白色校正部材およびそれを用いる光学特性測定システム
【課題】積分球の天面に検出開口が形成され、シャーレを使用した測定と、使用しない測定とを可能にするトップポート型の分光測色計の校正に使用される白色校正部材において、シャーレの有無に対する校正を容易に行うことができるとともに、破損を防止する。
【解決手段】白色校正部材31を、シャーレ無しの測定の際にそのまま使用される白色校正板32を取付けた黒色ベース33と、シャーレ有りの測定の際に被せられるダミーの透明板34と、透明板34が底部の端板352に取付けられるとともに、筒部351内に黒色ベース33を収容するアダプタ35とを備えて構成する。したがって、1種類の白色校正板32で、シャーレの有無での校正を容易に行うことができる。また、アダプタ35の筒部351の先端面351aの高さを黒色ベース33の天面33aより高く形成し、黒色ベース33のみを持ち上げられないようにし、アダプタ35の落下を防ぐ。
【解決手段】白色校正部材31を、シャーレ無しの測定の際にそのまま使用される白色校正板32を取付けた黒色ベース33と、シャーレ有りの測定の際に被せられるダミーの透明板34と、透明板34が底部の端板352に取付けられるとともに、筒部351内に黒色ベース33を収容するアダプタ35とを備えて構成する。したがって、1種類の白色校正板32で、シャーレの有無での校正を容易に行うことができる。また、アダプタ35の筒部351の先端面351aの高さを黒色ベース33の天面33aより高く形成し、黒色ベース33のみを持ち上げられないようにし、アダプタ35の落下を防ぐ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学特性測定装置の白色校正に用いられる白色校正部材およびその白色校正部材と前記光学特性測定装置とを備えて構成される光学特性測定システムに関し、特に前記光学特性測定装置としては、いわゆるトップポート型の分光測色計として好適に実施されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
前記トップポート型の光学特性測定装置の典型的な従来技術は、本件出願人による特許文献1によって提案されている。その特許文献1から進化した現在のトップポート型の分光測色計1の構造を、図6および図7で示す。図6は前記分光測色計1の水平断面図であり、図7はその縦断面図である。この分光測色計1は、筐体の天板1aおよび積分球2の天面に連通して測定ポート(検出開口)3が形成され、その測定ポート3を閉塞するように配置された試料4の色などの光学特性を測定する。
【0003】
このため、前記積分球2の一面には、光源用のキセノンランプ5および光源測定用の光ファイバ6が設けられるとともに、一側面に形成された開口7には、受光光学系8が臨み、さらに前記積分球2の中央部には、前記測定ポート3と開口7との間に光路を形成するミラー9が設けられる。そして、前記キセノンランプ5からの照明光が紫外線カットフィルタ10を通して前記積分球2内に放射され、該積分球2内を散乱して前記測定ポート3上に配置された試料4を照明し、該試料4からの反射光は、前記ミラー9から開口7を通して前記受光光学系8に入射されて反射分光強度信号が得られ、前記試料4の色を測定することができる。また、前記照明光自体の分光強度は、前記測定ポート3を閉塞した状態で、前記照明光が光ファイバ6から前記受光光学系8に入射され、参照光分光強度信号として得られる。
【0004】
上述のように構成される分光測色計1では、前記トップポート型であることから、図8で示すように、大型の果実などの試料4aを前記測定ポート3上に直接搭載して、前記反射分光強度を測定することができるとともに、図9で示すように、粒体、粉体、液体等の試料4bをシャーレ4cなどの透明板を使用することで、それらの反射分光強度の測定も可能となっている。
【0005】
そして、このような分光測色計1の白色校正(100%入力での校正)を行うにあたって、従来では、図10で示す白色校正部材11や、図11で示す白色校正部材21が用いられている。図10で示す白色校正部材11は、図の裏面側に白色校正板が貼付けられた黒色ベース12と、前記シャーレ4cと同じ材質および厚みに形成されるダミーの透明板13とを備えて構成される。一方、図11で示す白色校正部材21は、前記の黒色ベース12と、透明板13と、その透明板13が底部に嵌め込まれた筒状のケース24と、前記ケース24の上面を閉塞する蓋25とを備えて構成される。前記ケース24に対して蓋25は、スクリューキャップ式にねじ止め可能となっている。
【0006】
また、校正には、前記積分球2内を暗室にして行うゼロ校正(0%入力での校正)があり、その場合、図12で示すような、筒状のゼロ校正ボックス41が使用される。このゼロ校正ボックス41は、前記測定ポート3を囲む筒部42と、その先端を閉塞するように設けられる円錐部材43とを備えて構成され、内部は吸光の黒色となっている。そして、前記円錐部材43によって測定ポート3から入射した光を散乱し、所定の長さの筒部42の内周面で吸収している。
【0007】
図13および図14は、上述の図12で示すゼロ校正ボックス41と、それぞれ前述の図10および図11で示す白色校正部材11,21とを用いて行われる前記分光測色計1の従来の校正方法を説明するためのフローチャートである。これらの図13および図14で示す校正は、前記シャーレ4cを用いた測定に先立って行われるものとする。
【0008】
先ず、図10で示す白色校正部材11を用いる場合には、図13で示すように、ステップS1で測定ポート3に透明板13がセットされ、ステップS2でさらに前記ゼロ校正ボックス41が被せられてゼロ校正が行われる。その後、ステップS3で前記ゼロ校正ボックス41が取外され、代わってステップS4で前記透明板13の上に白色校正板(黒色ベース12)がセットされ、白色校正が行われる。その後、ステップS5で白色校正板(黒色ベース12)が、ステップS6で透明板13が測定ポート3から取外され、代わってステップS7でシャーレ4cが搭載されて実際の試料4bの反射分光強度が測定される。
【0009】
次に、図11で示す白色校正部材21を用いる場合には、図14で示すように、ステップS11で測定ポート3に透明板13だけをセットしたケース24が搭載され、ステップS12でさらに前記ゼロ校正ボックス41が被せられてゼロ校正が行われる。その後、ステップS13で前記ゼロ校正ボックス41が取外され、代わってステップS14で前記ケース24にさらに白色校正板(黒色ベース12)がセットされ、白色校正が行われる。その後、ステップS15でケース24が測定ポート3から取外され、代わってステップS16でシャーレ4cが搭載されて実際の試料4bの反射分光強度が測定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−243550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の従来技術では、シャーレ4cを使用した測定を可能にするために、シャーレ4c面の反射や透過による影響を取り除くために、同じ材質および厚みのダミーの透明板13を用いている。このような透明板13を用いた校正は、前記反射や透過による影響が大きいために重要である。
【0012】
しかしながら、図10で示すように、その透明板13に白色校正板(黒色ベース12)を単独で用いる場合には、白色校正の後、作業者が透明板13および白色校正板を測定ポート3から取外す際に、白色校正板だけを持ち上げてしまい、透明板13が白色校正板に吸着していることに気付かず、透明板13を落下させてしまい、透明板13が破損する可能性がある。
【0013】
一方、図10で示すように、透明板13および白色校正板(黒色ベース12)をケース24に収容して用いる場合には、そのケース24に蓋25をすることで、前記透明板13および白色校正板の脱落による破損を未然に防止することができる。しかしながら、蓋の着脱が非常に面倒で、実質、前記白色校正部材21はシャーレ4cを用いる場合の専用になり、シャーレ4c無しの測定では、別の白色校正板が用いられることになる。
【0014】
本発明の目的は、1種類の白色校正板で、それを単体で使用する校正(シャーレ無)と、透明板とを組合わせての校正(シャーレ有)とを容易に行うことができるとともに、前記透明板の破損を防止することができる白色校正部材およびそれを用いる光学特性測定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の白色校正部材は、積分球に検出開口が形成され、その検出開口を閉塞するように配置された試料の光学特性を測定する光学特性測定装置の白色校正に用いられる白色校正部材において、白色校正板と、前記検出開口上を閉塞して前記試料の前記検出開口からの落下を防ぐ透明板を使用した測定を行う前の校正時に、前記白色校正板と組合わせて使用され、前記透明板と同じ材質および厚みに形成されるダミーの透明板と、前記ダミーの透明板が底部に取付けられ、筒状に形成されてその筒内に前記白色校正板を収容し、該筒の先端面の高さが前記白色校正板の天面より高く形成されているアダプタとを含むことを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、積分球に検出開口が形成され、その検出開口を閉塞するように配置された試料の色などの光学特性を測定する、いわゆるトップポート型等の光学特性測定装置において、食品の色を測定する測色計などとして用いられ、粒体、粉体、液体等の測定を可能にするシャーレなどの透明板を使用した測定と、大型の果実などの前記透明板を用いない測定とを可能にしたものがある。
【0017】
そのような透明板の使用可能な光学特性測定装置の白色校正に用いられる白色校正部材は、前記透明板を用いない測定にあたって、そのまま使用される白色校正板と、前記透明板を使用した測定にあたって、前記白色校正板に被せられ、前記透明板の板面の反射および透過による影響を取り除くために、前記透明板と同じ材質および厚みに形成されるダミーの透明板とを備えて構成される。
【0018】
このような白色校正部材において、本発明では、前記ダミーの透明板が底部に取付けられるとともに、筒状に形成されてその筒内に前記白色校正板を収容するアダプタをさらに設け、そのアダプタの筒の先端面の高さを前記白色校正板の天面より高く形成しておく。
【0019】
したがって、1種類の白色校正板で、それを単体で使用する校正(シャーレ無)と、透明板を組合わせての校正(シャーレ有)とを容易に行うことができる。さらに、アダプタの筒の先端面の高さが白色校正板の天面より高くなっていることから、アダプタに組付けた状態から白色校正板のみを持ち上げることができないようにし、前記筒内に白色校正板が嵌り込み、該白色校正板にアダプタ(透明板)が吸着した状態から、不所望に落下してしまうことを防止することができる。
【0020】
また、本発明の白色校正部材では、前記白色校正板は、より大径の黒色ベースの底部に取付けられ、前記アダプタは、その底部に切欠きを有し、前記切欠きを通して、前記黒色ベースの底部の外周縁部が前記アダプタの外部に露出していることを特徴とする。
【0021】
上記の構成によれば、上述のように白色校正板がアダプタに吸着されてしまっても、切欠きから作業者の指などを差し入れることで、該白色校正板を容易に取外すことができる。また、前記白色校正板はより大径の黒色ベースの底部に取付けられ、その黒色ベースの底部の外周縁部が前記アダプタの外部に露出しているので、前記切欠きから侵入した光が前記検出開口に達することは無く、白色校正を正確に行うこともできる。
【0022】
さらにまた、本発明の光学特性測定システムは、前記の白色校正部材と、前記積分球に検出開口が形成された光学特性測定装置とを備え、前記白色校正部材を前記光学特性測定装置の白色校正に用いることを特徴とする。
【0023】
上記の構成によれば、容易に白色校正を行うことができるとともに、白色校正板が1種類でかつ透明板の破損の虞も少ないので、白色校正を低コストに行うことができる光学特性測定システムを実現することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の白色校正部材および光学特性測定システムは、以上のように、積分球に検出開口が形成され、その検出開口を閉塞するように配置された試料の色などの光学特性を測定する、いわゆるトップポート型等の光学特性測定装置において、シャーレなどの透明板を使用した測定と、前記透明板を用いない測定とを可能にするにあたって、白色校正部材を、前記透明板を用いない測定にあたってそのまま使用される白色校正板と、前記透明板を使用した測定にあたって前記白色校正板に被せられるダミーの透明板と、前記ダミーの透明板が底部に取付けられるとともに、筒状に形成されてその筒内に前記白色校正板を収容するアダプタとを備えて構成し、そのアダプタの筒の先端面の高さを前記白色校正板の天面より高く形成しておく。
【0025】
それゆえ、1種類の白色校正板で、それを単体で使用する校正(シャーレ無)と、透明板を組合わせての校正(シャーレ有)とを容易に行うことができる。また、アダプタの筒の先端面の高さが前記白色校正板の天面より高くなっていることから、アダプタに組付けた状態から白色校正板のみを持ち上げることができないようにし、前記筒内に白色校正板が嵌り込み、該白色校正板にアダプタ(透明板)が吸着した状態から、不所望に落下してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の一形態に係る白色校正部材の分解斜視図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】前記白色校正部材を組立てた状態を示す縦断面図である。
【図4】図1で示す白色校正部材を用いた本発明による分光測色計の校正方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】前記白色校正部材のアダプタを拡大して示す斜視図である。
【図6】トップポート型の分光測色計の構造を示す水平断面図である。
【図7】前記分光測色計の構造を示す縦断面図である。
【図8】前記分光測色計の計測方法の一例を説明するための斜視図である。
【図9】前記分光測色計の計測方法の他の例を説明するための斜視図である。
【図10】従来技術の白色校正部材の分解斜視図である。
【図11】他の従来技術の白色校正部材の分解斜視図である。
【図12】ゼロ校正ボックスの斜視図である。
【図13】図10で示す白色校正部材を用いた従来技術による分光測色計の校正方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】図11で示す白色校正部材を用いた従来技術による分光測色計の校正方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は本発明の実施の一形態に係る白色校正部材31の分解斜視図であり、図2はその縦断面図であり、図3はそれを組立てた状態を示す縦断面図である。この白色校正部材31も、前述の図6や図7で示す分光測色計1の測定ポート(検出開口)3上に搭載されて白色校正に使用され、図1〜図3において、図6および図7と同一の構成には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。この白色校正部材31は、白色校正板32と、裏面に前記白色校正板32が貼付けられ、該白色校正板32を支持する黒色ベース33と、シャーレ4cを使用しての測定の際に用いられ、前記シャーレ4cと同じ材質および厚みに形成されるダミーの透明板34と、それらを収納するアダプタ35とを備えて構成される。
【0028】
前記アダプタ35は、筒部351の一端がフランジ状の端板352およびその端板352の開口部353に嵌め込まれた前記透明板34によって閉塞されて構成され、その筒部351内に前記白色校正板32を保持する黒色ベース33を収容する。注目すべきは、この白色校正部材31では、図2で示すように、前記筒部351の先端面351aの高さが、前記白色校正板32を支持する黒色ベース33の天面33aより高く形成されていることである。
【0029】
前記アダプタ35の底面358には、環状の溝359が形成され、これに対応して前記分光測色計1の天板1aには、環状の突起1bが形成され、前記アダプタ35を天板1aに搭載すると、その半径方向(天板1aの面方向)の位置決めが行われ、前記測定ポート(検出開口)3に、前記透明板34およびそれに積層された白色校正板32が臨むようになっている。
【0030】
図4は、前述の図12で示すゼロ校正ボックス41と、上述の図1〜3で示す白色校正部材31とを用いて行われる前記分光測色計1の本発明による校正方法を説明するためのフローチャートである。この校正は、前記シャーレ4cを用いた測定に先立って行われるものとする。
【0031】
先ず、ステップS21で測定ポート3に透明板34を装着したアダプタ35がセットされ、ステップS22でさらに前記ゼロ校正ボックス41が被せられてゼロ校正が行われる。その後、ステップS23で前記ゼロ校正ボックス41が取外され、ステップS24で前記アダプタ35に白色校正板(黒色ベース12)がセット(透明板13の上に白色校正板(黒色ベース12)が積層)され、白色校正が行われる。
【0032】
その後、ステップS25で白色校正板(黒色ベース12)がセットされたままのアダプタ35が測定ポート3から取外され、代わってステップS26でシャーレ4cが搭載されて実際の試料4bの反射分光強度が測定される。
【0033】
このように構成することで、積分球2の天面に測定ポート(検出開口)3が形成され、その測定ポート3を閉塞するように配置された試料の色を測定するトップポート型の分光測色計1において、シャーレ4cを使用した測定と、前記シャーレ4cを用いない測定とを可能にするにあたって、先ずシャーレ4cを用いない測定のための白色校正には、白色校正板32(黒色ベース33)を、単体で、そのまま使用することができる。一方、シャーレ4cを使用した測定のための校正にも、該白色校正板32(黒色ベース33)を、透明板34を備えるアダプタ35に取付けることで、容易に使用することができる。こうして、1種類の白色校正板32で、それを単体で使用する校正(シャーレ無)と、透明板を組合わせての校正(シャーレ有)とを容易に行うことができる。
【0034】
また、前記白色校正板32(黒色ベース33)を収容するアダプタ35において、筒部351の先端面351aの高さを白色校正板32(黒色ベース33)の天面33aより高く形成しておくことで、白色校正板32(黒色ベース33)をアダプタ35に組付けた状態から、該白色校正板32(黒色ベース33)のみを持ち上げることができないようにし、前記筒部351内に該白色校正板32(黒色ベース33)が嵌り込み、該白色校正板32(黒色ベース33)にアダプタ35(透明板34)が吸着した状態から、不所望に落下してしまうことを防止することができる。
【0035】
また注目すべきは、図2および図3で示すように、前記白色校正板32が、より大径の黒色ベース33の底部33bに取付けられる一方、前記アダプタ35は、図5で示すように、その底部の端板352に、一直径線上に配置される一対の切欠き354を有し、図5(b)で示すように、前記切欠き354を通して、前記黒色ベース33の底部33bの外周縁部が前記アダプタ35の外部に露出していることである。
【0036】
このように構成することで、上述のように白色校正板32(黒色ベース33)がアダプタ35に吸着されてしまっても、切欠き354から作業者の指などを差し入れることで、該白色校正板32(黒色ベース33)を容易に取外すことができる。また、前記白色校正板32はより大径の黒色ベース33の底部33bに取付けられ、その黒色ベース33の底部33bの外周縁部が前記アダプタ35の外部に露出しているので、前記切欠き354から侵入した光が前記測定ポート(検出開口)3に達することは無く、白色校正を正確に行うこともできる。
【0037】
また、前記のような白色校正部材31と、トップポート型の分光測色計1とを備え、前記白色校正部材31を前記分光測色計1の白色校正に用いることで、容易に白色校正を行うことができるとともに、白色校正板32が1種類でかつ透明板34の破損の虞も少ないので、白色校正を低コストに行うことができる光学特性測定システムを実現することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 分光測色計
1a 天板
1b 突起
2 積分球
3 測定ポート
4,4a,4b 試料
4c シャーレ
5 キセノンランプ
6 光ファイバ
8 受光光学系
9 ミラー
10 赤外線カットフィルタ
31 白色校正部材
32 白色校正板
33 黒色ベース
33a 天面
33b 底部
34 透明板
35 アダプタ
351 筒部
351a 先端面
352 端板
353 開口部
354 切欠き
358 底面
359 溝
41 ゼロ校正ボックス
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学特性測定装置の白色校正に用いられる白色校正部材およびその白色校正部材と前記光学特性測定装置とを備えて構成される光学特性測定システムに関し、特に前記光学特性測定装置としては、いわゆるトップポート型の分光測色計として好適に実施されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
前記トップポート型の光学特性測定装置の典型的な従来技術は、本件出願人による特許文献1によって提案されている。その特許文献1から進化した現在のトップポート型の分光測色計1の構造を、図6および図7で示す。図6は前記分光測色計1の水平断面図であり、図7はその縦断面図である。この分光測色計1は、筐体の天板1aおよび積分球2の天面に連通して測定ポート(検出開口)3が形成され、その測定ポート3を閉塞するように配置された試料4の色などの光学特性を測定する。
【0003】
このため、前記積分球2の一面には、光源用のキセノンランプ5および光源測定用の光ファイバ6が設けられるとともに、一側面に形成された開口7には、受光光学系8が臨み、さらに前記積分球2の中央部には、前記測定ポート3と開口7との間に光路を形成するミラー9が設けられる。そして、前記キセノンランプ5からの照明光が紫外線カットフィルタ10を通して前記積分球2内に放射され、該積分球2内を散乱して前記測定ポート3上に配置された試料4を照明し、該試料4からの反射光は、前記ミラー9から開口7を通して前記受光光学系8に入射されて反射分光強度信号が得られ、前記試料4の色を測定することができる。また、前記照明光自体の分光強度は、前記測定ポート3を閉塞した状態で、前記照明光が光ファイバ6から前記受光光学系8に入射され、参照光分光強度信号として得られる。
【0004】
上述のように構成される分光測色計1では、前記トップポート型であることから、図8で示すように、大型の果実などの試料4aを前記測定ポート3上に直接搭載して、前記反射分光強度を測定することができるとともに、図9で示すように、粒体、粉体、液体等の試料4bをシャーレ4cなどの透明板を使用することで、それらの反射分光強度の測定も可能となっている。
【0005】
そして、このような分光測色計1の白色校正(100%入力での校正)を行うにあたって、従来では、図10で示す白色校正部材11や、図11で示す白色校正部材21が用いられている。図10で示す白色校正部材11は、図の裏面側に白色校正板が貼付けられた黒色ベース12と、前記シャーレ4cと同じ材質および厚みに形成されるダミーの透明板13とを備えて構成される。一方、図11で示す白色校正部材21は、前記の黒色ベース12と、透明板13と、その透明板13が底部に嵌め込まれた筒状のケース24と、前記ケース24の上面を閉塞する蓋25とを備えて構成される。前記ケース24に対して蓋25は、スクリューキャップ式にねじ止め可能となっている。
【0006】
また、校正には、前記積分球2内を暗室にして行うゼロ校正(0%入力での校正)があり、その場合、図12で示すような、筒状のゼロ校正ボックス41が使用される。このゼロ校正ボックス41は、前記測定ポート3を囲む筒部42と、その先端を閉塞するように設けられる円錐部材43とを備えて構成され、内部は吸光の黒色となっている。そして、前記円錐部材43によって測定ポート3から入射した光を散乱し、所定の長さの筒部42の内周面で吸収している。
【0007】
図13および図14は、上述の図12で示すゼロ校正ボックス41と、それぞれ前述の図10および図11で示す白色校正部材11,21とを用いて行われる前記分光測色計1の従来の校正方法を説明するためのフローチャートである。これらの図13および図14で示す校正は、前記シャーレ4cを用いた測定に先立って行われるものとする。
【0008】
先ず、図10で示す白色校正部材11を用いる場合には、図13で示すように、ステップS1で測定ポート3に透明板13がセットされ、ステップS2でさらに前記ゼロ校正ボックス41が被せられてゼロ校正が行われる。その後、ステップS3で前記ゼロ校正ボックス41が取外され、代わってステップS4で前記透明板13の上に白色校正板(黒色ベース12)がセットされ、白色校正が行われる。その後、ステップS5で白色校正板(黒色ベース12)が、ステップS6で透明板13が測定ポート3から取外され、代わってステップS7でシャーレ4cが搭載されて実際の試料4bの反射分光強度が測定される。
【0009】
次に、図11で示す白色校正部材21を用いる場合には、図14で示すように、ステップS11で測定ポート3に透明板13だけをセットしたケース24が搭載され、ステップS12でさらに前記ゼロ校正ボックス41が被せられてゼロ校正が行われる。その後、ステップS13で前記ゼロ校正ボックス41が取外され、代わってステップS14で前記ケース24にさらに白色校正板(黒色ベース12)がセットされ、白色校正が行われる。その後、ステップS15でケース24が測定ポート3から取外され、代わってステップS16でシャーレ4cが搭載されて実際の試料4bの反射分光強度が測定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−243550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の従来技術では、シャーレ4cを使用した測定を可能にするために、シャーレ4c面の反射や透過による影響を取り除くために、同じ材質および厚みのダミーの透明板13を用いている。このような透明板13を用いた校正は、前記反射や透過による影響が大きいために重要である。
【0012】
しかしながら、図10で示すように、その透明板13に白色校正板(黒色ベース12)を単独で用いる場合には、白色校正の後、作業者が透明板13および白色校正板を測定ポート3から取外す際に、白色校正板だけを持ち上げてしまい、透明板13が白色校正板に吸着していることに気付かず、透明板13を落下させてしまい、透明板13が破損する可能性がある。
【0013】
一方、図10で示すように、透明板13および白色校正板(黒色ベース12)をケース24に収容して用いる場合には、そのケース24に蓋25をすることで、前記透明板13および白色校正板の脱落による破損を未然に防止することができる。しかしながら、蓋の着脱が非常に面倒で、実質、前記白色校正部材21はシャーレ4cを用いる場合の専用になり、シャーレ4c無しの測定では、別の白色校正板が用いられることになる。
【0014】
本発明の目的は、1種類の白色校正板で、それを単体で使用する校正(シャーレ無)と、透明板とを組合わせての校正(シャーレ有)とを容易に行うことができるとともに、前記透明板の破損を防止することができる白色校正部材およびそれを用いる光学特性測定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の白色校正部材は、積分球に検出開口が形成され、その検出開口を閉塞するように配置された試料の光学特性を測定する光学特性測定装置の白色校正に用いられる白色校正部材において、白色校正板と、前記検出開口上を閉塞して前記試料の前記検出開口からの落下を防ぐ透明板を使用した測定を行う前の校正時に、前記白色校正板と組合わせて使用され、前記透明板と同じ材質および厚みに形成されるダミーの透明板と、前記ダミーの透明板が底部に取付けられ、筒状に形成されてその筒内に前記白色校正板を収容し、該筒の先端面の高さが前記白色校正板の天面より高く形成されているアダプタとを含むことを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、積分球に検出開口が形成され、その検出開口を閉塞するように配置された試料の色などの光学特性を測定する、いわゆるトップポート型等の光学特性測定装置において、食品の色を測定する測色計などとして用いられ、粒体、粉体、液体等の測定を可能にするシャーレなどの透明板を使用した測定と、大型の果実などの前記透明板を用いない測定とを可能にしたものがある。
【0017】
そのような透明板の使用可能な光学特性測定装置の白色校正に用いられる白色校正部材は、前記透明板を用いない測定にあたって、そのまま使用される白色校正板と、前記透明板を使用した測定にあたって、前記白色校正板に被せられ、前記透明板の板面の反射および透過による影響を取り除くために、前記透明板と同じ材質および厚みに形成されるダミーの透明板とを備えて構成される。
【0018】
このような白色校正部材において、本発明では、前記ダミーの透明板が底部に取付けられるとともに、筒状に形成されてその筒内に前記白色校正板を収容するアダプタをさらに設け、そのアダプタの筒の先端面の高さを前記白色校正板の天面より高く形成しておく。
【0019】
したがって、1種類の白色校正板で、それを単体で使用する校正(シャーレ無)と、透明板を組合わせての校正(シャーレ有)とを容易に行うことができる。さらに、アダプタの筒の先端面の高さが白色校正板の天面より高くなっていることから、アダプタに組付けた状態から白色校正板のみを持ち上げることができないようにし、前記筒内に白色校正板が嵌り込み、該白色校正板にアダプタ(透明板)が吸着した状態から、不所望に落下してしまうことを防止することができる。
【0020】
また、本発明の白色校正部材では、前記白色校正板は、より大径の黒色ベースの底部に取付けられ、前記アダプタは、その底部に切欠きを有し、前記切欠きを通して、前記黒色ベースの底部の外周縁部が前記アダプタの外部に露出していることを特徴とする。
【0021】
上記の構成によれば、上述のように白色校正板がアダプタに吸着されてしまっても、切欠きから作業者の指などを差し入れることで、該白色校正板を容易に取外すことができる。また、前記白色校正板はより大径の黒色ベースの底部に取付けられ、その黒色ベースの底部の外周縁部が前記アダプタの外部に露出しているので、前記切欠きから侵入した光が前記検出開口に達することは無く、白色校正を正確に行うこともできる。
【0022】
さらにまた、本発明の光学特性測定システムは、前記の白色校正部材と、前記積分球に検出開口が形成された光学特性測定装置とを備え、前記白色校正部材を前記光学特性測定装置の白色校正に用いることを特徴とする。
【0023】
上記の構成によれば、容易に白色校正を行うことができるとともに、白色校正板が1種類でかつ透明板の破損の虞も少ないので、白色校正を低コストに行うことができる光学特性測定システムを実現することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の白色校正部材および光学特性測定システムは、以上のように、積分球に検出開口が形成され、その検出開口を閉塞するように配置された試料の色などの光学特性を測定する、いわゆるトップポート型等の光学特性測定装置において、シャーレなどの透明板を使用した測定と、前記透明板を用いない測定とを可能にするにあたって、白色校正部材を、前記透明板を用いない測定にあたってそのまま使用される白色校正板と、前記透明板を使用した測定にあたって前記白色校正板に被せられるダミーの透明板と、前記ダミーの透明板が底部に取付けられるとともに、筒状に形成されてその筒内に前記白色校正板を収容するアダプタとを備えて構成し、そのアダプタの筒の先端面の高さを前記白色校正板の天面より高く形成しておく。
【0025】
それゆえ、1種類の白色校正板で、それを単体で使用する校正(シャーレ無)と、透明板を組合わせての校正(シャーレ有)とを容易に行うことができる。また、アダプタの筒の先端面の高さが前記白色校正板の天面より高くなっていることから、アダプタに組付けた状態から白色校正板のみを持ち上げることができないようにし、前記筒内に白色校正板が嵌り込み、該白色校正板にアダプタ(透明板)が吸着した状態から、不所望に落下してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の一形態に係る白色校正部材の分解斜視図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】前記白色校正部材を組立てた状態を示す縦断面図である。
【図4】図1で示す白色校正部材を用いた本発明による分光測色計の校正方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】前記白色校正部材のアダプタを拡大して示す斜視図である。
【図6】トップポート型の分光測色計の構造を示す水平断面図である。
【図7】前記分光測色計の構造を示す縦断面図である。
【図8】前記分光測色計の計測方法の一例を説明するための斜視図である。
【図9】前記分光測色計の計測方法の他の例を説明するための斜視図である。
【図10】従来技術の白色校正部材の分解斜視図である。
【図11】他の従来技術の白色校正部材の分解斜視図である。
【図12】ゼロ校正ボックスの斜視図である。
【図13】図10で示す白色校正部材を用いた従来技術による分光測色計の校正方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】図11で示す白色校正部材を用いた従来技術による分光測色計の校正方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は本発明の実施の一形態に係る白色校正部材31の分解斜視図であり、図2はその縦断面図であり、図3はそれを組立てた状態を示す縦断面図である。この白色校正部材31も、前述の図6や図7で示す分光測色計1の測定ポート(検出開口)3上に搭載されて白色校正に使用され、図1〜図3において、図6および図7と同一の構成には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。この白色校正部材31は、白色校正板32と、裏面に前記白色校正板32が貼付けられ、該白色校正板32を支持する黒色ベース33と、シャーレ4cを使用しての測定の際に用いられ、前記シャーレ4cと同じ材質および厚みに形成されるダミーの透明板34と、それらを収納するアダプタ35とを備えて構成される。
【0028】
前記アダプタ35は、筒部351の一端がフランジ状の端板352およびその端板352の開口部353に嵌め込まれた前記透明板34によって閉塞されて構成され、その筒部351内に前記白色校正板32を保持する黒色ベース33を収容する。注目すべきは、この白色校正部材31では、図2で示すように、前記筒部351の先端面351aの高さが、前記白色校正板32を支持する黒色ベース33の天面33aより高く形成されていることである。
【0029】
前記アダプタ35の底面358には、環状の溝359が形成され、これに対応して前記分光測色計1の天板1aには、環状の突起1bが形成され、前記アダプタ35を天板1aに搭載すると、その半径方向(天板1aの面方向)の位置決めが行われ、前記測定ポート(検出開口)3に、前記透明板34およびそれに積層された白色校正板32が臨むようになっている。
【0030】
図4は、前述の図12で示すゼロ校正ボックス41と、上述の図1〜3で示す白色校正部材31とを用いて行われる前記分光測色計1の本発明による校正方法を説明するためのフローチャートである。この校正は、前記シャーレ4cを用いた測定に先立って行われるものとする。
【0031】
先ず、ステップS21で測定ポート3に透明板34を装着したアダプタ35がセットされ、ステップS22でさらに前記ゼロ校正ボックス41が被せられてゼロ校正が行われる。その後、ステップS23で前記ゼロ校正ボックス41が取外され、ステップS24で前記アダプタ35に白色校正板(黒色ベース12)がセット(透明板13の上に白色校正板(黒色ベース12)が積層)され、白色校正が行われる。
【0032】
その後、ステップS25で白色校正板(黒色ベース12)がセットされたままのアダプタ35が測定ポート3から取外され、代わってステップS26でシャーレ4cが搭載されて実際の試料4bの反射分光強度が測定される。
【0033】
このように構成することで、積分球2の天面に測定ポート(検出開口)3が形成され、その測定ポート3を閉塞するように配置された試料の色を測定するトップポート型の分光測色計1において、シャーレ4cを使用した測定と、前記シャーレ4cを用いない測定とを可能にするにあたって、先ずシャーレ4cを用いない測定のための白色校正には、白色校正板32(黒色ベース33)を、単体で、そのまま使用することができる。一方、シャーレ4cを使用した測定のための校正にも、該白色校正板32(黒色ベース33)を、透明板34を備えるアダプタ35に取付けることで、容易に使用することができる。こうして、1種類の白色校正板32で、それを単体で使用する校正(シャーレ無)と、透明板を組合わせての校正(シャーレ有)とを容易に行うことができる。
【0034】
また、前記白色校正板32(黒色ベース33)を収容するアダプタ35において、筒部351の先端面351aの高さを白色校正板32(黒色ベース33)の天面33aより高く形成しておくことで、白色校正板32(黒色ベース33)をアダプタ35に組付けた状態から、該白色校正板32(黒色ベース33)のみを持ち上げることができないようにし、前記筒部351内に該白色校正板32(黒色ベース33)が嵌り込み、該白色校正板32(黒色ベース33)にアダプタ35(透明板34)が吸着した状態から、不所望に落下してしまうことを防止することができる。
【0035】
また注目すべきは、図2および図3で示すように、前記白色校正板32が、より大径の黒色ベース33の底部33bに取付けられる一方、前記アダプタ35は、図5で示すように、その底部の端板352に、一直径線上に配置される一対の切欠き354を有し、図5(b)で示すように、前記切欠き354を通して、前記黒色ベース33の底部33bの外周縁部が前記アダプタ35の外部に露出していることである。
【0036】
このように構成することで、上述のように白色校正板32(黒色ベース33)がアダプタ35に吸着されてしまっても、切欠き354から作業者の指などを差し入れることで、該白色校正板32(黒色ベース33)を容易に取外すことができる。また、前記白色校正板32はより大径の黒色ベース33の底部33bに取付けられ、その黒色ベース33の底部33bの外周縁部が前記アダプタ35の外部に露出しているので、前記切欠き354から侵入した光が前記測定ポート(検出開口)3に達することは無く、白色校正を正確に行うこともできる。
【0037】
また、前記のような白色校正部材31と、トップポート型の分光測色計1とを備え、前記白色校正部材31を前記分光測色計1の白色校正に用いることで、容易に白色校正を行うことができるとともに、白色校正板32が1種類でかつ透明板34の破損の虞も少ないので、白色校正を低コストに行うことができる光学特性測定システムを実現することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 分光測色計
1a 天板
1b 突起
2 積分球
3 測定ポート
4,4a,4b 試料
4c シャーレ
5 キセノンランプ
6 光ファイバ
8 受光光学系
9 ミラー
10 赤外線カットフィルタ
31 白色校正部材
32 白色校正板
33 黒色ベース
33a 天面
33b 底部
34 透明板
35 アダプタ
351 筒部
351a 先端面
352 端板
353 開口部
354 切欠き
358 底面
359 溝
41 ゼロ校正ボックス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積分球に検出開口が形成され、その検出開口を閉塞するように配置された試料の光学特性を測定する光学特性測定装置の白色校正に用いられる白色校正部材において、
白色校正板と、
前記検出開口上を閉塞して前記試料の前記検出開口からの落下を防ぐ透明板を使用した測定を行う前の校正時に、前記白色校正板と組合わせて使用され、前記透明板と同じ材質および厚みに形成されるダミーの透明板と、
前記ダミーの透明板が底部に取付けられ、筒状に形成されてその筒内に前記白色校正板を収容し、該筒の先端面の高さが前記白色校正板の天面より高く形成されているアダプタとを含むことを特徴とする白色校正部材。
【請求項2】
前記白色校正板は、より大径の黒色ベースの底部に取付けられ、
前記アダプタは、その底部に切欠きを有し、前記切欠きを通して、前記黒色ベースの底部の外周縁部が前記アダプタの外部に露出していることを特徴とする白色校正部材。
【請求項3】
前記請求項1または2記載の白色校正部材と、前記積分球に検出開口が形成された光学特性測定装置とを備え、前記白色校正部材を前記光学特性測定装置の白色校正に用いることを特徴とする光学特性測定システム。
【請求項1】
積分球に検出開口が形成され、その検出開口を閉塞するように配置された試料の光学特性を測定する光学特性測定装置の白色校正に用いられる白色校正部材において、
白色校正板と、
前記検出開口上を閉塞して前記試料の前記検出開口からの落下を防ぐ透明板を使用した測定を行う前の校正時に、前記白色校正板と組合わせて使用され、前記透明板と同じ材質および厚みに形成されるダミーの透明板と、
前記ダミーの透明板が底部に取付けられ、筒状に形成されてその筒内に前記白色校正板を収容し、該筒の先端面の高さが前記白色校正板の天面より高く形成されているアダプタとを含むことを特徴とする白色校正部材。
【請求項2】
前記白色校正板は、より大径の黒色ベースの底部に取付けられ、
前記アダプタは、その底部に切欠きを有し、前記切欠きを通して、前記黒色ベースの底部の外周縁部が前記アダプタの外部に露出していることを特徴とする白色校正部材。
【請求項3】
前記請求項1または2記載の白色校正部材と、前記積分球に検出開口が形成された光学特性測定装置とを備え、前記白色校正部材を前記光学特性測定装置の白色校正に用いることを特徴とする光学特性測定システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−112558(P2011−112558A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270406(P2009−270406)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(303050160)コニカミノルタセンシング株式会社 (175)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(303050160)コニカミノルタセンシング株式会社 (175)
【Fターム(参考)】
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