説明

画像形成装置

【課題】ユーザが望む透明トナーの効果を有する画像を速やかに得られる構造を実現する。
【解決手段】複数のサンプル画像を形成するテストモードを実行する。テストモードでは、透明画像の効果を得たい有色画像のデータを有色データ取得部152により取得する。また、トナー載り量などが異なる複数の透明画像データを透明データ取得部153により取得する。そして、例えば、1枚の記録材に複数の有色画像を形成し、その上に複数の透明画像データに基づく透明画像をそれぞれ形成し、サンプル画像として出力する。ユーザはサンプル画像を見て希望の画像を選択し、実際に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有色トナーと透明トナーを用いて画像形成を行う、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無色透明である透明トナーを用いた電子写真方式の画像形成装置が提案されている(特許文献1、2参照)。透明トナーを用いることで、様々な表現ができるようになり、出力物の付加価値が向上する。例えば、特許文献2に記載の画像形成装置においては、透明トナーを指定された領域に選択的に形成することで印刷物の光沢を選択的に高くしている。このように画像上の光沢を調整することによって、従来のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の有色トナー(以下、カラートナーという)のみでは得ることのできなかった付加価値を提供することが可能となった。
【0003】
例えば、写真やイラストなどの階調画像の中でも部分的に光沢が高い部分を形成して、強調した表現にすることができる。また、出力物の用途によって全体が低光沢で落ち着きのある表現としたり、全体が高光沢で写真調の表現としたりする用途が考えられる。
【0004】
また、一旦画像形成、定着された記録材に別の画像を形成、定着する技術が開示されている(特許文献3参照)。これによると、先に形成された画像が2回定着器を通るために光沢度が上がり、後から形成した画像の光沢度が相対的に低く見える。このため、先に形成された画像と後に形成された画像とで、光沢差のある出力物になる。また、透明トナーを備える画像形成装置でカラーの画像形成を行った記録材だけでなく、透明トナーを持たない有色画像形成装置によって画像形成を行った記録材に対して、透明トナーのみで画像形成するといった使い方も望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−220821号公報
【特許文献2】特開平4−338984号公報
【特許文献3】特開平7−129039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、透明トナーを用いて画像を形成する場合、メディア(記録材)の種類や透明トナー量および下地となるカラートナー量によって光沢が変わり、ユーザが期待する透明トナーの効果を必ずしも得られない。
【0007】
例えば、特許文献1に記載の技術では、形成された透明画像の光沢度にも因るが、高光沢紙など記録材の種類(光沢度)によっては画像パターンに応じて形成した透明トナー形成部の方が相対的に低光沢に見える場合がある。或いは、透明トナー形成部が高光沢に見えたとしても、透明画像パターンによっては期待した透明トナーの効果が得られない場合がある。この場合、透明トナー量を増やしたり、透明画像パターンを変えたりして出力するという作業を繰り返さなければならない。
【0008】
また、特許文献3のように記録材がトナー像記録済みである場合には、透明トナーを形成したい元原稿を、上記作業を行った分だけ消費してしまうといったデメリットがある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、ユーザが望む透明トナーの効果を有する画像を速やかに得られる構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、有色トナーにより記録材に有色画像を形成する有色画像形成手段と、透明トナーにより記録材に透明画像を形成する透明画像形成手段と、を備え、前記有色画像形成手段により記録材に形成された有色画像、或いは、予め記録材に形成された有色画像の上に、前記透明画像形成手段により透明画像を重ねて形成する画像形成装置において、有色画像データを取得する有色データ取得部と、複数種類の透明画像データを取得する透明データ取得部と、前記透明データ取得部により取得した複数種類の透明画像データから何れかの透明画像データを選択する透明画像選択部と、前記有色画像形成手段及び前記透明画像形成手段を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記有色画像形成手段により、前記有色データ取得部で取得した有色画像データに基づいて、前記透明データ取得部で取得した前記複数種類の透明画像データと同数の有色画像を縮小して、これら複数の有色画像よりも少ない数の記録材に形成し、前記透明画像形成手段により、前記複数種類の透明画像データに基づく透明画像を縮小して、前記複数の有色画像の上にそれぞれ重ねて形成した、複数の合成画像を出力するテストモードを有し、前記透明画像選択部は、前記テストモードで出力した複数の合成画像から選択した合成画像に対応した透明画像データを選択可能である、ことを特徴とする画像形成装置にある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、テストモードで複数の透明画像データに基づく複数の合成画像を記録材に形成して出力するため、ユーザは実際に出力される合成画像を確認できる。そして、透明画像選択部で、出力された複数の合成画像からユーザが望む合成画像に対応する透明画像データを選択することにより、ユーザが望む透明トナーの効果を有する画像を速やかに得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の対象となる画像形成装置の3例を示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成断面図。
【図3】(a)は第1の実施形態に係る画像形成装置を構成するMFPのブロック図で、(b)はテストモード及びテストモードで選択した画像を出力する制御を説明するためのブロック図。
【図4】第1の実施形態でテストモード及びテストモードで選択した画像を出力する制御のフローチャート。
【図5】第1の実施形態の画像形成装置の第1の設定画面を示す図。
【図6】同じく第2の設定画面を示す図。
【図7】同じく第3の設定画面を示す図。
【図8】同じく第4の設定画面を示す図。
【図9】同じく第5の設定画面を示す図。
【図10】同じく第6の設定画面を示す図。
【図11】同じく第7の設定画面を示す図。
【図12】第1の実施形態でテストモード及びテストモードで選択した画像を出力する制御を説明するための概念図。
【図13】本発明の第2の実施形態の画像形成装置を構成するMFPコントローラのブロック図。
【図14】第2の実施形態の画像形成装置を構成するPCのブロック図。
【図15】第2の実施形態でテストモード及びテストモードで選択した画像を出力する制御のフローチャート。
【図16】第2の実施形態の画像形成装置の第1の設定画面を示す図。
【図17】同じく第2の設定画面を示す図。
【図18】第2の実施形態でテストモード及びテストモードで選択した画像を出力する制御を説明するための概念図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0014】
最初に画像形成装置のシステム構成について説明する。次にシステムを構成する各要素について説明する。その後にフローチャ−トに従いシステムの動作について説明する。以下、画像処理システムとは、画像形成部としてのプリンタ部(図3(a)の115)で印刷に用いる画像データを生成する情報処理システムを指す。また、画像形成システムとは、プリンタ部115を有する画像処理システムのことを指す。また、情報処理回路としてのCPU(Central Prosessing Unit)を有し、プログラムに応じて動作する装置を情報処理装置と呼ぶ。また、情報処理装置がプログラムに応じて画像を処理した場合、その情報処理装置を画像処理装置と呼ぶ。
【0015】
[画像形成装置のシステム構成について]
まず、本発明の対象となる画像形成装置のシステム構成の3例について図1を用いて説明する。画像形成装置のシステムは、以下の3つの装置のうち、少なくともMFP100を含む何れかにより構成される。まず、一つ目は画像形成装置本体としてのMFP(Multi Function Peripheral)100である。二つ目は外部コントローラとしてのMFP Controller200である。三つ目は情報処理装置としてのPC(Personal Computer)300である。画像形成システムを構成するPC、MFP、MFP Controllerは、それぞれ直接またはネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0016】
まず、図1(a)で示す構成においては、MFP100単体で画像処理および画像形成を行う。このような構成において、ユーザはMFP100本体の操作パネル(図2の112)を操作しMFP100に対して印刷命令を伝えることができる。このような構成において、画像処理はMFP100本体内部のCPU(図3の101)及び画像処理専用回路(図3の106)において実行される。
【0017】
次に、図1(b)で示す構成においては、PC300はMFP100とMFP Controller200を介して通信可能に接続されている。このような構成において、ユーザはPC300を操作することによって、MFP Controller200に対して印刷命令を送信することができる。このような構成において、画像処理はMFP Controller200内部のCPU(図13の201)及び画像処理専用回路(図13の206)において実行される。
【0018】
最後に、図1の(c)で示す構成においては、PC300はMFP100と通信可能に接続されている。このような構成において、ユーザはPC300を操作することによって、MFP100に対して印刷命令を送信することができる。このような構成において、画像処理はPC300内部のCPU(図14の301)において実行される。
【0019】
上述の画像形成システムを構成する各装置はお互いIEEE803.2で標準化されているEthernet(登録商標)規格に準拠した通信を行う。無論、上述の画像形成システムは接続関係を示す一例に過ぎず、画像形成システムをこの接続関係及び接続方式に限定するものではない。
【0020】
<第1の実施形態>
次に、本発明の第1の実施形態について、図2ないし図12を用いて説明する。本実施形態は、上述の図1(a)の構成に本発明を適用したものである。即ち、MFP100単体で本発明の画像形成装置を構成している。まず、このMFP100について、図2を用いて説明する。
【0021】
[MFP]
MFP100は、プリンタ部115、スキャナ部116、ディスプレイ111、操作パネル112などを備える。プリンタ部115は、中間転写体を用いた複写機能とプリンタ機能を備えたカラー複合機とされている。プリンタ部115の上面には、スキャナ部116とディスプレイ111が配設されている。スキャナ部116は、原稿台ガラスに載置された原稿を光学的に走査して原稿画像を色分解光電によって読み取る。スキャナ部116によって読み取られた原稿の画像情報は画像処理され、画像処理されたデータに応じて各色の露光ユニットが制御される。ディスプレイ111にはMFP100で用いる記録材の光沢に関する情報を入力する画面、透明トナーを用いて部分的に且つ相対的に光沢を高くしたい領域を入力する画面等が表示される。操作パネル112は、ユーザからの画像形成モード設定及び指示の入力や、ユーザへの装置の状態報知等を行う。
【0022】
[スキャナ部]
また、画像読取部であるスキャナ部116は、原稿画像(記録材に形成された画像)を読み取るための光電変換素子としてイメージセンサと原稿台およびADF(Auto Document Feeder)から構成される。そして、イメージセンサを用いて原稿台もしくはADFにセットされた原稿の画像データを取得する。スキャナ部116で取得された画像データは、図3に示すように、スキャナコントローラ109に送信される。スキャナコントローラ109はバス105を介して接続された各部へスキャナ部116で取得された画像データを送信することができる。
【0023】
[プリンタ部]
また、プリンタ部115内には、5つの画像形成部Pa,Pb,Pc,Pd,Peがほぼ水平方向に併設されており、その上側に複数の光走査手段を有するレーザ走査機構(露光装置)11a、11b、11c、11d、11eが配設されている。また、画像形成部Pa,Pb,Pc,Pd,Peの下側には、中間転写ベルト機構が配設されている。中間転写ベルト機構よりも下側には、給紙カセット80が配設されている。また、プリンタ部115の側面には、手差し給送トレイ2及びデッキ60が設けられている。更に、中間転写ベルト機構よりも記録材搬送方向下流側には、記録材に形成されたトナー像を加熱して定着する定着装置50が配設されている。
【0024】
[画像形成部の構成]
上述のように、プリンタ部115内には、5つの画像形成部Pa,Pb,Pc,Pd,Peが並設されている。ここでは、有色(カラー)トナーであるイエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックBkのトナーを用いる4つの画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdと、クリア(透明)Tのトナーを用いる1つの画像形成部Peが並設された構成を例示している。
【0025】
第1から第5の画像形成部Pa,Pb,Pc,Pd,Peは、互いに同様の電子写真プロセス構成である。このため、以下の説明では、各色の画像形成部の構成部材であることを示す添え字を省略して説明する。画像形成部は、像担持体としての電子写真感光体である感光ドラム1を有する。そして、この感光ドラム1に作用するプロセス手段である、全面露光ランプ(除電ランプ)、一次帯電器22、レーザ走査機構(露光装置)11、現像器23、ドラムクリーナ12等を有する。各画像形成部の現像器には、それぞれ供給装置によりイエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックBkのカラートナー、クリアTの透明トナーが充填されている。
【0026】
また、感光ドラム1と接するように中間転写体としての中間転写ベルト30が回転可能に設置されている。この中間転写ベルト30は、従動ローラ25、二次転写対向ローラ29、駆動モータによって駆動される駆動ローラ26に掛け渡されている。そして、この中間転写ベルト30を挟んで感光ドラム1の対向位置に一次転写ローラ24が設けられている。従動ローラ25はテンションローラを兼ねており中間転写ベルト30に所定の張力を与える機能を担っている。二次転写対向ローラ29は中間転写ベルト30を挟んで後述の二次転写ローラ40に対向配置されている。また、二次転写対向ローラ29には、二次転写時に高圧電源から二次転写バイアスが印加される構成とされている。
【0027】
さらに、中間転写ベルト30の下方には、記録材を積載して収容する給紙カセット80が設置されており、図示しないピックアップローラによって繰り出された記録材は複数の搬送ローラ対7を経てレジストローラ3に向けて搬送される。
【0028】
[定着装置]
ここで、プリンタ部115に設けられた定着装置50について詳しく説明する。定着装置50において、定着ローラ51と加圧ローラ52はそれぞれ回転自在に軸受支持されている。定着ローラ51は、同心円状に3層構造を採用しており、コア部分、弾性層、離型層を有する。コア部分51aは、例えば直径44mm、厚さ5mmのアルミニウム製中空パイプにより構成される。弾性層は、例えばJIS−A硬度50度、厚さ2.5mmのシリコンゴムにより構成される。離型層は、例えば厚さ50μmのPFAにより構成される。コア部分の中空パイプ内部には、熱源(ローラ加熱ヒータ)としてのハロゲンランプが配設されている。
【0029】
加圧ローラ52も、定着ローラ51と同様に、コア部分、弾性層、離型層の3層構造である。ただし、弾性層は、例えば厚さ3mmのシリコンゴムにするなどして厚さを大きくすることが好ましい。これは弾性層により定着ニップ部の幅を稼ぐためである。加圧ローラ52のコア部分の中空パイプ内部には、熱源(ローラ加熱ヒータ)としてのハロゲンランプが配設されている。
【0030】
定着ローラ51と加圧ローラ52は所定の押圧力で圧接させて記録材搬送方向において所定幅の加熱及び加圧部としての定着ニップ部を形成させている。加圧ローラ52の加圧力は、例えば総圧で588N(60kgf)とする。このときの定着ニップ部の幅は7mmとなる。
【0031】
定着ローラ51と加圧ローラ52は駆動モータ(不図示)により矢印の方向に互いに圧接しながら回転駆動される。ヒータはそれぞれ電源回路(不図示)から電力が供給されて発熱する。定着ローラ51と加圧ローラ52はこのヒータの発熱によりそれぞれ内側から加熱される。定着ローラ51に対しては800W、加圧ローラ52に対しては500Wのヒータを用いた。そして、定着ローラ51と加圧ローラ52の表面温度がそれぞれに接触させたサーミスタ等の温度センサによりモニタされ、その検知温度に関する電気的情報が定着制御部(不図示)に入力される。
【0032】
定着制御部は、その入力情報に基づいて、定着ローラ51と加圧ローラ52のそれぞれの表面温度(定着温度)が所定の制御温度に維持されるように、電源回路からヒータへの供給電力を制御する。即ち、定着ローラ51と加圧ローラ52を所定の温度に温調管理して定着ニップ部の温度を所定の定着温度に温度管理する。本実施形態では、定着ローラ51の定着温度は180℃に設定され、加圧ローラ52の定着温度は150℃に設定され、これを維持するように制御装置により温調される。
【0033】
ウェブ方式の定着ローラクリーナ53は、定着ローラ51の表面を拭掃して清掃する。ウェブ方式の加圧ローラクリーナ54は、加圧ローラ52の表面を拭掃して清掃する。各クリーナ53,54のウェブは耐熱性クリーニング部材である。
【0034】
定着ローラ51と加圧ローラ52とが回転駆動され、また、それらのローラ51,52がそれぞれヒータにより内部加熱されて表面温度がそれぞれの所定の制御温度に立ち上げられて温調される。この状態において、中間転写ベルト機構側から搬送ベルトにより未定着トナー画像が形成された記録材Pが定着装置内に導入される。そして、定着ニップ部に進入して挟持搬送されていく過程において、定着ローラ51と加圧ローラ52により加熱され、またニップ圧により加圧される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色或いは透明を加えた5色の多重トナー像が溶融混色して有色(カラー)画像として記録材Pの表面に定着される。
【0035】
定着ニップ部Nから出た記録材Pは分離爪(不図示)によって定着ローラ51または加圧ローラ52から分離され、定着排出ローラ56に中継ぎされて、定着装置から送り出される。なお、記録材が定着装置を通過するプロセススピードは、例えば285mm/sになるように制御される。
【0036】
[画像形成動作]
有色画像を形成するための動作は次の通りである。第1から第5の画像形成部Pa,Pb,Pc,Pd,Peが所定の制御タイミングに合わせて順次に駆動される。その駆動により各画像形成部のドラム1が反時計回り方向に回転する。また中間転写ベルト30も時計回り方向に回転駆動される。レーザ走査機構11も駆動される。この駆動に同期して一次帯電器22が感光ドラム1の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。レーザ走査機構11は各感光ドラム1の表面に画像信号に応じたレーザビーム走査露光を行う。これによって各感光ドラム1の表面に画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器23によりトナー画像として現像される。
【0037】
ここでは、上記のような電子写真プロセス動作により、第1の画像形成部Paの感光ドラム1aの周面にはイエロー色のトナー像が形成される。第2の画像形成部Pbの感光ドラム1bの周面にはマゼンタ色のトナー像が形成される。第3の画像形成部Pcの感光ドラム1cの周面にはシアン色のトナー像が形成される。第4の画像形成部Pdの感光ドラム1dの周面にはブラック色のトナー像が形成される。第5の画像形成部Peの感光ドラム1e周面には透明のトナー像が形成される。
【0038】
各感光ドラム1に形成されたトナー像は一次転写ローラ24に一次転写バイアスが印加されることによって、各色のトナー像が順次重畳されるようにして中間転写ベルト30に一次転写され、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0039】
一方、記録材Pは、給紙カセット80、手差し給送トレイ2、デッキ60の何れかから、選択的に一枚ずつ分離給送される。そして、複数の搬送ローラ対7を経て、レジストローラ3に向けて搬送される。レジストローラ3は、中間転写ベルト30上のトナー像が二次転写部に突入するタイミングと、記録材が二次転写部に突入するタイミングとが合致するように、記録材の送出タイミングを制御する機能を担っている。
【0040】
続いて、二次転写ローラ40に二次転写バイアスが印加され、中間転写ベルト30上のトナー像は二次転写部に送り込まれた記録材に一括して二次転写される。このようにしてトナー像が転写された記録材Pは、定着装置50に向けて搬送される。なお、記録材Pが分離された中間転写ベルト30は、ベルトクリーナ21によりクリーニングされる。
【0041】
中間転写ベルト30から離脱した記録材Pは、搬送ベルトにより定着装置50に導入される。定着装置50に導入された記録材Pは、定着ローラ51と加圧ローラ52との圧接部である定着ニップ部に進入して挟持搬送されることで、記録材Pが加熱及び加圧されて、各色トナー像の混色及び記録材Pへの定着が行われる。そして、記録材Pに有色画像或いは有色画像に透明画像が重ねられた画像が形成される。
【0042】
[搬送経路]
定着装置50の下流には記録材の搬送経路切り替え手段としてのセレクタ10が設置されている。セレクタ10は記録材の搬送方向を機外に排出する経路Aと、再給送経路Bとに切り替えることが可能である。
【0043】
記録材の片面のみ画像形成を行う場合、定着装置50を出た記録済みの記録材Pは、図2の図中(a)に切り替えられたセレクタに10によって搬送経路Aに案内され、機外の排出トレイ4に排出される。
【0044】
両面画像形成モードが選択されている場合には、装置本体100において、定着装置を出た1面目画像形成済みの記録材Pは、図中(b)に切り替えられたセレクタ10によって再給送経路Bに進路変更される。そして再給送経路Bの下流に位置する反転経路(スイッチバック経路)Cで表裏反転され、両面搬送パス5に送られる。反転された記録材Pは、所定の制御タイミングで駆動された給送ローラからレジストローラ3に向けて送り出される。このレジストローラ3から再度、二次転写部に2面目が上向きの状態で給送される。そして、中間転写ベルト30上の2面目に対する4色フルカラーのトナー画像或いはこれに透明トナーを加えたトナー像が記録材Pの2面目へ転写される。2面目に対するトナー像形成を受けた記録材Pは定着装置50へ搬送され、2面目に対するトナー像の定着処理を受ける。定着装置50から出た記録材は、図中(a)に切り替えられたセレクタに10によって搬送経路Aに案内され、機外の排出トレイ4に排出される。
【0045】
[有色画像と透明画像とを別々に形成する構成について]
上述の説明では、有色トナーのトナー像と透明トナーのトナー像を重ねて記録材に定着する場合について説明したが、本実施形態の場合、有色トナーのみによる有色画像、透明トナーのみによる透明画像をそれぞれ記録材に形成できる。ここで、有色トナーを用いる4つの画像形成部Pa,Pb,Pc,Pd、中間転写ベルト機構、定着装置、カセット、搬送経路など、有色トナーにより記録材に有色画像を形成する構成の集まりで、有色画像形成手段を構成する。一方、これらの構成のうち、画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdを、透明トナーを用いる画像形成部Peに置き換えたもので、透明画像形成手段を構成する。
【0046】
このような構成で、有色トナーのみで第一の画像形成を行った後、第一の定着を行い、その後に透明トナーによって第二の画像形成と第二の定着を行う内部自動多重定着の場合を説明する。まず記録材に画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdを用いてフルカラーのトナー像を形成し、定着装置50で定着することにより、記録材に有色画像を形成する。その後、記録材の表裏の反転を行わずに搬送パス5へ搬送する。搬送された記録材Pは、所定の制御タイミングで駆動された給送ローラからレジストローラ3に向けて送り出され再度、二次転写部に給送される。そして、中間転写ベルト30上に画像形成部Peにより形成された透明画像が記録材の有色画像の上に重ねて転写される。2面目に対するトナー像形成を受けた記録材Pは定着装置50へ搬送され、2面目に対するトナー像の定着処理を受ける。定着装置50から出た記録材は、図中(a)に切り替えられたセレクタに10によって搬送経路Aに案内され、機外の排出トレイ4に排出される。
【0047】
また、本実施形態の場合、有色画像を記録材に形成した時点でこの記録材を排出するようにしても良い。また、手差し給送トレイ2に有色画像が予め形成された記録材をセットし、この記録材の有色画像の上に透明画像を重ねて形成するようにすることもできる。
【0048】
[トナー]
次に、各画像形成部の現像器に収納されるトナーについて説明する。本実施形態において、有色トナーは主にポリエステル樹脂と顔料から構成される。また、透明トナーは主にポリエステル樹脂から構成される。トナーを製造する方法としては粉砕法、懸濁重合法・界面重合法・分散重合法等の媒体中で直接トナーを製造する方法(重合法)が挙げられる。本実施形態においては、トナーは懸濁重合法を用いて製造されたものを用いた。なお、トナーの成分、製造方法はこれに限定されるものではない。
【0049】
また、本実施形態において用いた透明トナー及び有色トナーのガラス転移点(Tg)は共に約55℃である。本実施形態においては、透明トナーのガラス転移点(Tg)、メインバインダー、ワックスの添加量、外添剤の処方は有色トナーと略同一になるように製造した。そのため同じ定着条件かつ単位面積あたりのトナー量が略同一の場合、記録材上に定着された有色トナーと透明トナーの光沢度は略同一の光沢になる。本実施形態では、透明トナーとカラートナーのガラス転移点が同一のものを用いた。
【0050】
次に、トナー量について説明する。画像形成部に入力される画像データは、原稿となる画像のC、M、Y、Kの各色に分解された600dpiの0〜255のデータが入力される。この1画素当たりのデータを画像データ量と呼ぶ。各色の最大の画像データ量を100%として表す。この0〜100%の画像データ量に応じて、画像形成すべきトナー量が計算される。トナー量とは、記録材上に画像形成される1画素当たりのトナーの量である。トナー量も、画像データ量と同様に、0〜100%で表す。1cmに画像形成した場合のトナーの重量を載り量という。単色で100%のトナー量のときに、その色の最大載り量となり、最大濃度となる。透明トナーの場合は、濃度ではなく、光沢度が指標となる。最大濃度、および、光沢度は、画像設計、トナーの特性、定着装置(定着器)の定着条件、記録材の種類などによって決定される。
【0051】
本実施形態では、有色トナー及び透明トナーの最大載り量を0.5mg/cmとした。このときの光沢度は、「A社、グロスコート紙 坪量 157g/m」に透明トナーで画像形成を行ったところ、0.5mg/cmの載り量で60度グロス測定において、40%のグロスを得た。グロスの測定方法は、日本電色工業株式会社製ハンディ型光沢計(PG−1M)を用いた(JISZ8741鏡面光沢度−測定方法に準拠)。
【0052】
[MFPのハードウエア構成について]
次に、MFP100のハードウエア構成について図3(a)を用いて説明する。MFP100はコントローラ部、スキャナ部、プリンタ部から構成されている。以下に各部について詳しく説明する。
【0053】
[コントローラ部]
CPU101(Central Prossessing Unit)、RAM102(Random Access Memory)、ROM103(Read Only Memory)は、バス105に接続されている。同様に、HDD104(Hard Disk Drive)、画像処理専用回路106、ネットワークコントローラ107、プリンタコントローラ108、スキャナコントローラ109、I/Oコントローラ110は、バス105に接続されている。バス105に接続されている各種ユニットはバスを介して相互に通信することができる。
【0054】
このような構成において、CPU101はバス105を介して、HDD104、ネットワークコントローラ107、プリンタコントローラ108、スキャナコントローラ109、I/Oコントローラ110に対して制御命令等を送信する。また、CPU101はバス105を介して、HDD104、ネットワークコントローラ107、プリンタコントローラ108、スキャナコントローラ109、I/Oコントローラ110からの状態を示す信号または画像データ等のデータを受信する。このようにしてCPU101は、MFP100を構成する各種ユニットを制御することができる。詳しく各ユニットの動作について以下に記述する。
【0055】
CPU101及び画像処理専用回路106は、例えばROM103に保存されているプログラムをCPU101及び画像処理専用回路106内部にあるレジストリと呼ばれる一次メモリに展開して実行する。RAM102は、CPU101または画像処理専用回路106がプログラムを実行する際に必要となる二次メモリとして共用利用される。ROM103と比較して記録容量の多いHDD104は、主にMFP100の内部で保持される画像データの保存に利用される。
【0056】
ネットワークコントローラ107は、外部の機器と通信するための処理回路であり、CPU101から送信される信号を変調して各種規格に準じた信号に変換する。本実施形態において、ネットワークコントローラ107はIEEE803.2規格に準じた多値の信号に変換し、I/F114を介してネットワークに送信する。また、ネットワークコントローラ107は、I/F114を介してネットワークから受信した多値の信号を復調し、CPU101に送信する。これにより、MFP100はネットワークを介してMFP Controller200またはPC300と通信してもよい。
【0057】
同様に、ネットワークコントローラ107はCPU101から送信される信号をARCNET(Attached Resource Computer NETwork)規格に準じた信号に変換し補助装置I/F113を介して補助装置118に送信する。また、ネットワークコントローラ107は補助装置118から受信した信号を復調し、CPU101に送信する。なお、補助装置118としては例えば、ステイプルなどの後処理を行うフィニッシャー(不図示)、補助給紙装置としてのペーパーデッキ60などが挙げられる。
【0058】
CPU101がプリンタコントローラ108を介して画像形成部としてのプリンタ部115へ送信する画像データはイメージデータである。そのため、PC300からMFP100に対してPDL(Page Discription Language)が入力されたとき、CPU101及び画像処理専用回路106はRIP(Raster Image Prossessing)を分担して実行する。
【0059】
なお、PDLとは、MFP100に出力すべき画像イメージを指示するためのプログラミング言語ある。PDLの利点はプリンタの解像度に依存しないベクターデータとして図形を保持できること及び単純な線画の場合にデータ量をイメージデータと比べて少なくすることができることである。逆に、PDLを用いることでPDLをプリンタ部で出力する際に必要となるマップイメージデータに再変換する必要があり、この処理がオーバヘッドとなる。このようなPDLをイメージデータに変換する処理をRIP(Raster Image Processing)と呼ぶ。
【0060】
このようにRIPによってPDLから変換されたイメージデータは、プリンタコントローラ108を介してプリンタ部115へ送信される。プリンタ部115は受信したイメージデータに基づき印刷物を出力する。なお、プリンタコントローラ108は、外部から入力されたイメージデータを元にプリンタ部115に対してイメージデータに応じたトナー像を記録材に定着させることができる。このようなプリンタコントローラ108は、図1(b)に示した構成においては、MFP Controller200から送信されるイメージデータに基づきプリンタ部115を制御する。また、図1(c)に示した構成においては、PC300から送信されるイメージデータに基づきプリンタ部115を制御する。
【0061】
スキャナコントローラ109は、スキャナ部116が備える原稿台下部のイメージセンサの原稿イメージ取り込み動作及びADF(Auto Document Feeder)の動作を制御する。ユーザは原稿のイメージデータをMFP100に取り込ませるときに、原稿台に1枚ずつ原稿をセットする。スキャナコントローラ109は原稿読み取り指示を受け、原稿台下部にあるイメージセンサを走査させ、原稿台にセットされた原稿のイメージデータを取得する。また、ユーザは複数枚の原稿をADFにセットし読み取りを指示することができる。これにより、ADFはセットされた複数枚の原稿から1枚をイメージセンサ部へ送り出す。つぎに、ADFはイメージセンサ部へ送り出した原稿を除く複数枚の原稿から1枚をイメージセンサ部へ送り出し、ADFにセットされた原稿がなくなるまでこの動作を繰り返す。これにより、ADFにセットされた原稿を自動的に連続して読み取りを行うことができる。これにより、大量の原稿をスキャンする場合に、ユーザが原稿を一枚ずつ原稿台に載せ変える手間を省くことができる。
【0062】
MFP100内のHDD104に画像を保存するボックスモードが選択された場合、スキャナコントローラ109は、スキャナ部116で取得されたイメージデータをHDD104に保存する。スキャナ部116で取得されたイメージデータをプリンタ部115で出力するコピーモードが選択された場合、スキャナコントローラ109はスキャナ部116で取得されたイメージデータをプリンタコントローラ108に送信する。これによりプリンタコントローラ108は受信したイメージデータをプリンタ部115に出力させる。
【0063】
I/Oコントローラ110は、USB I/F117を介してPC300もしくはMFP Controller200と通信を行う。また、I/Oコントローラ110は表示手段としてのディスプレイ111と入力手段としての操作パネル112に接続されている。CPU101はユーザが操作パネル112によって入力した情報をI/Oコントローラ110を介して取得することができる。また、I/Oコントローラ110はユーザに選択可能な情報やMFP100の状態を示す情報をディスプレイに表示させる。ディスプレイ111にはMFP100で用いる記録材の光沢に関する情報を入力する画面、透明トナーを用いて部分的に且つ相対的に光沢を高くしたい領域を入力する画面等が表示される。
【0064】
[テストモード]
次に、本実施形態のテストモードを実行するための構成について、図3(b)を用いて説明する。まず、テストモードとは、有色画像の上に選択的に透明画像を形成して所定の効果を得る際に、予め複数種類の透明画像を有色画像の上に形成したものを出力するモードである。ユーザは、このモードを実行することにより、複数種類の画像から望みのものを選択することができる。
【0065】
このために本実施形態の場合、図3(b)に示すような構成を有する。この図3(b)に示す構成は、それぞれ図2及び図3(a)に示した構成の何れか、或いは何れかの構成を適宜組み合わせて構成される。テストモードを実行するための構成としては、有色画像形成手段150、透明画像形成手段151、有色データ取得部152、透明データ取得部153、透明画像選択部154などが挙げられる。
【0066】
このうちの有色画像形成手段150は、前述したように、有色トナーを用いる4つの画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdを含む、中間転写ベルト機構、定着装置、カセット、搬送経路などにより構成される。そして、有色トナーにより記録材に有色画像を形成する。透明画像形成手段151は、前述したように、これらの構成のうち、画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdを、透明トナーを用いる画像形成部Peに置き換えたもので、透明トナーにより記録材に透明画像を形成する。
【0067】
有色データ取得部152は、有色画像データを取得する部分で、スキャナ部116、或いは、PC300、MFP Controller200から有色画像のデータを取得する。例えば、スキャナ部116により読み取った原稿の画像データで、原稿となる画像のC、M、Y、Kの各色に分解された600dpiの0〜255のデータを取得する。有色データ取得部152により取得された各有色のデータは、所定のメモリに記憶される。
【0068】
透明データ取得部153は、複数種類の透明画像データを取得する部分で、例えば、所定の画像領域を有してトナー量がそれぞれ異なる複数の透明画像データを取得する。即ち、画像自体は同じだが、光沢度が異なる複数のデータを取得する。或いは、画像自体が異なる複数のデータ、更には、画像もトナー量も異なる複数のデータであっても良い。このようなデータは、MFP100、或いは、PC300、MFP Controller200のメモリに予め収納されている。或いは、インターネット上から入手したり、スキャナ部116により読み取ったりするようにしても良い。
【0069】
本実施形態では、透明データ取得部153は、画像自体(例えば、柄)は同じだが、光沢度(トナー載り量)が異なる複数のデータを取得するようにしている。また、この画像(所定の画像領域)は、複数種類の画像(画像領域)から選択可能としている。複数種類の画像領域は、予めMFP100のメモリに記憶されており、画像領域選択部155により選択することにより、透明データ取得部153に取得される。透明データ取得部153は、画像領域選択部155により選択した画像領域のデータを元に、予め決められた、或いは、ユーザが選択した複数のトナー量が異なるデータとして、所定のメモリに記憶する。
【0070】
透明画像選択部154は、上述の透明データ取得部153により取得した複数種類の透明画像データから何れかの透明画像データを選択する。例えば、ユーザが操作パネル112を操作することにより選択する。
【0071】
制御手段であるCPU101は、有色画像形成手段150及び透明画像形成手段151、更に、有色データ取得部152、透明データ取得部153、スキャナ部116、画像領域選択部155、透明画像選択部154を制御する。そして、テストモードでは、次のように複数の合成画像を、複数種類の透明画像データよりも少ない枚数(例えば1枚)の記録材に出力する。
【0072】
まず、有色画像形成手段150により、有色データ取得部152で取得した有色画像データに基づいて、複数種類の透明画像データと同数の有色画像を縮小して、これら複数の有色画像よりも少ない数の記録材に形成する。複数種類の透明画像データは、透明データ取得部153で取得する。次に、透明画像形成手段151により、複数種類の透明画像データに基づく透明画像を縮小して、複数の有色画像の上にそれぞれ重ねて形成し、複数の合成画像として出力する。
【0073】
例えば、複数種類の透明画像データが4種類で、テストモードで出力する記録材の枚数がA4サイズ1枚で、実際に出力したい記録材がA4サイズである場合、テストモードでは、有色画像を4つ形成する。このとき、これら4つの有色画像は、1枚のA4サイズの記録材に均等に配置されるように縮小して、記録材に形成される。次に、4種類の透明画像を有色画像と同じ倍率で縮小して、それぞれの有色画像の上に形成する。これにより、1枚の記録材の上に、4種類の異なる透明画像が有色画像に重ねられた、複数の異なる合成画像(サンプル画像)が形成される。例えば、光沢度が異なる4種類の合成画像が形成される。
【0074】
なお、本実施形態の場合、手差し給送トレイ2、カセット80、デッキ60により複数の収容部を構成する。そして、カセット80、デッキ60にそれぞれ、材質の異なる記録材を収容する。
【0075】
また、記録材情報取得部156を有し、有色画像をスキャナ部116で読み取る場合に、この有色画像が形成された記録材の情報を取得する。このような記録材情報取得部156は、例えば、ユーザが操作パネル112を操作することにより入力した情報を取得する。
【0076】
テストモードでは、収容部選択部157により、記録材情報取得部156が取得した記録材情報に見合った記録材を、上述のサンプル画像を形成する記録材として選択するようにできる。即ち、収容部選択部157は、予め入力されているカセット80及びデッキ60に収容されている記録材の情報と、記録材情報取得部156により取得した記録材情報とを対比する。そして、有色画像が形成された記録材と同じ記録材が、カセット80或いはデッキ60の各収容部に存在すれば、その収容部の記録材をサンプル画像が形成される記録材として選択する。
【0077】
一方、有色画像が形成された記録材と同じ記録材が、カセット80或いはデッキ60の何れにも存在しなければ、最も近い性質の記録材を選択する。或いは、存在しないことをユーザに知らせ、ユーザに手差し給送トレイ2にサンプル画像用の記録材をセットするように促すこともできる。なお、最も近い性質の記録材の選択は、ユーザが行うようにしても良いし、例えば、坪量が最も近いものを自動的に選択するようにしても良い。何れにしても、有色画像が形成された記録材と、性質が同じ或いは近い記録材にサンプル画像を形成するようにする。
【0078】
ユーザは、上述のように出力される複数の合成画像(サンプル画像)を直接見ることにより、望みの画像を選択する。このとき、透明画像選択部154は、テストモードで出力した複数の合成画像から選択した合成画像に対応した透明画像データを選択可能としている。例えば、記録材に形成された複数の合成画像の位置を示す画面をディスプレイ111に表示させる。透明画像選択部154は、記録材に形成された複数の合成画像の位置と、ディスプレイ111に表示される位置とを対応させる。そして、ユーザが、テストモードで出力した記録材上の複数の合成画像から選択した合成画像に対応する、ディスプレイ111での位置を操作パネル112で選択することにより、ユーザが望む合成画像に対応する透明画像データが選択される。ユーザの望む透明画像データが選択されれば、この透明画像データを使って実際の画像を出力する。
【0079】
例えば、有色画像が形成された元原稿に選択した透明画像を形成したい場合、この元原稿を手差し給送トレイ2にセットして、この元原稿に透明画像を形成するようにする。一方、新たに有色画像を形成し、その上に選択した透明画像を形成した場合には、テストモーで出力した記録材と同じ記録材に画像を形成する。例えば、まず、有色画像を有色画像形成手段150により形成し、その後、透明画像をこの有色画像の上に透明画像形成手段151により形成する。
【0080】
[テストモードによる処理のフローの1例]
このようなテストモードを使用して行う処理は、例えば図4に示すようなフローになる。本実施形態において、特徴的な処理である画像処理はMFP100のCPU101において実行される。以下に、情報処理装置としてのMFP100がROM103に保存されているプログラムに従い画像を処理する動作について説明する。ここでは情報処理装置がプログラムによってどのように動作するかを主眼に説明するため、詳しい画像形成動作については後述する。
【0081】
なお、有色画像をプリンタ部で形成するために用いられる画像データ(以下、有色画像データ)の生成処理の方法は、記載がない限りは公知の手法を用いるものとする。
【0082】
S101は、ユーザによって指定された「透明画像を合成したい有色画像データ」を示す情報を取得するステップである。CPU101は、有色画像データ情報取得手段である有色データ取得部152により、ユーザが透明画像を合成したいと希望する有色画像データ情報を取得する。CPU101は取得した領域をRAM102に保持する。
【0083】
S102は、記録材の情報を取得するステップである。CPU101は、記録材情報取得部156により透明画像を合成する記録材の情報を取得する。ここで取得する記録材の情報とは元原稿の記録材(透明画像による効果を得たい有色画像が形成された記録材)の種類を指す。CPU101は取得した記録材情報をRAM102に保存する。
【0084】
S103は、カセット80及びデッキ60の情報を取得するステップである。CPU101は、カセット情報取得手段として、カセット80やデッキ60に設置された各記録材情報を取得する。ここで取得する記録材の情報とは、記録材の種類を指す。CPU101は取得した各カセットなどの記録材情報をRAM102に保存する。
【0085】
S104は、ユーザによって指定された透明画像を形成したい領域を示す情報を取得するステップである。CPU101は、領域情報取得手段である透明データ取得部153によりユーザが透明画像を形成したいと希望する領域を示す情報を取得する。CPU101は取得した領域をRAM102に保持する。
【0086】
S105では、CPU101が、画像データ生成手段として複数(ここでは4)パターンの透明画像データの生成処理を実行する。4パターンの透明画像データとは、S104で取得した領域に4パターンの画像データ量で透明画像を形成させるために用いる透明画像データである。なお、本実施形態では4パターンを生成するとしたが、パターン数はこれに限るものではなく、例えば、6パターンや8パターンでもかまわない。
【0087】
S106では、CPU101が、画像データ生成手段として合成サンプルデータの生成処理を実行する。合成サンプル画像データとは、S105で生成した4パターンの透明画像データをS101で取得した有色画像データに合成し、サンプル画像として出力するためのサンプル画像データである。本実施形態では、1枚の記録材に4つの画像を(4in1で)それぞれ縮小して形成する。
【0088】
S107では、S106で生成されたサンプル画像データをプリンタ部に対して送信することにより、合成サンプル画像データに基づき透明トナーと有色トナーを形成し定着した記録材を出力させる。この記録材のカセットは、S102で取得した記録材情報に合致する記録材が設置されたカセットであり、S103で取得したカセットの記録材情報に基づいて決定される。
【0089】
S108は、ユーザによって指定された透明画像データ量の情報を取得するステップである。透明画像データ量とは、S107で出力された出力物に基づいてユーザが合成したいと希望する透明トナー画像データ量である。これは、前述したように透明画像選択部154により選択したものである。CPU101は取得した透明画像データ情報をRAM102に保存する。
【0090】
S108では、S104およびS107で取得した透明画像データをプリンタ部に対して送信することにより、元原稿に透明トナーを形成し定着して出力する。
【0091】
なお、例えばS105の前で、4パターンの透明画像データを取得する前に、ユーザの好みや希望を入力するようにしても良い。例えば、予めユーザが光沢度の高いものを望んでいれば、その付近のパターンを出力するように、ユーザの希望を入力する。或いは、画像領域(柄)に関しては、ユーザの希望が例えばチェック柄である場合には、それを入力して、複数種類のチェック柄を表示するようにしても良い。
【0092】
このように、透明トナーのテストプリントを自動的に出力することができ、実際の出力物を見て希望の透明トナー量を指定することが可能となるため、期待する透明トナーの効果をもった成果物を速やかに得ることができる。
【0093】
[ユーザの入力に応じたMFPの動作]
上述のように、テストモードで、ユーザによって指定された画像データに基づいてテストプリント(サンプル画像)を出力する。そして、テストプリントから選択された透明画像データで透明画像を元原稿に合成する。このために、MFP100は「ユーザが透明画像を合成したいと希望する領域に関する情報」および「ユーザが合成したいと希望する透明トナー画像データに関する情報」を取得する。以下に、ユーザが「ユーザが透明画像を合成したいと希望する領域に関する情報」および「ユーザが合成したいと希望する透明トナー画像データに関する情報」をMFP100に入力する手順を示す。
【0094】
以下、「ユーザが透明画像を合成したいと希望する領域に関する情報」および「ユーザが合成したいと希望する透明トナー画像データに関する情報」を透明印刷設定情報(透明画像を出力するために設定を要する情報)と呼ぶ。
【0095】
MFP100は透明印刷設定情報を取得するために、図5から図11に示す画面をディスプレイ111に表示する、各画面間の遷移について概説する。
【0096】
[MFP100が透明画像を合成して出力する際の設定状況]
図5は、MFP100が透明画像を合成して出力する際の設定状況を示す画面の1例を示す図である。図5に示す画面がディスプレイ111に表示されている状態(透明画像合成モード)において、ユーザによって操作パネル112内のスタートボタン(不図示)を押下されると、MFP100は手差し給送トレイに設置された記録材に透明画像を合成する。このとき合成される透明画像の画像形成領域は、操作パネル112によりB003を押下することで表示される図6の画面により指定された領域である。
【0097】
また、透明画像のトナーの載り量は操作パネル112によりB005を押下することで表示される画面(図示省略)により指定された透明画像データ量に対応するトナー量である。なお、操作パネル112によりB002が選択されることによってMFP100はボックスモードに切り替わる。ボックスモードにおいて、ユーザはMFP100内部のHDDに保存されているデータをプリント部で出力することができる。ユーザがB001を選択することによって、MFP100はボックスモードから透明画像合成モードに切り替わる。なお、B004を押下することにより各カセットやデッキに収容される記録材の情報の初期設定を行える。
【0098】
図5において、ユーザはB006の「テストプリント」を選択することができる。ユーザが「テストプリント」を選択したとき、MFP100はディスプレイ111に図8に示す画面を表示する。
【0099】
[透明画像を形成したいと希望する領域に関する情報の入力]
図6は、MFP100が「ユーザが透明画像を形成したいと希望する領域に関する情報」の入力をユーザに促す画面の1例を示す図である。図6にはMFP100内部のHDD104内に保存されているファイルがリストとして選択可能に表示される。これにより、ユーザはHDD104内に保存されているファイルの中から透明画像を形成したい領域を示すファイルを指定することができる。即ち、前述の画像領域選択部155に相当する。本実施形態において、ユーザは「ccc.tif」をカーソルB101で指定したとする。このようにして、ユーザが透明画像を形成したい領域を画像によって指定することができる。ここで、「ccc.tif」は図6のプレビュー表示部に示すような画像である。
【0100】
ここで、図6のプレビュー表示部において星印部分をユーザが透明画像を形成したい領域を指すものとする。なお、HDD104内部のファイル以外を用いて透明画像を形成したい領域を指定しても良い。その1例としては、I/F114を経由して外部のファイルを指定する方法がある。ユーザはB102を選択することによりHDD104に保存されているファイル以外のファイルを指定することができる。なお、領域を指定する方法はこれに限るものではない。
【0101】
今回の具体例では、図6に示すように、透明画像を形成したい領域の指定はHDD104内部に保存されている「ccc.tif」によって指定する。ユーザが前述の設定を反映させたい場合、ユーザはB103を選択することができる。これにより設定は反映され、MFP100はディスプレイ111に図7に示す画面を表示する。このようにしてユーザによって設定された情報はRAM102に保存されるものとする。このようにRAM102に保存された透明画像を形成したい領域を指定するための情報はS104においてCPU101によって取得される。また、ユーザが設定を反映させたくない場合、ユーザはB104(キャンセルボタン)を選択することができる。これにより、設定は破棄され、MFP100はディスプレイ111に図5に示す画面を表示する。
【0102】
[原稿の記録材の種類に関する情報の入力]
図7は、MFP100が「原稿の記録材の種類に関する情報」の入力をユーザに促す画面の1例を示す図である。ユーザはカーソルB201を用いて元原稿の記録材に関する情報を変更することが出来る。この時、ディスプレイ111にはユーザが選択することが出来る記録材の種類がリストとして提示される。本実施形態において、元原稿の記録材は「A社 グロスコート紙 坪量 157g/m」であり、ユーザはB201を用いて「A社 グロスコート紙 坪量157g/m」を選択することができる。即ち、前述の記録材情報取得部156に相当する。なお、記録材種類がリストに表示されない場合、ユーザはB202を選択することができる。B202が選択されたとき、MFP100はネットワークを介してサーバに接続してその他の紙種を指定してもよい。なお、記録材の種類を指定する方法はこれに限るものではない。
【0103】
ユーザが前述の設定を反映させたい場合、ユーザはB203(OKボタン)を選択することができる。これにより設定は反映され、MFP100はディスプレイ111に図8に示す画面を表示する。このようにしてユーザによって設定された情報はRAM102に保存されるものとする。このようにRAM102に保存された透明画像を合成する記録材の情報はS102においてCPU101によって取得される。また、ユーザが設定を反映させたくない場合、ユーザはB204(キャンセルボタン)を選択することができる。これにより、設定は破棄され、MFP100はディスプレイ111に図6に示す画面を表示する。
【0104】
[透明画像を合成したい元原稿の有色画像データに関する情報の取得]
図8は、MFP100が透明トナーを合成したい元原稿を原稿台に設置するようユーザに促す画面の1例を示す図である。ユーザは透明画像を合成したい元原稿を原稿台に設置した後、B301(原稿読み込みボタン)を選択する。これにより、スキャナ部116が元原稿を光学的に走査して元原稿の有色画像を色分解によって読み取り、ユーザが透明画像を合成したい有色画像データを設定することができる。即ち、前述の有色データ取得部152に相当する。このようにRAM102に保存された有色画像データはS101においてCPU101によって取得される。
【0105】
B301を選択して元原稿の有色画像データを設定した後、ユーザはB302(テストプリント開始ボタン)を選択することで、テストプリントを開始させることができる。これにより、S103〜S106の処理がCPU101において実行され、合成サンプルデータが4in1で出力される。本実施形態では、50%、75%、90%、100%の4パターンの透明トナー画像データ量をS105で生成した。よって、1枚の記録材に4パターンの合成サンプル画像が出力される。なお、パターン数と種類はこれに限るものではない。例えば、10%、20%、40%、60%、80%、100%の6パターンでもよい。また、ユーザが出力したいパターンを選択することができてもよい。
【0106】
なお、本実施形態では、テストプリントを出力する際の本体の動作は、有色トナーのみで第一の定着を行った後、透明トナーによって第二の定着を行う内部自動多重定着となる。
【0107】
S103においてCPU101は各給紙カセット情報を参照し、S102で取得した原稿の記録材の種類に合致する記録材が設置された給紙カセットから給紙してテストプリントを出力する。カセット80に予め元原稿と同じ記録材が設置されている場合には、CPU101はカセット80から給紙してテストプリントを出力する。即ち、前述の収容部選択部157に相当する。これに対して、給紙カセットにS102で取得した記録材の種類に合致する記録材が設置されていない場合、図9に示すような警告メッセージがディスプレイ111に表示される。このときカーソルB401を選択して給紙カセットに新たに記録材を設置することができる。あるいはカーソルB402を選択して、種類が合致していなくてもいずれかの給紙カセットから給紙するように設定することができる。
【0108】
ユーザが出力物を確認して次の透明画像データを選択するステップに進みたい場合、ユーザは図8のB303(OKボタン)を選択することができる。これにより透明画像データを選択する次のステップに進むことができ、MFP100はディスプレイ111に図10に示す画面を表示する。また、ユーザが設定を反映させたくない場合、ユーザはB304(キャンセルボタン)を選択することができる。これにより、設定は破棄され、MFP100はディスプレイ111に図9に示す画面を表示する。
【0109】
[合成したい透明画像データに関する情報の設定]
図10は、MFP100が合成したいと希望する透明画像データを指定するようユーザに促す画面の1例である。ユーザはS107で出力された合成サンプル画像を参照して、カーソルB501を用いてサンプル番号に対応する好みの透明トナー画像データ量を選択することができる。即ち、前述の透明画像選択部154に相当する。本実施形態において、ユーザは「3番 90%」をB501で選択したとする。なお、合成したい透明画像データを指定する方法はこれに限るものではない。
【0110】
ユーザが前述の設定を反映させたい場合、ユーザはB502(OKボタン)を選択することができる。これにより設定は反映され、MFP100はディスプレイ111に図11に示す画面を表示する。このようにしてユーザによって設定された情報はRAM102に保存されるものとする。このようにRAM102に保存された透明画像データの情報はS108においてCPU101によって取得される。また、ユーザが設定を反映させたくない場合、ユーザはB503(キャンセルボタン)を選択することができる。これにより、設定は破棄され、MFP100はディスプレイ111に図5に示す画面を表示する。
【0111】
[透明画像を合成する原稿の給紙カセットに関する情報の設定]
図11は、MFP100が透明画像を合成する原稿の給紙カセットを指定するようユーザに促す画面の1例である。ユーザはS103およびS107で指定された透明画像データに基づいて、カーソルB601を用いて透明画像を合成する元原稿の給紙カセットを指定する。ユーザは印刷に用いる記録材がセットされている図3においてのカセット80、デッキ60または手差し給送トレイ2を選択することができる。ユーザがB201を選択すると、ディスプレイ111に「カセット」、「デッキ」、「手差し給送トレイ」が選択可能にプルダウンメニューとして提示される。本実施形態において、ユーザがB601によって「手差し給送トレイ」を選択したとする。
【0112】
ユーザが前述の設定を反映させたい場合、ユーザはB603(OKボタン)を選択することができる。これにより設定は反映される。この状態において、ユーザによってスタートボタン(不図示)を押下されると、MFP100は手差し給送トレイに設置された元原稿に透明画像を合成する。また、ユーザが設定を反映させたくない場合、ユーザはB604(キャンセルボタン)を選択することができる。これにより、設定は破棄され、MFP100はディスプレイ111に図10に示す画面を表示する。
【0113】
[テストプリント設定情報に基づくMFPの動作について]
テストプリント設定情報が反映された状態において、スタートボタン(不図示)が押されると、テストプリント設定情報を元にMFPは以下のような動作をする。
【0114】
図12はMFPによって処理される画像及び出力される出力物を説明するための概念図である。以下、図12を用いて、図4に示すフローチャートの各ステップで行われる処理の説明を行う。
【0115】
S101において、CPU101は上述のようなRAM102に保存された原稿の有色画像データ情報を取得する。これは「テストプリント設定」の「原稿読み取り」ボタンで指定した図12の(b)に示される原稿の有色画像データに対応する。
【0116】
S102において、CPU101はRAM102に保存されたユーザが指定した記録材情報を取得する。S103において、CPU101はRAM102に保存された給紙カセットの記録材情報を取得する。
【0117】
S104において、CPU101はRAM102に保存されたユーザが指定した透明画像を形成したい領域に関する情報を取得する。これは「テストプリント設定」で指定した透明画像形成領域「ccc.tif」に対応し、図12の(a)に示される。
【0118】
本例において、ユーザが透明画像を形成したい領域を指定する画像データ「ccc.tif」はHDD104に保存されている。なお、ユーザが透明画像を形成したい領域を指定する画像データが「tif」等の画像データではなくPDLで記述されている場合、PDLで記述されたファイルはCPU101及び画像処理専用回路106においてRIPされる。これにより、CPU101はPDLで記述された領域に透明トナーを選択的に形成するための透明画像データを作成することができる。
【0119】
S105において、CPU101はS104で取得した画像領域に対してデータ量の異なる透明画像データをNパターン生成する。これは図12の(c)に示される4パターンの透明画像データに対応する。
【0120】
S106においてCPU101はS105で生成した4パターンの透明画像データ(図12(a))をS101で取得した有色画像データ(図12(b))に合成し、4in1で出力するようなサンプル画像データを生成する。これは図12(d)に示される。
【0121】
CPU101はS106において作成したサンプル画像データ(図12の(d))をプリンタコントローラ108に送信する。また、S102で取得した記録材情報をプリンタコントローラ108に送信する。
【0122】
プリンタコントローラ108は受信した透明画像データ(図12の(d))に基づきプリンタ部115を制御する。これにより、プリンタ部115は給紙カセットに設置された記録紙に透明画像と有色画像を出力する。これにより、図12の(e)に示す印刷物が出力される。
【0123】
S108において、CPU101はRAM102に保存されたユーザが指定した透明画像データ量に関する情報を取得する。CPU101はS104およびS108で指定された画像データをプリンタコントローラ108に送信する。これにより、プリンタ部115は給紙カセットに設置された原稿に透明画像を出力する。ここでは出力する透明画像データ量として「3番 90%」が指定されたため、元原稿に「3番 90%」の画像データを出力する。
【0124】
以上説明したように、本実施形態の場合、透明トナー量の異なる4パターンのテストプリント(複数の合成画像)を1枚の記録記録材に自動的に出力するテストモードを有する。このため、期待する透明トナーの効果をもった生成物を速やかに得ることができる。また、失敗プリントを防ぐことが可能となり、作業効率を上げることができる。
【0125】
また、本実施形態の場合、テストプリントは1枚又は透明画像データの数よりも少ない枚数の記録材に出力するため、記録材の無駄は抑えられる。更に、サンプル画像を形成する記録材として、有色画像が形成されている記録材と同じ或いは近い材質の記録材を使用しているため、テストモードでの出力物は実際の出力部と同じ或いは近いものとなる。したがって、ユーザの失敗プリントをより低減できる。
【0126】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図13ないし図18を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様な部分に関しては、同一符号を付すことで説明を省略する。本実施形態の画像形成システム(画像形成装置)は、前述の図1の(b)のように構成されている。また、透明画像データを生成する画像処理はMFP Controller200において実行される。以下に、画像形成システムを構成するPC300及びMFP Controller200のハードウエア構成について説明する。
【0127】
なお、画像形成システムを構成するPC300はMFP100に対して印刷命令を送信可能な外部端末の1例である。そのため、MFP100に対して印刷命令を送信可能な他の端末をPCの代替として用いてもよい。例えば、WS(Work Station)やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯可能な情報端末を代替として用いてもよい。
【0128】
[PCのハードウエア構成について]
図14は、情報処理装置としてのPCの1例であるPC300のハードウエア構成を示すブロック図である。以下にPC300のハードウエア構成について説明する。
【0129】
CPU301(Central Prossessing Unit)、RAM302(Random Access Memory)、ROM303(Read Only Memory)はバス304に接続されている。同様に、HDD305(Hard Disk Drive)、ネットワークコントローラ306、ビデオコントローラ307、I/Oコントローラ308はバス304に接続されている。なお、バス304に接続されている各種ユニットはバス304を介して相互に通信することができる。
【0130】
CPU301は例えばROM303に保存されているプログラムをRAM302に展開して実行する。ROM303はCPU301で実行されるプログラムを記録する。RAM302はCPU301がプログラムを実行するときに用いられる。また、CPU301はバス304を介して、HDD305、ネットワークコントローラ306、ビデオコントローラ307、I/Oコントローラ308に対して制御命令等を送信する。また、CPU301はバス304を介して、HDD305、ネットワークコントローラ306、ビデオコントローラ307、I/Oコントローラ308からの状態を示す信号または画像データ等のデータを受信する。このようにしてCPU301はPC300を構成する各種ユニットを制御することができる。
【0131】
HDD305はPC300で用いる各種ファイルを記録する。ネットワークコントローラ306は外部の機器と通信するための専用回路である。ネットワークコントローラ306はCPU301から送信される信号を変調してIEEE803.2規格に準じた多値の信号に変換し、I/F312を介してネットワークに送信する。また、ネットワークコントローラ306はI/F312を介してネットワークから受信した多値の信号を復調し、CPU301に送信する。このとき、PC300がMFP100またはMFP Controller200と通信する経路はLAN(Local Area Network)に限るものではなく、インターネットを経由しても良い。
【0132】
また、I/Oコントローラ308はCPU301から送信される信号を各インターフェイスの規格に準じた信号に変換してUSB I/FまたはPS/2 I/Fに接続された装置へ送信する。また逆にUSB I/FまたはPS/2 I/Fから受信した信号を変換しCPU301へ送信する。これにより、PC300はMFP100とUSB(Universal Serial Bas) I/F313を介して相互に通信することができる。また、PC300は入力デバイスとしてのキーボード310、マウス311からの入力をPS/2 I/F309を介して取得することができる。
【0133】
また、ビデオコントローラ307はCPU301から受信した描画命令に応じて画像データをディスプレイ314に表示できる信号に変換する。これにより、CPU301はディスプレイ314に対して画面を表示させることができる。
【0134】
本実施形態において、CPU301はOS(Operating System)に従いPCを構成する各種ハードウエアを制御する。これにより、ユーザはPCを構成するハードウエアを意識することなく、GUI(Graphical User Interface)を操作することによって、PCに所望の動作を実行させることができる。これにより、ユーザはOS上で実行されているアプリケーションプログラムから外部のMFPに対して印刷命令を送信することができる。印刷命令をMFPに対して送信する際、MFPの機種によって制御方法が異なる。そのため、PCはMFPの機種に対応するドライバプログラムを用いてMFPに応じた制御命令を生成する。ドライバプログラムはOSに組み込まれることによって、接続された周辺機器に応じた制御命令を作成することができる。
【0135】
[MFP Controllerのハードウエア構成について]
図13は、PDL(Page Discription Language)をイメージデータに変換することができるMFP Controller200のハードウエア構成を示すブロック図である。以下にMFP Controller200のハードウエア構成の一例について説明する。
【0136】
画像形成システムを構成するMFP Controller200はPC300から受信したPDLをMFP100が印刷の際に用いるイメージデータに変換する。以下、PDLをイメージデータに変換する処理をRIP(Raster Image Possessing)と呼ぶ。
【0137】
CPU201、RAM202、ROM203、画像処理専用回路204はバス205に接続されている。同様に、HDD206、ネットワークコントローラ207、ビデオコントローラ208、I/Oコントローラ209はバス205に接続されている。
【0138】
CPU201は例えばROM203に保存されているプログラムをRAM202に展開して実行する。また、CPU201はバス105を介して、HDD206、ネットワークコントローラ207、ビデオコントローラ208、I/Oコントローラ209に対して制御命令等を送信する。また、CPU201はバス205を介して、HDD206、ネットワークコントローラ207、ビデオコントローラ208、I/Oコントローラ209からの状態を示す信号および画像データ等のデータを受信する。このようにしてCPU201はMFP Controller200を構成する各種ユニットを制御することができる。
【0139】
MFP Controller200はPC300とI/F213を介して接続されている。またMFP Controller200はMFP100とI/F213介して接続されている。ネットワークコントローラ207はCPU201から送信される信号を変調してIEEE803.2規格に準じた多値の信号に変換し、I/F213を介してネットワークに送信する。また、ネットワークコントローラ207はI/F213を介してネットワークから受信した多値の信号を復調し、CPU201に送信する。
【0140】
また、I/Oコントローラ209はCPU201から送信される信号を各インターフェイスの規格に準じた信号に変換してUSB I/F214またはPS/2 I/F210に接続された装置へ送信する。また、I/Oコントローラ209はUSB I/F214またはPS/2 I/F210から受信した信号を変換しCPU201へ送信する。これにより、MFP Controller200はMFP100とUSB(Universal Serial Bas) I/F313を介して相互に通信することができる。また、MFP Controller200は入力デバイスとしてのキーボード211、マウス212からの入力信号をPS/2 I/F210を介して取得することができる。
【0141】
また、ビデオコントローラ208はCPU201から受信した描画命令に応じて画像データをディスプレイ215に表示できる信号に変換し、ディスプレイ215に送信する。これにより、CPU201はディスプレイ215に対して画面を表示させることができる。
【0142】
MFP Controller200はPC300から送信されるPDLを受信し、記述されたPDLをRIPする。RIP時の算術演算命令は画一的な繰り返し処理を含む。そのため、すべての算術演算命令をCPU201で実行するよりも画像処理命令を処理するのに最適化されたハードウエアによって処理した場合の方が短い実行時間で済む場合が多い。そのため、MFP Controller200はRIPをCPU201と画像処理専用回路204で分担して実行する。もちろん、RIPをCPU201のみで実行してもよい。画像処理専用回路204はASIC(Application Spesific Integrate Circuit)で構成されている。無論、画像処理専用回路204は再構成可能なハードウエア(例えばPLD(Programmable Logic Device))で実装されてもよい。このようにして、CPU201及び画像処理専用回路204において変換されたイメージデータはMFP100へ送信される。
【0143】
本実施形態において、イメージデータの作成はMFP Controller200で実行される。しかしながら、イメージデータの作成はPC300やMFP100で実行されてもよい。以上が本例でのMFP Controllerのハードウエア構成に対する説明である。
【0144】
[フローチャ−トを用いたMFP Controllerの動作説明]
本実施形態では、画像形成システムは図1の(b)のようにPC300とMFP Controller200とMFP100によって構成される。PC300、MFP Controller200及びMFP100はそれぞれROM303、ROM203、ROM103に保存されたプログラムに従い動作する。以下に、情報処理装置としてのMFP Controller200がROM203に保存されているプログラムに従い画像を処理する動作について説明する。ここでは情報処理装置がプログラムによってどのように動作するかを主眼に説明するため、詳しい画像形成のための画像形成システム全体の動作については後述する。
【0145】
本実施形態において、特徴的な処理である画像処理はMFP Controller200のCPU201において実行される。図15は本実施例における画像処理の手順を示すフローチャートである。以下に図15に示すフローチャ−トを用いてCPU201が画像処理を実行する流れを説明する。
【0146】
S201は、ユーザによって指定された「透明画像を合成したい有色画像データ」を示す情報を取得するステップである。制御手段であるCPU201は、有色画像データ取得手段である有色データ取得部152(図3(b)参照)によりユーザが透明画像を合成したいと希望する有色画像データ情報を取得する。
【0147】
S202は、記録材の情報を取得するステップである。CPU201は、記録材情報取得部156(図3(b)参照)により透明画像を合成する記録材の情報を取得する。ここで取得する記録材の情報とは、記録材の種類を指す。
【0148】
S203は、給紙カセットの情報を取得するステップである。CPU201は、カセット情報取得手段として各給紙カセット(カセット80、デッキ60など(図2参照))に設置された各記録材情報を取得する。ここで取得する記録材の情報とは記録材の種類を指す。
【0149】
S204は、ユーザによって指定された「合成したい透明画像データ」を示す情報をNパターン取得するステップである。CPU201は、透明画像データ取得手段である透明データ取得部153(図3(b)参照)によりユーザが合成したいと希望する透明画像データ情報をNパターン取得する。
【0150】
S205では、画像データ生成手段としてのCPU201が、合成サンプル画像データの生成処理を実行する。合成サンプル画像データとは、S204で取得したNパターンの透明画像データをS101で取得した有色画像データに合成し、Nin1で出力するためのサンプル画像データである。
【0151】
S206では、S205で生成されたサンプル画像データをプリンタ部に対して送信することにより、合成サンプル画像データに基づき透明画像と有色画像を形成し定着した記録材(サンプル画像が形成された記録材)を出力させる。この記録材の給紙カセットは、S202で取得した記録材情報に合致する記録材が設置された給紙カセットであり、S203で取得した給紙カセットの記録材情報に基づいて決定される。
【0152】
S207は、ユーザによって指定された透明画像データの情報を取得するステップである。透明画像データとは、S206で出力された出力物に基づいてユーザが合成したいと希望する透明画像データである。即ち、ユーザが複数の合成画像(サンプル画像)を見て、希望の画像を透明画像選択部154により選択する。
【0153】
S208では、S207で取得した透明画像データをプリンタ部に対して送信することにより、元原稿に透明トナーを形成し定着して出力する。
【0154】
このように、透明トナーのテストプリントを自動的に出力することができ、実際の出力物を見て希望の透明画像データを指定することが可能となるため、期待する透明トナーの効果をもった成果物を速やかに得ることができる。
【0155】
本実施形態では、S201からS208のステップをMFP Controller200のCPU201で実行する。しかしながら、S201からS208のステップは画像形成システムを構成する複数の機器内部の異なるCPUによって実行されても良い。つまり、例えば、S201の処理はMFP Controller内部のCPU201で実行され、S202の処理はMFP100内部のCPU101で実行されていても良い。以上がMFP Controller200における特徴的な処理である画像処理に関する説明である。
【0156】
[透明画像データを取得する動作]
本実施形態において、透明画像を形成する領域およびデータ量を示す透明画像データ(本実施形態ではPDLとする)はPC300からMFP Controller200に送信される。なお、透明画像を形成する領域および透明画像データ量を示す画像データはPC300によって指定されればよく、PC300内部のHDD305に保存されている必要は無い。以下にユーザがPC300で透明画像を形成する領域およびデータ量を示す透明画像データを指定するための例を説明する。
【0157】
図16は、「透明画像データに関する情報」の入力をユーザに促す画面の1例を示す図である。図16に示すように、ディスプレイ314にはPC300内部のHDD304内に保存されているファイルがリストとして選択可能に表示される。これにより、ユーザはマウス311等を用いてHDD304内に保存されているファイルの中から透明画像データを示すファイルを指定することができる。即ち、前述の図3(b)の画像領域選択部155に相当する。
【0158】
図16では、B702を選択することで、透明画像データ用ファイルとして「fff.tif」を指定することができる。指定されたファイルはB701に示すように3番目のテストプリント用透明画像データとして選択される。図16では、透明画像データを示すファイルとして「ddd.tif」、「eee.tif」、「fff.tif」、「ggg.tif」の4種類のファイルが選択されている。また、HDD304に保存されているファイル以外のファイルを指定することもできる。
【0159】
なお、透明画像を形成する領域およびデータ量を指定する方法はファイルによる指定に限るものではない。例えば、あらかじめPC300内にプリセットされた音符の印、丸印、三角印、星印などの記号の繰り返し画像パターンから指定しても良い。更に、画像領域だけではなく、トナー載り量も異ならせても良い。例えば、4パターンの画像領域にそれぞれ4パターンのトナー載り量のデータを有するようにさせ、合計16パターンの透明画像データを取得するようにしても良い。この場合、1枚に16パターンのサンプル画像を形成しても良いし、例えば、1枚に4パターンずつ、合計4枚にサンプル画像を形成するようにしても良い。
【0160】
ユーザが前述の設定を反映させたい場合、ユーザはB703(OKボタン)を選択することができ、以上の設定がMFP Controllerに送信された後、指定された4種類の透明トナー用の画像データが生成される。即ち、透明データ取得部153が複数種類(4種類)の透明画像データを取得する。また、ユーザが設定を反映させたくない場合、ユーザはB704(キャンセルボタン)を選択することができる。このようにして、ユーザはPC300を用いて複数の透明トナー画像データを指定することができる。
【0161】
[合成したい透明画像データに関する情報の設定]
図17は、MFP100が合成したいと希望する透明画像データを指定するようユーザに促す画面の1例である。ユーザはS206で出力された合成サンプルを参照して、マウス311等を用いてサンプル番号に対応する好みの透明画像データを選択することができる。すなわち、前述の図3(b)の透明画像選択部154に相当する。本実施形態において、ユーザは「3番 fff.tif」をB801で選択したとする。なお、合成したい透明トナー画像データを指定する方法はこれに限るものではない。
【0162】
ユーザが前述の設定を反映させたい場合、ユーザはB802(OKボタン)を選択することができ、以上の設定がMFP Controllerに送信される。また、ユーザが設定を反映させたくない場合、ユーザはB803(キャンセルボタン)を選択することができる。
【0163】
[テストプリント設定情報に基づく画像形成システムの動作について]
以下に画像形成システムの動作について説明する。前述のように、テストプリント設定情報のうち「透明画像データ」はPC300によって指定される。ユーザはPC300に印刷命令をMFP Controller200に送信させる。本実施例において、透明画像データは「ddd.tif」、「eee.tif」、「fff.tif」、「ggg.tif」の4種類のデータが指定されている。
【0164】
図18はPC300によって処理される画像及び出力される印刷物を説明するための概念図である。以下、図18を用いて、図15に示すフローチャートの各ステップで行われる処理の説明を行う。
【0165】
S201において、MFP Controller200は受信した印刷命令を受信する。図18の(b)は「テストプリント設定」の透明画像指定画面で指定した有色画像データに対応する「ccc.tif」である。
【0166】
S202において、MFP Controller200はユーザが指定した記録材情報を取得する。S203において、MFP Controller200は給紙カセットの記録材情報を取得する。
【0167】
S204において、MFP Controller200はユーザが指定した透明トナー画像データ情報を取得する。これは「テストプリント設定」で指定した透明トナー画像データ「ddd.tif」、「eee.tif」、「fff.tif」、「ggg.tif」に対応し、図18の(a)に示される。
【0168】
本実施形態において、ユーザがカラーおよび透明画像を形成したい領域を指定する画像データ「ccc.tif」はHDD104に保存されている。なお、ユーザが有色および透明画像を形成したい領域を指定する画像データが「tif」等の画像データではなくPDLで記述されている場合、PDLで記述されたファイルはCPU101及び画像処理専用回路106においてRIPされる。これにより、CPU101はPDLで記述された領域にカラーおよび透明トナーを選択的に形成するためのカラーおよび透明画像データを作成することができる。
【0169】
S206においてMFP Controller200はS104で取得したNパターンの透明画像データ(図18(a))をS201で取得した有色画像データ(図18(b))に合成し、Nin1で出力するようなサンプル画像データを生成する。これは図18(c)に示される。
【0170】
MFP Controller200はS206において作成したサンプル画像データ(図18の(c))をプリンタ部115に送信する。また、S202で取得した記録材情報をプリンタ部115に送信する。
【0171】
プリンタ部115は給紙カセットに設置された記録紙に透明画像と有色画像を出力する。これにより、図18の(d)に示す印刷物が出力される。
【0172】
S207において、MFP Controller200はユーザが指定した透明画像データ情報を取得する。MFP Controller200はS204およびS207で指定された画像データをプリンタ部115に送信する。これにより、プリンタ部115は給紙カセットに設置された原稿に透明画像を出力する。ここでは出力する透明画像データとして「fff.tif」が指定されたため、元原稿に「fff.tif」の画像データを出力する。
【0173】
以上説明したように、本例の構成を採用することにより、透明画像データの異なる4パターンのテストプリントを1枚の記録記録材に自動的に出力するモードを持つことで、期待する透明トナーの効果をもった出力物を速やかに得ることができる。また、失敗プリントを防ぐことが可能となり、作業効率を上げることができる。その他の構造及び作用は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0174】
[総括]
以上、様々な実施形態を詳述したが、ここで、本発明の特徴的な処理について総括する。以下、特徴的な処理とは、フローチャート(図4、図15)に示す処理を指す。特徴的な処理は大きく分けて三つの部分で構成されている。一つ目はテストプリントで出力する複数の透明画像データに対応する情報の取得、二つ目はNin1で出力する合成サンプル画像データの取得、三つ目は実際に原稿に出力する透明画像データに対応する情報の取得である。
【0175】
第1の実施形態においては、MFP100によって特徴的な処理が行われた。また、第2の実施形態においては、3つの情報処理装置からなる情報処理システムによって特徴的な処理が行われた。詳しくは、透明画像データの取得はPC300で、行われた。PC300およびMFP100はそれぞれ取得した情報をMFP Controller200に送信する。MFP Controller200は取得したテストプリント設定情報に基づき、透明画像データおよび有色画像データの生成を行った。このように、特徴的な処理は一つの情報処理装置によって実行されても、複数の情報処理装置からなる情報処理システムによって実行されても良い。
【0176】
特徴的な処理の中でも透明画像データを形成する処理を情報処理装置に実行させるためのプログラムは、第1の実施形態において、MFP100内部のROM103に保存されている。また、透明画像データを形成する処理を情報処理装置に実行させるためのプログラムは、第2の実施形態において、MFP Controller200内部のROM203に保存されている。
【0177】
また、この特徴的な処理を実行させるためのプログラムは情報処理システム若しくは情報処理装置に対して遠隔から供給されてもよい。また、情報処理システムに含まれる情報処理装置が情報処理システムの外部の情報処理装置に保存されているプログラムコードを読み出して実行してもよい。
【0178】
つまり、情報処理装置にインストールされるプログラム自体も前述の処理を実現させるものである。なお、プログラムによって情報処理装置が前述の処理を実行する限りにおいて、プログラムの形態を限定しない。
【0179】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、記録媒体としては、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0180】
また、MFP100においては、プログラムはI/F114を介してネットワークからダウンロードしてもよい。また、MFP Controller200及びPC300においては、プログラムはブラウザを用いてインターネットのホームページからダウンロードしてもよい。すなわち、該ホームページからプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードしてもよいのである。また、前述の処理を実行するためのプログラムを構成するプログラムを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、プログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバは構成要件となる可能性がある。
【0181】
また、プログラムファイルを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布してもよい。この場合、所定条件をクリアしたユーザにのみ、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報で暗号化されたプログラムを復号して実行し、プログラムを情報処理装置にインストールしてもよい。
【0182】
なお、そのプログラムの指示に基づき、情報処理装置上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ってもよい。
【0183】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、情報処理装置に挿入された機能拡張ボードや情報処理装置に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ってもよい。
【符号の説明】
【0184】
2・・・手差し給送トレイ(収容部)、60・・・デッキ(収容部)、80・・・カセット(収容部)、100・・・MFP(画像形成装置)、101・・・CPU(制御手段)、116・・・スキャナ部(画像読取部)、150・・・有色画像形成手段、151・・・透明画像形成手段、152・・・有色データ取得部、153・・・透明データ取得部、154・・・透明画像選択部、155・・・画像領域選択部、156・・・記録材情報取得部、157・・・収容部選択部、200・・・MFP Controller、201・・・CPU(制御手段)、300・・・PC、301・・・CPU(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有色トナーにより記録材に有色画像を形成する有色画像形成手段と、
透明トナーにより記録材に透明画像を形成する透明画像形成手段と、を備え、
前記有色画像形成手段により記録材に形成された有色画像、或いは、予め記録材に形成された有色画像の上に、前記透明画像形成手段により透明画像を重ねて形成する画像形成装置において、
有色画像データを取得する有色データ取得部と、
複数種類の透明画像データを取得する透明データ取得部と、
前記透明データ取得部により取得した複数種類の透明画像データから何れかの透明画像データを選択する透明画像選択部と、
前記有色画像形成手段及び前記透明画像形成手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記有色画像形成手段により、前記有色データ取得部で取得した有色画像データに基づいて、前記透明データ取得部で取得した前記複数種類の透明画像データと同数の有色画像を縮小して、これら複数の有色画像よりも少ない数の記録材に形成し、前記透明画像形成手段により、前記複数種類の透明画像データに基づく透明画像を縮小して、前記複数の有色画像の上にそれぞれ重ねて形成した、複数の合成画像を出力するテストモードを有し、
前記透明画像選択部は、前記テストモードで出力した複数の合成画像から選択した合成画像に対応した透明画像データを選択可能である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記テストモードで出力する複数の合成画像を、1枚の記録材に形成する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記透明データ取得部は、所定の画像領域を有してトナー量がそれぞれ異なる複数の透明画像データを取得する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数種類の画像領域から前記所定の画像領域を選択する画像領域選択部を有する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記透明データ取得部は、画像領域が異なる複数の透明画像データを取得する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録材に形成された画像を読み取る画像読取部を有し、
有色データ取得部は、記録材に形成された有色画像を前記画像読取部で読み取ることにより有色画像データを取得する、
ことを特徴とする、請求項1ないし5のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
それぞれが材質の異なる記録材を収容する複数の収容部と、
有色画像が形成された記録材の情報を取得する記録材情報取得部と、
前記複数の収容部から、前記記録材情報取得部により取得した記録材情報に見合った記録材を収容する収容部を選択する収容部選択部と、を有し、
前記制御手段は、前記収容部選択部により選択した収容部に収容された記録材に、前記テストモードで出力する複数の合成画像を形成する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記透明画像形成手段により、前記画像読取部で読み取った記録材に形成された有色画像の上に、前記透明画像選択部により選択した透明画像データに基づく透明画像を重ねて形成する、
ことを特徴とする、請求項6又は7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−3315(P2013−3315A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133566(P2011−133566)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】