説明

発光装置及びその製造方法

【課題】光の取り出し効率が良好で、均一な発光が得られる発光装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】導電部を有する基体と、下面側に電極が配置され、電極が基体の導電部の上に配置される発光素子と、発光素子の表面と、発光素子が配置される領域の周囲の導電部の表面とを覆う蛍光体層と、発光素子の周囲の導電部の上に形成された蛍光体層を覆う反射層と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子と、蛍光体層とを有する発光装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、発光ダイオード(LED)等の発光素子を用いた発光装置は、発光素子や保護素子等の電子部品と、それらを配置する基板と、発光素子や保護素子等を保護するための透光性樹脂とからなる。
【0003】
発光装置を白色発光させるために、基板に凹部を設け、その凹部内に青色光を発する発光素子を配置し、凹部内の発光素子を覆うように蛍光体が含有された透光性樹脂を設けることが知られている。この発光装置は、発光素子から出力される青色系の光の一部を蛍光体により波長変換して、その波長変換された黄色系の光と発光素子からの青色系の光との混色により、白色系の光を発光させるものである。しかし、この方法では発光素子からの光路長の差によって蛍光体が吸収する青色光の量に差が生じ、均一な白色を得ることが難しい。また、凹部内の透光性樹脂に含有された蛍光体が励起されて発光するため、発光面積が大きくなる。
【0004】
一方、特許文献1には、電着法と呼ばれる方法を用いることで、発光素子に均一な厚さの蛍光体層を形成することが開示されている。これにより、青色光の光路長差を減らすことができる。上記の電着法により蛍光体層を形成した発光装置は、発光素子の極近傍に蛍光体層を形成することができるため、点光源に近い配光特性を得ることができる。点光源は、発光面積が小さく、組み込む応用製品の設計が容易になるメリットがあり、照明分野をはじめ、多くの分野への展開が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−69086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の電着法は、蛍光体粒子を含む浴液に電界を生じさせることで、蛍光体粒子を発光素子の表面に堆積させるものであるが、発光素子の周囲に露出する導電性を持った配線パターンも蛍光体粒子で覆われる。そのため、発光素子の表面に設けられた蛍光体層から出射される光が、発光素子の周囲の配線パターンの上に設けられた蛍光体層に吸収されるおそれがある。また、配線パターンの上に設けられた蛍光体層が発光することにより、発光ムラが生じる場合がある。
【0007】
特許文献1においては、配線パターン上にフォトレジストを形成することにより、配線パターン上に蛍光体粒子が付着することを防止することが提案されているが、フォトレジストを形成及び除去する工程が増えてしまう。また、特許文献1においては、発光素子から出射される光が、発光素子の周辺の配線パターンに吸収され、光の取り出し効率が低下してしまう。
【0008】
また、発光素子は金属バンプ等を介して基板と接合されることが多いが、このとき、発光素子と基板との間には若干の空隙が生じる。この発光素子と基板との間の空隙を蛍光体粒子で完全に埋めることが難しく、他の箇所に比べて蛍光体粒子の密度が低くなりやすい。そのため、この部分から発光素子の光が漏れるおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、光の取り出し効率が良好で、均一な発光が得られる発光装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る発光装置は、導電部を有する基体と、下面側に電極が配置され、電極が基体の導電部の上に配置される発光素子と、発光素子の表面と、発光素子が配置される領域の周囲の導電部の表面とを覆う蛍光体層と、発光素子の周囲の導電部の上に形成された蛍光体層を覆う反射層と、を有することを特徴とする。
【0011】
反射層は、発光素子の上面よりも下に配置されているのが好ましい。
【0012】
また、反射層は、導電部の上に形成された蛍光体層の外縁を覆っているのが好ましい。
【0013】
導電部は、発光素子が配置される領域の周囲に開口部を有し、開口部に基体が露出しており、発光素子の周囲の導電部の上に形成された蛍光体層と、発光素子の表面に形成された蛍光体層は、開口部の上において分離されており、開口部に露出した基板上が反射膜で覆われているのが好ましい。
【0014】
反射層の上面が、発光素子の半導体層の下面よりも上に配置されているのが好ましい。
【0015】
反射層の上面が、発光素子の発光層よりも下に配置されているのが好ましい。
【0016】
反射層の上面が、発光素子の半導体層の上面よりも上に配置されているのが好ましい。
【0017】
反射層は、導電部上に形成された蛍光体層の全てを覆うように形成するのが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る発光装置の製造方法は、導電部を有する基体に発光素子の電極を接続する工程と、発光素子を覆う蛍光体層を形成する工程と、発光素子の周囲に反射層を形成する工程と、を具備することを特徴とする。
【0019】
上記の蛍光体層を形成する工程において、発光素子の表面及び該発光素子の周囲の導電部の表面に、蛍光体層を形成し、反射層を形成する工程において、発光素子の周囲の導電部の上に形成された蛍光体層の上に、反射層を形成するのが好ましい。
【0020】
蛍光体層は、電着法又は静電塗装により形成されるのが好ましい。
【0021】
反射層は、電着法又は静電塗装により形成されるのが好ましい。
【0022】
また、蛍光体層を形成する工程の前に、発光素子の表面に、導電性を有する被覆層を形成する工程を有し、蛍光体層を、被覆層の表面及び発光素子の周囲の導電部の表面に形成し、蛍光体層を形成する工程の後に、被覆層を絶縁性に改質する改質工程を有し、反射層を、前記発光素子の周囲の前記導電部の上に形成された前記蛍光体層の上に形成するのが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、光の取り出し効率が良好で、均一に発光する発光装置とその製造方法を提供することができる。また、本発明の発光装置によれば、点光源に近い配光特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発光装置の一例を示す概略平面図である。
【図2】図1に示す発光装置のI−I’線における概略断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る発光装置の製造工程の一例について説明する概略断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る発光装置の一例を示す概略平面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る発光装置の一例を示す概略平面図である。
【図6】図5に示す発光装置のIII−III’線における概略断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る発光装置の一例を示す概略平面図である。
【図8】図7に示す発光装置のIV−IV’線における概略断面図である。
【図9】実施例1の発光装置を示す概略断面図である。
【図10】比較例の発光装置を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を実施するための発光装置及び発光装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置の一例を示す概略平面図である。図2は、図1に示す発光装置のI−I’線における概略断面図である。
本実施形態に係る発光装置10は、導電部12を有する基体11と、発光素子14と、蛍光体層17と、反射層18と、を備えている。
基体11は、略平板状に形成されており、その一部に導電部12を有している。発光素子14は、対向する一対の主面を有する透光性の基板14aの一方の主面に、発光層を含む半導体層14bが形成され、さらに半導体層14bの表面に正電極及び負電極(以下、電極14cともいう)が形成されている。本発明の発光装置において、発光素子14は、電極形成面と対向する基板14a側を主光取り出し面として配置する。図1においては、基板14aの他方の主面が発光素子14の上面を形成している。基板14aの一方の主面側に、半導体層14bが形成されており、その半導体層14bの下面側に電極14cが形成されている。発光素子の電極14cは、基体11に形成された導電部12の上に接合部材13を介して配置される。蛍光体層17は、基体11上において、発光素子14の表面と、発光素子14が配置される領域の周囲に露出する導電部12の表面とを覆っている。反射層18は、発光素子14の周囲の導電部12の上に形成された蛍光体層17を覆っている。
以下、本実施形態に係る発光装置の各構成について簡単に説明する。
【0027】
(基体)
基体は、発光素子や保護素子等の電子部品を配置するためのものである。基体の形状は、特に限定されないが、上面が平坦であることが好ましい。基体の形状としては、例えば、矩形平板状とすることができる。
基体は、絶縁性のものを用いることができ、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックスを用いることが好ましいが、この限りではなく、ガラスエポシキ樹脂や熱可塑性樹脂での代用も可能である。
【0028】
基体には、少なくとも発光素子の電極と対面する側の面に導電部が設けられている。導電部は、基体に配置された発光素子と外部電源とを電気的に接続し、発光素子に対して外部電源からの電圧を印加するためのものである。本実施の形態において、導電部は、その一部が基体に埋め込まれており、基体の上面及び下面において露出している。これにより、基体の裏面側から通電可能となっている。
【0029】
導電部の上面の一部に発光素子が接続されており、それ以外の導電部の上面は発光素子を配置する領域の周囲に露出している。電着法等によって蛍光体層や反射層を形成する場合、この露出領域の上に蛍光体層や反射層が形成される。
【0030】
導電部は、導電性を有する材料であればよいが、物理的、化学的に安定な材料から構成されていることが好ましい。導電部としては、例えば、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)等を用いることができる。
【0031】
基体の上面に露出される導電部は、発光素子からの熱を放熱するために、導電性の高い材料を用い、発光素子が配置される領域の周囲に広く形成されることが好ましい。これにより、実装面において広い範囲で発光素子から生じる熱を放熱することができる。
また、その厚みを厚くすることでより放熱性を高めることができる。基体の上面に露出される導電部の厚みは、5μm〜80μm程度とすることが好ましい。
【0032】
基体としてセラミックスを用いる場合、基体はいわゆるポストファイア法(post firing、逐次焼成法)やコファイア法(co-firing、同時焼成法)の何れでも製造できる。ポストファイア法とは、予め焼成しておいた大径のセラミックス板上に、導電部を形成する方法である。一方、コファイア法とは、セラミックス板、と導電部の焼成を同時に行う方法である。セラミックス板はグリーンシートと呼ばれるセラミックス前駆体のシートを焼成することで製造されるが、焼成の際に寸法収縮が起こる。グリーンシートの寸法は焼成時の収縮を見込んで設計されているが、焼成後の寸法精度はポストファイア法に比べて悪い。このため、基体の上に後述するレンズを形成する際にレンズの成形金型とセラミックスの寸法が合わず、レンズ位置がずれる問題がある。したがって、寸法精度の高い基体を得るためには、ポストファイア法を採用することが好ましい。ポストファイア法によって導電部を形成する場合、フォトリソ技術を用いたリフトオフによる真空蒸着法やスパッタ法によって、微細なパターンを形成することも可能である。一方、コファイア法によれば、セラミックス板と導電部の密着性が向上し、また同時に焼成するため製造コストが抑えられるという利点がある。なお、導電部のうち、基体に埋め込まれた部分はコファイア法で形成した後に、上面及び/又は下面に露出する部分についてはポストファイア法のように形成してもよい。これにより、基体内部に導電部を埋め込む場合であっても、寸法精度を確保しつつ製造コストを抑えることができる。また、コファイア法によれば、打ち抜き形成されたグリーンシートを積層して焼成することにより、基体に発光素子や保護素子等を収納するためのキャビティを形成することも容易となる。
【0033】
(発光素子)
発光素子は、基体に形成された導電部に実装される。発光素子としては、発光ダイオードを用いるのが好ましい。例えば、基板上に、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等の窒化物半導体、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等、種々の半導体によって、発光層を含む積層構造が形成されたものが挙げられる。発光素子の基板としては、サファイア等の絶縁性基板や、SiC、GaN、GaAs等の導電性基板等が挙げられる。
【0034】
発光素子の基板が絶縁性である場合、後述する電着法等を用いて蛍光体層を形成するために基板の表面に導電性の被覆層16が必要になる場合がある。被覆層は、後述する反射層を形成する工程の前に除去もしくは酸化等により絶縁性にすることができ、後者の場合、同時に透光性に改質もしくは高い透光性を有する部材に改質することができるものが好ましい。好ましくは、酸化処理して酸化物にすることであり、これにより蛍光体層と良好な接着性を有する透光性の被覆層16が形成できる。この場合の被覆層16は、例えばMg、Al、Si、Zr、Zn、Pb等を用いることができ、反射層を形成する工程の前に除去もしくは絶縁性に改質されるため、発光装置には具備されない、もしくは酸化物等に改質されて具備されている。
【0035】
発光素子の基板が導電性である場合、反射層が発光素子上に形成されることを防止するため、蛍光体層を形成した後に、発光素子の上に形成された蛍光体層の上に、透光性かつ絶縁性を有する材料を用いて被覆層を形成してもよい。この場合の被覆層としては、例えばAl(1<x、1<y)、SiO(1<x)等の酸化物、ポリメタクリル酸メチルやポリイミドやシリコーン樹脂のような有機物等を用いることができる。
【0036】
発光素子の電極は、発光素子の外縁よりも内側となる位置に形成されている。発光素子の電極の形状は特に限定されず、略矩形、円形等、種々の形状を用いることができる。発光素子の電極の材質は、素子の電極として使用できるものであれば、特に限定されるものではない。
【0037】
(接合部材)
接合部材は、基体に形成された導電部上に、発光素子を接合させるための部材である。接合部材は、少なくとも発光素子の電極と導電部との間に介在するように配置される。接合部材としては、発光素子と導電部とを導通させることができる材料を用いる。例えば、Sn−Cu、Sn−Ag−Cu、Au−Sn等のハンダ材料やAu等の金属バンプ、異方性導電ペースト等を用いることができる。
【0038】
発光素子は、この接合部材によって、導電部の上に支持されるので、発光素子の半導体層の下面と基体の上面とは、接合部材の厚さと、発光素子の電極の厚さと、基体上面から露出する導電部の厚さの総和に相当する距離だけ離間して、空隙を有している。
【0039】
接合部材の厚みと発光素子の電極の厚みの総和は、1μm〜150μmであることが好ましい。150μm以上になると、後述する電着法等を用いて蛍光体層や反射層を形成する場合に上記の空隙を覆うことが難しくなる。
【0040】
(蛍光体層)
蛍光体層は、発光素子からの光を、異なる波長に変換させるものであり、発光素子からの光より短波長に変換させるものでもよいが、光取り出し効率の観点から長波長に変換させるものが好ましい。蛍光体層は、少なくとも、発光素子の上面及び側面と、基体の上面において発光素子が配置される領域の周囲に露出する導電部の表面に配置されている。発光素子の上面及び側面が蛍光体層で覆われることにより、発光素子から上方向及び横方向に出射する光を、一旦蛍光体層側に取り出すことができるため、発光素子内における光の吸収を低減することができる。
【0041】
蛍光体層は、略均一な厚みで形成されていることが好ましい。蛍光体層は、0.1μm〜100μm程度の厚みを有していることが好ましい。
【0042】
蛍光体層を形成する蛍光体としては、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体、より具体的には、Eu賦活されたα又はβサイアロン型蛍光体、各種アルカリ土類金属窒化シリケート蛍光体、Eu等のランタノイド系の元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活される、アルカリ土類金属ハロゲンアパタイト、アルカリ土類のハロシリケート、アルカリ土類金属シリケート、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン、アルカリ土類金属アルミン酸塩、アルカリ土類金属ケイ酸塩、アルカリ土類金属硫化物、アルカリ土類金属チオガレート、アルカリ土類金属窒化ケイ素、ゲルマン酸塩等の蛍光体、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される、希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩、又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される、有機又は有機錯体等の蛍光体が挙げられる。
【0043】
蛍光体の形状は、特に限定されないが、例えば、球形又はこれに類似する形状が好ましく、0.1〜100μm程度、特に1〜10μmの平均粒径を有することがより好ましい。
【0044】
(反射層)
反射層は、導電部の上に形成された蛍光体層を覆うものであり、光取り出し効率の低下を抑制する役割を担う。
【0045】
反射層を構成する反射材料は、発光素子から出射された光、または蛍光体層で波長変換された光を効率よく反射させることができる材料が好ましく、そのピーク波長において90%以上反射させることができる材料がより好ましい。また、発光素子から出射された光、または蛍光体層で波長変換された光が透過、吸収しにくい材料が好ましい。また、絶縁性の材料であることが好ましい。
【0046】
反射材料としては、光を反射し得る材料、例えば、SiO、TiO、ZrO、BaSO4、MgO等の粉末を用いることで、効率よく光を反射させることができる。これらの材料は単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
上述したように、蛍光体層は、後述する電着法等によって形成する場合、発光装置の表面に露出している(つまり、電着用の浴液と接触する)導電性の部位、例えば、発光素子の周囲に露出する導電部の表面に蛍光体粒子が付着する。これに対して、反射層は、発光素子の周囲に露出する導電部上に形成された蛍光体層を覆うように形成されている。これにより、発光素子の表面に配置された蛍光体から出射された光が、発光素子の周囲の導電部の上に設けられた蛍光体層に吸収されることにより生じる光の損失を低減することができる。また、導電部の上に形成された蛍光体層から出射される光を反射層によって遮断することができ、発光装置を点光源に近づけることができる。また、電着法等によって蛍光体層を形成する場合、半導体層の下面と基体の上面との間に設けられる空隙の部分は、蛍光体粒子で十分に覆うことができない場合がある。導電部の上に設けられた蛍光体層の上に反射層を形成することにより、この空隙の周囲を反射層で覆うことになるため、上述した空隙から発光素子の光が漏れることを防止することができる。
【0048】
反射層は、導電部上に形成された蛍光体層の全てを覆うことが好ましい。図1に示すように、導電部の上に形成された蛍光体層の外縁を覆うように反射層を形成することが好ましい。これにより、上述した効果をより効率的に発揮させることができる。
【0049】
反射層は、例えば1μm〜100μm程度の厚みを有していることが好ましい。また、特に、上述した空隙から発光素子の光が漏れることを防止するためには、反射層の上面が、発光素子の半導体層の下面よりも上に配置されるように形成することが好ましい。また、反射層の上面が、発光素子の半導体層の上面(基板との界面)よりも上に配置されるように形成することにより、発光層を含む半導体層の側面から出射される比較的強い光を反射層で遮断することができ、色ムラを低減することができる。
【0050】
また、反射層は、前記発光素子の上面よりも下に配置されていることが好ましい。これにより、発光素子の側面方向に出射する光を反射層で遮断することなく、外部に取り出すことができる。また、反射層の上面が、発光素子の発光層よりも下に配置されるように形成することにより、発光層の側面から出射される比較的強い光を蛍光体層を介して外部へ取り出すことができるとともに、発光素子の周囲の導電部や、その上に設けられた蛍光体層による光の吸収を低減することができる。
【0051】
(含浸層)
蛍光体層17及び/又は反射層18の剥がれを防止するために、任意に蛍光体層17及び/又は反射層18の粒子間に透光性材料を配置してもよい。さらに、蛍光体層17及び/又は反射層18の粒子間に透光性材料を含浸させて含浸層を形成することが好ましい。含浸層は、蛍光体層17及び/又は反射層18を被覆するように、これらの上にまで形成してもよい。透光性材料としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0052】
発光素子14下面と導電部12上面の間の隙間(隣接する接合部材13の間)には、透光性材料が配置されない、つまり、空隙であることが好ましい。特に、透光性材料が樹脂材料からなる場合、発光素子14下部に樹脂が充填されることで、発光装置の動作時や実装時に加わる熱応力によって樹脂が変形し、発光素子14と導電部12の接合領域における接合強度が弱まることを防止するためである。
本実施形態においては、蛍光体層17は発光素子14が載置される領域の周囲に露出する導電部の表面に配置されているため、透光性材料として樹脂を蛍光体層17に含浸させることにより、余剰の樹脂は発光素子14の外側の領域に配置される蛍光体層17に優先的に含浸される。これにより、蛍光体層17が配置されていない発光素子14の下部に空隙を確保することが容易となる。透光性材料を形成する方法としては、ディスペンス、スプレー塗布、印刷、ポッティング、キャスティング、スピンコート等を用いることができる。
【0053】
(発光装置の製造方法)
次に、本発明の第1実施形態に係る発光装置を一例として取り上げて、本発明の実施形態に係る発光装置の製造方法について説明する。
【0054】
図3は、本実施形態に係る発光装置の製造工程の一例について説明する概略断面図である。
【0055】
まず、導電部12を有する基体11を準備し、導電部12の上に、接合部材13を介して発光素子14の電極14cを接続する。図4(a)に示すように、発光素子14は、導電部12に接合部材13を介して発光素子14の電極14cが対向するように接続される。基体11の導電部12と発光素子14とを接続する工法は、接合部材13に応じて適宜選択することができるが、例えば、超音波、熱、荷重、光、フラックス等を用いて接続することができる。接合部材13としてハンダ材料を用いる場合、発光素子14の周囲に露出する導電部12は、余分なハンダ材料を逃がす効果がある。つまり、適量のハンダで接合することができるとともに、ハンダ量の過多から生じる不良を低減させ、安定した接合状態となる。
【0056】
次に、図3(b)に示すように、基体11の上に、発光素子14を覆うように蛍光体層17を形成する。蛍光体層17は、発光素子14の表面と、発光素子14を導電部12上に実装した段階において発光素子14の周囲に露出している導電部12とを含めた部位に形成する。蛍光体層17を形成する方法としては、(A)スパッタリング法、(B)蒸着法、(C)沈降法、(D)ポッティング法、(E)印刷法、(F)電着法、(G)静電塗装法等を用いることができる。これらの方法を用いることにより、それぞれの部位に蛍光体層を形成することができる。(A)、(B)及び(C)の場合、発光素子14及び基体11全体に蛍光体層をバインダーを用いずに付着させることができる。(D)及び(E)の場合、透光性部材中に分散させた蛍光体を用いることで、選択的に蛍光体を付着させることが可能である。(F)及び(G)の場合、蛍光体を付着させたい部位に導電性を持った素材を使用することで、選択的に蛍光体を付着させることができる。好ましくは、(F)及び(G)であり、これらの方法を用いることで、より均一な厚みの蛍光体層17を形成することができ、後述の反射層18を発光素子14の近傍まで覆うように形成することが可能となる。
【0057】
蛍光体層17は、例えば、蛍光体を含む溶液(電着用の浴液)中に、発光素子14を載置した基体11を配置させ、溶液中における電気泳動により、蛍光体粒子を基体11の導電部12及び発光素子14の表面に堆積させることで形成される。発光素子の表面が導電性の材料とされている場合は、発光素子自体に電圧を印加することにより、帯電された蛍光体粒子を電気泳動させて発光素子上に堆積させることができる。また、サファイアなどの絶縁性基板に半導体を積層させてなる発光素子のように、発光素子の表面が非導電性の部位を有する場合は、発光素子14の非導電性の部位に導電性を有する被覆層16を設けた後、その被覆層16に電圧を印加することにより、帯電された蛍光体粒子を電気泳動させて被覆層16を介して絶縁性基板14a上に堆積させることができる。図3(b)は、発光素子14の表面に被覆層16を形成した状態を示している。蛍光体層17は、被覆層16を介して発光素子14の表面に形成されている。なお、蛍光体層17の厚みは、蛍光体粒子の堆積条件や時間により適宜調整することができる。
【0058】
被覆層16は、反射層を形成する前に、除去もしくは絶縁性に改質させる。例えば、(1)被覆層を形成後に、電着用の浴液に被覆層の材料を選択的に溶解させる材料を含有させる、(2)蛍光体層を形成した後に被覆層を溶解液に浸漬させて溶解する、(3)蛍光体層を形成した後に、例えば酸化処理等によって絶縁性に改質する、等の方法が挙げられる。上記(1)及び(2)の場合は、塩酸や硫酸等の酸性浴液、または水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリ浴液に浸漬させることで、被覆層を溶解させる。この場合の被覆層の材料としては、Al、Zn等を用いることができる。上記(3)の場合は、絶縁性への改質に加えて、透光性に改質若しくは高い透光性を有する部材に改質させることが好ましい。この場合の被覆層の材料としては、Mg、Al、Si、Zr、Pb等が挙げられる。被覆層の厚みは、上記の処理が可能な厚みであればよく、例えば100Å〜10000Åとすることができる。
発光素子の基板が導電性である場合、反射層が発光素子上に形成されることを防止するため、蛍光体層を形成した後に、発光素子の上に形成された蛍光体層の上に、透光性かつ絶縁性を有する材料を用いて被覆層を形成してもよい。この場合の被覆層の材料としては、例えばAl(1<x、1<y)、SiO(1<x)等の酸化物、ポリメタクリル酸メチルやポリイミドやシリコーン樹脂のような有機物等を用いることができる。
【0059】
次に、図3(c)に示すように、発光素子14の周囲に反射層18を形成する。反射層18を形成する方法としては、電着法、静電塗装法等を用いることができ、これらの方法を用いることにより、緻密な反射層18を発光素子14の近傍に形成することができる。図3(c)に示すように、反射層18は、導電部12には直接接触していない。このような反射層18は、例えば、反射層18を構成する反射材料を含む溶液中に発光装置を配置させ、溶液中で帯電された反射材料を電気泳動させることで、発光素子14の周囲の導電部12の上に、蛍光体層17を介して堆積させることができる。反射層18を形成する工程の前に、発光素子14に形成した被覆層16は除去もしくは絶縁性に改質させているため、発光素子14の周囲の導電部12の上に形成された蛍光体層17の上に対して選択的に、効率よく反射層18を形成することができる。
【0060】
反射層の厚みは、堆積条件や時間により適宜調整することができるが、発光素子の側面から光を取り出すことができるように、反射層は発光素子の上面よりも下に配置されるように厚みを調整することが好ましい。
【0061】
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係る発光装置の一例を示す概略平面図である。第1実施形態に係る発光装置と重複する構成については、説明を省略する。
【0062】
本実施形態に係る発光装置10では、基体11上にツェナーダイオード等の保護素子19が配置されている。導電部12は、基体11上において、保護素子19が配置されている領域を除いて、発光素子14を配置する領域を中心とする略円形状として形成されている。蛍光体層17及び反射層18は、導電部12の露出領域の略全面を覆うように形成されている。また、反射層18は、保護素子19を覆うように形成してもよい。本実施形態の発光装置においては、基体上面における光取り出し効率を向上させることができる。
また、本実施形態の発光装置は、基体11の表面に凹部21が設けられており、保護素子19は凹部21内に配置されている。これにより、発光素子からの光が保護素子に照射されることによる配光特性への影響を抑えることができ、光取り出し効率及び配光特性の良好な発光装置とすることができる。
【0063】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る発光装置について説明する。第1実施形態に係る発光装置と重複する構成については、説明を省略する。図5は、本発明の第3実施形態に係る発光装置の一例を示す概略平面図である。図6は、図5に示す発光装置のIII−III’線における概略断面図である。
【0064】
本実施形態に係る発光装置10では、導電部12は、基体11上において、保護素子19が配置されている領域を除いて、発光素子14を配置する領域を中心とする略円形状として形成されている。また、導電部12は、発光素子14が配置される領域の周囲に、発光素子の外縁に沿う溝状の開口部12aを有し、その開口部12aには基体11の一部が露出している。発光素子14の周囲に露出する導電部12の上に設けられた蛍光体層17aと、発光素子の表面に設けられた蛍光体層17bは、開口部12a上において分離されている。
【0065】
開口部12aに露出した基体11上は、反射層18で覆うことが好ましい。電着法、静電塗装法等を用いて反射層18を形成する場合は、開口部12aに隣接する導電部12に堆積される反射層18を厚く形成することにより、開口部12aに露出した基体11の上を反射層18で覆うことができる。
【0066】
本実施の形態の発光装置においては、発光素子14から横方向に出射される光が、発光素子14の周囲に露出する導電部12の上に設けられた蛍光体層17aの方に伝播することを防止することができ、光取り出し効率を向上させることができる。
【0067】
発光素子14の側面に垂直な方向の開口部12aの幅は、発光素子14の周囲の導電部12上に設けられる蛍光体層17aと、発光素子の表面に設けられる蛍光体層17bとを開口部12a上において分離することができ、かつ、開口部12aに露出する基体11上を反射層18で覆うことができる程度の幅であればよく、例えば1μm〜500μmとすることができる。また、開口部12aを発光素子14を配置する領域の周囲からの該領域の内側にかけて設けることにより、発光素子14の実装ずれによる影響を低減することができる。
【0068】
<第4実施形態>
第4実施形態に係る発光装置について説明する。第1〜第3実施形態に係る発光装置と重複する構成については、説明を省略する。図7は、本発明の第4実施形態に係る発光装置の一例を示す概略平面図である。図8は、図9に示す発光装置のIV−IV’線における概略断面図である。
【0069】
本実施形態に係る発光装置10では、第1実施形態及び第2実施形態と同様に形成された発光装置において、発光素子の上部を覆う凸形状のレンズ22を有している。レンズ22の周縁には、平坦に形成された鍔部23がレンズ22と同一部材により形成されている。
【0070】
図7に示すように、略円形状の導電部12の外形は、平面視におけるレンズ22の外形に沿って形成されている。さらに、保護素子19が配置される領域においては、反射層18が形成されている領域の少なくとも一部が、レンズ22の領域内に位置するように形成されている。これにより、光取り出し効率を向上させ、更に配光特性の極めて良好な発光装置とすることができる。
【0071】
レンズ22を形成する際に、レンズの材料を蛍光体層17及び/又は反射層18の粒子間に含浸させてもよい。これにより、蛍光体層17や反射層18の剥がれを防止することができる。また、レンズ22を形成する前に、発光素子に形成された蛍光体層17及び/又は反射部材18の粒子間に透光性材料を含浸させて含浸層を形成してもよい。この場合、レンズ22を形成する材料を、含浸層の材料と同一にすることにより、熱膨張、熱収縮による界面破壊を防止することができるため、好ましい。レンズ22を形成する前に、含浸層を形成しておくことにより、レンズ22を形成する材料が発光素子14下部に侵入することを防止することができる。
なお、第1〜第3実施形態においても、レンズを形成してもよい。
【実施例】
【0072】
以下、本発明に係る実施例について詳述する。
【0073】
(実施例1)
図9は、実施例1に係る発光装置を示す概略断面図である。この発光装置は、導電部12を有する基体11、接合部材13、発光素子14、蛍光体層17、反射層18を備えている。
基体11としては、アルミナセラミックスを用い、導電部12としては、Auを用いている。基体11には導電部12の一部が埋められている。その導電部12が基体11の裏面まで露出していることで、発光素子14と外部電源とを電気的に接続する端子として機能する。
【0074】
発光素子14は、接合部材13としてAuバンプを用いて導電部12に接続されている。発光素子14としては、絶縁性のサファイアからなる基板14aの上に半導体層14bを形成したものを用いる。導電性を有する被覆層16は、Znを用い、発光素子14の基板14a及び半導体層14bを覆うように形成する。蛍光体層17は、例えばYAG系の蛍光体粒子(平均粒径は8μm)を用い、被覆層16の表面、発光素子14の半導体層14bの表面、及び発光素子14の周囲の導電部12上に付着させる。
【0075】
蛍光体粒子は電着法により形成するため、被覆層16上に略均一な厚みで付着させることができる。
【0076】
反射層18は、SiOの粒子(平均粒径は0.2μm)を電着法により付着させて形成する。このとき、反射層18を形成する前にZnを硫酸で溶解させ、被覆層16を除去することで、発光素子14上に形成された蛍光体層17上には反射層18が形成されず、導電部12上に形成された蛍光体層17上にのみ反射層18が形成される。
【0077】
本実施例によれば、発光ムラが少なく、光の取り出し効率が良好な発光装置を得ることができる。
【0078】
(実施例2)
図1は、実施例2に係る発光装置を示す概略断面図である。実施例2は、実施例1と比べて、被覆層16としてAlを用い、蛍光体層17を形成した後に、被覆層16を絶縁性に改質し、反射層18としてTiO(平均粒径は0.3μm)を用いる点が異なる。本実施例においては、反射層18を形成する前に、例えば水蒸気雰囲気で加熱する等の方法により、被覆層16を酸化させて絶縁性に改質する。これにより、発光素子14上に被覆層16を介して形成された蛍光体層17上には反射層が形成されず、導電部12上に形成された蛍光体層17上にのみ反射層18が形成される。
本実施例においても、発光ムラが少なく、光の取り出し効率が良好な発光装置を得ることができる。
【0079】
(実施例3)
実施例3は、実施例1と比べて、接合部材13としてSn−Ag−Cuを用い、被覆層16としてMgを用いる点が異なる。また、蛍光体層17の蛍光体粒子の平均粒径は5μmであり、蛍光体層17は静電塗装法により形成する。また、反射層18としてBaSO(平均粒径は0.5μm)を用いる。その他の点は実施例1と同様である。
本実施例においても、発光ムラが少なく、光の取り出し効率が良好な発光装置を得ることができる。
【0080】
(実施例4)
実施例4は、発光素子14の基板14aとして導電性のSiCを用い、導電性を有する被覆層16を形成しない。反射層18としてZnO(平均粒径は0.5μm)を用いる。また、本実施例においては、蛍光体層17を形成した後に、発光素子14の上に形成した蛍光体層17にポリメタクリル酸メチルをポッティング法により含浸させることにより、導電性の基板14aの表面を覆う絶縁性の被覆層を形成した後、反射層18を形成する。その他の点は実施例1と同様である。
本実施例においても、発光ムラが少なく、光の取り出し効率が良好な発光装置を得ることができる。
【0081】
(実施例5)
実施例5は、実施例4と比べて、接合部材13としてAu−Snを用い、蛍光体層17の蛍光体粒子の平均粒径を5μmとし、蛍光体層17を静電塗装法により形成する点が異なる。
本実施例においても、発光ムラが少なく、光の取り出し効率が良好な発光装置を得ることができる。
【0082】
(比較例)
比較例として図10に示すように、反射層18を形成しない点以外は実施例1と同様の構造の発光装置を形成する。
【0083】
各実施例と比較例より得られる発光装置の出力の関係を表1に示す。
【0084】
【表1】

【0085】
表中の相対出力は、基準となる比較例の発光装置の出力を100%としたときの、各実施例の発光装置の出力の相対値である。出力は、実施例及び比較例と同様の発光装置を各70個作製して、それぞれの出力を測定し、その平均値をとることによって得る。表1に示すように、いずれの実施例においても、比較例に比べて出力が向上する。また、各実施例の発光装置は均一な発光を得ることができる。
【0086】
(実施例6)
図7は、実施例6に係る発光装置を示す概略断面図である。この発光装置は、導電部12を有する基体11、接合部材13、発光素子14、被覆層16、蛍光体層17、反射層18、保護素子19、レンズ22を備えている。
基体11、接合部材13、発光素子14、被覆層16、蛍光体層17、反射層18は、実施例1〜5のいずれかと同様の構成を採ることができる。
導電部12は、基体11上において、保護素子19が配置されている領域を除いて、発光素子14を配置する領域を中心とする略円形状として形成する。導電部12としては、下側からTiを0.1μm、Cuを20μm、Niを1μm、Auを1μmの厚みで積層させたものを用いる。このように、熱伝導性が良好なCu等の材料を広い範囲にわたって厚膜で形成することにより、放熱性を高めることができる。
【0087】
実施例6においては、蛍光体層17及び反射層18を形成した後に、蛍光体層17の粒子間に透光性材料を含浸させて含浸層を形成する。透光性材料としては、シリコーン樹脂を用いる。
その後、レンズ22を圧縮成形により形成する。レンズ22としてはシリコーン樹脂を用いる。
本実施例によれば、発光素子下部に樹脂が充填されることを防止することができるため、発光素子と導電部の接合領域における接合強度を確保することができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の発光装置は、光吸収を低減し、高出力化が可能な発光装置とすることができ、各種表示装置、照明器具、ディスプレイ、液晶ディスプレイのバックライト光源、さらには、ファクシミリ、コピー機、スキャナ等における画像読取装置、プロジェクタ装置など、広範囲の用途に利用することができる。
【符号の説明】
【0089】
10 発光装置
11 基体
12 導電部
13 接合部材
14 発光素子
14a 基板
14b 半導体層
14c 電極
16 被覆層
17 蛍光体層
18 反射層
19 保護素子
21 凹部
22 レンズ
23 鍔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電部を有する基体と、
下面側に電極が配置され、該電極が前記基体の導電部の上に配置される発光素子と、
前記発光素子の表面と、前記発光素子が配置される領域の周囲の前記導電部の表面とを覆う蛍光体層と、
前記発光素子の周囲の前記導電部の上に形成された前記蛍光体層を覆う反射層と、
を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記反射層は、前記発光素子の上面よりも下に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記反射層は、前記導電部の上に形成された前記蛍光体層の外縁を覆うことを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記導電部は、前記発光素子が配置される領域の周囲に開口部を有し、該開口部に前記基体が露出しており、
前記発光素子の周囲の前記導電部の上に形成された前記蛍光体層と、前記発光素子の表面に形成された前記蛍光体層は、前記開口部の上において分離されており、
前記開口部に露出した基板上が前記反射膜で覆われていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記反射層の上面が、前記発光素子の半導体層の下面よりも上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記反射層の上面が、前記発光素子の発光層よりも下に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記反射層の上面が、前記発光素子の半導体層の上面よりも上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記反射層は、前記導電部上に形成された前記蛍光体層の全てを覆うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項9】
導電部を有する基体に発光素子の電極を接続する工程と、
前記発光素子を覆う蛍光体層を形成する工程と、
前記発光素子の周囲に反射層を形成する工程と、
を具備することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記蛍光体層を形成する工程において、前記発光素子の表面及び該発光素子の周囲の導電部の表面に、前記蛍光体層を形成し、
前記反射層を形成する工程において、前記発光素子の周囲の導電部の上に形成された前記蛍光体層の上に、前記反射層を形成することを特徴とする請求項9に記載の発光装置の製造方法。
【請求項11】
前記蛍光体層は、電着法又は静電塗装により形成されることを特徴とする請求項9又は10に記載の発光装置の製造方法。
【請求項12】
前記反射層は、電着法又は静電塗装により形成されることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項13】
前記蛍光体層を形成する工程の前に、前記発光素子の表面に、導電性を有する被覆層を形成する工程を有し、
前記蛍光体層を、前記被覆層の表面及び前記発光素子の周囲の前記導電部の表面に形成し、
前記蛍光体層を形成する工程の後に、前記被覆層を絶縁性に改質する改質工程を有し、
前記反射層を、前記発光素子の周囲の前記導電部の上に形成された前記蛍光体層の上に形成することを特徴とする請求項12に記載の発光装置の製造方法。
【請求項14】
前記反射層は、前記発光素子の上面よりも下に配置されることを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項15】
前記反射層は、前記導電部の上に形成された前記蛍光体層の外縁を覆うように形成することを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項16】
前記導電部は、前記発光素子が配置される領域の周囲に開口部を有し、該開口部に前記基体が露出しており、
前記発光素子の周囲の前記導電部の上に形成された前記蛍光体層と、前記発光素子の表面に形成された前記蛍光体層は、前記開口部の上において分離され、
前記開口部に露出した基板上を覆うように前記反射膜を形成することを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項17】
前記反射層の上面が、前記発光素子の半導体層の下面よりも上に配置されることを特徴とする請求項9乃至16のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項18】
前記反射層の上面が、前記発光素子の発光層よりも下に配置されることを特徴とする請求項9乃至17のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項19】
前記反射層の上面が、前記発光素子の半導体層の上面よりも上に配置されることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項20】
前記反射層は、前記導電部上に形成された前記蛍光体層の全てを覆うように形成することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−256848(P2012−256848A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−64081(P2012−64081)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】