説明

画像形成装置

【課題】 装置内で記録材の表裏を反転させて転写手段へ搬送し両面印刷する自動両面印刷機能を持たない画像形成装置においては、定着手段の加圧ローラのクリーニング手法として、十分なクリーニング性能を有し、且つ、ユーザビリティが良好なものがなかった。
【解決手段】 加圧ローラのクリーニングモードとして、像担持体上のクリーニング用のトナー像を転写手段の上に一旦転写し、転写手段上に転写したクリーニング用のトナー像を記録材の加圧ローラと接触する面に転写した後、定着ニップ部に記録材を挟持搬送することで加圧部材の汚れを除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の複写機又はプリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置における定着手段は、転写紙、OHP等の記録材上に転写された未定着トナー像を記録材上に定着させるために広く利用されている。定着手段は、加熱体と、加熱体と共に定着ニップ部を形成する加圧部材と、を有し、未定着トナー像を担持した記録材を定着ニップ部で搬送しながら加熱し、未定着トナー像を加熱溶融して記録材に定着する。
【0003】
定着手段としては、記録材上の未定着トナー像の全てが加熱体により加熱溶融されて記録材に定着されることが理想である。しかしながら、実際には、溶融しきらないトナー、溶融しすぎたトナーが記録材表面から加熱体にオフセットすることがある。記録材表面から加熱体の表面にオフセットしたトナーは、加熱体の表面から加圧部材表面へと転移して加圧部材の表面の汚れの原因となる場合がある。
【0004】
また、熱ローラ方式やフィルム加熱方式等の定着手段においては、加熱体よりも加圧部材の表面に汚れが蓄積し易い。定着手段では、プリント時に未定着トナー像を記録材に定着させるため、記録材上の未定着トナー像担持面と接触する加熱体の表面は、トナーの軟化点以上の温度にする。そのため、加熱体の表面にオフセットして付着したトナーは、その次のプリント時にトナーの軟化点以上に加熱され、通紙された記録材表面に吐き出される。また、加熱体の表面から記録材の表面に吐き出されるトナーに付着する形で、加熱体の表面に付着していた紙の繊維や炭酸カルシウムといった紙粉も記録材上に吐き出される。そのため、加熱体の表面には汚れが蓄積しづらい。
【0005】
これに対し、加圧部材の表面は記録材の未定着のトナー像担持面とは接触しないため、プリント時においても加圧部材の表面の温度は必ずしもトナーの軟化点以上の温度にする必要は無い。また、省エネルギーの観点からも加圧部材の表面の温度を必要以上に高くしないことが望ましいとされる。従って、プリント時の加圧部材の表面の温度はトナーの軟化点以下になっていることが多い。そのため、加圧部材の表面に付着しているトナーは軟化点以上に加熱されることは少なく、記録材への接着力が小さいため、プリント時に定着ニップ部で記録材が搬送されても、加圧部材の表面のトナーは記録材上に吐き出されにくい。更に、トナーと共に記録材から発生した紙粉が加圧体の表面に付着した場合、トナーのみが付着した場合に比べて粘性が小さくなり、より記録材上に吐き出されづらい。そのため、加圧部材の表面にはトナーと紙粉が残留し、それが蓄積し易い。これは、記録材のトナー印字面が加圧部材の表面に接触する機会の少ない、装置内で記録材の表裏を反転させて転写手段へ搬送し両面印刷する自動両面印刷機能を持たない画像形成装置で特に顕著である。
【0006】
そこで、加圧ローラのクリーニング手法として、特許文献1のように、ベタ白の記録材を定着ニップにて挟持し、回転と停止とを繰り返しながら搬送するものが知られている。特に、停止時に加圧部材表面の温度を加圧部材表面の汚れに含まれているトナーが軟化点以上になるように加熱することで、汚れの記録材に対する接着力を大きくし、記録材上に加圧部材の表面汚れを吐き出させ易くしている。
【0007】
しかしながら、加圧部材の表面に付着した汚れに含まれるトナー比率が小さいと、前述のように汚れ中のトナーを軟化点以上に加熱して汚れ中のトナーの粘性を大きくしても、汚れ全体としての粘性は小さいままである。よって、加圧部材の表面に付着した汚れの記録材の表面への接着力を十分に得ることができず、クリーニング性能が十分でない場合があるという課題があった。
【0008】
上記の課題に対して、特許文献2には、加圧部材のクリーニングペーパーとしてのベタ画像を定着した記録材を印字し、ユーザーが排出された記録材の表裏を反転させ、再度、画像形成装置に通紙させる加圧部材のクリーニング手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−047509
【特許文献2】特開平3−58074
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献2のものは、加圧ローラの汚れの中のトナー比率が小さい場合でも、加圧ローラの汚れの記録材に対する接着力は大きく、クリーニング性能は見込める。
【0011】
しかしながら、装置内で記録材の表裏を反転させて転写手段へ搬送し両面印刷する自動両面印刷機能を持たない画像形成装置においては、ユーザーの作業が必要であり、ユーザビリティが良くないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と共に転写ニップ部を形成し、前記転写ニップ部でトナー像を前記像担持体から記録材に転写する回転可能な転写手段と、加熱体と、前記加熱体と共に定着ニップ部を形成する回転可能な加圧部材と、を有し、前記定着ニップ部でトナー像が転写された記録材を搬送しながら加熱しトナー像を記録材に定着する定着手段と、を有し、クリーニング用のトナー像を記録材に転写し、前記定着ニップ部で前記クリーニング用のトナー像が転写された記録材を搬送することで、前記加圧部材のクリーニングを行うクリーニングモードを実行できる画像形成装置において、前記クリーニングモードが実行されると、前記転写ニップ部で、前記クリーニング用のトナー像を前記像担持体から前記転写手段に転写し、続いて前記転写手段から記録材の前記加圧部材と接触する面に転写し、前記定着ニップ部で、前記クリーニング用のトナー像を転写した記録材を搬送することで、前記加圧部材のクリーニングを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装置内で記録材の表裏を反転させて転写手段へ搬送し両面印刷する自動両面印刷機能を持たない画像形成装置においても、十分なクリーニング性能を有し、且つ、ユーザビリティが良好な加圧ローラクリーニングが実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用可能な第1の実施例にかかる画像形成装置を説明する図である。
【図2】本発明を適用可能な第1の実施例にかかる定着手段を説明する図である。
【図3】本発明を適用可能な第1の実施例にかかるクリーニングモードを説明する図である。
【図4】本発明を適用可能な第2の実施例にかかるクリーニングモードを説明する図である。
【図5】本発明を適用可能な第3の実施例にかかる画像形成装置を説明する図である。
【図6】本発明を適用可能な第3の実施例にかかるクリーニングモードを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施例1)
実施例1で用いる画像形成装置について説明する。図1(a)は実施例1で用いる画像形成装置Pを示したものである。画像形成装置Pは、略直線状に配列された4つの画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kと、を備えている。4つの画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kのうち、3Yはイエロー(以下Yと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。3Mはマゼンタ(以下Mと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。3Cはシアン(以下Cと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。3Kはブラック(以下Kと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kは、第一の像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと記す)4Y,4M,4C,4Kと、帯電手段としての帯電ローラ5Y,5M,5C,5Kを有している。また、各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kは、露光手段としての露光装置6と、現像手段としての現像装置7Y,7M,7C,7Kと、感光体ドラムクリーニング手段としてのクリーニング装置8Y,8M,8C,8Kを有している。画像形成に際し、画像形成ステーション3Yでは感光体ドラム4Yが矢印方向に回転される。まず感光体ドラム4Yの外周面(表面)は帯電ローラ5Yにより一様に帯電され、その感光体ドラム4Yの表面の帯電面に露光装置6により画像情報に応じたレーザ光が照射されて静電潜像が形成される。この潜像は現像装置7YによりYトナーを用いて顕像化されYトナー像となる。これにより、感光体ドラム4Yの表面にYトナー像が形成される。画像形成ステーション3M,3C,3Kにおいても同様の画像形成プロセスが行なわれる。これにより、感光体ドラム4M表面にMトナー像が、感光体ドラム4C表面にCトナー像が、感光体ドラム4K表面にKトナー像が、それぞれ形成される。実施例1では感光体ドラム4は負帯電性の有機光導電体であり、使用されるトナーは負極性トナーである。
【0016】
画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kの配列方向に沿って設けられている第二の像担持体としてのエンドレスの中間転写ベルト9は、駆動ローラ9aと、従動ローラ9bと、補助ローラ9cとに張架されている。駆動ローラ9aは、図1中の矢印方向に回転する。これにより、中間転写ベルト9は、各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kに沿って後述するプロセス速度で回転移動される。この中間転写ベルト9の外周面(表面)には、中間転写ベルト9を挟んで感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kと対向配置されている第一の転写手段としての一次転写ローラ10Y,10M,10C,10Kにより、各色のトナー像が順次重ね転写される。これによって、中間転写ベルト9の表面にフルカラーのトナー像が形成される。一次転写後に感光体ドラム4Y,4M,4C,4K表面に残った転写残トナーは、クリーニング装置8Y,8M,8C,8Kに設けられている不図示のクリーニングブレードにより除去される。これにより感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kは次の画像形成に供される。一方、画像形成装置Pの下部に設けられた給送カセット11に積載収納されている記録材18は、給送ローラ12によって給送カセット11から一枚ずつ分離給送され、レジストローラ対13に給送される。レジストローラ対13は、中間転写ベルト9上に形成されたトナー像に同期して記録材18を中間転写ベルト9と二次転写ローラ14とが形成する二次転写ニップ部に搬送する。二次転写ニップ部を通過する記録材18は中間転写ベルト9表面からフルカラーのトナー像が二次転写される。その後、未定着のトナーを担持した記録材18は定着手段Fに搬送され、定着手段Fで加熱及び加圧されることで、トナー像が記録材18上に定着される。その後記録材18は、定着手段Fから画像形成装置P外部の排出トレイ15へ排出される。二次転写後に中間転写ベルト9表面に残った転写残トナーは、中間転写ベルトのクリーニング装置16により除去される。これにより中間転写ベルト9は次の画像形成に供される。
【0017】
次に、実施例1で用いた二次転写部の構成及び二次転写動作について説明する。二次転写部は中間転写ベルト9と中間転写ベルト9を張架する従動ローラ9b、及び中間転写ベルト9を挟んで従動ローラ9bと対向するように配置した回転可能な第二の転写手段としての二次転写ローラ14とから構成される。二次転写ローラ14には、正負両極性の電圧を印加可能な電源21が接続されている。中間転写ベルト9は外周が約700mmであり、厚みが約100μmのポリフッ化ビニリデン(PVDF)から成る。中間転写ベルト9の体積抵抗率は約5×1010Ωcmである。二次転写ローラ14はステンレス製の外径8mmの芯金と芯金の外側に形成された厚み7mmのNBRヒドリンの発砲ゴムから成り、外径は22mmである。二次転写ローラ14の抵抗値は、30rpmで回転する直径30mmのアルミニウム製シリンダに1kgfの圧力で押圧した状態で、1kV印加した時に4×10Ωである。
【0018】
二次転写ローラ14は、駆動ローラ9aの駆動に伴い回転移動する中間転写ベルト9に従動され回転する。トナー像の中間転写ベルト9から記録材18への二次転写に際し、二次転写ローラ14には電源21によりトナーと逆極性のバイアスが印加される。二次転写終了後、二次転写ローラ14に電源21より正負両極性の電圧を交互に数回印加することで、カブリ等により付着したトナーを中間転写ベルト9上に吐き出すクリーニング動作をおこなう。この二次転写ローラクリーニング動作は、印刷ジョブと印刷ジョブの間欠時間中に行われる。
【0019】
次に、実施例1で用いる定着手段について説明する。図2は実施例1における定着手段の構成を示した図である。加熱体として、フィルム2と、フィルム2の内周面と接触してフィルム2を加熱するヒータ171を有する。更に、回転可能な加圧部材としての加圧ローラ1を有し、加圧ローラ1は、フィルム2を介してヒータ171と共に定着ニップ部を形成する。その定着ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱し、トナー像を記録材上に定着する。
【0020】
フィルム2は外径18mmの筒状のもので、ステンレス基層2aの外側に厚み約200umのシリコーンゴムで形成された弾性層2bを有したものである。更に、その外側に厚さ30μmのテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)からなる離型層2cを順次設けている。
【0021】
加圧ローラ1は、ステンレス製の外径13mmの芯金1aの外側に、厚み約3.5mmシリコーンゴムの弾性層1bを形成し、さらにその外側に厚さ約50μmのPFAからなる離型層1cを設けた構成から成る。従って、実施例1では、加圧ローラ1の外周は、二次転写ローラ14の外周よりも短い。
【0022】
ヒータ171は、平板状のセラミックヒータである。ヒータ171のフィルム2と接触する面には、通電によって発熱する発熱抵抗体(不図示)が形成されている。また、ヒータ171のフィルム2と接触する面と反対側の面は、ヒータホルダ172に保持されている。また、ヒータ171のヒータホルダ172に支持されている面上には、サーミスタ等の温検素子(温度検知手段)174が設けられている。通電制御部(不図示)は、温検素子174の出力信号に基づいてヒータ171が目標温度になるように発熱抵抗体層(不図示)への通電を制御する。これによってフィルム2の表面は所定の温調温度に維持される。ヒータホルダ172は、ステー173に支持されている。
【0023】
駆動制御手段(不図示)は、プリント指令に応じて、図2に示すように加圧ローラ1を所定の周速度で矢印方向へ回転させる。加圧ローラ1の周速度は、画像形成の速度であるプロセス速度より速い第一の周速度とプロセス速度より遅い第二の周速度との切り替えが可能となっている。二次転写ニップ部と定着ニップ部間での記録材18の搬送姿勢(ループ量)により、第一の周速度もしくは第二の周速度を選択することで、記録材のこしの違いに依らず安定した記録材の搬送が可能となっている。
【0024】
ここで、プロセス速度について説明する。実施例1の画像形成装置は、印刷する記録材の種類(厚み又は坪量)に応じて3種類のプロセス速度を有しており、プロセス速度ごとに、それぞれ第一及び第二の加圧ローラ1の周速度が異なる。3種類のプロセス速度は、全速:120mm/sec、半速:60mm/sec、1/3速:40mm/secである。加圧ローラ1の回転駆動に伴い、定着ニップ部20における加圧ローラ1の表面とフィルム2の表面との摩擦力により、フィルム2は矢印方向に回転する。
【0025】
加圧ローラ1及びフィルム2の回転が安定し、かつ、ヒータ171の温度が温調温度に維持された後、未定着トナー画像19を担持した記録材18は定着ニップ部20に入る。記録材18は定着ニップ部20で加圧ローラ1の表面とフィルム2の表面とにより挟持搬送される。搬送過程で記録材18にフィルム2の熱と定着ニップ部20の圧が加えられ、未定着トナー画像19は記録材18の表面に加熱定着される。未定着トナー画像19が加熱定着された記録材18はフィルム2の表面から曲率分離して定着ニップ部20から排出される。
【0026】
実施例1における加圧ローラのクリーニングモードの概要について図1(b)を用いて説明する。実施例1では、中間転写ベルト9上に形成したクリーニング用のトナー像としてのベタ黒画像を電源21から二次転写ローラ14にトナーと逆極性(正極性)の電圧を印加することで二次転写ローラ14上に転写する(図1(b)I)。ここでは、ベタ黒画像を二次転写ローラ14に転写した後(図1(b)II)、二次転写ニップ部に記録材を搬送する(図1(b)III)。二次転写ニップ部で記録材を挟持搬送した状態で、二次転写ローラ14にトナーと同極性(負極性)の電圧を印加することで、記録材の加圧ローラ1と接触する面にトナーを逆転写する(図1(b)IV)。その後、加圧ローラ1と接触する面にトナー像が転写された記録材を定着ニップ部で挟持搬送することで加圧ローラ1のクリーニングを行う(図1(b)V)。
【0027】
図3を用いて実施例1における加圧ローラのクリーニングモードの詳細について説明する。まず、サーミスタの検知温度が常温になるまで画像形成装置を放置することで、加圧ローラ1の表面温度を少なくとも常温付近にまで冷却する。加圧ローラ1が常温付近まで冷却されることで、後述の工程において記録材18を挟持搬送した際に、記録材の加圧ローラと接触する面に担持された未定着トナーが加圧ローラ1にオフセットすることを抑制することができる。次に第一の温調温度(前回転温調温度)170℃、加圧ローラ1の回転速度120mm/sec(全速)にて60秒間の加圧ローラ1の回転を行う。これと並行して中間転写ベルト9は回転移動速度40mm/sec(1/3速)にて駆動を開始する。その後、感光体ドラム4Kより中間転写ベルト9上に中間転写ベルト9の移動方向(プロセス方向)に約140mm(二次転写ローラ14の外周の2倍相当)、プロセス方向に直交する方向に約200mmのベタ黒画像を形成する。ベタ黒画像のプロセス方向の長さは、二次転写ローラ14から記録材18への転写性に応じて変えても良い。ベタ黒画像の後端から中間転写ベルト9の移動方向で10mm上流側には、ユーザーにクリーニングモードによって排紙される記録材がクリーニングペーパーであることを示す文字等(例:「CleanIng Page」等)を形成している。この時、クリーニング用紙として使用される記録材18は給紙カセット11よりピックアップされ、レジストローラ対13に挟持された状態で待機する。二次転写ローラ14には電源21より第1の転写バイアスとしてのトナーと逆極性の電圧が印加される。中間転写ベルト9が移動して、中間転写ベルト9上に形成されたベタ黒画像は、二次転写ニップ部に突入する。二次転写ニップ部に突入したベタ黒画像は、二次転写ローラ14に印加された第1の転写バイアスにより二次転写ローラ14上に転写される。実施例1において第1の転写バイアスは画像形成装置の設置された環境温度、または環境湿度に応じて変更しても良い。中間転写ベルト9上のベタ画像の終端が二次転写ニップ部に到達するのに合わせて、レジストローラ対13により記録材18が二次転写ニップ部に搬送される。これによって、中間転写ベルト9上に形成していたベタ黒画像は二次転写ローラ14上に転写される。そして、上述のユーザーにクリーニングペーパーであることを示す文字(例:「CleanIng Page」等)は記録材18のフィルム2と接触する側の面に接することになる。この時、記録材18の先端が二次転写ニップ部に突入するタイミングで二次転写ローラ14には電源21よりトナー保持バイアスとして、トナーと逆極性の電圧が印加される。トナー保持バイアスは第1の転写バイアス同様に画像形成装置の設置された環境温度、又は環境湿度に応じて変更しても良い。また、トナー保持バイアスは二次転写ローラ14と中間転写ベルト9とが記録材18を挟持した状態で印加されるため、第1の転写バイアスと同等以上の電圧であることが望ましい。トナー保持バイアスの印加により二次転写ローラ14上に転写したトナーは二次転写ローラ14上に保持され、前述の文字等の画像は、記録材18のフィルム2と接触する側の面に転写される。記録材18の先端が二次転写ニップ部を通過し、定着ニップ部に到達するまでのタイミングで加圧ローラ1を減速する。この時、加圧ローラ1の回転速度は、1/3速のプロセス速度における第一の駆動速度とする。即ち、定着ニップ部に進入し、定着ニップ部で挟持搬送される記録材18の先端は中間転写ベルト9の回転移動速度に比して速い速度にて搬送される。具体的には、中間転写ベルト9の回転移動速度の103%の速度で搬送される。これには、記録材18のループ量を減少させることで後述の工程において記録材18の加圧ローラ1と接触する側の面に担持された未定着トナーが搬送路に付着することによる記録材18の先後端汚れを抑制するためである。記録材18の先端が定着ニップ部に突入するタイミングでヒータ171は第二の温調温度(紙中温調)120℃に制御される。記録材18が定着ニップ部及び二次転写ニップ部で挟持搬送され、記録材18の先端が二次転写ニップ部に進入してから約200mm通過したタイミングで二次転写ローラ14には電源21より第2の転写バイアスとしてのトナーと同極性の電圧が印加される。実施例1においては、第2の転写バイアスは第1の転写バイアスと同様に画像形成装置の設置された環境温度、又は環境湿度に応じて変更しても良い。これにより、二次転写ローラ14上に保持されていたトナーを記録材18の加圧ローラ1と接触する側の面に転写することができる。第2の転写バイアスは記録材18の後端が二次転写ニップ部を通過する10mm手前まで印加する。第2の転写バイアス印加終了後には再びトナー保持バイアスを記録材18が二次転写ニップ部を通過するまで印加する。記録材18の後端が二次転写ニップ部を通過した後、二次転写ローラ14のクリーニング動作を実行する。加圧ローラクリーニング動作の実行後の二次転写ローラ14のクリーニング動作は、上述した通常の二次転写ローラクリーニング動作に比して、長時間のクリーニングを行う。具体的には、電源21より正負両極性の電圧を交互に二次転写ローラ14に印加し二次転写ローラ14に付着したトナー及び、極性の反転したトナーの吐き出しを行う。印加する電圧は+1000V、−1000Vであり、二次転写ローラ14の回転周期に合わせて印加電圧の極性を反転させる。加圧ローラのクリーニングを行った場合の二次転写ローラクリーニング動作では、中間転写ベルト9の回転移動速度を全速のプロセス速度に加速し、二次転写ローラ14への印加電圧の極性反転を60回行う。
【0028】
記録材18の後端が二次転写ニップ部を通過したタイミングで、加圧ローラ1は回転駆動を停止し、後述するステップ送りを実行する。ステップ送りとは、フィルム2と加圧ローラ1とが形成する定着ニップ部で記録材18を挟持し、加圧ローラ1の回転駆動と停止を繰り返しながら記録材18を搬送する工程である。ステップ送り工程において、加圧ローラ1の回転駆動時間は100msecであり、この時の記録材18の搬送量は凡そ5mmである。停止時間は5secである。回転停止中、ヒータ171は、第三の温調温度(ステップ高温調)130℃と第四の温調温度(ステップ低温調)100℃で制御される。ステップ高温調時間は1200msecであり、ステップ低温調は3800msecである。この制御により、ステップ高温調で加圧ローラ1上に堆積した汚れの表面を記録材18の加圧ローラ1と接触する面に担持された未定着トナーとともに溶融し、ステップ低温調で記録材18に固定する。記録材18の加圧ローラ1と接触する側の面に固定された加圧ローラ1上の汚れは、次のステップ送りにより加圧ローラ1表面より除去される。
【0029】
以上述べたように、実施例1で実施できるクリーニングモードは、装置内で記録材の表裏を反転させて転写手段へ搬送し両面印刷する自動両面印刷機能を持たない画像形成装置においても、十分なクリーニング性能を有し、且つ、ユーザビリティが良い。
【0030】
(実施例2)
実施例2では、実施例1と異なる部分のみ説明する。説明のない部分については、実施例1と同様である。
【0031】
実施例2では、実施例1とは異なり、二次転写ローラ14の外周が加圧ローラ1の外周よりも短い。実施例2の二次転写ローラ14はステンレス製の外径6mmの芯金と芯金の外側に形成された厚み6mmのNBRヒドリンゴムから成り、外径は18mmである。従って、記録材上に転写するクリーニング用のトナー像が二次転写ローラ14の外周と同じ長さであると、そのクリーニング用のトナー像を加圧ローラ1の全周のうち一部で接触させることができないという課題がある。
【0032】
尚、二次転写ローラ14の外周と加圧ローラ1の外周の差がそれほど大きくない場合には、実用上は問題がない場合が多い。加圧ローラ1の外周でクリーニング用のトナー像が接触する領域は、毎回同じとは限らず、加圧ローラ1の外周面の一部がクリーニング不十分で汚れがあったとしても、その一部の汚れは次回以降のクリーニングモードの実行で除去されるからである。
【0033】
しかしながら、実施例2の構成で一度のクリーニングで、加圧ローラ1の全周にわたってクリーニングをする必要がある場合には、二次転写ローラ14に転写したベタ黒画像を記録材18への転写するためのバイアスの制御を実施例1とは異なるものに変更する。その加圧ローラのクリーニングモードについて図4を用いて説明する。
【0034】
実施例2では、二次転写ローラ14から記録材18の加圧ローラ1に接触する側の面への転写を行う際のバイアスを転写中に複数段階で切り替える。そうすることで、記録材の加圧ローラ1に接触する面に転写するクリーニング用のトナー像の長さを加圧ローラ1の外周以上にする。
【0035】
例えば、二次転写ローラ14から記録材18の加圧ローラ1に接触する側の面への転写を行う際のバイアスとして、第3の転写バイアスと第4の転写バイアスの二種類を用いて切り替える。第3の転写バイアスの絶対値は、第4の転写バイアスの絶対値よりも小さくする。第3及び第4の転写バイアスは、実施例1と同様、画像形成装置の設置された環境温度、又は環境湿度に応じて変更しても良い。第3の転写バイアスの印加タイミングは実施例1と同様に記録材18の先端が二次転写ニップ部に進入してから約200mm通過したタイミングである。第3の転写バイアスから第4の転写バイアスへ切り替えるタイミングは記録材18の先端が二次転写ニップ部に進入してから約210mm通過したタイミングである。
【0036】
実施例2では、二つの転写バイアスを設定することで、濃度は不均一であるものの、二次転写ローラ14の外周以上の長さのクリーニング用のトナー像を記録材18の加圧ローラ1と接触する側の面に転写することができた。これにより、実施例2のように二次転写ローラ14の外周が加圧ローラ1の外周よりも小さい場合でも、加圧ローラ1の全周に渡ったクリーニングが可能になる。
【0037】
以上、実施例2の加圧ローラのクリーニングモードでは、二次転写ローラの外周が加圧ローラの外周よりも小さい場合においても、加圧ローラ1の全周に渡って効果的なクリーニングが実行できる。その他効果については、実施例1と同じなので説明を省略する。
【0038】
(実施例3)
実施例3で用いた画像形成装置について説明する。図5は実施例3で用いた画像形成装置Pを示したものである。実施例3の画像形成装置は、略直線状に配列された4つの画像形成ステーション103Y,103M,103C,103Kと、を備えている。4つの画像形成ステーション103Y,103M,103C,103Kのうち、103Yはイエロー(以下Yと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。103Mはマゼンタ(以下Mと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。103Cはシアン(以下Cと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。103Kはブラック(以下Kと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。
【0039】
各画像形成ステーション103Y〜103Kは、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと記す)104Y〜104Kと、帯電手段としての帯電ローラ105Y〜105Kを有している。また、各画像形成ステーション103Y〜103Kは、露光手段としての露光装置106と、現像手段としての現像装置107Y〜107Kと、感光体ドラムクリーニング手段としてのクリーニング装置108Y〜108Kを有している。画像形成に際し、画像形成ステーション103Yでは感光体ドラム104Yが矢印方向に回転される。まず感光体ドラム104Yの外周面(表面)は帯電ローラ105Yにより一様に帯電され、その感光体ドラム104Yの表面の帯電面に露光装置106により画像情報に応じたレーザ光が照射されることによって静電潜像が形成される。この潜像は像装置107YによりYトナーを用いて顕像化されYトナー像となる。これにより、感光体ドラム104Yの表面にYトナー像が形成される。画像形成ステーション103M,103C,103Kにおいても同様の画像形成プロセスが行なわれる。これにより、感光体ドラム104Mの表面にMトナー像が、感光体ドラム104C表面にCトナー像が、感光体ドラム104K表面にKトナー像が、それぞれ形成される。実施例3では感光体ドラム104は負帯電性の有機光導電体であり、使用されるトナーは負極性トナーである。
【0040】
画像形成ステーション103Y,103M,103C,103Kの配列方向に沿って設けられている回転可能な転写手段としての記録材搬送ベルト109は、駆動ローラ109aと、従動ローラ109bとに張架されている。駆動ローラ109aは、図6中矢印方向に回転する。これにより、記録材搬送ベルト109は、各画像形成ステーション103Y,103M,103C,103Kに沿ってプロセス速度で回転移動される。記録材搬送ベルト109の内側で、感光体ドラム104Y,104M,104C,104Kに対向する位置には、それぞれ、転写部材としての転写ローラ110Y,110M,110C,110Kが配置されており、転写ニップ部を形成する。各転写ローラ110Y,110M,110C,110Kには、正負両極性の電圧を印加可能な電源121Y,121M,121C,121Kが接続されている。
【0041】
記録材搬送ベルト109は外周が約560mmであり、厚みが約100μmのポリフッ化ビニリデン
(PVDF)から成る。記録材搬送ベルトの体積抵抗率は約5×1010Ωcmである。
【0042】
転写ローラ110はステンレス製の外径6mmの芯金と芯金の外側に形成された厚み4mmのNBRヒドリンの発砲ゴムから成る。転写ローラ110の抵抗値は、30rpmで回転する直径30mmのアルミニウム製シリンダに1kgfの圧力で押圧した状態で、1kV印加した時に5×10Ωである。転写ローラ110は駆動ローラ109aの駆動に伴い回転移動する記録材搬送ベルト109に従動され回転する。
【0043】
一方、画像形成装置Pの下部に設けられた給送カセット111に積載収納されている記録材18は、給送ローラ112によって給送カセット111から一枚ずつ分離給送され、レジストローラ対113に給送される。レジストローラ対113は、感光体ドラム104上に形成されたトナー像に同期して記録材18を記録材搬送ベルト109上に搬送する。記録材搬送ベルト109上に吸着されて搬送される記録材18には4つの感光体ドラム104Y,104M,104C,104Kより各色のトナー像が順次重ね転写される。これにより記録材上にはフルカラーのトナー像が転写される。
【0044】
記録材18へ転写した後に感光体ドラム104Y,104M,104C,104Kの表面に残った転写残トナーは、クリーニング装置108Y,108M,108C,108Kに設けられている不図示のクリーニングブレードにより除去される。これにより感光体ドラム104Y,104M,104C,104Kは次の画像形成に供される。
【0045】
その後、未定着のトナーを担持した記録材18は定着手段Fに搬送され、定着手段Fで加熱及び加圧されることで、トナー像を記録材18上に加熱定着される。ブラック色の画像形成ステーション103Kの転写ニップ部から定着ニップ部までの搬送距離は約80mmである。その後記録材18は、定着手段Fから画像形成装置(プリンタ)P外部の排出トレイ115へ排出される。
定着手段については、実施例1と同様のため説明を省略する。
【0046】
実施例3の加圧ローラクリーニングモードについて図6を用いて説明する。まず、サーミスタ検知温度が常温になるまで画像形成装置を放置することで、加圧ローラ1の表面温度を少なくとも常温付近にまで冷却する。次に第一の温調温度(前回転温調温度)170℃、加圧ローラ1の回転速度120mm/sec(全速)にて60秒間の加圧ローラ1の回転を行う。
【0047】
これと並行して記録材搬送ベルト109は回転移動速度40mm/sec(1/3速)にて駆動を開始する。転写ローラ110には電源121より正転写バイアスとしてのトナーと逆極性の電圧が印加されている。その後、感光ドラム104Kより記録材搬送ベルト109上にプロセス方向に約65mm、長手方向に約200mmのベタ黒画像を形成する。本実施例において正転写バイアスは画像形成装置の設置された環境温度、又は環境湿度に応じて変更しても良い。
【0048】
この時、実施例3の加圧ローラのクリーニングモードにおいて、クリーニング用紙として使用される記録材18は給紙カセット111よりピックアップされ、レジストローラ対113に挟持された状態で待機している。
【0049】
記録材搬送ベルト109はその表面にベタ黒画像を担持した状態で周回する。記録材搬送ベルト109が表面にベタ黒画像を担持し周回している間、転写ローラ110には逆転写バイアスとしてのトナーと同極性の電圧が印加されている。実施例3においては、逆転写バイアスは画像形成装置の設置された環境温度、又は環境湿度に応じて変更しても良い。レジストローラ対113はイエロー色の画像形成ステーション103Yの転写ニップ部において、記録材18の先端から220mmの位置と記録材搬送ベルト109上のベタ黒画像の先端とが一致するように記録材18を搬送する。
【0050】
これによって、記録材搬送ベルト109に形成していたベタ黒画像を記録材18の加圧ローラと接触する面に転写することができる。逆転写バイアスは、各々の画像形成ステーションで、記録材18の後端が転写ニップ部を通過する凡そ10mm手前まで印加する。第2の転写バイアス印加終了後には再び正転写バイアスを記録材18が転写ニップ部を通過するまで印加する。
【0051】
記録材18の後端がブラック色の画像形成ステーション103Kの転写ニップ部を通過した後、記録材搬送ベルト109のクリーニング動作を実行する。
【0052】
記録材18の先端がブラック色の画像形成ステーション103Kの転写ニップ部を通過し、定着ニップ部に到達するまでのタイミングで、加圧ローラ1の回転速度を、1/3速のプロセス速度における第一の駆動速度にする。即ち、定着ニップ部に記録材18が進入し、定着ニップ部で挟持搬送される記録材18の先端は記録材搬送ベルト109の回転移動速度に比して高い速度にて搬送される。具体的には、記録材搬送ベルト109の回転移動速度の103%の速度で搬送される。これには、記録材18のループ量を減少させることで後述の工程において記録材18の裏面に担持された未定着トナーが搬送路に付着することによる記録材18の先後端汚れを抑制する狙いがある。記録材18の先端が定着ニップに突入するタイミングにてセラミックヒータ171は第二の温調温度(紙中温調)120℃に制御される。
記録材18の後端がブラック色の画像形成ステーション103Kの転写ニップ部を通過したタイミングで、加圧ローラ1は回転駆動を停止し、ステップ送りを実行する。ステップ送り中の各制御は実施例1と同様であるため省略する。
【0053】
以上述べたことから、実施例3のクリーニングモードは、像担持体としての感光体ドラム上に形成したクリーニング用のトナー像を一旦、記録材搬送ベルト9上に転写し、周回後に記録材の加圧ローラと接触する面に転写する。これにより、実施例1で挙げた中間転写体を用いた画像形成装置の加圧ローラクリーニングモードと同様に、記録材の加圧ローラと接触する面にクリーニング用のトナー像を形成することができ、加圧ローラ汚れの効果的なクリーニングが可能となる。その他効果については、実施例1と同じである。
【0054】
本発明の実施形態としてフィルム加熱方式を用いた定着手段を有した画像形成装置を用いて、実施例1から3について説明した。尚、本発明の加圧ローラのクリーニングモードは、フィルム加熱方式の定着手段に限らず、熱ローラ方式の定着手段の加圧ローラ汚れに対しても有効である。
【0055】
また、実施形態として加圧部材が回転駆動され、加圧部材の回転駆動に加熱体が従動して回転する画像形成装置について述べた。しかしながら、加熱体が回転駆動され、加熱体の回転駆動に加圧部材が従動して回転する画像形成装置、加熱体と加圧部材が独立に回転駆動される画像形成装置でも、本発明の加圧ローラのクリーニングモードは有効である。
【0056】
また、実施形態で画像形成装置として中間転写体を用いたもの(実施例1、2)、記録材搬送ベルトを用いたもの(実施例3)について説明した。しかしながら、画像形成装置として、中間転写体と記録材搬送ベルトを併せ持つものや、感光体ドラム(像担持体)と転写ローラ(転写手段)を持つモノクロのものにおいても、本発明の加圧ローラのクリーニングモードが有効である。
【0057】
また、実施形態として、クリーニング用のトナー像として、ベタ黒画像を用いた。しかしながら、これは黒色に限らず、他の色のものでも有効である。また、ベタ画像でなくても、ハーフトーン画像でも良い場合もある。さらに、単色でなく複数色から成る画像であっても良い。
【符号の説明】
【0058】
1 加圧ローラ
2 フィルム
3 画像形成ステーション
4 感光体ドラム
5 帯電ローラ
6 露光装置
7 現像装置
8 クリーニング装置
9 中間転写ベルト
10 一次転写手段
11 給送カセット
12 給送ローラ
13 レジストローラ対
14 二次転写ローラ
15 排出トレイ
16 中間転写ベルトクリーニング装置
19 未定着トナー像
20 定着ニップ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体と共に転写ニップ部を形成し、前記転写ニップ部でトナー像を前記像担持体から記録材に転写する回転可能な転写手段と、
加熱体と、前記加熱体と共に定着ニップ部を形成する回転可能な加圧部材と、を有し、前記定着ニップ部でトナー像が転写された記録材を搬送しながら加熱しトナー像を記録材に定着する定着手段と、
を有し、クリーニング用のトナー像を記録材に転写し、前記定着ニップ部で前記クリーニング用のトナー像が転写された記録材を搬送することで、前記加圧部材のクリーニングを行うクリーニングモードを実行できる画像形成装置において、
前記クリーニングモードが実行されると、
前記転写ニップ部で、前記クリーニング用のトナー像を前記像担持体から前記転写手段に転写し、続いて前記転写手段から記録材の前記加圧部材と接触する面に転写し、
前記定着ニップ部で、前記クリーニング用のトナー像を転写した記録材を搬送することで、前記加圧部材のクリーニングを行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写手段の外周が前記加圧部材の外周より長いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写手段の外周が前記加圧部材の外周より短く、
前記クリーニング用のトナー像を前記転写手段から記録材に転写する時は、前記転写手段に印加する電圧を転写中に切り替え、記録材の前記加圧部材と接触する面に転写する前記クリーニング用のトナー像が前記加圧部材の外周以上の長さになるようにすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記加熱体は、筒状のフィルムと前記フィルムの内周面と接触して前記フィルムを加熱するヒータであり、前記加圧部材は、前記フィルムを介して前記ヒータと共に前記定着ニップ部を形成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−44787(P2013−44787A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180547(P2011−180547)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】