説明

瘻孔カテーテル

【課題】流動食や栄養剤等を供給するに際して扱いやすい瘻孔カテーテルを得る。また、誤って抜去されるのを抑制することのできる瘻孔カテーテルを得る。
【解決手段】2つの瘻孔に掛け渡して装着され、内臓内に流体を供給する供給口36が形成されたチューブ3と、瘻孔の体表側においてチューブ3に接続される体外固定具1とを備えた瘻孔カテーテル100であって、体外固定具1は、内部に流路15を有し、第一部分31と連通状態に接続される第一固定具10と、内部に流路25を有し、第二部分32と連通状態に接続される第二固定具20と、第一固定具10の内部の流路15と第二固定具20の内部の流路25とを連通させるようにして、第一固定具10と第二固定具20とを連結する固定具連結部13、23と、第一固定具10に設けられ第一固定具10及び第二固定具20の内部の流路に連通する投与部14とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の消化管内に流動食や栄養剤等の流体物を供給するために用いられる瘻孔カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢や疾病により自力で口から食べ物を摂取する機能が低下した人(以下、患者と記す。)に対して、瘻孔カテーテルを用いて流動食や栄養剤等を供給する経腸栄養投与が行われている。経腸栄養投与においては、患者の腹部に瘻孔(胃瘻)を造設し、この瘻孔に瘻孔カテーテルを装着し、瘻孔カテーテルを通じて患者に流動食等を供給する。
【0003】
このような経腸栄養投与等に用いられる瘻孔カテーテルとして、従来、患者の腹部に設けられた1つの瘻孔に通される1本のチューブと、チューブの一端側に取り付けられた体内固定具と、チューブの他端側に取り付けられた体外固定具とを備えたものが知られている。このような瘻孔カテーテルにおいては、体内固定具を内臓壁(胃壁等)の内側に設置するとともに体外固定具を体壁(腹壁等)の外側に設置し、体内固定具と体外固定具との間に患者の体壁と内臓壁とが固定される。
【0004】
上述のような従来の瘻孔カテーテルの体内固定具の一つとして、一般にバンパー型と称される体内固定具が知られている。このバンパー型の体内固定具を瘻孔に装着する際には、まず、棒状の伸展具を用いてバンパーを伸展させ細くした状態で瘻孔に挿入する。そして、体内に挿入されたバンパーから伸展具を外すことで、バンパーを拡径した元の状態に戻させ、バンパーを体内固定具として機能させる。バンパー型の体内固定具を抜去する際には、装着時と逆の手技となる。
【0005】
ところが、上述のようなバンパー型の体内固定具の中には、バンパーを伸展させて細くしても瘻孔より径の大きいものがあり、瘻孔カテーテルを瘻孔に装着あるいは抜去する際に瘻孔を傷つけてしまうおそれがあった。
【0006】
そこで、瘻孔カテーテルをより少ない外傷で交換可能とすることを目的として、患者に2つの瘻孔を形成し、瘻孔カテーテルを構成するチューブが一方の瘻孔を通って患者の内臓壁の内側に入り、さらに他方の瘻孔を通って患者の体表側に出てくるように構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の瘻孔カテーテルにおいては、体表側に露出したチューブの一端側と他端側とを横に並べた状態で受ける「クランプ」を設ける、体表側に露出したチューブの一端側と他端側とを結んで結び目を設ける、等の構成によって瘻孔に対してチューブを保持するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2011−500141号公報(第7頁〜第9頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、瘻孔カテーテルにおいては、患者や介護者によって誤って抜去されるのを抑制する必要性から、体表側にてチューブを保持する体外固定の機能が重要となる。また、体表側に露出した瘻孔カテーテルのチューブは、シリンジ等を使って流動食や栄養剤等を供給するために日常的に使用される部分である。
しかしながら、上記特許文献1には、体表側にてチューブを保持する「クランプ」や結び目について記載があるものの、シリンジ等によって流動食や栄養剤等を供給するための具体的な構成について記載されていない。このような背景から、流動食や栄養剤等を供給するに際して扱いやすく、また、誤って抜去されるのを抑制することのできる瘻孔カテーテルが望まれていた。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、流動食や栄養剤等を供給するに際して扱いやすい瘻孔カテーテルを提供するものである。また、誤って抜去されるのを抑制することのできる瘻孔カテーテルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る瘻孔カテーテルは、2つの瘻孔に掛け渡して装着され、内臓内に流体を供給する供給口が形成されたチューブと、前記瘻孔の体表側において前記チューブに接続される体外固定具とを備えた瘻孔カテーテルであって、前記チューブは、前記チューブの一端側から前記供給口に連なり、一方の前記瘻孔に挿入される第一部分と、前記チューブの他端側から前記供給口に連なり、他方の前記瘻孔に挿入される第二部分とを有し、前記体外固定具は、内部に流路を有し、前記第一部分と連通状態に接続される第一固定具と、内部に流路を有し、前記第二部分と連通状態に接続される第二固定具と、前記第一固定具の内部の流路と前記第二固定具の内部の流路とを連通させるようにして、前記第一固定具と前記第二固定具とを連結する固定具連結部と、前記第一固定具または前記第二固定具に設けられ、外部からの流体の投与を受け付ける開口を有し、前記第一固定具及び前記第二固定具の内部の流路に連通する投与部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る瘻孔カテーテルによれば、体外固定具によってチューブが体内に引き込まれるのを抑制することができるとともに、シリンジ等の供給管から栄養剤等の供給を受けることができるので、栄養剤等を供給する際の扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1に係る瘻孔カテーテルの側面図である。
【図2】実施の形態1に係る瘻孔カテーテルの、第一固定具と第二固定具を分離させた状態を示す側面図である。
【図3】実施の形態1に係る瘻孔カテーテルのチューブを説明する図である。
【図4】実施の形態1に係る体外固定具を説明する図である。
【図5】実施の形態1に係る体外固定具の、第一固定具と第二固定具を分離させた状態を説明する図である。
【図6】実施の形態1に係る瘻孔カテーテルを瘻孔に設置する際の作用を説明する図である。
【図7】実施の形態1に係る瘻孔カテーテルを交換する際の作用を説明する図である。
【図8】実施の形態2に係る瘻孔カテーテルのチューブを説明する図である。
【図9】実施の形態3に係る瘻孔カテーテルのチューブを説明する図である。
【図10】実施の形態4に係る瘻孔カテーテルのチューブを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る瘻孔カテーテルの実施の形態について図面を参照して説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る瘻孔カテーテルの側面図である。また、図2は、実施の形態1に係る瘻孔カテーテルの、第一固定具と第二固定具を分離させた状態を示す側面図である。また、図3は、実施の形態1に係る瘻孔カテーテルのチューブを説明する図である。図3(a)はチューブをまっすぐにした状態の要部側面図、図3(b)はチューブを曲げた状態の要部側面図である。なお、各図においては、各部材の大小関係が実際の物とは異なる場合がある。また、図1〜図3及び後述の各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
【0015】
[瘻孔カテーテルの構成]
図1、図2に示すように、瘻孔カテーテル100は、体外固定具1と、体外固定具1に取り付けられたチューブ3とを備えている。
【0016】
図1、図2に示す体外固定具1は、瘻孔カテーテル100が患者の瘻孔に装着された状態において患者の体表側に配置され、瘻孔カテーテル100が体内側に引き込まれるのを抑制するためのものである。体外固定具1は、第一固定具10と第二固定具20とを備えている。第一固定具10はチューブ3の一端側に接続され、第二固定具20はチューブ3の他端側に接続される。図2に示すように、第一固定具10と第二固定具20は初期状態(患者に装着されて瘻孔カテーテルとして機能する前の状態)では分離された状態である。患者に瘻孔カテーテル100が装着されて使用される際には、図1に示すように、第一固定具10と第二固定具20とが連結されて一体化された状態となる。
【0017】
(チューブ)
チューブ3は、瘻孔に挿入され、栄養剤等の流体を通過させて患者の内臓壁の内側に供給する機能を有する。チューブ3は、内部に流体物を通過させるための内腔を有し、両端が貫通した管状の部材である。チューブ3は、例えばポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂等の柔軟で可撓性を有する合成樹脂材料で構成されている。
【0018】
図3に示すように、チューブ3の略中央近傍の周壁には、チューブ3の軸方向とほぼ直交する向きで形成された2つの切れ目30a、30b(切欠部)が設けられている。切れ目30a、30bによってチューブ3は分断されておらず、切れ目30a、30bに対応する周壁の一部が接続部34a、34bとして残っている。ここで、便宜上、切れ目30aよりもチューブ3の端部側の部分を第一部分31、切れ目30bよりもチューブ3の端部側の部分を第二部分32、切れ目30aと切れ目30bの間の部分を中央部分33と称する。切れ目30a、30bの深さを厳密に規定するものではないが、切れ目30a、30bを開くようにしてチューブ3を曲げたときに、中央部分33に対して第一部分31と第二部分32がそれぞれほぼ直交する向きとなるように容易に曲げられる程度の深さとするのが好ましい。また、中央部分33の長さが、10mm〜30mm程度の長さとなるようにして、切れ目30a及び切れ目30bを設けるのが好ましい。なお、中央部分33は、後述するように瘻孔に設置された際に体内固定部として機能する部分であり、この機能を発揮するに際して適当な長さとなるよう中央部分33の長さを設定すればよく、上記数値に限定するものではない。
【0019】
第一部分31の中央部分33と隣接する側の端部開口は、瘻孔カテーテル100を瘻孔に設置した際に内臓壁の内側に栄養剤等の流体を投与する口となる部分であり(図6参照)、供給口36aと称する。第二部分32の中央部分33と隣接する側の端部開口も同様であり、供給口36bと称する。
【0020】
また、チューブ3には、2つのリング35a、35b(以下、リング35と総称する場合がある)が設けられている。リング35は、硬度が高いポリウレタン、チタン、ステンレス、ポリカーボネート等のチューブ3よりも硬質の材料で構成された環状の部材であり、本発明の開口保持部材に相当する。リング35aは、第一部分31の中央部分33と隣接する側の端部(供給口36a)の内腔に嵌入されている。リング35bは、同様にして、第二部分32の中央部分33と隣接する側の端部(供給口36b)の内腔に嵌入されている。リング35の外周面は、第一部分31または第二部分32の内腔の内周面と密着しており、容易にはリング35が第一部分31または第二部分32から脱落しないようになっている。なお、リング35の外周面と第一部分31または第二部分32の内周面とを、接着剤により接着してもよい。
【0021】
なお、本実施の形態1では、リング35をチューブ3の内腔に取り付ける例を示したが、チューブ3の外周にリング35を取り付けてもよい。その場合には、リング35の内周面とチューブ3の外周面とを、接着剤により接着するとよい。
また、環状のリング35に代えて、例えば略C字状(円弧状)の部材を開口保持部材として設けてもよく、同様の効果を奏することができる。
また、リング35は、第一部分31及び第二部分32の端部を開口状態に維持するための部材であり、チューブ3の剛性によって第一部分31及び第二部分32の端部の開口状態を維持できる場合には、リング35を設けない構成とすることもできる。
【0022】
(体外固定具)
次に、体外固定具1について詳細に説明する。
【0023】
図4は、実施の形態1に係る体外固定具を説明する図である。図4(a)は第一固定具10と第二固定具20が連結された状態の体外固定具1の正面図、図4(b)は同じく縦断面図、図4(c)は同じく底面図である。図5は、実施の形態1に係る体外固定具の、第一固定具と第二固定具を分離させた状態を説明する図である。図5(a)は体外固定具1の正面図、図5(b)は同じく縦断面図、図5(c)は同じく底面図である。
以下、図1〜図5を参照して体外固定具1について説明する。
【0024】
第一固定具10は、側面から見てほぼT字状の流路15が内部に形成された部材であり(図4(b)、図5(b)参照)、栄養剤等を投与するためのシリンジやチューブ等の供給管(図示せず)とチューブ3とを連通させる機能を有する。第一固定具10は、チューブ接続部11と、チューブ保持部12と、固定具連結部13と、投与部14とを備える。
また、第二固定具20は、内部に流路25が形成された部材であり(図4(b)、図5(b)参照)、第一固定具10とチューブ3とを連通させる機能を有する。第二固定具20は、チューブ接続部21と、チューブ保持部22と、固定具連結部23とを備える。
第一固定具10と第二固定具20は、ポリカーボネート等の比較的剛性を有する合成樹脂材料で構成されている。
【0025】
チューブ接続部11、21は、略円筒状の部材であり、チューブ3の端部内腔に挿入されてチューブ3と体外固定具1とを一体化する。チューブ接続部11、21の内腔は、それぞれ流路15、25の一部を構成するとともに、チューブ3の内腔と連通する。チューブ接続部11、21の外径は、チューブ3の内径とほぼ同じか若干大きい寸法であり、チューブ接続部11、21の外周面とチューブ3の内周面とが接触することによる摩擦によって、両者は水密状態で接続される。また、本実施の形態1では、チューブ接続部11、21の外周面に、径方向外側に突出する環状の突起部111、211が隆起しており、この突起部111、211が柔軟性を有するチューブ3に係合することで、両者の接続状態を強固なものとしている。なお、突起部111、211は、チューブ接続部11、21とチューブ3との接続状態を強固にするための構成の一例であり、任意の他の構成を採用してもよいし、このような構成を設けなくてもよい。
【0026】
チューブ保持部12、22は、チューブ3の第一部分31と第二部分32とを互いに対して保持するための構造である。
チューブ保持部12は、第一固定具10から第二固定具20側に向かって延びる軸部121と、軸部121の先端に設けられた嵌合部122とを備える。嵌合部122は、平面的に見てほぼU字状であり、そのU字の開口部分は第二固定具20に対面している。嵌合部122の内径は、チューブ接続部21に接続されたチューブ3の外径とほぼ同じか若干小さい寸法であり、嵌合部122内にチューブ3を嵌入可能であるが嵌入されたチューブ3が容易には抜けないような寸法である。
チューブ保持部22は、第二固定具20から第一固定具10側に向かって延びる軸部221と、軸部221の先端に設けられた嵌合部222とを備える。嵌合部222は、平面的に見てほぼU字状であり、そのU字の開口部分は第一固定具10に対面している。嵌合部222の内径は、チューブ接続部11に接続されたチューブ3の外径とほぼ同じか若干小さい寸法であり、嵌合部222内にチューブ3を嵌入可能であるが嵌入されたチューブ3が容易には抜けないような寸法である。
【0027】
嵌合部122内にチューブ3の第二部分32が保持され、嵌合部222内にチューブ3の第一部分31とが保持され、これによって、チューブ3の両端部側同士(第一部分31と第二部分32)が互いに対して保持される。
【0028】
固定具連結部13、23は、流路15と流路25とが連通するようにして第一固定具10と第二固定具20とを連結するための構造である。
固定具連結部13は、第二固定具20側に向かって延びる雄ルアー部131と、雄ルアー部131の外周を囲む周壁132と、周壁132の先端部に形成された係合部133とを備える。また、固定具連結部23は、第一固定具10側に向かって延びる雌ルアー部231と、雌ルアー部231の先端外周部に形成された係止爪232とを備える。係止爪232は、係合部133に対して近づく方向であれば係合部133を乗り越えることができるが、いったん係合部133を乗り越えると係合部133に係合されて外れない形状を有している。
【0029】
雄ルアー部131が雌ルアー部231内に嵌入されるとともに、係止爪232が係合部133に係合されることにより、第一固定具10と第二固定具20とが連結される。雄ルアー部131と雌ルアー部231との嵌合構造により、第一固定具10の流路15と第二固定具20の流路25とが連通する。また、係止爪232と係合部133との係合構造により、第一固定具10と第二固定具20とが分離不能に連結される。固定具連結部13と固定具連結部23とによって第一固定具10と第二固定具20とを分離不能とすることで、患者等が誤って外してしまいにくく、また、内部を流れる流体により滑って外れるということも抑制でき、また、液漏れも抑制できる。
【0030】
なお、本実施の形態1では、固定具連結部13と固定具連結部23とを、分離不可能な構造としているが、固定具連結部13と固定具連結部23とを分離可能な構成としてもよい。
【0031】
投与部14は、ほぼ水平に延びる略円筒状の部材であり、栄養剤等を供給する管やシリンジ等(図示せず。以下、供給管と総称する場合がある)に接続されて、この供給管と体外固定具1とを連通させる機能を有する。投与部14の内腔は、流路15の一部を構成している。投与部14は、本実施の形態1では雌ルアーコネクタとして形成されており、投与部14の内腔に供給管の雄ルアーコネクタが挿入されることによって、両者が接続される。なお、投与部14における供給管との接続構成は一例であり、例えば、ネジ止めや、凹部と凸部による係合構造など、任意の接続構造を採用することができる。
【0032】
なお、投与部14の開口端を開閉するキャップを設けてもよい。このようにすることで、供給管が接続されていないときには投与部14を閉塞することができ、体外固定具1からの液漏れを防止することが可能となる。
また、投与部14の内部に、供給管からの流体の流通は可能であるが逆方向への流通を阻止する逆止弁や一方弁を設けてもよい。このようにすることで、体外固定具1からの液漏れを防止することが可能となる。
【0033】
このような構成の体外固定具1において、第一固定具10と第二固定具20とが連結されることにより、体外固定具1の内部には、全体として、ほぼ水平に延びる流路と、この流路から下方に向かって延びる2本の流路とが形成される(図4(b)参照)。供給管(図示せず)から供給される流体は、投与部14を介して第一固定具10の流路15内を通り、チューブ3の第一部分31側に供給されるとともに、第一固定具10を介して第二固定具20の流路25を通り、チューブ3の第二部分32側に供給される。
【0034】
なお、本実施の形態1では、チューブ保持部12、22による接続構造と、固定具連結部13、23という2種類の接続構造によってチューブ3の端部同士(第一部分31と第二部分32)を互いに保持しており、第一部分31と第二部分32との保持構造が強固なものとなっているが、チューブ保持部12、22を設けない構成とすることができる。例えばチューブ保持部12、22を設けない場合であっても、固定具連結部13、23による連結構造により、第一固定具10と第二固定具20との接続を介して、チューブ3の第一部分31と第二部分32とは互いに保持しあうことができる。
【0035】
また、本実施の形態1では、供給管からの流体の投与を受ける投与部を第一固定具10に設ける例を示したが(投与部14)、これに代えて、同様の投与部を第二固定具20に設けてもよい。
【0036】
[瘻孔カテーテルの作用]
次に、実施の形態1に係る瘻孔カテーテルの作用を説明する。
【0037】
(瘻孔カテーテル設置時)
まず、瘻孔カテーテル100を患者の瘻孔に設置する際の作用を説明する。図6は、実施の形態1に係る瘻孔カテーテルを瘻孔に設置する際の作用を説明する図である。図6(a)〜(d)は順に、瘻孔カテーテル100を瘻孔に設置する際の流れを示している。また、図6では、患者に形成された瘻孔61a、61b、胃壁等の内臓壁62、及び腹壁63を併せて図示している。
【0038】
まず、術者は、患者の口または鼻から胃内に内視鏡を挿入する。次に、術者は、内臓内に十分に気体(例えば二酸化炭素)を供給して内臓を膨張させて内臓壁62と腹壁63とを密着させ、この状態で内臓壁62と腹壁63とを固定する。次に、2箇所に皮膚切開を行ってそれぞれに針を刺し、2つの瘻孔61a、61bを設ける。このとき、2つの瘻孔61a、61b間の距離は、瘻孔カテーテル100の中央部分33の長さとほぼ同じとする。そして、図6(a)に示すように、ガイドワイヤー50を、一方の瘻孔61aから内臓壁62の内側に入って他方の瘻孔61bから体表側に出てくるようにして、瘻孔61a、61bに通す。
【0039】
次に、図6(b)に示すように、チューブ3の先端に取り付けられたダイレーター52を瘻孔61aの皮膚切開部分に挿入し、ダイレーター52でこの切開部分を拡げながら、チューブ3をガイドワイヤー50に沿って瘻孔61aに挿入する。このとき、チューブ3には切れ目30が設けられているとともにリング35が取り付けられているものの、第一固定具10及び第二固定具20は接続されていない状態である。ガイドワイヤー50に沿ってチューブ3を押し進めていくと、チューブ3は、一方の瘻孔61aの体表側から内臓壁62の内側に入り、さらに、他方の瘻孔61bの内臓壁62の内側から体表側へと出てきて、図6(c)に示す状態となる。チューブ3を瘻孔61a、61bに配置した後は、ダイレーター52を除去するために、体表側に露出したチューブ3の第二部分32を患者の内臓壁62、腹壁63の厚さに合わせて適切な位置で切断する。また、切断後の第二部分32と長さを揃えるため、必要に応じて第一部分31を切断する。
【0040】
図6(c)に示すように、チューブ3は、2つの瘻孔61a、61bに掛け渡され、側面から見てほぼU字型に配置されることとなる。より詳しくは、チューブ3の第一部分31は一方の瘻孔61a内に挿入され、第二部分32は他方の瘻孔61b内に挿入された状態になる。そして、切れ目30a及び切れ目30bが開き、接続部34a、34bにおいてチューブ3の周壁が曲がることにより、中央部分33が内臓壁62の内側においてほぼ水平に延びている。第一部分31、第二部分32の下端部(リング35が取り付けられた部分)は、内臓壁62の内面とほぼ同じ位置か、それよりも内側(内臓の内部)に位置する。柔軟なチューブ3に対して硬質のリング35を設けたことで、チューブ3の接続部34a、34bが屈曲しやすくなり、第一部分31、第二部分32、及び中央部分33を適切な位置に配置することができる。すなわち、チューブ3は柔軟な材料であるため、例えば接続部34a、34b以外の箇所において屈曲して、第一部分31、第二部分32、及び中央部分33を図6(c)に示す状態に配置できないおそれがあるが、本実施の形態1によればそのような可能性を低減でき、適切な位置にチューブ3を容易に配置することが可能である。
【0041】
また、チューブ3の軸方向に対してほぼ垂直に設けられた切れ目30a、30bによって供給口36a、36bの開口面が形成されていることから、第一部分31、第二部分32、及び中央部分33が適切に配置されると(中央部分33が内臓壁62の内側に配置され、中央部分33が過度に内臓壁62に食い込んでいない状態)、供給口36a、36bの開口面は、内臓壁62の内面とほぼ同一平面かやや内臓内に突出した状態となる。このため、供給口36a、36bの周囲のチューブ3の周壁が内臓壁62に食い込みにくく、内臓壁62を傷つけにくい。
【0042】
また、2つの瘻孔61a、61bの距離と中央部分33の長さとがほぼ一致しているため、内臓壁62の内側において瘻孔61a、61bの距離は一定に保たれる。このため、患者が動いたり瘻孔カテーテル100が動かされたりした場合でも、瘻孔61a、61b同士が過度に引き寄せられたり、またそれによってチューブ3が瘻孔61a、61bに食い込んだりといったことも生じにくく、患者に対する侵襲が少ない。
【0043】
また、チューブ3の第一部分31及び第二部分32の上端部は、瘻孔61a、61bから体表側に所定長さだけ露出している。なお、第一部分31及び第二部分32を長めに構成しておき、体表側に露出した第一部分31及び第二部分32を患者の体壁(内臓壁62と腹壁63)の厚みに合わせて切断してもよい。このようにすることで、患者の体型によらず適用することのできる瘻孔カテーテル100を得ることができる。また、第一部分31及び第二部分32を切断しやすいよう、第一部分31及び第二部分32に目盛りを設けておいてもよい。
【0044】
次に、瘻孔61a、61bから体表側に露出した第一部分31の端部に体外固定具1の第一固定具10を接続するとともに、第二部分32の端部に第二固定具20を接続する。そして、第一固定具10と第二固定具20とを、固定具連結部13と固定具連結部23により接続すると、図6(d)に示す状態となる。以上で、瘻孔61a、61bへの瘻孔カテーテル100の設置が終了する。
【0045】
瘻孔カテーテル100を設置した後は、術者は、第一固定具10の投与部14に供給管(図示せず)を接続し、供給管を介して栄養剤等の流体を体外固定具1に供給する。供給された流体は、投与部14から体外固定具1の第一固定具10の流路15(図4等参照)に入り、その一部はチューブ3の第一部分31を通り、第一部分31の下端部の供給口36aから内臓壁62の内側へと落下する。また、流路15に供給された流体の一部は、第二固定具20の流路25内へと進み、チューブ3の第二部分32を通り、第二部分32の下端部の供給口36bから内臓壁62の内側へと落下する。
【0046】
このように、本実施の形態1の体外固定具1は、患者の体表側においてチューブ3が体内に引き込まれるのを抑制する体外固定の機能を発揮するとともに、シリンジ等の供給管から栄養剤等の投与を受ける供給口としても機能することができる。
【0047】
本実施の形態1の体外固定具1は、チューブ保持部12が第二部分32を保持するとともに、チューブ保持部22がチューブ3の第一部分31を保持するように構成している。すなわち、体表側に露出した2本のチューブ(第一部分31と第二部分32)が、チューブ保持部12、22を介して互いに保持しあう構成である。このため、チューブ3が体外固定具1から外れにくく、患者や介護者によって誤って瘻孔カテーテル100が瘻孔61a、61bから抜去されるのを抑制することができる。
【0048】
また、体外固定具1は投与部14を備え、投与部14にシリンジ等の供給管を接続することで栄養剤等を瘻孔カテーテル100に供給でき、栄養剤等を供給する際の扱いが容易である。
【0049】
また、中央部分33は、内臓壁62の内側において、瘻孔61aから瘻孔61bに掛け渡されるようにして配置される。このため、中央部分33は、体内固定部として機能し、チューブ3が体表側へ引き抜かれるのを抑制することができる。
【0050】
また、瘻孔カテーテル100は、一般にバンパー型と称されるような体内固定部を備えておらず、チューブ3の一部(中央部分33)が体内固定部として機能する。すなわち、瘻孔カテーテル100において瘻孔61a、61bを通過するのは、チューブ3のみであり、従来のバンパー型の体内固定部と比べて挿入抜去時の瘻孔61a、61bの損傷を低減することができる。
【0051】
(瘻孔カテーテル交換時)
上記のようにして患者に設置された瘻孔カテーテル100は、例えば1か月〜4か月程度の間隔で交換が必要となる。次に、患者に設置した瘻孔カテーテル100を交換する際の作用を説明する。図7は、実施の形態1に係る瘻孔カテーテルを交換する際の作用を説明する図である。図7(a)〜(c)は順に、瘻孔カテーテル100を交換する際の流れを示している。
【0052】
図7(a)に示すように、まず、体表側に露出したチューブ3の端部側のうちいずれか一方(第一部分31または第二部分32)を、ハサミ等により切断する。図6(a)では、第一部分31を線A1に沿って切断する例を示している。
【0053】
次に、図7(b)に示すように、切断したチューブ3の端部に、新しいチューブ3Aを接続する。なお、チューブ3Aは、チューブ3と同じものであるが、ここでは、区別するために符号「3A」を付して説明する。また、図7(b)では、図示の関係上、体外固定具1の図示を省略している。図7(b)では、チューブ3とチューブ3Aとの接続構造として、略棒状のコネクタ51を例示している。このコネクタ51は、チューブ3とチューブ3Aとの接続部分の内腔内に取り付けられるものであり、コネクタ51の外周面とチューブ3、チューブ3Aの内周面とが密着し、コネクタ51を介してチューブ3とチューブ3Aとが接続される。なお、チューブ3とチューブ3Aとを接続するための構造は任意のものを採用することができるが、その際、瘻孔61a、61bへの損傷を低減する観点から、接続部分において径が拡大しないようなものを採用することが望ましい。
【0054】
チューブ3とチューブ3Aとを接続すると、図7(b)に示すように、チューブ3の第二部分32(チューブ3Aを接続した端部とは反対側の部分)を体表側へ引っ張る(図7の矢印X参照)。このようにすると、チューブ3に接続されたチューブ3Aの端部は、チューブ3に引かれて瘻孔61a内に入り、内臓壁62の内側を通り、もう一方の瘻孔61bを通って体表側に出てきて、図7(c)に示す状態となる。
【0055】
図7(c)に示すように、チューブ3Aは、図6(c)にて前述したのと同様に、2つの瘻孔61a、61bに対し、側面から見てほぼU字型に配置されることとなる。次に、術者は、体表側にてチューブ3Aの第一部分31と第二部分32とを、所定の長さに切りそろえる(図7(c)の矢印A2参照)。その後は、図6(d)にて前述したのと同様に、新たな体外固定具1をチューブ3Aに接続する。
【0056】
このように、本実施の形態1の瘻孔カテーテル100は、設置されているチューブ3と新たなチューブ3Aとを接続して行う交換方法により、瘻孔カテーテル100の交換を行うことができる。この交換方法によれば、コネクタ51の他には特別な道具を用いることなく交換が行え、手技が簡単であり、術者の作業負担を軽減できるとともに作業時間を短縮することができる。
【0057】
なお、設置されているチューブ3と新たなチューブ3Aとを接続して交換を行うほかに、ガイドワイヤー50を用いて交換を行うこともできる。具体的には、図7(a)のように設置されている瘻孔カテーテル100の体表側に露出した第一部分31と第二部分32とを切断して体外固定具1を外し、瘻孔61a、61bに設置されているチューブ3の内腔にガイドワイヤー50を通す。その後、チューブ3を取り除くと、図6(a)に示すように、ガイドワイヤー50が瘻孔61a、61bに通された状態となる。その後の手技については、図6で説明した通りである。
【0058】
瘻孔カテーテルを交換する際には、例えば内臓壁の内側に内視鏡を挿入して術者が画像診断を行いながら交換するのが好ましいが、在宅や設備の乏しい施設においてはそのような画像診断は困難であった。画像診断が行えない場合、1つの瘻孔に通される1本のチューブと体内固定具と体外固定具とで構成された従来の瘻孔カテーテルでは、例えば腹腔内への誤留置などの重大なトラブルが生じる可能性もあった。しかし、本実施の形態1の瘻孔カテーテル100は、既に設置されているチューブ3と新たなチューブ3Aとを接続して2つの瘻孔61a、61bを通して交換を行う。あるいは、ガイドワイヤー50を用いて既に設置されているチューブ3と新たなチューブ3Aとを交換する。いずれの手技を採用した場合でも、新たなチューブ3Aは、正常に設置されていたチューブ3と置き換わることとなる。このため、誤留置等のリスクは少なく、より確実に所望の位置に瘻孔カテーテル100を設置することができる。したがって、在宅や設備の乏しい施設においても、画像診断無しでより確実に瘻孔カテーテル100を交換することができる。
【0059】
また、本実施の形態1の瘻孔カテーテル100は、チューブ3の第一部分31、第二部分32を切断することで、チューブ3の長さを患者の体壁の厚みに合わせることができる。このため、患者の体型に合わせて数多くのサイズ展開を行う必要もなく、製造コストが低減できる。また、病院等の施設においても患者に合わせて他種類の瘻孔カテーテルを管理しておく必要がなく、保管スペースを節約できるとともに管理負担も軽減できる。
【0060】
実施の形態2.
本実施の形態2では、内臓壁の内側に栄養剤等の流体を供給する供給口(実施の形態1における供給口36a、36b)の変形例を説明する。なお、本実施の形態2は、供給口の構成に特徴を有するものであり、この点を中心に説明する。
【0061】
図8は、実施の形態2に係る瘻孔カテーテルのチューブを説明する図である。図8(a)はチューブ3をまっすぐにした状態の要部側面図、図8(b)はチューブ3を曲げた状態の要部側面図である。
【0062】
図8に示すように、チューブ3には、実施の形態1で示した切れ目30a、30bに代えて、切欠部として側孔37a、37b(以下、側孔37と総称する場合がある)が設けられている。側孔37は、チューブ3の軸方向とほぼ直交する向きの切断面と、その切断面の頂部からチューブ3の中央側に向かって傾斜する切断面とにより形成されている。側孔37は、側面から見ると上下を反転させたほぼV字状である。なお、側孔37によってチューブ3は分断されておらず、チューブ3の周壁の一部が接続部34a、34bとして残っている点については、実施の形態1と同様である。
【0063】
このような構成において、側孔37a、37bを開くようにしてチューブ3を曲げると、図8(b)に示す状態となる。本実施の形態2の供給口136a、136bは、側孔37a、37bを形成する切断面のうちチューブ3の軸方向とほぼ直交する向きの切断面によって形成される。供給口136a、136bは、実施の形態1と同様にチューブ3の軸方向に対してほぼ垂直に設けられた切断面により形成されるため、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0064】
実施の形態3.
本実施の形態3では、内臓壁の内側に栄養剤等の流体を供給する供給口(実施の形態1における供給口36a、36b)の変形例を説明する。なお、本実施の形態3は、供給口の構成に特徴を有するものであり、この点を中心に説明する。
【0065】
図9は、実施の形態3に係る瘻孔カテーテルのチューブを説明する図である。図9(a)はチューブ3をまっすぐにした状態の要部側面図、図9(b)は同じく要部底面図、図9(c)はチューブ3を曲げた状態の要部側面図である。
【0066】
図9に示すように、チューブ3には、実施の形態1で示した切れ目30a、30bに代えて、切欠部として側孔38a、38b(以下、側孔38と総称する場合がある)が設けられている。側孔38は、平面的に見て略円形または略楕円形の開口部である。なお、側孔38によってチューブ3は分断されておらず、チューブ3の周壁の一部が接続部34a、34bとして残っている点については実施の形態1と同様である。
【0067】
このような構成において、側孔38a、38bを開くようにしてチューブ3を曲げると、図9(c)に示す状態となる。本実施の形態3の供給口236a、236bは、側孔38の開口面の一部によって形成される。このようにしても、供給口236a、236bから栄養剤等の流体を内臓内に投与することができる。
【0068】
実施の形態4.
本実施の形態4では、内臓壁の内側に栄養剤等の流体を供給する供給口(実施の形態1における供給口36a、36b)の変形例を説明する。なお、本実施の形態4は、供給口の構成に特徴を有するものであり、この点を中心に説明する。
【0069】
図10は、実施の形態4に係る瘻孔カテーテルのチューブを説明する図である。図10(a)はチューブ3をまっすぐにした状態の要部側面図、図10(b)は同じく要部底面図、図10(c)はチューブ3を曲げた状態の要部側面図である。なお、図10(c)では、患者に形成された瘻孔61a、61b、胃壁等の内臓壁62、及び腹壁63を併せて図示している。
【0070】
図10に示すように、チューブ3には、実施の形態1で示した切れ目30a、30bに代えて、切欠部として1つの側孔39が設けられている。側孔39は、平面的に見て略円形または略楕円形の開口部である。そして、本実施の形態4の供給口336は、側孔39となる。また、実施の形態1とは異なり、チューブ3の側孔39を境とする両側の部分は、それぞれ、第一部分31、第二部分32と称され、実施の形態1における中央部分33に相当する構成がない。
【0071】
リング35a、35bは、図10(c)に示すようにチューブ3が瘻孔61a、61bに設置された状態において、内臓壁62とほぼ同一平面上に並ぶ位置に配置されている。すなわち、リング35a、35bは、チューブ3のうち体内固定部として機能する部分を規定する位置に配置されている。
【0072】
このように、1つの側孔39を設けてこれを供給口336としても、栄養剤等の流体を内臓内に投与することができる。1つの側孔39を設けた場合には、チューブ3は、側孔39を底部とするほぼU字状になるようにして、その周壁の柔軟性を利用して曲がることとなる。本実施の形態4の場合、瘻孔カテーテル100を瘻孔61a、61bに設置した際に、術者が側孔39(供給口336)を瘻孔61a、61bとの間に配置できるよう、チューブ3の第一部分31、第二部分32に挿入深さを示す目盛りを設けるようにするとよい。本実施の形態4によれば、側孔が1つであるため、複数の側孔を設ける場合と比べて製造工数が減り、瘻孔カテーテル100を安価に製造することができる。
【0073】
また、図10のように1つの側孔39を設けた場合において、リング35a、35bを設けない構成とすることもできるが、その場合、内臓壁62の瘻孔61a、61bの周囲においてチューブ3が折れ曲がって流路が遮断される可能性がある。したがって、流路を確実に保つという観点から、1つの側孔39を設けた場合にはリング35a、35bを設けるのが好ましい。このようにリング35a、35bを設けることにより、体内においてチューブ3の流路を確保しやすい。
【符号の説明】
【0074】
1 体外固定具、3 チューブ、3A チューブ、10 第一固定具、11 チューブ接続部、12 チューブ保持部、13 固定具連結部、14 投与部、15 流路、20 第二固定具、21 チューブ接続部、22 チューブ保持部、23 固定具連結部、25 流路、30 切れ目、30a 切れ目、30b 切れ目、31 第一部分、32 第二部分、33 中央部分、34a 接続部、34b 接続部、35 リング、35a リング、35b リング、36a 供給口、36b 供給口、37 側孔、37a 側孔、37b 側孔、38 側孔、38a 側孔、38b 側孔、39 側孔、50 ガイドワイヤー、51 コネクタ、52 ダイレーター、61a 瘻孔、61b 瘻孔、62 内臓壁、63 腹壁、100 瘻孔カテーテル、111 突起部、121 軸部、122 嵌合部、131 雄ルアー部、132 周壁、133 係合部、136a 供給口、136b 供給口、211 突起部、221 軸部、222 嵌合部、231 雌ルアー部、232 係止爪、236a 供給口、236b 供給口、336 供給口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの瘻孔に掛け渡して装着され、内臓内に流体を供給する供給口が形成されたチューブと、前記瘻孔の体表側において前記チューブに接続される体外固定具とを備えた瘻孔カテーテルであって、
前記チューブは、
前記チューブの一端側から前記供給口に連なり、一方の前記瘻孔に挿入される第一部分と、
前記チューブの他端側から前記供給口に連なり、他方の前記瘻孔に挿入される第二部分とを有し、
前記体外固定具は、
内部に流路を有し、前記第一部分と連通状態に接続される第一固定具と、
内部に流路を有し、前記第二部分と連通状態に接続される第二固定具と、
前記第一固定具の内部の流路と前記第二固定具の内部の流路とを連通させるようにして、前記第一固定具と前記第二固定具とを連結する固定具連結部と、
前記第一固定具または前記第二固定具に設けられ、外部からの流体の投与を受け付ける開口を有し、前記第一固定具及び前記第二固定具の内部の流路に連通する投与部とを備えた
ことを特徴とする瘻孔カテーテル。
【請求項2】
前記体外固定具は、
前記瘻孔から体表側に露出した前記チューブの前記第一部分と前記第二部分とを、互いに対して保持させるチューブ保持部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の瘻孔カテーテル。
【請求項3】
前記供給口として、
前記第一部分に連なる第一供給口と、
前記第二部分に連なる第二供給口とを備えた
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の瘻孔カテーテル。
【請求項4】
前記第一部分と前記第二部分との間に、これらと前記チューブの周壁により接続された中央部分を備えた
ことを特徴とする請求項3記載の瘻孔カテーテル。
【請求項5】
前記チューブの前記供給口は、
前記チューブの周壁を、周方向の一部を残して切り欠く切欠部により形成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の瘻孔カテーテル。
【請求項6】
前記切欠部は、前記チューブの軸方向にほぼ直交する切断面を有し、この切断面が前記供給口である
ことを特徴とする請求項5記載の瘻孔カテーテル。
【請求項7】
前記チューブよりも硬質の材料で構成され、前記供給口の開口状態を保持する開口保持部材を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の瘻孔カテーテル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−70812(P2013−70812A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211579(P2011−211579)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000228888)日本コヴィディエン株式会社 (170)
【Fターム(参考)】