説明

画像形成装置

【課題】モノクロ印刷時における逆転写を抑制しつつ、無駄な電力消費を抑えることを目的とする。
【解決手段】制御手段は、モノクロ印刷時において、複数の第2の感光体ドラム51Y,51M,51Cのうち最上流側の第2の感光体ドラム51Yを除いた下流側の第2の感光体ドラム51M,51Cに対応する帯電手段(帯電ワイヤ52WM,52WC)に印加する帯電バイアスの絶対値を、カラー印刷時よりも小さく、かつ、最上流側の第2の感光体ドラム51Yに対応する帯電手段(帯電ワイヤ52WY)に印加する帯電バイアスの絶対値よりも小さくする省エネ制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノクロ印刷とカラー印刷の各印刷モードを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラー画像形成装置は、静電潜像が形成される感光体ドラムと、内部にトナーを収容し、かつ、感光体ドラムの静電潜像にトナーを供給する現像カートリッジとを、複数色のトナーに応じて複数備えている。このカラー画像形成装置では、各感光体ドラムに沿って用紙を搬送することで、用紙上に各感光体ドラム上の各色のトナー像が順次転写される。
【0003】
このようなカラー画像形成装置としては、従来、モノクロ用(通常、ブラック)の感光体ドラムや現像カートリッジが、用紙の搬送方向の最上流側に配置されたものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−3377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記構成のカラー画像形成装置においてモノクロ印刷を行う場合は、モノクロ用以外の感光体ドラムも用紙に接触するため、最上流側のモノクロ用の感光体ドラムから転写された用紙上のトナーが下流側の感光体ドラムに付着(以下、逆転写ともいう。)するといった問題が発生する。
【0006】
この問題に対し、従来技術では、モノクロ印刷時であってもモノクロ用以外の感光体ドラムをカラー印刷時と同等の表面電位になるように帯電バイアスを印加して帯電させることで、逆転写を抑制していた。しかしながら、このようにモノクロ印刷時でもカラー印刷時と同等の帯電バイアスを印加して各感光体ドラムを帯電させると、無駄な電力を消費してしまうため好ましくない。しかし、省エネのため、モノクロ印刷時には2〜4色目の帯電バイアスを下げることが考えられるが、このように構成すると、再び逆転写の問題が発生してしまうおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は、モノクロ印刷時における逆転写を抑制しつつ、無駄な電力消費を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決する本発明は、モノクロ印刷とカラー印刷の各印刷モードを有する画像形成装置であって、モノクロ印刷に使用する第1の感光体ドラムと、カラー印刷に使用する複数の第2の感光体ドラムと、前記第1および第2の感光体ドラムのそれぞれに対応して設けられ、前記感光体ドラムを帯電させる帯電手段と、前記第1および第2の感光体ドラムのそれぞれに対応して設けられ、前記感光体ドラム上の現像剤像を転写媒体上に転写させる転写手段と、前記帯電手段および前記転写手段に帯電バイアスおよび転写バイアスを印加する制御手段と、を備え、前記第1の感光体ドラムは、前記転写媒体の移動方向において前記複数の第2の感光体ドラムよりも上流に設けられ、前記制御手段は、モノクロ印刷時において、複数の前記第2の感光体ドラムのうち前記移動方向の最上流側の第2の感光体ドラムを除いた下流側の第2の感光体ドラムに対応する帯電手段に印加する帯電バイアスの絶対値を、カラー印刷時よりも小さく、かつ、前記最上流側の第2の感光体ドラムに対応する帯電手段に印加する帯電バイアスの絶対値よりも小さくする省エネ制御を実行することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、複数の第2の感光体ドラムのうち最上流を除いた下流側の第2の感光体ドラムに対応する帯電バイアスの絶対値をカラー印刷時よりも小さくするので、無駄な電力消費を抑えることができる。また、最上流側の第2の感光体ドラムに対応する帯電バイアスの絶対値を、下流側の第2の感光体ドラムに対応する帯電バイアスの絶対値よりも大きくしているので、すべての第2の感光体ドラムへの現像剤の逆転写を抑制することができる。なお、この逆転写の抑制は、実験により確認されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、モノクロ印刷時における逆転写を抑制しつつ、無駄な電力消費を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の側断面図である。
【図2】感光体ドラムと現像ローラの離間を説明する図である。
【図3】制御装置から現像ローラ、帯電器および転写ローラへの電圧の印加を説明する図である。
【図4】モノクロモード時に省エネ制御を行う形態を示すマップであり、感光体ドラムの表面電位のマップを示す図(a)と、ワイヤ電流のマップを示す図(b)である。
【図5】湿度センサを設けた画像形成装置を示す側断面図である。
【図6】モノクロモードでの高湿時には省エネ制御を実行しない形態を示すマップである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、カラープリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することとする。
【0013】
以下の説明において、方向は、カラープリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって左側を「前側」、紙面に向かって右側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「左側」、紙面に向かって手前側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0014】
図1に示すように、カラープリンタ1は、装置本体2内に、転写媒体の一例としての用紙Pを供給する給紙部20と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Pを排出する排紙部90と、制御手段としての制御装置100とを備えている。
【0015】
装置本体2の上部には、開口部2Aが形成されている。そして、この開口部2Aは、装置本体2に回動可能に支持されるアッパーカバー3によって開閉されるようになっている。アッパーカバー3の上面は、装置本体2から排出された用紙Pを蓄積する排紙トレイ4となっており、下面には後述するLEDユニット40を保持する複数のLED取付部材5が設けられている。
【0016】
給紙部20は、装置本体2内の下部に設けられ、装置本体2に着脱自在に装着される給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Pを画像形成部30へ搬送する用紙供給機構22を備えている。用紙供給機構22は、給紙トレイ21の前側に設けられ、給紙ローラ23、分離ローラ24および分離パッド25を備えている。
【0017】
このように構成される給紙部20では、給紙トレイ21内の用紙Pが、一枚ずつ分離されて上方へ送られ、紙粉取りローラ26とピンチローラ27の間を通過する過程で紙粉が除去された後、搬送経路28を通って後ろ向きに方向転換され、画像形成部30に供給される。
【0018】
画像形成部30は、4つのLEDユニット40と、4つのプロセスカートリッジ50と、転写ユニット70と、クリーニング部10と、定着ユニット80とから主に構成されている。
【0019】
LEDユニット40は、LED取付部材5に対して揺動可能に連結されており、装置本体2に設けられる位置決め部材によって適宜位置決めされて支持されている。
【0020】
プロセスカートリッジ50は、アッパーカバー3と給紙部20との間で前後方向に並んで配置され、感光体ドラム51や、帯電手段の一例としての帯電器52、現像ローラ53、現像剤の一例としてのトナーを収容するトナー収容室54などを備えている。
【0021】
プロセスカートリッジ50は、ブラック用、イエロー用、マゼンタ用およびシアン用の各色のトナーが入った50K,50Y,50M,50Cの符号で示すものが用紙Pの搬送方向(転写媒体の移動方向)の上流側からこの順で並んで配置されている。なお、本明細書および図面において、トナーの色に対応した感光体ドラム51、帯電器52、現像ローラ53および転写ローラ74を特定する場合には、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのそれぞれに対応させて、K、Y、M、Cの記号を付すこととする。
【0022】
また、本実施形態では、モノクロ印刷に使用するブラック用の感光体ドラム51Kを、「第1の感光体ドラム51K」とも呼ぶ。さらに、この第1の感光体ドラム51Kよりも下流側に配置され、カラー印刷のみに使用するブラック以外の感光体ドラム51Y,51M,51Cを、「第2の感光体ドラム51Y,51M,51C」とも呼ぶ。
【0023】
帯電器52は、各感光体ドラム51のそれぞれに対応して設けられ、各感光体ドラム51を帯電するように構成されている。帯電器52は、帯電ワイヤ52Wと、この帯電ワイヤ52Wと感光ドラム51の間に配置されたグリッド電極52Gとを備えてなる。
【0024】
図2に示すように、現像ローラ53は、公知の接離機構110(特許文献1に記載の切替機構と同様である。)を制御装置100により制御することで、感光体ドラム51に対して近接・離間可能となっている。具体的に、カラー印刷モードにおいては、すべての現像ローラ53K,53Y,53M,53Cが、それぞれ対応する感光体ドラム51K,51Y,51M,51Cに接触して各感光体ドラム51K,51Y,51M,51Cにトナーを供給するようになっている。また、モノクロ印刷モードにおいては、ブラック用(モノクロ用)の現像ローラ53Kのみが第1の感光体ドラム51Kに接触し、その他の3色の現像ローラ53Y,53M,53Cは、対応する第2の感光体ドラム51Y,51M,51Cから離間するようになっている。
【0025】
図1に示すように、転写ユニット70は、給紙部20と各プロセスカートリッジ50との間に設けられ、駆動ローラ71、従動ローラ72、搬送ベルト73および転写手段の一例としての転写ローラ74を備えている。
【0026】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間に無端状のベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光体ドラム51に接している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光体ドラム51との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光体ドラム51に対向(対応)して4つ設けられている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によってトナーの帯電極性とは異なる極性の転写バイアス(転写電圧)が掛けられる。
【0027】
定着ユニット80は、各プロセスカートリッジ50および転写ユニット70の後側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
【0028】
このように構成される画像形成部30では、カラー印刷モードの場合、まず、各感光体ドラム51の表面が、各帯電器52により一様に帯電された後、各LEDユニット40で露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光体ドラム51上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、静電潜像に各現像ローラ53よりトナーが供給されることで、各感光体ドラム51上にトナー像が担持される。
【0029】
搬送ベルト73上に供給された用紙Pが各感光体ドラム51と搬送ベルト73の内側に配置される各転写ローラ74との間を通過することで、各感光体ドラム51上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。そして、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0030】
排紙部90は、定着ユニット80の出口から上方に向かって延び、前方に反転するように形成された排紙側搬送経路91と、用紙Pを搬送する複数対の搬送ローラ92を備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Pは、搬送ローラ92によって排紙側搬送経路91を搬送され、装置本体2の外部に排出されて排紙トレイ4に蓄積される。
【0031】
制御装置100は、CPU,ROM,RAMなどを有し、予め用意されたプログラムに従い、印刷データの受信、給紙部20、画像形成部30、排紙部90および接離機構110の制御を行うように構成されている。具体的に、制御装置100は、用紙P上にモノクロ画像を形成するモノクロ印刷モード(以下、モノクロモード)と、用紙P上にカラー画像を形成するカラー印刷モード(以下、カラーモード)とを実行可能に構成されており、各モードにおいては、図3に示すように、現像ローラ53、帯電器52、転写ローラ74に印加する電圧を適宜制御している。
【0032】
制御装置100は、各帯電器52を制御して各感光体ドラム51の表面電位を変化(例えば0Vから760Vへ変化など)させており、特に、モノクロモード時においては、以下に説明するような特別な制御を実行する。
【0033】
<帯電器の制御>
次に、制御装置100による帯電器52に印加する帯電バイアスの制御について説明する。
なお、本実施形態においては、正帯電性のトナーを一例に説明するが、負帯電性のトナーでも本発明を同様に適用することができる。帯電バイアスの極性は、トナーの帯電極性に応じて適宜設定される。また、本実施形態においては、公知の制御によって、各現像ローラ53や各転写ローラ74に適宜電圧を印加するので、この説明は省略する。
【0034】
帯電バイアスは、感光体ドラム51の表面電位を制御するための電圧および電流である。本実施例における帯電バイアスの制御は、各色の帯電ワイヤ52WK,52WY,52WM,52WCに流す電流値を変更することにより行われている。具体的に、制御装置100は、感光体ドラム51の表面電位が図4(a)に示すマップの値になるように、図4(b)に示すマップに基づいて、各帯電器52に印加する帯電バイアスを制御している。尚、本実施例では電流によって制御したが、帯電ワイヤ52Wおよびグリッド電極52Gに印加する電圧を所定のマップに基づいて制御することにより、感光体ドラム51の表面電位が図4(a)に示すような値となるように制御してもよい。
【0035】
図4に示すように、カラーモードでは、制御装置100は、各帯電器52に同じ値の帯電バイアスを印加することで、各感光体ドラム51の表面電位をすべて同じ値(例えば760V)の電位にする。
【0036】
そして、制御装置100は、モノクロモードを実行する場合には、上流側の2つの感光体ドラム51K,51Yの表面電位をカラー印刷時と同じ値(例えば760V)に維持しつつ、下流側の2つの感光体ドラム51M,51Cの表面電位をカラー印刷時よりも低い値(例えば100V)に下げる省エネ制御を実行する。すなわち、省エネ制御では、モノクロ印刷時において、複数の第2の感光体ドラム51Y,51M,51Cのうち最上流側の第2の感光体ドラム51Yを除いた下流側の第2の感光体ドラム51M,51Cの表面電位がカラー印刷時よりも絶対値が小さく、かつ、最上流側の第2の感光体ドラム51Yよりも絶対値が小さくなるように帯電器52が制御されている。
【0037】
言い換えると、制御装置100は、モノクロ印刷時において、複数の第2の感光体ドラム51Y,51M,51Cのうち最上流側の第2の感光体ドラム51Yを除いた下流側の第2の感光体ドラム51M,51Cに対応する帯電器52に印加する帯電バイアスの絶対値(例えば30μA)を、カラー印刷時(例えば230μA)よりも小さく、かつ、最上流側の第2の感光体ドラム51Yに対応する帯電器52に印加する帯電バイアスの絶対値(例えば230μA)よりも小さくする省エネ制御を実行する。尚、このように制御することにより、逆転写が抑制されることが実験により確認されている。
【0038】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
複数の第2の感光体ドラム51Y,51M,51Cのうち最上流を除いた下流側の第2の感光体ドラム51M,51Cに対応する帯電バイアスの絶対値を、カラー印刷時よりも小さくするので、無駄な電力消費を抑えることができる。また、最上流側の第2の感光体ドラム51Yに対応する帯電バイアスの絶対値を、下流側の第2の感光体ドラム51M,51Cに対応する帯電バイアスの絶対値よりも大きくしているので、各第2の感光体ドラム51Y,51M,51Cへの現像剤の逆転写を抑制することができる。なお、この逆転写の抑制は、実験により確認されている。
【0039】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、モノクロモードでは、常に省エネ制御を実行するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、装置本体2に湿度検出手段の一例としての湿度センサ200を設け、この湿度センサ200で検出した装置本体2外の湿度に基づいて省エネ制御を実行するか否かを決めてもよい。
【0040】
具体的には、例えば、図6に示すように、制御装置100は、モノクロモード時において、湿度センサ200により検出された湿度が所定値未満である場合には(通常)、省エネ制御を実行し、湿度が所定値以上である場合には(高湿)、省エネ制御を実行しないように構成されていてもよい。
【0041】
これによれば、3色目以降で逆転写が発生しやすい高湿環境下では、省エネ制御を実行しないことで、逆転写を抑制することができる。なお、湿度検出手段としては、装置本体内の湿度を検知する湿度センサを採用してもよい。
【0042】
前記実施形態では、省エネ制御において、3,4色目の帯電器52M,52Cのみをカラーモード時とは異なるように制御したが、本発明はこれに限定されず、3,4色目の帯電器52M,52Cの制御に加え、3,4色目の第2の感光体ドラム51M,51Cに対応する転写ローラ74M,74Cに印加する転写バイアスの絶対値を小さくしてもよい。これによれば、省エネ制御において、3,4色目の第2の感光体ドラム51M,51Cの表面電位を下げることで、3,4色目の第2の感光体ドラム51M,51Cの表面電位が逆極性(転写バイアスの極性)の電位に変化してしまうことを、転写バイアスをゼロに近づけることにより抑えることが可能となる。
【0043】
前記実施形態では、4色のトナーに対応するように感光体ドラム51を4つ設けたが、本発明はこれに限定されず、例えば3色の場合には感光体ドラムを3つ、5色以上の場合には感光体ドラムを5つ以上設ければよい。
【0044】
前記実施形態では、1つの感光体ドラムで黒色を印字するようにしたが、本発明はこれに限定されず、例えばイエロー、マゼンタ、シアンの3色で黒色を印字してもよい。なお、この場合、黒色の印字に寄与する3色の感光体ドラムが第1の感光体ドラムに相当し、これよりも下流側にある他の色(例えばライトマゼンタ、ライトシアンなど)の感光体ドラムが第2の感光体ドラムに相当する。
【0045】
前記実施形態では、転写媒体として用紙Pを例示したが、本発明はこれに限定されず、転写媒体は、例えば中間転写ベルトであってもよい。
【0046】
前記実施形態では、帯電手段として帯電ワイヤを有する帯電器52を例示したが、本発明はこれに限定されず、帯電手段は、例えば感光体ドラムに接触することで帯電させる帯電ローラであってもよい。
【0047】
前記実施形態では、転写手段として転写ローラ74を例示したが、本発明はこれに限定されず、転写手段は、導電性ブラシや導電性板バネなど、転写バイアスが印加されるものであればよい。
【0048】
前記実施形態においては、画像形成装置としてカラープリンタを例示したが、複合機やコピー機に本発明を適用することもできる。
前記実施形態においては、接離機構110を設けたが、本発明はこれに限定されず、接離機構はなくてもよい。この場合であっても、2色目以降の逆転写を抑えることで、2色目以降のトナー収容室内での混色を抑えるといった効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 カラープリンタ
51K 第1の感光体ドラム
51Y,51M,51C 第2の感光体ドラム
52 帯電器
74 転写ローラ
100 制御装置
200 湿度センサ
P 用紙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノクロ印刷とカラー印刷の各印刷モードを有する画像形成装置であって、
モノクロ印刷に使用する第1の感光体ドラムと、
カラー印刷に使用する複数の第2の感光体ドラムと、
前記第1および第2の感光体ドラムのそれぞれに対応して設けられ、前記感光体ドラムを帯電させる帯電手段と、
前記第1および第2の感光体ドラムのそれぞれに対応して設けられ、前記感光体ドラム上の現像剤像を転写媒体上に転写させる転写手段と、
前記帯電手段および前記転写手段に帯電バイアスおよび転写バイアスを印加する制御手段と、を備え、
前記第1の感光体ドラムは、前記転写媒体の移動方向において前記複数の第2の感光体ドラムよりも上流に設けられ、
前記制御手段は、モノクロ印刷時において、複数の前記第2の感光体ドラムのうち前記移動方向の最上流側の第2の感光体ドラムを除いた下流側の第2の感光体ドラムに対応する帯電手段に印加する帯電バイアスの絶対値を、カラー印刷時よりも小さく、かつ、前記最上流側の第2の感光体ドラムに対応する帯電手段に印加する帯電バイアスの絶対値よりも小さくする省エネ制御を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
湿度を検出する湿度検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、
モノクロ印刷時に前記湿度検出手段により検出された湿度が所定値未満である場合に、前記省エネ制御を実行し、
モノクロ印刷時に前記湿度検出手段により検出された湿度が所定値以上である場合に、前記省エネ制御を実行しないように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記省エネ制御を実行する際に、前記下流側の第2の感光体ドラムに対応する転写手段に印加する転写バイアスの絶対値を小さくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−8302(P2012−8302A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143466(P2010−143466)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】