説明

皮膚外用剤

【課題】シワ改善効果を有する物質を特定の油剤とともに配合することにより、使用性及び経時的安定性などの品質に優れた皮膚外用剤に関する。
【解決手段】
(A)一般式(1)で表される化合物、及び(B)IOB値が0.29〜1.0であり、かつ有機性値が250〜450であり、さらに融点が30℃以下の油剤から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤。式(1)中、R、Rがともに水素で表される場合、RはCHCHであり、R、Rのどちらか一方がアセチル基、もう一方が水素で表される場合、または両方がアセチル基で表される場合、RはCH:CHである。
【化1】


(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シワ改善効果を有する物質を特定の油剤とともに配合することにより、使用性及び経時的安定性などの品質に優れた皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は老化により、外観変化として、シワ、シミ、くすみ、タルミなどの老化徴候が現れる。このうち、シミやくすみなどの色素沈着が原因と考えられるものについては、研究が進み、各種の美白剤が開発され、市販されている。
【0003】
一方、シワ(特に光老化が進行した結果生じるシワ)は、例えば、表皮の肥厚や、真皮中の大部分を占める構成成分であるコラーゲンが減少するなど、様々な原因が考えられている。このような光老化により生じるシワについても、研究が進み、改善効果を有する物質がいくつか見出されている。例えば、ビタミンA誘導体や、出願人らが特開2005−336158等で開示したスクラレオール誘導体などがある(特許文献1、2)。
【0004】
しかしながら、シワ改善効果を有する物質の中には、例えば、ビタミンA誘導体のように、空気や光、金属イオンなどに不安定、変色しやすい、溶解度が低い等、配合や製剤上の制約を避けられない物質がある。このため、多量の油分を配合したり、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤を配合することで安定性の向上を図ることが行われてきた。また、特定の油分と油溶性酸化防止剤とを配合することで安定性の向上を図ることも行われてきた(特許文献3、4)。
【0005】
このような背景から、シワ改善効果を有するスクラレオール誘導体についても、単にかかる物質を皮膚外用剤、又は化粧料中に配合するだけでは、十分な経時的安定性、及び使用性が得られず、本来の効果を発揮できないことが課題であった。
【特許文献1】特開2005−336158号公報
【特許文献2】特開2005−336147号公報
【特許文献3】特開2004−123583号公報
【特許文献4】特開平6−32720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、シワ改善効果に優れた一般式(1)で表されるスクラレオール誘導体の経時的安定性や使用性に優れた皮膚外用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は上記事情に鑑み、鋭意研究した結果、一般式(1)で表されるスクラレオール誘導体を配合した皮膚外用剤において、IOB値が0.29〜0.8であり、かつ有機性値が250〜450であり、さらに融点が30℃以下の油剤から選ばれる1種又は2種以上を含有する皮膚外用剤が、経時的安定性や使用性に優れ、かつシワ改善効果も有していることを見出し、本発明を完成したものである。
【0008】
すなわち、本発明の請求項1は、(A)一般式(1)で表される化合物、及び(B)I
OB値が0.29〜0.8であり、かつ有機性値が250〜450であり、さらに融点が30℃以下の油剤から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤にある。
【化1】

(1)
(式(1)中、R、Rがともに水素で表される場合、RはCHCHであり、R、Rのどちらか一方がアセチル基、もう一方が水素で表される場合、または両方がアセチル基で表される場合、RはCH:CHである)
【0009】
また本発明の請求項2は、更に、成分(A)が、下記構造式(2)で表される水素添加スクラレオールである請求項1記載の皮膚外用剤にある。
【化2】

(2)
【0010】
また本発明の請求項3は、更に、成分(B)が、一般式(3)で表される化合物である請求項1又は2記載の皮膚外用剤にある。
【化3】

(3)
(式(3)中、Rは、炭素数10〜22、好ましくは14〜20の直鎖、又は分岐鎖であるアルキル基、又はアルケニル基で表される。)
【0011】
また本発明の請求項4は、更に、成分(B)が、乳酸オクチルドデシルである請求項1又は2記載の皮膚外用剤にある。
【0012】
また本発明の請求項5は、更に、成分(B)が、一般式(4)または一般式(5)で表される化合物である請求項1又は2記載の皮膚外用剤にある。
【化4】

(4)
【化5】

(5)
(式(4)または式(5)中、Rは、炭素数9〜19、好ましくは13〜17の直鎖、又は分岐鎖であるアルキル基、又はアルケニル基で表される。)
【0013】
また本発明の請求項6は、更に、成分(B)が、イソステアリン酸プロピレングリコールである請求項1又は2記載の皮膚外用剤にある。
【0014】
また本発明の請求項7は、更に、成分(B)が、一般式(6)で表される化合物である請求項1又は2記載の皮膚外用剤にある。
【化6】

(6)
(式(6)中、Rは、炭素数1〜8、好ましくは1〜3の直鎖、又は分岐鎖であるアルキル基、又はアルケニル基で表され、Rは、炭素数1〜19、好ましくは7〜17の直鎖、又は分岐鎖であるアルキル基、又はアルケニル基で表される。)
【0015】
また本発明の請求項8は、更に、成分(B)が、ラウロイルサルコシンイソプロピルである請求項1又は2記載の皮膚外用剤にある。
【0016】
また本発明の請求項9は、更に、成分(B)が、一般式(7)で表される化合物である請求項1又は2記載の皮膚外用剤にある。
【化7】

(7)
(式(7)中、Rは、炭素数1〜19、好ましくは5〜11の直鎖、又は分岐鎖であるアルキル基、又はアルケニル基で表され、R及びR10は、それぞれ水素、又は炭素数1〜8、好ましくは1〜4の直鎖、又は分岐鎖であるアルキル基、またはアルケニル基で表される。)
【0017】
また本発明の請求項10は、更に、(B)成分が、2−エチルヘキサン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールである請求項1又は2記載の皮膚外用剤にある。
【0018】
また本発明の請求項11は、更に、(C)保湿剤を含有する請求項1〜10のいずれか1項記載の化粧料皮膚外用剤にある。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、光老化により生じるシワの改善効果を有し、使用性及び経時的安定性などの品質に優れた皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
【0021】
本明細書において、IOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、無機性値の有機性値に対する比率を表す値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標となるものである。IOB値は、具体的には、IOB値=無機性値/有機性値として表される。ここで、「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、甲田善生 著、「有機概念図―基礎と応用―」11頁〜17頁、三共出版 1984年発行 参照)。
【0022】
本発明に用いられる成分(A)上記一般式(1)で表されるスクラレオール誘導体は、例えば、水素添加スクラレオール、スクラレオールモノアセチル体、スクラレオールジアセチル体等をあげることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらのスクラレオール誘導体は、東京化成工業社やシグマ・アルドリッチ社等から市販されているスクラレオール、または植物から得られるスクラレオールを含む植物オイル等から、製造したものを用いることができる。これらの中でも、シワ改善や経時的安定性に優れた効果を得るには、水素添加スクラレオールがより好ましい。
【0023】
本発明に用いられる成分(A)上記一般式(1)で表される スクラレオール誘導体の配合量は、皮膚外用剤の総量を基準としてそれぞれ0.001〜10.0質量%(以下、単に%と記す)が好ましく、更に好ましくは0.01〜5.0%である。この下限未満の配合量では、本発明の目的とする効果が十分でなく、一方、上限を超えてもその増加分に見合った効果の向上がなく好ましくない。
【0024】
本発明に用いられる成分(B)のIOB値が0.29〜0.8であり、かつ有機性値が250〜450であり、さらに融点が30℃以下の油剤は、例えば、イソステアリルアルコール(IOB=0.29;有機性値=350)、ジー2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグルコール(IOB=0.32;有機性値=380)、乳酸オクチルドデシル(IOB=0.36;有機性値=450)、オレイン酸プロピレングリコール(IOB=0.39;有機性値=420)、イソステアリン酸プロピレングリコール(IOB=0.40;有機性値=410)、セバシン酸ジエチル(IOB=0.43;有機性値=280)、セバシン酸ジイソプロピル(IOB=0.40;有機性値=300)、2−エチルヘキサン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(IOB=0.52;有機性値=310)、イソステアリルグリセリルエーテル(IOB=0.54;有機性値=410)、モノイソステアリン酸グリセリル(IOB=0.63;有機性値=410)、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル(IOB=0.74;有機性値=350)等があげられる。これ
らの中でも、シワ改善や経時的安定性に優れた効果を得るには、乳酸オクチルドデシル、イソステアリン酸プロピレングリコール、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールが特に好ましい。
【0025】
本発明に用いられる成分(B)の配合量は、特に制限されないが、シワ改善や経時的安定性に優れた効果の点から、皮膚外用剤の総量を基準としてそれぞれ0.1〜30%が好ましい。特に、0.5〜20%、更に1〜10%配合するのが好ましい。
【0026】
本発明の皮膚外用剤には、更に成分(C)として保湿剤を用いることができる。かかる保湿剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えばグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン等のポリグリセリン、グルコース、ソルビトール、マンニトール、マルトース、マルチトール、ショ糖、フルクトース、スレイトール、エリシリトール、澱粉分解糖などが挙げられる。これらの中で、ジプロピレングリコールが使用感の点で特に好ましい。
【0027】
本発明の皮膚外用剤には、上記成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、前記以外の油分、有機酸類、アルカリ類、界面活性剤、紫外線吸収剤、粉体、顔料、染料、防腐・防カビ剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、香料、水、及び医薬品、医薬部外品、化粧料等に通常用いられる成分を適宜配合することができる。
【0028】
本発明の皮膚外用剤は、通常の方法に従って製造することができ、例えば、液状、油中水型又は水中油型乳化状、ジェル状、ペースト状、固形状などのいずれの形態にもすることができる。特に、化粧水、乳液、クリーム、美容液等の皮膚外用剤として、医薬品、医薬部外品、化粧品等に適用できる。
【実施例】
【0029】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
実施例1〜12及び比較例1〜4
表1に従い、下記の製法で構造式(2)の水素添加スクラレオールを各油剤に溶解させ、得られた溶液の経時安定性について、下記の方法により評価した。
【表1】

【0031】
(調製方法)
表1の配合量(g)をねじ口試験管内へ測り取り、80℃で加熱しながら30分間攪拌を行った。
【0032】
(経時安定性の評価方法)
実施例1〜12及び比較例1〜4の各試料について、5℃恒温層の条件下で、目視で結晶の析出を確認することにより評価した。結果は、下記3段階判定基準を用いて判定した。
【0033】
3段階判定基準
(評価の平均値)
○:1週間後まで結晶の析出が観察されなかった。
△:溶解後、3日目で結晶析出が観察された。
×:溶解後、翌日には結晶析出が観察された。
【0034】
上記表1より実施例1〜12は比較例1〜4と比較して、構造式(2)の化合物を溶解させやすく、かつ経時安定性にも優れていることを示した。
【0035】
実施例13〜18及び比較例5〜6
表2に示す組成の化粧料を常法により調製し、得られた化粧料の経時安定性について下記の方法により評価した。
【表2】

*1;ピュアソーム2(日本精化社製)
*2;PEMUREN TR−1(G.F.Goodrich社製)
【0036】
(経時安定性の評価方法)
実施例13〜18及び比較例5〜6の各試料について、5℃の条件下で、顕微鏡下で結晶の析出を確認することにより評価した。結果は、下記3段階判定基準を用いて判断した。
【0037】
3段階判定基準
(評価の平均値)
○:1週間後まで結晶の析出が観察されなかった。
△:溶解後、3日目で結晶析出が観察された。
×:溶解後、翌日には結晶析出が観察された。
【0038】
上記表2より実施例13〜18は比較例5〜6と比較して、経時安定性に優れた化粧料であることを示した。
【0039】
実施例19、比較例7
基剤のみ、又は水素添加スクラレオールを配合した試料を、光老化させた皮膚に適用したときのシワ改善効果を、次の試験方法により調べた。
【0040】
実験動物
試験開始時10週齢のヘアレスマウス1群10匹を用いた。
【0041】
2.シワ改善効果の測定
2−1.光老化条件及び測定方法
光老化は、UVAとUVBを1日1回、週5回、8週間照射することで誘発させた。照射量はUVAが20J/cm、25J/cm、30J/cm、UVBを20mJ/cm、30mJ/cm、40mJ/cmと一週ごとに増量し、3週目以降は最大量を照射した。
シワ改善効果はシワスコアにより評価した。シワスコアは、Bissettらの方法(Photochem Photobiol、46: 367−378、1987)に従って採点した。すなわち、シワの大きさ及び深さを肉眼で総合的に評価し、最高点を3点として、「大きく深いシワが確認できる」を3、「シワが確認できる」を2、「シワが確認できない」を1、「正常なキメが観察される」を0とした。
【0042】
2−2.試料と実験方法
表2に示す組成の化粧料を常法により調製した。
まず、これらの試料0.1mLをヘアレスマウスの背部皮膚(直径約2.5cm)に1日1回、1週間に5回の頻度で、UV照射開始後5週目から照射終了後、さらに4週間塗布した。そして、塗布終了後にシワスコアを採点した。シワスコアは、基剤塗布群を対照として比較した。
【0043】
【表3】

【0044】
(シワスコア評価結果)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
群 シワスコア値
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例19 (化合物2配合試料)塗布群 2.44±0.11
比較例7 (基剤試料)塗布群 2.78±0.09
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(値は、平均値±標準誤差)
【0045】
実施例19は比較例7と比較して有意に低いシワスコア値を示し、光老化により誘発したシワを改善する効果があることを示した。
【0046】
実施例20及び比較例8
表4に示す実施例20及び比較例8のスキンクリームを使用してもらい、(1)シワの状
態、及び(2)使用感についてのアンケート調査を実施した。結果は、各項目ごとに使用前と比較して使用後にそう思うと回答した人数を示した。
【0047】
【表4】

*3;シリコンBY22−008(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)
【0048】
(1)シワの状態
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
項目 人数(名)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例20 比較例8
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
シワが目立たなくなった 17 6
シワの大きさが減少した 18 5
シワの数が減少した 16 4
シワが増えた 0 1
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0049】
(2)使用感
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
項目 人数(名)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例20 比較例8
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
非常に良い 12 0
良い 7 3
変わらない 1 11
やや悪い 0 5
悪い 0 1
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0050】
本試験結果から、実施例20のスキンクリームは、使用前と比較してシワが目立たなくなったと実感している人がほぼ全員で、その要因としてシワの数よりもシワの大きさを軽減
したことが分かる。また実施例20のスキンクリームは、比較例8と比較して、その使用感が非常に良い、または良いと実感している人がほぼ全員であった。
本発明のスキンクリームによる刺激や痒み等の皮膚の異常は認められなかった。
【0051】
実施例21〜29
下記組成の化粧料を常法により製造した。
【0052】
実施例21(化粧水)
(成分) (配合量 %)
構造式(2)の化合物 0.01
ラウロイルサルコシンイソプロピル 1.0
エタノール 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 1.0
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.5
1,3−ブチレングリコール 4.0
ジプロピレングリコール 5.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド(20E.O.)(*4) 2.0
フェノキシエタノ−ル 0.3
オウバクエキス(*5) 0.2
ディオスコレアコンポジタエキス(*6) 0.1
N−アセチルグルコサミン(*7) 0.1
豆乳発酵液(*8) 0.1
オレンジ果汁(*9) 0.01
酵母エキス(*10) 0.01
海藻エキス(*11) 0.01
チョウジエキス(*12) 0.01
精製水 残量
*4;グルカムE−20(アマコール社製)
*5;オウバク抽出液J(丸善製薬社製)
*6;ディオスコレアコンポジタ根エキス(三井化学社製)
*7;マリンスウィートF(焼津水産社製)
*8;豆乳発酵液(三省製薬社製)
*9;ホモフルーツ(オレンジ)N(香栄興業社製)
*10;ディスムチンBTJ(ペンタファーム社製)
*11;マリンパージ(一丸ファルコス社製)
*12;チョウジ抽出液(丸善製薬社製)
【0053】
実施例22(乳液)
(成分) (配合量 %)
構造式(2)の化合物 0.5
2−エチルヘキサン酸−2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール
1.0
エタノール 10.0
水素添加大豆リン脂質(*13) 0.2
コレステロール 0.1
シクロペンタポリシロキサン 3.0
ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0
1,3−ブチレングリコール 8.0
ジプロピレングリコール 5.0
濃グリセリン 2.0
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(*2) 0.1
カルボキシビニルポリマー(*14) 0.02
キサンタンガム 0.1
水酸化カリウム 0.05
エデト酸二ナトリウム 0.02
フェノキシエタノール 0.1
ラン抽出液(*15) 0.3
マツエキス(*16) 0.3
オクラエキス(*17) 0.3
オリーブ葉エキス(*18) 0.2
オトギリソウエキス(*19) 0.2
ユズエキス(*20) 0.2
メマツヨイグサ抽出液(*21) 0.1
アボカドエキス(*22) 0.1
ゲットウ葉エキス(*23) 0.1
ラフィノース(*24) 0.05
L−アスコルビン酸硫酸エステルニナトリウム(*25) 0.05
チャ実エキス(*26) 0.01
ツバキエキス(*27) 0.01
精製水 残量
*13;コートソームNC−21(日本油脂社製)
*14;シンタレンL(3V SIGMA社製)
*15;ファルコレックス ラン(一丸ファルコス社製)
*16;ファルコレクスマツB(一丸ファルコス社製)
*17;フィトヒアロンB(一丸ファルコス社製)
*18;オリーブ葉抽出液BG(丸善製薬社製)
*19;ファルコレックスオトギリソウB(一丸ファルコス社製)
*20;ユズ抽出液(丸善製薬社製)
*21;ルナホワイトB(丸善製薬社製)
*22;ファルコレックス アボガドB(一丸ファルコス社製)
*23;月桃葉抽出液BG(丸善製薬社製)
*24;オリゴGGF(旭化成工業社製)
*25;VC−SS(日本サーファクタント社製)
*26;茶の実抽出物(丸善製薬社製)
*27;ツバキ種子抽出物(丸善製薬社製)
【0054】
実施例23(乳液)
(成分) (配合量 %)
構造式(2)の化合物 1.0
イソステアリルアルコール 3.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.3
ステアリン酸 1.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.5
コレステロール 1.0
ベヘニルアルコール 0.5
ワセリン 1.5
スクワラン 10.0
ジメチルポリシロキサン 2.0
キサンタンガム 0.1
ベントナイト 0.5
1,3−ブチレングリコール 5.0
フェノキシエタノール 0.5
セイヨウニワトコエキス(*28) 0.2
ホオノキ抽出液(*29) 0.2
カンゾウ抽出末(*30) 0.2
コムギ胚芽エキス(*31) 0.2
ヨクイニンエキス(*32) 0.2
ユキノシタエキス(*33) 0.2
スイカズラエキス(*34) 0.2
ジオウエキス(*35) 0.2
精製水 残量
*28;ニワトコ抽出液BG90(丸善製薬社製)
*29;ファルコレックスホオノキB(一丸ファルコス社製)
*30;カンゾウ抽出液(丸善製薬社製)
*31;クラリスキン(Silab社製)
*32;ヨクイニン抽出液BG−S(丸善製薬社製)
*33;ユキノシタエキス(一丸ファルコス社製)
*34;ファルコレックス スイカズラSB(一丸ファルコス社製)
*35;ジオウ抽出液BG−J(丸善製薬社製)
【0055】
実施例24(乳液)
(成分) (配合量 %)
構造式(2)の化合物 2.0
ジー2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグルコール 4.0
水素添加大豆リン脂質(*13) 2.0
コレステロール 1.0
スクワラン 2.0
シクロペンタポリシロキサン 10.0
ミリスチン酸オクチルドデシル 7.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 5.0
濃グリセリン 1.0
ジグリセリン 5.0
ポリエチレングリコール4000 3.0
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(*2) 0.1
カルボキシビニルポリマー(*14) 0.2
キサンタンガム 0.1
水酸化カリウム 0.08
エデト酸二ナトリウム 0.02
フェノキシエタノール 0.3
メバロノラクトン(*36) 0.1
酵母エキス(*37) 0.1
ハクガイシ加水分解エキス(*38) 0.1
混合植物抽出液(*39) 0.1
カロットエキス(*40) 0.1
ブクリョウエキス(*41) 0.1
タイソウエキス(*42) 0.1
精製水 残量
*36;メバロノラクトン(旭電化工業社製)
*37;イーストリキッドZB(一丸ファルコス社製)
*38;シナブランカーWH(テクノーブル社製)
*39;マルチフルーツBSC(Arch Personal Care Products L.P.社製)
*40;ベジタブルコラーゲン(高研社製)
*41;ファルコレックスブクリョウE(一丸ファルコス社製)
*42;タイソウ抽出液BG−J(丸善製薬社製)
【0056】
実施例25(O/W型クリーム)
(成分) (配合量 %)
構造式(2)の化合物 3.0
オレイン酸プロピレングリコール 7.0
ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.5
モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.0
トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5
ポリオキシエチレンソルビットミツロウ(6E.O.) 1.0
ベヘニルアルコール 3.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ステアリン酸 2.0
ワセリン 3.0
サラシミツロウ 1.0
パルミチン酸セチル 0.5
スクワラン 7.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0
ジメチルポリシロキサン 3.0
マルチトール液 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 5.0
キサンタンガム 0.2
フェノキシエタノール 0.5
エデト酸二ナトリウム 0.02
グリシン(*43) 0.01
L−プロリン(*44) 0.01
L−アラニン(*45) 0.01
シルク抽出液(*46) 0.3
酵母エキス(*47) 0.1
パルミトイルペンタペプチド(*48) 0.1
アルテアエキス(*49) 0.1
ウーロン茶エキス(*50) 0.1
精製水 残量
*43;グリシン(有機合成薬品工業社製)
*44;L-プロリン(味の素社製)
*45;L-アラニン(味の素社製)
*46;シルクプロテインエキス(一丸ファルコス社製)
*47;TONISKIN(Silab社製)
*48;MATRIXYL(クローダジャパン社製)
*49;アルテア抽出液(香栄興業社製)
*50;ウーロン茶抽出液BG(丸善製薬社製)
【0057】
実施例26(O/W型クリーム)
(成分) (配合量 %)
構造式(2)の化合物 0.7
セバシン酸ジエチル 3.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
水素添加大豆リン脂質(*13) 2.0
コレステロール 1.0
ベヘニルアルコール 3.0
イソステアリン酸 2.0
パルミチン酸 0.5
パルミチン酸セチル 0.5
長鎖分岐脂肪酸(12〜31)コレステリル 7.0
ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0
ミリスチン酸イソセチル 2.0
トリイソステアリン酸グリセリル 1.0
スクワラン 5.0
濃グリセリン 3.0
ソルビット液 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 5.0
カルボキシビニルポリマー(*14) 0.2
キサンタンガム 0.2
水酸化カリウム 0.08
フェノキシエタノール 0.4
エデト酸二ナトリウム 0.02
ジメチルシラノール・ヒアルロン酸縮合液(*51) 0.1
海藻エキス(*52) 0.1
βーカロチン(*53) 0.001
クチナシエキス(*54) 0.1
タイムエキス(*55) 0.1
チンピエキス(*56) 0.1
精製水 残量
*51;DSHC(N)(EXSYMOL社製)
*52;LAMINAINE−BG(Biotech Marine社製)
*53;βーカロチン(ロッシュ社製)
*54;サンシシ抽出液BG(丸善製薬社製)
*55;タチジャコウソウ抽出液BG(丸善製薬社製)
*56;チンピ抽出液BG40(丸善製薬社製)
【0058】
実施例27(W/O型クリーム)
(成分) (配合量 %)
構造式(2)の化合物 1.0
イソステアリルグリセリルエーテル 2.0
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体(*3)
10.0
シクロペンタシロキサン 10.0
メチルフェニルポリシロキサン(*57) 5.0
架橋型シリコーン末(*58) 2.0
オリーブ油 5.0
ジプロピレングリコール 7.0
濃グリセリン 5.0
塩化ナトリウム 1.0
塩化マグネシウム 1.0
ジプロピレングリコール 7.0
メチルパラベン 0.1
加水分解コンキオリン液(*59) 0.1
センブリエキス(*60) 0.1
ゴレンシ葉エキス(*61) 0.1
キイチゴエキス(*62) 0.1
トウニンエキス(*63) 0.1
アロエエキス(*64) 0.1
精製水 残量
*57;シリコンFZ−209(日本ユニカー社製)
*58;トレフィルE507(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)
*59;真珠たん白抽出液K(丸善製薬社製)
*60;スウェルチノーゲンKM(丸善製薬社製)
*61;スターフルーツ葉抽出液BG30(丸善製薬社製)
*62;ファルコレックス キイチゴB(一丸ファルコス社製)
*63;ファルコレックス トウニン B(一丸ファルコス社製)
*64;ベラゲルリキッド(DRマディスラボラトリーズ社製)
【0059】
実施例28(サンスクリーン)
(成分) (配合量 %)
構造式(2)の化合物 0.5
モノイソステアリン酸グリセリル 2.5
メチルフェニルポリシロキサン(*57) 1.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3.0
4−tert−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン 1.0
ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル
1.0
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム 3.0
親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム(2E.O.)
0.3
ブチルパラベン 0.1
ステアロイル−L−グルタミン酸カリウム 0.3
微粒子酸化チタン(*65) 3.0
微粒子酸化亜鉛(*66) 7.0
メチルパラベン 0.1
水溶性コラーゲン液(*67) 0.1
カンゾウ抽出末(*68) 0.1
精製水 残量
*65;タイペークTTO−55(A)(石原産業社製)
*66;ZnO−350(住友大阪セメント社製)
*67;ネプチゲンN(丸善製薬社製)
*68;リコレックスNA(丸善製薬社製)
【0060】
実施例29(美容液)
(成分) (配合量 %)
構造式(2)の化合物 0.7
イソステアリン酸プロピレングリコール 2.0
アスコルビン酸2−グルコシド 2.0
ニコチン酸アミド 1.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 0.3
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
エタノール 7.0
メチルフェニルポリシロキサン(*57) 3.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール1000 1.0
カルボキシビニルポリマー(*14) 0.1
水酸化カリウム 0.15
乳酸 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム(*69) 0.01
ローヤルゼリーエキス(*70) 0.1
香料 0.01
精製水 残量
*69;ヒアルロン酸FCH−SU(紀文フードケミファ社製)
*70;ローヤルゼリーエキス(アピ社製)
【0061】
実施例21〜29で得られた化粧料は、いずれもシワ改善効果、経時的安定性に優れ、しかも使用性に優れたものであった。
【0062】
尚、実施例中、香料は下記香料処方のものを用いた。
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、化粧水、乳液、クリーム、美容液等の皮膚外用剤として医薬品、医薬部外品や化粧品等に用いることができ、光老化により書汁シワの改善効果を有し、使用性及び経時的安定性などの品質に優れた皮膚外用剤を提供することができ、皮膚の美容の面から非常に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)一般式(1)で表される化合物、及び(B)IOB値が0.29〜0.8であり、かつ有機性値が250〜450であり、さらに融点が30℃以下の油剤から選ばれる1種又は2種以上からなることを特徴とする皮膚外用剤。式(1)中、R、Rがともに水素で表される場合、RはCHCHであり、R、Rのどちらか一方がアセチル基、もう一方が水素で表される場合、または両方がアセチル基で表される場合、RはCH:CHである。
【化1】

(1)
【請求項2】
更に、成分(A)が、下記構造式(2)で表される水素添加スクラレオールである請求項1記載の皮膚外用剤。
【化2】

(2)
【請求項3】
更に、成分(B)が、一般式(3)で表される化合物である請求項1又は2記載の皮膚外用剤。式(3)中、Rは、炭素数10〜22、好ましくは14〜20の直鎖、又は分岐鎖であるアルキル基、又はアルケニル基で表される。
【化3】

(3)
【請求項4】
更に、成分(B)が、乳酸オクチルドデシルである請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
更に、成分(B)が、一般式(4)または一般式(5)で表される化合物である請求項1又は2記載の皮膚外用剤。式(4)または式(5)中、Rは、炭素数9〜19、好ましくは13〜17の直鎖、又は分岐鎖であるアルキル基、又はアルケニル基で表される。
【化4】

(4)
【化5】

(5)
【請求項6】
更に、成分(B)が、イソステアリン酸プロピレングリコールである請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
【請求項7】
更に、成分(B)が、一般式(6)で表される化合物である請求項1又は2記載の皮膚外用剤。式(6)中、Rは、炭素数1〜8、好ましくは1〜3の直鎖、又は分岐鎖であるアルキル基、又はアルケニル基で表され、Rは、炭素数1〜19、好ましくは7〜17の直鎖、又は分岐鎖であるアルキル基、又はアルケニル基で表される。
【化6】

(6)
【請求項8】
更に、成分(B)が、ラウロイルサルコシンイソプロピルである請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
【請求項9】
更に、成分(B)が、一般式(7)で表される化合物である請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
式(7)中、Rは、炭素数1〜19、好ましくは5〜11の直鎖、又は分岐鎖であるアルキル基、又はアルケニル基で表され、R及びR10は、それぞれ水素、又は炭素数1〜8、好ましくは1〜4の直鎖、又は分岐鎖であるアルキル基、またはアルケニル基で表される。
【化7】

(7)
【請求項10】
更に、(B)成分が、2−エチルヘキサン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールである請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
【請求項11】
更に、(C)保湿剤を含有する請求項1〜10のいずれか1項記載の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2008−81472(P2008−81472A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266106(P2006−266106)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】