説明

発光ダイオード照明装置

【課題】発光効率の向上とコスト低減とを共に図ることができる発光ダイオード照明装置を提供する。
【解決手段】円環状のレンズ本体2c、このレンズ本体の底面2aに形成された環状溝2d、このレンズ本体の少なくとも外周側の内側面に形成されてこの内側面に入射された光を投光面側へ全反射させる全反射面2c2を有する円環状レンズ2とこの円環状レンズの環状溝に光学的に対向配置されてこの環状溝の周方向に所要の間隔を置いて配置された複数の発光ダイオード装置3,3,3…とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光ダイオード装置を光源として使用した発光ダイオード照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード装置の発光効率の向上により、この発光ダイオード装置を光源とする一般照明用の発光ダイオード照明装置が商品化されている。
【0003】
例えば複数のパワー発光ダイオードを光源として使用した丸形のスポットライトやダウンライトも数多く商品化されている。
【0004】
そして、これら照明装置の一例としては、目的に適した配光制御のために各発光ダイオード装置毎にレンズをそれぞれ設け、これら各発光ダイオード装置と各レンズを器具本体に固定しているものが知られている(以下、従来技術1という)。
【0005】
また、複数の発光ダイオード装置を環状に配設し、これら発光ダイオード装置の発光を環状のレンズにより、その環状中心の試料に集光させるLED照明装置が知られている(例えば特許文献1参照。以下、従来技術2という)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007−10380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術1では、近年、発光ダイオード装置単体の発光効率が漸次向上しているために、その仕様変更や新しい照明装置が比較的短い期間で次々に提案されている。
【0008】
すなわち、発光ダイオード装置単体の光束が増加した場合には、1つの照明器具に必要な発光ダイオード装置の個数は減少するので、レンズの個数も減少する。
【0009】
このために、照明器具の変更も必要になる。すなわち、レンズは予め照明器具に固定されているために、照明器具は発光ダイオード装置の搭載個数に応じて専用設計されている。このために、発光ダイオード装置の搭載個数が変更されると、照明器具自体の見直しが必然的に必要になる。
【0010】
したがって、高効率の発光ダイオード装置を使用するためには照明器具体も短い期間で見直しが必要となり、開発コストが嵩むという課題がある。
【0011】
また、上記従来技術2では、環状のレンズに、その光軸に対し横方向から入射される複数の発光ダイオードからの発光については、この環状のレンズにより集光できず、横漏れ光として発光効率を低下させるという課題がある。
【0012】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、発光効率の向上とコスト低減とを共に図ることができる発光ダイオード照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施形態による発光ダイオード照明装置は、器具本体と;点灯装置と;周方向に所要の間隔を置いて発光ダイオードが基板に配置される複数の発光ダイオード装置と;を具備していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第一の実施形態に係る発光ダイオード照明装置によれば、円環状レンズの環状溝に、複数の発光ダイオード装置を、光学的に対向させて周方向に所要の間隔を置いて配設しているので、この円環状レンズの全体を発光させることができる。
【0015】
しかも、この円環状レンズの少なくとも外周側の内側面を全反射面に形成しているので、発光ダイオード装置からこの外周側内側面に入射した光を投光面側へ全反射させ、この外周側側面から外方へリークする横漏れ光を低減することができる。
【0016】
このために、環状レンズの投光面のほぼ全面を発光させることができるので、眩しさを低減できるとともに、発光効率を向上させることができる。
【0017】
そして、1枚の円環状レンズに複数の発光ダイオード装置を配設するので、1枚の円環状レンズにより発光ダイオード装置の個数の変更に容易に対応することができる。
【0018】
第二の実施形態に係る発光ダイオード照明装置によれば、円環状レンズの内周側の内側面において、光透過と乱反射が発生して拡散されるので、この内周側とその内方の環状中心部における明るさを向上させることができる。
【0019】
第三の実施形態に係る発光ダイオード照明装置によれば、環状のレンズ本体の内周側の側面で透過し、乱反射した光は投光面側の環状中心孔において、透明体に入射され、これを発光させる。このために、環状レンズの環状中心孔においても発光させることができるので、眩しさを一層低減することができる。なお、レンズ兼カバーと考えれば、カバーを必要とすることがなく、組立製造が容易となる。
【0020】
第四の実施形態に係る発光ダイオード照明装置によれば、発光素子である小形の発光ダイオードベアチップの複数を基板上に直接環状に実装するので、これら発光ダイオードベアチップの実装数を増加させることができる。このために、光束を増大させることができる。
【0021】
また、複数の発光ダイオードベアチップを基板に環状に配設するので、発光ダイオードベアチップの実装数を増加させ、またはその投入電力を増大させても、発光ダイオードベアチップの発生熱を基板の一点に集中させずに分散させることができ、放熱性を向上させることができる。
【0022】
このために、基板上の一点に熱が集中して発光ダイオードベアチップ自体の温度が上昇して発光効率が低下したり、熱が蛍光体に伝達されて蛍光体の量子効率が低下し出力光の発光色が変化してしまうという不具合を防止または低減することができる。
【0023】
さらに、複数の発光ダイオードベアチップを面状ではなく。環状、すなわち線状に配置するので、これら発光ダイオードベアチップの断面においては、点光源とほぼ同様の配光制御が可能であり、その分、円環状レンズの設計の容易性を向上させることができる。また、発光ダイオードベアチップが円環状レンズに対し同心円状に配設される場合には、見かけ上、その周方向に光が連続した滑らかな配光が得られる。
【0024】
第五の実施形態に係る発光ダイオード照明装置によれば、各発光ダイオードベアチップ同士間の距離の方が透光性樹脂部の幅寸法の2倍よりも短い。このために、発光ダイオードベアチップからその配設ピッチ方向に放射される光度の方が透光性樹脂部の幅方向に出力される光度よりも高くなるので、円環状レンズを透視して見える小形の発光ダイオードベアチップの投影が粒々となって見える現象を低減または防止できる。
【0025】
第六の実施形態に係る発光ダイオード照明装置によれば、円環状レンズと基板との間には、間隙があるので、この間隙を通して、発光ダイオードベアチップの発生熱を放熱できる。このために、さらに、放熱性を向上できる。
【0026】
第七の実施形態に係る発光ダイオード照明装置によれば、発光ダイオード装置で発光し、導光体の光入射面に入射された光は、導光体内の側面により繰り返し反射されつつ光出射面に導光される。したがって、仮に、発光ダイオード装置の発光中に光色が異なる複数の光が含まれていても、この発光が導光体内側面の反射の繰り返しにより、その光出射面側に導光されるまでに混合されるので、色むらを低減することができる。
【0027】
第八の実施形態に係る発光ダイオード照明装置によれば、導光体が光入射面側一端から光出射側他端に向けて漸次縮径しているので、導光体の光入射面側一端から光出射面側他端までの導光路の長さを縮小させることなく、導光体自体の光入射面側一端から光出射側他端までの軸方向長さ(高さ)を縮小させることができる。
【0028】
また、導光体の光出射面側一端の環径が縮径されるので、その縮径に合せて、この導光体の光出射面に対向する環状レンズの光入射側一端の環径を縮径できる。このために、環状レンズの小形化を図ることができる。
【0029】
第九の実施形態に係る発光ダイオード照明装置によれば、導光体の光出射面側の縮径方向の厚さが薄いので、その分、光出射面側の輝度を高めることができる。このために、レンズ効率を向上させることができる。
【0030】
第十の実施形態に係る発光ダイオード照明装置によれば、導光体の光出射面側一端が環状レンズの光入射面側端部に一体に連結されているので、これら両面が離間している場合に、これら両面間で発生する反射による反射損を防止または低減することができる。このために、レンズ効率を向上させることができる。
【0031】
第十一の実施形態に係る発光ダイオード照明装置によれば、発光色が異なる複数種類の発光ダイオードを具備していても、これら複数の発光色は上述したように主に導光体内で混合されるので、色むらを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る発光ダイオード照明装置の平面図。
【図2】図1のII矢視図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【図4】図1で示す発光ダイオード装置からの光の放射方向を示す平面的模式図。
【図5】図1で示す発光ダイオード照明装置の配光分布図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る発光ダイオード照明装置の要部縦断面図。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る発光ダイオード照明装置の発光ダイオード装置の平面図
【図8】本発明の第4の実施形態に係る発光ダイオード照明装置の平面図。
【図9】図8で示す発光ダイオード装置の平面図。
【図10】図9のX−X線断面図。
【図11】図8〜図10で示す発光ダイオードチップの電気配線図。
【図12】図8のXII−XII線断面図。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る発光ダイオード照明装置の要部縦断面図。
【図14】本発明の第6の実施形態に係る発光ダイオード照明装置の要部縦断面図。
【図15】本発明の第7の実施形態に係る発光ダイオード照明装置の要部縦断面図。
【図16】本発明の第8の実施形態に係る発光ダイオード照明装置の要部縦断面図。
【図17】本発明の発光ダイオード装置の他の実施形態を示す平面図。
【図18】本発明の発光ダイオード装置のさらに他の実施形態を示す平面図。
【図19】図18で示す発光ダイオード装置の光度を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、複数の添付図面中、同一又は相当部分には同一符号を付している。
【0034】
図1は本発明の第1の実施形態に係る発光ダイオード照明装置1の要部平面図、図2は図1のII矢視図、図3は図1のIII−III線断面図である。
【0035】
これら図1〜図3に示すように発光ダイオード照明装置1は、平面形状が円環形の円環状レンズ2と、複数の発光ダイオード装置3,3,3…を具備している。
【0036】
図1,図2に示すように円環状レンズ2は、その軸方向一端面である底面2aからその他端面である投光面2bに向けて漸次拡径する偏平椀状に形成された円環状のレンズ本体2cを具備している。レンズ本体2cの中心Oaには、その軸方向に貫通する所要大の中心孔2oを形成している。
【0037】
図3に示すようにレンズ本体2cは、その環状内周側の内側面2c1と、環状外周側の内側面2c2とを、外方に凸の円弧面により全反射面にそれぞれ形成している。
【0038】
また、レンズ本体2cは、その投光面2bをほぼ平坦面に形成する一方、底面2aにはその中央部にて、所要大の環状溝2dを同心状に形成している。環状溝2dの底面2d1も図3中、下方に凸の円弧面に形成して、その内面を全反射面に形成している。
【0039】
レンズ本体2cの底面2a側には、その環状溝2dの図3中下方にて、平面円形の複数の発光ダイオード装置3,3,3…を同心状に環状に配設している。これにより、各発光ダイオード装置3は環状溝2dに光学的に対向配置されている。
【0040】
すなわち、図1、図3に示すように各発光ダイオード装置3,3,3…は、その直径が環状溝2dの幅よりも若干小径に形成されており、環状溝2dの周方向に所要の等ピッチを置いて配設されている。
【0041】
各発光ダイオード装置3は、例えば砲弾形発光ダイオード装置であり、円筒形の外囲器3a内に、図示しない例えば青色発光の発光ダイオードチップと、例えば黄色発光の蛍光体を混合した合成樹脂を充填してなる外方に凸の集光レンズ3bとを形成している。
【0042】
すなわち、各発光ダイオード装置3は、発光ダイオードチップの青色発光を黄色発光蛍光体を黄色に発光させると共に、この青色発光と黄色発光蛍光体を混合させて白色光を集光レンズ3bから外部へ発光させるように構成されている。
【0043】
各発光ダイオードチップは円形の基板4上に立設されている。基板4は図示しない回路を形成しており、この回路により各発光ダイオードチップどうしを電気的に接続すると共に、図示しない点灯装置に電気的に接続されている。
【0044】
そして、発光ダイオード照明装置1はこれら円環状レンズ2、基板4、図示しない点灯装置を図示しない器具本体にそれぞれ固定している。
【0045】
したがって、図示しない点灯装置に所要のランプ電圧が印加されると、基板4の回路を介して各発光ダイオード装置3,3,3…にランプ電圧が印加される。
【0046】
このために、各発光ダイオード装置3の集光レンズ3bから白色光が出力される。これら白色光は円環状レンズ2の環状溝2d内の全方向へ放射される。
【0047】
そして、図4に示すように各発光ダイオード装置3から環状溝2dの底面2d1と、内周側の側面2d2と、外周側の側面2d3とに放射された白色光aは、これら底面2d1と両側面2d2,2d3からレンズ本体2c内に入射され、その内、外両側の全反射面2c1,2c2で全反射されて投光面2bから外部へ放射される。
【0048】
一方、各発光ダイオード装置3から環状溝2d内の周方向へ直線的に放射された光の一部bは環状溝2dの外周側の側面2d3に放射され、ここからレンズ本体2c内へ入射され、レンズ本体2c内の外周側の全反射面2d3で全反射されて投光面2bから外部へ投光される。
【0049】
さらに、この環状溝2dの周方向へ放射された光bのうち、環状溝2dの外周側の側面2d3の手前で溝底面2d1からレンズ本体2c内へ入射された光は、このレンズ本体2cの内部で内、外両側面の全反射面2c1,2c2で全反射されてから投光面2bより外部へ放射される。
【0050】
そして、円環状レンズ2の内周側の全反射面2c1では、この全反射面2c1に入射した光の殆どが投光面2b側へ全反射されるが、その若干はこの全反射面2c1で透過や乱反射をして、中心孔2o側へ出射され、中心孔2oの投光面2bから外部へ投光される。
【0051】
このために、円環状レンズ2の投光面2bのほぼ全面が発光すると共に、その中心孔2oからも投光されるので、眩しさを低減することができる。
【0052】
図5はこのように構成された発光ダイオード照明装置1を天井面5に取付けて、その下方を照明するダウンライトとして使用した場合の配向特性Aを示す。この配向特性Aは図5中下方に末広の配向を示す点に特徴がある。
【0053】
そして、発光ダイオード照明装置1は、円環状レンズ2の少なくとも外周側の内側面2c2を全反射面に形成しているので、発光ダイオード装置3からこの外周側内側面2c2に入射した光を投光面2b側へ全反射させ、この外周側内側面2c2から外方へリークする横漏れ光を低減することができる。
【0054】
このために、円環状レンズ2の投光面2bのほぼ全面を発光させることができるので、眩しさを低減できると共に、発光効率を向上させることができる。
【0055】
そして、1枚の円環状レンズ2に複数の発光ダイオード装置3,3,3…を配設するので、1枚の円環状レンズ2により発光ダイオード装置3の個数の変更に容易に対応することができる。
【0056】
図6は本発明の第2の実施形態に係る発光ダイオード照明装置1Aの要部縦断面図である。この発光ダイオード照明装置1Aは図1で示す発光ダイオード照明装置1において、その円環状レンズ2の内周側の側面2c1の全反射面を、光透過、乱反射可能の単なる反射面2c1Aに形成し、中心孔2oの投光面2b側に透光性平板のディスク2oAを配設した点に特徴がある。これ以外の構成は図1で示す発光ダイオード照明装置1とほぼ同様である。
【0057】
この発光ダイオード照明装置1Aによれば、円環状レンズ2の内周側の内側面2c1を単なる反射面2c1Aに形成しているので、この反射面2c1Aで透過したり、乱反射してレンズ本体2b内から中心孔2o側へ出射される光量を増加させることができる。
【0058】
このために、この中心孔2oから投光面2b側のディスク2oAの発光の明るさを上記発光ダイオード照明装置1よりも向上させることができる。その結果、眩しさを一層低減することができる。
【0059】
なお、上記各実施形態では、発光ダイオード装置3として砲弾形の発光ダイオード装置3を使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の発光ダイオード装置でもよい。例えば、図7で示す第3の実施形態に係る発光ダイオード装置3Aでもよい。
【0060】
この発光ダイオード装置3Aは、円板状の基板4上に、例えば青色発光の複数の発光ダイオードベアチップ3A1,3A1,…を周方向に所要のピッチを置いて環状かつ同心状に直接配設する。
【0061】
また、この基板4上において、これら環状に配設された発光ダイオードベアチップ3A1,3A1,…上に、例えば黄色発光蛍光体を混合した合成樹脂を環状かつ同心状に積層形成して外方に凸の集光レンズ3A2に形成する。
【0062】
この発光ダイオード装置3Aによれば、複数の発光ダイオードチップ3A1,3A1,…と集光レンズ3A2を一体に形成するので、砲弾形発光ダイオード装置3のように個別に形成する場合よりも、発光ダイオードチップ3A1,3A1,…の高密度実装を図ることができ、その分、発光ダイオード照明装置としての明るさを向上させることができる。
【0063】
図8は本発明の第4の実施形態に係る発光ダイオード照明装置1Bの平面図、図9はこの発光ダイオード照明装置1Bの発光ダイオード装置3Bの平面図、図10は図9のX−X線断面図である。
【0064】
図8に示すように発光ダイオード照明装置1Bは、図1で示す発光ダイオード照明装置1の発光ダイオード装置3に代えて、複数の発光ダイオードベアチップ5,5,…を具備した発光ダイオード装置3Bを設けた点に主な特徴がある。これ以外の構成は図1等で示す発光ダイオード照明装置1とほぼ同一である。
【0065】
図8,図9に示すように、発光ダイオード装置3Bは、円形の基板4上に、円環状レンズ2の円形の環状溝に同心状に、複数の発光ダイオードベアチップ5,5,5を周方向に所要の等ピッチPを置いて同心円状に配設している。
【0066】
図9,図10に示すように、例えば平面円形の基板4は放熱性と剛性を有するアルミニウム(Al)やニッケル(Ni)等により形成され、その一面(図9,図10では上面)上に、電気絶縁性を有する白色のガラスエポキシ樹脂等の電気絶縁層4aを形成している。
【0067】
さらに、この電気絶縁層4a上には、銅(Cu)とニッケル(Ni)の合金やこの合金の金(Au)めっき等により陰極(−)側と陽極(+)側の一対の回路パターン(配線パターン)6a,6bを形成しており、これら回路パターン6a,6bには、電気絶縁層4a上に固定された、例えば青色発光の発光ダイオードベアチップ5の陽極と陰極の電極がボンディングワイヤ7により電気的に接続されている。
【0068】
図9に示すように一対の回路パターン6a,6bは、基板4の周方向に例えば5分割されて平面形状が扇形に形成され、各対の回路パターン6a,6bには、図11に示すように複数の発光ダイオードベアチップ5,5,…を直列に電気的に接続して1組を形成し、さらに、これら5組の発光ダイオードベアチップ5,5,5,…の直列回路同士を電気的に並列に接続している。
【0069】
また、周方向で隣り合う各組の扇形の回路パターン6a,6b、6a,6b同士の各間隙には、熱と電気の両者を絶縁する熱電気絶縁部材Zをそれぞれ介在させている。但し、この熱電気絶縁部材Zを介在させずに単なる間隙でもよい。
【0070】
そして、図9に示すように発光ダイオード装置3Bは、基板4上にて環状に配列された発光ダイオードベアチップ5,5,…の環状配列上に、透光性を有するシリコン樹脂を所定幅で同心状に積層して透光性樹脂部8を形成し、この透光性樹脂部8により、発光ダイオードベアチップ5,5,5,…を基板4上に固定している。この透光性樹脂部8は、そのシリコン樹脂中に、発光ダイオードベアチップ5の青色発光により例えば黄色に発光するYAG蛍光体等の黄色発光蛍光体を分散させている。
【0071】
この透光性樹脂部8の幅方向両側には、その両側外面を縁取るように反射部としての左右一対の側壁9a,9bを白色樹脂等により基板4上に同心状にそれぞれ形成している。
【0072】
これら一対の側壁9a,9bは、その対向面(内側面)に、円環状レンズ2側に向けて漸次拡開する傾斜面Sを形成しており、この傾斜面Sを、ここに入射された光を円環状レンズ2の環状溝2d側へ反射させる反射面に形成している。
【0073】
そして、これら一対の側壁9a,9bの内側であって、透光性樹脂部8の投光面(図10では上端面)の幅方向寸法Wは、円環状レンズ2の環状溝2dの開口幅の幅寸法waよりも小(W<wa)であり、さらに、環状配列の発光ダイオードベアチップ5,5,…同士間の配列ピッチpに対しては、P<2・Wの関係を有する。
【0074】
また、図12に示すように基板4の図中上面と、円環状レンズ2の底面2aとの間には、間隙gが形成されている。
【0075】
発光ダイオード照明装置1Bは、以上のように構成されているので、図示しない点灯装置から各回路パターン6a,6bを介して各発光ダイオードベアチップ5に所要のDC電圧が印加されると、各発光ダイオードベアチップ5が青色に発光する。これら青色発光は、透光性樹脂部8内の黄色蛍光体を励起して黄色に発光させる。さらに、この黄色発光は、この透光性樹脂部8または円環状レンズ2内で青色発光と合成されて白色光として出力される。
【0076】
これら白色光等は、上記図1等で示す第1の実施形態と同様に、円環状レンズ2では、その外周側の内側面に入射された光を全反射して投光面2bから出力される。
【0077】
なお、この発光ダイオード照明装置1Bの具体例の一例は次の通りである。すなわち、直径70mmのアルミニウム製基板4の白色の電気絶縁層4a上に、0.3mm角の発光ダイオードベアチップ5,5,…を、直径50mmと30mmの2列の同心円で1mmの等ピッチにより配列し、合計251個の発光ダイオードベアチップ5,5,…を各々20mAで点灯したときの電力が約15Wである。また、透光性樹脂部8の透明シリコン樹脂中に、YAG蛍光体を10質量%添加し、その幅Wが2mmのときの発光効率は80lm/W、全光束は1200lmであった。
【0078】
また、この発光ダイオード照明装置1Bによれば、発光素子である小形の発光ダイオードベアチップ5の複数を基板4上に直接環状に実装するので、これら発光ダイオードベアチップ5,5,…の実装数を増加させることができる。このために、光束を増大させることができる。
【0079】
また、複数の発光ダイオードベアチップ5,5,…を基板4上に環状に配設するので、発光ダイオードベアチップ5の実装数を増加させ、またはその投入電力を増大させても、発光ダイオードベアチップ5,5,…の発生熱を基板4の一点に集中させずに分散させることができ、放熱性を向上させることができる。
【0080】
このために、基板4上の一点に熱が集中して発光ダイオードベアチップ5,5,…自体の温度が上昇して発光効率が低下したり、熱が透光性樹脂部8の黄色蛍光体に伝達されてこの黄色蛍光体の量子効率が低下し出力光の発光色が変化してしまうという不具合を防止または低減することができる。
【0081】
さらに、複数の発光ダイオードベアチップ5,5,…を面状ではなく、環状、すなわち線状に配置するので、これら発光ダイオードベアチップ5,5,…の断面においては、点光源とほぼ同様の配光制御が可能であり、その分、円環状レンズ2の設計の容易性を向上させることができる。また、発光ダイオードベアチップ5,5,…が円環状レンズ2に対し同心円状に配設される場合には、見かけ上、その周方向に光が連続した滑らかな配光が得られる。
【0082】
さらに、発光ダイオードベアチップ5,5,…の配設ピッチPは、透光性樹脂部8の幅方向寸法Wの2倍(2・W)に対し、P<2・Wの関係を有するので、発光ダイオードベアチップ5からその配設ピッチ方向に放射される光度の方が透光性樹脂部8の幅方向に出力される光度よりも高くなるので、円環状レンズ2を透視して見える小形の発光ダイオードベアチップ5の投影が粒々となって見える現象を低減または防止できる。
【0083】
また、円環状レンズ2と基板4との間には、間隙gがあるので、この間隙gを通して、発光ダイオードベアチップ5,5,…の発生熱を放熱できる。このために、さらに、放熱性を向上できる。
【0084】
図13は本発明の第5の実施形態に係る発光ダイオード照明装置1Cの縦断面図である。この発光ダイオード照明装置1Cは、図7で示す発光ダイオード装置3A上に、所要の下部間隙gaを置いて環状の導光体10を同心状に配設して光学的に対向配置し、さらに、この環状の導光体10上に、所要の上部間隙gbを置いて円環状レンズ11を同心状に配設して光学的に対向配置した点に特徴がある。
【0085】
図7で示すようにこの発光ダイオード装置3Aは、円板状の基板4上に、例えば青色発光の複数の発光ダイオードベアチップ3A1,3A1,…を周方向に所要のピッチを置いて環状かつ同心状に直接配設する。
【0086】
また、この基板4上において、これら環状に配設された発光ダイオードベアチップ3A1,3A1,…上に、例えば黄色発光蛍光体を混合した合成樹脂を環状かつ同心状に積層形成して外方(図13では上方)に凸の集光レンズ3A2に形成する。
【0087】
導光体10は、透明等透光性を有するアクリル樹脂やポリカーボネート等の透光体により円柱状に形成された所定長さの円柱状本体10aに、所定径の中心孔10bを同心状かつ軸方向に貫通するように穿設することにより、環状の導光路10cを形成している。
【0088】
導光路10cは、その集光レンズ3A2に下部間隙gaを介して同心状に対向する図13中の環状の下端面10dと上端面10eとをそれぞれ平坦面に形成することにより、この下端面10dを光入射面に形成し、上端面10eを光出射面にそれぞれ形成している。
【0089】
環状の光入射面10dは、その環径方向に沿う幅方向中心Oaを、環状の集光レンズ3A2の環径方向に沿う幅方向中心Obにほぼ一致させている。
【0090】
円環状レンズ11は、その縦断面がほぼ半円状の円環状レンズ本体11aを有し、このレンズ本体11aの図13中下端面11bを平坦面に形成して光入射面に形成し、図13中、上方に凸の円弧面11cを投光面に形成している。
【0091】
円環状レンズ11は、その下端の光入射面11beの環径方向に沿う幅方向中心Ocを、導光体10の上端の光出射面10eの環径方向に沿う幅方向中心Odにほぼ一致させている。
【0092】
このように発光ダイオード照明装置1Cは構成されているので、発光ダイオードベアチップ3A1,3A1,…からの青色光は集光レンズ3A2中の黄色蛍光体を励起して黄色光を発光させ、これら黄色光と青色光が混色されて白色光に変換される。
【0093】
このために、この集光レンズ3A2からは主に白色光と、若干の黄色光と青色光とが出射される。さらに、これら光は下部間隙gaで屈折してから導光体10の光入射面10dに入射される。
【0094】
この光入射面10dから環状の導光路10c内に入射された白色光や青色光、黄色光は、この環状導光路10cの内周側内側面inと外周側内側面outで繰り返し全反射されて光出射面10eに導光される。
【0095】
このように環状導光路10c内に入射された白色光、青色光、黄色光は、この導光路10cの内,外周両側の内側面で反射を繰り返すので、光出射面10eでは、青色光と黄色光の混色が促進される。このために、色むらと輝度むらを共に低減させることができる。
【0096】
したがって、導光体10の光出射面10eからは色むらと輝度むらが低減した白色光が円環状レンズ11の光入射面11bに入射されるので、この円環状レンズ11の投光面11cからは色むらと輝度むらを低減した白色光が外部へ投光される。
【0097】
図14は本発明の第6実施形態に係る発光ダイオード照明装置1Dの縦断面図である。この発光ダイオード照明装置1Dは、図13で示す発光ダイオード照明装置1Cにおいて、その直胴円柱状の導光体10を、外形がほぼ円錐台状の導光体10Dに置換した点に主な特徴を有する。
【0098】
すなわち、円錐台状の導光体10Dは、その本体10Daの環径を、その図14中下端の光入射面10Dd側から上端の光出射面10De側に向けて漸次縮径するように形成してほぼ円錐台状に形成している。但し、環状の光入射面10Ddと環状の光出射面10Deとを結ぶ環状の導光路10Dcの環径方向に沿う幅方向寸法は、これら両面10Dd,10Deでほぼ等しく形成されている。
【0099】
この発光ダイオード照明装置10Dによっても、発光ダイオード装置3Aからの青色光と黄色光とを、導光体10Ddにより、その光出射面10Deまで導光する際に混色を促進させるので、色むらと輝度むらを共に低減させることができる。
【0100】
また、円錐台状の導光体10Dの光出射面10De側端部を縮径して、導光路10Dcを導光体10Dの中心側へ所要角度傾斜させたので、この導光体10Dcの光入射面10Ddから光出射面10Deまでの導光路10Dcの長さを縮小させずに光出射面10De側端部の小形化を図ることができる。
【0101】
このために、この導光体10Dの光出射面10Deに光学的に対向する円環状レンズ10Dの環径を縮小して小形化を図ることができる。その結果、発光ダイオード照明装置10D全体としての小形軽量化を図ることができる。
【0102】
図15は本発明の第7の実施形態に係る発光ダイオード照明装置10Eの縦断面図である。この発光ダイオード照明装置10Eは、図14で示す発光ダイオード照明装置10Dにおいて、その円錐台状の導光体10Dの環状導光路10Dcを、先細環状導光路10Ecに置換した点に特徴がある。
【0103】
すなわち、先細環状導光路10Ecは、円錐台状の導光体本体10Eaの肉厚を、その光入射面10Edから光出射面10Eeに向けて漸次薄くなるように形成することにより、導光路10Ecを先細形状に形成している。
【0104】
このために、導光体10Eの光出射面10Eeの平面積が縮小するので、その分、この光出射面10Ea上の輝度を高めることができる。その結果、円環状レンズ11Eの光入射面11Ebへ入射される入射光の集光度を向上させることができる。
【0105】
また、導光体10Eの光出射面10Ed側端部を薄肉に形成した分、導光体10Eの軽量化を図ることができる。
【0106】
図16は本発明の第8の実施形態に係る発光ダイオード照明装置1Fの縦断面図である。この発光ダイオード照明装置10Fは、図13で示す発光ダイオード照明装置1Cにおいて、その直胴状の環状導光路10cを、先細環状導光路10Fcに置換した点に特徴がある。
【0107】
すなわち、先細環状導光路10Fcは、導光体本体10Faを図13で示す導光体本体10aと同様に直胴体に形成する一方、中心孔10Fbを、光出射面10Feから光入射面10Fdに向けて漸次先細に形成することにより、導光路10Fcの肉厚を光入射面10Fdから光出射面10Fe側に向けて漸次薄くなるように形成している。
【0108】
したがって、この発光ダイオード照明装置10Fによっても上記図15で示す発光ダイオード照明装置1Eとほぼ同様に、先細環状導光体10Fの光出射面10Feの輝度を高めることができ、集光度を向上させることができる。
【0109】
なお、上記発光ダイオード装置3Aは図17,図18でそれぞれ示す発光ダイオード装置3B,3Cにそれぞれ置換してもよい。図17で示す発光ダイオード装置3Bは、上記基板4上に、環状の内側集光レンズ12と、この内側集光レンズ12よりも所定径大径の環状の外側集光レンズ13とを同心円状に配設し、これら内,外側集光レンズ12,13の一方を、例えば白色光に発光させ、他方を電球色に発光させるように構成した点に特徴がある。
【0110】
すなわち、まず、基板4上には、上記内,外側集光レンズ12,13が配設されるべき位置にて、例えば青色発光の複数の発光ダイオードベアチップ3B1,3B1,…を周方向に所要のピッチを置いてそれぞれ環状に配設して内,外2列の発光ダイオードベアチップ列12a,13aを同心状に形成する。
【0111】
次に、これら内,外発光ダイオードベアチップ列12a,13aの環状配列上に、発光ダイオードベアチップ3B1の青色光により白色光に発光する蛍光体と、電球色に発光する蛍光体をそれぞれ含有した合成樹脂を所要幅で環状にそれぞれ配設することにより、内,外側集光レンズ12,13をそれぞれ形成している。
【0112】
そして、これら内,外側集光レンズ12,13は上記各導光体10,10D,10E,10Fの各光入射面10d,10Dd,10Ed,10Fdに光学的に対向配置される。
【0113】
したがって、この場合は、内,外側集光レンズ12,13からの白色光と電球色光とを導光体10,10D,10E,10Fにより混合させ、色むらを低減させることができる。
【0114】
また、この発光ダイオード装置3Bによれば、発光ダイオードベアチップ列12a,13aが2列あるので、1列の場合に比して発光ダイオード装置3B全体としての発光量を増大させることができる。
【0115】
図18で示す発光ダイオード装置3Cは、図17で示す発光ダイオード装置3Bと同様に、基板4上に、複数の発光ダイオードベアチップ3C1,3C1,…を、複数、例えば内外2個の異径同心円状に配設して環状の内側発光ダイオードベアチップ列14と外側発光ダイオードベアチップ列15をそれぞれ形成する。
【0116】
この内側発光ダイオードベアチップ列14の各発光ダイオードベアチップ31C1の配設位置とは、相互に周方向でずれており、これら内,外側発光ダイオードベアチップ14,15の一方の周方向で隣り合う発光ダイオードベアチップ31C1,31C1,…同士の間隙に他方の発光ダイオードベアチップ31C1が位置するように配設されている。
【0117】
そして、これら2列の内,外側発光ダイオードベアチップ列14,15上には、これらを一体に被覆するように、例えば黄色発光蛍光体を混合した合成樹脂を環状かつ同心円状に積層して外方(図18では図面の表面側)に凸の1本の環状帯状の集光レンズ3C2を形成する。
【0118】
図19はこの発光ダイオード装置3Cの垂直方向(Z軸)の配光特性を示すグラフである。すなわち、図18で示すように基板4の中心OのX軸とY軸を含む水平面に対して、この中心Oから垂直方向に起立するZ軸を0°(垂直)から60°まで傾けた角度を横軸に示し、これら角度における相対光度を縦軸に示している。この相対光度は、内,外側発光ダイオードベアチップ14,15の両者を共に点灯したとき(図19では実線(両方)で示す)、かつZ軸が0°(垂直)の光度の最高値を「1」としたときの光度を示す。
【0119】
図19中、点線曲線は内側発光ダイオードベアチップ列14のみの発光ダイオードベアチップ31C,31C,…を点灯させたときの相対光度を示し、破線曲線は外側発光ダイオードベアチップ列15のみの発光ダイオードベアチップ31C,31C,…を点灯させたときの光度を示している。さらに、実曲線はこれら内,外側発光ダイオードベアチップ列14,15の両者の発光ダイオードベアチップ31C,31C,…を共に点灯させたときの相対光度を示している。
【0120】
そして、図19に示すように相対光度が最高値の半分の光度0.5をそれぞれ示すZ軸の傾斜角(1/2ビーム角)は、内側発光ダイオードベアチップ列14のみを点灯したときが20°であり、外側発光ダイオードベアチップ列15のみを点灯したときの14°と、これら両者14,15を点灯したときの16°よりも大きく、配光が広いことを示している。
【0121】
そして、上記発光ダイオード装置3Cでは、その基板4の直径が例えば40m、内側発光ダイオードベアチップ列14の環状配列の環径が19mm、外側発光ダイオードベアチップ列15の同環径が21mmの場合、光量が約1000lmであった。
【0122】
これに対し、基板4の直径が同じく40mであるが、発光ダイオードベアチップ列が1列で、その環径が20mmの場合、光量は約500lmであったから、上記2列の発光ダイオード装置3Cの光量はほぼ2倍の光量を有する。
【0123】
また、基板4の直径が80mmで内外2列の発光ダイオードベアチップ列14,15の環径がそれぞれ59mm,61mmの場合、光量は約3000lmであった。
【0124】
これに対し、発光ダイオードベアチップ列が環径60mmで1列の場合、光量は約1500lmであったから上記発光ダイオード装置3Cのほぼ半分であった。
【0125】
そして、直径が80mmの基板4上に、環径が19mmと21mの2列の発光ダイオードベアチップ列14,15と、環径が59mmと60mの2列の発光ダイオードベアチップ列14,15の合計4列を設けた場合の光量は、これら各光量の1000lmと3000lmの合計の4000lmであった。すなわち、E−CORE60W程度の器具サイズで4000lmの光量を実現できた。
【0126】
なお、上記各実施形態では、複数の発光ダイオードベアチップ3A1,3B1,3C1と発光ダイオード5を、円板状の基板4上に、同心円状に1列または2列配設する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、発光ダイオードベアチップ3A1,3B1,3C1と発光ダイオード5を2列以上の複数の同心円状に配設してもよく、その配列は円形に限定されず、四角形状や多角形状でもよく、環状であればよい。
【0127】
さらに、透光性樹脂部8や集光レンズ3b,3A2,3C2は、黄色蛍光体を分散させた場合について説明したが、この黄色蛍光体に限定されるものではなく、さらに、蛍光体を分散させずに透明樹脂のみにより形成してもよく、また、その樹脂に、光拡散材を分散させてもよい。また、発光ダイオードベアチップ3A1,3B1,3C1、発光ダイオード5の発光色も青色光に限定されず、R(赤),G(緑),B(青)等他の発光色でもよく、透光性樹脂部8の発光色と適宜組み合せてもよい。
【0128】
また、図13〜図16で示す導光体10,10D,10E,10Fの光出射面10e,10De,10Ee,10Feと、円環状レンズ11,11D,11E,11Fの光入射面11b,11Db,11Eb,11Fbとを一体に連結して、これら導光体10,10D,10E,10Fと円環状レンズ11,11D,11E,11Fとをアクリル樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂により一体に形成してもよい。
【0129】
さらに、図3や図6等で示す砲弾形の発光ダイオード装置3は、図9等で示す発光ダイオード装置3B、図17,図18でそれぞれ示す発光ダイオード装置3B,3Cにそれぞれ置換してもよい。
【0130】
さらにまた、上記発光ダイオード照明装置1,1A,1B,1C,1D,1E,1Fには、上記発光ダイオード装置3,3A,3B,3Cに、その発光ダイオードベアチップ3A1,3B1,3C1の発光をそれぞれ調光する調光装置を設けてもよい。
【符号の説明】
【0131】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F…発光ダイオード照明装置、2,11,11D,11E,11F…円環状レンズ、2a…円環状レンズの底面、2b,11c,11Dc,11Ec,11Fc…円環状レンズの投光面、2c1…円環状レンズの内周側全反射面、2c2…円環状レンズの外周側全反射面、2d…円環状レンズの環状溝、2d1…環状溝の底面、2d2…環状溝の内周側の側面、2d3…環状溝の外周側の側面、2o…中心孔、2oA…ディスク、3,3A,3B,3C…発光ダイオード装置、4…基板、3A1,3B1,3C1,5…発光ダイオードベアチップ、10,10D,10E,10F…導光体、10a,10Da,10Ea,10Fa…導光体本体、10d,10Dd,10Ed,10Fd…導光体の光入射面、10e,10De,10Ee,10Fe…導光体の光出射面、11b,11Db,11Eb,11Fb…円環状レンズの光入射面、ga,gb…間隙、12…内側集光レンズ、12a…内側発光ダイオードベアチップ列、13…外側集光レンズ、13a…外側発光ダイオードベアチップ列。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と;
周方向に所要の間隔を置いて発光ダイオードが基板に環状に配置され、前記器具本体に固定される複数の発光ダイオード装置と;
を具備していることを特徴とする発光ダイオード照明装置。
【請求項2】
発光ダイオードは、複数の異径同心円状をなすように基板上に配設されていることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオード照明装置。
【請求項3】
発光ダイオード装置の基板は、周方向に分割形成されており、それぞれが電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の発光ダイオード照明装置。
【請求項4】
発光ダイオード装置は、発光色が異なる複数種類の発光ダイオードを有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の発光ダイオード照明装置。
【請求項5】
器具本体と基板の間には、間隙が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の発光ダイオード照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−151120(P2012−151120A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−59671(P2012−59671)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【分割の表示】特願2008−20829(P2008−20829)の分割
【原出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】