説明

異物除去方法及び異物除去装置

【課題】効率良く原材料から異物を除去できる異物除去装置及び異物除去方法を提供する。
【解決手段】異物除去方法は、異物除去装置S2を用いて原材料から異物を除去する。異物除去装置S2は、ホッパ2と、このホッパ2の内部に設けられた複数のローラ対31〜34とを有し、複数のローラ対31〜34は、それぞれ第1ローラ41〜44及び第2ローラ51〜54を互いに平行にして構成され、これら第1、第2ローラの間には所定の隙間が設けられる。異物除去方法は、複数のローラ対のそれぞれの第1、第2ローラを互いに逆の位相で回転し、各ローラ対の隙間から原材料を排出しながら、この原材料に含まれる異物を各ローラ対の隙間で捕捉する異物除去工程を含む。この異物除去工程では、複数のローラ対のうち何れかのローラ対の隙間で異物が捕捉された場合、この異物が捕捉されたローラ対の第1、第2ローラのみの回転を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物除去方法及び異物除去装置に関する。詳しくは、原材料に含まれる異物を除去する異物除去方法及び異物除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体工場からは排水汚泥等の廃棄物が排出され、また車体の塗装工程では、塗料滓、及び化成スラッジ等の廃棄物が排出される。近年では、このように塗装工程等で排出された廃棄物は、再処理工程を経た後、例えば自動車部品等の原料として再利用されている。
【0003】
廃棄物の再処理工程は、破砕した塗料滓と排水汚泥や化成スラッジとを混合し塗滓混合物を生成する前処理工程と、生成した塗滓混合物を炭化し炭化物を生成する炭化工程と、生成した炭化物を微粉砕する微粉化工程と、を含んで構成される。
【0004】
ところで、この再処理工程において原材料となる塗料滓、排水汚泥、及び化成スラッジ等には、ボルトやワッシャ等の異物が混入している場合がある。原材料にこのような異物が含まれていると、上述の前処理工程、炭化工程、微粉化工程等で用いられる装置が故障したり、炭化物の品質が低下したりするおそれがある。
【0005】
そこで、従来、原材料からこのような異物を取り除く異物除去装置が提案されている(特許文献1参照)。この異物除去装置は、原材料が供給されるホッパと、このホッパの内部に互いに平行に設けられた2つのローラと、を備える。この異物除去装置では、2つのローラを互いに逆の位相で回転しながら、原材料に、これらローラの間に形成された隙間を通過させることにより、原材料から異物を除去する。すなわち、これら2つのローラの隙間よりも大きな異物は、この隙間を通過できず、これらローラにより捕捉されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−118724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような異物除去装置では、2つのローラにより異物が捕捉されるたびにローラの回転を停止し、ローラに捕捉された異物を隙間から取り除かなければ、作業を継続することができない。このため、作業効率が低下してしまう。
【0008】
本発明は、効率良く原材料から異物を除去できる異物除去装置及び異物除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の異物除去方法は、原材料が供給されるホッパ(例えば、後述のホッパ2)と、当該ホッパの内部に設けられた複数のローラ対(例えば、後述のローラ対31,32,33,34)と、を有し、前記複数のローラ対は、それぞれ2つのローラ(例えば、後述の第1ローラ41,42,43,44及び第2ローラ51,52,53,54)を互いに平行にして構成され、当該2つのローラの間には所定の隙間(例えば、後述の隙間35,36,37,38)が設けられた異物除去装置(例えば、後述の異物除去装置S2)を用いて、原材料から異物を除去する。この異物除去方法は、前記複数のローラ対のそれぞれの2つのローラを互いに逆の位相で回転し、各ローラ対の隙間から前記ホッパの内部に供給された原材料を排出しながら、当該原材料に含まれる異物を各ローラ対の隙間で捕捉する異物除去工程を含み、前記異物除去工程では、前記複数のローラ対のうち何れかのローラ対の隙間で異物が捕捉された場合、当該異物が捕捉されたローラ対の2つのローラのみの回転を停止させる。
【0010】
この発明によれば、ホッパの内部に複数のローラ対が設けられた異物除去装置を用い、これら複数のローラ対の2つのローラを互いに逆の位相で回転し、各ローラ対の隙間から原材料を排出しながら、この原材料に含まれる異物を各ローラ対の隙間で捕捉する。ここで、複数のローラ対のうち何れかのローラ対の隙間で異物が捕捉された場合、この異物が捕捉されたローラ対の2つのローラのみの回転を停止させる。すなわち、異物が捕捉されていない残りのローラ対の2つのローラを回転させ続けて、原材料から異物を除去する作業を継続することができる。したがって、上述のような従来の装置とは異なり、異物が捕捉される度に装置を停止させる必要がないので、効率良く異物を除去することができる。
【0011】
この場合、前記異物除去工程では、前記複数のローラ対のそれぞれの2つのローラを回転しながら、当該ローラの外周面に付着した原材料を剥ぎ落とすことが好ましい。
【0012】
この発明によれば、2つのローラを回転しながら、これらローラの外周面に付着した原材料を剥ぎ落とすことで、より効率良く異物を除去することができる。
【0013】
本発明の異物除去装置(例えば、後述の異物除去装置S2)は、原材料から異物を除去する。この異物除去装置は、原材料が供給されるホッパ(例えば、後述のホッパ2)と、当該ホッパの内部に設けられた複数のローラ対(例えば、後述のローラ対31,32,33,34)と、を有し、前記複数のローラ対は、それぞれ2つのローラ(例えば、後述の第1ローラ41,42,43,44及び第2ローラ51,52,53,54)を互いに平行にして構成され、当該2つのローラの間には所定の隙間(例えば、後述の隙間35,36,37,38)が設けられ、前記複数のローラ対のそれぞれの2つのローラを互いに逆の位相で回転駆動する複数の回転駆動手段(例えば、後述のインバータモータ61M,62M,63M,64M)と、前記回転駆動手段の過負荷を検出する過負荷検出手段(例えば、後述のインバータ61I,62I,63I,64I)と、前記過負荷検出手段により過負荷を検出した場合には、当該過負荷が生じた回転駆動手段による2つのローラの回転を停止させるローラ停止手段(例えば、後述の制御盤66)と、を備える。
【0014】
この発明によれば、複数のローラ対の2つのローラを互いに逆の位相で回転し、各ローラ対の隙間から原材料を排出しながら、この原材料に含まれる異物を各ローラ対の隙間で捕捉する。ここで、複数のローラ対のうち何れかのローラ対の隙間で異物が捕捉されると、このローラ対の2つのローラを回転駆動する回転駆動手段に大きな負荷がかかる。このようにして異物を捕捉することで回転駆動手段に発生した過負荷は、過負荷検出手段により検出され、さらにこの過負荷が生じた回転駆動手段による2つのローラの回転が停止される。すなわち、異物が捕捉されていない残りのローラ対の2つのローラを回転させ続けて、原材料から異物を除去する作業を継続することができる。したがって、上述のような従来の装置とは異なり、異物が捕捉される度に装置を停止させる必要がないので、効率良く異物を除去することができる。
【0015】
この場合、前記ローラの外周面に付着した原材料を剥ぎ落とす剥ぎ落とし手段をさらに備えることが好ましい。
【0016】
この発明によれば、ローラの外周面に付着した原材料を剥ぎ落とし手段で剥ぎ落とすことで、より効率良く異物を除去することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の異物除去方法及び異物除去装置によれば、異物が捕捉される度に装置を停止させる必要がないので、効率良く異物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る異物除去装置を用いた再処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施形態に係る異物除去装置の構成を示す模式図である。
【図3】図2中の線III−IIIに沿った異物除去装置の部分断面図である。
【図4】上記実施形態に係る異物除去装置により異物を除去する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る異物除去装置を用いた再処理システムRSの構成を示すブロック図である。
再処理システムRSは、前処理工程を行う破砕機S1、異物除去装置S2、及び混合機S3と、炭化工程を行う予備乾燥機S4、炭化システムS5、及び冷却装置S6と、微粉化工程を行う磁気選機S7、ミルS8、及びふるいS9と、を含んで構成される。再処理システムRSは、例えば車体工場から発生した排水汚泥や、車体を塗装する工程で発生した塗料滓及び化成スラッジ等の廃棄物を原材料として、この原材料を装置S1〜S9により再処理し、自動車部品等の原料となりうる炭化物を生成する。
【0020】
前処理工程では、先ず、コンテナ等に貯蔵しておいた塗料滓を、破砕機S1により所要の大きさに破砕する。次に、破砕した塗料滓、排水汚泥、及び化成スラッジ等の原材料を異物除去装置S2に供給し、これら原材料に含まれる異物を除去する。次に、異物が除去された各原材料を、混合機S3により所定の混合比率で混合し、塗滓混合物を生成する。以下では、この塗滓混合物を単に混合物という。
【0021】
炭化工程では、先ず、水分を多く含んだ混合物を予備乾燥機S4により予備乾燥する。次に、予備乾燥した混合物を炭化システムS5により炭化し、炭化物を生成する。より具体的には、この炭化システムS5では、予備乾燥された混合物を図示しない乾燥炉によりさらに乾燥させた後、この混合物を過熱蒸気を用いて図示しない炭化炉により炭化する。次に、炭化システムS5により生成された炭化物を冷却装置S6により冷却する。
【0022】
微粉化工程では、先ず、磁気選機S7を用いて、生成された炭化物から鉄分を除去する。次に、この炭化物をミルS8により微粉化する。さらに、微粉化した炭化物をふるいS9にかけ、生成された炭化物を分級する。以上のようにして生成された炭化物は、例えば、自動車部品等の原料として出荷される。
【0023】
図2は、異物除去装置S2の構成を示す模式図である。
図3は、図2中の線III−IIIに沿った異物除去装置S2の部分断面図である。
異物除去装置S2は、原材料が供給されるホッパ2と、このホッパ2の内部に設けられた捕捉ローラユニット3と、この捕捉ローラユニット3を制御する制御装置6と、を含んで構成され、ホッパ2に供給された原材料から異物を除去する。なお、本実施形態の異物除去装置S2では、異物を除去する原材料として、具体的には上述の塗料滓、排水汚泥、化成スラッジ等で構成された、含水率72%及び粘度30000cP程度の粘性状のものを用いるが、これに限るものではない。
【0024】
ホッパ2は、略筒状であり、図3中、上下方向に沿って延びる。このホッパ2の上方側は、異物を除去する前の原材料が供給される供給口21であり、下方側は異物を除去した原材料が排出される排出口22となっている。
【0025】
捕捉ローラユニット3は、4組のローラ対31,32,33,34を含んで構成される。また、これら4組のローラ対31〜34は、それぞれ、2つのローラを互いに平行に配置して構成される。より具体的には、ローラ対31は第1ローラ41とこの第1ローラ41に対し平行に配置された第2ローラ51とを含んで構成され、ローラ対32は第1ローラ42とこの第1ローラ42に対し平行に配置された第2ローラ52とを含んで構成され、ローラ対33は第1ローラ43とこの第1ローラ43に対し平行に配置された第2ローラ53とを含んで構成され、ローラ対34は第1ローラ44とこの第1ローラ44に対し平行に配置された第2ローラ54とを含んで構成される。
【0026】
これら4つの第1ローラ41〜44の一端側には、それぞれギヤ411,421,431,441が設けられている。また、4つの第2ローラ51〜54の一端側には、ギヤ411,421,431,441に噛合するギヤ511,521,531,541がそれぞれ設けられている。したがって、第1ローラ41〜44を回転すると、これに応じて第2ローラ51〜54は、第1ローラ41〜44に対して逆の位相で回転する。
【0027】
また、4つの第1ローラ41〜44の他端側には、後述のインバータモータ61M,62M,63M,64Mのギヤ61G,62G,63G,64Gに噛合するギヤ412,422,432,442がそれぞれ設けられている。
【0028】
また、これら第1ローラ41及び第2ローラ51の間、第1ローラ42及び第2ローラ52の間、第1ローラ43及び第2ローラ53の間、並びに第1ローラ44及び第2ローラ54の間には、それぞれ、隙間35,36,37,38が設けられている。
【0029】
以上のような捕捉ローラユニット3は、図3に示すように、ホッパ2の供給口21から排出口22に至る通路23を、互いに平行にして配置された4組のローラ対31〜34で塞ぐようにして、ホッパ2の内部に設けられる。したがって、ホッパ2の供給口21から供給された原材料は、これらローラ対31〜34の隙間35〜38を通過した後に、排出口22から排出される。
【0030】
またこの際、隙間35〜38よりも大きな異物が原材料に含まれていた場合、このような異物は、これら隙間35〜38を通過できずにローラ対31〜34により捕捉される。そこで、これら隙間35〜38の大きさは、原材料に含まれていると想定される異物の大きさに応じて設定される。
【0031】
また、捕捉ローラユニット3は、各ローラ41〜44,51〜54の外周面に付着した原材料を剥ぎ落とすスクレイパー45,46,47,48,55,56,57,58をさらに備える。これらスクレイパー45〜48,55〜58は、それぞれ、ローラ41〜44,51〜54の外周面に排出口22側から摺接し、これらローラ41〜44,51〜54の外周面に付着した原材料を排出口22側へ剥ぎ落とす。
【0032】
制御装置6は、4組のローラ対31〜34をそれぞれ回転駆動する4組のインバータモータ61M,62M,63M,64M及びインバータ61I,62I,63I,64Iと、これらインバータモータ61M〜64M及びインバータ61I〜64Iを制御する制御盤66と、を含んで構成される。
【0033】
4つのインバータモータ61M〜64Mの駆動軸には、それぞれ、第1ローラ41〜44のギヤ412,422,432,442に噛合するギヤ61G,62G,63G,64Gが設けられている。これらインバータモータ61M〜64Mは、インバータ61I〜64Iから電力が供給されると、ローラ対31〜34のそれぞれの第1ローラ41〜44と第2ローラ51〜54とを互いに逆の位相で回転駆動する。
【0034】
インバータ61I〜64Iは、それぞれ、制御盤66から送信された制御信号に基づいて動作し、インバータモータ61M〜64Mに供給する駆動電圧及び周波数を制御することにより、インバータモータ61M〜64Mを駆動する。
【0035】
ところで、ローラ対31〜34の隙間35〜38に異物が捕捉されると、これらローラ対31〜34を回転駆動するインバータモータ61M〜64Mに過剰な負荷がかかる。そこで、インバータ61I〜64Iは、このようなインバータモータ61M〜64Mの過負荷を検出し、検出した場合には、過負荷がかかった状態であることを示すアラーム信号を制御盤66に送信する。より具体的には、インバータ61I〜64Iは、インバータモータ61M〜64Mを流通する電流値を監視しており、モータに過負荷がかかった際に発生する電流値の上昇を検出することにより、インバータモータの過負荷を検出する。
【0036】
制御盤66は、インバータ61I〜64Iに対し、各々が制御するインバータモータの回転または停止を指令する制御信号を送信することにより、これらインバータ61I〜64Iを個別に制御する。
【0037】
また、この制御盤66は、各インバータモータ61M〜64Mの運転状態を示す表示部67を備える。制御盤66は、インバータ61I〜64Iから上述のアラーム信号を受信すると、この信号が送信されたインバータに対しインバータモータの停止を指令する信号を送信することにより、このインバータモータによる第1、第2ローラのみの回転を停止させる。さらに、制御盤66は、このインバータモータに過負荷がかかった状態であることを表示部に表示する。
【0038】
図4は、以上のように構成された異物除去装置S2により、原材料から異物を除去する手順を示すフローチャートである。
ステップST1では、ホッパは外部から供給される原材料を受け入れ、ステップST2に移る。
【0039】
ステップST2では、制御盤は、全インバータに対し、各々が制御するインバータモータの回転を指令する制御信号を送信し、ステップST3に移る。これにより、4組のローラ対のそれぞれの第1及び第2ローラは互いに逆の位相で回転し、各ローラ対の隙間からホッパの内部に供給された原材料が排出口へ排出される。ここで、各ローラの外周面に付着した原材料は、スクレイパーにより排出口側へ剥ぎ落とされる。また、ホッパに供給された原材料に各ローラ対の隙間よりも大きな異物が含まれている場合、この異物は、何れかのローラ対の隙間に捕捉される。
【0040】
ステップST3では、制御盤は、稼動しているインバータからアラーム信号を受信したか否かを判別する。これにより、複数のローラ対のうち何れかのローラ対の隙間で異物が捕捉されたか否かを判別することができる。この判別がYESの場合には、ステップST4に移り、NOの場合には、ステップST3に移る。
【0041】
ステップST4では、制御盤は、アラーム信号を受信したことに応じて、このアラーム信号が送信されたインバータに対しインバータモータによる第1、第2ローラの回転を停止させ、ステップST5に移る。これにより、4組のローラ対のうち何れかのローラ対の隙間で異物が捕捉された場合には、この異物が捕捉されたローラ対の第1、第2ローラのみの回転を停止させて、残りのローラ対により異物の捕捉を行い続けることができる。
【0042】
ステップST5では、制御盤は、上述の回転を停止させたインバータモータに過負荷がかかった状態であることを表示部に表示し、ステップST6に移る。
ステップST6では、制御盤は、4組全てのローラ対の回転を停止させた状態であるか否かを判別する。この判別がYESの場合には、この処理を終了し、NOの場合には、ステップST3に移る。
【0043】
本実施形態によれば、以下のような作用効果がある。
(1)本実施形態によれば、ホッパ2の内部に4組のローラ対31〜34が設けられた異物除去装置S2を用い、これら4組のローラ対31〜34の第1ローラ41〜44及び第2ローラ51〜54を互いに逆の位相で回転し、各ローラ対31〜34の隙間35〜38から原材料を排出しながら、この原材料に含まれる異物を各ローラ対31〜34の隙間35〜38で捕捉する。ここで、4組のローラ対31〜34のうち何れかのローラ対の隙間で異物が捕捉された場合、この異物が捕捉されたローラ対の第1、第2ローラのみの回転を停止させる。すなわち、異物が捕捉されていない残りのローラ対の第1、第2ローラを回転させ続けて、原材料から異物を除去する作業を継続することができる。したがって、異物が捕捉される度に装置を停止させる必要がないので、効率良く異物を除去することができる。
【0044】
(2)第1ローラ41〜44及び第2ローラ51〜54を回転しながら、これらローラ41〜44,51〜54の外周面に付着した原材料をスクレイパー45〜48,55〜58で剥ぎ落とすことにより、より効率良く異物を除去することができる。
【0045】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、4組のローラ対31〜34を設けたが、ローラ対の数は、2つ以上であれば幾つでもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、インバータモータを流通する電流値の上昇を検出することにより、インバータモータの過負荷を検出したが、これに限らない。例えば、インバータモータの駆動軸に作用するトルクを直接検出することにより、インバータモータの過負荷を検出してもよい。
【符号の説明】
【0047】
S2…異物除去装置
2…ホッパ
3…捕捉ローラユニット
31,32,33,34…ローラ対
35,36,37,38…隙間
41,42,43,44…第1ローラ
45,46,47,48…スクレイパー(剥ぎ落とし手段)
51,52,53,54…第2ローラ
55,56,57,58…スクレイパー(剥ぎ落とし手段)
6…制御装置
61M,62M,63M,64M…インバータモータ(回転駆動手段)
61I,62I,63I,64I…インバータ(過負荷検出手段)
66…制御盤(ローラ停止手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原材料が供給されるホッパと、
当該ホッパの内部に設けられた複数のローラ対と、を有し、
前記複数のローラ対は、それぞれ2つのローラを互いに平行にして構成され、当該2つのローラの間には所定の隙間が設けられた異物除去装置を用いて、原材料から異物を除去する異物除去方法であって、
前記複数のローラ対のそれぞれの2つのローラを互いに逆の位相で回転し、各ローラ対の隙間から前記ホッパの内部に供給された原材料を排出しながら、当該原材料に含まれる異物を各ローラ対の隙間で捕捉する異物除去工程を含み、
前記異物除去工程では、前記複数のローラ対のうち何れかのローラ対の隙間で異物が捕捉された場合、当該異物が捕捉されたローラ対の2つのローラのみの回転を停止させることを特徴とする異物除去方法。
【請求項2】
前記異物除去工程では、前記複数のローラ対のそれぞれの2つのローラを回転しながら、当該ローラの外周面に付着した原材料を剥ぎ落とすことを特徴とする請求項1に記載の異物除去方法。
【請求項3】
原材料から異物を除去する異物除去装置であって、
原材料が供給されるホッパと、
当該ホッパの内部に設けられた複数のローラ対と、を有し、
前記複数のローラ対は、それぞれ2つのローラを互いに平行にして構成され、当該2つのローラの間には所定の隙間が設けられ、
前記複数のローラ対のそれぞれの2つのローラを互いに逆の位相で回転駆動する複数の回転駆動手段と、
前記回転駆動手段の過負荷を検出する過負荷検出手段と、
前記過負荷検出手段により過負荷を検出した場合には、当該過負荷が生じた回転駆動手段による2つのローラの回転を停止させるローラ停止手段と、を備えることを特徴とする異物除去装置。
【請求項4】
前記ローラの外周面に付着した原材料を剥ぎ落とす剥ぎ落とし手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の異物除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−162441(P2010−162441A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5068(P2009−5068)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】