説明

皮質カテコールアミン作動性神経伝達の調節物質としての新規な二置換フェニルピロリジン

本発明は、哺乳類脳の大脳皮質領域中のカテコールアミン類、ドーパミン及びノルエピネフリンの細胞外レベルを増加させる化合物の使用、より具体的には、中枢神経系障害の治療のための3−二置換フェニル−1−ピロリジノール類の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な二置換フェニルピロリジン類、並びに哺乳類脳の大脳皮質領域におけるカテコールアミン類、ドーパミン及びノルエピネフリンの細胞外レベルを増加させるこれらの化合物の使用、より具体的には、中枢神経系障害の治療のための3−二置換アリール−ピロリジノール類の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
大脳皮質は、思考、感情、記憶及び計画などの高次機能に関与する複数の主要領域を包含する(Principles of Neural science、第2版、Elsevier Science Publishing co.,Inc.1985、671〜687ページ)。生体アミン類、即ち、ドーパミン、ノルエピネフリン及びセロトニンは、哺乳動物の皮質機能にとって重要である。上行性のドーパミン及びノルエピネフリンの経路は、皮質を神経支配する。CNSのセロトニン作動性ニューロンは、大脳皮質を含めた実質的にすべての脳の領域へ投射する(Fundamental Neuroscience、Academic press 1999、207〜212ページ)。これらの経路の活性における一次性又は二次性機能障害は、これらの脳の領域におけるドーパミン及びノルエピネフリン及びセロトニン受容体での活性の調節不全につながり、その後、精神及び神経症状の発現につながる。
【0003】
皮質の生体アミン類は、情動、不安、意欲、認知、注意、覚醒及び覚醒状態を制御する皮質機能の複数の側面を調節する(Neuropsychopharmacology、5th generation of Progress、Lippincott、Williams and Wilkins 2002、Chapter 34)。したがって、カテコールアミン類ドーパミン及びノルエピネフリンは、前頭前皮質領域に対して強い影響を及ぼし、その統合性は、例えば、注意、行動の計画及び衝動制御にかかわる、いわゆる実効認知機能にとって必須である(これらの点におけるカテコールアミン類の役割は、Arnsten and Li、2005、Biol Psychiatry;57;1377〜1384で検討されている)。ノルエピネフリンは、不安及び恐怖を調節する回路の主要部分であり、したがって、パニック障害、全般性不安障害(GAD)及び特定恐怖症などの不安障害で調節不全となっていると考えられている(Sullivanら1999、Biol Psychiatry;46:1205〜121)。気分及び情動機能に関して、鬱病及び不安症の治療における、特にノルエピネフリン及びセロトニンの神経伝達を促進する化合物の有用性は、これらの神経伝達物質が両方とも情動機能の調節に関与しているという広く認められている概念に強く寄与してきた(Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics、第10版、McGraw−Hill、2001)。
【0004】
一般に、生体アミン類、より正確にはモノアミン類、ノルエピネフリン、ドーパミン及びセロトニンの伝達に特異的に影響する化合物は、例えば、鬱病、不安症及び注意欠陥多動障害(ADHD)に苦しむ患者における、情動性、認知、又は注意の症状の軽減に首尾よく使用される。
【0005】
さらに、皮質におけるモノアミン系は、統合失調症の中核症状に直接的又は間接的に関与していることが知られている。統合失調症における特定の皮質領域の機能障害を示す神経心理学的観察を伴う、生化学的及び遺伝学的発見の総合に基づいて、統合失調症の症状として臨床的に明らかな、様々な病因として現れるこの障害が、皮質微小回路の調節不全につながる皮質機能に収束すると提唱されてきた(Harrison and Weinberger、2005、Molecular Psychiatry;10:40〜68)。この皮質微小回路は、グルタミン酸、GABA、及びドーパミンを含めた複数の神経伝達物質により調節される。
【0006】
置換3−フェニル−ピロリジン類のクラスに属する化合物は、以前に報告されている。これらの化合物の中で、いくつかはCNSで不活性であり、いくつかはセロトニン作動性又はセロトニン作動性/ドーパミン作動性混合型の薬理学的特性を示し、一方、いくつかはドーパミン受容体に対して高い親和性を有する完全又は部分的なドーパミン受容体アゴニスト又はアンタゴニストである。
【化1】

【0007】
上記化合物は、WO00/05225(セロトニンアンタゴニストとしてのビフェニル誘導体の調製)で合成中間体として、及びHaglidらによりニコチン類似体として(Acta Chemica Scandinavica、1963、17(6)、1743〜50)開示されている。
【化2】

【0008】
3−クロロ−フェニル−3−ピロリジンは、WO2006/117669(癌の治療用のヒドロキシアリールカルボキサミド誘導体の調製(Preparation of hydroxyarylcarboxamide derivatives for treating cancer))及びWO2006/112685(抗痙攣薬としてカルバモイル基を含有するトリアゾール及びテトラゾールの調製(Preparation of triazoles and tetrazoles containing carbamoyl group as anticonvulsants))で、合成中間体として開示されている。4−クロロ−フェニル−3−ピロリジンは、J.Med.Chem.(2002)、45(17)3721〜3738(極めて強力なジェミナルビスホスホネート剤。パミドロン酸二ナトリウム(アレディア)からゾレドロン酸(ゾメタ)まで(Highly Potent Geminal Bisphosphonates.From Pamidronate Disodium(Aredia)to Zoledronic Acid(Zometa)、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters(1999)、9(10)、1379〜1384(N−置換3−アリールピロリジン類:セロトニン1A受容体での強力で選択的なリガンド(N−Substituted 3−arylpyrrolidines:potent and selective ligands at the serotonin 1A receptor))、及びJournal of Medicinal Chemistry(1989)、32(6)(3−(p−クロロフェニル)ピロリジンの代謝。原型γ−アミノ酪酸プロドラッグのラクタム及びγ−アミノ酪酸型代謝産物への変換における構造効果(Metabolism of 3−(p−chlorophenyl)pyrrolidine.Structural effects in conversion of a prototype γ−aminobutyric acid prodrug to lactam and γ−aminobutyric acid type metabolites)で開示されている。3−フルオロ−フェニル−3−ピロリジンは、US5128362及びEP325963(α2−アドレナリン作動性アンタゴニストとしての1−(アミノメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン類の調製)で開示されている。4−フルオロ−フェニル−3−ピロリジンは、WO2006/117669(癌の治療用のヒドロキシアリールカルボキサミド誘導体の調製)、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters(1999)、9(10)、1379〜1384(N−置換3−アリールピロリジン類:セロトニン1A受容体での強力で選択的なリガンド(N−Substituted 3−arylpyrrolidines:potent and selective ligands at the serotonin 1A receptor))、及びUS5128362(アドレナリン作動性α2アンタゴニストとしての1−アミノメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン類の調製)で開示されている。4−ブロモ−フェニル−3−ピロリジンは、WO2006/117669(癌の治療用のヒドロキシアリールカルボキサミド誘導体の調製)、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters(1999)、9(10)、1379〜1384(N−置換3−アリールピロリジン類:セロトニン1A受容体での強力で選択的なリガンド(N−Substituted 3−arylpyrrolidines:potent and selective ligands at the serotonin 1A receptor))、US5128362(アドレナリン作動性α2アンタゴニストとしての1−アミノメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン類の調製)、及びWO01/16136(ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ類の三環系阻害剤の調製)で開示されている。
【化3】

【0009】
3,4−ジフルオロ−フェニル−3−ピロリジンは、WO2005/028438(ヒスタミンH3アンタゴニスト又は逆アゴニストとしてのピペリジン化合物の調製(Preparation of piperidine compounds as histamine H3 antagonists or inverse agonists))で合成中間体として開示されている。
【化4】

【0010】
第2級アミンを有する上記のピロリジノール類は、Wuら(3−置換−3−ピロリジノール類(3−substituted−3−pyrrolidinols)、US3118907)、Gouldら(ピロリジン類。IX。3−アリール−3−ピロリジノール類(Pyrrolidines.IX.3−Aryl−3−pyrrolidinols);J.Med.Chem.1964、7、60〜7)、Lunsfordら(置換アミノアルコール類(Substituted amino alcohols)、US2878264)、Hesleyら(1−置換−3−フェニルピロリジン類及び中枢神経系に対するそれらの薬理学的効果(1−Substituted−3−phenylpyrrolidines and their pharmacological effects on the central nervous system);DE2017255)、Lunsfordら(鎮静及び鎮痛性1,3−二置換−ピロリジン類(Tranquilizing and analgetic 1,3−disubstituted−pyrrolidines);GB1202747)、Ablordeppeyら(抗精神病薬としてのハロペリドール類似体(Haloperidol analogs as antipsychotic agents);WO00/70531)、Ablordeppeyら(ハロペリドールのピロリジン類似体、4−[3−(4−クロロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−1(4−フルオロフェニル)ブタン−1−オン、((+))−SYA 09)のユートマー(eutomer)の評価、(Evaluation of the eutomer of 4−[3−(4−chlorophenyl)−3−hydroxypyrrolidin−1−yl]−1(4−fluorophenyl)butan−1−one,((+))−SYA 09),a pyrrolidine analog of haloperidol);Bioorg.Med.Chem.Lett.2006、16、3219〜3223)、Ablordeppeyら(ドーパミン受容体アンタゴニストとしてのハロペリドール類の調製(Preparation of haloperidols as dopamine receptor antagonists);US2006−052363)、Lulyら(ケモカイン受容体アンタゴニストとしての三環系−置換ピペリジノール類及び類似体の調製(Preparation of tricyclic−substituted piperidinols and analogs as chemokine receptor antagonists):US2002−0169155及びUS2005−0070549)、Katoら(MIP−1a/RANTES受容体アンタゴニストとしての複素環ジフェニルメタン誘導体(Heterocyclic diphenylmethane derivatives as MIP−1a/RANTES receptor antagonists);WO97/24325)、Ablordeppeyら(MPP+様種を形成することができないハロペリドールの新規な類似体の設計及び合成(Design and synthesis of novel analogs of haloperidol incapable of forming MPP+ like species):Medicinal Chemistry Research 1993、7、459〜67)、及びWuら(ピロリジン類。VIII。3−アシルオキシ−3−アリール−1−エチル−及び−1−メチルピロリジン類(Pyrrolidines.VIII.3−Acyloxy−3−aryl−1−ethyl− and −1−methylpyrrolidines);J.Medicinal & Pharmaceutical Chemistry 1962、5、762〜69)により開示されている。
【化5】

【0011】
上記のピロリジノール類は、Lunsfordらにより、交感神経系用の遮断薬、アドレナリン作動性遮断薬及び血圧作用として開示されている(DE1144279B1(1958);US2878264(1959))。
【0012】
式1の化合物(WO92/18475)は、ドーパミン系安定剤特性を有することが開示されている。
【0013】
式1:
【化6】


式1を有する化合物から、Sonessonら(J.Med.Chem.1994、37、2735〜2753)は、自己受容体の選択的アンタゴニスト性を有する一連のフェニルピペリジン類を公表した。著者らは、該化合物が、ドーパミンD2アンタゴニストの特徴である、線条体におけるDOPACレベルを100μmol/kgで増加させることを見出した。この刊行物のいくつかの例を以下に示す。
【化7】


J.Med.Chem.1994、37、2735〜2753からの例。
【0014】
以下の構造は、WO01/46146で合成中間体として知られている。
【化8】

【0015】
WO2005/121092は、以下のピペリジン化合物:
【化9】


に関し、そのいくつかは、以下の表1に列挙する。
【0016】
さらに、Sonessonら(Bioorg.Med.Chem.Lett.1997、7、241〜246)は、フェニル環のメタ位で電子吸引基で置換された3−フェニル−ピロリジン類が、ドーパミン自己受容体の選択的アンタゴニスト性を示すことを記載している。このシリーズの一例を以下に提示する。
【化10】

【0017】
先行技術は、J.Med.Chem.1994、37、2735又はBioorg.Med.Chem.Lett.1997、7、241〜246の3−フェニル−ピペリジン類及び3−フェニル−ピロリジン類が、線条体におけるDOPAC(3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸)の組織含量の増加として測定される、ドーパミンの代謝に対する特異的、効果的、及び特徴的効果を有することを教示する(表1参照)。皮質下ドーパミン代謝に対するこの効果は、本発明の目的ではない。
【0018】
さらに、微小透析技法を使用して、J.Med.Chem.1994、37、2735〜2753の化合物が、哺乳類脳の線条体及び大脳皮質領域両方において等しい効果を有するモノアミン類、(ドーパミン、ノルエピネフリン及びセロトニン)の細胞外レベルを増加させることが見出されたことが示されている(図1〜10参照)。換言すると、線条体と大脳皮質領域の間の本発明の化合物の領域選択性は、先行技術に存在しない。
【0019】
したがって、WO92/18475、WO2005/121092、J.Med.Chem.1994、37、2735又はBioorg.Med.Chem.Lett.1997、7、241〜246には、前頭皮質に対して優先的にノルエピネフリン及びドーパミン神経伝達を増加させる化合物を得る方法に関する案内がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の一目的は、治療的使用のための新規な化合物、より正確には、ヒト脳を含めた哺乳類脳におけるドーパミン及びノルエピネフリン神経伝達の調節作用を有する化合物を提供することである。本発明の別の目的は、経口投与後に治療効果を有する化合物を提供することである。さらに別の目的は、例えば、動力学的挙動、バイオアベイラビリティー、溶解度又は効力などの、より最適な薬力学的特性を有する化合物の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、脳皮質中のモノアミン類に対する、本発明の化合物の薬理学的効果の予期せぬ発見、及び特定のCNS障害の治療薬としての本発明の化合物の使用に関する。ラットにおけるin vivoの薬理試験により、本発明の化合物が、前頭皮質におけるカテコールアミンレベルを領域選択的に増加させるということが証明された。認知、注意及び情動に関連する皮質機能に対するカテコールアミン類の特異的な調節的効果のために、本発明の化合物は、これらの領域における機能障害を特徴とする障害の治療で使用することができる。したがって、該化合物は、認知障害、ADHD、鬱病、及び不安症の治療で使用し得る。該化合物は、認知的失敗及び精神障害で明らかな大脳皮質の機能障害を特徴とする統合失調症を治療するためにも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の例(図1〜10)
【0023】
【図1】例1、50μmol/kg s.c.p.f.皮質アミン類
【0024】
例1は、時点0で注射(s.c.)する。図1で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図2】例1、50μmol/kg s.c.線条体アミン類
【0025】
例1は、時点0で注射(s.c.)する。図2で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図3】例2、50μmol/kg s.c.p.f.皮質アミン類
【0026】
例2は、時点0で注射(s.c.)する。図3で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図4】例2、50μmol/kg s.c.線条体アミン類
【0027】
例2は、時点0で注射(s.c.)する。図4で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図5】例9、50μmol/kg s.c.p.f.皮質アミン類
【0028】
例9は、時点0で注射(s.c.)する。図5で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図6】例9、50μmol/kg s.c.線条体アミン類
【0029】
例9は、時点0で注射(s.c.)する。図6で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図7】例11 50μmol/kg s.c.p.f.皮質アミン類
【0030】
例11は、時点0で注射(s.c.)する。図7で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図8】例11、50μmol/kg s.c.線条体アミン類
【0031】
例11は、時点0で注射(s.c.)する。図8で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図9】例12 50μmol/kg s.c.線条体アミン類
【0032】
例12は、時点0で注射(s.c.)する。図9で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図10】例12、50μmol/kg s.c.p.f.皮質アミン類
【0033】
例12は、時点0で注射(s.c.)する。図10で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【0034】
比較例(図11〜21)
【0035】
【図11】(S)−(−)−3−[3−メチルスルホニル)フェニル]−1−プロピルピペリジン(J.Med.Chem.1994、37、2735の例16)50μmol/kg s.c.線条体
【0036】
(S)−(−)−3−[3−メチルスルホニル)フェニル]−1−プロピルピペリジンは、時点0で注射(s.c.)する。図11で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT エラーバー=SEM
【図12】(S)−(−)−3−[3−メチルスルホニル)フェニル]−1−プロピルピペリジン(J.Med.Chem.1994、37、2735の例16)50μmol/kg s.c.p.f.皮質
【0037】
(S)−(−)−3−[3−メチルスルホニル)フェニル]−1−プロピルピペリジンは、時点0で注射(s.c.)する。図12で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT エラーバー=SEM
【図13】4−(4−クロロ−3−トリフロオロメチル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン(WO01/46146の例9)50μmol/kg s.c.線条体アミン類
【0038】
4−(4−クロロ−3−トリフロオロメチル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンは、時点0で注射(s.c.)する。図13で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図14】WO2005/121092の例3 50μmol/kg s.c.線条体アミン類
【0039】
WO2005/121092の例3は、時点0で注射(s.c.)する。図14で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT エラーバー=SEM
【図15】WO2005/121092の例3 50μmol/kg s.c.p.f.皮質
【0040】
4−(4−フルオロ−3−トリフロオロメチル−フェニル)−1−エチル−ピペリジンは、時点0で注射(s.c.)する。図15で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図16】WO2005/121092の例8 50μmol/kg s.c.線条体アミン類
【0041】
4−(4−フルオロ−3−トリフロオロメチル−フェニル)−1−エチル−ピペリジンは、時点0で注射(s.c.)する。図16で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図17】WO2005/121092の例8 50μmol/kg s.c.p.f.皮質
【0042】
WO2005/121092の例8は、時点0で注射(s.c.)する。図17で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図18】WO2005/121092の例2 50μmol/kg s.c.線条体アミン類
【0043】
WO2005/121092の例2は、時点0で注射(s.c.)する。図18で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図19】WO2005/121092の例2 50μmol/kg s.c.p.f.皮質
【0044】
WO2005/121092の例2は、時点0で注射(s.c.)する。図19で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図20】ミルタザピン(レメロン)10mg/kg s.c.p.f.線条体
【0045】
レメロンは、時点0で注射(s.c.)する。図20で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【図21】ミルタザピン(レメロン)10mg/kg s.c.p.f.皮質
【0046】
レメロンは、時点0で注射(s.c.)する。図21で示す値は、基線値に対する対照のパーセントを表す。微小透析は、覚醒及び自由行動ラットで実施した。ドーパミン=DA、ノルエピネフリン=NA、セロトニン=5−HT、エラーバー=SEM
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下の略語を本発明で使用する。
NA:ノルエピネフリン、NM:ノルメタネフリン、DA:ドーパミン、DOPAC:3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸、3−MT:3−メトキシチラミン、5−HT:セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)。
【0048】
本発明は、遊離塩基又は医薬として許容できるその塩の形態の、新規な4−(二置換アリール)−ピロリジノール類、特に4−(オルト,パラ−二置換フェニル)−1−ピロリジノール類、4−(メタ,パラ−二置換フェニル)−1−ピロリジノール類、4−(メタ,メタ−二置換フェニル)−1−ピロリジノール類及び4−(オルト,メタ二置換フェニル)−1−ピロリジノール類、前記化合物を含有する医薬組成物、並びに治療における前記化合物の使用に関する。
【0049】
特に本発明は、式(2)
【化11】


(式中、
Arは、フェニル、チオフェニル、フラニル、2−ピリミジニル、オキサゾイル及びチアゾリルからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、H、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、s−Bu、t−Bu、シクロプロピルメチル、CFHCHCH−、CFHCHCH−、CFCHCH−、アリル及びCHOCHCH−からなる群から選択され、
Xは、F又はOHからなる群から選択され、但し、XがOHである場合、RはHではない)
の化合物、その立体異性体のいずれか又はその立体異性体の任意の混合物、或いはそのN−オキシド、或いは医薬として許容できるその塩に関する。
【0050】
第1の実施形態では、本発明は、式(2)の化合物であって、式中、
Arは、フェニル、チオフェニル、フラニル、2−ピリミジニル、オキサゾイル及びチアゾリルからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、H、Me、Et、n−Pr、n−Bu、i−Bu、アリル及びCHOCHCH−からなる群から選択され、
Xは、F又はOHからなる群から選択され、但し、XがOHである場合、RはHではない
化合物、その立体異性体のいずれか又はその立体異性体の任意の混合物、或いはそのN−オキシド、或いは医薬として許容できるその塩に関する。
【0051】
一実施形態では、Arは、2−チオフェニル、2−フラニル、2−オキサゾイル又は2−チアゾリルである。
【0052】
Arは、フェニルであることが好適である。別の実施形態では、本発明の化合物は、式(3):
【化12】


又は式(4):
【化13】


又は式(5):
【化14】


又は式(6):
【化15】


(式中、R、R、R及びXは上記したとおりである)の化合物、或いは医薬として許容できるその塩である。
【0053】
一実施形態では、RはFである。別の実施形態では、RはClである。さらに別の実施形態では、RはFである。別の実施形態では、RはClである。さらに別の実施形態では、RはFであり、RはFである。別の実施形態では、RはClであり、RはClである。さらに別の実施形態では、RはClであり、RはFである。別の実施形態では、RはFであり、及びRはClである。
【0054】
さらに別の実施形態では、RはEt又はn−Prである。別の実施形態では、Rはn−Prである。さらに別の実施形態では、RはEtである。別の実施形態では、Rはn−Bu又はi−Buなどのブチルである。さらに別の実施形態では、R3はn−Pr又はi−Prなどのプロピルである。別の実施形態では、RはHである。さらに別の実施形態では、RはH又はMeであり、RはFである。別の実施形態では、RはMeである。さらに別の実施形態では、Rはアリルである。別の実施形態では、RはCHOCHCH−である。さらに別の実施形態では、Rはシクロプロピルメチルである。別の実施形態では、RはCFCHCH−である。本発明の一実施形態は、ピロリジノール類、即ち、XはOHである。XがOHである場合、一実施形態では、Rはn−Prである。本発明の別の実施形態は、フルオロピロリジン類であり、即ち、XはFである。XがFである場合、一実施形態では、RはMeであることが好ましい。
【0055】
式(3)の実施形態:式(3)の化合物の一実施形態では、XはOHである。別の実施形態では、RはFである。さらに別の実施形態ではRはFである。特別な実施形態では、R及びRは両方ともFである。別の実施形態では、RはMeである。
【0056】
式(4)の実施形態:式(4)の化合物の一実施形態では、XはOHである。別の実施形態では、RはFである。さらに別の実施形態では、RはClである。別の実施形態では、RはFである。さらに別の実施形態では、RはClである。特別な実施形態では、R及びRは両方ともFである。別の実施形態では、RはClであり、RはFである。さらに別の実施形態では、R及びRは両方ともClである。別の実施形態では、RはMeである。さらに別の実施形態では、RはEtである。別の実施形態では、Rはn−Prである。さらに別の実施形態では、Rはi−Prである。
【0057】
式(5)の実施形態:式(5)の化合物の一実施形態では、XはOHである。別の実施形態では、XはFである。さらに別の実施形態では、RはFである。別の実施形態では、RはClである。さらに別の実施形態では、RはFである。別の実施形態では、RはClである。特別な実施形態では、R及びRは両方ともFである。別の実施形態では、RはClであり、RはFである。さらに別の実施形態では、R及びRは両方ともClである。別の実施形態では、RはHである。さらに別の実施形態では、RはMeである。別の実施形態では、RはEtである。さらに別の実施形態では、Rはn−Prである。別の実施形態では、Rはn−Buである。さらに別の実施形態では、Rはi−Buである。別の実施形態では、Rはアリルである。別の実施形態では、RはCHOCHCH−である。
【0058】
式(6)の実施形態:式(6)の化合物の一実施形態では、XはOHである。別の実施形態では、XはFである。さらに別の実施形態では、RはFである。別の実施形態では、RはClである。さらに別の実施形態では、RはFである。別の実施形態では、RはClである。特別な実施形態では、R及びRは両方ともFである。別の実施形態では、RはClであり、RはFである。さらに別の実施形態では、R及びRは両方ともClである。別の実施形態では、RはHである。さらに別の実施形態では、RはMeである。別の実施形態では、RはEtである。さらに別の実施形態では、Rはn−Prである。別の実施形態では、Rはn−Buである。さらに別の実施形態では、Rはi−Buである。別の実施形態では、Rはアリルである。別の実施形態では、RはCHOCHCH−である。さらに別の実施形態では、Rはシクロプロピルメチルである。別の実施形態では、RはCFCHCH−である。
【0059】
式2〜6の化合物は、微小透析技法により測定されるように、線条体における影響がまったくない又は実質的に小さい状態で、選択的にノルエピネフリン及びドーパミンの細胞外レベルを前頭皮質で増加させることが見出された。これらの化合物の、皮質ノルエピネフリン及びドーパミンの前例のない増加は、図1〜10に示す。
【0060】
本発明の化合物は、
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(2,4−ジクロロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(2,4−ジクロロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
3−(2,4−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(2,4−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(2,4−ジクロロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(2,4−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(2,3−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(2,3−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(3,5−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(3,5−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
1−ブチル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
1−アリル−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;及び
1−ブチル−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
である。
【0061】
XがFである本発明の他の化合物は、
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(2,4−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(2,4−ジクロロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;及び
3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン
である。
【0062】
特別な実施形態では、本発明の化合物は、
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
(+)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(−)−1−ブチル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(−)−1−アリル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
(−)−1−ブチル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(−)−1−アリル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピロリジン−3−オール;
(−)−1−(シクロプロピルメチル)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−イソプロピルピロリジン−3−オール;
(+)−1−ブチル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
(+)−1−アリル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(+)−1−ブチル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
(+)−1−アリル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピロリジン−3−オール;
(+)−1−(シクロプロピルメチル)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
又は医薬として許容できるその塩である。
【0063】
上記実施形態の2つ以上の任意の組合せは、本発明の範囲内であると見なす。
【0064】
医薬として許容できる塩
本発明の化合物は、意図した投与に好適な任意の形態で提供し得る。好適な形態としては本発明の化合物の、医薬として(即ち、生理的に)許容できる塩、及びプレドラッグ又はプロドラッグ形態が挙げられる。
【0065】
医薬として許容できる付加塩の例として、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩などの非毒性の無機及び有機酸付加塩が、制限なく挙げられる。そのような塩は、当技術分野でよく知られており記載されている手順により形成し得る。
【0066】
医薬として許容可能であると見なすことができないシュウ酸などの他の酸は、本発明の化合物及びその医薬として許容できる酸付加塩を得るために中間体として有用な塩の調製で有用であり得る。
【0067】
本発明の化合物の医薬として許容できるカチオン塩の例としては、アニオン性基を含有する本発明の化合物のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、コリン、リシニウム、及びアンモニウム塩などが、制限なく挙げられる。そのようなカチオン塩は当技術分野でよく知られており記載されている手順により形成し得る。
【0068】
本発明に関しては、N−含有化合物の「オニウム塩」も、医薬として許容できる塩として考えられる。好ましい「オニウム塩」としては、アルキル−オニウム塩、シクロアルキル−オニウム塩、及びシクロアルキルアルキル−オニウム塩が挙げられる。
【0069】
本発明の物質の好適なプロドラッグの例を含む、本発明の化合物のプレドラッグ又はプロドラッグ形態の例としては、親化合物の1つ又は複数の反応性又は誘導体化可能な基で修飾された化合物が挙げられる。特に興味深いのは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はアミノ基で修飾された化合物である。好適な誘導体の例は、エステル類又はアミド類である。
【0070】
本発明の化合物のプロドラッグの特定の例は、以下に述べるN−オキシド及び以下のN−ヒドロキシ誘導体である。
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(2,4−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−オール。
【0071】
本発明の化合物は、水、エタノールなどの医薬として許容できる溶媒と共に、溶解性又は非溶解性形態で提供し得る。溶解性形態は、一水和物、二水和物、半水和物、三水和物、四水和物などの水和形態も含み得る。一般に、溶解性形態は、本発明の目的のための非溶解性形態に相当すると見なされる。
【0072】
立体異性体
本発明の化合物が、様々な立体異性形態で存在し得ることは、当業者により理解されよう。
【0073】
本発明は、すべてのそのような異性体、及びラセミ混合物を含めたその任意の混合物を含む。
【0074】
ラセミ形態は、知られている方法及び技法により、光学的対掌体に分割することができる。エナンチオマー化合物(エナンチオマー中間体を含めた)を分離する一方法は、キラル酸である化合物の場合、光学活性アミンを使用し、ジアステレオマー、酸を用いた処理により分割された塩を遊離するものである。ラセミ体を光学的対掌体に分割するための別の方法は、光学活性マトリックスでのクロマトグラフィーに基づいている。したがって、本発明のラセミ化合物は、例えばD−又はL−塩(酒石酸塩、マンデル酸塩、又はショウノウスルホン酸塩)の、例えば分別結晶により、その光学的対掌体に分割することができる。
【0075】
本発明の化合物は、本発明の化合物と、(+)又は(−)フェニルアラニン、(+)又は(−)フェニルグリシン、(+)又は(−)カンファン酸に由来するものなどの光学活性な活性化カルボン酸との反応によるジアステレオマーアミドの形成により、或いは本発明の化合物と、光学活性クロロホルメートなどとの反応によるジアステレオマーカルバメートの形成により、やはり分割し得る。
【0076】
光学異性体を分割するための追加の方法は、当技術分野で知られている。そのような方法としては、Jaques J、Collet A、及びWilen Sにより「エナンチオマー、ラセミ化合物及び分割(Enantiomers、Racemates、and Resolutions)」、John Wiley and Sons、New York(1981)で記載されたものが挙げられる。
【0077】
光学活性化合物は、光学活性出発物質から調製することもできる。
【0078】
N−オキシド類
本発明に関しては、N−オキシドは、N−複素環芳香族化合物、N−複素環非芳香族化合物、トリアルキルアミン及びトリアルケニルアミンの窒素原子を含めた第3級アミンの酸化物誘導体を示す。例えば、ピリジルを含有する化合物のN−オキシドは、1−オキシ−ピリジン−2、−3又は−4−イル誘導体でもよい。
【0079】
本発明の化合物のN−オキシド類は、高温で酸酢などの酸の存在下で過酸化水素などの従来の酸化剤を使用する、対応する窒素塩基の酸化により、或いは好適な溶媒、例えばジクロロメタン、酢酸エチル若しくは酢酸メチル中での過酢酸などの過酸との反応、又はクロロホルム若しくはジクロロメタン中での3−クロロペルオキシ安息香酸との反応により調製し得る。
【0080】
以下のN−オキシドは、本発明の化合物:
式(7)
【化16】


(式中、
Arは、フェニル、チオフェニル、フラニル、2−ピリミジニル、オキサゾイル及びチアゾリルからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、H、Me、Et、n−Pr、n−Bu、i−Bu、アリル及びCHOCHCH−からなる群から選択され、
Xは、F又はOHからなる群から選択され、但し、XがOHである場合、RはHではない)
、並びに医薬として許容できる塩に対するプロドラッグとして作用する。
【0081】
特に興味深いのは、式(8):
【化17】


又は式(9):
【化18】


又は式(10):
【化19】


又は式(11):
【化20】


(式中、R、R、R及びXは上記したとおりである)を有するプロドラッグ及び医薬として許容できるその塩である。RはFであることが好適である。RはEtでもn−Prでもよく、好ましくはn−Prである。RがH又はMeである場合、RはFでもよい。一実施形態では、RはMeである。本発明の別の実施形態は、ピロリジノール類であり、即ち、式中、XはOHである。
【0082】
本発明のN−オキシド類としては、
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(2,4−ジクロロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン1−オキシド;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール1−オキシド;及び
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール1−オキシド
が挙げられる。
【0083】
標識化合物
本発明の化合物は、その標識された、又は標識されていない形態で使用し得る。本発明の文脈において、標識化合物は、通常自然界に見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子により置換された1つ又は複数の原子を有する。標識化により、前記化合物の容易な定量的検出が可能になるであろう。
【0084】
本発明の標識化合物は、診断ツール、放射性トレーサー、又は様々な診断方法における監視剤として、及びin vivo受容体イメージングに有用であり得る。
【0085】
本発明の標識異性体は、少なくとも1つの放射性核種を標識として含有することが好ましい。陽電子放出放射性核種は、すべて使用候補である。本発明の文脈において、放射性核種は、H(ジュウテリウム)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、131I、125I、123I、及び18Fから選択することが好ましい。
【0086】
本発明の標識異性体を検出するための物理的方法は、位置放出断層撮影法(Position Emission Tomography,PET)、単一光子イメージングコンピュータ断層撮影法(Single Photon Imaging Computed Tomography,SPECT)、磁気共鳴分光法(MRS)、磁気共鳴画像法(MRI)、及びコンピュータ体軸X線断層撮影法(CAT)、又はそれらの組合せから選択し得る。
【0087】
生物活性
本発明の化合物は、ノルエピネフリン、ドーパミン及びある程度のセロトニン−調節特性を有し、該化合物とその医薬組成物の両方が、精神医学的障害を含めた多数の中枢神経系障害の治療に有用である。特に、該化合物及びその医薬組成物は、直接又は間接的な原因のために皮質モノアミン作動系が機能不全となっているCNS障害の治療で使用される。
【0088】
本発明の化合物及び組成物は、自閉症スペクトラム障害、ADHD、脳性麻痺、ジルドラトゥレット症候群、並びに統合失調症の中核症状の一部として発生する認知障害などの、神経変性(例えば、認知症及び加齢性認知機能障害)及び発達障害を含めた認知障害の治療に使用することができる。
【0089】
本発明の化合物及び組成物は、鬱病及び双極性障害を含めた情動障害の治療に使用することができる。それらは、統合失調症及び統合失調様障害を治療するためにも使用することができる。
【0090】
本発明の化合物及び組成物は、全般性不安障害(GAD)、特定恐怖症及びパニック障害(PD)を含めた不安障害の治療に使用することができる。それらは、睡眠障害の治療にも有用である。
【0091】
本発明の化合物は、大脳皮質におけるドーパミン及びノルエピネフリン、及び場合によりセロトニンの細胞外レベルも増加させることが示されてきた。
【0092】
しかし、本発明の化合物は、先行技術で記載された化合物の薬理作用に特徴的な、線条体におけるドーパミンの代謝に対する効果を有さない。したがって、本発明の化合物は、驚くべき及び明確な薬理を有する(表1参照)。
【0093】
表1:試験化合物の全身投与(100μmol/kg s.c.)後のラット線条体におけるDOPACレベル(3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸)の増加。対照値からの%−増加で表現。方法に関しては、本明細書の説明を参照。
【表1】


【表2】


先行技術の比較例;Ref1:J.Med.Chem.1994、37、2735;Ref2:Bioorg.Med.Chem.Lett.1997、7、241〜246。Ref.3;WO2005/121092。Ref1の表2から取ったデータ。Ref2の表2から取ったデータ。この参考文献のデータは、DOPA蓄積であり、DOPACではない。DOPAC及びDOPAは、両方とも実験動物の脳におけるドーパミン濃度の間接的変化の尺度である。DOPAC及びDOPAレベルの増加は、系中のドーパミンの合成及びターンオーバーの増加を示す。DOPA蓄積は、脳の線条体領域における3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの濃度増加の目安である。DOPACは、脳の線条体領域における3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸の濃度増加の目安である。DOPAとDOPACの間には強い関連がある。
【0094】
投与時に、WO2005/121092、J.Med.Chem.1994、37、2735及びBioorg.Med.Chem.Lett.1997に記載のそれらの試験化合物が、線条体DOPACレベルに顕著な増加をもたらすことが理解できる。対照的に、本発明の化合物は、驚いたことに、線条体DOPACレベルに弱い効果をもたらすことが示された。他方、本発明の化合物の本質的特徴は、微小透析技法により評価されるドーパミン及びノルエピネフリンの細胞外レベルとして測定される、カテコールアミン類の皮質レベルの増加をもたらし、一方で、皮質下カテコールアミン類に対する効果をまったく示さない、又はせいぜい弱く示すことである(図1〜10)。
【0095】
本発明で使用される動物モデルの説明
DOPACの組織含量の測定法は、1960年代以降、研究分野で定着している。要約すると、雄性Sprague−Dawelyラットは、断頭の60分前に該試験化合物を投与される。その脳は、迅速に取り出されて解剖される。その線条体は、迅速に凍結され、引き続き、HPLC及び電気化学検出により、そのDOPACの含量に関して定量的に分析される。各試験化合物/賦形剤について使用される動物の数は、4匹/1群である。
【0096】
微小透析技法(Ungerstedt、Herrera−Marschitzら1982)は、神経伝達物質の細胞外レベルの測定用のよく定着した技法である(Ungerstedt 1991)。微小透析技法は、モノアミン伝達物質に対する薬物の効果を測定するため使用された。添付の図(図20及び21)は、1種の確立した抗鬱薬(ミルタザピン)の、線条体及び前頭皮質中のモノアミン類に対する、並びに本発明で特許請求する化合物(図1〜10)に対する効果を示す。各試験化合物について使用される動物の数(n)は、図の説明文に記載する。
【0097】
皮質領域中のドーパミン及びノルエピネフリンに対する効果
認知
記憶、注意及び作業記憶を含めた認知機能の根底にある皮質回路は、上行性のドーパミン作動性及びノルエピネフリン作動性投射により神経支配される、グルタミン作動性及びGABA作動性ニューロンのネットワークを含む(Harrison and Weinberger 2005、Arnsten and Li 2005)。DA D1受容体を介して作用するドーパミンは、認知機能を強化し、一方、皮質DA伝達の機能低下は、特定の認知障害をもたらす(Goldman−Rakic、2004で検討されている)。同様に、ノルエピネフリンは、おそらく前頭前皮質中のシナプス後α−2受容体の刺激に応じて、認知機能を強化することが見出された(Arnsten、2004)。皮質DA及びNE不足の影響の臨床例は、統合失調症及びADHDで見られる認知障害である。統合失調症では、皮質DA不足は、認知機能障害の根底にある重要な特徴であると考えられている(Perlmanら、2004、Goldman−Rakic、2004)。それによりそのような皮質DA機能低下が生じると考えられている1つの機構は、COMTの過度の活性、したがってDAの放出速度の増加、及び次いで起こる、特に皮質中のDAレベルの減少につながる、COMTコード化遺伝子に十分に記載された点突然変異である(Harrison and Weinberger 2005、Perlmanら、2004)。COMTのこの突然変異は、統合失調症と遺伝的に関係があり、並びに健常者の認知能力と相関がある。COMT異常とは別に、様々な他の発症経路が、統合失調症の患者に見られる認知機能の特徴的異常により明らかになる、統合失調症における皮質機能障害と機能的に類似した状態をもたらすことが提唱されている(Harrison and Weinberger、2005)。例えば、多数の感受性遺伝子が、NMDA受容体介在性グルタミン酸伝達に選択的に影響を及ぼすと考えられている。増強されたDA D1受容体刺激による、認知機能に対する有益な作用のために、皮質DA伝達の強化により、皮質活性を標準化し、統合失調症並びに他の状態における認知機能を強化することができる(Goldman−Rakic、2004)。さらに、皮質微小回路における異常が、臨床的症候群の根底にある核となる特徴であると考えられているため、DA伝達の促進によるこの微小回路の回復は、統合失調症における認知機能を改善するだけでなく、精神病の症状も低下させるはずである。したがって、皮質DA伝達の標準化は、二次的効果として、皮質下DA伝達の標準化をもたらし、したがって、皮質下の高ドーパミン作動性に関連する症状の軽減をもたらすであろう(Goldman−Rakic、2004、Perlmanら、2004)。さらに、他の抗精神病化合物と比較してその優れた効力及び少ない副作用の原因であると仮定された、非定型抗精神病薬の共通の特徴は、皮質ドーパミンを増加させるその能力である(Moghaddam and Bunney、1990、Deutchら、1991)。認知強化及び抗精神病効果を実現するための本発明に記載の原則が、DA及びNEの領域選択的な皮質増加に依存し、一方、皮質下、例えば、線条体のDA増加は求められていないことに留意することが重要である。結論として、皮質DAは増加させるが、皮質下DA伝達は増加させない本発明の化合物は、認知機能を改善し、統合失調症における精神病性の症状を低下させるであろう。
【0098】
認知機能におけるDA及びNEの役割を示す他の臨床例は、その障害における症状の軽減に使用される化合物の作用の様式を含めた、ADHDの臨床的特徴である。ADHDの重要な特徴は、注意力の欠如、ある課題に長期間集中する能力の欠如、衝動性、及び多動である(Biederman 2005、Arnsten and Li 2005)。神経心理学検査では、ADHD患者は、特に前頭前皮質機能を評価する検査で苦戦する(Arnsten and Li、2005)。これらの機能の根底にある皮質回路の構造は、DA及びNE伝達が不十分であると、ADHDで見られる特定の神経心理学的障害につながると見込まれることを示唆する。ADHDの病因に関する研究は、すべて、特に皮質領域におけるDA及びNEの調節不全を示す。有効な薬理学的治療薬は、主に、大部分の脳領域においてDA及びNEを増加させる、デキスアンフェタミン、及びメチルフェニデートを含めた精神刺激薬である。ADHDの治療における最近の進歩は、皮質DA及びNEを領域選択的に増加させる化合物アトモキセチン(US5658590)であり、中核症状を軽減し、一方で皮質下DA伝達の増加に関する副作用を回避し、したがって、カテコールアミン類に対する皮質下作用より皮質作用が、ADHD薬物療法の臨床効力にとって必須であることを裏付ける(Pliszka、2005)。
【0099】
まとめると、強化された皮質DA及びNE伝達が、認知の改善を含めた、ADHDの症状を改善すると見込まれる確かな証拠がある。さらに、認知機能における皮質DA及びNEの役割は、皮質DA伝達の強化が、統合失調症又はADHD以外の原因から生じる認知障害における、並びに健常者における認知機能も改善することを暗示する。このことは、健常者におけるCOMT活性と認知能力の間の相関により(Perlmanら、2004)、並びに、健康な状態並びに様々な障害における認知機能に対する皮質DA及びNEの影響に関する、齧歯類、霊長類及びヒトにおける多数の研究(Arnsten、2004、Goldman−Rakic、2004)により裏付けられる。結果的に、本発明の化合物は、ADHDの症状、並びに、一般にその皮質DA及びNEを領域選択的に増加させる能力が原因の認知障害の治療に有用であろう。
【0100】
抗不安薬及び抗鬱薬の効果
すべての臨床的に有効なクラスの抗鬱薬の共通の特色は、皮質におけるドーパミン及びノルエピネフリンレベルの上昇である(Tanda、Carboniら、1994;Millan、Lejeuneら、2000)。一例として、臨床的に有効な抗鬱薬ミルタザピン(レメロン)は、主に皮質中の細胞外のノルエピネフリン及びドーパミンを増加させることが示されてきた(図21、及びDevoto、Floreら、2004参照)。本発明で特許請求する化合物が皮質におけるドーパミン及びノルエピネフリンのレベルを上昇させるので、このことが、それらが抗鬱薬として機能するという本発明者らの主張を裏付ける(図1〜10参照)。さらに、ノルエピネフリンは、恐怖及び不安を制御する、青斑核、扁桃核、及び大脳皮質を含むニューロン経路に強く関係し、したがって、皮質ノルエピネフリン伝達の調節は、不安の状態を調節する(Sullivanら、1999、Biol Psychiatry;46:1205〜121)。したがって、皮質ノルエピネフリン作動性伝達を変化させる化合物は、不安障害の治療において有効であると報告されている。より具体的には、NE再取込阻害以外の機構により皮質におけるNEレベルの顕著な増加をもたらすミルタザピン(レメロン)(図21)、及びノルエピネフリン再取込の阻害により皮質NEを増加させるベンラファキシンの様なNE調節化合物は、両方とも臨床研究において抗不安性を有する(Neuropsychopharmacology、5th generation of Progress、Lippincott、Williams and Wilkins 2002、967〜980ページ)。不安の制御におけるノルエピネフリンの重大な役割を証明する神経生物学的背景と共に、不安障害に対する増強された皮質ノルエピネフリン伝達の有益な作用に関するこの証拠に基づいて、皮質NEの顕著な増加をもたらす本発明の化合物が、不安障害の治療において有効であると見込まれることが結論づけられた。
【0101】
(参考文献)



【0102】
調製方法
本発明の化合物は、以下のスキーム1で概要を述べるように調製し得る。しかし、本発明は、これらの方法に限定されない。該化合物は、構造的に関連した先行技術の化合物に関して記載したように調製することもできる。各反応は、標準的手順(例えば、Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations Richard C.Larock、22 October、1999 Wiley−VCH、ISBN:0471190314;又はMarch’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure、第5版。Michael B.Smith、Jerry March、January 15、2001 Wiley−Interscience、ISBN:0471585890)に従って、又は実施例で記載するように実施することができる。本出願に記載のプロセスのための出発物質は、知られている、又は従来の方法で市販の化学物質から容易に調製し得る。
【0103】
当業者は、代替の、及び場合によっては、より簡便な方法で本発明の化合物を得るために、上で述べた個々のプロセスステップを異なる順番で実施してもよい、及び/又は経路全体の異なる段階で個々の反応を実施してもよい(即ち、上で特定の反応に使用された様々な中間体を用いて化学変換を実施してもよい)ことを理解しよう。
【0104】
本発明の化合物の合成は、以下のスキーム1で概要を述べる。
【化21】

【0105】
スキーム1の置換基は、以下のとおりである。Zは脱離基であり、Aはアルキル又は保護基であり、Ar、R1、R2、及びR3は上記したとおりである。(III)〜(IV)の酸化は、標準的酸化手順及び試薬を使用して起こすことができる(例えば、Handbook of Reagents for Organic Synthesis−Oxidising and Reducing Agents.S.D.Burke、RL.Danheiser(Eds.);John.Wiley & Sons、Chichester、1999、ISBN0−471−97926−0)。
【0106】
本発明の化合物は、標準的方法により任意のレベルの純度で単離することができ、精製は、蒸留、再結晶及びクロマトグラフィーなどの、当業者に知られている従来の手段により達成することができる。
【0107】
医薬組成物
本発明は、別の態様では、治療有効量の本発明の化合物を含む新規な医薬組成物を提供する。
【0108】
本発明は、本発明の化合物を含む医薬組成物、及びCNS障害の治療におけるその使用に関する。有機及び無機酸の両方が、本発明の化合物の非毒性の医薬として許容できる酸付加塩の形成に使用することができる。本発明の化合物の好適な酸付加塩としては、上述したものなどの医薬として許容できる塩を用いて形成されたものが挙げられる。
【0109】
本発明の化合物を含む医薬組成物は、その医薬製剤の製造又は該製剤の投与の促進に使用される物質も含み得る。そのような物質は、当業者によく知られており、例えば、医薬として許容できる補助剤、担体及び保存剤でもよい。
【0110】
本発明の化合物は、臨床現場では、通常、遊離塩基として、或いは医薬として許容できる担体を伴う、塩酸塩、乳酸塩、酢酸塩又はスルファミン酸塩などの医薬として許容できる非毒性の酸付加塩として活性成分を含む医薬製剤の形態で、経口投与、直腸投与、経鼻投与、又は注射により投与されよう。担体は、固体、半固体又は液体製剤でもよい。通常、該活性物質は、該製剤の0.1と99重量%の間、より具体的には注射用の調製に関しては0.5と20重量%の間、及び経口投与に好適な製剤に関しては0.2と50重量%の間を構成すると見込まれる。
【0111】
経口投与用の単位剤形の本発明の化合物を含有する医薬製剤を製造するために、選択された化合物は、固体賦形剤、例えば、ラクトース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ジャガイモデンプン、コーンスターチ又はアミロペクチンなどのデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン又はポリビニル−ピロリジンなどの結合剤、及びステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、ワックス類、パラフィンなどの潤滑剤などと混合され、次いで錠剤に圧縮され得る。糖衣錠が必要とされるならば、コア(上記のように調製される)は、例えば、アラビアゴム、ゼラチン、滑石、二酸化チタンなどを含有してもよい濃縮糖溶液を用いてコーティングしてもよい。代替として、該錠剤は、当業者に知られている、易揮発性の有機溶媒又は有機溶媒の混合物中に溶解したポリマーを用いてコーティングすることができる。異なる活性物質又は異なる量の活性化合物を含有する錠剤を容易に区別するために、これらのコーティングに染料を添加してもよい。
【0112】
軟ゼラチンカプセル剤の調製のために、該活性物質は、例えば、植物油又はポリエチレングリコールと混合し得る。硬ゼラチンカプセル剤は、述べた錠剤用の賦形剤、例えば、ラクトース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン(例えば、ジャガイモデンプン、コーンスターチ又はアミロペクチン)、セルロース誘導体又はゼラチンを使用して、該活性物質の顆粒剤を含有してもよい。薬物の液体又は半固体も、硬ゼラチンカプセル剤に充填することができる。
【0113】
経口投与に好適な錠剤及びカプセル製剤の例を以下に示す。
錠剤I mg/錠剤
化合物 100
ラクトースPh.Eur 182.75
クロスカルメロースナトリウム 12.0
トウモロコシデンプンペースト(5%w/vペースト) 2.25
ステアリン酸マグネシウム 3.0
錠剤II mg/錠剤
化合物 50
ラクトースPh.Eur 223.75
クロスカルメロースナトリウム 6.0
トウモロコシデンプン 15.0
ポリビニルピロリドン(5%w/vペースト) 2.25
ステアリン酸マグネシウム 3.0
錠剤III mg/錠剤
化合物 1.0
ラクトースPh.Eur 93.25
クロスカルメロースナトリウム 4.0
トウモロコシデンプンペースト(5%w/vペースト) 0.75
ステアリン酸マグネシウム 1.0
カプセル剤 mg/カプセル剤
化合物 10
ラクトースPh.Eur 488.5
マグネシウム 1.5
【0114】
直腸投与用の用量単位は、溶液又は懸濁液であることができ、或いは、中性脂肪基剤との混合物中に該活性物質を含む坐剤、又は植物油若しくはパラフィン油との混合物中に該活性物質を含むゼラチン直腸カプセル剤の形態で調製することができる。経口投与用の液体製剤は、シロップ剤又は懸濁液の形態、例えば約0.2%〜約20重量%の本明細書に記載の活性物質を含有し、その残りが糖並びにエタノール、水、グリセロール及びプロピレングリコールの混合物である溶液でもよい。場合により、そのような液体製剤は着色料、香味料、サッカリン及び増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース、又は当業者に知られている他の賦形剤を含有してもよい。
【0115】
注射による非経口投与用の溶液は、該活性物質の水溶性の医薬として許容できる塩の水溶液中で、好ましくは0.5%〜約10重量%の濃度で調製することができる。これらの溶液は、安定化剤及び/又は緩衝剤も含有してもよく、好都合なことに、様々な用量単位のアンプルで供給し得る。治療される患者に対する使用及び投与は、当業者には容易に明らかとなろう。
【0116】
鼻腔内投与又は吸入による投与に関しては、本発明の化合物は、溶液、乾燥粉末又は懸濁液の形態で送達し得る。投与は、患者により圧迫又はポンピングされるポンプスプレー容器を介して、或いは好適な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の好適なガスの使用と共に、加圧容器又は噴霧器からのエアゾールスプレー投与を通して実施し得る。本発明の化合物は、担体物質(例えばサッカリド)と共に微粉として、又は微粒子として、乾燥粉末吸入器を介して投与してもよい。吸入器、ポンプスプレー又はエアゾールスプレーは、単一用量でも多回用量でもよい。投薬量は、測定量の活性化合物を送達する弁を介して制御し得る。
【0117】
本発明の化合物は、徐放製剤でも投与し得る。該化合物は、一定の薬理学的活性を所望の期間維持するのに必要な速度で放出される。そのような剤形は、体への薬物の供給を所定の期間実現し、したがって、従来の非制御製剤より長期間、治療域の薬物レベルを維持する。該化合物は、該活性化合物の放出が標的とされている徐放製剤に配合してもよい。例えば、該化合物の放出は、該製剤のpH感受性を介して消化器系の特定の領域に制限し得る。そのような製剤は、当業者によく知られている。
【0118】
製剤化及び投与技法のさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版で見られる。
【0119】
治療される障害及び患者、並びに投与経路に応じて、該組成物は、様々な用量で投与し得る。投薬は、また、吸収性に対する効力の関係、並びに投与の頻度及び経路次第であろう。そのような用量は、1日に1回、2回、又は3回以上投与し得る。本発明の化合物は、治療される被検者の重量、性別及び容態、治療される疾患状態、並びに選択された特定の投与経路に応じて必然的に変動が生じるものであるが、0.01mg〜500mg/体重1kg/日の範囲の用量で被検者に投与することができる。しかし、0.1mg〜10mg/体重1kg/日の範囲の投薬レベルでは、疾患の治療のために、単回又は分割投与がヒトに用いられることが最も望ましい。代替として、投与量レベルは、該化合物の0.1nM〜10μMの間の血清濃度が得られるレベルである。
【0120】
本発明は、本発明の範囲の制限を意図するものでは決してない、以下の実施例でさらに例示する。
【0121】
(例1)
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
封管中で、3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.17g、0.85mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(4mL)、炭酸ナトリウム(0.11g、2.12mmol)及びヨードエタン(0.13g、0.85mmol)の混合物を周囲温度で72時間攪拌した。水(30mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:1)により精製して、標記化合物(0.11g)を得た。[α]=−21.4°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化22】

【0122】
(例2)
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
封管中で、3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.14g、0.70mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(4mL)、炭酸カリウム(0.09g、1.75mmol)及びヨードエタン(0.12g、0.77mmol)の混合物を100℃で5分間、マイクロ波照射下で加熱した。水(30mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、2:1〜1:1)により精製して、標記化合物(0.11g)を得た。[α]=+18.7°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化23】

【0123】
(例3)
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
例2による調製:3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.31g、1.46mmol)、アセトニトリル(3mL)、炭酸カリウム(0.20g、1.46mmol)、ヨードエタン(0.12mL、1.5mmol)。100℃で20分間のマイクロ波照射。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、55:45)による精製。収量:0.19g。アミンをフマル酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化24】

【0124】
(例4)
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
例2による調製:3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.30g、1.50mmol)、アセトニトリル(3mL)、炭酸カリウム(0.21g、1.50mmol)、ヨードエタン(0.12mL、1.50mmol)。100℃で20分間のマイクロ波照射。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、1:1)による精製。アミンをフマル酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化25】

【0125】
(例5)
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
例8による調製:3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.30g、1.4mmol)、アセトニトリル(20mL)、炭酸ナトリウム(0.19g、3.5mmol)、ヨードエタン(0.22g、1.4mmol)。収量:0.17g。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化26】

【0126】
(例6)
3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
例8による調製:3−(3,5−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.34g、1.46mmol)、アセトニトリル(24mL)、炭酸ナトリウム(0.20g、3.65mmol)、ヨードエタン(0.23g、1.46mmol)。15分間加熱還流した。収量:0.24g。アミンをフマル酸塩へ変換し、固体残留物になるまで蒸発させた。
【化27】

【0127】
(例7)
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール
例1による調製:3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.34g、1.7mmol)、アセトニトリル(5mL)、炭酸ナトリウム(0.33g、2.4mmol)、ヨードプロパン(0.17mL、1.7mmol)。周囲温度で3時間攪拌した。Biotage Isolute SCX−3 SPEカラムでの精製(メタノールを用いて洗浄し、メタノール/トリエチルアミン、4:1を用いて溶出した)。収量:0.15g。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化28】

【0128】
(例8)
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
アセトニトリル(25mL)中の3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.50g、2.5mmol)の混合物に、炭酸ナトリウム(0.34g、6.25mmol)及びヨードエタン(0.39g、2.5mmol)を添加し、混合物を1時間還流させた。水(50mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:1)により精製して、標記化合物(0.12g)を得た。アミンをフマル酸塩へ変換し、水から凍結乾燥した。
【化29】

【0129】
(例9)
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール
例8による調製:3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.54g、2.7mmol)、アセトニトリル(30mL)、炭酸ナトリウム(0.38g、6.75mmol)、ヨードプロパン(0.26mL、2.7mmol)。収量:0.22g。アミンをフマル酸塩へ変換した。
【化30】

【0130】
(例10)
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
例2による調製:3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.34g、1.46mmol)、アセトニトリル(3mL)、1滴のメタノール、炭酸ナトリウム(0.20g、1.46mmol)、ヨードエタン(0.12mL、1.46mmol)。収量:0.18g。アミンをフマル酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテル中で再結晶化した。
【化31】

【0131】
(例11)
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン
ギ酸(2.45mL)中の3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン(0.17g、0.85mmol)及びホルムアルデヒド水溶液(40%、2.2mL)の混合物を85℃で1時間加熱した。水(100mL)及びジエチルエーテルを添加し、各相を分離し、水酸化ナトリウム水溶液(5M、20mL)の添加により水相を塩基性化した。酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:0〜1:1)により精製して、標記化合物(0.12g)を得た。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化32】

【0132】
(例12)
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
例8による調製:3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.38g、1.9mmol)、アセトニトリル(20mL)、炭酸ナトリウム(0.26g、4.75mmol)、ヨードエタン(0.29g、1.9mmol)。2時間還流した。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、35:65〜50:50)による精製。収量:0.26g。アミンをフマル酸塩へ変換し、2−プロパノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化33】

【0133】
(例13)
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン
窒素を用いて、1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン(0.65g、2.2mmol)及びメタノール(50mL)中のギ酸アンモニウム(1.4g、22mmol)の混合物をパージし、炭素上パラジウム(65mg)を添加した。混合物を8時間還流し、4時間、6時間及び7時間で、それぞれ炭素上パラジウム(30mg)を添加した。混合物を周囲温度まで冷却し、セライトのパッドを通して濾過した。濾液を蒸発させ、炭酸ナトリウム水溶液(10%、50mL)を添加し、ジクロロメタン(2×50mL)を用いて水相を抽出した。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:1〜0:1)により精製して、標記化合物(0.14g)を得た。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化34】

【0134】
(例14)
3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン
調製2による調製:tert−ブチル3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−カルボキシレート(0.45g、1.34mmol)、ジクロロメタン(2mL)、トリフロオロ酢酸(2mL)。周囲温度で4時間攪拌した。Biotage Isolute SCX−3 SPEカラムでの精製(メタノールを用いて洗浄し、メタノール/トリエチルアミン、4:1を用いて溶出した)、その後のWaters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、20:80〜60:40)及びシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:0〜1:1)。収量:0.15g。アミンを塩酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化35】

【0135】
(例15)
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
例26による調製:3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−ピロリジン−3−オール(0.44g、2.21mmol)、ギ酸(6.41mL)、ホルムアルデヒド水溶液(40%、5.75mL)。85℃で3時間。収量:0.395g。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化36】

【0136】
(例16)
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
例26による調製:3−(3,4−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(1.32g、6.63mmol)、ギ酸(19.2mL)、ホルムアルデヒド水溶液(40%、17.2mL)。60℃で24時間。収量:0.83g。アミンをフマル酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化37】

【0137】
(例17)
3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
封管中で、3−(2,3−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.35g、1.51mmol)、アセトニトリル(20mL)、炭酸カリウム(0.019g、3.77mmol)及びヨードエタン(0.24g、1.51mmol)の混合物を周囲温度で終夜攪拌し、追加のヨードエタン(0.02mL)を添加し、得られた混合物を終夜攪拌した。水(50mL)を添加し、tert−ブチルメチルエーテル(2×50mL)を用いて水相を抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:0〜1:1)により精製して、標記化合物(0.13g)を得た。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化38】

【0138】
(例18)
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
例11による調製:3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.125g、0.628mmol)、ギ酸(1.82mL)、ホルムアルデヒド水溶液(40%、1.63mL)。65℃、終夜。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した(0.126g)。
【化39】

【0139】
(例19)
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
例26による調製:3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.6g、2.78mmol)、ギ酸(8.1mL)、ホルムアルデヒド水溶液(40%、7.2mL)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、2:8〜3:8)及びWaters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、20:80〜100:0)による精製。収量:0.3g。アミンをフマル酸塩へ変換し、固体残留物になるまで蒸発させた。
【化40】

【0140】
(例20)
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
封管中で、3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.5g、2.32mmol)、アセトニトリル(3mL)、炭酸カリウム(0.48g、3.48mmol)及びヨードエタン(0.36g、2.32mmol)の混合物を120℃で20分間、マイクロ波照射下で加熱した。炭酸ナトリウム水溶液(10%、50mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、20:80〜50:50)により精製して、標記化合物を得た。アミンをフマル酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した(0.249g)。
【化41】

【0141】
(例21)
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール
例22による調製:3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.8g、3.72mmol)、炭酸カリウム(1.03g、7.45mmol)、ヨードプロパン(0.83mg、4.86mmol)、アセトニトリル(20mL)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:1〜0:1)による精製。収量:520mg。アミンをフマル酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化42】

【0142】
(例22)
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(1.10g、5mmol)、アセトニトリル(20mL)、炭酸カリウム(1.4g、10.1mmol)及びヨードプロパン(1.13mg、6.65mmol)の混合物を周囲温度で2時間攪拌した。この期間の間に、温度を40℃まで2回短時間上昇させた。水を添加し、酢酸エチルを用いて水相を抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:0〜1:1)により精製して、標記化合物(0.57g)を得た。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化43】

【0143】
(例23)
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン
窒素下の乾燥1.2−ジクロロエタン(10mL)中の1−ベンジル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン(1.6g、5.5mmol)の溶液へ、1−クロロエチルクロロホルメート(600μl、5.5mmol)を添加した。混合物を周囲温度で7時間攪拌し、その後、メタノールを添加し、混合物を蒸発させた。メタノール(10mL)を添加し、混合物を4時間加熱還流した。混合物を蒸発させ、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:0〜1:1)により精製して、標記化合物(214mg)を得た。アミンを塩酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化44】

【0144】
(例24)
(+)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
封管中で、3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.26g、1.3mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(3mL)、炭酸カリウム(0.269g、1.95mmol)及びヨードエタン(0.20g、1.3mmol)の混合物を80℃で25分間、マイクロ波照射下で加熱した。炭酸ナトリウム水溶液(10%、50mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出し、ブラインを用いて合わせた有機相を洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、35:65〜50:50)により精製して、標記化合物(0.117g)を得た。[α]=+19.4°(メタノール)。アミンをフマル酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化45】

【0145】
(例25)
(−)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
例24による調製:3−(3,4−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.27g、1.35mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(3mL)、炭酸カリウム(0.279g、2.02mmol)及びヨードエタン(0.21g、1.35mmol)。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、35:65〜50:50)による精製。収量0.14g。[α]=−18.8°(メタノール)。アミンをフマル酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化46】

【0146】
(例26)
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
ギ酸(5.4mL)中の3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.4g、1.85mmol)及びホルムアルデヒド水溶液(40%、4.8mL)の混合物を85℃で2.5時間加熱した。炭酸ナトリウム水溶液(10%、50mL)を添加し、酢酸エチル(2×70mL)を用いて水相を抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、20:80〜100:0)により精製して、標記化合物(0.131g)を得た。アミンをフマル酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化47】

【0147】
(例27)
(+)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール
例24による調製:3−(3,4−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.26g、1.3mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(3mL)、炭酸カリウム(0.269g、1.95mmol)及びヨードプロパン(0.22g、1.3mmol)。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、45:55〜60:40)による精製。収量:0.156g。[α]=+19.0°(メタノール)。アミンをフマル酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化48】

【0148】
(例28)
(−)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール
例24による調製:3−(3,4−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.27g、1.35mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(3mL)、炭酸カリウム(0.279g、2.02mmol)及びヨードプロパン(137μl、1.35mmol)。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、45:55〜60:40)による精製。収量:0.125g。[α]=−21.1°(メタノール)。アミンをフマル酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化49】

【0149】
(例29)
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール
例24による調製:3−(3,5−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.53g、2.66mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(3mL)、炭酸カリウム(0.55g、3.99mmol)及びヨードプロパン(260μl、2.66mmol)。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、40:60〜60:40)による精製。収量:0.274g。[α]=+21.2°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化50】

【0150】
(例30)
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール
例24による調製:3−(3,5−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.53g、2.66mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(3mL)、炭酸カリウム(0.55g、3.99mmol)及びヨードプロパン(260μl、2.66mmol)。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、40:60〜60:40)による精製。収量:0.295g。[α]=−22.7°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化51】

【0151】
(例31)
(−)−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
(−)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.66g、2.16mmol)及びヨードエタン(4mL、50.2mmol)の混合物を4時間還流した。混合物を蒸発させ、tert−ブチルメチルエーテル(20mL)を添加した。溶媒をデカンテーションにより除去し、モルホリン(5mL)を添加し、混合物を120℃で30分間、マイクロ波照射下で加熱した。混合物を蒸発させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル、7:3〜3:7及びアイソクラチック1:1)により2回精製して、標記化合物(0.26g)を得た。[α]=−21.4°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化52】

【0152】
(例32)
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
封管中で、(−)−1−ベンジル−3−(2,3−ジフルオロフェニル−3−オール−ピロリジン(0.3g、1.04mmol)及びヨードエタン(3mL、30.6mmol)の混合物を70℃で4時間、マイクロ波照射下で加熱した。得られた混合物を蒸発させ、モルホリン(2mL)及びアセトニトリル(2mL)を添加し、混合物を130℃で30分間、マイクロ波照射下で加熱した。混合物を蒸発させ、Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、20:80〜45:55)により精製して、標記化合物を得た。[α]=−18.7°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化53】

【0153】
(例33)
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール
例34による調製:(−)−1−ベンジル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.40g、1.38mmol)、ジメチルホルムアミド(3mL)、ヨードプロパン(1.35mL、13.8mmol)及びモルホリン(2mL)。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、40:60〜60:40)による精製。収量:0.174g。[α]=−22.1°(メタノール)。アミンをフマル酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化54】

【0154】
(例34)
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール
封管中で、(+)−1−ベンジル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.40g、1.38mmol)、ジメチルホルムアミド(3mL)及びヨードプロパン(1.35mL、13.8mmol)の混合物を80℃で45分間、マイクロ波照射下で加熱した。得られた混合物を蒸発させ、モルホリン(2mL)を添加し、混合物を130℃で30分間、マイクロ波照射下で加熱した。炭酸ナトリウム水溶液(10%、50mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出し、LiCl(5%、50mL)を用いて合わせた有機相を洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、40:60〜60:40)により精製して、標記化合物(0.115g)を得た。[α]=+22.8°(メタノール)。アミンをフマル酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化55】

【0155】
(例35)
(+)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
封管中で、(+)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.31g、1.01mmol)、ジメチルホルムアミド(3mL)及びヨードエタン(0.16mL、2.02mmol)の混合物を80℃で2×15分間、マイクロ波照射下で加熱した。得られた混合物を蒸発させ、モルホリン(2mL)を添加し、混合物を130℃で30分間、マイクロ波照射下で加熱した。LiCl水溶液(5%、50mL)を添加し、酢酸エチルを用いて水相を抽出し(2×50mL、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:0〜1:1)により精製して、標記化合物(0.131g)を得た。[α]=+27.2°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化56】

【0156】
(例36)
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
例34による調製:(+)−1−ベンジル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.40g、1.38mmol)、ジメチルホルムアミド(3mL)、ヨードエタン(1.1mL、13.8mmol)及びモルホリン(2mL)。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、20:80〜45:55)による精製。収量:0.11g。[α]=+19.8°(メタノール)。アミンをフマル酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化57】

【0157】
(例37)
(−)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
封管中で、(−)−1−ベンジル−3−(2−フルオル−3−クロロフェニル−3−オール−ピロリジン(0.31g、1.01mmol)、ジメチルホルムアミド(3mL)及びヨードエタン(1.35mL、13.8mmol)の混合物を80℃で45分間、マイクロ波照射下で加熱した。得られた混合物を蒸発させ、モルホリン(2mL)を添加し、混合物を130℃で30分間、マイクロ波照射下で加熱した。LiCl水溶液(5%、50mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:0〜1:1)により精製して、標記化合物(0.128g)を得た。[α]=−27.8°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/−ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化58】

【0158】
(例38)
(−)−1−ブチル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
封管中で、3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.5g、2.5mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(20mL)、炭酸カリウム(0.69g、5mmol)及びn−臭化ブチル(0.25mL、2.6mmol)の混合物を周囲温度で30分間攪拌し、その後、さらなる量のn−臭化ブチル(0.12mL、1.25mmol)を添加し、混合物を1時間攪拌した。水を添加し、酢酸エチルを用いて水相を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:1)により精製して、標記化合物(0.35g)を得た。[α]=−26°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化59】

【0159】
(例39)
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール
例38による調製:3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.5g、2.5mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(20mL)、炭酸カリウム(0.69g、5mmol)、1−ブロモ−2−メチルプロパン(0.32mL、2.97mmol)。4時間攪拌した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、2:1)による精製。収量:0.16g。[α]=−16.1°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化60】

【0160】
(例40)
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
例11による調製:ギ酸(7.2mL)中の3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.5g、2.5mmol)のエナンチオマーE2及びホルムアルデヒド水溶液(40%、6.5mL)。65℃で5時間。水(50mL)を添加し、ジエチルエーテルを用いて混合物を洗浄した。NaOH(5M)を用いて水相を塩基性化し、酢酸エチルを用いて抽出し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。上記と同じ量のギ酸及びホルムアルデヒド水溶液を用いて、粗化合物を再び5時間処理した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、4:1〜2:1)による精製。収量:0.7g。[α]=−21.5°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化61】

【0161】
(例41)
(−)−1−アリル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
例8による調製:3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.5g、2.5mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(20mL)、炭酸カリウム(0.69g、5mmol)及び3−ブロモ−1−プロペン(0.23mL、2.78mmol)。2時間還流した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、5:1)による精製。収量:0.33g。[α]=−26.6°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化62】

【0162】
(例42)
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール
例43による調製:3−(2,3−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.5g、2.5mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(20mL)、炭酸カリウム(0.69g、5mmol)、1−ブロモ−2−メトキシエタン(0.255mL、2.7mmol)。周囲温度で1時間攪拌した。1−ブロモ−2−メトキシエタン(0.05mL、0.53mmol)の添加、40℃で2分間攪拌した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/−メタノール、4:1)による精製。収量:0.32g。[α]=−20.8°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化63】

【0163】
(例43)
(−)−1−ブチル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
封管中で、3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.29g、1.45mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(15mL)、炭酸カリウム(0.4g、2.9mmol)及びn−臭化ブチル(0.15mL、1.59mmol)の混合物を周囲温度で5時間、次いで、60℃で2時間攪拌した。炭酸ナトリウム水溶液(10%、5mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、7:1)により精製して、標記化合物(0.175g)を得た。[α]=−19.8°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化64】

【0164】
(例44)
(−)−1−アリル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
封管中で、3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.29g、1.45mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(15mL)、炭酸カリウム(0.4g、2.9mmol)及び臭化アリル(0.13mL、1.59mmol)の混合物を60℃で2時間加熱した。炭酸ナトリウム水溶液(10%、5mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、7:1)により精製して、標記化合物(0.08g)を得た。[α]=−20.3°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化65】

【0165】
(例45)
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール
封管中で、3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.29g、1.45mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(15mL)、炭酸カリウム(0.4g、2.9mmol)及び2−ブロモエチルメチルエーテル(0.145mL、1.55mmol)の混合物を周囲温度で4時間、次いで80℃で1時間攪拌した。炭酸ナトリウム水溶液(10%、5mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、10:1)により精製して、標記化合物(0.157g)を得た。[α]=−18.9°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化66】

【0166】
(例46)
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール
封管中で、3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.28g、1.45mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(15mL)、炭酸カリウム(0.4g、2.9mmol)及び1−ブロモ−2−メチルプロパン(0.15mL、1.59mmol)の混合物を周囲温度で5時間、次いで60℃で2時間攪拌した。炭酸ナトリウム水溶液(10%、5mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、10:1)により精製して、標記化合物(0.193g)を得た。[α]=−22.9°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化67】

【0167】
(例47)
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
例11による調製:3−(3,5−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.29g、1.45mmol)のエナンチオマーE2、ギ酸(3.8mL)、ホルムアルデヒド水溶液(40%,3.4mL)。65℃で5時間。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、10:1)による精製。収量:0.19g。[α]=−22.8°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化68】

【0168】
(例48)
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(3,3,3−トリフロオロプロピル)ピロリジン−3−オール
例43による調製:3−(2,3−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.5g、2.5mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(20mL)、炭酸カリウム(0.69g、5mmol)、1,1,1−トリフルオロ−3−ヨードプロパン(0.32mL、3.1mmol)。周囲温度で2時間、及び40℃で2×5分間攪拌した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、4:1)による精製。収量:0.2g。[α]=−14.6°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化69】

【0169】
(例49)
(−)−1−(シクロプロピルメチル)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
例43による調製:3−(2,3−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.58g、2.9mmol)のエナンチオマーE2、アセトニトリル(20mL)、炭酸カリウム(0.69g、5mmol)、シクロプロピルメチルブロミド(0.308mL、3.18mmol)。周囲温度で2時間、及び40℃で2×5分間攪拌した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、4:1)による精製。収量:0.28g。[α]=−14.3°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化70】

【0170】
(例50)
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−イソプロピルピロリジン−3−オール
封管中で、3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.192g、0.963mmol)、アセトニトリル(3mL)、炭酸カリウム(0.133g、0.963mmol)及びイソプロピルブロミド(0.118g、0.963mmol)の混合物を120℃で25分間、マイクロ波照射下で加熱した。混合物を濾過し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、4:1〜1:1)及びWaters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、20:80〜55:45)により精製して、標記化合物(0.092g)を得た。アミンをフマル酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化71】

【0171】
(例51)
(+)−1−ブチル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
封管中で、3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.18g、0.92mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(5mL)、炭酸カリウム(0.25g、1.84mmol)及びn−臭化ブチル(0.1mL、1.01mmol)の混合物を120℃で45分間、マイクロ波照射下で加熱した。炭酸ナトリウム水溶液(10%、5mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。Biotage Isolute SCX−3 SPEカラムでの精製(メタノールを用いて洗浄し、メタノール/トリエチルアミン、4:1を用いて溶出した)及びシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、7:1)により、標記化合物(0.13g)を得た。[α]=+21.9°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化72】

【0172】
(例52)
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
例11による調製:3−(3,5−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.18g、0.92mmol)のエナンチオマーE1、ギ酸(2.6mL)、ホルムアルデヒド水溶液(40%、2.45mL)。Biotage Isolute SCX−3 SPEカラムでの精製(メタノールを用いて洗浄し、メタノール/トリエチルアミン、4:1を用いて溶出した)及びシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、10:1)。収量:0.125g。[α]=+19.8°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化73】

【0173】
(例53)
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール
例51による調製。3−(3,5−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.18g、0.92mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(6mL)、炭酸カリウム(0.25g、1.84mmol)、1−ブロモ−2−メチルプロパン(0.1mL、0.92mmol)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、9:1)。収量:0.18g。[α]=+22.6°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化74】

【0174】
(例54)
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール
例51による調製:3−(3,5−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.18g、0.92mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(6mL)、炭酸カリウム(0.25g、1.84mmol)及び2−ブロモエチルメチルエーテル(0.09mL、0.92mmol)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、10:1)。収量:0.118g。[α]=+22.3°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化75】

【0175】
(例55)
(+)−1−アリル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
例51による調製:3−(3,5−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.18g、0.92mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(6mL)、炭酸カリウム(0.25g、1.84mmol)及び臭化アリル(0.077mL、0.92mmol)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、10:1)。収量:0.1g。[α]=+22.4°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化76】

【0176】
(例56)
(+)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
例34による調製:(+)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.93g、3.05mmol)及びヨードメタン(1mL、15.9mmol)、ジメチルホルムアミド(3mL)、モルホリン(2mL)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:0〜1:1)による精製。収量:0.289g。[α]=+25.9°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化77】

【0177】
(例57)
(−)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
例34による調製:(−)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.748g、2.45mmol)、ヨードメタン(1mL、15.9mmol)、ジメチルホルムアミド(3mL)、モルホリン(2mL)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/−メタノール、1:0〜1:1)による精製。収量:0.193g。[α]=−25.7°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、メタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化78】

【0178】
(例58)
(+)−1−ブチル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
例51による調製。3−(2,3−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.15g、0.77mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(6mL)、炭酸カリウム(0.21g、1.55mmol)、n−ブチルブロミド(0.08mL、0.77)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、7:1)。収量:0.085g。[α]=+24.8°。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化79】

【0179】
(例59)
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
例11による調製:3−(2,3−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.15g、0.72mmol)のエナンチオマーE1、ギ酸(1.95mL)、ホルムアルデヒド水溶液(40%、2.17mL)。混合物を5時間攪拌し、その後、追加のホルムアルデヒド水溶液(1.5mL)を添加し、混合物を終夜還流した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、10:1)による精製。収量:0.09g。[α]=+19.1°。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化80】

【0180】
(例60)
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール
例51による調製:3−(2,3−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.15g、0.75mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(6mL)、炭酸カリウム(0.208g、1.5mmol)及び1−ブロモ−2−メトキシエタン(0.07mL、0.75mmol)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、10:1)。収量:0.07g。[α]=+22.5°。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化81】

【0181】
(例61)
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール
例51による調製。3−(2,3−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.15g、0.75mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(6mL)、炭酸カリウム(0.208g、1.5mmol)1−ブロモ−2−メチルプロパン(0.08mL、0.75mmol)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、9:1)。収量:0.09g。[α]=+17.9°。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化82】

【0182】
(例62)
(+)−1−アリル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
例51による調製。3−(2,3−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.15g、0.75mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(6mL)、炭酸カリウム(0.208g、1.5mmol)臭化アリル(0.065mL、0.76mmol)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、10:1)。収量0.1g。[α]=+23.4°。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化83】

【0183】
(例63)
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(3,3,3−トリフロオロプロピル)ピロリジン−3−オール
例51による調製。3−(2,3−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.15g、0.75mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(6mL)、炭酸カリウム(0.208g、1.5mmol)1,1,1−トリフロオロ−3−ヨードプロパン(0.09mL、0.76mmol)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソオクタン、1:1〜1:2)。収量0.1g。[α]=+16.5°。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化84】

【0184】
(例64)
(+)−1−(シクロプロピルメチル)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
例51による調製。3−(2,3−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.11g、0.55mmol)のエナンチオマーE1、アセトニトリル(6mL)、炭酸カリウム(0.140g、1mmol)シクロプロピルメチルブロミド(0.05mL、0.51mmol)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、10:1)。収量:0.045g。[α]=+12.5°。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化85】

【0185】
(例65)
(−)−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
例34による調製:(−)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.115g、0.38mmol)及びヨードメタン(1mL、15.9mmol)、ジメチルホルムアミド(2mL)、モルホリン(2mL)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:0〜1:1)による精製。収量:0.1g。[α]=−21.7°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化86】

【0186】
(例66)
(+)−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール
例34による調製:(+)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.1g、0.33mmol)及びヨードメタン(1mL、15.9mmol)、ジメチルホルムアミド(2mL)、モルホリン(2mL)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:0〜1:1)による精製。収量:0.05g。[α]=+21°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテル/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化87】

【0187】
(例67)
(+)−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール
例34による調製:(+)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−ピロリジン−3−オール(0.1g、0.33mmol)ヨードエタン(1mL、12.37mmol)、ジメチルホルムアミド(2mL)、モルホリン(2mL)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、1:0〜1:1)による精製。収量:0.05g。[α]=+16.7°(メタノール)。アミンをシュウ酸塩へ変換し、エタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶化した。
【化88】

【0188】
(例68)
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール1−オキシド
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール(0.65g、2.67mmol)をジクロロメタン(30ml)中に溶解し、m−クロロ安息香酸(1.38g、8.01mmol)を少しずつ添加した。混合物を周囲温度で15時間攪拌し、その後、溶媒の約75%を蒸発させた。メタノールを用いて溶出した塩基性Al2O3のフラッシュクロマトグラフィーを用いて、得られたスラリーを精製した。メタノールを蒸発させ、ジクロロメタン(50ml)及び炭酸ナトリウム水溶液(10%、50mL)を添加した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて、標記化合物(0.45g)を得た。アミンを塩酸塩へ変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化した。
【化89】

【0189】
(例69)
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール1−オキシド
例68による調製:(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール(1.3g、5.4mmol)、ジクロロメタン(60ml)、m−クロロ安息香酸(2.7g、16.2mmol)。収量:1.15g。
【化90】

【0190】
以下の調製は、上記実施例の合成で使用する。
【0191】
調製1:
TERT−ブチル3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
窒素下で、乾燥テトラヒドロフラン(40mL)中の1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン(3.13g、16.2mmol)の溶液へ、マグネシウム屑(0.39g、16.2mmol)を添加した。混合物を1時間還流させ、周囲温度まで冷却し、乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中の1−N−boc−3−ピロリジノン(2.0g、10.8mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を1時間還流し、周囲温度まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(40mL)を添加し、酢酸エチル(3×50mL)を用いて混合物を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させて、標記化合物(3.38g)を得た。
【化91】

【0192】
調製2:
3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
ジクロロメタン(100mL)中のtert−ブチル3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(3.38g、11.3mmol)の溶液へ、トリフルオロ酢酸(10mL)を添加した。混合物を周囲温度で1時間攪拌し、その後、溶媒を蒸発させた。Biotage Isolute SCX−3 SPEカラムで精製(メタノールを用いて洗浄し、メタノール/トリエチルアミン、4:1を用いて溶出した)して、標記化合物(1.04g)を得た。
【化92】

【0193】
調製3:
(+)及び(−)−1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
調製1による調製:1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン(2.0g、10.3mmol)、マグネシウム屑(0.25g、10.3mmol)、1−ベンジルピロリジン−3−オン(1.65g、9.3mmol)。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソオクタン、1:4〜1:1)を使用した精製。収量:0.81g。
【化93】


Kromasil 5−CellucoatでのHPLC(ヘプタン/2−プロパノール/ジエチルアミン、99:1:0.1)により各エナンチオマーを分離した。(+)−エナンチオマー(0.23g)。[α]=+28.3°(メタノール)。
【化94】


(−)−エナンチオマー(0.35g)。[α]=−28.1°(メタノール)。
【化95】

【0194】
調製4:
3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
エタノール(20mL)中の1−ベンジル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.55g、1.9mmol)及びギ酸アンモニウム(0.36g、5.7mmol)の混合物へ、炭素上パラジウム(0.11g)を添加し、混合物を1時間還流させ、周囲温度まで冷却し、セライトのパッドを通して濾過した。濾液を蒸発させ、標記化合物(0.4g)を得た。
【化96】

【0195】
調製5:
TERT−ブチル3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
窒素下で、乾燥テトラヒドロフラン(40mL)中の1−ブロモ−3−クロロ−5−フルオロベンゼン(4.0g、19.1mmol)の溶液へ、マグネシウム屑(0.47g、21.0mmol)及びヨウ素の小片を添加した。ヒートガンを用いて、色が消滅するまで混合物を加熱し、次いで周囲温度で0.5時間攪拌し、その後、乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中の1−N−boc−3−ピロリジノン(2.8g、15.3mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を周囲温度で0.5時間攪拌し、次いで水(70mL)を用いてクエンチした。飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を添加し、酢酸エチル(2×100mL)を用いて混合物を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソオクタン、1:1)により精製して、標記化合物(2.43g)を得た。
【化97】

【0196】
調製6:
TERT−ブチル3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
調製5による調製:4−ブロモ−2−クロロ−1−フルオロベンゼン(4.0g、19.1mmol)、乾燥テトラヒドロフラン(50mL)、マグネシウム屑(0.5g、21.0mmol)及び1−N−boc−3−ピロリジノン(3.89g、21.0mmol)。収量:1.65g。
【化98】

【0197】
調製7:
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
調製2による調製:tert−ブチル3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(0.87g、2.77mmol)、ジクロロメタン(3mL)及びトリフロオロ酢酸(3mL)。5時間攪拌した。収量:0.31g。
【化99】

【0198】
調製8:
TERT−ブチル3−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
調製23による調製:1−ブロモ−2,3−ジフルオロベンゼン(3.12g、16.2mmol)、乾燥ジエチルエーテル(30mL)、N−ブチルリチウム(2.5M、6.5mL、16.2mmol)、1−N−boc−3−ピロリジノン(2.0g、10.8mmol)。1−N−boc−3−ピロリジノンの添加前に−78℃で2時間、及び添加後に周囲温度で1時間攪拌した。収量:1.72g。
【化100】

【0199】
調製9:
3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
調製2による調製:tert−ブチル3−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(1.72g、5.75mmol)、ジクロロメタン(3mL)及びトリフロオロ酢酸(3mL)。3時間攪拌した。収量:0.31g。
【化101】

【0200】
調製10:
TERT−ブチル3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
調製5による調製:1−ブロモ−3,5−ジクロロベンゼン(5.0g、22.1mmol)、乾燥テトラヒドロフラン(100mL)、マグネシウム屑(0.54g、24.3mmol)及び1−N−boc−3−ピロリジノン(3.25g、17.7mmol)。収量:2.1g。
【化102】

【0201】
調製11:
3−(3,5−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール
調製2による調製:tert−ブチル3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(1.3g、3.9mmol)、ジクロロメタン(10mL)及びトリフロオロ酢酸(3mL)。1時間攪拌した。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、20:80〜40:60)による精製。収量:0.57g。
【化103】

【0202】
調製12:
TERT−ブチル3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
調製1による調製:4−ブロモ−1,2−ジクロロベンゼン(2.0g、8.85mmol)、乾燥テトラヒドロフラン(35mL)、マグネシウム屑(0.21g、8,85mmol)及び1−N−boc−3−ピロリジノン(1.63g、8.85mmol)。1−N−boc−3−ピロリジノンの添加前に1時間、及び添加後に2時間還流した。収量:1.0g。
【化104】

【0203】
調製13:
3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール
調製2による調製:tert−ブチル3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(1.0g、3.0mmol)、ジクロロメタン(2mL)及びトリフロオロ酢酸(1mL)。12時間攪拌した。収量:0.34g。
【化105】

【0204】
調製14:
1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン
ジクロロメタン(20mL)中の1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(1.9g、6.6mmol)の冷却した(0℃)溶液へ、ジクロロメタン(5mL)中に溶解したジエチルアミノ硫黄三フッ化物(1.05mL、7.26mmol)を滴下し、混合物を周囲温度で1時間攪拌した。追加のジエチルアミノ硫黄三フッ化物(0.1mL、0.69mmol)を添加し、0.5時間攪拌し続けた。炭酸ナトリウム水溶液(10%、50mL)を添加し、各相を分離した。ジクロロメタン(50mL)を用いて水相を抽出し、プールした有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.65g)を得た。
【化106】

【0205】
調製15:
TERT−ブチル3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン−1−カルボキシレート
ジクロロメタン(50mL)中のtert−ブチル3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(0.88g、2.65mmol)の冷却した(0℃)溶液へ、ジクロロメタン(20mL)中に溶解したジエチルアミノ硫黄三フッ化物(0.35mL、2.65mmol)を滴下し、混合物を0℃で20分間、及び周囲温度で10分間攪拌した。炭酸ナトリウム水溶液(10%、50mL)を添加し、各相を分離した。ジクロロメタン(2×50mL)を用いて水相を抽出し、プールした有機相を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.45g)を得た。
【化107】

【0206】
調製16:
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−ピロリジン−3−オール
窒素を用いて、1−ベンジル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−ピロリジン−3−オール(1.5g、5.2mmol)及びメタノール(50mL)中のギ酸アンモニウム(3.26g、52mmol)の混合物をパージし、炭素上パラジウム(150mg)を添加した。混合物を1時間還流させた。混合物を濾過し、濾液を蒸発させた。炭酸ナトリウム水溶液(10%)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて水相を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させて、標記化合物(0.740g)を得た。
【化108】

【0207】
調製17:
1−ベンジル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−ピロリジン−3−オール
窒素下で、乾燥ジエチルエーテル(30mL)中の1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(7.49g、38.5mmol)の溶液へ、n−ヘキシルリチウム(ヘキサン中で2.3M、16.77mL、38.5mmol)を−78℃で滴下した。混合物を1分間攪拌し、その後、乾燥ジエチルエーテル(30mL)中の1−ベンジルピロリジン−3−オン(4.5g、25.7mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を周囲温度にし、水(50mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて混合物を抽出した。ブラインを用いて合わせた有機相を洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソオクタン、1:1)により精製して、標記化合物(5.7g)を得た。
【化109】

【0208】
調製18:
3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オールのエナンチオマーE1
窒素を用いて、1−ベンジル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.81g、2.8mmol)のエナンチオマーE1、メタノール(15mL)及び炭素上パラジウム(160mg)の混合物をパージした。トリエチルシラン(6.5g、56mmol)を滴下し、得られた混合物を周囲温度で3時間攪拌し、その後、混合物をセライトで濾過し、蒸発させた。メタノール(15mL)及び炭素上パラジウム(160mg)を添加し、窒素を用いて混合物をパージした。トリエチルシラン(6.5g、56mmol)を1.5時間にわたって等量で5回添加し、得られた混合物を周囲温度で11.5時間攪拌した。混合物をセライトで濾過し、蒸発させ、Biotage Isolute SCX−3 SPEカラムで精製(メタノールを用いて洗浄し、メタノール/トリエチルアミン、4:1を用いて溶出した)して、標記化合物(0.52g)を得た。
【化110】

【0209】
調製19:
3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オールのエナンチオマーE2
調製18による調製:1−ベンジル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.835g、2.89mmol)のエナンチオマーE2、メタノール(15mL)、炭素上パラジウム(165mg)、トリエチルシラン(6.7g、57.7mmol)。反応再開:メタノール(15mL)、炭素上パラジウム(165mg)、トリエチルシラン(6.7g、57.7mmol)。Biotage Isolute SCX−3 SPEカラムでの精製(メタノールを用いて洗浄し、メタノール/トリエチルアミン 4:1を用いて溶出した)。収量:0.54g。
【化111】

【0210】
調製20:
3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オールのエナンチオマーE1
窒素を用いて、(+)−1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.853g、2.95mmol)、メタノール(15mL)及び炭素上パラジウム(170mg)の混合物をパージした。トリエチルシラン(3.42g、29.5mmol)を3.5時間にわたって等量で7回添加し、得られた混合物を周囲温度で3時間攪拌した。混合物をセライトで濾過し、蒸発させ、Biotage Isolute SCX−3 SPEカラムで精製(メタノールを用いて洗浄し、メタノール/トリエチルアミン、4:1を用いて溶出した)して、標記化合物(0.53g)を得た。
【化112】

【0211】
調製21:
3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オールのエナンチオマーE2
例18による調製:(−)−1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.81g、2.8mmol)、メタノール(15mL)、炭素上パラジウム(165mg)及びトリエチルシラン(3.25g、28mmol)。収量0.53g。
【化113】

【0212】
調製22:
(+)及び(−)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
窒素下で、乾燥テトラヒドロフラン(40mL)中の1−ブロモ−3−クロロ−2−フルオロベンゼン(6g、28.7mmol)の溶液へ、マグネシウム屑(0.82g、25.8mmol)を添加した。混合物を30分間還流し、周囲温度まで冷却し、乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中の1−ベンジルピロリジン−3−オン(4.5g、25.8mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を55℃で3時間攪拌し、その後、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を添加し、酢酸エチル(3×50mL)を用いて混合物を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(イソオクタン/酢酸エチル、1:1)による精製。収量:0.9g。Kromasil 5−CellucoatでのHPLC(ヘプタン/2−プロパノール/ジエチルアミン、99:1:0.1)により各エナンチオマーを分離した。(+)−エナンチオマー(0.315g)。[α]=+59.3°(メタノール)。
【化114】


(−)−エナンチオマー(0.33g)。[α]=−60.4°(メタノール)。
【化115】

【0213】
各エナンチオマーは、以下の方法により分離することもできる:1.0当量の(+)及び(−)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール及び2.0当量の(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸を温メタノール(2L/モル)中に溶解し、−20℃まで冷却した。形成した塩は、高エナンチオマー過剰率の(+)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オールを含有していた。
【0214】
調製23:
(+)及び(−)−1−ベンジル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
窒素下−78℃で、乾燥ジエチルエーテル(50mL)中の1−ブロモ−2,3−ジフルオロベンゼン(5.79g、30mmol)の溶液へ、n−ブチルリチウム(ヘキサン中で2.5M、13.2mL、33mmol)を滴下した。混合物を−78℃で30分間攪拌し、その後、乾燥ジエチルエーテル(15mL)中の1−ベンジルピロリジン−3−オン(5.25g、30mmol)の溶液を滴下した。混合物を−78℃で1時間、及び周囲温度で1時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて混合物を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソオクタン/トリエチルアミン、10:85:5)による精製。収量:3.7g。Kromasil 5−CellucoatでのHPLC(ヘプタン/2−プロパノール/ジエチルアミン、99:1:0.1)により各エナンチオマーを分離した。(+)−エナンチオマー(1.69g)。[α]=+47.0°(メタノール)。
【化116】


(−)−エナンチオマー(1.54g)。[α]=−46.2°(メタノール)。
【化117】

【0215】
調製24:
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
ジクロロメタン(80mL)中のtert−ブチル3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(2.43g、7.7mmol)の溶液へ、トリフルオロ酢酸(5mL)を添加した。混合物を1.5時間攪拌し、その後、炭酸ナトリウム水溶液(10%、50mL)を用いて混合物を塩基性化し、蒸発させた。酢酸エチル(100mL)を添加し、ブラインを用いて混合物を洗浄し、有機相を乾燥させ(MSO4)、蒸発させた。Biotage Isolute SCX−3 SPEカラムでの精製(メタノールを用いて洗浄し、メタノール/トリエチルアミンを用いて溶出し、4:1)、及びWaters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、20:80〜0:100)により、標記化合物(1.07g)を得た。
【化118】

【0216】
調製25:
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
調製2による調製:tert−ブチル3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(4.42g、14mmol)、ジクロロメタン(100mL)、トリフロオロ酢酸(10mL)。1時間攪拌した。収量:2.24g。
【0217】
調製26:
TERT−ブチル3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
窒素下−78℃で、乾燥テトラヒドロフラン(50mL)中の1−ブロモ−3−クロロ−2−フルオロベンゼン(5.0g、23.8mmol)の溶液へ、n−ブチルリチウム(テトラヒドロフラン中で2.5M、9.5mL、23.8mmol)を滴下した。混合物を−78℃で0.5時間攪拌し、その後、乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中の1−N−boc−3−ピロリジノン(4.37g、23.8mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を周囲温度にし、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を添加し、酢酸エチル(3×50mL)を用いて混合物を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、4:1〜1:1)により精製して、標記化合物(4.42g)を得た。
【化119】

【0218】
調製27:
3−(2,3−ジクロロフェニル)ピロリジン−3−オール
調製2による調製:tert−ブチル3−(2,3−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(1.23g、3.7mmol)、ジクロロメタン(20mL)、トリフロオロ酢酸(3mL)。0.5時間攪拌した。Waters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、20:80〜0:100)による精製。収量:0.35g。
【化120】

【0219】
調製28:
TERT−ブチル3−(2,3−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
例23による調製:乾燥テトラヒドロフラン(40mL)中の1−ブロモ−2,3−ジクロロベンゼン(2.1g、9.23mmol)、n−ブチルリチウム(テトラヒドロフラン中で2.5M、3.7mL、9.23mmol)、乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中の1−N−boc−3−ピロリジノン(1.13g、6.15mmol)。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソオクタン/酢酸エチル、4:1〜1:1)により精製した。収量:1.23g。
【化121】

【0220】
調製29:
3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
調製2による調製:tert−ブチル3−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(2.6g、8.69mmol)、ジクロロメタン(3mL)及びトリフロオロ酢酸(3mL)。4時間攪拌した。収量:1.32g。
【化122】

【0221】
調製30:
TERT−ブチル3−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
窒素下−78℃で、乾燥ジエチルエーテル(25mL)中の1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼン(3.5g、18.13mmol)の溶液へ、n−ブチルリチウム(ヘキサン中で2.5M、7.25mL、18.13mmol)を滴下した。混合物を−78℃で30分間攪拌し、その後、乾燥ジエチルエーテル(25mL)中の1−N−boc−3−ピロリジノン(3.35g、18.13mmol)の溶液を滴下した。混合物を−78℃で10分間攪拌し、次いで2時間にわたって周囲温度にした。炭酸ナトリウム水溶液(10%)を添加し、酢酸エチル(3×50mL)を用いて混合物を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソオクタン/酢酸エチル、4:1〜1:1)により精製して、標記化合物(2.6g)を得た。
【化123】

【0222】
調製31:
3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オールのエナンチオマーE2
窒素を用いて、(−)−1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(2.73g、9.44mmol)、メタノール(20mL)及び炭素上パラジウム(500mg)の混合物をパージした。トリエチルシラン(15.09mL、94.4mmol)を3時間にわたって滴下し、混合物を周囲温度で24時間攪拌した。混合物をセライトで濾過し、蒸発させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール/−トリエチルアミン、1:0〜0:4:1)により精製して、標記化合物(1.4g)を得た。
【化124】

【0223】
調製32:
3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オールのエナンチオマーE1
調製18による調製:(+)−1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(2.89g、10mmol)、メタノール(20mL)、炭素上パラジウム(500mg)、トリエチルシラン(15.97mL、100mmol)。収量0.92g。
【化125】

【0224】
調製33:
(+)及び(−)−1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
Kromasil 10−CellucoatでのHPLC(ヘプタン/2−プロパノール/ジエチルアミン、97.5:2.5:0.1)により1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(7.2g、24.9mmol)の各エナンチオマーを分離した。(+)−エナンチオマー(2.89g)。[α]=+28.3°(メタノール)。
【化126】


(−)−エナンチオマー(2.89g)。[α]=−28.1°(メタノール)。
【化127】

【0225】
調製34:
1−ベンジル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
窒素下で、乾燥テトラヒドロフラン(60mL)中の1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン(10g、57.14mmol)の溶液へ、マグネシウム屑(1.37g、57.14mmol)及びヨウ素の結晶を1つ添加した。混合物が自然に還流し始め、すべてのマグネシウムが消費されると、乾燥テトラヒドロフラン(40mL)中の1−ベンジルピロリジン−3−オン(10g、57.14mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を60℃まで2時間加熱し、その後、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を添加した。酢酸エチル(2×50mL)を用いて混合物を抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(イソオクタン/酢酸エチル、1:1及び6:4)により2回精製して、標記化合物(5.5g)を得た。
【化128】

【0226】
調製35:
1−ベンジル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
窒素下−78℃で、乾燥ジエチルエーテル(150mL)中の1−ブロモ−2,3−ジフルオロベンゼン(25g、129.5mmol)の溶液へ、n−ブチルリチウム(ヘキサン中で2.5M、51.8mL、129.5mmol)を滴下した。混合物を30分間攪拌し、その後、乾燥ジエチルエーテル(50mL)中の1−ベンジルピロリジン−3−オン(20.4g、116.5mmol)の溶液を滴下した。混合物を−78℃で30分間、周囲温度で2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて混合物を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(イソオクタン/酢酸エチル/トリエチルアミン、75:20:5)により精製して、標記化合物(19.5g)を得た。
【化129】

【0227】
調製36:
(+)及び(−)−1−ベンジル−3−チエン−2−イルピロリジン−3−オール
Kromasil 10−CellucoatでのHPLC(ヘプタン/2−プロパノール/ジエチルアミン、92.5:7.5:0.1)により1−ベンジル−3−チエン−2−イルピロリジン−3−オール(2.9g、11.2mmol)のエナンチオマーを分離した。(+)−エナンチオマー(0.137g)。[α]=+26.3°(メタノール)。
【化130】


(−)−エナンチオマー(0.102g)。[α]=−25.0°(メタノール)。
【化131】

【0228】
調製37:
(+)及び(−)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
Kromasil 10−CellucoatでのHPLC(ヘプタン/2−プロパノール/ジエチルアミン、95:5:0.1)により1−ベンジル−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(0.92g、3mmol)の各エナンチオマーを分離した。(+)−エナンチオマー(0.2g)。[α]=+31.9°(メタノール)。
【化132】


(−)−エナンチオマー(2.89g)。[α]=−30.2°(メタノール)。
【化133】

【0229】
調製38:
1−ベンジル−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
窒素下で、乾燥テトラヒドロフラン(50mL)中の1−ブロモ−3−クロロ−5−フルオロベンゼン(5g、23.9mmol)の溶液へ、マグネシウム屑(0.58g、26.2mmol)及びヨウ素の結晶を1つ添加した。混合物を自律的還流が始まるまで加熱した。還流が終わると、乾燥テトラヒドロフラン(50mL)中の1−N−ベンジル−3−ピロリドン(4.17g、23.9mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を周囲温度で15分攪拌し、その後、飽和塩化アンモニウム水溶液(40mL)を添加した。Tert−ブチルメチルエーテルを用いて水相を抽出し、HCl水溶液(10%、200mL)を用いて合わせた有機相を抽出し、NaOH水溶液(5M)を用いて水相を塩基性化し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて混合物を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲルで精製(イソオクタン/酢酸エチル、1:1〜0:1)して、標記化合物(0.92g)を得た。
【0230】
調製39:
(+)及び(−)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
Kromasil 10−CellucoatでのHPLC(ヘプタン/2−プロパノール/ジエチルアミン、95:5:0.1)により1−ベンジル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(5g、16.4mmol)の各エナンチオマーを分離した。(+)−エナンチオマー(1.63g)。[α]=+59.3°(メタノール)。
【化134】


(−)−エナンチオマー(1.48g)。[α]=−60.4°(メタノール)。
【化135】

【0231】
調製40:
1−ベンジル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
窒素下−78℃で、乾燥ジエチルエーテル(100mL)中の1−ブロモ−3−クロロ−2−フルオロベンゼン(11.8g、56.3mmol)の溶液へ、n−ブチルリチウム(ヘキサン中で2.5M、22.5mL、56.3mmol)を滴下した。混合物を−78℃で10分間攪拌し、その後、乾燥ジエチルエーテル(50mL)中の1−ベンジルピロリジン−3−オン(10g、56.3mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を周囲温度にし、塩化アンモニウム水溶液(50%、50mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて混合物を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(イソオクタン/酢酸エチル、1:1)により精製して、標記化合物(16g)を得た。
【化136】

【0232】
調製41:
1−ベンジル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オールのエナンチオマーE1及びE2
窒素下−78℃で、乾燥ジエチルエーテル(25mL)中の1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼン(4g、20.7mmol)の溶液へ、n−ブチルリチウム(ヘキサン中で2.5M、8.3mL、20.7mmol)を滴下した。混合物を−78℃で1時間攪拌し、その後、乾燥ジエチルエーテル(15mL)中の1−ベンジルピロリジン−3−オン(3.62g、20.7mmol)の溶液を滴下した。混合物を−78℃で15分間、及び周囲温度で1時間を攪拌し、その後、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を添加し、酢酸エチル(2×50mL)を用いて混合物を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(イソオクタン/酢酸エチル、4:1〜1:1及びアイソクラチック3:2)により2回精製して、標記化合物(2.32g)を得た。
【化137】


キラルHPLC(Kromasil 5−Cellucoat、ヘプタン/2−プロパノール/ジエチルアミン、99:1:0.1)により各エナンチオマーを分離した。収量:エナンチオマーE1、0.81g、エナンチオマーE2 0.835g。
【0233】
調製42:
1−ベンジル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン
0℃のジクロロメタン(30mL)中の1−ベンジル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(5.3g、18.3mmol)の溶液へ、ジクロロメタン中のジエチルアミノ硫黄三フッ化物(2.93mL、22.4mmol)の溶液を滴下した。冷却を解除し、混合物を周囲温度で2時間攪拌し、その後、さらなる量のジエチルアミノ硫黄三フッ化物(0.1mL、0.76mmol)を添加した。混合物を周囲温度で1時間攪拌し、その後、炭酸水素ナトリウム水溶液(10%)を添加し、酢酸エチルを用いて混合物を抽出した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(イソオクタン/酢酸エチル、1:0〜1:1)により精製して、標記化合物(2g)を得た。
【化138】

【0234】
調製43:
TERT−ブチル3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
窒素下で、マグネシウム屑(0.38g、14.4mmol)、ヨウ素の小さい結晶及び乾燥テトラヒドロフラン(30mL)中の数滴のジブロモエタンのスラリーへ、乾燥テトラヒドロフラン(30mL)中の1−ブロモ−3−クロロ−5−フルオロベンゼン(3g、14.4mmol)の溶液を添加した。混合物を30分間還流し、次いで周囲温度まで冷却し、その後、少量の乾燥テトラヒドロフラン中の1−N−boc−3−ピロリドン(2.9g、15.8mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を周囲温度で2時間攪拌し、その後、炭酸ナトリウム水溶液(10%)を添加し、酢酸エチル(3×50mL)を用いて混合物を抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソオクタン/酢酸エチル、1:0〜1:1)により精製して、標記化合物(1.6g)を得た。
【化139】

【0235】
調製44:
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
調製2による調製:tert−ブチル3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(1.6g、5.08mmol)、ジクロロメタン(3mL)及びトリフロオロ酢酸(3mL)。4時間攪拌した。Biotage Isolute SCX−3 SPEカラムでの精製(メタノールを用いて洗浄し、メタノール/トリエチルアミン、4:1を用いて溶出した)及びWaters OBD C18、5μmでのHPLC(MeOH/33mM NH3、20:80〜100:0)による精製。収量:1.1g。
【化140】

【0236】
調製45:
3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
ジクロロメタン(2mL)中のtert−ブチル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(0.34g、1.13mmol)の溶液へ、トリフルオロ酢酸(2mL)を添加した。混合物を周囲温度で4時間攪拌した。混合物をBiotage Isolute SCX−3 SPEカラムで精製(メタノールを用いて洗浄し、メタノール/トリエチルアミン、4:1を用いて溶出した)して、標記化合物(0.19g)を得た。
【化141】

【0237】
調製46:
TERT−ブチル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
1−ベンジル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(2.83g、9.8mmol)、ポリメチルヒドロシロキサン(1.8g、30mmol)及びエタノール(100mL)中の炭素上水酸化パラジウム(150mg)の混合物へ、ジ−tert−ブチルジカーボネート(2.4g、10.77mmol)を添加した。混合物を周囲温度で24時間攪拌し、セライトで濾過し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(イソオクタン/酢酸エチル、1:2)により精製して、標記化合物(2.79g)を得た。
【化142】

【0238】
調製47:
1−ベンジル−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール
窒素下−78℃で、乾燥ジエチルエーテル(40mL)中の1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼン(5.0g、25.9mmol)の溶液へ、n−ブチルリチウム(ヘキサン中で2.5M、10.36mL、25.9mmol)を滴下した。混合物を1時間攪拌し、その後、乾燥ジエチルエーテル(20mL)中の1−ベンジルピロリジン−3−オン(3.63g、20.7mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を−78℃で1時間攪拌し、次いで周囲温度にした。炭酸ナトリウム水溶液(10%、50mL)を添加し、酢酸エチル(3×50mL)を用いて水相を抽出した。ブラインを用いて合わせた有機相を洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソオクタン、1:1)により精製して、標記化合物を得た(3.6g)。
【化143】

【0239】
調製48:
3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オールのエナンチオマーE1
調製4による調製:(+)−1−ベンジル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(2.86g、9.88mmol)、ギ酸アンモニウム(1.25g、19.76mmol)、エタノール(50mL)及び炭素上パラジウム(130mg)。90分間還流した。ジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル(1:1、50mL)を添加し、セライトを通して混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(トリエチルアミン/メタノール、0:1〜1:4)により精製して、標記化合物(1.0g)を得た。
【化144】

【0240】
調製49:
3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オールのエナンチオマーE2
調製4による調製:(−)−1−ベンジル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール(5.5g、19mmol)、ギ酸アンモニウム(3g、48mmol)、エタノール(100mL)及び炭素上パラジウム(300mg)。35分間還流した。ジクロロメタン/tert−ブチルメチルエーテル(1:1、100mL)を添加し、セライトを通して混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、標記化合物(4.5g)を得た。
【化145】

【0241】
以下の各試験は、本発明の化合物の評価のために使用した。
【0242】
in vivo試験:神経化学
秤量値220〜320gの雄性Sprague−Dawleyラットを実験中使用する。試験物質の投与の60分後、各ラットを断頭する。断頭の直後、頭蓋骨から脳を取り出し、氷で満たしたガラスペトリ皿上に置く。2つの細い、角度のついたピンセットを使用して、辺縁系(側坐核−コア及びシェルの両方、嗅結節及び腹側淡蒼球の大部分を含有する)を解剖し、ドライアイス(−78℃の二酸化炭素)上の箔の上に直接置く。次いで、線条体及び皮質を解剖し、やはりドライアイス上に置く。断頭から最後の組織を解剖するまでの時間は、4〜6分と変動する。コンピュータに接続し、標識したスズ箔で包んだSartorius BP3105を使用して組織を秤量し、次いで、−80℃のフリーザーで保存する。神経化学分析を実施するときまで組織を凍結したままにするために、細心の注意を払う。モノアミン類及びその代謝産物の含量に関して、脳の各部分を引き続き分析する。
【0243】
HPLC分離及び電気化学検出により、脳組織ホモジネート中で、モノアミン伝達物質(NE(ノルエピネフリン)、DA(ドーパミン)、5−HT(セロトニン))並びにそのアミン(NM(ノルメタネフリン)、3−MT(3−メトキシチラミン))及び酸(DOPAC(3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸)、5−HIAA(5−ヒドロキシインドール酢酸)、HVA(ホモバニリン酸))代謝産物を定量化する。
【0244】
分析手法は、アミン類又は酸類専用の2種のクロマトグラフィー分離法に基づく。2種のクロマトグラフィー系は、10ポート弁、及びその2つの系への同時注入用の2つの試料ループを有する共通の自動注入装置を共有する。両方の系は、逆相カラム(Luna C18(2)、dp 3μm、502mm i.d.、Phenomenex)を備え、電気化学検出は、ガラス状炭素電極(MF−1000、Bioanalytical Systems,Inc.)上の2つの電位で達成される。カラム溶出物は、T接続を介して検出セル又は廃棄物排出口へ進む。このことは、廃棄物又は検出器排出口をブロックする2つのソレノイド弁により達成される。クロマトグラフィー前端が検出器に達することを予防することにより、より良好な検出条件が実現する。酸系用の水性移動相(0.4mL/分)は、クエン酸14mM、クエン酸ナトリウム10mM、MeOH15%(v/v)及びEDTA0.1mMを含有する。Ag/AgCl参照電極に対する検出電位は、0.45及び0.60Vである。アミン系用の水性イオン対移動相(0.5mL/分)は、クエン酸5mM、クエン酸ナトリウム10mM、MeOH9%(v/v)、MeCN10.5%(v/v)、デカンスルホン酸0.45mM、及びEDTA0.1mMを含有する。Ag/AgCl参照電極に対する検出電位は、0.45及び0.65Vである。
【0245】
In vivo試験:微小透析
秤量値220〜320gの雄性Sprague−Dawleyラットを実験中使用する。実験の前に、各ケージに5匹の動物、水及び飼料を自由に摂取できる状態で、該動物を群飼した。手術及び実験での使用の前に、到着後少なくとも5日間、該動物を飼育した。各ラットを微小透析に1回のみ使用した。
【0246】
本発明者らは、I字型プローブ(Santiago and Westerink 1990)の変形版(Waters、Lofbergら、1994)を使用する。本発明者らが使用する透析膜は、AN69ポリアクリロニトリル/メタリルスルホン酸ナトリウムコポリマー(HOSPAL;o.d./i.d.310/220μm:Gambro、Lund、Sweden)である。本発明者らは、背側線条体では、透析膜の露出部分の長さが3mmであり、前頭前皮質における対応する長さが2.5mmであるプローブを使用する。各ラットをKopf定位固定装置に乗せながら、イソフルラン吸入麻酔下で手術した。(Paxinos and Watson 1986)に従って、ブレグマに関連して座標を算出した。背側線条体AP+1、ML±2.6、DV−6.2;Pf皮質、AP+3.2、8°ML±1.2、DV−4.0。定位的な誘導の下で透析プローブを穿頭孔中に置き、ホスファチン歯科用セメントを用いて接着した。
【0247】
透析実験の前に、各ラットをケージで個別に40時間飼育し、手術から回復させ、以下の実験の間の麻酔薬との薬物相互作用の危険性を最小限にした。この期間の間、各ラットに飼料及び水を自由に摂取させた。実験の日に、スイベルを介して各ラットに微小灌流ポンプを接続し、その制限内で自由に移動できるケージ内に再び入れる。灌流培地は、(Moghaddam and Bunney 1989)に従って、mmol/lで、NaCl、140、CaCl2、1.2、KCl、3.0、MgCl2、1.0及びアスコルビン酸、0.04を含有するRingerの溶液であった。該ポンプを2μl/分の灌流速度に設定し、20分毎に40μlの試料を回収した。
【0248】
HPLC分離及び電気化学検出により、脳組織ホモジネート中で、モノアミン伝達物質(NE(ノルエピネフリン)、DA(ドーパミン)、5−HT(セロトニン))並びにそのアミン(NM(ノルメタネフリン)、3−MT(3−メトキシチラミン))及び酸(DOPAC(3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸)、5−HIAA(5−ヒドロキシインドール酢酸)、HVA(ホモバニリン酸))代謝産物を定量化する。
【0249】
HPLC分離及び電気化学検出により、微小透析試料中で、モノアミン伝達物質(NA、DA、5−HT)並びにそのアミン(NM、3−MT)及び酸(DOPAC、5−HIAA、HVA)代謝産物を定量化する。
【0250】
分析手法は、アミン類又は酸類専用の2種のクロマトグラフィー分離法に基づく。2種のクロマトグラフィー系は、10ポート弁、及びその2つの系への同時注入用の2つの試料ループ(酸のために5μl、アミン類のために20μl)を有する共通の自動注入装置を共有する。各酸は、逆相クロマトグラフィーにより分離し、一方、アミン類は、カラムスイッチング構成での逆相分離の後に逆相イオン対形成により分離する。
【0251】
様々な長さの3つの分離カラム(Luna C18(2)、dp 3μm、2mm i.d.、Phenomenex)を使用する。電気化学検出は、ガラス状炭素電極(MF−1000、Bioanalytical Systems,Inc.)上で達成される。
【0252】
酸系用の水性移動相(0.6mL/分)は、クエン酸40mM、リン酸水素二カリウム10mM、MeOH8%(v/v)及びEDTA0.1mMを含有する。カラムの長さは30mmである。Ag/AgCl参照電極に対する検出電位は、0.70Vである。
【0253】
アミン系用の水性イオン対移動相(0.4mL/分)は、クエン酸5mM、クエン酸ナトリウム10mM、MeCN10%(v/v)、THF4%(v/v)、ドデカンスルホン酸0.05mM、及びEDTA0.1mMを含有する。カラムの長さは、50mmである。Ag/AgCl参照電極に対する検出電位は、0.45及び0.65Vである。
【0254】
合わせた逆相分離用の水性移動相(0.4mL/分)は、イオン対移動相と同一であるが、ドデカンスルホン酸は除く。カラムの長さは、20mmである。最適化のために、時間と共に分析条件の若干の修正が発生し得る。
【0255】
実験後、灌流ポンプから各ラットを離し、断頭した。その脳を迅速に取り出し、後のプローブ局在化の検査のために、Accustain溶液(Sigma、Sweden)中に固定した。Goteborg、Swedenの動物倫理委員会(Animal Ethics Committee)が、これらの実験に適用した手順を承認した。
【0256】
参考文献1の比較例16に関しては、より初期の分析手順が使用された。この手順では、アミン類は、カラムスイッチングなしで分離され、イオン対形成条件は、多少異なって最適化される。参考文献1の比較例16に関しては、麻酔は、ケタミン及びキシラジンの注入により行われ、脳は、後のプローブ局在化の検査のために、Neo−fix溶液(Kebolab、Sweden)中に固定される。
【0257】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(2)
【化1】


(式中、
Arは、フェニル、チオフェニル、フラニル、2−ピリミジニル、オキサゾイル及びチアゾリルからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、F及びClからなる群から選択され、
は、H、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、s−Bu、t−Bu、シクロプロピルメチル、CFHCHCH−、CFHCHCH−、CFCHCH−、アリル及びCHOCHCH−からなる群から選択され、
Xは、F又はOHからなる群から選択され、但し、XがOHである場合、RはHではない)
の化合物、その立体異性体のいずれか又はその立体異性体の任意の混合物、或いはそのN−オキシド、或いは医薬として許容できるその塩。
【請求項2】
Arがフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(3)、
【化2】


又は式(4)、
【化3】


又は式(5)、
【化4】


又は式(6)、
【化5】


(式中、R、R、R及びXは、請求項1で定義したとおりである)
の、請求項1又は2に記載の化合物、並びに医薬として許容できるその塩。
【請求項4】
がFである、請求項1から3までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
がFであり、RがH又はMeである、請求項1から4までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
がEt又はn−Prである、請求項1から4までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
がMeである、請求項1から5までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
(+)−エナンチオマー形態である、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
(−)−エナンチオマー形態である、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−1−メチルピロリジン;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(3,5−ジクロロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジクロロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−フルオロピロリジン;
(+)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−プロピルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
(−)−1−ブチル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(−)−1−アリル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
(−)−1−ブチル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(−)−1−アリル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピロリジン−3−オール;
(−)−1−(シクロプロピルメチル)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−イソプロピルピロリジン−3−オール;
(+)−1−ブチル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
(+)−1−アリル−3−(3,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(+)−1−ブチル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−3−オール;
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−イソブチルピロリジン−3−オール;
(+)−1−アリル−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(+)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピロリジン−3−オール;
(+)−1−(シクロプロピルメチル)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−オール;
(−)−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−メチルピロリジン−3−オール;
(+)−3−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−1−エチルピロリジン−3−オール;
である、請求項1に記載の化合物、又は医薬として許容できるその塩。
【請求項11】
治療有効量の請求項1から10までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか又はその立体異性体の任意の混合物、或いはそのN−オキシド、或いは医薬として許容できるその塩を、1つ又は複数の医薬として許容できる担体又は希釈剤と共に含む医薬組成物。
【請求項12】
薬物の製造のための、請求項1から10までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか又はその立体異性体の任意の混合物、或いはそのN−オキシド、或いは医薬として許容できるその塩の使用。
【請求項13】
ヒトを含む哺乳動物の疾患又は中枢神経系障害の治療、予防又は軽減用の医薬組成物の製造のための、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記中枢神経系障害が、認知障害、神経変性障害、認知症、加齢性認知機能障害、発達障害、自閉症スペクトラム障害、ADHD、脳性麻痺、ジルドラトゥレット症候群、統合失調症の中核症状の一部として発生する認知障害、統合失調症、統合失調様障害、情動障害、鬱病、双極性障害、不安障害、全般性不安障害(GAD)、特定恐怖症、パニック障害(PD)、又は睡眠障害である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
ヒトを含む動物生体の中枢神経系障害の治療、予防又は軽減の方法であって、治療有効量の請求項1から10までのいずれか一項に記載の化合物、或いはその立体異性体のいずれか又はその立体異性体の任意の混合物、或いはそのN−オキシド、或いは医薬として許容できるその塩を、必要とするそのような動物生体に投与するステップを含む、上記方法。
【請求項16】
薬物として使用するための、請求項1から10までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか又はその立体異性体の任意の混合物、或いはそのN−オキシド、又は医薬として許容できるその塩。
【請求項17】
ヒトを含む哺乳動物の、中枢神経系におけるドーパミン作動性機能の調節に応答する疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減に使用するための、請求項1から10までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか又はその立体異性体の任意の混合物、或いはそのN−オキシド、又は医薬として許容できるその塩。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2010−529081(P2010−529081A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510783(P2010−510783)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/EP2008/056915
【国際公開番号】WO2008/148801
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(508356445)エヌエスエイビー、フィリアル アヴ ノイロサーチ スウェーデン エービー、スヴェーリエ (10)
【Fターム(参考)】