説明

画像生成システム、画像データ生成装置、印刷装置および画像データ生成プログラム

【課題】同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像上の2つの領域を明確に区別することができる画像生成システム等を提供すること。
【解決手段】図3(a)に示す元色が異なる領域aと領域bとを含む円グラフAを従来の方法で単色化した場合には、図3(b)に示すように、領域a1と領域b1との濃度が同一になり、単色画像上において領域a1と領域b1とを明確に区別できなくなるところを、図3(c)に示すように、領域a1と領域b1との濃度が異なるような単色画像を生成する。よって、単色画像上において領域a1と領域b1とを明確に区別することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成システム等に関し、特に、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像上の2つの領域を明確に区別することができる画像生成システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、プレゼンテーション資料作成ソフトが発達してきており、発表者はプレゼンテーションにあたってカラーグラフを含んだプレゼンテーション資料をカラープリンタから印刷し、参加者に配布することが多くなっている。また、プレゼンテーションの終了後、プレゼンテーション資料がネットワーク上で公開され、参加者以外でも印刷して閲覧することができるようにすることも多くなっている。そのため、カラー印刷の枚数が多くなる傾向にある。一般的には、カラー印刷にかかるコストはモノクロ印刷に比べて高価であるため、カラー印刷の枚数の増加はカラープリンタを導入しているユーザ企業にとって大きなコスト負担となっていた。
【0003】
そこで、所定の権限をもった使用者以外のコンピュータからはモノクロ印刷しかできないように制限をかけ、カラー印刷の増加に起因するコスト負担を下げることが考えられている。しかし、モノクロ印刷はカラー画像を例えば黒一色の濃淡で表すため、プレゼンテーション資料に含まれるカラーグラフが円グラフであった場合、モノクロ印刷をした結果、円グラフにおいて隣り合う領域の濃度がほぼ同じとなり、各領域が識別できないという弊害が発生することがあった。
【0004】
一方で、次の特許文献1には、カラー画像をモノクロ化する前に、カラー強調されている文字を抽出し、その抽出した文字を最大濃度にしたり、中抜きにしたりすることで抽出した文字が背景の濃度に近くなって文字が見にくくなるという弊害を抑制する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−79750号公報(第0014段落等、図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている技術では、予めカラー画像上で強調されていた文字を想定しているため、例えば、円グラフにおいて隣接している領域がまったく別の色相の色であってもその輝度(濃度)が同じ場合には、その領域を区別してモノクロ化することはできず、依然として、その隣接している領域をモノクロ画像上において明確に区別することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、元画像では異なる色相である隣接画像領域が、別の領域であると明確に認識できる単色画像を生成することのできる画像生成システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために請求項1記載の画像生成システムは、画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像を生成する画像生成手段を備えたものであって、前記第1の手順にて生成される単色画像上における第1の領域と、前記第1の領域と少なくとも一部が重なる又は隣接する第2の領域との濃度差が、同一あるいは所定範囲内に含まれるかを判断する濃度判断手段を備え、前記画像生成手段は、前記濃度判断手段が前記濃度差は同一あるいは前記所定範囲に含まれると判断したことを条件として、第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる画像を生成する。
【0008】
請求項2記載の画像生成システムは、請求項1に記載の画像生成システムにおいて、前記画像データは、前記第1の領域に対応する色相成分を示す第1の色相成分データと、前記第2の領域に対応する色相成分を示す第2の色相成分データとを含み、前記第1の手順は、前記第1の色相成分データから第1の濃度を計算する手順と、前記第2の色相成分データから第2の濃度を計算する手順とを含み、前記濃度判断手段は、前記第1の濃度と前記第2の濃度の濃度差を判断し、前記画像生成手段は、前記濃度判断手段が前記濃度差は同一あるいは前記所定範囲に含まれると判断したことを条件として、前記第1の濃度とは異なる濃度で前記第1の領域を生成する手順および/または前記第2の濃度とは異なる濃度で前記第2の領域を生成する手順を含む第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる画像を生成する。
【0009】
請求項3記載の画像生成システムは、請求項2に記載の画像生成システムにおいて、前記画像生成手段は、前記第1の色相成分データと、第2の色相成分データが同一の値であることを条件として、前記第1の領域と同じ濃度で前記第2の領域を生成する。
【0010】
請求項4に記載の画像生成システムは、請求項1から3のいずれかに記載の画像生成システムにおいて、前記画像データは、前記第1の領域に対応する形状を示す第1の形状データと、前記第2の領域に対応する形状を示す第2の形状データとを含み、前記画像生成手段は、前記第1の形状データがラスタデータ以外の形状データであることを条件として、さらに前記濃度判断手段が前記濃度差は同一あるいは前記所定範囲に含まれると判断したことを条件として、前記第1の濃度とは異なる濃度で前記第1の領域を生成する手順および/または前記第2の濃度とは異なる濃度で前記第2の領域を生成する手順を含む第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる画像を生成する。
【0011】
請求項5記載の画像生成システムは、請求項1から3のいずれかに記載の画像生成システムにおいて、前記画像データは、前記第1の領域に対応する形状を示す第1の形状データと、前記第2の領域に対応する形状を示す第2の形状データとを含み、前記画像生成手段は、前記前記第1の形状データがベクトルデータであることを条件として、前記第1の濃度とは異なる濃度で前記第1の領域を生成する手順および/または前記第2の濃度とは異なる濃度で前記第2の領域を生成する手順を含む第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる画像を生成する。
【0012】
請求項6記載の画像生成システムは、画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像を生成する画像生成手段とを備えたものであって、前記画像データは、前記複数の領域それぞれに対応する色相成分を示す複数の色相成分データを含み、前記第1の手順は、前記色相成分データから濃度を計算する手順を含み、前記複数の領域のうちの、それぞれ対応する色相成分が異なる領域であって、前記第1の手順にて計算される濃度の濃度差が同一あるいは所定範囲に含まれる複数の領域を抽出する領域抽出手段を備え、前記画像生成手段は、前記領域抽出手段で抽出される領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が前記所定範囲から外れるよう計算する手順を含む第2の手順にて、単色画像を生成する。
【0013】
請求項7記載の画像生成システムは、請求項6に記載の画像生成システムにおいて、前記画像データは、前記複数の領域それぞれに対応する形状を示す複数の形状データを含み、前記画像生成手段は、前記領域抽出手段で抽出される領域であり、前記対応する形状データがラスタデータ以外の形状データである領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が前記所定範囲から外れるよう計算する手順を含む第2の手順にて、単色画像を生成する。
【0014】
請求項8記載の画像生成システムは、請求項6に記載の画像生成システムにおいて、前記画像データは、前記複数の領域それぞれに対応する形状を示す複数の形状データを含み、前記画像生成手段は、前記領域抽出手段で抽出される領域であり、前記対応する形状データがベクトルデータである領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が前記所定範囲から外れるよう計算する手順を含む第2の手順にて、単色画像を生成する。
【0015】
請求項9記載の画像データ生成装置は、画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像の基となる単色画像データを生成する画像データ生成手段を備えたものであって、前記第1の手順にて生成される単色画像データを基にした単色画像上における第1の領域と、前記第1の領域と少なくとも一部が重なる又は隣接する第2の領域との濃度差が、同一あるいは所定範囲内に含まれるかを判断する濃度判断手段を備え、前記画像データ生成手段は、前記濃度判断手段が前記濃度差は同一あるいは前記所定範囲に含まれると判断したことを条件として、第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる単色画像の基となる単色画像データを生成する。
【0016】
請求項10記載の画像データ生成装置は、画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像の基となる単色画像データを生成する画像データ生成手段とを備えたものであって、前記画像データは、前記複数の領域それぞれに対応する色相成分を示す複数の色相成分データを含み、前記第1の手順は、前記色相成分データから濃度を計算する手順を含み、前記複数の領域のうちの、それぞれ対応する色相成分が異なる領域であって、前記第1の手順にて計算される濃度の濃度差が同一あるいは所定範囲に含まれる複数の領域を前記複数の領域のうちから抽出する領域抽出手段を備え、前記画像生成手段は、前記領域抽出手段で抽出される領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が前記所定範囲から外れるよう計算する手順を含む第2の手順にて、単色画像の基となる単色画像データを生成する。
【0017】
請求項11記載の印刷装置は、画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像を生成する画像生成手段を備えたものであって、前記第1の手順にて生成される単色画像上における第1の領域と、前記第1の領域と少なくとも一部が重なる又は隣接する第2の領域との濃度差が、同一あるいは所定範囲内に含まれるかを判断する濃度判断手段を備え、前記画像生成手段は、前記濃度判断手段が前記濃度差は同一あるいは前記所定範囲に含まれると判断したことを条件として、第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる画像を生成する。
【0018】
請求項12記載の印刷装置は、画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像を生成する画像生成手段とを備えたものであって、前記画像データは、前記複数の領域それぞれに対応する色相成分を示す複数の色相成分データを含み、前記第1の手順は、前記色相成分データから濃度を計算する手順を含み、前記複数の領域のうちの、それぞれ対応する色相成分が異なる領域であって、前記第1の手順にて計算される濃度の濃度差が同一あるいは所定範囲に含まれる複数の領域を抽出する領域抽出手段を備え、前記画像生成手段は、前記領域抽出手段で抽出される領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が前記所定範囲から外れるよう計算する手順を含む第2の手順にて、単色画像を生成する。
【0019】
請求項13記載の画像データ生成プログラムは、画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像の基となる単色画像データを生成させる画像データ生成ステップを備えたものであって、前記第1の手順にて生成される単色画像データを基にした単色画像上における第1の領域と、前記第1の領域と少なくとも一部が重なる又は隣接する第2の領域との濃度差が、同一あるいは所定範囲内に含まれるかを判断させる濃度判断ステップを備え、前記画像データ生成ステップは、前記濃度判断ステップが前記濃度差は同一あるいは前記所定範囲に含まれると判断したことを条件として、第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる単色画像の基となる単色画像データを生成させる。
【0020】
請求項14記載の画像データ生成プログラムは、画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像の基となる単色画像データを生成させる画像データ生成ステップを備えたものであって、前記画像データは、前記複数の領域それぞれに対応する色相成分を示す複数の色相成分データを含み、前記第1の手順は、前記色相成分データから濃度を計算する手順を含み、前記複数の領域のうちの、それぞれ対応する色相成分が異なる領域であって、前記第1の手順にて計算される濃度の濃度差が同一あるいは所定範囲に含まれる複数の領域を前記複数の領域のうちから抽出させる領域抽出ステップを備え、前記画像生成ステップは、前記領域抽出手段で抽出される領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が前記所定範囲から外れるよう計算する手順を含む第2の手順にて、単色画像の基となる単色画像データを生成させる。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の画像生成システムによれば、単色画像上における第1の領域と第2の領域との濃度差から、第1の領域と第2の領域とを明確に区別することができるという効果がある。
【0022】
請求項2記載の画像生成システムによれば、請求項1に記載の画像生成システムの奏する効果に加え、カラー画像上で明確に区別できる第1の領域と第2の領域とを、単色画像上においても明確に区別することができるという効果がある。
【0023】
請求項3記載の画像生成システムによれば、請求項2に記載の画像生成システムの奏する効果に加え、画像データが、同じ色相である第1の領域と第2の領域とを繋げて一つの領域を構成するものであった場合、単色画像上においても第1の領域と第2の領域とを同一の領域として表すことができるという効果がある。
【0024】
請求項4記載の画像生成システムによれば、請求項1から3のいずれかに記載の画像生成システムの奏する効果に加え、単色画像上においてもラスタデータで示された領域内には、画素毎の濃度がラスタデータの値を反映した濃度である単色画像を形成することができるという効果がある。
【0025】
請求項5記載の画像生成システムによれば、請求項1から3のいずれかに記載の画像生成システムの奏する効果に加え、単色画像上においてもベクトルデータで示された領域内は他の領域と異なる単一濃度の領域とすることができるという効果がある。
【0026】
請求項6記載の画像生成システムによれば、カラー画像上で色相の違いにより明確に区別できる複数の領域を、単色画像上においても濃度の違いより明確に区別することができるという効果がある。
【0027】
請求項7記載の画像生成システムによれば、請求項6に記載の画像生成システムの奏する効果に加え、単色画像上においてもラスタデータで示された領域内には画素毎の濃度がラスタデータの値を反映した濃度である単色画像を形成することができるという効果がある。
【0028】
請求項8記載の画像生成システムによれば、請求項6に記載の画像生成システムの奏する効果に加え、単色画像上においてもベクトルデータで示された領域内は他の領域と異なる単一濃度の領域とすることができるという効果がある。
【0029】
請求項9記載の画像データ生成装置によれば、単色画像上における第1の領域と第2の領域との濃度差から、第1の領域と第2の領域とを明確に区別することができるという効果がある。
【0030】
請求項10記載の画像データ生成装置によれば、カラー画像上で色相の違いにより明確に区別できる複数の領域を、単色画像上においても濃度の違いより明確に区別することができるという効果がある。
【0031】
請求項11記載の印刷装置によれば、単色画像上における第1の領域と第2の領域との濃度差から、第1の領域と第2の領域とを明確に区別することができるという効果がある。
【0032】
請求項12記載の印刷装置によれば、カラー画像上で色相の違いにより明確に区別できる複数の領域を、単色画像上においても濃度の違いより明確に区別することができるという効果がある。
【0033】
請求項13記載の画像データ生成プログラムによれば、単色画像上における第1の領域と第2の領域との濃度差から、第1の領域と第2の領域とを明確に区別することができるという効果がある。
【0034】
請求項14記載の画像データ生成プログラムによれば、カラー画像上で色相の違いにより明確に区別できる複数の領域を、単色画像上においても濃度の違いより明確に区別することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の実施例としての画像生成システム、画像データ生成装置、印刷装置、画像データ生成プログラムによれば、画像データを基に、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像を生成する場合には、その単色画像上における第1の領域と、第1の領域と少なくとも一部が重なる又は隣接する第2の領域との濃度差が同一あるいは所定範囲内に含まれるかが判断される。そして、その結果、濃度差が同一あるいは所定範囲内に含まれると判断された場合には、第1の領域と第2の領域との濃度差が所定範囲から外れる単色画像が生成される。
【0036】
よって、単色画像上における第1の領域と第2の領域との濃度差から、第1の領域と第2の領域とを明確に区別することができる。従って、例えば、まったく別の色相の色であってもその輝度(濃度)が同じである、隣接する2つの領域を有する円グラフを単色画像にする場合であっても、その円グラフで隣接している2つの領域を明確に区別することができる。
【0037】
また、画像データには、第1の領域に対応する色相成分を示す第1の色相成分データと、第2の領域に対応する色相成分を示す第2の色相成分データとが含まれており、その画像データを基に、カラー画像を生成すれば、第1の領域と第2の領域とは異なる色相に生成にされる。
【0038】
そのような画像データを基に、単色画像を生成する場合には、第1の色相成分データから第1の濃度、第2の色相成分データから第2の濃度を計算し、第1の濃度と第2の濃度の濃度差が同一あるいは前記所定範囲に含まれるかが判断され、その結果、濃度差が同一あるいは所定範囲内に含まれると判断された場合には、第1の領域は第1の濃度とは異なる濃度に、および/または、第2の領域は第2の濃度とは異なる濃度に生成されることで、第1の領域と第2の領域との濃度差が所定範囲から外れる単色画像が生成され、カラー画像上で明確に区別できる第1の領域と第2の領域とを、単色画像上においても明確に区別することができる。
【0039】
また、第1の色相成分データと、第2の色相成分データが同一の値である場合、第1の領域と同じ濃度で第2の領域が生成され、画像データが、同じ色相である第1の領域と第2の領域とを繋げて一つの領域を構成する意図で作成されていた場合、単色画像上においても第1の領域と第2の領域とを同一の領域として表すことができる。
【0040】
また、第1の領域と第2の領域との濃度差が所定範囲から外れる画像を生成する場合には、第1の形状データがラスタデータ以外の形状データであることを条件とすることで、画像を構成する画素毎の色相情報の集合体であり、所定領域内の画素毎の色相差を利用して、写真や絵画などを表現する画像を形成するためのラスタデータについて、各画素の濃度を変更することで、意図されていた写真や絵画などの表現を損ねることを防止することができる。
【0041】
また、第1の領域と第2の領域との濃度差が所定範囲から外れる画像を生成する場合には、第1の形状データがベクトルデータであることがデータであることを条件とすることで、所定の色相をどのような形状に展開するかを示すパラメータの集合体であり、所定領域内を単一の色相とし、他の領域との色相差を利用した画像を形成するためのベクトルデータについて、単色画像とした場合に所定領域内を単一の濃度とすることで、他の領域との濃度差を利用した画像を形成することができる。
【0042】
また、画像データを基に、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像を生成する場合に、その単色画像上における複数の領域のうちから、それぞれ対応する色相成分が異なる領域であって、濃度差が同一あるいは所定範囲に含まれる複数の領域を抽出し、その結果、抽出される領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が所定範囲から外れるような単色画像を生成することで、カラー画像上で色相の違いにより明確に区別できる複数の領域を、単色画像上においても濃度の違いより明確に区別することができる。
【0043】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例としての複合機1とパーソナルコンピュータ35(以下単に「PC35」と称す)との外観構成を示す斜視図である。なお、本発明の画像生成システムの実施例としては、この複合機1とPC35とからなる画像生成システム100が該当し、本発明の画像データ生成装置の実施例としてはPC35が該当し、本発明の印刷装置の実施例としては複合機1が該当し、本発明の画像生成プログラムの実施例としては後述する描画プログラム39c(図2参照)が該当する。また、実施例は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施例を適宜変更できることは言うまでもない。
【0044】
複合機1は、下部に設けられたプリンタ2と、上部に設けられたスキャナ3と、スキャナ3の正面側に設けられた操作パネル4とを一体的に備えたMFD(Multi Function Device)であり、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を実現する。
【0045】
また、複合機1は、デジタルカメラ等の外部装置と接続されて外部装置から受け取ったデータを記録用紙に記録したり、メモリカード等の各種記憶媒体を装填したりして、該記憶媒体に記憶されたデータ等を受け取り、記録用紙に記録するメディア機能を実現する。さらに、複合機1は、PC35と続されて、PC35から送信された画像データや文書データに基づいて、記録用紙に画像や文書を記録することができる。また、複合機1は、各種機能の実行により複合機1が取得したデータを、複合機1に接続された外部機器に送信することで、記憶手段を持った外部機器にデータを記憶させる機能や、外部機器にデータの加工、表示、送信、印刷などの処理を行なわせる機能を実現するものであってもよい。なお、本発明を適用するうえで、上記した全ての機能が複合機1に備えられている必要はない。また、複合機1は、記録用紙だけに限らず、OHP用の透明フィルムシートや布などにも画像を記録することが可能である。
【0046】
スキャナ3は、FBS(Flatbed Scanner)として機能する原稿読取台6に対して、自動原稿搬送機構(ADF:Auto Document Feeder、以下「ADF」という。)7を備えた原稿カバー8が、取り付けられてなる。原稿読取台6の上面にはプラテンガラスが配設されており、原稿読取台6の内部には、図示しない画像読取ユニットが内蔵されている。このように構成されたスキャナ3では、FBSあるいはADFを用いて原稿の画像読取りが行われる。
【0047】
プリンタ2は、スキャナ3で読み取られた画像データ或いは外部から入力された画像データに基づいて、選択的にインク滴を吐出することによって、記録用紙上に画像を記録する所謂インクジェット方式の画像記録装置(インクジェット記録装置)である。上記インクジェット方式はプリンタ2による画像記録方式の単なる一例であり、電子写真方式や熱転写方式などの種々の画像記録方式を採用することができるのはもちろんである。一般に、これらの画像記録方法でカラー印刷する場合は、用紙に複数層にわたりインクあるいはトナーを付着させることになる。このため単層の付着のみで画像を形成するモノクロ印刷あるいは単層印刷に比べ、ランニングコストは高い。
【0048】
複合機1の正面側、換言すれば、プリンタ2の正面側には開口5が形成されている。この開口5内に給紙トレイ14及び排紙トレイ15が完全に内包されるように設けられている。
【0049】
複合機1の正面側には、操作パネル4が設けられている。操作パネル4は、プリンタ2やスキャナ3を操作するためのものであり、各種操作キー40と液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)41とを具備する。ユーザは、操作パネル4を用いて、所望の指令を入力することができる。複合機1に所定の指令が入力されると、その入力された情報に基づいて該複合機1の動作が制御部20によって制御される。なお、複合機1は、操作パネル4から入力された指令のほか、コンピュータに接続されて該コンピュータからプリンタドライバやスキャナドライバ等を介して送信される指令に基づいて動作するようにシステム構成されている。
【0050】
プリンタ2の上記開口5の上側には、接続パネル70が設けられている。この接続パネル70には、その左端側にUSB端子71が配設されている。USB端子71は、外部機器とUSB接続することにより該外部機器(本実施例ではPC35)と本複合機1とを通信可能に接続するコネクタ端子である。また、接続パネル70の右端側にはスロット部72が配設されている。スロット部72はメモリカード(カード型メモリ)を装填可能な複数のカードスロットが設けられている。カードスロットにメモリカードが装填され、該装填されたメモリカードから画像データが後述の制御部20により読み出されると、その読み出された画像データや該画像データに関する情報が制御部20(図2参照)によってLCD41に表示される。或いは、選択された任意の画像がプリンタ2において記録用紙に記録される。
【0051】
一方、PC35は、複合機1を制御する装置であり、キーボード42と、液晶ディスプレイ43と、USBケーブルを接続可能な後述するUSB端子46(図2参照)とを備え、USBケーブルを介して複合機1と通信可能に構成されている。
【0052】
図2を参照して、複合機1の動作を制御する制御部20の概略構成について説明する。図2は、複合機1の制御部20の概略構成を示すブロック図である。制御部20は、プリンタ2、スキャナ3及び操作パネル4を含む複合機1の動作を統括的に制御するものである。制御部20は、図に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)24を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス25を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)26に接続されている。
【0053】
CPU21は、この複合機1を総括的に制御する中央演算処理であり、図4および図5のフローチャートで示す処理を実行するプログラムなどの各種プログラムを実行する。ROM22には、複合機1の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。
【0054】
RAM23は、CPU21が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される。
【0055】
ASIC26は、CPU21からの指令に従い、プリンタ2、スキャナ3、操作パネル4、及びスロット部72の動作制御を行なう(例えば、プリンタ2を駆動するモータやインクジェット記録ヘッド、スキャナ3のADF7を駆動するモータや画像読取ユニット等の動作を制御する)。プリンタ2、スキャナ3及びスロット部72は、公知の構成であるので詳細な説明は省略する。
【0056】
ASIC26には、複合機1に所望の指令を入力する操作キー40を制御するパネルゲートアレイ27(パネルGA27)、LCD41の画面表示を制御するLCDコントローラ28、コンピュータとパラレルケーブル又はUSBケーブルを介してデータの送受信を行なうためのパラレルインタフェース29(パラレルI/F29)及びUSB端子71が接続されている。尚、USB端子71には、USBケーブルを介して、デジタルカメラやパーソナルコンピュータなどの外部装置が接続可能である。さらに、ASIC26には、ファクシミリ機能を実現するためのNCU(Network Control Unit)31やモデム32(MODEM32)が接続されている。また、ネットワーク上に存在するコンピュータとデータの送受信を行なうための、図示しないネットワークインターフェースを備えていてもよい。
【0057】
一方、PC35は、CPU36、ROM37、RAM38、ハードディスク39、入出力ポート44、USB端子46、CDドライブ47を備えている。CPU36はROM37に記憶される固定値やプログラム或いはUSB端子46を介して送受信される各種信号に基づいて、バスライン45により接続される各部を制御するものである。ROM37は、PC35で実行される制御プログラム等を格納した書き換え不能なメモリである。RAM38は、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、解析済レコードメモリ38aと、隣接領域色メモリ38bとを備えている。解析済レコードメモリ38aは、複数のレコードから構成される画像データの各レコードの解析結果を一時的に記憶するメモリである。隣接領域色メモリ38bは、解析中のレコードと隣接する領域の減色後の色を記憶するメモリである。
【0058】
ハードディスク39は書き換え可能な不揮発性のメモリであり、OS(Operation System)39a、アプリケーション39b、描画プログラム39c、デバイスドライバ39d、カラー制限フラグ39e等が格納されている。OS39aは、基本ソフトウェアであり、例えば、Windows(登録商標)が該当する。アプリケーション39bは、例えば、プレゼンテーション資料作成用のソフトウェアが該当し、種々の文字、図形等を作成するソフトウェアである。描画プログラム39cは、アプリケーション39bで作成したデータをデバイスドライバ39dによって処理可能な形式に変換するアプリケーション39bとデバイスドライバ39dを結ぶ役割を含むソフトウェアであり、前述したWindows(登録商標)ではGDIと呼ばれるものである。後述する図4に示す描画処理も描画プログラム39cに沿ってを実行される。デバイスドライバ39dは、PC35に接続された周辺装置(本実施例では複合機1)を正常に駆動するためのものであり、PC35と複合機1とを結ぶ役割を有するソフトウェアである。例えば、描画プログラム39cによって生成される画像データをPDL(page description
language )化するものである。カラー制限フラグ39eは、カラー印刷を制限するか否かを指標するものであり、使用者によって設定可能に構成されている。このカラー制限フラグ39eがONの場合には、カラー印刷は制限されることになる。USB端子46は、複合機1を含むUSB装置との通信を可能にする既知の回路であり、USBケーブルと接続可能に構成されている。
【0059】
尚、上述したCPU36、ROM37、RAM38はバスライン45を介して互いに接続されており、そのバスライン45は入出力ポート41に接続されている。この入出力ポート41は、バスライン45の他にハードディスク39、キーボード42、LCD43、USB端子46に接続されている。
【0060】
次に、図3を参照して、本発明の概念について概略する。図3(a)は、基となるカラー画像の円グラフAを示し、図3(b)は、図3(a)に示す円グラフAを従来の方法で単色化した円グラフA1を示し、図3(c)は、図3(a)に示す円グラフAを本願の方法で単色化した円グラフA2を示している。尚、本願でいう単色化とは、カラー画像を同一色相(単一色)である複数の領域あるいは色相のない(白黒)複数の領域を含む単色画像に変換することをいう。ここで変換される単一色相の色は、単一のインクあるいはトナーで表現できるものであると、よりランニングコストが低下する。
【0061】
図3(a)に示す円グラフAは、その内部を時計まわりに領域aと、領域bと、領域cと、領域dとに区分けされ、領域aは領域bと領域dとに隣接し、領域bは領域aと領域cとに隣接し、領域cは領域bと領域dとに隣接し、領域dは領域cと領域aとに隣接して構成されている。また、領域aは、シアンC:255、マゼンタM:255、イエローY:0という色相成分データから構成される色相で表現され、領域bは、シアンC:255、マゼンタM:0、イエローY:255という色相成分データから構成される色相で表現され、領域cは、シアンC:0、マゼンタM:127、イエローY:127という色相成分データから構成される色相で表現され、領域dは、シアンC:30、マゼンタM:20、イエローY:20という色相成分データから構成される色相で表現されている。よって、各領域a乃至dは異なる色相成分データから構成される異なる色相で表現されているので、各領域を明確に区別することができる。またこのグラフの外側は白色(C255,Y255,M255)となっている。
【0062】
一方、図3(a)に示す円グラフAを従来の方法で単色化した場合には、図3(b)に示す円グラフA1のように単色化される。即ち、図3(a)に示す各領域a乃至dを構成する色相成分データの合計が単色の濃度として変換され、領域aに対応する領域a1はBW:510、領域bに対応する領域b1はBW:510、領域cに対応する領域c1はBW:254、領域dに対応する領域d1はBW:70として表現される。このとき、各色すべてが最大濃度(255)だった場合を黒色とし、各色すべて最低濃度だった場合を白色とする。よって、図3(a)に示す円グラフを単色化した場合には、領域a1の濃度と領域b1の濃度とが同一となり、領域a1と領域b1との境界線K(一点鎖線)が視認できず、領域a1と領域b1とを区別することができないという問題点があった。すなわち元画像において視覚的にまったく別の色であっても、同一色の画像としたときに、視覚的に区別できない濃度として表されることになり、特に円グラフなどを多用したプレゼンテーション資料の印刷時には致命的な欠陥となった。またプレゼンテーション以外の印刷物であっても、その用途によっては、使用に耐えない印刷物となることがあった。
【0063】
そこで、本願では、例えば、図3(c)に示す円グラフA2のように、元色が異なり、且つ、単色化後の濃度が同一であり、隣接する2つの領域a1と領域b1とのうち、領域b1の単色化後の濃度をBW:510(図3(b)参照)からBW:515に変更する。これにより、単色化後の領域a1と領域b1との濃度が異なり、その濃度差によって単色画像上においても領域a1と領域b1とを明確に区別することができる。
【0064】
次に、図4のフローチャートを参照して、上記のように構成された画像生成システムにおけるPC35で実行される描画処理について説明する。ユーザがアプリケーションに対して印刷を指示すると、アプリケーションはOS(Windows(登録商標))に対して、印刷データを出力する。OS(Windows(登録商標))はこの印刷データを、中間ファイルに記憶してスプールする。この中間ファイルがOSを構成するモジュールであるプリントプロセッサに渡され、プリントプロセッサはそのデータを、プリンタドライバに渡す。この中間ファイルは、レコードと呼ばれるデータの集合体である。このレコードには腺を引くための命令およびデータを示すレコード、領域を塗りつぶしするするためのレコード、文字を描くためのデータを含むレコードなどがある。これらレコードが、前述したプリントプロセッサあるいはプリンタドライバによって、記録された順に、処理されることにより、所望の描画が可能となっている。
【0065】
図4は、上記描画処理を示すフローチャートである。なお、本実施例の処理は、プリンタドライバ側に含まれるが、全体のデータ処理の流れを明確にするために、このフローチャートは、一部プリントプロセッサの動作も含む形で示した。本実施例の印刷装置は、前述のように、カラー印刷する場合はモノクロ印刷する場合よりも、ランニングコストが高い。このため、ランニングコストを抑えるためのカラー制限モードを有する。このカラー制限モードは、カラー印刷が指定された場合にあっても、強制的に単色(モノクロ)に変換するものである。本実施例にあっては、OSに対するログインネームを、予め決められたカラー許可メンバーのユーザ名と比較し、そのカラー許可メンバーの中に一致するユーザ名がない場合は、カラー制限モードとして、「カラー制限フラグ39d」をONとし、それ以外をOFFとする。
【0066】
この処理では、まず、複数のレコードから構成される画像データの各レコードの解析を開始し(S501)、全レコードの解析が終了したか否かを判断する(S502)。全レコードの解析が終了すれば(S502:Yes)、本処理を終了する。尚、解析が終了した各レコードの解析結果は、全てのレコードの解析が終了するまでは一時的に解析済レコードメモリ38aに記憶されている。
【0067】
全レコードの解析が終了していなければ(S502:No)、着目しているレコードが、閉領域の塗りつぶし処理レコードかを判断する(S503)。閉領域の塗りつぶし処理レコードであれば(S503:Yes)、カラー制限モードかを判断する(S504)。カラー制限モードかは、カラー制限モードフラグ39dのON/OFFによって判断される。カラー制限モードに設定されていない場合には(S504:No)、そのまま塗りつぶしの描画処理を指示し(S511)、次のレコードの解析を実行すべく、再び、S501からの処理を繰りかえす。一方、カラー制限モードに設定されている場合には(S504:Yes)、隣接領域の描画後の色調査処理を実行する(S505)。
【0068】
ここで、図5を参照して、隣接領域の描画後の色調査処理(S505)について説明する。図5は、隣接領域の描画後の色調査処理(S505)のフローチャートである。隣接領域の描画後の色調査処理(S505)は、解析中の塗りつぶし領域に対して隣接する隣接領域の描画後の色(単色の濃度)を調査する処理である。このS505の処理が、S501で解析されたN番目のレコードであるとする。その場合、すでにN−1個のレコードが既に解析済みである。そのN−1個のレコードが調査対象となる。
【0069】
この処理では、まず、解析済みレコードがまだ有るか否かを判断する(S601)、上記の場合Nが1の場合は、ここでは否と判断される。またNが1以外の場合は、(S601:Yes)、解析済のレコードの中から塗りつぶし領域を探し(S602)、その解析済の塗りつぶし領域と解析中の塗りつぶし領域とが線接触するかを判断する(S603)。
【0070】
その結果、線接触すると判断すれば(S603:Yes)、その解析済の塗りつぶし領域を解析中の塗りつぶし領域と隣接する隣接領域として、その隣接領域の描画後の色を隣接領域色メモリ38bに記憶し(S604)、再び、S601からの処理を繰りかえす。そして、S601の処理において、全て(N−1個)の解析済みレコードの調査が終了すると(S601:No)、本処理を終了する。こうして、解析中のぬりつぶし領域に対してと隣接する隣接領域の描画後の色(単色の濃度)を調査することができる。尚、S603の処理において、線接触しないと判断すれば(S603:No)、換言すれば、解析中の塗りつぶし領域に隣接する隣接領域ではないので、S601からの処理を繰りかえすことになる。なお、S603において、ここでこの調査対象となる領域が、描画されていない領域(通常白色)と隣接する場合にあっては、この描画されていない領域も白色の領域として扱い、S604において、隣接領域色メモリに白色が記憶される。
【0071】
再び、図4に戻り、説明を続ける。S505の処理が終了すると、解析中の塗りつぶし領域の元色と同じ元色の隣接領域があるかを判断する(S506)。そして、同じ元色の隣接領域がなければ(S506:No)、解析中の塗りつぶし領域の減色処理を実行し、例えば、図3において説明したように、レコードに含まれる色相成分データを単色の濃度に変換し、その単色の濃度を基本色として設定し(S507)、色ずれ量を「0」に設定し(S508)、更に、解析中の塗りつぶし領域の描画色を基本色と色ずれ量の和として設定する(S509)。
【0072】
そして、S509で設定した描画色が、S505で調査した隣接領域の描画色と同一色であるかを判断し(S510)、同一色あれば(S510:Yes)、S508で「0」に設定した色ずれ量を所定量増加させ(S511)、再び、S509からの処理を繰りかえす。これにより、解析中の塗りつぶし領域の描画色を隣接領域の描画色とは異なるように設定することができる。そして、S510の判断において、解析中の塗りつぶし領域の描画色が隣接領域の描画色とは異なると判断すると(S510:No)、解析中の塗りつぶし領域の描画を指示し(S513)、次のレコードの解析を実行すべく、S501の処理からの処理を繰りかえす。こうして塗りつぶし領域の描画が実行されると、単色画像上における第1の領域と、第1の領域と隣接する第2の領域とは、異なる描画色(単色の濃度差)で生成されるので、単色画像上においても第1の領域と第2の領域とを明確に区別することができる。
【0073】
一方、S506の判断において、解析中の塗りつぶし領域の元色と同じ元色の隣接領域があれば(S506:Yes)、解析中の塗りつぶし領域の描画色が隣接領域の描画色と同じ色になるように減色し(S512)、解析中の塗りつぶし領域の描画を指示する(S513)。これにより、画像データが、隣接する2つの領域を繋げて一つの領域を構成する意図であった場合、単色画像上においても隣接する2つの領域を同一の領域として表すことができる。
【0074】
また、S503の判断において、閉領域の塗りつぶし処理レコードでない場合には(S503:No)、線分の描画レコードかを判断し(S514)、線分の描画レコードであれば(S514:Yes)、カラー制限モードかを判断する(S515)。カラー制限モードであれば(S515:Yes)、例えば、図3で説明したように減色処理を実行した後で(S516)、線分の描画を指示し(S517)、次のレコードの解析を実行すべく、S501からの処理を繰りかえす。一方、カラー制限モードでなければ(S515:No)、減色処理(S516)をスキップして、線分の描画を指示し(S517)、次のレコードの解析を実行すべく、S501からの処理を繰りかえす。こうして、線分の描画処理が実行される。
【0075】
また、S514の判断において、線分の描画レコードでなけば(S514:No)、その他の描画レコード処理か否かを判断する(S518)。例えば、ラスタの描画レコードか等が判断され、対応するレコード処理であれば(S518:Yes)、S515乃至S517と同様に、カラー制限モードか否かを判断し(S519)、カラー制限モードであれば(S519:Yes)、減色処理を実行した後で(S520)、対応する描画処理を指示し(S521)、S501からの処理を繰りかえす。一方、カラー制限モードでなければ(S519:No)、減色処理(S520)をスキップして、対応する描画処理を指示し(S521)、S501からの処理を繰りかえす。こうして、対応する描画処理が実行される。
【0076】
このように、S503の判断で、解析中のレコードが塗りつぶし処理レコードでない場合(S503:No)、換言すれば、解析中のレコードがベクトルの描画レコードでなく、例えば、ラスタの描画レコードである場合に減色後の色(濃度)を変化させないようにするのは、ラスタデータは、画像を構成する画素毎の色相情報の集合体であり、そもそもラスタデータ内の画素毎の色相差を利用した画像を形成するためのデータであるためである。そのため単色画像上においてもラスタデータで示された領域内には画素毎の濃度差がみられる画像が形成されることになり、この画像の濃度を変更することで画像に悪影響が生じるのを防止することができる。
【0077】
一方、S503の判断で、解析中のレコードが塗りつぶし処理レコードである場合(S503:Yes)、換言すれば、解析中のレコードがベクトルの描画レコードである場合に減色後の色の濃度を変化させるのは、ベクトルデータは、所定の色相をどのような形状に展開するかを示すパラメータの集合体であり、その領域内は単一の色相の画像であり、他の領域との色相差を利用した画像を形成するためのデータであるためである。そのため単色画像とした場合も単一濃度の画像が形成されることになる。このような単一濃度の領域を他の領域と異なる濃度とすることで元々の意図を認識できる単色画像を生成することができる。PC35は、このようにして描画された単色画像データを複合機1に送信し、複合機1は単色画像データに従った画像を印刷する。
【0078】
次に、図6のフローチャートを参照して、図5の描画処理で説明した第1実施例の描画処理に対応する第2実施例の描画処理について説明する。この第2実施例の描画処理は、アプリケーション39bで生成された画像データに基づいて画像を描画する処理であり、主に、描画プログラム39cに従ってPC35のCPU36によって実行される処理である。
【0079】
この第2実施例の描画処理では、まず、カラー制限モードか否かを判断し(S701)、カラー制限モードでなければ(S701:No)、S708の処理にスキップし、カラー制限モードであれば(S701:Yes)、レコード解析を開始し(S702)、全レコードの解析が終了したかを判断し(S703)、全レコードの解析が終了していなければ(S703:No)、解析中のレコードが塗りつぶし描画レコードかを判断し(S704)、塗りつぶし描画レコードであれば(S704:Yes)、そのレコードの元色と減色後の色(描画色、単色の濃度)とを塗りつぶし領域データテーブルに記憶する(S705)。尚、この塗りつぶし領域データテーブルは、図2に示すRAM38に格納する。そして、S705の処理の後、又は、S704の判断で塗りつぶし描画レコードでないと判断された場合には(S705:No)、次のレコードの解析を実行すべく、S702からの処理を繰りかえす。
【0080】
こうして、S703の処理において、全レコードが終了したと判断した場合には(S703:Yes)、S705で記憶した塗りつぶし領域データテーブルの中から、別元色で、且つ、減色後の色(描画色、単色の濃度)が同じである塗りつぶし領域を抽出する(S706)。そして、抽出した塗りつぶし領域の減色後の色が互いに別色となり、且つ、他のすべての塗りつぶし領域データテーブルに記憶されている減色後の色と異なるように色変換テーブルを作成する(S707)。尚、作成した色変換テーブルは図2に示すPC35のRAM38に格納する。
【0081】
そして、再び、レコード解析を開始し(S708)、全レコードの解析が終了したかを判断し(S709)、終了していなければ(S709:No)、解析中のレコードがベクトル描画レコードか否かを判断し(S709)、ベクトル描画レコードであれば(S709:Yes)、S707で作成した色変換テーブルを利用して色変換(単色化)する(S711)。一方、ベクトル描画レコードでなければ(S709:No)、例えば、図3の(b)で説明したように各色の単純加算(平均)による減色処理を実行する(S712)。
【0082】
このように、S709の判断において、ベクトル描画レコードの場合に(S709:Yes)、色変換テーブルを利用して色変換するのは、ベクトルデータは、所定の色相をどのような形状に展開するかを示すパラメータの集合体であり、その領域内は単一の色相の画像であり、他の領域との色相差を利用した画像を形成するためのデータであるためである。そのため単色画像とした場合も単一濃度の画像が形成されることになる。このような単一濃度の領域を他の領域と異なる濃度とすることで元々の意図を認識できる単色画像を生成することができる。
【0083】
一方で、ベクトル描画レコードでない場合(S709:No)、例えば、ラスタ描画レコードである場合には、色変換テーブルを使用しないで減色処理するのは、ラスタデータは、画像を構成する画素毎の色相情報の集合体であり、そもそもラスタデータ内の画素毎の色相差を利用した画像を形成するためのデータであるため、単色画像上においてもラスタデータで示された領域内には画素毎の濃度差がみられる画像が形成されることになるためである。このように、ラスタデータを基にした単色画像であれば、画素毎の濃度差により画像の表す形状などが判る。ここでは、その濃度を変更することで画像の表す形状などが帰って判りづらくなるなどの悪影響が生じるのを防止している。
【0084】
そして、その変換した色で描画処理の実行を指示し(S712)、次のレコードの解析を実行すべく、S708からの処理を繰りかえし、S709の判断で、全レコードの解析が終了したと判断すると(S709:Yes)、本処理を終了する。このように、この第2実施例の描画処理によれば、第1段階として、全レコードの中から塗りつぶし描画レコードを抽出し(S702乃至S705の処理)、S706,S707の処理によって、減色後の色(濃度)を変換する塗りつぶし領域を設定し、第2段階として、再び、レコード解析を開始して、S708乃至S713の処理を実行しているので、上述した第1実施例の描画処理に比べ、元色が同一の塗りつぶし領域は、必ず同一色(同一の濃度)の単色画像に生成することができる。PC35は、このようにして描画された単色画像データを複合機1に送信し、複合機1は単色画像データに従った画像を印刷する。
【0085】
この第1および第2実施例は、PC35におけるプリンタドライバにて減色処理を行なう例であるが、プリントプロセッサにおいて行なってもよい。プリントプロセッサで行なう場合は、上記説明の「描画」処理の代わりに、中間ファイルの書き換えを行なうことになる。
【0086】
また、本実施例の処理を、複合機1で実行してもよい。この場合は、複合機1は、PDLにて指示される線分描画命令や、領域塗りつぶし描画命令を処理する能力を有するものであり、プリンタドライバは、中間ファイルに含まれるレコードが、腺を引くための命令およびデータを示すレコードであれば、複合機1に線分描画命令を送信し、領域を塗りつぶしするするためのレコードであれば、複合機1に領域塗りつぶし命令を送信するものである。また、複合機1で、上記処理を行なう際には、上記フローチャートで説明したレコードは、PDLの個々の描画命令に置き換えられる。
【0087】
次に、図7のフローチャートを参照して、図5の描画処理で説明した第1実施例の描画処理に対応する第3実施例の描画処理について説明する。第3実施例は、色テーブルをプリンタドライバよりダウンロードし、その色テーブルにしたがって描画を行なうことのできる機能を搭載した複合機1の、プリンタドライバに適用した例である。本実施例の処理も、プリンタドライバ側に含まれるが、全体のデータ処理の流れを明確にするために、このフローチャートは、一部プリントプロセッサの動作も含む形で示した。また複合機1に関しては、色テーブルをダウンロードできる汎用タイプのものである。
【0088】
この第3実施例の描画処理では、まず、カラー制限モードかを判断し(S801)、カラー制限モードであれば(S801:Yes)、レコード解析を開始し(S802)、PDL描画命令を複合機1に出力し(S803)、全レコードの解析が終了したかを判断し(S804)、全レコードの解析が終了していなければ(S803:No)、解析中のレコードが塗りつぶし描画レコードかを判断し(S805)、塗りつぶし描画レコードであれば(S805:Yes)、その塗りつぶし領域の元色と減色後の色(描画色、単色の濃度)とを塗りつぶし領域データテーブルに記憶する(S806)。尚、この塗りつぶし領域データテーブルは、図2に示すRAM38に格納する。そして、S806の処理の後、又は、S805の判断で塗りつぶし描画レコードでないと判断された場合には(S805:No)、次のレコードの解析を実行すべく、S802からの処理を繰す。
【0089】
こうして、S804の処理において、全レコードが終了したと判断した場合には(S804:Yes)、S806で記憶した塗りつぶし領域データテーブルの中から、別元色で、且つ、減色後の色が同じ塗りつぶし領域を抽出する(S807)。そして、抽出した塗りつぶし領域の減色後の色が互いに別色となり、且つ、他のすべての塗りつぶし領域データテーブルに記憶されている減色後の色と異なるように色変換テーブルを作成する(S808)。尚、作成した色変換テーブルは図2に示すPC35のRAM38に格納する。そして、作成した色変換テーブルをPDL化し(S806)、PDL化した色変換テーブルを複合機1に出力し、本処理を終了する。
【0090】
一方、S801の処理において、カラー制限モードでないと判断された場合には(S801:No)、レコードの解析を開始し(S811)、PDL描画命令を複合機1に出力し(S812)、全レコードの解析が終了したか否かを判断し(S813)、全レコードの解析が終了するまで(S804:No)、S811からの処理を繰りかえし、全レコードの解析が終了すると(S813:Yes)、本処理を終了する。
【0091】
この処理の後、プリンタドライバは、1ページ分の描画命令および画像データを複合機1に送信する。複合機1はこの描画命令を解析し、仮想的な色情報を用いて、一時的に色変換を行い、内部メモリに画像データを描画する。次に、プリンタドライバは色変換テーブルを複合機1に送信する。複合機1は、印刷時には、上記内部メモリに描画された画像データを、前記ダウンロードされた色変換テーブルに応じて、色情報を変換し、順次印字ヘッドに送ることで画像の印刷を実行する。
【0092】
このように、第3実施例の描画処理は、PC35においてS808の処理において色変換テーブルを作成し、それをPDL化して複合機1に出力し、実際の色変換テーブルを利用した色変換は複合機1によって処理するように構成したものである。よって、色変換テーブルを作成し、それに基づき、再度、レコード解析を実行するように構成されている第2実施例の描画処理と比べ、この第3実施例の描画処理は、再度、レコードの解析をする必要がないので、PC35側における描画処理を高速に実行することができる。
【0093】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【0094】
例えば、本実施例では、図4、図6、図7に示す描画処理を、描画処理プログラム39cに相当するプログラムを搭載した複合機1において実行するように構成しても良いことはいうまでもない。
【0095】
また、図4、図6、図7に示す描画処理を、複数の装置が連動して実行するように構成しても良いことはいうまでもない。
【0096】
また、本実施例では、PC35内のアプリケーションで作成されたデータを印刷処理することを例に挙げたが、データを解析してレコードを生成する能力をもつ複合機1が、さらに、図4、図6、図7に示す描画処理を実行可能な能力をもち、USB端子71に挿入されたUSBメモリや、スロット部72に挿入されたメモリカードに収められたプレゼンテーション資料の文書データ、あるいは、スキャナ3でプレゼンテーション資料を読み取って得られた画像データ、あるいは、USB端子71からUSBケーブルを通じて接続されたPC35やLANで接続されたPCなどから送信された、アプリケーションで作成されたアプリケーションデータ、などを印刷する際に応用してもよいことは言うまでもない。
【0097】
また、上記実施例のうち、図4のS510、図6のS706、図7のS807の処理では、複数の塗りつぶし領域の減色後の色(描画色、単色の濃度)が同一であることを条件にしているが、かかる処理においては、複数の塗りつぶし領域の減色後の色(描画色、単色の濃度)が所定範囲に含まれることを条件にしても良い。このようにある程度の幅を持たせることで、例えば、同一の色(濃度)でありながら、減色処理の精度によって、同一濃度ではないと判断されるのを抑制することができる。
【0098】
さらに、上記実施例は、本発明をカラー印刷装置に適用した例であるが、カラー元画像をモノクロプリンタにて印刷する際にPC35あるいはモノクロプリンタに接続されたプリントサーバ装置での、モノクロ化処理にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明における実施例の複合機の外観構成を示す斜視図である。
【図2】複合機の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の概念を説明するための図である。
【図4】描画処理を示すフローチャートである。
【図5】境界部分のドット抽出処理を示すフローチャートである。
【図6】第2実施例の描画処理を示すフローチャートである。
【図7】第3実施例の描画処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
1 複合機(印刷装置)
35 PC(画像データ生成装置)
39c 描画プログラム(画像データ生成プログラム)
100 画像生成システム
S510 (濃度判断手段)
S511,S711(画像生成手段の第2手順の一部)
S706、S807(領域抽出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像を生成する画像生成手段を備えた画像生成システムにおいて、
前記第1の手順にて生成される単色画像上における第1の領域と、前記第1の領域と少なくとも一部が重なる又は隣接する第2の領域との濃度差が、同一あるいは所定範囲内に含まれるかを判断する濃度判断手段を備え、
前記画像生成手段は、前記濃度判断手段が前記濃度差は同一あるいは前記所定範囲に含まれると判断したことを条件として、第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる画像を生成することを特徴とする画像生成システム。
【請求項2】
前記画像データは、前記第1の領域に対応する色相成分を示す第1の色相成分データと、前記第2の領域に対応する色相成分を示す第2の色相成分データとを含み、
前記第1の手順は、前記第1の色相成分データから第1の濃度を計算する手順と、前記第2の色相成分データから第2の濃度を計算する手順とを含み、
前記濃度判断手段は、前記第1の濃度と前記第2の濃度の濃度差を判断し、
前記画像生成手段は、前記濃度判断手段が前記濃度差は同一あるいは前記所定範囲に含まれると判断したことを条件として、前記第1の濃度とは異なる濃度で前記第1の領域を生成する手順および/または前記第2の濃度とは異なる濃度で前記第2の領域を生成する手順を含む第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像生成システム。
【請求項3】
前記画像生成手段は、前記第1の色相成分データと、第2の色相成分データが同一の値であることを条件として、前記第1の領域と同じ濃度で前記第2の領域を生成することを特徴とする請求項2に記載の画像生成システム。
【請求項4】
前記画像データは、前記第1の領域に対応する形状を示す第1の形状データと、前記第2の領域に対応する形状を示す第2の形状データとを含み、
前記画像生成手段は、前記第1の形状データがラスタデータ以外の形状データであることを条件として、さらに前記濃度判断手段が前記濃度差は同一あるいは前記所定範囲に含まれると判断したことを条件として、前記第1の濃度とは異なる濃度で前記第1の領域を生成する手順および/または前記第2の濃度とは異なる濃度で前記第2の領域を生成する手順を含む第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる画像を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像生成システム。
【請求項5】
前記画像データは、前記第1の領域に対応する形状を示す第1の形状データと、前記第2の領域に対応する形状を示す第2の形状データとを含み、
前記画像生成手段は、前記前記第1の形状データがベクトルデータであることを条件として、前記第1の濃度とは異なる濃度で前記第1の領域を生成する手順および/または前記第2の濃度とは異なる濃度で前記第2の領域を生成する手順を含む第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる画像を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像生成システム。
【請求項6】
画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像を生成する画像生成手段とを備えた画像生成システムにおいて、
前記画像データは、前記複数の領域それぞれに対応する色相成分を示す複数の色相成分データを含み、
前記第1の手順は、前記色相成分データから濃度を計算する手順を含み、
前記複数の領域のうちの、それぞれ対応する色相成分が異なる領域であって、前記第1の手順にて計算される濃度の濃度差が同一あるいは所定範囲に含まれる複数の領域を抽出する領域抽出手段を備え、
前記画像生成手段は、前記領域抽出手段で抽出される領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が前記所定範囲から外れるよう計算する手順を含む第2の手順にて、単色画像を生成することを特徴とする画像生成システム。
【請求項7】
前記画像データは、前記複数の領域それぞれに対応する形状を示す複数の形状データを含み、
前記画像生成手段は、前記領域抽出手段で抽出される領域であり、前記対応する形状データがラスタデータ以外の形状データである領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が前記所定範囲から外れるよう計算する手順を含む第2の手順にて、単色画像を生成することを特徴とする請求項6に記載の画像生成システム。
【請求項8】
前記画像データは、前記複数の領域それぞれに対応する形状を示す複数の形状データを含み、
前記画像生成手段は、前記領域抽出手段で抽出される領域であり、前記対応する形状データがベクトルデータである領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が前記所定範囲から外れるよう計算する手順を含む第2の手順にて、単色画像を生成することを特徴とする請求項6に記載の画像生成システム。
【請求項9】
画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像の基となる単色画像データを生成する画像データ生成手段を備えた画像データ生成装置において、
前記第1の手順にて生成される単色画像データを基にした単色画像上における第1の領域と、前記第1の領域と少なくとも一部が重なる又は隣接する第2の領域との濃度差が、同一あるいは所定範囲内に含まれるかを判断する濃度判断手段を備え、
前記画像データ生成手段は、前記濃度判断手段が前記濃度差は同一あるいは前記所定範囲に含まれると判断したことを条件として、第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる単色画像の基となる単色画像データを生成することを特徴とする画像データ生成装置。
【請求項10】
画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像の基となる単色画像データを生成する画像データ生成手段とを備えた画像データ生成装置において、
前記画像データは、前記複数の領域それぞれに対応する色相成分を示す複数の色相成分データを含み、
前記第1の手順は、前記色相成分データから濃度を計算する手順を含み、
前記複数の領域のうちの、それぞれ対応する色相成分が異なる領域であって、前記第1の手順にて計算される濃度の濃度差が同一あるいは所定範囲に含まれる複数の領域を前記複数の領域のうちから抽出する領域抽出手段を備え、
前記画像生成手段は、前記領域抽出手段で抽出される領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が前記所定範囲から外れるよう計算する手順を含む第2の手順にて、単色画像の基となる単色画像データを生成することを特徴とする画像データ生成装置。
【請求項11】
画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像を生成する画像生成手段を備えた印刷装置において、
前記第1の手順にて生成される単色画像上における第1の領域と、前記第1の領域と少なくとも一部が重なる又は隣接する第2の領域との濃度差が、同一あるいは所定範囲内に含まれるかを判断する濃度判断手段を備え、
前記画像生成手段は、前記濃度判断手段が前記濃度差は同一あるいは前記所定範囲に含まれると判断したことを条件として、第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる画像を生成することを特徴とする印刷装置。
【請求項12】
画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像を生成する画像生成手段とを備えた印刷装置において、
前記画像データは、前記複数の領域それぞれに対応する色相成分を示す複数の色相成分データを含み、
前記第1の手順は、前記色相成分データから濃度を計算する手順を含み、
前記複数の領域のうちの、それぞれ対応する色相成分が異なる領域であって、前記第1の手順にて計算される濃度の濃度差が同一あるいは所定範囲に含まれる複数の領域を抽出する領域抽出手段を備え、
前記画像生成手段は、前記領域抽出手段で抽出される領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が前記所定範囲から外れるよう計算する手順を含む第2の手順にて、単色画像を生成することを特徴とする印刷装置。
【請求項13】
画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像の基となる単色画像データを生成させる画像データ生成ステップを備えた画像データ生成プログラムにおいて、
前記第1の手順にて生成される単色画像データを基にした単色画像上における第1の領域と、前記第1の領域と少なくとも一部が重なる又は隣接する第2の領域との濃度差が、同一あるいは所定範囲内に含まれるかを判断させる濃度判断ステップを備え、
前記画像データ生成ステップは、前記濃度判断ステップが前記濃度差は同一あるいは前記所定範囲に含まれると判断したことを条件として、第2の手順にて、前記第1の領域と前記第2の領域との濃度差が前記所定範囲から外れる単色画像の基となる単色画像データを生成させることを特徴とする画像データ生成プログラム。
【請求項14】
画像データを基に、第1の手順にて、同一色相である複数の領域あるいは色相のない複数の領域を含む単色画像の基となる単色画像データを生成させる画像データ生成ステップを備えた画像データ生成プログラムにおいて、
前記画像データは、前記複数の領域それぞれに対応する色相成分を示す複数の色相成分データを含み、
前記第1の手順は、前記色相成分データから濃度を計算する手順を含み、
前記複数の領域のうちの、それぞれ対応する色相成分が異なる領域であって、前記第1の手順にて計算される濃度の濃度差が同一あるいは所定範囲に含まれる複数の領域を前記複数の領域のうちから抽出させる領域抽出ステップを備え、
前記画像生成ステップは、前記領域抽出手段で抽出される領域それぞれに対応する濃度を、それぞれの濃度差が前記所定範囲から外れるよう計算する手順を含む第2の手順にて、単色画像の基となる単色画像データを生成させることを特徴とする画像データ生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−5064(P2008−5064A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−170681(P2006−170681)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】