする請求項2に記載された画像形成装置。
【請求項4】
前記記録材収容部は、記録材を補充するために開放可能に構成されており、
画像形成装置を立ち上げてから画像形成が開始するまでの間に前記記録材収容部が開放されなかった場合には、前記第1のモードを実行して、画像形成装置を立ち上げてから画像形成が開始するまでの間に前記記録材収容部が開放された場合には、前記第2のモードを実行することを特徴とする請求項2乃至3のいずれかに記載された画像形成装置。
【請求項5】
1枚の記録材に画像を形成するジョブでは、前記第1のモードにおいて、前記押し上げ部材が前記ベルト部材を押し上げた状態から退避する動作を、1枚目の記録材の先端が前記定着装置の前記ニップ部に到達する前に行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載された画像形成装置。
【請求項6】
連続して複数の記録材に画像を形成するジョブでは、前記第1のモードにおいて、前記押し上げ部材が前記ベルト部材を押し上げた状態を記録材間で維持して、前記退避する動作を最後の記録材の先端が前記定着前ガイドに到達した後で前記定着装置の前記ニップ部に到達する前に行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載された画像形成装置。
【請求項7】
連続して複数の記録材に画像を形成するジョブ途中のk枚目に前記記録材収容部の記録材に画像形成装置を立ち上げてから画像形成を行った枚数の累計が所定の枚数に達する場合には、前記押し上げ部材が前記ベルト部材を押し上げた状態を、k+1枚目の記録材の先端が前記分離後ガイドに到達するまで維持して、前記退避する動作を、k+1枚目の記録材が前記分離後ガイドに到達した後で前記定着前ガイドに到達する前に行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載された画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−128285(P2012−128285A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281049(P2010−281049)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】