説明

疎水的に改質されたポリマ

本発明は、1又はそれ以上の疎水的に改質されたポリアクリルアミドを含む組成物であって、ポリアクリルアミドが1又はそれ以上のアニオン性モノマであるアクリルアミドを含み、カチオン性モノマを含まない組成物、及び、消費者及び/又は産業用途のために組成物を用いる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は疎水的に改質されたポリアクリルアミドを含む組成物と、消費者及び/又は産業用途で組成物を用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
界面活性剤は美容用途のクレンジング製品で広範に処方される。すすぎ落とし製品での界面活性剤の主要な機能は、皮膚及び毛髪の脂肪性及び水溶性の不純物を洗浄することであるが、一方、界面活性剤は炎症を引き起こす。
【0003】
皮膚ケア用途において、界面活性剤は通常の皮膚脂質を除去するように機能する。皮膚を保護するよう機能する天然の水脂質膜(water−lipid film)を各洗浄ごとに乱す。負に帯電した極性界面活性剤のアニオンの親水基は、皮膚及び粘膜のタンパク質の、弱カチオン性の正に帯電するアミノ基と反応する。従って、特に皮膚及び粘膜のタンパク質と反応するアニオン性の界面活性剤の場合、界面活性剤は、目に対する刺激性と、皮膚に対する脱脂で知られる。従って、界面活性剤の同様の脱脂効果は毛髪ケアにおいてもあてはまる。最も臨床上評価される界面活性剤は、ラウリル及びラウレス硫酸ナトリウムであり、洗髪の後に毛髪の不快感を有意に引き起こしうる。
【0004】
界面活性剤の別の重要な態様はその起泡性である。消費者の泡沫の印象は生理学的にクレンジングの効果に関連する。使用中に大きな容量及びサイズの泡沫を生成する製品は、より良いクレンジング効果を有するとしばしば認知される。一般的な脂肪アルコールの硫酸エステルの界面活性剤は、媒質を有する好適な量の泡沫を大きな泡沫気泡サイズに生成する。
【0005】
毛髪ケア及び皮膚ケアの双方の用途において、多くのポリマのコンディショナ及び皮膚軟化剤は本質的に疎水性であり、拡散させることが困難な傾向にあり、調合剤の湿潤特性がわずかである場合、皮膚又は毛髪上に沈着残留物を残しうる。従って、湿潤性は評価すべき別の重要な特性である。表面張力は湿潤特性の評価用のツールの1つとして用いられる。例えば脂肪アルコールの硫酸エステルなどの通常の界面活性剤は表面張力が低く、毛髪及び皮膚用の調合剤における湿潤属性が向上するのを助ける。
【0006】
界面活性剤に対する1の主要な懸念はその刺激性である。多くの研究が数十年にわたりなされており、界面活性剤の刺激性及び脱脂の弱点を低減してきた。しかしながら、低刺激性の界面活性剤の開発にわたって、科学者はしばしば、低刺激性の代わりに、泡沫特性が犠牲になるというジレンマを受ける。
【0007】
従って、脂肪アルコールの硫酸エステルに対する代替的な界面活性剤が所望される。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、1又はそれ以上の疎水的に改質されたポリアクリルアミドを提供し、ポリアクリルアミドは1又はそれ以上のアニオン性モノマであるアクリルアミドを含み、カチオン性モノマを含まない。
【0009】
本開示は更に、組成物をベースに塗布するステップを含むベースを処理する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[定義]
「アニオン性モノマ(anionic monomer)」は、モノマを意味し、正味の陰電荷を有する。代表的なアニオン性モノマは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート又はメタクリレート、あるいは、他の水溶性形態のこれら又は他の重合可能なカルボン酸又はスルホン酸、スルホメチル化されたアクリルアミド、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム等の塩基付加塩を含む。好適なアニオン性モノマはアクリル酸及び2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸である。
【0011】
「塩基付加塩(base addition salt)」は、金属カチオン又はテトラアルキルアンモニウムカチオンの水酸化物、炭酸塩、又は炭酸水素塩のような好適な塩基との、あるいは、アンモニア又は十分な塩基性の有機1級、2級若しくは3級アミンとの、カルボン酸(−COH)基の反応で生じる塩を意味し、カルボン酸基を有する塩を形成する。代表的なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を含む。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンは、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン等を含む。好適な塩基付加塩はナトリウム及びアンモニウム塩を含む。
【0012】
「疎水性アルキル基(hydrophobic alkyl group)」は約4ないし約22の炭素原子のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール又はアリールアルキル基を意味する。アルキル及びアルケニル基は直鎖又は分岐鎖であってもよく、1又はそれ以上の−OSi(R’)(R”)−、及び、−Si(R’)(R”)−基が割込んでもよく、R’及びR”はCないしCのアルキルである。
【0013】
「疎水性アミン(hydrophobic amine)」は少なくとも1の疎水性アルキル基と、本明細書中に規定されるようにポリアクリルアミドのアミド(−C(O)NH)基とのアミド基転移反応を起こすことができる少なくとも1のアミノ基の水素原子とを含む化合物を意味し、疎水的に改質されたポリアクリルアミドを形成する。−OSi(R’)(R”)−、及び、−Si(R’)(R”)−基を含む疎水性アミンは更に、「アミノ基で官能化されたシラン(amino−functionalized silane)」とも称される。代表的な疎水性アミンはベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘキシルアミン、メチルヘキシルアミン、フェネチルアミン、オクチルアミン、オレイルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン等を含む。
【0014】
代表的なアミノ基で官能化されたシランはウィスコンシン州ミルウォーキーのAldrich社から入手可能な、pが約5ないし約500である次式[化1]のアミンと、商標名「Ultrasil」の下でオハイオ州クリーヴランドのNoveon社から入手可能な、及び、商標名「Silamine」の下でカナダ国オンタリオ州トロントのSiltech Corporation社から入手可能なアミノエチルプロピルのシリコーン化合物と、総てがミシガン州ミッドランドのDow Corning社から入手可能なDow Corning(登録商標)8220、Dow Corning(登録商標)939、Dow Corning(登録商標)949、及びDow Corning(登録商標)2−8194、ならびにニューヨーク州ウォーターフォードのGeneral Electric社から入手可能なSilicone SM 253を有するアミン官能性のシリコーンとを含む。
【0015】
【化1】

【0016】
「疎水的に改質されたポリマ(hydrophobically modified polymer)」及び「疎水的に改質されたポリアクリルアミド(hydrophobically modified polyacrylamide)」は双方とも本明細書中に記載のようなポリアクリルアミドを意味し、ポリマ骨格に沿ったアミド(−C(O)NH)基の一部は疎水性アミンでのアミド基転移によって改質される。従って、アニオン性モノマから得られた反復単位に加えて、疎水的に改質されたポリマ又は疎水的に改質されたポリアクリルアミドは、以下の構造[化2]を有する反復単位を含み、NRaRbは疎水性アミンでのアミド基転移により生じる疎水性の官能基を示し、MはH又は塩基付加塩である。
【0017】
【化2】

【0018】
「ポリアクリルアミド(polyacrylamide)」は遊離基形成条件下でアクリルアミド及び1又はそれ以上のアニオン性モノマの重合によって形成されるポリマを意味する。ポリアクリルアミドは非イオン性モノマを更に含んでもよい。好適なポリアクリルアミドは乳濁液、分散系、溶液、及び粉末形態で商業上入手可能であり、ビニルモノマの遊離基重合のために用いられる標準的な方法によって調製できる。
【0019】
「美容上許容可能な賦形剤(cosmetically acceptable excipient)」は、本発明の疎水的に改質されたアクリルアミド又は疎水的に改質されたポリマと混合される場合に、ポリアクリルアミド/ポリマを、毛髪又は皮膚に塗布するのにより好適にする、非毒性、非刺激性の物質を意味する。
【0020】
[好適な実施形態]
一実施形態においては、本発明の疎水的に改質されたポリマ又は疎水的に改質されたポリアクリルアミドは、高温高圧加熱による約0.1ないし約10モルパーセントの1又はそれ以上の疎水性アミンでのアニオン性のポリアクリルアミドのアミド(−C(O)NH)基のアミド基転移によって調製される。塩基はプロトン化された形態ではなく、その塩基性で疎水性アミンを維持するように添加してもよい。好適な塩基は、アンモニア、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩を含む。
【0021】
別の実施形態においては、アニオン性のポリアクリルアミドは、約9ないし10のpHのステンレス鋼の圧力反応器中で、メタ重亜硫酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムから生成される亜硫酸塩水溶液と混合される。疎水性アミンは添加され、反応器内の空気は窒素に置換される。混合物は約0.5ないし約8時間、約120℃ないし約180℃で加熱される。ある実施形態においては、混合物は約5時間、約140℃で加熱される。得られた疎水的に改質されたポリマ又は疎水的に改質されたポリアクリルアミドは次いで、水で所望の濃度まで希釈され、選択的に高温で1又はそれ以上の保存剤とともに処理される。ある実施形態においては、疎水的に改質されたポリマ又は疎水的に改質されたポリアクリルアミドの溶液は1時間、85ないし90℃でメチルパラベン及びプロピルパラベンとともに処理される。生成物は粘性、13C NMR、GC及びGPC法によって特徴付けされる。
【0022】
別の実施形態においては、ポリアクリルアミドは少なくとも約50モルパーセントのアクリルアミドかならる。
【0023】
別の実施形態においては、疎水的に改質されたポリアクリルアミドは約10,000ないし10,000,000の重量平均分子量を有する。
【0024】
別の実施形態においては、ポリアクリルアミドは約0.1ないし約10モルパーセントの1又はそれ以上の疎水性アミンでのアミド基転移によって改質される。
【0025】
別の実施形態においては、ポリアクリルアミドは約0.1ないし約50モルパーセントの1又はそれ以上の疎水性アミンでのアミド基転移によって改質される。
【0026】
別の実施形態においては、アニオン性モノマはアクリル酸と、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸と、スチレンスルホン酸とからなる群から選択される。
【0027】
別の実施形態においては、疎水性アミンはCないしC22のアルキルアミンと、アミノ基で官能化されたシリコーンとからなる群から選択される。
【0028】
別の実施形態においては、ポリアクリルアミドはアクリルアミド/アクリル酸のコポリマである。
【0029】
別の実施形態においては、アルキルアミンは、オクチルアミン、ドデシルアミン、及びヘキサデシルアミンからなる群から選択される。
【0030】
別の実施形態においては、アルキルアミンはアミノ基で官能化されたシランからなる群から選択される。
【0031】
別の実施形態においては、組成物は活性成分に基づき、約0.01ないし約40重量パーセントの疎水的に改質されたポリアクリルアミドを含む。
【0032】
別の実施形態においては、疎水的に改質されたポリアクリルアミドは1又はそれ以上の非イオン性モノマを更に含む。
【0033】
別の実施形態においては、非イオン性モノマはメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、及びアリルアルコールからなる群から選択される。
【0034】
本開示の組成物は、様々な消費者及び産業目的に用いられうる。
【0035】
組成物は洗髪剤、アフターシェーブローション、日焼け止め、ローション、ハンドクリーム及びボディクリーム、液状せっけん、棒状石けん、棒状の浴剤、ひげそり用クリーム、食器用洗剤、洗剤、表面洗浄剤、使い捨ての雑巾、コンディショナ、ラテックス塗料、パーマネントウェーブ、縮毛矯正剤、ヘアブリーチ、毛髪のもつれをほぐすローション、スタイリングジェル、スタイリンググレイズ、噴霧泡剤、スタイリングクリーム、スタイリングワックス、スタイリングローション、ムース、噴霧ジェル、ポマード、ボディソープ、気泡剤、ヘアカラーリング剤、一時的及び永続的なヘアカラー、カラーコンディショナ、ヘアライトナ、カラーリング及び非カラーリングのヘアリンス、毛髪着色剤(hair tint)、ウェーブヘアセット、パーマネントウェーブ、カーリング、ストレートヘアアイロン、整髪補助剤、ヘアトニック、ヘアドレッシング及び酸化物、スプリッツ、スタイリングワックス、ならびにバルサムからなる群から選択される。
【0036】
本発明によって包含される組成物は美容上許容可能な組成物であってもよい。
【0037】
一実施形態においては、組成物は1又はそれ以上の美容上許容可能な賦形剤を含む。
【0038】
ある実施形態においては、美容上許容可能な賦形剤は糖類、界面活性剤、湿潤剤、ワセリン、鉱油、脂肪アルコール、脂肪エステルの皮膚軟化剤、ワックス及びシリコーン含有ワックス、シリコーンオイル、シリコーン油、シリコーン界面活性剤、揮発性炭化水素油、四級窒素化合物、アミノ基で官能化されたシリコーン、コンディショニングポリマ、レオロジー改質剤、抗酸化剤、日焼け止めの活性剤、約C10ないしC22の二長鎖型アミン、約C10ないしC22の長鎖脂肪アミン、脂肪アルコール、エトキシ化脂肪アルコール、ならびに二テイル型のリン脂質からなる群から選択される。
【0039】
代表的な糖類は、アガロース、アミロペクチン、アミロース、アラビナン、アラビノガラクタン、アラビノキシラン、カラゲナン、アラビアゴム、カルボキシメチルガーゴム、カルボキシメチル(ヒドロキシプロピル)ガーゴム、ヒドロキシエチルガーゴム、カルボキシメチルセルロース、カチオン性ガーゴム、メチルセルロースを含むセルロースエーテル、コンドロイチン、キチン、キトサン、キトサンピロリドンカルボキシレート、キトサングリコレート、キトサンラクテート、ココジモニウムヒドロキシプロピルオキシエチルセルロース、コロミン酸(ポリ−Nアセチル−ノイラミン酸)、トウモロコシデンプン、カードラン、デルマタン硫酸、デキストラン、フルセララン、デキストラン、架橋結合したデキストラン、デキストリン、エムルサン、エチルヒドロキシエチルセルロース、アマニサッカライド(酸性)、ガラクトグルコマンナン、ガラクトマンナン、グルコマンナン、グリコゲン、ガーゴム、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化されたガーゴム、ジェランガム、ジェラン、ガティガム、カラヤガム、トラガカントゴム(トラガカンチン)、ヘパリン、ヒアルロン酸、イヌリン、ケラチン硫酸、コンニャクマンナン、改質されたデンプン、ラミナラン、ラウジモニウムヒドロキシプロピルオキシエチルセルロース、オクラガム、酸化デンプン、ペクチン酸、ペクチン、ポリデキストロース、ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−28、ジャガイモデンプン、プロトペクチン、サイリウムシードガム、プルラナーゼ、ヒアルロン酸ナトリウム、デンプンジエチルアミノエチルエーテル、デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、ステアルジモニウムヒドロキシエチルセルロース、ラフィノース、ラムザン、タピオカデンプン、ウェラン(whelan)、レバン、スクレログルカン、アルギン酸ナトリウム、スタキロース(stachylose)、サクシノグリカン、コムギデンプン、キサンタンガム、キシラン、キシログルカン、及びその混合物といった非イオン性又はカチオン性の糖類を含む。微生物糖類は引用によって全体を取り込む「Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology.Fourth Edition,Vol.16,John Wiley and Sons,NY pp.578−611(1994)」で見出しうる。複合糖質は引用によって本明細書中に取り込まれる「Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology.Fourth Edition,Vol.4,John Wiley and Sons,NY pp.930−948,1995」で見いだしうる。
【0040】
本発明の美容上許容可能な組成物は界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、一般的に調合剤に洗浄機能を提供するか、湿潤剤として単純に作用する界面活性剤を含む。界面活性剤は一般的にアニオン性の界面活性剤、カチオン性の界面活性剤、非イオン性の界面活性剤、両性の界面活性剤、及び両性イオン性の界面活性剤として一般的に分類できる。
【0041】
本明細書中で有用なアニオン性の界面活性剤は、引用によって本明細書中に取り込まれる米国特許第5,573,709号に開示されるものを含む。例としてはアルキル及びアルキルエーテル硫酸塩を含む。本発明で用いることができる特定例のアルキルエーテル硫酸塩は、ラウリル硫酸、ラウリルエーテル硫酸、ココナッツアルキルトリエチレングリコールエーテル硫酸、獣脂アルキルトリエチレングリコールエーテル硫酸、及び獣脂アルキルヘキサオキシエチレン硫酸のナトリウム塩及びアンモニウム塩である。好適なアルキルエーテル硫酸塩は別個の化合物の混合物を含むものであり、前記混合物は約12ないし約16の炭素原子のアルキル鎖の平均長と、約1ないし約6モルのエチレンオキシドの平均エトキシ化度とを有する。
【0042】
別の好適な分類のアニオン性の界面活性剤はアルキル硫酸塩である。重要な例は、イソ−、ネオ−、インエソ−及びn−パラフィンを含み、約8ないし約24の炭素原子、好ましくは約12ないし約18の炭素原子を有する、メタン系列の炭化水素の有機的な硫酸反応生成物の塩と、漂白及び加水分解を含む既知のスルホン化方法により得られる、例えばSO、HSO、発煙硫酸等のスルホン化剤とである。好適なのはアルカリ金属及びアンモニウムでスルホン化されたC12−38のn−パラフィンである。
【0043】
更なる合成型のアニオン性の界面活性剤は、オレフィンスルホン酸塩、β−アルキルオキシアルカンスルホン酸塩、及びスクシンアミド酸と同様にイセチオン酸でエステル化され、水酸化ナトリウムで中和される脂肪酸の反応生成物、ならびにスクシンアミド酸塩を含む。特定の実施例のスクシンアミド酸塩は、N−オクタデシルスクシンアミド酸二ナトリウム、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスクシンアミド酸四ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル、及びスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルを含む。
【0044】
本発明の美容上許容可能な組成物で用いられる好適なアニオン性の界面活性剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリル硫酸モノグリセリドナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼン硫酸ナトリウム、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む。
【0045】
本発明の美容上許容可能な組成物で用いられうる両性の界面活性剤は、脂肪族第2級及び第3級アミンの誘導体を含み、脂肪族置換基は、約8ないし18の炭素原子、及び、例えば、カルボキシ、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩又はホスホン酸塩などのアニオン性の水溶性の官能基を含む。代表的な例は、3−ドデシル−アミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロペン硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号に記載のように、ドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることによって調製されるようなN−アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号に記載されるN−高級アルキルアスパラギン酸、及び、米国特許第2,528,378号に記載されるMIRANOL(登録商標)の商標名で販売される製品を含む。他のサルコシン酸塩及びサルコシン酸誘導体は、参照することで本明細書に組み込まれる「CTFA Cosmetic Ingredient Handbook, Fifth Edition,1988,page 42」に見いだすことができる。
【0046】
カチオン性の界面活性剤は一般的に、限定しないが、約8ないし約18の炭素原子を含む脂肪族第4級アンモニウム化合物を含む。第4級アンモニウム化合物のアニオンは、塩素、エトスルファート、メトスルファート、酢酸、臭素、乳酸、硝酸、リン酸、トシレート及びこれらの混合物などの共通のイオンでもよい。長鎖アルキル基は、更なる又は置換された炭素原子又は水素原子若しくはエーテル結合を含む。第4級窒素の他の置換基は、水素、水素、ベンジル又は短鎖アルキル、又は、メチル、エチル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル又はこれらの組合せなどヒドロキシアルキル基でもよい。構造又は代表的な第4級アンモニウム化合物は、「CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Fifth Edition,1988,page 40」に提供される。
【0047】
第4級アンモニウム化合物の例は、限定しないが、ベヘントリモニウムクロリド、ココトリモニウムクロリド、セセチルジモニウムブロミド、ジベヘニルジモニウムクロリド、二水素添加型の獣脂ベンジルモニウムクロリド、ジソヤジモニウムクロリド、二獣脂ジモニウムクロリド、ヒドロキシセチルヒドロキシエチルジモニウムクロリド、ヒドロキシエチルベヘナミドプロピルジモニウムクロリド、ヒドロキシエチルセチルジモニウムクロリド、ヒドロキシエチル獣脂ジモニウムクロリド、ミリスタルコニウムクロリド、PEG−2オレアモニウムクロリド、PEG−5ステアルモニウムクロリド、PEG−15ココイルクオタニウム4、PEG−2ステアラルコニウム4、ラウリルトリモニウムクロリド、クオタニウム−16、クオタニウム−18、ラウラルコニウムクロリド、オレアルコニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ポリクオタニウム−5、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−37、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−47、ポリクオタニウム−55、セチルトリモニウムクロリド、ジラウリルジモニウムクロリド、セタルコニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、ソヤトリモニウムクロリド、ステアリルオクチルジモニウムメタ硫酸及びその混合物を含む。他の第4級アンモニウム化合物は、引用によって本明細書中に取り込まれる「CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,First Edition,pages 41−42」に列挙されている。
【0048】
美容上許容可能な組成物は約C10ないしC22の二長鎖型アミン、約C10ないしC22の長鎖脂肪アミン、及びその混合物を含んでもよい。特定例は、ジパルミチルアミン、ラウラミドプロピルジメチル、ステアラミドプロピルジメチルアミンを含む。
【0049】
本発明の美容上許容可能な組成物は更に、乳濁液や分散形態の美容上許容可能な組成物を安定させるために用いられる脂肪アルコール(一般的には一価アルコール)、エトキシ化脂肪アルコール及び二テイル型のリン脂質を含んでもよい。それらは更に、美容上許容可能な粘度を提供する。実質的な飽和アルカノールであるC10ないしC32、好ましくは、C14ないしC22の脂肪鎖を有することを特徴とするアルコールが一般的に用いられるが、脂肪アルコールの選択は重要ではない。例としては、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキジンアルコール、イソステアリルアルコール及びイソセチルアルコールを含む。セチルアルコールが好適であり、セチルアルコールを単独で、もしくは、他の脂肪アルコール、好ましくはステアリルアルコールと組み合わせて用いてもよい。用いる際、脂肪アルコールは、約1ないし約8重量パーセント、より好ましくは約2ないし約6重量パーセントの範囲内の濃度で本発明の調合剤に含まれることが好ましい。脂肪アルコールは更にエトキシ化される。特定例においては、セテレス−20、ステアレス−20、ステアレス−21及びその混合物を含む。ホスファチジルセリン及びホスファチジルコリンなどのリン脂質及びこれらの混合物を更に含んでもよい。
【0050】
本発明の美容上許容可能な組成物で用いられうる非イオン性界面活性剤は、有機疎水性化合物とともにアルキレン酸化物基(天然では親水性)を濃縮することによって生成される化合物として広く規定されるものを含む。好適な分類の非イオン性界面活性剤の例としては、長鎖アルカノールアミド、アルキルフェノールのポリエチレンオキシドの濃縮物、エチレンオキシドと、直鎖又は分岐鎖のいずれかの構造の約8ないし約18の炭素を有する脂肪族アルコールとの濃縮生成物、長鎖型の第3級アミン酸化物、長鎖型の第3級ホスフィン酸化物、1つの短鎖アルキル又は約1ないし約3の炭素原子のヒドロキシアルキルの遊離基を含む長鎖型のジアルキルスルホキシド、アルキルポリグリコシドなどのアルキルポリサッカライド(APS)界面活性剤、及びポリエチレングリコール(PEG)グリセリル脂肪エステルがある。
【0051】
ベタインなどの両性イオン性の界面活性剤は、さらに、本発明の美容上許容可能な組成物で有用になりうる。本明細書中で有用なベタインの例は、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルαカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγカルボキシプロピルベタイン、及びラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタインといった、高級アルキルベタインを含む。スルホベタインは、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン等、アミドベタイン及びアミドスルホベタインによって表されてもよく、RCONH(CHの遊離基は、本発明において有用なベタインの窒素原子に結合する。
【0052】
本発明の美容上許容可能な組成物で用いられる使用されるカチオン性、アニオン性、非イオン性、両性又は両性イオン性の界面活性剤は、一般的に約0.1ないし50重量パーセント、好ましくは、約0.5ないし約40重量パーセント、より好ましくは、約1ないし約20重量パーセントの量で用いられる。
【0053】
本発明の美容上許容可能な組成物は、吸湿剤として作用する湿潤剤を含み、吸収、保存、及び保持され水の量を増加させる。本発明の調合剤の適宜な湿潤剤は、限定しないが、アセトアミドMEA、乳酸アンモニウム、キトサン及びその誘導体、コロイド状オートミール、ガラクトアラビナン、グルコースグルタメート、グレレシス(glerecyth)−7、グリゲリス(glygeryth)−12、グリセレス−26、グリセリス(glyceryth)−31、グリセリン、ラクトアミドMEA、ラクトアミドDEA、乳酸、メチルグルセス−10、メチルグルセス−20、パンテノール、プロピレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、水素付加されたデンプン加水分解物、イノシトール、マンニトール、PEG−5ペンタエリスリトールエーテル、ポリグリセリルソルビトール、キシリトール、スクロース、ヒアルロン酸ナトリウム、PCAナトリウム、及びその組合せを含む。グリセリンは、特に好適な湿潤剤である。この湿潤剤は、約0.5ないし約40重量パーセント、好ましくは約0.5ないし約20重量パーセント、及びより好ましくは約0.5ないし約12重量パーセントの濃度で組成物に存在する。
【0054】
本発明の美容上許容可能な組成物は、ワセリン又は鉱油成分を含み、選択される場合、一般的にはUSP又はNFグレードである。ワセリンは、白色又は黄色でもよい。ワセリンの粘度又は粘稠度は厳密には重要ではない。ワセリンは、外観及び粘稠度においてワセリンに類似するように調合可能な炭化水素材料の混合物と部分的に置換できる。例えば、ワセリン又は鉱油の混合物は、様々なワックスなどと組合せてもよい。ベイベリーワックス、カンデリラワックス、セレシン、ジョジョババター、ラノリンワックス、モンタンワックス、オゾケライト、ポリグリセリル−3−蜜ろう、ポリグリセリル−6−ペンタステアレート、微結晶ろう、パラフィンワックス、イソパラフィン、ワセリン固体パラフィン、スクアレン、オリゴマオレフィン、蜜ろう、合成カンデリラワックス、合成カルナウバ、合成蜜ろう等を含む好適なワックスは、互いに混合するようにしてもよい。置換の度合を変化させたアルキルメチルシロキサンを、皮膚によって保持される水を増加させるよう使用することができる。2503ワックスとして既知のステアリルジメチコーン、AMS−C30ワックスとして既知のC30−45のアルキルメチコーン、及び580ワックスとして既知のステアロキシトリメチルシラン(及び)ステアリルアルコールは、各々、米国ミシガン州ミッドランドにあるDow Corning(登録商標)社から入手可能である。更なるアルキル及びフェニルシリコーンは、湿潤特性を向上させるのに用いてもよい。Dow Corning(登録商標)593として既知のジメチコーン(及び)トリメチルシロキシシリケート、又はDow Corning(登録商標)749流体として既知のシクロメチコーン(及び)トリメチルシロキシシリケートといった樹脂は、皮膚ケア製品の膜形成を促進するために用いてもよい。用いる場合、ワセリン、ワックス、又は炭化水素あるいはオイルの成分は、約1ないし約20重量パーセント、より好ましくは約1ないし約12重量パーセントの濃度で調合剤に含まれる。用いる場合、シリコーン樹脂は、約0.1ないし約10.0重量パーセント含まれてもよい。
【0055】
皮膚軟化剤は、皮膚のやわらかく、なめらか、かつ、しなやかな外観に維持するのを助ける薬剤として規定される。皮膚軟化剤はその性能によって、皮膚表面上又は角質層に保持するよう機能する。本発明の美容上許容可能な組成物は、「International Cosmetic Ingredient Dictionary,Eighth Edition,2000,p.1768−1773」に列挙された、脂肪エステルの皮膚軟化剤を含んでもよい。本発明の調合剤で用いられる好適な脂肪エステルの特定例は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、乳酸セチル、パルミチン酸セチル、硬化ひまし油、グリセリルエステル、イソステアリン酸ヒドロキシセチル、リン酸ヒドロキシセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、セバシン酸ジイソプロピル、PPG−5−セテス−20、2−エチルヘキシルイソノノエート(isononoate)、ステアリン酸2−エチルヘキシル、C12ないしC16の乳酸脂肪アルコール、ラノリン酸イソプロピル、サリチル酸2−エチルヘキシル、及びその混合物を含む。現在好適な脂肪エステルは、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、PPG5−セテス−20及びカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである。用いる場合、脂肪エステルの皮膚軟化剤は、約1ないし約8重量パーセント、より好ましくは、約2ないし約5重量パーセントの濃度で本発明の調合剤に含まれることが好ましい。
【0056】
本発明の組成物は更にシリコーン化合物を含む。好適には、25℃の温度でのシリコーン成分の粘度は、約0.5ないし約12,500cpsである。好適な材料の例は、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン−ジフェニルポリシロキサン、シクロメチコーン、トリメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン及びその混合物である。トリメチルユニットで末端ブロックされたジメチルポリシロキサンであるジメチコーンは、好適な例である。50ないし1,000cpsの粘度を有するジメチコーンは特に好適である。用いる場合、シリコーンオイルは、0.1ないし5重量パーセント、より好ましくは、1ないし2重量パーセントの濃度で、本発明の調合剤に含まれることが好ましい。
【0057】
本発明の美容上許容可能な組成物は、揮発性及び非揮発性のシリコーンオイル又は流体を含んでもよい。シリコーン化合物は、約0.5ないし約100センチストークの粘度を有する直鎖状又は環状のいずれかのポリジメチルシロキサンであってもよい。最も好適な直鎖状のポリジメチルシロキサン化合物は、約0.5ないし約50センチストークの範囲を有する。直鎖状、低分子、揮発性のポリジメチルシロキサンの一例は、オクタメチルトリシロキサンであり、約1センチストークの粘度を有するDow Corning(登録商標)200という商標名の流体として入手可能である。用いる場合、シリコーンオイルは、0.1ないし30重量パーセント、より好ましくは1ないし20重量パーセントの濃度で本発明の調合剤に含まれることが好ましい。
【0058】
本発明の化粧用に許容可能な組成物は、揮発性、循環性、低分子量のポリジメチルシロキサン(シクロメチコーン)を含んでもよい。好適な環状揮発性シロキサンは、4ないし6の反復単位と、約2.0ないし約7.0センチストークの粘度とを有するポリジメチルシクロシロキサン、及びその混合物でもよい。好適なシクロメチコーンは、Dow Corning(登録商標)244流体、Dow Corning(登録商標)245流体、Dow Corning(登録商標)246、Dow Corning(登録商標)344流体及びDow Corning(登録商標)345、ならびに、米国ニューヨーク州ウォーターフォードのGeneral Electric社のシリコーンSF−1173及びシリコーンSF−1202といった商標名で米国ミシガン州ミッドランドのDow Corning社から入手可能である。用いられる場合、シリコーンオイルは、0.1ないし30重量パーセント、より好ましくは1ないし20重量パーセントの濃度で本発明の調合剤に含まれることが好ましい。
【0059】
ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンの側鎖を有するシリコーンシリコーン界面活性剤又は乳化剤は、本発明の組成物に用いてもよい。好適な例は、ジメチコーンコポリオール、米国ミシガン州ミッドランドのDow Corning社から入手可能なDow Corning(登録商標)3225C及び5225Cの調合補助剤、及び、米国ニューヨーク州ウォーターフォードのGeneral Electric社から入手可能なシリコーンSF−1528である。これらの側鎖は更に、ラウリル又はセチルといったアルキル基を含んでもよい。好適なのはDow Corning(登録商標)5200調合補助剤として既知のラウリルメチコーンコポリオール、及び、米国バージニア州のGoldschmidt Chemical Corporation社から入手可能なAbil EM−90として既知のセチルジメチコーンコポリオールである。更に好適なのは独国ミュンヘン市のWacker−Chemie社から入手可能なBelsil LDM3107VPとして既知のラウリルジメチコーンである。用いられる場合、シリコーン界面活性剤は、0.1ないし30重量パーセント、より好ましくは1ないし15重量パーセントの濃度で本発明の調合剤に含まれていることが好ましい。
【0060】
アミンで官能化したシリコーン及び乳濁液を本発明に用いるようにしてもよい。好適な例は、米国ミシガン州ミッドランドのDow Corning社から全て入手可能なDow Corning(登録商標)8220、Dow Corning(登録商標)939、Dow Corning(登録商標)949、Dow Corning(登録商標)2−8194を含む。更に好適なのは、米国ニューヨーク州ウォーターフォードのGeneral Electric社から入手可能なシリコーンSM253である。用いる場合、アミンで官能化したシリコーンは、0.1ないし5重量パーセント、より好ましくは0.1ないし2.0重量パーセントの濃度で本発明の調合剤が含まれることが好ましい。
【0061】
本発明の美容上許容可能な組成物は、揮発性炭化水素油を含んでもよい。揮発性炭化水素は、約CないしC22の原子を具える。好適な揮発性炭化水素は、約CないしC16の長鎖の炭素原子を有する脂肪族炭化水素である。このような化合物の例は、Permethyl101Aという商標名で米国ニュージャージ州サウスプレインフィールドのPresperse社から入手可能なイソヘキサデカンを含む。好適な揮発性炭化水素の他の例は、Isopar Mという商標名で米国テキサス州ベイタウンのExxon社から入手可能なC12ないしC14のイソパラフィンである。用いられる場合、揮発性炭化水素は、0.1ないし30重量パーセント、より好ましくは1ないし20重量パーセントの濃度で本発明の調合剤に含まれることが好ましい。
【0062】
本発明の美容上許容可能な組成物は、カチオン性及び両性のコンディショニングポリマを含んでもよい。このような例は、限定しないが、「ワシントンD.C. 20036 スイート300 1101 17th ストリート N.W.」にある団体「Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association(CTFA)」によって出版された「International Cosmetic Ingredient Dictionary」に列挙されたものを含む。一般的な例は、セルロースエーテルの第4級誘導体、グアーの第4級誘導体、DADMACのホモポリマ及びコポリマ、MAPTACのホモポリマ及びコポリマ、MAPTACのホモポリマ及びコポリマ、ならびに、デンプンの第4級誘導体を含む。CTFAの命名法を用いた特定例は限定しないが、ポリクオタニウム−10、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−5、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−14、ポリクオタニウム−15、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−24、ポリクオタニウム−28、ポリクオタニウム−32、ポリクオタニウム−33、ポリクオタニウム−36、ポリクオタニウム−37、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−45、ポリクオタニウム−47、ポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム−55及びその混合物を含む。用いられる場合、コンディショニングポリマは、0.1ないし10重量パーセント、好ましくは0.2ないし6重量パーセント、最も好ましくは0.2ないし5重量パーセントの濃度で本発明の美容上許容可能な組成物に含まれることが好ましい。
【0063】
本発明の化粧用に許容可能な組成物は、1又はそれ以上のレオロジー改質剤を含んでもよい。本発明で用いられうるレオロジー改質剤は、限定しないが、Carbopol(登録商標)及びPemulen(登録商標)系列といった、米国オハイオ州クリーブランドのNoveon Inc社から双方とも入手可能な高分子量の架橋結合したしたアクリル酸のホモポリマ、及びAcrylates/C 10−30 Alkyl Acrylate Crosspolymerと、米国ノースカロライナ州ハイポイントのCiba Specialities社から入手可能な、Salcare(登録商標)ASTといったアニオン性アクリレートポリマ及びSalcare(登録商標)SC96といったカチオン性アクリレートポリマと、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドと、Steareth−10 Allyl Ether/Acrylate Copolymerといったヒドロキシエチルメタクリレートポリマと、ステアレス−10アリルエーテル/アクリル酸コポリマ;米国ニュージャージ州ウェインのRohm and Haas/International Specialities社から入手可能なAculyn(登録商標)28として既知のAcrylates/Beheneth−25 Metacrylate Copolymerと、Acrylates/Steareth−20 Methacrylate Copolymerといったグリセリルポリメタクリレートと、アルギン酸、カラゲナン、アカシアゴム、アラビアゴム、ガティガム、カラヤガム、トラガカントゴム、ガーゴムといったなどのゴムと、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、キサンタンガム又はジェランガムと、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルカルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルカルボキシプロピルセルロース、エチルセルロース、硫酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロースといったセルロース誘導体と、寒天と、ペクチンと、ゼラチンと、デンプン及びその誘導体と、キトサン及びヒドロキシエチルキトサンといったキトサン誘導体と、ポリビニルアルコールと、PVM/MAコポリマと、PVM/MAデカジエンクロスポリマと、ポリ(エチレンオキシド)ベースの増稠剤、カルボマナトリウムと、その混合物とを含む。用いられる場合、レオロジー改質剤は、0.01ないし12重量パーセント、好ましくは0.05ないし10重量パーセント、最も好ましくは0.1ないし6重量パーセントの濃度で本発明の美容上許容可能な組成物に含まれることが好ましい。
【0064】
本発明の美容上許容可能な組成物は、限定しないが、アスコルビン酸、BHT、BHA、エリソルビン酸、亜硫酸水素塩、チオグリコレート、トコフェロール、メタ亜硫酸水素ナトリウム、ビタミンEアセテート、及びアスコビルパルミタートを含む1又はそれ以上の抗酸化剤を含んでもよい。抗酸化剤は、美容上許容可能な組成物の0.01ないし5重量パーセント、好ましくは0.1ないし3重量パーセント、最も好ましくは0.2ないし2重量パーセントである。
【0065】
本発明の美容上許容可能な組成物は、1又はそれ以上の日焼け止めの活性剤であってもよい。日焼け止めの活性剤の例は限定しないが、オクチルメトキシシンナマート(エチルヘキシルp−メトキシシンナマート)、オクチルサリチレートオキシベンゾン(ベンゾフェノン−3)、ベンゾフェノン−4、メンチルアントラニレート、ジオキシベンゾン、アミノ安息香酸、アミルジメチルPABA、ジエタノールアミンp−メトキシシンナマート、エチル4−ビス(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、2−エチルヘキシ1−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、ホモメンチルサリチレート、グリセリルアミノベンゾエート、ジヒドロキシアセトン、オクチルジメチルPABA、2−フェニルベンジミダゾール−5−スルホン酸、サリチル酸トリエタノールアミン、亜鉛酸化物、チタン酸化物、及びその混合物を含む。本発明の美容上許容可能な組成物に用いられる日焼け止めの量は、用いられる特定の1又はそれ以上の日焼け止め活性成分の、特定の1又はそれ以上のUV吸収波長によって変化し、0.1ないし10重量パーセント、好ましくは2ないし8重量パーセントにできる。
【0066】
本発明の化粧用に許容可能な組成物は、1又はそれ以上の保存剤を含んでもよい。保存剤の例は限定しないが、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン(米国イリノイ州ネーパービルのNalco Comapany社のMERGUARD(登録商標)として既知のMethyldibromo Glutarotitorile)、ベンジルアルコール、イミダゾールイジニールウレア、1,3−ビス−(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチル−2,3−イミダゾリジンジオン(例えば、米国ニュージャージ州フェアローンのLonza社のGLYDANT(登録商標)として既知のDMDM Hydantoin)、メチルクロロイソチアゾリノン及びメチルイソチアゾリノン(例えば、米国ペンシルベニア州フィラデルフィアのRohm&Haas Co.社のKathon(登録商標))、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、及びその混合物を含む。
【0067】
本発明の化粧用に許容可能な組成物は、美容に通常用いられる他の成分を含んでもよい。このような成分の例は、限定しないが、緩衝剤、芳香成分、キレート剤、色添加剤又は組成物自体又はケラチンを呈色するよう作用しうる染料、金属イオン封鎖剤、柔軟剤、泡沫相乗作用剤、泡沫安定化剤、サンフィルタ、UV吸収剤及びペプチゼーション剤を含む。
【0068】
二酸化チタン、亜鉛酸化物、タルク、炭酸カルシウム又はカオリンといった色素表面を、本明細書に記載され、本発明の美容上許容可能な組成物に用いられるアニオン性ポリマで処理するようにしてもよい。処理された色素は、日焼け止め活性成分として、また、メークアップやマスカラなどのカラー化粧品の使用に関してより効果がある。
【0069】
本発明の化粧用に許容可能な組成物は、水、及び更に美容上許容可能な溶媒を含む。許容可能な溶媒の例は、限定しないが、1ないし8の炭素原子を有するアルカノール(エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコールのような)といったモノアルコール、アルキレングリコール(グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールのような)といったポリアルコール、ならびに、例えば、単独で又は混合物中で用いられるエチレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのモノ−、ジ−、及びトリ−エチレングリコールモノアルキルエーテルといったグリコールエーテルを含む。これらの溶媒は全組成物の重量に対し、例えば0.1ないし70重量パーセントといった、最大70重量パーセント程度の割合であってもよい。
【0070】
本発明の美容上許容可能な組成物は更に、アルミニウムクロロハイドレート、好ましくは例えば塩化物又は臭化物といったハロゲン化物及び硫酸塩であるナトリウム、カリウム又はリチウム塩といったアルカリ金属塩あるいは酢酸又は乳酸などの有機酸との塩、更に好ましくはカルシウム、マグネシウム及びストロンチウムの炭酸塩、ケイ酸塩、硝酸塩、酢酸塩、グルコース酸塩、パントテン酸塩及び乳酸塩などのアルカリ土類金属塩、といった電解質を含んでもよい。
【0071】
皮膚を処理するための組成物は、アフターシェーブローション、日焼け止め、ローション、ハンドクリーム及びボディクリーム、液状せっけん、棒状石けん、棒状の浴剤、ひげそり用クリーム、食器用洗剤、ボディソープ、気泡剤等を含む。
【0072】
本発明の皮膚ケア組成物は水中油型、油中水型の乳濁液、トリプル乳濁液、又は分散系として調製してもよい。
【0073】
好適な水中油型乳濁液は、最初に例えば不飽和型の第4級アンモニウム化合物、湿潤剤、水可溶性の保存剤などの水可溶成分の水性混合物を形成し、次いで、水不溶性の成分を添加することによって調製される。水不溶性の成分は乳化剤、水不溶性の保存剤、ワセリン又は鉱油成分、脂肪アルコール成分、脂肪エステルの皮膚軟化剤及びシリコーンオイル成分を含む。混合エネルギーの入力は高くなり、なめらかな外観(乳濁液中の比較的小さなミセルの存在を表す)を有する油中水型乳濁液を形成するのに十分な時間維持される。好適な分散系は水可溶成分の水性混合物を形成し、次いで、水不溶性の材料のために、懸濁用出力を用いて増稠剤を添加することによって一般的に調製される。
【0074】
本発明の化粧用に許容可能な組成物は、更にエアロゾルとしてパッケージングしてもよく、この場合、エアロゾルスプレーの形状もしくはエアロゾル泡沫の形状として塗布可能である。これらのエアロゾル用の噴霧ガスとしては、特に、ジメチルエーテル、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、空気、ならびに、ブタン、イソブタン及びプロパンといった揮発性炭化水素を用いることができる。
【0075】
毛髪を処理する組成物は、気泡剤、石鹸、オイル、洗髪剤、コンディショナ、ヘアブリーチ、ヘアカラーリング剤、一時的及び永続的なヘアカラー、カラーコンディションナ、ヘアライトナ、カラーリングヘアリンス及び非カラーリングヘアリンス、毛髪着色剤、ウェーブヘアセット、パーマネントウェーブ、カーリング、ストレートヘアアイロン、整髪補助剤、ヘアトニック、ヘアドレッシング及び酸化物といったバス調製剤を含む。疎水的に改質されたポリアクリルアミド又は疎水的に改質されたポリマは更に、清潔で、自然で、粘着性のない感覚をコントロール及び毛髪の管理を提供するために、ジェル、ムース、スプリッツ、スタイリングクリーム、スタイリングワックス、ポマード、バルサムなどのようなスタイリング型のリーブイン製品で、単独で、あるいは、他のポリマ又は構造化剤と組み合わせて用いてもよい。
【0076】
本発明の毛髪ケア組成物は滑りやすい感覚を与えるが、それは疎水的に改質されたポリアクリルアミド又は疎水的に改質されたポリマ、揮発性のシリコーン、他のポリマ、界面活性剤、又は毛髪の材料の沈着を変えうる他の化合物の存在によって、毛髪から容易にすすぐことができる。
【0077】
毛髪を洗浄するための洗髪剤といったクレンジング調合剤、液体ハンドソープ、皮膚を洗浄するためのボディソープの場合、組成物は、約3ないし約50重量パーセント、好ましくは約3ないし約20重量パーセント、の量のアニオン性、カチオン性、非イオン、両性イオン性又は両性の界面活性剤を含み、これらのpHは一般的には、約3ないし10の範囲である。
【0078】
好適な本発明の洗髪剤は、アニオン性界面活性剤と、両性イオン性の界面活性剤及び/又は両性の界面活性剤との組合せを含む。特に好適な洗髪剤は、約0ないし約16%のアルキル硫酸成分と、0ないし約50重量パーセントのエトキシル化アルキル硫酸と、少なくとも5重量パーセントの硫酸アルキル、エトキシ化硫酸アルキル、又はその混合物を有する非イオン性、両性及び両性イオン性の界面活性剤から選択される0ないし約50重量パーセントの選択的な界面活性剤とを含み、約10ないし約25重量パーセントの総界面活性剤濃度を含む。
【0079】
毛髪を洗うための洗髪剤は更に、シリコーン、及び洗髪剤に一般的に用いられるコンディショニングポリマといった他のコンディショニング添加剤を含んでもよい。米国特許第5,573,709号は、洗髪剤に用いることができる非揮発性シリコーンコンディショニング剤のリストを提供する。本発明で用いられるコンディショニングポリマは、「Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association(CTFA)」の事典に列挙されている。特定例は、ポリクオタニウム(例えば、ポリクオタニウム−1ないしポリクオタニウム−53)、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、及びポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドを含む。
【0080】
他の好適な組成物は、主に洗髪前後に塗布されるすすぎ用ローションの形状での使用を含む。これらのローションは一般的に、水性、水性アルコール溶液、乳濁液、増稠ローション又はジェルである。組成物が乳濁液の形状である場合、非イオン性、アニオン性又はカチオン性であってもよい。非イオン性の乳濁液は、オイル及び/又は脂肪アルコールの、ポリオキシエチレン化ステアリルアルコール又はセチル/ステアリルアルコールといったポリオキシエチレン化アルコールとの混合物で主に構成され、カチオン性の界面活性剤をこの組成物に添加できる。このアニオン性の乳濁液は、実質的に石鹸から形成される。
【0081】
組成物が増稠ローション又はジェルの形状である場合、溶媒の存在下又は非存在下で増稠剤を含む。用いることができる増稠剤は特定の樹脂であり、B.F.Goodrich社から入手可能なアクリル酸増稠剤、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、セルロース誘導体、及び、ポリ(エチレンオキシド)ベースの増稠剤であり、ポリエチレングリコールステアラート又はジステアラートの混合物によって、あるいは、リン酸エステル及びアミドの混合物によって、増稠を得ることが更に可能となる。増稠剤の濃度は一般的には、0.05ないし15重量パーセントである。これらの組成物がスタイリングローション、シェイピングローション、セッティングローションの形状である場合、一般的には水性、アルコール又は水性アルコール溶液において、上記で規定された両性ポリマを具える。
【0082】
毛髪固定剤の場合、組成物は、さらに、1又はそれ以上のさらなる毛髪固定ポリマを含むことができる。存在する場合、更なる毛髪固定ポリマは、約0.25ないし約10重量パーセントの総量で存在する。更なる毛髪固定樹脂は、樹脂が本発明の所定のポリマと適合する限りにおいて、アクリルアミドのコポリマ、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムのコポリマ、アクリル酸/メタクリル酸アンモニウムのコポリマ、アクリル酸塩のコポリマ、アクリル/アクリル酸塩のコポリマ、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマ、アジピン酸/エポキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマ、アリルステアレート/VAのコポリマ、リン酸アミノエチルアクリレート/アクリル酸塩のコポリマ、アクリル酸アンモニウムのコポリマ、酢酸ビニルアンモニウム/アクリル酸塩のコポリマ、AMPアクリル酸塩/ジアセトンアクリルアミドのコポリマ、AMPDアクリル酸塩/ジアセトンアクリルアミドのコポリマ、エチレン/無水マレイン酸のブチルエステルのコポリマ、PVM/MAのブチルエステルのコポリマ、PVM/MAのカルシウム/ナトリウム塩のコポリマ、トウモロコシデンプン/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムのコポリマ、ジエチレングリコールアミン/エピクロロヒドリン/ピペラジンのコポリマ、ドデカン二酸/セテアリルアルコール/グリコールのコポリマ、PVM/MAのエチルエステルのコポリマ、PVM/MAのイソプロピルエステルのコポリマ、カラヤガム、メタクリロイルエチルベタイン/メタクリル酸塩のコポリマ、オクチルアクリルアミド/アクリル酸塩/ブチルアミノエチルメタクリル酸塩のコポリマ、オクチルアクリルアミド/アクリル酸塩のコポリマ、無水フタル酸/グリセリン/デカン酸グリシジルのコポリマ、フタル酸/トリメリト酸/グリコールのコポリマ、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ポリブチレンテレフタル酸塩、ポリエチルアクリル酸塩、ポリエチレン、ポリクオタニウム−1、ポリクオタニウム−2、ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−5、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−8、ポリクオタニウム−9、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−12、ポリクオタニウム−13、ポリクオタニウム−14、ポリクオタニウム−15、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−47、酢酸ポリビニル、ポリビニルブチラール、酢酸ポリビニルイミダゾリニウム、ポリビニルメチルエーテル、PVM/MAのコポリマ、PVP、PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマ、PVP/エイコセンのコポリマ、PVP/メタクリル酸エチル/メタクリル酸のコポリマ、PVP/ヘキサデセンのコポリマ、PVP/VAのコポリマ、PVP/酢酸ビニル/イタコン酸のコポリマ、シェラック、アクリル酸ナトリウムのコポリマ、アクリル酸ナトリウム/Acrylnitrogenのコポリマ、アクリル酸ナトリウム/ビニルアルコールのコポリマ、カラゲナンナトリウム、デンプンジエチルアミノエチルエーテル、ステアリルビニルエーテル/無水マレイン酸のコポリマ、安息香酸スクロース/イソ酪酸酢酸スクロース/フタル酸ブチルベンジルのコポリマ、安息香酸スクロース/イソ酪酸酢酸スクロース/フタル酸ブチルベンジル/メタクリル酸メチルのコポリマ、安息香酸スクロース/イソ酪酸酢酸スクロールのコポリマ、酢酸ビニル/クロトン酸塩のコポリマ、酢酸ビニル/クロトン酸のコポリマ、酢酸ビニル/クロトン酸/メタクリルオキシベンゾフェノン−1のコポリマ、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニルのコポリマ、及びその混合物の群から選択してもよい。スタイリング補助剤を生成するのに用いた合成ポリマは、引用によって本明細書中に取り込まれる「“The History of Polymers in Haircare,”Cosmetics and Toiletries,103(1988)」に記載されている。本発明で用いることができる他の合成ポリマは引用によって本明細書中に取り込まれる「CTFA Dictionary,Fifth Edition,2000」で引用できる。
【0083】
本発明の組成物がケラチン線維の染色及び特にヒトの毛髪での使用を対象とする場合、疎水的に改質されたポリマ又は疎水的に改質されたポリアクリルアミドに加え、少なくとも1の酸化色素の前駆物質及び/又は1の直接的な色素を一般的に含む。この型の組成物に通常用いられるその他の佐剤が更に含まれてもよい。
【0084】
染色組成物のpHは一般的に7ないし11であり、アルカリ化剤を添加することによって所望の値に調整してもよい。
【0085】
本発明による組成物は更に、毛髪をウェーブ又はストレートにするために用いてもよい。この場合においては、組成物は一般的に、疎水的に改質されたポリマ又は疎水的に改質されたアクリルアミドに加え、1又はそれ以上の還元剤と、適切な場合にこの型の組成物に通常用いられる他の佐剤とを含み、この組成物は中和組成物と結合して用いるのを対象とする。
【0086】
本発明によって包含される組成物は、様々な型のベースに適用できる。
【0087】
一実施形態においては、ベースは家庭用途での表面であり、あるいは、産業用途での表面である。
【0088】
別の実施形態においては、ベースは毛髪、皮膚、爪、ケラチンを含有するベース、硬表面、カーペット、布地、木材、プラスチックを含有する組成物、及びビニルからなる群から選択される。
【実施例】
【0089】
[実施例1:ドデシルアミンを用いたアクリルアミド−アクリル酸ナトリウムのコポリマの改質]
Parr社の反応器に、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウムのコポリマ溶液(70:30のモルパーセント、12パーセントのポリマ活性成分、291.7g)と水酸化ナトリウム水溶液の混合物(50%、1.8g)と、メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(15%、14.9g)と脱イオン水(40.7g)が添加される。微細に加工されたドデシルアミンはその後添加され、混合物は完全に攪拌される。反応器は次いで密封され、攪拌は最大設定でセットされ、反応器は窒素で加圧され排出される(5回反復)。反応器はその後密封され、140℃で加熱され、140℃で5時間維持される。90℃まで事前加熱されたメチルパラベン(0.4g)、プロピルパラベン(0.1g)及び脱イオン水(20g)の混合物が、高温のポリマ溶液に添加される時に、改質されたポリマ溶液が90℃まで冷却された。混合物は1時間攪拌され、次いで周囲温度まで冷却されて、疎水的に改質されたポリマ又は疎水的に改質されたポリアクリルアミドの溶液を提供する。
【0090】
[実施例2:起泡性]
疎水的に改質されたポリアクリルアミド又は疎水的に改質されたポリマの泡沫の評価は、Hart DeGeorge Test法を用いてなされた。本方法は泡沫を生成するのにブレンダを用いる。生成された泡沫は濃くクリーム状であり、実用のすすぎ落とし製品の泡沫と同様である。洗髪剤溶液は1分間ブレンダで攪拌される。泡沫は次いで20番のメッシュスクリーンを有するふるいに配置された漏斗内に注がれる。計量ワイヤが漏斗の底から80mmの位置に置かれた。泡沫濃度に対しワイヤに到達する時間が記録され、数値が高くなるにつれて、泡沫が優良になる。
【0091】
表1は気泡性評価のために用いた洗髪剤基剤の調合剤を列挙する。高分子の界面活性剤又は測定基準は0.5%又は1.0%の活性成分の「ポリマ(polymer)」と称される成分で添加された。
【0092】
気泡性の評価は表2に要約される。
【0093】
【表1】

【0094】
【表2】

【0095】
Nalco社の高分子界面活性剤(5605−192)がコントロールと比較してほぼ二倍の泡沫性能であることは明らかである。
【0096】
[実施例2−表面張力/湿潤特性]
湿潤特性を評価するツールとしての表面張力が更に測定された。高分子界面活性剤と通常の界面活性剤との混合溶液が、活性成分ベースで3/17の比率で調製され、水に0.6%まで希釈された。表面張力は表面張力計器(Kruss Processor Tensiometer K−12)で検査され、5の複写物からの結果が表3に報告された。表3は検査結果を示す。
【0097】
【表3】

【0098】
高分子界面活性剤(5605−192)は泡沫を増大するのに通常用いられるベンチマーク(コカミドプロピルベタイン)と同等の表面張力を有することは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又はそれ以上の疎水的に改質されたポリアクリルアミドを含む組成物であって、前記ポリアクリルアミドは、1又はそれ以上のアニオン性モノマであるアクリルアミドを含み、カチオン性モノマを含まないことを特徴とする組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物において、前記ポリアクリルアミドが少なくとも約50モルパーセントのアクリルアミドからなることを特徴とする組成物。
【請求項3】
請求項2に記載の組成物において、前記ポリアクリルアミドが約0.1ないし約10モルパーセントの1又はそれ以上の疎水性アミンでのアミド基転移によって改質されることを特徴とする組成物。
【請求項4】
請求項2に記載の組成物において、前記ポリアクリルアミドが約0.1ないし約50モルパーセントの1又はそれ以上の疎水性アミンでのアミド基転移によって改質されることを特徴とする組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の組成物において、前記アニオン性モノマがアクリル酸と、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸と、スチレンスルホン酸とからなる群から選択されることを特徴とする組成物。
【請求項6】
請求項3に記載の組成物において、前記疎水性アミンがCないしC22アルキルアミンと、アミノ基で官能化されたシリコーンとからなる群から選択されることを特徴とする組成物。
【請求項7】
請求項5に記載の組成物において、前記疎水性アミンがCないしC22アルキルアミンと、アミノ基で官能化されたシリコーンとからなる群から選択されることを特徴とする組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の組成物において、前記ポリアクリルアミドがアクリルアミド/アクリル酸のコポリマであることを特徴とする組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の組成物において、前記疎水的に改質されたポリアクリルアミドが、約10,000ないし10,000,000の重量平均分子量を有することを特徴とする組成物。
【請求項10】
請求項8に記載の組成物において、前記アルキルアミンがオクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミンからなる群から選択されることを特徴とする組成物。
【請求項11】
請求項8に記載の組成物において、前記アルキルアミンがアミノ基で官能化されたシランからなる群から選択されることを特徴とする組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の組成物が、1又はそれ以上の美容上許容可能な賦形剤を更に含むことを特徴とする組成物。
【請求項13】
請求項12に記載の組成物が、活性成分に基づき、約0.01ないし約40重量パーセントの疎水的に改質されたポリアクリルアミドを含むことを特徴とする組成物。
【請求項14】
請求項12に記載の組成物において、前記賦形剤が、水、糖類、界面活性剤、湿潤剤、ワセリン、鉱油、脂肪アルコール、脂肪エステルの皮膚軟化剤、ワックス及びシリコーン含有ワックス、シリコーンオイル、シリコーン油、シリコーン界面活性剤、揮発性炭化水素油、四級窒素化合物、アミノ基で官能化されたシリコーン、コンディショニングポリマ、レオロジー改質剤、抗酸化剤、日焼け止めの活性剤、約C10ないしC22の二長鎖型アミン、約C10ないしC22の長鎖脂肪アミン長鎖脂肪アミン、脂肪アルコール、エトキシ化脂肪アルコール、ならびに二テイル型のリン脂質からなる群から選択されることを特徴とする組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の組成物において、当該組成物が、洗髪剤、アフターシェーブローション、日焼け止め、ローション、ハンドクリーム及びボディクリーム、液状せっけん、棒状石けん、棒状の浴剤、ひげそり用クリーム、食器用洗剤、洗剤、表面洗浄剤、使い捨ての雑巾、コンディショナ、ラテックス塗料、パーマネントウェーブ、縮毛矯正剤、ヘアブリーチ、毛髪のもつれをほぐすローション、スタイリングジェル、スタイリンググレーズ、噴霧泡剤、スタイリングクリーム、スタイリングワックス、スタイリングローション、ムース、噴霧ジェル、ポマード、ボディソープ、気泡剤、ヘアカラーリング剤、一時的及び永続的なヘアカラー、カラーコンディショナ、ヘアライトナ、カラーリング及び非カラーリングのヘアリンス、毛髪着色剤、ウェーブヘアセット、パーマネントウェーブ、カーリング、ストレートヘアアイロン、整髪補助剤、ヘアトニック、ヘアドレッシング及び酸化物、スプリッツ、スタイリングワックス、ならびにバルサムからなる群から選択されることを特徴とする組成物。
【請求項16】
ベースを処理する方法であって、請求項1の組成物を前記ベースに塗布するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
家庭的な表面を処理する方法であって、請求項1の組成物を家庭用途で表面に、あるいは産業用途で表面に塗布するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、前記ベースが毛髪、皮膚、爪、ケラチンを含有するベース、硬表面、カーペット、布地、木材、プラスチックを含有する組成物、及びビニルからなる群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法において、前記疎水的に改質されたポリアクリルアミドが1又はそれ以上の非イオン性モノマを更に含むことを特徴とする方法。

【公表番号】特表2010−539100(P2010−539100A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524260(P2010−524260)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/076001
【国際公開番号】WO2009/036160
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(507248837)ナルコ カンパニー (91)
【Fターム(参考)】