説明

画像読取装置、画像読取方法および画像読取装置を制御する制御プログラム

【課題】線ノイズの原因となるごみの清掃をユーザが容易に行うことができる画像読取装置を提供する。
【解決手段】制御部20は、文字切り出し部40と、文字認識部42と、ごみ判定部44と、判定結果出力部46とを含む。文字切り出し部40は、スキャナ13等により取得されたRAM28等に格納された画像データについて1文字領域ずつ切り出す。文字認識部42は、切り出した文字データの領域について公知の文字認識方式に従って文字認識処理を実行し、文字認識が成功したかどうかを判定する。ごみ判定部44は、文字認識部42における判定結果に基づいてごみが読取ガラスに付着しているか否かを判定する。判定結果出力部46は、ごみが読取ガラスに付着していると判定した場合には、その結果を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関し、特に読取ガラス等にごみが付着することにより読取画像に生じる線ノイズを検出する画像読取装置、画像読取方法および画像読取装置を制御する制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置において、画像センサの読み取り位置を固定した状態で原稿を搬送することで画像を読み取る、いわゆる流し込み方式により画像を読み取る場合に、読み取り位置に設けられた読取ガラス等にごみ等が付着していると、用紙の送り方向(搬送方向)に沿って線ノイズが発生する。この線ノイズが発生すると画像の品質が低下するという問題がある。
【0003】
また、特開平9−238208号公報には、文字認識装置が示されている。この装置によると、画像に含まれる縦ラインノイズを検出し、縦ラインノイズが検出されるとその箇所の黒画素を白画素に修正することで縦ラインノイズが除去される。
【0004】
特開平7−21306号公報には、イメージセンサの汚れを検出する方法が示されている。この方法によると、帳票のクリアエリアの黒画素の垂直成分の有無及び位置情報を検出し、前回の読み取りで検出されたそれら情報と今回の読み取りで検出された情報とを比較して、同一位置に黒画素の垂直成分が検出されたとき、画像センサの汚れがあると見なし、アラームが出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−238208号公報
【特許文献2】特開平7−21306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特開平9−238208号公報に示される技術によると、ユーザは、読取ガラス等にごみ等が付着していることを認識できないため、一度ごみが付着するとそのごみは付着し続けることになる。その結果、文字認識装置は線ノイズを除去するための処理を実行し続けなければならず、処理パフォーマンスが低下するという問題があった。また、一般的にノイズを除去するための画像処理では、ノイズを完璧に除去することは難しく、除去しきれずにノイズが残ったり、ノイズではない画像を除去してしまうなど、画像の品質の低下を根本的に防止することができないという問題もあった。
【0007】
また、特開平7−21306号公報に示される技術によると、汚れが検出された場合にアラームで通知するため、ユーザは汚れがあることは認識できるが、どの位置に汚れがあるかは分からずに効率的に清掃することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、線ノイズの原因となるごみの清掃をユーザが容易に行うことができる画像読取装置、画像読取方法および画像読取装置を制御する制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面に従う画像読取装置は、原稿を搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送された原稿の画像データを取得する読取手段と、画像データに含まれる複数の一文字領域を抽出する文字領域抽出手段と、文字領域抽出手段により抽出された各一文字領域の文字データを認識する文字認識手段と、文字認識手段により各一文字領域の認識結果に基づいて線ノイズの有無を判定するノイズ判定手段と、ノイズ判定手段により線ノイズが有ると判定された場合には、操作パネルに線ノイズがある旨を表示する通知手段とを備える。
【0010】
好ましくは、ノイズ判定手段は、文字認識手段において、搬送手段により搬送された原稿の搬送方向に対して、認識に失敗した一文字領域が所定個数以上連続して存在すると判断した場合には、線ノイズが有ると判定する。
【0011】
好ましくは、ノイズ判定手段は、文字認識手段において、搬送手段により搬送された原稿の搬送方向に対して、特定の文字データと認識した一文字領域が所定個数以上連続して存在すると判断した場合には、線ノイズが有ると判定する。
【0012】
好ましくは、ノイズ判定手段は、文字認識手段において、搬送手段により搬送された原稿の搬送方向に対して、認識に失敗した一文字領域、または、特定の文字データと認識した一文字領域が所定個数以上連続して存在すると判断した場合には、線ノイズが有ると判定する。
【0013】
特に、文字認識手段における文字認識の認識レベルを調整することが可能な文字認識レベル調整手段をさらに備える。ノイズ判定手段は、文字認識の認識レベルに応じて所定個数を調整する。
【0014】
好ましくは、通知手段は、操作パネルに画像データにおける線ノイズの位置を特定して表示する。
【0015】
本発明のある局面に従う画像読取方法は、原稿を搬送するステップと、搬送された原稿の画像データを取得するステップと、画像データに含まれる複数の一文字領域を抽出するステップと、抽出された各一文字領域の文字データを認識するステップと、各一文字領域の認識結果に基づいて線ノイズの有無を判定するステップと、線ノイズが有ると判定された場合に、線ノイズがある旨を操作パネルに表示するステップとを備える。
【0016】
本発明のある局面に従う画像読取装置を制御する制御プログラムは、画像読取装置のコンピュータに、原稿を搬送するステップと、搬送された原稿の画像データを取得するステップと、画像データに含まれる複数の一文字領域を抽出するステップと、抽出された各一文字領域の文字データを認識するステップと、各一文字領域の認識結果に基づいて線ノイズの有無を判定するステップと、線ノイズが有ると判定された場合に、線ノイズがある旨を操作パネルに表示するステップとを備える、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の画像読取装置は、画像データに含まれる複数の一文字領域を抽出する文字領域抽出手段と、文字領域抽出手段により抽出された各一文字領域の文字データを認識する文字認識手段と、文字認識手段により各一文字領域の認識結果に基づいて線ノイズの有無を判定するノイズ判定手段と、ノイズ判定手段により線ノイズが有ると判定された場合には、操作パネルに線ノイズがある旨を表示する通知手段とを含む構成であるため、線ノイズの原因となるごみの清掃をユーザが容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に従う画像形成装置としてのMFP1の外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うMFP1のハードウェア構成について説明する図である。
【図3】線ノイズを検出する処理に関する機能ブロックについて説明する図である。
【図4】文字切り出し部40における一文字領域の抽出結果の一例について説明する図である。
【図5】文字切り出し部40での一文字領域の抽出結果の別の例について説明する図である。
【図6】線ノイズが発生している場合の文字認識部42における判定結果について説明する図である。
【図7】ごみ判定部44が実行する、読取ガラスにごみが付着しているか否かを判定する処理の内容について説明する図である。
【図8】判定結果出力部46が実行する、ごみ判定処理の結果を出力する処理について説明する図である。
【図9】操作ディスプレイ12に表示される画面について説明する図である。
【図10】実施の形態1の変形例1に従うごみ判定処理について説明する図である。
【図11】線ノイズが発生している場合の文字認識部42における判定結果の一例について説明する図である。
【図12】実施の形態1の変形例2に従うごみ判定処理について説明する図である。
【図13】線ノイズが発生している場合の文字認識部42における判定結果の別の一例について説明する図である。
【図14】文字認識のレベルを調整する設定画面について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0020】
(MFP全体構成)
図1を用いて、本発明の実施形態に従う画像読取装置としてのMFP1の外観図について説明する。
【0021】
図1を参照して、本発明の実施の形態に従うMFP1は、コピー機能、スキャナ機能、ファックス機能等を有するデジタル複合機である。
【0022】
MFP1は、後述する操作パネル10を備えており、この操作パネル10は、複数のキー11aと、当該キー11aに対するユーザの操作による各種の指示や、文字、数字などのデータの入力を受付ける操作部11と、ユーザに対する指示メニューや取得した画像に関する情報などの表示を行なう液晶等からなる操作ディスプレイ12とを有している。
【0023】
また、MFP1は、原稿を光学的に読取って画像データを得るスキャナ13と、画像データに基づいて記録シート上に画像を印刷するプリンタ14とを備えている。
【0024】
またMFP1の本体上面には、原稿をスキャナ13に送るフィーダ17が、下部にはプリンタ14に記録シートを供給する給紙部18が、中央部にはプリンタ14によって画像を印刷された記録シートが排出されるトレイ19がそれぞれ配備されている。
【0025】
さらにMFP1の本体の内部には、本体を制御するための各部で用いられる制御プログラム、画像データ等、必要なデータを記憶する記憶部26などが設けられている。
【0026】
図2を用いて、本発明の実施の形態に従うMFP1のハードウェア構成について説明する。
【0027】
図2を参照して、本発明の実施の形態に従うMFP1は、紙媒体等の原稿を画像データ(電子データ)に変換するためのスキャナ13と、印刷処理を実行するためのプリンタ14と、電子メール(E−mailとも称する)の送受信を実行するためのメーラ15と、公衆回線を利用したデータ伝送を実行するためのファクシミリ16と、通信インターフェース(I/F)34と、入力等の操作指示を実行する操作パネル10と、制御プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)30と、制御部20等で実行される制御処理を実行するためのワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)28と、MFP1に登録された各種情報等を格納するHDD(Hard Disk Drive)32と、MFP1全体を制御する制御部20とを備える。制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)等で構成されるものとする。また、ROM30と、RAM28と、HDD32により記憶部26が構成される。
【0028】
なお、各部は内部バス21を介して制御部20と接続されており、制御部20は、各部との間でデータの授受を実行することが可能である。
【0029】
スキャナ13は、複数の光電変換素子(受光素子)で構成される光センサを含む。フィーダ17に載置された原稿は、スキャナ13に搬送される。光センサは、読取ガラスを介して写真、文字、絵などの画像情報を原稿から光電的に読取って画像データを取得する。取得された画像データは、デジタルデータに変換され、周知の各種画像処理を施された後、RAM28内に一旦格納され、プリンタ14等に送られ、画像の印刷やデータの保存に供される。
【0030】
プリンタ14は、スキャナ13等により取得された画像データに基づいて、給紙部18に格納された記録シート上に画像を印刷処理する。
【0031】
メーラ15は、図示されていないネットワークを介して接続されたメールサーバ等との間で電子メールの送受信を実行する。
【0032】
ファクシミリ16は、スキャナ13等により取得された画像データを所定のプロトコルに従って他のファクシミリ装置に送信する。
【0033】
通信I/F34は、MFP1の内部の各部と図示されていないネットワークと接続された外部の機器等とを接続するためのインタフェースである。通信I/F34は、有線あるいは無線によりネットワークと接続されて、他のMFPあるいはPC(Personal Computer)等とデータの授受を実行する。なお、ネットワークとしては、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などが想定されている。
【0034】
また、操作パネル10の操作ディスプレイ12は、LCD(Liquid Crystal Display)とタッチパネルとを含み、LCDが各種モードの表示を行うとともに、タッチパネルが表示内容等に従った各種設定等を受け付ける。また、操作部11は、ユーザによる種々の入力に用いられるものである。これらがユーザインターフェイスの要部として機能する。
【0035】
本発明の実施の形態に従うMFP1は、スキャナ13により読み取られた画像データ(読取画像とも称する)に基づいて読取ガラスにごみが付着しているか否かを判定し、読取ガラスにごみが付着している場合に、ごみが付着している位置をユーザに通知することができる。また、MFP1は、スキャナ機能における読取画像に対してだけでなく、コピー機能やFAX機能における読取画像に対しても、ごみが付着しているか否かを判定し、ごみが付着している位置をユーザに通知することができる。
【0036】
以下においては、一例として、MFP1におけるスキャン機能を利用した場合について説明する。
【0037】
図3を用いて、線ノイズを検出する処理に関する機能ブロックについて説明する。
図3を参照して、線ノイズの検出処理は、文字切り出し部40と、文字認識部42と、ごみ判定部44と、判定結果出力部46とにより実行される。なお、文字切り出し部40、文字認識部42、ごみ判定部44、判定結果出力部46の各機能ブロックは、制御部20が一例としてROM30に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0038】
文字切り出し部40は、スキャナ13等により取得され、RAM28等に格納された画像データについて文字領域を抽出する処理を行なう。文字切り出し部40は、一つ一つの文字それぞれについて、個別の文字領域として切り出す処理を行なう(以下、一つの文字として抽出された文字領域を一文字領域とも称する)。
【0039】
文字認識部42は、文字切り出し部40により抽出された一文字領域のそれぞれについて、公知の文字認識方式(パターンマッチング等)に従って文字認識処理を実行する。そして、文字認識部42は、一文字領域のそれぞれについて、文字認識が成功したか否かを判定する。本例において、文字認識が成功したとは、一文字領域に対応する文字をパターンマッチング等により特定できた場合を意味し、文字認識が成功しなかった(つまり失敗した)とは、一文字領域に対応する文字をパターンマッチング等により特定できなかった場合を意味する。
【0040】
ごみ判定部44は、文字認識部42における判定結果に基づいてごみが読取ガラスに付着しているか否かを判定する。
【0041】
判定結果出力部46は、ごみが読取ガラスに付着していると判定した場合には、その結果を出力する。
【0042】
図4を用いて、文字切り出し部40における一文字領域の抽出結果の一例について説明する。
【0043】
図4(a)を参照して、ここでは、一例として原稿7が示されている。原稿7には、「ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWZ・・・」のアルファベットの文字が記載されている場合が示されている。
【0044】
図4(b)を参照して、当該原稿7をスキャナ13等により取得した画像データ2aについて、文字切り出し部40により抽出された一文字領域2bが示されている。また、文字切り出し部40における一文字領域の抽出結果として、読取ガラスにごみが付着しておらず、線ノイズが発生していない場合の画像データが示されている。なお、図4(b)に示される読取方向に垂直な方向が原稿の搬送方向として示されている。
【0045】
図5を用いて、文字切り出し部40での一文字領域の抽出結果の別の例について説明する。
【0046】
図5を参照して、ここでは、文字切り出し部40における一文字領域の抽出結果として、読取ガラスにごみが付着していて、線ノイズが発生している場合の画像データ3aが示されている。読取ガラスにごみが付着していると、搬送方向に線ノイズが発生する。
【0047】
図4を再び参照して、線ノイズが発生していない場合には、文字認識部42が文字認識処理を実行すると、すべての一文字領域について文字認識が成功する。
【0048】
一方、図5に示されるように線ノイズが発生している場合には、文字認識部42が文字認識処理を実行すると、線ノイズを含む一文字領域については文字認識が失敗することになる。
【0049】
図6を用いて、線ノイズが発生している場合の文字認識部42における判定結果について説明する。ここでは、文字認識が失敗した一文字領域をハッチングで示している。線ノイズを含む一文字領域については文字認識が失敗している。
【0050】
図7を用いて、ごみ判定部44が実行する、読取ガラスにごみが付着しているか否かを判定する処理(以下、ごみ判定処理とも称する)の内容について説明する。当該ごみ判定処理は、ROM30に記憶されたプログラムを制御部20が読み出して実行することにより実現される。
【0051】
ごみ判定処理は、文字切り出し部40により抽出された全ての一文字領域について、文字認識処理が成功したか否かを判断し、一文字領域の文字認識処理が失敗した箇所から搬送方向に所定個数以上連続して文字認識処理が失敗しているか否かに基づいてごみを判定する。
【0052】
図7を参照して、まず、画像データに含まれる1つめの一文字領域を処理対象とする(ステップS1)。
【0053】
次に、その処理対象の一文字領域について、文字認識が失敗したか否かを判断する(ステップS2)。文字認識が失敗していないと判断した場合(ステップS2においてNO)には、処理対象の一文字領域は線ノイズを含まないと判定する(ステップS6)。そして、次のステップS10に進む。
【0054】
一方、文字認識が失敗していると判断した場合(ステップS2においてYES)には、処理対象の一文字領域から搬送方向に、所定個数以上連続して文字認識が失敗した一文字領域があるかどうかを判断する(ステップS4)。
【0055】
ステップS4において、搬送方向に、所定個数以上連続して文字認識が失敗した一文字領域があると判断された場合(ステップS4においてYES)には、処理対象の一文字領域は線ノイズを含むと判定する(ステップS8)。そして、次のステップS10に進む。
【0056】
一方、ステップS4において、搬送方向に、所定個数以上連続して文字認識が失敗した一文字領域が無いと判断された場合(ステップS4においてNO)には、処理対象の一文字領域は線ノイズを含まないと判定する(ステップS6)。そして、次のステップS10に進む。
【0057】
ステップS10では、画像データに含まれる全ての一文字領域が処理対象となつたか否か、つまり、全ての一文字領域についての判定が終了したか否かが判定される。画像データに含まれる全ての一文字領域についての判定が終了していない場合(ステップS10においてNO)には、次の一文字領域を処理対象に変更する(ステップS12)。
【0058】
そして、ステップS2に戻る。そして、全ての一文字領域についての判定が終了するまでステップS2〜S12までの処理が繰り返し行なわれ、全ての一文字領域についての判定が終了した場合(ステップS10においてYES)に、処理を終了する(エンド)。
【0059】
ステップS4〜S8では、処理対象の一文字領域が線ノイズを含むか含まないかを判断しているが、この処理は読取ガラスにごみが付着しているか否かを判定しているとも言い換えることができる。なぜなら、線ノイズを含む一文字領域があるということは、線ノイズの原因となるごみが読取ガラスに付着している可能性が高いからである。
【0060】
このように、ごみ判定部44は、文字認識が失敗した一文字領域が所定個数以上連続している場合に読取ガラスにごみが付着していると判定し、文字認識が失敗したが一文字領域が所定個数以上連続していない場合には読取ガラスにごみが付着していないと判定する。なお、図7のごみ判定処理のフローチャートにおいては、一文字領域ずつ処理対象として、処理対象の一文字領域について文字認識が失敗したかどうかを判断して、処理対象の文字認識が失敗していると判断した場合に、文字認識が所定個数以上連続して失敗しているかどうかを判定する方式について説明しているが、文字認識が所定個数以上連続して失敗しているかどうかを判断できればよく、特に、上記方式に限定されない。
【0061】
図8を用いて、判定結果出力部46が実行する、ごみ判定処理の結果を出力する処理(判定結果出力処理)について説明する。当該判定結果出力処理は、ROM30に記憶されたプログラムを制御部20が読み出して実行することにより実現される。
【0062】
判定結果出力処理は、ごみ判定部44のごみ判定処理の結果すなわちごみの付着の有無に基づいて、判定結果を通知するための画面を表示する。
【0063】
図8を参照して、ごみ判定部44におけるごみ判定処理の結果、線ノイズを含むすなわち、読取ガラスにごみが付着していると判定されたか否かを判断する(ステップS20)。
【0064】
ごみ判定部44で読取ガラスにごみが付着していると判定された場合(ステップS20においてYES)には、判定結果を通知するための画面を操作ディスプレイ12に表示する(ステップS22)。
【0065】
一方、ステップS20において、読取ガラスにごみが付着していないと判定された場合(ステップS20においてNO)には、判定結果の通知は行なわずに処理を終了する(エンド)。
【0066】
図9を用いて、図8に示す判定結果出力処理のフローチャートのステップS22において、操作ディスプレイ12に表示される画面について説明する。
【0067】
図9を参照して、操作ディスプレイ12には、ユーザに対し読取ガラスの清掃を促すメッセージ(「ごみのスジが検出されました。清掃して下さい。」)とともに、スキャナ13で読み取った線ノイズ5dのある画像データを縮小した縮小画像データ5aが示される。
【0068】
その際、図7に示すごみ判定処理のフローチャートで線ノイズを含むと判定された一文字領域は、線ノイズを含まないと判定された一文字領域と識別可能に表示される。
【0069】
ここでは、その一例として、線ノイズを含むと判定された一文字領域がハッチング表示されている。なお、本例においては、一例として、線ノイズを含むと判定された一文字領域がハッチング表示された場合が示されているが、特に当該表示に限られず、線ノイズを含むと判定された一文字領域が他と識別可能な形式であれば、どのような形式であっても良い。例えば、点滅させたり、アニメーションにより領域の位置が分かるオブジェクトを表示させたりすることが可能である。なお、「ごみのスジが検出されました。清掃して下さい。」の表示に代えて、音声で同様の内容を出力するようにしても良い。
【0070】
なお、本例においては、1本の線ノイズがある場合に、当該画像データを縮小した縮小画像データが示されて線ノイズを含むと判定された一文字領域がハッチング表示されている場合について説明しているが、複数本(たとえば2本)の線ノイズがある場合には、複数本の線ノイズを含むと判定された一文字領域についても同様にハッチング表示される。
【0071】
したがって、ユーザは、図9に示す、操作ディスプレイ12に表示された画像データの表示を見ることにより、読取ガラスにごみが付着していることを容易に知ることができる。また、その付着位置についても容易に把握することができる。その結果、読取ガラスに付着したごみを効率的に清掃することが可能であり、線ノイズの発生を根本的に防止することができる。
【0072】
なお、上記においては、一例として、MFP1におけるスキャン機能を利用した場合について説明したが、コピー機能あるいはFAX機能等、他の機能を用いた場合についても同様に適用可能である。
【0073】
すなわち、コピー機能として、フィーダ17に原稿を載置して、いわゆる流し込み方式により画像を読み取ってコピー処理する場合、あるいは、FAX機能として、フィーダ17に原稿を載置して、いわゆる流し込み方式により画像を読み取ってFAX送信等する場合、スキャン機能と同様に、読み取り位置に設けられた読取ガラス等にごみ等が付着していると、用紙の送り方向(搬送方向)に沿って線ノイズが発生する。したがって、スキャン機能と同様に、画像を読み取って、それぞれコピー処理あるいは、FAX送信する前に、上記で説明した線ノイズを検出する処理を実行することにより読取ガラスに付着したごみを容易に知ることができる。その結果、読取ガラスに付着したごみを効率的に清掃することが可能であり、線ノイズの発生を根本的に防止することができる。
【0074】
(実施の形態1の変形例1)
図10を用いて、前述した実施の形態1の変形例1に従うごみ判定処理について説明する。
【0075】
図10を参照して、本実施の形態1の変形例1に従うごみ判定処理は、前述した実施の形態1に従う図7のごみ判定処理のフローチャートに示すステップS2をステップS3に、ステップS4をステップS5に置換した点が異なる。その他の点については同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。当該ごみ判定処理は、ROM30に記憶されたプログラムを制御部20が読み出して実行することにより実現される。
【0076】
本実施の形態1の変形例1に従うごみ判定処理は、文字切り出し部40により抽出された全ての一文字領域について、処理対象の一文字領域が特定の文字であるか否かを判断し、特定の文字であると判断された場合には、処理対象の一文字領域から搬送方向に所定個数以上連続して文字認識処理が特定の文字であるか否かに基づいてごみを判定する。
【0077】
まず、画像データに含まれる1つ目の一文字領域を処理対象とする(ステップS1)。
そして、次に、その処理対象の一文字領域について、文字認識処理で認識された文字が特定の文字であるか否かを判断する(ステップS3)。
【0078】
特定の文字とは、例えば、アラビア数字の「1」(いち)、アルファベットの「l」(エル)、漢数字の「一」(いち)など、線ノイズと形状が類似している文字のことを意味する。
【0079】
ステップS3において、処理対象の一文字領域の認識結果が特定の文字でないと判断された場合(ステップS3でNO)には、処理対象の一文字領域は線ノイズを含まないと判定する(ステップS6)。そして、次のステップS10に進む。
【0080】
一方、ステップS3において、処理対象の一文字領域について、文字認識処理で認識された文字が特定の文字であると判断された場合(ステップS3においてYES)には、処理対象の一文字領域から搬送方向に、所定個数連続して文字認識結果が特定の文字である一文字領域があるかどうかを判断する(ステップS5)。
【0081】
ステップS5において、搬送方向に沿って所定個数以上連続して、文字認識結果が特定の文字である一文字領域があると判断された場合(ステップS5においてYES)には、処理対象の一文字領域は線ノイズを含むと判断する(ステップS8)。そして、次のステップS10に進む。
【0082】
ステップS5において、搬送方向に沿って所定個数以上連続して、文字認識結果が特定の文字である一文字領域がないと判断された場合(ステップS5においてNO)には、処理対象の一文字領域は線ノイズを含まないと判断する(ステップS6)。そして、次のステップS10に進む。
【0083】
ステップS10では、画像データに含まれる全ての一文字領域が処理対象となったか否か、つまり全ての一文字領域についての判定が終了したか否かが判定される。全ての一文字領域についての判定が終了していない場合(ステップS10においてNO)には、次の一文字領域を処理対象に変更する(ステップS12)。そして、ステップS3に戻る。全ての一文字領域についての判定が終了するまでステップS3〜S12までの処理が繰り返し行なわれ、全ての一文字領域についての判定が終了した場合(ステップS10においてYES)に、処理を終了する(エンド)。
【0084】
実施の形態1においては、文字認識部42において、文字データの領域において、公知の文字認識方式(パターンマッチング等)に従って文字認識処理を実行し、文字認識が失敗した一文字領域を、線ノイズを含む可能性があるとして抽出した。しかし、線ノイズを含む領域が特定の文字と判定される可能性もある。
【0085】
図11を用いて、線ノイズが発生している場合の文字認識部42における判定結果の一例について説明する。
【0086】
図11(a)を参照して、ここでは、一例として線ノイズが画像データ8aに生じた場合が示されており、文字が存在する領域に加えて元々文字の無い空白領域にも線ノイズが発生した場合について考える。
【0087】
このような場合、すなわち、空白領域に線ノイズが発生した場合には、線ノイズの一部が例えばアラビア数字の「1」(いち)と類似する形状となり、アラビア数字の「1」と判定される可能性がある。
【0088】
図11(b)においては、上記画像データ8aについての文字認識部42における判定結果を示す画像データ8bが示されている。ここでは、空白領域に線ノイズが発生した場合において、例えば、ハッチング表示した一文字領域について、線ノイズの一部が特定の文字(例えばアラビア数字の「1」)と判定された場合が示されている。
【0089】
上述したように、本実施の形態1の変形例1に従うごみ判定処理においては、処理対象の一文字領域が特定の文字である場合に、処理対象の一文字領域から搬送方向に所定個数以上連続して文字認識処理が特定の文字であるか否かを判断する。すなわち、アラビア数字の「1」(いち)など線ノイズの一部と形状が類似している文字が連続して所定個数以上有る場合には、線ノイズを含むと判定する。すなわち、読取ガラスにごみが付着していると判定する。
【0090】
当該処理により、図11(a)に示されるように、例えば、元々文字のない空白領域に線ノイズが発生した場合であっても線ノイズを適切に検出することが可能となり、読取ガラスへのごみの付着の検出精度をより高めて線ノイズの原因となるごみの清掃をユーザが容易に行うことができる。
【0091】
(実施の形態1の変形例2)
図12を用いて、前述した実施の形態1の変形例2に従うごみ判定処理について説明する。
【0092】
図12を参照して、本実施の形態1の変形例2に従うごみ判定処理は、前述した実施の形態1に従う図7のごみ判定処理のフローチャートに示すステップS4をステップS3#に置換するとともに、ステップS5#をさらに設けた点が異なる。その他の部分については、同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。当該ごみ判定処理は、ROM30に記憶されたプログラムを制御部20が読み出して実行することにより実現される。
【0093】
本実施の形態1の変形例2に従うごみ判定処理は、文字切り出し部40により抽出された全ての一文字領域について、文字認識処理が成功したか否かを判断し、一文字領域の文字認識処理が失敗した箇所から搬送方向に所定個数以上連続して文字認識処理が失敗した一文字領域、または、特定の文字である一文字領域があるか否かに基づいてごみを判定する。
【0094】
まず、画像データに含まれる1つ目の一文字領域を処理対象とする(ステップS1)。
そして、次に、その処理対象の一文字領域について、文字認識処理で文字認識が失敗したか否かを判断する(ステップS2)。ステップS2において、文字認識が失敗していないと判断した場合(ステップS2においてNO)にば、次に、文字認識処理で認識された文字が特定の文字であるか否かを判断する(ステップS3#)。
【0095】
上述したように、特定の文字とは、例えば、アラビア数字の「1」(いち)、アルファベットの「l」(エル)、漢数字の「一」(いち)など、線ノイズと形状が類似している文字のことを意味する。
【0096】
そして、ステップS3#において、処理対象の一文字領域の認識結果が特定の文字でないと判断された場合(ステップS3#でNO)には、処理対象の一文字領域は線ノイズを含まないと判定する(ステップS8)。そして、次のステップS10に進む。
【0097】
一方、処理対象の一文字領域について、文字認識が失敗した場合(ステップS2においてYES)または処理対象の一文字領域が特定の文字として認識された場合(ステップS3#においてYES)には、処理対象の一文字領域から搬送方向に、所定個数連続して文字認識が失敗した一文字領域、または、特定の文字である一文字領域があるかどうかを判断する(ステップS5#)。
【0098】
ステップS5#において、搬送方向に沿って所定個数以上連続して、文字認識が失敗した一文字領域、または、特定の文字である一文字領域があると判断された場合(ステップS5#においてYES)には、処理対象の一文字領域は線ノイズを含むと判断する(ステップS6)。そして、次のステップS10に進む。
【0099】
ステップS5#において、搬送方向に沿って所定個数以上連続して、文字認識が失敗した一文字領域、または、特定の文字である一文字領域がないと判断された場合(ステップS5#においてNO)には、処理対象の一文字領域は線ノイズを含まないと判断する(ステップS8)。そして、次のステップS10に進む。
【0100】
ステップS10では、画像データに含まれる全ての一文字領域が処理対象となったか否か、つまり全ての一文字領域についての判定が終了したか否かが判定される。全ての一文字領域についての判定が終了していない場合(ステップS10においてNO)には、処理対象を次の一文字領域に変更する(ステップS12)。そして、ステップS2に戻る。全ての一文字領域についての判定が終了するまでステップS2〜S12までの上記処理が繰り返し行なわれ、全ての一文字領域についての判定が終了した場合(ステップS10においてYES)に、処理を終了する(エンド)。
【0101】
本実施の形態1の変形例2に従うごみ判定処理によれば、ごみ判定部44は、文字認識が失敗した一文字領域、または、特定の文字として認識された一文字領域が所定個数以上連続している場合に読取ガラスにごみが付着していると判定する。
【0102】
したがって、画像データに文字のある領域と文字のない空白領域とがそれぞれ存在し、それら両方の領域に渡って、線ノイズが発生している場合であってもそれら両方の領域の線ノイズを検出することができる。
【0103】
図13を用いて、線ノイズが発生している場合の文字認識部42における判定結果の別の一例について説明する。
【0104】
図13(a)を参照して、ここでは、一例として線ノイズが画像データ9aに生じた場合が示されている。画像データ9aには、文字のある領域と、文字のない領域とがそれぞれ存在する場合において、文字のある領域と、元々文字の無い空白領域のそれぞれに線ノイズが発生した場合について考える。
【0105】
図13(b)においては、上記画像データ8aについての文字認識部42における判定結果を示す画像データ8bが示されている。ここでは、所定個数以上連続して、文字認識が失敗した一文字領域あるいは、特定の文字として認識された一文字領域がハッチング表示されている。
【0106】
上述したように、本実施の形態1の変形例2に従うごみ判定処理においては、処理対象の一文字領域について文字認識が失敗した場合、あるいは、処理対象の一文字領域について、特定の文字であると判断された場合に、処理対象の一文字領域から搬送方向に所定個数以上連続して、文字認識が失敗した一文字領域、または、特定の文字である一文字領域があるか否かを判断する。すなわち、文字認識が失敗した一文字領域、または、アラビア数字の「1」(いち)など線ノイズの一部と形状が類似している特定の文字である一文字領域が連続して所定個数以上有る場合には、線ノイズを含むと判定する。すなわち、読取ガラスにごみが付着していると判定する。
【0107】
当該処理により、図13(b)に示されるように、文字のない空白領域のみ線ノイズが発生していると判断されるのではなく、文字のある領域にも線ノイズが発生していることを適切に検出することが可能となるり、読取ガラスへのごみの付着の検出精度をより高めて線ノイズの原因となるごみの清掃をユーザが容易に行うことができる。
【0108】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1においては、一例としてMFP1におけるスキャン機能を利用した場合において、読取ガラスにごみが付着したことにより発生する読取画像における線ノイズを検出する方式について説明した。
【0109】
一方で、MFP1は、上述したようにスキャン機能以外にも他の機能を複数有している。MFP1は、例えば、スキャン機能およびメール機能を相互に関連付けて利用する、スキャナで取得した画像データを添付のファイルデータとしてE−mail送信する機能(単に、スキャンtoE−mailとも称する)を有する。一例として、当該スキャンtoE−mailを実行する場合において、スキャナで取得した画像データに対して文字認識処理を実行して、文字認識処理後のファイルデータをE−mail送信することにより、例えば、E−mail送信によりファイルデータを受信したユーザは、当該ファイルデータに含まれている文字の検索やテキストデータのコピーが可能となる。
【0110】
そのため、例えば、スキャンtoE−mailを実行する場合において、スキャナで取得した画像データの画質あるいは内容等に応じて文字認識処理における文字認識のレベル(例えば、パターンマッチング等におけるマッチングの閾値)の調整が可能な設定画面が設けられている。
【0111】
図14を用いて、文字認識のレベルを調整する設定画面について説明する。
図14を参照して、ここでは操作ディスプレイ12に文字認識のレベルを調整する設定画面が示されている。
【0112】
本発明の実施の形態2に従うMFP1においては、操作パネル10において所定の操作指示を実行することにより文字認識のレベルの調整が可能である。具体的には、所定の操作指示を実行することにより制御部20は、操作パネル10の操作ディスプレイ12に設定画面を表示する。例えば、当該設定画面を表示するためのソフトウェアプログラムは、一例としてROM30に格納されているものとする。
【0113】
ここで、設定画面において、「文字認識のレベルを設定して下さい。」の表示とともに、表示オブジェクト100が示されている。具体的には、「認識低下 認識向上の範囲:1〜100%」が表示されており、オペレータは、当該範囲で文字認識のレベルを調整することが可能であることを把握することができる。
【0114】
そして、文字認識のレベルを示す表示領域102が設けられており、一例として、ここでは、「51%」と表示されている。そして、上昇ボタン104と、下降ボタン106が設けられており、オペレータは、それぞれのボタンを操作することにより表示領域102に表示されている文字認識のレベルを上昇させたり、下降させたりして設定することが可能である。
【0115】
例えば、原稿に手書き文字等が多く含まれている場合には、文字認識のレベルを下降させることによりマッチングの閾値を下げて特定の文字データと判定し易くすることが可能である。この場合には、マッチングの閾値が下がるため文字認識が失敗となり難い。
【0116】
一方で、原稿にタイピングされた文字等が多く含まれている場合には、文字認識のレベルを上昇させることによりマッチングの閾値を上げて精度の高い文字認識を実行することが可能である。この場合には、マッチングの閾値が上がるため文字認識が失敗となり易い。
【0117】
したがって、本実施の形態においては、文字認識のレベルに応じて上記で説明したごみ判定処理における判定等の個数を調整する。具体的には、文字認識のレベルが高い場合には、エラー判定等の所定個の個数を大きくし、文字認識のレベルが低い場合には、ごみ判定処理等の所定個の個数を小さくするような文字認識のレベルと所定個数とを対応させたテーブルを記憶部26に記憶させる。
【0118】
そして、当該記憶部26に記憶されている当該テーブルを読み出して、文字認識のレベルに応じた所定個数に設定する。当該処理により、文字認識のレベルを調整したことに伴い変化する文字認識の失敗となる確率に合わせて線ノイズの有無を判定する基準(所定個数)を調整することにより線ノイズが無いにも係わらず有ると判定したり、あるいは線ノイズがあるにも係わらず線ノイズが無いと判定するような誤判定を回避して、効率的に線ノイズの有無、すなわちごみを検出することが可能である。
【0119】
なお、コンピュータを機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させる方法あるいは当該方法を実現するプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどの一時的でないコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0120】
なお、プログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0121】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0122】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0123】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0124】
1 MFP、10 操作パネル、11 操作部、11a キー、12 操作ディスプレイ、13 スキャナ、14 プリンタ、15 メーラ、16 ファクシミリ、17 フィーダ、18 給紙部、19 トレイ、20 制御部、21 内部バス、26 記憶部、28 RAM、30 ROM、32 HDD、34 通信I/F。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された原稿の画像データを取得する読取手段と、
前記画像データに含まれる複数の一文字領域を抽出する文字領域抽出手段と、
前記文字領域抽出手段により抽出された各前記一文字領域の文字データを認識する文字認識手段と、
前記文字認識手段により各前記一文字領域の認識結果に基づいて線ノイズの有無を判定するノイズ判定手段と、
前記ノイズ判定手段により前記線ノイズが有ると判定された場合には、操作パネルに前記線ノイズがある旨を表示する通知手段とを備える、画像読取装置。
【請求項2】
前記ノイズ判定手段は、前記文字認識手段において、前記搬送手段により搬送された原稿の搬送方向に対して、認識に失敗した一文字領域が所定個数以上連続して存在すると判断した場合には、前記線ノイズが有ると判定する、請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記ノイズ判定手段は、前記文字認識手段において、前記搬送手段により搬送された原稿の搬送方向に対して、特定の文字データと認識した一文字領域が所定個数以上連続して存在すると判断した場合には、前記線ノイズが有ると判定する、請求項1記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記ノイズ判定手段は、前記文字認識手段において、前記搬送手段により搬送された原稿の搬送方向に対して、認識に失敗した一文字領域、または、特定の文字データと認識した一文字領域が所定個数以上連続して存在すると判断した場合には、前記線ノイズが有ると判定する、請求項1記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記文字認識手段における文字認識の認識レベルを調整することが可能な文字認識レベル調整手段をさらに備え、
前記ノイズ判定手段は、前記文字認識の認識レベルに応じて前記所定個数を調整する、請求項2〜4のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記通知手段は、前記操作パネルに前記画像データにおける前記線ノイズの位置を特定して表示する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
画像読取装置において実行される画像読取方法であって、
原稿を搬送するステップと、
搬送された原稿の画像データを取得するステップと、
前記画像データに含まれる複数の一文字領域を抽出するステップと、
抽出された各前記一文字領域の文字データを認識するステップと、
各前記一文字領域の認識結果に基づいて線ノイズの有無を判定するステップと、
前記線ノイズが有ると判定された場合に、前記線ノイズがある旨を操作パネルに表示するステップとを備える、画像読取方法。
【請求項8】
画像読取装置のコンピュータに、
原稿を搬送するステップと、
搬送された原稿の画像データを取得するステップと、
前記画像データに含まれる複数の一文字領域を抽出するステップと、
抽出された各前記一文字領域の文字データを認識するステップと、
各前記一文字領域の認識結果に基づいて線ノイズの有無を判定するステップと、
前記線ノイズが有ると判定された場合に、前記線ノイズがある旨を操作パネルに表示するステップとを備える、処理を実行させる、画像読取装置を制御する制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−130267(P2011−130267A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287895(P2009−287895)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】