説明

皮膜形成性重合体を含む化粧料

【課題】延び、使用感が良く、2次付着が無い化粧料を提供する。
【解決手段】下記式(1)の繰返し単位を有する重合体。


(式中、Rは、互いに独立に、炭素数1〜12アルキル基であり、XはO−Si−アルキル基、及環状アルキレン基であり、aは1〜3、bは0〜2である)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料に関し、詳細にはシクロオレフィン骨格を有し、膜形成性の重合体を含む化粧料に関する。該重合体は、各種油剤、特にシリコーン油剤、との相溶性に優れ、皮膚または毛髪上で、べたつき感を与えること無くよく延び、化粧が衣服等へ付着することを防止する効果を奏する。
【背景技術】
【0002】
化粧料の持ちを向上する等の目的で、膜形成性ポリマーを配合することは広く行なわれている。例えば、各種シリコーンレジン、シリコーン変性アクリル樹脂等が使用されている。しかし、これらの膜形成性ポリマーは、皮膜の強度が弱く、塗布された後に衣服等で擦られた場合、化粧が衣服等へ付着し易い(以下において、「2次付着」という)という問題がある。その一方、膜強度を高めると、皮膚上での延びが悪くなり、ギシギシ感が出てしまう。
【0003】
他方、ポリシクロオレフィン重合体が知られている(特許文献1)。同重合体は、膜形成能に優れ、気体透過性膜及びコンタクトレンズ等に使用される。
【特許文献1】特開2007−291150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、上記ポリシクロオレフィン重合体の骨格に、所定の官能基を導入したものが、上記従来の膜形成性ポリマーの問題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、本発明は、下記式(1)の繰返し単位を有する重合体、但し、該重合体主鎖の炭素−炭素二重結合が一部水素化されていてよい、を含む化粧料である。

(式中、Rは、互いに独立に、炭素数1〜12の、フッ素置換されていてよいアルキル基であり、Xは(i)で示される基及び/又は(ii)で示される基であり、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数である)

(Rは、互いに独立に、炭素数1〜12の、フッ素置換されていてよいアルキル基であり、dは1〜5の整数であり、cは3〜5の整数である。)
【発明の効果】
【0006】
上記重合体は、各種油剤との相溶性に優れ、特に、粉体を含む化粧料の安定性を高める。
皮膚または毛髪上で、べたつくこと無くよく延び、化粧が衣服等へ付着することを防止する効果を奏する膜形成性
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、(I)重合体、(II)重合体及びその水素化物の製法、(III)化粧料の順に説明する。
【0008】
(I)重合体
下記繰返し単位(1)において、R1は炭素数1〜12の、フッ素置換されていてよいアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、ブチル基、ペンチル基、トリフロロメチル基が挙げられる。これらの中で、メチル基が好ましい。

【0009】
aは1〜3の整数であり、これらの組合せ、例えばaが2の繰り返し単位と3の繰り返し単位が混合して存在する重合体、であってよい。aは、好ましくは3である。bは0〜2の整数であり、これらの組合せであってもよい。重合性の点で、好ましくは、bは0、1又はこれらの組合せであり、最も好ましくは0である。
【0010】
Xは、下記式(i)又は(ii)で示される、鎖状又は環状ジオルガノポリシロキサン残基、またはこれらの組合せである。

上式中、Rは、互いに独立に、炭素数1〜12の、フッ素置換されていてよいアルキル基であり、例えば、Rについて上述した基が包含され、好ましくはメチル基、及びトリフロロメチル基である。dは1〜5の整数であり、cは3〜5の整数である。
【0011】
式(i)の基の例として、下記のトリメチルシロキシ基が、

式(ii)の基の例として下記の基が挙げられる。

【0012】
上記繰返し単位(1)に加えて、下記式(2)の繰返し単位を含む共重合体であってもよい。単位(1)と(2)の結合は、ランダムである。式中(2)において、Rは、互いに独立に、水素原子、フッ素置換されていてよいアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基、ポリグリセリル基、及びアルコキシシリル基から選ばれる基であり、bは0〜2の整数である。好ましくは、Rはトリエトキシシリル基である。

【0013】
式(2)の繰返し単位の割合は、全繰返し単位数の5%〜50%の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜20%である。該割合が、前記下限値未満であると、式(2)の繰返し単位を導入した効果が得られない場合があり、上限値を超えると、式(1)のXによる効果が十分でない場合がある。
【0014】
上記重合体または共重合体(以下、「重合体」と略す)は、主鎖の炭素−炭素二重結合の少なくとも一部が水素化されたものであっても良い。水素化によって、重合体の熱的安定性が向上する。水素化率は、例えば、水素化前のポリシクロオレフィンのH−NMRスペクトルにおける主鎖炭素−炭素二重結合に由来するピーク強度に対する、水素化後のピーク強度を比較することより求めることができる。好ましくは、主鎖の炭素−炭素二重結合の50〜100%、より好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上が水素化されている。
【0015】
該重合体は、GPCで求められるポリスチレン換算の数平均重量分子量が、300〜1,000,000であることが好ましく、より好ましくは500〜50,000である。該分子量が前記上限値を越えるものは粘度が高く、べたつきを感じる等、使用感が悪くなる場合がある。一方、該分子量が前記下限値未満では皮膜形成が困難になる場合がある。
【0016】
(II)重合体及びその水素化物の製法
上記重合体は、下記式(3)で示される化合物をメタセシス重合に付することによって、製造することができる。

(ここで、R1、X、a、bは上述の通りである。)
【0017】
式(3)の有機ケイ素化合物としては、下記のものが例示され、ここでMeはメチル基を表す。また、これらの混合物を使用してもよい。



【0018】
該有機ケイ素化合物(3)は、下記式(5)または(6)で表されるビニル基含有化合物とシクロペンタジエンをDiels−Alder反応に付することによって調製することができる。調製法の詳細は、後記実施例で説明する。

(ここで、R1、X、aは上述の通りである。)
【0019】
式(3)において、Xが上記式(i)の物を調製するビニル基含有化合物の例として、トリストリメチルシロキシビニルシランを、Xが上記式(ii)物を調製するビニル基含有化合物の例として、下記式(6)の化合物を例示することができる。

(ここで、R1、R、aは上述の通りである。)
【0020】
式(2)の繰返し単位を含む重合体は、下記式(4)で示される化合物を、式(2)の繰返し単位の割合が上記の割合になるような量で用いて、式(3)の化合物とメタセシス重合に付することによって得ることができる。

(ここで、R、bは上述の通りである)
【0021】
上記化合物の例としては、下記のものが挙げられる。

これの化合物は、Rの末端にビニル基が結合された化合物と、シクロペンタジエンをDiels−Alder反応に付することによって調製することができる。
【0022】
メタセシス重合は、定法に従い、トルエンやキシレンなどの芳香族系炭化水素溶媒にモノマーを溶解して、重合触媒の存在下で、常圧下40〜60℃の温度で、窒素雰囲気下攪拌して重合させる。前記重合触媒としては、カルベン型錯体と称されるタングステン、モリブデンやルテニウム系錯体などが使用でき、好ましくは、Grubbs第一世代触媒、Grubbs第二世代触媒あるいはHoveyda−Grubbs触媒などが使用される。触媒の使用量は原料のモノマーに対し1〜1000ppmの濃度で重合させることが出来、好ましくは5〜500ppmである。5ppmより少ないと重合速度が遅くて実用性に乏しく、500ppmより多いと経済的に好ましくない場合がある。
【0023】
得られた重合体の水素化反応は、例えば、水素化触媒の存在下に水素ガスを用いて、シリコーン変性ポリシクロオレフィンの主鎖炭素−炭素二重結合を飽和単結合に変換することにより行うことができる。
【0024】
用いる水素化触媒は、均一系触媒、不均一触媒等、特に限定されず、オレフィン化合物の水素化に際して一般的に用いられているものを適宜使用することができる。
【0025】
均一触媒としては、例えば、ウィルキンソン錯体として知られるジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、前記メタシシス重合触媒で説明したルテニウムカルベン錯体触媒、特開平7−2929、特開平11−109460、特開平11−158256、特開平11−193323等に記載されているルテニウム化合物からなる遷移金属錯体触媒等が挙げられる。
【0026】
不均一触媒の例としては、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム等の金属を、カーボン、シリカ、セライト、アルミナ、酸化チタン等の担体に担持させた水素化触媒が挙げられる。より具体的には、例えば、ニッケル‐アルミナ、パラジウム‐カーボン等を用いることができる。これらの水素化触媒は単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
これらの中でも、官能基等の副反応を起こすことなく、該重合体の主鎖炭素―炭素二重結合を選択的に水素化できる点から、ロジウム、ルテニウム等の貴金属錯体触媒及びパラジウム‐カーボン等のパラジウム担持触媒の使用が好ましく、特にはルテニウムカルベン錯体触媒が好ましい。
【0028】
該ルテニウムカルベン錯体触媒は、開環メタセシス反応触媒及び水素化触媒の双方として使用することができる。この場合には、開環メタセシス反応と水素化反応を連続的に行うことができる。該ルテニウムカルベン錯体触媒を使用して開環メタシシス反応と水素化反応を連続的に行う場合、エチルビニルエーテル当のビニル化合物やαオレフィン等の触媒改質剤を添加して該触媒を活性化させてから、水素化反応を開始する方法も好ましく採用される。
【0029】
水素化反応は、有機溶媒中で行われることが好ましい。有機溶媒としては、生成する水素化物の溶解性により便宜選択することができ、前述の重合溶媒と同様の有機溶媒をしようすることができる。したがって、重合反応後溶媒を入れ替えることなく、反応液又は該反応液からそのままもしくは水素化触媒を追加添加して反応させることもできる。
【0030】
水素化反応の条件は、使用する水素化触媒の種類に応じて適宜選択すればよい。水素化触媒の使用量は、開環重合体100重量部に対して、通常0.01〜50重量部、好ましくは0.05から10重量部である。反応温度は100℃〜200℃、それ以上だと副反応が起こりやすくなる。水素の反応圧は通常0.01から10.0MPa、好ましくは0.1〜5.0MPaである。水素圧が0.01MPa以下だと水素化反応速度が低下する。5.0MPa以上だと高耐圧装置が必要となる。
【0031】
上記のように行われる水素化反応によって、主鎖炭素−炭素二重結合のうち50%以上、好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上を水素化することができる。
【0032】
(III)化粧料
上記重合体(以下「A)成分)」という場合がある)は、スキンケア製品、メークアップ製品、頭髪製品、制汗剤製品、紫外線防御製品等、特に皮膚、頭髪、眉毛、あるいは、睫毛に外用される化粧料の原料として好適である。特に、化粧持ち、2次付着性が問題となるスキンケア製品、メークアップ製品に適する。化粧料の種類及び剤形によって異なるが、A)成分は、ファンデーション等パウダー化粧料では、化粧料重量の0.1〜10重量%、乳液等液状化粧料では0.1〜7.5重量%配合することが好ましい。
【0033】
該化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上のB)油剤を配合することができる。通常の化粧料に使用されるものであれば、固体、半固体、液状等、いずれの油剤も使用することができる。
【0034】
B)油剤としては、シリコーン油、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を挙げることができる。
【0035】
シリコーン油としてはジメチルポリシロキサン、カプリリルメチコン、フェニルトリメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の、低粘度から高粘度の直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン等の分岐状オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状オルガノポリシロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、酸化チタン含有トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状オルガノポリシロキサン溶液、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、長鎖アルキル変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。
【0036】
B)油剤の一部にオクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、テトラキストリメチルシロキシシランなどの直鎖状、分岐状、又は環状の室温(25℃)で揮発性のシリコーン油を用いることが好ましい。A)成分は、これらの油剤との相溶性に優れ、予めこれらのシリコーン油に溶解した溶液として化粧料に加えることが好ましい。
【0037】
炭化水素油としては、直鎖状、分岐状、さらに揮発性の炭化水素油等が挙げられ、具体的には、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン、キシレン、シクロヘキセン、軽質イソパラフィン、イソドデカン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレンワックス、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、流動パラフィン、流動イソパラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0038】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0039】
高級アルコール油としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0040】
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
【0041】
天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワラン、スクワレン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、ミンクロウ、メドウフォーム油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、ラノリンロウ、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。但し、POEはポリオキシエチレンを意味する。
【0042】
フッ素系油剤としては、パーフルオロポリオキシアルキレン、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
【0043】
B)油剤の配合量は、化粧料重量の1〜98重量%の範囲で、化粧料の剤型に応じて適宜調整する。上記直鎖状、分岐状、又は環状の25℃で揮発性のシリコーン油は、A)重合体に対して、重量比1:2〜100:1で混合することが好ましく、より好ましくは1:1〜70:1で混合する。
【0044】
本発明の化粧料には、その目的に応じて、1種又は2種以上のC)分子構造中にアルコール性水酸基を有する化合物を用いることができる。例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコール、ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等があり、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、ペンチレングリコール等の多価アルコール等があるが、通常は水溶性一価のアルコール、水溶性多価アルコールが多く用いられる。配合量は、化粧料全体の0.1〜98重量%の範囲であってよい。
【0045】
本発明の化粧料には、その目的に応じて、D)水溶性高分子又は水膨潤性高分子を1種又は2種以上用いることもできる。
【0046】
上記水溶性高分子としては、例えば、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子;カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、酢酸セルロース、セルロース粉末等のセルロース系高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子;ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;ポリオキシエチレン系高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子;ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなど他の合成水溶性高分子;ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子などがある。また、これらの水溶性高分子には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。配合量としては、化粧料全体の0〜25重量%の範囲が好適である。
【0047】
本発明の化粧料には、E)水を配合することも出来る。その配合量は、剤系によっても異なるが、化粧料全体の1〜99重量%の範囲であってよい。
【0048】
本発明の化粧料には、F)粉体を配合することができる。該粉体は、通常の化粧料に用いられるものであれば、その形状(球状、針状、板状、樹状、繊維状、不定形等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質、中空、中空多孔質等)を問わず、何れのものも使用することができる。このような粉体としては、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等が挙げられる。
【0049】
無機粉体の例としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ボロン、シリカ、シリル化シリカ等が挙げられる。これらのうち、酸化亜鉛及び酸化チタンが好ましい。また、炭酸カルシウム、タルク等の体質顔料も好ましく使用される。A)成分は、これらの粉体の化粧料中での分散性を向上することができる。
【0050】
有機粉体の例としては、ポリアミドパウダー、ポリアクリル酸・アクリル酸エステルパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、12ナイロンや6ナイロン等のナイロンパウダー、または、これらの繊維状パウダー、ジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つ架橋型シリコーン微粉末、架橋型球状ポリメチルシルセスキオキサン微粉末、架橋型球状オルガノポリシロキサンゴム表面をポリメチルシルセスキオキサン粒子で被覆してなる微粉末、疎水化シリカ、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、または、これら樹脂の積層末、微結晶繊維粉体、デンプン末、脂肪酸デンプン誘導体末、ラウロイルリジン等が挙げられる。
【0051】
特に、粉体の一部にジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つ架橋型球状ジメチルポリシロキサン微粉末、架橋型球状ポリメチルシルセスキオキサン微粉末、架橋型球状ジメチルポリシロキサンゴム表面をポリメチルシルセスキオキサン粒子で被覆してなる微粉末、架橋型球状ジフェニルポリシロキサンゴム表面をポリメチルシルセスキオキサン粒子で被覆してなる微粉末、疎水化シリカが好ましく、市販品としては、KMP−590、KSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−105、KSP−300(何れも信越化学工業(株)製)等がある。
【0052】
界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸アルミニウム、ラウリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0053】
着色剤には顔料や染料がある。有色顔料の具体例としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色系顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料、シリカ被覆鉄顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。
【0054】
パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、シリカ被覆雲母チタン、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられる。
【0055】
金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
【0056】
タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。
【0057】
また、微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等の紫外線を吸収散乱する粉体も挙げられる。さらに、これらの紫外線を吸収散乱する粉体は、主に該粉体の表面活性を封鎖する目的で、酸化アルミ、水酸化アルミ、シリカ、シリカゲル、ケイ酸亜鉛等で、別途表面処理されたものであっても良い。
【0058】
これらの粉体は本発明の効果を妨げない範囲で、粉体を複合化したものや、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤、金属石鹸等で別途処理したもの、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有するアルキル基で別途処理したもの、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有する直鎖状且つ/又は分岐状のオルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有し長鎖アルキルで共変性された直鎖状且つ/又は分岐状オルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有しポリオキシアルキレンで共変性された直鎖状且つ/又は分岐状オルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有するアクリル−シリコーン系共重合体等も使用することができ、必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。これらの粉体は、表面処理剤、例えば、AES−3083、KF−99P、KF−9901、KF−9908、KF−9909、KP−574(何れも信越化学工業(株)製)等で処理して使用することができる。
【0059】
本発明の化粧料には、G)界面活性剤を用いることができる。このような界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。
【0060】
アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン;アルキルエーテルカルボン酸及びその塩;アミノ酸と脂肪酸の縮合物塩、アルカンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等;カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0061】
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、直鎖状或いは分岐状ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖状或いは分岐状のポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖状或いは分岐状のポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖状或いは分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等;両性界面活性剤としては、ベタイン、ホスファチジルコリン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アミドアミン型等が挙げられる。
【0062】
これらの界面活性剤の中でも、分子中にポリオキシエチレン鎖を有する直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、分子中にポリグリセリン鎖を有する直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、或いはそれぞれのアルキル共変性オルガノポリシロキサンである界面活性剤が好ましい。市販品としては、KF−6011、KF−6011P、KF−6043、KF−6012、KF−6013、KF−6015、KF−6016、KF-6017、KF−6028、KF−6028P、KF−6038、KF−6100、KF−6104、KF−6105(何れも信越化学工業(株)製)等がある。また、HLBとしては1〜10である界面活性剤が好ましく、配合量は、化粧料全体の0.1〜20重量%であることが好ましく、特に0.2〜10重量%の範囲が好適である。
【0063】
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上のH)架橋型オルガノポリシロキサンを用いることもできる。該架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油を含んで膨潤するものであることが好ましい。液状油としては、B)油剤として述べたものを用いることができ、たとえば、0.65mm2/秒(25℃)〜100.0mm2/秒(25℃)の低粘度シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N−アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアンナッツ油などの天然動植物油が挙げられる。
【0064】
また、この架橋型オルガノポリシロキサンの架橋剤は、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持ち、かつ、ケイ素原子に直接結合した水素原子との間で反応することにより架橋構造を形成するものであることが好ましい。分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持つものとしては、分子中に二つ以上のビニル基を有するオルガノポリシロキサン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリオキシアルキレン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリグリセリン、α、ω−アルケニルジエンなどが挙げられる。
【0065】
更に、この架橋型オルガノポリシロキサンは、ポリオキシアルキレン部分、ポリグリセリン部分、アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、及びフルオロアルキル部分からなる群から選択される少なくとも1種の部分を分子中に含有していても良い。これらの架橋型オルガノポリシロキサンは特に限定される物ではないが、市販品としては、シリコーン油でペースト状にしたKSG−15、KSG−16、KSG−18、KSG−1610、USG−103、KSG−210、KSG−240、KSG−710、炭化水素油やトリグリセライド油でペースト状にしたUSG−106、KSG−41、KSG−42、KSG−43、KSG−44、KSG−310、KSG−320、KSG−330、KSG−340、KSG−810、KSG−820、KSG−830、KSG−840(何れも信越化学工業(株)製)等がある。
【0066】
架橋型オルガノポリシロキサンの配合量は、化粧料の総量に対して0.01〜40重量%であることが好ましく、特に0.1〜30重量%であることが好ましい。
【0067】
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上のI)シリコーン樹脂を用いることもできる。I)シリコーン樹脂はアクリル/シリコーングラフト又はブロック共重合体のアクリルシリコーン樹脂であることが好ましく、さらに、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、カルボン酸などのアニオン部分の中から選択される少なくとも1種の部分を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂が好ましい。市販品としては、シリコーン油や炭化水素油、アルコールに溶解したKP−541、KP−543、KP−545、KP−549、KP−550、KP−571、KP−575、KP−581(何れも信越化学工業(株)製)等がある。
【0068】
このシリコーン樹脂は、構成成分としてMQ、MDQ、MT、MTQ、MDT、MDTQと表されるシリコーン網状化合物であることが好ましい。このM、D、T、Qは、それぞれ、RSiO0.5単位、RSiO単位、RSiO1.5単位、SiO単位を示すものであり、シリコーン業界では一般に使用されるものである。シリコーン網状樹脂は一般にMQレジンあるいはMT、MDTレジンとして知られており、MDQ、MTQ、MDTQと示される部分を有することもある。具体的にはデカメチルシクロペンタシロキサンやジメチコンなどの溶解物として市販されているものであり、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、アミノ部分の中から選択される少なくとも1種の部分を分子中に含有していても良い。
【0069】
アクリルシリコーン樹脂やシリコーン網状化合物等のシリコーン樹脂を用いる場合、その配合量は、化粧料の総量に対して0.1〜20重量%であることが好ましく、特に1〜10重量%であることが好ましい。
【0070】
本発明の化粧料には、その目的に応じてJ)シリコーンワックスを含むこともできる。このシリコーンワックスは、5員環以上のラクトン化合物が開環重合物であるポリラクトンを結合させたポリラクトン変性ポリシロキサンであることが好ましい。あるいは、このシリコーンワックスは、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分、フルオロアルキル部分、カルボン酸などのアニオン部分の中から選択された少なくとも一つの部分を分子中に含有するアクリル変性ポリシロキサンであることが好ましい。市販品としては、長鎖アルキル基を有するワックスとして、KP−561P、KP−562P(何れも信越化学工業(株)製)等がある。
【0071】
あるいは、このシリコーンワックスが、オレフィンワックスと1分子1個以上のSiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させることによって得られるシリコーン変性オレフィンワックスであることが好ましい。また、オレフィンワックスは、エチレンと少なくとも1種のジエンを共重合して得られるもの、または、エチレンと炭素数3〜12のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンと少なくとも1種のジエンを共重合して得られるものであり、このジエンとしては、ビニルノルボルネンが好適である。
【0072】
何れのシリコーンワックスを選択するにせよ、シリコーンワックスを用いる場合、その配合量は、化粧料の総量に対して0.1〜20重量%であることが好ましく、特に1〜10重量%であることが好ましい。
【0073】
更に、本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の化粧料に使用される成分、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、樹脂、制汗剤、紫外線吸収剤、紫外線吸収散乱剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物、毛髪用固形化剤等を添加することができる。
【0074】
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等から選ばれるゲル化剤が挙げられる。
【0075】
制汗剤としては、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等から選ばれる制汗剤が挙げられる。
【0076】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリメチルシクロヘキシル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、フェニルベンズイミダゾールスルフォン酸等が挙げられ、紫外線吸収散乱剤としては、微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等、紫外線を吸収散乱する粉体が挙げられ、これらの紫外線吸収散乱剤をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。
【0077】
保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファジチルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等がある。
【0078】
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0079】
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、たとえば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等がある。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、更には、化粧品処方の中で使用される酸−アルカリの中和塩等も使用することができる。
【0080】
酸化防止剤としては、トコフェロール、p−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等、pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0081】
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0082】
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、 L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等がある。
【0083】
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0084】
毛髪や爪への固定用高分子化合物としては、両性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられ、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等の、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N−メタクリロイルエチル−N、N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物が挙げられる。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチンおよびコラーゲンまたはその誘導体等の天然由来高分子化合物、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、アクリル系共重合物、ウレタン樹脂、各種ゴム(NBR、SBR、SIS、SBS、EPDM等)、塩素化ポリエチレン等の合成樹脂も好適に用いることができる。
【0085】
化粧料の形態としては、粉体、油性、油中水型エマルション、水中油型エマルション、非水エマルション、W/O/WやO/W/Oなどのマルチエマルションなどの形態が挙げられ、具体的な化粧料としては、上記化粧料成分を配合してなる化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、パック、マッサージ料、美容液、美容オイル、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム、しわ隠し製品等のスキンケア化粧料、メークアップ下地、コンシーラー、白粉、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、油性ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメークアップ化粧料、エナメル、アンダーコート、オーバーコート等の美爪料、シャンプ−、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料、制汗剤化粧料、日焼け止めオイルや日焼け止め乳液や日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料等が挙げられる。
【0086】
また、これらの化粧料の製品形態としては、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、エアゾル状、スプレー状、スティック状等、種々の形態を選択することができる。
【0087】
さらに、これらの化粧料を皮膚、爪、頭髪、眉毛、あるいは、まつげに塗布または転写させる場合には、指を用いるのも良く、また、ブラシ、チップ、パフ、ヘラ等、種々のアプリケーターを選択し用いることができる。
【0088】
以下に、本発明を実施例によって更に詳述する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、特に断らない限り、以下に記載する「%」は「重量%」を意味する。
【0089】
モノマーの製造例1:トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネンの合成
ジシクロペンタジエン307gとトリストリメチルシロキシビニルシラン750gを2リットルの反応器に仕込み、窒素シール下160〜170℃で8時間反応させた。反応液を減圧蒸留したところ、沸点が118〜120℃/5mmHgの留分が757g得られた。H−NMR分析(測定装置 JEOL社製LAMBDA LA−300W)及び赤外分光分析(測定装置 Perkin Elmer社製FT−IR Spectrometer Spectrum One)で構造を確認し、下記構造式で表される化合物であることが確認された。


これをモノマーAとする。
【0090】
モノマーの製造例2:パーフルオロブチルノルボルネンの合成
ジシクロペンタジエン40gと1H,1H,2H−パーフルオロ−1−ヘキセン73gを200mlの反応器に仕込み、窒素シール下150〜160℃で12時間反応させた。反応液を減圧蒸留したところ、沸点が108〜110℃/5mmHgの留分が71g得られた。H−NMR分析(測定装置 JEOL社製LAMBDA LA−300W)及び赤外分光分析(測定装置 Perkin Elmer社製FT−IR Spectrometer Spectrum One)で構造を確認し、下記構造式で表される化合物であることが確認された。


これをモノマーBとする。
【0091】
重合体製造例1:トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネン開環重合体の合成
撹拌器を備えた3リットルの四つ口フラスコにモノマーAを50g入れトルエン2リットルに溶解させた後、Ar(またはN)置換した。モノマーが均一に拡散するように撹拌しながら過熱し、40℃に保った。そこにGrubbs第一世代触媒[ベンジリデン‐ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム]を0.105gトルエン110mlに溶かした触媒溶液を速やかに加えた。20分後、重合を停止するためにエチルビニルエーテルを1ml加え、5分間攪拌して重合体溶液を得た。得られた反応液を大量のメタノールに投入し、析出したものを減圧乾燥することで固体を得た。これをポリマーAとする。ポリマーAの一部を採取してゲル・パーミネーション・クロマトグラフィー(測定装置 東ソー社製HLC−8220)で、ポリスチレンを標準として用いて分子量を調べたところ、Mn=163,000、Mw/Mn=1.75であった。
【0092】
重合体製造例2:トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネン-b-パーフルオロブチルノルボルネン開環共重合体の合成
重合体製造例1でモノマーAを50g用いた代わりに、モノマーA45gとモノマーB5gの混合モノマーを用いた以外は該製造例1と同様にして重合体の合成を行った。これをポリマーBとする。ポリマーBの一部を採取してゲル・パーミネーション・クロマトグラフィーで、ポリスチレンを標準として用いて分子量を調べたところ、Mn=142,000、Mw/Mn=1.85であった。
【0093】
重合体製造例3:トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネン−b−ノルボルネンメタノール開環共重合体の合成
重合体製造例1でモノマーAを50g用いた代わりに、モノマーA45gと5−ノルボルネン−2−メタノール5gの混合モノマーを用いた以外は該製造例1と同様にして重合体の合成を行った。これをポリマーCとする。ポリマーCの一部を採取してゲル・パーミネーション・クロマトグラフィーで、ポリスチレンを標準として用いて分子量を調べたところ、Mn=145,000、Mw/Mn=1.91であった。
【0094】
重合体製造例4:トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネン開環重合体水素化物の合成
撹拌付きオートクレーブに、ポリマーAを25gとトルエン1リットル入れ、オートクレーブ内を窒素置換し、次いで、Grubbs第一世代触媒[ベンジリデン‐ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム]0.7g、及びエチルビニルエーテル1.5gをトルエン5mlに溶解させた水素化触媒溶液を添加し、水素0.8MPa、160℃で8時間水素化を行った。得られた反応液を大量のメタノールに投入し、析出したものを減圧乾燥することで固体を得た。これをポリマーDとした。H−NMRよりポリマーAの主鎖炭素―炭素二重結合の93%が水素化されていることを確認した。ポリマーDの一部を採取してゲル・パーミネーション・クロマトグラフィー(測定装置 東ソー社製HLC−8220)で、ポリスチレンを標準として用いて分子量を調べたところ、Mn=165,000、Mw/Mn=1.79であった。
【0095】
ポリマーAのデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)溶解品
ポリマーA40gと93.5gのD5を窒素置換させたセパラブルフラスコへ入れた。80℃でポリマーAとD5をガラス撹拌装置によって均一に溶解させ30%溶液を調製した。
【0096】
ポリマーAのメチルトリメチコン(M3T)溶解品
溶剤をD5からM3Tに変えた以外は同様に溶解品の製造を行った。
【0097】
ポリマーAのイソドデカン溶解品
溶剤をイソドデカンに変えた以外は同じ様に溶解品の製造を行った。
【0098】
ポリマーBのM3T溶解品
ポリマーB40gと93.5gのM3Tを窒素置換させたセパラブルフラスコへ入れた。80℃でポリマーAとM3Tをガラス撹拌装置によって均一に溶解させ30%溶液を調製した。
【0099】
ポリマーDのD5溶解品
ポリマーD40gと93.5gのD5を窒素置換させたセパラブルフラスコへ入れた。80℃でポリマーDとD5をガラス撹拌装置によって均一に溶解させ30%溶解品となるように調整した。
【0100】
得られたポリマーもしくはその溶液を用いて、以下に化粧料を調製した例を示す。
実施例1、比較例1及び2
表1に示す組成の乳化型クリームファンデーションを調製した。
【0101】
【表1】

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−210
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6017
(注4)信越化学工業(株)製:KP−561P
(注5)信越化学工業(株)製:KF−9909処理
(注6)信越化学工業(株)製:KF−7312J (シリコーンレジン50%のD5溶解品)
(注7)信越化学工業(株)製:KP−545 (シリコーン変性アクリルポリマー30%のD5溶解品)
【0102】
<化粧料の調製>
成分(1)〜(8)、(19)及び(20)を攪拌し均一になるように混合した。これに別途成分(11)に均一溶解させた成分(9)及び(10)を穏やかに加え、乳化した。この乳化物に、別にローラー処理した成分(12)〜(18)及び(21)を加えて混合した。これを所定の容器に充填し、乳化型クリームファンデーションを調製した。得られた乳化型クリームファンデーションについて、以下の評価を行った。
【0103】
<使用性評価>
得られた乳化型クリームファンデーションについて、50名の女性の専門パネラーに、塗布時の延び(展延性)、べたつき感、仕上がりのむら、仕上がりの透明感、化粧持ち(持続性)を、下記基準により評価した。
<2次付着防止効果>
専門パネルの額部に実施例1、比較例1及び比較例2の化粧料を同様な操作に依って其々塗布し、塗布後10分間経過した時点で、塗布部にティッシュペーパーを押し当て、化粧料の二次付着防止効果を下記基準により評価した。評価結果の平均を取った。
<評価基準>
【0104】
【表2】

【0105】
結果を表3に示す。同表において、各記号は以下の通りである。


【0106】
【表3】

【0107】
表3から明らかなように、本発明の化粧料は、比較例1、2に比べ、化粧もち、2次付着防止性の点で顕著に優れるだけでなく、使用性が良好である。
【0108】
以下、化粧料の処方例を示す。以下において、延び、化粧持ち、及びファンデーションについては2次付着防止性について、上記と同様の基準で評価した。
実施例2:パウダーファンデーション

(注1)信越化学工業(株)製:KF−9909処理
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−16
(注3)信越化学工業(株)製:KP−562P
<化粧料の調製>
A:成分1〜8を混合して均一に粉砕した。
B:成分9〜12を均一混合した。
C:BをAに加えて均一にし、金型にプレス成型してパウダーファンデーションを得た。
得られたパウダーファンデーションは、軽く延び、化粧持続性が良く、2次付着もなかった。
【0109】
実施例3:パウダーファンデーション

(注1)信越化学工業(株)製:AES−3083処理
(注2)信越化学工業(株)製:KF−9909処理
(注3)信越化学工業(株)製:KSP−300
(注4)信越化学工業(株)製:KMP−590
<化粧料の調製>
A:成分1〜9を混合して均一に粉砕した。
B:成分11〜14を均一混合し、Aに加えて均一にした。
C:Bに成分10を添加し、金型にプレス成型してパウダーファンデーションを得た。
得られたパウダーファンデーションは、軽く延び、化粧持続性に優れ、2次付着もなかった。
【0110】
実施例4:スティック状W/Oファンデーション


(注1)信越化学工業(株)製:KSG−710
(注2)信越化学工業(株)製:KF−6105
(注3)信越化学工業(株)製:KMP−590
(注4)信越化学工業(株)製:KF−9909処理
(注5)信越化学工業(株)製:KF−9909処理
<化粧料の調製>
A:成分1〜9を加熱溶解して均一にした。
B:成分10〜13及び14の一部を混合し、ローラーで分散処理した。
C:成分14の残部、15及び17を均一溶解し、これをBに加えて、加熱下、均一分散させた。
D:加熱攪拌下、AにCを加えて乳化し、これに成分16を加えて、気密性の高い所定の容器に充填してスティック状W/Oファンデーションを得た。
得られたスティック状W/Oファンデーションは、軽く延び、化粧持続性に優れ、2次付着もなかった。
【0111】
実施例5:メイク落とし

(注1)信越化学工業(株)製:KF−6100
<化粧料の調製>
A:成分1〜10を加えて均一に混合し、メイク落としを得た。
以上のようにして得られたメイク落としを用いて、ファンデーションを落としたところ、化粧料や皮脂汚れとのなじみが良く、汚れ落ちが非常に良好で、使用後のべたつきもなかった。
【0112】
実施例6:油中多価アルコール乳化クリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−210
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6028
<化粧料の調製>
A:成分1〜7及び9を加えて均一に混合した。
B:成分8及び10を混合した。
C:BをAに加えて均一に乳化し、クリームを得た。
以上のようにして得られた油中多価アルコール乳化クリームは、のび広がりが軽くて、べたつきや油っぽさもなく、しっとり感があった。
【0113】
実施例7:油中多価アルコール乳化クリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−710
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注3)信越化学工業(株)製:KSG−1610
(注4)信越化学工業(株)製:KF−6104
(注5)信越化学工業(株)製:KSP−300
<化粧料の調製>
A:成分1〜7及び9を加えて均一に混合した。
B:成分8及び10、11を混合した。
C:BをAに加えて均一に乳化し、クリームを得た。
以上のようにして得られた油中多価アルコール乳化クリームは、のび広がりが軽くて、べたつきや油っぽさもなく、しっとり感があった。
【0114】
実施例8:固形状油中多価アルコール乳化ホホ紅

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−710
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注3)信越化学工業(株)製:KP−562P
(注4)信越化学工業(株)製:KP−574処理
<化粧料の調製>
A:成分1〜9及び12を80℃に加熱し、均一に混合した。
B:成分10をAに添加し、均一に分散した。
C:成分11、13を混合し、80℃に加熱後、Bに加えて乳化し、金皿に流し込んで冷却し、固形状ホホ紅を得た。
以上のようにして得られた固形状油中多価アルコール乳化ホホ紅は、のび広がりが軽くて、べたつきや油っぽさもなかった。
【0115】
実施例9:クリーム状口紅

(注1)千葉製粉(株)製:レオパールTT
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−43
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6105
<化粧料の調製>
A:成分1、2の一部及び3〜6を加熱し、均一に混合した。
B:成分2の残部に、9を混合しローラーにて分散し、Aに添加して均一に混合した。
C:成分7、8を混合し加温、Bに加えて乳化した。
D:成分10、11をCに添加し、クリーム状口紅を得た。
以上のようにして得られたクリーム状口紅は、のびが軽くて唇に伸ばしやすく、べたつきや油っぽさもなく、持ちもよかった。
【0116】
実施例10:アイライナー

(注1)信越化学工業(株)製:TMF−1.5
(注2)信越化学工業(株)製:KF−6017
(注3)信越化学工業(株)製:KF−7312T
(注4)信越化学工業(株)製:KF−9901処理
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を混合し、成分6を加えて均一に混合、分散した。
B:成分7〜10を混合した。
C:BをAに添加して乳化し、アイライナーを得た。
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くてアイラインに描きやすく、さっぱりとた使用感である上、化粧持ちも非常に良いことが確認された。
【0117】
実施例11:マスカラ

(注1)千葉製粉(株)製:レオパールTT
(注2)信越化学工業(株)製:KP−562P
(注3)信越化学工業(株)製:KF−9909処理
(注4)信越化学工業(株)製:KF−6028
<化粧料の調製>
A:成分7、13を成分9に添加し、加温、均一に混合した。
B:成分1〜6及び8をAに添加し、均一に混合した。
C:成分10、11、及び12をBに添加し、ローラーで均一にすし、マスカラを得た。
以上のようにして得られたマスカラは、のびが軽くて睫に描きやすく、べたつきがない使用感である上、化粧持ちも非常に良いことが確認された。
【0118】
実施例12:クリームアイシャドウ

(注1)信越化学工業(株)製:KF−6028P
(注2)信越化学工業(株)製:KP−574処理
<化粧料の調製>
A:成分1〜4を混合し、成分5を加えて均一に混合、分散した。
B:成分6〜9を混合した。
C:BをAに添加して乳化し、クリームアイシャドウを得た。
以上のようにして得られたクリームアイシャドウは、のび広がりが軽くて油っぽさや粉っぽさがなく、持ちもよかった。
【0119】
実施例13:クリームアイシャドウ

(注1)信越化学工業(株)製:KP−545
(注2)信越化学工業(株)製:KP−561P
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6028P
(注4)信越化学工業(株)製:KP−574処理
<化粧料の調製>
A:成分1〜6を混合し、成分7〜9を加えて均一に混合、分散した。
B:成分10〜11を混合した。
C:BをAに添加して乳化し、クリームアイシャドウを得た。
以上のようにして得られたクリームアイシャドウは、のび広がりが軽くて油っぽさや粉っぽさがなく、みずみずしく、持ちも良かった。
【0120】
実施例14:サンカット乳液

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−210
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6028P
(注4)信越化学工業(株)製:SPD−T5
(注5)信越化学工業(株)製:SPD−Z5
<化粧料の調製>
A:成分1〜6を均一に混合した。
B:成分9〜12を混合した。
C:BをAに添加して乳化し、成分7及び8を加えてサンカット乳液を得た。
以上のようにして得られたサンカット乳液は、のび広がりが軽く、べたつきや油っぽさがなく、耐汗性が良好であった。
【0121】
実施例15:サンカットクリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−240
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6038
(注4)信越化学工業(株)製:KP−575
(注5)信越化学工業(株)製:AES−3083処理
<化粧料の調製>
A:成分5の一部に成分7を加えて均一にし、成分8を添加してビーズミルにて分散した。
B:成分1〜4及び成分5の残部、6を均一に混合した。
C:成分9〜11、及び成分13を混合して、均一にした。
D:CをBに添加して乳化し、A及び成分12を加えてサンカットクリームを得た。
以上のようにして得られたサンカットクリームは、べたつきがなくのび広がりが軽く、油っぽさがなくてさっぱりとした使用感を与えると共に、持ちも良好であった。
【0122】
実施例16:サンカットローション(シェイキングタイプ)

(注1)信越化学工業(株)製:KF−6028P
(注2)信越化学工業(株)製:KSP−105
(注3)信越化学工業(株)製:SPD−Z6
<化粧料の調製>
A:成分1〜7を均一に混合した。
B:成分9〜13を混合した。
C:BをAに添加して乳化し、成分8を加えてシェイキングタイプのサンカットローションを得た。
以上のようにして得られたサンカットローションは、のび広がりが軽く、べたつきや油っぽさがなく、持ちも非常に優れていた。
【0123】
実施例17:サンカットクリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−210
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6028P
(注4)信越化学工業(株)製:SPD−T6
(注5)信越化学工業(株)製:SPD−Z6
<化粧料の調製>
A:成分1〜8を均一に混合した。
B:成分9〜12を混合した。
C:BをAに添加して乳化し、サンカットクリームを得た。
以上のようにして得られたサンカットクリームは、べたつきがなく、のび広がりが軽く、油っぽさがなくて、持ちもよかった。
【0124】
実施例18:サンタン乳液

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−210
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6017
<化粧料の調製>
A:成分1〜6を均一に混合した。
B:成分7〜13、及び成分15を混合した。
C:BをAに添加して乳化し、成分14を添加してサンタン乳液を得た。
以上のようにして得られたサンタン乳液は、べたつきがなく、のび広がりが軽く、油っぽさがなくてさっぱりとした使用感を与えた。
【0125】
実施例19:サンタンクリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−320
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−42
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6038
(注4)信越化学工業(株)製:KP−561P
<化粧料の調製>
A:成分1〜8及び17、18を加熱混合した。
B:成分12及び20の一部を加熱攪拌後、成分9〜11を添加し分散処理した。
C:成分13〜16及び20の残部を均一溶解し、Bと混合した。
D:攪拌下、AにCを徐添して乳化し、冷却して成分19を添加しサンタンクリームを得た。
以上のようにして得られたサンタンクリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、さっぱりとした使用感を与えると共に、持ちも良かった。
【0126】
実施例20:液状W/Oファンデーション

(注1)信越化学工業(株)製:KF−6038
(注2)信越化学工業(株)製:FL−5
(注3)信越化学工業(株)製:KMP−590
(注4)パーフルオロアルキルエチルリン酸ジエタノールアミン塩にて5%被覆したもの
(注5)信越化学工業(株)製:KF−9909処理
(注6)信越化学工業(株)製:KF−6105
<化粧料の調製>
A:成分1の一部、成分11、12及び20の一部を混合し、均一に分散した。
B:成分8〜10を均一に混合した。
C:成分1の残部、2〜7を混合し、Bを加えて均一に分散混合した。
D:成分13〜18及び20の残部を混合し、均一にした。
E:攪拌下、CにDを徐添して乳化し、A及び成分19を添加しW/Oファンデーションを得た。
以上のようにして得られたW/Oファンデーションは、べたつきがなくサラッとしており、のび広がりが軽くて油っぽさがなく、化粧持ちも良く、また、2次付着もなかった。
【0127】
実施例21:ヘアクリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KF−54
(注2)信越化学工業(株)製:KF−7312J
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6038
<化粧料の調製>
A:成分1〜7、成分12〜14を均一に混合した。
B:成分8〜11、及び16を均一に混合した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、成分15を添加し、ヘアクリームを得た。
以上のようにして得られたヘアクリームは、油っぽさがなく、のび広がりが軽く、耐水性、撥水性、耐汗性があり持ちも良かった。
【0128】
実施例22:ヘアクリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KF−9028
(注2)信越化学工業(株)製:KF−7312J
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6011
(注4)ノベオン社製:ペミュレンTR−1
<化粧料の調製>
A:成分1〜10、及び成分14を加熱溶解した。
B:成分11〜13、及び16を混合し、加熱した。
C:攪拌下、BにAを徐添して乳化し、冷却後、成分15を添加してヘアクリームを得た。
以上のようにして得られたヘアクリームは、のび広がりが軽く、毛髪に光沢と滑らかさを与え、毛髪に対した優れたセット効果を有したと共に、耐水性、耐汗性があり持ちも良かった。
【0129】
実施例23:保湿O/Wクリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KF−7002
(注2)信越化学工業(株)製:KF−6011P
(注3)信越化学工業(株)製:KMP−590
(注4)セピック製:セピゲル305
<化粧料の調製>
A:成分1〜9、成分14を均一に混合した。
B:成分10〜13、及び16を均一に混合した。
C:攪拌下、BにAを徐添して乳化し、成分15を添加し、保湿O/Wクリームを得た。
以上のようにして得られた保湿O/Wクリームは、のび広がりが軽く、さっぱりとした使用感を与え、保湿効果が持続した。
【0130】
実施例24:O/Wエモリエントクリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−16
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6104
(注4)信越化学工業(株)製:KF−6100
(注5)セピック社製:シムルゲル600
(注6)クラリアント社製:アリストフレックスAVC
<化粧料の調製>
A:成分1〜4を均一に混合した。
B:成分5〜11を均一に混合した。
C:攪拌下、BにAを徐添して混合し、O/Wエモリエントクリームを得た。
以上のようにして得られたO/Wエモリエントクリームは、油っぽさがなくサラサラッとしており、のび広がりが軽く、肌を守る効果が持続した。
【0131】
実施例25:ハンドクリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KF−8108
(注2)信越化学工業(株)製:KF−6028P
(注3)信越化学工業(株)製:KSP−102
<化粧料の調製>
A:成分1〜8、成分12を均一に混合した。
B:成分9〜11、及び14を均一に混合した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、成分13を添加し、ハンドクリームを得た。
以上のようにして得られたハンドクリームは、油っぽさがなくサラサラッとしており、のび広がりが軽く、肌を守る効果が持続した。
【0132】
実施例26:O/Wクリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KP−561P
<化粧料の調製>
A:成分1〜9を加熱混合した。
B:成分10〜12、及び14を混合、加熱した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却後、成分13を添加し、O/Wクリームを得た。
以上のようにして得られたO/Wクリームは、べたつきや油っぽさがなくサラッとしており、のび広がりが軽く、さっぱりとした使用感を有していることが確認された。
【0133】
実施例27:O/Wクリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−16
(注2)ノベオン社製:ペミュレンTR−1
<化粧料の調製>
A:成分1〜7を加熱し、均一に混合した。
B:成分8〜12、及び14を混合、加熱した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却後、成分13を添加し、O/Wクリームを得た。
以上のようにして得られたO/Wクリームは、べたつきや油っぽさがなくサラッとしており、のび広がりが軽く、肌のみずみずしさを持続することが確認された。
【0134】
実施例28:透明W/O美容液

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−210
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注3)信越化学工業(株)製:KSG−1610
(注4)信越化学工業(株)製:KF−6017
<化粧料の調製>
A:成分1〜7を均一に混合した。
B:成分8〜13を均一に混合した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、透明W/O美容液を得た。
以上のようにして得られた透明W/O美容液は、べたつきや油っぽさがなく、肌のみずみずしさを持続することが確認された。
【0135】
実施例29:制汗剤

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−210
<化粧料の調製>
A:成分1〜3を均一に混合した。
B:成分4〜7を均一に混合した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、制汗剤を得た。
以上のようにして得られた制汗剤は、のび広がりが軽く、皮膚を白くせず、制汗効果の持ちが良いことが確認された。
【0136】
実施例30:リンクルコンシーラー

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−210
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注3)信越化学工業(株)製:KSP−101
(注4)信越化学工業(株)製:KF−9028
<化粧料の調製>
A:成分1〜6を均一に混合し、リンクルコンシーラーを得た。
以上のようにして得られたリンクルコンシーラーは、べたつきや油っぽさがなくサラッとしており、のび広がりが軽く、シーリング効果を持続できることが確認された。
【0137】
実施例31:クレンジングクリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KF−56
(注2)信越化学工業(株)製:KF−6028
<化粧料の調製>
A:成分1〜8を加熱混合した。
B:成分9〜11及び13を加熱混合した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却後、成分12を添加し、クレンジングクリームを得た。
以上のようにして得られたクレンジングクリームは、のび広がりが軽く、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えることが確認された。
【0138】
実施例32:透明クレンジングローション

(注1)信越化学工業(株)製:KF−6011
(注2)信越化学工業(株)製:KF−6013
<化粧料の調製>
A:成分1〜4を均一に混合した。
B:成分5〜10を均一に混合した。
C:攪拌下、BにAを徐添して乳化し、透明クレンジングローションを得た。
以上のようにして得られた透明クレンジングローションは、のび広がりが軽く、しっとりとしてみずみずしい使用感を与え、クレンジング効果も高いことが確認された。
【0139】
実施例33:ボディーローション

(注1)信越化学工業(株)製:KF−6100
(注2)信越化学工業(株)製:KSP−100
(注3)クラリアント社製:アリストフレックスAVC
<化粧料の調製>
A:成分1〜6を均一に混合した。
B:成分7〜10を均一に混合した。
C:攪拌下、BにAを徐添して混合し、ボディーローションを得た。
以上のようにして得られたボディーローションは、べたつきや油っぽさがなくサラサラッとしており、のび広がりが軽く、肌のみずみずしさを持続することが確認された。
【0140】
実施例34:トリートメントゲル

(注1)信越化学工業(株)製:KF−6011P
(注2)信越化学工業(株)製:KP−561P
(注3)信越化学工業(株)製:KSP−300
<化粧料の調製>
A:成分1〜6を加温し、均一に混合した。
B:成分7〜10を均一に混合した。
C:攪拌下、BにAを徐添して混合し、トリートメントゲルを得た。
以上のようにして得られたトリートメントゲルは、油っぽさがなくサラサラッとしており、のび広がりが軽く、トリートメント効果にも優れていることが確認された。
【0141】
実施例35:洗い流しタイプパック

(注1)信越化学工業(株)製:KF−6011P
<化粧料の調製>
A:成分1〜3を均一に混合した。
B:成分5〜10を均一に混合した後、成分4を添加し、均一にした。
C:攪拌下、BにAを徐添して混合し、ペースト状の洗い流しタイプパック化粧料を得た。
以上のようにして得られた洗い流しタイプパック化粧料は、のび広がりが軽く、洗浄効果に優れ、洗い流した後は、肌がツルツルした感触になることが確認された。
【0142】
実施例36:脱臭剤

(注1)信越化学工業(株)製:KF−6100
<化粧料の調製>
A:成分1〜5を均一に混合した。
B:成分6〜11を均一に混合した。
C:攪拌下、BにAを徐添して混合し、脱臭剤を得た。
以上のようにして得られた脱臭剤は、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、脱臭効果が持続することが確認された。
【0143】
実施例37:O/W/O型乳液

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−210
(注2)信越化学工業(株)製:KF−6028P
(注3)信越化学工業(株)製:KSG−43
<化粧料の調製>
A:成分1〜4を均一に混合した。
B:成分5〜9を加熱混合し、均一にした。
C:成分10〜12を加熱混合した。
D:攪拌下、BにCを徐添して乳化し、冷却した。
E:攪拌下、AにDを徐添して乳化し、O/W/O型乳液を得た。
以上のようにして得られたO/W/O型乳液は、油っぽさがなく、のび広がりが軽く、清涼感を持続することが確認された。
【0144】
実施例38:O/W/O型リキッドファンデーション

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−210
(注2)信越化学工業(株)製:KF−6028P
(注3)信越化学工業(株)製:KF−9909処理
<化粧料の調製>
A:成分1〜4を均一に混合した。
B:成分5〜11を加熱混合し、均一にした。
C:成分12〜14を加熱混合した。
D:攪拌下、BにCを徐添して乳化し、冷却した。
E:攪拌下、AにDを徐添して乳化し、O/W/O型リキッドファンデーションを得た。
以上のようにして得られたO/W/O型リキッドファンデーションは、べたつきや油っぽさがなく、のび広がりが軽く、化粧持ちもよく、2次付着も無いことが確認された。
【0145】
実施例39:W/Oクリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−210
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注3)信越化学工業(株)製:KSG−16
(注4)信越化学工業(株)製:KF−6028P
<化粧料の調製>
A:成分1〜8を均一に混合し、50℃に暖める。
B:成分9〜11、及び成分13を混合し、均一にした。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、成分12を加えてW/Oクリームを得た。
以上のようにして得られたW/Oクリームは、べたつきや油っぽさがなく、のび広がりが軽く、肌のしっとり感を持続できることが確認された。
【0146】
実施例40:W/Oほほ紅

(注1)信越化学工業(株)製:KP−545
(注2)信越化学工業(株)製:KP−561P
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6028P
(注4)信越化学工業(株)製:KP−574処理
<化粧料の調製>
A:成分1〜7を加温混合した。
B:成分8〜10、及び成分12を均一に混ぜ、Aと混合した。
C:成分11、13を混合した。
D:攪拌下、BにCを徐添して乳化し、W/Oホホ紅を得た。
以上のようにして得られたW/Oホホ紅は、べたつきや油っぽさがなく、のび広がりが軽く、密着性に優れ、化粧持ちもよかった。
【0147】
実施例41:W/Oリキッドファンデーション

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−210
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−15
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6028P
(注4)信越化学工業(株)製:KF−9909処理
(注5)信越化学工業(株)製:KP−575
<化粧料の調製>
A:成分4の一部と成分9を混合し、成分8を均一に分散した。
B:成分1〜3、4の残部、及び成分5〜7を均一に混合した。
C:成分10〜14、及び成分16を均一に混合した。
D:攪拌下、BにCを徐添して乳化し、A及び成分15を添加してW/Oリキッドファンデーションを得た。
以上のようにして得られたW/Oリキッドファンデーションは、べたつきや油っぽさがなく、のび広がりが軽く、化粧持ちもよく、2次付着も無かった。
【0148】
実施例42:W/O型クリーム

(注1)信越化学工業(株)製:KSG−340
(注2)信越化学工業(株)製:KSG−44
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6038
(注4)信越化学工業(株)製:KSP−100
<化粧料の調製>
A:成分1〜8を均一に混合した。
B:成分9〜13、及び成分15を均一に混合した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、成分14を添加してW/Oクリームを得た。
以上のようにして得られたW/Oクリームは、べたつきや油っぽさがなく、肌のしっとり感を持続することが確認された。
【0149】
実施例43:リップスティック

(注1)信越化学工業(株)製:KP−561P
(注2)信越化学工業(株)製:KF−54
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6105
<化粧料の調製>
A:成分1〜12を加熱し、均一に混合した。
B:加熱下、成分13及び14をAに加えて均一に混合し、気密性の高い所定の容器に充填して、リップスティックを得た。
以上のようにして得られたリップスティックは、べたつきや油っぽさがなく、にじみ等もなく、化粧持ちもよいことが確認された。
【0150】
実施例44:キューティクルコート

(注1)信越化学工業(株)製:KF−6011
(注2)信越化学工業(株)製:KF−6013
(注3)信越化学工業(株)製:KF−9028
<化粧料の調製>
A:成分1〜3及び7〜10を均一に混合しした。
B:成分4〜6を均一に混合しした。
C:攪拌下、AにBを加え乳化し、キューティクルコートを得た。
以上のようにして得られたキューティクルコートは、のび広がりが軽く、毛髪のぱさつきを抑え、光沢と滑らかさを与えることが確認された。
【0151】
実施例45:ヘアトリートメント

(注1)信越化学工業(株)製:MK−15H
(注2)信越化学工業(株)製:KF−54
(注3)信越化学工業(株)製:KF−6013
<化粧料の調製>
A:成分1〜8を加熱溶解した。
B:成分11〜15を加熱溶解した。
C:攪拌下、AにBを添加して乳化し、さらに、これに成分8及び9を加えてヘアトリートメントを得た。
以上のようにして得られたヘアトリートメントは、のび広がりが軽く、毛髪に光沢と滑らかさを与えることが確認された。
【0152】
実施例46:ネイルエナメル

(注1)信越化学工業(株)製:TMF−1.5
<化粧料の調製>
A:成分7〜9を混合し、成分4〜6を添加して均一に混合した。
B:Aに成分1〜3を添加して混合した。
C:Bに成分10を添加混合して、ネイルエナメルを得た。
以上のようにして得られたネイルエナメルは、のび広がりが軽く、爪に光沢を与え、持ちも優れていることが確認された。
【0153】
実施例47:ネイルエナメルオーバーコート

<化粧料の調製>
A:成分5〜9を混合し、成分4を添加して均一に混合した。
B:Aに成分1〜3を添加して混合して、ネイルエナメルオーバーコートを得た。
以上のようにして得られたエナメルオーバーコートは、のび広がりが軽く、エナメルの光沢を増し、持ちもよいことが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明の化粧料は、塗布時の使用感、皮膚、頭髪上での延びに優れる。塗布された化粧は、その効果が持続すると共に、衣服等への2次付着がない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)の繰返し単位を有する重合体、但し、該重合体主鎖の炭素−炭素二重結合が一部水素化されていてよい、を含む化粧料。


(式中、Rは、互いに独立に、炭素数1〜12の、フッ素置換されていてよいアルキル基であり、Xは下記式(i)で示される基及び/又は(ii)で示される基であり、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数である)

(Rは、互いに独立に、炭素数1〜12の、フッ素置換されていてよいアルキル基であり、dは1〜5の整数であり、cは3〜5の整数である。)
【請求項2】
前記重合体が、下記式(2)で示される繰り返し単位をさらに有する、請求項1記載の化粧料。

[式中Rは、互いに独立に、水素原子、フッ素置換されていてよいアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基、ポリグリセリル基、及びアルコキシシリル基から選ばれる基であり、bは0〜2の整数である。)
【請求項3】
該重合体の、GPCで測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が500〜50,000である請求項1または2記載の化粧料。
【請求項4】
該重合体主鎖の炭素−炭素二重結合の50〜100%が水素化されている請求項1〜3のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項5】
該重合体が、化粧料重量の0.1〜10重量%で含有されているパウダー化粧料。
【請求項6】
該重合体が、化粧料重量の0.1〜7.5重量%で含有されている液状化粧料。
【請求項7】
直鎖状、分岐状、又は環状の25℃で揮発性のシリコーン油を、該重合体に対して、重量比1:2〜100:1でさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項8】
前記シリコーン油が、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、テトラキストリメチルシロキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項7記載の化粧料。

【公開番号】特開2010−24154(P2010−24154A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184855(P2008−184855)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】