説明

発電プラント運用装置及び方法

【課題】蒸気消費設備に蒸気を送気する際の発電プラント全体の効率を高めることである。
【解決手段】複数の発電ユニット11の蒸気消費設備への蒸気取り出し位置より後段の蒸気タービン15、16の効率をタービン効率算出部32で算出し、判定部33はタービン効率算出部32で算出された各発電ユニット11の蒸気タービンの効率を比較して蒸気タービンの効率が最も悪い発電ユニットを判定し、出力部34は判定部33で蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニットを蒸気送気用の発電ユニットとして報知出力する。これにより、蒸気タービンの効率が最も悪い発電ユニットから蒸気消費設備に蒸気を送気する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気タービンを1軸で連結した複数の発電ユニットのうちのいずれかの発電ユニットから蒸気消費設備に蒸気を送気するようにした発電プラントを運用する発電プラント運用装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コンバインドサイクル発電プラントは複数のユニットで構成され、各ユニットはそれぞれガスタービンと蒸気タービンとを有し、1台の発電機に接続される1軸型の構成になっている。このようなコンバインドサイクル発電プラントでは、ガスタービンや蒸気タービンのような回転機器の駆動軸(回転体)のトルクを検出するための光学的なトルク計測装置を設け、ガスタービンや蒸気タービンの出力を把握し熱効率の管理を行っているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、複数の発電ユニットのいずれかの発電ユニットから、近隣の蒸気消費設備に対して蒸気の送気を行う場合がある。その際、蒸気送気用の発電ユニットの選定は運転員の判断により行うようにしている。一方、蒸気タービンを有した火力自家発電プラントにおいても、発電に使用されて低圧となった蒸気を蒸気消費設備である製紙工程で使用するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−22564号公報
【特許文献2】特開平11−294112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、発電ユニットにおける蒸気タービンは発電ユニットによって多少の効率の相違があるので、蒸気送気用の発電ユニットの選定を運転員の判断に任せていると、効率の良い蒸気タービンから蒸気消費設備に蒸気を送気することが発生し、全体としての効率が低下することがある。すなわち、効率の比較的良い蒸気タービンからは蒸気の送気を行わず蒸気を発電だけに用い、比較的効率の悪い蒸気タービンから蒸気を蒸気消費設備に送気した方が発電プラント全体としてはとして効率が良くなる。
【0005】
ここで、蒸気タービンの効率を把握するには、その蒸気タービンの入口圧力、入口温度、出口圧力、出口温度が必要となるが、蒸気タービンによっては出口圧力や出口温度を検出していないのでタービン効率を把握することができないものがある。例えば、1軸形コンバインドサイクル発電プラントにおける中圧タービンにおいては出口圧力や出口温度を検出していないのでタービン効率を把握することができない。また、低圧タービンにおいては入口圧力や入口温度を検出していないのでタービン効率を把握することができない。
【0006】
そして、低圧タービンの出口は湿り蒸気となるために、その温度、圧力を計測したとしても出口エンタルピーを計算することができないため、蒸気タービン効率を算出することができない。
【0007】
本発明の目的は、蒸気消費設備に蒸気を送気する際の発電プラント全体の効率を高めることができる発電プラント運用装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明に係わる発電プラント運用装置は、蒸気タービンを1軸で連結した複数の発電ユニットのうちのいずれかの発電ユニットから蒸気消費設備に蒸気を送気するようにした発電プラントを運用する発電プラント運用装置において、複数の発電ユニットの前記蒸気消費設備への蒸気取り出し位置より後段の蒸気タービンの効率を算出するタービン効率算出部と、前記タービン効率算出部で算出された各発電ユニットの蒸気タービンの効率を比較し蒸気タービンの効率が最も悪い発電ユニットを判定する判定部と、前記判定部で蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニットを蒸気送気用の発電ユニットとして報知出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明に係わる発電プラント運用装置は、蒸気タービンを1軸で連結した複数の発電ユニットのうちのいずれかの発電ユニットから蒸気消費設備に蒸気を送気するようにした発電プラントを運用する発電プラント運用装置において、複数の発電ユニットの前記蒸気消費設備への蒸気取り出し位置より後段の蒸気タービンの効率を算出するタービン効率算出部と、前記タービン効率算出部で算出された各発電ユニットの蒸気タービンの効率を比較し蒸気タービンの効率が最も悪い発電ユニットを判定する判定部と、前記判定部で蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニットから前記蒸気消費設備に蒸気を送気する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明に係わる発電プラント運用方法は、蒸気タービンを1軸で連結した複数の発電ユニットのうちのいずれかの発電ユニットから蒸気消費設備に蒸気を送気するようにした発電プラントを運用する発電プラント運用方法において、複数の発電ユニットの前記蒸気消費設備への蒸気取り出し位置より後段の蒸気タービンの効率を算出し、算出された各発電ユニットの蒸気タービンの効率を比較して蒸気タービンの効率が最も悪い発電ユニットを判定し、前記判定部で蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニットから前記蒸気消費設備に蒸気を送気することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニットを蒸気送気用の発電ユニットとし、蒸気タービンの効率が良い発電ユニットは発電だけを行い、蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニットは発電と蒸気の送気を行うので、発電プラント全体としての発電電力が増加する。これにより、蒸気の送気及び発電電力を出力するにあたり発電プラントの燃料削減が可能となり、蒸気消費設備に蒸気を送気する際の発電プラント全体の効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる発電プラントの運用装置の構成図である。図1では、3個の発電ユニット11a、11b、11cを備えた3軸のコンバインドサイクル発電プラントを示しているが、2軸または3軸以上であってもよい。
【0013】
各々の発電ユニット11a、11b、11cは、ガスタービン12a、12b、12c、空気圧縮機13a、13b、13c、高圧タービン14a、14b、14c、中圧タービン15a、15b、15c、低圧タービン16a、16b、16c、発電機17a、17b、17cが1軸で連結されており、空気圧縮機13a、13b、13cと高圧タービン14a、14b、14cとの間には、トルク計測装置18a、18b、18cが設けられている。
【0014】
トルク計測装置18a、18b、18cは、例えば、軸方向の異なる位置に1対の反射体を設け、両反射体にレーザ光を照射して両反射体からの反射光を検出し、反射光の周期的な強弱に基づいて回転体の回転周期を求め、両反射体からの反射光の遅れ時間に基づいて、ガスタービン12a、12b、12cのトルクを検出するものである。このガスタービン12a、12b、12cのトルクに基づいてガスタービン12a、12b、12cの出力WGTを得ることになる。
【0015】
ガスタービン12a、12b、12cは、燃焼器19a、19b、19cでの燃料と空気との燃焼ガスで駆動され、ガスタービン12a、12b、12cで仕事を終えた排ガスは排熱回収ボイラ20a、20b、20cに導かれる。排熱回収ボイラ20a、20b、20cでは、排ガスの熱量で蒸気を発生し、ここで発生した蒸気は、高圧タービン14a、14b、14c、中圧タービン15a、15b、15c、低圧タービン16a、16b、16cにそれぞれ導かれて、これらで仕事を終えた蒸気は復水器21a、21b、21cに導かれて凝縮して水となり、再び排熱回収ボイラ20a、20b、20cに供給される。
【0016】
高圧タービン14a、14b、14cの入口には、蒸気圧力を検出する圧力検出器22a、22b、22c、蒸気温度を検出する温度検出器23a、23b、23c、蒸気流量を検出する流量検出器24a、24b、24cが設けられ、同様に、高圧タービン14a、14b、14cの出口すなわち中圧タービン15a、15b、15cの入口にも、蒸気圧力を検出する圧力検出器25a、25b、25c、蒸気温度を検出する温度検出器26a、26b、26c、蒸気流量を検出する流量検出器27a、27b、27cが設けられている。また、復水器21a、21b、21cの内部には圧力検出器28a、28b、28cが設けられ、発電機17a、17b、17cには出力検出器29a、29b、29cが設けられている。
【0017】
そして、高圧タービン14a、14b、14cの出口すなわち中圧タービン15a、15b、15cの入口に蒸気消費設備への蒸気取り出し位置が設けられ、送気弁30a、30b、30cを介して蒸気消費設備に蒸気が送気されるようになっている。
【0018】
発電プラント運用装置31は、各々の発電ユニット11a、11b、11cの検出器で検出されたプロセス量x1i、x2i、x3iを入力し、蒸気タービンの効率が最も悪い発電ユニットを蒸気送気用の発電ユニットとして報知出力するものである。すなわち、発電プラント運用装置31は、各々の発電ユニット11a、11b、11cの蒸気消費設備への蒸気取り出し位置より後段の蒸気タービン(中圧タービン15a、15b、15c及び低圧タービン16a、16b、16c)の効率(総合効率)を算出するタービン効率算出部32a、32b、32cを有し、判定部33は、これらタービン効率算出部32a、32b、32cで算出されたタービン効率を比較してタービン効率が最も悪い発電ユニットを判定する。
【0019】
そして、出力部34は、判定部33で蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニットを蒸気送気用の発電ユニットとして報知出力する。出力部34は、例えば表示装置や印字装置などである。これにより、運転員は出力部34の報知出力に基づいて、蒸気タービンの効率が最も悪い発電ユニットの送気弁30a、30b、30cを開き、蒸気消費設備に蒸気を送気することになる。
【0020】
次に、タービン効率算出部32a、32b、32cでのタービン効率の算出の仕方について説明する。タービン効率算出部32a、32b、32cでのタービン効率の算出の仕方は同一であるので、タービン効率算出部32aについて説明する。
【0021】
まず、発電ユニット11aにおいて、蒸気消費設備への蒸気取り出し位置より後段の蒸気タービンは、中圧タービン15a及び低圧タービン16aであるので、タービン効率算出部32aは、中圧タービン15a及び低圧タービン16aを一つの蒸気タービンとしてこれらの総合効率を求めることになる。
【0022】
タービン効率算出部32aには、発電ユニット11aのプロセス量x1iとして、圧力検出器22aで検出された高圧タービン14aの入口蒸気圧力、温度検出器23aで検出された高圧タービン14aの入口蒸気温度、流量検出器24aで検出された高圧タービン14aの入口蒸気流量、圧力検出器25aで検出された中圧タービン15aの入口蒸気圧力、温度検出器26aで検出された中圧タービン15aの入口蒸気温度、流量検出器27aで検出された中圧タービン15aの入口蒸気流量、圧力検出器28aで検出された復水器21aの内部圧力が入力される。
【0023】
ここで、タービンの内部効率ηは(1)式で示される。hinはタービン入口のエンタルピー、houtはタービン出口のエンタルピー、hadは断熱変化時のタービン出口のエンタルピーである。
【0024】
η=(hin−hout)/(hin−had) …(1)
図2は、タービン入口圧力Pin及びタービン出口圧力Poutをパラメータとしたときのエンタルピーhとエントロピーsとの特性図である。F1(Pin)はタービン入口圧力特性曲線、F2(Pout)はタービン入口圧力特性曲線であり、予め計算で求められている。
【0025】
いま、タービン入口のエンタルピーがhinでありタービン出口のエンタルピーがhoutであるとする。このときの断熱変化時のタービン出口のエンタルピーhadは、図2に示すように、タービン入口のエントロピーとタービン出口のエントロピーとがs1で同一あるときのタービン出口のエンタルピーとなる。
【0026】
hinはタービン入口蒸気圧力及びタービン入口蒸気温度から計算可能であり、houtはタービン出口蒸気圧力及びタービン出口蒸気温度から計算可能であり、hadはタービン入口蒸気圧力、タービン入口蒸気温度、タービン出口蒸気圧力特性曲線F2(Pout)から計算可能である。従って、タービン入口蒸気圧力及びタービン入口蒸気温度、タービン出口蒸気圧力及びタービン出口蒸気温度が分かれば、そのタービンの内部効率ηは計算で求めることができる。
【0027】
しかし、蒸気消費設備への蒸気取り出し位置より後段の蒸気タービンである中圧タービン15a及び低圧タービン16aは、一つの蒸気タービンとして取り扱う場合に、タービン入口蒸気圧力やタービン入口蒸気温度は、圧力検出器25aや温度検出器26aで検出可能であるが、タービン出口蒸気圧力及びタービン出口蒸気温度は検出器がないので検出することができない。
【0028】
そこで、本発明の実施の形態では、中圧タービン15a及び低圧タービン16aの総合出力を求め、その出力から解析して中圧タービン15a及び低圧タービン16aの効率を決定する。蒸気タービンの出力Wは(2)式で示される。Qは蒸気タービン入口の蒸気流量である。
【0029】
W=Q(hin−hout) …(2)
いま、発電ユニット11aの出力をWG、ガスタービン12aの出力をWGT、高圧タービン14aの出力をWHPT、中圧タービン15a及び低圧タービン16aの総合出力をWPTとする。そうすると、(3)式が成立する。
【0030】
WG=WGT+WHPT+WPT …(3)
発電ユニット11aの出力WGは出力検出器29aで検出され、ガスタービン12aの出力WGTはトルク計測装置18aで計測できる。高圧タービン14aの出力WHPTは、(2)式から計算で求めることができる。これは、高圧タービン14aについては、タービン入口蒸気圧力は圧力検出器22aで、タービン入口蒸気温度は温度検出器23aで、タービン出口蒸気圧力は圧力検出器25aで、タービン出口蒸気温度は温度検出器26aで、高圧タービン入口の蒸気流量Qは流量検出器24aでそれぞれ検出できるからである。
【0031】
すなわち、圧力検出器22aで検出したタービン入口蒸気圧力及び温度検出器23aで検出したタービン入口蒸気温度により、高圧タービン入口のエントロピーhinを計算でき、圧力検出器25aで検出したタービン出口蒸気圧力及び温度検出器26aで検出したタービン出口蒸気温度により、高圧タービン出口のエントロピーhoutを計算できるので、(hin−hout)が求まり、また、流量検出器24aで高圧タービン入口の蒸気流量Qを検出できるからである。
【0032】
従って、(3)式から中圧タービン15a及び低圧タービン16aの総合出力WPTを求めることができる。そして、(2)式に、中圧タービン15a及び低圧タービン16aの総合出力WPT、流量検出器27aで検出された中圧タービン15aへの蒸気流量Qを代入して、中圧タービン15a及び低圧タービン16aの(hin−hout)を求める。
【0033】
一方、中圧タービン15aの入口のエントロピーhinは、圧力検出器25aで検出された中圧タービン入口蒸気圧力及び温度検出器26aで検出された中圧タービン入口蒸気温度から計算して求め、断熱変化時の低圧タービン出口のエンタルピーhadは、中圧タービン入口蒸気圧力、中圧タービン入口蒸気温度、低圧タービン出口蒸気圧力特性曲線F2(Pout)から計算して求める。そして、これらを(1)式に代入して中圧タービン15a及び低圧タービン16aのタービン内部効率ηaを算出する。同様に、タービン効率算出部32b、32cも中圧タービン15b、15c及び低圧タービン16b、16cのタービン内部効率ηb、ηcをそれぞれ算出する。
【0034】
タービン効率算出部32a、32b、32cで算出された各発電ユニット11a、11b、11cのタービン内部効率ηa、ηb、ηcは判定部33に入力され、タービン効率ηが最も悪い発電ユニット11が判定される。そして、出力部34は判定部33でタービン効率ηが最も悪いと判定された発電ユニット11を蒸気送気用の発電ユニット11として報知出力する。これにより、運転員はタービン効率ηが最も悪い発電ユニット11の送気弁30を開き、蒸気消費設備に蒸気を送気することになる。
【0035】
第1の実施の形態によれば、低圧タービン17a、17b、17cの出口に、新たに圧力検出器、温度検出器、流量検出器を設けなくても、中圧タービン16a、16b、16c及び低圧タービン17a、17b、17cを一つの蒸気タービンとしてみた場合のタービン効率を求めることができる。そして、タービン効率が最も悪いと判定された発電ユニットを蒸気送気用の発電ユニットとして出力するので、運転員は容易に蒸気送気用の発電ユニットを選択することができる。そして、運転員がその発電ユニットを蒸気送気用の発電ユニットとして選択したときは、蒸気タービンの効率が良い発電ユニットは発電だけを行い、蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニットは発電と蒸気の送気を行うので、発電プラント全体としての発電電力が増加する。これにより、蒸気の送気及び発電電力を出力するにあたり発電プラントの燃料削減が可能となり、蒸気消費設備に蒸気を送気する際の発電プラント全体の効率を高めることができる。
【0036】
図3は本発明の第2の実施の形態に係わる発電プラントの運用装置の構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、蒸気送気用の発電ユニットとして報知出力する出力部34に代えて、判定部33で蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニット11から蒸気消費設備に蒸気を自動的に送気する制御部35を設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0037】
制御部35は、判定部33で蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニット11の送気弁30の駆動機構を操作して送気弁30を開き、その発電ユニット11から蒸気消費設備に蒸気を送気する。第2の実施の形態によれば、自動で蒸気タービンの効率が最も悪い発電ユニットから蒸気消費設備に蒸気を送気することができるので、運転員の操作を軽減できる。
【0038】
以上述べた第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、コンバインドサイクル発電プラントの場合について説明したが、複数台の蒸気タービンを一軸で連結したタンデム形の発電プラントについても適用できる。例えば、高圧タービン、中圧タービン、2台の低圧タービンを有したタンデム形の発電プラントの中圧タービンからそれぞれ2台の低圧タービンに蒸気を供給している場合に、中圧タービンといずれの低圧タービンとの組合せが効率がよいかを判定し、効率の悪い方から蒸気消費設備に蒸気を送気するようにする。
【0039】
また、高圧タービンと中圧タービンとを連結したプライマリ軸と、2台の低圧タービンを有したセカンダリ軸とを有したクロスコンパインド形の発電プラントについても適用できる。この場合も、中圧タービンといずれの低圧タービンとの組合せが効率がよいかを判定し、効率の悪い方から蒸気消費設備に蒸気を送気するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる発電プラントの運用装置の構成図。
【図2】タービン入口圧力及びタービン出口圧力をパラメータとしたときのエンタルピーとエントロピーとの特性図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係わる発電プラントの運用装置の構成図。
【符号の説明】
【0041】
11…発電ユニット、12…ガスタービン、13…空気圧縮機、14…高圧タービン、15…中圧タービン、16…低圧タービン、17…発電機、18…トルク計測装置、19…燃焼器、20…排熱回収ボイラ、21…復水器、22…圧力検出器、23…温度検出器、24…流量検出器、25…圧力検出器、26…温度検出器、27…流量検出器、28…圧力検出器、29…出力検出器、30…送気弁、31…発電プラント運用装置、32…タービン効率算出部、33…判定部、34…出力部、35…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気タービンを1軸で連結した複数の発電ユニットのうちのいずれかの発電ユニットから蒸気消費設備に蒸気を送気するようにした発電プラントを運用する発電プラント運用装置において、複数の発電ユニットの前記蒸気消費設備への蒸気取り出し位置より後段の蒸気タービンの効率を算出するタービン効率算出部と、前記タービン効率算出部で算出された各発電ユニットの蒸気タービンの効率を比較し蒸気タービンの効率が最も悪い発電ユニットを判定する判定部と、前記判定部で蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニットを蒸気送気用の発電ユニットとして報知出力する出力部とを備えたことを特徴とする発電プラント運用装置。
【請求項2】
蒸気タービンを1軸で連結した複数の発電ユニットのうちのいずれかの発電ユニットから蒸気消費設備に蒸気を送気するようにした発電プラントを運用する発電プラント運用装置において、複数の発電ユニットの前記蒸気消費設備への蒸気取り出し位置より後段の蒸気タービンの効率を算出するタービン効率算出部と、前記タービン効率算出部で算出された各発電ユニットの蒸気タービンの効率を比較し蒸気タービンの効率が最も悪い発電ユニットを判定する判定部と、前記判定部で蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニットから前記蒸気消費設備に蒸気を送気する制御部とを備えたことを特徴とする発電プラント運用装置。
【請求項3】
蒸気タービンを1軸で連結した複数の発電ユニットのうちのいずれかの発電ユニットから蒸気消費設備に蒸気を送気するようにした発電プラントを運用する発電プラント運用方法において、複数の発電ユニットの前記蒸気消費設備への蒸気取り出し位置より後段の蒸気タービンの効率を算出し、算出された各発電ユニットの蒸気タービンの効率を比較して蒸気タービンの効率が最も悪い発電ユニットを判定し、前記判定部で蒸気タービンの効率が最も悪いと判定された発電ユニットから前記蒸気消費設備に蒸気を送気することを特徴とする発電プラント運用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−239685(P2007−239685A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65613(P2006−65613)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】