説明

画像形成装置

【課題】トナーを無駄なく現像器に補給することができるトナー補給容器と、交換の作業性が向上し、効率良く廃棄トナーを回収するトナー回収ユニットを備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、クリーニング部16にて除去された廃棄トナーを回収するトナー回収ユニット130と、現像器14に補給するトナーを収容するトナー補給容器121とを備える。トナー回収ユニット130は、クリーニング部16の廃棄トナーを搬送するトナー搬送部141と、このトナー搬送部141で搬送される廃棄トナーを貯留するとともに装置本体に対して着脱可能にトナー補給容器121と一体に設けられる第1トナー回収容器131と、この第1トナー回収容器131に対してトナー搬送部141の搬送方向下流側に設けられ、廃棄トナーを貯留する第2トナー回収容器136とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等で生じる廃棄トナーを回収するトナー回収ユニットを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機,プリンタ等の画像形成装置において、感光体ドラム上に形成されたトナー像は、直接、用紙に転写されたり、中間転写ベルトを介して用紙に転写されたりする。この際、感光体ドラムや中間転写ベルト等の像担持体には、一部のトナーが転写されないで残留トナーとして残る。この残留トナーは、そのまま放置しておくと、次の画像形成が良好に行えなくなるので、ドラムクリーナやベルトクリーナ等のクリーニング部によって残留トナーを除去し、除去した残留トナー(廃棄トナー)はトナー回収ユニットに回収される。トナー回収ユニットは、廃棄トナーを収容するトナー回収容器を備えており、廃棄トナーがトナー回収容器に貯留され、トナー回収容器が廃棄トナーで満杯になると、トナー回収容器を未使用の新しいトナー回収容器に交換する作業が行われる。
【0003】
近年、このような部品の交換作業を簡単に行うことができるように、トナー回収容器を別の部品と一体化してカートリッジ形状にしている。例えば、特許文献1では、現像器にトナーを補給するためのトナー補給容器と、像担持体において生じた廃棄トナーを回収するためのトナー回収容器とが一体に形成され、このカートリッジが画像形成装置本体に対して着脱自在に備えられている。そして、残留トナーがクリーニング部にて除去され、クリーニング部から廃棄トナーがトナー回収容器に搬送され、このトナー回収容器内に蓄えられる。一方、現像のためにトナーが消費されトナー補給容器のトナーが無くなると、カートリッジが装置本体から引き出され、引き出されたカートリッジは廃棄処分され、新たなカートリッジが装置本体に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−222628号公報(段落[0017]、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した先行技術では、カートリッジを交換するとき、トナー補給容器のトナーを現像器に補給し終わってトナー補給容器にはトナーが残っていない状態であるが、トナー回収容器には廃棄トナーが満杯になっていない場合がある。この場合には、トナー回収容器には廃棄トナーを貯留しないスペースが発生し、その空きスペースは無駄になる。また、低濃度の画像や印字率の小さい画像を頻繁に画像形成するときには、トナーの劣化を防ぐために、定期的に現像器内のトナーを強制的に消費している。即ち、用紙に転写することなく像担持体上のトナーをクリーニング部にて除去し、そのトナーをトナー回収容器に搬送するので、トナー回収容器には廃棄トナーが多量に貯留され、トナー回収容器は満杯になるが、トナー補給容器内にはトナーがまだ残存することがある。このようにトナー補給容器内のトナーが残存するにもかかわらずに、カートリッジを交換しなければならいないという不都合があった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、トナーを無駄なく現像器に補給することができるトナー補給容器と、交換の作業性が向上し、効率良く廃棄トナーを回収するトナー回収ユニットを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために第1の発明は、像担持体上の残留トナーを除去するクリーニング部と、該クリーニング部にて除去された廃棄トナーを回収するトナー回収ユニットと、現像器に補給するトナーを収容するトナー補給容器とを備える画像形成装置において、前記トナー回収ユニットは、前記クリーニング部の廃棄トナーを搬送するトナー搬送部と、前記トナー搬送部で搬送された廃棄トナーを貯留するとともに装置本体に対して着脱可能に前記トナー補給容器と一体に設けられる第1トナー回収容器と、前記第1トナー回収容器に対して前記トナー搬送部の搬送方向下流側に設けられ、廃棄トナーを貯留する第2トナー回収容器とを有し、第1トナー回収容器が満杯になるまで前記第1トナー回収容器に廃棄トナーを貯留し、前記第1トナー回収容器が廃棄トナーで満杯になると前記第2トナー回収容器に廃棄トナーを貯留することを特徴としている。
【0008】
また、第2の発明では、上記の画像形成装置において、前記第1トナー回収容器と第2トナー回収容器との間に設けられる前記トナー搬送部に配置される開閉可能な開閉バルブを有し、前記第1トナー回収容器が廃棄トナーで満杯になるまでは前記開閉バルブを閉じ、前記第1トナー回収容器が廃棄トナーで満杯になると前記開閉バルブを開くことを特徴としている。
【0009】
また、第3の発明では、上記の画像形成装置において、前記第1トナー回収容器は、該容器内の廃棄トナーを検知するトナー量検知部材を備え、前記開閉バルブは、前記トナー量検知部材の検知結果に基づいて開閉されることを特徴としている。
【0010】
また、第4の発明では、上記の画像形成装置において、前記第2トナー回収容器は、前記第1トナー回収容器に比べて廃棄トナーの収容容積が大きいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明によれば、像担持体上の残留トナーはクリーニング部にて除去され、クリーニング部にて除去された残留トナーはトナー搬送部を通って第1トナー回収容器に搬送され、廃棄トナーとして第1トナー回収容器内に貯留される。第1トナー回収容器が廃棄トナーで満杯になると、第1トナー回収容器近傍のトナー搬送部内の廃棄トナーは、廃棄トナー搬送方向の上流側から搬送される廃棄トナーに押されることで、トナー搬送部内を第2トナー回収容器側に向けて移動し、第2トナー回収容器内に貯留される。従って、例えば、廃棄トナーで満杯になった第1トナー回収容器は、トナー補給容器内のトナーを使い切るまで装置本体に取り付けられていても、クリーニング部から搬送される廃棄トナーを第2トナー回収容器に貯留することが可能となる。これによって、トナー補給容器内のトナーを使い切ったときに、満杯になった第1トナー回収容器とともに装置本体から取り外し、新たなトナー補給容器と一体に形成された第1トナー回収容器を装置本体に取り付けることができる。このように、トナー補給容器にトナーが残っていない状態で、且つ第1トナー回収容器が廃棄トナーで満杯である状態で交換すると、トナー補給容器のトナーは無駄なく現像器に補給され、また、交換の作業性が向上し、効率良く廃棄トナーを回収することになる。
【0012】
また、第2の発明によれば、第1トナー回収容器が満杯になるまでは廃棄トナーが第1トナー回収容器に貯留され、第1トナー回収容器が満杯になると廃棄トナーが第2トナー回収容器に貯留されるように、開閉バルブが開閉するために、第1トナー回収容器は過不足なく満杯になり、また、第1トナー回収容器が満杯になると、廃棄トナーは第2トナー回収容器に確実に搬送、貯留される。
【0013】
また、第3の発明によれば、第1トナー回収容器の廃棄トナーが満杯になったことをトナー量検知部材が検知すると、開閉バルブを開くために、第1トナー回収容器は過不足なく満杯になり、また、廃棄トナーは第2トナー回収容器に確実に搬送、貯留される。
【0014】
また、第4の発明によれば、例えば、出力する画像における低印字率画像の割合が多い場合、トナー補給容器内のトナーを使い切る前に第1トナー回収容器が廃棄トナーで満杯になっても、廃棄トナーを第2トナー回収容器に貯留することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図
【図2】第1実施形態に係るトナー回収ユニットとトナーコンテナを備える画像形成装置の要部を概略的に示す図
【図3】第1実施形態に係るトナーコンテナの断面を示す側面図
【図4】第1実施形態に係るトナー回収ユニットを概略的に示す断面図
【図5】第2実施形態に係るトナー回収ユニットを概略的に示す断面図
【図6】第2実施形態に係るトナーコンテナの断面を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。画像形成装置1は、その下部に配設された給紙部2と、この給紙部2の側方に配設された用紙搬送部3と、この用紙搬送部3の上方に配設された画像形成部4と、この画像形成部4よりも用紙9の排出側に配設された定着部5と、画像形成部4及び定着部5の上方に配設された画像読取部6と、トナーコンテナ120とを備えている。
【0018】
給紙部2は、用紙9を収容する複数の給紙カセット7を備えており、給紙ローラ8の回転により、複数の給紙カセット7のうち選択された給紙カセット7から用紙9を1枚ずつ用紙搬送部3に送り出す。
【0019】
用紙搬送部3に送られた用紙9は、用紙搬送経路10を経由して画像形成部4に向けて搬送される。画像形成部4は、電子写真プロセスによって、用紙9にトナー像を形成するものであり、図1の矢印方向に回転可能に支持された感光体11と、この感光体11の周囲にその回転方向に沿って、帯電部12、露光部13、現像器14、転写部15、クリーニング部16、及び除電部17を備えている。
【0020】
帯電部12は、高電圧を印加される帯電ワイヤを備えており、この帯電ワイヤからのコロナ放電によって感光体11表面に所定電位を与えると、感光体11表面が一様に帯電させられる。そして、画像読取部6によって読み取られた原稿の画像データに基づく光が、露光部13により感光体11に照射されると、感光体11の表面電位が選択的に減衰され、感光体11表面に静電潜像が形成される。
【0021】
次いで、現像器14が感光体11表面の静電潜像を現像し、感光体11表面にトナー像が形成される。このトナー像が転写部15によって感光体11と転写部15との間に供給された用紙9に転写される。
【0022】
トナー像が転写された用紙9は、画像形成部4の用紙搬送方向の下流側に配置された定着部5に向けて搬送される。定着部5では、加熱部材18及び加圧ローラ19によって、用紙9が加熱加圧され、用紙9上にトナー像が溶融定着される。次いで、トナー像が定着された用紙9は、排出ローラ対20によって排出トレイ21上に排出される。
【0023】
転写部15による転写後、感光体11表面に残留しているトナーは、クリーニング部16により除去され、また感光体11表面の残留電荷は除電部17により除去される。そして、感光体11は帯電部12によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われる。
【0024】
画像形成が繰り返し行われると現像器14のトナーが消費される。現像器14にトナーを供給するために、現像器14の上方には、トナーコンテナ120が配設されている。トナーコンテナ120は未使用のトナーを貯留するものであり、トナーを現像器14に供給する。
【0025】
図2は画像形成部4とその周辺を概略的に示す図である。前述のように画像形成部4には、像担持体である感光体11と、帯電部12と、露光部13と、現像器14と、転写部15と、クリーニング部16、及び除電部17が設けられ、画像形成部4の周辺には、トナーコンテナ120と、トナー搬送部141と、第1トナー回収容器131と、第2トナー回収容器136が設けられる。
【0026】
クリーニング部16はクリーニングブレード22と搬送スクリュー23を備える。クリーニングブレード22は、感光体11の表面に当接して設けられ、感光体11表面に残留したトナーを除去する。搬送スクリュー23は、感光体11の軸方向と平行に設けられ、クリーニングブレード22によって除去された残留トナーをトナー搬送部141側に向けて搬送する。
【0027】
トナー搬送部141は、クリーニング部16により除去された残留トナー(廃棄トナー)を第1トナー回収容器131及び第2トナー回収容器136に搬送するものである。トナー搬送部141は、パイプを有し、パイプの一端側がクリーニング部16に接続され、その他端側が第1及び第2トナー回収容器131、136に夫々接続され、更に、パイプ内には廃棄トナーを搬送する搬送スクリュー(図略)を有する。
【0028】
第1及び第2トナー回収容器131、136はクリーニング部16からトナー搬送部141を介して搬送される廃棄トナーを回収するものである。第1トナー回収容器131は、トナーコンテナ120に一体に設けられ、トナーコンテナ120の長手方向で図2の紙面の裏面側に配置される。第2トナー回収容器136は第1トナー回収容器131に対してトナー搬送部141の廃棄トナー搬送方向の下流側に設けられる。
【0029】
図3はトナーコンテナを図2の左方向から見た側面図である。トナーコンテナ120は、未使用のトナーを収容するトナー補給容器121と、トナー補給容器121と長手方向に並べて一体に形成される第1トナー回収容器131とを有する。
【0030】
トナー補給容器121内には、搬送部材122が設けられる。搬送部材122は、スクリューを有し、トナー補給容器121内の底部にて補給口121aに対向して配置される。搬送部材122が回転すると、トナーが撹拌され補給口121aに向かって搬送される。そして、トナー補給容器121内のトナーは補給口121aを介して現像器14(図2参照)に供給される。尚、補給口121aに対向して図示しないシャッター部材が設けられ、シャッター部材は、補給口121aを開閉し、常時、補給口121aを塞ぎ、現像器14にトナーを供給するときに補給口121aを開放する。
【0031】
第1トナー回収容器131は、第1トナー貯留部131aと、第1受け入れ口131bと、シャッター部131cとを有する。第1トナー貯留部131aは廃棄トナーを貯留し、第1受け入れ口131bは、第1トナー回収容器131の上部に形成され、トナー搬送部141(図2参照)から搬送される廃棄トナーを受け入れる。シャッター部131cは、第1受け入れ口131bを開閉可能に設けられる。常時、第1受け入れ口131bを開き、第1受け入れ口131bに搬送された廃棄トナーは第1トナー貯留部131aに落下し、第1トナー貯留部131a内に貯留される。そして、第1トナー貯留部131aが廃棄トナーで満杯になったときに、シャッター部131cによって第1受け入れ口131bを閉めることが可能である。また、第1トナー回収容器131は、平均的な印字率(例えば5%)の画像を出力した場合に、トナー補給容器121内のトナーが空になった状態で第1トナー回収容器131内が廃棄トナーで満杯となるような収容容積に設定されている。
【0032】
図4は、トナー回収ユニットを概略的に示す断面図である。トナー回収ユニット130は、トナー搬送部141と、第1トナー回収容器131と、第2トナー回収容器136等を備えて構成される。
【0033】
第2トナー回収容器136は、廃棄トナーを貯留する第2トナー貯留部136aと、その上部に形成され、トナー搬送部141から搬送される廃棄トナーを受け入れる第2受け入れ口136bを有する。第2受け入れ口136bに搬送された廃棄トナーは第2トナー貯留部136aに落下し、第2トナー貯留部136a内に貯留される。第2トナー貯留部136aは、第1トナー回収容器131の貯留部に比べて廃棄トナーの収容容積が大きく、第2トナー回収容器136は大量の廃棄トナーを貯留することができる。
【0034】
トナー搬送部141は、前述のように、パイプ141g、141hと、搬送スクリュー142とを有し、その他に、第1送出口141aと、第2送出口141bとを有する。
【0035】
第1送出口141aは、第1トナー回収容器131の第1受け入れ口131bに対向して形成され、第1受け入れ口131bを介してパイプ141g(以下、第1パイプと呼称する)から送られる廃棄トナーを第1トナー貯留部131aに送る。第1トナー回収容器131の第1受け入れ口131bは、トナー搬送部141の第1送出口141aに対して着脱可能に取り付けられる。尚、第1トナー回収容器131をトナー搬送部141から取り外したときに廃棄トナーがトナー搬送部141の第1送出口141aから落下しないように、第1送出口141aを塞ぐシャッター部材(図略)を設けておくとよい。
【0036】
第2送出口141bは、第2トナー回収容器136の第2受け入れ口136bに対向して形成され、第2受け入れ口136bを介してパイプ141h(以下、第2パイプと呼称する)から送られる廃棄トナーを第2トナー貯留部136aに送る。第2トナー回収容器136の第2受け入れ口136bは第2送出口141bに固着される。尚、第2トナー貯留部136aの廃棄トナーの収容容積が小さい場合には、第2受け入れ口136bを第2送出口141bに対して着脱可能に取り付けて、第2トナー貯留部136aが廃棄トナーで満杯になると、第2トナー回収容器136を交換可能としてもよい。
【0037】
第1パイプ141gは、クリーニング部16(図2参照)の廃棄トナーの排出口から第1送出口141aの近傍まで延びて形成される。第1パイプ141g内には、搬送スクリュー142が設けられる。搬送スクリュー142は、クリーニング部16(図2参照)の排出口に対向する位置から第1送出口141aに対向する位置まで延びて設けられ、クリーニング部16側から第1送出口141a側まで廃棄トナーを搬送することができる。そして、搬送された廃棄トナーは第1送出口141aから第1受け入れ口131bを介して第1トナー貯留部131aに落下し、第1トナー貯留部131a内に貯留される。
【0038】
第2パイプ141hは、第1パイプ141gから、さらに第2送出口141b側に向けて延びて形成される。第2パイプ141h内には、搬送スクリュー142が設けられていないが、第1トナー回収容器131が廃棄トナーで満杯になると、第1パイプ141gの第1送出口141a近傍の廃棄トナーは、上流から搬送される廃棄トナーに押されることで、第2パイプ141h内を第2送出口141bに向けて移動する。そして、廃棄トナーは第2送出口141bから第2受け入れ口136bを介して第2トナー貯留部136aに落下し、第2トナー貯留部136a内に貯留される。
【0039】
上記構成のトナー回収ユニット130では、第1トナー回収容器131の廃棄トナーの収容容積が比較的小さく設定されているので、トナー補給容器121(図3参照)内にトナーが残っている状態で、第1トナー回収容器131が満杯になることもある。第1トナー回収容器131が満杯になった場合には、第1トナー回収容器131近傍のトナー搬送部141の廃棄トナーは、廃棄トナー搬送方向の上流側から搬送される廃棄トナーに押されることで、トナー搬送部141内を第2トナー回収容器136側に向けて移動し、第2トナー回収容器136内に貯留される。
【0040】
そして、第2トナー回収容器136内に廃棄トナーを貯留しているときに、トナー補給容器121内のトナーを現像器14に補給し終わってトナー補給容器121にはトナーが残っていない状態になると、図示しない操作パネルにトナーコンテナ120の交換を促す旨の警告が表示される。このとき、トナー補給容器121はトナーが残っていない状態であるとともに、第1トナー回収容器131は廃棄トナーで満杯になっている。
【0041】
この警告表示に応じて、トナー搬送部141の第1送出口141aを塞ぐために、使用者は、図示しないシャッター部材を閉じ、また、シャッター部131cを閉じ、第1トナー回収容器131の廃棄トナーが外部に漏れないようして、トナーコンテナ120を装置本体から取り出す。そして、トナーが充満したトナー補給容器121と空の状態である第1トナー回収容器131とを有する新たなトナーコンテナ120を装置本体に取り付ける。
【0042】
上記第1実施形態によれば、画像形成装置1は、感光体11上の残留トナーを除去するクリーニング部16と、このクリーニング部16にて除去された廃棄トナーを回収するトナー回収ユニット130と、現像器14に補給するトナーを収容するトナー補給容器121とを備える。トナー回収ユニット130は、クリーニング部16の廃棄トナーを搬送するトナー搬送部141と、このトナー搬送部141で搬送された廃棄トナーを貯留するとともに装置本体に対して着脱可能にトナー補給容器121と一体に設けられる第1トナー回収容器131と、この第1トナー回収容器131に対してトナー搬送部141の搬送方向下流側に設けられ、廃棄トナーを貯留する第2トナー回収容器136とを有する。
【0043】
この構成によると、感光体11上の残留トナーはクリーニング部16にて除去され、クリーニング部16にて除去された廃棄トナーはトナー搬送部141を通って第1トナー回収容器131に搬送され、第1トナー回収容器131内に貯留される。第1トナー回収容器131が廃棄トナーで満杯になると、第1トナー回収容器131近傍のトナー搬送部141の廃棄トナーは、第1トナー回収容器131に対して廃棄トナー搬送方向の上流側から搬送される廃棄トナーに押されることで、トナー搬送部141内を第2トナー回収容器136側に向けて移動し、第2トナー回収容器136内に貯留される。
【0044】
従って、例えば出力する画像における低印字率画像の割合が多いユーザの場合、トナー補給容器121内のトナーを使い切る前に第1トナー回収容器131が廃棄トナーで満杯になることがあるが、廃棄トナーで満杯になった第1トナー回収容器131は、トナー補給容器121内のトナーを使い切るまで装置本体に取り付けられていても、クリーニング部16から搬送される廃棄トナーを第2トナー回収容器136に貯留することが可能となる。これによって、トナー補給容器121内のトナーを使い切ったときに、満杯になった第1トナー回収容器131とともに装置本体から取り外し、新たなトナー補給容器121と一体に形成された第1トナー回収容器131を装置本体に取り付けることができる。このように、トナー補給容器121にトナーが残っていない状態で、且つ第1トナー回収容器131が廃棄トナーで満杯である状態で交換すると、トナー補給容器121のトナーは無駄なく現像器14に補給され、また、交換の作業性が向上し、効率良く廃棄トナーを回収することになる。
【0045】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係るトナー回収ユニットを概略的に示す断面図であり、図6はトナーコンテナの断面を示す平面図である。第2実施形態は、複数の画像形成部を備える、例えばカラー用の画像形成装置に適用するものである。第1実施形態と異なるトナー回収ユニット130について主に説明し、以降、第1実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0046】
図示しないが、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの各色に対応した画像形成部が設けられ、また、各画像形成部には、感光体上の残留トナーを除去するクリーニング部が設けられる。各クリーニング部にて除去された廃棄トナーは、トナー回収ユニット130に搬送、回収される。
【0047】
図5に示すように、トナー回収ユニット130は、各色に対応したトナー搬送部141K〜141Nと、各色の廃棄トナーを貯留する第1トナー回収容器131K〜131Nと、トナー搬送部141K〜141Nの廃棄トナーを一つに纏めて搬送するトナー搬送部141Pと、トナー搬送部141Pに接続される第2トナー回収容器136とを有する。
【0048】
第1トナー回収容器131K〜131Nは、トナー搬送部141K〜141Nの廃棄トナーの送出口141Ka〜141Naに対して着脱可能に取り付けられ、対応する色の廃棄トナーを貯留することができる。また、第1トナー回収容器131K〜131Nは、その内部に廃棄トナーが満杯に貯留されたことを検知するトナー量検知部材147K〜147Nを備える。
【0049】
また、第1トナー回収容器131K〜131Nは、第1実施形態と同様に、トナー搬送部141K〜141Nの送出口141Ka〜141Naに対して開閉可能なシャッター部(図略)を有し、このシャッター部は、第1トナー回収容器131K〜131Nが廃棄トナーで満杯になるまで開いており、廃棄トナーで満杯になると、閉めることが可能である。
【0050】
図6に示すように、更に、第1トナー回収容器131K〜131Nは、トナーコンテナ120K〜120Nに一体に設けられ、トナーコンテナ120K〜120Nは、第1トナー回収容器131K〜131Nとともに、未使用の各色のトナーを貯留するトナー補給容器121K〜121Nを有する。
【0051】
図5に戻り、トナー搬送部141K〜141Nは、各色に対応するクリーニング部(図略)により除去された残留トナー(廃棄トナー)を第1トナー回収容器131K〜131Nとトナー搬送部141Pに搬送するものであり、パイプを有し、パイプの一端側が各色に対応したクリーニング部に接続され、その他端側がトナー搬送部141Pに接続される。更に、トナー搬送部141K〜141Nは、夫々パイプ内で廃棄トナーを搬送する搬送スクリュー(図略)を有する。
【0052】
トナー搬送部141K〜141Nには、開閉バルブ143K〜143Nが設けられる。
【0053】
開閉バルブ143K〜143Nは、トナー搬送部141K〜141Nの各パイプ内において第1トナー回収容器131K〜131Nに対応する位置に対して廃棄トナー搬送方向の下流側の近傍に設けられる。また、開閉バルブ143K〜143Nは、ソレノイドの磁力にて開閉し、第1トナー回収容器131K〜131Nに設けたトナー量検知部材147K〜147Nの出力に基づいて制御される。つまり、第1トナー回収容器131K〜13Nが廃棄トナーで満杯になると開閉バルブ143K〜143Nを開き、一方、廃棄トナーが満杯に貯留されていないときには、開閉バルブ143K〜143Nを閉じている。
【0054】
トナー搬送部141Pは、トナー搬送部141K〜141Nに対して廃棄トナーの搬送方向下流側に設けられ、トナー搬送部141K〜141Nから搬送される廃棄トナーを第2トナー回収容器136に向けて搬送する。また、トナー搬送部141Pは、パイプを有し、パイプの一端側が各トナー搬送部141K〜141Nのパイプに接続され、その他端側が第2トナー回収容器136に接続され、更に、パイプ内で廃棄トナーを搬送する搬送スクリュー(図略)を有する。
【0055】
第2トナー回収容器136は、トナー搬送部141K〜141Nから搬送される各色の廃棄トナーを纏めて貯留し、第1トナー回収容器131K〜131Nに比べて廃棄トナーの収容容積が大きく、第2トナー回収容器136は各色の大量の廃棄トナーを貯留することができる。
【0056】
上記構成のトナー回収ユニット130では、第1トナー回収容器131K〜131Nの廃棄トナーの収容容積が比較的小さく設定され、トナー補給容器121K〜121N(図6参照)内にトナーが残っている状態で、第1トナー回収容器131K〜131Nが満杯になることになる。例えば、第1トナー回収容器131Kが満杯になると、トナー量検知部材147Kの出力に基づいて開閉バルブ143Kが開き、廃棄トナーがトナー搬送部141K内をトナー搬送部141P側に向けて搬送され、更に、トナー搬送部141Pを搬送された廃棄トナーが第2トナー回収容器136内に貯留される。
【0057】
そして、第2トナー回収容器136内に廃棄トナーを貯留しているときに、トナー補給容器121K(図6参照)内のトナーを現像器に補給し終わってトナー補給容器121Kにはトナーが残っていない状態になると、図示しない操作パネルに、トナーコンテナ120K(図6参照)の交換を促す旨の警告が表示される。このとき、トナー補給容器121Kはトナーが残っていない状態であるとともに、第1トナー回収容器131Kは廃棄トナーで満杯になっている。
【0058】
この警告表示に応じて、トナー搬送部141Kの送出口141Kaを塞ぐために、使用者は、図示しないシャッター部材を閉じ、また、第1トナー回収容器131Kのシャッター部を閉じ、第1トナー回収容器131Kの廃棄トナーが外部に漏れないようして、トナーコンテナ120Kを装置本体から取り出す。そして、トナーが充満したトナー補給容器121Kと空の状態である第1トナー回収容器131Kとを有する新たなトナーコンテナ120Kを装置本体に取り付ける。第1トナー回収容器131K以外の第1トナー回収容器131L〜131Nのいずれかが廃棄トナーで満杯になると、上記同様にトナーコンテナ120L〜120Nを交換するとよい。
【0059】
上記第2実施形態によれば、第1トナー回収容器131Kと第2トナー回収容器136との間に設けられるトナー搬送部141Kに配置される開閉可能な開閉バルブ143Kを有し、第1トナー回収容器131Kが廃棄トナーで満杯になるまでは開閉バルブ143Kを閉じ、第1トナー回収容器131Kが廃棄トナーで満杯になると開閉バルブ143Kを開く。
【0060】
この構成によると、第1トナー回収容器131Kが満杯になるまでは廃棄トナーが第1トナー回収容器131Kに貯留され、第1トナー回収容器131Kが満杯になると廃棄トナーが第2トナー回収容器136に貯留されるように、開閉バルブ143Kが開閉するために、第1トナー回収容器131Kは過不足なく満杯になり、また、第1トナー回収容器131Kが満杯になると、廃棄トナーは第2トナー回収容器136に確実に搬送、貯留される。
【0061】
また、上記第2実施形態によれば、第1トナー回収容器131Kは、該容器内の廃棄トナーを検知するトナー量検知部材147Kを備え、開閉バルブ143Kは、トナー量検知部材147Kの検知結果に基づいて開閉される。これによって、第1トナー回収容器131Kの廃棄トナーが満杯になったことをトナー量検知部材147Kが検知すると、開閉バルブ143Kを開くために、第1トナー回収容器131Kは過不足なく満杯になり、また、廃棄トナーは第2トナー回収容器136に確実に搬送、貯留される。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等で生じる廃棄トナーを回収するトナー回収ユニットを備えた画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 画像形成装置
1a 装置本体
11 感光体(像担持体)
14 現像器
16 クリーニング部
120、120K〜120N トナーコンテナ
121、121K〜121N トナー補給容器
130 トナー回収ユニット
131、131K〜131N 第1トナー回収容器
131a 第1トナー貯留部
131b 第1受け入れ口
131c シャッター部
136 第2トナー回収容器
136a 第2トナー貯留部
136b 第2受け入れ口
141、141K〜141N、141P トナー搬送部
141a 第1送出口
141Ka〜141Na 送出口
141b 第2送出口
141g 第1パイプ
141h 第2パイプ
142 搬送スクリュー
143K〜143N 開閉バルブ
147K〜147N トナー量検知部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上の残留トナーを除去するクリーニング部と、該クリーニング部にて除去された廃棄トナーを回収するトナー回収ユニットと、現像器に補給するトナーを収容するトナー補給容器とを備える画像形成装置において、
前記トナー回収ユニットは、前記クリーニング部の廃棄トナーを搬送するトナー搬送部と、前記トナー搬送部で搬送された廃棄トナーを貯留するとともに装置本体に対して着脱可能に前記トナー補給容器と一体に設けられる第1トナー回収容器と、前記第1トナー回収容器に対して前記トナー搬送部の搬送方向下流側に設けられ、廃棄トナーを貯留する第2トナー回収容器とを有し、
第1トナー回収容器が満杯になるまで前記第1トナー回収容器に廃棄トナーを貯留し、前記第1トナー回収容器が廃棄トナーで満杯になると前記第2トナー回収容器に廃棄トナーを貯留することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1トナー回収容器と第2トナー回収容器との間に設けられる前記トナー搬送部に配置される開閉可能な開閉バルブを有し、前記第1トナー回収容器が廃棄トナーで満杯になるまでは前記開閉バルブを閉じ、前記第1トナー回収容器が廃棄トナーで満杯になると前記開閉バルブを開くことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1トナー回収容器は、該容器内の廃棄トナーを検知するトナー量検知部材を備え、前記開閉バルブは、前記トナー量検知部材の検知結果に基づいて開閉されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2トナー回収容器は、前記第1トナー回収容器に比べて廃棄トナーの収容容積が大きいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−83530(P2012−83530A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229415(P2010−229415)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】