発光素子
【課題】安全性及び信頼性を高めた発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子は、基板100と、基板のR面上に配置され、岩塩構造(Rock Salt Structure)を有する窒化物を含むバッファー層210と、バッファー層上に配置され、a面に成長した発光構造物120とを備える。バッファー層210は、LaN、ThN、PrN、NdNまたはSmNの少なくとも一つを含んで形成され、基板100と発光構造物120との格子不整合及び熱膨張係数の差を緩和する。
【解決手段】発光素子は、基板100と、基板のR面上に配置され、岩塩構造(Rock Salt Structure)を有する窒化物を含むバッファー層210と、バッファー層上に配置され、a面に成長した発光構造物120とを備える。バッファー層210は、LaN、ThN、PrN、NdNまたはSmNの少なくとも一つを含んで形成され、基板100と発光構造物120との格子不整合及び熱膨張係数の差を緩和する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の3−5族または2−6族化合物半導体物質を用いた発光ダイオード(Ligit Emitting Diode)やレーザーダイオードのような発光素子は、薄膜成長技術及び素子材料の開発により赤色、緑色、青色及び紫外線などの様々な色を具現可能になった。また、このような発光素子は、蛍光物質を用いたり色を組み合わせたりして効率の良い白色光線も具現可能になり、蛍光灯、白熱灯などの既存の光源に比べて、低消費電力、半永久的な寿命、高速の応答速度、安全性、環境親和性といったメリットを有する。
【0003】
したがって、かかる発光素子は、光通信手段の送信モジュール、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置のバックライトを構成する冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescence Lamp)に代わる発光ダイオードバックライト、蛍光灯や白熱電球に代わる白色発光ダイオード照明装置、自動車のヘッドライト及び信号灯などに至るまで、その応用が拡大されつつある。
【0004】
一方、発光素子は、基板上に形成される窒化物半導体層を含むことができるが、基板と窒化物半導体層との格子不整合により結晶欠陥ができることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、発光素子の安全性及び信頼性を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例による発光素子は、基板と、前記基板のR面上に配置され、岩塩構造(Rock Salt Structure)を有する窒化物を含むバッファー層と、前記バッファー層上に配置され、a面に成長した発光構造物とを備える。
【0007】
例えば、前記バッファー層の格子定数は、4.75Å乃至5.52Åの範囲または5.11Å乃至5.18Åの範囲を有することができる。また、前記バッファー層は、LaN、ThN、PrN、NdNまたはSmNの少なくとも一つを含むことができる。
【0008】
また、発光素子は、前記バッファー層の上部に形成された非ドープの半導体層をさらに備えることができる。
【0009】
前記基板は、サファイア(Al2O3)、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、Si、GaP、InP、Ge、またはGa2O3の少なくとも一つでよい。
【0010】
前記発光構造物は、前記バッファー層上に形成された第1導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層上に形成された活性層と、前記活性層上に形成された第2導電型半導体層とを備えることができる。前記第1導電型半導体層は、N型半導体層でよい。前記第2導電型半導体層は、表面に凹凸構造を有することができる。
【0011】
また、前記発光素子は、前記第1導電型半導体層上に形成された第1電極及び前記第2導電型半導体層上に形成された第2電極をさらに備えることができる。
【0012】
前記発光構造物は、a面に成長したGaNを含むことができる。前記バッファー層の結晶面と前記発光構造物を形成するGaNのa面とは垂直に重なることができる。または、前記基板はサファイア基板であり、前記サファイア基板のr面、前記バッファー層の結晶面及び前記発光構造物を形成するGaNのa面は、垂直に重なってもよい。
【0013】
前記バッファー層はn(nは2以上の整数)個の岩塩構造の窒化物の結晶面で形成され、前記発光構造物は、前記n個の岩塩構造の窒化物の結晶面上に形成されたn個のa面GaNを含むことができる。前記バッファー層を形成する前記n個の岩塩構造の窒化物の結晶面のサイズは、窒化物によって異なってもよい。前記nは3でよい。
【0014】
前記基板はサファイア基板であり、前記サファイア基板の結晶セルのサイズは、α軸方向に15.34Å、β軸方向に4.75Åでよく、a面GaNの結晶セルのサイズは、m軸方向に5.52Åでよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施例によれば、発光素子における発光構造物とサファイア基板との間に、岩塩構造を有する窒化物で形成されたバッファー層を配置しているため、発光構造物とバッファー層との格子不整合を減少させ、発光素子の安全性及び信頼性を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
下記の図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。ただし、図面中、同一の構成要素には同一の参照符号を付する。
【図1】発光素子の一実施例の断面を示す図である。
【図2A】岩塩構造の実施例を示す図である。
【図2B】岩塩構造の実施例を示す図である。
【図3】GaNの結晶構造を説明するための図である。
【図4A】発光素子の一実施例の製造工程を示す図である。
【図4B】発光素子の一実施例の製造工程を示す図である。
【図4C】発光素子の一実施例の製造工程を示す図である。
【図4D】発光素子の一実施例の製造工程を示す図である。
【図4E】発光素子の一実施例の製造工程を示す図である。
【図5】r面サファイア基板上にa面GaNが形成されている一例を示す図である。
【図6】r面サファイア基板とa面GaNで形成された発光構造物との間に岩塩構造のバッファー層が形成されている実施例を示す図である。
【図7】本発明の一実施例に係るバッファー層を形成する岩塩構造の窒化物の結晶面の長さを示す図である。
【図8】本発明の一実施例に係るバッファー層を形成する岩塩構造の窒化物別の格子不整合数値を示す図である。
【図9】発光素子パッケージの一実施例の断面図である。
【図10】本発明の一実施例による発光素子を含む表示装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を、添付の図面を参照しつつ説明する。
本実施例の説明において、ある構成要素(element)の「上(上部)」または「下(下部)」(on or under)に他の構成要素が形成されるという記載は、これらの両構成要素が相互直接(directly)接触して形成される場合も、これら両構成要素の間に一つ以上のさらに他の構成要素が介在して(indirectly)形成される場合も含むことができる。また「上(上部)」または「下(下部)」(on or under)と表現される場合、一つの構成要素を基準に上方を指す場合もあり、下方を指す場合もある。
【0018】
図面において、各構成要素の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために、誇張、省略または概略して示したもので、実際の大きさを全的に反映するものではない。
【0019】
図1は、発光素子の一実施例の断面を示す図である。
【0020】
図1に示すように、本発明の一実施例の発光素子は、バッファー層210、発光構造物120、第1及び第2電極200及び110を備えることができる。ここで、バッファー層210は、基板100上に形成され、発光構造物120は、バッファー層210上に形成される。発光構造物120は、バッファー層210上に形成された第1導電型半導体層122、活性層124及び第2導電型半導体層126を備える。
【0021】
第1電極200は、第1導電型半導体層122上に形成され、第2電極110は、第2導電型半導体層126上に形成される。
【0022】
基板100は、半導体物質、金属物質、化合物及びこれらの組み合わせで構成できる。基板100は、伝導性基板または絶縁性基板で構成することができ、例えば、サファイア(Al2O3)、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、Si、GaP、InP、Ge、またはGa2O3の少なくとも一つを用いることができる。例えば、サファイア基板100のうち、r面を主面とするサファイア(Al2O3)基板を用いることができる。
【0023】
本実施例の発光構造物120と基板100との間には、バッファー層210を成長させることができる。これは、基板100と発光構造物120との格子不整合及び熱膨張係数の差を緩和するためである。
【0024】
バッファー層210は、半導体物質、金属物質、化合物またはこれらの組み合わせで構成することができる。バッファー層210の材料は、3族−5族化合物半導体とすることができ、特に、本実施例のバッファー層210は、岩塩構造(Rock Salt Structure)を有する窒化物で形成することができる。
【0025】
図2A及び図2Bは、岩塩構造の実施例を示す図である。
【0026】
セラミック構造は、同数の陽イオンと陰イオンを有し、このような材料をAX型化合物という。ここで、Aは陽イオン、Xは陰イオンを表す。
【0027】
このようなAX化合物は、種々の結晶構造を有する。それらの構造のうち、岩塩構造は、図2Aに示すように、陰イオンXがFCC(Face Centered Cubic)構造を形成し、全ての8面体位置(octahedral site)に陽イオンAが埋められる構造である。
【0028】
また、図2Bに示すように、岩塩構造は、陽イオンAからなる八面体が、八面体の縁をなす構造である。
【0029】
ここで、陰イオンXが形成するFCC構造において8面体位置の個数は陰イオンXの個数であり、化学式はAXと定義される。
【0030】
岩塩構造を有する化合物には、NaCl、KCl、LiF、MgO、CaO、SrO、NiO、CoO、MnO、PbO、LaN、ThN、PrN、NdN、SmNなどが含まれる。本実施例では、岩塩構造を有する化合物のうち、窒化物でバッファー層210を形成できる。
【0031】
例えば、バッファー層210を、LaN、ThN、PrN、NdN、SmNの少なくとも一つにより形成できる。
【0032】
ここで、バッファー層210は、4.75Å乃至5.52Åの範囲の格子定数を有することができる。
【0033】
特に、バッファー層210は、5.11Å乃至5.18Åの範囲の格子定数を有することができる。
【0034】
本実施例によれば、サファイア基板100のr面上にバッファー層210が成長され、バッファー層210の上にa面においてGaNを成長することにより発光構造物120を形成することができる。
【0035】
この場合、バッファー層210の結晶セル(または、結晶面)及び発光構造物120を形成するGaNのa面は垂直に重なることが可能である。
【0036】
バッファー層210上には、非ドープの(undoped)半導体層が形成されてもよいが、これに限定されることはない。
【0037】
バッファー層210上には発光構造物120を形成でき、発光構造物120は、例えば、有機金属化学蒸着法(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、化学蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)、プラズマ化学蒸着法(PECVD;Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition)、分子線成長法(MBE;Molecular Beam Epitaxy)、水素化物気相成長法(HVPE;Hydride Vapor Phase Epitaxy)などの方法を用いて形成できるが、これに限定しない。特に、発光構造物120は、a面に成長したGaNで形成されるとよい。
【0038】
図3は、GaNの結晶構造を説明するための図である。
【0039】
図3を参照すると、GaNの結晶構造において非極性面は、c軸に平行なm面(M−plane)とa面401がある。GaNのa面401は、m軸1−100と平行な辺402mと、c軸0001と平行な辺403(c)と、で構成できる。
【0040】
本実施例の発光構造物120は、図3のa面401に成長させたGaNで形成できる。
【0041】
第1導電型半導体層122は、バッファー層210上に形成され、半導体化合物で構成することができ、第1導電型ドーパントのドープされた3族−5族、2族−6族化合物半導体で形成可能である。例えば、第1導電型半導体層122は、AlxInyGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、InGaAs、AlInGaAs、GaP、AlGaP、InGaP、AlInGaP、InPのいずれか一つ以上で形成できる。第1導電型半導体層122がN型半導体層であれば、第1導電型ドーパントは、Si、Ge、Sn、Se、TeなどのようなN型ドーパントを含むことができるが、これに限定されない。第1導電型半導体層122は、単層または多層とすることができ、これに限定しない。
【0042】
そして、活性層124は、第1導電型半導体層122と第2導電型半導体層126との間に形成され、第1導電型半導体層122と第2導電型半導体層126から注入されるキャリア(Carrier)が互いに出会い、活性層(発光層)物質固有のエネルギーバンドによって決定されるエネルギーを有する光を放出する層である。
【0043】
活性層124は、単一井戸構造、多重井戸構造、単一量子井戸構造、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造、量子線(Quantum−Wire)構造、または量子点(Quantum Dot)構造の少なくとも一つを含むことができる。活性層124は、3族−5族元素の化合物半導体材料を用いて井戸層と障壁層、例えば、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、GaN/AlGaN/、InAlGaN/GaN、InAlGaN/InAlGaN、GaAsInGaAs/AlGaAs、GaPInGaP/AlGaPのいずれか一つ以上のペア構造とすることができるが、これに限定されない。ここで、井戸層は、障壁層のバンドギャップよりも狭いバンドギャップを有する物質で形成できる。
【0044】
そして、第2導電型半導体層126は、半導体化合物で形成できる。第2導電型半導体層126は、3族−5族、2族−6族などの化合物半導体で形成すればよく、第2導電型ドーパントがドープされてもよい。例えば、InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質またはAlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのいずれか一つ以上で形成できる。第2導電型半導体層126がP型半導体層であれば、第2導電型ドーパントはP型ドーパントであり、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどのようなp型ドーパントでよい。第2導電型半導体層126は、単層または多層にすることができ、これに限定されない。
【0045】
そして、第2導電型半導体層126上に第2電極110を形成することができる。第2電極110は、例えば、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、金(Au)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、白金(Pt)、バナジウム(V)、タングステン(W)、鉛(Pd)、銅(Cu)、ロジウム(Rh)及びイリジウム(Ir)から選ばれるいずれか一つの金属またはこれら金属の合金で構成することができる。第2電極110は、第2導電型半導体層126の一部上にマスクを用いて形成できる。
【0046】
そして、第1電極200は、第1導電型半導体層122の表面におけるメサエッチングされて露出された領域に形成することができる。第1電極200の材料は、上記の第2電極110と同一にする。
【0047】
以下、図1に示す発光素子の製造方法の実施例を、図4A乃至図4Eを参照して詳細に説明する。
【0048】
図4A乃至図4Eは、発光素子の一実施例の製造工程を示す図である。
【0049】
まず、図4Aに示すように、基板100を用意する。基板100は、半導体物質、金属物質、化合物またはこれらの組み合わせからなることができる。基板100は、伝導性基板または絶縁性基板で構成することができ、例えば、サファイア(Al2O3)、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、Si、GaP、InP、Ge、及びGa2O3の少なくとも一つを用いることができる。
【0050】
基板100上には凹凸構造が形成されてもよいが、これに限定されない。基板100を湿式洗浄して表面の不純物を除去できる。例えば、サファイア基板100のうち、r面を主面とするサファイア(Al2O3)基板を用いることができる。
【0051】
そして、バッファー層210を挟んで、基板100上に、第1導電型半導体層122、活性層124及び第2導電型半導体層126を有する発光構造物120を形成することができる。
【0052】
このように、発光構造物120と基板100との間にはバッファー層210を成長させることができ、これは、基板100と発光構造物120との格子不整合及び熱膨張係数の差を緩和するためである。
【0053】
バッファー層210は、半導体物質、金属物質、化合物またはこれらの組み合わせで構成することができる。バッファー層210は、3族−5族化合物半導体で形成でき、例えば、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInNの少なくとも一つで形成できる。バッファー層210上には非ドープの半導体層が形成されてもよいが、これに限定されない。
【0054】
特に、本実施例のバッファー層210は、岩塩構造(Rock Salt Structure)を有する窒化物で形成できる。例えば、バッファー層210は、LaN、ThN、PrN、NdNまたはSmNの少なくとも一つを含んで形成されるとよい。
【0055】
ここで、バッファー層210は、4.75Å乃至5.52Åの範囲の格子定数を有することができる。
【0056】
特に、バッファー層210は、5.11Å乃至5.18Åの範囲の格子定数を有することができる。
【0057】
本実施例に係る発光素子において、サファイア基板100のr面上にバッファー層210を成長し、バッファー層210上に、a面に成長したGaNで形成された発光構造物120を形成することができる。
【0058】
この場合、バッファー層210の結晶セル及び発光構造物120を形成するGaNのa面は垂直に重なることが可能である。
【0059】
バッファー層210上には発光構造物120を形成することができ、発光構造物120は、例えば、有機金属化学蒸着法(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、化学蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)、プラズマ化学蒸着法(PECVD;Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition)、分子線成長法(MBE;Molecular Beam Epitaxy)、水素化物気相成長法(HVPE;Hydride Vapor Phase Epitaxy)などの方法を用いて形成できるが、これに限定しない。特に、発光構造物120は、a面に成長したGaNで形成されるとよい。
【0060】
第1導電型半導体層122は、チャンバーに、トリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)、及びシリコン(Si)のようなn型不純物を含むシランガス(SiH4)を注入することにより形成することができる。
【0061】
活性層124は、単一量子井戸構造、多重量子井戸(MQW)構造、量子線構造、または量子点構造の少なくとも一つで形成することができる。例えば、活性層124は、トリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)、及びトリメチルインジウムガス(TMIn)が注入されることで多重量子井戸構造が形成されてもよいが、これに限定されない。
【0062】
活性層124の井戸層/障壁層は、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、GaN/AlGaN/、InAlGaN/GaN、GaAsInGaAs/AlGaAs、GaPInGaP/AlGaPのいずれか一つ以上のペア構造としてもよいが、これに限定されない。ここで、井戸層は、障壁層のバンドギャップよりも狭いバンドギャップを有する物質で形成されるとよい。
【0063】
活性層124の上または/及び下には、導電型クラッド層(図示せず)を形成できる。導電型クラッド層は、AlGaN系半導体で形成でき、活性層124のバンドギャップよりは高いバンドギャップを有することができる。
【0064】
第2導電型半導体層126は、第2導電型ドーパントのドープされた3族−5族化合物半導体、例えば、InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質で形成できる。第2導電型半導体層126がP型半導体層であれば、第2導電型ドーパントはP型ドーパントとしてMg、Zn、Ca、Sr、Baなどを含むことができる。
【0065】
第2導電型半導体層126は、チャンバーに、トリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)、及びマグネシウム(Mg)のようなp型不純物を含むビセチルシクロペンタジエニルマグネシウム(EtCp2Mg){Mg(C2H5C5H4)2}が注入されてp型GaN層が形成されるが、これに限定されるものではない。
【0066】
本実施例で、第1導電型半導体層122はP型半導体層とし、第2導電型半導体層126はN型半導体層とすることができる。また、第2導電型半導体層126上には、第2導電型と反対の極性を有する半導体、例えば、第2導電型半導体層がP型半導体層の場合に、N型半導体層(図示せず)を形成してもよい。そのため、発光構造物120は、N−P接合構造、P−N接合構造、N−P−N接合構造、P−N−P接合構造のいずれか一構造とすることができる。
【0067】
次に、図4Bに示すように、第2導電型半導体層126から第1導電型半導体層122の一部分までRIE(Reactive Ion Etching)方式でメサ(Mesa)エッチングして、第1導電型半導体層122を露出させる。
【0068】
例えば、サファイア基板のように絶縁性基板を用いる場合は、基板の下部に電極を形成できず、第2導電型半導体層126から第1導電型半導体層122の一部分までメサエッチングすることで、電極を形成できる空間を確保すればよい。
【0069】
そして、図4Cに示すように、第2導電型半導体層126上に凹凸構造126Aを形成する。このとき、凹凸構造は、PEC(Photo Electro Chemical)方法や、マスクを形成した後にエッチングする方法で形成できる
【0070】
PEC方法において、エッチング液(たとえば、KOH)の量とGaN結晶性によるエッチング速度差などを調節することによって、微小大きさの凹凸の形状を調節できる。凹凸構造は、周期的または非周期的に形成すればよい。
【0071】
本実施例によれば、第2導電型半導体層126上には、第2電極110との電気的接触のためにオーミック層(図示せず)が形成されてもよいが、これに限定しない。オーミック層をなす物質には、例えば、ITO(indium tin oxide)を用いることができる。なお、オーミック層は、例えば、In、Co、Si、Ge、Au、Pd、Pt、Ru、Re、Mg、Zn、Hf、Ta、Rh、Ir、W、Ti、Ag、Cr、Mo、Nb、Al、Ni、Cu、WTi、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IZON(IZO Nitride)、AGZO(Al−Ga ZnO)、IGZO(In−Ga ZnO)、ZnO、IrOx、RuOx、NiO、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、Ni/IrOx/Au/ITO、Ag、Ni、Cr、Ti、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、またはHfで構成することができ、これに限定されない。
【0072】
図4Cに示す凹凸構造126Aは形成されなくてもよく、これに限定されない。
【0073】
そして、図4Dに示すように、第2導電型半導体層126の表面に第2電極110を形成することができる。第2電極110は、例えば、モリブデン、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、金(Au)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、白金(Pt)、バナジウム(V)、タングステン(W)、鉛(Pd)、銅(Cu)、ロジウム(Rh)及びイリジウム(Ir)から選ばれるいずれか一つの金属またはこれら金属の合金で形成することができる。第2電極110は、第2導電型半導体層126の一部上にマスクを用いて形成できる。
【0074】
そして、図4Eに示すように、第1導電型半導体層122の表面がエッチングされて露出された領域に、第1電極200を形成することができる。第1電極200の材料は、上述した第2電極110と同一にする。
【0075】
図5は、r面サファイア基板上にa面GaNが形成されている一例を示す図である。
【0076】
図5を参照すると、r面を主面とするサファイア(Al2O3)基板501上に、バッファー層210を介在せずにa面GaN 401を形成する場合に、3個のa面GaN401が一つのr面サファイア(Al2O3)基板501上に形成されることがある。
【0077】
サファイア基板501のr面は、α軸と平行な横辺503(α)及びβ軸と平行な縦辺502(β)からなる。ここで、横辺は縦辺よりも長い。
【0078】
ここで、r面サファイア(Al2O3)基板501の結晶セルのサイズ(cell size)は、α軸方向に15.34Å、β軸方向に4.75Åとなり、3個のa面GaN401の結晶セルのサイズは、m軸方向に5.52Å、c軸方向に15.54Åとなるため、c軸方向には1.3%の格子不整合が発生し、m軸方向には16.2%の格子不整合が発生する。
【0079】
r面サファイア(Al2O3)基板501の結晶セルのサイズは、β軸方向に4.75Åであり、GaNのa面GaN401のm軸方向の長さは5.52Åであるため、バッファー層210は、4.75Å乃至5.52Åの範囲の格子定数を有することができる。
【0080】
特に、a面GaN401のc軸方向の長さは5.18Åであり、r面サファイア(Al2O3)基板501の結晶セルのサイズは、α軸方向に15.34Å(15.34Å/3=5.11Å)であるから、バッファー層210の格子定数は、5.11Å乃至5.18Åの範囲を有するとよい。
【0081】
図6は、r面サファイア基板501とa面GaNで形成された発光構造物401との間に、岩塩構造のバッファー層が形成されている実施例を示す図である。
【0082】
図6を参照すると、r面サファイア基板501とa面GaNで形成された発光構造物401との間に、岩塩構造のバッファー層が形成される。
ここで、r面を主面とするサファイア(Al2O3)基板501上に、バッファー層を形成するn(nは、2以上の整数)個の岩塩構造の窒化物の結晶セル301を垂直に配置し、n個の岩塩構造の窒化物の結晶セル301上に、nケのa面GaN 401を形成することができる。例えば、図6に示すように、nは3でよい。
【0083】
この場合、r面サファイア(Al2O3)基板501の結晶セルのサイズは、α軸方向に15.34Å、β軸方向に4.75Åとなり、a面GaN 401のm軸方向の長さは5.52Åでよい。
【0084】
バッファー層を形成する3個の岩塩構造の窒化物の結晶セル301のサイズ(または、格子定数)は、各窒化物によって異なることがある。
【0085】
図7は、本発明の一実施例に係るバッファー層210を形成する岩塩構造の窒化物の結晶セルのサイズを示す図である。
【0086】
図7を参照すると、バッファー層210を形成する岩塩構造の窒化物701の結晶セルのサイズはそれぞれ、図面符号702のとおりでよい。
【0087】
図8は、本発明の一実施例に係るバッファー層210を形成する岩塩構造の窒化物別格子不整合数値を示す図である。
【0088】
図8を参照すると、バッファー層210を形成する各岩塩構造の窒化物801別結晶セルのサイズは、図面符号802のとおりでよい。ここで、結晶セルのサイズは、横または縦の長さであり、両者は同一でよい。
【0089】
参照符号803及び804は、各窒化物がバッファー層210として形成されたときに、バッファー層210とa面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率を示すものである。
【0090】
バッファー層210は、発光構造物120のa面とC軸方向に格子不整合率が3%以下、M軸方向に格子不整合比率が10%以下であり、基板100のR面とα軸方向に格子不整合率が12%以下、β軸方向に格子不整合率が4%以下でよい。
【0091】
例えば、図8を参照すると、LaNで形成されたバッファー層210の場合に、a面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率は、c軸方向に−2.28%となり、m軸方向に4.13%となる。
【0092】
また、LaNで形成されたバッファー層210の場合に、r面サファイア基板100との格子不整合率はα軸方向に11.6%となり、β軸方向に3.67%となる。
【0093】
また、ThNで形成されたバッファー層210の場合に、a面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率は、c軸方向に−0.38%となり、m軸方向に6.15%となる。
【0094】
また、ThNで形成されたバッファー層210の場合に、r面サファイア基板100との格子不整合率は、α軸方向に9.74%となり、β軸方向に1.69%となる。
【0095】
また、PrNで形成されたバッファー層210の場合に、a面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率は、c軸方向に0.48%となり、m軸方向に7.08%となる。
【0096】
また、PrNで形成されたバッファー層210の場合に、r面サファイア基板100との格子不整合率は、α軸方向に8.53%となり、β軸方向に0.08%となる。
【0097】
また、NdNで形成されたバッファー層210の場合に、a面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率は、c軸方向に0.56%となり、m軸方向に7.16%となる。
【0098】
また、NdNで形成されたバッファー層210の場合に、r面サファイア基板100との格子不整合率は、α軸方向に8.44%となり、β軸方向に0.74%となる。
【0099】
また、SmNで形成されたバッファー層210の場合に、a面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率は、c軸方向に2.61%となり、m軸方向に9.35%となる。
【0100】
また、SmNで形成されたバッファー層210の場合に、r面サファイア基板100との格子不整合率は、α軸方向に6.28%となり、β軸方向に−1.28%となる。
【0101】
ここで、格子不整合率がマイナスの場合は、a面GaNが引っ張り歪み(tensile strain)を受けることがあり、格子不整合率がプラスの場合は、圧縮歪み(compressive strain)を受けることがある。
【0102】
本発明の実施例のように、各窒化物で形成されたバッファー層210を、r面サファイア基板100,501とa面発光構造物120との間に形成させた場合における格子不整合は、バッファー層210の形成されていない場合(図5参照)に比べて減少する。したがって、本発明の実施例では、バッファー層210を用いて、基板100と発光構造物120との格子不整合及び熱膨張係数の差を緩和し、発光素子の安全性及び信頼性を高めることができる。
【0103】
例えば、バッファー層210が形成されていない場合に、a面GaNのc軸方向には1.3%の格子不整合が発生し、m軸方向には16.2%の格子不整合が発生する。これに対し、バッファー層210を形成している場合は、a面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率は、c軸方向に−2.28%となり、m軸方向に4.13%となるため、格子不整合を減少させ、発光素子の安全性及び信頼性を向上させることができる。
【0104】
図9は、発光素子パッケージの一実施例を示す断面図である。
【0105】
図示のように、上記の各実施例に係る発光素子パッケージは、パッケージボディー720、第1電極層711及び第2電極層712と、発光素子700と、モールディング部740と、を含む。ここで、発光素子700は、パッケージボディー720に装着されて、第1電極層711及び第2電極層712と電気的に接続するもので、図1で上述した発光素子でよい。
【0106】
図9で、第1電極層711及び第2電極層712はパッケージボディー720に設けられ、モールディング部740は発光素子700を包囲する。
【0107】
パッケージボディー720は、シリコン材質、合成樹脂材質、または金属材質を含んでなることができ、発光素子700の周囲に傾斜面が形成されることで、光取り出し効率を向上させることができる。
【0108】
第1電極層711及び第2電極層712は互いに電気的に分離され、発光素子700に電源を提供する。また、第1電極層711及び第2電極層712は、発光素子700から発生した光を反射させることで光効率を増加させることができ、発光素子700から発生した熱を外部に排出させる役割を担うこともできる。
【0109】
発光素子700は、パッケージボディー720上に装着されてもよく、第1電極層711または第2電極層712上に装着されてもよい。
【0110】
発光素子700は、ワイヤー方式、フリップチップ方式またはダイボンディング方式のいずれか一方式により第1電極層711及び第2電極層712と電気的に接続することができる。
【0111】
発光素子パッケージは、以上開示された実施例による少なくとも一つの発光素子を1個または複数個搭載することができ、これに限定はない。
【0112】
本発明の一実施例に係る発光素子パッケージは、複数個が基板上にアレイされ、発光素子パッケージの光経路上に、光学部材である導光板、プリズムシート、拡散シートなどが配置されているとよい。これらの発光素子パッケージ、基板、光学部材は、ライトユニットとして機能することができる。他の実施例は、上記の各実施例に記載された半導体発光素子または発光素子パッケージを含む表示装置、指示装置、照明システムとすることができ、例えば、照明システムには、ランプ、街灯を含むことができる。
【0113】
図10は、本発明の一実施例に係る発光素子を有する表示装置を示す図である。
【0114】
図示のように、本実施例に係る表示装置800は、ボトムカバー810、光源モジュール830,835、反射板820、導光板840、第1プリズムシート850、第2プリズムシート860、パネル870及びカラーフィルタ880をを備える。ここで、導光板840は、反射板820の前方に配置され、光源モジュールから放出される光を表示装置の前方に導く。第1プリズムシート850及び第2プリズムシート860は、導光板840の前方に配置されている。パネル870は第2プリズムシート860の前方に配置され、カラーフィルタ880はパネル870の前方に配置されている。
【0115】
光源モジュールは、基板830上の発光素子パッケージ835を有する。ボトムカバー810は、表示装置800の構成要素を収納することができる。反射板820は、同図のように別個の構成要素としてもよく、導光板840の背面やボトムカバー810の前面に、反射度の高い物質でコーティングされる形態としてもよい。
【0116】
ここで、反射板820は、反射率が高いとともに超薄型に形成可能な素材を用いるとよく、ポリエチレンテレフタレート(PolyEthylene Terephtalate;PET)を用いることができる。
【0117】
導光板840は、発光素子パッケージモジュールから放出される光を散乱させて、液晶表示装置の画面全領域にわたって光が均一に分布するようにする。したがって、導光板840は、屈折率及び透過率に優れた材料とすればよく、例えば、ポリメチルメタクリレート(PolyMethylMethAcrylate;PMMA)、ポリカーボネート(PolyCarbonate;PC)、またはポリエチレン(PolyEthylene;PE)などで形成可能である。
【0118】
そして、導光板840を省き、反射板820と第1プリズムシート850との空間で光が伝達されるエアーガイド(Air Guide)方式で構成されてもよい。
【0119】
第1プリズムシート850は、支持フィルムの一面に、投光性及び弾性を有する重合体材料で形成され、この重合体は、複数個の立体構造が反復的に形成されているプリズム層を有することができる。ここで、複数個のパターンは、同図に示すように、山と谷が反復する縞状にしてもよい。
【0120】
第2プリズムシート860において、支持フィルムの一面における山862と谷864の方向は、第1プリズムシート850中の支持フィルムの一面における山852と谷854の方向と垂直でよい。これは、光源モジュール及び反射シートから伝達された光をパネル870の全面に均一に分散させるためである。
【0121】
図示してはいないが、各プリズムシート上には保護シートを設けることができる。支持フィルムの両面に、光拡散性粒子及びバインダーを含む保護層を設けてもよい。
【0122】
また、プリズム層は、ポリウレタン、スチレンブタジエン共重合体、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレートエラストマー、ポリイソプレン、ポリシリコンで構成される群から選ばれる重合体材料で形成できる。
【0123】
図示してはいないが、導光板840と第1プリズムシート850との間に拡散シートが配置されてもよい。拡散シートは、ポリエステル及びポリカーボネート系の材料で形成するとよく、バックライトユニットから入射している光を屈折及び散乱させて光投射角を最大化させる役割を担うことができる。
【0124】
この拡散シートは、光拡散剤を含む支持層と、光出射面(第1プリズムシート方向)と光入射面(反射シート方向)に形成され、光拡散剤を含まない第1レイヤー及び第2レイヤーとを有することができる。
【0125】
ここで、支持層は、メタクリル酸−スチレン共重合体とメタクリル酸メチル−スチレン共重合体とが混合されている樹脂100重量部に対して、1〜10μmの平均粒径を持つシロキサン系光拡散剤0.1〜10重量部、1〜10μmの平均粒径を持つアクリル系光拡散剤0.1〜10重量部が含まれるものでよい。
【0126】
第1レイヤー及び第2レイヤーは、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤0.01〜1重量部、帯電防止剤0.001〜10重量部が含まれるものでよい。
【0127】
拡散シートにおいて、支持層の厚さは100〜10000μmでよく、それぞれのレイヤーの厚さは10〜1000μmでよい。
【0128】
本実施例において、拡散シート、第1プリズムシート850及び第2プリズムシート860が光学シートを構成する。光学シートは、他の組み合わせにしてもよく、例えば、マイクロレンズアレイで構成してもよく、拡散シートとマイクロレンズアレイとの組み合わせ、または一つのプリズムシートとマイクロレンズアレイとの組み合わせなどで構成してもよい。
【0129】
パネル870は、液晶表示(Liquid crystal display)パネルとすることができ、液晶表示パネル870に限定されず、光源を必要とする他の種類のディスプレイ装置としてもよい。
【0130】
パネル870は、ガラスボディーの間に液晶が挟持され、光の偏光性を用いるために偏光板が両ガラスボディーに載せてある構成となっている。ここで、液晶は、液体及び固体の中間的な特性を有するもので、液体のように流動性を有する有機分子である液晶が結晶のように規則的に配列されている状態を有し、その分子配列が外部電界によって変化する性質を用いて画像を表示する。
【0131】
表示装置に用いられる液晶表示パネルは、アクティブマトリクス(Active Matrix)方式のもので、各画素に供給される電圧を調節するスイッチとしてトランジスタを用いる。
【0132】
パネル870の前面にはカラーフィルタ880が設けられ、パネル870から投射した光を、それぞれの画素ごとに赤色、緑色または青色のいずれかの光のみを透過することで画像を表現できる。
【0133】
以上では実施例を中心に説明してきたが、それら実施例は単なる例示で、本発明を限定するためのものではない。したがって、本発明の属する分野における通常の知識を有する者には、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で、以上に例示していない種々の変形及び応用が可能であるということが理解されるであろう。例えば、実施例に具体的に示した各構成要素を変形して実施することができる。なお、それらの変形及び応用も、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものとして解釈すべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の3−5族または2−6族化合物半導体物質を用いた発光ダイオード(Ligit Emitting Diode)やレーザーダイオードのような発光素子は、薄膜成長技術及び素子材料の開発により赤色、緑色、青色及び紫外線などの様々な色を具現可能になった。また、このような発光素子は、蛍光物質を用いたり色を組み合わせたりして効率の良い白色光線も具現可能になり、蛍光灯、白熱灯などの既存の光源に比べて、低消費電力、半永久的な寿命、高速の応答速度、安全性、環境親和性といったメリットを有する。
【0003】
したがって、かかる発光素子は、光通信手段の送信モジュール、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置のバックライトを構成する冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescence Lamp)に代わる発光ダイオードバックライト、蛍光灯や白熱電球に代わる白色発光ダイオード照明装置、自動車のヘッドライト及び信号灯などに至るまで、その応用が拡大されつつある。
【0004】
一方、発光素子は、基板上に形成される窒化物半導体層を含むことができるが、基板と窒化物半導体層との格子不整合により結晶欠陥ができることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、発光素子の安全性及び信頼性を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例による発光素子は、基板と、前記基板のR面上に配置され、岩塩構造(Rock Salt Structure)を有する窒化物を含むバッファー層と、前記バッファー層上に配置され、a面に成長した発光構造物とを備える。
【0007】
例えば、前記バッファー層の格子定数は、4.75Å乃至5.52Åの範囲または5.11Å乃至5.18Åの範囲を有することができる。また、前記バッファー層は、LaN、ThN、PrN、NdNまたはSmNの少なくとも一つを含むことができる。
【0008】
また、発光素子は、前記バッファー層の上部に形成された非ドープの半導体層をさらに備えることができる。
【0009】
前記基板は、サファイア(Al2O3)、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、Si、GaP、InP、Ge、またはGa2O3の少なくとも一つでよい。
【0010】
前記発光構造物は、前記バッファー層上に形成された第1導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層上に形成された活性層と、前記活性層上に形成された第2導電型半導体層とを備えることができる。前記第1導電型半導体層は、N型半導体層でよい。前記第2導電型半導体層は、表面に凹凸構造を有することができる。
【0011】
また、前記発光素子は、前記第1導電型半導体層上に形成された第1電極及び前記第2導電型半導体層上に形成された第2電極をさらに備えることができる。
【0012】
前記発光構造物は、a面に成長したGaNを含むことができる。前記バッファー層の結晶面と前記発光構造物を形成するGaNのa面とは垂直に重なることができる。または、前記基板はサファイア基板であり、前記サファイア基板のr面、前記バッファー層の結晶面及び前記発光構造物を形成するGaNのa面は、垂直に重なってもよい。
【0013】
前記バッファー層はn(nは2以上の整数)個の岩塩構造の窒化物の結晶面で形成され、前記発光構造物は、前記n個の岩塩構造の窒化物の結晶面上に形成されたn個のa面GaNを含むことができる。前記バッファー層を形成する前記n個の岩塩構造の窒化物の結晶面のサイズは、窒化物によって異なってもよい。前記nは3でよい。
【0014】
前記基板はサファイア基板であり、前記サファイア基板の結晶セルのサイズは、α軸方向に15.34Å、β軸方向に4.75Åでよく、a面GaNの結晶セルのサイズは、m軸方向に5.52Åでよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施例によれば、発光素子における発光構造物とサファイア基板との間に、岩塩構造を有する窒化物で形成されたバッファー層を配置しているため、発光構造物とバッファー層との格子不整合を減少させ、発光素子の安全性及び信頼性を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
下記の図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。ただし、図面中、同一の構成要素には同一の参照符号を付する。
【図1】発光素子の一実施例の断面を示す図である。
【図2A】岩塩構造の実施例を示す図である。
【図2B】岩塩構造の実施例を示す図である。
【図3】GaNの結晶構造を説明するための図である。
【図4A】発光素子の一実施例の製造工程を示す図である。
【図4B】発光素子の一実施例の製造工程を示す図である。
【図4C】発光素子の一実施例の製造工程を示す図である。
【図4D】発光素子の一実施例の製造工程を示す図である。
【図4E】発光素子の一実施例の製造工程を示す図である。
【図5】r面サファイア基板上にa面GaNが形成されている一例を示す図である。
【図6】r面サファイア基板とa面GaNで形成された発光構造物との間に岩塩構造のバッファー層が形成されている実施例を示す図である。
【図7】本発明の一実施例に係るバッファー層を形成する岩塩構造の窒化物の結晶面の長さを示す図である。
【図8】本発明の一実施例に係るバッファー層を形成する岩塩構造の窒化物別の格子不整合数値を示す図である。
【図9】発光素子パッケージの一実施例の断面図である。
【図10】本発明の一実施例による発光素子を含む表示装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を、添付の図面を参照しつつ説明する。
本実施例の説明において、ある構成要素(element)の「上(上部)」または「下(下部)」(on or under)に他の構成要素が形成されるという記載は、これらの両構成要素が相互直接(directly)接触して形成される場合も、これら両構成要素の間に一つ以上のさらに他の構成要素が介在して(indirectly)形成される場合も含むことができる。また「上(上部)」または「下(下部)」(on or under)と表現される場合、一つの構成要素を基準に上方を指す場合もあり、下方を指す場合もある。
【0018】
図面において、各構成要素の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために、誇張、省略または概略して示したもので、実際の大きさを全的に反映するものではない。
【0019】
図1は、発光素子の一実施例の断面を示す図である。
【0020】
図1に示すように、本発明の一実施例の発光素子は、バッファー層210、発光構造物120、第1及び第2電極200及び110を備えることができる。ここで、バッファー層210は、基板100上に形成され、発光構造物120は、バッファー層210上に形成される。発光構造物120は、バッファー層210上に形成された第1導電型半導体層122、活性層124及び第2導電型半導体層126を備える。
【0021】
第1電極200は、第1導電型半導体層122上に形成され、第2電極110は、第2導電型半導体層126上に形成される。
【0022】
基板100は、半導体物質、金属物質、化合物及びこれらの組み合わせで構成できる。基板100は、伝導性基板または絶縁性基板で構成することができ、例えば、サファイア(Al2O3)、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、Si、GaP、InP、Ge、またはGa2O3の少なくとも一つを用いることができる。例えば、サファイア基板100のうち、r面を主面とするサファイア(Al2O3)基板を用いることができる。
【0023】
本実施例の発光構造物120と基板100との間には、バッファー層210を成長させることができる。これは、基板100と発光構造物120との格子不整合及び熱膨張係数の差を緩和するためである。
【0024】
バッファー層210は、半導体物質、金属物質、化合物またはこれらの組み合わせで構成することができる。バッファー層210の材料は、3族−5族化合物半導体とすることができ、特に、本実施例のバッファー層210は、岩塩構造(Rock Salt Structure)を有する窒化物で形成することができる。
【0025】
図2A及び図2Bは、岩塩構造の実施例を示す図である。
【0026】
セラミック構造は、同数の陽イオンと陰イオンを有し、このような材料をAX型化合物という。ここで、Aは陽イオン、Xは陰イオンを表す。
【0027】
このようなAX化合物は、種々の結晶構造を有する。それらの構造のうち、岩塩構造は、図2Aに示すように、陰イオンXがFCC(Face Centered Cubic)構造を形成し、全ての8面体位置(octahedral site)に陽イオンAが埋められる構造である。
【0028】
また、図2Bに示すように、岩塩構造は、陽イオンAからなる八面体が、八面体の縁をなす構造である。
【0029】
ここで、陰イオンXが形成するFCC構造において8面体位置の個数は陰イオンXの個数であり、化学式はAXと定義される。
【0030】
岩塩構造を有する化合物には、NaCl、KCl、LiF、MgO、CaO、SrO、NiO、CoO、MnO、PbO、LaN、ThN、PrN、NdN、SmNなどが含まれる。本実施例では、岩塩構造を有する化合物のうち、窒化物でバッファー層210を形成できる。
【0031】
例えば、バッファー層210を、LaN、ThN、PrN、NdN、SmNの少なくとも一つにより形成できる。
【0032】
ここで、バッファー層210は、4.75Å乃至5.52Åの範囲の格子定数を有することができる。
【0033】
特に、バッファー層210は、5.11Å乃至5.18Åの範囲の格子定数を有することができる。
【0034】
本実施例によれば、サファイア基板100のr面上にバッファー層210が成長され、バッファー層210の上にa面においてGaNを成長することにより発光構造物120を形成することができる。
【0035】
この場合、バッファー層210の結晶セル(または、結晶面)及び発光構造物120を形成するGaNのa面は垂直に重なることが可能である。
【0036】
バッファー層210上には、非ドープの(undoped)半導体層が形成されてもよいが、これに限定されることはない。
【0037】
バッファー層210上には発光構造物120を形成でき、発光構造物120は、例えば、有機金属化学蒸着法(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、化学蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)、プラズマ化学蒸着法(PECVD;Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition)、分子線成長法(MBE;Molecular Beam Epitaxy)、水素化物気相成長法(HVPE;Hydride Vapor Phase Epitaxy)などの方法を用いて形成できるが、これに限定しない。特に、発光構造物120は、a面に成長したGaNで形成されるとよい。
【0038】
図3は、GaNの結晶構造を説明するための図である。
【0039】
図3を参照すると、GaNの結晶構造において非極性面は、c軸に平行なm面(M−plane)とa面401がある。GaNのa面401は、m軸1−100と平行な辺402mと、c軸0001と平行な辺403(c)と、で構成できる。
【0040】
本実施例の発光構造物120は、図3のa面401に成長させたGaNで形成できる。
【0041】
第1導電型半導体層122は、バッファー層210上に形成され、半導体化合物で構成することができ、第1導電型ドーパントのドープされた3族−5族、2族−6族化合物半導体で形成可能である。例えば、第1導電型半導体層122は、AlxInyGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、InGaAs、AlInGaAs、GaP、AlGaP、InGaP、AlInGaP、InPのいずれか一つ以上で形成できる。第1導電型半導体層122がN型半導体層であれば、第1導電型ドーパントは、Si、Ge、Sn、Se、TeなどのようなN型ドーパントを含むことができるが、これに限定されない。第1導電型半導体層122は、単層または多層とすることができ、これに限定しない。
【0042】
そして、活性層124は、第1導電型半導体層122と第2導電型半導体層126との間に形成され、第1導電型半導体層122と第2導電型半導体層126から注入されるキャリア(Carrier)が互いに出会い、活性層(発光層)物質固有のエネルギーバンドによって決定されるエネルギーを有する光を放出する層である。
【0043】
活性層124は、単一井戸構造、多重井戸構造、単一量子井戸構造、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造、量子線(Quantum−Wire)構造、または量子点(Quantum Dot)構造の少なくとも一つを含むことができる。活性層124は、3族−5族元素の化合物半導体材料を用いて井戸層と障壁層、例えば、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、GaN/AlGaN/、InAlGaN/GaN、InAlGaN/InAlGaN、GaAsInGaAs/AlGaAs、GaPInGaP/AlGaPのいずれか一つ以上のペア構造とすることができるが、これに限定されない。ここで、井戸層は、障壁層のバンドギャップよりも狭いバンドギャップを有する物質で形成できる。
【0044】
そして、第2導電型半導体層126は、半導体化合物で形成できる。第2導電型半導体層126は、3族−5族、2族−6族などの化合物半導体で形成すればよく、第2導電型ドーパントがドープされてもよい。例えば、InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質またはAlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのいずれか一つ以上で形成できる。第2導電型半導体層126がP型半導体層であれば、第2導電型ドーパントはP型ドーパントであり、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどのようなp型ドーパントでよい。第2導電型半導体層126は、単層または多層にすることができ、これに限定されない。
【0045】
そして、第2導電型半導体層126上に第2電極110を形成することができる。第2電極110は、例えば、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、金(Au)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、白金(Pt)、バナジウム(V)、タングステン(W)、鉛(Pd)、銅(Cu)、ロジウム(Rh)及びイリジウム(Ir)から選ばれるいずれか一つの金属またはこれら金属の合金で構成することができる。第2電極110は、第2導電型半導体層126の一部上にマスクを用いて形成できる。
【0046】
そして、第1電極200は、第1導電型半導体層122の表面におけるメサエッチングされて露出された領域に形成することができる。第1電極200の材料は、上記の第2電極110と同一にする。
【0047】
以下、図1に示す発光素子の製造方法の実施例を、図4A乃至図4Eを参照して詳細に説明する。
【0048】
図4A乃至図4Eは、発光素子の一実施例の製造工程を示す図である。
【0049】
まず、図4Aに示すように、基板100を用意する。基板100は、半導体物質、金属物質、化合物またはこれらの組み合わせからなることができる。基板100は、伝導性基板または絶縁性基板で構成することができ、例えば、サファイア(Al2O3)、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、Si、GaP、InP、Ge、及びGa2O3の少なくとも一つを用いることができる。
【0050】
基板100上には凹凸構造が形成されてもよいが、これに限定されない。基板100を湿式洗浄して表面の不純物を除去できる。例えば、サファイア基板100のうち、r面を主面とするサファイア(Al2O3)基板を用いることができる。
【0051】
そして、バッファー層210を挟んで、基板100上に、第1導電型半導体層122、活性層124及び第2導電型半導体層126を有する発光構造物120を形成することができる。
【0052】
このように、発光構造物120と基板100との間にはバッファー層210を成長させることができ、これは、基板100と発光構造物120との格子不整合及び熱膨張係数の差を緩和するためである。
【0053】
バッファー層210は、半導体物質、金属物質、化合物またはこれらの組み合わせで構成することができる。バッファー層210は、3族−5族化合物半導体で形成でき、例えば、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInNの少なくとも一つで形成できる。バッファー層210上には非ドープの半導体層が形成されてもよいが、これに限定されない。
【0054】
特に、本実施例のバッファー層210は、岩塩構造(Rock Salt Structure)を有する窒化物で形成できる。例えば、バッファー層210は、LaN、ThN、PrN、NdNまたはSmNの少なくとも一つを含んで形成されるとよい。
【0055】
ここで、バッファー層210は、4.75Å乃至5.52Åの範囲の格子定数を有することができる。
【0056】
特に、バッファー層210は、5.11Å乃至5.18Åの範囲の格子定数を有することができる。
【0057】
本実施例に係る発光素子において、サファイア基板100のr面上にバッファー層210を成長し、バッファー層210上に、a面に成長したGaNで形成された発光構造物120を形成することができる。
【0058】
この場合、バッファー層210の結晶セル及び発光構造物120を形成するGaNのa面は垂直に重なることが可能である。
【0059】
バッファー層210上には発光構造物120を形成することができ、発光構造物120は、例えば、有機金属化学蒸着法(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、化学蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)、プラズマ化学蒸着法(PECVD;Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition)、分子線成長法(MBE;Molecular Beam Epitaxy)、水素化物気相成長法(HVPE;Hydride Vapor Phase Epitaxy)などの方法を用いて形成できるが、これに限定しない。特に、発光構造物120は、a面に成長したGaNで形成されるとよい。
【0060】
第1導電型半導体層122は、チャンバーに、トリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)、及びシリコン(Si)のようなn型不純物を含むシランガス(SiH4)を注入することにより形成することができる。
【0061】
活性層124は、単一量子井戸構造、多重量子井戸(MQW)構造、量子線構造、または量子点構造の少なくとも一つで形成することができる。例えば、活性層124は、トリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)、及びトリメチルインジウムガス(TMIn)が注入されることで多重量子井戸構造が形成されてもよいが、これに限定されない。
【0062】
活性層124の井戸層/障壁層は、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、GaN/AlGaN/、InAlGaN/GaN、GaAsInGaAs/AlGaAs、GaPInGaP/AlGaPのいずれか一つ以上のペア構造としてもよいが、これに限定されない。ここで、井戸層は、障壁層のバンドギャップよりも狭いバンドギャップを有する物質で形成されるとよい。
【0063】
活性層124の上または/及び下には、導電型クラッド層(図示せず)を形成できる。導電型クラッド層は、AlGaN系半導体で形成でき、活性層124のバンドギャップよりは高いバンドギャップを有することができる。
【0064】
第2導電型半導体層126は、第2導電型ドーパントのドープされた3族−5族化合物半導体、例えば、InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質で形成できる。第2導電型半導体層126がP型半導体層であれば、第2導電型ドーパントはP型ドーパントとしてMg、Zn、Ca、Sr、Baなどを含むことができる。
【0065】
第2導電型半導体層126は、チャンバーに、トリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)、及びマグネシウム(Mg)のようなp型不純物を含むビセチルシクロペンタジエニルマグネシウム(EtCp2Mg){Mg(C2H5C5H4)2}が注入されてp型GaN層が形成されるが、これに限定されるものではない。
【0066】
本実施例で、第1導電型半導体層122はP型半導体層とし、第2導電型半導体層126はN型半導体層とすることができる。また、第2導電型半導体層126上には、第2導電型と反対の極性を有する半導体、例えば、第2導電型半導体層がP型半導体層の場合に、N型半導体層(図示せず)を形成してもよい。そのため、発光構造物120は、N−P接合構造、P−N接合構造、N−P−N接合構造、P−N−P接合構造のいずれか一構造とすることができる。
【0067】
次に、図4Bに示すように、第2導電型半導体層126から第1導電型半導体層122の一部分までRIE(Reactive Ion Etching)方式でメサ(Mesa)エッチングして、第1導電型半導体層122を露出させる。
【0068】
例えば、サファイア基板のように絶縁性基板を用いる場合は、基板の下部に電極を形成できず、第2導電型半導体層126から第1導電型半導体層122の一部分までメサエッチングすることで、電極を形成できる空間を確保すればよい。
【0069】
そして、図4Cに示すように、第2導電型半導体層126上に凹凸構造126Aを形成する。このとき、凹凸構造は、PEC(Photo Electro Chemical)方法や、マスクを形成した後にエッチングする方法で形成できる
【0070】
PEC方法において、エッチング液(たとえば、KOH)の量とGaN結晶性によるエッチング速度差などを調節することによって、微小大きさの凹凸の形状を調節できる。凹凸構造は、周期的または非周期的に形成すればよい。
【0071】
本実施例によれば、第2導電型半導体層126上には、第2電極110との電気的接触のためにオーミック層(図示せず)が形成されてもよいが、これに限定しない。オーミック層をなす物質には、例えば、ITO(indium tin oxide)を用いることができる。なお、オーミック層は、例えば、In、Co、Si、Ge、Au、Pd、Pt、Ru、Re、Mg、Zn、Hf、Ta、Rh、Ir、W、Ti、Ag、Cr、Mo、Nb、Al、Ni、Cu、WTi、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IZON(IZO Nitride)、AGZO(Al−Ga ZnO)、IGZO(In−Ga ZnO)、ZnO、IrOx、RuOx、NiO、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、Ni/IrOx/Au/ITO、Ag、Ni、Cr、Ti、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、またはHfで構成することができ、これに限定されない。
【0072】
図4Cに示す凹凸構造126Aは形成されなくてもよく、これに限定されない。
【0073】
そして、図4Dに示すように、第2導電型半導体層126の表面に第2電極110を形成することができる。第2電極110は、例えば、モリブデン、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、金(Au)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、白金(Pt)、バナジウム(V)、タングステン(W)、鉛(Pd)、銅(Cu)、ロジウム(Rh)及びイリジウム(Ir)から選ばれるいずれか一つの金属またはこれら金属の合金で形成することができる。第2電極110は、第2導電型半導体層126の一部上にマスクを用いて形成できる。
【0074】
そして、図4Eに示すように、第1導電型半導体層122の表面がエッチングされて露出された領域に、第1電極200を形成することができる。第1電極200の材料は、上述した第2電極110と同一にする。
【0075】
図5は、r面サファイア基板上にa面GaNが形成されている一例を示す図である。
【0076】
図5を参照すると、r面を主面とするサファイア(Al2O3)基板501上に、バッファー層210を介在せずにa面GaN 401を形成する場合に、3個のa面GaN401が一つのr面サファイア(Al2O3)基板501上に形成されることがある。
【0077】
サファイア基板501のr面は、α軸と平行な横辺503(α)及びβ軸と平行な縦辺502(β)からなる。ここで、横辺は縦辺よりも長い。
【0078】
ここで、r面サファイア(Al2O3)基板501の結晶セルのサイズ(cell size)は、α軸方向に15.34Å、β軸方向に4.75Åとなり、3個のa面GaN401の結晶セルのサイズは、m軸方向に5.52Å、c軸方向に15.54Åとなるため、c軸方向には1.3%の格子不整合が発生し、m軸方向には16.2%の格子不整合が発生する。
【0079】
r面サファイア(Al2O3)基板501の結晶セルのサイズは、β軸方向に4.75Åであり、GaNのa面GaN401のm軸方向の長さは5.52Åであるため、バッファー層210は、4.75Å乃至5.52Åの範囲の格子定数を有することができる。
【0080】
特に、a面GaN401のc軸方向の長さは5.18Åであり、r面サファイア(Al2O3)基板501の結晶セルのサイズは、α軸方向に15.34Å(15.34Å/3=5.11Å)であるから、バッファー層210の格子定数は、5.11Å乃至5.18Åの範囲を有するとよい。
【0081】
図6は、r面サファイア基板501とa面GaNで形成された発光構造物401との間に、岩塩構造のバッファー層が形成されている実施例を示す図である。
【0082】
図6を参照すると、r面サファイア基板501とa面GaNで形成された発光構造物401との間に、岩塩構造のバッファー層が形成される。
ここで、r面を主面とするサファイア(Al2O3)基板501上に、バッファー層を形成するn(nは、2以上の整数)個の岩塩構造の窒化物の結晶セル301を垂直に配置し、n個の岩塩構造の窒化物の結晶セル301上に、nケのa面GaN 401を形成することができる。例えば、図6に示すように、nは3でよい。
【0083】
この場合、r面サファイア(Al2O3)基板501の結晶セルのサイズは、α軸方向に15.34Å、β軸方向に4.75Åとなり、a面GaN 401のm軸方向の長さは5.52Åでよい。
【0084】
バッファー層を形成する3個の岩塩構造の窒化物の結晶セル301のサイズ(または、格子定数)は、各窒化物によって異なることがある。
【0085】
図7は、本発明の一実施例に係るバッファー層210を形成する岩塩構造の窒化物の結晶セルのサイズを示す図である。
【0086】
図7を参照すると、バッファー層210を形成する岩塩構造の窒化物701の結晶セルのサイズはそれぞれ、図面符号702のとおりでよい。
【0087】
図8は、本発明の一実施例に係るバッファー層210を形成する岩塩構造の窒化物別格子不整合数値を示す図である。
【0088】
図8を参照すると、バッファー層210を形成する各岩塩構造の窒化物801別結晶セルのサイズは、図面符号802のとおりでよい。ここで、結晶セルのサイズは、横または縦の長さであり、両者は同一でよい。
【0089】
参照符号803及び804は、各窒化物がバッファー層210として形成されたときに、バッファー層210とa面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率を示すものである。
【0090】
バッファー層210は、発光構造物120のa面とC軸方向に格子不整合率が3%以下、M軸方向に格子不整合比率が10%以下であり、基板100のR面とα軸方向に格子不整合率が12%以下、β軸方向に格子不整合率が4%以下でよい。
【0091】
例えば、図8を参照すると、LaNで形成されたバッファー層210の場合に、a面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率は、c軸方向に−2.28%となり、m軸方向に4.13%となる。
【0092】
また、LaNで形成されたバッファー層210の場合に、r面サファイア基板100との格子不整合率はα軸方向に11.6%となり、β軸方向に3.67%となる。
【0093】
また、ThNで形成されたバッファー層210の場合に、a面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率は、c軸方向に−0.38%となり、m軸方向に6.15%となる。
【0094】
また、ThNで形成されたバッファー層210の場合に、r面サファイア基板100との格子不整合率は、α軸方向に9.74%となり、β軸方向に1.69%となる。
【0095】
また、PrNで形成されたバッファー層210の場合に、a面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率は、c軸方向に0.48%となり、m軸方向に7.08%となる。
【0096】
また、PrNで形成されたバッファー層210の場合に、r面サファイア基板100との格子不整合率は、α軸方向に8.53%となり、β軸方向に0.08%となる。
【0097】
また、NdNで形成されたバッファー層210の場合に、a面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率は、c軸方向に0.56%となり、m軸方向に7.16%となる。
【0098】
また、NdNで形成されたバッファー層210の場合に、r面サファイア基板100との格子不整合率は、α軸方向に8.44%となり、β軸方向に0.74%となる。
【0099】
また、SmNで形成されたバッファー層210の場合に、a面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率は、c軸方向に2.61%となり、m軸方向に9.35%となる。
【0100】
また、SmNで形成されたバッファー層210の場合に、r面サファイア基板100との格子不整合率は、α軸方向に6.28%となり、β軸方向に−1.28%となる。
【0101】
ここで、格子不整合率がマイナスの場合は、a面GaNが引っ張り歪み(tensile strain)を受けることがあり、格子不整合率がプラスの場合は、圧縮歪み(compressive strain)を受けることがある。
【0102】
本発明の実施例のように、各窒化物で形成されたバッファー層210を、r面サファイア基板100,501とa面発光構造物120との間に形成させた場合における格子不整合は、バッファー層210の形成されていない場合(図5参照)に比べて減少する。したがって、本発明の実施例では、バッファー層210を用いて、基板100と発光構造物120との格子不整合及び熱膨張係数の差を緩和し、発光素子の安全性及び信頼性を高めることができる。
【0103】
例えば、バッファー層210が形成されていない場合に、a面GaNのc軸方向には1.3%の格子不整合が発生し、m軸方向には16.2%の格子不整合が発生する。これに対し、バッファー層210を形成している場合は、a面GaNで形成される発光構造物120との格子不整合率は、c軸方向に−2.28%となり、m軸方向に4.13%となるため、格子不整合を減少させ、発光素子の安全性及び信頼性を向上させることができる。
【0104】
図9は、発光素子パッケージの一実施例を示す断面図である。
【0105】
図示のように、上記の各実施例に係る発光素子パッケージは、パッケージボディー720、第1電極層711及び第2電極層712と、発光素子700と、モールディング部740と、を含む。ここで、発光素子700は、パッケージボディー720に装着されて、第1電極層711及び第2電極層712と電気的に接続するもので、図1で上述した発光素子でよい。
【0106】
図9で、第1電極層711及び第2電極層712はパッケージボディー720に設けられ、モールディング部740は発光素子700を包囲する。
【0107】
パッケージボディー720は、シリコン材質、合成樹脂材質、または金属材質を含んでなることができ、発光素子700の周囲に傾斜面が形成されることで、光取り出し効率を向上させることができる。
【0108】
第1電極層711及び第2電極層712は互いに電気的に分離され、発光素子700に電源を提供する。また、第1電極層711及び第2電極層712は、発光素子700から発生した光を反射させることで光効率を増加させることができ、発光素子700から発生した熱を外部に排出させる役割を担うこともできる。
【0109】
発光素子700は、パッケージボディー720上に装着されてもよく、第1電極層711または第2電極層712上に装着されてもよい。
【0110】
発光素子700は、ワイヤー方式、フリップチップ方式またはダイボンディング方式のいずれか一方式により第1電極層711及び第2電極層712と電気的に接続することができる。
【0111】
発光素子パッケージは、以上開示された実施例による少なくとも一つの発光素子を1個または複数個搭載することができ、これに限定はない。
【0112】
本発明の一実施例に係る発光素子パッケージは、複数個が基板上にアレイされ、発光素子パッケージの光経路上に、光学部材である導光板、プリズムシート、拡散シートなどが配置されているとよい。これらの発光素子パッケージ、基板、光学部材は、ライトユニットとして機能することができる。他の実施例は、上記の各実施例に記載された半導体発光素子または発光素子パッケージを含む表示装置、指示装置、照明システムとすることができ、例えば、照明システムには、ランプ、街灯を含むことができる。
【0113】
図10は、本発明の一実施例に係る発光素子を有する表示装置を示す図である。
【0114】
図示のように、本実施例に係る表示装置800は、ボトムカバー810、光源モジュール830,835、反射板820、導光板840、第1プリズムシート850、第2プリズムシート860、パネル870及びカラーフィルタ880をを備える。ここで、導光板840は、反射板820の前方に配置され、光源モジュールから放出される光を表示装置の前方に導く。第1プリズムシート850及び第2プリズムシート860は、導光板840の前方に配置されている。パネル870は第2プリズムシート860の前方に配置され、カラーフィルタ880はパネル870の前方に配置されている。
【0115】
光源モジュールは、基板830上の発光素子パッケージ835を有する。ボトムカバー810は、表示装置800の構成要素を収納することができる。反射板820は、同図のように別個の構成要素としてもよく、導光板840の背面やボトムカバー810の前面に、反射度の高い物質でコーティングされる形態としてもよい。
【0116】
ここで、反射板820は、反射率が高いとともに超薄型に形成可能な素材を用いるとよく、ポリエチレンテレフタレート(PolyEthylene Terephtalate;PET)を用いることができる。
【0117】
導光板840は、発光素子パッケージモジュールから放出される光を散乱させて、液晶表示装置の画面全領域にわたって光が均一に分布するようにする。したがって、導光板840は、屈折率及び透過率に優れた材料とすればよく、例えば、ポリメチルメタクリレート(PolyMethylMethAcrylate;PMMA)、ポリカーボネート(PolyCarbonate;PC)、またはポリエチレン(PolyEthylene;PE)などで形成可能である。
【0118】
そして、導光板840を省き、反射板820と第1プリズムシート850との空間で光が伝達されるエアーガイド(Air Guide)方式で構成されてもよい。
【0119】
第1プリズムシート850は、支持フィルムの一面に、投光性及び弾性を有する重合体材料で形成され、この重合体は、複数個の立体構造が反復的に形成されているプリズム層を有することができる。ここで、複数個のパターンは、同図に示すように、山と谷が反復する縞状にしてもよい。
【0120】
第2プリズムシート860において、支持フィルムの一面における山862と谷864の方向は、第1プリズムシート850中の支持フィルムの一面における山852と谷854の方向と垂直でよい。これは、光源モジュール及び反射シートから伝達された光をパネル870の全面に均一に分散させるためである。
【0121】
図示してはいないが、各プリズムシート上には保護シートを設けることができる。支持フィルムの両面に、光拡散性粒子及びバインダーを含む保護層を設けてもよい。
【0122】
また、プリズム層は、ポリウレタン、スチレンブタジエン共重合体、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレートエラストマー、ポリイソプレン、ポリシリコンで構成される群から選ばれる重合体材料で形成できる。
【0123】
図示してはいないが、導光板840と第1プリズムシート850との間に拡散シートが配置されてもよい。拡散シートは、ポリエステル及びポリカーボネート系の材料で形成するとよく、バックライトユニットから入射している光を屈折及び散乱させて光投射角を最大化させる役割を担うことができる。
【0124】
この拡散シートは、光拡散剤を含む支持層と、光出射面(第1プリズムシート方向)と光入射面(反射シート方向)に形成され、光拡散剤を含まない第1レイヤー及び第2レイヤーとを有することができる。
【0125】
ここで、支持層は、メタクリル酸−スチレン共重合体とメタクリル酸メチル−スチレン共重合体とが混合されている樹脂100重量部に対して、1〜10μmの平均粒径を持つシロキサン系光拡散剤0.1〜10重量部、1〜10μmの平均粒径を持つアクリル系光拡散剤0.1〜10重量部が含まれるものでよい。
【0126】
第1レイヤー及び第2レイヤーは、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤0.01〜1重量部、帯電防止剤0.001〜10重量部が含まれるものでよい。
【0127】
拡散シートにおいて、支持層の厚さは100〜10000μmでよく、それぞれのレイヤーの厚さは10〜1000μmでよい。
【0128】
本実施例において、拡散シート、第1プリズムシート850及び第2プリズムシート860が光学シートを構成する。光学シートは、他の組み合わせにしてもよく、例えば、マイクロレンズアレイで構成してもよく、拡散シートとマイクロレンズアレイとの組み合わせ、または一つのプリズムシートとマイクロレンズアレイとの組み合わせなどで構成してもよい。
【0129】
パネル870は、液晶表示(Liquid crystal display)パネルとすることができ、液晶表示パネル870に限定されず、光源を必要とする他の種類のディスプレイ装置としてもよい。
【0130】
パネル870は、ガラスボディーの間に液晶が挟持され、光の偏光性を用いるために偏光板が両ガラスボディーに載せてある構成となっている。ここで、液晶は、液体及び固体の中間的な特性を有するもので、液体のように流動性を有する有機分子である液晶が結晶のように規則的に配列されている状態を有し、その分子配列が外部電界によって変化する性質を用いて画像を表示する。
【0131】
表示装置に用いられる液晶表示パネルは、アクティブマトリクス(Active Matrix)方式のもので、各画素に供給される電圧を調節するスイッチとしてトランジスタを用いる。
【0132】
パネル870の前面にはカラーフィルタ880が設けられ、パネル870から投射した光を、それぞれの画素ごとに赤色、緑色または青色のいずれかの光のみを透過することで画像を表現できる。
【0133】
以上では実施例を中心に説明してきたが、それら実施例は単なる例示で、本発明を限定するためのものではない。したがって、本発明の属する分野における通常の知識を有する者には、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で、以上に例示していない種々の変形及び応用が可能であるということが理解されるであろう。例えば、実施例に具体的に示した各構成要素を変形して実施することができる。なお、それらの変形及び応用も、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものとして解釈すべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板のR面上に配置され、岩塩構造を有する窒化物を含むバッファー層と、
前記バッファー層上に配置され、a面に成長した発光構造物と
を備える、発光素子。
【請求項2】
前記バッファー層は、4.75Å乃至5.52Åの範囲の格子定数を有する、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記バッファー層は、5.11Å乃至5.18Åの範囲の格子定数を有する、請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記バッファー層は、LaN、ThN、PrN、NdN及びSmNの少なくとも一つを含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の発光素子。
【請求項5】
前記発光構造物はa面に成長したGaNを含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の発光素子。
【請求項6】
前記バッファー層の結晶面と前記発光構造物を形成するGaNのa面とが垂直に重なる、請求項1乃至5のいずれかに記載の発光素子。
【請求項7】
前記基板は、サファイア基板であり、
前記サファイア基板のr面、前記バッファー層の結晶面及び前記発光構造物を形成するGaNのa面は垂直に重なる、請求項1乃至6のいずれかに記載の発光素子。
【請求項8】
前記バッファー層は、n(nは、2以上の整数)個の岩塩構造の窒化物の結晶面で形成され、
前記発光構造物は、前記n個の岩塩構造の窒化物の結晶面上に形成されたn個のa面GaNを含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の発光素子。
【請求項9】
前記バッファー層を形成する前記n個の岩塩構造の窒化物の結晶面のサイズは窒化物によって異なる、請求項1乃至8のいずれかに記載の発光素子。
【請求項10】
前記nが3である、請求項1乃至9のいずれかに記載の発光素子。
【請求項11】
前記基板は、サファイア基板であり、
前記サファイア基板の結晶セルのサイズはα軸方向に15.34Åである、請求項1乃至10のいずれかに記載の発光素子。
【請求項12】
前記サファイア基板の結晶セルのサイズはβ軸方向に4.75Åである、請求項1乃至11のいずれかに記載の発光素子。
【請求項13】
前記a面GaNの結晶セルのサイズはm軸方向に5.52Åである、請求項1乃至12のいずれかに記載の発光素子。
【請求項14】
前記バッファー層の上部に形成された非ドープの半導体層をさらに備える、請求項1乃至13のいずれかに記載の発光素子。
【請求項15】
前記基板は、サファイア(Al2O3)、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、Si、GaP、InP、Ge及びGa2O3の少なくとも一つである、請求項1乃至14のいずれかに記載の発光素子。
【請求項16】
前記発光構造物は、
前記バッファー層上に形成された第1導電型半導体層と、
前記第1導電型半導体層上に形成された活性層と、
前記活性層上に形成された第2導電型半導体層と
を備える、請求項1乃至15のいずれかに記載の発光素子。
【請求項17】
前記第1導電型半導体層はN型半導体層である、請求項1乃至16のいずれかに記載の発光素子。
【請求項18】
前記第2導電型半導体層は表面に凹凸構造を有する、請求項1乃至17のいずれかに記載の発光素子。
【請求項19】
前記第1導電型半導体層上に形成された第1電極をさらに備える、請求項1乃至18のいずれかに記載の発光素子。
【請求項20】
前記第2導電型半導体層上に形成された第2電極をさらに備える、請求項1乃至19のいずれかに記載の発光素子。
【請求項1】
基板と、
前記基板のR面上に配置され、岩塩構造を有する窒化物を含むバッファー層と、
前記バッファー層上に配置され、a面に成長した発光構造物と
を備える、発光素子。
【請求項2】
前記バッファー層は、4.75Å乃至5.52Åの範囲の格子定数を有する、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記バッファー層は、5.11Å乃至5.18Åの範囲の格子定数を有する、請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記バッファー層は、LaN、ThN、PrN、NdN及びSmNの少なくとも一つを含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の発光素子。
【請求項5】
前記発光構造物はa面に成長したGaNを含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の発光素子。
【請求項6】
前記バッファー層の結晶面と前記発光構造物を形成するGaNのa面とが垂直に重なる、請求項1乃至5のいずれかに記載の発光素子。
【請求項7】
前記基板は、サファイア基板であり、
前記サファイア基板のr面、前記バッファー層の結晶面及び前記発光構造物を形成するGaNのa面は垂直に重なる、請求項1乃至6のいずれかに記載の発光素子。
【請求項8】
前記バッファー層は、n(nは、2以上の整数)個の岩塩構造の窒化物の結晶面で形成され、
前記発光構造物は、前記n個の岩塩構造の窒化物の結晶面上に形成されたn個のa面GaNを含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の発光素子。
【請求項9】
前記バッファー層を形成する前記n個の岩塩構造の窒化物の結晶面のサイズは窒化物によって異なる、請求項1乃至8のいずれかに記載の発光素子。
【請求項10】
前記nが3である、請求項1乃至9のいずれかに記載の発光素子。
【請求項11】
前記基板は、サファイア基板であり、
前記サファイア基板の結晶セルのサイズはα軸方向に15.34Åである、請求項1乃至10のいずれかに記載の発光素子。
【請求項12】
前記サファイア基板の結晶セルのサイズはβ軸方向に4.75Åである、請求項1乃至11のいずれかに記載の発光素子。
【請求項13】
前記a面GaNの結晶セルのサイズはm軸方向に5.52Åである、請求項1乃至12のいずれかに記載の発光素子。
【請求項14】
前記バッファー層の上部に形成された非ドープの半導体層をさらに備える、請求項1乃至13のいずれかに記載の発光素子。
【請求項15】
前記基板は、サファイア(Al2O3)、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、Si、GaP、InP、Ge及びGa2O3の少なくとも一つである、請求項1乃至14のいずれかに記載の発光素子。
【請求項16】
前記発光構造物は、
前記バッファー層上に形成された第1導電型半導体層と、
前記第1導電型半導体層上に形成された活性層と、
前記活性層上に形成された第2導電型半導体層と
を備える、請求項1乃至15のいずれかに記載の発光素子。
【請求項17】
前記第1導電型半導体層はN型半導体層である、請求項1乃至16のいずれかに記載の発光素子。
【請求項18】
前記第2導電型半導体層は表面に凹凸構造を有する、請求項1乃至17のいずれかに記載の発光素子。
【請求項19】
前記第1導電型半導体層上に形成された第1電極をさらに備える、請求項1乃至18のいずれかに記載の発光素子。
【請求項20】
前記第2導電型半導体層上に形成された第2電極をさらに備える、請求項1乃至19のいずれかに記載の発光素子。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−55319(P2013−55319A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−57736(P2012−57736)
【出願日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【出願人】(510039426)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【出願人】(510039426)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】
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