説明

異常箇所検出装置

【課題】漏洩音伝搬速度の速度分散特性を考慮して異常箇所の位置特定を高精度に行うことを可能とする異常箇所検出装置を提供する。
【解決手段】被検査管としての導管1中の異常箇所から発生する漏洩音を受信するための複数の超音波センサ3a,3bと、複数の超音波センサによる受信信号を複数の周波数成分に弁別するための複数の周波数弁別部4a,4bと、複数の周波数弁別部により弁別された周波数成分毎の複数の超音波センサによる受信信号の相互相関関数における遅延時間を漏洩音の速度分散特性にしたがって伝搬距離に変換して相関係数を演算する複数の相関演算部5a〜5dと、複数の相関演算部により求めた周波数成分毎の相関係数を積算する積算部6と、積算部による積算結果に基づいて異常箇所の有無及び位置を検出する異常箇所検出部7とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば導管をはじめとした被検査管中の異常個所を検出する異常箇所検出装置に関するもので、遠隔の複数個所に配置した複数の超音波センサからの受信信号を信号処理してセンサ間を広域に検査する異常個所検出装置、もしくは遠隔の複数個所に配置した複数の超音波センサの一つから超音波信号を発信し、他の超音波センサからの受信信号を信号処理してセンサ間を広域に検査する異常個所検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の異常箇所検出装置として、水道管である導管の漏水個所となる異常箇所を跨って2つの超音波センサを設け、導管の異常箇所から生じ導管に沿って伝搬する漏洩音を2つの超音波センサにより受信し、それら2つの受信データを無線機を介して受信する相関器により、2つの受信データの相互相関関数を計算することにより、漏洩音が異常箇所から一方の超音波センサに伝搬するまでの伝搬遅延時間と、他方の超音波センサに伝搬するまでの伝搬遅延時間との伝搬遅延時間時間差を求め、求めた伝搬遅延時間差と、2つの超音波センサ間の導管に沿った距離Lと、既知である漏洩音の導管に沿った伝搬速度vとから、
x=(L−τ×v)/2 (1)
式(1)により一方の超音波センサから異常箇所までの導管に沿った距離xを求めるものがあった(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】小林、第35回全国水道研究発表会、昭和59年5月、231頁〜233頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のように、従来の異常箇所検出装置は、遠隔の2箇所に配置した超音波センサで漏洩音を受信し、2つの受信データを信号処理することから異常箇所の位置を特定する技術として知られているが、この技術においては、漏洩音の伝搬速度vを正確に知ることが、異常箇所の位置を精度良く知る上で重要である。
【0005】
一般的に、導管中を管軸に沿って伝搬する超音波の伝搬速度は、速度分散特性と称される周波数依存性を有している。しかし、上記文献に示された異常箇所検出装置では、漏洩音の周波数に関係なく、伝搬速度vを一定として、式(1)により異常箇所の検出を行っていた。したがって、漏洩音が単一周波数の信号ではなく、ある周波数帯域幅を持つ信号である場合、伝搬速度vにある一つの値を仮定して異常箇所の位置を特定すると、特定精度が劣化するという問題があった。
【0006】
このように、従来のこの種の異常箇所検出装置は、異常箇所の位置を高精度で特定することが難しく、実用に値するものではなかった。
【0007】
この発明は上記した点に鑑みてなされたもので、漏洩音伝搬速度の速度分散特性を考慮して異常箇所の位置特定を高精度に行うことを可能とする異常箇所検出装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る異常箇所検出装置は、被検査管としての導管中の異常箇所から発生する漏洩音を受信するための複数の超音波センサと、前記複数の超音波センサによる受信信号を複数の周波数成分に弁別するための複数の周波数弁別部と、前記複数の周波数弁別部により弁別された周波数成分毎の前記複数の超音波センサによる受信信号の相互相関関数における遅延時間を漏洩音の速度分散特性にしたがって伝搬距離に変換して相関係数を演算する複数の相関演算部と、前記複数の相関演算部により求めた周波数成分毎の相関係数を積算する積算部と、前記積算部による積算結果に基づいて異常箇所の有無あるいは位置を検出する検出部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、被検査管としての導管中の異常箇所から発生する漏洩音を受信するための複数の超音波センサによる受信信号を、周波数毎に速度分散特性を考慮した異なる伝搬速度を用いて信号処理することにより、漏洩音が複数の周波数成分からなる周波数帯域幅を持つ信号で、かつ上記周波数帯域幅内において漏洩音が速度分散特性を持つ場合においても、精度良く異常箇所の検出を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る異常箇所検出装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、水、油、あるいはその他の液体またはガス等気体を通す被検査管としての導管1に、異常箇所2が存在するものとする。この導管1上には、異常箇所2を跨って超音波センサ3(3a,3bを総称する)が設けられ、これら超音波センサ3の受信信号は周波数弁別部4(4a,4bを総称する)により周波数毎に弁別される。周波数毎に弁別された各受信信号は、相関演算部5(5a〜5dを総称する)に入力され、周波数弁別部4により弁別された周波数成分毎の受信信号の相互相関関数における遅延時間を漏洩音の速度分散特性にしたがって伝搬距離に変換して相関係数が演算され、相関演算部5により求めた周波数成分毎の相関係数は積算部6により積算される。そして、異常箇所検出部7により、積算部6による積算結果に基づいて異常箇所の有無あるいは位置が検出され、表示部8に表示されるようになっている。
【0011】
図1に示した装置においては、超音波センサ3に関し、超音波センサ3aと3bとの2つを有し、周波数弁別部4に関し、周波数弁別部4aと4bとの2つを有する。また、相関演算部5に関し、相関演算部5aから5dの4つを有している。そして、超音波センサ3aと3bは周波数弁別部4aと4bにそれぞれ接続され、周波数弁別部4aは、相関演算部5aから5dの各々に接続され、同様に、周波数弁別部4bは、相関演算部5aから5dの各々に接続されている。さらに、相関演算部5aから5dは、積算部6に接続され、積算部6は、異常箇所検出部7に接続されている。異常箇所検出部7は、表示部8に接続されている。
【0012】
また、図1において、相関演算部5の数は4つであるが、この数はあくまでも一例である。この数は、所望の周波数帯域幅、つまり漏洩音の周波数帯域幅と、所望の周波数分割幅とにより決まる値であり、必ずしも図1に示したように4つである必要はない。
【0013】
また、導管1は、そのすべての部分、もしくは、その一部分が、地中より上に存在していても構わないし、地中に埋もれていても構わない。また、図1において、異常箇所2が1箇所である場合について述べているが、異常箇所2は、1箇所でなくても、複数箇所でも構わない。なお、図1において、導管1の中の水、油、あるいはその他の液体またはガス等の気体は、流れていても、流れていなくても構わない。また、流れている場合には、流れの方向はどちら向きでも構わない。
【0014】
導管1中を伝搬する超音波は、人間の耳に聞こえない程度に高い周波数の音波や弾性波を指す言葉として使われるが、この発明では、周波数は特に規定しないものとする。すなわち、この発明における「超音波」という文言には、人間の耳で聞こえる周波数の上限の限界よりも高い周波数の音波や弾性波に限らず、この上限よりも低い周波数の音波や弾性波も含めた波という意味を含んでおり、無論、人間の耳で聞こえる周波数の下限の限界よりも低い周波数の音波や弾性波という意味も含む。
【0015】
また、図1においては、超音波センサ3aおよび3bが導管1に当てて置かれている場合を示しているが、上記超音波センサ3aおよび3bは、上記導管1の2箇所において漏洩音を受信することが目的であり、この目的が達成できるならば、上記超音波センサ3aおよび3bは上記導管1に直接接触していなくても構わない。また、この目的が達成できるならば、上記超音波センサ3aおよび3bは、上記導管1の内部に配置されても構わない。
【0016】
図1において、周波数弁別部4aおよび4bは、超音波センサ3aおよび3bで受信した信号を周波数毎に弁別する機能を有しており、弁別後の信号を相関演算部5aから5dに送る機能を有している。また、相関演算部5aから5dは、各周波数毎に超音波センサ3aおよび3bからの受信信号の相互相関関数を計算する機能を有している。また、積算部6は、相関演算部5aから5dにより計算された各周波数毎の相互相関関数を足し合わせる機能を有している。また、異常箇所検出部7は、積算部6の出力結果から、異常箇所の有無および位置を検出する機能を有している。表示部8は、異常箇所検出部7の検出結果を表示する機能を有している。
【0017】
次に、図1に示した異常個所検出装置の動作について説明する。まず、超音波センサ3aおよび3bにより、異常箇所2から発生し導管1の管軸方向に沿って伝搬した漏洩音を受信する。受信した信号は、周波数弁別部4aおよび4bに送られ、周波数弁別部4aおよび4bでは、受信した信号を周波数毎に弁別する。弁別後の信号は、周波数毎に相関演算部5aから5dに送られる。
【0018】
相関演算部5aおよび5bでは、周波数毎に2つの信号の相互相関関数を計算する。このとき、相互相関関数の縦軸は相関係数であり、横軸は漏洩音が異常箇所2から超音波センサ3aに伝搬するまでの伝搬遅延時間と、超音波センサ3bに到達するまでの伝搬遅延時間の差τである。次に、この横軸を、予め既知である速度分散特性に従って超音波センサ3aからの距離に変換する。
【0019】
具体的には、超音波センサ3a,3b間の離間距離をLとし、4つに弁別された信号の周波数毎の伝搬速度をv1からv4とし、相互相関関数の遅延時間をτとすると、各周波数に対応する超音波センサ3aから異常箇所2までの距離L1からL4は、
L1=(L−τ×v1)/2
L2=(L−τ×v2)/2
L3=(L−τ×v3)/2
L4=(L−τ×v4)/2
として表される。相関演算部5aから5dの出力は、積算部6に送られる。
【0020】
次に、積算部6は、各周波数毎について求めた相互相関関数を足し合わせる。
そして、異常箇所検出部7は、積算部6の出力結果から、異常箇所の有無および位置の検出を行う。このとき、異常箇所の有無は、上記積算結果の振幅が予め定めた閾値を超えるか否かにより判断し、異常箇所の位置は、上記振幅が上記閾値を超えた際の横軸の値から直接求めればよい。表示部8は、異常箇所検出部7で得られた検査結果を表示する。
【0021】
ここで、この発明の実施の形態1による効果について、図2を用いて説明する。図2においては、相関演算部5aから5dにおいて求められた相互相関関数が、横軸を遅延時間とした場合と、上記距離に変換した場合の各々について示されている。また、積算部6において求められた足し合わせ後の相互相関関数の模式図も合わせて示されている。また、図2に示した相互相関関数は、交流波形の相互相関関数を包絡線検波したものを示している。
【0022】
図2から分かるように、漏洩音の伝搬速度が周波数毎に異なるため、相互相関関数の横軸を遅延時間とした場合については、異常箇所2の存在に対応するピークが生じる位置が周波数毎に異なる。したがって、このまま積算すると複数箇所にピークが生じることになり、異常箇所の位置特定精度が劣化する。それに対し、横軸を上記距離に変換すると、上記ピークの生じる位置が周波数とは関係なく同じ位置となる。したがって、横軸を距離に変換した後に足し合わせることで、単一ピークの相互相関関数が得られ、異常箇所を精度欲特定できることが分かる。
【0023】
以上に述べたように、この発明の実施の形態1によれば、遠隔に配置した2つの超音波センサ3aおよび3bで受信した受信信号を、周波数毎に速度分散特性を考慮した異なる伝搬速度を用いて信号処理している。したがって、漏洩音が複数の周波数成分からなる周波数帯域幅を持つ信号で、かつ上記周波数帯域幅内において漏洩音が速度分散特性を持つ場合においても、精度良く異常箇所2の検出を行うことが可能となる。
【0024】
なお、この発明の実施の形態1において、超音波センサ3の個数は2個であったが、この個数は3つ以上としても良い。例えば、図には示さないが3つ目の超音波センサ3cを、導管1上の別の位置に配置し、全てのセンサのうち2個の組合せ、具体的には超音波センサ3aと3b、3bと3c、3cと3aの組合せについて同様の信号受信および信号処理を行い、3通りの結果を比較することで、検査範囲を拡大できるとともに、検査の精度を向上させることもできる。
【0025】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2に係る異常箇所検出装置の構成を示すブロック図である。図3に示すように、この発明の実施の形態2に係る異常箇所検出装置においては、図1に示す実施の形態1の構成に対して、導管1中に超音波信号を送信するための超音波発信器9及び信号発生部10をさらに備えている。
【0026】
超音波発信器9は、信号発生部10に接続されており、信号発生部10は、超音波発信器9に送信波形信号を送信し、超音波発信器9を駆動する機能を有している。超音波発信器9は、上記送信波形にしたがって導管1中に超音波を送信する機能を有している。
【0027】
次に、図3に示した実施の形態2に係る異常個所検出装置の動作について説明する。まず、超音波発信器9から超音波信号を導管1中に送信する。このとき、信号発生部10から送信する超音波信号の波形は、有限な時間幅を持つパルス、連続波のいずれでもよいが、漏洩音が含んでいるのと同じ周波数成分を含む信号とする。例えば、漏洩音が水道管からの漏水音である場合、この音の周波数は10kHz以下であり、この場合に送信する超音波信号の波形は10kHz以下の周波数成分を持つ信号、例えば100Hz〜10kHzの掃引範囲を持つスウィープ信号を用いればよい。また、超音波を発信する手段としては、超音波発信器9にハンマを用い、ハンマを用いた手動の打撃により超音波を送信する形態としても良い。この場合、信号発生部10が不要となるので装置の構成要素を少なくし、装置全体を廉価にできるという効果が生じる。
【0028】
超音波センサ3aおよび3bは、導管1中を伝搬してきた超音波信号を受信する。受信した信号は、周波数弁別部4aおよび4bに送られる。異常箇所2が存在する場合、上記超音波信号と漏洩音信号とが重畳した信号が受信されるが、超音波発信器9から送信する超音波信号のレベルを大きくすることによって、漏洩音混入の影響は無視できるようになる。
【0029】
周波数弁別部4aおよび4bでは、受信した信号を周波数毎に弁別する。弁別後の信号は、周波数毎に相関演算部5aから5dに送られる。相関演算部5aおよび5bでは、周波数毎に2つの信号の相互相関関数を計算する。このとき、相互相関関数の縦軸は相関係数、横軸は遅延時間である。計算により求められた各周波数に対応する4つの相互相関関数の各々について、相関係数が最大となる遅延時間と、超音波センサ3aと3bとの間の離間距離Lとから、各周波数における漏洩音の伝搬速度、つまり速度分散特性を求める。
【0030】
具体的には、4つに弁別された信号の周波数毎の相関係数が最大となる遅延時間をτ1からτ4とし、センサ間の離間距離をLとし、4つに弁別された信号の周波数毎の伝搬速度v1からv4を、
v1=τ1/L
v2=τ2/L
v3=τ3/L
v4=τ4/L
として求める。
【0031】
これらの送受信した超音波の伝搬速度の情報は、漏洩音の伝搬速度の情報として、各周波数に対応する相関演算部5aから5dにおいて保存される。なお、送受信した超音波と、漏洩音とは、いずれも導管1中を伝搬する同じ周波数成分を含む信号であるので、送受信した超音波の伝搬速度と、漏洩音の伝搬速度とが同じであるという考えは妥当と考えられる。
【0032】
次に、前述した実施の形態1に示したのと同じ動作により、漏洩音の受信から異常箇所検出までの一連の動作を行う。
【0033】
以上に述べたように、この発明の実施の形態2に示した異常箇所検出装置によれば、検査毎に漏洩音の速度分散特性を測定することができるので、漏洩音の伝搬速度が未知である場合においても上記分散特性を考慮した精度の良い検査を実現することが可能となる。
【0034】
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3に係る異常箇所検出装置の構成を示すブロック図である。図4に示すように、この発明の実施の形態3に係る異常箇所検出装置においては、図1に示す実施の形態1の構成の超音波センサ3aに、図3に示す実施の形態2に係る超音波発信器9の機能を兼用させるようにして送信と受信の機能を兼ね備えるようにしている。また、図3に示す実施の形態2と同様な信号発生部10と、スイッチ11とを備えるようにしており、スイッチ11は、信号発生部10と、超音波発信器9および周波数弁別部4aとに接続されている。
【0035】
次に、図4に示した異常個所検出装置の動作について説明する。まず、スイッチ11をON状態とし、信号発生器10が超音波発信器9に接続された状態とする。このとき、信号発生器10から送信波形を送信し、超音波発信器9を駆動するとともに周波数弁別器4に送信波形を送る。そして、超音波センサ3aで受信した信号を送信波形として、実施の形態2と同じ手順により、周波数毎に漏洩音の伝搬速度を求める。
【0036】
次に、スイッチ11をOFF状態とし、信号発生器10と超音波発信器9とを切り離し、実施の形態1と同様な手順により、異常箇所の検出を行う。
【0037】
すなわち、複数の相関演算部5aから5dは、超音波センサ3a,3bによる超音波信号の受信に基づき弁別された周波数成分毎の相関係数が最大となる遅延時間と複数の超音波センサ間の離間距離とに基づいて求められる周波数成分毎の漏洩音の速度分散特性を保存し、保存した速度分散特性に従って、周波数弁別部4a,4bにより弁別された周波数成分毎の超音波センサ3a,3bによる漏洩音の受信信号の相互相関関数における遅延時間を伝搬距離に変換して相関係数を演算する。
【0038】
以上に述べたように、この発明の実施の形態3に示した異常箇所検出装置によれば、超音波センサ3aと超音波発信器9とを同一のものとすることで、装置構成を簡易化し、装置全体を廉価にできるという効果が生じる。また、導管1が地中に埋もれていてセンサによるアクセスに制限があり、導管1上に超音波発信器9を配置するスペースがない場合においても検査を可能とする効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の実施の形態1に係る異常箇所検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1による効果を説明する図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係る異常箇所検出装置の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態3に係る異常箇所検出装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0040】
1 導管、2 異常箇所、3,3a,3b 超音波センサ、4,4a,4b 周波数弁別部、5,5a〜5d 相関演算部、6 積算部、7 異常箇所検出部、8 表示部、9 超音波発信器、10 信号発生部、11 スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査管としての導管中の異常箇所から発生する漏洩音を受信するための複数の超音波センサと、
前記複数の超音波センサによる受信信号を複数の周波数成分に弁別するための複数の周波数弁別部と、
前記複数の周波数弁別部により弁別された周波数成分毎の前記複数の超音波センサによる受信信号の相互相関関数における遅延時間を漏洩音の速度分散特性にしたがって伝搬距離に変換して相関係数を演算する複数の相関演算部と、
前記複数の相関演算部により求めた周波数成分毎の相関係数を積算する積算部と、
前記積算部による積算結果に基づいて異常箇所の有無あるいは位置を検出する検出部と を備えた異常箇所検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の異常箇所検出装置において、
前記導管中に超音波信号を送信するための超音波発信器をさらに備え、
前記複数の超音波センサは、前記超音波センサから前記導管中を伝搬する超音波信号を受信し、
前記複数の相関演算部は、弁別された周波数成分毎の相関係数が最大となる遅延時間と前記複数の超音波センサ間の離間距離とに基づいて周波数成分毎の漏洩音の速度分散特性を求める
ことを特徴とする異常箇所検出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の異常箇所検出装置において、
前記複数の超音波センサのいずれか1つの超音波センサは、前記導管中に超音波信号を送信するための超音波発信器を兼用し、
前記複数の相関演算部は、前記複数の超音波センサによる前記超音波信号の受信に基づき弁別された周波数成分毎の相関係数が最大となる遅延時間と前記複数の超音波センサ間の離間距離とに基づいて求められる周波数成分毎の漏洩音の速度分散特性を保存し、
保存した速度分散特性に従って、前記複数の周波数弁別部により弁別された周波数成分毎の前記複数の超音波センサによる漏洩音の受信信号の相互相関関数における遅延時間を伝搬距離に変換して相関係数を演算する
ことを特徴とする異常箇所検出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−3311(P2006−3311A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182776(P2004−182776)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】