説明

画像形成装置

【課題】安価に誤差の少ないレーザー装置の補正を行えるようにする。
【解決手段】画像形成装置は、複数本の感光体ドラムと、複数のレーザー装置と、ビームを感光体ドラムに到達させる光学部と、補正データと感光体ドラムごとの基準出力値を記憶する記憶部と、補正データの補正出力値の大きさに応じてビームの発光レベルを変化させる第1駆動部と、基準出力値の大きさに応じて電流を出力する第2駆動部と、を含み、各レーザー装置は、第1駆動部と第2駆動部の出力電流を合わせた電流の供給を受けてビームを発し、記憶部は、レーザー装置の最大発光レベル時の予め定められた第1理想補正データの第1補正パターンと、レーザー装置の最小発光レベル時の予め定められた第2理想補正データの第2補正パターンとの範囲内で補正出力値が定められた補正データを記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー装置により感光体ドラムの走査、露光を行って画像(トナー像)を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリゴンモーターで回転されるポリゴンミラーにレーザービームを反射させて、レンズやミラーを用いて感光体ドラム上に静電潜像を形成する画像形成装置がある。ここで、レーザービームの感光体ドラムへ入射角度や、入射角度によるレンズの透過率の変化や、入射角度によるミラーの反射率の変化に起因して、感光体ドラムの主走査方向の画素の位置により、ビームが感光体ドラムに与えるエネルギー(光量)に差が生ずることがある。このような場合、レーザー装置の出力発光レベルを一定にして感光体ドラムの走査露光を行うと、主走査方向の位置によりトナー像の濃度が異なることになる。そこで、特許文献1には、主走査方向の位置に応じてレーザー装置の光量を補正する発明が特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、走査対象面上に対して走査光学系を介して出力光が走査されるレーザーを駆動し、走査対象面に対する入射角に応じた出力変動を補正する補正出力値を発生する発生手段と、基準出力値に発生手段からの補正出力値を乗算する乗算手段と、乗算手段の乗算結果に基づいて電流値が制御される定電流源を含み、該定電流源を流れる電流を前記画像データに応じて変調した変調電流を発生する第1の発生手段と、前記レーザーの駆動電流対出力光量特性においてレーザー発光領域に対応する直線部を光量ゼロを示す軸まで外挿入したときの該軸との交点である外挿点の自然発光領域内近傍の電流値を持つ閾値電流を発生する第2の発生手段と、第1及び第2の電流源から発生する電流に基づいてレーザーを駆動する加算手段とを具備するレーザー駆動装置が記載されている。この構成により、入射角に応じた出力光変動を精度よく補正しようとする(特許文献1:請求項2、段落[0006]、[0014]、[0015]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−291548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、カラーの画像形成装置の普及が進んでいる。そして、カラーの画像形成装置には複数の感光体ドラムを有するものがある(タンデム式と呼ばれることもある)。複数の感光体ドラムを有するとき、感光体ドラムの数に応じレーザー装置やミラーやレンズは複数搭載される。
【0006】
ここで、特許文献1記載の発明をカラーの画像形成装置に適用した場合、各感光体ドラムに対し、特許文献1記載の発明の構成(例えば、特許文献1での発生手段、乗算手段、定電流源、第1の発生手段、第2の発生手段、加算手段など)を1つ画像形成装置に搭載する必要がある。そうすると、各感光体ドラムでの光量補正を行うために、多くの部品、回路などが必要となり、画像形成装置の製造コストが上昇するという問題がある。
【0007】
又、1つの特許文献1記載の発明の構成を複数の感光体ドラムで共用すれば、各感光体ドラムの感度の個体差を考慮した補正を行えないなど、補正としては不十分となり得る。従って、複数の感光体ドラムに対する補正を的確に行えないという問題もある。
【0008】
本発明は、上記問題点を鑑み、複数のレーザー装置を有する画像形成装置において、安価に誤差の少ないレーザー装置の補正を行えるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1に係る画像形成装置は、像担持体としての複数本の感光体ドラムと、前記感光体ドラムの走査、露光を行うためのビームを発し、前記感光体ドラムに対して個別に設けられるレーザー装置と、前記レーザー装置が発したビームを前記感光体ドラムに到達させ、前記感光体ドラムの主走査方向に沿って走査、露光を行わせる光学部と、前記感光体ドラムの主走査方向での位置に応じて前記感光体ドラムが受けるエネルギー差の補正のためのビームの発光レベルを示す補正出力値が定められ各前記レーザー装置に対して共通の補正データと、前記感光体ドラムに照射するビームの光量の基準となる発光レベルを定めて補正するための基準出力値を前記感光体ドラムごとに記憶する記憶部と、前記補正データの前記補正出力値の大きさに応じて、主走査方向での位置に応じて各前記レーザー装置に供給する出力電流を変化させ、主走査方向でのビームの発光レベルを変化させる第1駆動部と、各前記レーザー装置に対し個別に設けられ、前記基準出力値の大きさに応じて、対応する前記レーザー装置に供給する一定の大きさの電流を出力する第2駆動部と、を含み、各前記レーザー装置は、前記第1駆動部の出力電流と前記第2駆動部の出力電流を合わせた電流の供給を受けてビームを発し、前記記憶部は、前記レーザー装置を最大発光レベルで走査、露光させる最大レベル時の理想的な前記補正データとして予め定められた第1理想補正データの主走査方向での位置に応じた前記補正出力値の変化を示す前記第1補正パターンと、前記レーザー装置を最小発光レベルで走査、露光させる最小レベル時の理想的な前記補正データとして予め定められた第2理想補正データの主走査方向での位置に応じた前記補正出力値の変化を示す前記第2補正パターンとの範囲内で主走査方向での位置に応じた前記補正出力値が定められた前記補正データを記憶することとした。
【0010】
この構成によれば、各レーザー装置は、第1駆動部の出力電流と第2駆動部の出力電流を合わせた電流の供給を受けてビームを発する。これにより、感光体ドラムの主走査方向の各画素に照射されるビームのエネルギー差を補正する電流を各レーザー装置に供給する電流源が1つですむ。従って、各感光体ドラムでの主走査方向での各画素が受けるエネルギー量を均一にするための補正を行う部分が1つですみ、画像形成装置の製造コストを削減することができる。
【0011】
又、この構成によれば、記憶部は、レーザー装置を最大発光レベルで走査、露光させる最大レベル時の理想的な補正データとして予め定められた第1理想補正データの主走査方向での位置に応じた補正出力値の変化を示す第1補正パターンと、レーザー装置を最大発光レベルで走査、露光させる最小レベル時の理想的な補正データとして予め定められた第2理想補正データの主走査方向での位置に応じた補正出力値の変化を示す第2補正パターンとの範囲内で主走査方向での位置に応じた補正出力値が定められた補正データを記憶する。これにより、一定の範囲内に限られた補正パターンを描く補正データにより、各感光体ドラムの主走査方向の各画素に照射されるビームの発光レベルを補正することができる。従って、補正データが1つで第1駆動部により共通の電流が各レーザー装置に供給されても、各感光体ドラムの主走査方向の各画素に照射すべきビームの理想的な発光レベルと大きく隔たることなく(誤差を抑えつつ)、主走査方向の位置に応じて、レーザー装置の発光レベルを補正することができ、各色のバランスの崩れを小さくすることができる。
【0012】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記記憶部は、前記補正データでの前記補正出力値の最大値と予め定められた参照基準値を加算した最大合計値と前記補正データでの前記補正出力値の最小値と前記参照基準値を加算した最小合計値との比率が予め定められた理想比率となるように定められた前記補正データを記憶することとした。
【0013】
感度特性や製造誤差などにより感光体ドラムごとに照射すべきビームの基準の発光レベルは異なる。そして、反射率や透過率を考慮すると、ビームの基準となる発光レベルに応じて補正データ内の補正出力値の最大値と最小値の差は異ならせることが好ましい。そこで、この構成によれば、記憶部は、補正データでの補正出力値の最大値と予め定められた参照基準値を加算した最大合計値と、補正データでの補正出力値の最小値と参照基準値を加算した最小合計値との比率が予め定められた理想比率となるように定められた補正データを記憶する。これにより、補正データが1つで第1駆動部により共通の電流が各レーザー装置に供給されても、最大合計値と最小合計値の比率が最適となるように補正データが設定される。従って、感光体ドラムの主走査方向の各画素に対するビームの照射量(照射エネルギー)の均一化を図ることができる。
【0014】
又、請求項3に係る発明は、請求項2の発明において、前記感光体ドラムは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色分設けられ、前記記憶部は、各色の前記感光体ドラムに対応する前記第2駆動部ごとに前記基準出力値を記憶するとともに、ブラック以外のいずれか2つの前記基準出力値の間の値を前記参照基準値としたときの前記最大合計値と前記最小合計値との比率が前記理想比率となるように定められた前記補正データを記憶することとした。
【0015】
色バランスの崩れや色むらや原稿との差は、彩度、色相等に係わるブラック以外のトナー像を重ね合わせたときに強く認識されやすい。そこで、この構成によれば、記憶部は、各色の感光体ドラムに対応する第2駆動部ごとに基準出力値を記憶するとともに、ブラック以外のいずれか2つの基準出力値の間の値を参照基準値としたときの最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように定められた補正データを記憶する。これにより、補正データが1つで第1駆動部により共通の電流が各レーザー装置に供給されても、シアン、マゼンタ、イエローに対し、各画素に対する理想的な補正出力値との誤差が平均的に少ない補正データが定められる。従って、各色のトナー像を重ね合わせても、色バランスの崩れを少なくすることができ、安価で高画質の画像形成装置を提供することができる。
【0016】
又、請求項4に係る発明は、請求項2の発明において、前記記憶部は、複数の前記基準出力値のうち、少なくとも2つの前記基準出力値の平均値を前記参照基準値とし、前記参照基準値での前記最大合計値と前記最小合計値との比率が前記理想比率となるように定められた前記補正データを記憶することとした。
【0017】
この構成によれば、記憶部は、複数の基準出力値のうち、少なくとも2つの基準出力値の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように定められた補正データを記憶する。これにより、補正データが1つで第1駆動部により共通の電流が各レーザー装置に供給されても、少なくとも2色間で各画素に対する理想的な補正出力値との誤差を少なくした補正データが定められる。従って、各色のトナー像を重ね合わせても、色バランスの崩れを少なくすることができ、安価で高画質の画像形成装置を提供することができる。
【0018】
又、請求項5に係る発明は、請求項2の発明において、前記記憶部は、複数の前記基準出力値のうち、最大の前記基準出力値と最小の前記基準出力値の平均値を前記参照基準値とし、前記参照基準値での前記最大合計値と前記最小合計値との比率が前記理想比率となるように定められた前記補正データを記憶することとした。
【0019】
この構成によれば、記憶部は、複数の基準出力値のうち、最大の基準出力値と最小の基準出力値の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように定められた補正データを記憶する。これにより、補正データが1つで第1駆動部により共通の電流が各レーザー装置に供給されても、レーザー装置の出力範囲全体から見て、各画素に対する理想的な補正出力値との誤差が平均的に少ない補正データが定められる。従って、各色のトナー像を重ね合わせても、色バランスの崩れを少なくすることができ、安価で高画質の画像形成装置を提供することができる。
【0020】
又、請求項6に係る発明は、請求項1の発明において、前記記憶部は、予め定められた参照基準値を前記補正データでの最小値と定めた補正データであって、前記補正データでの最大値と複数の前記基準出力値のうち最も大きい前記基準出力値を加算した最大合計値と前記補正データでの最小値と複数の前記基準出力値のうち最も大きい前記基準出力値を加算した最小合計値との第1比率と、前記補正データでの最大値と複数の前記基準出力値のうち最も小さい前記基準出力値を加算した最大合計値と前記補正データでの最小値と複数の前記基準出力値のうち最も小さい前記基準出力値を加算した最小合計値との第2比率との差が等しくあるいは最小化されるように補正出力値が定められた補正データを記憶することとした。
【0021】
この構成によれば、記憶部は、予め定められた参照基準値を補正データでの最小値と定めた補正データであって、補正データでの最大値と複数の基準出力値のうち最も大きい基準出力値を加算した最大合計値と補正データでの最小値と複数の基準出力値のうち最も大きい基準出力値を加算した最小合計値との第1比率と、補正データでの最大値と複数の基準出力値のうち最も小さい基準出力値を加算した最大合計値と補正データでの最小値と複数の基準出力値のうち最も小さい基準出力値を加算した最小合計値との第2比率との差が等しくあるいは最小化されるように補正出力値が定められた補正データを記憶する。これにより、最も基準出力値が大きい色と最も基準出力値が小さい色の補正データ内の補正出力値の最大値と、補正データでの補正出力値の最大値との誤差を少なくした補正データを記憶して、補正データが1つで第1駆動部により共通の電流が各レーザー装置に供給されても、各感光体ドラムの各画素の理想的な補正出力値との誤差を減らした補正データが定められる。
【0022】
又、請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の発明において、各前記感光体ドラム上に形成された各色の濃度測定用トナー像についての濃度を示す情報の入力を受け付ける濃度情報入力部と、前記濃度情報入力部に入力された情報に基づき、各色のトナー像の理想的な濃度からのずれを把握し、理想的な濃度よりも濃い色については前記基準出力値を小さくするように前記記憶部の前記基準出力値を更新させ、理想的な濃度よりも薄い色については前記基準出力値を大きくするように前記記憶部の前記基準出力値を更新させる制御部と、を有することとした。
【0023】
使用による経年劣化等によって、実際に形成されるトナー像の濃度と理想的なトナー像の濃度とのずれが生じる(例えば、薄くなる)。しかし、この構成によれば、制御部は、濃度情報入力部に入力された情報に基づき、各色のトナー像の理想的な濃度からのずれを把握し、理想的な濃度よりも濃い色については基準出力値を小さくするように記憶部の基準出力値を更新させ、理想的な濃度よりも薄い色については基準出力値を大きくするように記憶部の基準出力値を更新させる。これにより、各レーザー装置の基準としての発光レベルを示す各基準出力値が補正される。従って、使用に伴い生ずる理想的なトナー像からのずれを全体的に補正することができる。
【0024】
又、請求項8に係る発明は、請求項7の発明において、感光体ドラムは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色分設けられ、制御部は、各色の基準出力値を更新したとき、ブラック以外のいずれか2つの基準出力値の間の値を参照基準値としたときの最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように定められた補正データを生成し、前記記憶部に記憶させることとした。
【0025】
この構成によれば、制御部は、各色の基準出力値を更新したとき、ブラック以外のいずれか2つの基準出力値の間の値を参照基準値としたときの最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように定められた補正データを生成し、記憶部に記憶させる。これにより、各色の基準出力値の更新に伴い、シアン、マゼンタ、イエローに対し、各画素に対する理想的な補正出力値との誤差が平均的に少ない補正データが定められる。従って、各色の基準出力値の更新があっても、色バランスの崩れが少なく高画質が維持される画像形成装置を提供することができる。
【0026】
又、請求項9に係る発明は、請求項7の発明において、前記制御部は、前記基準出力値を更新したとき、各色の前記基準出力値のうち、少なくとも2つの前記基準出力値の平均値を前記参照基準値とし、前記参照基準値での前記最大合計値と前記最小合計値との比率が前記理想比率となるように前記補正データを生成し、前記記憶部に生成した前記補正データを更新させることとした。
【0027】
この構成によれば、制御部は、基準出力値を更新したとき、各色の基準出力値のうち、少なくとも2つの基準出力値の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように補正データを生成し、記憶部に生成した補正データを更新させる。これにより、各色の基準出力値の更新に伴い、各感光体ドラムの各画素の理想的な補正出力値との誤差を減らした補正データが生成される。従って、各色の基準出力値の更新があっても、色バランスの崩れが少なく高画質が維持される画像形成装置を提供することができる。
【0028】
又、請求項10に係る発明は、請求項7の発明において、前記制御部は、前記基準出力値を更新したとき、各色の前記基準出力値のうち、最大の前記基準出力値と最小の前記基準出力値の平均値を前記参照基準値とし、前記参照基準値での前記最大合計値と前記最小合計値との比率が前記理想比率となるように前記補正データを生成し、前記記憶部に生成した前記補正データを更新させることとした。
【0029】
この構成によれば、制御部は、基準出力値を更新したとき、各色の基準出力値のうち、最大の基準出力値と最小の基準出力値の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように補正データを生成し、記憶部に生成した補正データを更新させる。これにより、各色の基準出力値の更新に伴い、レーザー装置の出力範囲全体から見て、各画素に対する理想的な補正出力値との誤差が平均的に少ない補正データが生成される。従って、各色の基準出力値の更新があっても、色バランスの崩れが少なく高画質が維持される画像形成装置を提供することができる。
【0030】
又、請求項11に係る発明は、請求項7の発明において、前記制御部は、予め定められた参照基準値を前記補正データでの最小値と定めた補正データであって、各色の前記基準出力値を更新したとき、前記補正データでの最大値と更新後の複数の前記基準出力値のうち最も大きい前記基準出力値を加算した最大合計値と前記補正データでの最小値と更新後の複数の前記基準出力値のうち最も大きい前記基準出力値を加算した最小合計値との第1比率と、前記補正データでの最大値と複数の前記基準出力値のうち更新後の最も小さい前記基準出力値を加算した最大合計値と前記補正データでの最小値と複数の前記基準出力値のうち更新後の最も小さい前記基準出力値を加算した最小合計値との第2比率との差が等しくあるいは最小化されるように補正出力値が定められた前記補正データを生成し、前記記憶部に生成した前記補正データを更新させることとした。
【0031】
この構成によれば、制御部は、予め定められた参照基準値を補正データでの最小値と定めた補正データであって、各色の基準出力値を更新したとき、補正データでの最大値と更新後の複数の基準出力値のうち最も大きい基準出力値を加算した最大合計値と補正データでの最小値と更新後の複数の基準出力値のうち最も大きい基準出力値を加算した最小合計値との第1比率と、補正データでの最大値と複数の基準出力値のうち更新後の最も小さい基準出力値を加算した最大合計値と補正データでの最小値と複数の基準出力値のうち更新後の最も小さい基準出力値を加算した最小合計値との第2比率との差が等しくあるいは最小化されるように補正出力値が定められた補正データを生成し、記憶部に生成した補正データを更新させる。これにより、各色の基準出力値の更新に伴い、各感光体ドラムの各画素の理想的な補正出力値との誤差を減らした補正データが定められる。
【0032】
又、請求項12に係る発明は、請求項1乃至11の発明において、前記補正データは、前記感光体ドラムの主走査方向の中央位置の画素から前記感光体ドラムの主走査方向における端部の画素に向かうほど、前記補正出力値が大きくなるように設定されていることとした。
【0033】
この構成によれば、補正データは、感光体ドラムの主走査方向の中央位置の画素から感光体ドラムの主走査方向における端部の画素に向かうほど、補正出力値が大きくなるように設定される。これにより、感光体ドラムや光学部に含まれる部材へのビームの入射角がより鋭角になる感光体ドラムの端部位置ほど補正出力値が大きくされる。従って、感光体ドラムの主走査方向の各画素での与えられるビームのエネルギー差を適切に補正することができる。
【0034】
又、請求項13に係る発明は、請求項1乃至12の発明において、前記第1理想補正データは、前記第1理想補正データ内での前記補正出力値の最大値と最大の前記基準出力値の前記合計値と前記第1補正データ内での補正出力値の最小値と最大の前記基準出力値の前記合計値との比率が予め定められた理想的な比率となるように定められたものであり、前記第2理想補正データは、前記第2理想補正データ内での補正出力値の最大値と最小の前記基準出力値の前記合計値と前記第2理想補正データ内での補正出力値の最小値と最小の前記基準出力値の前記合計値との比率が予め定められた理想的な比率となるように定められたものであることしした。
【0035】
この構成によれば、第1理想補正データは、第1理想補正データ内での補正出力値の最大値と最大の基準出力値の合計値と第1補正データ内での補正出力値の最小値と最大の基準出力値の合計値との比率が予め定められた理想的な比率となるように定められたものであり、第2理想補正データは、第2理想補正データ内での補正出力値の最大値と最小の基準出力値の合計値と第2理想補正データ内での補正出力値の最小値と最小の基準出力値の合計値との比率が予め定められた理想的な比率となるように定められたものである。これにより、ビームの基準的な発光レベルが最大のとき、第1理想補正データでの補正出力値での最大値と最小値の差が大きくされ、ビームの基準的な発光レベルが最小のとき、第1理想補正データでの補正出力値での最大値と最小値の差が小さくされる。従って、ビームの基準の発光レベルに合わせ最適な比率で第1理想補正データ、第2理想補正データが定められる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、複数のレーザー装置を有する画像形成装置において、安価で誤差が少ないビームの発光レベルの補正を行える。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】複合機の一例を示す模型的正面断面図である。
【図2】画像形成ユニットの拡大模型的断面図である。
【図3】露光装置の一例を示す模式図である。
【図4】複合機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】露光装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図6】主走査方向での各位置で感光体ドラムが受けるエネルギー(受光量)の一例を示すグラフである。
【図7】感光体ドラムの主走査方向の位置に応じた発光レベルの補正を行うときのレーザー装置の出力比率の一例を示すグラフである。
【図8】補正データの定め方の一例を説明するためのグラフである
【図9】補正データの定め方の一例を説明するためのグラフである
【図10】補正データを定める手法を説明するためのグラフである(第1の実施形態)。
【図11】複合機での各レーザー装置の発光レベルの補正を伴った走査、露光の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】濃度のキャリブレーションでの制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】濃度のキャリブレーションで生成されるトナー像の一例を示す説明図である。
【図14】補正データを定める手法を説明するためのグラフである(第2の実施形態)。
【図15】補正データを定める手法を説明するためのグラフである(第3の実施形態)。
【図16】補正データを定める手法を説明するためのグラフである(第4の実施形態)。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図1〜図13を用い、本発明の実施形態を、複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。まず、図1〜図13を用いて本発明の第1の実施形態を説明する。但し、本実施の形態に記載される構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0039】
(画像形成装置の概略)
まず、図1及び図2に基づき、第1の実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は複合機100の一例を示す模型的正面断面図である。図2は、画像形成ユニット21の拡大模型的断面図である。
【0040】
図1に示すように、実施形態の複合機100は、最上部に原稿カバー100aを有し、複合機100本体には、操作パネル1a、画像読取部1b、給紙部1c、搬送路1d、画像形成部2(露光装置4を含む)、中間転写部3a、定着部3b等が設けられる。
【0041】
まず、図1に破線で示すように、操作パネル1aは、複合機100の正面上方に設けられる。そして、操作パネル1aは、複合機100の状態や各種メッセージを表示する液晶表示部11を備える。液晶表示部11は、機能選択、設定等を行うためのキーを1又は複数表示できる。又、液晶表示部11の上面にタッチパネル部12(例えば、抵抗膜方式)が設けられる。タッチパネル部12は、液晶表示部11で押された部分の位置、座標を検出する。又、操作パネル1aには、例えば、数字入力用のテンキー部13やコピー等の各種機能の実行開始を指示するためのスタートキー14、等、各種の入力用のハードキーも設けられる。
【0042】
原稿カバー100aは、図1の紙面奥行き方向に支点を有し、紙面上下方向に開閉可能である。原稿カバー100aは、原稿の複写時、載置読取用コンタクトガラス15に載置された原稿を押さえる。画像読取部1bは、原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。又、画像読取部1b内には露光ランプ、ミラー45、レンズ41、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。尚、原稿カバー100aに変えて、原稿を1枚ずつ、自動的、連続的に、画像読取部1bの読み取り位置に向けて搬送する原稿搬送装置を設けてもよい。
【0043】
そして、これらの光学系部材を用い、載置読取用コンタクトガラス15に載置される原稿にビームを照射し、その原稿の反射ビームを受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し、画像データが生成される。複合機100は、読み取りにより得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー機能)。
【0044】
給紙部1cは、例えば、コピー用紙、OHPシート、ラベル用紙等の各種用紙を収容する。そして、給紙部1cは、モータ等の駆動機構(不図示)により回転する給紙ローラ16で用紙を搬送路1dに送り出す。そして、搬送路1dは、複合機100内で用紙を搬送し、給紙部1cから供給された用紙を、中間転写部3a、定着部3bを経て排出トレイ17まで導く。搬送路1dには搬送ローラ対18や及び搬送されてくる用紙を中間転写部3aの手前で待機させ、タイミングをあわせて送り出すレジストローラ対19等が設けられる。
【0045】
図1及び図2に示すように、複合機100は、形成すべき画像の画像データに基づき、トナー像を形成する部分として画像形成部2を有する。画像形成部2は、4色分の画像形成ユニット21と露光装置4を含む。具体的に、複合機100は、画像形成ユニット21として、ブラックの画像を形成する画像形成ユニット21Bkと、イエローの画像を形成する画像形成ユニット21Yと、シアンの画像を形成する画像形成ユニット21Cと、マゼンタの画像を形成する画像形成ユニット21Mと、を備える。
【0046】
ここで、図2を用いて各画像形成ユニット21Bk〜21Mを詳述する。尚、各画像形成ユニット21Bk〜21Mは、形成するトナー像の色が異なるだけで、いずれも基本的に同様の構成である。そこで、下の説明では、各画像形成ユニット21内のBk、Y、C、Mの符号は、特に説明する場合を除き省略する。
【0047】
各画像形成ユニット21に設けられる各感光体ドラム22(ブラック用の22Bk、シアン用の22C、マゼンタ用の22M、イエロー用の22Yの4色分、計4本、以下の説明では、Bk、C、M、Yの符号は省略)は、周面にトナー像を担持する。各感光体ドラム22は、外周面上に感光層を有し、駆動装置(不図示)によって所定のプロセススピードで回転駆動される。各帯電装置23は、感光体ドラム22を一定の電位で帯電させる。各画像形成ユニット21の下方の露光装置4は、カラー色分解された画像信号の入力を受け、ビームの点消灯を示す信号に変換する。そして、露光装置4は、変換後の信号に基づき、レーザービーム(破線で図示)を点消灯出力する。このように、露光装置4は、帯電後の各感光体ドラム22の走査露光を行い静電潜像を形成する。各現像装置24は、対応する色の現像剤を収納する。そして、各現像装置24は、感光体ドラム22の静電潜像にトナーを供給し現像する。各清掃装置25は、感光体ドラム22の清掃を行う。
【0048】
図1に戻り説明する。中間転写部3aは、感光体ドラム22からトナー像の1次転写を受けて、用紙に2次転写を行う。中間転写部3aは、各1次転写ローラ31Bk〜31M、中間転写ベルト32、駆動ローラ33、従動ローラ34a〜34c、2次転写ローラ35、ベルト清掃装置36等で構成される。各1次転写ローラ31Bk〜31Mは、対応する感光体ドラム22と無端状の中間転写ベルト32を挟み込む。転写用電圧が各1次転写ローラ31Bk〜31Mには印加される。その結果、トナー像は中間転写ベルト32に転写される。
【0049】
中間転写ベルト32は、駆動ローラ33等に張架され、モータ等の駆動機構(不図示)に接続される駆動ローラ33の回転駆動により周回する。駆動ローラ33と2次転写ローラ35は、中間転写ベルト32を挟み込む。各画像形成ユニット21で形成されたトナー像(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色)は、順次、ずれなく重畳し、中間転写ベルト32に1次転写された後、所定の電圧を印加された2次転写ローラ35により、用紙に転写される。
【0050】
定着部3bは、2次転写ローラ35よりも用紙搬送方向の下流側に配され、用紙に2次転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。そして、定着部3bは主として、発熱源を内蔵する定着ローラ37と、これに圧接される加圧ローラ38とで構成され、ニップが形成される。そして、トナー像の転写された用紙は、ニップを通過すると加熱・加圧され、その結果、トナー像が用紙に定着する。尚、定着後の用紙は、排出トレイ17に排出され画像形成処理が完了する。
【0051】
(露光装置4の構成)
次に、図3を用いて、第1の実施形態に係る露光装置4の一例を説明する。図3は、露光装置4の一例を示す模式図である。尚、図3では、1色分の構成を図示している。
【0052】
まず、図3を用いて、露光装置4を用いた感光体ドラム22の走査・露光の概要を説明する。図3に示すように、露光装置4には、レーザー装置5(例えば、レーザーダイオード)が設けられる。レーザー装置5は、各画像形成ユニット21の感光体ドラム22に対して1つ設けられる(ブラック用の5Bk、イエロー用の5Y、シアン用の5C、マゼンタ用の5M。図5参照)。そのため、本実施形態の露光装置4には、計4つのレーザー装置5が設けられる(図3では便宜上1つのみ図示)。
【0053】
そして、各レーザー装置5が発するレーザービーム(レーザー光)を感光体ドラム22に到達させる光学部として、レーザー装置5とポリゴンミラー43間に設けられるレンズ41(光学部に相当)、レーザービームを反射させる平面反射面を複数持ち、ポリゴンモーター42により高速回転するポリゴンミラー43(光学部に相当)、レーザービームの感光体ドラム22での走査速度を一定とするためのfθレンズ44(光学部に相当)、レーザービームを各感光体ドラム22に向けて反射させるミラー45(光学部に相当)等が設けられる。
【0054】
本実施形態では、4本の感光体ドラム22に対し4つのレーザー装置5(5Bk〜5M)が設けられる。尚、以下の説明では、Bk、Y、C、Mの符号を省略することがある。そして、4つのレーザー装置5に対してポリゴンミラー43とポリゴンモーター42の組み合わせが、それぞれ設けられる。尚、ポリゴンミラー43とポリゴンモーター42の組み合わせを各レーザー装置5にそれぞれ設けず、例えば、ポリゴンミラー43とポリゴンモーター42の組み合わせを1つ設け、全てのレーザー装置5が共用してもよい。又、ポリゴンミラー43とポリゴンモーター42の組み合わせを2つ設け、2つのレーザー装置5が1つのポリゴンミラー43とポリゴンモーター42の組み合わせを共用してもよい。
【0055】
又、レンズ41、fθレンズ44、ミラー45等は、各色分(4色分)設けられる(図3では便宜上1色分のみ図示)。そして、レーザービームが露光装置4から各感光体ドラム22に照射され、画像データに併せた静電潜像が各感光体ドラム22上に形成される。
【0056】
尚、露光装置4には、ポリゴンモーター42によるレーザービームの照射範囲内(走査範囲内)、かつ、感光体ドラム22への照射範囲外に受光部46が設けられる。この受光部46は、レーザービームの照射の有無で、出力電流(出力電圧)が変化する。受光部46は、受光素子(例えば、フォトダイオード)等を含む回路である。そして、感光体ドラム22への露光(書込)のタイミングが、受光部46の出力に基づき、取られる。
【0057】
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図4に基づき、本発明の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。図4は、複合機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
図4に示すように、本実施形態に係る複合機100は、内部に主制御部6を有する。主制御部6は、複合機100の各部を制御する。例えば、主制御部6は、CPU61、記憶装置62、画像処理部63等を含む。
【0059】
CPU61は、中央演算処理装置であり、記憶装置62に格納され、展開される制御プログラムに基づき複合機100の各部の制御や演算を行う。記憶装置62は、ROM、RAM、フラッシュROM等の不揮発性と揮発性の記憶装置の組み合わせで構成される。例えば、記憶装置62は、複合機100の制御プログラム、制御データ等を記憶する。
【0060】
主制御部6は、印刷に関する部分(印刷エンジン部)を制御するエンジン制御部20と通信可能に接続される。エンジン制御部20は、主制御部6の指示に基づき、画像形成や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を行う。又、エンジン制御部20は、給紙部1c、搬送路1d、画像形成部2、露光装置4、中間転写部3a、定着部3bなどの動作を実際に制御する。
【0061】
又、主制御部6は、コンピューター200(例えば、パーソナルコンピューターやサーバなど)とネットワークやケーブルを介して接続される。主制御部6には、印刷を行う画像データや印刷における設定データを含む印刷データがコンピューター200から入力される。又、主制御部6には、画像読取部1bで読み取られた原稿の画像データが入力される。画像処理部63は、コンピューター200や画像読取部1bからの画像データに対して設定に合わせ、拡大、縮小、濃度変換、データ形式変換等、各種画像処理を施す。そして、画像処理部63は、露光装置4に画像処理後の画像データを送る。露光装置4は、この画像データを受けて走査、露光を行う。
【0062】
又、主制御部6は、操作パネル1aや画像読取部1b等と接続される。操作パネル1aは、例えば、複合機100の正面上方に設けられ、液晶画面を有し、種々の設定情報、警告等を表示する。主制御部6は、操作パネル1aになされた設定に基づき、画像読取部1bの原稿読み取りで得られた画像データや、記憶装置62の制御プログラムやデータに基づき、適切に画像形成が行われるように各部の動作を制御する。
【0063】
又、画像処理部63は、受信した画像データを画像処理し、露光装置4に送信し、露光装置4はその画像データに基づき、感光体ドラム22に静電潜像を形成する。
【0064】
(露光装置4の制御)
次に、図5に基づき、第1の実施形態に係る露光装置4の制御の概要を説明する。図5は、露光装置4のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0065】
図5に示すように、本実施形態の複合機100では、エンジン制御部20が露光装置4の制御を行う。エンジン制御部20は、例えば、画像データに基づき各色のレーザー装置5(ブラック用のレーザー装置5Bk、イエロー用のレーザー装置5Y、シアン用のレーザー装置5C、マゼンタ用のレーザー装置5M)の点消灯を制御する。そして、露光装置4には、レーザー装置5に対して電流を供給する1つの第1駆動部7と複数の第2駆動部8が設けられる。
【0066】
そして、第1駆動部7は、各レーザー装置5(レーザー装置5Bk〜レーザー装置5M)に対して1つ設けられる。第1駆動部7は、感光体ドラム22の主走査方向での位置(各画素)に応じて照射するビームの発光レベルの補正を行うための電流を出力して、同じ電流(図5において、i1として図示)を各レーザー装置5に供給する。感光体ドラム22の露光を行うとき、エンジン制御部20は、第1駆動部7に対し出力すべき電流の大きさを示す値(補正出力値)を与える。第1駆動部7は、エンジン制御部20からの指示された補正出力値に応じた電流を出力する。本実施形態では、エンジン制御部20は、第1駆動部7に補正出力値をディジタル値で与える。そのため、第1駆動部7は、例えば、補正出力値の大きさにあわせて電流を出力するディジタル−アナログコンバーター(DAC)である。
【0067】
尚、感光体ドラム22の主走査方向の位置に応じて(画素に応じて)どのような補正出力値を与えるかを示す補正データ(各画素の補正出力値を示すデータ)は、エンジン制御部20に接続される(エンジン制御部20に内蔵されていてもよい)メモリー9(記憶部に相当、例えば、フラッシュROM)に格納される。感光体ドラム22の露光を行うとき、エンジン制御部20は、メモリー9から補正データを取得し、補正データに基づき第1駆動部7に補正出力値を順次与える。
【0068】
又、第2駆動部8は、各レーザー装置5(レーザー装置5Bk〜レーザー装置5M)に対してそれぞれ1つ設けられる(計4つ)。図5において、各第2駆動部8のうち、ブラック用のものに8Bkの符号を付し、イエロー用のものに8Yの符号を付し、シアン用のものに8Cの符号を付し、マゼンタ用のものに8Mの符号を付す。尚、説明の便宜上、第2駆動部8については、Bk、8Y、8C、8Mの符号を省略し、単に第2駆動部8と称することがある。各第2駆動部8(第2駆動部8Bk〜第2駆動部8M)は、対応する感光体ドラム22に照射するレーザービームの基準となる発光レベル(光量)をさだめ、補正する(基準となる発光レベルを示す)電流を出力して、対応するレーザー装置5に供給する。
【0069】
印刷(トナー像形成)に伴って各感光体ドラム22の露光を行うとき、エンジン制御部20は、第2駆動部8に対し出力すべき電流の大きさを示す値(基準出力値)を与える。第2駆動部8は、エンジン制御部20からの指示された基準出力値に応じた電流を出力する。これにより、各レーザー装置5は、感光体ドラム22ごとに予め定められた基準となる発光レベル(基準出力、基準光量)でレーザービームを発する。本実施形態では、エンジン制御部20は、各第2駆動部8に基準出力値をディジタル値で与える。そのため、各第2駆動部8も、例えば、基準出力値の大きさにあわせて電流を出力するディジタル−アナログコンバーター(DAC)である。そのため、第1駆動部7と第2駆動部8は同じ回路(同じ種類)のものでもよい。
【0070】
尚、各レーザー装置5(各感光体ドラム22)に対してそれぞれ定められる基準出力値は、メモリー9に格納される。感光体ドラム22の露光を行うとき、エンジン制御部20は、メモリー9から各第2駆動部8の基準出力値を取得し、基準出力値を各第2駆動部8に与える。
【0071】
そして、図5に示すように、各レーザー装置5には、対応する第2駆動部8が出力した電流に、第1駆動部7が出力した電流i1が重畳された電流が与えられる。この電流受け、感光体ドラム22の走査、露光を行うとき、各レーザー装置5(レーザー装置5Bk〜レーザー装置5M)は、レーザービームを出力する。
【0072】
又、エンジン制御部20には、各受光部46の出力が入力される。例えば、エンジン制御部20は、ブラック用の受光部46を基準として、各レーザー装置5でのラインでの書き出しタイミングを定める。1つの受光部46の出力変化を同期用の信号として用いることで、各ラインの書き出し位置を一致させることができる。
【0073】
又、エンジン制御部20は、ポリゴンモーター42のON/OFF(ポリゴンモーター42が複数設けられるときは、それぞれのポリゴンモーター42の回転を制御する(図5では便宜上1つのみ図示)。具体的には、エンジン制御部20は、ポリゴンモーターを回転させるための信号(例えば、クロック信号)を生成する駆動信号生成部47に指示を与え、ポリゴンモーター42のON/OFFや回転速度を制御する。そして、エンジン制御部20は、感光体ドラム22の走査、露光を行うとき、ポリゴンモーター42を回転させ、印刷ジョブが完了するとポリゴンモーター42を停止させる。
【0074】
尚、本実施形態では、エンジン制御部20が露光装置4の制御を行う例を説明するが、露光装置4内に、エンジン制御部20の指示を受けて実際に露光装置4の動作を制御するコントローラーが設けられても良い。又、エンジン制御部20ではなく、主制御部6が、露光装置4の走査、露光の制御や、後述の各レーザー装置5の発光レベル制御を行うようにしてもよい。このように、エンジン制御部20やコントローラーや主制御部6を露光装置4の各レーザー装置5の発光を制御する制御部として機能させることもできる。
【0075】
(レーザービームの発光レベル補正の概要)
次に、図6、図7を用いて、第1の実施形態に係る各レーザー装置5の発光レベル(発光量)の補正の一例を説明する。図6は、主走査方向での各位置で感光体ドラム22が受けるエネルギー(受光量)の一例を示すグラフである。図7は、感光体ドラム22の主走査方向の位置に応じた発光レベルの補正を行うときのレーザー装置5の出力比率の一例を示すグラフである。
【0076】
まず、図6を用いて、主走査方向の各位置での感光体ドラム22が受けるエネルギー(受光量)の変動を説明する。露光装置4では、感光体ドラム22に各レーザー装置5からレーザービームを到達させるため、ポリゴンミラー43、fθレンズ44、ミラー45などが設けられる。
【0077】
前提として、基本的に、色ムラなどの原因となるので、感光体ドラム22が受けるエネルギー(受けるレーザービームの光量)は、主走査方向で均一であることが望ましい(図6での水平のライン)。ここで、本実施形態の露光装置4では、感光体ドラム22の主走査方向での中心位置に対応させてポリゴンミラー43が設けられる。そのため、感光体ドラム22の主走査方向の中心位置から離れるほど、fθレンズ44やミラー45や感光体ドラム22には、レーザービームが傾いた角度で入射される。そして、ミラー45はレーザービームの入射角度により反射率が変化し、fθレンズ44もレーザービームの入射角度により透過率(減衰率)が変化する。
【0078】
そのため、レーザー装置5に一定の電流を与えて発光させると(レーザービームの発光レベルを一定として走査すると)、図6で上に凸のラインで示すように、主走査方向の位置に応じて、感光体ドラム22が受けるエネルギー(受光量)が変動する。具体的には、感光体ドラム22の端部ほど感光体ドラム22が受けるエネルギーが減る。
【0079】
そこで、本実施形態のエンジン制御部20は、図7に示すように、感光体ドラム22の端部ほどレーザー装置5に供給する電流を増加させる補正を行う。これにより、図6での水平のラインで示すように、感光体ドラム22が受けるエネルギー(受けるレーザービームの光量)を主走査方向で均一とする。この感光体ドラム22の主走査方向での露光位置にあわせたレーザー装置5の発光レベルの補正は、エンジン制御部20が、補正データに基づき第1駆動部7に主走査方向での走査、露光の間に出力する電流を変化させることによりなされる。
【0080】
(補正データ)
次に、図8、図9を用いて、第1の実施形態に係るレーザー装置5での補正データについて説明する。図8、図9は、補正データの定め方の一例を説明するためのグラフである。
【0081】
まず、図8を用いて、レーザー装置5の基準となる発光レベルの強弱により、理想的な補正データが異なる点を説明する。そして、図8での縦軸は、第1駆動部7に与えるディジタル値と第2駆動部8に与えるディジタル値の合計値(出力値)を示す。横軸は、感光体ドラム22の主走査方向での位置を示す。
【0082】
そして、図8での太い破線は、レーザー装置5の基準となる発光レベルを示す。そして、例えば、本実施形態の第1駆動部7や第2駆動部8では、感光体ドラム22の感度の個体差などに合わせて、例えば、黒塗矢印の範囲でレーザー装置5の基準となる発光レベルを変動させることができる。図8の例では、エンジン制御部20は、第2駆動部8に対し、出力値で言えば、70〜130の範囲で基準出力値を与え、各レーザー装置5で基準となる発光レベルを変動させることができる。
【0083】
例えば、本実施形態の複合機100では、第2駆動部8が各レーザー装置5を基準となる発光レベルで発光させるための電流を発する。例えば、レーザー装置5を出力値で言えば、70の基準レベルで発光させるとき、エンジン制御部20は、第2駆動部8に70のディジタル値(基準出力値)を与える。尚、第2駆動部8に与えるディジタル値の一部を補正データでの全ての補正出力値に加算し、補正データで第1駆動部7の出力値をバイアスさせるように補正データや各感光体ドラム22に対する基準出力値が定められても良い。尚、基準となる発光レベルの変動幅は、レーザー装置5の電流の限界値や、第1駆動部7や第2駆動部8の1ステップあたりの出力電流値により変わり、上記の例に限られない。
【0084】
そして、図8に示すように、補正データは、第1駆動部7が感光体ドラム22の主走査方向の端部ほど各レーザー装置5に与えられる電流が大きくなるように、感光体ドラム22の主走査方向の位置に応じて定められる。例えば、補正データは、画素ごとに第1駆動部7が出力すべき電流を示す値(補正出力値)を定めたデータである。具体的に、本実施形態の補正データは、主走査方向での走査、露光開始時に各レーザー装置5の発光レベルが最も大きくなり、走査位置が感光体ドラム22の中央に向かうに従って発光レベルが次第に小さくなってゆき、感光体ドラム22の主走査方向の中央位置(0mm地点)で発光レベルが基準の発光レベルと同等となり、走査位置が感光体ドラム22の端部(主走査方向の後方の画素)に向かうに従って発光レベルが次第に大きくなり、主走査方向での走査、露光終了時に各レーザー装置5の発光レベルが最も大きくなるように、第1駆動部7の電流供給する電流が変化するように定められる。
【0085】
ここで、感光体ドラム22やfθレンズ44やミラー45への入射角度により反射率や透過率がかわる。そのため、感光体ドラム22の主走査方向のどの位置でもレーザービームにより与えられるエネルギー量の均一化を図るには、第1駆動部7及び第2駆動部8に与えるディジタル値の合計値(出力値)の最大値と最小値の比率(感光体ドラム22の端部での基準出力値と補正出力値の合計値と感光体ドラム22の中央での基準出力値と補正出力値の合計値の比率)を一定とすることが好ましい。
【0086】
そうすると、基準となる発光レベル(発光量)に応じて、感光体ドラム22の中心から端部にかけて増加させるべき理想的なレーザー装置5の発光レベル(第1駆動部7が増加させるべき電流量)が変わる。言い換えると、第1駆動部7及び第2駆動部8に与えるディジタル値の合計値(出力値)の最大値(最大合計値)と最小値(最小合計値)の幅(差)は、基準となる発光レベル(発光量、本実施形態の場合、最小合計値)に応じて変わる。
【0087】
具体的に、図8に示すように、合計値(出力値)の最大値(最大合計値)と最小値(最小合計値)の比率を理想的な比率とすると、発光レベル(発光量)を最大レベルとして走査、露光をするとき(例えば、最小合計値を130とするとき)最大合計値と最小合計値の差(白抜矢印Δ1で図示)と、発光レベル(発光量)を最小レベルとして走査、露光をするとき(例えば、最小合計値を70とするとき)の最大合計値と最小合計値の差(白抜矢印Δ2で図示)とは異なる。
【0088】
例えば、第1駆動部7に与えるディジタル値と第2駆動部8に与えるディジタル値の合計出力値での理想的な最大値(最大合計値)と最小値(最小合計値)との理想的な比率を1.15とすると、最小合計値(基準出力値)が130のとき、感光体ドラム22の端部では、図8に示すように、理想的な最大合計値は、130×1.15≒150となる(最大合計値と最小合計値との差は約20程度)。
【0089】
又、例えば、理想的な最大値(最大合計値)と最小値(最小合計値)との理想的な比率を1.15とすると、最小合計値(基準出力値)が70のとき、感光体ドラム22の端部では、図8に示すように、理想的な最大合計値は、70×1.15≒81となる(最大合計値と最小合計値との差は約11程度)。
【0090】
そこで、図9に示すように、レーザー装置5を最大発光レベルで走査、露光させる最大レベル時の理想的な補正データとして予め定められた第1理想補正データの主走査方向での位置に応じた補正出力値の変化を示す第1補正パターンと、レーザー装置5を最小発光レベルで走査、露光させる最小レベル時の理想的な補正データとして予め定められた第2理想補正データの主走査方向での位置に応じた補正出力値の変化を示す第2補正パターンとの範囲内となるように補正データでの主走査方向での位置に応じた補正出力値が定められる。エンジン制御部20に接続されるメモリー9はこのように定められた補正データを記憶する。
【0091】
具体的に、第1理想補正データは、第1理想補正データ内での補正出力値の最大値と最大発光レベルで走査、露光させる最大レベル時の基準出力値を合計した最大合計値と第1補正データ内での補正出力値の最小値と最大発光レベルで走査、露光させる最大レベル時の基準出力値を合計した最小合計値との比率が予め定められた理想的な比率となるように定められたものである。又、第2理想補正データは、第2理想補正データ内での補正出力値の最大値と最小発光レベルで走査、露光させる最小レベル時の基準出力値を合計した最大合計値と第2補正データ内での補正出力値の最小値と最小発光レベルで走査、露光させる最小レベル時の基準出力値を合計した最小合計値との比率が予め定められた理想的な比率となるように定められたものである。
【0092】
更に、具体的には、補正データは、補正データでの補正出力値の最大値と予め定められた参照基準値を加算した最大合計値と、補正データでの補正出力値の最小値と参照基準値を加算した最小合計値との比率が予め定められた理想比率となるように定められる。このように定められた補正データをメモリー9が記憶する。尚、参照基準値の詳細は後述する。
【0093】
(補正データを定める手法)
次に、図10を用いて、第1の実施形態における補正データを定める手法を説明する。図10は、第1の実施形態における補正データを定める手法を説明するためのグラフである。
【0094】
まず、図10では、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色について予め定められた各色の基準出力値と補正データでの最大値(感光体ドラム22端部)の合計値(最大合計値)と、各色の基準出力値と補正データでの最小値(感光体ドラム22中心)の合計値(最小合計値)の比率を最適(理想比率)とした場合の各色での理想的な補正データを示している。図10に示すように、各感光体ドラム22により、レーザービームに対して感度(光量に対して励起される度合い)が異なる。そのため、メモリー9は、各色の感光体ドラム22に対応する第2駆動部8ごとに基準出力値を記憶する。
【0095】
しかし、本実施形態では、複数の第2駆動部8に対し第1駆動部7は1つ設けられる。そして、第1駆動部7は、各第2駆動部8に対し、同じ量の電流(同じ補正出力値に対応した電流)を出力する。そのため、各色の理想的な補正データ(補正パターン)との誤差をできるだけ少なくした補正データを定める必要性がある。
【0096】
そこで、補正データを定める上で、各色の最小合計値(本実施形態では基準出力値。例えば、図10では、ブラックは約130、イエローは約110、シアンは約70、マゼンタは約80である)のうち、ブラック以外のいずれか2つの最小合計値(基準出力値)の間の値を参照基準値としたときの最大合計値と最小合計値との比率が理想比率(例えば、1.15)となるように定められた補正データを記憶する。図10に示す例では、イエローとシアンの基準出力値(最小合計値)の平均値を参照基準値とした例を示している。
【0097】
尚、参照基準値は、シアンとマゼンタの基準出力値の平均値(最小合計値)としてもよいし、イエローとマゼンタの基準出力値(最小合計値)の平均値としてもよいし、イエローとシアンとマゼンタの基準出力値(最小合計値)の平均を基準出力値としてもよい。これにより、カラーの複数色に関し、補正での誤差を少なく収めることができる。
【0098】
そして、基準出力値は、製造時の検査等により測定や確認された各感光体ドラム22について定められ、メモリー9に記憶される。さらに、各感光体ドラム22に対して定められた基準出力値(最小合計値)に応じて、上述のように補正データが定められ、メモリー9が補正データを記憶する。
【0099】
(印刷での流れ)
次に、図11を用いて、第1の実施形態の複合機100での各レーザー装置5の発光レベルの補正を伴った走査、露光の流れを説明する。図11は、複合機100での各レーザー装置5の発光レベルの補正を伴った走査、露光の流れの一例を示すフローチャートである。
【0100】
図11のスタートは、画像読取部1bで読み取られた原稿の画像データに基づき印刷ジョブが開始される時点(コピー)や、コンピューターから受信した画像データに基づき印刷ジョブが開始される時点である。
【0101】
まず、エンジン制御部20は、メモリー9から補正データを読み出す(ステップ♯1)。又、エンジン制御部20は、メモリー9から各第2駆動部8に与える基準出力値を読み出す(ステップ♯2)。
【0102】
そして、エンジン制御部20は、受光部46の出力や主制御部6からの指示に基づき、ページの主走査方向のラインの走査、露光の開始タイミングとなったか否かの確認を続ける(ステップ♯3、ステップ♯3のNo→ステップ♯3)。このとき、エンジン制御部20は、ポリゴンモーター42を走査、露光時の予め定められた回転速度に回転させる。
【0103】
開始タイミングに至ると、エンジン制御部20は、主走査方向の1ラインについて、補正データに基づき第1駆動部7に出力すべき電流値を示すディジタル値を与えるとともに、各第2駆動部8に対し、対応する基準出力値に基づき、各第2駆動部8が出力すべきディジタル値を与える(ステップ♯4)。これにより、主走査方向の1ライン分の感光体ドラム22の走査、露光が行われる(ステップ♯5)。尚、走査、露光を行わない画素(ドット)に対しては、エンジン制御部20は、第1駆動部7と各第2駆動部8に電流を出力しないようにマスクされた指示信号(ディジタル値)を発する。
【0104】
そして、エンジン制御部20は、印刷ジョブで印刷すべき全主走査方向のラインの走査、露光が完了したかを確認する(ステップ♯6)。完了していなければ(ステップ♯6のNo)、フローはステップ♯3に戻る。これにより、主走査方向のラインの走査、露光が副走査方向に続けて行われ、1ページ分又は複数ページ分の感光体ドラム22の走査、露光が行われる。そして完了すれば(ステップ♯6のYes)、エンジン制御部20は、露光動作を停止させて(ステップ♯7)、本フローは終了する。
【0105】
(濃度のキャリブレーションとキャリブレーションに伴う補正データの更新)
次に、図10、図12、図13を用いて、第1の実施形態に係る複合機100での濃度のキャリブレーションと、キャリブレーションに伴う補正データの更新を説明する。図12は、濃度のキャリブレーションでの制御の流れの一例を示すフローチャートである。又、図13は、濃度のキャリブレーションで生成されるトナー像の一例を示す説明図である。
【0106】
複合機100を使用していると、感光体ドラム22の摩耗や汚れなどに起因して、例えば、形成されるトナー像の濃度が理想的な濃度との隔たりが生ずる(経年劣化)。例えば、使用している間に、形成されるトナー像の濃度が低下してくる(薄くなる)。そこで、本実施形態の複合機100では、所定枚数印刷するごと、あるいは、主電源投入時など、予め定められた時点で濃度のキャリブレーション動作を行う。
【0107】
そこで、図12を用いて、濃度キャリブレーションの流れを説明する。図12は、スタートは、濃度のキャリブレーションを実行する時点である。
【0108】
濃度のキャリブレーションを実行に伴い、エンジン制御部20は、濃度キャリブレーション用のトナー像を形成させる(ステップ♯11)。そして、エンジン制御部20は、トナー像を中間転写ベルト32に転写させる(ステップ♯12)。更に、濃度センサー26(濃度情報入力部に相当)がトナー像の読み取りを行う(ステップ♯13)。
【0109】
図13は、中間転写ベルト32と中間転写ベルト32に形成された濃度測定用トナー像P1と、濃度センサー26の一例を示した図である。濃度測定用トナー像P1を形成するための画像データは、例えば、メモリー9に記憶され、エンジン制御部20は、濃度測定用トナー像P1の画像データに基づきトナー像を形成させ、中間転写ベルト32に転写させる。例えば、図13に示すように、濃度測定用トナー像P1は、各色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のパッチが組み合わされたものである。濃度測定用トナー像P1は、図13に示すように、複数個形成されてもよい。
【0110】
濃度測定用トナー像P1の移動経路上を検知範囲とするように、濃度センサー26が設けられる。濃度センサー26は、濃度測定用トナー像P1を読み取る光センサーである。例えば、濃度センサー26は、中間転写ベルト32に向けて光を照射し、反射光を受け、反射光の光量により出力の大きさが異なる光センサーである。例えば、濃度センサー26は、ブラックの画像形成ユニット21と駆動ローラ33ーの間で、中間転写ベルト32に対向して設けられる(図1参照)。
【0111】
濃度測定用トナー像P1の濃度により、トナー像の光の吸収率や光の拡散率が異なり、濃度センサー26が受光する光量が変化し、出力が異なる。濃度センサー26の出力は、例えば、エンジン制御部20に入力される(図3参照)。エンジン制御部20は、濃度センサー26の出力電圧値を認識する。
【0112】
そして、メモリー9には、例えば、各色について、濃度センサー26の出力値に対する濃度を示すテーブルを記憶する。エンジン制御部20は、メモリー9のテーブルと、濃度測定用トナー像P1が形成されたときの濃度センサー26の出力値に基づき、各色のパッチの濃度を認識する。このようにして、エンジン制御部20は、各色のパッチの濃度と理想的な各色のパッチの濃度(例えば、メモリー9に理想的な各色のパッチの濃度を示すデータを記憶)とを比較し、現状の印刷での濃度と理想的な濃度とのずれを認識する(ステップ♯14)。
【0113】
尚、濃度測定用トナー像P1を印刷し、画像読取部1bで印刷物を読み取り、読み取りで得られた画像データでの濃度測定用トナー像P1の画素値(濃度値)に基づき、エンジン制御部20が現状の印刷での濃度と理想的な濃度とのずれを認識してもよい。従って、濃度センサー26に代えて、画像読取部1bを濃度測定用トナー像P1の濃度を示す情報の入力を受け付ける濃度情報入力部として用いても良い。又、トナー像又、印刷物をサービスマンや使用者が目視により確認し、現状の印刷での濃度と理想的な濃度とのずれを値として操作パネル1aに入力することにより、エンジン制御部20が現状の印刷での濃度と理想的な濃度とのずれを認識してもよい。従って、濃度センサー26に代えて、操作パネル1aを濃度測定用トナー像P1の濃度を示す情報の入力を受け付ける濃度情報入力部として用いても良い。
【0114】
そして、エンジン制御部20は、認識した各色でのずれに応じて、必要があれば、各色の基準出力値を更新する(ステップ♯15)。具体的には、エンジン制御部20は、理想的な濃度よりも濃い色については基準出力値を小さくするように基準出力値をメモリー9に更新させ、理想的な濃度よりも薄い色については基準出力値を大きくするように基準出力値をメモリー9に更新させる。
【0115】
更に、基準出力値が新たな値に更新されたので、エンジン制御部20は、補正データも更新する(ステップ♯16)。具体的には、上述したように、エンジン制御部20は、更新後の各色の基準出力値(最小合計値ともいえる)のうち、ブラック以外のいずれか2つの基準出力値の間の値を参照基準値としたときの最大合計値と最小合計値との比率が理想比率(例えば、1.15)となるように定められた補正データを生成し、メモリー9生成した補正データを記憶させる。
【0116】
このようにして、本実施形態に係る画像形成装置(例えば、複合機100)は、像担持体としての複数本の感光体ドラム22と、感光体ドラム22の走査、露光を行うためのビームを発し、感光体ドラム22に対して個別に設けられるレーザー装置5と、レーザー装置5が発したビームを感光体ドラム22に到達させ、感光体ドラム22の主走査方向に沿って走査、露光を行わせる光学部(ミラー45、fθレンズ44等)と、感光体ドラム22の主走査方向での位置に応じて感光体ドラム22が受けるエネルギー差の補正のため増加させるビームの発光レベルを示す補正出力値が定められ各レーザー装置5に対して共通の補正データと、感光体ドラム22に照射するビームの光量の基準となる発光レベルを定めて補正するための基準出力値を感光体ドラム22ごとに記憶する記憶部(メモリー9)と、補正データの補正出力値の大きさに応じて、主走査方向での位置に応じて各レーザー装置5に供給する出力電流を変化させ、主走査方向でのビームの発光レベルを変化させる第1駆動部7と、各レーザー装置5に対し個別に設けられ、基準出力値の大きさに応じて、対応するレーザー装置5に供給する一定の大きさの電流を出力する第2駆動部8と、を含み、各レーザー装置5は、第1駆動部7の出力電流と第2駆動部8の出力電流を合わせた電流の供給を受けてビームを発し、記憶部は、レーザー装置5を最大発光レベルで走査、露光させる最大レベル時の理想的な補正データとして予め定められた第1理想補正データの主走査方向での位置に応じた補正出力値の変化を示す第1補正パターンと、レーザー装置5を最小発光レベルで走査、露光させる最小レベル時の理想的な補正データとして予め定められた第2理想補正データの主走査方向での位置に応じた補正出力値の変化を示す第2補正パターンとの範囲内で主走査方向での位置に応じた補正出力値が定められた補正データを記憶する。
【0117】
これにより、感光体ドラム22の主走査方向の各画素に照射されるビームのエネルギー差を補正する電流を各レーザー装置5に供給する電流源が1つですむ。従って、各感光体ドラム22での主走査方向での各画素が受けるエネルギー量を均一にするための補正を行う部分が1つですみ、画像形成装置(例えば、複合機100)の製造コストを削減することができる。又、一定の範囲内に限られた補正パターンを描く補正データにより、各感光体ドラム22の主走査方向の各画素に照射されるビームの発光レベルを補正することができる。従って、補正データが1つで第1駆動部7により共通の電流が各レーザー装置5に供給されても、各感光体ドラム22の主走査方向の各画素に照射すべきビームの理想的な発光レベルと大きく隔たることなく(誤差を抑えつつ)、主走査方向の位置に応じて、レーザー装置5の発光レベルを補正することができ、各色のバランスの崩れを小さくすることができる。
【0118】
又、感度特性や製造誤差などにより感光体ドラム22ごとに照射すべきビームの基準の発光レベルは異なる。そして、反射率や透過率を考慮すると、ビームの基準となる発光レベルに応じて補正データ内の補正出力値の最大値と最小値の差は異ならせることが好ましい。そこで、記憶部(メモリー9)は、補正データでの補正出力値の最大値と予め定められた参照基準値を加算した最大合計値と、補正データでの補正出力値の最小値と参照基準値を加算した最小合計値との比率が予め定められた理想比率となるように定められた補正データを記憶する。これにより、補正データが1つで第1駆動部7により共通の電流が各レーザー装置5に供給されても、最大合計値と最小合計値の比率が最適となるように補正データが設定される。従って、感光体ドラム22の主走査方向の各画素に対するビームの照射量(照射エネルギー)の均一化を図ることができる。
【0119】
又、色バランスの崩れや色むらや原稿との差は、彩度、色相等に係わるブラック以外のトナー像を重ね合わせたときに強く認識されやすい。そこで、本実施形態の画像形成装置(例えば、複合機100)では、感光体ドラム22は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色分設けられ、記憶部(メモリー9)は、各色の感光体ドラム22に対応する第2駆動部8ごとに基準出力値を記憶するとともに、ブラック以外のいずれか2つの基準出力値の間の値を参照基準値としたときの最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように定められた補正データを記憶する。これにより、補正データが1つで第1駆動部7により共通の電流が各レーザー装置5に供給されても、シアン、マゼンタ、イエローに対し、各画素に対する理想的な補正出力値との誤差が平均的に少ない補正データが定められる。従って、各色のトナー像を重ね合わせても、色バランスの崩れを少なくすることができ、安価で高画質の画像形成装置(例えば、複合機100)を提供することができる。
【0120】
又、使用による経年劣化等によって、実際に形成されるトナー像の濃度と理想的なトナー像の濃度とのずれが生じる(例えば、薄くなる)。そこで、本実施形態の複合機100は、各感光体ドラム22上に形成された各色の濃度測定用トナー像P1についての濃度を示す情報の入力を受け付ける濃度情報入力部(濃度センサー26、画像読取部1b、操作パネル1aなど)と、濃度情報入力部に入力された情報に基づき、各色のトナー像の理想的な濃度からのずれを把握し、理想的な濃度よりも濃い色については基準出力値を小さくするように記憶部(メモリー9)の基準出力値を更新させ、理想的な濃度よりも薄い色については基準出力値を大きくするように記憶部の基準出力値を更新させる制御部(エンジン制御部20)と、を有する。これにより、各レーザー装置5の基準としての発光レベルを示す各基準出力値が補正される。従って、使用に伴い生ずる理想的なトナー像からのずれを全体的に補正することができる。
【0121】
又、感光体ドラム22は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色分設けられ、制御部(エンジン制御部20)は、各色の基準出力値を更新したとき、ブラック以外のいずれか2つの基準出力値の間の値を参照基準値としたときの最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように定められた補正データを生成し、記憶部(メモリー9)に記憶させる。これにより、各色の基準出力値の更新に伴い、シアン、マゼンタ、イエローに対し、各画素に対する理想的な補正出力値との誤差が平均的に少ない補正データが定められる。従って、各色の基準出力値の更新があっても、色バランスの崩れが少なく高画質が維持される画像形成装置(例えば、複合機100)を提供することができる。
【0122】
又、補正データは、感光体ドラム22の主走査方向の中央位置の画素から感光体ドラム22の主走査方向における端部の画素に向かうほど、補正出力値が大きくなるように設定されている。これにより、感光体ドラム22や光学部(ミラー45、fθレンズ44等)に含まれる部材へのビームの入射角がより鋭角になる感光体ドラム22の端部位置ほど補正出力値が大きくされる。従って、感光体ドラム22の主走査方向の各画素での与えられるビームのエネルギー差を適切に補正することができる。
【0123】
又、第1理想補正データは、第1理想補正データ内での補正出力値の最大値と最大の基準出力値の合計値と第1補正データ内での補正出力値の最小値と最大の基準出力値の合計値との比率が予め定められた理想的な比率となるように定められたものであり、第2理想補正データは、第2理想補正データ内での補正出力値の最大値と最小の基準出力値の合計値と第2理想補正データ内での補正出力値の最小値と最小の基準出力値の合計値との比率が予め定められた理想的な比率となるように定められたものである。これにより、ビームの基準的な発光レベルが最大のとき、第1理想補正データでの補正出力値での最大値と最小値の差が大きくされ、ビームの基準的な発光レベルが最小のとき、第1理想補正データでの補正出力値での最大値と最小値の差が小さくされる。従って、ビームの基準の発光レベルに合わせ最適な比率で第1理想補正データ、第2理想補正データが定められる。
【0124】
(第2の実施形態)
次に、図14に基づき、本発明の第2の実施形態を説明する。図14は、第2の実施形態における補正データを定める手法を説明するためのグラフである。
【0125】
第2の実施形態は、第1の実施形態と、補正データの定め方が異なるが、その他の点は同様でよい。そこで、特に説明する場合を除き、第1の実施形態と共通する部分については援用できるので、説明、図示を省略する。
【0126】
図14では、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色について予め定められた各色の基準出力値と補正データでの最大値(感光体ドラム22端部)の合計値(最大合計値)と、各色の基準出力値と補正データでの最小値(感光体ドラム22中心)の合計値(最小合計値)の比率を最適(理想比率)とした場合の理想的な補正データを示している。図14に示すように、各感光体ドラム22により、レーザービームに対して感度(光量に対して励起される度合い)が異なるので、各色について最適な補正データ(補正パターン)は異なる。そのため、メモリー9は、各色の感光体ドラム22に対応する第2駆動部8ごとに基準出力値を記憶する。
【0127】
本実施形態では、補正データを定める上で、複数の各色の最小合計値(本実施形態では基準出力値。例えば、図14では、ブラックは約130、イエローは約110、シアンは約70、マゼンタは約80である)のうち、複数(少なくとも2つ)の基準出力値(最小合計値)の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値(=参照基準値)との比率が理想比率となるように補正データは定められる。
【0128】
又、具体的に、図14では、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4つの基準出力値(全ての基準出力値)の平均値を参照基準値とした例を示している(具体的に、参照基準値は、例えば、約97〜98)。尚、4色のうち、3色について基準出力値(最小合計値)の平均を求め、平均を参照基準値と定めても良い。尚、4色のうち、特定の2色について基準出力値の平均を求め、平均を参照基準値と定めても良い。そして、参照基準値での最大合計値と最小合計値(=参照基準値)との比率が理想比率となるように補正データは定められる。
【0129】
更に、本実施形態の場合でも、濃度キャリブレーションに伴い、基準出力値が更新されたとき、補正データが更新されてもよい。具体的には、エンジン制御部20は、複数の基準出力値(最小合計値)のうち、少なくとも2つの基準出力値(最小合計値)の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように補正データを生成する。又、図14と同様に、エンジン制御部20は、複数の更新後の基準出力値(最小合計値)のうち、全ての基準出力値(最小合計値)の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように補正データを生成してもよい。
【0130】
このようにして、本実施形態では、記憶部(メモリー9)は、複数の基準出力値のうち、少なくとも2つの基準出力値の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように定められた補正データを記憶する。これにより、補正データが1つで第1駆動部7により共通の電流が各レーザー装置5に供給されても、少なくとも2色間で各画素に対する理想的な補正出力値との誤差を少なくした補正データが定められる。従って、各色のトナー像を重ね合わせても、色バランスの崩れを少なくすることができ、安価で高画質の画像形成装置(例えば、複合機100)を提供することができる。
【0131】
又、制御部(エンジン制御部20)は、基準出力値を更新したとき、各色の基準出力値のうち、少なくとも2つの基準出力値の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように補正データを生成し、記憶部(メモリー9)に生成した補正データを更新させる。これにより、各色の基準出力値の更新に伴い、各感光体ドラム22の各画素の理想的な補正出力値との誤差を減らした補正データが生成される。従って、各色の基準出力値の更新があっても、色バランスの崩れが少なく高画質が維持される画像形成装置(例えば、複合機100)を提供することができる。
【0132】
又、記憶部(メモリー9)は、全ての基準出力値の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように定められた補正データを記憶する。これにより、補正データが1つで第1駆動部7により共通の電流が各レーザー装置5に供給されても、各画素に対する理想的な補正出力値との誤差が平均的に少ない補正データが定められる。従って、各色のトナー像を重ね合わせても、色バランスの崩れを少なくすることができ、安価で高画質の画像形成装置(例えば、複合機100)を提供することができる。
【0133】
又、制御部(エンジン制御部20)は、基準出力値を更新したとき、全ての基準出力値の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように補正データを生成し、記憶部(メモリー9)に生成した補正データを更新させる。これにより、各色の基準出力値の更新に伴い、全ての色に対し、各画素に対する理想的な補正出力値との誤差が平均的に少ない補正データが生成される。従って、各色の基準出力値の更新があっても色バランスの崩れが少なく高画質が維持される画像形成装置(例えば、複合機100)を提供することができる。
【0134】
(第3の実施形態)
次に、図15に基づき、本発明の第3の実施形態を説明する。図15は、第3の実施形態における補正データを定める手法を説明するためのグラフである。
【0135】
第2の実施形態は、第1、第2の実施形態と、補正データの定め方が異なるが、その他の点は同様でよい。そこで、特に説明する場合を除き、第1の実施形態と共通する部分については援用できるので、説明、図示を省略する。
【0136】
図15では、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色について予め定められた各色の基準出力値と補正データでの最大値(感光体ドラム22端部)の合計値(最大合計値)と、各色の基準出力値と補正データでの最小値(感光体ドラム22中心)の合計値(最小合計値)の比率を最適(理想比率)とした場合の理想的な補正データを示している。図14、図15に示すように、各感光体ドラム22により、レーザービームに対して感度(光量に対して励起される度合い)が異なるので、各色について最適な補正データ(補正パターン)は異なる。そのため、メモリー9は、各色の感光体ドラム22に対応する第2駆動部8ごとに基準出力値を記憶する。
【0137】
本実施形態では、補正データを定める上で、複数の各色の最小合計値(本実施形態では基準出力値。例えば、図14では、ブラックは約130、イエローは約110、シアンは約70、マゼンタは約80である)のうち、複数(少なくとも2つ)の基準出力値(最小合計値)の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値(=参照基準値)との比率が理想比率となるように補正データは定める点は、第2の実施形態と同様である。
【0138】
そして、本実施形態では、図15に示すように、補正データは、複数の基準出力値(最小合計値)のうち、最大の基準出力値(図15の例では、ブラックの130)と最小の基準出力値(図15の例では、シアンの70)の平均値を参照基準値(図15の例では、100)とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように定めてもよい。
【0139】
上述のように、基準出力値の平均値に基づき定められた補正データは、メモリー9に記憶される。そして、第1の実施形態で図11を用いて説明したのと同様に、補正データは、各色の感光体ドラム22の走査、露光に用いられる。
【0140】
更に、本実施形態の場合でも、濃度キャリブレーションに伴い、基準出力値が更新されたとき、補正データが更新されてもよい。具体的には、エンジン制御部20は、複数の基準出力値(最小合計値)のうち、少なくとも2つの基準出力値(最小合計値)の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように補正データを生成する。又、図15と同様に、エンジン制御部20は、複数の基準出力値(最小合計値)のうち、最大の基準出力値(最小合計値)と最小の基準出力値(最小合計値)の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように補正データを生成してもよい。
【0141】
このようにして、本実施形態では、記憶部(メモリー9)は、複数の基準出力値のうち、最大の基準出力値と最小の基準出力値の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように定められた補正データを記憶する。これにより、補正データが1つで第1駆動部7により共通の電流が各レーザー装置5に供給されても、レーザー装置5の出力範囲全体から見て、各画素に対する理想的な補正出力値との誤差が平均的に少ない補正データが定められる。従って、各色のトナー像を重ね合わせても、色バランスの崩れを少なくすることができ、安価で高画質の画像形成装置(例えば、複合機100)を提供することができる。
【0142】
又、制御部(エンジン制御部20)は、基準出力値を更新したとき、各色の基準出力値のうち、最大の基準出力値と最小の基準出力値の平均値を参照基準値とし、参照基準値での最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように補正データを生成し、記憶部(メモリー9)に生成した補正データを更新させる。これにより、各色の基準出力値の更新に伴い、レーザー装置5の出力範囲全体から見て、各画素に対する理想的な補正出力値との誤差が平均的に少ない補正データが生成される。従って、各色の基準出力値の更新があっても、色バランスの崩れが少なく高画質が維持される画像形成装置(例えば、複合機100)を提供することができる。
【0143】
(第4の実施形態)
次に、図16に基づき、本発明の第4の実施形態を説明する。図16は、第4の実施形態における補正データを定める手法を説明するためのグラフである。
【0144】
第4の実施形態は、第1〜第3の実施形態と、補正データの定め方が異なるが、その他の点は同様でよい。そこで、特に説明する場合を除き、第1、第2の実施形態と共通する部分については援用できるので、説明、図示を省略する。
【0145】
図16では、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色について予め定められた各色の基準出力値と補正データでの最大値(感光体ドラム22端部)の合計値(最大合計値)と、各色の基準出力値と補正データでの最小値(感光体ドラム22中心)の合計値(最小合計値)の比率を最適(理想比率)とした場合の理想的な補正データを破線で示している。又、図16では、各色に共通の(固定の)補正データの一例を実線で示している。
【0146】
そして、本実施形態では、複数の第2駆動部8に対し第1駆動部7は1つ設けられ、第1駆動部7は、各第2駆動部8に対し、同じ量の電流(同じ補正出力値に対応した電流)を出力する。そのため、1つの固定の補正データと各色の理想的な補正データ(補正パターン)との誤差は、図16においてΔ4〜Δ7として示すように、少なからず出てしまう。尚、本実施形態でも補正データに対する参照基準値は、最大の基準出力値(最小合計値)と最小の基準出力値(最小合計値)の間に設けられる。又、参照基準値は、複数の基準出力値(最小合計値)を平均した値でもよい。
【0147】
そこで、本実施形態では、予め定められた参照基準値を補正データでの最小値と定めた補正データであって、補正データは、最大値と複数の基準出力値のうち最も大きい基準出力値を加算した最大合計値と補正データでの最小値と複数の基準出力値のうち最も大きい基準出力値を加算した最小合計値との第1比率と、補正データでの最大値と複数の基準出力値のうち最も小さい基準出力値を加算した最大合計値と補正データでの最小値と複数の基準出力値のうち最も小さい基準出力値を加算した最小合計値との第2比率との差が等しくあるいは最小化されるように補正出力値が定められる。
【0148】
図16を用いて、具体的に説明する。まず、図16に示すように、最も大きい基準出力値(最小合計値)を130と仮定し、最も小さい基準出力値(最小合計値)を70と仮定する。そして、補正データの参照基準値を100とし、理想比率を1.15と仮定する。そうすると、参照基準値と理想比率に基づく補正データと参照基準値の合計値は、115(最大合計値、感光体ドラム22端部)−100(感光体ドラム22中央)−115(最大合計値、感光体ドラム22端部)となる。又、最大合計値と最小合計値の比率は、1.15となる。
【0149】
そして、基準出力値(最小合計値)130のときに最大合計値と最小合計値の差分を15とすると、補正データの補正出力値と基準出力値の合計値は、145(最大合計値、感光体ドラム22端部)−130(感光体ドラム22中央)−145(最大合計値、感光体ドラム22端部)。従って、最大合計値と最小合計値の比率は、145/130≒1.12となり、理想比率1.15との差は、0.03である。
【0150】
一方、基準出力値(最小合計値)70のときに最大合計値と最小合計値の差分を15とすると、補正データの補正出力値と基準出力値の合計値は、85(最大合計値、感光体ドラム22端部)−70(感光体ドラム22中央)−85(最大合計値、感光体ドラム22端部)。従って、最大合計値と最小合計値の比率は、85/70≒1.21となり、理想比率1.15との差は、0.06である。そうすると、比率の差の和は、0.09である。
【0151】
このように、最大合計値と最小合計値(各基準出力値)の差分が同じでも、最大合計値と最小合計値の比率は、基準出力値(最小合計値)が大きいときと小さいときで異なる。
【0152】
そこで、本実施形態では、最大合計値と最小合計値の比率の差が少なくなるように、補正データを定める。具体的には、基準出力値が小さいときほど、最大合計値と最小合計値の比率への影響が大きくなるので、補正データでの補正出力値の最大値を小さくすることが考えられる。
【0153】
例えば、上記の例では、比率を1.13と仮定する。そうすると、参照基準値と理想比率に基づく補正データと参照基準値の合計値は、113(最大合計値、感光体ドラム22端部)−100(感光体ドラム22中央)−113(最大合計値、感光体ドラム22端部)とし、最大値と最小値の差分を13とする。そして、基準出力値130のときに最大合計値と最小合計値の差分を12とすると、補正データの補正出力値と基準出力値の合計値は、143(最大合計値、感光体ドラム22端部)−130(感光体ドラム22中央)−143(最大合計値、感光体ドラム22端部)。従って、最大合計値と最小合計値の比率は、143/130≒1.1となり、理想比率1.15との差は、約0.04である。一方、基準出力値70のときに最大合計値と最小合計値の差分を13とすると、補正データの補正出力値と基準出力値の合計値は、83(最大合計値、感光体ドラム22端部)−70(感光体ドラム22中央)−83(最大合計値、感光体ドラム22端部)。従って、最大合計値と最小合計値の比率は、83/70≒1.18となり、理想比率1.15との差は約0.03となる。そうすると、比率の差の和は、0.07である。
【0154】
このように、補正データの補正出力値のうちの最大値を調整することにより、全体として、各色の基準出力値と補正データの補正出力値における最大合計値と最小合計値の比率と、理想比率との差を全体的に減らすことができる。
【0155】
具体的には、メモリー9に補正出力値の最大値と最小値が異なる複数種の補正データを予め記憶させておく。そして、エンジン制御部20が各補正データに対し、補正データの補正出力値の最大値と複数のうち最大の基準出力値を加算した最大合計値と補正データの補正出力値の最小値と複数のうち最大の基準出力値を加算した最小合計値の比率と、補正データの補正出力値の最大値と複数のうち最小の基準出力値を加算した最大合計値と補正データの補正出力値の最小値と複数のうち最小の基準出力値を加算した最小合計値の比率とを求め、理想比率との誤差の総和が最も少なくなる補正データを選択して、使用する補正データと定めるようにしてもよい。
【0156】
更に、本実施形態の場合でも、濃度キャリブレーションに伴い、基準出力値が更新されたとき、補正データが更新されてもよい。具体的には、メモリー9に複数種の補正データを予め記憶させておく。そして、エンジン制御部20は、各補正データに対し、補正データの補正出力値の最大値と更新後の基準出力値のうち最大の基準出力値を加算した最大合計値と補正データの補正出力値の最小値と更新後の基準出力値のうち最大の基準出力値を加算した最小合計値の比率と、補正データの補正出力値の最大値と更新後の基準出力値のうち最小の基準出力値を加算した最大合計値と補正データの補正出力値の最小値と更新後の基準出力値のうち最小の基準出力値を加算した最小合計値の比率とを求め、理想比率との誤差の総和が最も少なくなる補正データを選択して、使用する補正データと定めてもよい。
【0157】
このようにして、本実施形態では、記憶部(メモリー9)は、予め定められた参照基準値を補正データでの最小値と定めた補正データであって、補正データでの最大値と複数の基準出力値のうち最も大きい基準出力値を加算した最大合計値と補正データでの最小値と複数の基準出力値のうち最も大きい基準出力値を加算した最小合計値との第1比率と、補正データでの最大値と複数の基準出力値のうち最も小さい基準出力値を加算した最大合計値と補正データでの最小値と複数の基準出力値のうち最も小さい基準出力値を加算した最小合計値との第2比率との差が等しくあるいは最小化されるように補正出力値が定められた補正データを記憶する。これにより、最も基準出力値が大きい色と最も基準出力値が小さい色の補正データ内の補正出力値の最大値と、補正データでの補正出力値の最大値との誤差を少なくした補正データを記憶して、補正データが1つで第1駆動部7により共通の電流が各レーザー装置5に供給されても、各感光体ドラム22の各画素の理想的な補正出力値との誤差を減らした補正データが定められる。
【0158】
又、制御部(エンジン制御部20)は、予め定められた参照基準値を補正データでの最小値と定めた補正データであって、各色の基準出力値を更新したとき、補正データでの最大値と更新後の複数の基準出力値のうち最も大きい基準出力値を加算した最大合計値と補正データでの最小値と更新後の複数の基準出力値のうち最も大きい基準出力値を加算した最小合計値との第1比率と、補正データでの最大値と複数の基準出力値のうち更新後の最も小さい基準出力値を加算した最大合計値と補正データでの最小値と複数の基準出力値のうち更新後の最も小さい基準出力値を加算した最小合計値との第2比率との差が等しくあるいは最小化されるように補正出力値が定められた補正データを生成し、記憶部(メモリー9)に生成した補正データを更新させる又、これにより、各色の基準出力値の更新に伴い、各感光体ドラム22の各画素の理想的な補正出力値との誤差を減らした補正データが定められる。
【0159】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明は、露光を行って画像を形成する画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0161】
100 複合機(画像形成装置) 1b 画像読取部(濃度情報入力部)
1a 操作パネル(濃度情報入力部) 20 エンジン制御部(制御部)
22 感光体ドラム 26 濃度センサー(濃度情報入力部)
44 fθレンズ(光学部) 45 ミラー(光学部)
5 レーザー装置 5Bk レーザー装置(ブラック用)
5Y レーザー装置(イエロー用) 5C レーザー装置(シアン用)
5M レーザー装置(マゼンタ用) 7 第1駆動部
8 第2駆動部 8Bk 第2駆動部(ブラック用)
8Y 第2駆動部(イエロー用) 8C 第2駆動部(シアン用)
8M 第2駆動部(マゼンタ用) 9 メモリー(記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体としての複数本の感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの走査、露光を行うためのビームを発し、前記感光体ドラムに対して個別に設けられるレーザー装置と、
前記レーザー装置が発したビームを前記感光体ドラムに到達させ、前記感光体ドラムの主走査方向に沿って走査、露光を行わせる光学部と、
前記感光体ドラムの主走査方向での位置に応じて前記感光体ドラムが受けるエネルギー差の補正のためのビームの発光レベルを示す補正出力値が定められ各前記レーザー装置に対して共通の補正データと、前記感光体ドラムに照射するビームの光量の基準となる発光レベルを定めて補正するための基準出力値を前記感光体ドラムごとに記憶する記憶部と、
前記補正データの前記補正出力値の大きさに応じて、主走査方向での位置に応じて各前記レーザー装置に供給する出力電流を変化させ、主走査方向でのビームの発光レベルを変化させる第1駆動部と、
各前記レーザー装置に対し個別に設けられ、前記基準出力値の大きさに応じて、対応する前記レーザー装置に供給する一定の大きさの電流を出力する第2駆動部と、を含み、
各前記レーザー装置は、前記第1駆動部の出力電流と前記第2駆動部の出力電流を合わせた電流の供給を受けてビームを発し、
前記記憶部は、前記レーザー装置を最大発光レベルで走査、露光させる最大レベル時の理想的な前記補正データとして予め定められた第1理想補正データの主走査方向での位置に応じた前記補正出力値の変化を示す前記第1補正パターンと、前記レーザー装置を最小発光レベルで走査、露光させる最小レベル時の理想的な前記補正データとして予め定められた第2理想補正データの主走査方向での位置に応じた前記補正出力値の変化を示す前記第2補正パターンとの範囲内で主走査方向での位置に応じた前記補正出力値が定められた前記補正データを記憶することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記補正データでの前記補正出力値の最大値と予め定められた参照基準値を加算した最大合計値と、前記補正データでの前記補正出力値の最小値と前記参照基準値を加算した最小合計値との比率が予め定められた理想比率となるように定められた前記補正データを記憶することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光体ドラムは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色分設けられ、
前記記憶部は、各色の前記感光体ドラムに対応する前記第2駆動部ごとに前記基準出力値を記憶するとともに、ブラック以外のいずれか2つの前記基準出力値の間の値を前記参照基準値としたときの前記最大合計値と前記最小合計値との比率が前記理想比率となるように定められた前記補正データを記憶することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部は、複数の前記基準出力値のうち、少なくとも2つの前記基準出力値の平均値を前記参照基準値とし、前記参照基準値での前記最大合計値と前記最小合計値との比率が前記理想比率となるように定められた前記補正データを記憶することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記憶部は、複数の前記基準出力値のうち、最大の前記基準出力値と最小の前記基準出力値の平均値を前記参照基準値とし、前記参照基準値での前記最大合計値と前記最小合計値との比率が前記理想比率となるように定められた前記補正データを記憶することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記憶部は、予め定められた参照基準値を前記補正データでの最小値と定めた補正データであって、前記補正データでの最大値と複数の前記基準出力値のうち最も大きい前記基準出力値を加算した最大合計値と前記補正データでの最小値と複数の前記基準出力値のうち最も大きい前記基準出力値を加算した最小合計値との第1比率と、前記補正データでの最大値と複数の前記基準出力値のうち最も小さい前記基準出力値を加算した最大合計値と前記補正データでの最小値と複数の前記基準出力値のうち最も小さい前記基準出力値を加算した最小合計値との第2比率との差が等しくあるいは最小化されるように補正出力値が定められた補正データを記憶することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
各前記感光体ドラム上に形成された各色の濃度測定用トナー像についての濃度を示す情報の入力を受け付ける濃度情報入力部と、
前記濃度情報入力部に入力された情報に基づき、各色のトナー像の理想的な濃度からのずれを把握し、理想的な濃度よりも濃い色については前記基準出力値を小さくするように前記記憶部の前記基準出力値を更新させ、理想的な濃度よりも薄い色については前記基準出力値を大きくするように前記記憶部の前記基準出力値を更新させる制御部と、を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
感光体ドラムは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色分設けられ、
前記制御部は、各色の基準出力値を更新したとき、ブラック以外のいずれか2つの基準出力値の間の値を参照基準値としたときの最大合計値と最小合計値との比率が理想比率となるように定められた補正データを生成し、前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記基準出力値を更新したとき、各色の前記基準出力値のうち、少なくとも2つの前記基準出力値の平均値を前記参照基準値とし、前記参照基準値での前記最大合計値と前記最小合計値との比率が前記理想比率となるように前記補正データを生成し、前記記憶部に生成した前記補正データを更新させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記基準出力値を更新したとき、各色の前記基準出力値のうち、最大の前記基準出力値と最小の前記基準出力値の平均値を前記参照基準値とし、前記参照基準値での前記最大合計値と前記最小合計値との比率が前記理想比率となるように前記補正データを生成し、前記記憶部に生成した前記補正データを更新させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、予め定められた参照基準値を前記補正データでの最小値と定めた補正データであって、各色の前記基準出力値を更新したとき、前記補正データでの最大値と更新後の複数の前記基準出力値のうち最も大きい前記基準出力値を加算した最大合計値と前記補正データでの最小値と更新後の複数の前記基準出力値のうち最も大きい前記基準出力値を加算した最小合計値との第1比率と、前記補正データでの最大値と複数の前記基準出力値のうち更新後の最も小さい前記基準出力値を加算した最大合計値と前記補正データでの最小値と複数の前記基準出力値のうち更新後の最も小さい前記基準出力値を加算した最小合計値との第2比率との差が等しくあるいは最小化されるように補正出力値が定められた前記補正データを生成し、前記記憶部に生成した前記補正データを更新させることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記補正データは、前記感光体ドラムの主走査方向の中央位置の画素から前記感光体ドラムの主走査方向における端部の画素に向かうほど、前記補正出力値が大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第1理想補正データは、前記第1理想補正データ内での前記補正出力値の最大値と最大の前記基準出力値の前記合計値と前記第1補正データ内での補正出力値の最小値と最大の前記基準出力値の前記合計値との比率が予め定められた理想的な比率となるように定められたものであり、
前記第2理想補正データは、前記第2理想補正データ内での補正出力値の最大値と最小の前記基準出力値の前記合計値と前記第2理想補正データ内での補正出力値の最小値と最小の前記基準出力値の前記合計値との比率が予め定められた理想的な比率となるように定められたものであることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−11746(P2013−11746A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144584(P2011−144584)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】