発光体用金属ベース基板、発光光源、照明装置及び表示装置
【課題】 放熱特性を向上させることができる金属ベース基板等を提供する。
【解決手段】 本発明の金属ベース基板15は、上部絶縁層21と下部絶縁層22の2層構造を有する絶縁基板20と、前記下部絶縁層22の裏面に取着された金属ベース24とを備える。上部絶縁層21、下部絶縁層22の表面には配線パターンBE7,BO7が形成されている。絶縁基板20には、金属ベース24が取着する下部絶縁層22を残して、表層から金属ベース24側へと絶縁層単位で凹入する凹入部C73,C74,C75を備え、これらの凹入部C73,C74,C75の底面となる下部絶縁層22の配線パターンBE7,BO7にLEDベアチップL73,L74,L75が接続されている。
【解決手段】 本発明の金属ベース基板15は、上部絶縁層21と下部絶縁層22の2層構造を有する絶縁基板20と、前記下部絶縁層22の裏面に取着された金属ベース24とを備える。上部絶縁層21、下部絶縁層22の表面には配線パターンBE7,BO7が形成されている。絶縁基板20には、金属ベース24が取着する下部絶縁層22を残して、表層から金属ベース24側へと絶縁層単位で凹入する凹入部C73,C74,C75を備え、これらの凹入部C73,C74,C75の底面となる下部絶縁層22の配線パターンBE7,BO7にLEDベアチップL73,L74,L75が接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に発光体を実装するための発光体用金属ベース基板、この金属ベース基板に発光体を実装してなる発光光源、この発光光源を用いた照明装置又は表示装置に関するもので、特に発光体の発光時における放熱特性を改善する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(以下、単に「LED」という。)を用いたLED光源は、LED単体の光出力が小さいために、多数のLEDを絶縁基板の表面に実装している。このように多数のLEDを絶縁基板に実装すると、LEDの発光時に発生する熱によりLEDの温度が上昇してしまう。このLEDの温度上昇は、その発光効率の低下や短寿命化を招く。
そこで、放熱特性を改善するために、放熱用の金属ベースを絶縁基板の裏面に取着した金属ベース基板が提案されている(例えば、特許文献1)。この金属ベース基板は、発光時の熱を、LEDを実装する絶縁基板から金属ベースへと伝え、金属ベースから放熱するようにしている。
【特許文献1】特開2002−184209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の金属ベース基板は、実装するLEDの数が少ない場合には、発光時の発熱量が少なく、その熱が金属ベースから放熱されるため問題ないが、例えば、LED光源の光出力をさらに高めるためにLED素子をより多く金属ベース基板に実装すると、LEDの間隔が狭くなり、LEDの温度が上昇してしまう。つまり、従来の金属ベース基板では放熱対策が不十分なのである。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、放熱特性を向上させることができる金属ベース基板、発光光源、照明装置又は表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)上記目的を達成するために、本発明に係る発光体用金属ベース基板は、発光体を実装するための配線パターンを備える絶縁基板と、前記絶縁基板の裏側に取着されている金属ベースとを備え、前記絶縁基板は、その表側に凹入部を複数備え、当該凹入部の底面が前記発光体の実装予定部位であることを特徴としている。
この構成によれば、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。
【0005】
(2)上記(1)の金属ベース基板において、前記絶縁基板は、複数の絶縁層からなる多層構造であり、前記凹入部は、少なくとも前記金属ベースに接する絶縁層を残して形成されていることを特徴としている。
このため、複数の絶縁層からなる絶縁基板を用いても、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。特に、樹脂材料を主成分とする絶縁層を用いると、発光光源の放熱特性は、発光素子と金属ベースとの間の絶縁層の層数、厚みに大きく依存するので、上記構成のように、発光素子と金属ベースとの距離が近くなれば、放熱効果は格別である。
【0006】
(3)上記(2)の金属ベース基板において、前記凹入部の底面は、いずれかの絶縁層の境界に設定されていることを特徴としている。
このため、凹入部は、底面に相当する絶縁層より表側の絶縁層に貫通孔を設ければ容易に形成できる。
(4)上記(3)の金属ベース基板において
しかも、前記配線パターンは、前記凹入部の底面に相当する絶縁層に形成されており、その一部が前記凹入部内に露出していることを特徴としている。
【0007】
このため、例えば、凹入部の底面に相当する絶縁層の表層に配線パターンを形成して積層すれば、容易に凹入部の底面に配線パターンを形成できる。当然、凹入部内に配線パターンを露出させることも、配線パターンの形状を変えることで容易に行える。
(5)上記(2)の金属ベース基板において、前記配線パターンは、複数の発光体を直列に接続するための発光体接続部を複数列有する第1の配線パターンと、当該隣合う発光体接続部を直列に接続するための第2の配線パターンとを有し、前記第1の配線パターンは、前記凹入部の底面に相当する絶縁層上に形成され、前記第2の配線パターンは、第1の配線パターンが形成されている絶縁層よりも表側にある絶縁層に形成されていることを特徴としている。
【0008】
(6)上記(2)の金属ベース基板において、前記配線パターンは、前記凹入部の底面に相当する絶縁層よりも表側の絶縁層に形成されていることを特徴としている。
このため、配線パターンを複数の絶縁層に分けて形成することができ、絶縁基板に発光体を高密度で実装できる。
(7)上記(1)の金属ベース基板において、前記凹入部は、前記絶縁基板を貫通して前記金属ベースにまで達していることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、発光体を金属ベースに実装することができ、発光体発光時に発生する熱を発光体から金属ベースに伝えることができ、基板として放熱特性を向上させることができる。
(8)上記(7)の金属ベース基板において、前記配線パターンは、複数の発光体を直列に接続する素子接続部を複数列備える第3の配線パターンと、当該隣合う発光体接続部を直列に接続する第4の配線パターンとを有することを特徴としている。
【0010】
(9)上記(8)の金属ベース基板において、前記絶縁基板は、2以上の絶縁層からなる多層構造を有し、前記第3の配線パターン及び前記第4の配線パターンは、別々の絶縁層に形成されていることを特徴としている。
このため、第3及び第4の配線パターンを2以上の絶縁層に分けて形成することができ、絶縁基板に発光体を高密度で実装できる。
【0011】
(10)上記(1)の金属ベース基板において、前記複数の凹入部は、等間隔で形成されていることを特徴としている。
このため、凹入部に同じ出力の発光体を実装すると、輝度むらの少ない光源が得られる。
(11)上記(1)の金属ベース基板において、前記凹入部は、平面視略円形状に形成され、その穴径が0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴としている。
【0012】
(12)上記(2)の金属ベース基板において、前記凹入部は、金属ベースに近い絶縁層ほど穴径が小さくなっており、層単位で段状に穴径が変化していることを特徴としている。
(13)上記目的を達成するために、本発明に係る発光体用金属ベース基板は、発光体を実装するための配線パターンが表面に備える絶縁基板と、前記絶縁基板の裏面に取着されている金属ベースとを備え、前記絶縁基板よりも高い熱伝導率を有する伝熱部材が、前記絶縁基板における前記発光体の実装予定部位と前記金属ベースとの間に配設されていることを特徴としている。
【0013】
この構成によると、絶縁基板に実装した発光体が発光した時に発生する熱を伝熱部材から絶縁基板の裏面の金属ベースに伝わる。これにより発光時の熱を効果的に放熱できる。
(14)上記(13)の金属ベース基板において、前記絶縁基板は単数の絶縁層からなる単層構造であり、前記伝熱部材が前記絶縁基板の裏面側に埋設されていることを特徴としている。
【0014】
(15)上記(13)の金属ベース基板において、前記絶縁基板は、複数の絶縁層からなる多層構造を有し、前記伝熱部材は、少なくとも1つの絶縁層又は少なくとも1つの層間に配設されていることを特徴としている。
(16)上記(15)の金属ベース基板において、前記絶縁基板は、表層以外の少なくとも1つの絶縁層にも配線パターンが形成されていることを特徴としている。
【0015】
このため、配線パターンを複数の絶縁層に分けて形成することができ、絶縁基板に発光体を高密度で実装できる。
(17)上記(13)の金属ベース基板において、前記伝熱部材は、金属膜であることを特徴としている。
このため、熱伝導率が高いために、優れた放熱特性が得られる。
【0016】
(18)上記(16)の金属ベース基板において、前記配線パターンは、前記絶縁基板の各絶縁層に形成されており、前記伝導部材は、表層以外の絶縁層に形成されている配線パターンの一部であることを特徴としている。
(19)上記(13)の金属ベース基板において、前記伝導部材の厚さは、表面の配線パターンの厚さより厚いことを特徴としている。
【0017】
このため、伝熱部材を容易に設けることができる。
(20)上記(2)の金属ベース基板において、前記絶縁板層は、少なくとも無機フィラー及び樹脂組成物とから構成されていることを特徴としている。
(21)上記(20)の金属ベース基板において、前記無機フィラーは、シリカ、アルミナ、マグネシア、ベリリア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、ダイヤモンドのうち少なくとも1つを含むことを特徴としている。
【0018】
このため、発光体の発光時の熱により金属ベース基板が熱膨張しても、絶縁基板の表面での熱膨張を小にすることができる。
(22)上記(20)の金属ベース基板において、前記配線パターンは、転写法により前記絶縁層に形成されていることを特徴としている。
このため、配線パターンを容易に形成できる。
【0019】
(23)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(1)の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備えることを特徴としている。
このため、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した発光光源に比べて、放熱特性を向上させることができる。
【0020】
(24)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(5)の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、前記発光体は、1対の給電端子を裏面に有し、前記第1の配線パターンに面実装されていることを特徴としている。
(25)上記(24)の発光光源において、前記発光体は、裏面電極型の発光ダイオードベアチップ、及び/又は、発光ダイオードを表側に実装すると共に当該発光ダイオードの電極に接続された給電端子が裏面に形成されたサブマウントであることを特徴としている。
【0021】
このため、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。さらに、配線パターンを複数の絶縁層に分けて形成することができ、絶縁基板に発光体を高密度で実装できる。
(26)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(5)の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、前記発光体は、一対の給電端子を表裏の2面に有し、表側の給電端子が前記第2の配線パターンに、裏側の給電端子が前記第1の配線パターンにそれぞれ接続されていることを特徴としている。
【0022】
(27)上記(26)の発光光源において、前記発光体は、両面電極型の発光ダイオードベアチップ、及び/又は、発光ダイオードを表側に実装すると共に当該発光ダイオードの電極に接続された給電端子が表裏面に形成されたサブマウントであることを特徴としている。
このため、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。さらに、配線パターンを複数の絶縁層に分けて形成することができ、絶縁基板に発光体を高密度で実装できる。
【0023】
(28)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(6)の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、前記発光体用金属ベース基板は発光体用金属ベース基板であり、前記発光体は、一対の給電端子を表面に有し、両給電端子がワイヤボンディングにより前記配線パターンに接続されていることを特徴としている。
【0024】
(29)上記(28)の発光光源において、前記発光体は、表面電極型の発光ダイオードベアチップ、及び/又は、発光ダイオードを表側に実装すると共に当該発光ダイオードの電極に接続された一対の給電端子が表面に形成されたサブマウントであることを特徴としている。
このため、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。
【0025】
(30)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(1)の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、前記発光体は、一対の給電端子を表面に有し、当該給電端子が前記配線パターンにワイヤボンディングにより接続されていることを特徴としている。
(31)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(7)発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、前記発光素子は、一対の給電端子を表面に有し、当該給電端子が、前記第3及び第4の配線パターンにワイヤボンディングにより接続されていることを特徴としている。
【0026】
このため、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。
(32)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(13)の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備えることを特徴としている。
【0027】
この構成によると、絶縁基板に実装した発光体が発光した時に発生する熱を伝熱部材から絶縁基板の裏面の金属ベースに伝わる。これにより発光時の熱を効果的に放熱できる。
さらに、上記の発光光源を用いた照明装置或いは表示装置は、発光体が発光したときに発生した熱を効果的に放出することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る発光体用金属ベース基板は、発光体を実装するための配線パターンを備える絶縁基板と、前記絶縁基板の裏側に取着されている金属ベースとを備え、前記絶縁基板は、その表側に凹入部を複数備え、当該凹入部の底面が前記発光体の実装予定部位であることを特徴としている。
この構成によれば、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施の形態>
本実施の形態では、金属ベース基板の表面に凹入部が形成されており、この凹入部に発光体を実装してなるLED光源について説明する。前記金属ベース基板は、複数の絶縁層からなる絶縁基板を備え、凹入部は、絶縁基板の厚み方向にその一部を残して形成されている。
【0030】
1.LED光源の構成について
図1は本実施の形態におけるLED光源の斜視図である。
LED光源10(本発明の「発光光源」に相当する。)は、表面に平面視円形状に凹入する凹入部が複数形成された金属ベース基板15(本発明の「発光体用金属ベース基板」に相当する。)と、この凹入部の底面に実装された発光ダイオードのベアチップ(以下、単に「LEDベアチップ」という。)とを備える。なお、金属ベース基板15は、複数の絶縁層からなる絶縁基板20の裏面に金属ベース24が取着されたものをいう。
【0031】
本実施の形態では、凹入部は、8行8列のマトリックス状に整然と、つまり、金属ベース基板15に、行・列方向のそれぞれの方向に略等間隔を置いて独立して形成されており、これらの凹入部を符号Cnm(nは行数を、mは列数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)で示し、また、これら凹入部Cnm内の底面に実装されているLEDベアチップを、凹入部Cnmに対応して符号Lnm(nは行数を、mは列数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)で示す。
【0032】
絶縁基板20は、無機フィラー入りの熱硬化性樹脂からなる絶縁層21、22が積層された2層構造を有している。なお、絶縁基板20を構成する2層の絶縁層の内、表側(上側)の層を上部絶縁層21、裏側(下側)の層を下部絶縁層22とそれぞれいう。
図2は、LED光源の平面図であり、図3は、下部絶縁層の平面図である。なお、図2では、絶縁基板20の表層にある上部絶縁層21のみが現れている。
【0033】
上部絶縁層21の表面には、図1及び図2に示すように、例えば、銅(Cu)からなる配線パターンPA(本発明の「第2の配線パターン」に相当する。)が形成され、また、下部絶縁層22の表面には、図3に示すように、例えば、銅(Cu)からなる配線パターンPB(本発明の「第1の配線パターン」に相当する。)が形成されている。
配線パターンPA、PBは、LEDベアチップLnmを、絶縁基板20に8行8列のマトリックス状で実装するために、各行における奇数列目のLEDベアチップと、偶数列目のLEDベアチップとを直列に接続するように形成されている。
【0034】
そして、配線パターンPA、PBのうち、下部絶縁層22の表面に形成されている配線パターンPBにLEDベアチップLnmが電気的に接続される。
配線パターンPBは、図3に示すように、各行に対応して、偶数列の4個のLEDベアチップ(例えば、1行目では、図1におけるL12、L14、L16、L18)のみを直列に接続するために行方向(図3において横方向)に形成された偶数列部BEnと、奇数列の4個のLEDベアチップ(例えば、1行目では、図1におけるL11、L13、L15、L17)のみを直列に接続するために行(横)方向に形成された奇数列部BOnとを備えている(nは行数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)。
【0035】
一方、上部絶縁層21の配線パターンPAは、図2に示すように、下部絶縁層22に形成されている各n行内での奇数列部BOnと偶数列部BEnとを直列に接続するための列接続部ARnと、隣接する行同士を直列に接続するための行接続部ALnとを備え、これらは行方向に延びる帯状であって、列方向に複数行形成されている(nは行数を示し、1〜8の整数である。)。
【0036】
また、配線パターンPAは、図外の給電部から給電を受けるための給電端子部ASを備えている。この給電端子部ASには、下部絶縁層22の1行目の奇数列部BO1に接続される給電端子部AS1と、下部絶縁層22の8行目の奇数列部BO8に接続されるAS2とがある。
ここで、上部絶縁層21の配線パターンPAと下部絶縁層22の配線パターンPBとの接続関係について簡単に説明する。ここでは、1行目を例として、図2及び図3を用いて具体的に説明する。なお、本実施の形態では、給電端子部AS1、AS2が高電位側となっている。
【0037】
まず、下部絶縁層22の奇数列部BO1と偶数列部BE1とは、上部絶縁層21の列接続部AR1を介して接続される。つまり、奇数列部BO1は、その低電位側の端部の位置P1で列接続部AR1にビアホール(図中○で示している。)を介して接続され、また、偶数列部BE1は、その高電位側の端部の位置P2で列接続部AR1にビアホールを介して接続される。
【0038】
また、1行目の偶数列部BE1と、2行目の偶数列部BE2とは、上部絶縁層21の行接続部AL1を介して接続される。つまり、偶数列部BE1は、その低電位側の端部の位置P3で行接続部AL1にビアホールを介して接続され、また、2行目の偶数列部BE2は、その高電位側の端部の位置P4で行接続部AL1にビアホールを介して接続されている。
【0039】
給電端子AS1と1行目の奇数列部BO1との接続は、奇数列部BO1における高電位側の端部の位置P5でビアホールを介してなされている。これらの接続により、下部絶縁層22における1行目から4行目まで各LEDベアチップLnm(nは、1〜4の整数)が直列に接続されることになる。なお、5行目から8行目のLEDベアチップLnm(nは、5〜8の整数)の接続についても、1行目から4行目までの接続方法と略同様になされている。
【0040】
図4は、図2及び図3におけるA部の詳細図で、下部絶縁層22を見せるために、上部絶縁層21の一部(図4における左側部分)を取り除いている。図5は、図4のX−X線を含む鉛直面で切断したときの矢印方向からみた断面図である。
金属ベース基板15の表側に形成されている凹入部C73、C74、C75は、図5に示すように、下部絶縁層22を残して、上部絶縁層21が平面視(図4)略円形状に層ごと除去されている。そして、凹入部C73、C74、C75の底面がちょうど下部絶縁層22の表面となっている。つまり、上部絶縁層21と下部絶縁層22との境界が凹入部の底面になっている。
【0041】
図4に示す下部絶縁層22には、配線パターンPB(BE7、BO7、BE8、BO8)が形成されており、この配線パターンPBにおけるLEDベアチップL74、L75、L84、L85Lnmを実装する部分が凹入部C74、C75、C84、C85内に露出している。
本実施の形態で使用しているLEDベアチップLnmは、AlInGaNを用いた、所謂、青色LEDベアチップであって、その下面にp電極とn電極との両極を備えた片面電極型であり、フリップチップ実装されている。なお、片面電極のうち、上(表)面に両電極を備えたものを、以下、上面電極型といい、下(裏)面に両電極を備えたものを、以下下面電極型という。
【0042】
各LEDベアチップLnmの発光面は、平面視において実装される凹入部Cnmの略中央になるように配されている。
なお、LEDベアチップLnmは、そのp電極が凹入部Cnm内に露出した配線パターンPBの高電位側に、n電極が配線パターンPBの低電位側に、それぞれ接続される。
金属ベース24は、各絶縁層21、22よりも高い熱伝導率を有し、LEDベアチップLnmのそれぞれが発光した時に発生する熱を放熱する他、絶縁基板20を補強している。
【0043】
上記構成では、金属ベース基板15は、裏側に金属ベース24を備えると共に、下部絶縁層22の表面がちょうど底面となるような凹入部Cnmを表側の上部絶縁層21に備えている。そして、この凹入部Cnmの底面に相当する下部絶縁層22上にLEDベアチップLnmを実装している。従って、LEDベアチップLnmと金属ベース24との間には、下部絶縁層22の1層があるだけとなる。
【0044】
このため、2層の絶縁層21、22からなる絶縁基板20を用いた金属ベース基板15を使用しているにも拘わらず、LEDベアチップLnmが発光時に発生する熱は、下部絶縁層22を介して金属ベース24へと伝わって、金属ベース24から放熱される。熱伝導率の低い絶縁層の厚みが、絶縁基板20の略半分になることで、放熱効果は飛躍的に向上する。このため、LEDベアチップLnmの発光効率が低下したり、短寿命になったりするのを防止することができる。
【0045】
しかも、LEDベアチップLnmは、凹入部Cnmの底面に、配線パターンPBとの電気的接続が直接行えるように、フリップチップ実装されるので容易に実施することができる。
さらに、LED光源10は、上部絶縁層21と下部絶縁層22とから成る多層構造の絶縁基板20と、下部絶縁層22に貼着された金属ベース24とを備える金属ベース基板15を用いている。このため、例えば、LEDベアチップLnmを絶縁基板20に高密度実装する際に、配線パターンのルール上の制限から、1層の絶縁層の広さでは配線パターン全てが形成できないような場合でも、配線パターンを2層の絶縁層に分けてそれぞれ形成することができる。
【0046】
この場合、2層の絶縁層からなる絶縁基板を用いるため、LEDベアチップLnmと金属ベース24とが厚み方向に離れる惧れがあるが、凹入部Cnmの底面が下部絶縁層22の表面となるように凹入部Cnmを形成し、この凹入部Cnm内の底面にLEDベアチップLnmを実装しているので、LEDベアチップLnmと金属ベース24との距離は、下部絶縁層22の厚み分となる。従って、LEDベアチップLnmの発光時に生じる熱は下部絶縁層22を通って金属ベース24から放熱され、その放熱性能は単層構造の金属ベース基板と略同等となる。
【0047】
一方、LEDベアチップLnmは、凹入部Cnm内に実装されているので、LED光源10の厚みを薄くすることができる。
2.LED光源の具体的構成について
上記のLED光源10について具体例について説明する。絶縁基板20を構成する下部絶縁層22及び上部絶縁層21の厚みは、略0.1mmである。この絶縁層21、22は、無機質フィラーとしてアルミナを、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂をそれぞれ使用した、所謂、アルミナコンポジット材料である。また、金属ベース24には、厚みが略1mmのアルミニウム板を用いた。
【0048】
各LEDベアチップLnmは、300μm角、高さ100μmである。また、行方向及び列方向に隣接するLEDベアチップ同士は、その中心間距離が略2.5mmとなるように絶縁基板20に高密度で実装されている。
凹入部Cnmの形状は、図4に示すように平面視円形状であり、図5に示すようにその穴径D1が0.5mmである。この寸法は、使用しているLEDベアチップLnmの一辺の長さが300μmであることから、LEDベアチップLnmの実装に最低でも穴径で0.5mmは必要となる。しかしながら、穴径D1があまり大きくなると、隣接するLEDベアチップLnmの実装間隔が大きくなり、高密度実装できなくなる。なお、LEDベアチップLnmのn電極及びp電極に接続される配線パターンPBの間隔L1は、略50μmである(図5参照)。
【0049】
3.金属ベース基板の製造方法について
図6は、金属ベース基板の製造方法を説明するための図である。この図6を参照しながら、LEDベアチップを実装する前の金属ベース基板15の製造方法について簡単に説明する。
まず上部絶縁層21について説明する。上部絶縁層21用の半硬化状態の絶縁板12を準備し[工程(a)]、この絶縁板12の上面に配線パターンPA用の銅箔を貼着した後、配線パターンに対応する部分を残し、他の不要な銅箔部分をエッチングにより除去する。これにより、絶縁板12の上面に配線パターンPAが形成されることになる[工程(b)]。
【0050】
そして、上記配線パターンPAが形成された絶縁板12に凹入部を形成するための貫通孔Tと、配線パターンPAと下部絶縁層22の配線パターンPBとを電気的に接続するビアホール用の貫通孔とを打ち抜き加工により形成する。そして、ビアホール用の貫通孔に導電性ペーストを充填してビアホールVを形成する[工程(c)]。
このとき、凹入部用の貫通孔Tとビア用の貫通孔とを同時に打ち抜き加工しているので、2種類の貫通孔を形成しているにも拘わらず、1回の工程で両貫通孔を形成することができる。
【0051】
次に、下部絶縁層22について説明する。下部絶縁層22用の半硬化状態の絶縁板14を準備し[工程(d)]、この絶縁板14の上面に配線パターンPB用の銅箔を貼着した後、配線パターンに対応する部分を残し、他の不要な銅箔部分をエッチングにより除去する。これにより、絶縁板14の上面に配線パターンPBが形成されることになる[工程(e)]。
【0052】
以上のように、上(表)面に配線パターンPAが形成された絶縁板12と、上(表)面に配線パターンPBが形成された絶縁板14とを、そのパターンが形成されている面が上側となるように、この順序で重ねあわせ、さらに、その重ね合わせた絶縁板14の下(裏)面(下層の絶縁板14における配線パターンが形成されていない面)に金属ベース用である、金属板16を重ねあわせて[工程(f)]、加圧及び加熱する。
【0053】
これにより、上下の絶縁板12、14が硬化して、上下の絶縁層21、22からなる絶縁基板20が完成し、また、下部絶縁層22と金属板16とが接合されて金属ベース基板15が完成する。当然金属ベース基板15の完成に合せて貫通孔Tのところに凹入部Cも形成される[工程(g)]。
なお、上記のようにして製造された金属ベース基板15の凹入部C内にLEDベアチップが、公知の技術を用いてフリップチップ実装されて、LED光源が完成する。
【0054】
なお、本明細書では、半硬化状態の絶縁板を硬化させたものを絶縁層としている。また、絶縁板12、14と金属板16とを貼り合わせて加圧・加熱する際に、上部絶縁層21用の絶縁板12に設けた貫通孔Tが潰れる場合は、これらを加圧する加圧部に上記の貫通孔Tに対応して凸部を設ければ良い。
上記のように、配線パターンPAと凹入部用の貫通孔Tとが形成された上部絶縁層21用の絶縁板12と、配線パターンPBが形成された下部絶縁層22用の絶縁板14とを積み重ねて、加熱・加圧成形すれば、絶縁基板20の表面側に凹入部Cが容易に形成され、しかも、凹入部Cの底に相当する面がちょうど下部絶縁層22の表面となる。
【0055】
さらに、図3に示すように、配線パターンPBは、下部絶縁層22の上面の略全域に亘って形成されているが、奇数列部BOnと偶数列部BEnは互いに離れている。これにより下部絶縁層22の表面と上部絶縁層21の裏面とが、配線パターンPBが形成されていない部分で直接結合でき、両者を強固に固着できる。
なお、本実施の形態では、半硬化状態の絶縁板12、14を重ねて加熱・加圧しているが、例えば、下部絶縁層22用の絶縁板14と金属板16とを先に加熱・加圧成形し、その後に、上部絶縁層21用の半硬化状態の絶縁板12を、上記先に成形した下部絶縁層22上に重ねて加熱・加圧成形すると、配線パターンPBに凸凹が少なくなる。つまり、配線パターンPBにおけるLEDベアチップを実装する面の平面度を向上させることができる。このため、この配線パターンPBに実装される各LEDベアチップLnmの実装性が向上すると共にその発光層の向きを一定にすることができる。
【0056】
4.その他
(1)LEDベアチップの実装方法について
上記の実施の形態では、LEDベアチップLnmとして、電極を下(裏)面に有する下面電極型のものを使用したが、他のタイプのLEDベアチップを用いてもよい。このような他のタイプとしては、電極を表裏両面に有する両面電極型、そして電極を上(表)面に有する上面電極型があり、それぞれについて説明する。
【0057】
A.両面電極型を実装する場合
両面電極型のLEDベアチップが金属ベース基板に実装されてなるLED光源について説明する。ここでは、LEDベアチップの裏面の電極が下部絶縁層の配線パターンに接続され、表面の電極が下部絶縁層(変形例1)又は上部絶縁層(変形例2)の配線パターンに接続される例について説明する。
【0058】
なお、両面電極型のLEDベアチップとしては、例えば、AlInGaP系のものがある。
(ア)表面の電極を下部絶縁層に接続する例(本例を、「変形例1」とする。)
図7の(a)は、両面電極型のLEDベアチップを用い、表面の電極を下部絶縁層に接続する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。
【0059】
金属ベース基板32は、同図に示すように、金属ベース33と、金属ベース33の表側に貼着された絶縁基板34とを備えている。絶縁基板34は、上記実施の形態と同様に、上部絶縁層35と下部絶縁層36とからなる多層(2層)構造を有し、金属ベース基板32は、下部絶縁層36を残して、絶縁基板34の表面から金属ベース33側へと凹入する凹入部C1を備えている。
【0060】
上部絶縁板35の表面に、上記実施の形態における配線パターンPAに相当する配線パターンが形成されている(図示省略)。また、下部絶縁板36の表面にも、上記実施の形態における配線パターンPBに相当する配線パターンP1B1,P1B2が形成されている。なお、凹入部C1の形状も、上記実施の形態と同様に、平面視円形状をしている。
この配線パターンP1B1,P1B2は、その一部が凹入部C1内で露出し、この露出している部分にLEDベアチップL1が接続されている。
【0061】
LEDベアチップL1と配線パターンP1B1,P1B2との電気的接続は、その下面の電極が配線パターンP1B1に導電性のペーストを介してダイボンディングされることにより、また上面の電極が金線等のワイヤー38を介して配線パターンP1B2にワイヤボンディングされることによりそれぞれ行われる。
ここでは、LEDベアチップL1の上面の電極を下部絶縁層36上の配線パターンP1B2に接続しているため、凹入部C1内に露出している配線パターンP1B1とP1B2との間隔L2が0.25mm程度必要となり、凹入部C1の平面視の穴径D2は、1.0mm程度必要となる(図7の(a)参照)。
【0062】
(イ)表面の電極を上部絶縁層に接続する例(本例を、「変形例2」とする。)
図7の(b)は、両面電極型のLEDベアチップを用い、表面の電極を上部絶縁層に接続する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。
金属ベース基板42は、同図に示すように、上述の変形例1と略同様の構造を有し、絶縁基板44の表側に凹入部C2を備えている。絶縁基板44は、上記の実施の形態及び変形例1と同様に、上下の絶縁層45、46により構成される。
【0063】
下部絶縁層46の表面には、上記変形例1の配線パターンP1B1,P1B2に相当する配線パターンP2B1,P2B2が形成されている。これら配線パターンP2B1,P2B2のうち、一方の配線パターン、例えば、配線パターンP2B1の一部が凹入部C2内に露出している。
一方、上部絶縁層45の表面には、上記実施の形態における配線パターンPAに相当する配線パターン(図示省略)の他、下部絶縁層46の配線パターンP2B2にビアホールV2を介して接続されているパッドP2Cが形成されている。
【0064】
両面電極型のLEDベアチップL2は絶縁基板44にダイボンディングされており、その下面の電極が配線パターンP2B1にダイボンド用の銀ペーストを介して接続され、また上面の電極が金線等のワイヤー48を介してパッドP2Cにワイヤボンディングされることにより接続されている。
なお、ここでは、LEDベアチップL2の上面の電極を上部絶縁層45上の配線パターンP2Cに接続しているため、凹入部C2の穴径D3は、0.5mm程度まで小さくすることができる(図7の(b)参照)。
【0065】
しかも、LEDベアチップL2を凹入部C2内の底面にダイボンディングする際に、ダイボンド用の銀ペーストが凹入部C2から流出することがなく、金属ベース基板42の表面に銀ペーストが付着するのを防ぐことができる。
また、LEDベアチップL2の上面の電極と、上部絶縁層45上のパッドP2Cとをワイヤー48により接続する場合、ワイヤー48の曲率を小さくできるので、ワイヤー48が剥がれたり、折れたりするのを防止でき、また、効率良くボンディングできる。
【0066】
B.上面電極型を実装する場合(変形例3、4)
上面電極型のLEDベアチップが金属ベース基板に実装されてなるLED光源について説明する。ここでは、LEDベアチップの表面の電極が下部絶縁層(変形例3)又は上部絶縁層(変形例4)の配線パターンに接続される例について説明する。
なお、上面電極型のLEDベアチップとしては、例えば、AlInGaN系のものがある。
【0067】
(ア)両電極を下部絶縁層に接続する例(本例を、「変形例3」とする。)
図8の(a)は、上面電極型のLEDベアチップを用い、上面の電極を下部絶縁層に接続する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。
金属ベース基板52は、同図に示すように、金属ベース53と、金属ベース53の表側に貼着された絶縁基板54とを備えている。この絶縁基板54は、実施の形態と同様に、上部絶縁層55と下部絶縁層56とからなる多層(2層)構造を有し、また、金属ベース基板52は、下部絶縁層56を残して、絶縁基板54の表面から金属ベース53側へと凹入する凹入部C3を備えている。
【0068】
上部絶縁板55の表面に、上記実施の形態における配線パターンPAに相当する配線パターンが形成されている(図示省略)。また、下部絶縁板56の表面にも、上記実施の形態における配線パターンPBに相当する配線パターンP3B1,P3B2が形成されている。
この配線パターンP3B1,P3B2の一部は、凹入部C3内まで延伸し、その内部で露出している。そして、この露出している部分にLEDベアチップL3の電極が接続されている。
【0069】
具体的には、LEDベアチップL3は、一方の電極がワイヤー59を介して配線パターンP3B1に、他方の電極がワイヤー58を介して配線パターンP3B2にそれぞれ接続されている。
(イ)両電極を上部絶縁層に接続する例(本例を「変形例4」とする。)
図8の(b)は、上面電極型のLEDベアチップを用い、上面の両電極を上部絶縁層に接続する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。
【0070】
金属ベース基板62は、同図に示すように、上述の変形例3と略同様の構造を有し、絶縁基板64の表側に凹入部C4を備えている。絶縁基板64は、上記の実施の形態と同様に、上下の絶縁層65、66により構成される。
下部絶縁層66の表面には、上記実施の形態における配線パターンPBに相当する配線パターンP4B1,P4B2が形成されている。なお、これら配線パターンP4B1,P4B2は、実施の形態及び上記変形例1〜3と異なり、凹入部C4内には露出していない。
【0071】
一方、上部絶縁層65の表面には、上記実施の形態における配線パターンPAに相当する配線パターン(図示省略)の他、下部絶縁層66の配線パターンP4B1,P4B2とビアホールV4を介して接続するパッドP4C1,P4C2が形成されている。
上面電極型のLEDベアチップL4は、その一方の電極がワイヤー68を介してパッドP4C2に、他方の電極がワイヤー69を介してパッドP4C1にそれぞれ接続されている。なお、本変形例においては、LEDベアチップL4が上部絶縁層65にワイヤボンディングされるため、凹入部C4の穴径は、変形例3における凹入部C3の穴径よりも小さくできる。これにより上部絶縁層65における配線パターンの形成可能な面積を広げることができる。
【0072】
(ウ)その他
上記変形例3及び変形例4では、LEDベアチップL3,L4は、上部絶縁層又は下部絶縁層に形成された配線パターン又はパッドに接続されているが、例えば、LEDベアチップの一方の電極を下部絶縁層に、また他方の電極を上部絶縁層にそれぞれ接続してもよい。なお本明細書では、パッドを配線パターンに含まれるとして使用している。
【0073】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、金属ベース基板の絶縁基板に、第1の実施の形態と同様に凹入部が形成されているが、当該凹入部は、絶縁基板を貫通して金属ベースにまで達している点で、第1の実施の形態と異なる。
1.LED光源の構成について
ここで、説明するLED光源は、第1の実施の形態と同様に、金属ベース基板と、この金属ベース基板に実装された複数のLEDベアチップとを備え、金属ベース基板の表面側には、凹入部が8行8列のマトリックス状に形成されており、この底にLEDベアチップが実装されている。
【0074】
なお、本実施の形態で、位置等に関係なく、単なる凹入部を指す場合は、第1の実施の形態における凹入部Cnmと区別するために、符号「2Cnm」を用い、同様に、LEDベアチップも、第1の実施の形態と区別するために、符号「2Lnm」を用いる。
上記の第1の実施の形態で説明した金属ベース基板15では、凹入部Cnmが絶縁基板20の下部絶縁層22を残して形成されているの対し、本実施の形態における金属ベース基板は、凹入部2Cnmが絶縁層を残さずに形成されている点で異なる。本実施の形態における凹入部2Cnmの位置、金属ベース基板の構成等は、第1の実施の形態と同様であるため、これらの説明は省略する。
【0075】
図9は、第1の実施の形態での図2におけるA部に相当する部分の詳細図である。図10は、図9の2X−2X線を含む鉛直面で切断したときの矢印方向からみた断面図である。図11は、図9に示す部分における下部絶縁層を示している。
なお、A部は、凹入部2Cnmのうち、nが7と8、mが3〜5までの計6個が含まれる範囲であり、他の範囲における凹入部2Cnm、LEDベアチップ2Lnm等の構造及び実装状態もA部と同じである。
【0076】
それでは、本実施の形態を図9〜11に基づいて以下に説明する。
金属ベース基板215は、図9〜図11に示すように、上部絶縁層221と下部絶縁層222とからなる絶縁基板220と、金属ベース224とからなり、表面から金属ベース224側に凹入する凹入部2C73〜2C75、2C83〜2C85が形成されている。
凹入部2C73〜2C75は、図10に示すように、絶縁基板220を貫通しており、凹入部2C73〜2C75の底がちょうど金属ベース224の絶縁基板220側の面となっている。
【0077】
凹入部2C73〜2C75、2C83〜2C85は、図9〜図11に示すように、上部絶縁層221に設けられた上部開口2C73a〜2C75a、2C83a〜2C85aと、下部絶縁層222に設けられた下部開口2C73b〜2C75b、2C83b〜2C85bとからなる。
絶縁基板220には、第1の実施の形態における絶縁基板20と同様に、各絶縁層221、222の表側の面に配線パターン2PA、2PBが形成されている。なお、配線パターン2PBが本発明の第3の配線パターンに相当し、配線パターン2PAが第4の配線パターンに相当する。
【0078】
下部絶縁層222は、第1の実施の形態の配線パターンPBと同様な、配線パターン2PBを備えるが、LEDベアチップ2L73〜2L75、2L83〜2L85を実装する部分に下部開口2C73b〜2C75b、2C83b〜2C85bが設けられている点で、第1の実施の形態における下部絶縁層22と異なる。
上部開口2C73a〜2C75a、2C83a〜2C85aの穴径は、図9〜図11に示すように、下部開口2C73b〜2C75b、2C83b〜2C85bの穴径よりも大となっている。
【0079】
また、図9に示すように、下部絶縁層222上に形成された奇数列部2BO7、2BO8と偶数列部2BE7、2BE8とが、下部開口2C73b〜2C75b、2C83b〜2C85b近傍まで形成されており、配線パターン2PBにおける下部開口2C73b〜2C75b、2C83b〜2C85b近傍部分が、凹入部2C73〜2C75、2C83〜2C85内に露出している。
【0080】
LEDベアチップ2L73〜2L75、2L83〜2L85は、図9〜図11に示すように、凹入部2C73〜2C75、2C83〜2C85の底、つまり、凹入部内の金属ベース224の表側の面に実装される。
このLEDベアチップ2L73〜2L75、2L83〜2L85は、上面に両電極を有する上面電極型であって、下(裏)面が凹入部2C73〜2C75、2C83〜2C85の底に相当する金属ベース224の表面にダイボンディングされ、また、LEDベアチップ2L73〜2L75、2L83〜2L85の表面の電極が、ワイヤー218,219を介して配線パターン2PB(奇数列部2BO7、2BO8と偶数列部2BE7、2BE8)にワイヤボンディングされている。
【0081】
なお、上面に両電極を有する上面電極型のLEDベアチップ2Lnmとしては、例えば、変形例3及び変形例4で説明したような、AlInGaN系のものがある。
上記のLED光源に用いている金属ベース基板215は、裏側に金属ベース224を備えると共に、絶縁基板220を厚さ方向に貫通する凹入部2Cnmを表側に備えている。そして、この凹入部2Cnmの底面に相当する金属ベース224にLEDベアチップ2Lnmが直接実装されている。
【0082】
このため、2層の絶縁層221、222からなる絶縁基板220を用いた金属ベース基板215を使用しているにも拘わらず、LEDベアチップ2Lnmが発光時に発生する熱は、直接金属ベース224へと伝わって、金属ベース224から放熱される。
したがって、本第2の実施の形態では、放熱経路において放熱特性を著しく低下させる絶縁層を経由しないため、第1の実施の形態を超える放熱効果を得ることができる。
【0083】
2.LED光源の具体的構成について
上記のLED光源10について具体例について説明する。
各LEDベアチップ2Lnmは、300μm角、高さ100μmである。
凹入部2Cnmの形状は、図9に示すように、略円形状であって、上部開口2Cnmaの穴径D4が1.0mmであり、下部開口2Cnmbの穴径D5が0.5mmである(図10参照)。
【0084】
下部開口2Cnmbの寸法は、使用しているLEDベアチップ2Lnmの一辺の長さが300μmであることから、LEDベアチップ2Lnmの実装に最低でも穴径で0.44mmは必要となる。
しかしながら、穴径D5があまり大きくなると、隣接するLEDベアチップ2Lnmの実装間隔が大きくなり、LEDベアチップ2Lnmを高密度実装できなくなる。
【0085】
なお、下部絶縁層222及び上部絶縁層221の厚み、絶縁基板220の材料、金属ベース224の材料及び厚さについては、第1の実施の形態と同様である。
3.金属ベース基板の製造方法について
本実施の形態における金属ベース基板215は、第1の実施の形態で説明した製造方法を用いて製造できる。
【0086】
つまり、第1の実施の形態では、上部絶縁層にのみ貫通孔が形成されていたが、本実施の形態では、上部貫通孔の穴径よりも小さい貫通孔を下部絶縁層用の絶縁板に形成し、これらを上部絶縁層用の絶縁板と、下部絶縁層用の絶縁板と、金属ベース用の金属板とを重ねて、加熱・加圧して一体化すればよい。
4.その他
(1)実装方法について
上記の第2の実施の形態では、LEDベアチップ2Lnmの電極がワイヤボンディングにより下部絶縁層222の配線パターン2PB(2BEn、2BOn)に接続されている(図9〜図11参照)が、他の絶縁層に電極を接続しても良い。
【0087】
図12は、表面の両電極を上部絶縁層に接続する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。なお、表面の両電極を上部絶縁層に接続する本例を、変形例5とする。
金属ベース基板252は、同図に示すように、第2の実施の形態と略同様の構造を有し、絶縁基板254を貫通する凹入部2C1を備えている。なお、絶縁基板254は、上記の実施の形態と同様に、上下の絶縁層255,256により構成される。
【0088】
下部絶縁層256の表面には、上記第2の実施の形態における配線パターン2PBに相当する配線パターン2PB1,2PB2が形成されている。なお、これら配線パターン2PB1,2PB2は凹入部2C1内には露出していない。
一方、上部絶縁層255の表面には、上記第2の実施の形態における配線パターン2PAに相当する配線パターン(図示省略)の他、下部絶縁層256の配線パターン2PB1、2PB2とビアホール2V1を介して接続するパッド2PC1,2PC2が形成されている。
【0089】
上面電極型のLEDベアチップ2L1は、その一方の電極がワイヤー239を介してパッド2PC1に、他方の電極がワイヤー238を介してパッド2PC2にそれぞれ接続されている。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態は、金属ベース基板の絶縁基板に表面に発光体を実装し、前記絶縁基板は、前記発光体と金属ベースとの間に伝熱部材を設けている。
【0090】
1.LED光源の構成について
図13は本実施の形態における金属ベース基板の平面図である。
金属ベース基板310は、第1及び第2の実施の形態と同様に、無機フィラー入りの熱硬化性樹脂からなる複数の絶縁層(本実施の形態では2層)の表面に銅(Cu)製の配線パターンが形成された絶縁基板320(図16参照)と、当該絶縁基板320の下層側の絶縁層に取着された金属ベース324(図16参照)とからなる。
【0091】
なお、後述の図16に示すように、絶縁基板320を構成する2層の絶縁層の内、表面(上)側の層を上部絶縁層321、裏面(下)側の層を下部絶縁層322とそれぞれいう。図13では、金属ベース基板310の表層にある上部絶縁層321のみが現れている。
金属ベース基板310には、第1及び第2の実施の形態と同様に、64個のLEDベアチップが8行8列のマトリックス状に整然と実装される。各LEDベアチップの実装位置を符号3Dnm(nは行数を、mは列数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)で示す。
【0092】
図14は、上部絶縁層を取り除いた状態を平面視した下部絶縁層の平面図である。
図13及び図14に示す上部絶縁層321及び下部絶縁層322に設けられた配線パターン3PA,3PBは、主に、各行における奇数列目のLEDベアチップと、偶数列目のLEDベアチップとをそれぞれを直列に接続する目的で形成されている。なお、配線パターン3PA、3PBの順序は、4行目と5行目の間で、その順序が逆となっている。
【0093】
このため、上部絶縁層321の配線パターン3PAは、図13に示すように、各行に対応して、偶数列の4個のLEDベアチップ(例えば、1行目では、3D12、3D14、3D16、3D18の4箇所に実装されるLEDベアチップ)のみを直列に接続するために行(横)方向に形成された偶数列部3AEnと、奇数列の4個のLEDベアチップ(例えば、1行目では、3D11、3D13、3D15、3D17の4箇所に実装されるLEDベアチップ)のみを直列に接続するために行(横)方向に形成された奇数列部3AOnと、各行のLEDベアチップに給電するための給電端子部3ASとを備えている(nは行数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)。
【0094】
各行の奇数列部3AOn及び偶数列部3AEnは、互い対向する側が列方向に凹凸する波形状をしており、一方の凹に他方の凸が入るように組み合わさって、LEDベアチップを略行方向に1列に実装するようになっている。なお、給電端子部3ASは、所定の行のLEDベアチップに給電できるように形成されている。
一方、下部絶縁層322の配線パターン3PBでは、図14に示すように、上部絶縁層321の各行の奇数列部3AOnと偶数列部3AEnとに対応して、横方向に延伸する、奇数列部3BOnと3偶数列部3BEnがそれぞれ形成されている(nは行数を示し、1〜8の整数である。)。この奇数列部3BOn及び偶数列部3BEnも、上記の奇数列部3AOnと偶数列部3AEnと同様に、互いに対向する側が列方向に凹凸する波形状をしており、一方の凹に他方の凸が入るように組み合わさっている。
【0095】
次に、上部絶縁層321の配線パターン3PAと下部絶縁層322の配線パターン3PBとの接続関係について説明する。ここでは、1行目を例として、図13及び図14を用いて具体的に説明する。
なお、上部絶縁層321の配線パターン3PAの1行目の偶数列部3AE1に接続する給電端子部3AS1及び8行目の奇数列部3AO8に接続する給電端子部3AS2がそれぞれ高電位となっている。
【0096】
まず、上部絶縁層321の偶数列部3AE1と奇数列部3AO1とは、偶数列部3AE1の低電位側3P1が下部絶縁層322の偶数列部3BE1の左側端部3P1に接続され、この偶数列部3BE1の右寄り部3P2が上部絶縁層321の奇数列部3AO1の高電位側3P2に接続されることで直列に接続される。
また、1行目の奇数列部3AO1と、次の行である2行目の奇数列部3AO2とは、奇数列部3AO1の低電位側3P3が下部絶縁層322の奇数列部3BO1の左側端部3P3に接続され、この奇数列部3BO1の右端寄り部3P4が上部絶縁層321の奇数列部3AO2の高電位側3P4に接続されることで直列に接続される。
【0097】
このようにして、上部絶縁層321における、1行目から4行目までが直列に接続され、4行目の偶数列部3AE4の低電位側が、下部絶縁層322の偶数列部3BE4を介して給電端子部3AS3に接続される。なお、上部絶縁層321の配線パターン3PAと、下部絶縁層322の配線パターン3PBとの接続は、例えばビアホールを介してなされている。
【0098】
従って、1行目から4行目のLEDベアチップを発光させる場合には、1行目の偶数列部3AE1の高電位側の給電端子部3AS1と低電位側の給電端子部3AS3とに印加すればよいことになる。なお、5行目から8行目も同様に、偶数列部3AE8の高電位側の給電端子部3AS2と低電位側の給電端子部3AS4とに印加すれば、5行目から8行目に実装されているLEDベアチップを発光させることができる。
【0099】
図15は、図13におけるB部の詳細図で、下部絶縁層322を見せるために、上部絶縁層321の一部を取り除いている。図16は、図15の3X−3X線を含む鉛直面で切断して矢印方向から見たときの断面図である。
ここで、各LEDベアチップの実装位置3D11〜3D88に実装されているLEDベアチップの符号を「3Lnm」とし(nは行数を、mは列数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)、第1及び第2の実施の形態におけるLEDベアチップと区別する。
【0100】
下部絶縁層322には、図15及び図16に示すように、上部絶縁層321の配線パターン3PAに実装されているLEDベアチップ3Lnmの実装位置3D11〜3D88の裏側(つまり下部絶縁層322の表側の面)に、LEDベアチップ3Lnmの発光時に発生する熱を、その裏側(下方)の金属ベース324へと伝えるための伝熱部材3Anm(nは行数を、mは列数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)が設けられている。この伝熱部材3Anmは、下部絶縁層322上に形成されている配線パターン3PBの一部により構成されている。
【0101】
上記構成によれば、下部絶縁層322の表側の面にLEDベアチップ3Lnmの実装位置3Dnmに対応して伝熱部材3Anm(配線パターン3PB)が配されているので、LEDベアチップ3Lnmの発光時に発生する熱が、伝熱部材3Anmを介して金属ベース324に伝わって放出される。これにより、絶縁基板を多数の絶縁層からなる多層構造にしても、LEDベアチップ3Lnmの発生した熱が伝熱部材3Anmを介して金属ベース324から放熱されるので、LEDベアチップ3Lnmの発光効率が低下したり、短寿命になったりするのを防止することができる。
【0102】
さらに、金属ベース基板310は、上部絶縁層321と下部絶縁層322とから成る多層構造を有しているので、例えば、LEDベアチップ3Lnmを高密度実装する際に、パターンルール上の制限から上部絶縁層321の広さでは配線パターンが全て形成できないような場合でも、下部絶縁層322に配線パターン3PBを形成することができる。
この場合、表面のLEDベアチップ3Lnmと金属ベース324とが厚み方向に離れることになるが、上述のように、両者の間に位置する下部絶縁層322には伝熱部材3Anmが形成されているので、発光時に生じる熱は、その伝熱部材3Anmを通って金属ベース324に伝わり、金属ベース324から放熱される。
【0103】
2.LED光源の具体的構成について
上記の金属ベース基板310について具体例について説明する。
絶縁基板320を構成する上部絶縁層321及び下部絶縁層322の厚みは、略0.1mmである。上部絶縁層321の配線パターン3PAの厚みは、部分的に狭ギャップのパターンを必要とするため約9μmとしている。これに対し、下部絶縁層322の配線パターン3PBの厚みは、一般的な35μmの銅箔を用いており、下部絶縁層322の配線パターン3PBの方が配線パターン3PAよりも厚くなっている。
【0104】
このように下部絶縁層322の配線パターン3PBが、上部絶縁層321の配線パターン3PAよりも厚くなっているので、より多くの熱を金属ベース324へと伝えることができる。
ここで、伝熱部材3Anmの厚みは、上下の絶縁層321、322の厚みに対して1/4以上が好ましい。これは、伝熱部材3Anmの厚みが1/4未満だと金属ベース324に伝える熱量が少なく、放熱効果が小さいからである。
【0105】
なお、金属ベース324及びLEDベアチップ3Lnmも、第1の実施の形態で説明したものと同じであり、また、LEDベアチップ3Lnmの実装位置等についても、第1の実施の形態と同様である。
3.金属ベース基板の製造方法について
図17は、金属ベース基板の製造方法を説明するための図である。
【0106】
この図17を参照しながら、金属ベース基板315の製造方法について簡単に説明する。
まず、上部絶縁層321について説明する。上部絶縁層321用の半硬化状態の絶縁板312の所定位置にビア用の貫通孔を打ち抜き加工等により形成し、この貫通孔に導電性ペーストを充填する。これにより、所定位置にビアを有する絶縁板312が得られる。
【0107】
次に、この絶縁板312の両面に配線パターン3PA、3PB用の銅箔を貼着し[工程(b)]、上面では銅箔における配線パターン3PAに対応する部分を残し、また下面では配線パターン3PBに対応する部分を残し、それぞれ不要な銅箔部分を、エッチングにより除去する。
これにより、絶縁板312の上面に上部絶縁層321に対応した配線パターン3PAが、また下面に下部絶縁層322に対応した配線パターン3PBがそれぞれ形成されることになる[工程(c)]。
【0108】
次に、下部絶縁層322用の半硬化状態の絶縁板314を準備し[工程(d)]、上記の絶縁板312、用意した絶縁板314及び金属ベース324用の金属板316とを、絶縁板312が表側となるようにその順序で重ねあわせて[工程(e)]、加圧及び加熱する。これにより、上下の絶縁板312,314が接合されると共に下側の絶縁板314と金属板316とが接合されて、上下の絶縁層321、322と金属ベース324との3層からなる金属ベース基板315が完成する[工程(f)]。
【0109】
なお、上記のようにして製造された金属ベース基板310の実装位置3DnmにLEDベアチップ3Lnmがフリップチップ実装されると、LED光源が完成する。また、本実施の形態においても、絶縁板312,314を重ねて硬化して層構造になったものを、上部絶縁層321、下部絶縁層322としている。
上記のように配線パターン3PA、3PBをエッチングにより形成しているので、LEDベアチップ3Lnmの実装位置3Dnmに対応して伝熱部材3Anmを設ける際にも、配線パターン3PBのパターン形成時に、伝熱部材も含めて行えば良く伝熱部材3Anmを容易に形成できる。
【0110】
また、表面に配線パターン3PA,3PBが形成された半硬化状態の絶縁板312及び絶縁板314を重ねて加熱・加圧しているので、硬化後において、上部絶縁層321の配線パターン3PAの表面と、上部絶縁層321の表面であって配線パターン3PAが形成されていない部分とが略同じ高さにできる。
つまり、絶縁板312として、無機フィラーと樹脂材料とから構成されるコンポジット材料を用いているために加熱時に軟化し、配線パターン3PAが略埋設されるために、加熱後の上部絶縁層321の表面を略面一状にできる。
【0111】
このため、絶縁基板の表面の凹凸が略無くなり、LEDベアチップ3Lnmの実装がより容易になり、また各LEDベアチップ3Lnmの発光層の向きを一定にした状態でそれを実装することが容易にできる。
さらに、図14に示すように、配線パターン3PBは、下部絶縁層322の表面の全体に亘って形成されているが、奇数列部3BOnと偶数列部3BEnは互いに離れている。これにより下部絶縁層322の上面(配線パターン側)と上部絶縁層321の下面(LEDベアチップ実装面と反対側)とが、配線パターン3PBが形成されていない部分で直接結合できる。従って、放熱性能を上げるために配線パターン3PBの面積を広くしても、上下の絶縁層321,322を強固に結合することができる。
【0112】
<第4の実施の形態>
第3の実施の形態における下部絶縁層322の配線パターン3PBは、伝熱部材3Anmを含むように形成されている。これに対して本第4の実施の形態では、配線パターンとは別に伝熱部材を設けたものである。なお、第4の実施の形態では、各部材部品等の符号に第3の実施の形態で用いた300番台を400番台に、また英字の前に付していた「3」を「4」に変更したものを使用する。
【0113】
図18は、第4の実施の形態における金属ベース基板の平面視の拡大図であって、下部絶縁層を見せるために、上部絶縁層の一部を取り除いている。以下、同図を用いて説明する。
LEDベアチップ4L74〜4L76、4L84〜4L86は、第3の実施の形態と同様に、上部絶縁層421に形成された配線パターン4PA(7行目及び8行目の4AE7、4AE8、4AO7、4AO8)にフリップチップ実装されている。なお、図18に示すLEDベアチップ4L74〜4L76、4L84〜4L86以外のLEDベアチップも、同様に金属ベース基板415の表面に実装されているが、図面の便宜上拡大図で説明する。
【0114】
下部絶縁層422には、LEDベアチップ4Lnm用の配線パターン4PB(7行目及び8行目の4BE7、4BE8、4BO7、4BO8)が形成されている。さらに、下部絶縁層422には、上部絶縁層421のLEDベアチップ4Lnm(4L74〜4L76、4L84〜4L86)の実装位置に対応して、円形状の伝熱部材4A74〜4A76、4A84〜4A86)が形成されている。
【0115】
この伝熱部材4Anmは、第3の実施の形態と同様に、上部絶縁層421に実装されたLEDベアチップ4Lnmの発光時に発生した熱を金属ベースへと伝えるためのものである。従って、熱を伝えるために伝熱部材4Anmは、上部絶縁層421及び下部絶縁層422を構成する材料よりも熱伝導率が大きい材料が用いられている。具体的には、上部・下部絶縁層421、422は、上記第3の実施の形態で説明したコンポジット材料(主成分は樹脂材料)を用い、伝熱部材4Anmは、配線パターン4PA、4PBの材料と同じ銅が用いられている。
【0116】
伝熱部材4Anmは、第3の実施の形態と同様に、下部絶縁層422上の配線パターン4PBと同時に形成される。つまり、第3の実施の形態とは、伝熱部材が配線パターンに含まれているか否かの違いだけである。ここで、配線パターン4PBは、LEDベアチップ4Lnmの発光時に、LEDベアチップ4Lnmに電流を給電するためのものであり、ここでの伝熱部材4Anmとは機能上異なる。
【0117】
本実施の形態における金属ベース基板も、第3の実施の形態と同様に、LEDベアチップ4Lnmに対応して伝熱部材4Anmを有しているので、LEDベアチップ4Lnmの発光時の熱を伝熱部材4Anmから金属ベースへと伝えることができる。
また、伝熱部材4Anmが、配線パターン4PBと離れて独立して設けられているため、上部絶縁層421と下部絶縁層422とが直接接合する面積が、第3の実施の形態よりも広くなり、第3の実施の形態に比べて、上部・下部絶縁層422、421との接合力を高めることができる。
【0118】
なお、第3の実施の形態及び本実施の形態で説明した伝熱部材3Anm、4Anmは、平面視円形状をしているが、多角形状、楕円形状等の他の形状であっても良い。伝熱部材3Anm、4Anmの平面視の大きさは、LEDベアチップ3Lnm、4Lnmの平面視の大きさよりも大きい方が好ましく、第3及び第4の実施の形態では、伝熱部材3Anm、4Anmの直径が500μmであった。
【0119】
さらに、第4の実施の形態では、1個のLEDベアチップ4Lnmに対応して、1個の伝熱部材4Anmが設けられているが、例えば、2個のLEDベアチップ4Lnmに対応して1個の伝熱部材が設けられても良い。さらに、伝熱部材は、複数(例えば、奇数列部の4個又は偶数列部の4個)のLEDベアチップに対応するように、左右方向に帯状に設けても良い。
【0120】
4.その他
(1)絶縁基板について
上記の第4の各実施の形態では、上部絶縁層421と下部絶縁層421の2層から構成された絶縁基板420を用いているが、絶縁基板の層数は2層に限定するものではない。
A.絶縁基板が単層の場合(変形例6)
図19は、コンポジット材料を1層用いた場合のLED光源の縦断面図を示す。
【0121】
金属ベース基板432は、同図に示すように、単層構造の絶縁基板434と、この絶縁基板434の裏面に取着された金属ベース433とからなる。LEDベアチップ4L1は、絶縁基板434の表面の配線パターン4P11、4P12にフリップチップ実装されている。
なお、コンポジット材料からなる絶縁層を1層有する金属ベース基板を用いた本例を変形例6とする。
【0122】
一方、絶縁基板434の裏面には、LEDベアチップ4L1の実装位置に対応した位置に伝熱部材4A1が形成されている。なお、ここでの例では、絶縁基板の裏面に配線パターンを形成していないが、例えば裏面に配線パターンを形成する場合には、金属ベースとの間に絶縁層を設けたり、金属ベースに絶縁処理、例えば、アルマイト処理を施したりする必要がある。
【0123】
本構成によれば、絶縁基板434が単層であるので放熱特性にも優れるが、伝熱部材4A1を裏面に備えているので、さらに放熱特性を向上させることができる。
なお、伝熱部材4A1は、絶縁基板434の裏面に形成されているが、例えば、絶縁基板434にコンポジット材料を用いることで、図19に示すように、伝熱部材4A1と、絶縁基板434の裏面であって伝熱部材4A1のない部分との高さが略一致すように、伝熱部材4A1を形成することもできる。
【0124】
このように伝熱部材4A1を絶縁基板434の裏面に埋設すると、伝熱部材4A1は、表面のLEDベアチップ4L1とも近くなり、さらに伝熱部材4A1と金属ベース433とが接触することになり、さらに放熱特性を向上させることができる。
B.絶縁基板が3層以上の場合
本発明は、上記の第3及び第4の実施の形態や変形例6で説明したような2層構造の絶縁基板、或いは単層構造の絶縁基板を用いた金属ベース基板に限定するものではない。例えば、LEDベアチップが、その発光色が赤、青、緑の3種類からなり、各色の配線パターンを層ごとに形成する場合に、3層構造の絶縁基板、或いは4層構造の絶縁基板を用いることがある。このような場合にも、表層に実装されるLEDベアチップに対応して各層、或いは、1層、複数層おきに伝熱部材を設けても良い。
【0125】
当然、放熱作用を考慮すると、各層に伝熱部材を形成するのが最も好ましいが、たとえ、複数層の内の1層でも伝熱部材を設けることで、全く伝熱部材を設けていない場合に比べて、放熱特性を改善させることができる。
(2)LEDベアチップについて
上記第4の実施の形態及び変形例6では、LEDベアチップに、両電極を下面に備える下面電極型を用いたが、他のタイプのLEDベアチップを用いても良い。他のタイプとしては、第1の実施の形態の「4.その他」の欄で説明したように、両面電極型、上面電極型がある。以下、それぞれのLEDベアチップを実装する場合について説明する。
【0126】
A.両面電極型を実装する場合(変形例7)
図20の(a)は、両面電極型のLEDベアチップを用い、絶縁基板の表面に実装する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。
金属ベース基板442は、同図に示すように、金属ベース443と、金属ベース443の表側に貼着された絶縁基板444とを備えている。絶縁基板444は、上記変形例6と同様に、1層構造を有している。
【0127】
絶縁基板444の表面には、上記変形例6における配線パターン4P11,4P12に相当する配線パターン4P21,4P22が形成され、また、裏面には、LEDベアチップ4L2の実装位置の裏側に相当する位置に伝熱部材4A2が形成されている。
LEDベアチップ4L2は、上述にように、両面電極型であり、裏面が配線パターン4P22に、例えば、LEDベアチップ4L2のダイボンド用の銀ペーストにより接続され、表面の電極がワイヤー448にて配線パターン4P21に接続されている。
【0128】
このようにLEDベアチップ4L2に両面電極型のものを用いることができる。この場合においても、LEDベアチップ4L2の裏側に伝熱部材4A2が形成されているので、LEDベアチップ4L2の発光時に発生する熱は、伝熱部材4A2、金属ベース443から放出されることになる。
B.上面電極型を実装する場合(変形例8)
図20の(b)は、上面電極型のLEDベアチップを用い、絶縁基板の表面に実装する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。
【0129】
金属ベース基板452は、上記変形例7と同様に、金属ベース453と1層構造の絶縁基板454とを備え、絶縁基板454の表面には配線パターン4P31、4P32が、裏面には伝熱部材4A3がそれぞれ形成されている。
LEDベアチップ4L3は、上述のように、上面電極型であり、一方の電極がワイヤー459を介して配線パターン4P31に、また他方の電極がワイヤー458を介して配線パターン4P32にそれぞれ接続されている。
【0130】
C.その他
上記の変形例7及び変形例8は変形例6を基にしているが、LEDベアチップとして、両面電極型、上面電極型であっても、第3の実施の形態及び第4の実施の形態に適用できるのは、言うまでもない。但し、これらのLEDベアチップを用いる場合には、変形例7及び変形例8に示すようにワイヤボンディング等を用いる必要がある。
【0131】
<他の変形例>
以上、本発明にかかる発光体用金属ベース基板及びこの基板を用いたLED光源について第1〜第4の実施の形態及び変形例1〜8に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記の各実施の形態、さらには各変形例に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例をさらに実施することができる。
【0132】
1.第1及び第2の実施の形態における凹入部について
上記の第1及び第2の実施の形態、さらには、変形例1〜変形例5では、凹入部を平面視円形状に形成しているが、他の形状、例えば、四角形、三角形等の多角形、楕円形状でも良い。さらに、凹入部を溝状(連続状)に形成し、この中に、複数のLEDベアチップを実装するようにしても良い。
【0133】
また、上記の第1の実施の形態及び変形例1〜変形例4における凹入部は、金属ベースが取着している絶縁層を一層残してその表面側の絶縁層を貫通して、絶縁層1層分の厚さ分が凹入するよう設けられているが、このように絶縁層1層だけを残す構成に限定するものではない。例えば、絶縁基板が3層以上絶縁層を有する多層構造であれば、金属ベース側の絶縁層を層単位、例えば2層残して凹入部を形成しても良い。但し、残す絶縁層を1層にするのが一番放熱特性に優れる。
【0134】
或いは、絶縁基板の層数が、3層以上ある場合は、例えば、凹入部を段差状に形成しても良い。具体的は、表層の絶縁層に形成されている貫通孔の大きさが、中間層の絶縁層に形成されている貫通孔より大きくしてもよい。さらにその場合は、表層、中間層のそれぞれを貫通する孔の形状を異なるようにしても良い。このような構成にすれば、例えば、LEDベアチップの上面の電極を中間層の配線パターンにワイヤボンディングできたり、或いは表層の配線パターンにワイヤボンディングできたり、配線パターンの自由度が広がる。
【0135】
さらに、凹入部は、金属ベースが貼着する絶縁層も凹入するように形成されていても良い。この場合は、例えば、絶縁基板が2層構造であるとき、凹入部を段差状に形成して、金属ベース側の絶縁層の表面が露出するようにすれば、金属ベース側の絶縁層の表面に形成されている配線パターンに発光素子を接続することができる。
2.伝熱部材について
上記の第3及び第4の実施の形態では、伝熱部材に銅が用いられていたが、絶縁基板を構成する材料の熱伝導率よりも高い材料であれば、LEDベアチップが発光したときの熱を、伝熱部材を備えていないものに対して、効率良く金属ベースへと伝えることができる。但し、実際の使用における熱伝導性を考慮すると、伝熱部材に金属材料を用いる方が好ましい。このような材料には、例えば、アルミニウム、金、銀等がある
3.LED光源について
(a)他のLED光源の例1(変形例9、10)について
上記の各実施の形態及ぶ各変形例におけるLED光源は、金属ベース基板とLEDベアチップとを備える構造をしているが、本発明の発光光源は、この構成に限定するものではなく、例えば、LEDベアチップを覆うように各種のレンズ、反射板等を装着しても良く、以下、これらを装着したLED光源について説明する。
【0136】
なお、ここで説明する例は、第1の実施の形態における金属ベース基板15にLEDベアチップLnmを実装したものに、レンズ、反射板等を取着したものを利用するため、第1の実施の形態と同様な構成の部材等については同じ符号を用いることにする。
図21は、レンズ板及び反射板を備えるLED光源を示す斜視図である。図22は、LEDベアチップの実装位置周辺を拡大した断面図である。なお、図21及び図22に示すLED光源の例を変形例9とする。
【0137】
変形例9におけるLED光源30は、図21及び図22に示すように、LEDベアチップLnmが実装されている金属ベース基板15(上記第1の実施の形態での金属ベース基板と同じ構成)と、この金属ベース基板15の表面に取着された反射板26と、この反射板26の表面に取着されたレンズ板25とを備える。
反射板26は、図22に示すように、各LEDベアチップLnm(ここでは、L73、L74、L75)に対応する位置に貫通孔28が形成されている。つまり、8行8列のマトリックス状に貫通孔28を64個備えている。この貫通孔28は、上部絶縁層21側の径が小さいコーン状に形成されていると共に、上部絶縁層21側における周縁が、金属ベース基板15の凹入部Cnmの表(図22における上)側における周縁と略一致するようになっている。
【0138】
この反射板26には、例えば、アルミニウムの金属板が使用されており、上部絶縁層21上の配線パターン(PA)との絶縁性を確保するために、アルマイト処理が施されている。なお、各貫通孔28におけるコーン状に傾斜する部分は、LEDベアチップLnmから発せられた光を反射させるために、鏡面状に仕上げられていたり、白色の反射膜等が塗布されたりしている。なお、反射板26の貫通孔28内には、内部のLEDベアチップLnmを封入する樹脂体29が充填されている。
【0139】
レンズ板25は、図22にも示すように、反射板26に重ねられ、反射板26の貫通孔28に対応する位置に、LEDベアチップLnmと反対側(上側)に半球状に突出してなるレンズ部27を備えている。ここではレンズ板25は、例えば、透過性を有するエポキシ樹脂からなる。
LEDベアチップLnmは、上記実施の形態と同様に、AlInGaNを用いている。このため、例えば、レンズ部27、またはLEDベアチップLnmを封入する樹脂体29に、蛍光体を設ける(樹脂体に蛍光体を混入することで設けることができる)と、LEDベアチップLnmから発せられた光によって蛍光体を励起させて可視光を得ることができる。例えば、蛍光体に、YAG系のものを用いると、青色光を白色光に変換できる。
【0140】
なお、本変形例9では、レンズ板25は、平板形状をしており、LEDベアチップLnmの実装位置に対応する位置にレンズ部27が形成されたものであるが、各LEDベアチップLnmの実装位置にレンズ部が形成されていれば、平板状でなくても良い。つまり、図22では、各レンズ部27は、板状部25aにより隣合うレンズ部27同士が繋がっているが、図23に示すように、反射板26の各貫通孔28に対応して独立したレンズ部27Aを設けても良い。なお、図23に示すLED光源の例を、「変形例10」とする。
【0141】
この場合、変形例9で説明した、LEDベアチップLnmを封入する樹脂体29の代わりに、レンズ部27aを構成する樹脂を用いて反射板26の貫通孔28内に充填しても良い。なお、変形例9のように、反射板26の貫通孔28内に、LEDベアチップLnmを封入する樹脂体29が充填し、そのあと、レンズ用の樹脂(上記例では、エポキシ樹脂。)でレンズ部27Aを形成しても良いのは言うまでもない。このようにしても、LEDベアチップLnmから発せられた光は、レンズ部27Aを通って表側へと射出される。
【0142】
また、ここでは、第1の実施の形態で説明した金属ベース基板15及びLEDベアチップLnmを用いたが、第1の実施の形態以外、つまり、第2〜第4の実施の形態及び変形例1〜8で説明した金属ベース基板及びLEDベアチップを用いて、レンズ、反射板等を取着しても良い。
(b)他のLED光源の例2(変形例11)について
第1及び第2の実施の形態は、絶縁板におけるLEDベアチップの実装位置に凹入部を設け、この凹入部の底面にLEDベアチップを実装している。一方、第3及び第4の実施の形態は、絶縁基板において、絶縁基板に実装されるLEDベアチップと金属ベースとの間に、少なくとも1つの伝熱部材を設けている。以上の実施の形態では、凹入部或いは伝熱部材により金属ベース基板としての放熱特性を向上させているが、本発明は、凹入部と伝熱部材との両方を備えた金属ベース基板及びこの金属ベース基板を備える発光光源であっても良い。
【0143】
図24は、凹入部と伝熱部材を有するLED光源を示すが概略図である。
図24の(a)は、図8の(a)に示す変形例3で説明した金属ベース基板52と同様の金属ベース基板52aに伝熱部材5Aを設けた例を(以下、この例を「変形例11」とする。)示す。
金属ベース基板52aは、上部絶縁層55aと下部絶縁層56aとを有する絶縁基板54aと、金属ベース53aとを備え、絶縁基板54aには、下部絶縁層56aを残して上部絶縁層55aを貫通してなる凹入部C3aが形成されている。
【0144】
LEDベアチップL3aは、凹入部C3aの底面に実装され、このLEDベアチップL3aと金属ベース53aとの間、ここでは、下部絶縁層56aの裏面(金属ベース53a側の面)に伝熱部材5Aが形成されている。
ここで、下部絶縁層56aにコンポジット材料を用いると、伝熱部材5Aが、その金属ベース側の面が下部絶縁層の金属ベース側の面と面一となるように下部絶縁層側に入り込み、LEDベアチップL3aと伝熱部材5Aとが近づき、良好な放熱特性が得られる。
【0145】
なお、凹入部と伝熱部材との両方を組合わせた変形例11は、一例であり、本例以外に、例えば、第1及び第2の実施の形態、さらには変形例1、2及び4における絶縁基板に伝熱部材を設けても良い。具体的には、下部絶縁層におけるLEDベアチップの実装位置に対応する金属ベース側の面に伝熱部材を設けても良い。
なお、LEDベアチップの電極の位置、絶縁基板の配線パターンとの接続方法等の違いにより、上述の例以外にも適宜適用できる。
【0146】
4.絶縁基板について
(a)絶縁層に材料について
上記の各実施の形態及び各変形例では、絶縁層として、コンポジット材料を用いたが、これ以外の材料、例えば、ガラスエポキシ材料を用いても良い。
また、第1、第3及び第4の実施形態のように、LEDベアチップを絶縁層の表面に実装する場合には、LEDベアチップから金属ベースへの熱伝導を考慮すると、薄い方が優位であり、その厚みが各種選択できるような材料が好ましい。
【0147】
(b)コンポジット材料について
上記の各実施の形態では、絶縁層として、アルミナコンポジット材料を用いていたが、他のコンポジット材料であっても良い。他のコンポジット材料としては、例えば、無機フィラーとして、シリカ、マグネシア、ベリリア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、ダイヤモンドのうち少なくとも1つを使用したものがある。
【0148】
また、当該コンポジット材料は、無機フィラ−と合成樹脂(熱硬化性樹脂)との構成比率を適宜決定することができるため、例えば、熱伝導特性の良い無機フィラ−を使用することで、熱伝導性の良い絶縁層を得ることができる。なお、アルミナコンポジット材料は、ガラスエポキシ材料よりも優れた放熱特性を有する。
さらに、コンポジット材料は、無機フィラーの種類及びその構成比率を適宜変更することで、様々な弾性特性及び線膨張特性を得ることができる。このため、例えば、ガラスエポキシ材料よりも低弾性率で、低線膨張特性の絶縁層を得ることできる。
【0149】
例えば、LEDベアチップの電極をワイヤボンディングにより接続した後にLEDベアチップをワイヤーごと樹脂により封止したような場合、つまり、変形例9及び10のような場合においては、LEDベアチップの点灯時によってLEDベアチップ周辺が温度上昇した時に、絶縁層は、金属ベースに追従して膨張する。この絶縁層の膨張は、ワイヤーと絶縁板に接続された配線パターンとの間に引っ張り応力を生じさせる。
【0150】
ところで、この絶縁層に弾性率を調整したコンポジット材料を用いると、絶縁層の裏面では金属ベースの膨張に追従するものの、コンポジット材料自体が低弾性であるため、金属ベースの膨張を吸収することができ、表面での膨張を少なくできる。従って、ワイヤーへの引張り応力を、絶縁層にガラスエポキシ材料を用いた場合よりも低減させることができる。
【0151】
5.金属ベースについて
実施の形態では、金属ベースとしてアルミニウム板を用いたが、例えば、鉄、ステンレス、銅等の金属板を使用しても良い。さらに、金属ベースの絶縁層が接合されていない面に、多数の凹入部を備えたフィン構造にしても良い。
6.金属ベース基板について
上記の各実施の形態で説明した金属ベース基板は、他の方法により製造することもできる。以下、例えば、配線パターンを転写シートに形成した後、絶縁層に用いるための半硬化状態の絶縁板に転写して、上記の第1の実施の形態と同様な金属ベース基板を製造する例(この例を、以下、「変形例12」とする。)について説明する。
【0152】
図25は、金属ベース基板の製造方法を説明するための図である。この図25を参照しながら、金属ベース基板の製造方法について簡単に説明する。また、ここでは、各部材部品等の符号として第1の実施の形態で用いた符号の前に「5」を付加したものを使用する。
先ず、下部絶縁層について説明する。転写シート544の一面に、たとえば、厚さ35μmの銅箔を接着し、続いて、当該銅箔における配線パターン5PBに対応する部分を残して、他の銅箔部分をエッチングにより除去する。これにより、転写シート544の表面に下部絶縁層522に対応した配線パターン5PBが形成されることになる[工程(a)]。
【0153】
次に、配線パターン5PBが形成された転写シート544と、半硬化状態の絶縁板514と、金属ベース用に金属板516とをこの順で重ね合わせて、加圧及び加熱する。これにより、絶縁板514中に配線パターン5PBが埋め込まれるようにして転写されると共に、絶縁板514の裏面に金属板516が取着される[工程(b)]。その後、転写シート544を剥がすことにより、配線パターン5PBが形成された下部絶縁層522が得られる[工程(c)]。
【0154】
なお、このとき、配線パターン5PBは、その厚み分が絶縁板514中に埋め込まれることとなり、絶縁板514における配線パターン5PBが形成されていない表面と配線パターン5PBの表面とが略同じ高さとなる。つまり、下部絶縁層522の表面が略面一の平坦となる。
次に、上部絶縁層520について説明する。先ず上述したように下部絶縁層522と同じように、転写シート544の一面に厚さ9μmの銅箔を接着し、続いて、当該銅箔における配線パターン5PAに対応する部分を残して、他の銅箔部分をエッチングにより除去する。これにより、転写シート544の表面に上部絶縁層520に対応した配線パターン5PAが形成されることになる。
【0155】
一方、上部絶縁層522用の絶縁板512に対して、配線パターン5PBとビアホールを介して接続すべき位置に対応して孔加工を行い、導電性ペーストをその孔に充填する。
そして、上記の工程(c)で得られた金属板516付きの絶縁板514の表面上に、導電性ペーストが充填された絶縁板512を載置し、さらに、この絶縁板512上に転写シート544に形成された配線パターン5PAが絶縁板512側となるように、絶縁板512上に重ね合わせ[工程(d)]、加圧及び加熱する。その後、転写シート544を剥がすことにより、配線パターン5PAが上部絶縁層520の上面に形成されると共に、上下の絶縁層520、522及び金属ベース524が接合されて、3層からなる金属ベース基板510が完成する[工程(e)]。
【0156】
このとき、配線パターン5PAは、その厚み分が絶縁板512中に埋め込まれることとなり、絶縁板512における5PAが形成されていない表面と配線パターン5PAの表面とが略同じ高さとなる。つまり、金属ベース基板の表面が略面一の平坦となる。
そして最後に上記のようにして製造された金属ベース基板に、そのLEDベアチップの実装位置にLEDベアチップをフリップチップ実装して、発光光源が得られる。
【0157】
上記のように、配線パターン5PA、5PBがそれぞれ形成されている転写シート544を用いて半硬化状態の絶縁板512、514に転写しているので、配線パターン5PA,5PBを有する金属ベース基板510を容易に形成することができる。さらに、伝熱部材は、配線パターン5PBを利用しているので、わざわざ伝熱部材を設ける(形成する)必要がなく、容易且つ低コストで得られる。
【0158】
また、配線パターン5PA、5PBは、半硬化状態の絶縁板512、514上に形成されるので、配線パターン5PAの表面と、金属ベース基板510の表面であって配線パターン5PAが形成されていない部分とを略同じ高さにできる。つまり、絶縁板として、無機フィラーと樹脂材料とから構成されるコンポジット材料を利用しているために、各絶縁層520、522の表面を略面一状にできる。このため、金属ベース基板510の表面の凹凸も少なくなり、LEDベアチップの実装が容易になると共に、各LEDベアチップの指向性を所望方向に合せることができる。
【0159】
7.発光体について
(a)発光素子について
上記の第1、第3及び第4の実施の形態、変形例6では、LEDベアチップをフリップチップ実装しているが、他の方式でLEDベアチップを実装しても良い。例えば、SMD(Surface Mounted Device)型のLEDチップを使用しても良い。SMD型のLEDチップを使用する場合には、その側面の電極と配線パターンとを半田等により接続すれば良い。
【0160】
なお、本発明は、LEDベアチップを8行8列に実装しているが、その形態、個数等は特に限定するものではない。
(b)発光色について
上記の実施の形態では、発光素子としてLEDベアチップを用いている。このLEDベアチップは、例えば、同じ発光色のものを用いても良いし、複数の異なる発光色のものを用いても良い。このような例としては、例えば、発光色が、赤、青、緑のいずれかのLEDベアチップを複数組み合わせても良い。さらに、発光色が、赤、青、緑である3個のLEDベアチップを1組として用い、各色の光出力を調整することで様々な発光色を発光するようにしても良い。但し、この場合は、各色のLEDベアチップの印加電流を制御する必要があり、各色用に配線パターンを形成する必要があると共に、各LEDベアチップから発せられた各色の光を混色させるためのレンズ等が必要となる。
【0161】
(c)発光体について
上記各実施の形態及び変形例では、発光体用金属ベース基板に搭載される発光体として、発光素子、具体的にはLEDベアチップを用いたが、LEDベアチップ以外の発光素子を用いても良い。このようなLEDベアチップ以外の発光素子としては、例えば、レーザダイオード(LD)等がある。但し、レーザダイオードから発せられる光は、指向性が強いために、例えば、その光を拡散するための拡散レンズ等が必要となる場合も生じる。
【0162】
さらに、本発明は、発光体として、発光素子が基板に予め実装された、所謂、サブマウントであっても良い。
図26は、発光体としてサブマウントを用いた例を示す図である。
図26の(a)は、変形例2(図7の(b))で説明したLED光源におけるLEDベアチップL2の代わりのサブマウントを用いた例(この例を、以下、「変形例13」とする。)を示す。
【0163】
先ず、金属ベース基板42aは、表面に凹入部C2aを有する絶縁基板44aと、この絶縁基板44aの裏面に取着された金属ベース43aとを備える。凹入部C2aの底面には、配線パターンP2B1aが露出しており、また、絶縁基板44aにおける凹入部C2aの周辺にパッドP2Caが形成されている。
サブマウント60は、例えば、シリコン基板(以下、「Si基板」という。)62と、このSi基板62の上面に実装された発光素子、例えば、LEDベアチップL1aと、LEDベアチップL1aを封止する封止樹脂64とを備える。なお、Si基板62の下面には、LEDベアチップL1aの一方の電極に電気的に接続された第1の端子が、一方、Si基板の上面には、LEDベアチップの他方の電極に電気的に接続された第2の端子がそれぞれ形成されている。
【0164】
サブマント60の金属ベース基板42aへの実装は、例えば、銀ペーストを利用したダイボンディングによりなされる。サブマウント60と金属ベース基板42aとの電気的接続は、Si基板62の下面の第1の端子が凹入部C2aの底面に形成されている配線パターンP2B1aに、上記の銀ペースを介して接続され、また、Si基板62の上面の第2の端子がワイヤを介して絶縁基板44aの表面のパッドP2Caに接続される。
【0165】
このような発光光源を点灯させても、LEDベアチップは発熱するが、凹入部を有しない発光光源に比べて、発光体60と金属ベース43aとが近接しているため、良好な放熱特性が得られる。
また、LEDベアチップL1aと絶縁基板44aとの間にSi基板62が存在するため、LEDベアチップを直接フリップチップ実装する場合に比べると放熱性能は若干下がるものの、シリコンは高い熱伝導率を持つため、LEDベアチップを直接実装した場合に近い放熱特性を得ることができる。
【0166】
なお、サブマウント60は、Si基板62に予めLEDベアチップL1aを実装しているため、実装されたLEDベアチップが正常に点灯するか等の検査をすることができる。このため、例えば、検査済みのサブマウントを金属ベース基板42aに実装することができ、発光光源としての製造歩留まりを向上させることができる等の効果が得られる。
図26の(b)は、第2の実施の形態(図10)で説明したLED光源におけるLEDベアチップ2L74の代わりのサブマウントを用いた例(この例を、以下、「変形例14」とする。)をしめす。
【0167】
先ず、金属ベース基板215aは、その表面に金属ベース224aにまで達する凹入部2C74cが形成されており、この凹入部2C74cの底面にサブマウント70が搭載されている。
このサブマウント70は、変形例13と同様に、Si基板72、LEDベアチップ2L74a及び封止樹脂74とを備えている。Si基板72の上面にはLEDベアチップの電極に電気的に接続された端子が形成されている。
【0168】
そして、サブマウント70が、金属ベース基板215aの凹入部2C74cの底面に、例えば、銀ペースト等によりダイボンディングされ、Si基板72の2つの端子が、ワイヤボンィングにより絶縁基板220aに形成された電極パターン2BO7aに接続される。
なお、変形例13及び14では、変形例2及び第2の実施の形態でのLEDベアチップをサブマウントに置き換えた場合について説明したが、LEDベアチップとサブマウント、すなわち、発光素子とサブマウントとを混ぜて、発光光源を構成しても良い。
【0169】
8.照明装置について
上記の各実施の形態では、発光光源について主に説明したが、当然この発光光源に給電端子を介して給電することにより、照明装置として使用することも可能である。
図27は、変形例9のLED光源を用いた照明装置の一例を示す図である。
照明装置600は、口金652と反射傘653とが設けられたケース651を有し、このケース651にLED光源610が取着されている。口金652は、一般電球でも用いられている口金と同じ規格のものである。反射傘653は、LED光源610から発せられた光を前方に反射させるためのものである。なお、LED光源610は、変形例9で説明したLED光源30と同構造である。
【0170】
LED光源610は、ケース651における口金652と反対側に設けられた取り付け部654に取り付けられている。ケース651内には、給電端子を介してLEDベアチップに給電するための回路、例えば、商業電源から供給された交流電力を直流電力に整流するための整流回路、この整流回路により整流された直流電力の電圧値を調整するための電圧調整回路等を備えた給電回路が収納されている。
【0171】
9.表示装置について
上記の各実施の形態では、金属ベース基板にLEDベアチップを実装して、8行8列の表示装置として使用することも可能である。但し、この場合、各LEDベアチップを個別に点灯させるように配線パターンを変更すると共に、個別にLEDベアチップを点灯させて文字、記号等を表示する公知の点灯制御回路等が必要となる。
【0172】
ここでは、8行8列の表示装置について説明したが、LEDベアチップの実装形態は8行8列の形態に限定するものではなく、また、実施の形態で説明した金属ベース基板に複数個(実施の形態では64個)のLEDベアチップを実装したものを表示装置の1つの発光源として利用しても良い。なお、上述のLED光源における、8行8列状に配されたLEDベアチップのそれぞれを独立して点灯可能に構成すると、例えば、数字等を表示することもできる。従って、上記発明を例えば表示装置として適用することも可能である。
【0173】
なお、照明装置として、変形例9で説明したLED光源を用いて説明したが、当然、他の実施の形態或いは変形例で説明した発光光源を用いて照明装置或いは表示装置を構成してもよい。
9.最後に
上記各実施の形態及び各変形例の説明に用いた図面は、本発明を概念的に説明するためのものであり、その形状や寸法、配線パターンの厚み等の関係は、実際のものと異なっている。
【産業上の利用可能性】
【0174】
本発明に係る発光体用金属ベース基板、発光光源、照明装置及び表示装置は、放熱特性を向上させるのに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】第1の実施の形態におけるLED光源の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態におけるLED光源の平面図である。
【図3】第1の実施の形態におけるLED光源の下部絶縁層の平面図である。
【図4】図2及び図3におけるA部の詳細図で、下部絶縁層を見せるために、上部絶縁層の一部を取り除いた図である。
【図5】図4のX−X線を含む鉛直面で切断したときの矢印方向からみた断面図である。
【図6】金属ベース基板の製造方法を説明するための図である。
【図7】(a)は、変形例1におけるLED光源の断面を拡大した図であり、(b)は、変形例2におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図8】(a)は、変形例3におけるLED光源の断面を拡大した図であり、(b)は、変形例4におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図9】第1の実施の形態での図2におけるA部に相当する第2の実施の形態における部分の詳細図である。
【図10】図9の2X−2X線を含む鉛直面で切断したときの矢印方向からみた断面図である。
【図11】図9に示す部分における下部絶縁層を示している。
【図12】変形例5におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図13】第3の実施の形態における金属ベース基板の平面図である。
【図14】上部絶縁層を取り除いた状態を平面視した下部絶縁層の平面図である。
【図15】図13におけるB部の詳細図で、下部絶縁層を見せるために、上部絶縁層の一部を取り除いた図である。
【図16】図15の3X−3X線を含む鉛直面で切断して矢印方向から見たときの断面図である。
【図17】金属ベース基板の製造方法を説明するための図である。
【図18】第4の実施の形態における金属ベース基板の平面視の拡大図であって、下部絶縁層を見せるために、上部絶縁層の一部を取り除いた図である。
【図19】コンポジット材料を1層用いた場合のLED光源の縦断面図を示す。
【図20】(a)は、変形例7におけるLED光源の断面を拡大した図であり、(b)は、変形例8におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図21】レンズ板及び反射板を備えるLED光源を示す斜視図である。
【図22】LEDベアチップの実装位置周辺を拡大した断面図である。
【図23】変形例10におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図24】変形例11におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図25】第1の実施の形態における金属ベース基板の製造方法と異なる金属ベース基板の製造方法を説明するための図である。
【図26】(a)は、変形例13におけるLED光源の断面を拡大した図であり、(b)は、変形例14におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図27】変形例9のLED光源を用いた照明装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0176】
10 LED光源
15 金属ベース基板
20 絶縁基板
21 上部絶縁層
22 下部絶縁層
24 金属ベース
Cnm 凹入部
Lnm LEDベアチップ
PA,PB 配線パターン
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に発光体を実装するための発光体用金属ベース基板、この金属ベース基板に発光体を実装してなる発光光源、この発光光源を用いた照明装置又は表示装置に関するもので、特に発光体の発光時における放熱特性を改善する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(以下、単に「LED」という。)を用いたLED光源は、LED単体の光出力が小さいために、多数のLEDを絶縁基板の表面に実装している。このように多数のLEDを絶縁基板に実装すると、LEDの発光時に発生する熱によりLEDの温度が上昇してしまう。このLEDの温度上昇は、その発光効率の低下や短寿命化を招く。
そこで、放熱特性を改善するために、放熱用の金属ベースを絶縁基板の裏面に取着した金属ベース基板が提案されている(例えば、特許文献1)。この金属ベース基板は、発光時の熱を、LEDを実装する絶縁基板から金属ベースへと伝え、金属ベースから放熱するようにしている。
【特許文献1】特開2002−184209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の金属ベース基板は、実装するLEDの数が少ない場合には、発光時の発熱量が少なく、その熱が金属ベースから放熱されるため問題ないが、例えば、LED光源の光出力をさらに高めるためにLED素子をより多く金属ベース基板に実装すると、LEDの間隔が狭くなり、LEDの温度が上昇してしまう。つまり、従来の金属ベース基板では放熱対策が不十分なのである。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、放熱特性を向上させることができる金属ベース基板、発光光源、照明装置又は表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)上記目的を達成するために、本発明に係る発光体用金属ベース基板は、発光体を実装するための配線パターンを備える絶縁基板と、前記絶縁基板の裏側に取着されている金属ベースとを備え、前記絶縁基板は、その表側に凹入部を複数備え、当該凹入部の底面が前記発光体の実装予定部位であることを特徴としている。
この構成によれば、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。
【0005】
(2)上記(1)の金属ベース基板において、前記絶縁基板は、複数の絶縁層からなる多層構造であり、前記凹入部は、少なくとも前記金属ベースに接する絶縁層を残して形成されていることを特徴としている。
このため、複数の絶縁層からなる絶縁基板を用いても、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。特に、樹脂材料を主成分とする絶縁層を用いると、発光光源の放熱特性は、発光素子と金属ベースとの間の絶縁層の層数、厚みに大きく依存するので、上記構成のように、発光素子と金属ベースとの距離が近くなれば、放熱効果は格別である。
【0006】
(3)上記(2)の金属ベース基板において、前記凹入部の底面は、いずれかの絶縁層の境界に設定されていることを特徴としている。
このため、凹入部は、底面に相当する絶縁層より表側の絶縁層に貫通孔を設ければ容易に形成できる。
(4)上記(3)の金属ベース基板において
しかも、前記配線パターンは、前記凹入部の底面に相当する絶縁層に形成されており、その一部が前記凹入部内に露出していることを特徴としている。
【0007】
このため、例えば、凹入部の底面に相当する絶縁層の表層に配線パターンを形成して積層すれば、容易に凹入部の底面に配線パターンを形成できる。当然、凹入部内に配線パターンを露出させることも、配線パターンの形状を変えることで容易に行える。
(5)上記(2)の金属ベース基板において、前記配線パターンは、複数の発光体を直列に接続するための発光体接続部を複数列有する第1の配線パターンと、当該隣合う発光体接続部を直列に接続するための第2の配線パターンとを有し、前記第1の配線パターンは、前記凹入部の底面に相当する絶縁層上に形成され、前記第2の配線パターンは、第1の配線パターンが形成されている絶縁層よりも表側にある絶縁層に形成されていることを特徴としている。
【0008】
(6)上記(2)の金属ベース基板において、前記配線パターンは、前記凹入部の底面に相当する絶縁層よりも表側の絶縁層に形成されていることを特徴としている。
このため、配線パターンを複数の絶縁層に分けて形成することができ、絶縁基板に発光体を高密度で実装できる。
(7)上記(1)の金属ベース基板において、前記凹入部は、前記絶縁基板を貫通して前記金属ベースにまで達していることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、発光体を金属ベースに実装することができ、発光体発光時に発生する熱を発光体から金属ベースに伝えることができ、基板として放熱特性を向上させることができる。
(8)上記(7)の金属ベース基板において、前記配線パターンは、複数の発光体を直列に接続する素子接続部を複数列備える第3の配線パターンと、当該隣合う発光体接続部を直列に接続する第4の配線パターンとを有することを特徴としている。
【0010】
(9)上記(8)の金属ベース基板において、前記絶縁基板は、2以上の絶縁層からなる多層構造を有し、前記第3の配線パターン及び前記第4の配線パターンは、別々の絶縁層に形成されていることを特徴としている。
このため、第3及び第4の配線パターンを2以上の絶縁層に分けて形成することができ、絶縁基板に発光体を高密度で実装できる。
【0011】
(10)上記(1)の金属ベース基板において、前記複数の凹入部は、等間隔で形成されていることを特徴としている。
このため、凹入部に同じ出力の発光体を実装すると、輝度むらの少ない光源が得られる。
(11)上記(1)の金属ベース基板において、前記凹入部は、平面視略円形状に形成され、その穴径が0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴としている。
【0012】
(12)上記(2)の金属ベース基板において、前記凹入部は、金属ベースに近い絶縁層ほど穴径が小さくなっており、層単位で段状に穴径が変化していることを特徴としている。
(13)上記目的を達成するために、本発明に係る発光体用金属ベース基板は、発光体を実装するための配線パターンが表面に備える絶縁基板と、前記絶縁基板の裏面に取着されている金属ベースとを備え、前記絶縁基板よりも高い熱伝導率を有する伝熱部材が、前記絶縁基板における前記発光体の実装予定部位と前記金属ベースとの間に配設されていることを特徴としている。
【0013】
この構成によると、絶縁基板に実装した発光体が発光した時に発生する熱を伝熱部材から絶縁基板の裏面の金属ベースに伝わる。これにより発光時の熱を効果的に放熱できる。
(14)上記(13)の金属ベース基板において、前記絶縁基板は単数の絶縁層からなる単層構造であり、前記伝熱部材が前記絶縁基板の裏面側に埋設されていることを特徴としている。
【0014】
(15)上記(13)の金属ベース基板において、前記絶縁基板は、複数の絶縁層からなる多層構造を有し、前記伝熱部材は、少なくとも1つの絶縁層又は少なくとも1つの層間に配設されていることを特徴としている。
(16)上記(15)の金属ベース基板において、前記絶縁基板は、表層以外の少なくとも1つの絶縁層にも配線パターンが形成されていることを特徴としている。
【0015】
このため、配線パターンを複数の絶縁層に分けて形成することができ、絶縁基板に発光体を高密度で実装できる。
(17)上記(13)の金属ベース基板において、前記伝熱部材は、金属膜であることを特徴としている。
このため、熱伝導率が高いために、優れた放熱特性が得られる。
【0016】
(18)上記(16)の金属ベース基板において、前記配線パターンは、前記絶縁基板の各絶縁層に形成されており、前記伝導部材は、表層以外の絶縁層に形成されている配線パターンの一部であることを特徴としている。
(19)上記(13)の金属ベース基板において、前記伝導部材の厚さは、表面の配線パターンの厚さより厚いことを特徴としている。
【0017】
このため、伝熱部材を容易に設けることができる。
(20)上記(2)の金属ベース基板において、前記絶縁板層は、少なくとも無機フィラー及び樹脂組成物とから構成されていることを特徴としている。
(21)上記(20)の金属ベース基板において、前記無機フィラーは、シリカ、アルミナ、マグネシア、ベリリア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、ダイヤモンドのうち少なくとも1つを含むことを特徴としている。
【0018】
このため、発光体の発光時の熱により金属ベース基板が熱膨張しても、絶縁基板の表面での熱膨張を小にすることができる。
(22)上記(20)の金属ベース基板において、前記配線パターンは、転写法により前記絶縁層に形成されていることを特徴としている。
このため、配線パターンを容易に形成できる。
【0019】
(23)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(1)の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備えることを特徴としている。
このため、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した発光光源に比べて、放熱特性を向上させることができる。
【0020】
(24)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(5)の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、前記発光体は、1対の給電端子を裏面に有し、前記第1の配線パターンに面実装されていることを特徴としている。
(25)上記(24)の発光光源において、前記発光体は、裏面電極型の発光ダイオードベアチップ、及び/又は、発光ダイオードを表側に実装すると共に当該発光ダイオードの電極に接続された給電端子が裏面に形成されたサブマウントであることを特徴としている。
【0021】
このため、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。さらに、配線パターンを複数の絶縁層に分けて形成することができ、絶縁基板に発光体を高密度で実装できる。
(26)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(5)の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、前記発光体は、一対の給電端子を表裏の2面に有し、表側の給電端子が前記第2の配線パターンに、裏側の給電端子が前記第1の配線パターンにそれぞれ接続されていることを特徴としている。
【0022】
(27)上記(26)の発光光源において、前記発光体は、両面電極型の発光ダイオードベアチップ、及び/又は、発光ダイオードを表側に実装すると共に当該発光ダイオードの電極に接続された給電端子が表裏面に形成されたサブマウントであることを特徴としている。
このため、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。さらに、配線パターンを複数の絶縁層に分けて形成することができ、絶縁基板に発光体を高密度で実装できる。
【0023】
(28)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(6)の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、前記発光体用金属ベース基板は発光体用金属ベース基板であり、前記発光体は、一対の給電端子を表面に有し、両給電端子がワイヤボンディングにより前記配線パターンに接続されていることを特徴としている。
【0024】
(29)上記(28)の発光光源において、前記発光体は、表面電極型の発光ダイオードベアチップ、及び/又は、発光ダイオードを表側に実装すると共に当該発光ダイオードの電極に接続された一対の給電端子が表面に形成されたサブマウントであることを特徴としている。
このため、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。
【0025】
(30)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(1)の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、前記発光体は、一対の給電端子を表面に有し、当該給電端子が前記配線パターンにワイヤボンディングにより接続されていることを特徴としている。
(31)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(7)発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、前記発光素子は、一対の給電端子を表面に有し、当該給電端子が、前記第3及び第4の配線パターンにワイヤボンディングにより接続されていることを特徴としている。
【0026】
このため、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。
(32)上記目的を達成するために、本発明に係る発光光源は、上記(13)の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備えることを特徴としている。
【0027】
この構成によると、絶縁基板に実装した発光体が発光した時に発生する熱を伝熱部材から絶縁基板の裏面の金属ベースに伝わる。これにより発光時の熱を効果的に放熱できる。
さらに、上記の発光光源を用いた照明装置或いは表示装置は、発光体が発光したときに発生した熱を効果的に放出することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る発光体用金属ベース基板は、発光体を実装するための配線パターンを備える絶縁基板と、前記絶縁基板の裏側に取着されている金属ベースとを備え、前記絶縁基板は、その表側に凹入部を複数備え、当該凹入部の底面が前記発光体の実装予定部位であることを特徴としている。
この構成によれば、発光体が凹入部の底面に実装されるので、発光素子と、金属ベースとの距離を近くすることができ、絶縁基板の表面に発光素子を実装した場合に比べて、放熱特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施の形態>
本実施の形態では、金属ベース基板の表面に凹入部が形成されており、この凹入部に発光体を実装してなるLED光源について説明する。前記金属ベース基板は、複数の絶縁層からなる絶縁基板を備え、凹入部は、絶縁基板の厚み方向にその一部を残して形成されている。
【0030】
1.LED光源の構成について
図1は本実施の形態におけるLED光源の斜視図である。
LED光源10(本発明の「発光光源」に相当する。)は、表面に平面視円形状に凹入する凹入部が複数形成された金属ベース基板15(本発明の「発光体用金属ベース基板」に相当する。)と、この凹入部の底面に実装された発光ダイオードのベアチップ(以下、単に「LEDベアチップ」という。)とを備える。なお、金属ベース基板15は、複数の絶縁層からなる絶縁基板20の裏面に金属ベース24が取着されたものをいう。
【0031】
本実施の形態では、凹入部は、8行8列のマトリックス状に整然と、つまり、金属ベース基板15に、行・列方向のそれぞれの方向に略等間隔を置いて独立して形成されており、これらの凹入部を符号Cnm(nは行数を、mは列数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)で示し、また、これら凹入部Cnm内の底面に実装されているLEDベアチップを、凹入部Cnmに対応して符号Lnm(nは行数を、mは列数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)で示す。
【0032】
絶縁基板20は、無機フィラー入りの熱硬化性樹脂からなる絶縁層21、22が積層された2層構造を有している。なお、絶縁基板20を構成する2層の絶縁層の内、表側(上側)の層を上部絶縁層21、裏側(下側)の層を下部絶縁層22とそれぞれいう。
図2は、LED光源の平面図であり、図3は、下部絶縁層の平面図である。なお、図2では、絶縁基板20の表層にある上部絶縁層21のみが現れている。
【0033】
上部絶縁層21の表面には、図1及び図2に示すように、例えば、銅(Cu)からなる配線パターンPA(本発明の「第2の配線パターン」に相当する。)が形成され、また、下部絶縁層22の表面には、図3に示すように、例えば、銅(Cu)からなる配線パターンPB(本発明の「第1の配線パターン」に相当する。)が形成されている。
配線パターンPA、PBは、LEDベアチップLnmを、絶縁基板20に8行8列のマトリックス状で実装するために、各行における奇数列目のLEDベアチップと、偶数列目のLEDベアチップとを直列に接続するように形成されている。
【0034】
そして、配線パターンPA、PBのうち、下部絶縁層22の表面に形成されている配線パターンPBにLEDベアチップLnmが電気的に接続される。
配線パターンPBは、図3に示すように、各行に対応して、偶数列の4個のLEDベアチップ(例えば、1行目では、図1におけるL12、L14、L16、L18)のみを直列に接続するために行方向(図3において横方向)に形成された偶数列部BEnと、奇数列の4個のLEDベアチップ(例えば、1行目では、図1におけるL11、L13、L15、L17)のみを直列に接続するために行(横)方向に形成された奇数列部BOnとを備えている(nは行数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)。
【0035】
一方、上部絶縁層21の配線パターンPAは、図2に示すように、下部絶縁層22に形成されている各n行内での奇数列部BOnと偶数列部BEnとを直列に接続するための列接続部ARnと、隣接する行同士を直列に接続するための行接続部ALnとを備え、これらは行方向に延びる帯状であって、列方向に複数行形成されている(nは行数を示し、1〜8の整数である。)。
【0036】
また、配線パターンPAは、図外の給電部から給電を受けるための給電端子部ASを備えている。この給電端子部ASには、下部絶縁層22の1行目の奇数列部BO1に接続される給電端子部AS1と、下部絶縁層22の8行目の奇数列部BO8に接続されるAS2とがある。
ここで、上部絶縁層21の配線パターンPAと下部絶縁層22の配線パターンPBとの接続関係について簡単に説明する。ここでは、1行目を例として、図2及び図3を用いて具体的に説明する。なお、本実施の形態では、給電端子部AS1、AS2が高電位側となっている。
【0037】
まず、下部絶縁層22の奇数列部BO1と偶数列部BE1とは、上部絶縁層21の列接続部AR1を介して接続される。つまり、奇数列部BO1は、その低電位側の端部の位置P1で列接続部AR1にビアホール(図中○で示している。)を介して接続され、また、偶数列部BE1は、その高電位側の端部の位置P2で列接続部AR1にビアホールを介して接続される。
【0038】
また、1行目の偶数列部BE1と、2行目の偶数列部BE2とは、上部絶縁層21の行接続部AL1を介して接続される。つまり、偶数列部BE1は、その低電位側の端部の位置P3で行接続部AL1にビアホールを介して接続され、また、2行目の偶数列部BE2は、その高電位側の端部の位置P4で行接続部AL1にビアホールを介して接続されている。
【0039】
給電端子AS1と1行目の奇数列部BO1との接続は、奇数列部BO1における高電位側の端部の位置P5でビアホールを介してなされている。これらの接続により、下部絶縁層22における1行目から4行目まで各LEDベアチップLnm(nは、1〜4の整数)が直列に接続されることになる。なお、5行目から8行目のLEDベアチップLnm(nは、5〜8の整数)の接続についても、1行目から4行目までの接続方法と略同様になされている。
【0040】
図4は、図2及び図3におけるA部の詳細図で、下部絶縁層22を見せるために、上部絶縁層21の一部(図4における左側部分)を取り除いている。図5は、図4のX−X線を含む鉛直面で切断したときの矢印方向からみた断面図である。
金属ベース基板15の表側に形成されている凹入部C73、C74、C75は、図5に示すように、下部絶縁層22を残して、上部絶縁層21が平面視(図4)略円形状に層ごと除去されている。そして、凹入部C73、C74、C75の底面がちょうど下部絶縁層22の表面となっている。つまり、上部絶縁層21と下部絶縁層22との境界が凹入部の底面になっている。
【0041】
図4に示す下部絶縁層22には、配線パターンPB(BE7、BO7、BE8、BO8)が形成されており、この配線パターンPBにおけるLEDベアチップL74、L75、L84、L85Lnmを実装する部分が凹入部C74、C75、C84、C85内に露出している。
本実施の形態で使用しているLEDベアチップLnmは、AlInGaNを用いた、所謂、青色LEDベアチップであって、その下面にp電極とn電極との両極を備えた片面電極型であり、フリップチップ実装されている。なお、片面電極のうち、上(表)面に両電極を備えたものを、以下、上面電極型といい、下(裏)面に両電極を備えたものを、以下下面電極型という。
【0042】
各LEDベアチップLnmの発光面は、平面視において実装される凹入部Cnmの略中央になるように配されている。
なお、LEDベアチップLnmは、そのp電極が凹入部Cnm内に露出した配線パターンPBの高電位側に、n電極が配線パターンPBの低電位側に、それぞれ接続される。
金属ベース24は、各絶縁層21、22よりも高い熱伝導率を有し、LEDベアチップLnmのそれぞれが発光した時に発生する熱を放熱する他、絶縁基板20を補強している。
【0043】
上記構成では、金属ベース基板15は、裏側に金属ベース24を備えると共に、下部絶縁層22の表面がちょうど底面となるような凹入部Cnmを表側の上部絶縁層21に備えている。そして、この凹入部Cnmの底面に相当する下部絶縁層22上にLEDベアチップLnmを実装している。従って、LEDベアチップLnmと金属ベース24との間には、下部絶縁層22の1層があるだけとなる。
【0044】
このため、2層の絶縁層21、22からなる絶縁基板20を用いた金属ベース基板15を使用しているにも拘わらず、LEDベアチップLnmが発光時に発生する熱は、下部絶縁層22を介して金属ベース24へと伝わって、金属ベース24から放熱される。熱伝導率の低い絶縁層の厚みが、絶縁基板20の略半分になることで、放熱効果は飛躍的に向上する。このため、LEDベアチップLnmの発光効率が低下したり、短寿命になったりするのを防止することができる。
【0045】
しかも、LEDベアチップLnmは、凹入部Cnmの底面に、配線パターンPBとの電気的接続が直接行えるように、フリップチップ実装されるので容易に実施することができる。
さらに、LED光源10は、上部絶縁層21と下部絶縁層22とから成る多層構造の絶縁基板20と、下部絶縁層22に貼着された金属ベース24とを備える金属ベース基板15を用いている。このため、例えば、LEDベアチップLnmを絶縁基板20に高密度実装する際に、配線パターンのルール上の制限から、1層の絶縁層の広さでは配線パターン全てが形成できないような場合でも、配線パターンを2層の絶縁層に分けてそれぞれ形成することができる。
【0046】
この場合、2層の絶縁層からなる絶縁基板を用いるため、LEDベアチップLnmと金属ベース24とが厚み方向に離れる惧れがあるが、凹入部Cnmの底面が下部絶縁層22の表面となるように凹入部Cnmを形成し、この凹入部Cnm内の底面にLEDベアチップLnmを実装しているので、LEDベアチップLnmと金属ベース24との距離は、下部絶縁層22の厚み分となる。従って、LEDベアチップLnmの発光時に生じる熱は下部絶縁層22を通って金属ベース24から放熱され、その放熱性能は単層構造の金属ベース基板と略同等となる。
【0047】
一方、LEDベアチップLnmは、凹入部Cnm内に実装されているので、LED光源10の厚みを薄くすることができる。
2.LED光源の具体的構成について
上記のLED光源10について具体例について説明する。絶縁基板20を構成する下部絶縁層22及び上部絶縁層21の厚みは、略0.1mmである。この絶縁層21、22は、無機質フィラーとしてアルミナを、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂をそれぞれ使用した、所謂、アルミナコンポジット材料である。また、金属ベース24には、厚みが略1mmのアルミニウム板を用いた。
【0048】
各LEDベアチップLnmは、300μm角、高さ100μmである。また、行方向及び列方向に隣接するLEDベアチップ同士は、その中心間距離が略2.5mmとなるように絶縁基板20に高密度で実装されている。
凹入部Cnmの形状は、図4に示すように平面視円形状であり、図5に示すようにその穴径D1が0.5mmである。この寸法は、使用しているLEDベアチップLnmの一辺の長さが300μmであることから、LEDベアチップLnmの実装に最低でも穴径で0.5mmは必要となる。しかしながら、穴径D1があまり大きくなると、隣接するLEDベアチップLnmの実装間隔が大きくなり、高密度実装できなくなる。なお、LEDベアチップLnmのn電極及びp電極に接続される配線パターンPBの間隔L1は、略50μmである(図5参照)。
【0049】
3.金属ベース基板の製造方法について
図6は、金属ベース基板の製造方法を説明するための図である。この図6を参照しながら、LEDベアチップを実装する前の金属ベース基板15の製造方法について簡単に説明する。
まず上部絶縁層21について説明する。上部絶縁層21用の半硬化状態の絶縁板12を準備し[工程(a)]、この絶縁板12の上面に配線パターンPA用の銅箔を貼着した後、配線パターンに対応する部分を残し、他の不要な銅箔部分をエッチングにより除去する。これにより、絶縁板12の上面に配線パターンPAが形成されることになる[工程(b)]。
【0050】
そして、上記配線パターンPAが形成された絶縁板12に凹入部を形成するための貫通孔Tと、配線パターンPAと下部絶縁層22の配線パターンPBとを電気的に接続するビアホール用の貫通孔とを打ち抜き加工により形成する。そして、ビアホール用の貫通孔に導電性ペーストを充填してビアホールVを形成する[工程(c)]。
このとき、凹入部用の貫通孔Tとビア用の貫通孔とを同時に打ち抜き加工しているので、2種類の貫通孔を形成しているにも拘わらず、1回の工程で両貫通孔を形成することができる。
【0051】
次に、下部絶縁層22について説明する。下部絶縁層22用の半硬化状態の絶縁板14を準備し[工程(d)]、この絶縁板14の上面に配線パターンPB用の銅箔を貼着した後、配線パターンに対応する部分を残し、他の不要な銅箔部分をエッチングにより除去する。これにより、絶縁板14の上面に配線パターンPBが形成されることになる[工程(e)]。
【0052】
以上のように、上(表)面に配線パターンPAが形成された絶縁板12と、上(表)面に配線パターンPBが形成された絶縁板14とを、そのパターンが形成されている面が上側となるように、この順序で重ねあわせ、さらに、その重ね合わせた絶縁板14の下(裏)面(下層の絶縁板14における配線パターンが形成されていない面)に金属ベース用である、金属板16を重ねあわせて[工程(f)]、加圧及び加熱する。
【0053】
これにより、上下の絶縁板12、14が硬化して、上下の絶縁層21、22からなる絶縁基板20が完成し、また、下部絶縁層22と金属板16とが接合されて金属ベース基板15が完成する。当然金属ベース基板15の完成に合せて貫通孔Tのところに凹入部Cも形成される[工程(g)]。
なお、上記のようにして製造された金属ベース基板15の凹入部C内にLEDベアチップが、公知の技術を用いてフリップチップ実装されて、LED光源が完成する。
【0054】
なお、本明細書では、半硬化状態の絶縁板を硬化させたものを絶縁層としている。また、絶縁板12、14と金属板16とを貼り合わせて加圧・加熱する際に、上部絶縁層21用の絶縁板12に設けた貫通孔Tが潰れる場合は、これらを加圧する加圧部に上記の貫通孔Tに対応して凸部を設ければ良い。
上記のように、配線パターンPAと凹入部用の貫通孔Tとが形成された上部絶縁層21用の絶縁板12と、配線パターンPBが形成された下部絶縁層22用の絶縁板14とを積み重ねて、加熱・加圧成形すれば、絶縁基板20の表面側に凹入部Cが容易に形成され、しかも、凹入部Cの底に相当する面がちょうど下部絶縁層22の表面となる。
【0055】
さらに、図3に示すように、配線パターンPBは、下部絶縁層22の上面の略全域に亘って形成されているが、奇数列部BOnと偶数列部BEnは互いに離れている。これにより下部絶縁層22の表面と上部絶縁層21の裏面とが、配線パターンPBが形成されていない部分で直接結合でき、両者を強固に固着できる。
なお、本実施の形態では、半硬化状態の絶縁板12、14を重ねて加熱・加圧しているが、例えば、下部絶縁層22用の絶縁板14と金属板16とを先に加熱・加圧成形し、その後に、上部絶縁層21用の半硬化状態の絶縁板12を、上記先に成形した下部絶縁層22上に重ねて加熱・加圧成形すると、配線パターンPBに凸凹が少なくなる。つまり、配線パターンPBにおけるLEDベアチップを実装する面の平面度を向上させることができる。このため、この配線パターンPBに実装される各LEDベアチップLnmの実装性が向上すると共にその発光層の向きを一定にすることができる。
【0056】
4.その他
(1)LEDベアチップの実装方法について
上記の実施の形態では、LEDベアチップLnmとして、電極を下(裏)面に有する下面電極型のものを使用したが、他のタイプのLEDベアチップを用いてもよい。このような他のタイプとしては、電極を表裏両面に有する両面電極型、そして電極を上(表)面に有する上面電極型があり、それぞれについて説明する。
【0057】
A.両面電極型を実装する場合
両面電極型のLEDベアチップが金属ベース基板に実装されてなるLED光源について説明する。ここでは、LEDベアチップの裏面の電極が下部絶縁層の配線パターンに接続され、表面の電極が下部絶縁層(変形例1)又は上部絶縁層(変形例2)の配線パターンに接続される例について説明する。
【0058】
なお、両面電極型のLEDベアチップとしては、例えば、AlInGaP系のものがある。
(ア)表面の電極を下部絶縁層に接続する例(本例を、「変形例1」とする。)
図7の(a)は、両面電極型のLEDベアチップを用い、表面の電極を下部絶縁層に接続する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。
【0059】
金属ベース基板32は、同図に示すように、金属ベース33と、金属ベース33の表側に貼着された絶縁基板34とを備えている。絶縁基板34は、上記実施の形態と同様に、上部絶縁層35と下部絶縁層36とからなる多層(2層)構造を有し、金属ベース基板32は、下部絶縁層36を残して、絶縁基板34の表面から金属ベース33側へと凹入する凹入部C1を備えている。
【0060】
上部絶縁板35の表面に、上記実施の形態における配線パターンPAに相当する配線パターンが形成されている(図示省略)。また、下部絶縁板36の表面にも、上記実施の形態における配線パターンPBに相当する配線パターンP1B1,P1B2が形成されている。なお、凹入部C1の形状も、上記実施の形態と同様に、平面視円形状をしている。
この配線パターンP1B1,P1B2は、その一部が凹入部C1内で露出し、この露出している部分にLEDベアチップL1が接続されている。
【0061】
LEDベアチップL1と配線パターンP1B1,P1B2との電気的接続は、その下面の電極が配線パターンP1B1に導電性のペーストを介してダイボンディングされることにより、また上面の電極が金線等のワイヤー38を介して配線パターンP1B2にワイヤボンディングされることによりそれぞれ行われる。
ここでは、LEDベアチップL1の上面の電極を下部絶縁層36上の配線パターンP1B2に接続しているため、凹入部C1内に露出している配線パターンP1B1とP1B2との間隔L2が0.25mm程度必要となり、凹入部C1の平面視の穴径D2は、1.0mm程度必要となる(図7の(a)参照)。
【0062】
(イ)表面の電極を上部絶縁層に接続する例(本例を、「変形例2」とする。)
図7の(b)は、両面電極型のLEDベアチップを用い、表面の電極を上部絶縁層に接続する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。
金属ベース基板42は、同図に示すように、上述の変形例1と略同様の構造を有し、絶縁基板44の表側に凹入部C2を備えている。絶縁基板44は、上記の実施の形態及び変形例1と同様に、上下の絶縁層45、46により構成される。
【0063】
下部絶縁層46の表面には、上記変形例1の配線パターンP1B1,P1B2に相当する配線パターンP2B1,P2B2が形成されている。これら配線パターンP2B1,P2B2のうち、一方の配線パターン、例えば、配線パターンP2B1の一部が凹入部C2内に露出している。
一方、上部絶縁層45の表面には、上記実施の形態における配線パターンPAに相当する配線パターン(図示省略)の他、下部絶縁層46の配線パターンP2B2にビアホールV2を介して接続されているパッドP2Cが形成されている。
【0064】
両面電極型のLEDベアチップL2は絶縁基板44にダイボンディングされており、その下面の電極が配線パターンP2B1にダイボンド用の銀ペーストを介して接続され、また上面の電極が金線等のワイヤー48を介してパッドP2Cにワイヤボンディングされることにより接続されている。
なお、ここでは、LEDベアチップL2の上面の電極を上部絶縁層45上の配線パターンP2Cに接続しているため、凹入部C2の穴径D3は、0.5mm程度まで小さくすることができる(図7の(b)参照)。
【0065】
しかも、LEDベアチップL2を凹入部C2内の底面にダイボンディングする際に、ダイボンド用の銀ペーストが凹入部C2から流出することがなく、金属ベース基板42の表面に銀ペーストが付着するのを防ぐことができる。
また、LEDベアチップL2の上面の電極と、上部絶縁層45上のパッドP2Cとをワイヤー48により接続する場合、ワイヤー48の曲率を小さくできるので、ワイヤー48が剥がれたり、折れたりするのを防止でき、また、効率良くボンディングできる。
【0066】
B.上面電極型を実装する場合(変形例3、4)
上面電極型のLEDベアチップが金属ベース基板に実装されてなるLED光源について説明する。ここでは、LEDベアチップの表面の電極が下部絶縁層(変形例3)又は上部絶縁層(変形例4)の配線パターンに接続される例について説明する。
なお、上面電極型のLEDベアチップとしては、例えば、AlInGaN系のものがある。
【0067】
(ア)両電極を下部絶縁層に接続する例(本例を、「変形例3」とする。)
図8の(a)は、上面電極型のLEDベアチップを用い、上面の電極を下部絶縁層に接続する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。
金属ベース基板52は、同図に示すように、金属ベース53と、金属ベース53の表側に貼着された絶縁基板54とを備えている。この絶縁基板54は、実施の形態と同様に、上部絶縁層55と下部絶縁層56とからなる多層(2層)構造を有し、また、金属ベース基板52は、下部絶縁層56を残して、絶縁基板54の表面から金属ベース53側へと凹入する凹入部C3を備えている。
【0068】
上部絶縁板55の表面に、上記実施の形態における配線パターンPAに相当する配線パターンが形成されている(図示省略)。また、下部絶縁板56の表面にも、上記実施の形態における配線パターンPBに相当する配線パターンP3B1,P3B2が形成されている。
この配線パターンP3B1,P3B2の一部は、凹入部C3内まで延伸し、その内部で露出している。そして、この露出している部分にLEDベアチップL3の電極が接続されている。
【0069】
具体的には、LEDベアチップL3は、一方の電極がワイヤー59を介して配線パターンP3B1に、他方の電極がワイヤー58を介して配線パターンP3B2にそれぞれ接続されている。
(イ)両電極を上部絶縁層に接続する例(本例を「変形例4」とする。)
図8の(b)は、上面電極型のLEDベアチップを用い、上面の両電極を上部絶縁層に接続する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。
【0070】
金属ベース基板62は、同図に示すように、上述の変形例3と略同様の構造を有し、絶縁基板64の表側に凹入部C4を備えている。絶縁基板64は、上記の実施の形態と同様に、上下の絶縁層65、66により構成される。
下部絶縁層66の表面には、上記実施の形態における配線パターンPBに相当する配線パターンP4B1,P4B2が形成されている。なお、これら配線パターンP4B1,P4B2は、実施の形態及び上記変形例1〜3と異なり、凹入部C4内には露出していない。
【0071】
一方、上部絶縁層65の表面には、上記実施の形態における配線パターンPAに相当する配線パターン(図示省略)の他、下部絶縁層66の配線パターンP4B1,P4B2とビアホールV4を介して接続するパッドP4C1,P4C2が形成されている。
上面電極型のLEDベアチップL4は、その一方の電極がワイヤー68を介してパッドP4C2に、他方の電極がワイヤー69を介してパッドP4C1にそれぞれ接続されている。なお、本変形例においては、LEDベアチップL4が上部絶縁層65にワイヤボンディングされるため、凹入部C4の穴径は、変形例3における凹入部C3の穴径よりも小さくできる。これにより上部絶縁層65における配線パターンの形成可能な面積を広げることができる。
【0072】
(ウ)その他
上記変形例3及び変形例4では、LEDベアチップL3,L4は、上部絶縁層又は下部絶縁層に形成された配線パターン又はパッドに接続されているが、例えば、LEDベアチップの一方の電極を下部絶縁層に、また他方の電極を上部絶縁層にそれぞれ接続してもよい。なお本明細書では、パッドを配線パターンに含まれるとして使用している。
【0073】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、金属ベース基板の絶縁基板に、第1の実施の形態と同様に凹入部が形成されているが、当該凹入部は、絶縁基板を貫通して金属ベースにまで達している点で、第1の実施の形態と異なる。
1.LED光源の構成について
ここで、説明するLED光源は、第1の実施の形態と同様に、金属ベース基板と、この金属ベース基板に実装された複数のLEDベアチップとを備え、金属ベース基板の表面側には、凹入部が8行8列のマトリックス状に形成されており、この底にLEDベアチップが実装されている。
【0074】
なお、本実施の形態で、位置等に関係なく、単なる凹入部を指す場合は、第1の実施の形態における凹入部Cnmと区別するために、符号「2Cnm」を用い、同様に、LEDベアチップも、第1の実施の形態と区別するために、符号「2Lnm」を用いる。
上記の第1の実施の形態で説明した金属ベース基板15では、凹入部Cnmが絶縁基板20の下部絶縁層22を残して形成されているの対し、本実施の形態における金属ベース基板は、凹入部2Cnmが絶縁層を残さずに形成されている点で異なる。本実施の形態における凹入部2Cnmの位置、金属ベース基板の構成等は、第1の実施の形態と同様であるため、これらの説明は省略する。
【0075】
図9は、第1の実施の形態での図2におけるA部に相当する部分の詳細図である。図10は、図9の2X−2X線を含む鉛直面で切断したときの矢印方向からみた断面図である。図11は、図9に示す部分における下部絶縁層を示している。
なお、A部は、凹入部2Cnmのうち、nが7と8、mが3〜5までの計6個が含まれる範囲であり、他の範囲における凹入部2Cnm、LEDベアチップ2Lnm等の構造及び実装状態もA部と同じである。
【0076】
それでは、本実施の形態を図9〜11に基づいて以下に説明する。
金属ベース基板215は、図9〜図11に示すように、上部絶縁層221と下部絶縁層222とからなる絶縁基板220と、金属ベース224とからなり、表面から金属ベース224側に凹入する凹入部2C73〜2C75、2C83〜2C85が形成されている。
凹入部2C73〜2C75は、図10に示すように、絶縁基板220を貫通しており、凹入部2C73〜2C75の底がちょうど金属ベース224の絶縁基板220側の面となっている。
【0077】
凹入部2C73〜2C75、2C83〜2C85は、図9〜図11に示すように、上部絶縁層221に設けられた上部開口2C73a〜2C75a、2C83a〜2C85aと、下部絶縁層222に設けられた下部開口2C73b〜2C75b、2C83b〜2C85bとからなる。
絶縁基板220には、第1の実施の形態における絶縁基板20と同様に、各絶縁層221、222の表側の面に配線パターン2PA、2PBが形成されている。なお、配線パターン2PBが本発明の第3の配線パターンに相当し、配線パターン2PAが第4の配線パターンに相当する。
【0078】
下部絶縁層222は、第1の実施の形態の配線パターンPBと同様な、配線パターン2PBを備えるが、LEDベアチップ2L73〜2L75、2L83〜2L85を実装する部分に下部開口2C73b〜2C75b、2C83b〜2C85bが設けられている点で、第1の実施の形態における下部絶縁層22と異なる。
上部開口2C73a〜2C75a、2C83a〜2C85aの穴径は、図9〜図11に示すように、下部開口2C73b〜2C75b、2C83b〜2C85bの穴径よりも大となっている。
【0079】
また、図9に示すように、下部絶縁層222上に形成された奇数列部2BO7、2BO8と偶数列部2BE7、2BE8とが、下部開口2C73b〜2C75b、2C83b〜2C85b近傍まで形成されており、配線パターン2PBにおける下部開口2C73b〜2C75b、2C83b〜2C85b近傍部分が、凹入部2C73〜2C75、2C83〜2C85内に露出している。
【0080】
LEDベアチップ2L73〜2L75、2L83〜2L85は、図9〜図11に示すように、凹入部2C73〜2C75、2C83〜2C85の底、つまり、凹入部内の金属ベース224の表側の面に実装される。
このLEDベアチップ2L73〜2L75、2L83〜2L85は、上面に両電極を有する上面電極型であって、下(裏)面が凹入部2C73〜2C75、2C83〜2C85の底に相当する金属ベース224の表面にダイボンディングされ、また、LEDベアチップ2L73〜2L75、2L83〜2L85の表面の電極が、ワイヤー218,219を介して配線パターン2PB(奇数列部2BO7、2BO8と偶数列部2BE7、2BE8)にワイヤボンディングされている。
【0081】
なお、上面に両電極を有する上面電極型のLEDベアチップ2Lnmとしては、例えば、変形例3及び変形例4で説明したような、AlInGaN系のものがある。
上記のLED光源に用いている金属ベース基板215は、裏側に金属ベース224を備えると共に、絶縁基板220を厚さ方向に貫通する凹入部2Cnmを表側に備えている。そして、この凹入部2Cnmの底面に相当する金属ベース224にLEDベアチップ2Lnmが直接実装されている。
【0082】
このため、2層の絶縁層221、222からなる絶縁基板220を用いた金属ベース基板215を使用しているにも拘わらず、LEDベアチップ2Lnmが発光時に発生する熱は、直接金属ベース224へと伝わって、金属ベース224から放熱される。
したがって、本第2の実施の形態では、放熱経路において放熱特性を著しく低下させる絶縁層を経由しないため、第1の実施の形態を超える放熱効果を得ることができる。
【0083】
2.LED光源の具体的構成について
上記のLED光源10について具体例について説明する。
各LEDベアチップ2Lnmは、300μm角、高さ100μmである。
凹入部2Cnmの形状は、図9に示すように、略円形状であって、上部開口2Cnmaの穴径D4が1.0mmであり、下部開口2Cnmbの穴径D5が0.5mmである(図10参照)。
【0084】
下部開口2Cnmbの寸法は、使用しているLEDベアチップ2Lnmの一辺の長さが300μmであることから、LEDベアチップ2Lnmの実装に最低でも穴径で0.44mmは必要となる。
しかしながら、穴径D5があまり大きくなると、隣接するLEDベアチップ2Lnmの実装間隔が大きくなり、LEDベアチップ2Lnmを高密度実装できなくなる。
【0085】
なお、下部絶縁層222及び上部絶縁層221の厚み、絶縁基板220の材料、金属ベース224の材料及び厚さについては、第1の実施の形態と同様である。
3.金属ベース基板の製造方法について
本実施の形態における金属ベース基板215は、第1の実施の形態で説明した製造方法を用いて製造できる。
【0086】
つまり、第1の実施の形態では、上部絶縁層にのみ貫通孔が形成されていたが、本実施の形態では、上部貫通孔の穴径よりも小さい貫通孔を下部絶縁層用の絶縁板に形成し、これらを上部絶縁層用の絶縁板と、下部絶縁層用の絶縁板と、金属ベース用の金属板とを重ねて、加熱・加圧して一体化すればよい。
4.その他
(1)実装方法について
上記の第2の実施の形態では、LEDベアチップ2Lnmの電極がワイヤボンディングにより下部絶縁層222の配線パターン2PB(2BEn、2BOn)に接続されている(図9〜図11参照)が、他の絶縁層に電極を接続しても良い。
【0087】
図12は、表面の両電極を上部絶縁層に接続する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。なお、表面の両電極を上部絶縁層に接続する本例を、変形例5とする。
金属ベース基板252は、同図に示すように、第2の実施の形態と略同様の構造を有し、絶縁基板254を貫通する凹入部2C1を備えている。なお、絶縁基板254は、上記の実施の形態と同様に、上下の絶縁層255,256により構成される。
【0088】
下部絶縁層256の表面には、上記第2の実施の形態における配線パターン2PBに相当する配線パターン2PB1,2PB2が形成されている。なお、これら配線パターン2PB1,2PB2は凹入部2C1内には露出していない。
一方、上部絶縁層255の表面には、上記第2の実施の形態における配線パターン2PAに相当する配線パターン(図示省略)の他、下部絶縁層256の配線パターン2PB1、2PB2とビアホール2V1を介して接続するパッド2PC1,2PC2が形成されている。
【0089】
上面電極型のLEDベアチップ2L1は、その一方の電極がワイヤー239を介してパッド2PC1に、他方の電極がワイヤー238を介してパッド2PC2にそれぞれ接続されている。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態は、金属ベース基板の絶縁基板に表面に発光体を実装し、前記絶縁基板は、前記発光体と金属ベースとの間に伝熱部材を設けている。
【0090】
1.LED光源の構成について
図13は本実施の形態における金属ベース基板の平面図である。
金属ベース基板310は、第1及び第2の実施の形態と同様に、無機フィラー入りの熱硬化性樹脂からなる複数の絶縁層(本実施の形態では2層)の表面に銅(Cu)製の配線パターンが形成された絶縁基板320(図16参照)と、当該絶縁基板320の下層側の絶縁層に取着された金属ベース324(図16参照)とからなる。
【0091】
なお、後述の図16に示すように、絶縁基板320を構成する2層の絶縁層の内、表面(上)側の層を上部絶縁層321、裏面(下)側の層を下部絶縁層322とそれぞれいう。図13では、金属ベース基板310の表層にある上部絶縁層321のみが現れている。
金属ベース基板310には、第1及び第2の実施の形態と同様に、64個のLEDベアチップが8行8列のマトリックス状に整然と実装される。各LEDベアチップの実装位置を符号3Dnm(nは行数を、mは列数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)で示す。
【0092】
図14は、上部絶縁層を取り除いた状態を平面視した下部絶縁層の平面図である。
図13及び図14に示す上部絶縁層321及び下部絶縁層322に設けられた配線パターン3PA,3PBは、主に、各行における奇数列目のLEDベアチップと、偶数列目のLEDベアチップとをそれぞれを直列に接続する目的で形成されている。なお、配線パターン3PA、3PBの順序は、4行目と5行目の間で、その順序が逆となっている。
【0093】
このため、上部絶縁層321の配線パターン3PAは、図13に示すように、各行に対応して、偶数列の4個のLEDベアチップ(例えば、1行目では、3D12、3D14、3D16、3D18の4箇所に実装されるLEDベアチップ)のみを直列に接続するために行(横)方向に形成された偶数列部3AEnと、奇数列の4個のLEDベアチップ(例えば、1行目では、3D11、3D13、3D15、3D17の4箇所に実装されるLEDベアチップ)のみを直列に接続するために行(横)方向に形成された奇数列部3AOnと、各行のLEDベアチップに給電するための給電端子部3ASとを備えている(nは行数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)。
【0094】
各行の奇数列部3AOn及び偶数列部3AEnは、互い対向する側が列方向に凹凸する波形状をしており、一方の凹に他方の凸が入るように組み合わさって、LEDベアチップを略行方向に1列に実装するようになっている。なお、給電端子部3ASは、所定の行のLEDベアチップに給電できるように形成されている。
一方、下部絶縁層322の配線パターン3PBでは、図14に示すように、上部絶縁層321の各行の奇数列部3AOnと偶数列部3AEnとに対応して、横方向に延伸する、奇数列部3BOnと3偶数列部3BEnがそれぞれ形成されている(nは行数を示し、1〜8の整数である。)。この奇数列部3BOn及び偶数列部3BEnも、上記の奇数列部3AOnと偶数列部3AEnと同様に、互いに対向する側が列方向に凹凸する波形状をしており、一方の凹に他方の凸が入るように組み合わさっている。
【0095】
次に、上部絶縁層321の配線パターン3PAと下部絶縁層322の配線パターン3PBとの接続関係について説明する。ここでは、1行目を例として、図13及び図14を用いて具体的に説明する。
なお、上部絶縁層321の配線パターン3PAの1行目の偶数列部3AE1に接続する給電端子部3AS1及び8行目の奇数列部3AO8に接続する給電端子部3AS2がそれぞれ高電位となっている。
【0096】
まず、上部絶縁層321の偶数列部3AE1と奇数列部3AO1とは、偶数列部3AE1の低電位側3P1が下部絶縁層322の偶数列部3BE1の左側端部3P1に接続され、この偶数列部3BE1の右寄り部3P2が上部絶縁層321の奇数列部3AO1の高電位側3P2に接続されることで直列に接続される。
また、1行目の奇数列部3AO1と、次の行である2行目の奇数列部3AO2とは、奇数列部3AO1の低電位側3P3が下部絶縁層322の奇数列部3BO1の左側端部3P3に接続され、この奇数列部3BO1の右端寄り部3P4が上部絶縁層321の奇数列部3AO2の高電位側3P4に接続されることで直列に接続される。
【0097】
このようにして、上部絶縁層321における、1行目から4行目までが直列に接続され、4行目の偶数列部3AE4の低電位側が、下部絶縁層322の偶数列部3BE4を介して給電端子部3AS3に接続される。なお、上部絶縁層321の配線パターン3PAと、下部絶縁層322の配線パターン3PBとの接続は、例えばビアホールを介してなされている。
【0098】
従って、1行目から4行目のLEDベアチップを発光させる場合には、1行目の偶数列部3AE1の高電位側の給電端子部3AS1と低電位側の給電端子部3AS3とに印加すればよいことになる。なお、5行目から8行目も同様に、偶数列部3AE8の高電位側の給電端子部3AS2と低電位側の給電端子部3AS4とに印加すれば、5行目から8行目に実装されているLEDベアチップを発光させることができる。
【0099】
図15は、図13におけるB部の詳細図で、下部絶縁層322を見せるために、上部絶縁層321の一部を取り除いている。図16は、図15の3X−3X線を含む鉛直面で切断して矢印方向から見たときの断面図である。
ここで、各LEDベアチップの実装位置3D11〜3D88に実装されているLEDベアチップの符号を「3Lnm」とし(nは行数を、mは列数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)、第1及び第2の実施の形態におけるLEDベアチップと区別する。
【0100】
下部絶縁層322には、図15及び図16に示すように、上部絶縁層321の配線パターン3PAに実装されているLEDベアチップ3Lnmの実装位置3D11〜3D88の裏側(つまり下部絶縁層322の表側の面)に、LEDベアチップ3Lnmの発光時に発生する熱を、その裏側(下方)の金属ベース324へと伝えるための伝熱部材3Anm(nは行数を、mは列数をそれぞれ示し、いずれも1〜8の整数である。)が設けられている。この伝熱部材3Anmは、下部絶縁層322上に形成されている配線パターン3PBの一部により構成されている。
【0101】
上記構成によれば、下部絶縁層322の表側の面にLEDベアチップ3Lnmの実装位置3Dnmに対応して伝熱部材3Anm(配線パターン3PB)が配されているので、LEDベアチップ3Lnmの発光時に発生する熱が、伝熱部材3Anmを介して金属ベース324に伝わって放出される。これにより、絶縁基板を多数の絶縁層からなる多層構造にしても、LEDベアチップ3Lnmの発生した熱が伝熱部材3Anmを介して金属ベース324から放熱されるので、LEDベアチップ3Lnmの発光効率が低下したり、短寿命になったりするのを防止することができる。
【0102】
さらに、金属ベース基板310は、上部絶縁層321と下部絶縁層322とから成る多層構造を有しているので、例えば、LEDベアチップ3Lnmを高密度実装する際に、パターンルール上の制限から上部絶縁層321の広さでは配線パターンが全て形成できないような場合でも、下部絶縁層322に配線パターン3PBを形成することができる。
この場合、表面のLEDベアチップ3Lnmと金属ベース324とが厚み方向に離れることになるが、上述のように、両者の間に位置する下部絶縁層322には伝熱部材3Anmが形成されているので、発光時に生じる熱は、その伝熱部材3Anmを通って金属ベース324に伝わり、金属ベース324から放熱される。
【0103】
2.LED光源の具体的構成について
上記の金属ベース基板310について具体例について説明する。
絶縁基板320を構成する上部絶縁層321及び下部絶縁層322の厚みは、略0.1mmである。上部絶縁層321の配線パターン3PAの厚みは、部分的に狭ギャップのパターンを必要とするため約9μmとしている。これに対し、下部絶縁層322の配線パターン3PBの厚みは、一般的な35μmの銅箔を用いており、下部絶縁層322の配線パターン3PBの方が配線パターン3PAよりも厚くなっている。
【0104】
このように下部絶縁層322の配線パターン3PBが、上部絶縁層321の配線パターン3PAよりも厚くなっているので、より多くの熱を金属ベース324へと伝えることができる。
ここで、伝熱部材3Anmの厚みは、上下の絶縁層321、322の厚みに対して1/4以上が好ましい。これは、伝熱部材3Anmの厚みが1/4未満だと金属ベース324に伝える熱量が少なく、放熱効果が小さいからである。
【0105】
なお、金属ベース324及びLEDベアチップ3Lnmも、第1の実施の形態で説明したものと同じであり、また、LEDベアチップ3Lnmの実装位置等についても、第1の実施の形態と同様である。
3.金属ベース基板の製造方法について
図17は、金属ベース基板の製造方法を説明するための図である。
【0106】
この図17を参照しながら、金属ベース基板315の製造方法について簡単に説明する。
まず、上部絶縁層321について説明する。上部絶縁層321用の半硬化状態の絶縁板312の所定位置にビア用の貫通孔を打ち抜き加工等により形成し、この貫通孔に導電性ペーストを充填する。これにより、所定位置にビアを有する絶縁板312が得られる。
【0107】
次に、この絶縁板312の両面に配線パターン3PA、3PB用の銅箔を貼着し[工程(b)]、上面では銅箔における配線パターン3PAに対応する部分を残し、また下面では配線パターン3PBに対応する部分を残し、それぞれ不要な銅箔部分を、エッチングにより除去する。
これにより、絶縁板312の上面に上部絶縁層321に対応した配線パターン3PAが、また下面に下部絶縁層322に対応した配線パターン3PBがそれぞれ形成されることになる[工程(c)]。
【0108】
次に、下部絶縁層322用の半硬化状態の絶縁板314を準備し[工程(d)]、上記の絶縁板312、用意した絶縁板314及び金属ベース324用の金属板316とを、絶縁板312が表側となるようにその順序で重ねあわせて[工程(e)]、加圧及び加熱する。これにより、上下の絶縁板312,314が接合されると共に下側の絶縁板314と金属板316とが接合されて、上下の絶縁層321、322と金属ベース324との3層からなる金属ベース基板315が完成する[工程(f)]。
【0109】
なお、上記のようにして製造された金属ベース基板310の実装位置3DnmにLEDベアチップ3Lnmがフリップチップ実装されると、LED光源が完成する。また、本実施の形態においても、絶縁板312,314を重ねて硬化して層構造になったものを、上部絶縁層321、下部絶縁層322としている。
上記のように配線パターン3PA、3PBをエッチングにより形成しているので、LEDベアチップ3Lnmの実装位置3Dnmに対応して伝熱部材3Anmを設ける際にも、配線パターン3PBのパターン形成時に、伝熱部材も含めて行えば良く伝熱部材3Anmを容易に形成できる。
【0110】
また、表面に配線パターン3PA,3PBが形成された半硬化状態の絶縁板312及び絶縁板314を重ねて加熱・加圧しているので、硬化後において、上部絶縁層321の配線パターン3PAの表面と、上部絶縁層321の表面であって配線パターン3PAが形成されていない部分とが略同じ高さにできる。
つまり、絶縁板312として、無機フィラーと樹脂材料とから構成されるコンポジット材料を用いているために加熱時に軟化し、配線パターン3PAが略埋設されるために、加熱後の上部絶縁層321の表面を略面一状にできる。
【0111】
このため、絶縁基板の表面の凹凸が略無くなり、LEDベアチップ3Lnmの実装がより容易になり、また各LEDベアチップ3Lnmの発光層の向きを一定にした状態でそれを実装することが容易にできる。
さらに、図14に示すように、配線パターン3PBは、下部絶縁層322の表面の全体に亘って形成されているが、奇数列部3BOnと偶数列部3BEnは互いに離れている。これにより下部絶縁層322の上面(配線パターン側)と上部絶縁層321の下面(LEDベアチップ実装面と反対側)とが、配線パターン3PBが形成されていない部分で直接結合できる。従って、放熱性能を上げるために配線パターン3PBの面積を広くしても、上下の絶縁層321,322を強固に結合することができる。
【0112】
<第4の実施の形態>
第3の実施の形態における下部絶縁層322の配線パターン3PBは、伝熱部材3Anmを含むように形成されている。これに対して本第4の実施の形態では、配線パターンとは別に伝熱部材を設けたものである。なお、第4の実施の形態では、各部材部品等の符号に第3の実施の形態で用いた300番台を400番台に、また英字の前に付していた「3」を「4」に変更したものを使用する。
【0113】
図18は、第4の実施の形態における金属ベース基板の平面視の拡大図であって、下部絶縁層を見せるために、上部絶縁層の一部を取り除いている。以下、同図を用いて説明する。
LEDベアチップ4L74〜4L76、4L84〜4L86は、第3の実施の形態と同様に、上部絶縁層421に形成された配線パターン4PA(7行目及び8行目の4AE7、4AE8、4AO7、4AO8)にフリップチップ実装されている。なお、図18に示すLEDベアチップ4L74〜4L76、4L84〜4L86以外のLEDベアチップも、同様に金属ベース基板415の表面に実装されているが、図面の便宜上拡大図で説明する。
【0114】
下部絶縁層422には、LEDベアチップ4Lnm用の配線パターン4PB(7行目及び8行目の4BE7、4BE8、4BO7、4BO8)が形成されている。さらに、下部絶縁層422には、上部絶縁層421のLEDベアチップ4Lnm(4L74〜4L76、4L84〜4L86)の実装位置に対応して、円形状の伝熱部材4A74〜4A76、4A84〜4A86)が形成されている。
【0115】
この伝熱部材4Anmは、第3の実施の形態と同様に、上部絶縁層421に実装されたLEDベアチップ4Lnmの発光時に発生した熱を金属ベースへと伝えるためのものである。従って、熱を伝えるために伝熱部材4Anmは、上部絶縁層421及び下部絶縁層422を構成する材料よりも熱伝導率が大きい材料が用いられている。具体的には、上部・下部絶縁層421、422は、上記第3の実施の形態で説明したコンポジット材料(主成分は樹脂材料)を用い、伝熱部材4Anmは、配線パターン4PA、4PBの材料と同じ銅が用いられている。
【0116】
伝熱部材4Anmは、第3の実施の形態と同様に、下部絶縁層422上の配線パターン4PBと同時に形成される。つまり、第3の実施の形態とは、伝熱部材が配線パターンに含まれているか否かの違いだけである。ここで、配線パターン4PBは、LEDベアチップ4Lnmの発光時に、LEDベアチップ4Lnmに電流を給電するためのものであり、ここでの伝熱部材4Anmとは機能上異なる。
【0117】
本実施の形態における金属ベース基板も、第3の実施の形態と同様に、LEDベアチップ4Lnmに対応して伝熱部材4Anmを有しているので、LEDベアチップ4Lnmの発光時の熱を伝熱部材4Anmから金属ベースへと伝えることができる。
また、伝熱部材4Anmが、配線パターン4PBと離れて独立して設けられているため、上部絶縁層421と下部絶縁層422とが直接接合する面積が、第3の実施の形態よりも広くなり、第3の実施の形態に比べて、上部・下部絶縁層422、421との接合力を高めることができる。
【0118】
なお、第3の実施の形態及び本実施の形態で説明した伝熱部材3Anm、4Anmは、平面視円形状をしているが、多角形状、楕円形状等の他の形状であっても良い。伝熱部材3Anm、4Anmの平面視の大きさは、LEDベアチップ3Lnm、4Lnmの平面視の大きさよりも大きい方が好ましく、第3及び第4の実施の形態では、伝熱部材3Anm、4Anmの直径が500μmであった。
【0119】
さらに、第4の実施の形態では、1個のLEDベアチップ4Lnmに対応して、1個の伝熱部材4Anmが設けられているが、例えば、2個のLEDベアチップ4Lnmに対応して1個の伝熱部材が設けられても良い。さらに、伝熱部材は、複数(例えば、奇数列部の4個又は偶数列部の4個)のLEDベアチップに対応するように、左右方向に帯状に設けても良い。
【0120】
4.その他
(1)絶縁基板について
上記の第4の各実施の形態では、上部絶縁層421と下部絶縁層421の2層から構成された絶縁基板420を用いているが、絶縁基板の層数は2層に限定するものではない。
A.絶縁基板が単層の場合(変形例6)
図19は、コンポジット材料を1層用いた場合のLED光源の縦断面図を示す。
【0121】
金属ベース基板432は、同図に示すように、単層構造の絶縁基板434と、この絶縁基板434の裏面に取着された金属ベース433とからなる。LEDベアチップ4L1は、絶縁基板434の表面の配線パターン4P11、4P12にフリップチップ実装されている。
なお、コンポジット材料からなる絶縁層を1層有する金属ベース基板を用いた本例を変形例6とする。
【0122】
一方、絶縁基板434の裏面には、LEDベアチップ4L1の実装位置に対応した位置に伝熱部材4A1が形成されている。なお、ここでの例では、絶縁基板の裏面に配線パターンを形成していないが、例えば裏面に配線パターンを形成する場合には、金属ベースとの間に絶縁層を設けたり、金属ベースに絶縁処理、例えば、アルマイト処理を施したりする必要がある。
【0123】
本構成によれば、絶縁基板434が単層であるので放熱特性にも優れるが、伝熱部材4A1を裏面に備えているので、さらに放熱特性を向上させることができる。
なお、伝熱部材4A1は、絶縁基板434の裏面に形成されているが、例えば、絶縁基板434にコンポジット材料を用いることで、図19に示すように、伝熱部材4A1と、絶縁基板434の裏面であって伝熱部材4A1のない部分との高さが略一致すように、伝熱部材4A1を形成することもできる。
【0124】
このように伝熱部材4A1を絶縁基板434の裏面に埋設すると、伝熱部材4A1は、表面のLEDベアチップ4L1とも近くなり、さらに伝熱部材4A1と金属ベース433とが接触することになり、さらに放熱特性を向上させることができる。
B.絶縁基板が3層以上の場合
本発明は、上記の第3及び第4の実施の形態や変形例6で説明したような2層構造の絶縁基板、或いは単層構造の絶縁基板を用いた金属ベース基板に限定するものではない。例えば、LEDベアチップが、その発光色が赤、青、緑の3種類からなり、各色の配線パターンを層ごとに形成する場合に、3層構造の絶縁基板、或いは4層構造の絶縁基板を用いることがある。このような場合にも、表層に実装されるLEDベアチップに対応して各層、或いは、1層、複数層おきに伝熱部材を設けても良い。
【0125】
当然、放熱作用を考慮すると、各層に伝熱部材を形成するのが最も好ましいが、たとえ、複数層の内の1層でも伝熱部材を設けることで、全く伝熱部材を設けていない場合に比べて、放熱特性を改善させることができる。
(2)LEDベアチップについて
上記第4の実施の形態及び変形例6では、LEDベアチップに、両電極を下面に備える下面電極型を用いたが、他のタイプのLEDベアチップを用いても良い。他のタイプとしては、第1の実施の形態の「4.その他」の欄で説明したように、両面電極型、上面電極型がある。以下、それぞれのLEDベアチップを実装する場合について説明する。
【0126】
A.両面電極型を実装する場合(変形例7)
図20の(a)は、両面電極型のLEDベアチップを用い、絶縁基板の表面に実装する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。
金属ベース基板442は、同図に示すように、金属ベース443と、金属ベース443の表側に貼着された絶縁基板444とを備えている。絶縁基板444は、上記変形例6と同様に、1層構造を有している。
【0127】
絶縁基板444の表面には、上記変形例6における配線パターン4P11,4P12に相当する配線パターン4P21,4P22が形成され、また、裏面には、LEDベアチップ4L2の実装位置の裏側に相当する位置に伝熱部材4A2が形成されている。
LEDベアチップ4L2は、上述にように、両面電極型であり、裏面が配線パターン4P22に、例えば、LEDベアチップ4L2のダイボンド用の銀ペーストにより接続され、表面の電極がワイヤー448にて配線パターン4P21に接続されている。
【0128】
このようにLEDベアチップ4L2に両面電極型のものを用いることができる。この場合においても、LEDベアチップ4L2の裏側に伝熱部材4A2が形成されているので、LEDベアチップ4L2の発光時に発生する熱は、伝熱部材4A2、金属ベース443から放出されることになる。
B.上面電極型を実装する場合(変形例8)
図20の(b)は、上面電極型のLEDベアチップを用い、絶縁基板の表面に実装する例におけるLEDベアチップの実装位置周辺の断面を拡大した図である。
【0129】
金属ベース基板452は、上記変形例7と同様に、金属ベース453と1層構造の絶縁基板454とを備え、絶縁基板454の表面には配線パターン4P31、4P32が、裏面には伝熱部材4A3がそれぞれ形成されている。
LEDベアチップ4L3は、上述のように、上面電極型であり、一方の電極がワイヤー459を介して配線パターン4P31に、また他方の電極がワイヤー458を介して配線パターン4P32にそれぞれ接続されている。
【0130】
C.その他
上記の変形例7及び変形例8は変形例6を基にしているが、LEDベアチップとして、両面電極型、上面電極型であっても、第3の実施の形態及び第4の実施の形態に適用できるのは、言うまでもない。但し、これらのLEDベアチップを用いる場合には、変形例7及び変形例8に示すようにワイヤボンディング等を用いる必要がある。
【0131】
<他の変形例>
以上、本発明にかかる発光体用金属ベース基板及びこの基板を用いたLED光源について第1〜第4の実施の形態及び変形例1〜8に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記の各実施の形態、さらには各変形例に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例をさらに実施することができる。
【0132】
1.第1及び第2の実施の形態における凹入部について
上記の第1及び第2の実施の形態、さらには、変形例1〜変形例5では、凹入部を平面視円形状に形成しているが、他の形状、例えば、四角形、三角形等の多角形、楕円形状でも良い。さらに、凹入部を溝状(連続状)に形成し、この中に、複数のLEDベアチップを実装するようにしても良い。
【0133】
また、上記の第1の実施の形態及び変形例1〜変形例4における凹入部は、金属ベースが取着している絶縁層を一層残してその表面側の絶縁層を貫通して、絶縁層1層分の厚さ分が凹入するよう設けられているが、このように絶縁層1層だけを残す構成に限定するものではない。例えば、絶縁基板が3層以上絶縁層を有する多層構造であれば、金属ベース側の絶縁層を層単位、例えば2層残して凹入部を形成しても良い。但し、残す絶縁層を1層にするのが一番放熱特性に優れる。
【0134】
或いは、絶縁基板の層数が、3層以上ある場合は、例えば、凹入部を段差状に形成しても良い。具体的は、表層の絶縁層に形成されている貫通孔の大きさが、中間層の絶縁層に形成されている貫通孔より大きくしてもよい。さらにその場合は、表層、中間層のそれぞれを貫通する孔の形状を異なるようにしても良い。このような構成にすれば、例えば、LEDベアチップの上面の電極を中間層の配線パターンにワイヤボンディングできたり、或いは表層の配線パターンにワイヤボンディングできたり、配線パターンの自由度が広がる。
【0135】
さらに、凹入部は、金属ベースが貼着する絶縁層も凹入するように形成されていても良い。この場合は、例えば、絶縁基板が2層構造であるとき、凹入部を段差状に形成して、金属ベース側の絶縁層の表面が露出するようにすれば、金属ベース側の絶縁層の表面に形成されている配線パターンに発光素子を接続することができる。
2.伝熱部材について
上記の第3及び第4の実施の形態では、伝熱部材に銅が用いられていたが、絶縁基板を構成する材料の熱伝導率よりも高い材料であれば、LEDベアチップが発光したときの熱を、伝熱部材を備えていないものに対して、効率良く金属ベースへと伝えることができる。但し、実際の使用における熱伝導性を考慮すると、伝熱部材に金属材料を用いる方が好ましい。このような材料には、例えば、アルミニウム、金、銀等がある
3.LED光源について
(a)他のLED光源の例1(変形例9、10)について
上記の各実施の形態及ぶ各変形例におけるLED光源は、金属ベース基板とLEDベアチップとを備える構造をしているが、本発明の発光光源は、この構成に限定するものではなく、例えば、LEDベアチップを覆うように各種のレンズ、反射板等を装着しても良く、以下、これらを装着したLED光源について説明する。
【0136】
なお、ここで説明する例は、第1の実施の形態における金属ベース基板15にLEDベアチップLnmを実装したものに、レンズ、反射板等を取着したものを利用するため、第1の実施の形態と同様な構成の部材等については同じ符号を用いることにする。
図21は、レンズ板及び反射板を備えるLED光源を示す斜視図である。図22は、LEDベアチップの実装位置周辺を拡大した断面図である。なお、図21及び図22に示すLED光源の例を変形例9とする。
【0137】
変形例9におけるLED光源30は、図21及び図22に示すように、LEDベアチップLnmが実装されている金属ベース基板15(上記第1の実施の形態での金属ベース基板と同じ構成)と、この金属ベース基板15の表面に取着された反射板26と、この反射板26の表面に取着されたレンズ板25とを備える。
反射板26は、図22に示すように、各LEDベアチップLnm(ここでは、L73、L74、L75)に対応する位置に貫通孔28が形成されている。つまり、8行8列のマトリックス状に貫通孔28を64個備えている。この貫通孔28は、上部絶縁層21側の径が小さいコーン状に形成されていると共に、上部絶縁層21側における周縁が、金属ベース基板15の凹入部Cnmの表(図22における上)側における周縁と略一致するようになっている。
【0138】
この反射板26には、例えば、アルミニウムの金属板が使用されており、上部絶縁層21上の配線パターン(PA)との絶縁性を確保するために、アルマイト処理が施されている。なお、各貫通孔28におけるコーン状に傾斜する部分は、LEDベアチップLnmから発せられた光を反射させるために、鏡面状に仕上げられていたり、白色の反射膜等が塗布されたりしている。なお、反射板26の貫通孔28内には、内部のLEDベアチップLnmを封入する樹脂体29が充填されている。
【0139】
レンズ板25は、図22にも示すように、反射板26に重ねられ、反射板26の貫通孔28に対応する位置に、LEDベアチップLnmと反対側(上側)に半球状に突出してなるレンズ部27を備えている。ここではレンズ板25は、例えば、透過性を有するエポキシ樹脂からなる。
LEDベアチップLnmは、上記実施の形態と同様に、AlInGaNを用いている。このため、例えば、レンズ部27、またはLEDベアチップLnmを封入する樹脂体29に、蛍光体を設ける(樹脂体に蛍光体を混入することで設けることができる)と、LEDベアチップLnmから発せられた光によって蛍光体を励起させて可視光を得ることができる。例えば、蛍光体に、YAG系のものを用いると、青色光を白色光に変換できる。
【0140】
なお、本変形例9では、レンズ板25は、平板形状をしており、LEDベアチップLnmの実装位置に対応する位置にレンズ部27が形成されたものであるが、各LEDベアチップLnmの実装位置にレンズ部が形成されていれば、平板状でなくても良い。つまり、図22では、各レンズ部27は、板状部25aにより隣合うレンズ部27同士が繋がっているが、図23に示すように、反射板26の各貫通孔28に対応して独立したレンズ部27Aを設けても良い。なお、図23に示すLED光源の例を、「変形例10」とする。
【0141】
この場合、変形例9で説明した、LEDベアチップLnmを封入する樹脂体29の代わりに、レンズ部27aを構成する樹脂を用いて反射板26の貫通孔28内に充填しても良い。なお、変形例9のように、反射板26の貫通孔28内に、LEDベアチップLnmを封入する樹脂体29が充填し、そのあと、レンズ用の樹脂(上記例では、エポキシ樹脂。)でレンズ部27Aを形成しても良いのは言うまでもない。このようにしても、LEDベアチップLnmから発せられた光は、レンズ部27Aを通って表側へと射出される。
【0142】
また、ここでは、第1の実施の形態で説明した金属ベース基板15及びLEDベアチップLnmを用いたが、第1の実施の形態以外、つまり、第2〜第4の実施の形態及び変形例1〜8で説明した金属ベース基板及びLEDベアチップを用いて、レンズ、反射板等を取着しても良い。
(b)他のLED光源の例2(変形例11)について
第1及び第2の実施の形態は、絶縁板におけるLEDベアチップの実装位置に凹入部を設け、この凹入部の底面にLEDベアチップを実装している。一方、第3及び第4の実施の形態は、絶縁基板において、絶縁基板に実装されるLEDベアチップと金属ベースとの間に、少なくとも1つの伝熱部材を設けている。以上の実施の形態では、凹入部或いは伝熱部材により金属ベース基板としての放熱特性を向上させているが、本発明は、凹入部と伝熱部材との両方を備えた金属ベース基板及びこの金属ベース基板を備える発光光源であっても良い。
【0143】
図24は、凹入部と伝熱部材を有するLED光源を示すが概略図である。
図24の(a)は、図8の(a)に示す変形例3で説明した金属ベース基板52と同様の金属ベース基板52aに伝熱部材5Aを設けた例を(以下、この例を「変形例11」とする。)示す。
金属ベース基板52aは、上部絶縁層55aと下部絶縁層56aとを有する絶縁基板54aと、金属ベース53aとを備え、絶縁基板54aには、下部絶縁層56aを残して上部絶縁層55aを貫通してなる凹入部C3aが形成されている。
【0144】
LEDベアチップL3aは、凹入部C3aの底面に実装され、このLEDベアチップL3aと金属ベース53aとの間、ここでは、下部絶縁層56aの裏面(金属ベース53a側の面)に伝熱部材5Aが形成されている。
ここで、下部絶縁層56aにコンポジット材料を用いると、伝熱部材5Aが、その金属ベース側の面が下部絶縁層の金属ベース側の面と面一となるように下部絶縁層側に入り込み、LEDベアチップL3aと伝熱部材5Aとが近づき、良好な放熱特性が得られる。
【0145】
なお、凹入部と伝熱部材との両方を組合わせた変形例11は、一例であり、本例以外に、例えば、第1及び第2の実施の形態、さらには変形例1、2及び4における絶縁基板に伝熱部材を設けても良い。具体的には、下部絶縁層におけるLEDベアチップの実装位置に対応する金属ベース側の面に伝熱部材を設けても良い。
なお、LEDベアチップの電極の位置、絶縁基板の配線パターンとの接続方法等の違いにより、上述の例以外にも適宜適用できる。
【0146】
4.絶縁基板について
(a)絶縁層に材料について
上記の各実施の形態及び各変形例では、絶縁層として、コンポジット材料を用いたが、これ以外の材料、例えば、ガラスエポキシ材料を用いても良い。
また、第1、第3及び第4の実施形態のように、LEDベアチップを絶縁層の表面に実装する場合には、LEDベアチップから金属ベースへの熱伝導を考慮すると、薄い方が優位であり、その厚みが各種選択できるような材料が好ましい。
【0147】
(b)コンポジット材料について
上記の各実施の形態では、絶縁層として、アルミナコンポジット材料を用いていたが、他のコンポジット材料であっても良い。他のコンポジット材料としては、例えば、無機フィラーとして、シリカ、マグネシア、ベリリア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、ダイヤモンドのうち少なくとも1つを使用したものがある。
【0148】
また、当該コンポジット材料は、無機フィラ−と合成樹脂(熱硬化性樹脂)との構成比率を適宜決定することができるため、例えば、熱伝導特性の良い無機フィラ−を使用することで、熱伝導性の良い絶縁層を得ることができる。なお、アルミナコンポジット材料は、ガラスエポキシ材料よりも優れた放熱特性を有する。
さらに、コンポジット材料は、無機フィラーの種類及びその構成比率を適宜変更することで、様々な弾性特性及び線膨張特性を得ることができる。このため、例えば、ガラスエポキシ材料よりも低弾性率で、低線膨張特性の絶縁層を得ることできる。
【0149】
例えば、LEDベアチップの電極をワイヤボンディングにより接続した後にLEDベアチップをワイヤーごと樹脂により封止したような場合、つまり、変形例9及び10のような場合においては、LEDベアチップの点灯時によってLEDベアチップ周辺が温度上昇した時に、絶縁層は、金属ベースに追従して膨張する。この絶縁層の膨張は、ワイヤーと絶縁板に接続された配線パターンとの間に引っ張り応力を生じさせる。
【0150】
ところで、この絶縁層に弾性率を調整したコンポジット材料を用いると、絶縁層の裏面では金属ベースの膨張に追従するものの、コンポジット材料自体が低弾性であるため、金属ベースの膨張を吸収することができ、表面での膨張を少なくできる。従って、ワイヤーへの引張り応力を、絶縁層にガラスエポキシ材料を用いた場合よりも低減させることができる。
【0151】
5.金属ベースについて
実施の形態では、金属ベースとしてアルミニウム板を用いたが、例えば、鉄、ステンレス、銅等の金属板を使用しても良い。さらに、金属ベースの絶縁層が接合されていない面に、多数の凹入部を備えたフィン構造にしても良い。
6.金属ベース基板について
上記の各実施の形態で説明した金属ベース基板は、他の方法により製造することもできる。以下、例えば、配線パターンを転写シートに形成した後、絶縁層に用いるための半硬化状態の絶縁板に転写して、上記の第1の実施の形態と同様な金属ベース基板を製造する例(この例を、以下、「変形例12」とする。)について説明する。
【0152】
図25は、金属ベース基板の製造方法を説明するための図である。この図25を参照しながら、金属ベース基板の製造方法について簡単に説明する。また、ここでは、各部材部品等の符号として第1の実施の形態で用いた符号の前に「5」を付加したものを使用する。
先ず、下部絶縁層について説明する。転写シート544の一面に、たとえば、厚さ35μmの銅箔を接着し、続いて、当該銅箔における配線パターン5PBに対応する部分を残して、他の銅箔部分をエッチングにより除去する。これにより、転写シート544の表面に下部絶縁層522に対応した配線パターン5PBが形成されることになる[工程(a)]。
【0153】
次に、配線パターン5PBが形成された転写シート544と、半硬化状態の絶縁板514と、金属ベース用に金属板516とをこの順で重ね合わせて、加圧及び加熱する。これにより、絶縁板514中に配線パターン5PBが埋め込まれるようにして転写されると共に、絶縁板514の裏面に金属板516が取着される[工程(b)]。その後、転写シート544を剥がすことにより、配線パターン5PBが形成された下部絶縁層522が得られる[工程(c)]。
【0154】
なお、このとき、配線パターン5PBは、その厚み分が絶縁板514中に埋め込まれることとなり、絶縁板514における配線パターン5PBが形成されていない表面と配線パターン5PBの表面とが略同じ高さとなる。つまり、下部絶縁層522の表面が略面一の平坦となる。
次に、上部絶縁層520について説明する。先ず上述したように下部絶縁層522と同じように、転写シート544の一面に厚さ9μmの銅箔を接着し、続いて、当該銅箔における配線パターン5PAに対応する部分を残して、他の銅箔部分をエッチングにより除去する。これにより、転写シート544の表面に上部絶縁層520に対応した配線パターン5PAが形成されることになる。
【0155】
一方、上部絶縁層522用の絶縁板512に対して、配線パターン5PBとビアホールを介して接続すべき位置に対応して孔加工を行い、導電性ペーストをその孔に充填する。
そして、上記の工程(c)で得られた金属板516付きの絶縁板514の表面上に、導電性ペーストが充填された絶縁板512を載置し、さらに、この絶縁板512上に転写シート544に形成された配線パターン5PAが絶縁板512側となるように、絶縁板512上に重ね合わせ[工程(d)]、加圧及び加熱する。その後、転写シート544を剥がすことにより、配線パターン5PAが上部絶縁層520の上面に形成されると共に、上下の絶縁層520、522及び金属ベース524が接合されて、3層からなる金属ベース基板510が完成する[工程(e)]。
【0156】
このとき、配線パターン5PAは、その厚み分が絶縁板512中に埋め込まれることとなり、絶縁板512における5PAが形成されていない表面と配線パターン5PAの表面とが略同じ高さとなる。つまり、金属ベース基板の表面が略面一の平坦となる。
そして最後に上記のようにして製造された金属ベース基板に、そのLEDベアチップの実装位置にLEDベアチップをフリップチップ実装して、発光光源が得られる。
【0157】
上記のように、配線パターン5PA、5PBがそれぞれ形成されている転写シート544を用いて半硬化状態の絶縁板512、514に転写しているので、配線パターン5PA,5PBを有する金属ベース基板510を容易に形成することができる。さらに、伝熱部材は、配線パターン5PBを利用しているので、わざわざ伝熱部材を設ける(形成する)必要がなく、容易且つ低コストで得られる。
【0158】
また、配線パターン5PA、5PBは、半硬化状態の絶縁板512、514上に形成されるので、配線パターン5PAの表面と、金属ベース基板510の表面であって配線パターン5PAが形成されていない部分とを略同じ高さにできる。つまり、絶縁板として、無機フィラーと樹脂材料とから構成されるコンポジット材料を利用しているために、各絶縁層520、522の表面を略面一状にできる。このため、金属ベース基板510の表面の凹凸も少なくなり、LEDベアチップの実装が容易になると共に、各LEDベアチップの指向性を所望方向に合せることができる。
【0159】
7.発光体について
(a)発光素子について
上記の第1、第3及び第4の実施の形態、変形例6では、LEDベアチップをフリップチップ実装しているが、他の方式でLEDベアチップを実装しても良い。例えば、SMD(Surface Mounted Device)型のLEDチップを使用しても良い。SMD型のLEDチップを使用する場合には、その側面の電極と配線パターンとを半田等により接続すれば良い。
【0160】
なお、本発明は、LEDベアチップを8行8列に実装しているが、その形態、個数等は特に限定するものではない。
(b)発光色について
上記の実施の形態では、発光素子としてLEDベアチップを用いている。このLEDベアチップは、例えば、同じ発光色のものを用いても良いし、複数の異なる発光色のものを用いても良い。このような例としては、例えば、発光色が、赤、青、緑のいずれかのLEDベアチップを複数組み合わせても良い。さらに、発光色が、赤、青、緑である3個のLEDベアチップを1組として用い、各色の光出力を調整することで様々な発光色を発光するようにしても良い。但し、この場合は、各色のLEDベアチップの印加電流を制御する必要があり、各色用に配線パターンを形成する必要があると共に、各LEDベアチップから発せられた各色の光を混色させるためのレンズ等が必要となる。
【0161】
(c)発光体について
上記各実施の形態及び変形例では、発光体用金属ベース基板に搭載される発光体として、発光素子、具体的にはLEDベアチップを用いたが、LEDベアチップ以外の発光素子を用いても良い。このようなLEDベアチップ以外の発光素子としては、例えば、レーザダイオード(LD)等がある。但し、レーザダイオードから発せられる光は、指向性が強いために、例えば、その光を拡散するための拡散レンズ等が必要となる場合も生じる。
【0162】
さらに、本発明は、発光体として、発光素子が基板に予め実装された、所謂、サブマウントであっても良い。
図26は、発光体としてサブマウントを用いた例を示す図である。
図26の(a)は、変形例2(図7の(b))で説明したLED光源におけるLEDベアチップL2の代わりのサブマウントを用いた例(この例を、以下、「変形例13」とする。)を示す。
【0163】
先ず、金属ベース基板42aは、表面に凹入部C2aを有する絶縁基板44aと、この絶縁基板44aの裏面に取着された金属ベース43aとを備える。凹入部C2aの底面には、配線パターンP2B1aが露出しており、また、絶縁基板44aにおける凹入部C2aの周辺にパッドP2Caが形成されている。
サブマウント60は、例えば、シリコン基板(以下、「Si基板」という。)62と、このSi基板62の上面に実装された発光素子、例えば、LEDベアチップL1aと、LEDベアチップL1aを封止する封止樹脂64とを備える。なお、Si基板62の下面には、LEDベアチップL1aの一方の電極に電気的に接続された第1の端子が、一方、Si基板の上面には、LEDベアチップの他方の電極に電気的に接続された第2の端子がそれぞれ形成されている。
【0164】
サブマント60の金属ベース基板42aへの実装は、例えば、銀ペーストを利用したダイボンディングによりなされる。サブマウント60と金属ベース基板42aとの電気的接続は、Si基板62の下面の第1の端子が凹入部C2aの底面に形成されている配線パターンP2B1aに、上記の銀ペースを介して接続され、また、Si基板62の上面の第2の端子がワイヤを介して絶縁基板44aの表面のパッドP2Caに接続される。
【0165】
このような発光光源を点灯させても、LEDベアチップは発熱するが、凹入部を有しない発光光源に比べて、発光体60と金属ベース43aとが近接しているため、良好な放熱特性が得られる。
また、LEDベアチップL1aと絶縁基板44aとの間にSi基板62が存在するため、LEDベアチップを直接フリップチップ実装する場合に比べると放熱性能は若干下がるものの、シリコンは高い熱伝導率を持つため、LEDベアチップを直接実装した場合に近い放熱特性を得ることができる。
【0166】
なお、サブマウント60は、Si基板62に予めLEDベアチップL1aを実装しているため、実装されたLEDベアチップが正常に点灯するか等の検査をすることができる。このため、例えば、検査済みのサブマウントを金属ベース基板42aに実装することができ、発光光源としての製造歩留まりを向上させることができる等の効果が得られる。
図26の(b)は、第2の実施の形態(図10)で説明したLED光源におけるLEDベアチップ2L74の代わりのサブマウントを用いた例(この例を、以下、「変形例14」とする。)をしめす。
【0167】
先ず、金属ベース基板215aは、その表面に金属ベース224aにまで達する凹入部2C74cが形成されており、この凹入部2C74cの底面にサブマウント70が搭載されている。
このサブマウント70は、変形例13と同様に、Si基板72、LEDベアチップ2L74a及び封止樹脂74とを備えている。Si基板72の上面にはLEDベアチップの電極に電気的に接続された端子が形成されている。
【0168】
そして、サブマウント70が、金属ベース基板215aの凹入部2C74cの底面に、例えば、銀ペースト等によりダイボンディングされ、Si基板72の2つの端子が、ワイヤボンィングにより絶縁基板220aに形成された電極パターン2BO7aに接続される。
なお、変形例13及び14では、変形例2及び第2の実施の形態でのLEDベアチップをサブマウントに置き換えた場合について説明したが、LEDベアチップとサブマウント、すなわち、発光素子とサブマウントとを混ぜて、発光光源を構成しても良い。
【0169】
8.照明装置について
上記の各実施の形態では、発光光源について主に説明したが、当然この発光光源に給電端子を介して給電することにより、照明装置として使用することも可能である。
図27は、変形例9のLED光源を用いた照明装置の一例を示す図である。
照明装置600は、口金652と反射傘653とが設けられたケース651を有し、このケース651にLED光源610が取着されている。口金652は、一般電球でも用いられている口金と同じ規格のものである。反射傘653は、LED光源610から発せられた光を前方に反射させるためのものである。なお、LED光源610は、変形例9で説明したLED光源30と同構造である。
【0170】
LED光源610は、ケース651における口金652と反対側に設けられた取り付け部654に取り付けられている。ケース651内には、給電端子を介してLEDベアチップに給電するための回路、例えば、商業電源から供給された交流電力を直流電力に整流するための整流回路、この整流回路により整流された直流電力の電圧値を調整するための電圧調整回路等を備えた給電回路が収納されている。
【0171】
9.表示装置について
上記の各実施の形態では、金属ベース基板にLEDベアチップを実装して、8行8列の表示装置として使用することも可能である。但し、この場合、各LEDベアチップを個別に点灯させるように配線パターンを変更すると共に、個別にLEDベアチップを点灯させて文字、記号等を表示する公知の点灯制御回路等が必要となる。
【0172】
ここでは、8行8列の表示装置について説明したが、LEDベアチップの実装形態は8行8列の形態に限定するものではなく、また、実施の形態で説明した金属ベース基板に複数個(実施の形態では64個)のLEDベアチップを実装したものを表示装置の1つの発光源として利用しても良い。なお、上述のLED光源における、8行8列状に配されたLEDベアチップのそれぞれを独立して点灯可能に構成すると、例えば、数字等を表示することもできる。従って、上記発明を例えば表示装置として適用することも可能である。
【0173】
なお、照明装置として、変形例9で説明したLED光源を用いて説明したが、当然、他の実施の形態或いは変形例で説明した発光光源を用いて照明装置或いは表示装置を構成してもよい。
9.最後に
上記各実施の形態及び各変形例の説明に用いた図面は、本発明を概念的に説明するためのものであり、その形状や寸法、配線パターンの厚み等の関係は、実際のものと異なっている。
【産業上の利用可能性】
【0174】
本発明に係る発光体用金属ベース基板、発光光源、照明装置及び表示装置は、放熱特性を向上させるのに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】第1の実施の形態におけるLED光源の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態におけるLED光源の平面図である。
【図3】第1の実施の形態におけるLED光源の下部絶縁層の平面図である。
【図4】図2及び図3におけるA部の詳細図で、下部絶縁層を見せるために、上部絶縁層の一部を取り除いた図である。
【図5】図4のX−X線を含む鉛直面で切断したときの矢印方向からみた断面図である。
【図6】金属ベース基板の製造方法を説明するための図である。
【図7】(a)は、変形例1におけるLED光源の断面を拡大した図であり、(b)は、変形例2におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図8】(a)は、変形例3におけるLED光源の断面を拡大した図であり、(b)は、変形例4におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図9】第1の実施の形態での図2におけるA部に相当する第2の実施の形態における部分の詳細図である。
【図10】図9の2X−2X線を含む鉛直面で切断したときの矢印方向からみた断面図である。
【図11】図9に示す部分における下部絶縁層を示している。
【図12】変形例5におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図13】第3の実施の形態における金属ベース基板の平面図である。
【図14】上部絶縁層を取り除いた状態を平面視した下部絶縁層の平面図である。
【図15】図13におけるB部の詳細図で、下部絶縁層を見せるために、上部絶縁層の一部を取り除いた図である。
【図16】図15の3X−3X線を含む鉛直面で切断して矢印方向から見たときの断面図である。
【図17】金属ベース基板の製造方法を説明するための図である。
【図18】第4の実施の形態における金属ベース基板の平面視の拡大図であって、下部絶縁層を見せるために、上部絶縁層の一部を取り除いた図である。
【図19】コンポジット材料を1層用いた場合のLED光源の縦断面図を示す。
【図20】(a)は、変形例7におけるLED光源の断面を拡大した図であり、(b)は、変形例8におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図21】レンズ板及び反射板を備えるLED光源を示す斜視図である。
【図22】LEDベアチップの実装位置周辺を拡大した断面図である。
【図23】変形例10におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図24】変形例11におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図25】第1の実施の形態における金属ベース基板の製造方法と異なる金属ベース基板の製造方法を説明するための図である。
【図26】(a)は、変形例13におけるLED光源の断面を拡大した図であり、(b)は、変形例14におけるLED光源の断面を拡大した図である。
【図27】変形例9のLED光源を用いた照明装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0176】
10 LED光源
15 金属ベース基板
20 絶縁基板
21 上部絶縁層
22 下部絶縁層
24 金属ベース
Cnm 凹入部
Lnm LEDベアチップ
PA,PB 配線パターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体を実装するための配線パターンを備える絶縁基板と、前記絶縁基板の裏側に取着されている金属ベースとを備える発光体用金属ベース基板であって、
前記絶縁基板は、その表側に凹入部を複数備え、当該凹入部の底面が前記発光体の実装予定部位であることを特徴とする発光体用金属ベース基板。
【請求項2】
前記絶縁基板は、複数の絶縁層からなる多層構造であり、
前記凹入部は、少なくとも前記金属ベースに接する絶縁層を残して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項3】
前記凹入部の底面は、いずれかの絶縁層の境界に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項4】
前記配線パターンは、前記凹入部の底面に相当する絶縁層に形成されており、その一部が前記凹入部内に露出していることを特徴とする請求項3に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項5】
前記配線パターンは、複数の発光体を直列に接続するための発光体接続部を複数列有する第1の配線パターンと、当該隣合う発光体接続部を直列に接続するための第2の配線パターンとを有し、
前記第1の配線パターンは、前記凹入部の底面に相当する絶縁層上に形成され、前記第2の配線パターンは、第1の配線パターンが形成されている絶縁層よりも表側にある絶縁層に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項6】
前記配線パターンは、前記凹入部の底面に相当する絶縁層よりも表側の絶縁層に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項7】
前記凹入部は、前記絶縁基板を貫通して前記金属ベースにまで達していることを特徴とする請求項1に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項8】
前記配線パターンは、複数の発光体を直列に接続する素子接続部を複数列備える第3の配線パターンと、当該隣合う発光体接続部を直列に接続する第4の配線パターンとを有することを特徴とする請求項7に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項9】
前記絶縁基板は、2以上の絶縁層からなる多層構造を有し、
前記第3の配線パターン及び前記第4の配線パターンは、別々の絶縁層に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項10】
前記複数の凹入部は、等間隔で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項11】
前記凹入部は、平面視略円形状に形成され、その穴径が0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項12】
前記凹入部は、金属ベースに近い絶縁層ほど穴径が小さくなっており、層単位で段状に穴径が変化していることを特徴とする請求項2に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項13】
発光体を実装するための配線パターンが表面に備える絶縁基板と、前記絶縁基板の裏面に取着されている金属ベースとを備える発光体金属ベース基板であって、
前記絶縁基板よりも高い熱伝導率を有する伝熱部材が、前記絶縁基板における前記発光体の実装予定部位と前記金属ベースとの間に配設されていることを特徴とする発光体用金属ベース基板。
【請求項14】
前記絶縁基板は単数の絶縁層からなる単層構造であり、前記伝熱部材が前記絶縁基板の裏面側に埋設されていることを特徴とする請求項13に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項15】
前記絶縁基板は、複数の絶縁層からなる多層構造を有し、前記伝熱部材は、少なくとも1つの絶縁層又は少なくとも1つの層間に配設されていることを特徴とする請求項13に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項16】
前記絶縁基板は、表層以外の少なくとも1つの絶縁層にも配線パターンが形成されていることを特徴とする請求項15に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項17】
前記伝熱部材は、金属膜であることを特徴とする請求項13に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項18】
前記配線パターンは、前記絶縁基板の各絶縁層に形成されており、前記伝導部材は、表層以外の絶縁層に形成されている配線パターンの一部であることを特徴とする請求項16に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項19】
前記伝導部材の厚さは、表面の配線パターンの厚さより厚いことを特徴とする請求項13に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項20】
前記絶縁板層は、少なくとも無機フィラー及び樹脂組成物とから構成されていることを特徴とする請求項2に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項21】
前記無機フィラーは、シリカ、アルミナ、マグネシア、ベリリア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、ダイヤモンドのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項20に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項22】
前記配線パターンは、転写法により前記絶縁層に形成されていることを特徴とする請求項20に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項23】
請求項1に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備えることを特徴とする発光光源。
【請求項24】
請求項5に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、
前記発光体は、1対の給電端子を裏面に有し、前記第1の配線パターンに面実装されていることを特徴とする発光光源。
【請求項25】
前記発光体は、裏面電極型の発光ダイオードベアチップ、及び/又は、発光ダイオードを表側に実装すると共に当該発光ダイオードの電極に接続された給電端子が裏面に形成されたサブマウントであることを特徴とする請求項24に記載の発光光源。
【請求項26】
請求項5に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、
前記発光体は、一対の給電端子を表裏の2面に有し、表側の給電端子が前記第2の配線パターンに、裏側の給電端子が前記第1の配線パターンにそれぞれ接続されていることを特徴とする発光光源。
【請求項27】
前記発光体は、両面電極型の発光ダイオードベアチップ、及び/又は、発光ダイオードを表側に実装すると共に当該発光ダイオードの電極に接続された給電端子が表裏面に形成されたサブマウントであることを特徴とする請求項26に記載の発光光源。
【請求項28】
請求項6に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、
前記発光体用金属ベース基板は発光体用金属ベース基板であり、
前記発光体は、一対の給電端子を表面に有し、両給電端子がワイヤボンディングにより前記配線パターンに接続されていることを特徴とする発光光源。
【請求項29】
前記発光体は、表面電極型の発光ダイオードベアチップ、及び/又は、発光ダイオードを表側に実装すると共に当該発光ダイオードの電極に接続された一対の給電端子が表面に形成されたサブマウントであることを特徴とする請求項28に記載の発光光源。
【請求項30】
請求項1に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、
前記発光体は、一対の給電端子を表面に有し、当該給電端子が前記配線パターンにワイヤボンディングにより接続されていることを特徴とする発光光源。
【請求項31】
請求項7に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、
前記発光素子は、一対の給電端子を表面に有し、当該給電端子が、前記第3及び第4の配線パターンにワイヤボンディングにより接続されていることを特徴とする発光光源。
【請求項32】
請求項13に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備えることを特徴とする発光光源。
【請求項33】
請求項23〜31のいずれか1項に記載の発光光源を用いていることを特徴とする照明装置。
【請求項34】
請求項23〜31のいずれか1項に記載の発光光源を用いていることを特徴とする表示装置。
【請求項1】
発光体を実装するための配線パターンを備える絶縁基板と、前記絶縁基板の裏側に取着されている金属ベースとを備える発光体用金属ベース基板であって、
前記絶縁基板は、その表側に凹入部を複数備え、当該凹入部の底面が前記発光体の実装予定部位であることを特徴とする発光体用金属ベース基板。
【請求項2】
前記絶縁基板は、複数の絶縁層からなる多層構造であり、
前記凹入部は、少なくとも前記金属ベースに接する絶縁層を残して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項3】
前記凹入部の底面は、いずれかの絶縁層の境界に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項4】
前記配線パターンは、前記凹入部の底面に相当する絶縁層に形成されており、その一部が前記凹入部内に露出していることを特徴とする請求項3に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項5】
前記配線パターンは、複数の発光体を直列に接続するための発光体接続部を複数列有する第1の配線パターンと、当該隣合う発光体接続部を直列に接続するための第2の配線パターンとを有し、
前記第1の配線パターンは、前記凹入部の底面に相当する絶縁層上に形成され、前記第2の配線パターンは、第1の配線パターンが形成されている絶縁層よりも表側にある絶縁層に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項6】
前記配線パターンは、前記凹入部の底面に相当する絶縁層よりも表側の絶縁層に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項7】
前記凹入部は、前記絶縁基板を貫通して前記金属ベースにまで達していることを特徴とする請求項1に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項8】
前記配線パターンは、複数の発光体を直列に接続する素子接続部を複数列備える第3の配線パターンと、当該隣合う発光体接続部を直列に接続する第4の配線パターンとを有することを特徴とする請求項7に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項9】
前記絶縁基板は、2以上の絶縁層からなる多層構造を有し、
前記第3の配線パターン及び前記第4の配線パターンは、別々の絶縁層に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項10】
前記複数の凹入部は、等間隔で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項11】
前記凹入部は、平面視略円形状に形成され、その穴径が0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項12】
前記凹入部は、金属ベースに近い絶縁層ほど穴径が小さくなっており、層単位で段状に穴径が変化していることを特徴とする請求項2に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項13】
発光体を実装するための配線パターンが表面に備える絶縁基板と、前記絶縁基板の裏面に取着されている金属ベースとを備える発光体金属ベース基板であって、
前記絶縁基板よりも高い熱伝導率を有する伝熱部材が、前記絶縁基板における前記発光体の実装予定部位と前記金属ベースとの間に配設されていることを特徴とする発光体用金属ベース基板。
【請求項14】
前記絶縁基板は単数の絶縁層からなる単層構造であり、前記伝熱部材が前記絶縁基板の裏面側に埋設されていることを特徴とする請求項13に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項15】
前記絶縁基板は、複数の絶縁層からなる多層構造を有し、前記伝熱部材は、少なくとも1つの絶縁層又は少なくとも1つの層間に配設されていることを特徴とする請求項13に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項16】
前記絶縁基板は、表層以外の少なくとも1つの絶縁層にも配線パターンが形成されていることを特徴とする請求項15に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項17】
前記伝熱部材は、金属膜であることを特徴とする請求項13に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項18】
前記配線パターンは、前記絶縁基板の各絶縁層に形成されており、前記伝導部材は、表層以外の絶縁層に形成されている配線パターンの一部であることを特徴とする請求項16に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項19】
前記伝導部材の厚さは、表面の配線パターンの厚さより厚いことを特徴とする請求項13に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項20】
前記絶縁板層は、少なくとも無機フィラー及び樹脂組成物とから構成されていることを特徴とする請求項2に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項21】
前記無機フィラーは、シリカ、アルミナ、マグネシア、ベリリア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、ダイヤモンドのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項20に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項22】
前記配線パターンは、転写法により前記絶縁層に形成されていることを特徴とする請求項20に記載の発光体用金属ベース基板。
【請求項23】
請求項1に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備えることを特徴とする発光光源。
【請求項24】
請求項5に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、
前記発光体は、1対の給電端子を裏面に有し、前記第1の配線パターンに面実装されていることを特徴とする発光光源。
【請求項25】
前記発光体は、裏面電極型の発光ダイオードベアチップ、及び/又は、発光ダイオードを表側に実装すると共に当該発光ダイオードの電極に接続された給電端子が裏面に形成されたサブマウントであることを特徴とする請求項24に記載の発光光源。
【請求項26】
請求項5に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、
前記発光体は、一対の給電端子を表裏の2面に有し、表側の給電端子が前記第2の配線パターンに、裏側の給電端子が前記第1の配線パターンにそれぞれ接続されていることを特徴とする発光光源。
【請求項27】
前記発光体は、両面電極型の発光ダイオードベアチップ、及び/又は、発光ダイオードを表側に実装すると共に当該発光ダイオードの電極に接続された給電端子が表裏面に形成されたサブマウントであることを特徴とする請求項26に記載の発光光源。
【請求項28】
請求項6に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、
前記発光体用金属ベース基板は発光体用金属ベース基板であり、
前記発光体は、一対の給電端子を表面に有し、両給電端子がワイヤボンディングにより前記配線パターンに接続されていることを特徴とする発光光源。
【請求項29】
前記発光体は、表面電極型の発光ダイオードベアチップ、及び/又は、発光ダイオードを表側に実装すると共に当該発光ダイオードの電極に接続された一対の給電端子が表面に形成されたサブマウントであることを特徴とする請求項28に記載の発光光源。
【請求項30】
請求項1に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、
前記発光体は、一対の給電端子を表面に有し、当該給電端子が前記配線パターンにワイヤボンディングにより接続されていることを特徴とする発光光源。
【請求項31】
請求項7に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備え、
前記発光素子は、一対の給電端子を表面に有し、当該給電端子が、前記第3及び第4の配線パターンにワイヤボンディングにより接続されていることを特徴とする発光光源。
【請求項32】
請求項13に記載の発光体用金属ベース基板と、当該発光体用金属ベース基板の実装予定部位に実装された発光体とを備えることを特徴とする発光光源。
【請求項33】
請求項23〜31のいずれか1項に記載の発光光源を用いていることを特徴とする照明装置。
【請求項34】
請求項23〜31のいずれか1項に記載の発光光源を用いていることを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2006−517738(P2006−517738A)
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502660(P2006−502660)
【出願日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【国際出願番号】PCT/JP2004/001195
【国際公開番号】WO2004/071141
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【国際出願番号】PCT/JP2004/001195
【国際公開番号】WO2004/071141
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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