説明

画像形成装置

【課題】複数の発光素子を有する露光部の走査露光による、副走査方向に変動しながら主走査方向に延びる走査線に基づいて形成されるトナー像の形成位置の位置ズレを抑制する。
【解決手段】画像形成装置が、位置ズレ検出部で検出された副走査方向の位置ズレを、その位置ズレ検出部で検出された主走査方向の位置ズレに基づいて、副走査方向に変動しながら主走査方向に延びる走査線の、その変動に起因する検出誤差分だけ補正して副走査方向の新たな位置ズレを算出する位置ズレ補正部と、トナー像形成部におけるトナー像形成位置を、位置ズレ検出部で検出された主走査方向の位置ズレ分と、位置ズレ補正部で補正された後の副走査方向の位置ズレ分だけ調整する形成位置調整部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数色のトナー像を重ね合わせてカラーのトナー像を得る画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数色のトナー像を重ね合わせてカラーのトナー像を得る画像形成装置が知られている。このような画像形成装置は、各色のトナー像を形成するトナー像形成部を有している。各色のトナー像形成部において、回転軸の回りに回転する感光体の表面が、その回転軸が延びる主走査方向に走査露光を受け、その表面に潜像が形成される。そして、その潜像がトナーで現像されることによりトナー像が形成される。各トナー像形成部で形成されたトナー像は、中間転写体上に互いに重なり合うように転写される。これにより、中間転写体上にカラーのトナー像が形成される。
【0003】
このような画像形成装置の多くでは、トナー像を高精度で重ね合わせるために、各色のトナー像を形成するトナー像形成部各々におけるトナー像形成位置の調整が行われる。そして、その調整に必要となる、現状におけるトナー像形成位置の位置ズレ検出に、各色のトナー像形成部で形成されるトナーパッチを使った方式が採用されることが多い。この方式では、トナー像形成位置の位置ズレは、中間転写体上に形成されたトナーパッチの位置をセンサによって検出することにより求められる。
【0004】
ここで、感光体の露光方法として、回転するポリゴンミラーで偏向反射させた露光光を、レンズ群等からなる光学系を経て感光体の表面に照射することによりその表面を走査露光する露光方法が知られている。そして、トナー像形成位置の位置ズレ検出用のセンサを、上記の光学系で生じる光学的な歪みに起因した走査線の湾曲に応じた位置に配置することで位置ズレを高精度に検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、このような走査線の湾曲を予め予測して、その予測分だけ、トナー像形成位置の調整値を補正する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、ポリゴンミラーと光学系による露光方法に比べて安価で精密な露光方法として、感光体の表面に対面して配置され、各々が主走査方向の各画素の露光を分担する複数の発光素子を有する露光部を使って走査露光する露光方法が知られている。
【0006】
そして、このような露光方法において、画像形成装置の装置内温度がトナー像形成位置の位置ズレ発生が予測される許容温度に達した場合に、その位置ズレを求めてトナー像形成位置の調整を行う技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
また、複数の発光素子を有する上記の露光部の中には、複数の発光素子が主走査方向の配列順に複数の露光ユニットに分けられているものがある。
【0008】
そして、露光部の製造誤差による、主走査方向と直行する副走査方向についての、露光ユニット相互間の露光位置ズレを、各露光ユニットの露光開始タイミングの調整により補正する技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。また、このような露光位置ズレを予め想定し、その想定した露光位置ズレを打ち消すように各露光ユニットを配置する技術が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−162843号公報
【特許文献2】特許第3641927号明細書
【特許文献3】特許第3862647号明細書
【特許文献4】特開2001−260410号公報
【特許文献5】特許第3862457号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、複数の発光素子を有する露光部の走査露光による、副走査方向に変動しながら主走査方向に延びる走査線に基づいて形成されるトナー像形成位置の位置ズレが抑制される画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の画像形成装置は、
複数色のトナーを各色ごとに分担して使用して異なる色のトナー像をそれぞれ形成する複数のトナー像形成部と、
上記複数のトナー像形成部に沿って移動し複数のトナー像形成部により形成された複数のトナー像の転写を受ける中間転写体と、
上記中間転写体上に転写された複数色のトナー像を記録媒体上にさらに転写する転写器と、
上記記録媒体上に転写された複数色のトナー像を記録媒体上に定着する定着器とを有する画像形成装置であって、
上記複数のトナー像形成部それぞれが、
回転軸の回りに回転しながら露光を受けて表面に潜像を形成する感光体と、
上記感光体の表面に対面して配置され、上記回転軸が延びる主走査方向の各画素の露光を分担する複数の発光素子を有し、複数の発光素子を主走査方向の配列順に複数の露光ユニットに分けたときに複数の発光素子を、複数の露光ユニットどうしの間では同期させつつ各露光ユニット内では順次発光させる露光部と、
上記感光体の表面に形成された潜像をトナーで現像する現像部とを有するものであり、
画像形成装置が、さらに、
上記複数のトナー像形成部に、トナー像形成位置ズレ検出用のトナーパッチを形成させて上記中間転写体上に転写させるトナーパッチ形成制御部と、
上記中間転写体上に転写されたトナーパッチを、中間転写体の移動に従って中間転写体の移動方向である副走査方向に観察して、トナーパッチの形状に基づく上記主走査方向のトナー像形成位置ズレと、トナーパッチの上記副走査方向の位置ズレに基づく副走査方向のトナー像形成位置ズレとを検出する位置ズレ検出部と、
上記位置ズレ検出部で検出された上記副走査方向の位置ズレを、位置ズレ検出部で検出された上記主走査方向の位置ズレに基づいて、上記露光部における上記順次発光に伴って形成される、上記副走査方向に変動しながら上記主走査方向に延びる走査線の、その変動に起因する検出誤差分だけ補正して副走査方向の新たな位置ズレを算出する位置ズレ補正部と、
上記トナー像形成部におけるトナー像形成位置を、上記位置ズレ検出部で検出された上記主走査方向の位置ズレ分と、上記位置ズレ補正部で補正された後の上記副走査方向の位置ズレ分だけ調整する形成位置調整部とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項2の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、
上記位置ズレ補正部が、上記露光部における上記順次発光に伴って形成される、上記副走査方向に変動しながら上記主走査方向に延びる走査線を、上記順次発光に伴って形成される走査線の上記副走査方向への変動の平均的な点を通って上記主走査方向に直線的に延びる走査線に置き換えたと仮定したときの副走査方向の新たな位置ズレを算出するものであることを特徴とする。
【0013】
請求項3の画像形成装置は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、
上記位置ズレ検出部が、上記中間転写体上に転写されたトナーパッチと交差して上記副走査方向に直線的に延びる観察線に沿ってトナーパッチを観察するものであり、
上記位置ズレ補正部が、上記複数のトナー像形成部それぞれの上記露光部において形成される、上記副走査方向に変動しながら上記主走査方向に延びる走査線を、複数のトナー像形成部それぞれのトナー像形成位置相互間の上記副走査方向の平均的な位置ズレが「0」の状態で上記中間転写体上に写像したと仮定したときの、その写像した走査線どうしの、各走査線が上記副走査方向に変動していることに起因する上記観察線上における位置ズレを、上記検出誤差として算出するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の画像形成装置によれば、複数の発光素子を有する露光部の走査露光による、副走査方向に変動しながら主走査方向に延びる走査線に基づいて形成されるトナー像形成位置の位置ズレが抑制される。
【0015】
請求項2の画像形成装置によれば、変動する走査線上の各点毎にトナー像形成位置の位置ズレを算出する場合に比べて、簡単な算出処理で上記の新たな位置ズレが算出される。
【0016】
請求項3の画像形成装置によれば、変動する走査線によって形成されるトナーパッチについての検出誤差をこのトナーパッチの形状から直接的に算出する場合に比べて、簡単な算出処理で上記の新た位置ズレが算出される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の画像形成装置の実施形態である複写機の外観斜視図である。
【図2】図1に外観を示す複写機の内部構成図である。
【図3】図2に示す露光部の、感光体表面と対向する面を示す模式図である。
【図4】調整値の生成に当たって形成されるレジストレーションマークを示す図である。
【図5】中間転写ベルト上でのスポットSPの移動に伴う受光部の出力信号のレベル変化を模式的に示す図である。
【図6】露光器における、複数のLEDの順次発光に伴って形成される走査線を模式的に示す図である。
【図7】中間転写体上に写像された走査線と観察線とを示す図である。
【図8】主走査方向Dの位置ズレ量Lに応じたオフセット量Offについて詳細に示す図である。
【図9】オフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を、主走査方向Dの位置ズレ量Lが0<L≦T/2の範囲内の4つの値をとったときそれぞれについて示すグラフである。
【図10】オフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を、主走査方向Dの位置ズレ量LがT/2<L≦Tの範囲内の4つの値をとったときそれぞれについて示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の画像形成装置の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の画像形成装置の実施形態である複写機の外観斜視図である。
【0020】
この複写機1は、原稿読取部1Aと画像形成部1Bとを有する。
【0021】
原稿読取部1Aには、原稿が重ねられた状態に置かれる原稿給紙台11が備えられている。この原稿給紙台11上に置かれた原稿は1枚ずつ送り出され、その原稿に記録されている文字や画像が読み取られて原稿排紙台12上に排出される。
【0022】
また、この原稿読取部1Aは、奥側を左右に延びるヒンジを有し、そのヒンジを回転中心として、原稿給紙台11および原稿排紙台12が一体的に持ち上げられ、その下には、透明ガラス製の原稿読取板13(図2参照)が広がっている。この原稿読取部1Aでの読取り方法には、原稿給紙台11に原稿を置くことに代えて原稿読取板13上に原稿を1枚だけ下向きに置き、その原稿読取板13上の原稿から文字や画像を読み取る方法もある。
【0023】
この原稿読取板13の前側には、ユーザに向けて様々なメッセージを表示し、また、様々な操作ボタンを表示して、ユーザからの、原稿読取りや画像形成の指示等の操作を受ける表示操作部14が備えられている。
【0024】
この原稿読取部1Aは、その全体が支持フレーム15により支持されている。
【0025】
また、画像形成部1Bは、その上面に画像が形成された用紙が排出される排紙台21が設けられている。またこの画像形成部1Bの前面には、内部の、トナー容器等の部品の交換や搬送中に詰まった用紙の除去のために開けられる前カバー22を備えている。また、その下には、画像形成前の用紙が積み重ねられた状態に収容される引き出し型の3台の給紙台23_1,23_2,23_3が収容されている。
【0026】
また、この画像形成部1Bの左側面には、搬送中に詰まった用紙を取り除くときに開かれる横カバー24が設けられている。
【0027】
さらに、この画像形成部1Bの底面には、この画像形成部1Bを移動させるための車輪251が取り付けられている。
【0028】
図2は、図1に外観を示す複写機の内部構成図である。
【0029】
透明ガラス製の原稿読取板13の下には、原稿読取光学系30が配備されている。この原稿読取光学系30は、第1ブロック31と、第2ブロック32と、光電センサ33とを有する。第1ブロック31はランプ311とミラー312とを有し、第2ブロック32は2枚のミラー321,322を有する。光電センサ33は、画像を表わす光を読み取って画像信号を生成する。
【0030】
第1ブロック31と第2ブロック32は、原稿読取板13に沿って矢印A−A’方向に移動自在に原稿読取部1Aに取り付けられており、初期状態では、図2に示す左寄りの位置にある。
【0031】
原稿給紙台11上に置かれた原稿Sは、1枚ずつ送り込まれ、搬送ローラ16により原稿読取板13に接する搬送経路17上を搬送される。原稿Sは、原稿読取板13に接して搬送される際にランプ311により照射され、原稿Sからの反射光がミラー312,321,322で反射されて光電センサ33で読み取られる。そして、光電センサ33によって、その原稿Sに記録されていた文字や画像を表わす画像信号が生成される。ランプ311による照射を受けた原稿Sはさらに搬送されて原稿排紙台12上に送り出される。
【0032】
原稿が原稿読取板13上に置かれたときは、第1ブロック31および第2ブロック32が、原稿読取板13上の原稿の読取位置と光電センサ33との間の光学的な距離を常に同一に保つように矢印A方向に移動する。そして、その間、ランプ311が原稿を照射し、光電センサ33でその原稿上の文字や画像が読み取られて画像信号に変換される。
【0033】
光電センサ33で得られた画像信号は画像処理部34に入力される。光電センサ33で得られた画像信号はR(レッド)、G(グリーン)、およびB(ブルー)の各色を表わす画像信号である。画像処理部34は、このRGBの画像信号をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(黒)の4色分からなる画像データに変換して一時的に記憶する。そして、YMCKの画像データは、後述する潜像形成のための露光の時期に合わせて露光制御部41に送信される。
【0034】
この画像形成部1Bには露光器42が備えられており、潜像形成にあたっては、露光制御部41から露光器42にYMCKの画像データが送り込まれる。露光器42からは、YMCKの各画像データにより変調された各露光光421Y,421M,421C,421Kが発せられる。
【0035】
また、この図2には、露光制御部41に隣接した位置に主制御部40が示されている。この主制御部40は、マイクロコンピュータと、そのマイクロコンピュータで実行されるプログラムとで構成されている。主制御部40は、露光制御部41、表示操作部14(図1参照)、画像処理部34、その他図示しない各種電源回路や駆動回路等に接続され、この複写機1の全体の制御を担っている。また、この主制御部40には、上記のプログラムや、そのプログラムの実行に使用される各種パラメータ等を記憶しておく記憶部40aが備えられている。
【0036】
画像形成部1Bの下部には、前述した3台の給紙台23_1,23_2,23_3が左右の案内レール24_1,24_2,24_3に支持されて収容されている。各給紙台23_1,23_2,23_3には、用紙Pが積み重なった状態に収容されている。各給紙台23_1,23_2,23_3は、用紙Pの補給のために、案内レール24_1,24_2,24_3に案内されて引出し自在に構成されている。
【0037】
それら3台の給紙台23_1,23_2,23_3のうちの、表示操作部14(図1参照)の操作等により指定された給紙台(ここでは一例として給紙台23_1とする)からは、用紙Pがピックアップロール25により送り出される。用紙Pは、さばきロール26により1枚ずつに分離され、その1枚の用紙Pが搬送ロール27により上方に搬送される。そして、用紙Pは、待機ロール28によりそれ以降の搬送のタイミングが調整されて、さらに上方に搬送される。この待機ロール28以降の用紙Pの搬送については後述する。
【0038】
この画像形成部1Bの中央部分には、YMCKの各色のトナーによるトナー像を形成する4つの像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kが、図中右側からこの表記順で配置されている。4つの像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kが、本発明にいう複数のトナー像形成部の一例に相当する。
【0039】
これら4つの像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kは、使用するトナーの色が異なることを除き、互いに同一の構成を有する。このため、ここではY色の像形成ユニット50Yを取り挙げてその構成を説明する。
【0040】
この像形成ユニット50Yは、図2に矢印Bで示す向きに回転する感光体51を有し、その感光体51の周囲に、帯電器52、露光器100、現像器53、およびクリーナ55が配置されている。また、後述する中間転写ベルト61を感光体51との間に挟んだ位置には、転写器54が置かれている。
【0041】
感光体51はロール形状を有し、帯電により電荷を保持し露光によりその電荷を放出してその表面に静電潜像を保持する。この感光体51が、本発明にいう感光体の一例に相当する。
【0042】
帯電器52は、感光体51の表面をある帯電電位に帯電する。
【0043】
露光器100は、感光体51の表面に対向して配置され、感光体51の回転軸が延びる主走査方向の各画素の露光を分担する複数のLED(Light Emitting Diode)を有している。この露光器100は、これら複数のLEDを主走査方向に順次発光させることで感光体51の表面を主走査方向に走査露光する自己走査型LPH(LED Print Head)である。さらに、この露光器100は、主走査方向の走査露光中に感光体51が回転することで、感光体51の回転方向、即ち、中間転写体61の移動方向である副走査方向にも、感光体51の表面を走査露光することとなる。
【0044】
図3は、図2に示す露光部の、感光体表面と対向する面を示す模式図である。
【0045】
露光器100は、各々が256個のLED111を有する40個のLEDチップ110を備えている。40個のLEDチップ110は、基本的に主走査方向Dに配列されている。ただし、本実施形態では、LEDチップ110の配列は、図中左側から数えて奇数番目のLEDチップ110と偶数番目のLEDチップ110とが副走査方向Dに互いにずれた千鳥配置となっている。各LEDチップ110では、256個のLED111が主走査方向Dに一直線状に配列されており、各LED111が、上記のように主走査方向Dの各画素の露光を分担する。
【0046】
図中左側から数えて1番目のLEDチップ110の各LED111は、1ドットから256ドットまでの各画素の露光を分担する。2番目のLEDチップ110の各LED111は、257ドットから512ドットまでの各画素の露光を分担する。このように、各番目のLEDチップ110の各LED111は、その番目に相当する256ドット分の各画素の露光を分担する。そして、露光器100全体では、合計10240ドット分の各画素の露光が各LED111によって分担されている。
【0047】
この露光器100では、各LEDチップ110の256個のLED111が、40個のLEDチップ110どうしの間では同期させつつ各LEDチップ110内では順次発光される。また、奇数番目のLEDチップ110では、図中左側から右側に順次発光される。一方、偶数番目のLEDチップ110では、図中右側から左側に順次発光される。
【0048】
さらに、この露光器100では、奇数番目のLEDチップ110と偶数番目のLEDチップ110との間で、上記のような順次発光の開始タイミングがずらされている。これにより、LEDチップが主走査方Dに一直線に配列された露光器による走査露光と同等な走査露光が行われることとなっている。
【0049】
以上に説明した露光器100が、本発明にいう露光部の一例に相当する。
【0050】
図2に戻って、複写機1の説明を続ける。
【0051】
露光器100には、露光制御部41から画像信号が入力され、露光器100の複数のLED111から、その入力された画像信号に応じて変調された露光光が出力される。感光体51は、帯電器52による帯電を受けた後、露光器42からの露光光の照射を受け、感光体51の表面に静電潜像が形成される。
【0052】
感光体51は、露光光の照射を受けて表面に静電潜像が形成された後、現像器53により現像され、その感光体51の表面にトナー像(この像形成ユニット50Yではイエロー(Y)のトナーによるトナー像)が形成される。
【0053】
現像器53は、内部にトナーとキャリアとからなる現像剤を収容したケース531内に、現像剤を攪拌する2本のオーガ532_1,532_2と、現像剤を感光体51に対向した位置に運ぶ現像ロール533とを有する。感光体51上に形成された静電潜像の現像にあたっては、現像ロール533にバイアス電圧が印加される。そして、そのバイアス電圧の作用により、現像剤中のトナーが、感光体51上に形成された静電潜像に従って感光体51上に付着し、トナー像が形成される。現像器53が、本発明にいう現像部の一例に相当する。
【0054】
現像器53による現像により感光体51上に形成されたトナー像は、転写器54の作用により中間転写ベルト61上に転写される。
【0055】
この転写後に感光体51上に残存するトナーは、クリーナ55によって感光体51上から取り除かれる。
【0056】
中間転写ベルト61は、複数のロール62に架け回された無端ベルトである。中間転写ベルト61は、4つの像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kの並びに沿って、矢印C方向に循環移動する。この中間転写ベルト61が、本発明にいう中間転写体の一例に相当する。
【0057】
像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kのそれぞれで形成された各色トナーによるトナー像は、YMCKの順で順次重なるように中間転写ベルト61上に転写され、転写器63が配置された二次転写位置に搬送される。これと同期して、待機ロール28にまで搬送されてきていた用紙Pが二次転写位置に搬送され、転写器63の作用により、中間転写ベルト61上のトナー像が、搬送されてきた用紙P上に転写される。このトナー像の転写を受けた用紙Pは、さらに搬送され、定着器64による加圧および加熱により用紙上のトナー像がその用紙P上に定着される。定着されたトナー像からなる画像が用紙上に形成された用紙Pはさらに搬送され、排出ローラ65により、排紙台21上に排出される。転写器63が、本発明にいう転写器の一例に相当する。また、定着器64が、本発明にいう定着器の一例に相当する。
【0058】
転写器63によりトナー像を用紙P上に転写した後の中間転写ベルト61はさらに循環移動し、その表面に残存するトナーがクリーナ66によって中間転写ベルト61上から取り除かれる。
【0059】
また、画像形成部1Bの、中間転写ベルト61よりも上方には容器装着部29Y,29M,29C,29Kが設けられている。これらの容器装着部29Y,29M,29C,29Kには、YMCK各色のトナーを収容するトナー容器67Y,67M,67C,67Kが装着されている。これらのトナー容器67Y,67M,67C,67Kに収容されている各色トナーは、対応する各現像器53におけるトナーの消費量に応じて各現像器53に補給される。
【0060】
ここで、この画像形成部1Bでは、例えば動作中の振動や温度変化、あるいは、像形成ユニットの交換時の装着位置ズレ等によって、各色トナーのトナー像の、中間転写ベルト61上での転写位置に、各色トナーのトナー像相互間でズレが生じることがある。
【0061】
そこで、この画像形成部1Bでは、主制御部40において次のようなレジストレーション処理が行われる。
【0062】
レジストレーション処理は、露光制御部41に入力された画像データに基づく各像形成ユニットの感光体51への露光光の照射のタイミングを調整することによって感光体51上の静電潜像の形成位置を調整する処理である。中間転写ベルト61上でのトナー像の位置は、感光体51上の静電潜像の形成位置に応じた位置となる。以下、感光体51上の静電潜像の形成位置を、トナー像形成位置と呼ぶ。このレジストレーション処理により、トナー像形成位置が、各色トナー像相互間の位置ズレ分だけ調整される。主制御部40の、このレジストレーション処理を行う機能は、本発明にいう形成位置調整部の一例に相当する。
【0063】
レジストレーション処理では、露光光の照射のタイミングを調整するための調整値が使われる。この調整値は、例えば所定枚数の画像形成が行なわれたとき、あるいは温湿度環境が変化したとき、さらに部品交換が行なわれたときなど、様々な事象を契機として生成される。そして、調整値を生成するに当たっては、予め決められた形状を有するYMCK各色のトナーパッチからなるレジストレーションマークが使われる。調整値の生成の際には、中間転写ベルト61に、このレジストレーションマークが転写される。そして、レジストレーションマークをなすトナーパッチが光電的に検出される。その検出結果に基づいて、各色の像形成ユニット50Y,50M,50C,50K相互間における現時点でのトナー像形成位置ズレが算出される。さらに、その算出結果分だけトナー像形成位置を調整する調整値が生成される。
【0064】
尚、本実施形態では、レジストレーション処理の調整値として、露光光の照射のタイミングを調整するための調整値が例示されている。しかしながら、レジストレーション処理の調整値はこれに限るものではない。レジストレーション処理の調整値は、例えば、画像データ自体を調整して位置ズレ分だけ調整するものであっても良い。
【0065】
この画像形成部1Bでは、中間転写ベルト61の移動方向について、K色の像形成ユニット50Kよりも下流側で転写器63よりも上流側の位置に、光を照射して反射光を受光し、その反射光の強度に応じた信号を出力する光センサ70が配備されている。光センサ70は、波長が940nmの光を照射する照射部71と、反射光を受光する受光部72とを有している。受光部72は、照射部71から照射され、中間転写ベルト61上で鏡面反射された光が受光される位置に配置されている。光センサ70の出力信号は主制御部40に送られる。本実施形態では、中間転写ベルト61上に形成されたレジストレーションマークをなすトナーパッチの位置が、この光センサ70によって検出される。
【0066】
主制御部40は、トナーパッチ検出時に光センサ70から出力される信号に基づいて、トナーパッチ相互間の相対位置の計測、像形成ユニット相互間における現時点でのトナー像形成位置ズレの算出、および調整値の生成を行う。光センサ70と、主制御部40の、トナー像形成位置ズレの算出を行う機能とを合わせたものが、本発明にいう位置ズレ検出部の一例に相当する。
【0067】
レジストレーション処理に使われる調整値を生成すべき事象が到来すると、その時点ではプリント動作実行中であるなど、調整値生成の実行を待たなければならない場合がある。このため、本実施形態では、調整値を生成すべき事象が到来すると、まず調整値生成要求フラグが立てられる。その後、プリント動作等の処理が終了したタイミングでそのフラグが参照される。そして、そのフラグが立っているときに、主制御部40は、YMCK各色の像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kにレジストレーションマークを形成させて、中間転写ベルト61上に転写させる。主制御部40は、本発明にいうトナーパッチ形成制御部の一例にも相当している。
【0068】
そして、このレジストレーションマークの形成に続いて、光センサ70による反射光の受光、主制御部40による調整値の生成が実行される。
【0069】
生成された調整値は、主制御部40が備える記憶部40aに記憶される。そして、その調整値が、次に新たな調整値が生成されるまでの間、各画像形成の際のレジストレーション処理に使われる。
【0070】
ここで、本実施形態では、レジストレーション処理に使われる調整値を生成するに当たり、以下に説明するレジストレーションマークが形成される。
【0071】
図4は、調整値の生成に当たって形成されるレジストレーションマークを示す図である。
【0072】
図4に示すレジストレーションマーク200は、YMCK各色用のトナーパッチ201Y,201M,201C,201Kを有している。
【0073】
Y色用のトナーパッチ201Yは、図2に示すY色の像形成ユニット50Yのトナー像形成位置の、K色の像形成ユニット50Kのトナー像形成位置に対する位置ズレを後述するように検出するためのトナーパッチである。M色用のトナーパッチ201Mは、M色の像形成ユニット50Mのトナー像形成位置の、K色の像形成ユニット50Kのトナー像形成位置に対する位置ズレ検出用のトナーパッチである。C色用のトナーパッチ201Cは、C色の像形成ユニット50Cのトナー像形成位置の、K色の像形成ユニット50Kのトナー像形成位置に対する位置ズレ検出用のトナーパッチである。また、K色用のトナーパッチ201Kは、基準位置となるK色の像形成ユニット50Kのトナー像形成位置を示すためのトナーパッチである。
【0074】
YMCK各色用のトナーパッチ201Y,201M,201C,201Kは互いに同じ形状を有している。即ち、これらのトナーパッチは、図中右下がりに傾いた腕と右上がりに傾いた腕が図中左側に凸の矢尻状に繋がった形状となっている。
【0075】
図4に示すレジストレーションマーク200のYMC各色用のトナーパッチ201Y,201M,201Cは、矢印Cが示す中間転写ベルト61の移動方向に、下流側から上流側にYMCの順で一列に並んでいる。そして、YMC各色用のトナーパッチ201Y,201M,201Cと交互にK色用のトナーパッチ201Kが配置されている。その結果、YMC各色用のトナーパッチ201Y,201M,201Cは、矢印Cが示す移動方向両側からK色用のトナーパッチ201Kに挟まれている。
【0076】
尚、図4では、図示の簡単化のために、YMC各色用のトナーパッチ201Y,201M,201Cが各々1個ずつ示されている。本実施形態のレジストレーションマーク200は、YMC各色用のトナーパッチ201Y,201M,201Cを複数個ずつ備えている。そして、各Y色トナーパッチ201YがK色用のトナーパッチ201Kで挟まれ、各M色用のトナーパッチ201MがK色用のトナーパッチ201Kで挟まれ、各C色用のトナーパッチ201CがK色用のトナーパッチ201Kで挟まれている。
【0077】
本実施形態では、レジストレーション処理に必要な調整値を生成するに当たって、図4に示すレジストレーションマークが、中間転写ベルト61上に、後述のフローチャートが表す処理において形成される。
【0078】
そして、中間転写ベルト61が矢印Cが示す移動方向に移動すると、図2に示す光センサ70が有する照射部71が照射する光のスポットSPが次のような観察線SLに沿って移動する。観察線SLは、各トナーパッチと交差し、矢印Cが示す移動方向(即ち、副走査方向D)に延びる線である。この観察線SLに沿って移動するスポットSPは、各トナーパッチを横切る。そして、中間転写ベルト61の表面、および各トナーパッチで反射された反射光が受光部72で受光される。
【0079】
ここで、本実施形態では、中間転写ベルト61の表面での鏡面反射の反射率が、その表面上に形成されたトナー像での鏡面反射の反射率よりも高い。このため、スポットSPが各トナーパッチを横切ると受光部72で受光される反射光の強度が低下する。
【0080】
図5は、中間転写ベルト上でのスポットSPの移動に伴う受光部の出力信号のレベル変化を模式的に示す図である。
【0081】
図5のパート(A)にはレジストレーションマーク200が示されている。
【0082】
図2に示す受光部72は、主制御部40からの指示により反射光の受光を開始してからの中間転写体61上でのスポットSPの移動距離に対する、受光した反射光の強度レベルの変化を表す信号を出力する。図5のパート(B)に、スポットSPの移動距離に対する、受光部72が反射光を受光して出力する信号のレベル変化が、トナーパッチの形状に対応付けられ、第1のラインL1で模式的に示されている。このパート(B)では、図中右側に向かうほど信号レベルが低い。尚、本実施形態では、スポットSPの移動距離が、ドット(1ドット=42μm)単位で取り扱われる。
【0083】
上記のように各トナーパッチは矢尻形状となっており、図中右側に向かうほどに間隔が開く2本の腕を有している。第1のラインL1が示すように、受光部72の出力信号は、スポットSPが、各トナーパッチの各腕の上を通過するときに信号レベルが低下する。
【0084】
このような出力信号は、図2に示す主制御部40に入力され、次のような閾値THとの比較によって二値化される。本実施形態では、この閾値THとして、中間転写ベルト61の表面での反射光の強度に相当する基準レベルBLと、低下の最も大きなピークにおける低下の底との間の中間レベルが採用されている。
【0085】
この二値化により、受光部72の出力信号は、図5のパート(C)に第2のラインL2で示されているパルス信号に変換される。このパート(C)でも、図中右側に向かうほど信号レベルが低い。このパルス信号に現れる各パルスは、各トナーパッチの2本の腕それぞれに対応している。
【0086】
ここで、各色の像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kの各感光体51上には、各色のトナー像を形成する上での原点がある。
【0087】
そして、YMC各色の像形成ユニット50Y,50M,50Cの各感光体51の原点を中間転写ベルト61上に写像した点は、理想的には、K色の像形成ユニット50Kの感光体51の原点を中間転写ベルト61上に写像した点と重なり合う。
【0088】
以下、各感光体51の原点を中間転写ベルト61上に写像した点を、各色の像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kについてのトナー像形成位置の原点と呼ぶ。各色の像形成ユニット50Y,50M,50C,50K相互間で、例えば感光体51の取付誤差等が存在すると、本来重なり合うはずの各原点がずれる。このような原点のズレは、各色の像形成ユニット50Y,50M,50C,50K相互間でのトナー像形成位置の位置ズレを生じさせる。以下、トナー像形成位置の原点の位置ズレを、単に、トナー像形成位置の位置ズレと呼ぶ。
【0089】
本実施形態では、主制御部40において、上記のパルス信号に基づいて、図2に示すYMC各色の像形成ユニット50Y,50M,50Cのトナー像形成位置の、K色の像形成ユニット50Kのトナー像形成位置の原点を基準とした位置ズレ量が算出される。
【0090】
一方、K色の像形成ユニット50Kについては、そのK色の像形成ユニット50Kのトナー像形成位置の原点が上記の位置ズレの基準となる。つまり、K色の像形成ユニット50Kについては常に位置ズレ量が「0」と見なされる。
【0091】
尚、本実施形態では、上記のようにK色の像形成ユニット50Kのトナー像形成位置の原点を基準とする形態が例示されている。しかしながら、K色以外の像形成ユニットのトナー像形成位置の原点を基準とする形態であっても良い。あるいは、YMCK各色の像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kそれぞれについて、設計上の基準位置を設けておくという形態であっても良い。この場合、YMCK各色の像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kそれぞれのトナー像形成位置の原点の、各基準位置からの位置ズレが求められることとなる。
【0092】
以下、本実施形態における、トナー像形成位置の位置ズレ量の、図5のパート(C)に示すパルス信号に基づいた算出方法について説明する。
【0093】
尚、本実施形態では、トナー像形成位置の位置ズレ量の算出方法は、YMC相互間で互いに同等であるので、ここでは、Y色を例に挙げて説明する。
【0094】
トナー像形成位置の位置ズレ量の算出には、次のような5つのパルス間隔が使われる。
【0095】
第1のパルス間隔T1は、Y色用のトナーパッチ201Yに対する、矢印Cが示す中間転写ベルト61の移動方向下流側のK色用のトナーパッチ201Kに対応した2つのパルスのパルス間隔である。
【0096】
第2のパルス間隔T2は、Y色用のトナーパッチ201Yに対応したパルスのうち上記の移動方向下流側の腕に対応したパルスと、下流側のK色用のトナーパッチ201Kに対応したパルスのうち上流側の腕に対応したパルスとのパルス間隔である。
【0097】
第3のパルス間隔T3は、Y色用のトナーパッチ201Yに対応した2つのパルスのパルス間隔である。
【0098】
第4のパルス間隔T4は、Y色用のトナーパッチ201Yに対応したパルスのうち上記の移動方向上流側の腕に対応したパルスと、上流側のK色用のトナーパッチ201Kに対応したパルスのうち下流側の腕に対応したパルスとのパルス間隔である。
【0099】
第5のパルス間隔T5は、下流側のK色用のトナーパッチ201Kに対応した2つのパルスのパルス間隔である。
【0100】
Y色用のトナー像形成位置の位置ズレには、感光体51(図2参照)の回転軸に沿った主走査方向の位置ズレと、感光体51の回転方向に沿った副走査方向の位置ズレとがある。
【0101】
Y色用のトナー像形成位置が上記の基準位置から主走査方向にずれている場合、Y色用のトナーパッチ201Yが、中間転写ベルト61の移動方向(図5中の矢印C方向)と直行する方向に、K色用のトナーパッチ201Kからずれる。このようなトナーパッチ間の位置ズレは、上記の第3のパルス間隔T3と第1のパルス間隔T1との差異、あるいは、第3のパルス間隔T3と第5のパルス間隔T5との差異となって現れる。
【0102】
そこで、本実施形態では、トナー像形成位置の主走査方向の位置ズレ量Lが、以下の(1)式を用いて算出される。
【0103】
L=((T1+T5)/2−T3)/2 ・・・・・・(1)
ここで、主走査方向の位置ズレ量Lの算出に用いられたレジストレーションマーク200の形成時には、その時点で主制御部40の記憶部40aに記憶されている調整値を使ったレジストレーション処理が行われている。上記の(1)式で算出される値Lが表す位置ズレ量は、このレジストレーション処理でも調整しきれずに生じた主走査方向の位置ズレ量である。
【0104】
また、Y色用のトナー像形成位置が上記の基準位置から副走査方向にずれている場合、Y色用のトナーパッチ201Yが、中間転写ベルト61の移動方向(図5中の矢印C方向)に、一方のK色用のトナーパッチ201Kの方に寄る。この場合、Y色用のトナーパッチ201Yと図中上側のK色用のトナーパッチ201Kの間隔、および、Y色用のトナーパッチ201Yと図中下側のK色用のトナーパッチ201Kの間隔が互いに異なる。
【0105】
本実施形態では、Y色用のトナーパッチ201Yと図中上側のK色用のトナーパッチ201Kの間隔を表す値として(T1/2+T2)が採用されている。また、Y色用のトナーパッチ201Yと図中下側のK色用のトナーパッチ201Kの間隔を表す値として(T5/2+T4)が採用されている。そして、トナー像形成位置の副走査方向の位置ズレ量Pが、以下の(2)式を用いて算出される。
【0106】
P=(T1/2+T2)−(T5/2+T4) ・・・・・・(2)
ここで、図2に示す受光部72からの出力信号から上記のように算出された副走査方向の位置ズレ量にはオフセット量が含まれている。
【0107】
このオフセット量は、図3に示す露光器100における、複数のLED111の順次発光に伴って形成される走査線が、副走査方向に次のように変動しながら主走査方向に延びていることに起因したものである。
【0108】
図6は、露光器における、複数のLEDの順次発光に伴って形成される走査線を模式的に示す図である。
【0109】
図6のパート(A)には、露光器100が示されており、パート(B)には走査線120が示されている。
【0110】
露光器100では、奇数番目のLEDチップ110と偶数番目のLEDチップ110ととが実際には図3に示すように千鳥配置となっている。しかしながら、本実施形態では、上述したように奇数番目のLEDチップ110と偶数番目のLEDチップ110との間で、上記のような順次発光の開始タイミングがずらされている。これにより、LEDチップが主走査方Dに一直線に配列された露光器による走査露光と同等な走査露光が行われることとなっている。
【0111】
図6にパート(A)には、露光器100が、40個のLEDチップ110が主走査方Dに一直線に配列するようにLEDチップ110の位置が動されて示されている。
【0112】
この露光器100では、上述したように各LEDチップ110の256個のLED111が、40個のLEDチップ110どうしの間では同期させつつ各LEDチップ110内では順次発光される。また、奇数番目のLEDチップ110では、図中左側から右側に順次発光される。一方、偶数番目のLEDチップ110では、図中右側から左側に順次発光される。
【0113】
そして、このようにLED111が順次発光している間に、感光体51が回転するため、感光体51の表面における各LED111による露光スポット121の位置が、図6のパート(B)に示すようにLED111相互間でずれることとなる。即ち、発光順が早いLED111の露光スポット121ほど副走査方向D前方に位置し、発光順が遅いLED111の露光スポット121ほど副走査方向D後方に位置する。その結果、このような露光スポット121の連なりとなる走査線120は、副走査方向Dに周期的に波打ちながら主走査方向Dに延びる形状をとることとなる。
【0114】
このような走査線120を、中間転写体上に写像した場合、図2に示す光センサ70が有する照射部71が照射する光のスポットSPの移動経路である、図4に示す観察線SLは、写像された走査線と次のように交差する。
【0115】
図7は、中間転写体上に写像された走査線と観察線とを示す図である。
【0116】
この図7には、上述したように位置ズレ量算出の基準となるK色のトナーパッチ201Kを形成するK色の像形成ユニット50Kにおける走査線120Kが示されている。
【0117】
さらに、主走査方向Dと副走査方向Dの位置ズレが生じていると仮定したときの、K色以外の色の像形成ユニットにおける走査線120’が示されている。
【0118】
この図7では、これらの走査線が、図6に示す露光器100におけるn−2番目からn+2番目までの5個のLEDチップ111分だけ示されている。
【0119】
そして、観察線SLは、副走査方向Dに上昇と下降を繰り返す走査線における上昇線と下降線とのいずれかと交差することとなる。観察線SLが、走査線における上昇線と下降線とのいずれと交差するかは、像形成ユニットの現状での取り付け位置に対する観察線SLの副走査方向Dの位置によって決まる。図7の例では、観察線SLは、各走査線における下降線と交差している。
【0120】
ここで、この図7の例では、K色以外の色の像形成ユニットのトナー像形成位置が、基準となるK色の像形成ユニット50Kのトナー像形成位置に対して主走査方向DにLR、副走査方向DにPRだけずれている。このため、K色以外の色の走査線120’も、K色の走査線120Kに対して、主走査方向DにLR、副走査方向DにPRだけずれている。
【0121】
しかしながら、観察線SLに沿ってスポットSPが移動する光センサ70には、K色以外の色の走査線120’の副走査方向Dの位置ズレ量については、実際の位置ズレ量PRとは異なった位置ズレ量Pが見えてしまう。これは、観察線SLと交差する各色の走査線120K,120’が傾斜しているために、主走査方向Dの位置ズレ量LRに応じたオフセット量Offが生じているためである。
【0122】
ここで、図7には、K色の走査線120Kの変動の平均的な点を通って副走査方向Dに直線的に延びるK色の仮想的な走査線120K_1が示されている。また、K色以外の色の走査線120’の変動の平均的な点を通って副走査方向Dに直線的に延びるK色以外の色の仮想的な走査線120’_1も示されている。副走査方向Dの実際の位置ズレ量PRは、K色の仮想的な走査線120K_1に対するK色以外の色の仮想的な走査線120’_1の副走査方向Dの位置ズレ量に相当する。
【0123】
光センサ70の受光部72からの出力信号に基づいて、上記の(2)式を使って算出される副走査方向の位置ズレ量Pにはこのオフセット量Offが含まれている。一方、主走査方向Dについては、上記のような走査線の変動に関わらず、上記の(1)式を使って算出される主走査方向Dの位置ズレ量Lが、実際の位置ズレ量LRと等しい。
【0124】
このため、本実施形態では、主制御部40は、副走査方向Dについては、上記の(2)式から算出した副走査方向Dの位置ズレ量Pを補正してこの実際の位置ズレ量PRを算出する。このように、本実施形態では、走査線を、その走査線の副走査方向Dへの変動の平均的な点を通って主走査方向Dに直線的に延びる仮想的な走査線に置き換えたと仮定したときの副走査方向Dの位置ズレが算出される。このような算出方法は、例えば変動する走査線上の各点毎に位置ズレを算出する場合に比べて簡単である。
【0125】
図8は、主走査方向Dの位置ズレ量Lに応じたオフセット量Offについて詳細に示す図である。
【0126】
図8には、中間転写体61上に写像されたK色の走査線120Kと、主走査方向DにはLだけ位置ズレが生じているが、副走査方向Dには位置ズレが生じていないと仮定したときのK色以外の色の走査線120’が示されている。即ち、この図8の例では、K色の仮想的な走査線120K_1に対するK色以外の色の仮想的な走査線120’_1の副走査方向Dの位置ズレ量PRが「0」と仮定されている。
【0127】
このような仮定の下でのスポットSPが通る観察線SL上における、K色の走査線120KとK色以外の色の走査線120’との副走査方向Dの位置ズレ量が、主走査方向Dの位置ズレ量Lに応じたオフセット量Offに相当する。本実施形態では、この副走査方向Dの位置ズレ量がオフセット量Offとして算出される。このような算出方法は、変動する走査線によって形成されるトナーパッチについてのオフセット量をこのトナーパッチの形状から直接的に算出する場合に比べて簡単である。
【0128】
周期的に変動する走査線の周期T、変動の振幅B、観察線SLのK色の走査線120Kに対する副走査方向Dの相対位置X、主走査方向Dの位置ズレ量Lを用いて、オフセット量Offは算出される。
【0129】
まず、0<L≦T/2の場合、オフセット量Offを表す式は、観察線SLの相対位置Xについての以下の4つの範囲それぞれに応じた4つの式となる。
【0130】
0<X<Lの場合、オフセット量Offは、以下の式で表される。
【0131】
Off=(−4B/T)×X+(2BL/T) ・・・・・・・・・・・・・・(3)
L≦X<T/2の場合、オフセット量Offは、以下の式で表される。
【0132】
Off=−2BL/T ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
T/2<X<(T/2+L)の場合、オフセット量Offは、以下の式で表される。
【0133】
Off=(4B/T)×X−2B−(2BL/T) ・・・・・・・・・・・・(5)
(T/2+L)≦X<Tの場合、オフセット量Offは、以下の式で表される。
【0134】
Off=2BL/T ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
図9は、オフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を、主走査方向Dの位置ズレ量Lが0<L≦T/2の範囲内の4つの値をとったときそれぞれについて示すグラフである。
【0135】
図9のグラフG1は、主走査方向Dの位置ズレ量Lが第1の値をとったときのオフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を示すグラフである。グラフG2は、主走査方向Dの位置ズレ量Lが第1の値よりも大きい第2の値をとったときのオフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を示すグラフである。グラフG3は、主走査方向Dの位置ズレ量Lが第2の値よりも大きい第3の値をとったときのオフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を示すグラフである。グラフG4は、主走査方向Dの位置ズレ量Lが、走査線の半周期T/2と等しい値をとったときのオフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を示すグラフである。
【0136】
各グラフでは横軸に観察線SLの相対位置Xがとられ、縦軸にオフセット量Offがとられている。そして、各グラフには、主走査方向Dの位置ズレ量Lが各グラフに対応する値をとったときのオフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を折れ線で表す各ラインL3,L4,L5,L6が示されている。上記の(3)〜(6)の式で表される関係を、各グラフ中の1本のラインが示している。
【0137】
また、各グラフには、オフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係に重ねられて、K色の走査線120Kと、K色以外の色の走査線120’も示されている。
【0138】
T/2≦L≦Tの場合、オフセット量Offを表す式は、観察線SLの相対位置Xについての以下の4つの範囲それぞれに応じた4つの式となる。
【0139】
0≦X<L−T/2の場合、オフセット量Offは、以下の式で表される。
【0140】
Off=−2B−(2BL/T) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
L−T/2≦X<T/2の場合、オフセット量Offは、以下の式で表される。
【0141】
Off=(−4B/T)×X+(2BL/T) ・・・・・・・・・・・・・・(8)
T/2<X<Lの場合、オフセット量Offは、以下の式で表される。
【0142】
Off=−2B+(2BD/L) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9)
L≦X<Tの場合、オフセット量Offは、以下の式で表される。
【0143】
Off=(4B/T)×X+(2BL/T)−4B ・・・・・・・・・・・(10)
図10は、オフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を、主走査方向Dの位置ズレ量LがT/2<L≦Tの範囲内の4つの値をとったときそれぞれについて示すグラフである。
【0144】
図10のグラフG5は、主走査方向Dの位置ズレ量Lが走査線の半周期T/2よりも大きい第5の値をとったときのオフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を示すグラフである。グラフG6は、主走査方向Dの位置ズレ量Lが第5の値よりも大きい第6の値をとったときのオフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を示すグラフである。グラフG7は、主走査方向Dの位置ズレ量Lが第6の値よりも大きい第7の値をとったときのオフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を示すグラフである。グラフG8は、主走査方向Dの位置ズレ量Lが、走査線の周期Tと等しい値をとったときのオフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を示すグラフである。
【0145】
各グラフでは横軸に観察線SLの相対位置Xがとられ、縦軸にオフセット量Offがとられている。そして、各グラフには、主走査方向Dの位置ズレ量Lが各グラフに対応する値をとったときのオフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係を折れ線で表す各ラインL7,L8,L9,L10が示されている。上記の(7)〜(10)の式で表される関係を、各グラフ中の1本のラインが示している。
【0146】
また、各グラフには、オフセット量Offと観察線SLの相対位置Xとの関係に重ねられて、K色の走査線120Kと、K色以外の色の走査線120’も示されている。
【0147】
図9および図10から分かるように、オフセット量Offは、主走査方向Dの位置ズレ量Lが走査線の半周期T/2と等しい値をとったときに、観察線SLの相対位置Xに対する変化の幅が最大となる。また、主走査方向Dの位置ズレ量Lが走査線の周期Tと等しい値をとったときには「0」となる。
【0148】
本実施形態では、図2に示す主制御部40は、上述したように、上記の(1)式および(2)式を使って主走査方向Dの位置ズレ量Lと、副走査方向Dの位置ズレ量Pとを算出する。
【0149】
また、主制御部40は、図5のパート(C)に示したパルス信号から得られる上記の5つのパルス間隔のうち、K色用のトナーパッチ201Kに対応する第1のパルス間隔T1と第5のパルス間隔T5に基づいて、観察線SLの相対位置Xを算出する。
【0150】
本実施形態では、K色用のトナーパッチ201Kについては、中間転写ベルト61上の理想的な位置にK色用のトナーパッチ201Kが形成されたと仮定したときに得られるパルス間隔が設計上求められて、主制御部40の記憶部40aに記憶されている。
【0151】
主制御部40は、上記の第1のパルス間隔T1および第5のパルス間隔T5と上記の理想的なパルス間隔とから、上記の(1)式と同様の算出式を用いてK色のトナー像形成位置の、設計上のトナー像形成位置からの副走査方向Dの位置ズレ量を算出する。この位置ズレ量は、K色の走査線120Kの、設計上の理想的な走査線からの副走査方向Dの位置ズレ量に相当する。さらに、本実施形態では、設計上の理想的な走査線に対する観察線SLの相対位置についても設計時に求められて主制御部40の記憶部40aに記憶されている。主制御部40は、上記のように算出した、K色の走査線120Kの副走査方向Dの位置ズレ量を、理想的な走査線に対する観察線SLの相対位置に加算することで、現状における観察線SLの相対位置Xを算出する。
【0152】
さらに、本実施形態では、図8に示す走査線の周期Tおよび変動の振幅Bについても、露光器100が有するLEDチップ110のサイズ、LED111の順次発光における発光間隔、および感光体51の回転速度から設計時に求められている。そして、これら走査線の周期Tおよび変動の振幅Bも、主制御部40の記憶部40aに記憶されている。
【0153】
主制御部40は、(1)式から算出した主走査方向Dの位置ズレ量Lと上記のように算出した観察線SLの相対位置Xに基づいて、上記の(3)〜(10)式の中から、オフセット量Offの算出に用いる式を選択する。
【0154】
そして、主走査方向Dの位置ズレ量L、観察線SLの相対位置X、記憶部40aに記憶されている走査線の周期Tと振幅Bをその選択された式に代入してオフセット量Offを算出する。
【0155】
さらに、主制御部40は、上記の(2)式から算出した副走査方向Dの位置ズレ量Pから上記のように算出したオフセット量Offを減算することにより、その位置ズレ量Pを補正して、実際の副走査方向Dの位置ズレ量PR(図7参照)を求める。主制御部40の、この実際の副走査方向Dの位置ズレ量PRを求める機能が、本発明にいう位置ズレ補正部の一例に相当する。
【0156】
そして、主制御部40は、実際の副走査方向Dの位置ズレ量PRを算出すると、その値PRが表す量の位置ズレと逆方向にトナー像形成位置をずらすように、現時点での副走査方向の調整値を補正して、新たな副走査方向の調整値を生成する。
【0157】
本実施形態では、副走査方向Dの位置ズレ量について、上記のようにオフセット量Offが考慮されてレジストレーション処理の調整値が生成される。これにより、副走査方向Dに変動しながら主走査方向に延びる走査線に基づいて形成されるトナー像の形成位置の位置ズレが抑制されることとなる。
【0158】
本実施形態では、YMC各色について、以上に説明した生成方法によって新たな副走査方向の調整値が各々生成される。
【0159】
また、主制御部40は、上記の(1)式から算出した副走査方向Dの位置ズレ量Lが表す量の位置ズレと逆方向にトナー像形成位置をずらすように、現時点での主走査方向の調整値を補正して、新たな主走査方向の調整値を生成する。
【0160】
主制御部40の記憶部40a内の調整値は、このように新たに生成された調整値で更新される。そして、その新たな調整値が、次に新たに調整値が生成されるまでのレジストレーション処理に使われる。
【0161】
尚、本実施形態では、複数色のトナーとして、YMCK4色のトナーが例示されている。しかしながら、複数色のトナーは、これら4色に、別の色のトナーを加えた5色以上のトナーであっても良い。
【0162】
また、本実施形態では、画像形成装置の一例としてカラーの複写機1が例示されている。しかしながら、画像形成装置は、カラーのプリンタやカラーのファクシミリ等であっても良い。
【符号の説明】
【0163】
1 複写機
1A 原稿読取部
1B 画像形成部
11 原稿給紙台
12 原稿排紙台
13 原稿読取板
14 表示操作部
15 支持フレーム
16 搬送ローラ
17 搬送経路
21 排紙台
22 前カバー
23_1,23_2,23_3 給紙台
24 横カバー
24_1,24_2,24_3 案内レール
25 ピックアップロール
26 さばきロール
27 搬送ロール
28 待機ロール
29Y,29M,29C,29K 容器装着部
30 原稿読取光学系
31 第1ブロック
32 第2ブロック
33 光電センサ
34 画像処理部
40 主制御部
41 露光制御部
50Y,50M,50C,50K 像形成ユニット
51 感光体
52 帯電器
53 現像器
54 転写器
55 クリーナ
61 中間転写ベルト
62 ロール
63 転写器
64 定着器
65 排出ローラ
66 クリーナ
67Y,67M,67C,67K トナー容器
70 光センサ
71 照射部
72 受光部
100 露光器
110 LEDチップ
111 LED
120,120’,120K 走査線
120K_1,120’_1 仮想的な走査線
121 露光スポット
200 レジストレーションマーク
201Y,201M,201C,201K トナーパッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色のトナーを各色ごとに分担して使用して異なる色のトナー像をそれぞれ形成する複数のトナー像形成部と、
前記複数のトナー像形成部に沿って移動し該複数のトナー像形成部により形成された複数のトナー像の転写を受ける中間転写体と、
前記中間転写体上に転写された複数色のトナー像を記録媒体上にさらに転写する転写器と、
前記記録媒体上に転写された複数色のトナー像を該記録媒体上に定着する定着器とを有する画像形成装置であって、
前記複数のトナー像形成部それぞれが、
回転軸の回りに回転しながら露光を受けて表面に潜像を形成する感光体と、
前記感光体の表面に対面して配置され、前記回転軸が延びる主走査方向の各画素の露光を分担する複数の発光素子を有し、該複数の発光素子を該主走査方向の配列順に複数の露光ユニットに分けたときに該複数の発光素子を、該複数の露光ユニットどうしの間では同期させつつ該各露光ユニット内では順次発光させる露光部と、
前記感光体の表面に形成された潜像をトナーで現像する現像部とを有するものであり、
当該画像形成装置が、さらに、
前記複数のトナー像形成部に、トナー像形成位置ズレ検出用のトナーパッチを形成させて前記中間転写体上に転写させるトナーパッチ形成制御部と、
前記中間転写体上に転写されたトナーパッチを、該中間転写体の移動に従って該中間転写体の移動方向である副走査方向に観察して、トナーパッチの形状に基づく前記主走査方向のトナー像形成位置ズレと、トナーパッチの前記副走査方向の位置ズレに基づく該副走査方向のトナー像形成位置ズレとを検出する位置ズレ検出部と、
前記位置ズレ検出部で検出された前記副走査方向の位置ズレを、該位置ズレ検出部で検出された前記主走査方向の位置ズレに基づいて、前記露光部における前記順次発光に伴って形成される、前記副走査方向に変動しながら前記主走査方向に延びる走査線の、該変動に起因する検出誤差分だけ補正して該副走査方向の新たな位置ズレを算出する位置ズレ補正部と、
前記トナー像形成部におけるトナー像形成位置を、前記位置ズレ検出部で検出された前記主走査方向の位置ズレ分と、前記位置ズレ補正部で補正された後の前記副走査方向の位置ズレ分だけ調整する形成位置調整部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記位置ズレ補正部が、前記露光部における前記順次発光に伴って形成される、前記副走査方向に変動しながら前記主走査方向に延びる走査線を、前記順次発光に伴って形成される該走査線の前記副走査方向への変動の平均的な点を通って前記主走査方向に直線的に延びる走査線に置き換えたと仮定したときの該副走査方向の新たな位置ズレを算出するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記位置ズレ検出部が、前記中間転写体上に転写されたトナーパッチと交差して前記副走査方向に直線的に延びる観察線に沿って該トナーパッチを観察するものであり、
前記位置ズレ補正部が、前記複数のトナー像形成部それぞれの前記露光部において形成される、前記副走査方向に変動しながら前記主走査方向に延びる走査線を、該複数のトナー像形成部それぞれのトナー像形成位置相互間の前記副走査方向の平均的な位置ズレが「0」の状態で前記中間転写体上に写像したと仮定したときの、その写像した走査線どうしの、各走査線が前記副走査方向に変動していることに起因する前記観察線上における位置ズレを、前記検出誤差として算出するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−63510(P2013−63510A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201766(P2011−201766)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】