説明

画像表示装置および画像表示方法

【課題】複数の画像データを、画面を多分割し同時に表示する際に、ユーザーがレーザーポインターの操作によって直感的に画像の表示サイズを変更できること。
【解決手段】複数のノートPC100,110と接続され、ノートPC100,110から送信される複数の画像データを受信する映像入力部204と、画像データに基づく画像を表示する画像表示部202と、レーザーポインターの光を検知する受光部201と、受光部201にて検出したレーザーポインターの軌道情報から分割領域のサイズを算出し、表示を変更する制御部208と、を備えること特徴とする画像表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、接続された画像供給装置から供給されるデータに基づいて画像を表示する画像表示装置および画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の画像供給装置と接続し、各画像供給装置から供給される画像データを、画面を単独または多分割し、同時に表示する機能を有する画像表示装置において、特定の画像を拡大表示する場合、発表者はコントローラーにより所望の画像を選択し、画像サイズを変更することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3483469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発表者が、コントローラーによって、所望の画像を選択し、その表示サイズを変更する場合、例えば、プロジェクター等にリモコンを向けて、所定の操作をしながら発表しなければならない。このため、操作が煩雑となったり、リモコンの操作に気を取られたりするため、スムーズなプレゼンテーションの妨げとなってしまう場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかる画像表示装置は、複数の画像信号の入力を受け付ける画像信号入力部と、前記画像信号に基づく表示画像を画面に表示する画像表示部と、レーザーポインターにより前記画面に投影される光点を検知する受光部と、前記受光部にて検出された前記光点の位置に基づき前記光点の軌道を表す軌道情報を算出する軌道算出部と、算出された前記軌道情報に基づき前記画面を分割する制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、発表者が所望の画像の表示サイズを変更したい場合、レーザーポインターによる簡単かつ直感的な操作により表示サイズの変更が可能であるため、コントローラーによる所定の操作が不要となり、これによって、プレゼンテーションの進行を妨げることなく所望の画像の表示サイズを変更することが可能となる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記制御部は、前記軌道情報が表す軌道が前記画面を横断する場合、前記軌道情報に基づき前記画面を縦方向に分割するように構成してもよい。
【0009】
本適用例によれば、例えば入力映像が2ソースの場合、レーザーポインターの操作により画面の表示領域を縦に2分割し、各々分割された領域に合わせて表示を変更するため、直感的に双方の表示サイズを変更することが可能となる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記制御部は、前記軌道情報が表す軌道が前記画面を縦断する場合、前記軌道情報に基づき前記画面を横方向に分割するように構成してもよい。
【0011】
本適用例によれば、例えば入力映像が2ソースの場合、レーザーポインターの操作により画面の表示領域を横に2分割し、各々分割された領域に合わせて表示を変更するため、直感的に双方の表示サイズを変更することが可能となる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記制御部は、所定の時間内に前記軌道算出部から複数の軌道情報が入力されると、前記複数の軌道情報に基づき前記画面を分割するように構成してもよい。
【0013】
本適用例によれば、軌道算出部により最初の軌道情報が算出されてから所定の時間が経過するまでの間に、新たな軌道情報が算出されると、先に算出された軌道情報と、後に算出された軌道情報とに基づいて画面の分割状態を変更することができる。したがって、例えば入力映像が4ソースの場合、レーザーポインターの操作により画面の表示領域を4分割し、各々分割した領域に合わせて表示が変更されるため、直感的にそれぞれの表示サイズを変更することが可能となる。
【0014】
[適用例5]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記画像表示部は、光源と、前記光源からの光を画像光に変調するライトバルブと、前記ライトバルブにより変調された前記画像光を投写する投写レンズと、を備え、前記画像光を投写することにより前記表示画像を表示するように構成してもよい。
【0015】
本適用例によれば、画像表示装置は光源とライトバルブと投写レンズとを備えているため、表示画像を大きく拡大して投写することが可能となり、プレゼンテーションをより効果的に行うことが可能となるうえ、上述した適用例と同等の効果を得ることができる。
【0016】
[適用例6]本適用例にかかる画像表示方法は、画面に画像を表示する画像表示方法であって、複数の画像信号の入力を受け付ける画像信号入力ステップと、レーザーポインターにより前記画面に投影される光点を検知する受光ステップと、前記検出された前記光点の位置に基づき前記光点の軌道を表す軌道情報を算出する軌道算出ステップと、算出された前記軌道情報に基づき前記画面を分割する制御ステップと、を有することを特徴とする。
【0017】
本適用例によれば、発表者が所望の画像の表示サイズを変更したい場合、レーザーポインターによる簡単かつ直感的な操作により表示サイズの変更が可能であるため、コントローラーによる所定の操作が不要となり、これによって、プレゼンテーションの進行を妨げることなく所望の画像の表示サイズを変更することが可能となる。
【0018】
[適用例7]上記適用例に記載の画像表示方法において、前記軌道情報が表す軌道が前記画面を横断する場合、前記軌道情報に基づき前記画面を縦方向に分割するようにしてもよい。
【0019】
本適用例によれば、例えば入力映像が2ソースの場合、レーザーポインターの操作により画面の表示領域を縦に2分割し、各々分割された領域に合わせて表示を変更するため、直感的に双方の表示サイズを変更することが可能となる。
【0020】
[適用例8]上記適用例に記載の画像表示方法において、前記軌道情報が表す軌道が前記画面を縦断する場合、前記軌道情報に基づき前記画面を横方向に分割するようにしてもよい。
【0021】
本適用例によれば、例えば入力映像が2ソースの場合、レーザーポインターの操作により画面の表示領域を横に2分割し、各々分割された領域に合わせて表示を変更するため、直感的に双方の表示サイズを変更することが可能となる。
【0022】
[適用例9]上記適用例に記載の画像表示方法において、所定の時間内に複数の軌道情報が入力されると、前記複数の軌道情報に基づき前記画面を分割するようにしてもよい。
【0023】
本適用例によれば、最初の軌道情報が算出されてから所定の時間が経過するまでの間に、新たな軌道情報が算出されると、先に算出された軌道情報と、後に算出された軌道情報とに基づいて画面の分割状態を変更することができる。したがって、例えば入力映像が4ソースの場合、レーザーポインターの操作により画面の表示領域を4分割し、各々分割した領域に合わせて表示が変更されるため、直感的にそれぞれの表示サイズを変更することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る画像表示システムの構成の一例を説明するための概略図である。
【図2】本実施形態に係る画像表示システムの構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図3】本実施形態に係る画像表示装置における画面の分割状態の変更および表示画像のリサイズを実行する方法の一例について示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る画像表示システムの構成の他の例を説明するためのブロック図である。
【図5】本実施形態に係る画像表示装置における表示領域をレーザーポインターの操作によって分割する処理を行う場合の画面遷移の一例について示す概略図である。
【図6】変形例に係る画像表示装置における画面の分割状態の変更および表示画像のリサイズを実行する方法について示すフローチャートである。
【図7】変形例に係る画像表示装置における画面の分割状態が変更される過程の説明図である。(a)は1画面表示中にレーザーポインターの光点を検出した状態を示している。(b)は検出された光点に基づいて軌道情報を算出し画面を分割した状態を示している。(c)は分割された画面に画像を表示した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る画像表示システムの構成の一例を説明するための概略図である。
【0026】
(第1実施形態)
図1に示すとおり、本実施形態に係る画像表示システムは、画像供給装置としてのノートタイプのパーソナルコンピューター100,110(以下、ノートPC100,110と記す)と、画像表示装置としてのプロジェクター200を有する。また、USBケーブル300、無線LAN(Local Area Network)310をプロジェクターへの映像の入力手段として備える。なお、プロジェクター200への映像入力手段としてはこれに限らず、例えば、有線LAN(Local Area Network)、RGBケーブル、HDMIケーブル等、他の入力手段を用いてもよい。
【0027】
図2は、画像表示システムの構成の一例を示すブロック図である。図2に示す画像表示システムは、プロジェクター200に対して、複数のノートPC100,110が通信可能に接続される例を示す。
ノートPC100は、制御部101と、メモリー部102と、映像出力部103とを備える。
【0028】
映像出力部103は、USBケーブル300と接続可能なUSBインターフェイスを備え、USBケーブル300を介して、プロジェクター200と接続されデータ通信を行う。
映像出力部103は、画像データ等をUSBケーブル300で通信可能な信号に変換し、USBケーブル300を介してプロジェクター200に送信する。
【0029】
メモリー部102は、制御部101や映像出力部103に任意の機能を発揮させるための様々な制御プログラムや、映像出力部103を介して、プロジェクター200に出力される画像データ等の情報等を記憶している。
【0030】
ノートPC110は、制御部101と、メモリー部102と、映像出力部113とを備える。
映像出力部113は、無線LAN310を介して、プロジェクター200と接続される。なお、ノートPC100と同様の構成や機能については同一の符号を付し説明は省略する。
映像出力部113は、プロジェクター200と無線LAN310で通信を行う無線通信インターフェイスを備え、画像データ等を無線LANで通信可能な信号に変換し、無線LAN310を介して、プロジェクター200に送信する。
【0031】
プロジェクター200は、受光部としてのレーザーポインター受光部201と、画像表示部202と、メモリー部203と、画像信号入力部としての映像入力部(映像供給装置接続部)204と、画像処理部205と、カード挿入部206と、記憶装置207と制御部208とを備える。制御部208は、さらに、軌道算出部2081を備えている。なお、制御部208と画像処理部205とは、CPU209を構成している。
なお、プロジェクター200は、ノートPC100、110から入力された画像データをソフトウェアで復号し、再生する、いわゆるソフトウェアデコードによって画像を表示する構成を有する。
【0032】
レーザーポインター受光部201は、レーザーポインターによってスクリーンに投影される光(光点)を検知し、ユーザーが所定の操作を実施した場合、メモリー部203のデータ保存領域にレーザーポインターが成す光点の座標を保存し、ユーザーの操作によって、ユーザーからの指示が入力されたことを制御部208に通知する。
【0033】
画像表示部202は、ノートPC100,101から受信する画像データに基づき、例えば、光変調素子(ライトバルブ)によって変調された画像光を出射し、スクリーン等に拡大投写する。
カード挿入部206は、着脱自在の外部メモリーカード等が接続されるインターフェイスであって、例えば、外部メモリーカード等に記憶されている画像データやプログラム等の情報を読み出す。
【0034】
メモリー部203は、メモリー領域と、データ保存領域と、VRAM(Viedo Random Access Memory)領域等を含む。
メモリー部203は、制御部208や画像処理部205に、任意の機能を発揮させるための様々な制御プログラムを保持し、例えば、圧縮や符号化等がなされた画像データをデコードするプログラムを、画像共有装置や画像データの種類に応じて複数個保持する。
メモリー部203のメモリー領域は、デコードプログラムが展開される領域であって、データ保存領域は、映像入力部204を介してノートPC100,110から入力された画像データが保存される領域であって、VRAM領域は、制御部208によってデコードされた画像データが保存される領域である。
【0035】
映像入力部204は、複数のインターフェイスを含み、例えば、USBケーブル300を介してノートPC100と通信可能に接続されるUSBインターフェイス2041と、無線LANを介してノートPC110と通信可能に接続される無線LANインターフェイス2042を含む。また、映像入力部204は、例えば、コンパレーター等からなる識別部を含み、各インターフェイスを介して画像データ等の入力があるか否かを識別し、画像データ等の入力の有無を制御部208に通知する。
【0036】
画像処理部205は、画像データに対して、例えば、指定された表示サイズに画像を変更する。
【0037】
記憶装置207は、例えば、EPROM(Erasable Programable ROM)やEEPROM(Electrically Erasable Programable ROM)等の不揮発性メモリーであって、例えば、プロジェクター200の設定情報等を保持する。
【0038】
制御部208は、メモリー部203のデータ領域に保持されている画像データのフォーマットを解析し、画像データに応じたデコードプログラムをメモリー部203のメモリー領域に展開する。また、制御部208は、展開したデコードプログラムにしたがって、メモリー部203のデータ領域に保存される画像データをデコードし、メモリー部203のVRAM領域に展開する。
【0039】
制御部208は、レーザーポインター受光部201からレーザーポインター受光の通知を受けると、メモリー部203のデータ領域に保持されているレーザーポインターの光点の座標情報を読み出し、軌道算出部2081を用いて光点の軌道を算出して、表示領域を分割する座標を決定し、分割する表示領域のサイズ、すなわち画像の表示サイズと、デコード済みの画像データとを、画像処理部205に通知する。
制御部208は、画像処理部205で処理されたノートPC100,101それぞれの画像データを、分割されたそれぞれの表示領域に対応するメモリー部203のVRAM領域の領域に展開する。
【0040】
次にノートPC100からプロジェクター200に送信される画像データを、プロジェクター200によって表示させる方法の一例について説明する。なお、ノートPC100からプロジェクター200に送信される画像データとして、例えば、ノートPC100によって生成されるノートPC100の表示画面(図示せず)に表示される画像データ(例えば、映像を構成する連続した画像データ)を用いて以下説明する。
【0041】
まず、図2に示す通り、ノートPC100とプロジェクター200がUSBケーブル300を介して接続されると、ノートPC100の映像出力部103が、プロジェクター200に対して同期信号が付与された画像データを送信する。
プロジェクター200の映像入力部204は、USBインターフェイス2041を介して画像データを受信すると、画像データに付されている同期信号を解析し、制御部208に対して、USBインターフェイスを介してノートPC100から画像データの送信要求があった旨を通知する。
また、映像入力部204は、ノートPC100から受信した画像データをメモリー部203のデータ保存領域に保存する。
【0042】
制御部208は、映像入力部204からの通知に基づき、通信された画像データのデコードプログラムをメモリー部203のメモリー領域に展開する。制御部208は、メモリー部203のメモリー領域に展開されているデコードプログラムに従って、メモリー部のデータ保存領域に保存されている画像データをデコードし、メモリー部203のVRAM領域に展開する。
そして、制御部208は、メモリー部203のVRAM領域に展開されている画像データを画像表示部202へ出力する。これにより、画像表示部202は、入力された画像データを画像光に変調し、スクリーン等に画像データに基づく画像を投写する。
【0043】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る画像表示システムの動作の一例について説明する。図3は、画像表示装置における画面の分割状態の変更および表示画像のリサイズを実行する方法の一例について示すフローチャートである。
【0044】
まず、ノートPC100とUSBケーブル300を介して通信可能に接続されている状態と、ノートPC110と無線LAN310を介して通信可能に接続されている状態とが同時になされているプロジェクター200に、ノートPC100およびノートPC110から画像データが入力されると、プロジェクター200は、表示領域を例えば左右に2分割し、画面右側にノートPC100から受信した画像データを、画面左側にノートPC110から受信した画像データを、それぞれ変換してスクリーン等に投写する(ステップST1)。
【0045】
プロジェクター200は、ノートPC100とノートPC110とから画像データが連続して入力している場合、画像表示部202によって表示される画像を連続して生成し、ノートPC100とノートPC110とから送信される画像データに基づく映像を表示する。また、画面を上下に2分割して、表示してもよい。
【0046】
次に、ユーザーがレーザーポインターによって所定の操作、例えば表示領域を縦断する操作をした場合、レーザーポインター受光部201は、レーザーポインターがスクリーン上に投写する光点の座標を、メモリー部203のデータ保存領域に記録して、ユーザーからの指示が入力されたことを制御部208に通知する(ステップST2)。
【0047】
制御部208は、メモリー部203からレーザーポインター受光の通知を受けると、メモリー部203のデータ領域に保持されているレーザーポインターの光点の座標を読み出し、軌道算出部2081を用いてレーザーポインターの光点の軌道情報を求め、表示領域を分割する座標を算出する(ステップST3)。
表示領域を分割する座標を算出してから所定の時間が経過する前にレーザーポインター受光部201から、新たな指示入力を受け付けたことを示す通知が制御部208に入力されると(ステップST4:Yes)、上述したステップST2およびステップST3を実行し、既に算出した表示領域を分割する座標とは別に、新たに表示領域を分割する座標を算出する。
なお、ステップST3までの処理で表示領域を分割する座標を算出してから所定の時間が経過するまでの間に新たな指示入力がなかった場合(ステップST4:No)、分割する表示領域のサイズ、すなわち画像の表示サイズと、デコード済みの画像データとを、画像処理部205に通知する。ここで、表示領域を分割する座標の情報が複数算出された場合は、表示領域を3以上に分割する。
次に、画像処理部205は、画像データに対して、指定された表示サイズに画像を変更する画像処理を行う(ステップST5)。
【0048】
制御部208は、画像処理部205で処理されたノートPC100、101それぞれの画像データを、分割されたそれぞれの表示領域に対応するメモリー部203のVRAM領域の領域に展開し、画像を表示する(ステップST6)。
【0049】
(第2実施形態)
次に、図4を用いて、画像表示システムの他の実施形態について説明する。図4は、画像供給装置と画像表示装置の構成の他の例について示すブロック図である。なお、図2に示す構成部材と同様の構成や機能を備える構成部材については、同一の符号や名称を付して、詳細な説明は省略する。
【0050】
図4に示す通り、本実施形態に係る画像表示システムは、第1の画像供給装置120と、第2の画像供給装置130と、第3の画像供給装置140と、第4の画像供給装置150とそれぞれと通信可能に接続される画像表示装置220とを備える。
また、画像表示システムは、第1〜4の画像供給装置120〜150と画像表示装置220との通信を確保する手段として、例えば、第1の画像供給装置120と画像表示装置220とを接続するRGBケーブル320と、第2の画像供給装置130と画像表示装置220とを接続するHDMI接続手段330と、第3の画像供給装置140と画像表示装置220とを無線通信で接続するビデオ信号伝送手段340と、第4の画像供給装置150と画像表示装置220とを接続する有線LAN接続手段350とを備える。
なお、RGBケーブル320は、アナログ信号で画像データおよび音声データを伝送するRGB接続手段であって、S端子接続手段が利用されてもよい。また、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)接続手段330とは、1本のケーブルで画像データ、音声データ、および制御信号をあわせて伝送できるものであって、主に、パーソナルコンピューターと液晶表示装置等のディスプレイを接続する手段として利用されている。さらに、ビデオ信号伝送手段とは、ビデオカメラ等で撮像された複数画像データが連続して動画を構成するビデオ信号を伝送する手段であって、無線通信に限らず、有線通信であってもよい。
【0051】
画像表示装置220は、画像表示部202と、第1のメモリー部210と、第2のメモリー部211と、映像入力部212と、を備えている。
画像表示装置220は、第1〜4の画像供給装置120〜150から入力された画像データをハードウェアで復号し、再生する、いわゆるハードウェアデコードによって画像を表示する構成を有する。
【0052】
第1のメモリー部210は、制御部208や画像処理部205等に所定の処理を実行させるための制御プログラムを保持する。
第2のメモリー部211は、画像処理部205によってデコードされた画像データを保持するデータ保存領域を含む。
制御部208は、画像表示装置220を統括的に制御する。
【0053】
画像処理部205は、映像入力部212を介して、第1〜4の画像供給装置120〜150から受信した画像データに対して、画像表示部202に応じたデータに変換するデータ変換処理を行う。また、画像処理部205は、データ変換処理をした画像データを第2のメモリー部211のVRAM領域に保存する。画像表示部202は、第2のメモリー部211のVRAM領域に保存されている画像データを読み出し、表示する。
画像処理部205は、例えば、映像入力部212から出力されたアナログ信号の画像データをデジタル信号に変換したり、あるいは映像入力部212から出力されたデジタル信号の画像データをシリアル信号やパラレル信号に変換したりする等のデータ変換処理を行う。すなわち、画像処理部205は、それぞれ異なる伝送手段で画像データを送信する第1〜4の画像供給装置120〜150に応じて、第1〜4のデータ変換処理部を備える。
【0054】
映像入力部212は、RGBケーブル320と接続されるRGB信号インターフェイス2121と、HDMI接続手段330と接続されるHDMIインターフェイス2122と、無線通信でビデオ信号伝送手段340と接続されるビデオ信号インターフェイス2123と、有線LAN接続手段350と接続される有線LANインターフェイス2124とを備える。また、映像入力部212は、第1〜4の画像供給装置l20〜150から受信した画像データを画像処理部205に出力する。 なお、図示していないが、画像表示装置220は、図2と同様に、カード挿入部206と、記憶装置207とを備える構成であってもよい。
【0055】
次に、本実施形態に係る画像表示システムのデータ通信方法の一例について説明する。
例えば、第1の画像供給装置120と画像表示装置220とが、RGBケーブル320を介して接続されると、第1の画像供給装置120が、画像表示装置220に対してアナログ信号である画像データを送信する。画像表示装置220の映像入力部212は、RGB信号インターフェイス2121を介して画像データを受信すると、受信した画像データを画像処理部205に転送する。画像処理部205は、アナログ信号である画像データを受信すると、アナログ/デジタル(A/D)変換を行う第1のデータ変換処理部(図示せず)によって、デジタル信号の画像データに変換され、画像表示部202に出力される。画像表示部202は、入力された画像データを画像光に変調し、スクリーン等に画像データに基づく画像を投写する。
画像表示装置220は、上述と同様にして、第2の画像供給装置130と第3の画像供給装置140と第4の画像供給装置150とから送信された画像データを受信し、画像表示部202に表示させる。
【0056】
図5は、画像表示装置における表示領域をレーザーポインターの操作によって分割する処理を行う場合の画面遷移の一例を図示した概略図である。
上述した構成により、画像表示装置220が第1〜4の画像供給装置120〜150と接続が確保された状態であって、第1〜4の画像供給装置120〜150の全てから画像データが同時に入力されている場合において説明する。
図5(a)に示すように、画像表示装置220はスクリーン上の表示領域を格子状に4分割し、画面左上の領域Aに第1の画像供給装置120から受信した画像データを、画面右上の領域Bに第2の画像供給装置130から受信した画像データを、画面左下の領域Cに第3の画像供給装置140から受信した画像データを、画面右下の領域Dに第4の画像供給装置150から受信した画像データを、それぞれ変換して投写する。
第1〜4の画像供給装置120〜150より画像データが連続して入力している場合、表示される画像を画像表示部202によって連続して生成し、第1〜4の画像供給装置120〜150より送信される画像データに基づく映像を表示する。
【0057】
レーザーポインター受光部201は、レーザーポインターがスクリーン上に投写する光点の座標を、第1のメモリー部210のデータ保存領域に記録して、ユーザーからの指示が入力されたことを制御部208に通知する。
【0058】
制御部208は、レーザーポインター受光部201からレーザーポインター受光の通知を受けると、第1のメモリー部210のデータ領域に保持されているレーザーポインターの光点の座標を読み出し、軌道算出部2081を用いてレーザーポインターの光点の軌道情報を求める。ここで求められた軌道情報に基づき、レーザーポインターの光点で画面を縦断かつ横断する操作、すなわち、図5(b)に示すような、レーザーポインターを動かすことで、光点の軌道Kが交差する操作をユーザーが行なったと判定されると、表示領域を分割する座標を算出し、分割する表示領域のサイズ、すなわち画像の表示サイズと、デコード済みの画像データとを、画像処理部205に通知する。
画像処理部205は、画像データに対して、指定された表示サイズに画像を変更する。
【0059】
制御部208は、画像処理部205で処理された第1〜4の画像供給装置120〜150それぞれの画像データを、分割されたそれぞれの領域A〜Dに対応するメモリー部203のVRAM領域に展開し、図5(c)に示すように画像を表示する。
【0060】
(変形例)
なお、画像表示装置の一例として本実施形態において説明したプロジェクター200および画像表示装置220としては、例えば、光源が放射した白色光を、3原色成分である赤色光、青色光、緑色光に分離し、色光ごとに各色光用の液晶ライトバルブ(光変調素子)を用いて画像データに応じた画像光に変調する。そして、変調した画像光を再合成したフルカラーの画像光を、投写レンズを介してスクリーンに拡大投写する、いわゆる液晶3板式プロジェクター等が利用可能である。
また、画像表示装置は、プロジェクターに限られず、例えば、液晶画面を有するディスプレイや通信端末等であってもよい。
【0061】
また、画像供給装置としては、例えば、ゲーム機器や、携帯電話端末。DVD再生装置、無線通信で接続される映像信号供給装置等であってもよい。
また、プロジェクター200の映像入力部204は、例えば、画像供給装置から出力されるアナログRGB信号を受信するインターフェイスや、DVDプレイヤーやSビデオプレーやから出力される画像データ(S信号)を受信するインターフェイス、ビデオプレイヤーVIやTVチューナーから出力されるコンポジット信号を受信するインターフェイス、あるいは、専ら一般的な家庭用電気器具から出力されている、音声データおよび画像データを伝送するHDMIを受信するインターフェイス等を有する構成であってもよい。
【0062】
また、上述の画像供給装置(ノートPC)100〜150、および画像表示装置(プロジェクター)200,220における動作の過程は、コンピューターに実行させるためのプログラムや、このプログラムとしてコンピューター読み取り可能な記録媒体として利用可能であり、コンピューターシステムが読み出して実行することによって、上述の処理が行われる。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、CPU及び各種メモリーやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
また、「コンピューターシステム」は、WorldWideWebシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリー等の書き込み可能な不揮発性メモリー、CD−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0063】
さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや、電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバー、またはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0064】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に記憶したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0065】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピューターシステムに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0066】
なお、複数の画像供給装置から供給されている画像信号に基づく画像を分割表示している状態で、レーザーポインターの軌跡Kに基づいて画面の分割状態を変更する実施形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0067】
図6は、変形例に係る画像表示装置における画面の分割状態の変更および表示画像のリサイズを実行する方法について示すフローチャートであり、図7は変形例に係る画像表示装置における画面の分割状態が変更される過程を説明する図である。
図6において、ノートPC100からの画像信号がプロジェクター200に入力されている状態で、当該画像信号に基づく画像を1画面表示する(ステップST11)。
図7(a)に示すように、画面上に投写されるレーザーポインターの光点Pを検知(ステップST12)すると、レーザーポインターの光点の軌道Kを解析する(ステップST13)。
【0068】
軌道を解析してから所定の時間が経過する前であれば、あらためて上述したステップST12およびステップST13を実行して新たな軌道を解析する(ステップST14:No)。
レーザーポインターの光点の軌道を解析してから所定の時間が経過した場合は(ステップST14:Yes)、上述したステップで解析された軌道に基づき、画面を分割する(ステップST15)。
【0069】
その後、画面を分割して得られる領域のひとつに、ノートPC100からの画像信号に基づく画像を表示する(ステップST16)。
さらに、ノートPC100以外の画像供給装置から画像信号の入力があるか、すなわち、他に入力ソースが有るか否かを判定する(ステップST17)。
【0070】
他に入力ソースが無い場合(ステップST17:No)、図7(b)に示すように、分割された領域のうち画像が表示されていない領域Eに、入力信号が無い旨を示す画像を表示する。
他に入力ソースが有る場合(ステップST17:Yes)、図7(c)に示すように、分割された領域のうち画像が表示されていない領域に、選択された未表示の入力ソースからの画像信号に基づく画像を表示する(ST18)。
【0071】
このような構成によれば、予め2画面以上の分割状態に設定しておかなくても、レーザーポインターを用いて容易に画面の分割数および分割領域のサイズの変更を行なうことができる。
【符号の説明】
【0072】
100,110 画像供給装置(ノートPC)、101 制御部、102 メモリー部、103 映像出力部、113 映像出力部、120 第1の画像供給装置、130 第2の画像供給装置、140 第3の画像供給装置、150 第4の画像供給装置、200 プロジェクター(画像表示装置)、201 レーザーポインター受光部、202 画像表示部、203 メモリー部、204 映像入力部、205 画像処理部、206 カード挿入部、207 記憶装置、208 制御部、2081 軌道算出部、209 CPU、210 第1のメモリー部、211 第2のメモリー部、212 映像入力部、220 画像表示装置、2041 USBインターフェイス、2042 無線LANインターフェイス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像信号の入力を受け付ける画像信号入力部と、
前記画像信号に基づく表示画像を画面に表示する画像表示部と、
レーザーポインターにより前記画面に投影される光点を検知する受光部と、
前記受光部にて検出された前記光点の位置に基づき前記光点の軌道を表す軌道情報を算出する軌道算出部と、
算出された前記軌道情報に基づき前記画面を分割する制御部と、
を有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置であって、前記制御部は、前記軌道情報が表す軌道が前記画面を横断する場合、前記軌道情報に基づき前記画面を縦方向に分割する画像表示装置。
【請求項3】
請求項1あるいは2に記載の画像表示装置であって、前記制御部は、前記軌道情報が表す軌道が前記画面を縦断する場合、前記軌道情報に基づき前記画面を横方向に分割する画像表示装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像表示装置であって、前記制御部は、所定の時間内に前記軌道算出部から複数の軌道情報が入力されると、前記複数の軌道情報に基づき前記画面を分割する画像表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像表示装置であって、前記画像表示部は、
光源と、
前記光源からの光を画像光に変調するライトバルブと、
前記ライトバルブにより変調された前記画像光を投写する投写レンズと、
を備え、
前記画像光を投写することにより前記表示画像を表示することを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
画面に画像を表示する画像表示方法であって、
複数の画像信号の入力を受け付ける画像信号入力ステップと、
レーザーポインターにより前記画面に投影される光点を検知する受光ステップと、
前記検出された前記光点の位置に基づき前記光点の軌道を表す軌道情報を算出する軌道算出ステップと、
算出された前記軌道情報に基づき前記画面を分割する制御ステップと、
を有することを特徴とする画像表示方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像表示方法であって、前記軌道情報が表す軌道が前記画面を横断する場合、前記軌道情報に基づき前記画面を縦方向に分割する画像表示方法。
【請求項8】
請求項6あるいは7に記載の画像表示方法であって、前記軌道情報が表す軌道が前記画面を縦断する場合、前記軌道情報に基づき前記画面を横方向に分割する画像表示方法。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載の画像表示方法であって、所定の時間内に複数の軌道情報が入力されると、前記複数の軌道情報に基づき前記画面を分割する画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−73315(P2012−73315A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216565(P2010−216565)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】