説明

発泡絶縁体を有する同軸ケーブル

本発明は、(a)内部導体と、(b)外部導体と、(c)内部導体を取り囲む発泡絶縁体とを含む同軸ケーブルに関する。この発泡絶縁体は、発泡性ポリマーと、発泡剤と、粒子状非ハロゲン化非複素環式ポリオレフィン系核剤とを含む絶縁組成物から製造される。本発明は、発泡絶縁体を製造するための方法及び組成物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は同軸ケーブルに関する。特に、本発明は、同軸ケーブルに有用な発泡絶縁体(foamed insulation)、並びに発泡絶縁体を製造するための方法及び組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
同軸ケーブルは、通信産業において広範囲にわたって使用されている。同軸ケーブルは一般に、内部導体(inner conductor)、外部導体(outer conductor)、及び発泡絶縁層を含む。他の構成要素としては、絶縁体と隣接する内部スキン及び外部スキン、並びに同軸ケーブルの外側の周囲でシースを形成するジャケットを挙げることができる。
【0003】
発泡絶縁層を調製するための組成物は一般に、低極性発泡性有機ポリマー、発泡(又は膨張)剤、及び核剤を含む。この組成物が、内部導体の上に押し出されて発泡絶縁層を形成する。この絶縁層は発泡すると、その誘電率(DC)が低下する。
【0004】
発泡剤(foaming agent)としては、化学発泡剤及び物理発泡剤が挙げられる。これらの発泡剤は個別に使用したり、組み合わせて使用したりすることができる。
【0005】
化学発泡剤の例は、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチ−ロニトリル(AIBN)、N,N’−ジニトロソペンタ−メチレンテトラミン(DPT)、p−トルエンスルホニルヒドラジド(p-toluenesulfonylhydrazid)(TSH)、4,4’−オキシビス−ベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、重炭酸ナトリウム、及び炭酸アンモニウムである。例えば、押出温度においてOBSH及びADCAは分解する。発泡剤の分解によって、均一な発泡が起こる。
【0006】
残念ながら、化学発泡剤、例えばOBSH及びADCAの分解によって、水及び他の分解生成物が生成し、それによって絶縁フォーム層の電気的性質が低下する。
【0007】
物理発泡剤としては、ガス、例えば窒素、二酸化炭素、塩素化フルオロカーボン、フレオン、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、及びラドンが挙げられる。残念ながら、ガスでは、均一な発泡が得られない場合があり、そのため大きなセルサイズ及び不十分なセルサイズ分布が得られることがある。また、塩素化フルオロカーボンガスは、環境に対して有害となる場合がある。
【0008】
核剤としては、珪藻土、シリカ、窒化ホウ素、ZnO2、及びMgOなどの材料が挙げられる。これらの核剤は、発泡ポリマーのセル構造を向上させるために使用される。しかし、窒化ホウ素は、許容できる電気的性質が得られるが、その使用には費用がかかりすぎることがある。
【0009】
化学発泡剤(chemical blowing agent)、例えばADCAは、核剤として使用されている。物理発泡の場合、これらの核剤の分解が回避されるような低温で組成物を加工する必要がある。このような温度要求では、同軸ケーブルの製造速度が限定されることがある。
【0010】
フッ素樹脂粉末も核剤として使用されている。例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PvdF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、及びクロロトリフルオロエチレン−エチレンコポリマー(ECTFE)が挙げられる。これらのフッ素樹脂粉末は高価であり、得られる電気的性質が限定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
高周波数において低信号損失を有する同軸ケーブルの提供が望まれている。特に、低散逸率(dissipation factor)及び低誘電率を有する同軸ケーブル絶縁体の提供が望まれている。発泡絶縁層を調製するための組成物であって、商業用途においてその組成物が有用となるのに十分な高膨張率(expansion rate)を有する組成物の提供がさらに望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、(a)内部導体と、(b)外部導体と、(c)内部導体を取り囲む発泡絶縁体とを含む同軸ケーブルに関する。この発泡絶縁体は、発泡性ポリマー(foamable polymer)と、発泡剤と、粒子状非ハロゲン化非複素環式ポリオレフィン系核剤とを含む絶縁組成物(insulation composition)から調製される。
【0013】
粒子状非ハロゲン化非複素環式ポリオレフィン系核剤は、少なくとも約70%の膨張率で発泡性ポリマーを発泡させるのに有効な粒度及び表面張力を有する。好ましくは、この核剤は、発泡性ポリオレフィンの融点よりも少なくとも約15℃高い融点も有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
第1の実施形態において、本発明は、(a)内部導体と、(b)外部導体と、(c)内部導体を取り囲む発泡絶縁体とを含む同軸ケーブルに関する。特に、この発泡絶縁体は、(i)発泡性ポリマーと、(ii)発泡剤と、(iii)粒子状非ハロゲン化非複素環式ポリオレフィン系核剤とを含む絶縁組成物から調製される。
【0015】
内部導体及び外部導体は、通信信号の伝送に好適なあらゆる導電性材料から作製することができる。一般に使用される導体としては銅及びアルミニウムで製造された導体が挙げられる。
【0016】
本発明における使用に好適な発泡性ポリマーの例としては、ポリオレフィン、熱可塑性樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー、ポリアミド、ポリアセタール、熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリ(アミドイミド)、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルスルホン)、及びポリ(エーテルケトン)が挙げられる。
【0017】
好適なポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブテンが挙げられる。
【0018】
好適な熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、及びエチレン−エチルアクリレートコポリマーが挙げられる。
【0019】
好適なゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンコポリマーゴム、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマーゴム、スチレン−ブタジエンコポリマーゴム、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマーゴム、エチレン−ビニルアセテートコポリマーゴム、エチレン−エチルアクリレートコポリマーゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリン(epichlorohydrine)ゴム、シリコーンゴム、及びフルオロゴムが挙げられる。
【0020】
好適な熱可塑性エラストマーとしては、スチレン熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン熱可塑性エラストマー、ポリ(ビニルクロライド)熱可塑性エラストマー、ポリウレタン熱可塑性エラストマー、及びポリエステル熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0021】
好適なスチレン熱可塑性エラストマーとしては、ABAトリブロックエラストマー、及び(AB)nX型放射状ブロックエラストマーが挙げられる。好適なポリオレフィン熱可塑性エラストマーとしては、ブレンド型TPO、部分架橋ブレンド型TPO、及び完全架橋ブレンド型TPOが挙げられる。好適なポリ(ビニルクロライド)熱可塑性エラストマーとしては、ニトリルゴムとブレンドされたエラストマー、及び部分架橋ニトリルゴムとブレンドされたエラストマーが挙げられる。好適なポリウレタン熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル−ポリウレタンエラストマー、及びポリエーテル−ポリウレタンエラストマーが挙げられる。好適なポリエステル熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル−ポリエーテルエラストマー、及びポリエステル−ポリエステルエラストマーが挙げられる。
【0022】
一般にこれらのポリマーは、ほぼ球形又は円柱形で長さ又は直径が1〜3ミリメートルの、加熱され押出成形されたペレットの形態で供給されている。これらのペレットは、その分野で一般に使用されている一般的な結合剤、酸化防止剤、又はその他の添加剤を含む場合がある。
【0023】
発泡剤は、その押出温度、発泡条件、及び発泡方法に適しているべきである。発泡剤は物理発泡剤の場合もあるし、化学発泡剤の場合もある。押出成形と同時に発泡絶縁体を発泡させる場合、物理発泡剤が使用されることが好ましい。
【0024】
本発明とともに使用すると好適な物理発泡剤の例としては、非反応性ガス及び不活性ガスが挙げられる。このようなガスとしては、窒素、フレオン、二酸化炭素、炭化水素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、及びラドンが挙げられる。好適な炭化水素としては、非ハロゲン化炭化水素、例えばメタン、プロパン、ブタン、及びペンタン、並びにハロゲン化炭化水素、例えばジクロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、モノクロロジフルオロメタン、トリクロロモノフルオロメタン、モノクロロペンタフルオロエタン、及びトリクロロトリフルオロエタンが挙げられる。
【0025】
本発明とともに使用すると有用な化学発泡剤としては、分解してガスを発生する発泡剤が挙げられる。
【0026】
発泡剤の量は、一般に、100重量部の発泡性ポリマーに対して0.001〜0.1重量部の量で絶縁組成物に加えられる。好ましくは、発泡剤は、100重量部の発泡性ポリマーに対して0.005〜0.05重量部の量で加えられる。
【0027】
発泡剤は発泡性ポリマーと、絶縁組成物の押出成形の前、又は押出成形と同時に混合することができる。
【0028】
本発明の粒子状非ハロゲン化非複素環式ポリオレフィン系核剤は、加工温度又は発泡温度において分解せず、発泡工程において化学的に不活性である。
【0029】
本発明の核剤は、発泡性ポリマーの発泡に対して有効な粒度を有する。一般に、本発明の核剤は、0.1〜100μmの平均粒度を有し、(2)50%以上の数の粒子が0.1〜0.5μmの範囲の粒度を有する。
【0030】
一般に、核剤は約30ダイン/cm未満の表面張力を有する。好ましくは、その表面張力は約20ダイン/cm未満である。
【0031】
溶融した発泡性ポリマー中に分散させると、粒度及び表面張力が小さいために、核剤は気泡の核形成部位を効果的に提供し、そのため発泡性ポリマーは、少なくとも約70%の膨張率を有することになる。好ましくは、膨張率は約80%を超える。
【0032】
少なくとも約70%の膨張率を実現するために、核剤は一般に、絶縁組成物の全重量を基準にして0.01〜1.0重量%の量で使用される。好ましくは、核剤は0.02〜0.2重量%の量で使用される。
【0033】
核剤は、少なくとも130℃の示差走査熱量測定(DSC)融点も有する。好ましくは、核剤のDSC融点は130℃〜240℃の範囲である。
【0034】
好ましくは、核剤の融点は、発泡性ポリマーの融点よりも少なくとも15℃高い。より好ましくは、核剤の融点は、発泡性ポリマーの融点よりも少なくとも25℃高い。
【0035】
本明細書において使用される場合、ハロゲンは、周期表により、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、及びアスタチンを含むとして定義される。この定義に基づき、本明細書において使用される場合、「非ハロゲン化」とは、核剤が、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、及びアスタチンを、微量を超える量で含まないことを意味する。
【0036】
本明細書において使用される場合、「非複素環式」とは、核剤が、複素環式化学構造を、微量を超える量で含まないことを意味する。
【0037】
重要な一態様において、本発明の核剤は、アルキル側鎖が3個を超える炭素原子、一般に3〜12個の炭素原子を有するアルキル側鎖を有し、好ましくはアルキル側鎖が3個を超える炭素原子を有する非線状アルキル側鎖を有するポリオレフィンである。別の重要な一態様においては、核剤を形成するためのモノマーの末端は、その二重結合とは反対側のモノマー末端における前末端炭素がアルキル置換を有するようになっている。別の態様において、オレフィンモノマー上のアルキル置換は、1〜4個の炭素を有する低級アルキルである。
【0038】
本発明の核剤の例としては、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリ4−メチルヘキセン−1、ポリ5−メチルヘキセン−1、ポリ4−メチルヘプテン−1、ポリ5−メチルヘプテン−1、ポリ6−メチルヘプテン−1、7炭素よりも長い類似のモノアルキル置換線状アルケニルモノマーのポリマー、5個以上の炭素原子の多アルキル置換線状アルケニルモノマーのポリマー、置換基領域が少なくとも1炭素の長さであるモノアルキル置換又は多アルキル置換線状アルケニルモノマーのポリマー、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、線状アルケニルモノマーのアルキル側鎖が1〜12個の炭素原子を有する。
【0039】
本発明の別の実施形態においては、発泡絶縁体の製造方法を提供する。発泡性ポリマーを核剤とブレンドし、ガス又はガス発生発泡剤とともに押し出すことで、発泡絶縁体が得られる。より具体的には、従来方法によって、発泡剤の存在下、高い圧力からより低い圧力の下でブレンドを押し出すことによって、発泡を優先的に発生させることができる。
【0040】
本発明の別の実施形態においては、低散逸率及び低誘電率を有する発泡絶縁層を含む同軸ケーブルを提供する。また、好ましくは、発泡絶縁層を製造するために使用される溶融ブレンドは、アゾジカルボンアミド又はポリテトラフルオロエチレンを使用して調製される類似の溶融ブレンドにおいて実現される散逸率よりも低い散逸率を有する。また、好ましくは、発泡絶縁層を製造するために使用される溶融ブレンドは、アゾジカルボンアミド又はポリテトラフルオロエチレンを使用して調製される類似の溶融ブレンドにおいて実現される誘電率以下の誘電率を有する。
【実施例】
【0041】
以下の実施例は、添付の請求項によって規定される本発明の範囲の例であって、その範囲を限定するものではない。
【0042】
(実施例1及び比較例2及び3)
1.8g/10分(ASTM 1238、条件I)のメルトインデックス及び0.919g/cm3(ASTM D−792)の密度を有する低密度ポリエチレン(LDPE)中で約10重量%の3種類の核剤を使用して、3種類の溶融ブレンドを調製した。イルガノックス(Irganox)MD 1024(登録商標)の1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)−ヒドラジンを酸化防止剤として、上記溶融ブレンドに加えた。
【0043】
核剤のポリ4−メチルペンテン−1(ポリ4−MP−1)を使用する場合、これはTPX 820Mとして三井化学(Mitsui Chemical)より入手した。核剤のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用する場合、これはゾニール(Zonyl)MF−1400としてデュポン(DuPont)より入手した。核剤のアゾジカルボンアミド(ADCA)を使用する場合、これはセロゲン(Celogen)AZ 130としてクロンプトン・コーポレーション(Crompton Corporation)より入手した。
【0044】
1MHzにおいて、当初ブーントン・ラジオ・カンパニー(Boonton Radio Company)、現在はヒューレットパッカード(Hewlett-Packard)の一部門より市販されているQメーター(Q-Meter)装置を使用して誘電特性を測定した。2.4GHzにおいて、スプリットポスト誘電共振器(split-post dielectric resonator)を使用して誘電特性を測定した。
【0045】
表Iはこれらの試験の結果を示している。
【表1】

【0046】
(実施例4及び5並びに比較例6〜8)
キャパシタンス安定性、膨張率、及び表面品質に関して、実施例4及び5並びに比較例6〜8の評価を行った。
【0047】
それぞれの評価材料は、(1)ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)より市販され、8g/10分のメルトインデックス、0.965g/cm3の密度、及び135〜138℃の間の融点を有するDGDA−6944 NT高密度ポリエチレン;(2)ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーより市販され、1.8g/10分のメルトインデックス、0.919g/cm3の密度、及び110℃の融点を有するDFDA−1253 NT低密度ポリエチレン;及び(3)イルガノックスMD 1024(商標)の1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)−ヒドラジンを使用して調製した。これら3つの評価材料は、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーより市販され、2.1g/10分のメルトインデックス、0.919g/cm3の密度、及び110℃の融点を有する成分のDYNH−1低密度ポリエチレンも含む。
【0048】
核剤のポリ4−メチルペンテン−1(ポリ4−MP−1)を使用する場合、これはTPX 820Mとして三井化学より入手した。核剤のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用する場合、これはゾニールMF−1400としてデュポンより入手した。核剤のアゾジカルボンアミド(ADCA)を使用する場合、これはセロゲンAZ 130としてクロンプトン・コーポレーションより入手した。
【0049】
表IIは、例示する組成物の調製に使用した処方、及び各組成物について得られた結果を示している。これらの配合物は、窒素を物理発泡剤として使用して、RG−11同軸ケーブル絶縁体として押し出した。RG−11同軸ケーブルは、低密度ポリエチレン(LDPE)又は線状低密度ポリエチレン(LLDPE)ポリマーでプレコートされた14AWGワイヤを含む(プレコート層の肉厚は0.001〜0.003インチである)。絶縁体の直径のばらつきは0.013インチであった。
【0050】
0.280インチの目標外径で、主要なロイル(Royle)押出機からプレコートされたワイヤ上に絶縁層を押し出す。各組成物は、30インチのエアギャップで加工した。
【0051】
表III及びIVは、試験試料の作製のための加工条件を示している。
【0052】
本発明により作製した絶縁体のセル構造は、絶縁体全体にわたって規則的なクローズドセルを有した。ポリ4−メチルペンテン−1核剤では、わずかに大きいセル(127μm〜360μm対64μm〜191μm)が得られたが、この核剤で、所望の膨張レベルで平滑な外面を有するように絶縁体を発泡させることができた。
【表2】

【表3】

【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)内部導体と、
(b)外部導体と、
(c)前記内部導体を取り囲む発泡絶縁体であって、
(i)発泡性ポリマーと、
(ii)発泡剤と、
(iii)発泡性ポリオレフィンポリマーを少なくとも約70%の膨張率で発泡させるのに有効な粒度及び表面張力を有する粒子状非ハロゲン化非複素環式ポリオレフィン系核剤と、
を含む絶縁組成物から調製される発泡絶縁体と、
を含む、同軸ケーブル。
【請求項2】
前記核剤が、約80%を超える膨張率を得るのに有効となる、請求項1に記載の同軸ケーブル。
【請求項3】
前記核剤が0.1μm〜100μmの範囲の平均粒度を有する、請求項1に記載の同軸ケーブル。
【請求項4】
前記核剤が約30ダイン/cm未満の表面張力を有する、請求項1に記載の同軸ケーブル。
【請求項5】
前記核剤が、前記絶縁組成物の重量を基準にして0.01〜1.0重量%の量で加えられる、請求項1に記載の同軸ケーブル。
【請求項6】
前記核剤が130℃〜240℃の間の範囲の融点を有する、請求項1に記載の同軸ケーブル。
【請求項7】
前記核剤が、前記発泡性ポリマーの融点よりも少なくとも15℃高い融点を有する、請求項1に記載の同軸ケーブル。
【請求項8】
前記核剤が、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリ4−メチルヘキセン−1、ポリ5−メチルヘキセン−1、ポリ4−メチルヘプテン−1、ポリ5−メチルヘプテン−1、ポリ6−メチルヘプテン−1、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の同軸ケーブル。
【請求項9】
(a)発泡性ポリマーと、
(b)発泡剤と、
(c)発泡性ポリオレフィンポリマーを少なくとも約70%の膨張率で発泡させるのに有効な粒度及び表面張力を有する粒子状非ハロゲン化非複素環式ポリオレフィン系核剤と、
を含む、絶縁組成物。
【請求項10】
前記核剤が、約80%を超える膨張率を得るのに有効となる、請求項9に記載の絶縁組成物。
【請求項11】
前記核剤が0.1μm〜100μmの範囲の平均粒度を有する、請求項9に記載の絶縁組成物。
【請求項12】
前記核剤が約30ダイン/cm未満の表面張力を有する、請求項9に記載の絶縁組成物。
【請求項13】
前記核剤が、前記絶縁組成物の重量を基準にして0.01〜1.0重量%の量で加えられる、請求項9に記載の絶縁組成物。
【請求項14】
前記核剤が130℃〜240℃の間の範囲の融点を有する、請求項9に記載の絶縁組成物。
【請求項15】
前記核剤が、前記発泡性ポリマーの融点よりも少なくとも15℃高い融点を有する、請求項9に記載の絶縁組成物。
【請求項16】
前記核剤が、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリ4−メチルヘキセン−1、ポリ5−メチルヘキセン−1、ポリ4−メチルヘプテン−1、ポリ5−メチルヘプテン−1、ポリ6−メチルヘプテン−1、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項9に記載の絶縁組成物。

【公表番号】特表2008−500702(P2008−500702A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515220(P2007−515220)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/018017
【国際公開番号】WO2005/119703
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】