説明

画像形成装置

【課題】余分な電力の消費や生産性の低下を防ぐことのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】電源オン時又は待機電源モード解除時、昇降部によるシート積載板の上昇によりシートがピックアップローラ105によるシートの給送が可能な位置に達したことを検知する紙面検知センサ503がシートを検出していない場合には初期動作を行い、紙面検知センサ503がシートを検出している場合には初期動作の一部又は全部を省略するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に画像形成装置本体を消費電力の少ない待機状態とする待機電源モードを有すると共に、シートの給送を開始する際には所定の初期動作を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真技術を応用した複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、画像形成部に設けられた感光体ドラム等の像担持体上にトナー像を形成し、このトナー像をシートに転写した後、定着手段によってシートに定着させるようにしている。このような画像形成装置には、シートを給送ローラにより送り出すシート給送装置が設けられている。
【0003】
ところで、従来のシート給送装置としては、シートの給送を開始する前に、所定の初期動作として、例えばシート束に空気を吹き付けてシートを捌くようにしたものがある。そして、このようにシートを給送する前、空気によりシートを捌く捌き動作は、シートの補充、除去又は入れ替えが行われた際にも行われる。なお、このようにシートが補充された場合等により補助的に行われる捌き動作を、以下、補助捌き動作という。
【0004】
ここで、補助捌き動作の際に吹き付ける空気の量は、シートが新しく補充されたものである場合、シートの除去により下層にあったシートが上層に位置するようになった場合等、密着した状態となっているシートを捌くことができる量が必要である。しかし、上層に位置するようになったシートが、過去のシート給送動作時に既に送風を受けている場合は、吹き付ける空気の量が少なくとも十分に補助捌きが可能である。
【0005】
また、従来の画像形成装置においては、例えばシートが新しく補充されると、所定の初期動作として、最初にシートを給送する際、給送されたシートの厚さや表面性等のシート種別情報を検知し、検知結果に基づき画像形成条件を制御するものがある。このような画像形成装置の場合、最初のシートの給送開始から、このシートに対する画像形成完了までの初期出力時間は、シート種別検知のための時間分長くなってしまう。
【0006】
しかし、シートが変更されていない場合は、このような検知動作を省略することによって初期出力時間を低減させることができる。そこで、従来はシートが交換された可能性がある場合は検知動作を行うが、シートが交換されていないと判断した場合は検知動作を行わないようにすることで、不要な初期動作を省くようにしている。そして、このようなシートが交換されたかの判断を、画像形成装置本体の電源のオン、センサによるカセット脱着の検知、シートの有無の検知等に基づいて行うものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−321215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来の画像形成装置において、待機中の消費電力を低減するための待機電源モードを有したものがある。そして、このような画像形成装置の場合、電源がオフとなったり、待機電源モードによる待機電源状態であるスリープ状態になったりしてセンサに電力が供給されない場合がある。
【0009】
この場合、センサによるカセット脱着等の検知が行われないため、シートの交換の有無を判断することができないことから、この後、電源オンあるいはスリープ復帰がなされた時には、各種検知機構の状態にかかわらず全てシートが交換されたと判断している。しかし、この場合、シートが交換されていなくてもシートが交換されたものとして初期動作が行われるようになるため、余分な電力が消費されたり、初期出力時間が長くなって生産性が低下したりする。
【0010】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、余分な電力の消費や生産性の低下を防ぐことのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、装置本体を消費電力の少ない待機状態とする待機電源モードを有し、電源がオン又は前記待機電源モードが解除されてシートの給送を開始する際、所定の初期動作を行う画像形成装置において、前記装置本体に設けられ、シートを積載するシート積載部材を昇降自在に設けたシート収納部と、シートを給送するシート給送部と、シートを給送する際、シートが前記シート給送部による給送が可能な位置となるまで前記シート積載部材を上昇させる昇降部と、前記シート積載部材の上昇によりシートが前記シート給送部によるシートの給送が可能な位置に達したことを検知するシート検知部と、電源オン時又は前記待機電源モードの解除時、前記シート検知部がシートを検出していない場合には、シートの給送を開始する際、前記初期動作を行い、前記シート検知部がシートを検出している場合には、シートの給送を開始する際、前記初期動作の一部又は全部を省略するよう制御する制御部と、を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電源オン時又は待機電源モード解除時、シート検知部がシートを検出していない場合には初期動作を行い、シートを検出している場合には初期動作の一部又は全部を省略することにより、余分な電力の消費や生産性の低下を防ぐことができる
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図。
【図2】上記画像形成装置に設けられたシート給送装置の構成を説明する図。
【図3】(a)は上記画像形成装置の給紙カセットを装着した時の状態を示す図、(b)は給紙カセットを抜き出した時の状態を示す図。
【図4】(a)は上記シート給送装置の給紙カセットを抜き出した時の状態を示す図、(b)は給紙カセットを装着した時の状態を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置に設けられたシート給送装置の構成を説明する図。
【図6】(a)は上記画像形成装置の扉部材を閉じた時の状態を示す図、(b)は扉部材を開いた時の状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳しく説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。図1において、10は画像形成装置、11は画像形成装置本体(以下、装置本体という)である。この装置本体11には画像形成部2、シートを収納するシート収納部である給紙カセット101に収納されたシートを給送するシート給送装置1等が設けられている。また、装置本体11の上部には画像読取部3が設けられている。
【0015】
ここで、画像読取部3は、原稿台ガラス303と、原稿台ガラス303に対して不図示のヒンジを中心に開閉可能に支持され、原稿台ガラス303上に原稿をセットする場合に開閉される自動原稿給送部(以下、ADFという)302を備えている。また、画像読取部3は、原稿の画像面を照射する光源、光電変換素子(固体撮像素子)であるCCD305等を有し、原稿を走査するキャリッジ304を有するスキャナ部301を備えている。
【0016】
また、画像形成部2には、不図示のモータにより回転する感光体ドラム203、不図示の帯電器、現像器、クリーナ等を備えたプロセスカートリッジ202、感光体ドラム203を露光するレーザスキャナ204等が設けられている。なお、本実施の形態の画像形成装置10は、装置本体11を消費電力の少ない待機状態とする待機電源モードであるスリープモードを有している。また、画像形成部2の画像形成動作、シート給送装置1のシート給送動作及び後述するシートの給送を開始する際の所定の初期動作制御を行う制御部150を備えている。
【0017】
次に、このような構成の画像形成装置10の画像形成動作について説明する。まず、不図示の原稿が、画像面が下方を向くようにして原稿台ガラス303に積載され、その上からADF302により原稿が原稿台ガラス303に押え付けられると、キャリッジ304が原稿を照らしながら移動し、原稿の画像面を走査する。そして、この原稿走査光がCCD305に結像されて原稿画像が読み取られる。
【0018】
なお、ADF302の原稿積載トレイ306に積載した原稿の画像を読み取る場合は、原稿積載トレイ上の原稿を原稿給送ローラ307によって1枚ずつ分離給送し、スキャナ部内で停止しているキャリッジ304の原稿読取位置308を通過させる。そして、この通過の際にキャリッジ304は搬送中の原稿画像を読み取る。
【0019】
この後、読取られた原稿画像は不図示の画像処理部に入力され、画像処理部において種々の画像処理が施された後、レーザスキャナ204に画像情報信号として出力される。そして、レーザスキャナ204は、この画像情報信号を光信号に変調し、この変調した光信号を感光体ドラム上に照射する。なお、このとき感光体ドラム203は、予め帯電器により所定の極性・電位に一様に帯電されており、光信号が照射されることによって静電潜像が形成される。そして、このようにして感光体ドラム203上に形成された静電潜像を現像器によって現像することにより、感光体ドラム203上にトナー像が形成される。
【0020】
一方、このような画像形成動作に並行して所定の制御タイミングで、シート給送装置1からシートSが1枚分離されて送り出される。送り出されたシートSは、この後、シートパス201を経て感光体ドラム203と転写ローラ203aとにより形成される転写部に搬送される。そして、転写部を通過する際に、感光体ドラム203上に形成されたトナー画像がシートに転写される。
【0021】
次に、トナー画像が転写されたシートは、定着器205へ搬送され、定着器205を通過する際、熱及び圧力が印加されることによりトナー画像の定着が行われる。トナー画像定着されたシートは、搬送路切替部材206によって、フェイスアップ搬送路207と、シートの上下を反転するスイッチバック搬送路208のいずれかに送られる。スイッチバック搬送路208に送られたシートは、スイッチバック搬送ローラ209によってシートの後端が反転切替部材210を抜けるまで搬送される。
【0022】
この後、シートはスイッチバック搬送ローラ209の反転により、これまでの後端側を先端側として上下反転した状態で搬送される。このとき反転切替部材210が切り替わることによって、反転されたシートはフェイスダウン搬送路211に送られる。なお、フェイスアップ搬送路207とフェイスダウン搬送路211は、排出ローラ212の手前で合流している。これにより、フェイスアップ搬送路207に案内されたシートと、スイッチバック搬送路208からフェイスダウン搬送路211に案内されたシートは、どちらも排出ローラ212によって排紙積載部4上に排出、積載される。
【0023】
次に、図2を用いてシート給送装置1を説明する。シート給送装置1は、装置本体11に着脱自在に設けられた給紙カセット101に積載されたシート束109の最上位シートを給送するシート給送部であるピックアップローラ105を備えている。また、ピックアップローラ105から給送されたシートを分離給送するための分離部を構成するフィードローラ106a及びリタードローラ106bを備えている。
【0024】
また、装置本体11にはピックアップローラ105のシートの給送性能向上及びフィードローラ106a、リタードローラ106bによる分離給送の性能向上(重送防止)のため、予めシート同士を捌く手段として、不図示のファンが設けられている。なお、図2において、107は送風口、108は不図示のファンと送風口107との間の送風経路の一部を形成するノズルであり、ファンを駆動して送風を開始すると、空気はノズル108を通過した後、送風口107からシート束109に吹き付けられる。ここで、送風口107は、シート束109が、後述するシートの給送が可能な位置まで上昇した際、シート束109の上部部分のシートに対して空気の吹き付けが可能な位置に設けられている。これにより、送風口107から空気が吹き付けられると、シート束の上部部分のシートが浮き上がって捌かれる。
【0025】
また、装置本体11(シート給送装置1)に対して着脱自在に装着される給紙カセット101の内部には、図1に示すように、シートが積載可能なシート積載部材であるシート積載板102が不図示の昇降部により上下方向に昇降自在に設けられている。また、シート束109の側面に当接してシート給送方向と直交する幅方向の位置を規制するサイド規制板103と、シート束109のシート給送方向上流側の位置を規制する後端規制板104とが設けられている。
【0026】
なお、図2において、501はシート束109の最上位シート109aの紙面位置を検知するための紙面検知機構であり、この紙面検知機構501は紙面検知フラグ502と紙面検知センサ503とを備えている。そして、図3の(a)に示すように給紙カセット101が装置本体11に装着されると、制御部150は、昇降部を駆動する。これにより、シート積載板102が、図4の(a)に示す位置から上昇し、これに伴いシート束109の最上位シート109aが紙面検知フラグ502を押し上げ、紙面検知センサ503をオンする。そして、このように紙面検知センサ503がオンすると、制御部150は、最上位シート109aがピックアップローラ105によるシートの給送が可能な所定位置まで上昇したことを検知する。なお、このように紙面検知機構501が紙面を検知すると、制御部150は昇降部を停止させてシート積載板102の上昇を停止させ、シート束109の最上位シート109aの上面を所定位置に保持する。これにより、シートの給送が可能な状態になる。
【0027】
また、図3の(b)ように給紙カセット101を装置本体11から引き出すと、シート積載板102は図4の(b)に示す位置から図4の(a)に示す位置に、自重及びシートの荷重により下降する。そして、このようにシート積載板102が下降すると、シート束109も下降し、これに伴い紙面検知フラグ502が下方回動し、紙面検知センサ503がオフとなる。
【0028】
なお、本実施の形態においては、既述したように分離給送の性能向上(重送防止)のため、予めファンからの空気を、ノズル108を通過させた後、送風口107から、所定位置まで上昇した状態のシート束109に対して吹き出すようにしている。
【0029】
ところで、シート束109に対してシート束補充等があった場合は、送風口107からの送風を受けていないシートがシート束109の上部部分に存在するようになる。このため、シート束補充等が行われた後、シートの給送を開始する前に、通常のシート給送動作を行う際の送風時間で空気を吹き付けるようにする。一方、それまでに送風を受けて一度捌かれたシートは、時間を経た後であっても少ない送風時間で捌くことが可能である。
【0030】
したがって、シート束補充等が行われた後、最初のシートの給送を開始する前の送風時間は、通常のシート給送動作を行う際の第1送風時間T1とすれば良い。また、シート束補充等が行われていない場合の送風時間は、第1送風時間T1より短い第2送風時間T2とすれば良い。なお、この短縮される第2送風時間T2はゼロでも良い。
【0031】
そこで、本実施の形態において、制御部150は、シート束補充等が行われたかを判断し、送風時間をシート束補充等が行われたと判断した場合には第1送風時間T1とし、シート束補充等が行われていない場合には第2送風時間T2とするようにしている。そして、制御部150は、このようなシート束補充等が行われたかの判断を、例えば装置本体11の電源がオンされた時又は装置本体11がスリープ状態から復帰した時の紙面検知センサ503の信号により行うようにしている。
【0032】
具体的には、制御部150は、装置本体11の電源がオンされた時等にシート積載板102の上昇により上昇したシートがシートの給送が可能な位置に達したことを検知するシート検知部である紙面検知センサ503を確認する。そして、紙面検知センサ503がオン、すなわち最上位シートが所定位置まで上昇していることを検知している場合は、シート積載板102が下降していないことがわかる。この結果、電源がオフ又は装置本体11がスリープ状態となった期間中、給紙カセット101が引き抜かれていないことがわかり、シートの交換がなされていないと判断できる。
【0033】
一方、紙面検知センサ503がオフ、すなわち最上位シートが下降している場合は、電源オフあるいはスリープ状態となった期間中に給紙カセット101が引き抜かれたことがわかる。これにより、シート束の交換がなされた可能性があるものと判断できる。そして、このような紙面検知機構501(紙面検知センサ503)の検知結果により、シート束の交換がなされていないと判断された場合は送風時間を第2送風時間T2とし、シート束の交換がなされた可能性がある場合は第1送風時間T1とする。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態において、紙面検知機構501(紙面検知センサ503)の検知結果に基づいてシートの交換の有無を判断し、判断結果に基づき、送風時間を第1又は第2送風時間とするようにしている。つまり、電源オン時又は待機電源モード解除時、紙面検知機構501がシートを検出していない場合には通常の時間の初期動作を行い、シートを検出している場合には初期動作の一部又は全部を省略するようにしている。
【0035】
これにより、シート束補充等が行われていないにもかかわらず、不必要に長い時間送風を行ってしまうことを防ぐことができ、シートの初期出力時間を短縮することが可能になる。この結果、余分な電力の消費や生産性の低下を防ぐことができる。また、簡易なシーケンスを適用することも可能となる。
【0036】
なお、これまでの説明においては、紙面検知機構501の検知結果により初期送風の時間を変化させる例を述べたが、送風の風量、風速や送風気体温度など、他の送風パラメータを変化させるものであっても良い。あるいは送風口107の開口量や開口位置などが可変制御可能である場合は、それらを変化させるようにしても良い。
【0037】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図5は、本実施の形態に係る画像形成装置に設けられたシート給送装置の構成を説明する図である。なお、図5において、既述した図2と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0038】
図5において、601はフィードローラ106a及びリタードローラ106bの下流側に設けられ、フィードローラ106a及びリタードローラ106bにより分離給送されたシートの厚さや表面性など種々のシート種別情報を取得する紙種検知部である。ここで、紙種検知部601による情報取得動作である紙種検知は、最初にシートを給送する際に行われるが、このような紙種検知を行う場合には、シートの搬送を停止する必要がある。このため、紙種検知を行うシートの給送開始から画像形成完了までの出力時間は、紙種検知を行わないシートの場合に比べて長くなってしまう。
【0039】
なお、従来は電源のオフやスリープ状態といった、センサに電力を供給せず、センサ状態を把握できないモードに画像形成装置が移行した場合は、電源オンやスリープからの復帰後にはシートが交換された可能性があるとして、このような紙種検知を行っていた。
【0040】
しかし、電源のオフやスリープ状態に画像形成装置が移行しても、シートが交換されていない場合は、本来紙種検知を行う必要がない。そこで、本実施の形態においては、既述した第1の実施の形態と同様、紙面検知機構501の検知結果に基づいてシートの交換の有無を判断し、シートが交換されていない場合は紙種検知を省略するようにしている。これにより、不必要に出力時間を長くしてしまうことが無く、ユーザのストレスを低減することが可能になる。また省電力や、紙種検知部のセンサ消耗の低減が可能になる。
【0041】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6は、本実施の形態に係る画像形成装置の構成を説明する図である。なお、図6において、既述した図3と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0042】
図6において、301は装置本体11の下部に形成され、給紙カセット101を着脱自在に収納する収容部であり、302は収容部301を外部から遮蔽する開閉自在な扉部材である。そして、ユーザがシートを交換する場合は扉部材302を開き、収容部301に収容された給紙カセット101のシートを交換する。ここで、本実施の形態において、制御部150は、扉部材302が解放されたことを不図示のセンサにより検知すると、昇降部を制御してシート積載板102をその自重により下降させるようにしている。
【0043】
これにより、図6の(b)に示すように扉部材302が開放された時は、図4の(a)に示すようにシート積載板102はその自重により下降し、これに伴いシート束109も下降する。ここで、このようにシート束109が下降すると、紙面検知センサ503もオフとなる。そして、このようにシート積載板102を下降させることにより、給紙カセット101を引き出すことなく、シートを交換することができる。
【0044】
したがって、画像形成装置10の電源をオンした時又はスリープ状態から復帰した時に、紙面検知センサ503がオンとなっている場合は、扉部材302が開放されていないことがわかり、これによりシートの交換がなされていないと判断できる。また、紙面検知センサ503がオフとなっている場合は、電源オフあるいはスリープ中に扉部材302の開閉がなされ、シートの交換がなされた可能性があることがわかる。
【0045】
このように、本実施の形態においては、紙面検知機構501の検知結果に基づいて扉部材302の開閉を判断し、この判断に基づいてシートの交換の有無を判断するようにしている。これにより、シート束補充等が行われていないにもかかわらず、不必要な既述した空気の吹き付けや紙種検知等の初期動作の一部又は全部を省略することができ、省電力や初期出力時間を短縮することが可能になる。
【符号の説明】
【0046】
1…シート給送装置、2…画像形成部、10…画像形成装置、11…画像形成装置本体、101…給紙カセット、102…シート積載板、105…ピックアップローラ、107…送風口、108…ノズル、109…シート束、109a…最上位シート、150…制御部、301…収容部、302…扉部材、501…紙面検知機構、503…紙面検知センサ、601…紙種検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体を消費電力の少ない待機状態とする待機電源モードを有し、電源がオン又は前記待機電源モードが解除されてシートの給送を開始する際、所定の初期動作を行う画像形成装置において、
前記装置本体に設けられ、シートを積載するシート積載部材を昇降自在に設けたシート収納部と、
シートを給送するシート給送部と、
シートを給送する際、シートが前記シート給送部による給送が可能な位置となるまで前記シート積載部材を上昇させる昇降部と、
前記シート積載部材の上昇によりシートが前記シート給送部によるシートの給送が可能な位置に達したことを検知するシート検知部と、
電源オン時又は前記待機電源モードの解除時、前記シート検知部がシートを検出していない場合には、シートの給送を開始する際、前記初期動作を行い、前記シート検知部がシートを検出している場合には、シートの給送を開始する際、前記初期動作の一部又は全部を省略するよう制御する制御部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記所定の初期動作はシート積載部材に積載されたシートに空気を吹き付ける動作であり、
前記制御部は前記シート検知部がシートを検出している場合には、シートの給送を開始する際、シートに空気を吹き付ける時間を短縮、又はゼロとすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記所定の初期動作は前記シート積載部材に積載されたシートの情報を取得する動作であり、
前記制御部は前記シート検知部がシートを検出している場合には、シートの給送を開始する際、情報取得動作を行わないことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記昇降部は、前記シート収納部が前記装置本体から外されると、前記シート積載部材を下降させるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置本体に設けられ、前記シート収納部を収容する収容部と、
前記収容部を開閉する扉部材を備え、
前記制御部は、前記扉部材が開かれると、前記シート積載部材を下降させるよう前記昇降部を制御することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−28411(P2013−28411A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163915(P2011−163915)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】