説明

発電機モータ

【課題】発電機モータを分解する際に、固定側からロータ側部材が脱落してしまうことを防止することが可能な発電機モータを提供する。
【解決手段】発電機モータでは、軸方向における油圧ポンプ側において着脱されるフランジ16と、フランジ16を取り外した際に軸方向におけるエンジン側に固定された固定側部材(第1・第2ハウジング、ステータ等)と、フランジ16を取り外した状態において固定側部材に対して軸方向における油圧ポンプ側に移動可能なロータ側部材50と、フランジ16のロータ側部材50に対する軸方向における相対移動を規制する係止部材30と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ハイブリッド型の油圧ショベル等に搭載される発電機モータに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エンジンと油圧ポンプとの間に発電機モータを搭載した、いわゆるハイブリッド型の建設機械が開発されている。
【0003】
このようなハイブリッド型の建設機械に搭載された発電機モータは、エンジンの出力軸と油圧ポンプの入力軸とに接続されており、エンジンの駆動力によって発電を行う。そして、発電機モータでの発電により生じた電気エネルギーはキャパシタなどの蓄電装置に蓄えられ、建設機械が大きなエンジン出力を要する場合等に、蓄えられた電気エネルギーによって発電機モータが駆動されて、エンジンの出力を補助する。
【0004】
例えば、特許文献1には、エンジンの出力軸と油圧ポンプの入力軸とをスプライン結合させる連結軸部の両端部におけるスプライン結合部に対して、十分な潤滑油の供給を行う発電機モータ(パワーユニット)について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−71905号公報(平成21年4月2日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の発電機モータでは、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された発電機モータでは、メンテナンスや故障時等に発電機モータを分解する必要が生じた場合には、通常、油圧ポンプ側から部品を取り外していく必要がある。このため、発電機モータを分解する際には、油圧ポンプを取り外した後、まず、油圧ポンプ側に配置されたフランジ部を取り外すことになる。
【0007】
このとき、フランジ部は、軸受け部においてロータ側部材と軽く嵌合した状態にあるものの、ロータ側部材には固定されていないため、軸方向に移動させることで単独で取り外しが可能である。しかし、固定側(エンジン側)に残されたロータ側部材は、フランジ部によって軸方向における移動を外側から規制されている。さらに、ロータ側部材は、固定側部材であるステータ等に対して回転可能な状態で発電機モータのハウジング内に収納されているため、ステータ等の固定側部材との間で軸方向の移動を規制するものはない。
【0008】
以上のことから、従来の発電機モータの構成では、分解時において、フランジ部を取り外してしまうと、固定側に残されたロータ側部材が軸方向に移動可能な状態となっているため、不意に固定側から脱落して、ロータ側部材の部品を破損してしまうおそれがある。
【0009】
具体的には、フランジ部を軸方向に移動させた場合には、フランジの軸受け部における摩擦力とエンジン側のスプライン係合部における摩擦力との大小関係によって、ロータ側部材がフランジ部側とともに移動するか、固定側に残されるかが決まる。例えば、エンジン側のスプライン係合部における摩擦力の方が大きい場合には、ロータ側部材は、固定側に残されてしまう。一方、フランジ部の軸受け部における摩擦力の方が大きい場合には、ロータ側部材は、フランジ部とともに取り外される。つまり、発電機モータの分解時には、フランジを取り外す際に、ロータ側部材を一体として取り外せるか、固定側に残すことになるのかは、内部の摩擦力の大小関係によって左右されてしまう。
【0010】
本発明の課題は、発電機モータを分解する際に、固定側からロータ側部材が脱落してしまうことを防止することが可能な発電機モータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明に係る発電機モータは、フランジ部と、固定側部材と、ロータ側部材と、係止部材と、を備えている。フランジ部は、軸方向における第1端部側において着脱される。固定側部材は、軸方向における第1端部とは反対側の第2端部側に固定されている。ロータ側部材は、フランジ部を取り外した状態において、固定側部材に対して軸方向における第1端部側に移動可能である。係止部材は、フランジ部のロータ側部材に対する軸方向における相対移動を規制する。
【0012】
ここでは、フランジ部が配置された第1端部側から分解される発電機モータにおいて、フランジ部を取り外す際に、ロータ側部材が固定側部材から脱落してしまうことを防止するために、フランジ部のロータ側部材に対する軸方向における移動を規制してフランジ部とロータ側部材とを一体的に移動させる係止部材を設けている。
【0013】
ここで、固定側部材とロータ側部材とは、互いに相対回転可能な関係にあるため、互いに接合されておらず、軸方向外側からの押さえがなければ容易に離間する関係にある。また、上記フランジ部とは、発電機モータを分解する際に、自由端となる第1端部側において最初に取り外される部材であって、発電機モータのロータ側部材等をハウジング内に保持するための蓋として機能する。よって、このフランジ部を取り外した状態では、ロータ側部材は固定側部材に対して係止するものがなく、フランジ部を取り外してしまうと、固定側部材からロータ側部材が落下してしまうおそれがある。
【0014】
本発明の発電機モータでは、フランジ部のロータ側部材に対する軸方向における相対移動を規制して両者を一体的に移動させるための係止部材を設けている。
【0015】
これにより、自由端側となる第1端部側においてフランジ部を取り外した場合でも、ロータ側部材もフランジ部と一緒に取り外すことができる。よって、フランジ部だけが取り外されて、ロータ側部材が固定側部材に対して軸方向に自由に移動可能な状態になることを回避できる。この結果、発電機モータの分解時において、固定側からのロータ側部材の脱落を確実に防止することができる。
【0016】
なお、上記係止部材は、フランジ部側に設けられていてもよいし、ロータ側部材側に設けられていてもよい。
【0017】
第2の発明に係る発電機モータは、第1の発明に係る発電機モータであって、係止部材は、フランジ部に設けられている。
【0018】
ここでは、フランジ部とロータ側部材とを軸方向において一体化する係止部材を、フランジ部側に設けている。
【0019】
これにより、発電機モータを分解する際にフランジ部を取り外した場合でも、フランジ部に設けられた係止部材を、ロータ側部材の一部に引っ掛けることで、フランジ部とロータ側部材とを一体化した状態で、第1端部側において取り外すことができる。
【0020】
第3の発明に係る発電機モータは、第1または第2の発明に係る発電機モータであって、係止部は、ロータ側部材に含まれる回転軸の外周面の近傍に設けられている。
【0021】
ここでは、フランジ部とロータ側部材との軸方向における相対移動を規制する係止部材を、ロータ側部材の回転中心となる回転軸の外周面近傍に設けている。
【0022】
これにより、例えば、回転軸の外周面に形成された段差部分や溝等に係止部材の一部を引っ掛けるように配置することで、フランジ部のロータ側部材に対する軸方向における相対移動を容易に規制することができる。
【0023】
第4の発明に係る発電機モータは、第1から第3の発明のいずれか1つに係る発電機モータであって、係止部材は、回動軸を中心に回動可能であって、係止部材の回動により、固定側部材とロータ側部材との軸方向において一体化する係止状態と、一体化を解除した非係止状態とが切り換えられる。
【0024】
ここでは、フランジ部とロータ側部材との一体化を解除する際には、回動軸を中心に係止部材を回動させる。
【0025】
これにより、発電機モータを分解する際に、互いに一体化した状態で固定側部材から取り外したフランジ部とロータ側部材とを、係止部材を回動させるだけで、容易に分離することができる。
【0026】
第5の発明に係る発電機モータは、第4の発明に係る発電機モータであって、係止部材の回動範囲を規制する規制溝部を、さらに備えている。
【0027】
ここでは、回動可能な係止部材の回動範囲を、規制溝部によって規制している。
ここで、上記規制溝部は、例えば、フランジ部の第1端部側の面に設けられていることが好ましい。
【0028】
これにより、係止部材の一部が規制溝部の一方の端面に当接した状態において、ロータ側部材が固定側部材に対して係止された第1状態とし、規制溝部の反対側の端面に当接した状態において、ロータ側部材が固定側部材に対して開放された第2状態とすることができる。よって、係止部材を規制溝部の範囲内において回動させるだけで、上記第1状態と第2状態とを容易に切り換えることができる。
【0029】
第6の発明に係る発電機モータは、第1から第5の発明のいずれか1つに係る発電機モータであって、係止部材は、略L字状の部材である。
【0030】
ここでは、係止部材として、略L字型の部材を用いている。
これにより、略L字型の係止部材の端部をロータ側部材側に形成された段差や溝等に引っ掛けるだけで、フランジ部とロータ側部材とを容易に一体化させることができる。
【0031】
第7の発明に係る発電機モータは、第1から第6の発明のいずれか1つに係る発電機モータであって、係止部材は、回転するロータ側部材との間に所定の隙間を有している。
これにより、係止部材によってロータ側部材の回転が妨げられることはない。
【0032】
第8の発明に係る発電機モータは、第1から第7の発明のいずれか1つに係る発電機モータであって、固定側部材は、隣接するエンジン側に固定された第1ハウジングと、第1ハウジングに接合される第2ハウジングと、第1・第2ハウジング内の空間に設けられるステータと、を含む。
【0033】
ここでは、発電機モータの分解時において、フランジ部とロータ側部材とを取り除いた後、発電機モータの外角を構成する第1・第2ハウジングと、第1・第2ハウジング内の空間に設けられるステータとを含む固定側部材が残される。
【0034】
これにより、発電機モータの分解時においてフランジ部を取り外した際には、ロータ側部材だけをフランジ部と一体化して取り外すことができる。
【0035】
第9の発明に係る発電機モータは、第1から第8の発明のいずれか1つに係る発電機モータであって、ロータ側部材は、回転軸と、回転軸を中心に回転するロータと、を含む。
【0036】
ここでは、発電機モータの分解時において、フランジ部と一体化した状態で取り外されるロータ側部材には、回転軸とロータとが含まれる。
【0037】
これにより、固定側部材にステータ等を残した状態で、回転軸やロータ等だけを容易に取り外すことができる。
【0038】
第10の発明に係る発電機モータは、第1から第9の発明のいずれか1つに係る発電機モータであって、建設機械に搭載されたエンジンと油圧ポンプとの間に配置されており、固定側部材は、エンジンに対して固定されている。
【0039】
ここでは、油圧ショベル等の建設機械においてエンジンと油圧ポンプとの間に搭載された発電機モータにおいて、発電機モータを分解する際に第2端部側に残される固定側部材は、エンジンに対して固定されている。
【0040】
これにより、ハイブリッド型の建設機械等に搭載された発電機モータとして、分解時におけるロータ側部材の脱落の問題を確実に回避することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明に係る発電機モータによれば、発電機モータの分解時において、固定側からのロータ側部材の脱落を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係る発電機モータが搭載されたハイブリッド型エンジン周辺の構成を示す斜視図。
【図2】図1のハイブリッド型エンジンに搭載された発電機モータの構成を示す断面図。
【図3】図2の発電機モータの構成を示す分解斜視図。
【図4】図2の発電機モータを分解した際にフランジと一体化した状態で取り外されるロータ側部材の構成を示す分解斜視図。
【図5】図4のロータ側部材と係止部材との関係を示す斜視図。
【図6】図5の部分拡大図。
【図7】(a)は、フランジ部をエンジン側から見た斜視図。(b)は、その部分拡大図。
【図8】本発明の他の実施形態に係る発電機モータに含まれるロータ側部材の構成を示す断面図。
【図9】本発明のさらに他の実施形態に係る発電機モータに含まれるロータ側部材の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の一実施形態に係る発電機モータ1について、図1〜図7(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
【0044】
なお、以下の説明において、軸方向、径方向、周方向とは、発電機モータ1に組み込まれた状態でのそれぞれの方向を意味している。具体的には、軸方向とは、発電機モータ1のロータ14の回転軸19の軸方向(図2における左右方向)を意味している。径方向とは、回転軸19を中心とする円の半径方向を意味している。周方向とは、回転軸19を中心とする円の円周方向を意味している。
【0045】
[発電機モータ1の構成]
本実施形態に係る発電機モータ1は、図1に示すように、エンジン2、冷却ファン3、油圧ポンプ4およびマフラー5等を備えたハイブリッド型の油圧ショベル(建設機械)に搭載されており、エンジン2と、油圧ポンプ4との間に配置されている。ハイブリッド型の油圧ショベルは、走行体と、走行体に旋回可能に設けられた旋回体とを備えている。旋回体は、作業機、キャブ、カウンタウエイト、エンジンルームを備えている。旋回体は、発電機モータ1あるいはキャパシタからの電気エネルギーにより動作する旋回電動モータにて駆動される。旋回電動モータは、旋回体の減速時に回生により発電し、発電で得られた電気エネルギーは、キャパシタに蓄電される。
【0046】
また、発電機モータ1は、エンジン2の出力軸、油圧ポンプ4の入力軸に対して、回転軸19(図2参照)が直接的、あるいは間接的に接続されており、エンジン2の出力軸の回転駆動力によって発電を行う。発電機モータ1は、インバータを介してキャパシタに接続されている。エンジン2の回転数が増加していく(油圧ショベルが加速していく)場合など、発電機モータ1は、必要に応じて、キャパシタに蓄えられた電気エネルギーによって電動機として使用され、エンジン2の回転をアシストする。また、エンジン2がアイドリング状態にある場合には、発電機モータ1はエンジン2の回転駆動力を受けて発電し、発電によって生じた電気エネルギーはキャパシタに蓄えられる。
【0047】
発電機モータ1は、3相12極のSR(switched reluctance)モータであって、図2および図3に示すように、ステータ10と、第1ハウジング11と、フライホイール12と、カップリング13と、ロータ14と、第2ハウジング15と、フランジ(フランジ部)16と、回転軸19と、を備えている。
【0048】
ステータ10は、図3に示すように、発電機モータ1の外郭を構成する第1・第2ハウジング11,15内に形成される空間内に設けられている。そして、ステータ10は、図2に示すように、円環状のステータコア20やインシュレータ21、コイル23等によって構成されている。
【0049】
ステータコア20は、円環状のヨーク部分と、周方向に沿って配置されヨーク部から径方向内側に向かって等角度間隔で突出するステータティースの部分とを含む複数の鋼板を積層して構成されている。なお、本実施形態では、3相12極のSRモータを構成するため、合計36本の突起を含むステータコア20が用いられている。
【0050】
複数の突起には、それぞれにインシュレータ21が装着された後、コイル23が巻回される。
【0051】
第1ハウジング11は、鋳鉄製の部材であって、図3に示すように、第2ハウジング15と接合されて、内部にステータ10やロータ14等を収納する空間を形成する。そして、この収納空間の下部には、回転軸19や軸受け部18の潤滑を促すとともに、ステータ10の発熱部(コイル23等)を冷却するための冷却油を貯留する油溜めVが形成されている。また、第1ハウジング11の下端部には、図3に示すように、図2に示す油溜めVに連通する検油管(給油管と兼用)11aが接続されている。
【0052】
ここで、第1・第2ハウジング11,15内の油溜めVに貯留される冷却油は、循環用のポンプによって循環しており、第2ハウジング15の下部に設けられた冷却装置(例えば、オイルクーラ15d(図3参照))を経由して冷却された後、再び第1・第2ハウジング11,15内の空間へと戻される。
【0053】
フライホイール12は、第1・第2ハウジング11,15内におけるエンジン2の出力軸側に設けられており、カップリング13を介してロータ14と接続され、第1・第2ハウジング11,15内において回転する。
【0054】
カップリング13は、図3に示すように、略円環状の部材であって、フライホイール12に対してボルト固定される。また、カップリング13は、内径側に形成されたスプラインが回転軸19の外径側に形成された外歯スプライン19aと噛み合っている。これにより、フライホイール12およびカップリング13は、回転軸19を中心にしてロータ14とともに回転する。ただし、回転軸19とカップリング13とは、回転方向においてはスプライン結合しているものの、軸方向においては互いに接合されておらず、第1・第2ハウジング11,15によって軸方向外側から拘束しなくては容易に離間する関係にある。
【0055】
ロータ14は、回転軸19を中心に回転する回転側の部材であって、第1・第2ハウジング11,15内の収納空間における円環状のステータ10の内周側の空間に挿入される。また、ロータ14は、外周面にロータヨーク14aが取り付けられるホルダ14bを有している。
【0056】
ロータヨーク14aは、複数の鋼板(電磁鋼板)を積層した構造体であって、図2に示すように、ホルダ14bの外周面側にボルト固定されており、円環状の本体の外周面側に、周方向において等角度間隔で設けられた複数の誘導子(図示せず)を有している。ロータヨーク14aは、エンジン2側および油圧ポンプ4側にそれぞれ設けられたアルミ製のブレード14c,14cによって挟まれるように保持されている。ブレード14c,14cの外周面には、径方向外側に開口した貫通孔が形成されている。ロータ14の回転時には、この貫通孔から径方向外側に配置されたコイル23に対して冷却油が噴射される。なお、これらのブレード14c,14cについては、ロータヨーク14aが、例えば、ホルダ14bに形成された凹部によって保持可能な場合には設けられていなくてもよい。
【0057】
ホルダ14bは、図2に示すように、中央孔部に回転軸19が挿入された状態で回転軸19の外周部分にボルト固定されている。また、ホルダ14bは、略円筒形状を有する鋼製の部材であって、内側の円筒部と外側の円筒部とを組み合わせた構造となっており、その内側の円筒部の外周面と外側の円筒部の内周面との間に軸受け部18が、外側の円筒部の外周面にロータヨーク14aがそれぞれ取り付けられている。
【0058】
回転軸19は、ロータ14の回転中心となる円筒状の部材であって軸方向における一方の端部から他方の端部まで貫通する貫通孔を有しており、エンジン2側の端部に、カップリング13の内歯と嵌合する外歯スプライン19a、油圧ポンプ4側の端部に、油圧ポンプ4側の入力軸と嵌合する内歯スプライン19bが、それぞれ形成されている。また、回転軸19は、軸方向における油圧ポンプ4側の半分が、フランジ16の内側の円筒部の内周面側に挿入された状態で固定される。さらに、回転軸19の油圧ポンプ4側における外周面には、図5等に示すように、周方向に沿って形成された係止溝19cが形成されている。なお、この係止溝19cに挿入される係止部材30については、後段にて詳述する。
【0059】
第2ハウジング15は、鋳鉄製の部材であって、図2に示すように、発電機モータ1における油圧ポンプ4側に設けられており、第1ハウジング11とともに、フライホイール12、カップリング13、ロータ14、ステータ10および回転軸19を収納するための収納空間を形成する。また、第2ハウジング15は、冷却油を冷やすためのオイルクーラ15dを有している。オイルクーラ15dの出口には、冷却油を第1・第2ハウジング11,15内の上部まで送り込むための冷却油配管15aが接続されている。さらに、第2ハウジング15の肩部分には、図3に示すように、インシュレータ21を介してステータコア20の突起に巻回されたコイル23の配線等が接続される電気ボックス17が取り付けられる。
【0060】
油溜めVに貯留された冷却油は、図示しない配管を経由して図示しないフィルタ、循環用のポンプを経由し、第2ハウジング15の下部に設けられたオイルクーラ15dの入口に供給される。オイルクーラ15dの出口に接続される冷却油配管15aは、油溜めVから吸い上げた冷却油を、第1・第2ハウジング11,15内に形成された空間の上部に供給するために、図3に示すように、第2ハウジング15の上部接続部分に接続されている。
【0061】
フランジ16は、図2に示すように、回転軸19と同軸状に配置される円盤状の部材であって、冷却油配管15aを介して第2ハウジング15の上部に送られた冷却油を所望の部分へ誘導する冷却油通路16aが内部に形成されている。フランジ16は、複数のボルトによって第2ハウジング15の油圧ポンプ4側に固定されている。フランジ16は、略円盤状の面から軸方向に突出する略円筒状の軸受け支持部16eを有している。軸受け支持部16eは、略円筒状の外周面側において、軸受け部18を支持している。また、フランジ16は、後述する係止部材30が挿入される規制溝部16b、貫通孔16cおよび中央孔16dを有している(図7(a)参照)。なお、この係止部材30によるフランジ16と回転軸19(ロータ側部材50)とを一体化する構成については、後段にて詳述する。
【0062】
冷却油通路16aは、第1・第2ハウジング11,15内の上部空間から流れてくる冷却油を、ロータ14や回転軸19と固定側の部材とが接触する軸受け部18やスプライン(係合部)等へ供給する。これにより、軸受け部18やスプライン(係合部)等には、常時、十分な量の潤滑油が供給される。また、このように冷却油通路16aを通じて移動する油は、ロータ側部材50の回転時に生じる遠心力によって径方向外側へと移動し、油圧ポンプ4側のコイル23に供給され、コイル23を冷却するための冷却油としても機能する。なお、この油は、回転軸19内部の貫通孔を通ってエンジン2側のスプライン部の潤滑、冷却を行う。その後、この油は、ロータ側部材50の回転時に生じる遠心力によって径方向外側に移動し、エンジン2側に設けられたコイル23の冷却に使用される。
【0063】
規制溝部16bは、後述する係止部材30の係止部31の回動範囲(回動角度)を規制する。
【0064】
貫通孔16cには、後述する係止部材30の回動軸32が挿入されて、ボルトおよびナット(図5参照)によって固定される。
【0065】
中央孔16dは、円盤状のフランジ16の中央に設けられており、発電機モータ1を組み立てた状態において、回転軸19の油圧ポンプ4側の端部が挿入される。
【0066】
(係止部材30)
本実施形態の発電機モータ1では、図4に示すように、フランジ16とロータ側部材50との間における軸方向における相対移動を規制するために、係止部材30を設けている。
【0067】
係止部材30は、図4に示すように、フランジ16の中央孔16dの外周部分に沿って2つ設けられており、フランジ16と回転軸19とが軸方向において相対的に移動することを規制して一体化している。そして、係止部材30は、図4に示すように、側断面視において略L字型形状を有する部材であって、係止部31と、回動軸32とを有している。
【0068】
係止部31は、回転軸19の係止溝19cに挿入される平板状の部材であって、図6に示すように、回動軸32を中心にして回動することで(図6中の2点鎖線矢印参照)、フランジ16の回転軸19に対する係止状態(図6の下方の係止部材30参照)と非係止状態(図6の上方の係止部材30参照)とを切り換える。
【0069】
回動軸32は、係止部材30の回動中心となる円柱状の部材であって、図7(b)に示すフランジ16の中央孔16dの外周部付近に形成された貫通孔16cに挿入された状態で、ボルトやナット(図6参照)によって貫通孔16cから抜けないようにフランジ16に固定される。
【0070】
ここで、発電機モータ1が組立てられた状態(使用状態)では、係止部材30が回転軸19の係止溝19c内に挿入されており、フランジ16と回転軸19とが軸方向において一体化された状態(係止状態)となっている。このとき、係止部材30は、回転軸19の係止溝19cに対して非接触状態で挿入されている。このため、係止部材30を設けたことにより、ロータ側部材50の回転に対して悪影響が及ぶことはない。なお、係止溝19cは、回転軸19のガタによってロータ側部材50が軸方向に移動した場合でも、係止部材30の一部が接触しない程度の幅を有していることが好ましい。
【0071】
<発電機モータ1の分解工程>
本実施形態の発電機モータ1は、上述した構成を備えており、メンテナンス時や故障等の際には、エンジン2側(第2端部側)に第1ハウジング11等の固定側部材が固定された状態で、車体開口部に近い側である油圧ポンプ4側(第1端部側)から部品を取り外して分解される。
【0072】
なお、本実施形態において、ロータ側部材50とは、図4に示すフランジ16を除く構成、すなわちロータ14と回転軸19等を含む構成を意味している。一方、固定側部材とは、発電機モータ1からロータ側部材50が取り外された後にエンジン2側に残される構成、すなわち第1・第2ハウジング11,15、ステータ10、フライホイール12およびカップリング13を含む構成を意味している。
【0073】
具体的には、発電機モータ1の分解時には、油圧ポンプ4を取り外した後、まず、フランジ16を固定している複数のボルトを緩めて第2ハウジング15からフランジ16を取り外す。
【0074】
このとき、本実施形態では、上述した係止部材30によって、フランジ16と回転軸19とが軸方向において一体化されている。これにより、フランジ16を取り外した場合には、図4に示すように、フランジ16とともにロータ側部材50(ロータ14、軸受け部18および回転軸19)も取り外すことができる。
【0075】
これは、図4に示すように、係止部材30の係止部31が回転軸19の外周面に形成された係止溝19cに非接触の状態で挿入された係止状態となっており、フランジ16を軸方向において油圧ポンプ4側に移動させると、係止状態にある回転軸19および回転軸19に対して固定された部材(ロータ14等)が一体化した状態で移動するからである。すなわち、係止部31は、軸方向に垂直な方向において係止溝19c内に非接触状態で挿入されている。よって、フランジ16を軸方向に移動させた場合には、フランジ16に取り付けられた係止部材30も一緒に軸方向に移動し、係止部31の先端が係止溝19cにおける油圧ポンプ4側の面に当接する。このため、フランジ16を軸方向に移動させることで、係止部材30によって回転軸19が係止溝19cの部分において引っ掛けられるようにして、一体化して移動させることができる。
【0076】
ここで、本実施形態の係止部材30が設けられていない場合には、フランジ16とともに回転軸19を軸方向に移動させた場合には、フランジ16の軸受け部18における摩擦力とエンジン2側のスプライン係合部における摩擦力との大小関係によって、ロータ側部材50がフランジ16側とともに移動するか、第1ハウジング11側に残されるかが決まる。例えば、エンジン2側のスプライン係合部における摩擦力の方が大きい場合には、ロータ側部材50は、第1ハウジング11側に残されてしまう。一方、フランジ16の軸受け部18における摩擦力の方が大きい場合には、ロータ側部材50は、フランジ16や回転軸19とともに取り外される。
【0077】
そこで、本実施形態の発電機モータ1では、分解作業時に、ロータ側部材50をフランジ16側と一体化して確実に取り外せるように、係止部材30を設けている。
【0078】
これにより、発電機モータ1の分解工程において、フランジ16を取り外した際に、第1ハウジング11等の固定側部材に対してロータ側部材50が軸方向に移動可能な状態で残されることを回避することができる。この結果、フランジ16だけを取り外した後、固定側に残されたロータ側部材50が不意に脱落してしまうことを防止して、ロータ側部材50に含まれる各部品の破損等を防止することができる。
【0079】
さらに、本実施形態では、図4に示すように、フランジ16とロータ側部材50とを一体化した状態で、エンジン2側(固定側)から取り外した後、ロータ側部材50に含まれるロータ14等のメンテナンスや修理等を行うために、フランジ16とロータ側部材50とを分離する作業を実施する。
【0080】
このとき、係止部材30は、上述したように、回動軸32を中心にして回動可能な状態でフランジ16に対して取り付けられている。このため、フランジ16とロータ側部材50との係止状態を解除する際には、回動軸32を中心にして係止部材30を回動させる。
【0081】
これにより、図6の上方に配置された係止部材30のように、係止部31を回転軸19の係止溝19cから退避させることができる。よって、フランジ16は回転軸19に対して軸方向に移動可能な状態となるため、フランジ16とロータ側部材50との係止状態を容易に解除することができる。
【0082】
また、本実施形態では、係止部材30の係止部31を、図7(b)に示すフランジ16の規制溝部16b内において回動させることで、係止部材30による係止状態と非係止状態とを切り換える。
【0083】
つまり、係止部材30の係止部31の側面が、規制溝部16bにおけるV字状の凹部の第1端面16baに当接した状態が非係止状態、V字状の凹部の第2端面16bbに当接させた状態が係止状態となるように、規制溝部16bが形成されている。
【0084】
これにより、係止部材30による係止状態と非係止状態との切り換えを確実かつ容易に実施することができる。
【0085】
<特徴>
本実施形態の発電機モータ1では、図4に示すように、軸方向における油圧ポンプ4側において着脱されるフランジ16と、フランジ16を取り外した際に軸方向におけるエンジン2側に固定された固定側部材(第1・第2ハウジング11,15、ステータ10等)と、フランジ16を取り外した状態において固定側部材に対して軸方向における油圧ポンプ4側に移動可能なロータ側部材50と、フランジ16のロータ側部材50に対する軸方向における相対移動を規制する係止部材30と、を備えている。
【0086】
これにより、発電機モータ1の分解時において、フランジ16を取り外した際に、ロータ側部材50も一体化した状態で取り外すことができる。よって、フランジ16を単体で取り外した後でロータ側部材50が固定側から脱落してしまうことはない。この結果、発電機モータ1の分解時におけるロータ側部材50の脱落を確実に防止して、ロータ側部材50に含まれる部品の破損等の発生を防止することができる。
【0087】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0088】
(A)
上記実施形態では、フランジ16を取り外した際にロータ側部材50と一体化させるための係止部材30として、回動軸32を中心として回動可能な略L字型の部材を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0089】
例えば、図8に示すように、係止部材として、フランジ116の径方向外側の外周面から径方向に沿って挿入され、回転軸119の外周面に形成された係止溝119aに達する長さを有するボルト部材130を用いてもよい。
【0090】
この場合でも、ボルト部材130の先端は、係止溝119a内において非接触状態となっている。このため、発電機モータの組立て状態におけるロータ側部材150の回転に影響を及ぼすことなく、回転軸119とフランジ116との軸方向における相対移動を規制することができる。よって、発電機モータを分解する際には、回転軸119やロータ114を含むロータ側部材150と一体化した状態でフランジ116を取り外すことで、フランジ116を取り外した後のロータ側部材150の固定側からの脱落を防止することができる。
【0091】
(B)
上記実施形態では、フランジ16を取り外した際にロータ側部材50と一体化させるための係止部材30として、回動軸32を中心として回動可能な略L字型の部材を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0092】
例えば、図9に示すように、係止部材として、フランジ216の油圧ポンプ4側の面に形成された開口部から軸方向に沿って挿入され、ロータ214に含まれるブレード218に対して先端が螺合するボルト部材230を用いてもよい。
【0093】
この場合には、フランジ216とロータ側部材250とが回転方向においても移動が規制されて一体化されてしまうことから、図9に示す状態では、発電機モータとして使用できない。よって、発電機モータの分解時に、フランジ216の油圧ポンプ側の面からボルト部材230を挿入してブレード218に固定すればよい。
【0094】
これにより、分解作業時に限って、回転軸219とフランジ216との軸方向における相対移動を規制して一体化することができる。よって、発電機モータを分解する際には、回転軸219やロータ214を含むロータ側部材250と一体化した状態でフランジ216を取り外すことで、フランジ216を取り外した後のロータ側部材250の固定側からの脱落を防止することができる。
【0095】
(C)
上記実施形態では、係止部材30がフランジ16側に設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0096】
例えば、ロータ側部材に含まれる回転軸やロータ側に係止部材が設けられており、フランジの溝や段差等に係止部を引っ掛けて、軸方向における相対移動を規制するような構成であってもよい。
【0097】
(D)
上記実施形態では、係止部材30を2つ設けた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0098】
例えば、フランジを取り外した際にロータ側部材と一体化させることができるものであれば、1つの係止部材を用いてもよいし、3つ以上の係止部材を用いてもよい。
【0099】
(E)
上記実施形態では、本発明の発電機モータ1等を、ハイブリッド型の油圧ショベルに搭載した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0100】
例えば、ハイブリッド型のホイールローダ、ブルドーザ、ダンプトラック等の他の建設機械やハイブリッド型の自動車等に搭載される発電機モータに対して、本発明を適用することもできる。
【0101】
また、上記実施形態では、エンジン2、発電機モータ1および油圧ポンプ4がこの順で直列的に配置されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0102】
例えば、PTO(パワーテイクオフ)に対して、発電機モータが直接連結された構成であってもよい。
【0103】
(F)
上記実施形態では、発電機モータ1として、SR(switched reluctance)モータを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0104】
例えば、PM(Permanent Magnet)モータ等、他の発電機モータを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明の発電機モータは、発電機モータの分解時において、固定側からのロータ側部材の脱落を確実に防止することができるという効果を奏することから、建設機械や乗用車等の各種車両に搭載される発電機モータに対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0106】
1 発電機モータ
2 エンジン
3 冷却ファン
4 油圧ポンプ
5 マフラー
10 ステータ(固定側部材)
11 第1ハウジング(固定側部材)
11a 検油管
12 フライホイール(固定側部材)
13 カップリング(固定側部材)
14 ロータ(ロータ側部材)
14a ロータヨーク
14b ホルダ
14c ブレード
15 第2ハウジング(固定側部材)
15a 冷却油配管
15d オイルクーラ
16 フランジ(フランジ部)
16a 冷却油通路
16b 規制溝部
16ba 第1端面
16bb 第2端面
16c 貫通孔
16d 中央孔
16e 軸受け支持部
17 電気ボックス
18 軸受け部
19 回転軸(ロータ側部材)
19a 外歯スプライン
19b 内歯スプライン
19c 係止溝
20 ステータコア
21 インシュレータ
23 コイル
30 係止部材
31 係止部
32 回動軸
50 ロータ側部材
114 ロータ
116 フランジ
119 回転軸
119a 係止溝
130 ボルト部材(係止部材)
150 ロータ側部材
214 ロータ
216 フランジ
218 ブレード
219 回転軸
230 ボルト部材(係止部材)
250 ロータ側部材
V 油溜め



【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向における第1端部側において着脱されるフランジ部と、
前記軸方向における前記第1端部とは反対側の第2端部側に固定された固定側部材と、
前記フランジ部を取り外した状態において、前記固定側部材に対して軸方向における前記第1端部側に移動可能なロータ側部材と、
前記フランジ部の前記ロータ側部材に対する軸方向における相対移動を規制する係止部材と、
を備えている発電機モータ。
【請求項2】
前記係止部材は、前記フランジ部に設けられている、
請求項1に記載の発電機モータ。
【請求項3】
前記係止部材は、前記ロータ側部材に含まれる回転軸の外周面の近傍に設けられている、
請求項1または2に記載の発電機モータ。
【請求項4】
前記係止部材は、回動軸を中心に回動可能であって、
前記係止部材の回動により、前記固定側部材と前記ロータ側部材との軸方向において一体化する係止状態と、前記一体化を解除した非係止状態とが切り換えられる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の発電機モータ。
【請求項5】
前記係止部材の回動範囲を規制する規制溝部を、
さらに備えている、
請求項4に記載の発電機モータ。
【請求項6】
前記係止部材は、略L字状の部材である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の発電機モータ。
【請求項7】
前記係止部材は、回転する前記ロータ側部材との間に所定の隙間を有している、
請求項1から6のいずれか1項に記載の発電機モータ。
【請求項8】
前記固定側部材は、隣接するエンジン側に固定された第1ハウジングと、前記第1ハウジングに接合される第2ハウジングと、前記第1・第2ハウジング内の空間に設けられるステータと、を含む、
請求項1から7のいずれか1項に記載の発電機モータ。
【請求項9】
前記ロータ側部材は、前記回転軸と、前記回転軸を中心に回転するロータと、を含む、
請求項1から8のいずれか1項に記載の発電機モータ。
【請求項10】
建設機械に搭載されたエンジンと油圧ポンプとの間に配置されており、
前記固定側部材は、前記エンジンに対して固定されている、
請求項1から9のいずれか1項に記載の発電機モータ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−213267(P2012−213267A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77240(P2011−77240)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】