説明

画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及び画像読取装置の制御プログラム

【課題】画像データを画像形成装置に送信する際や送信中に画像形成装置にエラーが発生した場合でも次の原稿の画像を継続して読取ることができる画像読取装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置1000は、画像形成装置2000及び画像管理サーバ3000にネットワークを介して接続され、画像データをネットワークを介して画像形成装置2000に送信する。また、画像読取装置1000は、ネットワークを介して画像形成装置2000がエラーを発生しているか否かを検出し、エラーが検出されると画像データをネットワークを介して画像管理サーバ3000に送信する。そして、画像読取装置1000は、ネットワークを介して画像形成装置2000のエラーが解除されたことを検出した後、画像管理サーバ3000に格納された画像データを画像形成装置2000に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインターネットやLAN等のネットワークを介して画像データを送信する機能を有する画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及び画像読取装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像読取装置として、読取った画像データをネットワークを介してサーバやクライアントPC等に転送したり、画像形成装置に転送して印刷出力することが可能な所謂ネットワークスキャナ装置が普及してきている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−187573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1のスキャナ装置では、読取られた原稿の画像データに基づく印刷データを画像形成装置に送信する際や送信中に画像形成装置にエラーが発生した場合、画像の読取り動作が中止され、継続して次の原稿の画像を読取ることができなくなる。
【0004】
また、上記特許文献1のスキャナ装置では、全ての原稿の画像を読み取り、全ての印刷データをメモリに格納した後、印刷データを画像形成装置に送信することも可能である。
【0005】
しかし、メモリに格納された全ての印刷データを画像形成装置に送信する際や送信中に画像形成装置にエラーが発生した場合、印刷データの送信が完了しない為、スキャナ装置内のメモリが開放されず、次の原稿の画像を継続して読取ることができなくなる。
【0006】
そこで、本発明は、画像データを画像形成装置に送信する際や送信中に画像形成装置にエラーが発生した場合でも次の原稿の画像を継続して読取ることができる画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、画像形成装置及び画像管理サーバにネットワークを介して接続される画像読取装置において、画像データをネットワークを介して前記画像形成装置に送信する第1の送信手段と、ネットワークを介して前記画像形成装置がエラーを発生しているか否かを検出する検出手段と、画像データをネットワークを介して前記画像管理サーバに送信する第2の送信手段と、前記検出手段により前記画像形成装置のエラーが解除されたことを検出した後、前記画像管理サーバに格納された画像データを前記画像形成装置に転送する転送手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記第2の送信手段は、前記検出手段により前記画像形成装置のエラーが検出されたときに、画像データをネットワークを介して前記画像管理サーバに送信する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、前記第2の送信手段は、前記検出手段により前記画像形成装置のエラーが検出された後、前記画像形成装置に送信するための画像データのうち少なくとも未送信の画像データをネットワークを介して前記画像管理サーバに送信する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記画像形成装置に対する各種設定を行う操作表示部と、前記画像形成装置からネットワークを介して送信されるHTMLファイルを操作表示部に表示するブラウザ部と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記エラーは、前記画像形成装置における用紙無し、用紙詰まり、故障の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、画像形成装置及び画像管理サーバにネットワークを介して接続される画像読取装置の制御方法であって、画像データをネットワークを介して前記画像形成装置に送信する第1の送信ステップと、ネットワークを介して前記画像形成装置がエラーを発生しているか否かを検出する検出ステップと、画像データをネットワークを介して前記画像管理サーバに送信する第2の送信ステップと、前記検出ステップで前記画像形成装置のエラーが解除されたことを検出した後、前記画像管理サーバに格納された画像データを前記画像形成装置に転送する転送ステップと、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、画像形成装置及び画像管理サーバにネットワークを介して接続される画像読取装置の制御プログラムであって、画像データをネットワークを介して前記画像形成装置に送信する第1の送信ステップと、ネットワークを介して前記画像形成装置がエラーを発生しているか否かを検出する検出ステップと、画像データをネットワークを介して前記画像管理サーバに送信する第2の送信ステップと、前記検出ステップで前記画像形成装置のエラーが解除されたことを検出した後、前記画像管理サーバに格納された画像データを前記画像形成装置に転送する転送ステップと、をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像形成装置に画像データの送信を開始する際や送信中に画像形成装置にエラーが発生した場合でも次の原稿の画像を継続して読取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態であるネットワークスキャナ装置を説明するためのシステム構成図、図2は図1に示すネットワークスキャナ装置の機能ブロック図、図3は図1に示す画像形成装置の機能ブロック図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態のネットワークスキャナ装置(画像読取装置)1000は、LAN等のネットワークを介して画像形成装置2000及び画像管理サーバ3000に接続されている。
【0018】
ネットワークスキャナ装置1000は、図2に示すように、CPU1、RAM2、ROM3、操作表示部5、画像読取り部6及びネットワークI/F部7を備える。
【0019】
CPU1は、ROM3に記憶されているスキャナ制御プログラム等、或いはROM3からRAM2にロードされて記憶されているスキャナ制御プログラム等を実行することにより、システムバス4に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0020】
RAM2は、CPU1の主メモリ、ワークエリア、画像読取り部6で読取られた画像データを記憶する記憶部等として機能する。
【0021】
ROM3に記憶されているスキャナ制御プログラムには、機構部制御プログラム、画像データ圧縮部8、画像データ変換部9、画像出力設定部10等が含まれる。
【0022】
画像データ圧縮部8は、画像読取り部6で読取られた画像データを、多値画像であればJPEG、2値画像であればMH等により圧縮する。画像データ変換部9は、圧縮画像を画像形成装置2000が処理可能な印刷データに変換する。画像出力設定部10は、画像形成装置2000に対して、コピー部数、両面印刷、縮小等の設定を行うための印刷制御情報を印刷データとともに画像形成装置2000にLANを介して送信する。
【0023】
操作表示部5は、キーボードやタッチパネル等の入力部、及びCRTや液晶表示部等の表示部により構成され、ユーザは送信先として画像管理サーバ3000や画像形成装置2000を指定する操作を行なうことができる。
【0024】
画像形成装置2000は、図3に示すように、CPU21、RAM22、ROM23、操作表示部25、印刷部26及びネットワークI/F部27を備える。
【0025】
CPU21は、ROM23内のプログラムROMに記憶されたプリンタ制御プログラム(機構部制御プログラム、画像データ伸張部28等を含む)に基づいて、システムバス24に接続される各デバイスにアクセスし、それらを総括的に制御する。
【0026】
また、CPU21は、ネットワークを介して受信した圧縮画像データをプリンタ制御プログラムの一部である画像データ伸張部28のアルゴリズムによって伸張し、印刷部26に出力情報としての画像データ(印刷データ)を出力する。
【0027】
ネットワークI/F部27は、LANを介して圧縮画像データの入力や、画像形成装置2000の状態の出力等を行う。印刷データは、コピー部数、両面印刷の有無、縮小の有無等の印刷制御情報を含み、これらに従って印刷が行われるようにCPU21により制御される。
【0028】
RAM22は、ネットワークI/F部27で受信した印刷データを格納する画像メモリや、CPU21のワークエリア等として機能する。
【0029】
次に、図4を参照して、ネットワークスキャナ装置1000のスキャナ制御プログラムの一部である画像データ読取送信処理について説明する。図4での各処理は、ROM3に記憶されているスキャナ制御プログラムがRAM2にロードされて、CPU1により実行される。
【0030】
図4において、まず、ユーザが読取り対象の原稿を不図示の原稿トレイにセットした後、操作表示部5を用いて画像形成装置を選択する操作を行うと、該操作信号を基に、CPU1は、送信先の画像形成装置2000の選択を確定する(ステップS101)。
【0031】
次いで、ユーザが操作表示部5を用いて画像形成装置2000の設定情報を入力すると、CPU1は、スキャナ制御プログラムの画像出力設定部10を用いて後述する印刷データとともに画像形成装置2000に送信する印刷条件を設定する(ステップS102)。例えば、コピー部数、両面印刷、縮小印刷等の印刷条件を設定する。
【0032】
続いて、ユーザが操作表示部5を用いて原稿読取り時の各条件を入力すると、CPU1は、原稿読取り時の各条件を設定する(ステップS103)。この設定操作が終了すると、読取り開始の操作を受付けることが可能になり、CPU1は、操作表示部5のスタートキーを押す等の操作をユーザが行ったことを検出すると原稿の画像の読取りを開始する(ステップS104)。
【0033】
引き続いて、上述の動作が終了すると、CPU1は、原稿トレイにセットされた原稿の画像の読取りを行い、その読取った画像を処理プログラムの一部である画像データ圧縮部8のアルゴリズムで圧縮する(ステップS105)。
【0034】
次いで、CPU1は、該圧縮した画像データを画像データ変換部9のアルゴリズムで画像形成装置2000が処理可能な印刷データ(圧縮画像データ)に変換し(ステップS106)、RAM2に蓄積する(ステップS107)。
【0035】
CPU1は、直前に読取った原稿が最後であるか不図示の原稿センサ等を用いて判定し、上記の動作を繰り返す。CPU1は、直前に読取った原稿が最後であれば原稿を全て読取り完了したと認識し、必要に応じてフラグ等をセットする(ステップS109)。
【0036】
なお、ここでは原稿トレイにセットされた全ての原稿の画像を読取ってから次の送信処理に移るが、原稿の読取が所定の枚数に達したときや所定の記憶容量に達したとき、送信処理に移ってもよい。
【0037】
上記の動作が完了すると、エラーの発生を検出するため、CPU(検出手段)1は、LANを経由して画像形成装置2000の状態を示す情報を取得して、画像形成装置2000が印刷データを受信できないエラー状態かを判断する(ステップS110)。画像形成装置2000のエラーとしては、用紙無し、用紙詰まり、故障等がある。
【0038】
そして、CPU(第1の送信手段)1は、画像形成装置2000のエラーを検出しなければ、画像形成装置2000における印刷データの受信が可能であると判断して、画像形成装置2000に印刷データの送信を開始する(ステップS111)。
【0039】
次に、CPU1は、全ての印刷データを送信し終わったかを判断(ステップS112)し、送信し終わっていれば処理を終了する。画像形成装置2000は、ネットワークスキャナ装置1000から送信された圧縮画像データを処理プログラムの一部である画像データ伸張部28のアルゴリズムで伸張し印刷する。
【0040】
一方、ステップS110で、画像形成装置2000のエラーを検出した場合、画像形成装置2000が印刷データを受信できないため、CPU(第2の送信手段)1は、予め指定されている画像管理サーバ3000に印刷データを送信する(ステップS113)。
【0041】
また、CPU1は、印刷データの送信が全て終了していないときに、画像形成装置2000のエラーを検出した場合も、同様に画像管理サーバ3000に印刷データを送信する。
【0042】
画像管理サーバ3000に送信する印刷データは、画像形成装置2000に送信されなかった未送信の印刷データだけとすることが好ましいが、より信頼性を増すために、すでに画像形成装置2000に送信し終わった印刷データを含めてもよい。
【0043】
例えば、エラーが発生する直前に画像形成装置2000に送信された印刷データを含めて画像管理サーバ3000に送信するか、あるいはバッチ処理で読取られて生成された全ての印刷データを画像管理サーバ3000に送信するようにしてもよい。このようにすると、画像形成装置2000が受信した印刷データがエラー発生により消滅しても、画像管理サーバ3000に残るため信頼性が高まる。
【0044】
次に、図5を参照して、画像形成装置2000のエラー状態が解除され、印刷データの受信が可能となったとき、画像管理サーバ3000から画像形成装置2000へ印刷データを転送する処理を説明する。図5での各処理は、ROM3に記憶されているスキャナ制御プログラムがRAM2にロードされて、CPU1により実行される。
【0045】
まず、CPU1は、LANを介して画像形成装置2000の状態を示す情報を取得して、画像出力装置が印刷データを受信できないエラー状態が続いているかを監視する(ステップS201)。
【0046】
そして、エラーが解除されていた場合、CPU1は、画像管理サーバ3000に対して、送信した印刷データをネットワークスキャナ装置1000に送信するように要求して印刷データを受信する(ステップS202)。
【0047】
次に、CPU(転送手段)1は、受信した印刷データを画像形成装置2000に転送し(ステップS203)、全ての印刷データを転送し終わると、本処理を終了する。
【0048】
以上により、画像読取装置2000のエラー発生後に一旦画像管理サーバ3000に記憶させておいた印刷データも、滞りなく画像形成装置2000で印刷されることになる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態では、画像形成装置2000のエラーを検出した際に印刷データを画像管理サーバ3000に送信するように送信先を切換え、原稿の画像の読取動作は中断しないようにすることができる。
【0050】
また、画像形成装置2000のエラーが解除されれば、自動的に画像管理サーバ3000に格納された残りの印刷データを画像形成装置2000に送信するので、ユーザは画像形成装置2000の紙詰まり等のエラーを解除させるだけで他の操作を行う必要はない。
【0051】
これにより、印刷データを画像形成装置2000に送信する際や送信中に画像形成装置2000にエラーが発生した場合でも、印刷データを格納するためのスキャナ装置1000のメモリを開放することができので、次の原稿の画像を継続して読取ることができる。
【0052】
(第2の実施形態)
次に、図6〜図8を参照して、本発明の第2の実施形態であるネットワークスキャナ装置について説明する。
【0053】
図6は本発明の第2の実施形態であるネットワークスキャナ装置の機能ブロック図、図7は画像形成装置の機能ブロック図である。なお、上記第1の実施形態と重複する部分については、各図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0054】
本実施形態のネットワークスキャナ装置1000は、図6に示すように、上記第1の実施形態に対して、画像出力設定部10が、WWWブラウザ部11に置き換わった点が相違する。このWWWブラウザ部11は、ROM3に記憶された処理プログラムの一部であり、WWWブラウザ機能を実現している。
【0055】
また、画像形成装置2000は、図7に示すように、上記第1の実施形態に対して、WWWサーバ機能を追加した点が相違する。このWWWサーバ機能は、ROM23に記憶された処理プログラムの一部であるWWWサーバ部29が実現している。
【0056】
そして、ネットワークスキャナ装置1000の操作表示部5によりユーザが画像形成装置2000のURLを入力すると、該URLがネットワークを介して画像形成装置2000に送信される。
【0057】
画像形成装置2000がURLを受信すると、画像形成装置2000のWWWサーバ部29に設けられたホームページがHTMLファイル形式でネットワークを介してネットワークスキャナ装置1000に送信される。
【0058】
送信されたホームページは、HTMLファイルを表示する処理プログラムであるWWWブラウザ部11によりネットワークスキャナ装置1000の操作表示部5に表示することができ、操作表示部5によりユーザは画像形成装置2000の各種設定が可能となる。
【0059】
次に、図8を参照して、ネットワークスキャナ装置1000の操作表示部5でユーザがURLを入力して、ネットワークを介して画像形成装置2000にアクセスする際の処理例について説明する。図8での各処理は、ROM3に記憶されているスキャナ制御プログラムがRAM2にロードされて、CPU1により実行される。
【0060】
まず、CPU1は、WWWブラウザ部11のブラウザ機能を起動する(ステップS401)。そして、ユーザにより操作表示部5を介して画像形成装置2000のURLが入力されるとCPU1は、ネットワークを介して画像形成装置2000へURLを送信する(ステップS402)。
【0061】
次に、CPU1は、画像形成装置2000からネットワークを介した送信された出力設定画面のホームページを受信すると(ステップS403)、受信した出力設定画面をWWWブラウザ部11のブラウザ機能によって操作表示部5に表示する(ステップS404)。
【0062】
このとき、ネットワークスキャナ装置100からネットワークを介してアクセスを受けた画像形成装置2000は、WWWサーバ部29がURLを受け取って応答する。
【0063】
すなわち、WWWサーバ部29は、URLを受け取った場合、出力設定画面を表示するためのHTMLファイルをネットワークを介してネットワークスキャナ装置1000に送信する。
【0064】
次に、CPU1は、ユーザにより操作表示部5の出力設定画面を介して設定情報が入力されると、入力された情報を基に、コピー部数、両面印刷、縮小等の設定を行う(ステップS405)。
【0065】
設定完了後、CPU1は、原稿の画像の読取処理とネットワークを介して画像形成装置2000への印刷データの送信処理とを行う(ステップS406)。なお、別のWWWサーバ部を画像管理サーバ3000にも設けてもよい。こうすることで、画像管理サーバ3000の各種設定を行うことが容易になる。
【0066】
本実施形態では、ネットワークスキャナ装置1000がWWWブラウザ機能を有しているため、画像形成装置2000の各種出力条件の設定をネットワークを介して行う際に、出力設定画面を表示するためのデータを持たなくてすむ。
【0067】
これにより、メモリの使用領域を削減することができ、プログラムをコンパクトにできるので、安価で信頼性の高いネットワークスキャナ装置を実現することができる。
【0068】
また、種々の画像形成装置のそれぞれに対して最適な出力設定画面をWWWブラウザ画面を用いて表示することができ、また、その画面を介して機能設定を行なうことができるため、画像形成装置が異なる機種に更新されたとしても容易に対応することができる。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0069】
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0070】
例えば、画像形成装置2000のエラー解除後の印刷データの転送経路を変更し、画像管理サーバ3000から画像形成装置2000に直接送信するようにしてもよい。この場合、ネットワークスキャナ装置1000は、画像管理サーバ3000に対して画像形成装置2000への印刷データの送信を指示する。それととともに、ネットワークスキャナ装置1000は、画像形成装置2000に対して印刷データの受信を指示することが望ましい。
【0071】
また、上記各実施形態において、画像形成装置2000のエラーが発生しておらず印刷動作が行われている場合でも、常にネットワークスキャナ装置1000から画像管理サーバ3000へ印刷データを送信して一時保存するように処理を変更してもよい。
【0072】
更に、上記各実施形態において、画像データ圧縮部8による画像データの圧縮処理や画像データ伸張部28による圧縮画像データの伸張処理は省略してもよい。
【0073】
更に、ネットワークスキャナ装置1000からネットワークを介して送信されるデータは、印刷データに限定されず、例えば、画像読取り部6で読取られた画像データをそのまま、あるいは任意の変換を行ってから送信してもよい。
【0074】
更に、本発明は、ネットワークに接続されたホストコンピュータにスキャナを接続し、画像データのネットワーク送信や画像処理等をホストコンピュータで行なってもよい。この場合、ホストコンピュータとスキャナを含むシステムが本発明の画像読取装置に相当する。また、本発明は、スキャナをネットワークに接続する接続アダプタとスキャナとからなるシステムについても適用することができる。
【0075】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成することもできる。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0076】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0077】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0078】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0079】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1の実施形態であるネットワークスキャナ装置を説明するためのシステム構成図である。
【図2】図1に示すネットワークスキャナ装置の機能ブロック図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の機能ブロック図である。
【図4】ネットワークスキャナ装置のスキャナ制御プログラムの一部である画像データ読取送信処理について説明するためのフローチャート図である。
【図5】画像形成装置のエラー状態が解除され、印刷データの受信が可能となったとき、画像管理サーバからネットワークスキャナ装置へ戻した印刷データを画像形成装置へ転送する処理を説明するためのフローチャート図である。
【図6】本発明の第2の実施形態であるネットワークスキャナ装置を説明するための機能ブロック図である。
【図7】画像形成装置の機能ブロック図である。
【図8】ネットワークスキャナ装置の操作表示部でユーザがURLを入力して、ネットワークを介して画像形成装置にアクセスする際の処理例について説明するためのフローチャート図である。
【符号の説明】
【0081】
1,21 CPU
2,22 RAM
5,25 操作表示部
6 画像読取り部
7,27 ネットワークI/F部
8 画像データ圧縮部
9 画像データ変換部
10 画像出力設定部
11 WWWブラウザ部
26 印刷部
28 画像データ伸張部
29 WWWサーバ部
1000 ネットワークスキャナ装置
2000 画像形成装置
3000 画像管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置及び画像管理サーバにネットワークを介して接続される画像読取装置において、
画像データをネットワークを介して前記画像形成装置に送信する第1の送信手段と、
ネットワークを介して前記画像形成装置がエラーを発生しているか否かを検出する検出手段と、
画像データをネットワークを介して前記画像管理サーバに送信する第2の送信手段と、 前記検出手段により前記画像形成装置のエラーが解除されたことを検出した後、前記画像管理サーバに格納された画像データを前記画像形成装置に転送する転送手段と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の送信手段は、前記検出手段により前記画像形成装置のエラーが検出されたときに、画像データをネットワークを介して前記画像管理サーバに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記第2の送信手段は、前記検出手段により前記画像形成装置のエラーが検出された後、前記画像形成装置に送信するための画像データのうち少なくとも未送信の画像データをネットワークを介して前記画像管理サーバに送信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記画像形成装置に対する各種設定を行う操作表示部と、
前記画像形成装置からネットワークを介して送信されるHTMLファイルを操作表示部に表示するブラウザ部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記エラーは、前記画像形成装置における用紙無し、用紙詰まり、故障の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
画像形成装置及び画像管理サーバにネットワークを介して接続される画像読取装置の制御方法であって、
画像データをネットワークを介して前記画像形成装置に送信する第1の送信ステップと、
ネットワークを介して前記画像形成装置がエラーを発生しているか否かを検出する検出ステップと、
画像データをネットワークを介して前記画像管理サーバに送信する第2の送信ステップと、
前記検出ステップで前記画像形成装置のエラーが解除されたことを検出した後、前記画像管理サーバに格納された画像データを前記画像形成装置に転送する転送ステップと、を備える
ことを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項7】
画像形成装置及び画像管理サーバにネットワークを介して接続される画像読取装置の制御プログラムであって、
画像データをネットワークを介して前記画像形成装置に送信する第1の送信ステップと、
ネットワークを介して前記画像形成装置がエラーを発生しているか否かを検出する検出ステップと、
画像データをネットワークを介して前記画像管理サーバに送信する第2の送信ステップと、
前記検出ステップで前記画像形成装置のエラーが解除されたことを検出した後、前記画像管理サーバに格納された画像データを前記画像形成装置に転送する転送ステップと、をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とする画像読取装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−124553(P2009−124553A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−297994(P2007−297994)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】