説明

画像形成装置

【課題】複数の液体タンクが一体化された液体カートリッジを交換する際に、無駄に廃棄される残存液の量を可及的に少なくすることができる、画像形成装置を提供する。
【解決手段】インクジェットプリンタ10(画像形成装置)は、互いに異なる液体が貯留される複数の液体タンク14a,14bを有する液体カートリッジ16等を備え、制御部30(液体移送制御手段)は、或る液体タンク14a,14bにおける液体の残量が第1所定量よりも少なくなったことを制御部30(液体タンク残量検知手段)が検知したとき、リザーブタンク24a,24bに連通する他の少なくとも1つの液体タンク14a,14bに残った液体をリザーブタンク24a,24bに移送させるように液体移送手段26a,26bを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の液体タンクが一体化された液体カートリッジを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体にインク等の第1液体を吐出する画像形成装置において、高い印字品質を維持したり、画質を向上させたりするために、第1液体の成分を凝集または析出させる第2液体を、記録媒体に塗布する技術が知られている(特許文献1参照)。しかし、第1液体および第2液体のそれぞれを、互いに独立した複数の液体タンクに収容した場合には、複数の液体タンクを配置するスペースを個別に確保する必要があるため、装置が大型化するという課題があった。
【0003】
この課題を解決する手段として、特許文献2には、複数の液体タンクを一体化させることによって、装置の小型化を図る技術が記載されている。この技術は、インクを貯蔵する第1収納部と記録性向上液を貯蔵する第2収納部とを一体化させてタンク部を構成し、インクが無くなった際にタンク部の全体を交換するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−141841号公報
【特許文献2】特開平8−216391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2の先行技術では、第1収納部のインクが無くなった際に、タンク部の全体を交換するようにしていたので、第2収納部に残存した多くの記録性向上液が無駄に廃棄されるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の液体タンクが一体化された液体カートリッジを交換する際に、無駄に廃棄される残存液の量を可及的に少なくすることができる、画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、互いに異なる液体が貯留される複数の液体タンクを有する液体カートリッジと、前記複数の液体タンクに貯留された各液体の残量を検知する液体タンク残量検知手段と、前記液体カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、画像を形成するために前記互いに異なる液体を使用する複数の液体使用部と、前記複数の液体タンクと前記複数の液体使用部とを連通させる複数の連通路と、を備える画像形成装置であって、前記複数の液体タンクの少なくとも1つに対応して設けられ、対応する前記液体タンクに貯留されていた液体を一時的に貯留する少なくとも1つのリザーブタンクと、前記リザーブタンクに対して、それに対応する前記液体タンクから液体を移送させる液体移送手段と、前記液体移送手段を制御する液体移送制御手段とを備え、前記液体移送制御手段は、或る前記液体タンクにおける液体の残量が第1所定量よりも少なくなったことを前記液体タンク残量検知手段が検知したとき、前記リザーブタンクに連通する他の少なくとも1つの前記液体タンクに残った液体を前記リザーブタンクに移送させるように前記液体移送手段を制御することを特徴とする。
【0008】
この構成では、或る液体タンクにおける液体の残量が第1所定量よりも少なくなったことを液体タンク残量検知手段が検知したとき、すなわち、液体カートリッジを交換すべきことを液体タンク残量検知手段が検知したとき、リザーブタンクに連通する他の少なくとも1つの液体タンクに残った液体がリザーブタンクに回収される。したがって、液体カートリッジを交換する際には、無駄に廃棄される液体の量を少なくすることができ、液体カートリッジを交換した後には、リザーブタンクに回収した液体を再利用することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上記の構成によって、複数の液体タンクが一体化された液体カートリッジを交換する際に、無駄に廃棄される残存液の量を可及的に少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係るインクジェットプリンタ(画像形成装置)の全体構成を示す概念図である。
【図2】インクジェットプリンタに用いられるインク吐出ヘッド(液体使用部)のヘッド本体を示す平面図である。
【図3】インク吐出ヘッドのヘッド本体を示す部分拡大断面図である。
【図4】インクジェットプリンタに用いられる制御部の構成を示すブロック図である。図である。
【図5】制御部(液体移送制御手段)の制御動作を示すフロー図である。
【図6】制御部(液体移送制御手段)の制御動作を示すフロー図である。
【図7】第2実施形態に係るインクジェットプリンタの構成を示す概念図である。
【図8】第2実施形態における制御部(液体移送制御手段)の制御動作を示すフロー図である。
【図9】第3実施形態に係るインクジェットプリンタの構成を示す概念図である。
【図10】第4実施形態に係るインクジェットプリンタの構成を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る画像形成装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
[インクジェットプリンタの全体構成]
【0012】
図1は、第1実施形態に係るインクジェットプリンタ10の全体構成を示す概念図である。
【0013】
図1に示すように、インクジェットプリンタ10は、搬送機構12によって搬送される用紙Pの表面に、互いに異なる液体R1,R2を使用して画像を形成するものであり、互いに異なる液体R1,R2が貯留される複数(本実施形態では2つ)の液体タンク14a,14bを有する液体カートリッジ16と、液体カートリッジ16を保持するカートリッジ装着部18と、複数(本実施形態では2つ)の液体使用部20a,20bと、複数の液体タンク14a,14bと複数の液体使用部20a,20bとを連通させる複数の連通路22a,22bとを備えている。
【0014】
また、インクジェットプリンタ10は、複数の液体タンク14a,14bのそれぞれに対応して設けられ、対応する液体タンク14a,14bに貯留されていた液体を一時的に貯留する少なくとも1つ(本実施形態では2つ)のリザーブタンク24a,24bと、リザーブタンク24a,24bに対して、それらに対応する液体タンク14a,14bから液体を移送させる液体移送手段26a,26bと、制御部30とを備えている。
[搬送機構の構成]
【0015】
搬送機構12は、用紙カセット(図示省略)に収容された「記録媒体」としての用紙Pを、液体使用部20a,20bに導くものであり、一対のプーリー32a,32bと、一対のプーリー32a,32b間に環状に掛け渡された無端ベルト34と、一方のプーリー32aを回転させるモータ36とを備えており、モータ36が制御部30に導電線(図1中に点線で示す。)を介して電気的に接続されている。モータ36は、その回転数を把握可能なサーボモータまたはステッピングモータ等であり、制御部30でモータ36の回転数が制御されることによって、用紙Pの搬送速度が制御される。そして、搬送機構12における無端ベルト34の上方に、液体使用部20a,20bが並んで配置されており、無端ベルト34の上面に載置された用紙Pが、まず、液体使用部20bの直下を通過し、その後、液体使用部20aの直下を通過するようになっている。
[液体カートリッジの構成]
【0016】
図1に示すように、液体カートリッジ16は、インク(本実施形態ではブラックインク)が貯留される第1液体タンク14aと、処理液が貯留される第2液体タンク14bとが一体化されたものであり、この液体カートリッジ16がカートリッジ装着部18に対して着脱可能に装着されている。本実施形態における「互いに異なる液体」は、インクおよび処理液である。そこで、以下では、「液体R1」を「インクR1」と読み替え、「液体R2」を「処理液R2」と読み替えて説明する。
【0017】
第2液体タンク14bに貯留される処理液R2としては、第1液体タンク14aに貯留されるインクR1の成分を凝集または析出させたりするものが用いられ、たとえば、顔料系のインクR1に対しては、顔料色素を凝集させるものが用いられ、染料系のインクR1に対しては、染料色素を析出させるものが用いられる。処理液R2の材料としては、カチオン性化合物、とりわけカチオン系高分子やカチオン性界面活性剤、カルシウム塩、マグネシウム塩等の多価金属塩を含有する液体等を適宜選択可能であり、これらの処理液R2が塗布された用紙Pの塗布領域にインクR1が着弾すると、多価金属塩等がインクR1の着色剤である染料または顔料に作用して、不溶性または難溶性の金属複合体等が凝集または析出により形成される。その結果、インクR1の用紙P内への浸透度が低下し、インクR1を用紙P上に定着させ易くなる。
[液体使用部の構成]
【0018】
液体使用部20a,20bのそれぞれは、画像を形成するために、互いに異なるインクR1および処理液R2を使用する部分である。「液体使用部」は、画像形成に直接的に寄与する部分は勿論、補助的に寄与する部分をも含む概念であり、本実施形態では、一方の液体使用部20aが、画像形成に直接寄与する「インク吐出ヘッド」であり、他方の液体使用部20bが、画像形成に補助的に寄与する「処理液吐出ヘッド」である。そこで、以下では、「液体使用部20a」を「インク吐出ヘッド20a」と読み替え、「液体使用部20b」を「処理液吐出ヘッド20b」と読み替えて説明する。
【0019】
図2は、インクジェットプリンタ10に用いられるインク吐出ヘッド20aを示す平面図であり、図3は、インク吐出ヘッド20aのヘッド本体42を示す部分拡大断面図である。
【0020】
図1に示すように、インク吐出ヘッド20aは、搬送機構12で搬送される用紙PにインクR1を吐出するものであり、用紙Pの搬送方向(以下、「副走査方向」という。)に対して直交する方向(以下、「主走査方向」という。)に長尺な略直方体状のヘッドホルダ40を有している。そして、このヘッドホルダ40の下面に、インクR1を吐出するヘッド本体42が装着されている。つまり、本実施形態のインクジェットプリンタ10は、ライン式のプリンタである。
【0021】
図3に示すように、ヘッド本体42は、流路ユニット44とその上面に接合されたアクチュエータユニット46とを有している。流路ユニット44は、ステンレス鋼からなる複数の金属製のプレートからなる積層体であり、最下層を構成するノズルプレート44aの下面が吐出面48となっている。そして、この吐出面48には、複数のノズル50が、主走査方向に600dpiの間隔でインクR1を吐出できるように形成されている。また、流路ユニット44の内部には、マニホールド52(図2)および副マニホールド52aが形成されており、さらに、副マニホールド52aからアパーチャ54および圧力室56を経てノズル50に至る複数の個別インク流路58が形成されている。また、図2に示すように、流路ユニット44の上面44bには、マニホールド52に連通する複数のインク供給口52bが形成されている。そして、ヘッド本体42の上方には、インク供給口52bに連通するリザーブユニット(図示省略)が配置されており、リザーブユニットが連通路22aを介して、液体カートリッジ16の液体タンク14aに接続されている(図1)。
【0022】
図3に示すように、アクチュエータユニット46は、複数の個別インク流路58の圧力室56に対応する複数のアクチュエータ(図示省略)を有している。複数のアクチュエータのそれぞれは、圧電層とこれを挟むように配置された電極とを有しており、電極に電圧を付与することで圧力室56の内部のインクR1に吐出エネルギーを付与できるように構成されてる。また、図示していないが、電極には、ドライバICを搭載したフレキシブルプリント配線基板(Flexible Printed Circuit:FPC)の一方端部が電気的に接続されており、当該FPCの他方端部は、制御部30(図1)に電気的に接続されている。本実施形態では、インク吐出ヘッド20aにおける主走査方向および副走査方向の解像度がいずれも600dpiであり、アクチュエータユニット46は、ノズル50から吐出されるインクR1のドット間隔が副走査方向に600dpiとなるように制御部30によって制御される。したがって、用紙P上には、主走査方向および副走査方向に1/600インチ間隔で区画された格子状の単位領域が規定される。
【0023】
図1に示すように、処理液吐出ヘッド20bは、搬送機構12で搬送される用紙Pにインク吐出ヘッド20aの上流側で処理液R2を吐出するものであり、その流路ユニット44に液体タンク14bが接続される点を除いて、インク吐出ヘッド20aと同様に構成されている。つまり、処理液吐出ヘッド20bは、主走査方向に長尺な略直方体状のヘッドホルダ40を有しており、ヘッドホルダ40の下面に処理液R2を吐出するヘッド本体42が装着されている。そして、ヘッド本体42の上方には、処理液供給口に連通するリザーブユニットが配置されている。
【0024】
処理液吐出ヘッド20bのアクチュエータユニット46は、圧電層とこれを挟むように配置された電極とを有する複数のアクチュエータを有しており、電極には、ドライバICを搭載したFPCの一方端部が電気的に接続されており、当該FPCの他方端部は、制御部30に電気的に接続されている。処理液吐出ヘッド20bにおける主走査方向および副走査方向の解像度は、インク吐出ヘッド20aと同様に、いずれも600dpiであり、これにより、処理液吐出ヘッド20bから吐出された処理液R2を上記単位領域に正確に着弾させることができる。用紙Pに対する処理液R2の着弾位置とインクR1の着弾位置とを正確に一致させるために、処理液吐出ヘッド20bとインク吐出ヘッド20aとは、用紙Pに対して同じ位置的条件(距離、吐出角等)で配置されている。
[連通路等の構成]
【0025】
連通路22aは、液体タンク14aとインク吐出ヘッド20aとを連通させるインクR1の流路であり、本実施形態では、可撓性を有するチューブで構成されている。そして、連通路22aの途中には、分岐路60aを介してリザーブタンク24aが接続されており、連通路22aと分岐路60aとの接続部には、流路を切り替えるための切替弁62aが設けられている。また、切替弁62aの上流側における連通路22aまたは分岐路60a(本実施形態では連通路22a)には、ポンプ64aが設けられている。切替弁62aおよびポンプ64aは、制御部30に対して導電線を介して電気的に接続されており、制御部30によってこれらの動作が制御される。
【0026】
連通路22bは、液体タンク14bと処理液吐出ヘッド20bとを連通させる処理液R2の流路であり、本実施形態では、可撓性を有するチューブで構成されている。そして、連通路22bの途中には、分岐路60bを介してリザーブタンク24bが接続されており、連通路22bと分岐路60bとの接続部には、流路を切り替えるための切替弁62bが設けられている。また、切替弁62bの上流側における連通路22bまたは分岐路60b(本実施形態では連通路22b)には、ポンプ64bが設けられている。切替弁62bおよびポンプ64bは、制御部30に対して導電線を介して電気的に接続されており、制御部30によってこれらの動作が制御される。
【0027】
リザーブタンク24a,24bは、液体タンク14a,14bから移送されるインクR1および処理液R2を一時的に貯留する容器であり、リザーブタンク24a,24bの容量は、それらに連通された液体タンク14a,14bの容量と同じに設計されている。
【0028】
液体移送手段26a,26bは、リザーブタンク24a,24bに対して、それらに対応する液体タンク14a,14bからインクR1および処理液R2を移送させるものであり、本実施形態では、制御部30、切替弁62a,62bおよびポンプ64a,64bによって液体移送手段26a,26bが構成されている。つまり、制御部30で切替弁62a,62bを操作することによって、液体タンク14a,14bとリザーブタンク24a,24bとを連通させる流路が確保され、その後、制御部30でポンプ64a,64bを駆動させることによって、液体タンク14a,14bのインクR1および処理液R2がリザーブタンク24a,24bに移送される。
【0029】
本実施形態では、液体タンク14a,14bおよびリザーブタンク24a,24bがインク吐出ヘッド20aおよび処理液吐出ヘッド20bよりも上方に配置されており、インクR1および処理液R2は、インク吐出ヘッド20aおよび処理液吐出ヘッド20bに対して、水頭差によって自然に供給されるようになっている。ここで、ポンプ64a,64bについては、動作していなくてもインクR1および処理液R2の通過を許容できるように構成されている。
[制御部の構成]
【0030】
図5は、インクジェットプリンタ10に用いられる制御部30の構成を示すブロック図である。
【0031】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラムや各種のデータを書き替え可能に記憶するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)とを有している。そして、図5に示すように、CPUで制御プログラムが実行されることによって、ヘッド制御部70、画像データ記憶部72、処理液吐出データ記憶部74、処理液吐出データ作成部76、処理液吐出データ変更部78、搬送制御部80、液体移送制御部82および残量検知部84が実現される。
【0032】
ヘッド制御部70は、画像データ記憶部72に記憶された画像データに基づいてインク吐出ヘッド20aのアクチュエータを制御するインク吐出ヘッド制御部70aと、処理液吐出データ記憶部74に記憶された処理液吐出データに基づいて処理液吐出ヘッド20bのアクチュエータを制御する処理液吐出ヘッド制御部70bとを有している。ここで、画像データは、インク吐出ヘッド20aから用紙P上の各単位領域に吐出するインクR1の量を、ゼロ、小滴、中滴、大滴の4段階で示すものであり、処理液吐出データは、処理液吐出ヘッド20bから用紙P上の各単位領域に吐出する処理液R2の量を、ゼロ、小滴、中滴、大滴の4段階で示すものである。したがって、残量検知部84では、画像データおよび処理液吐出データに含まれる液滴のドット数やドットサイズに基づいて、インクR1および処理液R2の消費量を求めることができる。
【0033】
処理液吐出データ作成部76は、画像データ記憶部72に記憶された画像データに基づいて処理液吐出データを作成するものであり、処理液吐出データ変更部78は、処理液吐出データ記憶部74に記憶された処理液吐出データを、操作パネル86から入力された情報等に基づいて適宜変更するものである。
【0034】
液体移送制御部82は、液体移送手段26a,26bを構成する切替弁62a,62bおよびポンプ64a,64bを制御する「液体移送制御手段」としての機能を有するものであり、液体移送制御部82によって、切替弁62a,62bおよびポンプ64a,64bの状態が把握される。したがって、液体移送制御部82から出力されるポンプの能力や稼動時間に関する信号に基づいて、液体移送手段26a,26bによるインクR1および処理液R2の移送量を求めることが可能であり、残量検知部84では、これらの移送量に基づいてリザーブタンク24a,24bにおけるインクR1および処理液R2の残量を求めることができる。
【0035】
残量検知部84は、画像データ記憶部72から与えられた画像データに基づいて、液体タンク14aに貯留されたインクR1の残量を検知する機能と、処理液吐出データ記憶部74から与えられた処理液吐出データに基づいて、液体タンク14bに貯留された処理液R2の残量を検知する機能と、液体移送制御部82から与えられた信号に基づいて、リザーブタンク24a,24bに貯留されたインクR1および処理液R2の残量を検知する機能とを有している。つまり、残量検知部84は、液体タンク14a,14bの残量を検知する「液体タンク残量検知手段」としての機能と、リザーブタンク24a,24bの残量を検知する「リザーブタンク残量検知手段」としての機能とを有している。
【0036】
操作パネル86は、処理液吐出データ変更部78および残量検知部84に対して各種の情報を入力する「情報入力手段」としての機能と、残量検知部84から与えられた信号に基づいて液体カートリッジ16を交換すべきことを報知する「報知手段」としての機能とを有している。或る液体タンク14a,14bにおけるインクR1または処理液R2の残量が、予め設定された所定量(第1所定量)よりも少なくなったことを「液体タンク残量検知手段」としての残量検知部84が検知すると、操作パネル86は、液体カートリッジ16を交換すべきことを報知するように、その表示部(図示省略)に文字等を表示する。
[制御部の制御動作]
【0037】
以下に、図5および図6を参照しながら、「液体移送制御手段」としての制御部30の制御動作を説明する。
【0038】
制御部30による液体移送制御は、インクジェットプリンタ10の印刷動作と並行して実行されるものである。印刷動作の最中には、ステップS1において、液体タンク14a,14bのインクR1および処理液R2が、水頭差によってインク吐出ヘッド20aおよび処理液吐出ヘッド20bに供給され、これらのインクR1および処理液R2が画像形成のために使用される。
【0039】
印刷動作においてインクR1および処理液R2が使用されると、液体タンク14a,14bの残量が減少していくため、これらの一方の残量が無くなった際には、液体カートリッジ16を交換する必要がある。そこで、ステップS3〜S13では、カートリッジ交換のための液体移送制御が実行される。
【0040】
つまり、ステップS3では、液体タンク14a,14bの残量が残量検知部84によって検知される。ステップS5では、或る液体タンク14a,14bにおけるインクR1または処理液R2の残量が「第1所定量」未満であるか否かが判断され、「NO」と判断されると、ステップS1に戻って通常の液体供給が続行され、「YES」と判断されると、インクR1および処理液R2の使用が停止(すなわち印刷動作が中止)され、ステップS7が実行される。ステップS7では、他の液体タンク14a,14bに残ったインクR1または処理液R2をリザーブタンク24a,24bに移送するように液体移送手段26a,26bが制御される。ステップS9では、ステップS7の移送が完了したか否かが判断され、「NO」と判断されると、ステップS7に戻って移送動作が続行され、「YES」と判断されると、ステップS11が実行される。たとえば、制御部30は、ポンプ64a,64bの稼動時間が液体タンク14a,14bに残ったインクR1または処理液R2を移送するのに必要な時間に達したとき、移送が完了したと判断する。ステップS11では、液体カートリッジ16を交換すべきことが「報知手段」としての操作パネル86によって報知される。ステップS13では、カートリッジ交換が完了したか否かが判断され、「NO」と判断されると、そのまま待機され、「YES」と判断されると、図6のステップS15が実行される。
【0041】
カートリッジ交換が完了した後には、カートリッジ交換の際にリザーブタンク24a,24bに移送したインクR1および処理液R2を再利用する必要がある。そこで、ステップS15〜S25では、インクR1および処理液R2を再利用するための液体供給制御が実行される。
【0042】
つまり、ステップS15では、リザーブタンク24a,24bのインクR1および処理液R2の残量が残量検知部84において検知される。ステップS17では、リザーブタンク24a,24bのインクR1および処理液R2の残量が「第2所定量」以上であるか否かが判断され、「NO」と判断されると、ステップS27に進み、「YES」と判断されると、ステップS19およびS21がこの順に実行される。ステップS19では、ステップS17で「YES」と判断されたリザーブタンク24a,24bと、それに対応するインク吐出ヘッド20aまたは処理液吐出ヘッド20bとを連通させるように、「連通手段」としての切替弁62a,62bが「連通制御手段」としての制御部30によって制御され、リザーブタンク24a,24bのインクR1または処理液R2がインク吐出ヘッド20aまたは処理液吐出ヘッド20bに供給される。ステップS21では、リザーブタンク24a,24bの残量が残量検知部84によって検知され、ステップS23では、リザーブタンク24a,24bの残量が「第2所定量」未満であるか否かが判断され、「NO」と判断されると、ステップS19に戻り、「YES」と判断されると、ステップS25が実行される。ステップS25では、ステップS23において「YES」と判断されたリザーブタンク24a,24bと、それに対応するインク吐出ヘッド20aまたは処理液吐出ヘッド20bとの連通を遮断させるように、「連通手段」としての切替弁62a,62bが「連通制御手段」としての制御部30によって制御され、リザーブタンク24a,24bからのインクR1または処理液R2の供給が停止される。そして、ステップS27において、制御部30による液体移送制御を終了するか否かが判断され、「NO」と判断されると、ステップS1に戻って通常の液体供給が実行され、「YES」と判断されると、液体移送制御が終了される。
[第1実施形態の効果]
【0043】
第1実施形態によれば、液体タンク14a,14bの一方に貯留されていたインクR1または処理液R2が消費され、カートリッジ交換が必要となった場合に、液体タンク14a,14bの他方に残ったインクR1または処理液R2を、リザーブタンク24a,24bに移送することができるので、無駄に廃棄される残存液の量を少なくすることができる。また、リザーブタンク24a,24bの容量が、それらに連通された液体タンク14a,14bの容量と同じに設計されているので、カートリッジ交換の際には、液体タンク14a,14bに残ったインクR1または処理液R2の全てをリザーブタンク24a,24bに完全に移送することが可能であり、無駄に廃棄される残存液の量をさらに少なくすることができる。
【0044】
また、液体タンク14a,14bにおけるインクR1および処理液R2の残量を、画像データおよび処理液吐出データから読み取った液滴のドット数やドットサイズに基づいて、簡単かつ正確に検知することができるとともに、リザーブタンク24a,24bにおけるインクR1および処理液R2の残量を、ポンプの能力や稼動時間から算出される移送量に基づいて、簡単かつ正確に検知することができる。
【0045】
また、液体移送手段26a,26bによってリザーブタンク24a,24bに移送したインクR1または処理液R2を、優先的にインク吐出ヘッド20aまたは処理液吐出ヘッド20bに直接供給するようにしているので、これらの古いインクR1および処理液R2が液体タンク14a,14bの新たなインクR1および処理液R2に混入するのを防止することができ、インクR1および処理液R2の品質を安定させることができる。
(第2実施形態)
【0046】
図7は、第2実施形態に係るインクジェットプリンタ100の構成を示す概念図であり、図8は、インクジェットプリンタ100における制御部30(液体移送制御手段)の制御動作を示すフロー図である。
【0047】
図7に示すように、第2実施形態に係るインクジェットプリンタ100では、リザーブタンク24a,24bが連通路112a,112bを介して液体タンク14a,14bに直接接続されており、連通路112a,112bにポンプ114a,114bが設けられている。そして、制御部30による液体移送制御では、図6に示したステップS15〜S27に代えて、図8に示したステップS35〜S45が実行され、カートリッジ交換の後に、リザーブタンク24a,24bのインクR1および処理液R2が液体タンク14a,14bに補充される。
【0048】
つまり、ステップS35では、リザーブタンク24a,24bのインクR1および処理液R2の残量が残量検知部84において検知される。ステップS37では、リザーブタンク24a,24bのインクR1および処理液R2の残量が「第2所定量」以上であるか否かが判断され、「NO」と判断されると、ステップS45に進み、「YES」と判断されると、ステップS39において、液体タンク14a,14bの残量が残量検知部84によって検知される。ステップS41では、液体タンク14a,14bにおけるインクR1または処理液R2の残量が「第3所定量」未満であるか否かが判断され、「NO」と判断されると、ステップS45に進み、「YES」と判断されると、ステップS43が実行される。ステップS43では、リザーブタンク24a,24bに貯留されたインクR1または処理液R2を液体タンク14a,14bに補充するようにポンプ114a,114bが制御される。そして、ステップS45では、制御部30による液体移送制御を終了するか否かが判断され、「NO」と判断されると、ステップS1に戻って通常の液体供給が実行され、「YES」と判断されると、液体移送制御が終了される。
(第3実施形態)
【0049】
図9は、第3実施形態に係るインクジェットプリンタ110の構成を示す概念図である。
【0050】
図9に示すように、第3実施形態に係るインクジェットプリンタ110では、インクR1を使用する「液体使用部」が、インクR1を吐出するインク吐出ヘッド20aであり、処理液R2を使用する「液体使用部」が、用紙Pの表面に処理液R2を塗布する塗布ローラ122を有している。塗布ローラ122は、処理液R2を貯留する処理液槽124の内部に回転自在に配設されており、処理液槽124には、処理液R2を貯留するサブタンク126が接続されている。また、サブタンク126に連通路22bの下流側端部が接続されている。したがって、液体タンク14bの処理液R2は、連通路22b、サブタンク126および処理液槽124を経て塗布ローラ122の表面122aに付着され、当該表面122aから用紙Pの表面に塗布される。そのため、搬送機構12は、用紙Pの表面を塗布ローラ122の表面122aに接触させるための湾曲した搬送路12aを有している。
(第4実施形態)
【0051】
図10は、第4実施形態に係るインクジェットプリンタ120の構成を示す概念図である。
【0052】
図10に示すように、第4実施形態に係るインクジェットプリンタ120では、複数の液体タンク14a,14b,14cのそれぞれに貯留される異なる液体が、インクR1、処理液R2および加湿液R3である。そして、インクR1を使用する「液体使用部」は、インク吐出ヘッド20aであり、処理液R2を使用する「液体使用部」は、処理液吐出ヘッド20bであり、加湿液R3を使用する「液体使用部」は、加湿液R3を気化させる気化部132と、気化部132で気化された加湿液R3をインク吐出ヘッド20aおよび処理液吐出ヘッド20bに与える加湿液供給部134とを有している。なお、インクジェットプリンタ120では、液体タンク14cの追加に伴って、これに関連する複数の構成要素が追加されているが、これらの構成要素については、液体タンク14a,14bに関連する構成要素と類似の参照番号を付して重複する説明を省略する。
【0053】
気化部132は、加湿液R3を貯留する加湿液槽136と、加湿液槽136の内部に配設された気化装置(超音波発生装置等)138とを有しており、加湿液槽136に連通路22cの下流側端部が接続されている。したがって、液体タンク14cの加湿液R3は、連通路22cを経て加湿液槽136に貯留され、気化装置138によって気化される。加湿液供給部134は、インク吐出ヘッド20aおよび処理液吐出ヘッド20bのそれぞれの吐出面48を覆うキャップ140a,140bと、加湿液槽136とキャップ140a,140bとを接続する環状の加湿流路142と、加湿流路142に設けられたポンプ144および逆止弁146とを有している。したがって、制御部30によってポンプ144を駆動すると、加湿液槽136内で気化された加湿液R3が加湿流路142を通してキャップ140a,140bに与えられ、各吐出面48の乾燥が防止される。
(その他の実施形態)
【0054】
上述の各実施形態では、制御部30の残量検知部84を「液体タンク残量検知手段」および「リザーブタンク残量検知手段」として用いているが、他の実施形態では、液体タンク14a,14bに取り付けられた液位センサを「液体タンク残量検知手段」として用いてもよく、また、リザーブタンク24a,24bに取り付けられた液位センサを「リザーブタンク残量検知手段」として用いてもよい。
【0055】
また、他の実施形態では、液体カートリッジ16を交換すべきことを、ランプ点灯や音声出力によって報知するようにしてもよい。これらの場合には、ランプや音声発生装置が「報知手段」となる。
【0056】
また、他の実施形態では、複数の液体タンクのそれぞれに貯留される異なる液体が、複数色のインクであってもよく、各インクを使用する複数の「液体使用部」が、対応するインクを吐出するインク吐出ヘッドであってもよい。この場合、少なくとも1つのインクは、使用頻度の高いブラックインクであってもよく、主として、液体タンクに残ったブラックインクをリザーブタンクに移送して再利用するようにしてもよい。
【0057】
そして、上述の各実施形態では、インクR1および処理液R2を、水頭差を利用してインク吐出ヘッド20aおよび処理液吐出ヘッド20b等に供給するようにしているが、他の実施形態では、これらをポンプを用いて強制的に供給するようにしてもよい。
【0058】
また、上述の各実施形態では、液体移送手段26a,26bによってリザーブタンク24a,24bに移送したインクR1または処理液R2を、優先的にインク吐出ヘッド20aまたは処理液吐出ヘッド20bに供給するようにしているが、切替弁62aまたは62bに連通する通路を全て連通状態とし、リザーブタンク24a,24bおよび液体タンク14a,14bの両方からインク吐出ヘッド20aまたは処理液吐出ヘッド20bにインクR1または処理液R2を供給するようにしてもよい。この場合には、液体タンク14a,14bが「第1所定量」未満となり、且つリザーブタンク24a,24bが「第2所定量」未満となったときに液体カートリッジの交換が必要となる。
【0059】
さらに、他の実施形態では、本発明をインク以外の液体を吐出する画像形成装置に適用してもよいし、ファクシミリおよびコピー機等のようなプリンタ以外の画像形成装置に適用してもよい。また、液体吐出方式としては、アクチュエータ方式に代えて、発熱素子で液体の体積を膨張させたときの圧力を利用して吐出させる方式を用いてもよい。
【符号の説明】
【0060】
P… 用紙
R1… インク(液体)
R2… 処理液(液体)
R3… 加湿液(液体)
10… インクジェットプリンタ(画像形成装置)
12… 搬送機構
14a,14b,14c… 液体タンク
16… 液体カートリッジ
18… カートリッジ装着部
20a… インク吐出ヘッド(液体使用部)
20b… 処理液吐出ヘッド(液体使用部)
22a,22b,22c… 連通路
24a,24b… リザーブタンク
26a,26b… 液体移送手段
30… 制御部(液体タンク残量検知手段、液体移送制御手段、リザーブタンク残量検知手段、連通制御手段)
60a,60b… 分岐路
62a,62b… 切替弁(連通手段)
64a,64b… ポンプ
86… 操作パネル(報知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる液体が貯留される複数の液体タンクを有する液体カートリッジと、
前記複数の液体タンクに貯留された各液体の残量を検知する液体タンク残量検知手段と、
前記液体カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、
画像を形成するために前記互いに異なる液体を使用する複数の液体使用部と、
前記複数の液体タンクと前記複数の液体使用部とを連通させる複数の連通路と、
を備える画像形成装置であって、
前記複数の液体タンクの少なくとも1つに対応して設けられ、対応する前記液体タンクに貯留されていた液体を一時的に貯留する少なくとも1つのリザーブタンクと、
前記リザーブタンクに対して、それに対応する前記液体タンクから液体を移送させる液体移送手段と、
前記液体移送手段を制御する液体移送制御手段とを備え、
前記液体移送制御手段は、或る前記液体タンクにおける液体の残量が第1所定量よりも少なくなったことを前記液体タンク残量検知手段が検知したとき、前記リザーブタンクに連通する他の少なくとも1つの前記液体タンクに残った液体を前記リザーブタンクに移送させるように前記液体移送手段を制御することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記リザーブタンクの容量は、それに連通された前記液体タンクの容量と同じである、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
或る前記液体タンクにおける液体の残量が前記第1所定量よりも少なくなったことを前記液体タンク残量検知手段が検知したときに、前記液体カートリッジを交換すべきことを報知する報知手段を備える、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の液体タンクのそれぞれに貯留される前記互いに異なる液体は、複数色のインクであり、
各インクを使用する複数の前記液体使用部は、対応するインクを吐出するインク吐出ヘッドであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複数の液体タンクのそれぞれに貯留される前記互いに異なる液体は、インクおよびインクの成分を凝集または析出させる処理液であり、
インクを使用する前記液体使用部は、インクを吐出するインク吐出ヘッドであり、
処理液を使用する前記液体使用部は、処理液吐出ヘッドであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の液体タンクのそれぞれに貯留される前記互いに異なる液体は、インクおよびインクの成分を凝集または析出させる処理液であり、
インクを使用する前記液体使用部は、インクを吐出するインク吐出ヘッドであり、
処理液を使用する前記液体使用部は、記録媒体の表面に処理液を塗布する塗布ローラを有することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記複数の液体タンクのそれぞれに貯留される前記互いに異なる液体は、インクおよび加湿液であり、
インクを使用する前記液体使用部は、インクを吐出するインク吐出ヘッドであり、
加湿液を使用する前記液体使用部は、加湿液を気化させる気化部と、前記気化部で気化された加湿液を前記インク吐出ヘッドに与える加湿液供給部とを有することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記リザーブタンクが前記連通路に分岐路を介して接続されており、
前記リザーブタンクに貯留された液体の残量を検知するリザーブタンク残量検知手段と、
前記連通路または前記分岐路に設けられ、前記液体使用部に対して、それに対応する前記リザーブタンクを連通させ、または、その連通を遮断させる連通手段と、
前記連通手段を制御する連通制御手段と、をさらに有し、
前記連通制御手段は、
前記リザーブタンク残量検知手段により検知された液体の残量が第2所定量以上であるとき、前記リザーブタンクとそれに対応する前記液体使用部とを連通させるように前記連通手段を制御し、前記リザーブタンク残量検知手段により検知された液体の残量が第2所定量未満であるとき、前記リザーブタンクとそれに対応する前記液体使用部との連通を遮断させるように前記連通手段を制御することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−76284(P2012−76284A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221671(P2010−221671)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】