説明

発電装置

【課題】回転効率が高い発電装置を提供する。
【解決手段】発電装置1は周面に固定軸歯車21を有する固定軸20と、それぞれ遊び歯車50a、50bを介して固定軸歯車21と接続し、固定軸20の周りを旋回する第1の遊星歯車31a及び第2の遊星歯車31bと、第1の遊星歯車31aに固定された第1の半回転翼回転軸32aと、第2の遊星歯車31bに固定された第2の半回転翼回転軸32bと、第1の半回転翼回転軸32a及び第2の半回転翼回転軸32bにそれぞれ固定された第1の半回転翼30a及び第2の半回転翼30bと、第1の半回転翼回転軸32a及び第2の半回転翼回転軸32bがそれぞれ摺動可能に接続されるとともに、固定軸20を軸にして回転する翼旋回用歯車40とを備える。更に発電装置1は翼旋回用歯車40と直接或いは間接的に噛み合って回転可能な出力歯車と60、出力歯車60の回転で発電するエネルギー変換装置70とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでの発電装置は化石燃料等を用い、電気エネルギーに変換する手法が主であった。しかし、化石燃料等の資源は有限であり、また、地球温暖化の原因となる二酸化炭素、或いは光化学スモッグや酸性雨の原因となる窒素酸化物が生じ、地球環境の悪化を招くことになる。
【0003】
このような状況の中、地球環境の保護の観点から自然エネルギー、例えば、水力や風力などの流体のエネルギーから電気エネルギーを得る手法が種々開発されている。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、複数の回転翼が回転軸の周囲に設置された風水力発電装置が開示されている。風水力を複数の回転翼が受けて、回転翼が回転軸の周りを公転する。回転翼と回転軸とは接続部材を介して接続しているため、回転軸が自転する。この回転軸の回転エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−42976号公報
【特許文献2】特開2002−242815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2では、回転軸が中心に存在するため、各回転翼の面積が小さいものになっている。装置における風や水の流れを受ける受圧面積が小さくなってしまい、回転効率に問題があるとともに、受圧面積に対して装置が大型化してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転効率が高い発電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る発電装置は、
周面に固定軸歯車を有する固定軸と、
それぞれ遊び歯車を介して前記固定軸歯車と接続し、前記固定軸の周りを旋回する第1の遊星歯車及び第2の遊星歯車と、
前記第1の遊星歯車に固定された第1の半回転翼回転軸と、
前記第2の遊星歯車に固定された第2の半回転翼回転軸と、
前記第1の半回転翼回転軸及び前記第2の半回転翼回転軸にそれぞれ固定された第1の半回転翼及び第2の半回転翼と、
前記第1の半回転翼回転軸及び前記第2の半回転翼回転軸がそれぞれ摺動可能に接続されるとともに、前記固定軸を軸にして回転する翼旋回用歯車と、
前記翼旋回用歯車と直接或いは間接的に噛み合って回転可能な出力歯車と、
前記出力歯車の回転で発電するエネルギー変換装置と、を備え、
前記第1の半回転翼及び前記第2の半回転翼はそれぞれ前記第1の半回転翼回転軸及び前記第2の半回転翼回転軸から前記第1の半回転翼回転軸及び前記第2の半回転翼回転軸に垂直な方向の端部までの長さが前記第1の半回転翼回転軸及び前記第2の半回転翼回転軸から前記固定軸までの長さよりも長く形成され、
前記第1の半回転翼及び前記第2の半回転翼が受ける流体の力で前記第1の半回転翼及び前記第2の半回転翼が自転することにより前記第1の遊星歯車及び前記第2の遊星歯車を旋回させるとともに翼旋回用歯車を回転させ、
前記翼旋回用歯車の回転により前記出力歯車を回転させて前記エネルギー変換装置により発電させる、
ことを特徴とする。
【0009】
また、前記第1の遊星歯車及び前記第2の遊星歯車のそれぞれ歯数が前記固定軸歯車の歯数の2倍であり、
前記第1の遊星歯車及び前記第2の遊星歯車がそれぞれ前記固定軸の周りを1周旋回したとき、前記第1の半回転翼及び前記第2の半回転翼はそれぞれ半回転自転することが好ましい。
【0010】
また、前記第1の半回転翼回転軸、前記第2の半回転翼回転軸、前記固定軸が同一平面上に配置されていることが好ましい。
【0011】
また、前記第1の半回転翼と前記第2の半回転翼のなす角度が直角であることが好ましい。
【0012】
また、前記第1の半回転翼及び前記第2の半回転翼は、それぞれ前記第1の半回転翼回転軸及び第2の半回転翼回転軸の軸方向の端部に、流体を導く翼端板を備えることが好ましい。
【0013】
また、流体の流れを変え前記第1の半回転翼及び前記第2の半回転翼へと導く導入部材を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る発電装置は、半回転翼の端部から半回転翼回転軸までの垂直方向の長さが半回転翼回転軸から固定軸までの長さよりも長く形成されている。発電装置の流体の受圧面積における半回転翼が占める面積の割合が高いので回転効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る発電装置の斜視図である。
【図2】図1のA−A’線でケースを切断して発電装置の内部構造を示した内部構造図である。
【図3】図1のA−A’断面図である。
【図4】図2のB−B’方向を見た場合の半回転翼、半回転翼回転軸、遊星歯車、遊び歯車及び固定軸の配置関係を示す状態図である。
【図5】(A)及び(B)は流体の作用を受けた際の半回転翼、半回転翼回転軸、遊星歯車、遊び歯車の動きを示す状態図である。
【図6】(A)及び(B)は流体の作用を受けた際の半回転翼、半回転翼回転軸、遊星歯車、遊び歯車の動きを示す状態図である。
【図7】流体の作用を受けた際の半回転翼、半回転翼回転軸、遊星歯車、遊び歯車の動きを示す状態図である。
【図8】半回転翼の外周軌跡及び半回転翼回転軸の軌跡を示す模式図である。
【図9】他の実施の形態に係る発電装置の斜視図である。
【図10】図9のC−C’断面図であり、流体の流れを説明する図である。
【図11】他の実施の形態に係る発電装置の半回転翼、半回転翼回転軸、遊星歯車、遊び歯車及び固定軸の配置関係を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施の形態に係る発電装置について、図を参照しつつ説明する。図1〜図3に示すように、発電装置1は、ケース10内に設置された、周面に固定軸歯車21を有する固定軸20と、半回転翼30a、30bがそれぞれ固定されるとともに遊星歯車31a、31bがそれぞれ固定された半回転翼回転軸32a、32bと、翼旋回用歯車40と、固定軸歯車21と遊星歯車31a、31bとをそれぞれ接続する遊び歯車50a、50bと、出力歯車60が固定された出力軸61と、エネルギー変換装置70とから構成される。発電装置1は、河川の水の流れによるエネルギー等を回収し、電気エネルギーに変換する装置である。
【0017】
ケース10は、後述の各要素が設置されるベースであり、排水路や橋脚等、流体が流れる種々の箇所に取り付けられ得る。
【0018】
ケース10は断面視で略コの字型をしており、一部に固定軸20が固定されている。ケース10の側板からケース10内方に突出した固定軸20は、ケース10の側板側に固定軸歯車21が配置され、ケース10の内側が凹凸のない摺動面である。
【0019】
半回転翼30a、30bは矩形の平板であり、その寸法はいずれも同じである。半回転翼30a、30bの中央部に、それぞれ円柱状の半回転翼回転軸32a、32bが固定されている。なお、半回転翼30a、30bの形状は矩形の平板に限定されない。
【0020】
半回転翼30aから突出した半回転翼回転軸32aの端部には、端部側から順に遊星歯車31a、翼旋回用歯車40が配置されている。半回転翼回転軸32aと遊星歯車31aとは、不図示の固定部材等で固定されている。したがって、半回転翼30a、遊星歯車31a及び半回転翼回転軸32aは一体化している。また、半回転翼回転軸32aと翼旋回用歯車40とは、翼旋回用歯車40に設けられた滑り軸受け42aを介して接続されており、半回転翼回転軸32aは翼旋回用歯車40に摺動可能に軸支されている。
【0021】
半回転翼回転軸32bも半回転翼回転軸32aと同様に、端部側から順に遊星歯車31b、翼旋回用歯車40bが配置されている。半回転翼回転軸32bと遊星歯車31bとは、不図示の固定部材等で固定されている。したがって、半回転翼30b、遊星歯車31b及び半回転翼回転軸32bは一体化している。また、半回転翼回転軸32bと翼旋回用歯車40とは、翼旋回用歯車40に設けられた滑り軸受け42bを介して接続されており、半回転翼回転軸32bは翼旋回用歯車40に摺動可能に軸支されている。
【0022】
2つの遊星歯車31a、31bは同じ構造である。遊星歯車31a、31bの歯数は固定軸20に形成された固定軸歯車21の歯数の2倍である。
【0023】
翼旋回用歯車40は、中心に円形の穴が形成された円盤状の歯車であり、その穴に固定軸20の摺動面が挿入されて配置されている。そして、翼旋回用歯車40と固定軸20とはベアリング41を介して摺動可能に配置されており、翼旋回用歯車40は、固定軸20を軸にして回転可能である。
【0024】
翼旋回用歯車40には、遊び歯車回転軸51a、51bが配置されており、遊び歯車回転軸51a、51bにはそれぞれ遊び歯車50a、50bが摺動可能に設置されている。遊び歯車50a、50bはいずれも同様の構造であり、それぞれ固定軸歯車21と遊星歯車31a、31bとを接続する。遊び歯車回転軸51a、51bと翼旋回用歯車40とは連結されその位置関係が変わらないことから、遊び歯車回転軸51a、51bは、翼旋回用歯車40の回転に同調してそれぞれ固定軸20の周りを旋回する。遊び歯車50a、50bは、アイドルギアとも呼ばれ、遊星歯車31a、31bの回転量(自転角度)を調節する機能を有する。即ち、遊星歯車31a、31bの歯数が固定軸歯車21の歯数の2倍に設定されているので、後述するように、遊星歯車31a、31bが固定軸20のまわり一周(360°)旋回した際、遊星歯車31a、31bが半回転(180°)自転するように調節する機能を有する。
【0025】
また、出力歯車60が翼旋回用歯車40と噛み合うように配置されている。出力歯車60の中心には、出力軸61が固定されている。
【0026】
そして出力軸61の端部はケース10の側板から突出し、エネルギー変換装置70に接続している。エネルギー変換装置70は、磁石、コイル等が組み合わせられて、磁力の作用により発電させる装置等である。
【0027】
図4に、図2のB−B’方向に見た半回転翼30a、30b、半回転翼回転軸32a、32b、遊星歯車31a、31b、固定軸20、固定軸歯車21、及び、遊び歯車50a、50bの配置関係を示している。このように各軸の方向から見て、半回転翼回転軸32a、32bは固定軸20を中心にして対向配置されている。言い換えれば、半回転翼回転軸32aと固定軸20と半回転翼回転軸32bは同一直線上に配置されている。このため、半回転翼30aと半回転翼30bも固定軸20を中心にして同一直線上に配置されている。更に言えば、半回転翼回転軸32aと固定軸20と半回転翼回転軸32bは同一平面上に位置している。そして、半回転翼30aと半回転翼30bのなす角度が略直角である。そして、この角度は、後述するように、動作時においても維持される。
【0028】
そして、半回転翼30a、30bは、半回転翼回転軸32a、32bから端部までの長さ(それぞれの半回転翼回転軸32a、32bから垂直な方向への半回転翼30a、30b端部までの長さ)L1が半回転翼回転軸32a、32bから固定軸20までの長さ(それぞれの半回転翼回転軸32a、32bから垂直な方向への固定軸20の中心軸までの軸間長さ)L2よりも長い。
【0029】
続いて、図5〜図7を参照して、発電装置1の作用について説明する。なお、図5〜図7では、各歯車等の公転を実線矢印で、自転を破線矢印で示している。
【0030】
まず、図5(A)の状態において、紙面上左方向へ流体の流れを受けると、主として半回転翼30aに流れの力Fが作用する。この流れの力Fを受けて半回転翼30aが図面上左方向へ押される。
【0031】
すると、図5(B)に示すように、半回転翼30aが固定されている半回転翼回転軸32aには、遊星歯車31aが固定され、また、翼旋回用歯車40が摺動可能に接続されているため、半回転翼30aは図面上時計回りに自転する。また、遊星歯車31aは遊び歯車50aを介して固定軸歯車21に接続しているため、図面上時計回りに自転しながら固定軸20の周りを旋回(公転)する。更には、翼旋回歯車40も固定軸20を支点に図面上時計回りに自転する。
【0032】
半回転翼回転軸32bも翼旋回用歯車40に同様に接続されているため、翼旋回用歯車40の自転にともなって、半回転翼30b、遊星歯車31bも上記と同様の動きをする。
【0033】
上記の回転が進むと、図6(A)、(B)に示すように、半回転翼30bが流れの上流側に位置する。そして、主として半回転翼30bに流れの力Fが作用する。そして、継続して上記と同様に回転が進行する。
【0034】
そして、図7に示すように、翼旋回用歯車40がそれぞれ半回転(180°)自転すると、図5(A)に示す状態から、二つの半回転翼30a、30bが丁度入れ替わった状態となる。半回転翼30a、30bはいずれも90°自転している。遊星歯車31a、31bの歯数が固定軸歯車21の歯数の2倍に設定されていること、そして、遊び歯車50a、50bによる遊星歯車31a、31bの自転角度が規制されることにより、上述のように半回転翼30a、30bが固定軸20を軸に半回転(180°)旋回すると、半回転翼30a、30bが90°自転する仕組みである。
【0035】
したがって、翼旋回用歯車40が一回転(360°)自転すると、半回転翼30a、30bはそれぞれ図5(A)に示した配置に戻る。このように、翼旋回用歯車40が一回転(360°)自転した場合、半回転翼30a、30bは半回転(180°)自転することになる。
【0036】
このようにして、半回転翼30a、30b、半回転翼回転軸32a、32b、遊星歯車31a、31b、翼旋回用歯車40は、流体の流れを受け続けている際は継続してそれぞれ動き続ける。
【0037】
以上のように、翼旋回用歯車40が回転するので、これらに噛み合っている出力歯車60も回転する。そして出力歯車60の回転に伴って出力軸61も回転する。
【0038】
出力軸61に接続されたエネルギー変換装置70は、出力軸61の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、発電する。
【0039】
図8に半回転翼30a、30bの外周軌跡及び半回転翼回転軸32a、32bの軌跡を模式的に示している。遊星歯車31a、31bの歯数が固定軸歯車21の歯数の2倍であるため、二つの半回転翼30a、30bは、それぞれ固定軸20の周りを一周旋回すると半回転自転すること、また、二つの半回転翼30a、30bは相互の面のなす角度が直角を維持しつつ回転することから、半回転翼回転軸32a、32bの移動に要する占有空間が小さい。また、発電装置1の三方の寸法は、いずれも半回転翼30a、30bの幅及び長さの1.5倍程度に設計することができるので、流体の受圧面積に対して小型の発電装置1を実現できる。
【0040】
また、図4に示したように、半回転翼30a、30bの端部から半回転翼回転軸32a、32bまでの垂直方向の長さL1が半回転翼回転軸32a、32bから固定軸20までの長さL2よりも長く形成されているので、発電装置1に作用する流体の受圧面積中、半回転翼30a、30bが占める面積の割合が高く、また、旋回する半回転翼回転軸32a、32bの旋回中心は理論上、半回転翼30a、30bの回転芯であるので回転効率が高い。このため、良好な発電能力を発揮する発電装置1を実現している。
【0041】
このように、発電装置1は小型で回転効率の高い特性を有するため、様々な流体の流れがある場所に設置して発電することができる。例えば、工場排水が流れる流路に設置して発電すること、暗渠や用水路などに設置して自家発電を行うこと、河川の橋脚や岸壁等に設置して発電させ、近辺に設置されている街路灯に電力を供給することが可能である。
【0042】
また、水等の液体の流れがある箇所への設置のほか、気体等の流れがある箇所に発電装置1を設置してもよい。例えば、工場の排気ダクトや廃蒸気が噴出している箇所等が挙げられる。
【0043】
また、発電装置1は小型に設定できるため、設置の態様についても自由度が高いという利点がある。このため、発電装置1を流体の流れがある箇所に複数設置することも容易である。複数の発電装置1を流体の流れのある幅の細い流路等に設置する場合では、多数の発電装置1を流体の流れ方向に直列に設置することができる。また、幅の広い流路等に設置する場合では、流れを横切るように設置してもよい。
【0044】
更には、半回転翼回転軸32a、32bが水平になるように発電装置1を設置してもよく、或いは、半回転翼回転軸32a、32bが垂直になるよう設置して用いてもよい。
【0045】
特に、河川等では、各歯車等が上方を向くように発電装置1を設置することで、各歯車等を河川の水に浸漬させずに設置することもできる。したがって、各歯車への注油等、発電装置1のメンテナンスを容易に行い得る。
【0046】
また、図9に示すように、半回転翼30a、30bは、半回転翼回転軸32a、32bに直交する端部が湾曲した形状であってもよい。半回転翼30a、30bが水等の流体の力を受けやすくなり、回転効率の向上を為し得る。
【0047】
さらに、図9に示すように、半回転翼30a、30bは、翼端板33a、33bを有していてもよい。翼端板33a、33bは、半回転翼回転軸32a、32b方向の端部に配置される。各歯車等を上方にして、発電装置1を河川に設置され、ケース10の下部が配置されない場合、水等の流体が半回転翼30a、30bの下方をすり抜けて、半回転翼30a、30bに流体の力がかかりにくくなるが、上記のように翼端板33a、33bを備えることで、半回転翼30a、30bへ流体が導かれやすくなり、回転効率の向上を為し得る。
【0048】
さらに、図9に示すように、発電装置1は、流体導入部材11を備えていてもよい。本実施の形態では、流体導入部材11がケース10の外方へと張り出して設置されている。図10に示すように、水等の流体が半回転翼30a、30bへ向かいやすくなり、より多くの流体のエネルギーを得られることになる。
【0049】
また、固定軸歯車21と翼旋回用歯車31a、31bとを接続する遊び歯車50a、50bは、歯車の大きさや歯数の数に制限はない。たとえば、図11に示すように、大きな径の遊び歯車50aであってもよく、固定軸歯車21、遊び歯車50a及び遊星歯車31aが直線状に並ばず、折れ線状に配置されていてもよい。また、奇数個の遊び歯車、例えば、3つの遊び歯車50b、50c、50dが直列に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 発電装置
10 ケース
11 流体導入部材
20 固定軸
21 固定軸歯車
30a,30b 半回転翼
31a,31b 遊星歯車
32a,32b 半回転翼回転軸
33a,33b 翼端板
40a,40b 翼旋回用歯車
41 ベアリング
42a,42b 滑り軸受け
50a〜50d 遊び歯車
51a、51b 遊び歯車回転軸
60 出力歯車
61 出力軸
70 エネルギー変換装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面に固定軸歯車を有する固定軸と、
それぞれ遊び歯車を介して前記固定軸歯車と接続し、前記固定軸の周りを旋回する第1の遊星歯車及び第2の遊星歯車と、
前記第1の遊星歯車に固定された第1の半回転翼回転軸と、
前記第2の遊星歯車に固定された第2の半回転翼回転軸と、
前記第1の半回転翼回転軸及び前記第2の半回転翼回転軸にそれぞれ固定された第1の半回転翼及び第2の半回転翼と、
前記第1の半回転翼回転軸及び前記第2の半回転翼回転軸がそれぞれ摺動可能に接続されるとともに、前記固定軸を軸にして回転する翼旋回用歯車と、
前記翼旋回用歯車と直接或いは間接的に噛み合って回転可能な出力歯車と、
前記出力歯車の回転で発電するエネルギー変換装置と、を備え、
前記第1の半回転翼及び前記第2の半回転翼はそれぞれ前記第1の半回転翼回転軸及び前記第2の半回転翼回転軸から前記第1の半回転翼回転軸及び前記第2の半回転翼回転軸に垂直な方向の端部までの長さが前記第1の半回転翼回転軸及び前記第2の半回転翼回転軸から前記固定軸までの長さよりも長く形成され、
前記第1の半回転翼及び前記第2の半回転翼が受ける流体の力で前記第1の半回転翼及び前記第2の半回転翼が自転することにより前記第1の遊星歯車及び前記第2の遊星歯車を旋回させるとともに翼旋回用歯車を回転させ、
前記翼旋回用歯車の回転により前記出力歯車を回転させて前記エネルギー変換装置により発電させる、
ことを特徴とする発電装置。
【請求項2】
前記第1の遊星歯車及び前記第2の遊星歯車のそれぞれ歯数が前記固定軸歯車の歯数の2倍であり、
前記第1の遊星歯車及び前記第2の遊星歯車がそれぞれ前記固定軸の周りを1周旋回したとき、前記第1の半回転翼及び前記第2の半回転翼はそれぞれ半回転自転する、
ことを特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記第1の半回転翼回転軸、前記第2の半回転翼回転軸、前記固定軸が同一平面上に配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発電装置。
【請求項4】
前記第1の半回転翼と前記第2の半回転翼のなす角度が直角である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項5】
前記第1の半回転翼及び前記第2の半回転翼は、それぞれ前記第1の半回転翼回転軸及び第2の半回転翼回転軸の軸方向の端部に、流体を導く翼端板を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項6】
流体の流れを変え前記第1の半回転翼及び前記第2の半回転翼へと導く導入部材を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−113231(P2013−113231A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261057(P2011−261057)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(309043768)テクノ環境機器株式会社 (6)
【出願人】(592250414)株式会社テックコーポレーション (24)
【Fターム(参考)】